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7回国会衆議院1950/04/28

労働委員会人事委員会運輸委員会連合審査会 第5号

発言数
97
登壇者
7
会派数
4
開催日
1950/04/28

会議録

倉石忠雄自由党委員長

○倉石委員長 これより会議を開きます。  ただいまより前会に引続きまして労働委員会、人事委員会、運輸委員会の連合審査会を開会いたします。  本日は御多忙中にもかかわらず、重ねで御出席願いました参考人各位に対しまして厚く御礼を申し上げます。なお参考人、国鉄労働組合の委員長加藤閲男君の代理として、書記長の星加要君が御出席になりましたので、さよう御了承願います。  これより公共企業体労働関係法第十六峰第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、議決第三号を議題として質疑に入ります。質疑を許します。吉武惠市君。

吉武恵市自由党

○吉武委員 私は、運輸大臣がお見えになりませんから、まず加賀山総裁にお尋ねをいたしたいと思います。  今回の第二次裁定は、第一項におきまして、給與基準賃金平均八千二百円と、第二項の、これは第一次裁定にも出でおりました、従来の国鉄の従業員の待遇切下げを、この際もどしてもらいたいという、二つの線が裁定に示されておるのであります。私どもは昨年の第一次裁定の際にも、国会で決議を願いましたように、今日の国鉄労働組合におきましては、争議権がなくなつでおりますので、これに対し合理的な方法で解決をはかつで行きたいという公労法の精神は、これは尊重せらるべきものである。また今日の国鉄の従業員の実際の給與の状況を見ますると、民間のそれに比べまして相当の開きがございますから、できるだけこの裁定の趣旨を尊重して、待遇の改善に努めたいという気持でありますことは、今回の裁定にあたりましても同様な気持を持つでおるものであります。そこで問題は、いろいろな法律の議論は抜きにいたしまして、どれだけの財源があるかという問題になると存するのであります。そういう気持で、おそらく加賀山総裁におかれましても、今日国鉄に働いでおられまする五十万の従業員の生活の問題につきまして、御関心深きものと存じますから、その意味でひとつ率直なるお答えを願いたいのであります。そこで第一に、一項に示されております基準賃金平均八千二百円をもし出すとすれば、国鉄従業員についでどのくらいの財源を必要とするかという問題が一点。それから第二に示されておりまする従来の待遇切下げを、もしこの際復活をするといたしましたならば、これにどれたけの財源を必要とするか。この二点をまずお伺いしたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 ただいまの吉武さんの御質問に対しましてお答え申し上げます。第一項の一人当り八千二百円を基準賃金といたしますことに対しまして必要なる額は、約六十七億、それから第二項、これは考え方といたしましてはすぐに計数が出て参らないのでございまして、裁定の第二項に現われた内容をよく検討いたしまして、それについて第一次の裁定に現われました仲裁委員会の意思並びに計数等を参照いたし、計算をいたしまして、私どもの手で推算いたしますところによりますと約四十億、かようになります。

吉武恵市自由党

○吉武委員 そこで大体今までの経過を見ますと、国鉄においては、予算の成立した当初であつて、とうていこれらを引受けるほどの財源がないということでありますが、私ども考えまするのに、現内閣のとつております低物価政策というものによつて今後月を重ねるに従つて相当物価の値下りというものが予想されるのではないか、また普通の官庁においては、国鉄はどうか存じませんが、今後の人員につきましても、自然減耗というものは相当考えられるのではなかろうかと思うのであります。これらの点を考慮いたしまして、現在の予算では、今ただちに財源ということはむずかしいでありましようけれども、今後の物価の値下りなり、あるいは人員の減耗等を考慮いたしまして、将来の見込みではございますけれども、多少の財源というものが考えられるのではなかろうかと思いますが、その点等についてのお見込みがございましたならば、承りたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 この国会において御審議をいただきました予算につきましては、人件費におきましても、物件費におきましても、昭和二十五年度の予算といたしましては、非常に厳密に査定をいたしたつもりでございます。その上に政府の厳重な査定を受けて、議会の御審議を煩わしたものでございまして、ただいまその中に余裕ありとは私はとうてい考えておらないのでございます。しかしながら予算といえどもやはり見積りでございまして、その見積つた状態に変化が起りますならば、これは絶対に一厘一毛違わないということは、私もここで申し上げるだけの自信は持つておりません。  そこで人件費と物件費について考えてみますと、人件費につきましては、昭和二十四年三月三十一日の年度末の現在員から、年度内に約一万五千人は減耗するであろうということを推定いたしまして、この部分は予算定員上はすでに差引いておるのでございます。従いまして減耗があるいはそれ以上に上るといつた場合には、当然そこに人件費自体におきましても余裕が出て参る。私どもの考えといたしましては、これらの出た余裕は当然従事員に還えしていただくつもりであるというふうに確信をいたしております。  物件費につきましては、そのうち確かに競争入札、公入札等の関係で、最近価格が低くなつておるものもございます。特に繊維類につきましては最近の値下り事情が当然響いて参つておりますので、これらにつきましては、昭和二十五年度に組まれた予算内において、前の仲裁委員会の第一次裁定に問題として取上げられたところの、被服の貸與期間の延長のごときものは、何とか予算の中で短縮し得るのではないかというふうに考えて、これはすでに実施することを私といたしましては決意をいたしておるという状態であります。そのほか修繕費につきましては、もちろん工事單価、修繕單価を下げて行くことに全力を傾注いたしますし、また石炭費につきましても、昨年の下半期の節約したベースによる数量を計上し、また炭価はその後三回のオープン・ビツドによる価格を基にして計算しておりますが、昨年の下半期以上に、さらに従事員の努力を私は要望いたしておるのでありまして、その点からいたしまして、おそらく昨年よりはより以上の成績をあげてくれるものと私は信じておる次第であります。たた炭価につきましては、大手筋の状況必ずしもわれわれにとつて有利でございませんので、これはできるだけ、麻生先生もおられますが、われわれにできるだけひとつ勉強していただいて、いい石炭をできるだけ低廉な値段で頂戴して、そうしてそれによつて経営費を節減いたして参りたい。  なお本年度、終戦後初めてのことといたしまして、いわゆる経常収入の中から二百億を工事勘定に繰入れて、それをもつて建設改良の工事を進めるという計画にいたしておりますが、これは繰返して申し上げますが、まつたく終戰後初めてのことで、その点におきましても、国鉄の財政がよほど健全化したということを御承知願えると思うのであります。この二百億について、これはもう国鉄の輸送力を増強し、あるいは合理化する、あるいは経費を節減するという方面、あるいはかなり多額にわたりまして、まつたく新規の工事を含んでおります。そういつたものについて工事單価を極度に減少する、工事の実費を落さないで、しかも単価を下げて行くという努力をわれわれはいたさなければならぬ。これは従事員の努力もさることながら、まつたく工事を担当してくださる請負業者各位の御努力にまたねはならぬと思うのでありますが、万一こういつた努力が実を結ぶならば、私はこの中から節減額が少しも生れないということを今申し上げるのは早計である、かように考えるのであります。

吉武恵市自由党

○吉武委員 今のお答えのうちに人件費においてはすでに一万五千人が本年度の予算で削られておるというお話てありましたが、それは定員を改正されてのことでありますか、それとも定員はそのままになつて、予算でそれだけ削減されたのでございますか。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 予算定員として一万五千人が減少されておるわけでございまして、われわれの仕事をするいわゆる業務定員とは別個でございます。業務定員は、なおまた予算の定員以下でやるような計画を、われわれとしては進めておるという状況であります。

