選挙法改正に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/03/03
会議録
○委員長(小串清一君) 只今より本日の委員会を開きます。速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小串清一君) 速記を始めて下さい。先刻御報告のありました衆議院の選挙委員長並びに当方鈴木理事等GHQの方に交渉した問題は、大体向うの全く和やかな了解を得たようであります。尚皆様の御意見で、衆議院とこれから多少食い違う点があるようなことを、この際はつきりと御意見を伺つておきたいと思います。例えば選挙区の鈴木理事のお話並びに岡本委員のおつしやつたようなことはもう一応お話になつて皆さんの御決定を得て置きたいと思います。
○岡本愛祐君 今まで御報告を得まして、衆議院におきましては、衆議院側で今までまとめ上げた公職選挙法案について、委員会で多数を以つて決定して、いずれ衆議院の本会議にかけて参議院の方に送付をいたして参ることになるというお話でございますが、そこで参議院のこの特別委員会の使命といたしまして、その衆議院の原案に対して修正を要すべきものが相当多数ある。特にその中で、今まで衆議院側の原案の中に含めて貰わなければ困るという点が数点ある。そういうことも取り入れてないようですから、それをこの委員会では修正をしなければならん。その外に政府で別途行なつておりました選挙制度調査会における一応の結論というものが出されている。その中にもこの選挙制度の畫期的改正に当つて我々が審議した外に、いい気のつき方をした点もある。そういうものも折角ですから取り入れる必要があるんじやないかと私は思うのです。そういうことに対して皆様の各委員の御意見を聞かして頂きたい。それでこの法律を作る、間に合う範囲において採り入れて頂きたいということを一つお諮り願いたいと思います。
○委員長(小串清一君) 今の御意見如何ですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小串清一君) そうだとすれば至急に急いで調べて貰います。
○岡本愛祐君 そういたしますと、衆議院の方はもう上げて来たのですから、参議院側において選挙制度調査会の各分科会と言いますか、その委員長を呼んで、それから一応聽いて、その中で採用すべきものは採用して、そうして修正に盛り込むというようにして頂きたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小串清一君) それではさように決めまして、この次に向うの選挙改正調査委員会の委員長を呼んでここで説明を求めることにいたします。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木直人君 ただ念のためにですけれども、今度は前の政府の調査会と違つて、一応衆議院の決定した案が案となりますから、その調査会に来られる方も衆議院の原案をよく調べられて、そうして衆議院の原案のこの條項については、調査会においてはこうこうであつたと、こういうようなふうな説明をお聽きしたいと思うのです。従来は一つの原案がどこにもできていなかつた、ですからそれぞれ自分の考えていることを今まで述べておつたのですけれども、それを広汎に聞いても困りますから、衆議院の案を中心として、それに対する反対とか、賛成のようなことについての分り易いような一つ御説明をお願いしたいと、こういうことです。
○委員長(小串清一君) 鈴木君の御意見御尤もと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小串清一君) そうすれば、そういうふうに向うに申込んで、調査会の方に一つ、この次の委員会に決めて貰うことにします。
○大野幸一君 先程懇談会のときに明らかになつたようでありますが、衆議院から原案は回付されてくる、それを参議院が修正するという段取りになつておるのでありますから、衆議院選挙に関しては衆議院の意向を尊重して、余りこれに対しては……衆議院に参議院が任しておく。その代り修正すべき点は専ら参議院選挙について我々が或る程度の自主性から修正をする。それに対しては衆議院も、当初の両委員長の打合せのように、余り干渉しないで成るべくこれに同調して貰うという態度で、専ら参議院選挙制度について一つ御研究を願つて、そうして修正をする。こうやつたならば、両院スムースに行くと思いますが、私はそういうふうに考えております。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小串清一君) 御異議ありませんな。
○城義臣君 私も賛成でありますが、只今大野君の御発言は、私はもう少しそれを強く、参議院の委員会で愼重審議した、例えば選挙法のいろいろ具体的な問題などでどうしても讓れない点が何点かあると思うのでありますが、その点については飽くまでも強く要求をして頂くというふうにして、一つ委員長の方で格段の御交渉を頂きたい、こういうことを私は賛成に併せて申上げておきます。
○委員長(小串清一君) 了承いたしました。
