地方行政・大蔵連合委員会 第4号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/04/14
会議録
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政大蔵連合委員会を開会いたします。 先ず油井委員がこの前の連合委員会におきまして御質問になつたことに対するお答えをいたして置きます。それは町村会長の方から改正地方税法の早期決定に関する件の要望書が地方行政委員会宛にあつたのに関連しまして、市町会及び知事会の方はどうかという御質問でございました。 市町会の方は四月十四日に次のように申して参りました。それは「改正地方税法の早期決定に関する件。地方公共団体としては政府の指導により本年度の施策は地方税制の根本的改正を前提として進めておりますところ、右改正地方税法はすでに新年度になりましたにも拘わらず尚決定に至らず、このままにて推移するようのことありては地方団体の行政は非常なる混乱に陥る虞れありと憂慮いたしておる次第でありますが、何とぞ十分御審議の上成るべき速かな機会に適当なる御決定に相成りますよう格別の御配意を願います。昭和二十五年四月十四日、全国市町会会長代理川崎市長刺不二太郎」委員長宛でございます。 尚知事会の方は、同樣な趣旨で格別の御配慮願いたい、こういうふうに申しております。 右お答え申上げます。 それでは前回に引続きまして質疑を行います。
○木内四郎君 新聞或いはラジオで伺いますと、政府は平衡交付金法案、標準義務教育費法案の要綱といいますか、内容について決定したというようなことを伝えられております。若しそうであるならば、これはもともとすでに予算案の審議の際にも、これに重大な関係があるというので、予算委員会ですでに要求して、そのために予算の審議が大分遅れたというような事情もあります。本委員会におきまして、目下審議中の法案と非常に重大な関係があると思いまするので、その骨子の御説明を願つたら如何かと思います。
○西郷吉之助君 今の木内君の質疑に関連して、私からも二三点それについて聞きたいのですが、今木内君が言われたように、平衡交付金の問題が予算審議中に生じ、審議の途中において、提出の時期というものが問題であつて、それが明日出す明日出すといつて今日まで出ない。地方財政委員会法も予算のときに相当問題になつておつたのですが、今日予算も通つたあと相当日が経過して、目下地方財政委員会と密接の関係にあるところの地方税法案を今審議して、もうどんどん日が切迫しておるのですが、それもまだ未提出である。ところが最近になつて、その両案について相当重大なる変化を来したということは、新聞で我々見ております。それらの両法案について政府は大体地方行政委員会に対して、又予算委員会においてもその概要というものを説明された。然るに新聞では変化したと……ところが今日我々に対して、政府の方から積極的に内容の変更というものに対して中間報告というものは今日一つも伺つてないのです。そういうことは我々聞くまでもなく、内容の概要を我々に示したのだから、内容の変化があつたらこれをできるだけ早い機会にこの委員会において政府の方から積極的に説明するのが当然だ、概略を我々に話したのだから、変化があつたら中間報告をして最も近き委員会において説明されるのが当然だと思う。ところが我々が默つておれば、新聞に拝見するだけであつて、責任ある政府の説明が聞かれない、従つて我々から内容の説明を求めるという結果になるのです。そういうような行き方は甚だ政府として無責任だと思う。変化があつたら積極的に我々に対して内容の説明の、変化のあつたことを申述べるべきであると思う。私はその点について大臣が来られてから、その点を一つ、無責任な点を指摘したいと思つておりますが、大臣が遅れておりますので、その他の政府委員でも結構ですから、私は単なる説明を聞くというわけでなく、積極的に政府がこれを説明すべきものだと私は思う、それらも併せて政務次官でも次長でもいいですから、政府はどういうふうに考えておるか、その点を一つ……
○委員長(岡本愛祐君) 木内、西郷両委員の御質疑にお答えを願います。
○政府委員(小野哲君) 木内、西郷両委員からの御質問に対しましては、本多国務大臣からやはりお答えするのが筋合だろうと思いますが、只今要務のために遅れておりますので、私から便宜上申上げたいと思います。地方財政平衡交付金法案並びに地方財政委員会設置法案につきましては、御承知のごとく相当以前において政府としては関係方面に申出て、これが内容に関して関係方面の意向を待つておるような状態であります。で、只今両委員からお話がありましたごとくに、新聞紙上には政府案として、又関係方面からの意向として伝えられておるのでございますが、この点につきましては、長期に亘る間政府としては一日も早く関係方面から何らかの解答に接するであろうということを期待して参つたのであります。最近に至りまして関係方面においても種々政府の間に折衝を始める機会を作つておるような次第でございますが、尚ここで確定的な案としてこういうふうなものであるということを申上げるためには、尚その段階にはなつておらないのでございまして、目下関係方面との間に更に折衝を始めて、その内容等につきまして検討を加えておるということを申上げてよいかと思うのであります。勿論政府としましては、一応法律案の提案は遅れておりましたけれども、御質問に応じまして、又御要求に応じまして、予定いたしております政府の腹案につきましては、その都度御説明も申上げて参つたのでございまして、相成るべくは政府の意向が決定いたしました上で御報告いたしたいという心組みは持つておつたのでございますが、今日までは尚その機会を得なかつたというのが実情でございます。従いまして仰せのごとくできるだけ速かなる機会に法律案を提案いたすようにいたしたいと思いますけれども、その内容等において変更がございました場合につきましては、更に御説明をいたしたいということを考えておるような次第でございます。
○西郷吉之助君 今小野政務次官の御説明を伺いましたが、大体は分りましたけれども、今の御説明によりますと、これは政府の意見ではなく、新聞の報道ですから或いは当つておらんかも知れませんが、新聞で見ましたところによりますれば、両法案についての内容が新聞に出ておりました。それは相当重要な点であると思うのですが、今の御説明だとその関係方面との折衝において、今日吉田内閣においてその変更の条項がまだ閣議で決定してない、そういう状態にあるのだ、そういうふうにとつていいのですね。
○政府委員(小野哲君) 閣議において目下検討いたしておりますので、この点につきましては本多国務大臣から申上げた方がいいと思いますので、私といたしましては検討中の過程にあることについて申上げることにいたしたいと思います。
○西郷吉之助君 それでは今小野政務次官のお話で分りましたが、大臣が来られたらその旨を、大体大臣からその内容について御説明を求めます。その点については一応打切りたいと思います。
○木内四郎君 閣議において検討中のことは国務大臣から御説明があるというお話ですからそれでいいのですけれども、両案について、交渉の過程において政府がこういう案を持つておるというその腹案を予算委員会で御説明になつたのではないかと私は思うのです。大蔵委員会においては遂にその機会は得られなかつたのですが……ところで勿論関係方面の最終的のOKがなければ、それは閣議でおいても御決定になれないと思うのです。最終的のOKがあつた上で閣議で決定して、政府から国会に提出されると思います。この前の予算委員会で御説明になつたのは、その段階になる前の政府の腹案として交渉中のものを御説明になつたと思うのです。ところで新聞などの伝えるところによりますと、政府の腹案というものを交渉の経過に顧みてお変えになつたというようなことが伝えられておりますので、お変えになつたならば、予算委員会において御説明になつたと同じ趣旨において、腹案の変更された点は御説明になつて頂きたい、こう思うのです。若しそれが今ここで政務次官と次長から御説明が伺えなければ、さつきと同樣に国務大臣がお出でになつてからでも結構です。
○委員長(岡本愛祐君) それでは木内君、西郷君の御質問に対する答弁は大臣にお願いすることにいたします。外の御質疑をお願いいたします。
○西郷吉之助君 連合委員会ですから、地方行政の我々は成るべく御遠慮して、大蔵委員会の方に十分御質疑をお願いいたしたいと思いますけれども、大蔵委員会の方がおられますけれども、大蔵委員会の方に御質問がなければ私……それでは政府側に伺いたいと思うのですが、附加価値税並びに固定資産税において、それぞれ賦課税の範囲を今度設けてあるわけでありますが、その両方の税において免税の範囲をここで決めてあるのですが、そのいろいろ多数のものが両税とも免税の範囲が決めてありますが、その免税の範囲を決めた理由はどういう点にあるのか、その根拠はどういうところにあつたのか、それについて先ず伺いたいと思います。
