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7回国会衆議院1949/12/19

労働委員会人事委員会運輸委員会連合審査会 第2号

発言数
267
登壇者
23
会派数
6
開催日
1949/12/19

会議録

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 ただいまより前会に引続いて労働委員会、人事委員会、運輸委員会の連合審査会を開会いたします。  ただちに公共企業体労働関係法第十六條策二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件について質疑に入る順序でありますが、本日は政府当局並びに関係当事者各位に特に御出席をお願いいたしまして、あらゆる角度より十分に御理解と、御納得の行くまで質疑応答をお願いいたしたいと存ずるのであります。ただあまりに御議論が広汎多岐にわたりますと、あるいは結論を見失うおそれもありますから、でき得る限りこの案件に限定せられまして論議を進められるよう、特に御考慮を煩わす次第であります。なお質疑通告者も多数あることでありますから、なるべく重複を避けられまして、簡潔に要点を壷されるよう、何分の御配慮をお願いいたす次第であります。  この際石田一松君より議事進行について発言を求められております。これを許します。

石田一松新政治協議会

○石田(一)委員 私が議事進行について発言を求めましたその私の理由は、本案は去る十二日、公労法第十六條第二項の規定によりまして、国会の議決を求めるの件として政府より国会に提出されました案件でございます。政府の提案理由の説明によつても明らかでございます通りに、すなわちその提案理由の中に、この金額を支給することはとうてい不可能でも法律の規定するところに従いまして、裁定を国会に上程いたし、国会の御審議を願う次第でありますとあり、一行抜かしまして、何とぞ愼重審議の上、すみやかに国会の御意思の表明を願いたいと存ずる次第であります、とこうなつております。要するに本案に対して、政府は本案を支出不可能なものであるからという立場で、この審議を願うとおつしやるのでありますから、結局本案を政府は不承認としていただきたいこういう意思をもつて国会に本案を提出されたものと思います。しかも私はこの不承認を求めて来ている本案に対して、聞くところによりますと、あと二、三時間かあるいは数時間の後には、議会に政府が一旦提出したる案件を修正して、またこの審議をやり直すというような形になるそうでございますが、そういたしますと、これから合同審査会を開いて行くということは、すなわちこれは政府の修正案が出るまでの暫定的な審議に終るわけでございまして、私たちは、すでにこうした修正案が出るということが確実視されている案件について、ここに貴重なる時間を費すということが、いかに無意味であるかということを考えるのであります。私はこの修正案が出るという政府の趣旨は、十分了承しているのであります。間違いのないことであります。修正案が肝なければ、本案をどう採決すべきかということを、迷うような與党側の立場もあるだろうと思うのであります。この際、政府が一旦院議にかけられた問題を修正をいたします場合には、再び院の許諾を求めてこれを修正するということになつております。すなわち本案はこの合同審査会をただちに中止をいたしまして、政府が具体的ないわゆる予算的措置を講じて、しかも本案の修正を院に諮つて、この院の許諾があつたとき、あらためて本案を合同審査、あるいは單独審査にするということが最も正しい審査の形であると私たちは思うであります。この点におきまして、この案を暫定的にこの合同審査会で審議するという形をただちに中止をいたしまして、政府側を督励し、一時も早く、修正案が出されるものであつたたらば、すみやかにその修正案を提出して、国会の許諾が歩つたときに、この修正案についての審議を開く、こういうことに委員長の裁量をもつて進めていただきたい。議事進行に関しまして発言を求めた趣旨は以上のごとくであります。委員長の御見解を承りたいと思うのであります。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 ただいまの石田君の御発言につきまして、この際政府より発言があります。これを許します。大屋運輸大臣。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 かねて裁定案を国会に付議すべく提出いたしましたが、本日政府におきましては、国鉄総裁からかねて具中のありました、いわゆる予算上措置が可能であると国鉄総裁の言われる額に対しまして、政府におきまして愼重審議いたしました結果、本日十五億五百万円が可能である査定いたしました。三十億のうちその十五億五百万円を控除いたしました残額に対しましては、予算上、措置が不可能であるということを政府において決定いたしましたにつきましては、かねて国会に提出いたしておきました裁定案に対しまして、右の措置を本日国会に提出いたしました次第でございますから、右御了承の上、御審議をお願いいたします。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 石田君にお尋ねいたしますが、石田君のはただいまこの連合審査会を中止すべしとの御動議でありますか。

石田一松新政治協議会

○石田(一)委員 委員長のはからいによつて中止をして、その修正案が出るものならば——その修正案は院の承諾と求めた後でなければ、修正は認められないはずであると私は国会法で心得ておりますが、その手続をおとりになることが、まず本案を審議をする上の法律上の手続ではないかと思うのであります。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 委員長は石田一松君と御意見を異にいたしておりますので、ただいまの石田君の打切り御動議について採決いたします。石田一松君の動議に賛成の諸君の御起立を求めます。     〔「動議ではない」と呼び、その他発言する者あり〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 この際暫時休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩      ————◇—————     午後三時四分開議

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  この際赤松勇君及び林百郎君、石田一松君より、いずれも議事進行について発言を求められておりますから、順次これを許します。赤松勇君。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 午前中の質疑におきまして、石田一松君の議事進行に関する発言は、すなわち公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、これが本委員会に付託されておるのであります。しこうしてこの案件を審議中でございますときに、本日の閣議におきまして、政府がこの案件を修正するような議案を再び提出するということを聞きまして、石田右から、これに関する運輸大臣の責任ある答弁を要求したのでございます。これに対して運輸大臣は、十五億五百万円の支出が可能になつたということで、ただいま国会の方にこれを付議したという御答弁がございました。さらにその問題につきまして、再び石田君が発言を求めておりますときに、委員長はこの議事進行に関する発言を動議と間違えられまして、その採決を委員会に諮つたのでございます。そのために石田君の発言と委員長の考えとの間に食い違いが生じまして、委員会は混乱に陥つて、暫時休憩になつたのでございます。私は、ことにこの重要な公共企業体労働関係法に関する審議の委員会におきまして、かくのごとき委員長の取扱いに対しましては、まことに遺憾の意を表したいのでございます。そこでけさほど御発言のございました石田一松君から、詳しくこの問題につきまして、政府当局に対しまして御質問があると思うのでございますが、私は一、二の点につきまして、この際運輸大臣の所信をただしておきたいと思います。  それはただいま案件になつておりまする公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件に関しも提案理由の説明の中には、国有鉄道及び政府におきまし三裁定の要求いたしまする四十五億という支出につきまして、これが予算上、資金上可能な支出であるかどうかということを検討いたてましたところ、この金額を支出することはとうてい不可能であるから、これを国会に上程して、国会の御審議をばお願いしたいというのが、この提案の理由であつたのでございます。しかるに先ほど運輸大臣の御答弁によれば、本理由書がうたつております予算上、資金上可能な支出であるかどうかということを検討したところ、この金額を支出することはとうてい不可能だ、四十五億という支出についてはとうてい不可能である、こう理由書にはうたつてある。ところが十五億五百万円というものは支出可能になつたということで、この議案に対するところの修正が行われておる、こういうことになりますならば、私どもただいまここで審議をしておりますところのこの議案そのものは、審議の対象にならないということにもたるのでございまして、これはきわめて重大な問題でございますからも、この際重ねて運輸大臣に対しまして、この案件を修正した理由及びこれを修正するその手続について、どのようにお考えになつておるか、明確なる御答弁をお願いしたいと思います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいま赤松君の御質問ですが、あの四十五億の裁定書を国鉄の総裁が受取りまして、そうしてこれを政府を通じて国会に提出いたしまする法定の期間内には——提出いたしましたその日には予算上、資金上不可能であつたのでございまするから、これをああいう形式で国会に提出いたしまして、御審議をお願いいたしたのでございます。しかるに政府といたしましては、国鉄総裁が十八億は予算上、資金上可能であり、残余は不可能であるという具申を十二月十日に提出して参りましたので、この具申がはたして妥当であるか、その適否を今日まで審議研究をしておりましたところが、本日に至りまして、そのうちの十五億五百万円は国鉄の現在の予算上において支出が可能であるという見通しがつきました。従いましてその残余の部分に対して国会の御審議を願いたいという意味合いにおきまして、本日議会にその趣旨を提出した次第であります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 ただいまの運輸大臣の御答弁と、この提案理由の説明書とは違うのでございます。ただいまの御答弁によりまするならば、十二月十日に加賀山総裁から予算原案の作成があつて、これが内閣に出されたのであります。この点は私は後ほど質問をいたしまするが、これは十四日に加賀山総裁にお会いしたときには、未だ予算の提出はなかつたのであります。また運輸大臣は十二日の運営委員会におきまして、わが党の田中織之進君の質問に答えて、いまだ日本国有鉄道公社から何らの予算的な答申がないということを明確に答弁しておられる。これは速記録にちやんと残つておる。このことはあとでお尋ねするといたしまして、ただいまのお話によりまずならば、十日に予算の作成が答申をされまして、爾来今日まで検討された。そうして今日初めて十五億五百万円の支出が可能になつた。だから内閣は国会に対しまして、あらためて新しい議案あるいはこの修正をば付議したのであるという、かような御答弁でございまするが、この提案の理由の説明書の中には、国有鉄道及び政府におきまして、裁定の要求いたします四十五億という支出については、これが支出はとうてい不可能であるからということがちやと書いてある。四十五億全額は不可能であるということを言つておる。十日に答申しまして、今日まで内閣でもつて御検討された。ところがこの議案が国会に付議されたのは何日だとお思いでございますか。この議案が国会に付議されましたのは、議院運営委員会においていろいろな問題が起りまして、そうしてその後この委員会に付託になりまして、ただいま審議中なのであります。その国有鉄道公社の予算原案を作成しそて答申をいたしました予算そのものをば、もし検討中であつたといたしますならば、四十五憾の支出はとうてい不可能であるというような提案の理由を添えて、このような案件を出すということは、間違つておるのではないか。この点について運輸大臣はどうお考えになりますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 裁定書を受領いたしました十二月二日、それから十日間を経過いたしまして、十二月十二日に裁定書を政府が国会に御審議を願う意味で提出いたしましたのですが、そのときにおいては、二日においても、かつなお十二月十二日におきましても、この予算を支出することは予算上、資金上不可能であつたのであります。しかるに国鉄総裁といたしましては、十日になりまして、総裁の意見は、そのうちの十八億が予算内において支出可能である、それ以外の金額は支出不可能と信ずる旨の具申が政府にいたされましたので、政府は十日にそれを受領いたしまして、十二日まで検討いたしましたが、十日から十二日までの間にはそれが適当であるか、あるいは不適当であるかの判定がまだつきかねたのであります。しかるに公労法によりまして、裁定は十日間の期間内にこれを議会に提出しなければならぬという規定かございますので、十二日に至りましても予算上、資金上これが出し得るか、あるいは出し得ないか、不可能であるか、なかなかこれの判定がつかない。判定がつかないということになれば、不可能であるということ以外に方法がないのでありますから、不可能であるという意味において提出いたしたのでありますが、その後今日まで研究を重ねましたところが、十五億五百万円は予算上支出が可能である、従つて残余の分に対してこれを議会において御審議を願いたい、こういうのが趣旨であります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 十五億五百万円の残余の部分について、これは当然不承認を予想して出されておる。従つて最初に出されたのも不承認を前提として出されておる。だからいずれも不承認。そういうことでいろいろ申し上げますならば問題がございまするが、これは後ほど私の質問時間の際に申し上げるといたしまして、ただ一点お尋ねしておきたいことは、国会法五十九條によれば、「内閣が、各議院の会議又は委員会において議題となつた議案を修正し又は撤回するには、その院の承諾を要する。」ということになつておる。ところが、ただいまわれわれが審議しておりますところのこの議決を求むるの件の案件は、言うまでもなく議院運営委員会の決定によりまして、本会議を経まして本委員会に付託されたものをば、議題として審議しておる。ところが新しい修正が行われたといたしまするならば、当然院の承諾が必要でございまするから、本案件はこれを議院運営委員会に再びまわして、本会議上程の手続をとる必要があると思うのでございまするが、運輸大臣はその点に関していかように考えておられるか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいまの御質問は、私と赤松君と反対の見解をとつておるものであります。すなわち前に出しました場合におきましては、ただいま申し上げました通り、予算上、資金上これが支出は不可能であるという見解に立ちまして出しましたのですが、その後研究いたしましたところが、一部分は可能であるという事実を発見いたしましたから、その事実を本日議会に政府から具申をいたした次第であります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 一体不可能というのは何ですか。十五億五百万円が可能というならば、これは公社自身の経理能力の範囲内においてまかなえるものだ。これは別に国会に付議する必要のないものだと思いますが、どうですか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 私が先ほどお答えいたしました点をよく翫味していただきたい。あなたはそれをオーバールックしておいでになる。すなわち四十五億のうち十五億五百万円は支出可能であるということがわかりましたから、四十五億から差引いた残りの分に対して議会で御審議を願う趣旨であります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 この点はさらにあとから申し上げまするが、どちらにいたしましても不承認を前提としておるということは、前の現在審議中の案件におきましても、またあとから政府が修正しようとするこれにおきましても、同じことだ。このことはあとから運輸大臣にさらに質問をいたしまするが、私の聞いておりまする国会法五十九條の解釈につきましてはいかがでございましようか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 もしそれ一度提出されました議案が修正を行わるというような場合におきましては、五十九條の規定に基きまして本会議へかけて、そうしてそれを議決いたして、委員会にこれを付託するということになりますが、私は四十五億のうち十五億五百万円は予算上支出可能であるから、その残りの分に対してこれを御審議を願い直すという意味合いで申し上げておるので、私はこれはあなたと見解を異にし、従つてこの委員会で御審議を継続してお願いいたして、一向さしつかえないものと考えておる次第であります。

石田一松新政治協議会

○石田(一)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、ただいま運輸大臣の御答弁を聞いておりますと、まことに奇々怪怪、自分であまりかつてに法律を都合のいいように解釈をすると、白縄自縛に陥つてしまいまして、その結果は見らるるごとき醜態を演ずるのであります。第一公共企業体の三十五條の但書が示すところの十六條というものは、第一項のいわゆる支拂いという経理手続を、一応法律によつてとどめると解すべきであつて、第二項の方までも特に都合よく解そうとするために、裁定が下されて十日間以内にこれを国会に付議しなければならぬというような政府を束縛する結果になるのだ。私の考えでは、第一項によつて支拂いの手続を中止させておいて、しかもこれを当事者間において協定を結ばしめて、協定が締結されてから後に、十日間以内にこれを国会に付議するという手続をとつたならば、今回のようなこんなむりに法律を解釈しようというような不始末は見られないことだろうと私は考えるのであります。私はこの点につきまして、先般殖田法務総裁からも、簡単に私の意見と反対だということを御答弁いただいたのでありますが、これはそのときにも、本会議で今後の質問を、保留してあることでありますので、後刻また法務総裁にお尋ねしたいと思います。ただいま運輸大臣は、盛んに十五億五百万円以内の支拂いは資金上、予算上可能であると認められたので、その残余の分に対しての御審議を願うのだとおつしやいますが、それはどういう手続をもつて、どこへお願いになつたのですか。どこでそういうことをおつしやつたのです。いつそういうものがわれわれにわたされたのですか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 公労法の十六條をごらんになれば、国鉄総裁において、予算上、資金上可能である分は、すなわち国鉄総裁がこれを政府の運輸大臣並びに大蔵大臣の承認を求めて支出が可能であります。それで不可能の分だけを議会に提出して御審議を願うこういうふうに明々白々に書いてあります。

石田一松新政治協議会

○石田(一)委員 不可能な分の御審議を願うとおつしやいますが、そうした提案がなされたのですか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 それを本日いたしましたことは、再々申し上げている通りであります。

石田一松新政治協議会

○石田(一)委員 本日いたしたとおつしやるのは、政府が衆議院議長を通じてなされたのでありまして、衆議院議長は独断でこれを決定することはできません。運営委員会の議に諮り、しかも小委員会の協議会の議に諮りまして、しかも最後に各派の反対意見があつた場合には、これに討論をし、採決の後に、政府のいわゆる今津輪大臣のおつしやつている十五億五百万円の部分を除いた残りの部分の承認の議案というものが確定するのでありまして、運輸大臣は、政府から衆議院議長にこれだけのことを出したら、ただちにこの委員会で、運輸大臣のおつしやる理由の訂正か、あるいはまた案件の修正が知りませんが、それがここでただちに審議することが合法的であるというようなお考えを持つていらつしやるようでありますが、まだ運営委員会等においては、この問題に対するところの論議が一向に進んでおりませんし、まだ開かれてもおりません。決定もしておりません。にもかかわらず、あなたは堂々と政府がこれを提出したのだから、これでとの委員会でやつていいという、その理論はどこから成立つのですか、ひとつお伺いしたいと思います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 本日政府が議長に申達いたしました件につきましては、ことさらに運営委員会ないし本会議を開く必要はないと私は信じます。

石田一松新政治協議会

○石田(一)委員 これはたいへんな運輸大臣のお言葉を聞くものでございまして、政府が議長を通じて、提出の手続をとつたものが、運営委員会に諮らず本会議にも諮らないで、それが衆議院の議題になるなどというのは、国会法のどこにあります。衆議院規則の何條によつてそういうことをおつしやるか、ひとつ聞かしてください。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 私はさように信じております。(「法的根拠を聞きたい」と呼びその他発言する者多し)それは五十九條の規定に準拠して、本会議にそれを付議するという必要のない意味合いにおきまして政府は議長に……。(発言する者多し)これは修正ではございません。訂正であります。

石田一松新政治協議会

○石田(一)委員 修正でなく訂正だとおつしやる、そういたしますと、修正ならばその原案がいくらかかわつて来ると思いますが、私はここにちよつと読み上げますが、政府はその前にはかわつた意見を持つていらつしやつたのに、非常にこれに手落ちを見つけて、一部訂正いわゆる正誤表というような形でこの問題を片づけようとしておる。「昭和二十四年十二月二日、公共企業体仲裁委員会が、国鉄労働組合の申請にかかる賃金ベース改訂の問題に関して下した裁定につき、十五億五百万円以内の支出は予算上資金上可能であると認められるので、この限度において右裁定を実施し、残余は」といういわゆる訂正のこのものをお出しになつておる。けれどもまだこれは運営委員会の議には上つておらない、これから上るのであります。あなたはこれがもうすでに議長のもとにおいて受理、決定されたものとしておやりになつていますけれども、議長が受理を決定するのには運営委員会の議に諮つて、その議決のもとに議長はいつも行動するということが、この衆議院規則、国会法の建前なのであります。それがなされていないのに、あなたがなされたがごとくここで説明なされるのが……

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 その点は石田君に一歩を譲りまして、本会議にかける必要はないかもしれないと私は考えておりますが、運営委員会おかけることは諸君がおきめになることで、政府がきめることではありませんから、その点は石田君に一歩をお譲りいたしましよう。