○鈴木直人君 もう一つ私ははつきりしておきたいと思いますのは、大野君の御意見がありましたが、衆議院の原案を衆議院自身が作成する場合においては、参議院と衆議院との間において相当合同審査的くらいに、お互いに話合つてできたものであることをはつきりしておきたいと思うのです。いわゆる衆議院においても相当基本法については研究し、参議院においても基本法においては研究をして、そうしてお互いに讓り得る程度のものは讓つて、そうして衆議院がそれをまとめて原案を出しておる。併しながら数点においてのみ、まだ讓ることができないままに、衆議院は日にちもあと少くなつたというようなことで、まあ方法として一応衆議院とてそれを提出したものであつて、その点は明らかにして置きたい、いわゆる衆議院原案は参議院の意向も非常に汲んでそうして作られたものである、ただその点についてまだ一致していないものについては、今の城君のお話のように、一つ強く今度審査の過程において交渉するというふうにすべきであるということをお願いしたいと思います。
○委員長(小串清一君) それは非常に重要なことで、参議院の基本調査をしておる時分から、非公式には衆議院と一緒に委員長が集つて折衝をして来たのです。大体の合作であつたと、ただ衆議院は全部をまとめるし、こつちは基本をやろうというので、そこに前後があつた。これは明らかに両院協議の上でできた。尚皆さんのこうおつしやるような、御指摘のあるような点について向うと折衝するとこういうことにいたしたいと思いますが……。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡本愛祐君 衆議院の公職選挙法案、それから私共の検討して作つた選挙基本法案要請、これを一通り見まして、どうしてもここにどちらにも拔けていると思う重大なことがあります。それは第三者の選挙運動であります。これは、この前の委員会で私も皆さんに御研究願いたいということを申上げておつたのですが、だんだん考えてみても、どうしても一つ拔けておる。それは第三者が候補者に意思を通じないで選挙運動をやれば、幾ら費用を出してもいいのです。そういうことになるのです。だからその会社の社長が立候補して、会社の社長は今度の選挙費用の制限で、八十何万円とか、七十六万円とか、そういうことに制限せられるとしまして、会社自体、殊に支店なんかにおいて、その社長達と意思を通じないでどんどんと選挙運動をやつて、幾ら費用を掛けても構わないということにどうもなるのです。今までの法の決め方だとそれは我々の趣旨でない。そういうことはでき得ない。そのつもりで作つて来たのですが、そこが法に洩れておる。法案の欠陷がありはしないか。そこでそれはないのだということが皆さんの説で明らかになれば結構ですが、どうも明らかにならない。そこで私はこの公職選挙法案の第百九十七條の二というようなものを設けて、公職の候補者及び出納責任者以外の者は、前條第一項第一号及び電話による選挙運動に要する費用の外、公職の候補者又は出納責任者の文書による承諾を得た以外の場合には、選挙運動のために経費を支出してはならないというような規定を設けなければ片手落になると思う。一方には、候補者自身の選挙費用を嚴重に制限しながら、一方、第三者の選挙運動のためには本人と意思を通じておらなければ幾らでも費用を出していいということになりはしないかと思つております。そういうことが、そうじやないのだ、この規定があるから大丈夫だという明らかな論弁ができれば結構だと思いますが、今の規定ではできないと思う。今のこの法案じやできないと思います。その点を研究して頂きたいと思います。
○委員長(小串清一君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(小串清一君) 速記を始めて。
○政府委員(吉岡惠一君) 今岡本委員のお話の点でありますが、我々が伺つておるところによりますと、公職選挙法の施行及びこれに伴う関係法令の整理等に関する法律案というのがございまして、この中の第一條で関係の勅令を廃止することになつておるようであります。
○岡本愛祐君 その結果どうなるのです。
○政府委員(吉岡惠一君) その結果若しああいう制度の規定がなければ、第三者の運動は、その行為の制限にかからない範囲は幾ら運動をやつても差支ないということになるのです。
○岡本愛祐君 そうすると、候補者と意思を通じないでいろいろと金をかけるということはどうなんです。それは許されるのか、許されないのか……。
○政府委員(吉岡惠一君) つまり費用の制限は、意思を通じない限りは通算されませんから、第三者の選挙運動は、意思を通じないでやる場合ならば、行為の制限にかからない限り幾らでもやれるということになると思います。
○岡本愛祐君 私が憂えていることが出てくるわけですね。そうなるとだからこの点は皆さん御研究願つて、どうすればよいかということを……。これは非常に大きな問題だと思います。
○委員長(小串清一君) それでは今度は、衆議院の方の経過は明日の結果で分ると思いますから、委員会は火曜日午前十時にやりましようか。
○大野幸一君 先程吉岡さんから懇談会のときお話がありました法定選挙費用の基準でありますが、それを有権者の数を定員で割つて、その得たる数に対して一人当り二円以内にするという衆議院の案でありまして、これを政令に委ねるという話でありますが、それは参議院では、懇談会のときに各委員が一致されたように、一人一円ということに参議院としては希望するということを、念のため速記に留めて置いて貰いたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小串清一君) それでは七日の午前正十時に再開いたします。