吉武恵市自由党

○吉武委員 そうしますと、今のお話によりまして、実際の事業遂行の上において予定されている定員は、現在の予算以内できめられているといえば、本年度内においても相当人件費が節約され得るというふうに考えられますが、さよう了承してよろしゆうございますか。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 これは吉武さんも御承知かと思うのでありますが、他の部内は私あづかり知りませんが、国鉄におきましては、この二、三年来はまつたくこの予算定員即業務定員という形で参つた、いわゆる幽霊人口的な考えを拂拭して参つておるのでございまして、この予算定員より低くきめて行きたいというのが私の気持でありまして、予算定員自体が、すでに昨年度の定員法によりまする五十万三千七十二名よりも一万五千人減つておるというかつこうでございます。従つてこれらは自然減耗をそのままのみ込んで行くというかつこうになつておりますので、頭からそれより非常に減らした人数ですぐにやつて行くということは、私は困難だと思う。しかしながらわれわれの目標としては、さらに少い人数でやつてみるくふうをするということは必要であろう。そこでいろいろ独立採算を最密に各部門にわたつて検討いたしまして、また機構の面におきましても機構の改正をいたして、人が少くて管理できるようこいたす。そういうようなことから、さらに業務上の定員を減らすという努力を今拂つておる次第であります。これはわれわれの計画いたしておりますところの、いわゆる機構改正とか、あるいは仕事のやり方の変更とかいうものが実を結びませんと、それたけ従事員のオーバー・ロードになるわけでございますので、そういつた施策が相伴わなければいけないわけでございますが、先ほど申し上げましたことは、そういうふうにわれわれの目標として努力をいたしつつあるということを、申し上げておるわけであります。

吉武恵市自由党

○吉武委員 大体わかりましたが、そういたしますと、今加賀山さんの所で予定されているところの事業定員というものは、予算定員よりどれくらい下まわつたところを目標にされており、もしその目標が遂行されるとするならば、人件費にとれくらいの余裕が——これは一年たつてみぬとわからぬことですが、お見込みございませんでしようか。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 これはお間違いがないように御注意願つておきたいと思うのでありますが、業務定員を減らしますことは、すなわちそこで頭数が減る、現在人員が減るということではございませんので、これは人を減らして仕事をやつて行くことを考えて、それが自然に減耗して行つた場合に、それを補充する必要がなくなる。こういう建前のもとにやつているので、これがすぐ予算上の人件費が浮くということには相ならない、このところをひとつお間違えないようにお願いいたします。

吉武恵市自由党

○吉武委員 そうすると、大体今年度内においての自然減耗というものとにらみ合せながら、予算の中で事業定員をつくられている、こういうふうに了承してよろしゆうございますな。そうしますと、そのお見込みというもので、大体とれくらい自然減耗が起るたろうか。これは過去の毎年の実績から推算するよりほかないと思いますし、また事業の増加その他によつてかわつて来るかもしれませんが、どれくらいの自然減耗というものをお考えになつておるのでしようか。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 先ほども申し上げましたように、予算面におきましては、本年度内の自然減耗を一万五千人というふうに推定をいたしまして、予算面からこれに当る人件費を落しておるのでざいます。今お問いになりましたことは、それ以上に出る見込みがあるのかないのかという御質問たと思いますが、国鉄の従来の減耗率から見ますると、大体三%くらいが通常の状態である。ただいま約五十万と推算いたしまして、これ七対する三%であるならば、一方五千人でございまして、従つてそれ以上の減耗か起きることは、われわれとしては今にわかに推定しがたいということでございます。先ほど申しました、たとえば一万玉千人減りますということは、現在と同じような仕事ぶりをしておりますならば、その一万五千人は補充しなければならぬわけてございまして、減ることにならないわけてあります。それを補充しないて済ますために、先ほど申しましたような、いろいろ業務定員をかげんして、また人が減つても済むという方策を講じておかなければならない。かようなことでありまして、特に鉄道の特殊性ある職務から見て、たとえば婦人の方で申しますと、看護婦の仕事とか、あるいは男子の方で申しますと、連結手というような仕事は、なかなか他の面から転換をして行くことが困難でございまして、これらの仕事は、欠員が出れば新たによそからとつて来るというのが従来のやり方てあります。しかしこの一、二年は嚴にそれを戒めて、多少はむりとは思いますけれども、配置の転換を行いつつ、この新規採用を極力押えるという方策をとつて来た。本年度もその方策をざらに強くとつて、そうして他の部門に欠員が出ても補充をしないように、仕事のやり方を合理化して、定員を減らすように持つて行くというようなことでございます。

吉武恵市自由党

○吉武委員 ちよつと数字の点をもう一度伺つておきたいのてあります。本年度の予算ですでに一万五千人の節約がはかられているということでございますが、この四月一日でもけつこうでありますし、三月三十一日でもいいのでございますが、そのときの現在員はどれくらいになつておるのでございましようか。現在でもかまいません。国鉄の現在員の定員はと九くらいになつておりますか。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 私ただいま正確な数字を持つておらないのでございますが、概数で申しまして約四十九万二千人くらいであつたと考えております。なお正確な数字は後ほど。

吉武恵市自由党

○吉武委員 そうしますと、今年の予算で一万五千人節約されているというのは、相当今後の減耗を見込んで、現在員よりは多少食い込んで予算が組まれているというふうに拝察されるのですが、さようでございますか。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 ただいま申された通りであります。

吉武恵市自由党

○吉武委員 そうしますと、今後の減耗を見込みましても、相当私は困難かと思います。昨年国鉄におきましては、あれだけの行政整理をしたあとでありまするので、さらに整理をするということは、これもまたなかなかむずかしいことでありましようけれども、私どもといたしましては、事実今日の国鉄の給與ベースが民間に比べてあまりに差があり過ぎるので、何とかこの問題を解決したい。野党の方が言われますように、どこかほかの方から予算を持つて来て、予算を組みかえればいいじやないかという意見もあるかもしれませんが、これはドツジ・ラインの予算を堅持しております建前上、とうてい困難なことでありますので、何とか内部においてやりくりをして、都合がつくならば、解決をしたいという希望をわれわれは持つておるのであります。しかし今の人件費の点を聞きますと、今年の予算で、現在定員よりも多少食い込んで減耗が見積られておるということになると、はなはだ心細い話でありまして、先ほどのお話を聞きますと、一年間にわずか三%たといえば、大したことも見込まれないのでありますけれども、何とかこの点をむりをしないで、人員をもつと節約して財源を出す道はないものでしようか。またそれに対して努力をしたいというお気持はないものか。この点をもう一度承りたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 むりをして人件費の中から余裕を出せということになると、結局やめたくない人をやめさせるということ以外には、人件費から浮いて来ないというのが、私どもの考え方てございます。従いまして私どもとしては、何としても人件費は極力減らすように画策はいたしますけれども、この中からば私は多くは望めないというのが、私とものかたく信じておるところでありまして、また数字の示すところと考えるのであります。それゆえに、私は物件費の面にさらに強く節約のほこを向けて、石炭費、修繕費、工事費等にもつと強いメスを当てて、節約の上にも節約の努力をするということを申し上げ、もしこういうものができたならば、これをもつて何とか人件費にまわしていただく道はないものかどうか。これらがわれわれの強い希望であるわけであります。

吉武恵市自由党

○吉武委員 それでは人件費の点はその程度にいたしまして、物件費の点について若干お尋ねいたします。昨年の暮れごろから民間においてやられておりますいろんな建設物等の入札の状況を見ますと、大体二割見当くらい予算額よりも下つて落札されておるように見受けるのでありますが、今年の国鉄の予算で、工事費等におきましては、昨年度の予算をそのまま計上されておりますか。それともいわゆる工事費の値下り等を見込まれて計上されておるのか。もしそうだとすれば、どれくらいの値下りを予算に見込まれておるかという点をお聞きいたしたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 本年度の修繕費並びに工事費につきましては、昨年度の下半期に行いました請負工事額が大体見当がついて来ておりますので、確かに今言われましたように、ものによつては三割以上の低廉な値段で落札したものもある。平均いたしますと一割五分ないし二割近くの低下が見られるようであります。しかしながら一面におきまして、鋼材の値上りというような事情も、これは見のがせないことでございまして、この材料費における鋼材の値上りは、やはり工事單価に強く響いて参ります。従つてわれわれといたしましては、まず請負経費の節減と、この材料値上りが大体見合うものになりはしないかというのが、われわれの推定であります、従いまして見方としては、いわゆる請負工事の価格は減る傾向にあるが、一方材料費の値上りを見込んで、内容は違いますが、單価としては昨年に近いものを見込んでおるというのが実情でございます。それからこれは申し上げるまでもないようでありますが、工事費のごときは、一年間の予算としては節減をし得たといたしましても、工事内容が問題になるのであります。こういう根本問題がございますが、たた予算上の問題としてだけお答え申し上げます。