石田一松新政治協議会

○石田(一)委員 ただいま運輸大臣は一応自分の考え間違いというものをお認めになりまして、まあ運営委員会にかけるか、かけないかは、こちらで決定すべき問題だとこうおつしやいましたので、これは当議会で、運営委員会で付議決定することでございましようが、しかしそれがもし運営委員会においてこれを議決するものとして議題になるとすると——まだこれが決定していないのであります。決定していないにもかかわらず、あなたはちやんと速記をさせて、責任の当局でありながら、まだこの衆議院で議題となつたか、ならぬかきまらないものを、十五億五百万円がどうのこうのと言つて、ここで御説明なさつているのですけれども、それではこれは全然無意味になつてしまうと、こう申し上げるのであります。私は少くとも昨日なさいました運輸大臣のいわゆる提案の趣旨の説明と、このただいま赤松君が読み上げた、とうてい不可能な支出である——このとうていというのは、絶対にというような意味にわれわれ日本人は解釈いたします。それが十五億五百万円が出せるということになつたとするならば、これは提案理由の修正ではございません。少くともこれは案そのものの本質が——四十王徳そつくりとうていだめだというのと、十五億五百万円だけは可能で、残余が不可能だというのとでは、本質上、案そのものが性質をかえております。にもかかわらず——これは理由の訂正だから、修正ではないから、国会法五十九條には該当しないのだというような詭弁をことさら弄されることなく、ただちにその手続をおとりになれば、何もわれわれはこれをひつ張つて、そして本会議でこれをもんで、引伸ばそうなどというばかなことを考えているのではないのであります。何とかして早く審議をして、一ときも早くその支給ができるようにということを考えているのでありますから、政府もその気持があるならば、すみやかにこれを運営委員会に修正として出し、五十九條によつてただちに本会議も開く手続をとつてもらつて本会議で承諾を得てこれをやるということになれば、これは美に堂々たる案の修正になると、私はこう思うのですが、そういう手続をおとりになるお考えはございませんですか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 石田君はただいま本委員会に運輸大臣が出席をして意見を云々するのはまことにおかしいとおつしやいましたが、本委員会は委員長が招集し、委員がお集まりになつて運輸大臣が発言しているので、何ら私がこの委員会を招集して、私がかつてに参つたのではございません。また後段の石田君の御議論でありまするが、私は全然反対であります。一部分が予算上支出が可能であると信じましたがゆえに、さような趣旨を本日議会に申し上げたのでありまして、案全体に対するあなたの考えとは、私は全然見解を異にいたします。

石田一松新政治協議会

○石田(一)委員 一つだけ……。これは運輸大臣は私の申し上げたことをたいへん誤解していらつしやるようです。運輸大臣がここに来て御答弁くださることがいけないなどと、そんなむちやなことを、私は申し上げておるのではなくて、ただ御答弁の中に、運営委員会にもしかけるべきものであると本院が決定してその議決がない場合に、それにもかかわらず十五億五百万円とかいうこの理由書の政府のいわゆる訂正というものが、もうすでに国会で認められた、受付けられたとしてここでおやりになるということが不合理だ。要するに本会議にかける必要がないとおつしやるならば、なくてもよろしいのです。しかしこの衆議院で運営委員会の議に付すべきものとして議長がこれを諮問した場合、この採決があるまでは、あなたは公式に提案理由の変更を理由として、ここで残余のものについての審議を願うなどということは、常識には発言ができぬということです。それが内々において速記をとめておやりになるというならば、これは話がわかりますが、責任ある当局として、国会の手続の了しないものを、了したかのごとく錯覚を起して、ここで御答弁をなさることが間違つている。御出席して答弁なさることが間違つているというのではない。答弁の内容が実になつておらぬ。こう申し上げたのであります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 先ほどから問題になつておる根本は、やはり政府が公労法の十六條の第二項の国会に対する承認というのは、裁定そのものの承認ということであつて、その裁定に盛られでおるところの予算の裏づけが全然されておらない。どの程度は公社が出せる。どの程度は公社が出せなくて、国会の審議をまつて、政府が出すべきものだ。かりに政府が出すべきものだとすれば、どういう方法によつて出すということを政府は考えておるから、この点についてこれがむりか、あるいはむりでないかということを国会に審議してもらいたいということが出ていなくて、ただ裁定自体が国会に出ておる。四十五億企業の中からは支出が不可能だから、国会に考えてもらいたい。こういう無責任な裁定の国会への提出の仕方、ここに根本的な禍根があると思うのです。そこで私に運輸大臣にお聞きしたいのでありますが、一体運輸大臣はこの企業内で——あなたのお言葉を聞くと、十五億五百万円は企業内で出ると言いますが、それ以上のものに対しては、一体政府はどういう方法をもつて出すということを考えられているのか。そしてそれを国会に出してどう審議してもらいたいというのか、その点をまずお聞きしたいと思います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 林君の御趣旨は私もその通りだと思います。四十五億をあの形で国会に出したということに対しましてはあるいは国会における御審議の上に御不便かと考えます。そこで政府は今日に至りまして、あのうちの十五億五百万円は予算上支出が可能であるということが、検討の結果わかりましたので、この分は国会の御審議をまつ必要はございません。その残余の分に対していかようの御判断をくださるか、これを国会に対して審議をお願いいだした次第でありまして、その国会の審議の結果に従いまして政府は次の行動ができる。こういうふうに考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そこに末弘さんもおいでになるのでありますが、裁定書の十ページによりますと、「依つて、公社は現有の経理能力で独自に処理し得べき分は直ちに準備に着手して所定の時日までにこれを履行し、経理能力を超える部分については、国鉄法第三十八條以下の規定により速かに予算を作成し、所定の手続をとられたい。」ということが裁定書に盛られておるのであります。われわれはこの政府の組みました予算に基いて、その予算が国家全般的な財政からいつてむりかどうかということを審議するのがわれわれ国会の任務だと思う。なぜかというと、憲法並びに財政法によりまして、国会自体には予算の編成権がないのであります。ところがただいま裁定が国会に付議されておりますのは、公社の経理、公社の既定の予算並びに資金の範囲内では支出が不可能である。かりにあなたの言うように十五億五百万円出ましても、あと大体三十億は出ないことになる。これを出していいかどうかということを国会に付議しているわけであります。ところが出していいかどうかということは、具体的な予算が盛られて、その予算がむりかどうかという材料がなくしてわれわれは審議のしようがないわけです。もしあなたが、この場合に予算の審議権は国会にお上げしますから、どうか国会で適当に予算をつくつてくれというならば、われわれはつくります。そうでなくして。憲法にいう予算の編成権を政府みずからが握つておりながら、その予算の編成を全然しないでおいて、国会にどうぞよろしくと言われても、われわれは審議のしようがないのであります。根本は、あなたの考えは公労法十六條の第二項の考え方の中に、裁定そのものだけ出せばいいんだ、予算なんということは考えなくてもいいんだという腹の中には、実は全然出したくないんだ。できるだけ出したくないから、国会を困らしてやろうというふうに、悪意に解釈すれば解釈ができるわけであります。ですから結局、政府が今日まで出さないという部分の責任を、国会に転嫁してしまう。もし政府が実際に誠意があるならば、政府が出すというのはこういう予算になる。しかしこの点は今の財政上非常にむりがある。あるいはこの点は可能でありますということなくしては、国会の審議はできないであります。ですから、十六條二項の裁定を国会の審議に付すべしということは、これは裁定書の十ページにもありますように、明らかに予算を作成して、それを裏づけとして国会の承認を求めるという手続をすべきものであるというようにわれわれは解釈しますが、その点についてのあなたのお考えをお聞きしたい。このことは公労法に基く裁定の審議にあたつてはテスト・ケースであります。あなたの御存じの通り、マ書簡によりますと、むしろ公共企業体の労働者を保護するために、保護の手段として裁定という制度がなされておるのであります。もしこれかかるごとく、国会に予算の編成権がない。ところが予算の編成権のある政府が、予算を組まなくて国会にどうぞよろしくといつて、それがために、国会がそれに対して承認を事実上與えることができないということになるならば、裁定を設けたマ書簡の精神をまつたく政府は蹂躙することになると思います。一その点について政府はどうお考えになつておるか、所信をお伺いしたいと思うのであります。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 四十五億に対しまして、これをできるならば——国鉄の現在與えられた、決定しておりまする予算の中で支出が可能でありますれば、四一十億全部出したいという点は、私もこれはやぶさかでないのでありますが、検討いたしました結果、どうしても一部分の十五億五百万円以上には、これは支出が不可能であるという意味合いにおいて、国会にこれを移牒いたしましたので、すなわち予算をつけて出さなければならぬと言いますが、これは何も予算のこまかいものをつけて出す必要はないのでありましていわゆる残余の三十何億余が出せないということが、すなわちこれが政府の判定でありますから、これを適当に国会が御審議なさるのが、あの條文の趣旨である。かような解釈であります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 ここでもう一度あなたに申しますが、これは政府の、労働者の労政局長の賀來さんの書いた本の中で、この際單に協定の承認を求めるのみにては協定履行は不可能であるから、当然予算の改訂案があわせて承認されることになるということは、政府みずから労働省で言つております。それからこれは運輸省の国有鉄道部の労政課長の星野さんでありますが、星野さんの意見の中にも、日本国有鉄道の予算案は運輸大臣を経て大蔵大臣に提出し、閣議の決定を経なければならず、この決定あつて後、内閣がこれを国の予算案とともに国会に提出するということになつているから、政府が仲裁委員会の裁定に盛られた内容を実現できるような予算を組まない以上、国有鉄道は、事実上仲裁委の裁定に従つたことにはならなくなるということを、あなたの部下の課長さんがちやんと言つておられます。それからさらに現にここに生証人としておいでになる末弘さん自体も、また裁定書の中で言つておられます。ですからこの問題は、解決する前に一応末弘さんの御意見をお伺いして、この裁定書の十ページの中にある「国鉄法第三十八條以下の規定により速かに予算を作成し、所定の手続をとられたい。」というのが本来のとるべき態度ではないかと思いますから、一応末弘さんの御意見を聞き、それから最後に運輸大臣に、もしあなたが三十億なら三十億は、国会で適当にやつてくれということならば、これに関する限り三十億の予算権は政府は国会へ返上したと解釈してよいか。もしあなたがそうおつしやるならば、われわれに予算を組みます。いくらでも財源がありまするから。その点をお聞きする。その前にまず末弘さんに裁定の十ページの点をお聞きしたいと思います。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 林君に申し上げますが、今は議事進行の御発言中でありますから、なるべく関係方面の方はあとにしていただいたらいかがですか。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それでは末弘さんには後にお伺いすることにいたします。そうすると、運輸大臣のその三十億の内容を、われわれはどの程度示したらよいのか、あるいは全然二十億出せということだけで政府はよいのか。かりに国会で三十億出すと言つたら、政府はどういうふうに考えるか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 その点は、国会でとにかくこれを支出すべきであるというような審議の結果が現われれば、政府は予算をつけまして、その手続をやります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それは逆だと思うのです。政府が予算を作成して国会へかけ、その予算を国会が承認するかどうかということをきのうのであつて、国会が予算をつくつてこうやれと政府に言うべきものではありませんので、その点あなたは考えが逆になつておる。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 逆ではないのでありまして、とにかく三十億弱のものは、これだけはどうしても現在の予算では支出不可能であるからという、これがすなわち政府の審判でありますからこれを国会に付議いたしまして、国会がこれをよし予算を組めと言われれば、政府は予算を組んでそれを実行いたします

林百郎日本共産党

○林(百)委員 あなたの言うのは非常に不正確だと思うのです。政府が出すのが不可能ではなくして、国鉄の既定予算並びに資金の中で支出するのが不可能なのであるから、国会の承認を経て政府から出させるというのが、この裁定だと思うのです。そこで政府から出させるためには、政府がどう出すかということなくしては、国会で審議のしようがありません。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 林君の言われる通り、私言葉が足りません。まことにお話の通りです。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 政府より国会に提出されましたいわゆる訂正の問題につきましてはその処置についてただいま議院運営委員会で審議中でありますから、しばらくその問題は運営委員会の審議にゆだねまして、昨日来きわめてお忙しい中にもかかわらず、本委員会の求めに応ぜられて出席しておられます関係各位に対する御質疑を開始いたしたいと思います。  これより質疑を許します。福田喜東君。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 この国鉄の裁定に関する問題は、公共企業体労働関係法の一つのテスト・ケースとしまして、先に共産党の林君が御指摘になりました通り、今後の事例の先例となるものと私どもは思つております。このたびの裁定の趣旨につきましては、その趣旨はわれわれまことにごもつともだと思いまして、できる限りの尊重はする考えでございますが、その先例となるという意味と、かつ根本問題の点につきまして、一、二政府当局にお尋ねいたしたいと思います。  その第一点は、公共企業体の第十六條と第十五條の関係におきまして、私どもはこの国会の審議を求むるものは、第十六條の第一項に規定してあるところの、公共企業体の予算上または資金上不可能な資金の支出を内容とする、まあ読みかえまして、裁定そのものである、このように考えておりますが、この点について御見解はいかがですか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 十六條の規定で裁定を受けましたときに、国鉄の総裁並びに国鉄の組合は、予算上可能であるもめがそこにありました場合には、ただちにその裁定に服する義務が発生いたします。しかしながら予算上この支出が不可能である場合には、政府にそれを具申いたしまして、政府からこれを国会に提出いたしまして、国会の審議の結果に待つということになつていると考えております。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 しかりといたしますならば、その可能と不可能の範囲というものはどうでございますか。その可能、不可能の認定権はだれにあるのでありますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 その認定権は国鉄の総裁にあり、かつそれを監督いたしております、政府の認定を待ちまして、初めてそこにコンクリートなものになつて来る。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 国鉄と政府当局の両方にある、こういうふうな御答弁でありますが、しかくいたしますならば、その承認を求め、承認なかりしものの範囲におきましては、仲裁の修正ありたるものと見なしてよろしゆうございますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 支出可能な面が一応解決いたしまして、残つた面が、かりに議会において否決されたということになれば、それで仲裁のすべての義務が消滅完了いたしたものと考えております。(「ノーノー」)

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 その点、義務が完了したというのはどういう点味ですか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 今回の場合、かりに四十五億の面に対しまして、十五億五百万円以外のものが議会において否決されました場合には、それで国鉄はこれを支拂う義務を消滅する。(「ノーノー一)

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 可能なる範囲のものは、議会の審議に付する必要はないのではないか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 お説の通りであります。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 さらにまたこの第十六條に関しましては、予算上不可能な資金の支出を内容とする、この不可能なという意味の内容でございますが、この不可能というのは、占領治下の現在におきましては、財政政策というものと関係ありとの御意見でございましようか。財政政策とはまつたく関係ないものだというような御見解でございますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいまの御質問は、財政政策一般と関係があるないという広義の意味でなしに、国鉄に現在保持している予算の中で、可能不可能ということに考えます。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 可能の限度とは、しからば現在の公社にとりましてはいかなる範囲のものでございますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 それは国鉄総裁の判定を政府がこれに認可を與えて発生いたしますが、国鉄の業務運営に関する支障のない限り、たとえて言いますならば、いろいろな物件、消耗品の使い方の節約、あるいは一応組んでおきましたが、繰延べてもさしつかえないというような事柄で、これをいたしましても、国鉄事業の運営に支障を来さざるという見地におきまして、国鉄総裁並びに政府がこれをやる、さように考えております。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 ではその点はその程度にいたしておきまして、これは政府の法務関係の人にお聞きしたいのですが、仲裁の性質というものはいかなるものでございますか。これをもつと具体的に言うならば、仲裁につきましてはこれを一種の裁判、判決というふうに考えまして、その申立ての範囲というものがあり、申立て事項に縛られるものでございましようか。あるいは平たく申しますならば、紛議、争議の仲裁という意味におきまして、申立て範囲以外のことにつきましても、希望的條項を付し得るものでありましようか、この点を伺いたいと思います。

佐藤達夫法制意見長官

○佐藤(達)政府委員 ただいま総裁が中座いたしておりますので、私からとりあえずお答え申し上げます。  ただいまのお尋ねについては、御承知の公労法第三十五條におきまして、一応仲裁の裁定は当事者について拘束力を持つということがうたつてございますが、そこに但書がございまして、ちようど今回のごとき裁定の場合におきましては、第十六條の規定に従つて処置されるということがございます。従つて第十六條にのつとりまして、今回国会の御審議を煩わすということになりますので、御審議の対象になつております部分につきましては、御審議の結果によつて裁定の効果が固まるということに考えております。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 私の質問の趣旨がよくおわかりにならなかつたかと思いますが、つまり申立ての範囲に限定せられるものなりやいなやということは、判決を求むる主文というか、申立て事項というものを必要とするものかどうか、ただ紛争仲裁のためには、積極的に申立てをしない事項につきましても、何らかの意思表示をなし、紛争解決のためには、いわゆるいろいろな申立て以外の事項までも書いてもいいものだろうか、こういうことでございまするが、その点についての御意見を承るわけであります。

佐藤達夫法制意見長官

○佐藤(達)政府委員 裁定の範囲は、お示しの例で申しますれば、申立ての範囲に限定されるものと考えます。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 しからば申立ての範囲というものは、どの程度のものでありますか。

佐藤達夫法制意見長官

○佐藤(達)政府委員 これは私その方の当局者でございませんから、現実のこの調停から仲裁に参ります道行きのことを、責任を持つてお答えするだけの能力を持つておりませんので、その方面からお聞きを願いたいと思います。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 裁定書の第三項の趣旨は、われわれはなはだ賛成でありまして、はなはだけつこうなものと思つておりますが、こういうものは申立てであるものでございましようか。どうでございましようか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 将来国鉄の従業員が勤勉努力の結果、能率の向上ができまして、予算上の成績が上つたという場合に、賞與金のような制度を考慮しようという裁定の精神には、私も賛成でございます。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 大臣の御答弁まことに大まかで、その御趣旨はわかりますが、将来のことまで、希望的にこういうふうな第三項に書いてあるようなことが、申立てとしてあつたかどうかということなんでございます。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 裁定書に書いてありまするから、ありましたのでございます。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 支出可能の限度とはさつきお尋ねいたしましたが、大体大臣の御発言でわかりましたけれども、可能なるものは議会審議の結果によるということになりまして、ここにおいてその承認がなかつたものは、その限度において修正が行われた、従つてこれは第十六條の第二項の拘束力はなくなる、こういうように解釈してよろしゆうございましようか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 今ちよつと聞き漏らしたのですが、もう一回お願いします。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 つまりこの裁定を審議いたしまして、十六條の第一項つまり予算上の措置につきまして承認がなかつたものは、その限度において修正された、従つて裁定としての拘束力はないのだ、こういうように解釈してよろしゆうございましようか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 その通りで、つまり承認をしない、予算上の支出が可能である部分以外のものが不承認になつた場合には、裁定の支拂いの義務を消滅した、免責したものと考えます。