○政府委員(荻田保君) 先ず附加価値税につきまして申上げます。附加価値税につきましては、一般にいわゆる附加価値のある限り全部課税するという建前にできておりますが、ただ免税をいたしましたのは一つは農業、林業でございまして、これはいつかも御説明いたしたと思いまするが、国定資産税が非常に多くかかるようになりますので、これにつきましては特に免税をいたしたいという理由でございます。それから第二の政府関係の、政府は勿論、地方団体、それから公庫、金庫、公団というようなもの、こういうものにつきましても、これは大体国の仕事でございますので免税にいたしております。それから第三は学校でございます。これにつきましては、第二種と第三種の事業に限つて免税いたします。それから第四に鉱物の掘採及び砂鉱の採取でございまして、これは鉱産税を課税いたします関係上、重複となりますので、附加価値税は免税いたします。それから尚第二種事業、つまり牧畜業、水産業につきまして主として自家労働力を用いて行うようなものは小企業でございまするので、農業等の釣合上免税いたします。そういう理由でございます。 それから固定資産税につきましては、大体従来の地祖、家屋税の免税と大体同でございます。一つはいわば国有のもの及び国の事業に、公共用に使つておるようなもの、これを免税いたします。それから一般公共用のもの、例えば墓地とか、道路、運河、水道、或いは用悪水路、溜池、こういうようなものも免税いたします。それから次に宗教法人の持つております家屋、境内地、構内地、これも宗教というようなことを考えまして免税しております。それから保安林につきましてもこれは特殊の制限等を受けておりまするので、固定資産税は免税にいたしております。それから次に国宝保存法、史蹟名勝天然記念物保存法、重要美術品等の保存に関する法律によつて指定されているもの、それから学校教育の用に供しておるもの、それから図書館、或いは社会事業、こういう公益的なものに使つております固定資産は免税いたしております。それからこれにつきましては、公団等は全部課税の対象にすることを原則としておりまするが、ただ船舶公団の船舶と、産業復興公団の持つております償却資産、これだけは特に特殊の意味を持ちましてこの公団もできておるのでありますから、こういうものにつきましては免税しております。大体以上が免税規定を設けました趣旨でございます。
○西郷吉之助君 重ねてその内容について数点伺いたいのですが、附加価値税においては放送協会が非課税の範囲となつておるんですが、一方においては大体報道機関、その内容が新聞と放送協会というものは本質的に違いますけれども、公共的な報道機関であるということにおいては同一だと思う。それに軽い量いはないと思うのですが、例えばその中で放送協会は非課税の対象となり、新聞業は課税対象であるというふうなことになつておる。その根拠はどういうところでそれを二つに分けたのですかその点伺いたい。
○政府委員(荻田保君) ここに放送協会とございまするのは、勿論新らしくできまするいわゆるパブリツク・コーポレーションであるところの放送協会であり、従いましてこのいわゆる放送という仕事、事業そのものが公益性があるのかどうかということではなくて、先程も申しましたように、政府の機関である。大体政府の直接でなくても準政府的な機関である、こういう意味によつて免税しておるわけでございます。従いまして一般の個人の行います、これも新らしい放送法でございますが、これによつて認められます無線通信放送事業、これは附加価値の対象になります。そういう意味におきましてニユースの報道も、ニユースにつきましては別にそのような政府機関もございませんから一般に課税の対象になつております。
○西郷吉之助君 それは今の御説明でこの放送協会というものは、即ち現在ある放送協会ですね、非課税は民間のは対象になつていないというふうなお話であつたんですが、そうすると更に伺いたいのは、この両方の税において免税の範囲はありますが、これはしばしば政府の御説明の中にもあるのですが、今度の地方税法というのは先ずこういうような形態のものを出して、今後どういうようにそれを変化するかということを一応見るのだという御説明も中にはあつたと思うのですが、そうするとこういうような免税の範囲に入つておるものでも、これは暫定的なものである。恒久的なものではないのだ。一応こういうものを地方税において非課税の対象にした、そういうふうに考えていいでしようか。
○政府委員(荻田保君) ここにありまする日本放送協会は現在の放送協会ではございません。これは単なる財団法人でございます。新らしい放送法、これによりましていわゆる政府機関たる放送協会になる。その場合に免税になるわけであります。それから免税規定につきましては常に研究を続けて行きたいと思いまするが、特に免税規定の整理という方向によりまして、今後検討いたしたいと思います。従いまして、別にこの現在の規定が暫定的という程のものでもございませんが、研究が結論を得ますれば整理をいたしたいと考えております。
○西郷吉之助君 私がそれを恒久的か暫定的かと伺つたのは、現在その法案が出ていませんが、この地方税法の中において、地方財政委員会のいろいろの権限があつて、税法と密接不可分の関係にしてあるのですが、その地方財政委員会において、今まで概略ですがそれを見ると、その中において例えばこういう免税の範囲というふうなものが今後できる地方財政委員会の権限の一つとしてそういうものがあるのかどうか。あるとすればまだその地方財政委員会がてきてないのですから、できた暁においてこういう非課税の範囲を恒久的に決定すべきものではないか。そうすれば、今のは地方財政委員会の決定を経たのじやないのですから、政府が自由意思に基いて非課税の言囲を決めたんだから、そういう意味ならばこれは暫定的なものではないのではないか、恒久的なものにするには地方財政委員会ができて、その決定に基いてこれが本当に、例えばこういうふうに決まるのか、又変更を来すのかということになると思うので、地方財政委員会というものはこういう非課税の範囲を決めるのか。そういうものの権限が全然ないというならこれは問題がないのですが、あるのかどうか。それと関連すればこれが恒久的か暫定的かどつちかになると思うのですが、この点について伺いたい。
○政府委員(小野哲君) 先程荻田次長からもお話を申上げましたように、将来この非課税の範囲等につきましては検討、研究を加えるるべき点が起つて来るだろうと思います。で、地方財政委員会が作られました場合におきましては勿論地方財政委員会におきまして種々この税法によつて与えられた権限によりまして、地方税法自体の面におきましても十分研究をし得ることと考えておるのでありまして、今回の非課税の範囲は政府がこれを決めたとは申しながら、一応の案でございますので、国会においてこれをお決め下さいまして、これによつて地方税法として実施適用相成りました以店におきましては、地方財政委員会において将来研究をされるべきものとなることは勿論であろうと私は考えておるのであります。従いまして先程も申述べましたように非課税の範囲が今後の研究の結果如何ようになりますかということはここではつきりと申上げかねる次第でありますが、地方財政委員会におきまして本法律案成立の方はその実施の状況等に鑑みまして種々研究をすることに相成るであろう、かように考えておる次第であります。
○西郷吉之助君 今の政務次官の御説明で大体は了承したのですが、その御説明によつてもやはり地方財政委員会というものがそういう非課税の対象等を決定する権限を持つている。そうなればやはりこれは真に確定したものでなく、一応こういうふうな政府案として出おつて、地方財政委員会において決定するのだ。こういうことにとれると思うのですが、重ねてそれはまあその程度でいいんですが、この両税において先程政府の御説明があつたときに、各種類のものが非課税の対象となつておるのでありますが、私が伺いたいのはそういうものが非課税になつておるのはいいんですが、これは課税される方の例ですが、附加価値税なり固定資産税というものは非常に重い。そうして課税される方が非常に影響甚大なものがありまして、業界の死命を制するような結果になる虞れが十分あるので、今日国民の世論として各方面からこの地方税法に対して反対の声が強い。そういうような点もあるのでありますが、非課税の対象となつておるものに、若しこれに附加価値税なり固定資産税をかけたならば、いろいろの種類のもの多種多樣でありまするが、そういうようなものを課税の対象としたときには、どの程度の金額となるのか。その点を課税されるものが非常に困つておるのでありますから、そういうものの、例えば税率を考える上からも、我々はこの非課税の範囲の中に入つておるものが課税されたらどのくらいの金額になるのか。そういうことも審議の経過として私は伺つて置きたいのでありますが、その問題は今直ぐさま政府はお答えにならなくても審議の資料としても非課税の対象のものを業種別によつて、或いは今後できるところの日本の放送協会、そういうなものについても大体の予想がつくでしようから、そういうものは対象かに除かれたと思うが、その金額を資料によつて出して頂きたい。それによつて又私はその点は御質問したいのでありますが、その資料を御請求すると同時に今の私の申上げたことに対して政府の御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(小野哲君) 西郷さんが言われました今後地方財政委員会において検討の結果地方財政委員会自体が附加価値税の非課税の範囲を決定するという点でございますが、併しながらこの附加価値税の非課税の範囲を決定いたしますのは、これは私から申上げるまでもなく法律によつて決めなければならない点でございますので、地方財政委員会自体がその固有の権限として決定するというのではなくして、やはり立法の措置に基いてこれを決定するということに相成ると思うのであります。従いまして勿論この研究自体は地方財政委員会でやることは当然と存じますが、これに関する法制的措置についてはそれぞれの手続を必要とする。 こういうふうに御了承願いたいと思うのであります。
○西郷吉之助君 例えば非課税の対象の一つである国鉄なんかにも……而も今度は国鉄の形体も変つたのでありますが、例えばこれは一例ですが、そういうものを除くというのは、先程来の御説明で従来除かれておつたからその通り一応除いて置くのだ、そういうふうなことから、例えば国鉄のごときはその中の非課税の範囲の中に入つておるのですが、何か非課税の対象を考えたときに、例えば日本国有鉄道ならばどういう点からそれを除かれたのか。その点をもう一度伺つて置きたいと思います。