吉武恵市自由党

○吉武委員 そういたしますと、工事費ては本年度の予算は前年度と比べまして、大した開きがないように見受けられるのであります。もちろん一方鋼材その他の値上りはございましようが、何といいましても、その他の工事につきましては相当の競争が行われて、値下りが見込まれるのではないかと思うのです。この点について大ざつぱなことですけれども、将来この工事費の中で、入札の下落によつて相当の財源が浮くように見受けられるのですが、それに対しての予想はつきませんでしようか。それからもし予想が今すぐつかないにしても、いつころくらいになれば見当がつくものか。その点の事情が承れれば仕合せであります。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 最近の車両等のビツドの結果によりますと、実は少々高く相なつておりまして、われわれが予定したよりも、実は高い値段でなければ買えないというような事態がはつきりいたしました。そういうようなこともございますし、一方土木建設事業の方でも、最近の実情から非常に弱つておるというようなこともございまして、一部にはダンピングが行われるような形勢がある。しかし国有鉄道という大きな企業体がダンピングをしいるということは、とんてもないことになります。従つて最もリーゾナブルな価格によつて請負をやつて行つてもらうというのが、われわれの信條としてやつておることでございます。従つてこれは私どもの仕事をやつて行く上の考え方にすぎないのでございますが、今にわかにどれくらい低廉に受けられるということは、申し上げかねる次第でございます。ここに工事については、第一次の指定として現場にすでにおろしたものがございますが、この第一次の指定が現場に参りまして、ただらに請負にかかり、現場では請負費が高くなるものは、直営工事で行うというようなこともいたします。これを行つた結果は、この六月あるいは七月ともなれば、その落札の価格もはつきり出て参るわけてございまして、これによつて予算に見積られている価格に対して、いかなる関係に立つかという見当が、ほぼ立つて行きやしないかと私どもは考えております。

吉武恵市自由党

○吉武委員 工事費の点は了承いたしまして、私は、先ほどもちよつと出ましたが、石炭の問題については国鉄としては相当支出になる点でございますので、この点にもつとくふうが行われるのではないかと思うのであります。なるほど公団時代には、石炭の値段は二千四、五百円くらいに平均化されておりましたが、しかし一方カロリーの点において、いろいろな低品位炭とまぜて使つておりましたから、実際の効率からいうならば、私は必ずしも国鉄においては得をしておつたとは思われないのであります。公団を廃止してからは、相当高度のカロリーが出るようになりましたので、値段が高くなつたかもしれないが、カロリーのよくなつたために、石炭としては相当節約ができたのではなかろうかという気がいたします。昨年公団が廃止されましてから、今年の三月三十一日までの状況でよろしゆうございますが、石炭の点においては節約がとれくらいあつたかその点節約はてきなかつたか。かえつて石炭は高くなつたのか。もしそれが節約されたといたしますならば、今年度の予算においては石炭の炭価がどういうふうに見積られておるか。その点をお聞かせ願えればけつこうだと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 炭価につきましては、今吉武さんが言われた通り、公団時代よりは相当有利に石炭を手に入れておるのが現状であります。昨年の九月、十一月、本年の一月、四月、合計四回のビツドをいたした結果によりますと、カロリーは平均して六千百カロリー程度になつております。炭価につきましては公団の公定価格と比較いたしまして——もちろんこれはカロリー計算で直したものでありますけれども、この四月にビツドいたしたものと比較しましても、トン当り百敷十円低廉になつておるという状態であります。しかしながら今年の予算面におきましては、先ほどちよつと申しましたように、直前にビツドをいたしました価格で計算をいたしております。これはすでに公団の時代よりは低廉になつた価格を基準にしておるような状態でありまして、具体的にいえば一月ビツドした価格を大体充てておる。ところがこの四月にビツドいたしますと、一月のビツド程度のものとあまり大差はございません。しかしこれを買う方は非常に苦労いたしている。山の方から言わせますと、国鉄は不当に買いたたくというような非難も受けておるような次第であります。中小鉱山等にも勉強してもらいまして、それで予算内でまかなえる炭価で入手できた。私正確に今その平均の価格を記憶しておりませんが、山元から消費するところまでの運賃、諸掛り等を加えましてトン四千円程度になつております。

吉武恵市自由党

○吉武委員 今のお話でちよつとはつきりしませんが、今年の一月の炭価に比べて今年の四月は百円くらい安くなつたというふうにも聞えましたし、一方では大体同じたというふうにも聞えたのですが、いずれでしようか。それともう一つに、今年の予算はいつの基準で予算がきめられておるのかという点を、もう一度お伺いしたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 今年の予算は大体最後のビツドの価格、つまり今年の一月に行いました価格を参考として、これて買えるのではないかという大蔵省の査定を受けてやつておるという状態であります。四月に実際やつてみますと、その価格に押えるためにわれわれは非常に苦心をしておるわけであります。苦心なしてやれば、相当それより高く買わなければならなかつたのでありますが、苦心の結果、大体予算で見積られた炭価程度の価格で入手できた。つまり予算と大差のない価格で入手できた。多少予算の見積りよりは高かつたと記憶しておりますが、いずれにしても、非常な差はないという価格てございます。

吉武恵市自由党

○吉武委員 大体わかりました。そこで石炭の国鉄においての契約というものは、年に何回くらいに区切つておやりになるのでありますか。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 経済の安定した、いわゆる戦前等におきましては、一年分まとめてやつておつたわけてありますが、公団廃止以来非常に変調でございまして、二箇月くらいずつのものを小刻みに契約いたしております。しかし私どもといたしましては、買う時期が炭価にも非常に関係かございますので、あまりたびたび買うことは決してほめたことじやない。特に国鉄としては常時石炭が確保できませんと運転に支障々来すわけでありますので、ある程度石炭については安心をするような入手方を考えなければならぬ。部内で寄り寄り話しておりますことは、一年に一回ということは少し飛び離れ過ぎておるから、できることならば、年に二回くらいにわけてビツドするようなことにしてはどうかというような話もあります。

吉武恵市自由党

○吉武委員 大体石炭関係はわかりました。これも今後の状況でどういうふうになるか存じませんが、今日の石炭事情は大分生産が過剰の状況にあるように思いますので、この点に努力を拂われれは、もつと安く入手する道があるのではないかと私ども期待しておるわけてあります。と同時に、もう一つは予算ぎりぎりで購入をされたといたしましても、石炭のたき方等において相当節約ができるりじやないかども思うのです。聞くところによると、国鉄の従業員においては、昨年の秋ころから給與か低い関係て、何とかてきないものかというので、石炭の節約運動にも相当熱意を持つて努力されたようにも聞いておるのでありますが、実際どういう状況であつたか。もし石炭のたき方を節約いたしましても、それが給與の面にまわらないということになつては、せつかく職員が努力いたしまして、一向きき日がない、こういうことならむしろ普通にたくということにもなるのでありますが、この点は今後石炭の買入れについても当局として御考慮願いたいのです。同時に石炭のたき方の節約についても、もし普通の状況よりも節約ができたならば、それを職員の方に還元することはできないものか。その点のお見込みを承りたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 われわれの努力する焦点は、炭価ももちろん重要なポイントでありますが、むしろその消費にあるのであります。買う方は相手のあることでありまして、いかにこちらが骨を折りましても、売つてくれなければ、鉄道がとまるわけで、どうしても買わなければならぬ。そこで節約の焦点を消費に向けております。昨年は、相当どころじやなく、昨年の特に下半期のごときは、従事員から言いましたら、涙ぐましいくらいの節約をやつてくれました。その結果として、ざつとかりに見積りましても、予算面から見まして、四十億から五十億の節約ができたと私は考えておる。これはもちろんカロリーの上昇も手伝つております。しかしこのカロリーが上昇したものを、うまくたくのが大事なことでございますから、これは結局従事員の努力が非常に入つている、かように私は確信いたしておるのでありますが、本年度はなお諸般の状況から、節約の上にも節約をするのが、われわれのなすべきことだと考えて、もう年度早々昨年度の節約したベースから、さらに三分節約をしてくれという示達を従事員にいたしました。しかし、これは目標でございまして、先ほどから申しましたように、並々ならぬ努力でできた節約から、さらに三分でございますので、これは容易ならぬことだと考えますが、何とかして従事員にさらに骨を折つてもらつて、節約率を上げたい、かように考えております。