福田喜東民主自由党

○福田(喜)委員 私の質問はこの程度であとから……

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 赤松君。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 末弘厳太郎氏にお尋ねいたしますが、本日議長の手元に政府の出して参りました議案の考え方は、そうしてそこに明瞭に盛られておりますものは、軍に十五億五百万円の国鉄公社のり経理能力を越えない部分に関する支出のみでなくて、さらに分配に関して政府がこれをやろうとしておるのでございます。また五千円を越えることはできないというような考え方も持つておるようでございます。この点は私は明らかに裁定違反である、これは当然仲裁委員会なり、また裁定書が示しておりますように、国鉄公社と国鉄労働組合の相互の団体交渉によつて、こういう問題は解決すべきであると思いますが、この点に関しまして末弘さんはいかように……     〔発言する者多く、議場騒然〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 靜南に願います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 どのようにお考えになつておるでございましようか、一応お伺いしたいと思うのでございます。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 それではお答えいたします。今お聞きの、政府が国鉄の仲裁裁定の場合について、今のようなことを言うておられるかどうか存じませんですが、もしもそういうことを言うておられれば、裁定の精神とは違うと思つております。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 ただいまの点について政府の考え方を申し上げます。実は赤松さんが今お示しになつたのは、公務員の方を中心としてつくつたものでございまして、一応の基準として考えるという考え方はそこにございますけれども、私から閣議で発言いたしまして、公労法の精神に基いて十五億何百万円かが可能とならば、そのまま団体交渉で、その分配方式等は決定すべきものであるということに了承がついております。     〔「そんなことわかつている」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党

○赤松委員 労働大臣が答えたからわかつたんじやないか……     〔「議事進行」と呼び、その他発言する者多し〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 ただいま赤松君が発言中であります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 そこで続いてにお尋ねいたしますが、仲裁裁定が出された十二月二日から公社に債務を発生させるもので、この債務は私有財産であり、政府は、国会といえどもこれを奪うことはできない、こういう考え方について運輸大臣はいかように考えておられるでしようか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 その考え方は政府は採用いたしません。ただいましばしば申し上げました通り、支出可能なもの以外のものは、もし国会においで否決いたしましたならばそれで免責と考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 この点につきまして、仲裁委員長でございまする末弘さんはいかようにお考えでございましようか。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 ただいまの問題は法律上の解釈、意見でありまして、法律上の解釈、意見というものは、いろいろな意見が立ちやすいものであります。先ほど運輸大臣のお話のあつたところから伺つていると、どうやら政府においてその点について何か誤解があるように思いますので、その点から申し上げます。まず第一に昨日申し上げましたように、予算上、資金上可能であるかないかということの判断については、実際上において調べて、異論があり得るかないか、ともかく客観的にきまつておることである。政府が十五億五百万円だというような判定をしても、それ以上のものがあれば、これは絶対に消えないということだけはきわめて明らかだと思います。もしもこれを消すものがあるとすれば、国鉄公社と組合とで妥協して、それではこの金はここでこういうことにしましようということになる。それはつまり当事者が妥協で権利を捨てるわけです。それはできましよう。それ以上は、先日私どもが申しましたように、政府はむろんのこと、国会といえども、これは私有財産だからできません。それからそのあとの部分でありますが、そのあとの部分については、政府はよろしく予算をつけて国会の審議に付していただきたいというのが私どもの意見で、どうもそれは伺つておりますと、公労法の十六條と三十五條だけしきりに問題にしておられますが、国有鉄道法をよくごらんを願うと、およそ国有鉄道法で支出をして行くのには、やはり予算をつけて行かなければできない。そういうものをつくつて、そうして国会で議していただくということの問題だと思います。そして国会が出て来た予算を全部区否決いたせば、これによつて公社は支拂わずに済むということになりましよう。しかしそれにはやはり予算を組んで出して、具体的になぜこういうものが、抑えないのかということが、組合の人にとつても、また国民一般からいつても、納得が行くだけの根拠を十分に示していただく。それには昨日特に堀木さんから国鉄の経理状況を十分申し上げて、今あれで三十億、今度で言えば二十九億幾らになる、そのくらいの金を貸してやりさえすれば、簡單に治まるものであるということを御了解願いたいと思う。その点では、あるいは皆さんお聞きになつていないかもしれませんが、昨晩の六時からの放送座談会において、増田長官が、一般の人民に非常に間違いの起りやすいようなことを、数字をあげて言つておられたのは、私ども委員として最も残念に思つておりますので、どうかその二十九億幾らかのものを予算に組んで、ひとつ国民に納得が行くようにしていただきたいというのが私どもの意見であり、そうして仲裁というものはそういうものだと私は思つております。それで初めて争議権を奪つた代償になるので、その以外の、私有財産であるとかないとか、奪つていいとか悪いとかいうような、法律論よりも、もつと道義的にものを考えていただきたいことを、希望的に申し上げたいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 続いて加賀山総裁にお尋ねいたします。十二月十四日加賀山総裁に野党代表でお会いいたしました際に、私は、日本国有鉄道法第三十八條及び公共企業体労働関係法第十六條、第三十五條の規定に基きまして、国有鉄道公社自身がまかない得る予算及びその経理能力を越える部分についての予算原案を作成して、政府に、すなわち運輸大臣にこれを答申されたかどうか。これは国有鉄道公社に課せられた義務であるから、この義務を果されたかどうかという点と、さらに未拂い部分につきましては、債務が残るかどうかという点をお尋ねいたしました際に、債務は残るということを明瞭にお答えになり、さらに支拂う義務も残るということも明瞭にお答えになつたのでございます。その際、予算原案はいまだ運輸大臣の手元に出していない。ただ一つの——私はこれを答申書とは思いませんが、国鉄仲裁委の裁定について、運輸大臣の特段の配慮を切望するところの意見書、これは先般の十日の運営委員会において、運輸大臣はこれを答申書と言わずに、あえてこれを意見書だと言つた。私も意見書だと考えている。そこでこの意見書の最後に、財源その他については別に資料を提出する、こう書いてある。そこで私は加賀山総裁に、財源その他について別に資料を提出されたかどうかということをば、十四日に確認を求めたのでございます。その際加賀山総裁はきわめて明確に、いまだ財源についての資料は提出しておりません、かようにお答えになつたのでございますが、先ほど私の質問に対しまして、運輸大臣から、十日に予算原案が答申されておるというお答えがあつたのでございます。運営委員会における運輸大臣の御答弁、さらに本日の御答弁、先般の加賀山総裁のお答え恥これらを総合いたしまして、おそらく十二月十日にはこの予算原案が提出されていない、こういうように思うのでありまするが、加賀山総裁はこれについていかようにお考えでございましようか。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 お答えいたします。ただいまの赤松さんのお言葉は、少し誤解がおありのようで、弁明いたしたいと思います。十四日にお見えにむつたときに申し上げたことは、裁定があるやいなやわれわれとしては、国鉄経営の内部に余裕のないことはわかつておるけれども、何とかしてさらに深い検討をして、この際従事員にまわすものが出ないかということについて非常に苦慮をした。苦慮をした結果一つの数字を得た。そうしてただちに大蔵当局とも折衝を始めました。それは国鉄当局の内部だけでできると申しましても、これはできることにはなつらないのであつて、先ほどから御承知のように、政府の認承の行為がない限りは、総裁がいいと申しても、できることにならぬことは御承知の通りで、国鉄としては一つの結論を得まして、十日に国鉄内部として経理可能と私自身が考えました数字を運輸大臣に提出し、それからその残余、つまり資金上、予算上不可能部分については、前もつて政府の善一処をお願いしておつたわけであります。同時に国鉄としては借入れをもつてこの仲裁委の裁定に従いたいという意思を運輸大臣に表明した次第であります。それについてまだ当時いつわゆる国鉄当局としては、国鉄の手の届く範囲内でありますので、予算として借入金がどうなつておるか。それらの点については検討いたしておるわけではない。詳細にこれこれの財源をもつて、これこれという具体的なものについてはいまだ提出いたしておらない。かように申し上げたのであつて、最初の、国鉄経理可能な分についても、出していないと言つた覚えはないのであります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 そこで続いてお尋ねいたしまするが、その問題につきまして、私別の角度からひとつお尋ねしたい。その際加賀山さんは、国鉄の経理能力の範囲内においてまかなえる部分は、十八億あるということをばおつしやつておられました。それは石炭の節約あるいは修繕費の繰延べ等によつて可能である。あなたはそのとき、船が難破する際に、船を助けるか人を助けるかと言えば、私は人を助けたいということをおつしやいました。私たいへんうれしかつたのでありますが、さて人を助けるためには、国有鉄道公社がその最大の経理能力を振つて、それに充当しなければなりません。その際あなたは十八億支出が可能であるということを申された。ところが本日運輸大臣の御答弁によれば、十五億五百万円である。一体国有鉄道公社それ自身が十八億を支拂う能力があるのだ。かように申しておつたにもかかわらず、政府がただいま議長の手元に出して参りましたその数字によれば、十五億五百万円である。われわれはどうも納得が行かないのでございます。公社自身が十八億出せるのだ、こう言つておるのにかかわらず、政府自身は、十五億五百万円より公社の方ではまかなうことができなかつたのだ、かように申しておるのでありますが、その点についてはいかようにお考えでありましようか。また何らか政治的圧力が加わつたのではないかとわれわれは考えておるのでありますが、そういう点はなかつたのでございましようか。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 お答えいたします。国鉄当局といたしましては、これは皆様方が御存じの通り、国鉄の職員が、特にこの夏以来能率を向上しつつあることは事実でありまして非常に国鉄の経営に寄與いたしております。それからまた生活面における窮迫も、われわれが切実に見ておるところでありますので、われわれといたしましては国民に御迷惑のかからない限り、何とかして少しでもこの際従事員の給與にまわしたいと考えるのは、これは人情の上から言えば当然のことであると存じまするし、また筋から言いましても、通ることであるというふうに考えて——前国会における補正予算並びに貨物運賃八割の引上げを認めていただいて、ようやくいわゆるプラス・マイナス、ゼロになる予算でございまして、そんなに余裕があるわけがない。建前上は少しの余裕があるわけはないのでありますけれども、そこを考えて、ここをいわゆる人件費にまわすのが国鉄経営としての道か、あるいはこれを設備の修理に充てるのが道か、これは私といたしましては非常に悩んだところであります。そこで私として得ました結論は、この際修理費を一部繰延べても、これを人件費にまわすのが、今後の労働の保護育成の上においてとるべき策と考えて、いわゆる十八億を考え出したのであります。しかしながら、それが数字の中において非常なむりをしなければ出ないということは、議員各位におかれても十分御了承ができるところであろうと存ずるのであります。むりをしなければならぬそのむりの程度については、従事員に近い立場にある総裁の立場と、またこれを監督する立場にある政府の立場との間に、見解の食い違いがあることも私はあり得ると考えるのであります。これは実際行つてみて、結果を見なければわからないことになるかもしれないのでありますが、たとえば線路なり車両の修繕を一部繰延ばすということは、できるならばしない方がいい。これは当然のことなのであります。そういう点について見解の差はあり得ると私は思うのであります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 続いて運輸大臣にお尋ねいたしますが、この裁定書の中に——これは末弘参考人もしばしば強調されておるのでございますが、「公社の経営はこれに解決を與えるだけの能力をもつている。即ち、この際国会がこの問題解決のために多少の借入金を承認すれば、公社は次年度以降において容易にこれを償還し得るだけの余力をもつている。」かようにうたつておるのでございまするが、この点について運輸大臣は、この裁定書にうたつておりまする点につきまして、先般国会は、ことに衆議院では御承知のように民主自由党の諸君からも、あるいは野党各派からも、その表現は違いますが、この裁定を他方におきましては尊重する、一方におきましては全額を支拂うべしという決議案が出まして、これは多少字句の表現は違やまするし、その考え方の上においてはかなり本質的な違いはございまするが、とにかく各党派あげてこの裁定を尊重しなければならぬということになつておるのでございます。そういう点から申しまして、この点についていかようにお考えになるか。また加賀山総裁もこの点についてどのようにお考えになるか。きわめて簡單でけつこうでございますから、答弁していただきたい。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 最初この十八億の支出可能の国鉄総裁の申達に対しまして、運輸大臣もまつたく同感であつたのでございますが、その後あらゆる角度からこれを検討いたしまして、十五億五百万円可能であるという結論に到達いたした次第であります。なおかつこの裁定書に記載してありますこの委員会の考え方といたしまして、国鉄におきましては借入金をすれば、この経理をまかなう能力があるという観点に立ちましては、遺憾ながら政府はあらゆる角度から考えまして、国鉄の目下の経理能力におきましては、いわゆる十五億五百万円以上は自力支出はできない。あとのものはいわゆる予算的措置が可能であれば、支出ができるという結論に到達した次第であります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 それは答弁になつていませんよ。仲裁書で言つておる。たとえば借入れ等の方法をとるならば、そうして国会がこれを承認するならば——償還能力は持つておるということを言つておるのであります。償還能力を持つておるところの公社に対して、なぜ政府はこれを貸さないのかということを言つておるのであります。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 いやそれはごもつともで、聞き違えました。国会が承認いたしますれば、政府はいやおうなしにその処置をとるのであります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 それは国会自身の問題で、われわれ自身が決定すべき問題なんで、あえてあなたに聞きません。そういうことを言つておるのではなくで、こういう裁定を尊重すべしということは、国会において決定しているんだ。これに対してこの院議には政府は従わなければならぬ。そういう意味から言つて、こういう方法をとる意思はあるかないか。もしないならば、どういうわけでないかということを聞いておるのです。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 国鉄の経理能力においては十五億五百万円が手一ばいの最大限であつて、それ以外の支出に対しましては国会の予算的措置、あるいは借入金をするのも同じでありますが、そういう承認があれば政府はその処置をいたす。こういうふうに申し上げておるのであります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 どうもピントがはずれておる。私が言つておるのは、支出が可能であるかどうかということを言つておるのではなくて、この裁定がうたつておりますように、償還能力は国鉄は持つておる。その持つておる国鉄公社に対してなぜ貸してやらないのか、また貸してやれない理由がどこにあるのか、こう言つておるのです。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 償還能力があるないということを、私は論じておるのではないのでありまして、国会におきまして承認が與えられれば、いかようの処置でもいたすということを申し上げておるのでありまして、ただいまにおきましてそれがあるくらいならば、自力の支出をいたすつもりでありまするが、ないからさように申し上げるのであります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 これは驚いた。先般民自党、それから野党側よりも出されておりまする裁定を尊重すべしという院議には、政府は従つていない。少くともこの裁定を尊重するんだということになりまするならば、私は、こういうような方法でその償還能力を持つておると考えまするが、しかし今資金上こういう面で不可能であると思いますので、残念ながらそれはすることができませんとか何とかいう答弁があつてしかるべきだと思う。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 政府は裁定の精神を十二分に尊重しておりまするが、今の経理能力の範囲内では、十五億五百万円以上は支出能力がないと認定いたした次第でございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 支出の問題でなく、償還能力があるから、それに対してなぜ貸してやれないのか、その理由は一体どこにあるかということを質問しておる。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 赤松君の質問を実行する第一前提といたしましては、国会においてさような処置をとつてしかるべしというあれがなければ、政府は処置ができないのであります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 これは、たとえば行政的な措置でできる場合もあり得るんだ。国会は国会自身がこれを考えて行けばいいのであつて、この裁定の中に言つておるのは少くとも国有鉄道公社が償還能力を持つておるんだから、これに対して政府の方で貸してやるようにせよ、また国会はこれに対して承認するような方法をとつてやれということを言つておる。だから先般衆議院におきまして、裁定を尊重しなければならぬというところの院議が決定しておる。この院議を政府は尊重しなければならぬという建前に立つならば、このように裁定が合理的な一つの方法を提示しておるにもかかわらず、なぜその合理的な方法に従うことができないのか。その困難な理由がどこにあるか。私は所管大臣である運輸大臣に伺つておるので、議院に対して質問しておるのじやない。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 償還能力があるからと委員会はおつしやいましても、ただいまの国鉄全般の経理、国鉄の経営の担当者である国鉄総裁並びにその監督者である政府で認定いたしまして、いわゆる経理上におきましては十五億五百万円以上出ないのでありますから、償還能力があるないは私どもの見解が正しいので、それは遺憾ながら委員会の見解とまつたく違うのであります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 先般の首切りの際には、石炭費の中から、国会の承認を得ることなしに、四十億を出しておる。ところが裁定を尊重するとあなたは言いながら、それに対して何らの積極的な努力を拂おうとしておらないのじやないか。この点加賀山総裁は、償還能力があると裁定は言つておりますが、いかがでございましようか。もしできれば参考人のうちの堀木さんでもけつこうであります。簡單でよろしゆうございますから、御発言をいただきたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 お答えいたします。償還能力があるとかないとかいうことをここで論ずることは、非常に空なことになるのでありまして、問題は、直接には来年の予算の組み方がどうかということに相なると考えるのであります。裁定におきましては、国鉄経営上能力ありというふうに、非常に実は買いかぶつて裁定を受けておりますので、これは私どもといたしましては非常にありがたいような感じもいたすわけでありますが、なるほど来年度貨物運賃八割の値上げをいたしましても、本年度まではいわゆる取かえ費用に充てるものから来る十三億を充てておつたにすぎないのでありまして、いわゆる資本の食いつぶしをして、経費をまかなつておつたということであります。来年度はせつかく貨物運賃は八割値上げしていただくのでありますが、この厖大な国鉄の資産を健全に維持して行くために、どうしても最小限度の取かえ費用的なものを見なければならない。そういうふうな状態を考えますと、来年度の予算といたしましては、決して非常に楽なものではないと考えるのであります。また償還の問題になりますと、ただ償還能力がありやなしやということよりも、ほんとうに貸手があるかどうかということが、より重要な問題になると考える次第であります。