○政府委員(小野哲君) この点につきましては先程次長からもちよつと触れたと思うのでありますが、大体この種事業の非課税の範囲につきましては、一応の線を引く必要かあろうかと思うのであります。従いまして第二十四条第三号にもございますように、国民金融金庫等のものとか、或いは法令による公団であるとか、或いは又専売公社、若しくは日本国有鉄道というふうな、いわゆる公共企業体で政府関係機関としての地位を持つておるようなもの、こういうふうなものにつきまして、一応の限界を定めまして、その中に入るものにつきましては非課税の範囲としてこれを取扱う。こういうふうに考えた次第でございます。
○西郷吉之助君 その点なんですが、私は尚くどいようですが伺いたいのは、附加価値税なり、固定資産税が相当のウエイトとなつていろいろな各業界にかかつて来るので、でき得べくんばそういうふうな必要財源……財源として必要な額を確保できるように、非課税として今入つておる分でも、例えば国有鉄道のごときものは、すでに今日は独立採算性の建前をとつており、その鉄道が交通上非常に算盤の上では採算が合わないような線でも、国有鉄道は従来やつておる。そういうふうな点は勿論あるのですが、そういうところを民間の鉄道会社としてやらなくとも、国鉄なる故に採算が合わんでもやつておつた。そういうふうな点があつて、又地方に鉄道を引いたためにいろいろ利益を与えておるのですが、こういうふうなものであつても、今日鉄道の例を一つ取つても、私鉄というものがこの両税の課税対象となるが故に非常に負担増を来して、非常に今後が危ぶまれる。そういうときにおいて、その軽減……民間の運輸事業に税率を低めんとするならば、その対象外に除かれておるものに対しても、もう一度考え直して、何らかの税の負担の公正を期するという見地からも、こういうような半公共的なものであつても、幾分の税負担をなさしめることによつて、民間の事業がそれだけ軽くなるなら非常によいことではないか。そういうふうな見地から、こういうようなものをただ一律に除くということでなくして、税を軽くせんがためには幾分の負担をせしめるという考えもあつて然るべきものではないかと思うので、今鉄道の例を挙げてお尋ねしたわけですが、そういうような点はどうですか。
○政府委員(小野哲君) 西郷さんの御意見は誠に御尤もだと私も考えるのであります。この法律案を研究して参りました過程におきましても、例えば日本国有鉄道を非課税とするかどうかというふうな点につきましてもいろいろと意見があつたのであります。併しながら先程申しましたような理由で、その企業の経営方式なり、或いは性格等から考えまして、これを非課税にすることが適当であるということに相成りましたために、この法律案といたしましては非課税の範囲に入れてあるような次第であります。併し西郷さんの言われましたようないろいろの点から更に検討を要する問題も将来起つて来るのであろうかとも思いまするので、この点につきましては、尚将来の研究に俟ちたい。かように考えておる次第でございます。
○西郷吉之助君 今非課税の問題を取上げたのですが、それに関連して附加価値税の特例を設けてある。例えば金融業なんかが特例を設けられておるのですが、今の非課税の問題と関連して伺いたいのですが、本年度に限つて銀行業の非課税については特例案を認めておるのですが、いろいろ資料等によつて見ますと、全国の銀行の今期の決算の数字等を見ますと、前年に比べてその業績が非常に上つておりまして、非常な額の収益を今日挙げておると思うのです。その銀行も多いから、中にはそれ程でないのもあるかとも思いますけれども、大体の資料でこれを検討するならば、政府が二十五年度に限つて特例を設けようとしておる趣旨と相反して、悪いことではないけれども、非常に銀行の決算の上から見ると利益を挙げておると思うのです。それはこの数字で大体平均して銀行業というものは非常にいい。それで今後は附加価値税の課税としては特例によつて軽減されておるのですが、政府はその特例を設けた理由は、こういうふうなものに対して、特に金融機関なんかに急激な変動を与えては予金者に非常に迷惑をかけるというようなことからも、今度特例を設けられたと思うのだけれども、実際の業績はそれと相反して非常にいいのです、傾向が。それで非常な収益率を上げておるのですから、こういうふうなことから考えれば、むしろ特例を設けるならば、その対象はこういうふうなものでなくて、もつと公共性が強いものであるとか、非常に一般国民に密接な関連があるというふうな業種をこういうふうなものに入れたら非常にその事業も助かるし、国民生活に与える影響も少いと思う。ところが政府が特例を設けておるものは、例えば銀行なんかは非常に利益率が高い。むしろこういうものでなく、例えば私鉄のごときものは非常に公共性が強いものであつて、こういうふうなものに両税がかけられた結果、運賃を上げて非常に交通費が嵩むというふうなことは、一般国民大衆に、殊にサラリーマンなんかにとつては影響するところが甚大であるのですから、そういうふうなものを特例案なり考えて除々にこういうふうな重い税をかけるというなら話は分るけれども、そういうふうな公共性の強いものでも、私鉄なんか一例ですが、それに初めから両方の税で動きがとれんようなことをしてしまつては、非常に国民大衆に対する影響も悪い。勿論金融機関なんか非常に事業の性質などから言つても、強い変動を与えるべきでないことは何人も論議のないところでありますが、政府の理由が、奈辺にあるかはつきりしないけれども、恐らく金融機関の本旨に鑑みて、急激な変動を避けるとして特例を設けておられると思うけれども、そういうものは例えば金融機関のごとき一例ですが、むしろ非常な収益率が高い。非常に妙な結果になつておるのですがね。その点は今大臣が見えましたから、大臣から御答弁を伺いたいのですが、金融機関なんか大臣も資料を御覧になれば分るように、非常に率がいい。それが特例案が設けられて特例の方に入つておるのですが、今申上げましたように、例えば私鉄事業でも、勿論国鉄なりにしても、バスにしても、非常に足に関係があるものですから、これが非常に影響するところ大きいと思うのです。そういうものは一例であるけれども、そういうようなものこそ一般大衆に非常に影響が大きいのですから、運賃が上つては困る。そういうふうな点からもむしろそういうものに対して徐々に税金をかける、一挙にこんな附加価値税とか固定資産税をかけて運賃が上り、国民が非常な迷惑をするようなことを避けられるのが至当ではないか。金融機関でも私は重い税をかける方がいいのだという考えでなく、ただこの際どの事業でも附加価値税とか、固定資産税を一挙にかけられると手を上げる。これが今日の日本の経済界の現状なのですから、特例を設けるならば、むしろ全体の業種に対して特例を適用し、段々に今後数年間にこういうふうな附加価値税と固定資産税を徐々にかけるならば、それは一般の経済界に対する影響も軽いと思うのですが、一方においては非常に国民生活に必要な交通機関でも、その他沢山ありまするが、そういうものには一遍にかかる。今日非常に収益が挙つておつて、例えば金融機関のごときは特例案が設けてある。そこにどうも一貫した理由がなくて、むしろ逆のような場合も多数あるので、そういう点において政府が、非課税の対象としたものでもそう思うのですが、それとか、特例案の対象とかいうものに対して、政府の検討が不十分なために、一方的に金融機関に対しては非常な変動を与えてはいかんという見地から、特例案を設けてやつたが、そうでなく、金融業は非常にいいのです。その点はどうもそういう対象にされた点が不十分な結果今申上げましたような結果が生じておるのではないかと思うのですが、その点を大臣から十分伺いたいと思う。
○国務大臣(本多市郎君) これは各業態を一々検討いたしましたならば、お話の通り公益性等について少しずつの違いはあるものと見る方が本当だろうとは思います。併し特に税法の上においてこれ以上の段階を設けなければならん程の公益性のまあ高低についての差別でございましようが、そういうところは只今のところ考えられませんので、この程度の区分で課税制度としては適当ではないかと考えておるのでございます。附加価値税は御承知の通り、固定資産税もそうでございますが、すべてにできる限り低税率でかける、これがいろいろな公益性等の見地から免税、減税の特例が非常に多くなりますと、それだけ残るものに対する重荷となる次第でございますので、漏れなくかけるという趣旨、その課税対象は非常に広くいたしまして成るべく税率は低くというところが勘案されておる次第でございます。金融業に対する特例、又運輸業に対する特例等につきまして、一定の課税基準の算定の率を定めましたのは、それぞれ理由と根拠のあることでございまして、これにつきましては次長から御説明いたします。
○政府委員(荻田保君) 特例につきましてずつて並んでおりまするが、理由が二つございまして、前者の金融業につきましては、負担の激変を緩和するというような趣旨でなくて、むしろ積極的に附加価値というようなものが、金融機関において果して理論的に認められるかというようなところに動機がございます。又保険業等におきましては保険料収入の全額をもつて、総附加金額と見ることはできないので、いわゆる附加保険料、純保険料というような区別もしなければならん。そういうようなことがございますので、一応算定を別途に考えた方がいいのじやないか、そういう意味で差当り二十五年度に限りまして特例を設けようということが理由でございます。 従いまして二十六年度以降におきましても相当考えなければならん問題だと思います。それから後の運送業と倉庫業、これは負担の激変を緩和したい、殊に運輸業につきましては、現在でも純益に対しまして事業税をかけるのではなくて、総収入金額に対しまして二%という賦課率をもちまして課税しております。従いましてこれとの繋がり等からもこの程度のことをした方がいいのじやないか、殊にこの両事業は固定資産税が最も多く増税になる部分でございますので、それとの負担を考えまして、それにつきまして特に特例を認めたような次第でございます。
