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7回国会参議院1950/04/29

大蔵委員会 第45号

発言数
36
登壇者
5
会派数
3
開催日
1950/04/29

会議録

木内四郎民主党

○委員長(木内四郎君) これより大蔵委員会を開きます。予算執行職員等の責任に関する法律案、船主相互保險組合法案、配炭公団の損失金補てんのための交付金等に関する法律案、以上三案につきまして御質疑がありましたらお願いいたします。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 予算執行職員の責任に関する法律案について二、三御質問いたします。従来、提案理由にもありますが、現金とか物品の出納管理については弁償責任があるようになつておりますが、これらは今まで実行された例があるのですか、それを一つお伺いしたいと思います。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) 従来こういう事項はしばしばございまして、それに対してやはり損害賠償の責任を追及しております。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 それから今度の案によりますと、予算執行職員が故意又は重大な過失によつて違反の支出をしたような場合に、国に損害を與えたときは責任があることになつているようですが、この予算執行職員というのは二條に定義があるようでありますが、予算の執行をする者は、会計法を見ますというと、各省の長もそれがあるわけであろうと思うのですが、各省の長、大臣の責任において直接執行するような場合に、この違反があつた場合には、いろんな外の規定を見ますというと、長のことは余り書いてないように見えるのですが、長がやるということはないということに何かなつているのですか。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) 本法の適用の対象になります予算の執行職員の定義を第二條にいたしておりますが、ここにございます支出負担行為の相当官は、或いは支出官というものは、各省大臣を含めてございます。会計法では予算の執行につきましては、各省大臣が一切責任を背負う。但し場合によつては部下の役人にそれを委任することができるといたしまして、その各省の大臣、それからその下でその大臣に委任を受けました役人を合せて支出官とこういたしております。ただ実際問題といたしましては、現在実際上支出官の事務を各省大臣が執り行なつておる例は、過去にはございましたが、現在はございません。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 法律上は各省の大臣がまあ支出官の仕事ができるるわけですね。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) はあ。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 然るにこの法律で見るとい例えば四條の二項を見ても、「会計検査院が弁償責任があると検定したときは、予算執行職員の任命権者」これは「国家公務員法の第五十五條第一項に規定する任命権者をいい、」と書いてありますが、その任命権者に対して弁償を、いわゆる任命権者が「その検定に従つて、弁償を命じなければならない。」とありますが、任命権者という場合は、大臣の場合には公務員法にはございませんで、見ておりませんが、第五十五條第一項と言えば、大臣の場合には誰が任命権者になるのですか。総理大臣ですか。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) これは勿論ここで言われる任命権者という場合には、ここに書いておりますのは、そういう場合を実は予想しておりませんが、そうして現在においては実は会計法の支出官という観念の仕方が、一応予算の執行責任はとにかく大臣が背負うのである、それを又部下の官吏に委任するという建前になつておりまして、現在ではそれを支出宮と総称いたしておりますが、大臣が直接支出官という事務をするということは全然ございません。    〔委員長退席、理事波多野鼎君委員長席に着く〕  それで会計法の現在の立て方は従来のまま承継いでおりまして、そこのところに多少不都合なところがあるのでありますが、これは法律の全体の精神も、又現在の会計法に、おきましても又、大臣が直接に支出する事務をするということを、いわば法律上予想をいたしておりません。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 予想してないわけですね。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) そうです。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 それはそういうことなら、それとして分りましたが、次にもう一つ伺いたいのですが、実際において大臣が支出官を委任するというような場合において、その委任をした人間が惡いことをしたという場合には、弁償責任の……、その選定を誤つておつたというようなことで、別に責任はないわけですね。この法律においては……。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) ええ。ございませんです。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 それからこれによりますというと、第三條に「予算執行職員は法令に準拠し、且つ、予算で定めるところに従い、それぞれの職分に応じ、支出等の行為をしなければならない。」というふうになつておりますが、法令に違反したという場合は、まあこれの対象になるように想うのですけれども、法令には違反してないが、故意又は非常な過失によつて過拂とか、或いは誤拂をして、それを返納を命じても取れないというような場合が起つた場合は、これはどういうようになるのですか。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) これはやはり過拂をする、誤拂をするということは正当なる支出をなしたことになりませんのです。即ち法令に違反することに結論としてなります。但し故意又は重大なる過失という主観的條件に限定がございますので、その主観的條件に該当いたしておりません場合には、弁償の責任はございません。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 やはりその法令に違反したことになるのですか。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) そうです。