堀木鎌三公共企業体仲裁委員会委員

○堀木参考人 今借りたときの償還能力はどうかという御質問でございますが、昨日の私の話をよく分析していただきますとわかると考えるのであります。昨日申し上げましたように、赤字の一番の原因は、貨物運賃が押えられておつたことであります。貨物運賃が政府の低物価政策から、実際の経済上の合理性を失つた価格に押えられた。それは貨物を一トン運べば運ぶほど損するという赤字の財政を押しつけておる。それの影響がやはり人件費に影響して来ている。そうして今度の国会で協賛を経ました補正予算をごらんになればわかると思いますが、私どもわかりますのは、今度一般会計から国鉄が借入金の受入れを、補正予算で三十億としておるわけであります。これは何であるか、いろいろな意味があると思いますが、ともかくも国鉄は貨物運賃が押えられておる結果、本年度の予算がつじつまが合わなくなつた。それで仄聞するところによりますと、十一月から上げれば大体収支とんとんになつて赤字が解消する。それが一月に延びたら三十億の借入れができてしまう。こういう借入れができるような状態でございましたら、裁定を御尊重になるならば、つまり歳入の補填をなさると同じように、その歳出の補填をなさつたらいいじやないか。しかしここに三十億の借入金に、さらに三十億を合せて六十億の借入金がどうか、こういう問題に相なります。裁定にも書いてありましたように、来年度は貨物運賃がフルに一年を通じて上ることに相なります。これはおそらく国鉄の推定によれば、貨物運賃の値上げは胡当の額に相なるわけであります。それから石炭費も、石炭もだんだんよくなつて参りまして、本年度すでに四十億くらい節約できたのでありますが、これも途中から公団の廃止、その他の事情の変化によつて起つて参つたものでありまして、来年度はそれもフルに節約できるというふうなことに相なつて参ります。かたがた私どもの計算によりますと、率直に申しまして今問題になつております程度の額は、国鉄が十分に返し得るんだ、こういうふうな観点に立ちまして、あの裁定案を出したのであります。それだから一般会計において援助をなさるならばできる。国鉄は大丈夫だ、実はここで論議になつておりますのは、国有鉄道の現在與えられている予算の範囲で、その流用だけでお考えになつておりますが、私たちはそれは加賀山総裁がやれることなんだ。加賀山総裁——むろんいろいろな行政上の制約はありますが、監督官庁として運輸大臣なり、あるいは運輸大臣が大蔵大臣と御相談になる点はありますが、私は政府といたしまして、ひとり加賀山総裁の権限のみでものを考えるべきでない。全体の予算として、私どもは支拂い能力を考えておつたわけであります。本来一般会計の国の予算につきましても、場合によれば予算上十分能力があるんでないか、こういう観点に立つて裁定をいたした次第であります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 ちよつと運輸大臣に先ほどの私の質問に対しての御答弁を願います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 これは最初にとりました予算が実は非常に少かつたのであります。しかるに従来の退職手当の率の決定もございますので、従来の率を踏襲し、支出をいたすべく、そこに財源が不足をいたしたのであります。そこで鋭意與えられた予算の範囲内で財源を物色いたしました結果、ちようどだまたま石炭が、最初予算に組みました以上に、非常にいいカロリーのものが入つて来た。また数量が非常に節約できた。また公団の廃止等の関係、オープン・ビッドという関係で、相当の節約ができましたために、石炭費の中から数十億の金を捻出いたしまして、これをまわすのやむなきに至つた次第であります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 もう一点だけお尋ねしておきます。これはわかり切つた問題でございまするが、先般来運輸大臣の御答弁の中に、非常に矛盾した言葉が多いのでございまして、ただいまの問題につきましては、同僚委員からさらに問いただすことにいたします。ただ私は一点だけお尋ねしたいと思います。それは公共企業体労働関係法第十六條に申します予算上、資金上という字句の解釈について、いかようにお考えになつておるでございましようか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 いわゆるすでに形成された予算、並びに資金と言いますると、他から借入金をするいわゆる金融、そういうような意味合いであります。ただいまの赤松君のねらいは、多分予算上不可能であるならば、いわゆる国鉄の将来における支拂い能力等を見返りにしてあつるいは預金部その地本会計から借入金をしたらいいじやないかというので、さような御質問をなさるのだと思いまするが、資金上というのは、借入金というような事柄、予算上というのはすでに国鉄が決定されて持つている予算、そういうふうに考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 お気の毒ではございまするが、私のねらいはちよつと違つておるのでございます。今運輸大臣のお答えによりまするならば、予算とはいわゆる既定予算のことであるということが明瞭になりました。そこであなたにお尋ねしたいことは先ほどの御答弁の中で、公共企業体労働関係法第十六條に規定いたしまする予算王の能力を、すなわち十五億五百万円の国鉄公社の経理能力の範囲内においてまかなえるものをさしておられるようでございまするが、この国有鉄道公社の経理能力の範囲内においてまかなえる十五億五百万円に対しては、これを予算上のもの、あるいは資金上のものというふうにお考えになるでございましようか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 それは厳格に申しましたならば予算上であります。     〔発言する者あり〕

赤松勇日本社会党

○赤松委員 私の質問はまだ多々あるのでございますが、大分向うの方が騒がしいようでございますし、なお同僚委員もたくさんおりますから、この辺で私の質問を打切りたいと思います。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 關谷勝利君。     〔「委員長、議事進行——議事進行はいかなるものをおいても許さなければならぬ規則でしようが、なぜ許さぬか」と呼ぶ者あり〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 關谷君に発言を許しました。     〔「さつきから発言を求めておるのに許さぬのか。東京に遊びに来ておるのじやないですよ。正式に求めた発言をどうして許さぬのか」と呼ぶ者あり〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 静粛に願います。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 公務員がその生活におきまして……     〔「帰つちやだめだ」「あとで泣くな」と呼ぶ者あり。笑声〕

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 国鉄の職員並びに一般公務員が、その実生活におきましては、今日の経済状態の中におきまして、非常に困窮いたしておりますことは、われわれよく了承いたしておるのであります。また戰後往々にいたしまして、行き過ぎたる少数分子の言動によります非合法争議より脱却いたしまして、穏健かつ合法的の組合運動を展開いたしておりますることに対しましては衷心より敬意を表しまして、極力その主張に対しましては、期待に沿いたいと念願をいたしておりますことは、わが民主自由党全般の一致したる意向でありまするがゆえに、私は法理論的なことは抜きにいたしまして、運輸委員としての立場より事数点の質問を試みたいと存じます。  まず第一番にお尋ねいたしたいのは、この仲裁委員会の裁定が下されまして以来、国鉄当局あるいは運輸大臣はこの裁定案に対しまして、いかに期待に沿うかということに対しまして、努力せられたことはよく承知をいたしておりまするが、去る第六臨時国会におきまして、運賃の値上げをいたしまする際に、本年度において約八十六億ないし九十一億の赤字が予想せられる。これが補填をする上におきましては、どうしても運賃の値上げ以外に方法がない。なおまたこの八割の運賃値上げを一月よりいたしましても、三十億の赤字が出るからして、これに対しましては一般会計より繰入れをしなければならない、こう言うておるのでありまするが、それにもかかわりませず、何と申しまするか、裁定案に対する場合に、国鉄でまかなえる範囲として、あるいは十八億と称し、あるいは十五億五百万円と称するものが、この国鉄の内部から出る、こういうように言つておりますので、世間ではまるで国鉄は魔物のようなものである、しぼれば幾らでも出るのだ、こういうような事柄を考えるのでありますが、この十五億五百万円というものは、その内容がいかなるものであつて、伸縮のでき得ないものであるか、そうしてその内容を詳細に御説明願いたいのであります。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 国鉄の経理上、貨物運賃が不当に低率にきめてありましたので、これではとうてい経営上収支が償わないという趣旨において、過ぐる国会においで貨物運賃を、十分な採算点とまでは行かないのでありまするが、引上げました。なおかつ三十億の本会計よりの移入をいたさなければならなかつたととは、關谷君の御指摘の通りなのであります。しかるに今回何事か、かような窮迫した財政の中から、十五億五百万円の金が捻出できるとは、ふしぎではないかというお尋ねは、一応ごもつともでありまするが、この一月から三月までの間において、石炭を相当程度節約できるという見込みがつきましたことと、さらに修繕補修の関係の費目の中で、建物とか、側溝とか、跨線橋あるいはそれらのものの塗装とか、いろいろな方面の仕事を一応繰延べをする、あるいは厳格に申すならば、本財政期間中には、その実施を中止するという考え方におきまして、大体八億数千万円、石炭の節約において五億数千万円、また工事関係の中止において七千数百万円、合計十五億五百万円程度の捻出をいたす限りは、国鉄の経営に支障はなかろうという見通しのもとに、本結論に到達した次第でございます。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 運輸大臣からお話のありました石炭費の節約、あるいは工事関係の事務費の節約ということは、なるほどとうなずかれるのでありますが、この修繕費にいたしましても、国鉄の安全運行という建前から、はなはだ憂慮にたえないものがあるのであります。戰時中から復旧を繰延べ、あるいは頽廃のまま放任しておりますために、非常に荒廃いたしておるのであります。その内容によつては、あるいは打切り得ざるものもあると考えられるのでありますが、この工事、修繕費を打切るものの八億数千万円の内容について、加賀山総裁から説明を願いたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 お答えいたします。關谷さんがおつしやいましたように、また先ほど私が御答弁のときに申し上げたように、たといいかようなことありといえども、国鉄の経営にひびが入る。特に旅客、貨物の輸送、あるいは運転の安全に支障があるようでありましては、いかなる経費の流用もでき得ないことは申すまでもないことでございまして、さきに貨物運賃引上げ並びに一般会計より三十億の借入れを私どもが国会にお願いを出して認められたときに、これでようやく、われわれが今年度中にやろうと思つている設備の修繕その他もできるということを確信したわけであります。しかしながらその後先ほど申しましたような事情によつて、何とかしてその中でも考え方はないかということを苦慮いたしました結果、一部の修繕を本年度はやらないということにして、またこれは取返しがつくということを考えたのでございます。先ほど關谷さんが御心配いただきましたことにつきましては、十分に考慮いたします。たとえば建物関係の修理ですが、これも実を申しますと、終戰後一番遅れているものの一つでございます。国鉄といたしましては、まず車両とか、線路の運転に直接関係のある部分の修繕に、最大の力を注いで参りました。サービスに関係の深い部分につきましては、それを待つて徐々に手を加えるという方策をとつて参つて来ておるのであります。その中で建物関係、特に庁舎でございますとか、官舎あるいは病院、教習所等の諸建物につきましては、まだ手が加えられていないところがかなり多いわけでございますが、これらを繰延べます。それから線路については原則として手を抜くわけに行かないのでございますけれども、今後の軌條交換について、レールの入手の見込みがないということが今日予想されます。レールが入らなければ、いかにわれわれがふんばりましても、とりかえができないのであります。これらの費用、あるいは電燈、電力等の設備でありますが、特に電燈の設備等を繰延べる——これらは官舎とか庁舎に付属した電燈でございます。それらのものを合計しまして八億六千三百万円余に相なる次第でございます。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 国鉄の総裁は十八億できると言い、運輸大臣は十五億五百万円と言う。国鉄と運輸大臣の間においてさえ、そういうふうに金額の判定にすでに相違が出て来ている。これを加賀山総裁が言いましたような、工事の繰延べというか、打切り得られるというものの性質から見て、第三者あるいは仲裁委員というようなものが見ました場合に、そういうふうなことができるのであれば、なおかつ余裕があるのではないか——第三者あるいは労組等から考えますと、いま少し大きな金額が捻出せられるのではないかというふうに考えられ、世間にも、そういうふうに、しぼれば出るのだというような誤解というか、解釈をいたしておる者がたくさんあるのでありますが、そのような金額で、打切るべきもの、あるいは繰延べ得られるものはほかにはもうないかどうか、これは将来の判定に非常に大きな問題を起す原因になつて来ると思いまするので、そのように繰延べ、あるいは打切ることのできるものは、他にないかどうかということを、はつきりと加賀山総裁から伺いたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 先ほどから申しましたように、前国会で審議を受けました国鉄予算につきましては、關谷さんは一番よく御承知のはずだと私は存じ上げておるのであります。従つてもつともつと出るわけがない、出るわけはないですけれども、私どもの立場として、今何とかして財源を考えたのが、先ほど申し上げた十八億である。それに対して政府といたしましては、監督上の立場から、これが十五億五百万円ということに相なつておる次第でありまして、つまりこれらの手続の経過をお考えいただけば、これ以上余裕があつて、どつかを掘り出せばあるということがないことは、わかつていただけるのじやないかと考えておる次第であります。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 その点、いくら押問答をいたしましても、あいまい模糊ではつきりわかりませんので、追究いたしません。  菊川君にお尋ねいたしたいと思います。私たちは国鉄従業員諸君の窮状をよく知つておりまするがために、出せるものならばなるべく出したい。先ほど加賀山総裁にお尋ねいたしましたのも、なおこのように打切り得べきものがあるならば、いま少し出したい、こういうような観点からお尋ねしておつたのでありますが、われわれといたしましても占領下の今日におきまして、総理大臣以下があらゆる努力をして来たということは、これは国鉄の従業員代表もよく御承知であろうと存じまするし、野党諸君といえども、よくこの事態を知つておると考えておるのであります。菊川君は昨日、国鉄の経営上、運賃収入は本年度旅客において六百九十三億、貨物において三百九十三億、この数字は実際にはおのおの十億ずつぐらい、合計二十億の黒字が出る、こういうふうに説明をせられておるのでありますが、これはいかなる理由で、いかなる計算のもとに、この二十億が捻出できるというのであるか、専門的の立場よりれわれの納得の行く御説明を伺いたいと思います。

菊川孝夫日本国有鉄道労働組合中央執行副委員長

○菊川参考人 ただいま関谷さんのお尋ねでありますが、この旅客收入六百九十三億、貨物收入三百九十三億の計算にあたりまして、国鉄経営者側といたしましては、予定の人員、それから貨物のトン数に予定の平均運賃額をかけて算出しておるのです。ところが旅客にいたしましても、貨物にいたしましても、月々によりまして足が伸びるのであります。たとえば八月ごろでしたら、海水浴客というような旅客が多うございまして、この人たちは数駅乗車するのが常例であります。ところが十月だとか十一月になつて来れば、いなかの方は善光寺参りといつて、方々から出て来られます。あるいは天理教のお参りというふうになつて参りますると、どうしても客足が長くなつて来るのでありまして、月々によつて相当開きが出て参ります。幸いにいたしまして今後十二月、一月、二月特に三月は農閑期でもございますし、客足が非常に長くなるのではないか、かように考えます。また貨物にいたしましても、品種によりまして、木炭だとか米なんかの出まわり期には、これの貨物運賃は等級上きわめて安いのですから、安く見積つてよいのですが、その他の貨物の出まわる時期には、貨物運賃も、ただトン数に運賃の平均だけをかけてはいけないというような考え方に立ちまして、昨年度の貨物の出まわる傾向を、どういう貨物は何月には出ておるというようなことについて、組合で調査いたしましたところ、この一、二、三月の貨物、旅客の傾向は、大体昨年度と同じような傾向をたどるであろうという結論を得たのであります。従つてそういう分析をいたしまして、予想人員に運賃額をかけた、そういうふうな算出をしましたところ、予定の旅客収入、貨物収入よりも、われわれとしては、どうしてもふえる、こういうふうに考えたわけであります。また一歩突き進めまして、将来は旅客誘致の宣伝業務をやる。今までわれわれはあまり宣伝ということはやらなかつた。汽車に乗つたら込んで殺人的だ、と宣伝されておりましたが、最近におきましては割合に楽な旅行がしてもらえるということで、大いに宣伝をいたしたい。それから駅をきれいにするとか、そのほかいろいろのサービスの改善にも組合みずからが積極的に乗り出しまして旅客の誘致に努めたい。こういうことを申してはどうかと思いますが、実はわれわれ戰争中には、旅客を制限することに主として当らされて参つたのでありますが、私たちの若いころには、駅に団体客の割当のようなものが参りまして、その目標に従いましてわれわれは努力したものであります。たとえば、私も覚えておるのでありますが、団体客を募集するには、お寺の坊さんに頼みに行つたらいいだろうというので、駅の徹夜明けとか、あるいは休暇の日を利用して、そういうところへ頼みに参りまして、旅客の誘致に非常に効果を上げたことがあります。こういう工作さえ、組合みずからが国鉄再建のためにやろうということを考えているのでありまして、そういうことを見積りまして組合が計算をしたところによりますと、大体二十億くらいは生み出し得るという確信を持つたわけであります。われわれは以上のような点に立つて算出したということを御了承願いたいと思います。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 さらに国鉄の総裁並びに運輸大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、国鉄の会計法によりますると、国鉄が利益金をあげまして、そこに剰余金ができました場合には、昨年度の赤字を補填することができるとなつておるのであります。将来公社が公共企業体といたしまして、従業員が努力をいたしまして利益をあげて相当の余裕が出た場合に、今回の裁定案と実際の支給額との差額を——もとより国会で十五億五百万円より出せないということになれば、法理論的にはそれで解消し得るものでありましようけれども、これを徳義的に考えます場合に、この差額を道徳的に——これは私有財産と認めるというふうな末弘博士の言葉もありましたので、一応国鉄の負債と考えまして、これが出し得られる時期が来たならば、これを出すというお気持が国鉄当局並びに運輸当局にあられるかどうか、これに対する御返答を願いたいと思います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 先ほど申しましたように私の解釈は、資金上可能な部分が決済されて、不可能の部分がイエースかノーかによつて処理されますならば、それで相済むという解釈を持つておるのであります。従いましてまた別の観点から見まして、本年度内の事柄は、本年度内に決済をつけるのがいわゆる経理の原則でございますので、国鉄の成績が非常に上つた場合におきましても、今年度に関する限り、關谷君の御質問のようなふうに差額をカバーするという考えはありませんが、将来におきましては先刻申し上げました通り、国鉄従業員みずからが主体となつてつくりました利益が、国鉄従業員の能率増進、努力の結果であるというような面は、この裁定の中にもうたつてありまするが、ああいう線に沿つて国家の従業員に報いたいという考えは持つております。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 ただいまの点は、もう少しはつきりと具体的にお聞きしたいのでありますが、ただいまの裁定案に出ております、この全額から差引いた残りというものを、明年度の利益金によつて支拂いするかどうかということを——今年度内にはもとよりこれができ得ざることは、現在の国鉄の経理状態から見て明瞭になつておるのでありますが、来年度においてこれを支拂うというようなお気持があるかどうか、これをお尋ねいたしておるのでありまして、将来といわず、来年度において拂うか拂わないか、この点を明確にお答え願いたいと思います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいまのやつは、来年度において支拂いする考えはないのでございます。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 年末給與というようなことは、わが国の経済界、実業界では、従来から行われておる事柄でありまして、私たちは、こういうようなものは出すのが至当であるというふうに考えておるのでありまするが、将来運輸大臣並びに国鉄総裁は、この年末賞與というものを出すようなお気持があるかないか、なおこれをもし出すということになりますと、現在の国有鉄道の会計法では、これは簡單にでき得ないのでありまして、予算措置を講ずるか、国有鉄道法の一部を改正しなければならないのでありますが、予算的措置によつて、そういうふうなものを出そうとせられるか、あるいはまた国鉄法の一部を改正して出そうと考えておられるか、その点年末賞與を出したいという気持があるのでありましたならば、そのいずれを選ぶかということも、あわせてお答えを願いたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 お答えいたします。従事員の働きによりまして、損失が減る、あるいは利益が増したというような場合におきましては、これは裁定にもありますように、国有鉄道といたしましては、これを幾分でも従事員に還元いたしたいという気持を強く持つておるものでございます。ただいまの法文上の問題につきましては、現行の法律上といたしましては、予算に別に定める場合を除くと相なつておりますので、予算上において、国会の御承認を得て、これを認めていいだくというのが、最も適切な措置であろうと考えておる次第であります。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 ただいま加賀山総裁の言われますには、これは予算的措置によるのが最も適当である、こういうふうに言われたのでありますが、私はこれと逆な考えを持つておるのでありまして、これは会計法を変更して、そうしてこういうふうな、年末給與というようなものを出す方法を講ずることが最も望ましい。公共企業体というものが、その会計法が不備であつて、いくら働いても、それは予算に限られただけのものであつて、それ以上のものは、自分たちが働いても一向收入がないというようなことになりますると、従業員というものは勢い能率の低下するものでありまして、現在の官業がすべて能率を低下いたしておりまするのは、こういうふうな報奨的な会計法が設けられておらないために、こういうふうになるのであります。これは官庁方面ではすべてがそういうふうにはならないと思いまするが、これが《共企業体として経営せられる場合に、この方法が最も望ましい、こういうふうに考えるのであります。この予算的措置によるという考え方を変更して、この会計法を変更して、報奨的な会計法にかえて、能率を最高度に上げる、こういうふうな考え方をせられるという御意思はないかどうか、国有鉄道総裁の御意見を承りたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 お答えいたします。先ほど申しましたのは現行法のもとにおいてはというふうに申し上げたのでございますが、もともと国有鉄道の経営を見ながら、従事員の働きぶりに対して能率的な給與を行つて行くということ、また給與準則をきめることにいたしましても、あるいはただいまの利益金が出た場合にこれを賞與として、報奨金として従事員に還元いたしますようなことにつきまして、根拠法規がありますならば、これはわれわれとして望外の喜びである、こういうような法律の改正をお願いいたしたいというふうに考えておる次第でございます。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 次に今井一男氏にお尋ねをいたしたいと思います。私、昨日の今井氏の御説明、非常に数字的でありましたので、十分頭に入つておらぬのでありますけれども、その言われた事柄に対しまして、現在は賃金ベースを引上げねばならぬ、低下しておるのだから、これを引上げなければならない、しかしながら現在の状態ではべースの引上げは不可能であるから、この裁定の趣旨を尊重すべきであるという、この御政見に対しましては、私同感であります。しかしながら今井氏の言われるの、運賃というものが不当に圧迫せられておつたがために人件費が安かつたのだ、こういうふうなことを言われておるのでありまするが、いろいろ長らく御説明を聞いておりまする間に今井氏の結論が、運賃というものは今度八割値上げをいたしましても、今なお十分ではないのでありまするが、運賃をいま一層引上げるという御意見であつたのか、あるいはこの運賃が、今でも原価計算から行くと安い、そのために多少しんぼうをしなければならない、こういうふうなお考えであつたのか、その点お伺いいたしたいと思います。