○西郷吉之助君 只今の大臣並びに次長の御説明を伺つておりますと、どうも答弁に窮しておるように聞えるのです。大臣なんかの御説明は曖昧模糊として一向分らない。大臣自身もよくお分りになつておらん。どうもはつきりした御説明じやない。それでとても納得はできません。そういうところに政府が……勿論私は政府だけを責めるのじやなく、こういう尨大な案を出されるのですから、随分苦労なさつたということは分りますけれども、とにかく非常に杜撰であつて、研究が足りない。今の大臣が答弁を十分されないのも、こういう資料を、我々も非常に一生懸命に、沢山な資料ですから見ますが、十分なことはできませんが、大臣にしても非常にお忙しいのですから、こういう十分な資料に基いてお互いに呑込むことはむ失かしいと思うのですよ。ですから答弁がはつきりしない。我々にしても一遍にこういうふうなもんですから、なかなか資料等も十分検討できません。その点は遺憾なんですが、例えば今申上げたような非課税の問題でも、特例案でも、政府に聞いても、政府ははつきりした答弁はできんと思うのです。今例えば次長が金融機関の例を言われたが、金融機関についてはそういうふうに大打撃を与える、大変動を与える見地ではなくて、附加価値というものが本質的にあるべきものかどうか、非常に疑問である。それで一応除いたと言われたけれども、その通りに疑問なんですよ、まだ……だからはつきりしてないと思うのです。だから特例に対する問題もはつきりしない、疑問なんですから、附加価値があるかどうか、それもその問題が本質的な問題だから疑問がある。特例を設けると言つても、一つも納得できません。それから今の金融業の問題で、附加価値であるかどうかと言われたけれども、例えば銀行の貸出金なんてものははつきり利息というものがあるじやないか、利息を取つておる。これははつきりしてます。百万円貸せばそのに対する利息は幾らとちやんと出て来る。これは一番はつきりしている。そういうような点は、今次長の説明り……私は全然逆な考えを持つていますから、銀行なんかはつきりレートを決めて利息を取つているのですから、附加価値になつているのは当然だと思うのですが、やはぱり性質という本質から鑑みて、金融機関にこういうような重い税金をかけられるということは、外の業界の者は強い反対をしていると同様に、金融機関としても御免蒙りたいと言うのは当然だと思う。特例に入れられることは金融機関においても非常にいいでしようが、外の業界においても同等だと思う。それと同様の意味において非常に国民生活の上においても、又例えば日本の置かれた輸出貿易の点からも、それはもう同じウエイトに置いて、特例案の方に入れるべき価値がある。例えば輸出振興の点から言つて、政府はいろいろ尽力されているけれども、こういうような日本の経済界において、労賃は上つて来て……日本の輸出貿易においては労賃が安いという点から、非常に過去においては発展したと思うのですが、その特色たる労賃も非常に上つて来て、物価が上りましたので非常に上つて来た。それでなくても貿易業者はいろいろな意味においてこたえておるのです。そこへ持つて来てこういう重い税をかけたら、輸出振興と政府は言つても、輸出振興がされるわけはない。時間の問題でみんな手を上げると思う。そういう点があるのですから、私はこの税法というものは、シヤウプ使節団の勧告の文にある通り、十分批判して呉れと言われておつて、これは政府が十分な批判を加えないで、現状の認識が十分でないためにこういうものが出て来たのですが、我々は国会においてこういう地方税法案に対して、十分な批判を加えて、それによつて政府は出直すのが、これは当然だと思う。今の私の質問にしても、政府は非常に疑問を持つて出しておられるのです。そういうように疑問を持つて、特例にして見たり、課税の対象にして見たり、課税から除いて見たり、そういうものでは税は非常にどの点から言つても、経済界は困つておるのですから、税の負担公平を期する意味から言えば極めて杜撰なもので、公平を期していない。そういう点もあるので、我々も十分ここで大臣にも意見を申上げて、これを出直してです、もつと実際の経済状態に合致したものにされることがいいんじやないかと思うのですが、更にそれはそれとして、大臣に伺いたいのは、この附加価値税でも、固定資産税でも、こういう税を今回出されたために、非常に経済界に変動を与えるのですが、この吉田内閣は、例えば予算委員会においても、大蔵大臣は得々として経済は安定しておる、それから物価も横這いの状態である、かるが故に賃金ベースの問題にしても、インフレを助長し、悪循環となるからというので抑えておられる、そういう政策を採つておられるのですが、こういうふうな附加価値税とか、固定資産税をかければ、結局政府はそういうふうな声明をしておるにも拘わらず、物価が又上り、又その交通の上からは運賃を上げるというふうな、今日は形勢にあるのです。そうすると非常に矛盾しておるのですがね。例えば附加価値税においてはこういうものをかけることによつて……この前木村君が指摘したと思うのですが、人件費の問題が相当重要な問題になるから、首を切つて行くという結果になると思うのです。それで物価に変動を与えて、又政府は失業対策を一方で言われるが、そういうふうな附加価値税や、固定資産税のために、人件費の節約の上から首を切るから、失業が殖えて来る。そういうふうな物価の面でも、国民生活の上からも、失業対策の上からも、非常にこの地方税法の実行によつて、吉田内閣が言われるところの非常に大きな政策と矛盾して来る結果が出て来ると思うのです。そういう点に対して大臣はどう考えておられるか。さつきの答弁みたいじやなくて、もつとはつきりして、我々が納得できるように御説明願いたいと思います。単なる質疑応答を、ただ答えればいいんだというふうな考えでなく、我々は何も反対せんがために反対するのじやないですから、大臣も自由党の政策をどういう点が、今私らが指摘した点がそれは矛盾してないのだというお考えならば、矛盾してないのだと我々に分るようにそれを十分説明して頂きたいと思います。
○国務大臣(本多市郎君) 私はこの委員会におきましてでき得る限り御理解が行きますように詳細に答弁申上げたいと思つておるのでございますが、私の又足らないところもあり、更に又御質問によりましては全く意見の相違することが根本になりまして、答えようのない点も、答弁申上げようのない点もございます。併し只今の問題につきましては、これはまあ根本的に政府といたしましては、最善を尽したものでございますから、是非御理解の頂けるように慎重御審議願いたいと存じますが、只今の自由党の根本的な安定政策と、どういうふうな関連があると考えているかということでございますが、これは提案の理由にも御説明申上げました通り、今日までの負担が国税地方税制度を通じまして、総合的に考えましたときに、誠に負担が不均衡でありまして、この不均衡の結果は地方財政も行詰り、又可なりそれぞれの事業にも、企業の安定ということにつきましてそこに欠点があつたわけであります。この負担均衡化によりまして、地方自治体の財源は確保され、それぞれ事業の存立条件がこれで均衡がとれた負担になつて参りますことによりまして、事業自体も安定し、更にそのことが我が国の経済安定の又土台にもなるものであると考えております。でありますから、自由党の根本政策としておりまする安定より復興へという、そのやはり基盤を固めるものになるだろうと考えております。
○西郷吉之助君 今の大臣の御説明も簡単であり、一つも要点に触れられない。私は納得が行きませんが、まあ大臣として矛盾しておるということを言われることもできないだろうと思いますから、それ以上追究しませんけれども、大臣にもう一つ伺いたいのですが、例えばさつきも次長からも答辯があつたのですが、非課税の範囲とか、それから特例案、こういうようなもの、それから又課税の対象となるもの、そういう分け方は、今日私は先程来御説明……質疑した、その内容から見ても、この分け方に可なり過ちがあるのじやないか。例えば事業税の場合でも、そういう点が随分国会において批判されましたが、例えば附加価値税の非課税の範囲に農業、林業と並べてありますが、何故にそこに水産業が入らないかというふうなことも一応考えられますが、そういう点についても、これは政府が短時間にこれを作られて出されたのですから、我々の納得するような御説明は頂けないと思うのです。ですから例えば一つの例を取つても、農業、林業を取つて水産業を除く、どこに除く理由があるのか、どこが本質的違いかと言えば、なかなかむずかしい問題だと思うのです。そういう点大雑把に見ましても、これは非常に杜撰であつて……よく国会等の意見も参酌されて、この点を考えて行かけなければ、今の大臣の御説明にもありましたが、課税の対象になるものと非課税の対象になるものとでは非常にその違いがあるのですから、そういうふうなことを考えて行けば、今大臣の御説明で以て急激な打撃は与えないという、自由党の政策と矛盾しておらんというような御答辯のようでしたが、そうでなく現実に矛盾することになるのです。その点は大臣もよくお分りだと思うんだけれども、そういう点が全般を見ましても非常に短時間の上にこれを出されたから非常に杜撰な点が私は多いと思います。その点はこの前大臣にも申上げましたが、折角アメリカに行かれるなら、更にアメリカの事情をも見学されて、日本の業界は非常に今再建の途上にあつて重大な時期にあるのですから、殊に今日は金詰りな何かで業界が困つておるというときにこういうふうな大きな税金をかけて、その一方輸出の振興とか、そういうふうなことを叫ばれても実際国民はついて行けません。そういう点が非常にあるんですから、こういうふうな附加価値税というようなものはアメリカにおいてもやはり相当疑問があるが故にこの税法を布かれないのだろうと思います。ただその初めて日本においてこういうものを用いられるということはこれは、考え方によつては非常に画期的なものであつて、いいという点もありますけれども、日本の経済の状況からいつてまだそういうふうな重い税を一遍に課せられて尚それを持ちこたえられる状態にはないと思う。 この前野津さんの御説明を聽きましたときにも、その案の一つにおいて附加価値税と固定資産税は一遍に実施しないでスライド式に順次に四年五年の間にこういうものを段々に実行して行つたらどうかというような案もあつたのですが、こういうふうな案も一案としてあるのですから、こういうものを急激に実施しないで漸次やつて行くというふうなことをされれば、今日このように各業界から国民の輿論となつて、地方税はこれは困るんだという非常な反対が来ておるのですから、それは吉田内閣にとつてもよく国民の声は分つておられると思うのですから、こういう点を根本的に考え直して頂いて、我々は反対せんがために反対するのではないのですから、その点をよく考えて頂いて、こういう杜撰なものを出さないで、もつと考え直して頂きたい。そういうことを希望して一応私の質疑を止めて置きます。