吉武恵市自由党

○吉武委員 先ほど私か尋ねました点で一つ落ちている点は、今のお話で、昨年の秋ころから、従業員が非常に執心に節約をやつてくれて、四十億ぐらいの節約ができたということでありますが、その点について、幾分ども職員の方に還元をされましたか。それは結局還元するに至らなかつたかどうか。その点をお聞かせ願いたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 国鉄の予算の査定なり運用について、国鉄総裁はそういううまい立場におらないことが一つと、特に昨年は、予算自体が切り詰められておつたということで、たとえば退職金のごときも、非常に少く査定を受けておる。従いまして、従事員全般にこれを還元するには至らなかつた。それどころでなく、全体において約三十億の不足が見込まれた。これはもちろん貨物運賃の引上げを、十二月からわれわれが希望いたしましたのが、一月からになつたことも加わつております。従いまして、これを従事員に還元する余地がございませんでした。

吉武恵市自由党

○吉武委員 わかりましたが、節約をさせて、それが全然職員に還元されないということになつたのでは、節約をする方にも熱意が加わらないと思うのであります。この点は、国鉄の今までの財政状態が悪かつたから、その方にまわらなかつたと言われれば、それまででありますが、昨年度の年末、すなわち三月におきまして、政府の方では、最後に幾分か国鉄の従事員に金が出したいということで、努力されたように思いますし、またわれわれ自由党といたしましても、何とかひとつこの際、専売公社の職員についての裁定をのむといいますか、裁定の実行を政府に迫りましたと同時に、国鉄職員についても、第一次裁定であまり満足の行く処置がとれなかつたから、この際努力したいということで、迫つて、多少財源があるような見込みでございましたが、遂にあのように一文も出なかつたのであります。今日ではもう三月末の締め切りも終つている状況でございまするので、国鉄の財政状態では、二十円年度においては、全然繰越金というものはなかつたのかどうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 先ほど申し上げた、全然還元する余地がなかつたということは、これけすでに原則的にそうでございますが、報奨金という予算上のわくがあります。これは初めから石炭の消費を節減した場合に充てるということで組まれておりますので、ごくわずかでございますが、報奨金として支出はいたしました。しかしこれは、先ほども申しました全体の節約額とは、もちろん比較にならぬくらいのものであります。それから二十四年度において繰越しはないかということでございますが、財政法の建前として、われわれの損益勘定の経費は、繰越している金がないのであります。二十四年度中に決算ができません場合には、これは不用に立つ——まあ、不用として落してしまつたというかつこうになります。

吉武恵市自由党

○吉武委員 私の言葉が悪くて、繰越しという制度がないにいたしましても、不用額というものが出ましたか、それともぎりぎりであつたか、その点を参考のためにお聞かせ願いたい。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 私、正確にここで数字を申し上げるには、ちよつと資料を持合せないのでございますが、債務の利子等におきまして、約一億余りであつたと思いますが、それが残るということがはつきりいたしております。これはその後の決算を実はまた延ばしておりますので、はつきりいたしませんが、これは不用に立てることに相なつております。

吉武恵市自由党

○吉武委員 大した不用額も出なかつたようでありますが、私は、先ほどから申しました点について、数字的な御説明を願えないのをはなはだ遺憾に思いますが、人件費については、先ほどの御説明を聞きますと、すでに本年度の予算で相当節約が見込まれているということになりますと、あるいは大した望みがかけられないかもしれませんけれども、物件費及び工事費につきましては、なるほどお話のように値上りのものもありましようか、一般民間の状況を見ますと、相当値下りがあるように思いますので、この点については相当期待がかけられるのではないかと思います。今のところでは数字的な御説明を願うことが、あるいはむずかしいかと思いますけれども、先ほど申しましたように、われわれとしては予算の補正と申しますか、他に財源を求めると申しまても、これはなかなか困難でありましようし、従つて現在の国鉄の予算の総わくの中においてやりくりをするならば、今回の裁定の少くとも第二項に該当する、先ほどお話の四十何値かの点につきましては、くふうがつくのではないかと思います。この点につきましては、今ただちにということは困難にしましても、将来これに対して相当の期待がかけられるものであるかどうか。それに対して加賀山総裁は御勢力の意思がございますかどうか。その点承れれば仕合せだと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 冒頭に申し上げましたように、予算ば非常に弾力性を持つたようには査定されていないと私は考えております。しかしながら、政府の施策がだんだんよろしきを得て参りますれば、なお物価も値下りを見込まれるということでございますし、また一面、われわれが節約をして、その節約した額でもつて同じ実効をあげることに努力さえすれば、またその出た額が、従事員にそのまま還元して来るのだということに相なりますれば、従事員の努力も、一層真剣味を加えるということになろうと私は考えておりますので、今ここで急にそういうものが出るということを、私は請負うことは確信がございませんが、これに向つて最大の努力を盡すということは、私ははつきり申し上げておきたいと思うのであります。