堀木鎌三公共企業体仲裁委員会委員

○堀木参考人 今井君と私との間違いじやないかと思いますので、私からお答え申し上げます。  私、今運賃論をいたしておるわけじやございませんですが、今度八割値上げが御承認になつたのでありますが、私どもの計算からいたしますれば、率直に申しますれば、国鉄は昨年まで三百億の一般会計からの繰入れを受けておつたわけです。これは、運賃が相当低位にあるために、二十三年度予算はそういうふうな措置があつた。しかしこれがドツジ・ラインで、そういう点が認められなくなつたときに、ほかの物価でしたら、結局価格調整費の消滅あるいは廃止に伴いまして、マル公の料金が上るわけであります。ところが国鉄は、本年度予算におきましては、一般会計からの繰入れは全然とめられて、そうして運賃はくぎづけになつて、旅客運賃だけが上つておるという現象になつておりますので、こういうところから相当むりがある、大きなところはそこにむりがありますが、昨日申し上げましたように、内容的に申しますれば、国鉄に今年負担させなくてもいい金が相当ある。修理費におきましても、退職手当においても考えられる。こういうふうなことが言い得るのであります。私どもは、ともかくも来年からの十五箇月予算としてものが経理されるならば、支拂い能力は国鉄にあるし、さらに進んで申し上げたいのは、ほかに貸しておあげになつたらいいじやないか。そうしてその信用はある。従いまして、貨物運賃をさらに値上げするというようなことは、計算の内容に入れていないで、現在の状態におきまして、国有鉄道はこれだけのものを借入れる能力はあると見られる。しかもこれが他の民間の企業においては当然なされることならば、公共企業体についてもその点は十分お考えになつていただきたい。こういう観点に立つて私は申し上げた次第であります。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 時間もあまりありませんので、もう一点だけ簡単にお尋ねをいたしたいと思います。昨日のお話の中に、資産が一兆と擁しておる。なお年収千三百億あるのだ、そうして運賃も八割を値上げしたのだから、これはもちろん支拂いも簡單にできる能力がある、こういうふうに言われておるのでありまするが、私たちが今心配しておりまする事柄は、運賃を八割値上げをいたしましたあの際の附帯條件がありまして、これは一月一日まで、この運賃値上げをいたしまする間におきましても、著しくそれが産業の発展を阻害するものに対しましては、臨時割引をする、なお一月からは等級を改正することになりまして、この点から申しますと、この等級改正、あるいは臨時割引によりまして、非常な誤差が出て来る。この予算に狂いが出て来るのではないか。こういうことを非常に心配いたしておりますが、昨日、この支拂いは楽にやれる、三十億や四十億借りたらいいじやないかというようなことを、今井さんか堀木さんか、どちらかでありましたが、言われた。こういうふうな運賃の收入というものが、現在の等級あるいは割引のない、そのままの八割値上げということを根拠として言われたのか、この附帯條件にあります事柄も含めて言われたのでありますか、その点をお伺いをいたしたいと思います。

堀木鎌三公共企業体仲裁委員会委員

○堀木参考人 運賃値上げにつきまして、国会で附帯決議でございますか、希望決議でございますか、よくその性質を知りませんが、御希望があつたことは承知いたしております。そうしてもう一つここでその問題に関連して考えなければならぬことは、今度の貨物運賃は、決して今日従事員の給料の値上げを織り込んではいない価格一で、実費計算に基きまして、この八割が出たということは知つておるのであります。しかし私どもがしさいに国鉄の経理内容を検討しまして、こまかく申しますと、切りがございませんが、ともかくもあの八割というものが御承認になりました以上は、十分支拂い能力はある。しかしここで実は国鉄の支拂い能力というものの範囲を、現実にそれを真実に立てる場合と、借り入れる場合とでは、御区別なさつていただきたい。借りる場合におきまして、国鉄の支拂い能力と合せて、二十五年度に一ぺんに返させるか、あるいはそうでないか、いろいろな問題簡はあり得るのであります。経理上処置すべき点はいろいろ考慮ができるのであります。しかしまず先ほどお答えしましたのは、全体として来年度はやや正常なる状態に入りますので、相当の経理能力はつくのだ、少くとも最少限度において、貸して、ある程度の支拂い能力はあるという観点に立つておるのであります。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 最後に一点だげ簡単にお尋ねいたしたいと思います。昨日末弘氏は、この仲裁委員の裁定はと言われたのか、あるいはこの可能なる部分についてはと言われたのか、どちらかでありましたが、国会も政府もこれを奪うことはできないというお話がありまして、そのあげくに、降伏文書以外には処置がない、こういうふうな話があつたのであります。現在の占領下においては、いろいろ司令部あたりの勧告というふうなことがあることは、末弘氏もよく御承知でありますが、その場合に、勧告というようなことを降伏文書の延長というふうに考えられるのであるかどうか。あるいはまたその結果、そういうふうなことにもしなるとするならば、この権利は私有財産であるから、それは国会も政府もこれを奪うことができないというふうに言われておつたのでありますが、そういうふうな勧告があつた場合には、将来にそれが私有財産として残るか、残らないか、こういうことを末弘氏の御意見を伺つておきたいと思います。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 たいへんむずかしい法律論を御質問でありますが、はつきりしたことを申し上げます。  昨日申し上げましたように、予算上、資金上可能なる部分というものは、客観的にきまつておりますから、その限りにおいては、裁定はすなわち協約と同じ効力がありますから、一つの債権を組合は得たものと考えられるのであります。国民の財産権は憲法によつて明らかに保障されております。でありますからこれを奪うためには——絶対に奪えないとは書いてありませんが、あの憲法の條文に従う條件によつてのみ、奪うことができるということを申したわけであります。そうしてあとは占領下でありますから、国有財産もみんなとつてしまうとおつしやられても、これはいかんともしかたがないかもしれませんが、そんなことを私どもがとやかく言うべき限りでないと私は思つております。

關谷勝利民主自由党

○關谷委員 大体私の質問はこれで終します。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 柄澤君より関連質疑をいたしたいとの申出がありますから、この際これを許しますが、なるべく簡単にお願いいたします。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 簡単にいたしますが、非常に重要な点で、關谷委員からの発言の中で、この裁定の本旨がおわかりになつておられないというふうに考えられる点がございますので、その点を質問申し上げたいと思うのでございます。  それはまず第一に、關谷委員は年末賞與云々というふうに、今度の裁定を御判断になつておられるようでございます。しかしながらこの裁定の中には、第一に、公社の経理上の都合により既得権として職員が受けていたところの待遇の切下げを、是正しなければならないということを前提として、この処置がなつているのでございます。しかもその既得権というものは、昭和二十三年十二月二十一日の人事委員会におきまして、政府側の今井委員が、明らかにこれは奪いとられるものではないとして、政府側の意見を保証しているものでございます。この裁定書にもこの点については、仲裁委員の各位が、二十八ページにおいていろいろ詳しく申し述べられまして、相当の金額が——たしか昨日の今井仲裁委員のお話では、総額六十億に上るものが、国鉄職員に当然やられるものとして保障さるべきものが切下げを受けている。そのかわりの内金でございます四十五億、まだ十五億も私どもとしては債権として労働者の既得権として持つことのできると思うものがあると考えられるのでございます。そういう点が軍に年末賞典、何かよけいなものでもやるようなふうにお考えになつておられるのではないか。しかも多数党の民主自由党の與党の方々が、こういう観点から御審議いただきますと、非常に国鉄労働者に対しましては、り不利な状態になると思いますので……     〔発言する者多し〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 御静粛に願います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 その点から既得権の切下げ職員が受けた待遇の切下げということをはつきりいたしたいのでございます。今井委員に対しまして……     〔発言する者多し〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 御静粛に願います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 六十億の既得権の切下げの部分に対しまして、仲裁委員として、四十五億の裁定をなさりいました根拠がどこにあるかという点、この点につきまして御答弁願いたいと思います。

今井一男公共企業体仲裁委員会委員

○今井参考人 お答えいたします、われわれの裁定の根拠を、既得権という言葉を使うことがいいかどうかは若干疑問もあるかと思いますが、とにかく今まで與えられておりました待遇が、実質的に切り下げられた。それは経理の苦しいためであるとは言いながら、この物価、生計費の上昇の際に適当でない、かるがゆえにこれだけのものは埋め合せなければならぬ、こういつた立場であの裁定はできておりますが、その際に、年間に公社がそれによつて節約し得たと認められる金額を六十億と一応算定いたしましたが、その六十億のうち四十五億しか、そろばんを出しておらないのはどうか。これは一つにはつ形式的に申しますと、国鉄職員は四月、五月の間は本年度国家公務員でございました。公社になりましたのは六月からでございます。従いましてその間の待遇低下に対しましては、マ書簡の精神から申しましたならば、あるいは議論がございましようが、法律的に申しますと問題がございます。さらに一点、そういつた待遇低下の面も、われわれとして支拂い能力とかみ合せたい。少くとも今年度、特に先ほどから問題になりました行政整理のために、退職金を五十四億も公社は使つておる。この五十四億予想外によけいに使つたこどが、直接公社の職員の待遇低下に影響しております。この五十四億を昨年度の退職金の予算、これは正確に申しますと八億八千万でございますが、これを約九億と押えまして、この差額四十五億は、本年度に特にふくれた金額である。しかもその結果、来年度以降におきまして行政整理の効果が具体的に現われまして、六十億円ないし七十億円の余裕を生む。従つてこの四十五億円という差額は、民間の会社であるならば、当然借入金等によつてまかなわるべき性質のものである、そういつたところとにらみ合せまして、あの数字を出したわけであります。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 次は精薬修君。     〔[委員長、労働大臣が来てない」と呼ぶ者あり〕  倉石委員長つ労働大臣は、ただいま人事委員会の方からお呼びがありまして……     〔「人事委員会は中止になりました」と呼ぶ者あり〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 それならば、なるべく早く出席させるようにいたします。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 まず加賀山総裁にお伺いいたしたいのであります。総裁はこの裁定を受取つてこれを強く尊重いたし、その結果既定の国鉄経理の範囲内において支拂い可能分を十八億と見られたわけでありますが、既定予算内において予算上、資金上不可能な部分を、いかようにして新たに国会の予算上捻出すべきかということについて、どういうふうに努力して来られたか。それについて運輸大臣、大蔵大臣と相談をされたかどうか。この相談をされたのにもかかわらず、運輸大臣はこういう新たな予算措置は全然不可能であり、仲裁裁定には借入れ等のことによつてやつても、公社は次年度以降において容易にこれの償還能力ありと裁定いたしておるにもかかわらず、そういう加賀山総裁の申入れに対して、運輸大臣は償還能力なしとして、新たな予算措置を講ずることはできないと判定いたしたのか、その辺の経緯について、まずお答え願いたいしだいであります。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 第一段としては、何としても政府に要請をいたします前に、うちの中を洗つてやらなければならないつのでございまして、その点につきましては、先ほど申し上げた通り、何とかいたしてその財源の捻出をいたしたい、かように鋭意努力をいたした次第であります。自分の力の及ばない点につきましては、先ほどから大分御質疑が出ておるのでございますけれども、何とかしてこの裁定に服従いたしますためには、他の力をお借りしなければならない。いわゆる予算的措置を得なければならないのでございます。だから十六條における予算上不可能な部分に対しましては、運輸大臣並びに大蔵大臣等にこれを要請いたしたのでありますが、これにつきまして、政府といたしましては、その後全般的な考慮を拂われたことと考えておるのであります。その点につきましては大臣の方からお聞きを願いたいと思います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 裁定の内容につきまして、総裁から申達がありました件を吟味いたしまして、結局十五億五百万円は予算上支出可能である。それ以外の金額は予算上、資金上支出不可能であるという認定をいたしまして、それを国会の方に提出いたしたような次第であります。     〔委員長退席、三浦委員長代理着席〕

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 ただいまの運輸大臣のお答えですが、私が加賀山総裁に伺つたのは、十八億を十五億五百万に切り下げたという点についてではなくて、その不可能な部分について、加賀山総裁から新たな予算措置を講ずることを要求されたと思うのですが、その点についていかようなる努力をされ、いかような理由に慕いて、それ以外の部分については裁定を無視しなければならないような結果になつたか。そういう点をお尋ねしている次第であります。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 加賀山総裁の申達の内容を吟味いたしました結果、十八億を十五億余に認定を政府としていたしたのでありますが、その余はやはり加賀山総裁と同感で、国鉄の現在の予算上、資金上は、それ以外のものはまかない得ないという観点に政府も立ちまして、これを国会に提出いたしました。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 ただいまで明らかになりましたことは十五億五百万以外新たな予算措置を講ずるということ、すなわち昨日末弘委員長からも申されたように、またこの裁定書にもある通り、「公社は裁定の指示するところに従つてそれぞれ所定の時日までに裁定の内容を履行すべき法律上の債務を負担する。依つて、公社は現有の経理能力で独自に処理し得べき分は直ちに準備に着手して所定の時日までにこれを履行し、経理能力を超える部分については、国鉄法第三十八條以下の規定により速かに予算を作成し、所定の手続をとられたい。」この三十五條の規定によつて私どもはそう思うのでありますが、「予算を作成し、所定の手続をとられたい。」こういうことになつておりますのに、それらの点については何らの努力をなさらないで、初めからもうだめだときめてかかつたように、今のお答えから受取れましたが、それでよろしゆうございますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 初めから残余の不可能の分を、だめだときめてかかつたのではありません。これだけのものは、現在の国鉄の予算上は支出が不可能でありますという政府の意見を添えて、国会に出したわけであります。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 その点は議事進行について発言を求められました林君からよく説明をされて、国会には予算編成権というものがないのであるから、政府がそういう予算的なある措置をつけて、そうしてその点について承認してもらえるか承認してもらえないかということを求めて来るのでなければ審議の対象をわれわれは得られない。そうでなければ何を審議するのか。たとえば十五億百万についてわれわれが審議するとするならば、それは先ほど末弘委員長からもよく説明されましたように、私法上の財産の侵害となるのであつて、すなわち憲法第二十九條の、正当な補償のもとに公共の用に供する場合のほかは、国会の法律によつても侵すことのできない組合側の債権を、蹂躪することになるのであつて、われわれはあくまでもそういうことはできない。われわれの審議の対象は、既定予算によつて不可能な部分について新たな予算が出された場合に、その予算を承認するか、承認しないかということをやらなければならないのであるから、その点について政府は、ただいまの大屋さんの御答弁によりますと、全然無誠意であるというように考えられますが、無誠意と解してさしつかえありませんか。(拍手)

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 無誠意と解してははな婆困るのでありまして、しばしば先ほどから申し上げました通り、また、私の提案理由にも、また先ほどの林君の御質問にもお答えいたしました通り、国鉄総裁の可能の部分はそれを差引きましてその余は予算としては支出不可能であるがゆえに、国会の審議を願うという趣旨で出したのであります。

中曽根康弘民主党(第九控室)

○中曽根委員 今の問題に関連してぜひ私は運輸大臣と労働大臣と末弘先生に御質問したいと思います。  まず第一に、先ほども末弘先生が御証言になりましたように、政府としては当然予算案を添えてこれを出さなければならぬ。出さぬということは違法である。こういうふうにおつしやられた。しかるに政府は国会の野党の意思を無規し、また末弘先生の御証言もこれを否定して、予算案を提出しないで出しているのであります。これはわれわれ国会から考えて無誠意であります。こういうふうな仲裁委員会の権威を無視しているような行為を、白晝公然と政府がやつている。一体中裁委員長としてこれをどういうふうに御処置なさるつもりか、つまり仲裁委員会というものは、公労法で認められた最高権威の委員会である。この最高権威の委員長でおられる末弘先生も、これでは面目ないと思う。これに対して政府に抗議するとか、あるいは最高裁判所に出訴して黒白を決するとか、それくらいの誠意があつてよいと私は思うのでありますが、末弘先生の御見解をまず伺いたい。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 ただいまのことは、委員長としての私よりは、法律の権威がこれを明らかにしていると存じます。この公開の席で、法律はこの通りになつておりますということを先ほども申し上げましたので、このくらい権威のあることはないと私は思います。

中曽根康弘民主党(第九控室)