○米倉龍也君 先程西郷委員の御質問に対しての政府の御答辯に、私は重要な発言があつたと思うのです。それはこの銀行或いは無尽、信託というような金融業関係の特例の設定は、大臣の提出理由の説明にありました急激な負担増加という点ではないのであります。そのことはこの提案理由説明には明瞭に総括的に言つております。けれどもそうでないということが一応分りましたので、その点はよろしいのでございますが、そこで金融業というものには、この附加価値税の問題に出た当時、一体金融業に附加価値があるかないかということは大きな問題だつたと思います。先程西郷さんもおつしやつた通り非常に議論があつたのです。その議論のあつたことを今以て政府ではお認めになつておらんような御発言であります。そこでこの特例を設けたということは、そういう意味から言えば何ら私は意味がないと思う。丁度附加価値へ四%の附加価値税をやつても、四五%にしましても、大体負担は同じぐらいだと思うのです。そこでこういう四五%といようなものを拵えて、計算にただ都合がいい、都合がいいからこういうものを置いたというのでなくて、先程の御発言では附加価値というものが銀行業にあるかないかというような議論があるので、まだその点が疑問になつていると思う。それだから二十五年度という、特に二十五年度だけをやつたのです。二十六年度以後はまだ問題だ、こういうようなふうに私は聞いていたのですよ。そうすると、一体この銀行業に対して附加価値税というものは今後……現在はまあ取らなければならないから、こういう意味で取るのだが、何か別に銀行業という、こういうものに対しては附加価値税というものの疑問を解決するというような何かお考えがあつての話でありましようか。それでなければ銀行業は二十五年度だけ特にこういう特例を設ける意味がないと私は思う。若し負担の急激な点を緩和するというような理由がないならば、何でこんなものをお拵えになつたか、それはそうでなくて、この問題には今後別の研究を考慮する余地をここに残したというものであるが、これは非常に重要な私は問題だと思うのですが、その点を御説明願いたいのです。
○政府委員(荻田保君) 金融業に附加価値があるかないかという問題、理論的に申しますれば非常に問題だと思います。問題と言いますか、つまり例えば銀行で申せば銀行から金を借りて事業をしてやろうとか、併しそれに対して利子を払う。ところがその払う利子は片一方事業会社の方の附加価値から差引いてないわけでございまして、その意味におきましてそういうふうに解釈しますと、銀行業にはこの附加価値はなくなる。単なる通抜け機関だということになります。併しこの附加価値税は単に附加価値という、いわゆる流通税的な考えだけでなく、やはり事業税の継続というような趣旨から、事業自体に対する課税ということも考えられますので、そういう意味におきましては、いわゆる理論的には附加価値があつてもなくても銀行として営業をし、利益を挙げている限りは、やはりこの税を……、この税と言いますか事業に対する税を負担さした方が、却つて負担の公平を期するゆえんではないか、その場合に今おつしやいましたような、附加価値として取らずに特別の税として、一種の事業税として取る方法も勿論考えられますが、そのようにいろいろの税を作らずに、やはり附加価値税として取つて置く方が適当ではないか、こういう結論に一応達しているのでございます。併しその附加価値の計算につきましては、普通の計算をせずに、このような特例を二十五年度分に限つて選択的に認めるようにいたしましたのは、今申しましたような、この附加価値があるかないかというような理論も一つございますが、その外に先程申しましたように、保険業のようなものにつきましては、普通の方法ではちよつと附加価値の計算ができない。保険料の中に純保険料、それから附加保険料というような区別があるようでございまして、現に取引高税におきましても、総額が取引高税の対象になつていない。ここにおきまして特例を作らなければならない。こういうことをいろいろ考えまして、二十五年度分につきましては差当りこのような選択規定を置いたのでございまして、二十六年度以降につきましては更の考慮をしなければならないと思つております。でこれは確かシヤウヴ報告でございましたか、その報告本物ではなくて、その附加的な一つの説明書がありましたが、それなどにおきましても金融業に対する附加価値につきましては特別の考慮が必要であると、こういうようなこともありますので、差当り二十五年度につきましてはこのような選択規定を置いたのでございます。
○米倉龍也君 どうも今の御説明では、私は銀行業ですね、それを保険業と比較して保険業もそういうことだから保険業と同じようなことだつて、まあこうやつたという御説明では特に銀行業を、これに特例を設けたという御説明では私はならんと思う。一番終いにあなたが、シヤウプ勧告の中にも多少疑問の点があるので、今後これを何とか他に考慮をするという何か含みがあつてやつてと、明瞭になればこれはいいと思うのですけれども、どうも御説明の中に保険業にもそんなことがあるというのじやどうも承服できませんな。それはやはり政府では二十六年度には何か別に、この銀行業というものに対する附加価値税についての何か変つた御研究をなさる本当にお考えがあつてですか。
○政府委員(荻田保君) 保険業につきまして、この附加価値の計算、保険料収入について特別の計算をするから、銀行業も同様に取扱つたんだと、こういう意味ではないのでありまして、銀行業をはつくるめまして一応特例を設ける。こういう考え方でありますが、それぞれの保険業とは理由が多少違つておるわけでありますが、今申しましたようなシヤウプ勧告でもこの点について研究を要すとかいうようなことも出ておりますので、研究は一つ今年一杯かかりまして継続いたしたいと思います。併しその二十六年度以降がどうなるかという結論を今別に出しておりませんので、一応この特例は二十五年度分に限つておるような次第でございます。
○米倉龍也君 まあその点はそれでいいとしまして、銀行業がそれでは大体普通のやり方で徴収するのと、こういう特例をするのと、それ程差がない。実際の負担においては差がない。これは保険料の点を見ましてもそれ程の差はないのでございますが、併し銀行業の中に農林中央金庫、或いは号工中央金庫これらは実際計算して見ると非常な違いがあるのです、これは……むしろ特例によつてやればべら棒に負担が重くなる。普通のやり方でやつてさえも農林中央金庫のごときものは三倍以上になる。今までの事業税に対しては……そういうことから見れば同じ銀行業の中に個々の問題では非常に不公平があるのです。だからこういう特例を銀行業というものにするならば、その中にやはり何か特例を、この特例を設けたことは負担の急激な増加を考えないということですから、この点はこれで一応いいのですが、併し現実に非常に負担の急激な変更のあるものに対しては、やはり何らかの特例を私は考えなければいかんものじやないかと思うのです。で、こういう点について御研究になつたかどうかということと、それからついでですからお聞きするのですが、この非課税の対象に農業があります。この農業をやつておる農業が集まつて拵えた農業協同組合、非課税の業をやつておるものが、その事業をよくするために団体を拵えてやつたと、そうするとその団体にかかつて来る負担というものは結局どこにもそれは転嫁されない。やはり組合員へ転嫁するより外はない。そうすると非課税にする程のものに結局負担がかかつて行くので、非課税にしたという趣旨と反するような結果になるのです。或いは労働者に消費生活協同組合を作る場合にも、殊にこれなどはそういうような関係が起つて来るのですね。そういう点は矛盾しておらないでしようか。
○政府委員(荻田保君) 第一の点でございまするが、確かにこの銀行業の中でも農林中央金庫とか或いは市中銀行或いは商工中央金庫、こういうものの附加価値の率というものと非常に違つておるわけです。初めに実は経過を申上げますと、この二十五年度の特例は必ずこれによると、つまり納税者の選択でなくて必ずこれによるのだというふうなことを考えておつたのでありまするが、その後選択にしようということになりましたので、その場合には、そう高ければ本当の、本当と申しますか、負担方法によります附加価値の計算をした方がいいからそちらでおのずから計算するだろうということで、このような特例を設けることは止めたのでございます。ただ従来の事業税に比べまして、相当この附加価値税の負担が殖えるということは明らかと存じます。 それから次に農業者が集まりまして作りました協同組合に対してもやはりここに掲げてありますような銀行業を行うとか、又は免税の事業を行う、この場合には別に税はかからないのでありまして、個人でもかかります事業を行なつた場合にしか附加価値税はかかりませんので、どういう場合のことを御想像になつてのお話が分りませんが、別に個人であろうと法人であろうと、この点は変りはありません。