○岡本愛祐君 事前運動について、この特別委員会において皆さん非常に、どうしたらいいか、御苦心をなさつたわけですが、某省の次官が事前運動をしているということで、この委員会におきましても、私もそういうことを見聞しておるということを申上げたこともあるのですが、この噂が非常にひどいのでありまして、ここに新聞を持つて来ておりますが、二月の十九日の夕刊朝日新聞におきましても、「今日の問題」という所で、この官吏の事前運動を批評しておるのです。それを読上げますと 某省の次官が数日前に秋田県横手町を水害視察のため訪れた。ところが滯在僅か二時間十五分、地方事務所の歓迎宴で集つた地元町村長や業者達と名刺だけはフンダンに交換し、陳情はカンタンに引受けたが工事現場などは見ようともせず、そそくさと岩手県に向つた。アツケにとられた村長さん達「名刺にカナがふつてあるし、祕書が職業住所を聞いていたから、官費の事前選挙運動ダネシ」と語り合つたという。尚その次官は新聞記者には「六月の参議院選挙には出るが選挙運動に来たのじやない」とわざわざ断つたそうだ。先頃の京都市長選挙については今事前運動が問題にされているようだが、その真否はともかくもつと惡質の事前運動がそこらあたりに相当ありそうだ。先日の供米割当の知事会議などでもなかなか含みのある応酬が行われたというのが記者席などで受取つた印象だつた。政府や自治体の事務官僚が政界に転向を志すことは別に惡いことではない。殊に事務官僚として誠実にその任を果したものがその仕事を通じて国民大衆の信頼を得、その支持のもとに政界に押し出されるとすれば、これは大いに歓迎すべきことである。併しながら、選挙期日を目前に控えてその地位を利用し、アタフタと「事前運動だネシ」とかげ口を言われるようなことをやるのは何としても賛成しかねる。給料も旅費もすべて国民の壞から出ているのだ、国民こそ自分達の主人なのだということを、夢にも忘れないで貰いたい。戰後の国民はだんだん賢明になつて来ている。立ち回る方はうまく立ち回つた積りでも、国民の方は存外真実を見拔いている。参議院立候補を決意した官公吏は、その出処進退をはつきりすべきであろう。苟くも国民に政治への不信を感じさせるような行動は謹んではどうか。 こういうふうに批評しております。これは非常にもうひどいのでありまして、いわゆる事務官僚の間でも、余りにひど過ぎると、こういうことぢやしめしがつかないということを官吏自身が歎いておる。こういうのは選挙管理委員会でどういうふうに一体お考えになつておるのですか。このままで放任して置けるものであるか。それは大きな選挙管理委員会としての問題でもある。それについて、選挙管理委員会内において、この問題についてどういうふうなことを考えておられるか。どういうふうなことを研究しておられるか。そういうことを承りたい。
○政府委員(吉岡惠一君) 今の事前運動のお話ですが、現在の法律では、事前運動を禁止しておりますし、只今衆議院で問題になつております法律でも、事前運動を禁止しております。従つて我々といたしましては、法律を十分に執行するためには、事前運動はいけない。今のようなお話は、新聞等も全然聞かないわけではないので、我々も聞いておりますが、これはやはり検察当局、或いは警察当局が、直接そういう事犯に対しては摘発すべき事柄だと考え、我々もいろいろ聞いておりまして、余りに甚だしいことであれば、何とか考えなければならんと思いますが、まだ今までのところでは、検察当局或いは警察当局へ注意をする程度には我々の方では考えておりません。
○岡本愛祐君 選挙管理委員会では呑気なことを言つておられるようですが、これは幾らでも証明する者が出て来ておるのです。過般九州へ行つたとき、我々自体でもそれを痛感させられた。又これは東北でしよう。これは東北の問題で、こういうふうに新聞にすでに出ておる。又外の官吏自身も余りひどいというので、幾らでもその証明をするという人も出て来ているのです。これは早速政府は一般官吏の粛正のため、全部の官吏がこんな惡いことをしておるのではないのです。今度官吏で立とうという人が全部こんな惡いことをしておるのでは私は決してないと思う。でこういうひどいのを放つて置かれると、すべての者がひどいことをしておると私は思われると思う。それは官吏の中にはこういう惡い人もある。併しいい人が大部分なのだから、こういう官吏は断然選挙管理委員会で速やかに研究されて、そうして処置をされなければいかん。それを私は警告して置きたい。若しそういうことができないようであれば、これは我々の立案している選挙の規定の中に、利害関係人がこういう事前運動を明らかにやつて、当選の便宜に供したことが顯著なものであるという場合には、選挙管理委員会に対して事実の審査を要求することができるというような規定を設けなければ、私はこれは到底こういう運動を絶滅することはできないと思います。どうぞ速やかに善処されたいと要望して置きます。
○委員長(小串清一君) 本日はこれを以て閉会いたします。次回は火曜日の午前十時からいたします。 午後三時四十分散会 出席者は左の通り。 委員長 小串 清一君 理事 大野 幸一君 城 義臣君 鈴木 直人君 羽仁 五郎君 委員 姫井 伊介君 遠山 丙市君 新井 新一君 佐々木鹿藏君 岡本 愛祐君 柏木 庫治君 來馬 琢道君 松井 道夫君 太田 敏兄君 政府委員 全国選挙管理委 員会事務局長 吉岡 惠一君