○中曽根委員 もう一点お尋ねいたしますが、最近の情報によりますと、人事院の勧告に対して、政府は一般公務員には二千九百二十円とやらを出す、国鉄職員に対しては三千一円見当になる、こういう話であります。ところが前から仲裁委員会の話を聞きますと、国鉄職員というのは不当に待遇が切り下げられておる。一般公務員以上に待遇が切り下げられている。それを回復する、既得権を回復する程度の裁定になつているだろうと思う。そうすると、片方に対して二千九百円、不当に切り下げられたものに対してわずかに三千一円、これでは非常に均衡を失すると思う。その点に関してまず労働大臣に——同じ労働者であり、しかも片方は不当に切り下げられた公共企業体という特殊性のあるものに対して三千一円、片方は二千九百円、それで均衡がとれていると思われるか、労働大臣の御意見を承りたい。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 元来から申しますと、法的には国鉄の従業員でありまして、国家公務員とは違うものであるという考え方が正しいと思います。従つてその給與等につきましては、その経理自体が中心になつて考えられるのが正しいのでありますが、しかしながら同時に国家の財政にも予算にも至大な関係を持つているところの機関であるがゆえに、一面においては政治的な、そういつた均衡というような観念も加えられて考える余地がある、必要もある場合があるというのが、まず妥当な考え方であると存じます。双方を一総合して考えますときに、金額自体が一均衡がとれているかどうかの問題は別といたしまして、大体均衡がとれている考え方であります。

中曽根康弘民主党(第九控室)

○中曽根委員 ただいま労働大臣は均衡がとれていると言われるが、しかし裁定の内容を読んで見ると、著しく待遇が切り下げられているということになる。しかし委員長はその点どういうふうにお考えになりますか、末弘委員長のお考えを承りたい。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 その問題は私からこまかくお答えするよりも、昨日も十分今井さんから御説明申しましたし、かつ裁定書に書いてある以外に、非常にこまかい、おそらくああいう計算は、よほど勉強しなければできないようなこまかい計算書を、参考書として差上げてありますので、あれをごらん願えれば、いかに公社に移る前後において、待遇が切り下げられたかということは、十分おわかり願えるだろう、こう考えております。それをお読み願つた方が、私の説明よりもよくわかると思います。

中曽根康弘民主党(第九控室)

○中曽根委員 末弘先生、そうしますと、仲裁委員会としては均衡を失している、かりに三千一円出すとしても、三千一円というような数は少い、もつと大幅に増額するのが至当であるとこういうふうに解釈して……

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 仲裁委員会としては、六千円出るべきものだと思つております。

三浦寅之助民主自由党

○三浦委員長代理 それでは林さんに、先にお願いいたします。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 予算を付してないという点ですが大屋運輸大臣にお聞きしたいのです。裁定は政府並びに公社の場合は、会計の範囲内においては政府を同時に拘束するのでありますが、この裁定には、この予算を組んで所定の手続をとるということが書いてあります。政府はなぜこの裁定書にあるように、予算を作成して所定の手続をとらないのか、この点、もし予算を作成して所定の手続をとらないということになるならば、政府はこの点において裁定を蹂躪している、要するに誠意がな、いように解釈されるが、この点についで政府の、国務大臣としての、また運輸大臣としての大屋さんの答弁をお聞きしたいと思います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 林君の今のお尋ね、前段の裁定が政府を拘束する、これは誤つた解釈でありまして、裁定はすなわち国鉄の経営者と組合を拘束いたすもので、政府は拘束はされないのであります。さてこのいわゆる予算上支出不可能の面に対して、予算を付してなぜ出さないかということでありますが、裁定委員会は、なるほど予算を付してということを、その裁定書の中に書いております。政府はそのいわゆる裁定委員会の下した裁定の額の一部分、すなわち十五億円は支出可能であるが、しからざる残額は支出不可能でありますということが、すなわち予算を編成したと同じ考え方のもとになされたのでありまして、つまり議会におきましてこれを審議くださる、政府の意見のこれがいわゆる表明であるという解釈のもとに出した次第であります。     〔三浦委員長代理退席、委員長着席〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 ただいまの質疑に関連して石野久男君より質疑を求められておりますから、これを許します。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 私がまだやつているんです。私の言うことを誤解している……

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 石野君に発言を許しました。石野君の次に……。石野君。

石野久男労働者農民党

○石野委員 大屋運輸大臣にお尋ねするのでありますが、ただいまも、裁定書の示すように、予算を付してこれを国会に提出する処置をされたいという希望は、不承認だということを国会に示したことによつてその義務を果したというふうに考えておる、こういうふうなお話でございましたが、この点について、私は国鉄法の第三十八條の第二項を運輸大臣はどういうふうに解釈されておるかということを聞きたいのであります。すなわち第二項によりますと、「大蔵大臣は、前項の規定により予算の提出を受けたときは、これを検討して必要な調整を行い、閣議の決定を経なければならない。」と書いてあります。その次に第三項には、「内閣は、前項の規定により予算を決定したときは、国の予算とともに、これを国会に提出しなければならない。」こう書いてある。「国会に提出しなければならない。」と書いてある。これは第三十九條の追加予算の規定に関する第二項において、「前條第二項から第四項までの規定は、前項の規定による追加予算について準用する。」と書いてある。従つて第三項の「これを国会に提出しなければならない。」これを不承認であるということで、それでこの法文の條理を満足させるというふうにお考えになつておるかどうかということが第一点。  それから第二点は、裁定の理由書の末項に示されておりますような、三十八條以下の規定によりすみやかに予算を編成し、諸般の手続をとられたいという希望に対する処置が、ただいままでの大屋運輸大臣の見解を聞きます場合には、これは明らかに裁定書の趣旨を蹂躪しておるというふうにわれわれはとるのでございます。この点についていま一度御意見を承りたい。この二点について伺いたい。なお前段の問題につきましては、末弘委員長から、この国有鉄道法第三十八條第三項の規定に関する所見をお伺いしてみたいと思います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 石野君のただいまの御質問の第一点、すなわち国鉄で処理し得ない予算上不可能な支出の分を国会に提出しました政府の見解は、これは初めから支出を否認した考えは毛頭ないのでありまして、国鉄の経理の中におきましては、予算上、資金上まかない得ない分はかような面でありますという、政府の意思の発表であります。  さらに石野君の御指摘になりました日本国有鉄道法の三十八條以下御指摘の條交は、これは国鉄が予算を編成し、それが成立いたすまでの規定がここに法律化されておるのでありまして、これは今回の裁定の問題の、予算をつけて国会に出さないのは、いわゆる仲裁委員会の裁定の精神の蹂躪である云々という問題とは何ら関連のない問題であります。さように御了解を願います。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 ただいまの点は、裁定の蹂躪であるというよりは、違法であるというふうに考えております。と申しますことは、今運輸大臣はああいう御答弁をなさいましたが、ともかくも一応公社としては四十五億円拂えということを言われたわけで、そこでかりに十五億五百万円は予算上、資金上拂えるというならば、その残りについて、こういう裁定を受けて債務を負つたについては、これを実現して行く上について予算として政府では国会に出してください、そうすれば国会がしかるべく御審議なさるであろう、これが私は公労法の精神に合う、また国有鉄道法の精神にも合うのだ、こういうふうに考えておりますので、遺憾ながらただいまの運輸大臣の御見解とは、法律解釈として違つた意見を持つておるということをはつきり申し上げます。

石野久男労働者農民党

○石野委員 ただいまの末弘博士の見解で、私はその法律解釈がはつきりしたと思うのでございますが、いま一つ大屋運輸大臣にお聞きしたいのであります。運輸大臣は十七日の本会議の席上におきまして、十日に加賀山総裁から二十七億円はとうてい国鉄総裁の権限内ではマネ—ジできないから、二十七億を出してくれということを政府に申達して来たことは、まことにおつしやる通りであるということを、特に答弁されております。この予算は明らかに二十七億八百十三万六千円という額を明永いたしまして、その概算を出したものと私どもは承知いたしておるのでございます。こういうふうに国鉄内部におきましては、これだけのものがどうしてもできないのだということを政府に申達しておるにもかかわらず、なぜこれを無視しておられるかということが第一点。  第二点には、こういう予算案が出ましたのを、国会に付議するにあたつて、なぜ不承認の立場をとるか。あるいはまた国鉄の内部からこういうものが来たのなら、こういう財政上の理由から、どうしても政府としては出せないのだということを、国会に付議する理由書の一部に付加されなかつたかということについて、お伺いしたい。  それからなお第二点といたしましては、国鉄総裁から出ましたこの予算の概計というものに対して、不服があるといたしましたならば、もし政府にして仲裁委員会の権威を尊重されるならば、なぜこういうような不承認の態度をとることなくして、あるいは憲法三十二條の規定によつて、これを提訴するとかいうような、別な行動を同時的になされなかつたかということについて、この三つの点をお伺いしたいのであります。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 関連しておりますから、一括してお答えいたします。加賀山総裁の方から政府の方に、一応は十八億ないし三十七億は処理ができないという申達があつたのは事実でありますが、政府は必ずしも国鉄総裁の申達を、そのままうのみにする必要はないのでありまして、これに対していろいろな吟味を加えまして、政府のものとして国会にこれを提出する義務を持つておると考えます。石野君は誤解をしておられますが、支出不可能であるという面に対しまして、最初からこれを否認しておるという考えは政府としては毫末もないのでありまして、国会に提出いたしまして、これをいかように御審議くださいますとも、これは国会の自由意思であるということを申し上げておきます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 先ほど私の見解に対して、大屋運輸大臣は間違つておるというお答えでありましたが、これは国鉄法の三十八條によりますと、日本国有鉄道はまず予算を作成して、運輸大臣を経て大蔵大臣に提出する。大蔵大臣は、この予算の提出を受けたときには、これを検討して、必要な調整を行つて閣議の決定を経る。内閣はこの前項の規定によつて予算を決定したときは、国の予算とともにこれを国会に提出しなければならない。そこでこの付議さねておる議案の中で、一部どうしても国鉄の既定の予算並びに資金の範囲の中で出せないということになつて、残りはこの手続を経て内閣の決定に従つて、内閣は国の予算とともにこれを国会に提出しなければならないどいうことになりますと、これは内閣自体が責任を負うことになるのであります。すなわち内閣自体が国鉄と一緒になつて、この予算を編成するという義務を負うと思うのであります。もしそうでないと、国鉄は予算を組んだ、しかし政府はこれを拒否した、またさらに国会もそれを拒否する権限があるということになりますと、結局仲裁案というものは、一方国鉄の労働組合の方は非常に法律的に拘束するけれども、国鉄側においては、まず国鉄で予算を組んでも、内閣がこの予算を組まないということで、まず第一にそこで逃げる可能性がある。さらに国会にかけて、国会がまたこれを不承認するということになれば、また国会で逃げる可能性もあることになる。ところがこれと逆の場合に、もし俸給を下げろという裁定が来た場合に、労働組合は、これは組合に対して券常に不利だといつて逃げる道があるかというと、全然ないわけであります。だから裁定というものは、これはどうしても国鉄、労働組合口、並びに会計の面においては政府、これを同時不可分に義務づけることが必要だと思うのです。こういう意味で、国有鉄道の予算編成については、もし企業内で支出が不可能の場合には、この支出不可能の分は、すなわち国家の一般予算から出すという義務は、国鉄並びに政府が一体となつて責任を負わなければ、意味をなさないことになります。この点について私は加賀山総裁に、まずこの四十五億については、一部は可能であり、一部は不可能であるという。国鉄自体の予算を組まれたかどうか。これを運輸大臣に提示したかどうか。運輸大臣はそれを受取つたかどうか。さらに運輸大臣は受取つたすれば、それを大蔵大臣と相談したかどうか。閣議に出したかどうか。その点をお聞きしておきたいと思うのであります。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 実は先ほどから申し上げたと思つておるのでありますが、裁定が下りますやいなや、われわれは鋭意検討いたしまして、その出た結論を運輸大臣を経て大蔵大臣に提出をいたしております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それはあなたの場合は、企業の中で出せる部分については当然出す。その範囲を越したものについては、国鉄としてこういう経理で、政府に申請して予算を組むんだという、その予算を組まれたかどうか。そうでないと意味をなさないわけです。国鉄の企業内で出せるもの以外はあなたは予算を組まない。かりに予算を組んでも、政府がこれを握りつぶしたら、全然拘束力はないことになる。そういう意味で企業の内部で捻出し得るものの以外について、国鉄自体としてはどういう措置をとつたか、国鉄法に基いて予算を組んだか、それを大屋運輸大臣に出したか、大屋運輸大臣はどうしたかということをはつきりしませんと、この裁定が国鉄側を拘束するという意味が全然なくなつてしまう。一方的に労働組合だけを拘束することになるわけです。その点どうであつたかということを聞いておるのです。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 これも先ほど申し上げたと私は記憶いたしておるのでありますが、国鉄の力でなし得ないところは、これはどうしても政府にすがらなければならないのでありまして、この財源をどうするとか、そういうことは、われわれとして指定する限りではない、かように考えるのでありますが、国鉄の経理の中でまかなえる範囲外のもの、つまりわれわれが考えて予算上不可能と考えるものは、政府において御処置願いたいということを、予算を付して十日に提出してあります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 あなたが予算をつけて十二月の十日に大屋大臣に出したと言つておる、その予算というのは、企業の中で捻出し得るだけであつたのか。それを越した部分についても、企業の中では捻出が不可能だから、政府としてこれだけの部分は捻出してくれということを、具体的に予算を組んで大屋運輸大臣に出したかということを聞いておるのです。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 今言われたあとの方であります。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 林君の私に対する御質問は、裁定の予算上、資金上、支出不可能の部分を議会に提出いたします際に、なぜ予算をつけて出さないかということを解釈いたしますために、この日本国有鉄道法の三十八條以下の法律を援用なさつておりますが、この三十八條以下の法律は普通の予算、いわゆる通常予算、または補正予算を組むときの、これは法律手続でありまして、今回の裁定の予算上、資金上、不可能な場合の措置とは、全然違うと私は考えております。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 私の質問に対しまして、関連質問がたくさん出ました。それに対しまして二、三のお答えがあり、ことに大屋運輸大臣から予算上、資金上、不可能な部分について、全然新たな予算を組まず——国鉄総裁からはそういう予算を組んで運輸大臣に具申したにもかかわらず、大屋運輸大臣はその予算を組まずに出して来ておつてそうしてそれについて誠意がないという私の質問に対しまして、誠意なしと認められるのは心外である、誠意はある。何となれば予算を組まないからといつて、十五億五百万円以外は一文も出さないという趣旨ではない。こうおつしやいました。しからば、こういう国鉄法三十八條第二項以下四十四條までの方法があつて、そうして新たな補正予算を出す道があるのに、その補正予算をなぜ組まないかということを、私は聞いておるのであります。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 しばしば同じ質問をなさいますが、しばしばお答えいたしました通り、国鉄の総裁が出して参りました点を、政府がこれをうのみにして、そのまま出す必要は毫もないのでありまして、政府といたしましては、国鉄総裁の可能であるという部分との差額は、これは国鉄総裁の支出不可能であるという意味合いを、政府の意思として表明いたしまして、国会に提出いたしましたので、これに対しまして先ほどの石野君といい、あなたといい、最初から支出否認の観念で出したというふうにお述べになりますが、そういう考えは毛頭ないのでありますから、私を不誠意呼ばわりするのは、あなたが少しお間違いではないかと思います。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 運輸大臣からいくらお答え願いましても解決しないと思いますので、この点はこれで打切ります。  さらに私は総裁が、十五億五百万を除く国鉄内部の経理能力が不可能な部分について、新たな予算を組んで具申したというその資料を、この委員会に提出される御意思があるかどうか、それを要望いたします。その具申された新たなる予算案を、私は委員長に対し、加賀山総裁に本委員会に提出あらんことを要求されることを、要望いたします。(拍手)

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 稻葉君、御質疑はそれだけですか。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 まだたくさんあります。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 しからば質疑を続行していただきます。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 委員長お答え願えますか。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 進行願います。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 次に裁定の効果についてはつきりしていないと思いますから、この点は末弘委員長にお尋ねいたしたいのでありますが、裁定の効力発生時期について、昨日の御説明では裁定を言い渡したその日に債権債務関係が発生する。こう申されましたが、去る十七日か十六日からよつと忘れましたけれども、本会議における殖田法務総裁の答弁は、これとまつたく見解を異にいたしまして、裁定の効力は公労法第十六條第二項に基き、国会にこれを提出し、国会の承認があつて、初めて債権債務の関係が発生するのであり、それまでは裁判所の問題を生ずることはない、こういうふうに答えておりますが、この点について、末弘委員長の御見解を明らかにしていただきたいと思うのであります。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 その点は昨日も申しましたように、つまり予算上、資金上可能なる限りの部分は、裁定の下された日にただちに効力を発すると思つております。でありますから履行期のことまではつきり書いてあるので、つまり発生はあの十二月二日に発生し、履行期はあの通りだ、こういうつもりでおります。それからあとそれ以上の部分は、国会において御審議なさることによつて、最後的に決定的に事がきまる、こういうふうに考えております。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 さらにこの裁定が不可能であるという政府の理由の中には、賃金三原則に違反するという点と、経済九原則と矛盾するということを言つておりますけれども、これも昨日の委員各位の御説明で、ほぼ明白になつたように、なるほど賃金三原則とは形式的には矛盾するかもしれぬけれども、この裁定の内容は、国鉄従業員の過去における待遇の低下を是正する趣旨のものであつて、決して賃金の値上げを内容とするものではありませんから、賃金三原則と矛盾することは絶対にないというふうに考えますが、この点政府は従来の見解を改められてはいかん。この点についての労働大臣の御見解を承りたいと存じます。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 可能か不可能かということの判定は、公労法に書いてある通り読みますと、公共企業体の予算上、資金上不可能であるという場合に限るのでありまして、政府がこれは不可能であるという判定を下して国会にお諮りしたのは、当時においてはそういう意味において不可能であると言つたのでございます。賃金原則その他の問題は、実際的には関係があるかも存じませんけれども、この法律を取扱う場合におきましては、公労法の十六條を平面的に読みまして、これは不可能であるという見解、これはしばしば先ほどから大屋運輸大臣が述べられておるのでありますが、その意味で不可能であるという見解であります。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 私の伺つておりますのは、八月三十日以来従業員と公社側との団体交渉の経緯を見ましても、それから調停委員会の経過を見ましても、また仲裁委の経過を見ましても、すべて公社側が常に従業員側の要求に応ぜられないという理由の一つとして、賃金三原則に矛盾する、経済九原則に矛盾するということを掲げて参りました。この点につきましては、ただいまも私が申し上げました通り、決して矛盾するものではないと思うのであり、末弘委員長もその他の委員も、すでにその点理由を明白に掲げて申しておりますが、その点政府は納得が行くか、まだ納得が行かないかということをお伺いしておるのでありまして、まだ三原則に矛盾すると考えておられるか、九原則に矛盾すると考えておられるか、その点お伺いするのであります。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 私どもの申しますのは、この問題が可能か不可能かという一番かんじんなことをきめることは、予算上、資金上、可能かどうかという一点に限ればよいのでありまして、あまり多くの要素を持ち出して考えることは、公労法の趣旨を乱すものと考えます。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 国鉄の戰後の赤字の原因として、運賃が一般物価の高騰と比較して、あまりにも低位にくぎづけされておつたという点を強く揚げておりましたが、この点につきましては、昨日の堀木委員からの御説明の中に、戰災による復旧費等の増額があり、これは本来ならば他の財源から出さなければならないのに、その年度の営業費からまかなつて来たという点が、年々二十六億もあるということ、さらに今井委員からも御指摘になりましたように、五十四億の退職手当を出しておる。そのうち昨年度のおよそ九億を差引くとして、四十五億のよけいな支出があつたということを掲げられておりますが、この赤字の一番比重の重い部分は、一体運賃くぎづけにあるのか、あるいは前二者、すなわち戰災復旧費を、その年度の営業費から年々十年計画で二十六億、合計二百六十億をまかなわなければならないということ並びに首切りのために四十五億特別の支出をしたということ、そつちの方におもな原因があるのか、いずれでありましようか。堀木委員にお尋ねいたしたいと思います。