波多野鼎日本社会党

○理事(波多野鼎君) 外に御質問ありませんですが。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 この法令は公布の日から施行するわけですが、過去にそういうことがあつたものは遡つてはやられないのだろうと思うのですが、過去にこういう実例がどれくらいありますか。国家に損害を今まで與えているかというような、何かお調べがありますか。

山名酒喜男会計検査院事務官(会計検査院総務課長)

○説明員(山名酒喜男君) この法律は公布の日からこれを施行するということになつておりまして、遡及規定を特に書いてございませんければ、本人の不利益のためには遡及いたしませんので、勢いこの法律が施行された後における支出等の行為が行われた場合から紀律されることになるわけでございます。で過去の政府の支出又は契約負担等で、こういつたような事例は、直接的にこういう判定を下さなければならないような必要に迫られませんので、この法律の適用のあつた場合に、果してどの程度国家の損害の補填が取入れられるものだろうというような意味合においての、弁償額範囲の調査をいたしたものはございませんが、この法律のうちで懲戒処分に該当いたしますような場合、その故意又は重大なる過失によつて損害を與えるか、或いは又故意か過失によつて法規違反の事態を発生した場合においては、損害の有無に拘らず、懲戒処分をしなければならないということになつておりますが、そういつた懲戒処分をしなければならないような案件といたしましては、大体二十三年度の決算検査報告といたしまして、私の方で審議いたしました中には、大体六百件近くございます。懲戒を要求しなければならないであろうといつたような案件は……但しそれも果して主観的な條件が成立つか否かということについては、審議をいたさなければなりませんが、大体一応調査を要するものと認められる案件が、丁度六百件ばかりございます。尚弁償額の問題は非常に問題になつて参りますが、政府の支出で法規違反とか、或いは予算の目的に十分適わなかつたといつたような、一応国損が発生しておるかどうかは別として、検査院がこういうのは正しくない支出である、或いは当を得ない支出であつたと批難いたしました案件は、六十億円ばかり対象になつております。

波多野鼎日本社会党

○理事(波多野鼎君) ちよつと僕から聞きますが、六十億ばかり国家が賠償をしなければならんというのですか。

山名酒喜男会計検査院事務官(会計検査院総務課長)