吉武恵市自由党

○吉武委員 私の質問は終ります。

倉石忠雄自由党委員長

○倉石委員長 前田君。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 運輸大臣が中座しましたので、加賀山総裁に、今の吉武委員の質問と関連して一、二承つておきたいと思います。  まず第一に、過日の労働委員会の席上で、加賀山総裁は、第一次裁定の残額だとわれわれが主張している十八億の中の三億を支給するという具体的な案を示して、今にでも渡せるような答弁を官房長官とどもにされておつたのでありますが、その点に対してなぜできなかつたかという点を、ここで明確にひとつ御答弁願つておきたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 ただいまの御趣旨は、第一次裁定に際して、私が十八億支出したいということを申し述べ、そのうち十五億五百万円は支出可能であるということを政府から許しを得て、国会の御承認を得て支出したという状況でございます。ただいまお話になりました三億は、その場合の三億で、あるいはまた年度末に除雪費、あるいは人件費の一部にも剰余ができたら、これを支出させてもらいたいということを申したのでありますが、それはその当時十八億から十五億支出した残りの三億とは、私は全然予算的には性質の違うものであるというふうに考えて行かなければならぬと思うのであります。その年度末に三値が支出できなかつたという理由は、国有鉄道にそう余裕が出るわけはない。三十億の借入れをして、ようやくつじつまを合せているのではないか、そこへ三値の余りが出るとは何事かという考えからであります。私どもは予算面において三十借お借りができて、そのして三億は雪が少かつたり除雪費を節約をしたりして出たのだ、こういうふうに考えたわけであります。予算面では、確かに三億程度のものは残るという状況がはつきりいえしておりました。ところが考え方によりましさは、借金をしておる身分で、余裕が出て、それを自由に使うということは、とんでもない話であるという考え方が確かに一方に成立つ。その方の考え方でもつて、三億の余りを支出するということは許されなかつた、こういうわけであります。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 あのときの委員会における官房長官並びに加賀山総裁の答弁は、もうすでに確定的な答弁をされておつたのです。それでありますからわれわれは追究もゆるめまして、加賀山総裁の言を信頼して、あのときには質疑を終つたような状態であつたわけです。今のような解釈が生れるということも、いろいろな角度から議論の対象になつておつたわけです。それにもかかわらず、できなかつたということは、政府並びに国鉄総裁としては、まつたく政治的に責任をとらなければならぬ問題であると私は考えます。それほど政府並びに国鉄総裁の議会における言明が信用できないということになれば、一体何を対象にして委員会は審議を進めるかということになつて来るのです。あのときの答弁は、今私はここで速記録を持つておりませんが、普通ならば、きようの答弁のように周到に答弁をされる政府並びに国鉄総裁てあるにもかかわらず、相当明確に決定的のような答弁をはつきりとしておられるのです。その点から見て、金額は三億ほどのものでございますが、私はこれは第一次裁定の残額、あるいは新しい観点に立つたところの政府の親心、とちらでもけつこうでありますが、しかし出るように決定的な答弁をしておきながら、それがふいになつたということなりますと——一体議会では二百八十の頭数を與党として持つておる吉田内閣が、しかもそうした決定的な答弁をしながら、実現できなかつたということになれば、一体政治的にどういう責任をとるかということを追究せざるを得ないと思いますので、もう一度その点に対して御答弁願つておきたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 私も正確にどういうことを申したか、実は存じておりませんが、当時申し上げたことはおそらく予算面からいつて、事実としてこれだけのものは使わずに済む、使うあてがない、そういう金が三億あるということを申し上げた。続いて私の気持としては、こういうものは使うあてどもない以上は、職員のために支出いたしたい、こういう希望を申し上げたと考えております。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 その問題はそれ以上の追究は省略いたしておきます。第二次裁定がなされまして、今日まで時間的に相当経過しておるわけです。もちろん議会に議決を求める件が提案されて参つた関係上、責任は議会にありますが、国鉄総裁として政府に協力して、この裁定の実現のためにいかなる努力をされたかという、経過的な努力の内容をお尋ねしたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 私の立場といたしましては、第一に裁定にまず服さねばならぬ法律上の義務があるわけでございまして、その意味から申しまして、当然なすべきことをなして来たということであります。これを申し上げることは、たた自分がいい気になつて申し上げるだけのことになると思いますのて、詳しく申し上げるまでもございませんが、なお私は、先ほどから吉武委員の御理解ある言葉がありましたように、鉄道職員の給與は、現在においては満足すべき状態でないということを常に考えておるものでございますのでその意味から申しましても、政府やあるいは党の方々、あるいは関係方面に対しまして、いろいろ御理解を願うために行動して今日まで参つております。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 重ねて私は、この点についてだめを押す意味で、総裁の意見を承つておきたいと思いますことは、先ほど吉武委員の質問に対しましても、最大限の努力を拂いたいという答弁てございましたが、私は再確認をする意味において、この裁定の内容について、この実現のために、今後なお最大限の努力を拂う意思が十分あるかどうかという点を、ます第一に承つておきたいと考えます。  その次には、先ほど質問がいろいろ繰返された中で、物件費あるいは人件費その他の問題が論議されましたが、私は特に物件費の問題について、一、二お尋ねしたいと思います。それは年末の手当の場合も、財源の一部として物件費の節約がなされたわけでございます。もちろんいろいろな面で節約するということに対しては、異議はないわけです。但しあまり節約するということで、かえつて運転上に不安を與える、安全が保障されないということになりますと、これは一大事になるわけです。それから修繕その他につきましても、十分考えなければならぬ点がある。私は過日も列車に乗つておつたところが、モーターの故障のために電気がつかない。しかもその列車は工場から出て間もない列車で、それがモーターの故障で電気がつかぬというような車が運転されておる。結局かりにモーターの修繕一つにいたしましても、普通半期持つものが、一箇月か二箇月しか持たないということになりますと、入札で割安で修繕されましても、かえつて結果は費用の濫費になるということにもなりますし、また全体から見まして、危険が伴うということになろうと考えますが、こういう点等について、一体国鉄当局はどういう処置をとつておられるかという点について、まずお尋ねしたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 最初の私に対しての質問の、最大の努力をする気があるかどうか、これはお答えを申し上げるまでもなく、お聞きいただかなくとも、私は一生懸命やるつもりてあります。修繕費、工事費等について、これらを節減するために鉄道運営に支障を来しではならぬ。これは私ども当然考えるところでございまして、そういうものを削つて給與に持つて行くというような考え方はいたしておりません。私が先ほどから申しましたことは、繰返して申しましたように、より少い金で同じ実効を上げて、それを節減する、こういう意味で申し上げたのです。そういうような大事なことを、今後手を抜いて行くというように申し上げたつもりはないわけです。しかしながら、きたま線路の故障その他で御心配をかけておりますことは、私といたしましてまことに申訳ないことでございまして、たとえばこの前東京駅で起りました事故のごときも、やはり見えない場所が腐朽をいたして、いつの間に人折れておつたというような部分が生じておる。これは私はさつそく指令をいたしまして——幹線の大事なところに、目下また一番古いものが——普通でいうと何十年も持つものなのでございますので、そのまま使つておる。そこにたまたま出たわけでございますので、これらを全部調べて、とりかえるという方策を講じまして、そういうことの起きないようにいたしております。また工事費、修理費等におきましても、終戦後やつて参りましたことは、すべて、われわれからいうと足まわりと言つておりますが、運転に重要な部分の修繕、改良をしている。そのために、車体がきたない、窓のガラスが直らない、板張りだ、あるいは腰かけがそのままだ、というような御非難をたびたび受けまだけれども、われわれは見かけよりも、むしろわれわれが第一に金と資材をつぎ込んで努力すべきものは、こういつた足まわりであるということを確信いたしまして、今日までそれを継続してやつて参つております。それらがようやく最近大体でき上るような状態になつて参りましたので、今そろそろいわゆる上まわりの、サービスに当る面の改善に力を向け出したというのが現状でございます。しかしながら、なお今後におきましても、この運転に必須な線路、車両、その他の修繕は、一番われわれは重点を置いておりますので、昨年よりもなお今年は、修繕費等におきましては、多少ながら経費を増加しておるという状態にあります。