堀木鎌三公共企業体仲裁委員会委員

○堀木参考人 先ほど物価と運賃の関係から見まして、いわゆる運賃が経済上、物価の上昇に伴わない状態にある、またそれが実費をつぐなつていないという、しかも実費と申しますのは決して従事員諸君の給與体系を織り込んでの問題でありませんから、賃金三原則からも離れておる問題ですが、ともかくもその点が一点。それから経理の状況として特に二十四年度の予算を見ますと、先ほどお話のような特別な退職手当というものが、本年度の予算に入つておる。それから戰災による復旧等がある。この三つが大きなものとして——まだこまかく言いますと、いろいろございますが、まずこの三つのものが大きな問題として考えられるということを申し上げたいのであります。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 次に菊川副委員長と、それから加賀山総裁の御両氏にお聞きしたいのでありますが、国鉄総裁は当初十八億経理能力の範囲において可能であると言い、昨日の菊川副委員長の御説明の中では、さらに輸送力の増強によつて旅客運賃收入、貨物運賃收入双方からほぼ十億ずつ、合せて二十億の黒字を出す見込みがある。こういうことを言われておりまして、経営者側と従業者側において、この点経理能力上、実施可能な部分について非常な額の懸隔があるようでありますが、もし菊川副委員長の言うようになるならば、十八億に加うるに二十億になり、三十八億経理能力の範囲において可能であるから、四十五億のうち、あと七億だけ新たな予算措置を組むならばよいことになり、非常に楽になるわけでありますが、この点につきまして総裁と菊川副委員長との間にどういう計算の相違があるのか、それを明らかにしていただきたいと思います。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 お答えいたします。ただいまの御質問は非常に誤解がおありになるように思うのでありますが、国鉄の現在の経理上、十八億あるいは十五億五百万円の余裕がある——と言うと語弊がありますが、捻出が可能になつたということは、歳出予算について申していることでありまして、今後二十億さらに増收があるということは、歳入に関することなのであります。従いまして歳出面からいたしますれば、二十億の收入があるといたしましても、さらに国会の承認を経ませんとこの二十億は支出可能なものにならない、この点が一点。それから二十億と菊川君が申しましたことにつきましては、これは私といたしましては、もつぽら今後の運輸事情、経済事情によることでございまして、これはないと言い切ることはできないと思いますが、しかしこれが確実な財源として、ただいま考え得るというまでには至らない、かように考えておる次第であります。

菊川孝夫日本国有鉄道労働組合中央執行副委員長

○菊川参考人 私の方では、実際に仕事に携わつておりまして、そろばんをはじいてそうした統計をとつておる連中がはじき出した数字が、そういう数字になるのであります。なぜかというと、見込み額の見込みの立て方において違つておる。それでそういう数字が出て来るわけでありますが、しかしながら政府のお考えでは、たとえそうして二十億なり三十億出ましたとしても、三月三十一日においてそういうようにもうかり過ぎたということになれば、自然に国の方へ入つて来る。もうかり過ぎたら入つて行くか、それから借金を返すということになつてしまうので、従つてこれは見通しまして、收入もそれだけ多く見込んで、支出も見込むという補正予算を組みなさいという要求を総裁あてに申し入れまして、見解の相違だというので相当議論を鬪わしておるのですが、特に組合の内部におきまして運輸協議会というのがありまして、運輸の動向を、直接現場で働いておつた連中が、その勘あるいは長年の経験、それから昨年度の実績等からはじき出した数字でざいますので、この点を指摘したのでありますが、補正予算を組まないという政府のがんとした方針があるらしくて、こういうものが默殺されておるというのが、現在の状態であることをひとつお考え願いたいのであります。しかしながら私は、昨日も申し上げましたように、收入があつて支出がふえるのだつたら、これはドツジ・ラインのいう健全財政にもなるし、三原則にも反しないし、そういう処置ならば、とられて一向さしつかえない、政府もそういうことを、こわがらずにやらるべきである、かように私は考えております。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 稻葉君に申し上げます。われわれの申合せの時間の中で、あなたの党派の時間を大分食い込んでおられます。まだあなたの党派の委員も残つておられますから、なるべく要旨を簡單にお述べになるようにお願いいたします。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 もう一つですから。ただいまの総裁の御答弁で了承いたしましたし、それからさらに菊川さんからの御説明には、組合側としては、收入の見込みが十分にあるから、経済九原則にも、また賃金三原則にも矛盾しないということを提案され、それが総裁を動かし、総裁からは先ほど明言があつたように、支出不可能な新たなる予算についても、具体的な予算を組んで、そうして大屋大臣に提出したにもかかわらず、大屋運輸大臣、大蔵大臣その他政府は、その点について何らの誠意を示すことなく、国会に、審議の対象になり得ないような状態でここに持ち出されたのでありますが、この点につきましては、いくら大屋大臣に御答弁を願いましても、満足な御答弁を得られません。ただ私どもの言いたいのは、組合側がこの裁定を無條件に承服し——これは三十五條上当然でございますけれども、その他の多くの、賃金ベースの引上げであるとか、あるいは年末賞與金の付與であるとか、そういう要求は、すべて仲裁裁定では押えられているにもかかわらず、従来の待遇切下げの改善の点だけに満足をして、多大な讓歩をして、そうして裁定を無條件に承服しているにもかかわらず、先ほども申し上げましたように、政府におきましては、最初四十五億を全然のむことができないというふうな議決を国会に求めて来たり、今日はややその点を讓歩して、十五億五百万は認めるが、その他の点については全然これをわれわれが否定しなければならないような形で、国会に議決を求めて来る。いわば組合側は多大な讓歩に基いて裁定をのんでおるのに、政府はこれを公労法の精神を踏みにじつて、きわめて非民主的な態度をとつておる。これは公労法の最初の適用にあたつて、非常にゆゆしい重大事であります。総理が講和條約の有利な條件の締結は、国内の非民主的な残滓を拂拭することにある。こういうことを申しておりますが、それと、昨日菊川君が、AFL・CIO等で公労法の適用について、このたびの事案について、アメリカでも非常な関心を持つて注目しておるという加藤委員長からの私信もあるという、そういう国際環境にあつて、この点はきわめて重大であると思いますので、国鉄総裁も、運輸大臣もまた大蔵大臣も、政府は国家のため特に思いを深くここにいたすべきであると思うが、ただいま出席されておる両大臣はこの点いかがにお考えですか、その点の御心境をとくと承つておきたいと存じます。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいまの御質問の趣旨に対しましては、もちろん私は国鉄の監督者の立場といたしまして、国鉄の従業員に対しまして、十分な待遇をいたしたいという念願におきましては、何人にも劣るものではないのであります。しかしながら今回の裁定実行に対しましては、今までるる述べた処置をとる以外に、方法がないと思つておる次第であります。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 労働大臣といたしましては、公労法の本来の趣旨を守つて行くということのためには、十分配慮を重ねたつもりであります。あの條文から申しまして、全部をのむのまぬという問題を、政府は最初前提的に考えたのではないのでございまして、先ほどから申しますように、予算上、資金上、可能であるかどうかという一点に焦点を置きまして、関係方面とも折衝を続けて来たのでございます。もし條件が許し得るならば、なお多くのものをのみ得るようになつても、労働大臣としては決して多過ぎるとも思いません。しかし現在の予算の関係上、あるいは関係方面との折衝上からも考えまして、全額をのみ得るというような結論に到達することは、きわめて困難と考えております。でき得る限りにおきましては、私どもは全力をあげて、あの裁定案を尊重すべく努力をして参りましたということを申し上げます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 今の答弁に関連して……。今労働大臣は、言葉の上では非常に丁寧なことを言つておられますが——私は先ほど労働大臣の答弁のときに発言を求めようと思つておつたのです。それは平面的に十六條を解釈して、資金上、あるいは予算上不可能な云々のことを言つておられます。私はまつたく平面的にその十六條だけを考えまして、雑音をまぜずに、しかも労働大臣の責任において、もつと善処しなくてはならぬ立場が十分あると思います。それは昨年公労法を制定しようとしたときに思いを起さなくてはならぬと思います。又書簡の内容から公労法をこしらえて、しかも国鉄から罷業権を奪つて、そうして今後の労働行政をやつて行こうとしたところの政府の説明が、今日繰返してここで論議をされなくてはならぬと思います。あの罷業権を剥奪したときに、罷業権は剥奪するが、待遇の面においては十分善処する余地を残しておる。そのために調停の機関を設け、仲裁の機関を設け、そして最終的には仲裁の裁定には服するという精神を繰返し述べられて、あの法律案が成立したということを忘れてはならぬと思います。今日予算上、資金上、政府の都合によつてどうにもならないから、あの裁定はのめない、否認をせなくてはならないという態度をとつておられることは、はなはだ遺憾であると私は考えます。しかもこの態度の起因が、最初から政府は裁定案をのむまい、否認しようという態度が、今日いろいろな関係に及ぼして来まして、思うようになつていないという結論になると私は見ております。政府がいろいろ努力したから、全然出せまいと思つたものが、十五億五百万円出るようになつた。これは政府の努力だ、吉田総理の努力だと、あるいは言われるかもわかりませんが、その金は何も議会で審議しなくてもいい金であるわけです。もし公労法が——法律が時の情勢によつて、時の政府の解釈によつて、一、二にされるようなことがありますならば、今後法律はどうして守つて行けるであろうかということに思いをいたしまして、十六人の大臣がほんとうに決意をして、関係面に折衝いたしますならば、私はあの裁定案の了承はでき得る道があると考えます。予算上不可能でありますならば、借金をすればよい。借入金をすればいいのです。一兆の資産を持つている国鉄で、三十億の借入金ができないはずはないと思います。この夏は、先ほども答弁されたように、首を切るためには、ない金をしぼつて五十四億という金をやりくりしております。首を切るためには、予算にはなかつた金を石炭費の方からまわして、首切り手当に充てておいて、今度の場合は三十億が足りない、予算上提案ができないというはずはないと私は考えます。もしこの点が、今申されましたような努力はしたが、やむを得なかつた。特に関係方面の折衝その他の点において、政府の及ばない点だと言われますならば、労働大臣は職を賭してでもやるべきだと私は考えます。将来の日本の労働組合運動を正しく守るためには、日本の法律を将来確実に守つて行くためには、労働大臣は職を賭してでもがんばらなければならない場面が、ここにあると私は考えます。その点に対する労働大臣のはつきりした見解を承つておきたいと考えます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 簡單に一言、二言……先ほど関係方面という言葉が出ましたが、これは重要だと思うのです。政府は国会と関係方面とに、両天秤で責任を転嫁しておると思うのです。もし関係方面とあなたが言うならば、一九四八年七月二十一日のマ元帥の書簡によりますと、この最後のところに、普通の公職の場合に與えられておる保護にかえるに、調停、仲裁の制度が設けられねばならぬということが書いてあるのであります。要するに調停、仲裁は、普通の公職の場合に與えられておる保護にかえるに、公共企業体の労働者諸君に対して特に與えた保護規定だと思うのであります。この保護規定の裁定の実行に対して、関係方面が承知しないということは、われわれ了解できない。もしそれが事実とするならば、労働大臣には関係方面といかなる交渉をし、それがいかに関係方面の責任において——政府の責任ではなくして関係方面の責任において、いかにこれが縮減され、予算を組むことができないことになつたかということを、われわれに説明していただきたい。そうでないと、政府の態度は、一方は国会に対して責任を負わせ、一方は関係方予に名をかりて、自己の責任を回避するというように解釈わざるを得ない。その点を納得するように説明してもらいたい。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 まず第一番に前田さんに対するお答えでございますけれども、私どもは先ほどから繰返して申し上げております通り、この法律の三十五條及び十六條の意味をしさいに吟味いたしまして、予算上、資金上、不可能なるものについて、でき得る限り可能なものを見出すべく政府部内で考え、そしてその推移の結果は、先ほどから運輸大臣の言つておる通りでございます。それだけの数字を生み出し得たのでございます。政府の責任におきまして、検討をいたした結果でございます。そして残りの部分につきましては、いかにしても現在の国鉄の経理においては、予算上、資金上、不可能であるという運輸大臣及び国鉄当局者の言うところを認めざるを得なかつたのでございまして、その限りにおいて、労働大臣といたしましても多大の努力を拂つて参りました。  なお関係方面と云々ということにつきましては、折衝のいろいろな方面という意味でございまして、関係方面ということは取消しておきます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 私は労働大臣に特にお願いしたいことは、経済上の金銭上の問題は、運輸大臣なり大蔵大臣が関係方面と折衝すれば足りるのです。しかし公労法を守る立場から、裁定を守る立場から、特に日本の将来の民主化のために、いかに労働組合運動がなくてはならないかという見地から、この裁定案を承諾するか、忌避するかという場面に立ち至りましては、労働大臣の責任において、少くとも閣内にもこの意見を通し、関係方面にも労働大臣としてもつと強く折衝をして、どうしてもこれを守り拔いて行かなければならぬという、強い主張をしなくてはならぬと私は考えます。しかし今日までのいろいろな動きは、私の知る範囲内におきましては、大蔵大臣に一任し、運輸大臣に一任したきらいが多分にありはせぬかと考えます。私はこの大事なときに、労働大臣は公労法を守る、あの裁定を守るという強い動きと、強い努力がなされてしかるべきだと考えます。もし私の質問に対して、労働大臣として答弁されるような重要な動き、いろいろなことをやられたということがありますならば、この席上ではつきりと御答弁を願つておきたいと考えます。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 労働大臣は御答弁がないようであります。次に土橋一吉君。     〔「答弁々々」と呼び、その他発言する者多し〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 土橋君、発言を許しました。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 昨日来運輸大臣から、ただいま問題になつておりまする裁定案についての提案理由が説明されておりますが、これによりますと、八月三十日以来、国鉄労働組合は現在の六千三百七円ベースの引上げ及び年末賞與の一箇月支給を交渉したのであります。その間においていろいろ折衝したのでありますが、国鉄当局と話合いがつかないために調停委員会に付して、調停委員会では八十五十八円という調停案が出たのでありますが、国鉄労働組合は非常に不満ではあるけれども、この調停案を一応受諾せられたのであります。ところが国鉄当局はこれを否定されまして、十月三十一日に、いよいよ仲裁委員会の裁定ということに相なつたのであります。仲裁委員会は愼重審議せられまして、十二月の二日に国鉄当局及び労働組合側に、この仲裁裁定書が提示されたのでありますが、その間のことについて、私が末弘委員長にお尋ねをいたしたい第一点は、この裁定書がつくられました根本的な原因は、現在の六千三百七円ペースがきわめて不当である、きわめて低いということ、同時に年末賞與の一箇月支給をもあわせて国鉄労働組合は主張し、これが双方の紛争状態の中心であつたのであります。ところが仲裁委員会において取上げられました問題は、この裁定書の一番最初にも書いてありまするように、「本委員会は、右当事者間の「賃金ベースの改訂及び年末賞與金の支給その他に関する紛争」に付、次の通り裁定する。」こういうふうになつて、基本的事項が四つ出ているのであります。このうちにまず「賃金ベースの改訂はさしあたり行わないが、少くとも経理上の都合により職員が受けた待遇の切下げは、是正されなければならない。」こういう大前提が第一項にうたつてあるのであります。ところが第一項から第四項までは双方関連をしまして、九千七百円ベース引上げということと、年末賞與の支給という、この大前提のもとに、第一項ができ上つているのであります。そうしますと私は、この裁定書全般に関して、末弘委員長のお考えは、少くとも政府あるいは国有鉄道公社が善処いたしまして、そして公労法第三十五條及び第十六條の規定に基いて、ただいま本委員会が開かれているものと確信をしているのであります。ところがその説明の内容を承りますと、六千三百七円ベースの支給の過程におきまして、特に実質賃金が、八ページの理由の第三を見ますならば、明らかに月額千円に相当する待遇の低下である、こういうふうに論定をされております。そうすると給與ベースを改訂しないで、現在のままで参りますならば、少くとも一千円以上は、六千三百七円ベースよりさらに待遇が低下した状態において、国鉄労働組合が給與の支拂いを受けている、こういう御認定のもとに、この理由の第三をお示しになつたものかどうか、この点が私は末弘委員長にお尋ねいたしたい第一点であります。  第二点といたしましては、さらに加えまして理由の第二にさかのぼりますと、ここに明らかに「昭和二十三年七月から今日に至るまでの一般物価及び生計費の変動から見ても現行賃金は余りにも低きに失し、少なくとも八千四、五百円程度まで引き上げるのを妥当とするという結論を得た。」と書いてありまするが、現在少くとも国鉄労働組合におきましても、八千四、五百円のベースと六千三百七円べースの差額のほかに、さらに一千円の待遇の低下というふうに、この理由書は書いてあるように私は考えますが、この点について委員長の御答弁をお願いしたいと思います。もちろんこの内容について私はとやかく申し上げるものではございませんが、裁定は少くとも六千三百七円ベースよりは一千円低い。同時にそれは現在の一般の物価、生計費等から見まして、さらに八千四、五百円と六千三百七円ベースの差額を当然お認めになつていると私は思うのでありますが、その点をお尋ね申し上げます。  次は民間の給與等を比較いたしますと、たとえば十四ページに書いてありまするが、いわゆる都市交通従業員諸君の八月現在におきましては、一万二千四百七十三円と、かように相なつておる。従つて「以上を達観すれば、国鉄職員の賃金ベースは、基準外收入その他を含め、九〇〇〇円内外は、與えられて然るべきことになろう。」こういう点がここに書かれておるのであります。そういたしますと、私はこの裁定全体は、少くとも基本的な態度から見まするならば、基準外の賃金を含めまして、少くとも九千円程度の賃金を支給するのが妥当である、こういつた御見解でありますにかかわりませず、裁定の一番最初におきましては、ベースの改訂はさしあたり行わないが——この理由は昨日も末弘先生から、さしあたり政府の政策はお手並拜見というところで、この点が回答されていない、こういう御趣旨がこの裁定書にも明確になつておりますが、私は以上の説明からお聞きしたい点の要点は、実質的には九千円べースの方に当然改訂せられてよろしいにかかわらず、現在の政府の政策は、われわれから見まするならば、今裁定委員会においてお考えになつておるような状況でなくして、むしろ電燈料が上つて参りましたし、あるいは米が一割一分上りましたし、貨物運賃が八割上るというような状況で、どんどん物価が上つておりますので、この点は見解の相違といたしましても、そのようなものについて、結論的には給與ベースを引上げるのがごく至当である、こういう見解であろうと思いますが、その点いかがでありましようか。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 ただいまの点は、裁定書全体を十分お読みいただくと、相当程度までおわかりを願えると思いますが、仲裁委員会におきましては、もちろん組合が要求しましたものをそのまま——賃上げ及び年末賞與というそれをそのまま出すということの目的で、最初はずつと計算をいたしてみました。それで今おつしやつた面は、私どもが八千幾らとか、九千円前後というような数字を出しましたが、これらは、いろいろ計算をして行く立場から出るのでありまして、それで普通に、私どもは今度の裁定書の中にも特に註として、いわゆるベースというものの無意味のことを申してあるのでありまして、いわゆるベース上げということに、あまり重きを置いておらないのであります。それで公労法に書いてありますあの公社の場合の賃金は、どういうふうにする考えかというと、それをいろいろな、こういう立場からいえば、このくらいになる——世間でいわゆるCPOとかCPIでやれば、八千幾らくらいになる、それからまた都電の従業員の賃金の行き方からいえば、このくらいになる、あるいはさらに職種をわけまして、特に参考書として差上げてありますのをごらんになりますと、こまかく職種を相当研究しまして、低いということは今おつしやつた通りで、非常に低いと考えております。それからまた年末賞與も、このような事情だから出してしかるべきものだと私どもは考える。しかし問題は事の実現性ということを考えなければならぬ。どういう案にして出したら、一番実現性があるかということを考えたわけであります。その点においては、三原則とか九原則とかというような形式的な問題より、やはり国の賃金政策、あるいは経済政策上の賃金政策をどう考えるかという問題を考えなければならない。やはり責任ある政府が、司令部の指導のもとに、ある賃金政策を大きくとつている以上、その面と正面から取組んで裁定案を出して行つてみましても、その面からくずれるおそれが相当あり得るのじやないかということを一つは考えました。それから年末賞與に至つては、現行法上そういうものを出す根拠が法律的にはございません。そこで私どもは、なるたけ実質的に問題を解決する、それには合理的な根拠を求めなければならない。そうしますと、この待遇が実質的に切り下げられているというものを、しさいに計算してみますと、ああいうものが出て来たということが一つです。それでこまかくいえば、あなたのおつしやつたように、六千幾らが、実質的には国鉄の場合は切り下げられているのだから、ベースが上つたときには、その是正されたのとプラスされて上るのだということに、こまかい議論をいえばなります。しかしそれは理由及び解説において言つていることで、裁定諸の主文としてはそれを言つていないのです。主文としてはやはり実現性ある問題としてああいうことを申した。  それからまた年末賞與の問題につきましては、これは今日もどなたかが申されましたが、ああいう半ば国営的な企業というものは、労働者の労働意欲を高めて、労働の生産性を上げるためには、やはりみんなで努力して予算がしまいに余つた、そうしたらこれをみんなにわけてやるという制度、これは方々の国にいくらでもある例です。そういうことを一つやる。これは單に年度末とは限らないので、来年度あたり、先ほどもお話になつたように、法律をかえるなり、予算を組むなり、何かの方法で年に四度そういうことをするとか、あるいは年度末にするとか、いくらでも考える方法がありまして、外国にも実例がございますから、考え方はいくらでも考えられます。今日民自党の福田さんから、政府の方に質問がありました。あれはことによると、まだどこかで、裁判所に行けば弁護士が言いそうな議論が、議会で議論になりはしないかと思うので、一言申し上げます。つまり一体当事者が要求していることと違う裁定をしているのは、無効じやないかという議論であります。これは純粹の民事訴訟においてはその通りであります。しかし労働争議の仲裁ということを日本に限らず、外国の場合でもそうではございません。究極において争議を片づけることが目的でありますから、その要求から全然離れたことをやるということは、これはむろんいけないことでございますが、要求の線に沿いながら、何らかの形でそれを実現するようなことをすることは、外国の仲裁の例を見ましてもいくらもございます。但しそういう点をはつきりするために、仲裁に関する法律で、そういう面まで相当詳しく規定するようにしている外国の法令もございます。しかし日本の場合全然それがございませんので、私どももその点は十分考慮いたしまして、仲裁に入ります初めに、当事者双方の要求されることの範囲、あるいは実質的にどういう意味であるかというようなことを十分尋ねまして、日本の法律の規定する制度の仲裁においては、そういうことをすることが正しいということを考えてやりましたわけであります。それで民事訴訟の場合のような法律論をもつて無効論を主張するがごときは、私はこれはひとつそういう議論が、この国会においてなされざらんことを希望いたす次第であります。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 私は今末弘博士にお尋ねいたしました点は、そういう点からこの問題とやかく言おうというのではございません。ただ裁定の基本的な態度として、現在の六千三百七円ベースよりは、さらに国鉄労働者は一千円を下まわつた賃金切下げを受けておるというふうに御認定になつたという点が第一点、さて一般の生活費あるいは諸物価等を計算するならば、この理由書にも書いてありますように、八千四、五百円の給與が必要である。特に同一労働に対する同一資金という建前から見まするならば、都市交通従業員諸君は今日一万二千数百円の給與を受けておるのであります。そういうものから勘案いたしましても、なお国鉄労働者は基準内外のものを加えるならば、九千円程度が至当である、こういう御決定をお認めになつておるわけであります。そこでこの裁定の内容としては、今の御説明で、政府なり、あるいは国鉄公社が出しいいような方法で、その時期とところにおいて、最も合理的に解決するために、こういう裁定を出てたという御趣旨はよくわかりましたが、その現実的なものについて、私は、国有鉄道公社の総裁に対しまして、今念を押したような点につきまして、あなたは仲裁の裁定をお認めに相なつておるかどうか。また現在のこの裁定書に書いてありまするような実質賃金の切下げ、なお六千三百七円べースが現実に一般の給與に比べて非常に低いということをお認めになるかどうか。さらに基準内外から比べて、特に加賀山総裁は、当然九千円内外を支給するのが妥当である、こういう裁定書の内容について、あなたはこの裁定書通りのお考えを持つておるかどうかという点を、お尋ねしたいと思うのであります。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 当事者といたしましては、裁定の内容をとやかく申すことは控えたいと存じます。ただ国鉄従事員の給與が先ほどから申しますように、決して一般の水準に比べて高いものではない、むしろ低いということを考えておるわけであります。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 労働大臣はどうですか。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 六千三百円ベース自体を標準にして、切り下げたかどうかという問題を扱つておるとは思いませんが、あの受取額が減つたという計算については、傾聽すべき点もあると思います。しかし裁定として可能、不可能を判定するのは、先ほどからも申しました通り、予算と貸金の関係も考慮しなければならないと考えております。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 私のお尋ねしておる点は、現在の六千三百七円ベースは、昨年の十二月に決定になつたものであります。ところが今年七月以降国有鉄道公社と相なりまして、その間において、この裁定書が認めておりますように、実質賃金が千円程度低下したということを、労働大臣は承認するやどうかという点が第一点であります。  第二点は、現在少くとも裁定書に明記されておりますように、民間の生活費あるいはその他と比べまして、八千四、五百円程度が至当である、この程度引上げるのが当然である。こういうように裁定書に書いてありまするが、これをあなたはお認めになるかどうか。もし認めないというならば、認められない理由を簡單に、科学的に説明していただきたい。  なお基準内外の賃金九千円という点を指摘されておりまするが、これもあなたのお考えでどうもそういうように考えられないならば、科学的資料をもつて、簡單でいいから説明していただきたい。なければこの裁定書を当然あなたも御承認になつておるものと認めてよろしいかどうか、この点をひとつ……