○米倉龍也君 その点はこういうふうに思うのであります。附加価値税というものが新たに事業税に変つて来ることによつて、負担が非常に重くなる負担の点であります。負担が重くなつて来る。その重くなつて来る負担を何によつてその負担を賄うかと申しますと、結局協同組合は組合員にそれを転嫁するより外に途はないので、組合員の経済、組合員の生活に直接それが転嫁されて行くのです。農業というものを非課税にするぐらい……まあ保護するわけです。農業というものの特性を認めるのです。それに対する負担が更に増加して来るということは、その考え方が矛盾していやしないかということだけです。それから恵一点の、それでは農林中央金庫或いは市中銀行などのときに、そういうような計算をして見て非常に違うのであります。その違うのはどういうところから違いが出るか。それをお調べになつておりますか。どういう理由で同じ金融事業をやつてそして普通銀行は大体この特例によるも同じである。ところが農林中央金庫は特例によつて非常に重くなる。普通のやり方でやつた方がいいのだ。まあそれでも私は農林中央金庫の場合は三倍以上になると思つておりますが、それはどういうところから出て来るか。お調べになつておりますか。
○政府委員(荻田保君) これはつまり何と言いますか、直接個人から資金を集めましてそれを直接貸付けるというのじやなくて、単位組合で集めたものを中央に集めて、そうしてそれを今度貸付けますから、その単位組合に対して支払います利子と、それから収入します利子との間の幅び非常に少いわけであります。そのために総収入金額、つまり利子総額に対しまする附加価値の率というものは非常に小さくなるのです。
○米倉龍也君 今ちよつと御発言中に触れたのですが、政令の中に、銀行業法の政令の中に、政令で現めるという中には信用農業協同組合連合会は入つておりません。これは入つておりますか。政令にそういうふうにお出しになりましたか。この要綱としてお示しになつたものの中に市街地信用組合及び市街地信用組合連合会とこういうふうに言つておるのですが、実際政令にするときには信用農業協同組合連合会は入るのですか。
○政府委員(荻田保君) これは入れるつもりでございます。この信用組合というのがそのような趣旨で書いてあります。
○米倉龍也君 それからもう一つは公益法人が第一種から第三種の事業をやる場合に、公益事業に支出する場合における当該支出金額を政令で定めるところによつて特定支出金額とみなすというような要綱に要領を述べておるのですが、この政令で定めるということは政令案に出ておらないのですが、これはどんなふうな点を……
○政府委員(荻田保君) これで例で申上げますと、例えば鉄道弘済会というような財団法人がいわゆる売店とか何とか、食堂とか一般の附加価値の対象になる事業をやつております。併しそれから上りました費用をもちまして公益事業、鉄道による災害を蒙むつた人の救助とかそういうことをしております。従いましてそういうものに出します支出を附加価値の計算から控除する、こういうような趣旨で政令は作りたいと思います。
○油井賢太郎君 今ちよつと御発言のありましたこの共済組合ですね、共済組合が行う事業にはこれは附加価値税はかかりませんか。
○政府委員(荻田保君) 共済組合もやはりこういう事業を行いますればそれは附加価値税はかかります。
○油井賢太郎君 大臣に二三お伺いしたいのですが、今度の附加価値税と固定資産税というのはこれは税制としては成る程地方税にとつては強固ないわゆる変動の少し税金だろうと思います。併しこれば今まで税制と急に変るということと、この前も大臣に申上げましたが現在のとられておる政府の方針のデフレの方向に、いわゆる物価の値上げの方向に持つて行くという点から見ましてどうも我々納得行かない点があるのですが、これについての根本理念をちよつとお聞きしたい。実は大蔵大臣、或いは首相あたりが施政方針でも物価は値下げの方向に昭和二十五年度は持つて行くと、そうしますればやはり事業者というものはまあ損をしないというのが精一杯だと思う。ところが今度の附加価値税なんかを見ますというと利益の挙つておるようなところはやはり新らしく設備も拡張するとか、そういう方向でどんどん事業の拡大強化もできる。ところがそういう際には附加価値税が結局かかつて来ないという点で……又更に赤字が幾らあつても、この前も申上げましたが、税金がかかる。固定資産税もやはり同様でありまして、事業の不振のところへ、中にはもう織物関係みたようなところでは相当休業したり、或いは能率の上らない設備を棚上げと言いますか、休ませるというようなのも相当あるのです。そういうところ程今度は固定資産税の負担の割合は大きくなるという矛盾が出ておるのです。現在のいわゆる政府の方針通りにおやりになるとする経済政策と今度の税制というものは根本的にそういう点は大きな矛盾があるんじやないですか。これは大臣は望直に一つお考えをこの際御発表願いたいと思います。
○国務大臣(本多市郎君) 確かにお話のようなこの税制の改革による負担の変動についての影響はあると存じます。これはやはり今日の地方税制というものをこのままにして置くことができるかということもやはり兼合いで考えて見なければならんと存じます。どうしても地方税制は行詰つておりますからこれを改革する。改革は負担の不均衡を是正しなければならん。その負担の不均衡を是正するということは、結局納税者の負担が変動を来すということが負担の不均衡を是正することになるのでありまして、この負担の変動は根本的には税制改革のむしろそれが目的でございますから止むを得ないことでありますが、それが然らば急激に税制改革によつて負担が増加するということであればこれは余程、長前西郷さんからも言われましたように漸進的にするとかなんとかいうことも考えなければならんと思いますが、幸いに今年は国税、地方税を通じての改革でありまして、大体においては減税である。その減税の、負担の軽減されるその範囲内においてこの変動による、負担変更による負担の増加分も大分において吸収し得ることになつておりますので、やはり国税と地方税というものは、こういうときには同時にこれを改革するということが、納税する人にも負担の減少をする程度に違いが生ずるというようなことで大部分が解決されるという時でございますので、誠に適当な時期ではないかと思つております。それから又どうしてもこれは地方の財政計画、又平衡交付金等の関係から同時に断行しなければ計画が維持できないということにもなりますので、丁度全体的には減税の時、ここのところで負担変更のための、少しくらい多くなる人も堪え得られる機会ではないかと考えております。
○油井賢太郎君 どうも私は大臣のお考えと全然こえ反対のような考えをするのですが、大臣のお話ですと、こういう際に税制改革するのが一番適当な時期である。而も国税並びに地方税を通じて非常に合理的な改革だというお話なんですが、併しその根本をなすところはやはり政策とマツチしておる税制であるかどうかというところが……而も今日まで大体所得中心主義の、いわゆる純利得と言いますかそういうものを中心として税制であつたのが、今までの事情と変つて現内閣の採る政策がデフレ方言にある、その時に採られる税制としてはこれは適当かどうかということを考えて頂きたいのです。そうしますと、今までは所得、利益というものを中心にしての税制であつたが、そういう昭和二十三年度、或いは二十四年度という時代の利益の挙つておる事業の関係から産み出された、いわゆる国税地方税と、今度はそういうものが余り挙つていない、今までの二十三年度、二十四年度とは反対にむしろ赤字経済を相当格悟しなくてはならなくなつた時代と比べて行つて、今度の税制改革が妥当であるかどうか、この点についてである。これは大臣のお考えと、我々は違うのですが、大臣は何ですか、今度は物価をどんどん下げて行つても、結局相当の国民所得というものはあつて、事業というものはどんどん伸びて行く、こういうふうにお考えになるのですか。これは根本的に……
○国務大臣(本多市郎君) これは経済状況の変化によつてこの税制が適当であるか否かというようなことの御議論のようでございますが、やはりどういう経済状況にありましても、負担の均衡のとれた課税の仕方で行かなければならんと思います。今日までの負担が非常に不均衡である。不均衡でありますということは、当然出すべき税を出さないでおるという結果が、その他の人達にその他の納税者に、非常に重くかかつているということになるのでございまして、私はお話でございましたけれども、やはり税というものは、国税が所得中心主義にという方向は賛成でございますが、その所得高に対する納税と、地方費におきましては、やはり応益的な意味の納税、こういう二つによつて、確保して行くことが如何なる経済状況の下においても適切な制度であろうと考えております。
○油井賢太郎君 それからもう一つまあ大臣は適切とおつしやいますが、今日の経済状況からいつて税率が高過ぎやしないか、地方全体が、却つてこれは国税の方をもう少し加減をする。つまり債務償還等において加減をして、一応地方税というものは、もつと率を低くして明年度あたり本年度の状況を見て率を変えて行くというような方法を採られるお考えはなかつたのですか。