○説明員(山名酒喜男君) いや、只今申上げましたのは検査院で違法又は不当として取上げました案件の総体金額でありまして、弁償させる場合においては、当該官吏の故意又は重大な過失があつたという條件と、国の損害がまだ補填されていない、穴があいておるという状態において、弁償責任が発生するわけでございますが、只今申上げましたのは一応国損が継続しているか否かということは問わないで、とにかく不当な支出でありましても、反対給付が行われておる場合においては、国損がない、ないということになれば補填させるべき損害というものはないから弁償責任はないわけでありますが、私の只今申上げましたのはそういつた調査をいたしたことはございませんが、二十三年度における検査院で不当或いは正しくないと批難しました案件の金額だけを拾つた場合はそれだけになると申上げたのでございます。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 例えば過拂、誤拂をしたような場合をとつても、それだけ国家の損になつておつたとすれば、請求をして拂わなければそれだけ損になるわけですがそれに対してはやはり訴訟手続などをして取るわけですね。それは国がやるのか、支出官がそれだけ弁償しておいて、支出官の負担において訴訟を起して取るようになるのですか。その手続はどういうふうになりますか。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) これは第二條にこの予算執行職員の定義の第二條の八号でございますが、「前各号に掲げる者からその補助者としてその事務の一部を処理することを命ぜられた職員」即ち本法の主たる狙いは支出官でありますとか、支出負担行為相当官でありますとか、いわゆる歳出の執行につきまして、意思決定につき最終的に、責任を持つておる者を狙いといたしておりますが、併しながら最近のような情勢ではそうした人達にだけ責任を課するということは不当でもあり、苛酷であるということも考えられます。それで一定の責任と一定の仕事というものを、その支出官なり支出負担行為相当官なりから分け與えられまして、そしてやはり実質的に責任を背負うような立場にある、例えば係長でございますとかそういつたような補助者につきましては、これを一定の範囲においてやはり責任を背負わせることができるようなふうにしたということになつております。それで只今御質問の場合の具体的にどういう地位にあるかということによつて勿論違つて参るわけでございますが、それがここに八号にございますような意味で補助者として特に指定を受けた者であるということでありますれば、これは直接本人に対してこの法律による責任が追及されて参ります。それから若しもそれの適用の対象にならないというような、いわば非常に機械的に仕事だけを扱つておるところの下の者ということになりますれば、それはやはり最終的には、最後の決裁を個々の対象になる執行職員にいたすのでございますから、その執行職員がその誤拂なり過拂の、つまり不当なる支出についてどの程度責任を背負うべきかという具体的條件を検査院が認定いたしまして、それによつて決めることになります。その関係は一般のものと同様でございまして、その損失と相当因果関係があるかどうか、且つ又この法律によるところの故意又は重大な過失ということの條件に該当するかどうかというような点を明らかにして決めることになつております。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 その点はその通りですが、それが誤つておつた拂いだとすればその返還を請求しても收まらないという場合に、この訴訟手続によつた場合のそれぞれの費用は、やはり国家に與えた損害と見るのですか。初めにそれだけはその支拂をした者から取つておいて支拂をした者が今度その受取つた者に対して返還を請求するというのは支出官がやるのであつて、国がやるのじやないのですか。その点をお尋ねしたのです。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) これは勿論最初に誤拂とか過拂のような場合には、一時的に相手方に対してその当該の事務の責任者から要求がございます。そうしてその結果としてどうしてもそれが戻せないということになりますと、やはりその直接の事務に当つた者が結局この條文に該当するような場合においては、責任を背負うということになります。

黒田英雄自由党

○黒田英雄君 そうするというと、つまり国は誤拂した金額だけを責任者から取れば、それだけが国が損害として取ればよいのですね。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) そうです。

波多野鼎日本社会党

○理事(波多野鼎君) ちよつとその点で……これは支出の場合だけをやつているのですが、規定しているのだが、納税者から取過ぎたという場合は考えていないのですか。

佐藤一郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○政府委員(佐藤一郎君) これは実はこの法律の適用範囲を歳出に限つたものか、歳入まで拡張するかということには、立法のときにもいろいろ問題がございました。が、何分にもこの法律自体が会計の職員に対して、他の官吏と異なるところの特殊な一種の重い責任を課しているようなわけでございまして、従来と格段の違いがありますので、これを実行するにつきましても、余程注意を要するというふうに私共は考えております。それでまあできるだけ漸進的にこういう制度を入れて行きたい。特に歳入の場合には、例えば今度は租税の滯納を放つぽつておつたという場合に、どの程度その責任が追及されるかということになりますると、まあ一面逆に苛斂誅求を奨励するような結果になりかねない場合もあり得るというような点も考慮いたし、且つ又最近のような租税行政の実情でございますので、一どきにこういう法律を現状のままで以て適用することは適当でないということを考えて一応外したわけでございます。