倉石忠雄自由党委員長

○倉石委員長 この際諸君に申し上げますが、運輸大臣は渉外関係で外出の都合がございますので、運輸大臣に質疑を先にやつていただきたいと存じます。前田君。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 簡單に運輸大臣に質問いたします。私はもう本日ここで、第一次裁定以来論議されました公労法の法的解釈等について、論議を進めようとは考えておりません。法的解釈におきましては、終始一貫堅持しましたわれわれの態度が正しくして、政府の方針が間違つておるという結論に盡きると考えますから、これ以上論議をしません。実際問題として、第二次裁定の実現に対して、政府は一体いかなる努力をされたか、あるいは今後この内容の実現のために、どうしようと考えておられるかという点について、端的な政府の所信を承つておきたいと思います。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいまの前田君の御質疑でございますが、御承知のように第二次裁定が三月十五日に出まして、政府は法定の期間の十日を経過いたしました三月二十五日に、国会に審議をお願いいたした次第でございます。そこでこの第二次裁定の内容は御承知の一項、二項とも、いわゆる公労法十六條の規定によりまして、予算上質金上、支出が不可能であるという性質に合致するところでございますので、そこで国鉄の総裁から政府に対しまして、第一項の裁定に対しては大体六十七億円の金がいる。第二項、これは抽象的に文句が書いてございますが、これを実行するためには約四十億金がいる。しかもこれを実行せんがためには、国鉄の総裁一個の裁量ではむろんできないし、またさらに進みまして国鉄予算の費目の流用の措置によつても操作ができない。すなわち予算上、資金上これは支出不可能であり、従いましてこの国会の審議をまつていわゆる予算の修正という手続をふまざれは、いずれも支出が不可能であるということで従いまして政府は、三月二十五日にこれを国会に御通知申し上げたのであります。そこで政府の気持といたしましては、なるべく国鉄の従業員の待遇に対しましては、合法的に、できる範囲で最も厚くこれに報いたいと考えておりますが、とにかく予算上、資金上不可能であるというので、政府といたしましては、現にこれに何らの手を打つの段階にあらずとして、これを国会の御審議にゆだねているのでありまして、国会の御審議の結果によりまして、政府はしかじかの行動をすることになるのであります。  しからは政府は何もしないのかということでございますが、これに関しましては、ただいま前田君からお話がございました通り、政府はこの裁定を、十六條の規定に基いて、法定期間の十日間内に、これを予算上質金上、不可能であるという意味において国会に委譲申し上げましたので、予算をこれに付して出す必要はないという見解は、第一次裁定からずつと堅持いたしております。これは遺憾ながら前田君と見解を異にしております。従いまして今回も予算的措置は何ら付せずして、これを国会に三月二十五日に提出し、国会の御審議をただいま経ている次第でございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 今の大臣の答弁を聞いていると、この裁定を国会に提案した限りにおきましては、結局権限は議会にあつて、政府には権限がない。好意的にいろいろ従業員の待遇その他を考慮して善処したい気持はあるが、一にかかつて国会の予算的修正、あるいは追加予算等の処置が講せられなければ、どうすることもできないというのが、今の答弁の大要だつたと思います。なるほど形式は一応そういうことも考えられると思いますが、少くともこの裁定案に対して、政府と與党が一体になつて、どの程度の熱意があるかということが、この問題を解決する唯一のかぎだと私は考えます。もし形式的に、議会に裁定を出したから、あとは議会の審議でしかるべくという言をそのままとりますならば、こうした公労法を中心にするところの仲裁委員会の機関というものを、いかに政府が無視したかということの、端的な現われだといつていいと私らは思います。そういう態度であるから、わざわざ法律をこしらえて、こういう平和的な機関を設けながら、その裁定に服さないという政府の態度が、露骨に現われて来たといつても間違いはないと思います。しかるにもかかわらず、三月二十八日の参議院の予算委員会におきましては、吉田総理みずからが、この裁定に対しては主管大臣を中心にベストを盡して努力されたということをはつきりと言つている。総理大臣は努力していると、いうことをはつきり言いながら、運輸大臣は好意的にいろいろ努力はしたが、一にかかつて議会の権限であるからというような答弁でありますならば、総理大臣のそうした答弁と、まつたくギヤツプがあると私は見なければならぬと思います。もつと主管大臣として熱意を持つて、この問題に当らなければならぬと考えますが、もう一度その点に対しての御答弁を願つておきたいと考えます。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 一応形式の上の所見は、前田君も私に御同感の模様てありまするが、さて政府もこれに対して等閑に付しておるわけではございませんので、たとえば国鉄総裁が、第一項に刻する履行の全額が六十七億円というような場合に——これは御承知のベース改訂でございます。しかるにわが吉田内閣は、現在の客観的諸般の情勢から考えまして、ベースをただいま改訂する時期でないという確信のもとに立つておりますので、まず第一項についでは、今ああいう六十七億という国鉄の裁定に服する考えはございません。しこうして第二項は、これはいわゆる従来の待遇の低下、実質的賃金の低下という意味合いで、第一次裁定の時代から持ち越された観念でございます。しこうして国鉄総裁によれは、四十倍いるというのでございまするが、むろん四十億の金まるまるそのままが、何らの手続を要せずに、無手で、資金上、予算上の措置を経ずして出るわけはないのであります。しかしそのうちのある部分は、たとえば現在の定員が、時間の経過によりましてだんだん減少して参る。その減少した人間を補充しないというような観点から、この補充せざる部分に該当いたしまする給與によつて、浮いて来る金が、相当期待されるかと思われますし、またその他の費目におきましても、多少の金額は、あるいは浮いて参るかもしれない。しかしながら四十億全部は、どうていそういう形では浮いて参りませんから、その浮いて参りました以外のものは、しよせん予算の修正によりまして支出せざるを得ないというような事柄に対しましても、愼重に政府はこれを各方面から検討いたしております。また一面におきましては、この裁定は、昭和二十五年度予算がすでに成立いたしましたあとでございますし、この議会が五月二日に終らんとする際に、さらに予算の修正を今やるというようなことも、常識上はなはだ困難であることは自明の理でございますので、その間に何かほかの方式によりまして、裁定第二項の全額に相当する金額の支出履行が可能であるかどうか、という線などに沿いまして——もちろん政府はそれぞれ與党の意見も微し、政府独自におきましても、それぞれいろいろな研究もいたしておりますが、これは何と言いますか、私の内面研究、内面努力の一端を前田君にお答えいたした次第であります。     〔委員長退席、吉武委員長代理着席〕