○国務大臣(本多市郎君) 只今のお話によりますと、全く本年度の予算の根本に触れる問題でございますが、今日の今回の改正税法案、並びに今回成立いたしました国税法を通じまして、今日の税率というものは高過ぎるということは全く同感でございます。更にこれをあらゆる努力を払つて軽減して行きたい、その軽減の一つの方法として債務繰上償還なんということは、この際やるべき時期でないのではないかというお考えは、誠に一面御尤もであると思うのでございますけれども、これは安定計画の一環としてやはりその計画されてやられたものでございまして、このインフレを再び起さないようにして行くということは、経済再建の根本でございますので、これは一面税において、苦しい点であるのではありますけれども、更にインフレを起さないようにという点から止むを得ないことであると考えております。又この債務償還のそのお金は、結局、これは政府の金が民間に返えるのでありますから、いろいろ御議論はありますけれども、この金が間接融資、金融機関を通じての間接融資の基になるのでございますので、決してこれもこの経済循環という上におきまして、無意味なものではないと考えております。むしろこれを政府が直接投資をしたならばそれが循環が直接的でよく循環するのではなかろうかという意見も出るのでございますけれども、この辺につきましても、直接融資と間接融資の兼合いを以てインフレを抑えて行くということと勘案いたしまして、本年度の予算の程度で止むを得ないことではないかと考えられます。ただ税金の高過ぎる税金を安くしたいということにつきましては全く同感でございますが、これは今後のあらゆる施策の努力によつて、国費の軽減を図つて行く外なかろうと考えております。
○油井賢太郎君 インフレ抑止のために債務償還をなさるというようなお話と、債務償還した金が民間に廻つて、何ら経済需要、財政需要に影響がないというお話はちよつと矛盾があると思うのですが、これは今日の題目ではないと思いますから、これは別の機会にいたしますが、併しいずれにしろ地方税が結局先程私が冒頭申しましたように、事業が不振になるところに重くかかるという点が今度の税率が高過ぎるのじやないかという私の大臣に対する質問なんです。これについては大臣お認めになられたようですが、補正予算等において何らかの措置をおとりになることは可能なんですか。例えば平衡交付金の問題もまだ出ないし、或いは地方税、更にこの地方税全般に亘つて国会の審議でもつて自由になされてもいいというように大臣お話になつたのですが、現に衆議院においても自由党でさえも、これに対して修正案を出すというような意向になつております。そういう修正案が実際可能であるならば、結局国税のあの補正予算というものを取らなくてはならん、こう思うのですが、そういう際に補正予算を組んでまでも修正ということが可能であるかどうかということは、予め承つて置きたいと思います。
○国務大臣(本多市郎君) これは政府といたしまして只今のところ政府の方から施行期日等の変更の修正は、これは止むを得ないと思いますが、税法の骨子につきまして、修正を是非しなければならんという点は、政府自体としては認めておらないのでございます。従つて税法の修正に伴う補正予算等は、只今のとこを何ら考えておらないのであります。
○油井賢太郎君 そうしますと、修正はしても無駄だという結論になるわけでございますか。
○国務大臣(本多市郎君) これは国会の御意見でおやりになることでありまして、修正が実現いたしましたならばその修正通り実行されることでありますから、無駄ではないと思います。
○油井賢太郎君 その際修正を施すというのは、これはまさかもつと高く上げるという修正は絶対にない。必ずこれは或る程度税率を下げるという修正に行くと思うのです。その際地方に対するところの平衡交付金の増加ということは必ず起きます。それについて予算措置を補正されるお見通しは、大臣としては如何ですか。
○国務大臣(本多市郎君) これは税率等を、標準税率等を引下げる等の修正が仮に成立いたしましたとして、その標準税率を以て算定して計算した場合、どうしても、平衡交付金が不対するという事態になりましたならば、そのときに研究しなければならんと思います。但し平衡交付金が交付の標準に按分することになつておりますので、僅かな違いでありましたならば或いは各地方団体の運営によつて、これをまあ調整して貰うという場合もありましようけれども、大きな修正でありましたならば、その段階に立つて勿論政府としても考慮しなければならん。
○油井賢太郎君 大臣は大変地方に対する思い遺りのある御答弁で結構なのですが、その僅かというのはどう程度を以て標準にされますか。
○国務大臣(本多市郎君) それはまあそのときになつて見ませんと分りませんです。税法の修正が政府としては今考えられないのでありますけれども、国会の方で修正され、更に平衡交付金の一千五十億と勘案して、これは到底地方財政の計画を実行することができない。或いはこの程度のところまではこの平衡交付金の増額は、これを修正しなくても何とか調整してやつて行けるだろうということは、その事態を見まして、政府といたしましても研究して態度を決定しなければならんと思つております。
○油井賢太郎君 そこが肝心なんですがね。修正をするのに我々も敢て政府を困らせるとか何とかというのが目的ではないのであつて、国税、国の財政と地方の財政とをよく睨み合せて適当なこところに行うということは我々希望するところです。そこで今大臣の仰せられたように、この程度ならばまあやつて行けるという、その差ですね。成るべくならその差だけぐらいまででもできますなら修正を施して少しでも安く地方の負担を軽くして、国民の負担を軽くしたいというのが、我々希望するのですが、その額はどの辺になりますか、具体的にやはりお示しを願いたいと思います。
○国務大臣(本多市郎君) どうかその辺は自主的に一つ、千五十億の平衡交付金で、それを修正しないでやれる程度の修正であるか、それを増額しなければならん程度であるかということは御判断を願いたいと存じます。政府といたしましては、その事態に直面したときにやはりその前提条件を土台として方針を決定する外ないと存じております。
○油井賢太郎君 一国の地方税については、第一の権威者の大臣から、その点を我々よく伺つて置きたいと思うのですが、特に大臣の御私見でもいいんですが、どの程度だということを……
○国務大臣(本多市郎君) これは仮にあなたの方から税率をどの程度に下げるのだということを言われましても、その結果平衡交付金はどういうふうに補正しなければならんだろうということは、今直ちにはお答えできないのでございまして、やはりすべて政府部内の研究討議の結果でなければ申上げられないことでありますから、あなたの方から、幾らに修正するのだと言われてもできない話でございまして、それが全然分らないときに、私の方からどの程度ならばというようなことはちよつと申上げかねます。結局地方団体がこれで平衡交付金は既定の金額でやり得るか否かということを、そのときの状況によつて判断する外なかろうと思います。
○油井賢太郎君 それではいずれ又大臣の御研究を御発表の機会があると思いますが、細かい点ですが、入場税についてちよつとお伺いしたいのですが、実は地方に参りますと、入場税は今までの国税で、厳重な取立てをやつておつたときはよかつたですが、ところがそういう際でも、例の、はつきり申しますと、前進座というような劇団が方々歩いてまして、地方に行つて可なり入場税を廻つて、地方庁と問題を醸しているんです。あれは一体どんな工合に解決がついたのですか、それとも又ああいう事態が将来もあつた場合、入場税は今度は完全に地方に移されて、而も入場税を払わないで、どんどん次の覇行地帯に行つてしまうというようなものを取立てするだけの方策が実際ありますか。
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。前進座等が、地方で臨時に興行をするという場合があるわけなんで、この問題につきましては、過去においていろいろ地方においてそういうふうな問題が起つた場合があります。その際にも大体地方自治庁の考え方では前進座等がどういう目的で興行を行うにしましても、その性質は、結局において一般の興行と変りがないのであるし、又その場合において検討して見ますると、無料とは言いながら、何らかの形式で招待券であるとか、或いは寄附の名の下に適当な入場券ではありませんけれども、何がしかの招待状のような書状を発行しているというふうな例もあるようでありますので、これはやはり現行の地方税法においても、やはり入場税として入場税を取る必要があるであろう、こういう見解を持つておつたわけであります。今回の入場税の改正に当りましても、これらの点を考えまして、臨時に興行するような場合におきましては、その興行者に直接請求し得ないような場合が起つて参りますので、その建物或いは興行場の所有者に請求することができる。又所有者が臨時に興行いたしました興行主に対して求償することができる、こういうような途を開きまして、やはり入場税は確保するための途を開いておるような次第でございます。今後におきましても、税法が成立以後においてはさような方法によつて処置をして参りたいと考えております。
○油井賢太郎君 次に自動車税のことですが、トラツクやバスが自家用事と余り変らない。自家用車が一万五千円の税金で、トラツク、バスというのが一万円というような自動車税ですが、これは少し高過ぎやしないですか。この点は政府側はどうお考えになりますか。
○政府委員(荻田保君) この自動車税の課率の均衡の問題でございますが、いろいろな意味から均衡ということが考えられておりますが、一つは奢侈的な使用というようなことにおきましては、これはもう自家用乗用車だけが考えられております。もう一つは収益力というようなことから考えますと、これはやはりトラツクやバスの方が収益力もある。もう一つ考えなければならんのは、いわゆる応益というような観点から、道路等に損傷を及ぼすというような面も考えなければならません。この意味におきましては、乗用車よりもトラツク、バスの方が強い、こういう三つぐらいのことを考えまして、このような税率を決めた次第でございます。
○油井賢太郎君 それは各地方で以て道路に対する負担金というような税金を取つたりしておるようですが、そういうのは今度廃止されるのですか。