波多野鼎日本社会党

○理事(波多野鼎君) それから表題を見てみると、予算執行職員とかあるので、だから予算上の歳入を取立てる場合についても適用があるのかと思つたのですが、第一條を見てみるとそうじやないのですね。支出の面だけですね。ただこれは問題ですから、二重に取立てる場合もありますし、租税を……非常に何といいますか、過大に所得を見積りて取立てて、あとで返すという場合もあるし、こういうことが納税者の側から見ると非常に問題なので、そういう点も立法のときには考えておつたが、漸進的に又今後考えて行くということで、今度は外したというわけですね。外に御質問ございませんか。配炭公団関係、船主相互保險組合関係、予算執行職員等の責任に関する法律案関係、これに御質問ございませんければ、一応今日の委員会は散会することにして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

波多野鼎日本社会党

○理事(波多野鼎君) その前にちよつと小委員会の報告をすることにいたします。    〔理事波多野鼎君退席、理事黒田英雄君委員長席に着く〕

黒田英雄自由党

○理事(黒田英雄君) 大蔵委員会に付託されました、請願陳情に関する小委員会の報告を小委員長よりお願いすることにいたします。

波多野鼎日本社会党

○波多野鼎君 小委員会で審査いたしました、請願及び陳情五十三件について、審議の経過並びに結果を簡單に御報告申上げます。請願第千三百五十五号、同じく第千五百三十五号、同じく第千七百五十八号、同じく第二千三十二号の四件は、いずれも公団或いは閉鎖機関整理委員会等の職員の退職手当に関して、その改善を要請しているものであります。又請願第千七百六十七号及び陳情第二百四十四号は、国家公務員共済組合法中、給付範囲の拡張等の改正をされたいという趣旨であります。  次に主税局関係のものについて申上げます。請願第二千百四十三号は、低額所得者の給與所得税率を引下げること、文請願第二千百四十九号は所得税を軽減すること、陳情第三百五十一号は織物業者に対する所得税更正決定が当を得なかつたので、変更されたいということを、陳情第三百六十二号は、申告納税制度本来の趣旨に鑑み、経営の実態に副うように課税されたいということをそれぞれ要請しております。請願第千九百五十九号外四件は、協同組合に対する課税の免除、又は軽減を要請しております。請願第千九百五十四号は国宝等の保護愛護のため富裕税の課税対象から除外されたいという趣旨であります。請願第千九百八十九号は時計貴金属業者の物品税を、請願第千九百九十号は水あめ、ぶどう糖の物品税、請願第二千百十六号は喫煙用器具の物品税、請願第二千百二十七号は鞄類の物品税について、それぞれ課税の適正化を図るか、軽減又は撤廃するかの措置をとられたいという趣旨であります。請願第千八百十五号は農業協同組合に対して、釀造事業を認可されたいという趣旨であります。請願第二千九十三号外二件は課税の適正化を図られたいという趣旨であり、陳情第百七十四号は所得税審査委員会を設属すること、陳情第百八十九号は雪害地方の税を軽減し、課税方法を改善することをそれぞれ要請しております。請願第千六百十六号は国民金融公庫の融資を増額すること、陳情第三百五十二号は京都市に中小企業金融專門店を設置することをそれぞれ要請しております。請願第二百八十号外二十四件は、たばこ事業を民営に移管することに反対する等の趣旨のものであります。  以上五十三件については愼重に審議しました結果、いずれもその趣旨が妥当なものと認めて採択しました。以上御報告いたします。

黒田英雄自由党

○理事(黒田英雄君) 只今小委員長の御報告に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黒田英雄自由党

○理事(黒田英雄君) それでは小委員長の報告通り決定いたします。  それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後二時六分散会  出席者は左の通り。    委員長     木内 四郎君    理事            波多野 鼎君            黒田 英雄君    委員            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            平沼彌太郎君            櫻内 辰郎君            小宮山常吉君            高橋龍太郎君            藤井 丙午君   政府委員    大蔵事務官    (主計局法規課    長)      佐藤 一郎君   説明員    会計検査院事務    官    (会計検査院総    務課長)    山名酒喜男君    

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