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 大臣がお急きだそうですから、私が最後に一点お尋ねしておきたい点は、第一次裁定も不承認、第二次裁定も不承認、しかも先ほどからのわずかの三億の金も、出せると発表まで新聞あるいは委員会等にしておきながら、これも御破算になつたというようなことから来ますところの、今後の五十万国鉄従業員の心境、それから来るところの業務上に及ぼす影響等、これは大いに考えなくてはならぬと思います。先ほど国鉄総裁の説明では、昨年下半期だけでも、従業員の努力によつて、四十億ないし五十億が石炭の節約等から浮いたというようなことを報告されましたが、二十五年度一年間を通じて、さらに従業員が協力いたしますならば、相当の金を今年度のうちからでも捻出することは至難ではないと思います。しかし今申し上げましたように、第一次裁定も、第二次裁定も、政府は予算上、資金上不可能だから、どうにもならないというような返事では、五十万従業員か、一体協力する気持になるかならないかということは、いまさらそれ以上のことを言う必要はないと思います。私はどうしても国家の再建という大きな見地から言つでも、五十万偉業員かほんどうに心から協力して、そして国鉄が名実ともに自立態勢の確立できるような状態に持つて行かなければならぬと思いますが、そうしたことに持つて行くためには、政府の今後の方針、政策等が非情に重要であると私は考えます。その意味から推しまして、第二次裁定か、もし時間をかすならば——このうちのどの程度に当るかは別といたしまして、第二次裁定の結論に時間を與えて、なお政府なり、議会全般が協力するということによつて、何らか実現する見通しがつくかつかないか。あるいはそういうことは今はむだだ、だから五月二日に迫つておるこの会期で、結論を出さなければならぬということになるのか。あるいはもつと時間を與えることによつて、何らか努力の実が結ばれて、従業員にも希望が持たせ得るという見通しが立つか立たないかということについて、運輸大臣の見解を最後に承つて、大臣に対する私の質問を終ります。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいまの御質疑でございまするが、私も国鉄の従業員が、大いに希望を持つて、かつ活発に職務に従事していただけること、真から従業員がさように行動をなすつてくださるということを望むものでございます。しこうして現下のこの裁定の問題は、もはや議会の期間も迫つておりまする関係がございますので、あまりこれを粗雑に、性急に解決しましても、不十分な、悔いを残すようなことがあつては相ならぬと考えております。なおかつこの裁定の精神が、昭和二十五年四月一日から、すなわち昭和二十五年度、来年の三月三十一日までの期間に、この裁定の履行をせよという精神でございますので、望むらくは、政府もさようでございまするが、国会の諸君におきましても、この裁定の精神の、従業員をして十分に活動し、事務をやつてくださるようにという期待に反しないよう、慎重なお取扱いを希望するのでありまして、そういう切なる念願を持つておる次第であります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 大屋運輸大臣が時間の関係があるそうですから、四点ほどお伺いしたいのですが、第一は、大屋運輸大臣としては、国鉄の職員並びに従業員の諸君が、現在の経済的な情勢のもとで、六千三百円で生活ができ、しかも自分の與えられた任務に十分専心できる給與の條件であると考えているかどうか、この点をますお聞きしたいと思います。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 でき得べくんば、もつと給與をどんどん與えたい。しこうして国鉄従業員は、去る六月一日から公務員にあらずして、公共企業体の従業員に相なりましたのですから、さらに能率を上げ、国鉄の改善の実があがつたならば、国鉄総裁の裁量によつて、あるいは少くとも運輸大臣の指示によりまして、上げました能率で浮んだものは、国鉄の従業員に還元するように持つて行かねはならぬと考えておりますが、現在の国鉄法の規則ては、それができないので、不日他の機会には諸君の御協賛を得まして、これを私はもつと幅の広い措置かできるようにいたしたいと思つております。しかし現在のところでは、給與はどうもこれで十分とはむろん考えておりませんが、さればと言いまして、これは他の公務員その他との関係もございますので、しからばこれを幾ら幾らただちに上げるという道もないので困つております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そこでこまかいやりとりはやめるとして、実は裁定書の中でも百八十億の特別補充取替費の方から融通しろということもありますし、また人件費、石炭費の方からも、節約をやろうと思えば、できるはずなのであります。そこでこれに対して政府が拒否した理由は、明らかに賃金を上げないという吉田内閣の政策、ドツジ・ラインによつてわくがはめられておる、この政策のために上げることができないのだということを言うのでありますが、しかしこの点につきましては、すでに御存じの通りに専売裁定では、一億二千万円の特別給與を認めておるのであります。一人当り大体三千二百円になると思いますが、これも賃金政策の一つの修正であります。さらに電産の争議におきましては、すでに臨時給與として二十五年の一月から三月までは三千八百五十円、二十四年夏下半期は賞與一人当り月三千円、それから二十五年の四月以降は平均月額八千五百円ベースにすることに努力するということを、電産の争議においでは経営者並びに従業員がこれをのみ、しかも政府もこれを了承しておるのであります。こういう点におきまして、政府の賃金政策というものは、すでに修正がなされておる。この専売だとかあるいは電産だとか、こういう面ですでに六千三百円ベースが実質上修正されておるにかかわらず、国鉄のみが第一次裁定で出すと言つた三億円も出せなくなつてしまつた。第二次裁定は全然考慮できない。ことに第二次裁定の第二項のごときは、具体的な抜字がないのであります。これについでは十分経宮内の努力によつて実現する可能性があるにもかかわりらず、これをのむことができないということになりますと、専売あるいは電産その他の労働者の條件と、国鉄の労働者諸君の條件との間に、非常にギヤツプが出て来る。これに対して政府の直接の責作者である運輸大臣としては、将来あるいは現在でも、この跛行的な関係を、どういうふうに詰めて行くというお考えをお持ちになつておりますか。もしこれを詰めることができないとするならば、運輸大臣としての政治力がないことになる。あなたは責任を負うのが当技であると思いますが、この点はどう考えておるか伺いたいと思います。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいまの点は、私も林君と全然同感でありまして、国鉄が従業員みずからの力によりまして改善し、能率が上つたならば、それを従業員自身に還元してやりたい。しかしてこれはやらねばならねことと思つておるのでありますが、実にまずいことには、ただいまの日本国有鉄道法がこれを許さない。しかも裁定の実施をいたそうと思いますれば、いわゆる公労法十六條をもつて、予算上、資金上、支出は不可能たから、国鉄の総裁は自分では何どもならない、これを議会に出すと、これはなかなかむずかしいというので、はなはだ困つておるのですが、どうぞひとつ適当な機会に、国鉄法を改正することに御盡力を願いたいと考えます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それは私でなくて、あなたの党の諸君にぜひそれを言つていただきたいと思います。そこで質問を続けて行きますが、ここで委員長代理をされておる吉武政調副会長も関係しておるらしいのですけれども、政府としては、このべースを表面上げることができないということて、特別給與というような形で、実質的な賃金ベースの補充をして行きたいというような法案の立案をされ、これについて政府も関係方面と交渉し、この特別給與法案の中に国鉄の職員も準用するという形で包含させて、そういう形で賃金ベースの実質的な修正といいますか、不足分を補おうという方策を考えられたようでありますが、これについて政府と関係方面との交渉、あるいはその後の見通しはどうなつておるか、この点をお聞きしたいと思うのであります。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 さような考慮をいたしたことは事実でございますが、まだ結論が出ておりません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 結論は出ておらないのであるか、結論の出る可能性があるのかどうか。それによつて実質的には裁定の第二項を何とかして、不十分ながらものむというようなことの可能性があるのかどうか、お聞きしたい。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 その点は、政府を代表いたしまして官房長官がその筋に交渉を現在いたしておりますので、私は詳細の点は存じておりません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、この特別給與法案の中に、国鉄の職員も将来は準用され、あるいは包含される可能性があるのか。これはこれとして国鉄の職員はまた別になるのか。この点の見通しはどうですか。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 国鉄と公務員とは性格が法的には別でございますが、しかしやはり給與の面におきましては、相関性がございますので、今回のその思想には、両方をともに含めておると考えておると御承知を願いたいと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そこで政府としては、何とか第二次裁定の一部でものむという形にするために、この国鉄第二次裁定に対しては、今国会ではこれに対して結論を出さずに、継続審議の形にして、何とかしてこの特別給與法案の実現を期するというような形で、この窮地を切り抜けたいというような意向もあるということも伝えられておるのでありますが、政府としては、はつきり国鉄第二次裁定を国会において拒絶してもらいたいのか、あるいは国会でこれをのんでもらいたいのか、あるいはその結論を来国会まで延ばしてもらいたいのか、政府の意向はどうなんですか、お聞きしたい。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 政府といたしましては、この裁定の実体が、何らかの形において実行できるということを念願しております。従いまして、その目的に対しまして、今国会の会期の切れる五月二日までにいい結論か出ればそれでよろしい、しからすんば、第一の目的に対しまして、適切なる行動を国会においてとられんことを希望いたします。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それはわれわれ了解に苦しむのでありまして、政府としてはどういう意向を持つておるのか。大体この国会末までにこの特別給與法案の目鼻がつくので、第二次裁定の一部をのむという形になるのか、あるいはその見通しがつかないために、国会としてはむしろこれを拒否するという方向へ出てもらいたいのか、あるいはこれを国会の力によつて政府はぜひ実現したいからのんでもらいたいというのか。その辺を大屋運輸大臣は、先ほどの前田委員の質問に対しても非常にあいまいな答弁をして、責任を国会に転嫁するという印象をわれわれに與えておるのでありますが、政府自身は、はつきりこの裁定に対して国会にどういうことを望むのか。そこをあなたの責任ある明確な答弁を承りたいと思います。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 その問題は、政府は決して責任を回避しておるのではございませんので、問題の解決のキイ・ポイントば、これは国会の任務で、国会でやつていただく点になつておるのでありますから、政府はこれはナツシング・ドウーイングてあります。しかしながら政府といたしましては、この裁定の精神、実体が何らかの形において実現されることを、切に希望いたしておる次第であります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 何だかちつともわけのわからぬ答弁ですが、政府は実現を希望しておるから、国会もまたこれをぜひのむように政府を援助してもらいたいと言うのか、あるいは、実は政府は何とか一部を実現したいという遁辞を吐いておるけれども、国会で否定されれば、その遁辞もうやむやになつてしまうから、はつきりこれは国会で否定してもらいたいのか。ほんどうの正直なところを言われた方が、ためになると思うのですが、その点はどうですか。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 私は国鉄監督者の運輸大臣でありまするし、特に国鉄の従業員に満足を與えたいと思つておるのであります。しかして事柄は目下国会にかかつております。また事柄の本質は、ただいま急いでやる性質のものとは違つて、昭和二十五年四月一日から昭和二十六年三月三十一日の間までの、なるべく早い機会において行われればいいのでありますから、その線に従いまして、どうぞ林君も国会議員として御善処を希望いたしたい。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 いくら質問してものれんに腕押しみたいですから、最後に結論を言いますがそうすると、かりに国会がこれを支拂うべし、この裁定を政府はのむべしという結論を出した場合には、政府としてはいかなる措置をされるのか、その準備はあるのか、ないのか、はつきり承りだい。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 国会の指示に従いまして、政府がその指示、決議通り行動することは、これは常識だと考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、その財源はどこから出されると考えられるのか、それをお聞きしたい。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 その財源は、国会の予算審議権に基きまして、予算の補正でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、この裁定で示されておる特別補充取替費から出すということは、運輸大臣としてはどう考えられるのか。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 国鉄総裁の言う第二項の実施に対する四十億の中には、国鉄総裁の考えといたしましては、必ずしも予算の補正を必要としない部分があり得る。たとえば先ほど前田君の御質問にお答えいたしました、人員の減耗に対する不補充というような事柄て、多少は浮いて来るという思想か含まつておると、御承知願いたいと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 私はこれで終ります。