○政府委員(荻田保君) 現在のところは別に法制的に廃止する意思はありませんが、将来この自動車税と噛み合せて考えまして、或いは損傷負担金に関する規定を整理するような必要が起るかも知れません。
○油井賢太郎君 それはあれですか。将来ということはこの税制改正と並行して行かなくては意味をなさないと思いますが……
○政府委員(荻田保君) この程度の標準税率は、大体現在行なつておる程度の税率でございますので、現在の程度でやはり自動車税は損傷負担金と並行しておりまするから、一応この税率を決めましたのは損傷負担金もあるとしての認定でございます。
○油井賢太郎君 次に固定資産税の分で国有の建物やなんか、官舍ですね、そういうところに入つておる、いわゆる官吏の人に今度の税制改革では固定資産税というものを負担させるということになるのですか。具体的に申上げますと……
○政府委員(荻田保君) 国有公有等の家屋を使用しておる者に対しまして、利用者の方に税金をかけるという問題でございますが、これは今回初めてではなくて、実は現行の地租及び家屋税におきましてすでに実施しておるわけでございます。これを固定資産税におきましても引継いだわけでございます。
○西郷吉之助君 先程大臣が来られてからということになつておりましたので、大臣から答弁して頂きます。
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて。 午後三時十九分速記中止 —————・————— 午後三時三十二分速記開始
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。 外に御質疑ありませんか……一件だけ国務大臣にお伺いしたいのですが、四月十一日に全国知事代表といたしまして、東京都知事、北海道知事、新潟県知事、山梨県知事、神奈川県知事、兵庫県知事、富山県知事、広島県知事、香川県知事、宮崎県知事、熊本県知事が連名で遊興飲食税の過大見積による税収欠陥補填措置に関する要望書というものを地方行政委員会に出して参りました。それは昭和二十四年度遊興飲食税の見積りは百二十五億円となつておるが、これは極度の過大見積であつて、これのみにても今日六十億円乃至七十億円の税収欠陥を生じている。昭和二十五年度は前年に比し、不況一層深刻の度を加えつつあるに拘わらず、前年と同額の税収見積を行なつておることは現実を無視するも甚だしい。先に政府当局においては、これら税収欠陥の補填は昭和二十五年平衡交付金においては、優先的に措置する旨言明せられたのであるが、速かにこれが措置を講ぜられたい。右要望する。 こういう要望書が出ております。これに対して国務大臣並びに政府当局の御意見を承わりたい。
○国務大臣(本多市郎君) この遊興飲食税の税計画上の予定収入額が多過ぎはしないかという点につきましては、私共としても心配しておるところでございまして、これは保衡交付金の標準財政収入額を決定いたしますときに、今私の権限だけでは申上げられないことでありますけれども、財政委員会において十分考慮されるように努力いたしたいと考えております。
○政府委員(荻田保君) 二十五年度の平衡交付金を配分いたします際、遊興飲食税がどれだけ取れるかという見積りをいたさなければならないわけでありますが、今手許にお配りしております計算によりますと、これは百二十億になつておるのであります。果してこれだけのものが実際に調べまして各都道府県に取れるかどうかということは今後の問題だろうと思います。従いまして必ずしも百二十億を以ちまして平衡交付金配分の際の基準にはならないと思います。これは後にできます財政委員会において研究いたしまして実情に合うような額によりまして平衡交付金の額を算定する場合の標準財政収入額を決めることになると思いますから、この陳情に述べてありますような趣旨は大体達せられることになるのではないかと思います。
○油井賢太郎君 今の政府委員の説明の百二十億は取れそうもないというふうに聞えるのですが、そうですか。
○政府委員(荻田保君) 今のところは一応取れるという考えで計算してありまするが、実際に調べますと、二十四年度の実績等もそのうち分りましようから、その上で的確な真実に近い数を以て実際平衡交付金を配分いたします際の基準にしたいと思います。
○油井賢太郎君 これは大臣に御答弁願いたいのですが、結局今の政府も別に遊興を奨励するけでもないでしようし、デフレ政策の一環から言つても、そういう面から言つて百二十億はむずかしいというようにも予定されるのですか。
○国務大臣(本多市郎君) この府県税の遊興飲食税の百二十億という収入見積額を只今のところではこれを適当と考えて提案いたしておる次第でございます。併しこれを若し政府が今の段階において不適当である。百億以下だということに政府が仮に意見が決定したとしますと、それだけの税を外の税種で殖やさなければなりません。そういうことをしてまで引下げなければ実情見積りの均衡がとれないかといいますと、今のところはこれで見積りの均衡がとれておるものと考えております。併し段々平衡交付金の算定の基礎になります標準徴収額というものが実情から段々判明して参ります。そうした場合におのずから真実に近い数字が出て来るわけでありますから、そうした場合に若し今の見込額よりも下げるのが適当であるということになりましたならば、地方財政委員会でこれを下げて平衡交付金で補填させるようなふうに、そういうふうに財政委員会で処理して呉れることを期待しておるわけであります。今政府としてこの見積額を下げて、他の税種の方にこれを振向けるというようなことは今やる考えはないのでございますけれども、この趣旨に副うように努力すべきであると考えております。
○油井賢太郎君 今の大臣のお話は大蔵委員会にも非常に関運した問題が生ずると思いますので、平衡交付金法が出ました際は、これも必要に応じて合同委員会でもなさるようにお願いします。
○委員長(岡本愛祐君) 尚お尋ねして置きますのは、実は料飲業者の方から陳情が当委員会に参つておるのです。その業者側の言うところによると、全国の遊興飲食の総額即ち客の消費する金の総額は千五百億ある。それで税率を百分の十に下げて貰つても優に百五十億の収入を挙げることができる。地方税法案の税率は非常に高いから百分の十に下げて呉れ、そうすれば確実に取れる、こういうような陳情がありましたが、この点について荻田政府委員はどういうふうに考えておりますか。
○政府委員(荻田保君) 千五百億の遊與飲食額があるかどうかということは只今は分りませんが、ただこれは非常に遺憾なことでございますが、現在の課率で取つております税額は必ずしも遊興飲食額の全部を捕捉しておるとは考えられません。従いまして税率を下げれば、必ずしも税率を下げただけ税が減収になるとは思われません。従しまして、現在の法案でも三分の一程度下げておるのでありますから、これを更に下げて果して現在の税額が確保できるかどうかということになりますと、今的確にこれが入るというお答えもすることもできないような次第であります。
○委員長(岡本愛祐君) この問題は多年に亘る地方税務機構と業者側との間に行われておつた漫然とした割当主義と言いますか、又談合と言いますか、そういう弊害が私は出て来ているのだろうと思う。業者側が千五百億払つて、百分の十取つたつて優に百五十億の税収を挙げることができる、それから知事の方じやとても百二十億も取れやしない、その半分ぐらいしか取れない。こういうことを言うのですが、これは地方自治庁の方でも非常な府県側としての大事を税な一つとなつたのですから、この事情を究明されて本当に脱税のない収入を百二十億はこの業者の言うところが確かならば挙げることはいいだろうと思うのですが、そういうふうな措置を講ぜられるように、それだけお願いしておきます。
○国務大臣(本多市郎君) これはただ遊興飲食額の見積りをそういうふうに、仮にそれが間違いない見積りといたしましても、税率というものはやはりその課税対象の性質によりまして、奢侈の程度、負担力の程度等を考えてできておりますので、今業者の陳情通りに税率を引下げるということは、入場税あたりでも十割かかるものもありますから、今日芸者を上げて遊興をするというような人達に対する税率としては、今回三分の一引下げましたが、それ以上下げますということは、そうした面からの税率の均衡を失するのじやないかと考えられます。従つて国家の示す標準といたしまして、この税法の各法案に示しておりまする標準税率の程度にして頂きまして、仮に各地方団体において予定収入額さえ得られれば取り易いようにして取る方がよいのである、或いは又そのことを地方住民も納得して、実施が容易であるということになりましたならば、これは地方団体においてそういうふうに、標準税率のことでありますから、適当に歳入欠陥を生じないように調整ができるのじやないかと存じております。
○委員長(岡本愛祐君) それでこの次の地方行政委員会のときまでに、果して業者の言うごとき遊興飲食総額があるのかどうかということを調べられるならば調べて頂きたい。そうしないと審議のしようがない。大臣のおつしやることも尤もなんで、遊興飲食の税を総額が予定より多いからといつて下げるわけにも行かないから、それだけ要望して置きます。 外に御質問ございませんか……それでは本日はこれで散会いたします。 午後三時四十四分散会 出席者は左の通り。 地方行政委員 委員長 岡本 愛祐君 委員 三木 治朗君 黒川 武雄君 堀 末治君 櫻内 辰郎君 西郷吉之助君 鈴木 直人君 太田 敏兄君 大蔵委員 委員長 木内 四郎君 理事 黒田 英雄君 伊藤 保平君 九鬼紋十郎君 委員 平沼彌太郎君 油井賢太郎君 小宮山常吉君 高瀬荘太郎君 藤井 丙午君 米倉 龍也君 国務大臣 国 務 大 臣 本多 市郎君 政府委員 地方自治政務次 官 小野 哲君 地方自治庁次長 荻田 保君