吉武恵市自由党

○吉武委員長代理 大屋運輸大臣はお急ぎのようでありますので、質問ば簡潔にお願いいたします。石野久男君。

石野久男労働者農民党

○石野委員 大臣はお急ぎのようでございますから、二点ほど簡単にお尋ねいたしたいと存じます。  本裁定について政府がこれを国会に提出しましたのは、予算的措置を必要とすることを認められたので、労働関係法第十六條所定の手続をしたという意見でありまするけれども、今までの質疑等を通じて見ますると、この新しい予算措置ができる、できないということ、あるいは国鉄内部における経営がそれを可能にする、しないにかかわらず、一にかかつて政府がこれをやるか、やらないかという腹の問題に、この裁定実施の問題が来ているのじやないか、こういうように私代考えるのでございますが、その点大臣はどのようにお考えになりますか。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 政府がやるか、やらないかという点にかかつているのではございません。すなわち公労法十六條の規定によりまして、一旦成立しました予算を動かすことは、政府にできませんから、予算上、資金上、支出が不可能であるがゆえに、政府の力では及びませんので、予算の審議権を持つております国会に御審議を願う。すなわち政府でやる、やらぬの問題は関連がなくして、一に国会の審議の御発動に待つよりほか方法がないのであります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 大臣は、本裁定を実施するにあたりまして、先に前田委員、また林委員に対する答弁の中に、この裁定は来年三月三十一日までの間にやれはいいのだ、こういうように言つておりまするが、この裁定の内容は、仲裁委員の方もおりまするが、おそらくそういうような緩慢なものじやないはずだと思う。その第一項には、二十五年四月以降は基準べースを平均八千二百円に達せしめるようにしようと書いてあるのであつて、決してこれは来年三月三十一日まででにやればいいのだというゆうちようなものじやない、こういうように私は考えるのでありますが、それでも本件を来年三月三十一日までにやればいいと、大臣はお考えになるのですか。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 石野君は、私の答弁を全部お聞きにならなかつたから、さようなことになるのですが、四月一日から三月三十日に至る期間において、最も早い機会にこれを実施すべきものと考えておる、さように申し上げる次第であります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 私は大臣の非常に巧妙な答弁に驚き入るのでありますが、実際はこのの裁定は昨年の第一次の裁定と非常に関連性を持つておる。ことに第二項のごときは、第一次裁定の内容をそのままここに移行したものであつて、労働者の側から言えば、もうそんなゆうちようなことじやない、四月一日以前にすでに実施していなければならぬ必要性を持つておつたものだと思う。しかしただいまの答弁に対しては、それこそほんどうにのれんに腕押しでありますから、これをやめまするか、もし大臣は、国鉄の内部において、この問題に対する経営内容から来る條件充足の事情がはつきりいたしました場合には、政府としては、裁定を国会に付議したこと却下する用意があるかどうかということについて、御答弁を承りたい。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 それは、国会の予算の補正と、それから国鉄従業員のみずからの努力によります能率の増進から生れました全額と、両方併用してこれを従業員に還元するという事柄ができたら、これはたいへんぐあいがいいのじやないかと考えております。     〔吉武委員長代理退席、委員長着席〕

石野久男労働者農民党

○石野委員 ぐあいがいいというのと、この問題について国会にすでに提案している手続を引下げるということは、内容が違うと思いまするので、この点私の質問に対する的確なる御答弁を得たい。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 いわゆる待遇の切下げ補填に関しましては、これはそれぞれの根拠がございますので、それの総額に一応四十値いるというのが、国鉄総裁の意見であります。その中には、減員の不補充というような給與の面からいくら出るかしれませんが、これはやろうと思えば、やれないことはないと考えます。

石野久男労働者農民党

○石野委員 どうも答弁がぼやけてしまつて、ちつとも私の質問に対して、はつきりしたお答えがないので、いま一度大臣にお尋ねいたします。もしこの所要の金額が、国鉄の経営内部において調達される可能性がはつきりいたしました場合には、政府はこの十六條による所定の手続を取下げることを国会になされるかどうかということを、はつきり御答弁願いたい。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 今のところは、それをまた確信的に申し上げるわけに行きませんが、予算上、資金上、支出が可能である面の全額がふえて、しかして、第二條の意図するところが、全額的に満たされることがあるということがはつきりいたすならば、あるいはいたすかもしれませんが、ただいまは、またそうするかどうかということをはつきり決意しておりません。

石野久男労働者農民党

○石野委員 ただいまはつきり決意していないということは、非常に解せないのであります。私の質問は、経営内部おいて所要の資金を調達し得られる見通しがついた場合には、十六條による所定の手続によつて提出しているこの裁定の問題を、政府は国会から取下げろ意思があるかどうかということを、はつきりしていただきたい。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ですから、それをただいま決意していないと申し上げた次第てあります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 時間がないようですから、最後に一つだけ。先ほどから大臣の答弁の中で、予算の審議権は国会にあるのたから、これを承認するか、不承認とするかの場合、一切の予算的な措置は国会がすべきたというようにわれわれは聞いておるのですが、しかし予算の編成権というのは、明らかに政府にある、われわれにはない。だからわれわれとしては、予算の編成をしてこれを国会にかけろということを、この前の裁定のときから求めておるのです。従つてもし国会が、これをのむという場合には、政府の予算的措置はどうなるのか。まだその予算的措置があるならば、今これを実現することが可能ではないかという質問をしているのでありますが、この予算の編成権はどちらにあるか、予算の編成する責任はどちらにあるか、これをはつきりさせておきたい。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 その点は先ほどの私の言葉が少し足りませんから、補充いたします。政府はあえてこれを予算をつけて国会に審議をお願いしなかつたわけでありますが、国会においてかようかようにいたすべしという決定がなされた場合には、それに従つて政府は予算を編成する。すなわち予算の編成権は政府にあり、これを審議する権利は国会にある。かように考えております。

石野久男労働者農民党

○石野委員 先ほどの問題に関連するのでありますが、これはものの考え方について非常に重要であり、特に公共企業体労働関係法の第十六條の第二項の問題に重要な関係を持つているものでありますが、国鉄内部において十分その裁定を充足し得る資金の調達があると認められる場合に、なおかつ政府がその公共企業体としての国鉄の内部の問題を、上部から一つの圧制を加えるような意味において、問題を取上げているということが、この中にひそんでいる。これは一番最初に質問しましたように、経理の問題、経営の問題ではなくして、むしろ政府の腹の問題ということと十分関通性がある。こういうふうにわれわれは思うのでございます。そういうふうに確認してよろしいですか。

大屋晋三自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいまの問題は、すなわち予算上、資金上、支出が可能であれば、国鉄総裁は、国鉄総裁自身の権限によつて、自由にこれが処置できるのでありまして、政府にお伺いを立て、さらに十六條の規定を援用する必要はごうもないのであります。

倉石忠雄自由党委員長

○倉石委員長 本日はこの程度において議事を終ることにいたしたいと思いますが、参考人各位には、御繁忙中御出席いただきまして、ありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。次回は公報をもつて御通知いたします。     午後四時三十二分散会

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