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 詳細の点は、その局に当つておる者から別の機会に御説明をいたしますが、大体において、傾聽すべき点も相当あるように思います。しかし給與自体の問題は、一般の問題、それから均衡予算等の点からも考慮しなければならないということは、先ほどからお答えしておる通りであります。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 私は今の国鉄総裁あるいは鈴木大臣の御答弁によりますると、きわめて不明確で、きわめて不明瞭でありまするので、この裁定の内容は一応御承認になつての御議論と私は確認をいたしまするが、そうでない限りは、少くとも立証の責任は運輸大臣においても、あるいは労働大臣におきましても、当然この委員会に示されまして、そうしてわれわれの内容はこうであるというものをお示し願わない以上は、自信を持つておらない、当然裁定の内容を認めておる、かように私は確認をしたいと思うのであります。  次に菊川副委員長にお尋ねいたしたいと思います。  これは去る第四国会におきまして、十二月二十一日にわが党の書記長から、いろいろ当時の給與実施本部の次長でありました今井氏に質問しました内容では、現実給與の問題は、当然六千三百七円の範囲に入つておつたということを言われておりますが、私が今まで申し上げておりますように、六千三百七円ベースの中でさらに千円程度の実質賃金が低下しておる。かようにわれわれは考えて裁定されておると認めますが、この点についてあなたの明確な御証言を願いたいと思うのであります。なお国鉄労働組合は、本来ならば一万円も一万二千円も御要求になるお考えであつたと思いますが、きわめて謙虚に、当時の情勢を勘案になりまして、そうして九千七百円ベースというものを決定されておるのでありますが、そういう内容について、あなたも現在この委員会で昨日からお聞きのように、当然問題になつておるのは、年末賞與に関する十五億五百万円に限つておるのであります。われわれは給與引上げの全般の問題から見まして、特に仲裁案も出ておる関係もあるし、また人事院勧告が二日遅れまして、すでに七千八百七十七円という給與引上げの勧告をいたしておるのであります。そういう諸般の情勢を顧みないで、本委員会におきましては、ただ年末賞與の問題についてやつておりますが、この裁定そのものは少くとも九千七百円ベース引上げの問題が中心で、それに加わるのに年末賞與をどうするかという問題がかかつておると思うのであります。しかるに年末賞與の問題で、本委員会がこのように、いろいろ議論を鬪わせておりますことは、まことに私は遺憾でありまして、この問題は当然公労法の第十六條の規定によりまして、何ら政府が説明するまでもなく、国有鉄道公社の責任において出せるものでありますので、いまさらこのような問題を本委員会において討論しておること自身が、私にはまことに解せないのであります。従いまして私が末弘会長にもお尋ねしておりますように、この裁定案全般をめぐりまして、四十五億の支拂いの問題が中心であつて何も十五億五百万円支拂うという問題が中心ではないのであります。従つてそういう観点からあなたの御証言を願いたいと思います。

菊川孝夫日本国有鉄道労働組合中央執行副委員長

○菊川参考人 私は昨日もちよつと触れましたが、国鉄労働組合といたしましては、六千三百七円べースを九千七百円に引上げることが、諸般の情勢から、あるいは生活実態から、それから一般の賃金水準から考えても、妥当であるというふうに確信いたしております。それから年末賞與の問題につきましても、これはぜひとも支給してもらいたい、これは組合員の切なる要求でありまして、この件につきましては昨年も問題になりまして、年末賞與の問題を強く要求いたしたのでございますが、その当時労働大臣を勤めておられました現在の官房長官の増田さんが、われわれが国会に参りまして増田さんにお会いいたしましたときに、どういう発言をされたかと申しますと、それは君の言う通りよくわかる、民間では、このぼくでさえ腹の立つほど、今年の年末には出しておるのである。しかしながら法律があるために出せない、公務員の給與法があつて、これに縛られてどうしても出ないのだが、君たちの方は今度は公共企業体になるのだから、そこで仲裁委員会、調停委員会等によつて正しい判断がされたら来年からよくなるので、今年はがまんしてもらいたい。こういうことを強く彼は言われましたにもかかわらず、今回の仲裁案が出て、やれやれこれだけは認めてもらえるかとわれわれは考えて、少くともこれだけは完全に実施せられるものと確信いたしておつたところ、新聞の情報その他によりますと、これさえも怪しくなつて来て、しかも三分の一くらいに切り下げられようとしていることについては、まことに不満であつて、この不満の爆発というものが、昨日も繰返して申し上げましたように、十七條違反行為をやることも、われわれは首を覚悟して考えないではないけれども、これではただ国民各位にいろいろ御迷惑をかけるから、迷惑のかからぬ程度というので、全国各地にハンガー・ストライキが繰広げられて、ますますこれに突入する組合員がふえて来ている。この事実、この行動をもつて不満の意を政府に向つて表明するとともに、国会に対しては、われわれはこれだけ不満でございますから、どうかひとつ十分なる御審議を願いたいという、無言の意思表示であるということをお考え願いたいのであります。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 今あなたのお話によりましても、きわめて明瞭なように、また裁定書がきわめて謙虚に、過去におけるところの公社以来の実質賃金の切下げ、待遇の切下げというものを、将来にわたりまして、給與ベースの改訂あるまでという、いわば條件付で千円ずつの要求をしている。このきわめて謙虚な、六千三百七円ベースに即応するこの中間的なものすら、ただいまこのような状態であるのであります。この点、私は與党の民主自由党の諸君も、政府も、きわめて不誠意だということを考えているのでありますが、この点について私はさらにあなたの御発言を求めまして、終りたいと思いますが、私はそのように考えているのであります。公社移行以来六箇月間にわたる待遇の切下げは千円、これは六千三百七円ベースに至らないものが千円、これがまた来年の三月までになお千円ずつというのでありますのに、実質的には、この裁定案全体がただ六千三百七円べース維持の方向しか書いてない。かように私は申さざるを得ないのであります。仲裁委員会の裁定について、私はとやかく申し上げるものではないが、当然人事院が公務員について勧告いたしておりますように、あなた方の給與ベースの引上げということを十分御考慮相願うならば、基準内外を含めまして、少くとも九千円程度の、仲裁委員会で裁定せられました裁定書が出ることを、私は期待をしたいと思うのでありますが、遺憾ながらこの裁定書のきわめて謙虚な態度すら、これが民主自由党の政府によりましては受入れられない。與党諸君もたくさんおりまするが、この問題については出されないという点を遺憾に思いますので、あなたもはたして同感であるかどうかということをお尋ねして、終りたいと思うのであります。

菊川孝夫日本国有鉄道労働組合中央執行副委員長

○菊川参考人 ただいま土橋さんのおつしやつたことと、私同じ考えを持つでおります。しかし私たちは仲裁委員会に持つて行きまする際に、これは中央委員会でも、この問題は仲裁委員会まで行くかもしれませんぞ、しかし仲裁委員会へ参りましていかに判定をされようとも、一旦きめられたあの法律には、われわれは従わなければならぬのですよ、かりに一文も上げないと言われても、われわれは涙をのんでその場合は従いましようということを、中央委員会で私が発表いたしましたところ、中央委員会の全員が寂として声なく、やむを得ぬ、それでも出しなさいということであつた。しかし諸般の情勢から考えて、私はよもやそういう仲裁の裁定はなされないであろうと確信いたしまして、仲裁の申請を私は持つて参りました。しかしそのときには、いかなる裁定が下されようとも、私たちはその際はもちろん不満であろうとも従おうというだけの、悲壯な決意をもつて出したのであります。しかもそうして行かなければ、この仲裁委員会の意義というものは私はないと思います。今日のように、その仲裁の裁定が下されて、国会で二日も三日ももんでもんで、もまれているようなら、仲裁よりも国会に直接上申する方がいいのではないかということにさえ私は考えて、仲裁委員会の存在については、私は考えざるを得ないように思つております。しかし決してこれは仲裁委員会を否認するとかいう意味ではなしに、こういう状態であつたならば、国会に直接に持つて来て、そうして国会で御審議願うという方がいいのではないか。何ら意義をなさないように思えて、まことに残念でございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 ただいまの菊川副委員長のお話でよくわかりました。私は民主自由党の諸君にも、ただいまの証言を十分聞いていただきたいと思うのであります。それは実質的に六千三百七円ベースの切下げの部分だけについても、このような状態でありますので、私は、政府の低賃金政策と低米価主義とで、相ともに日本の勤労階級を苦しめている政策の一端が、このただいまの審議中にも明瞭に現われていると思うのであります。従いましてこの政府のもとにおきましては、われわれは最後まで鬪争し、ただいまの裁定の完全実施について希望を捨てるものではありませんが、少くともただいまのような末弘委員長あるいは菊川君のお話を承りまして、ぜひとも完全支給がせられるように……。私はこれは最低限度の要請であると思うのでありますが、これに対して運輸大臣は、先ほどの答弁もありましたが、いかに考えているか。今の菊川副委員長のお話によりましても、裁定の理由書、説明書の内容を見ましても、最低限度のさらに最低限度であるのであります。そのものについてただの十五億五百万円というような、きわめて少額な、しかもわれわれ委員会におきまして本日まで討議しました内容を見ますと、まつたくほとんど木によつて魚を求めるような内容であります。これについて運輸大臣はどういう考えを持つておりますか。いま一度所信を聞きたいと思うのであります。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 国鉄従業員の待遇に関しましては、その監督者でありまする政府といたしましては、十分にこれに報いたいという念願においては、何人にも劣るものではないのであります。但し先ほど申し上げました通り、今回の裁定については、あの程度の処置以外にはできないことを土橋君に申し上げます。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 滿尾君亮君。

滿尾君亮民主自由党

○滿尾委員 私のお尋ねいたしたいことは、大分同僚委員から出ましたので、きわめて簡單に二、三のことをお尋ねいたしたいと思います。私は今回の本件は、テスト・ケースとして非常に特別の意義がある。今菊川君が申しましたことは、実は先般貨物運賃の値上げのときに、参考人として同君に運輸委員会においでをいただきまして、そのときはまだ裁定になつておりませんでした、その数日前でありますが、そのときに、断じて裁定の決定に従う自信があるという同君の感想を、非常に感銘深く聞いた一人であります。それだけに、私もこの裁定を尊重することにおいて遺憾なからんことを希望している一人でありまするが、またそれだけにわれわれはこの本裁定の内容につきましては、十分愼重にこれを見なければならぬと思うのであります。大体今までの御質問で明らかになりましたけれども、重ねて私は一言伺いまするが、裁定本文の第二項の「前項の主旨により」という言葉は、第一項の後段をさしておられるのであるかどうか。つまりこの裁定の本格的な部分は、経理上の都合により職員が受けた待遇の低下を補填するにとどまるという趣旨で裁定せられたのであるかどうか。これを委員長にお伺いしたい。  さらに第三項におきまして「組合の要求する年末賞與金は認められないが、」とあつて、その後段においては、新しい賞與制度のリコメンデーシヨンがございますが、これは先ほどの末弘先生のお考えで了承するといたしまして、第三項の前段、つまり「組合の要求する年末賞與金は認められないが、」という第一句であります。先ほどの末弘先生の御説明の中には、年末賞與は委員長としては別に不賛成ではないようなお言葉に聞えましたが、ただ客観情勢にかんがみて、この点のテクニックにひつかかつて、裁定にきずがついてはつまらぬから逃げたのだというふうに私はお伺いしたのであります。そのお気持はよくわかる。しかしながらこういうぐあいに簡單明瞭に、何らの條件なくしてフラットに年末賞與は認められないというふうに書きますと、将来年末賞與を置こうというときに、これが非常に妨げになりはせぬかということを憂うるのであります。この二点についてちよつとお伺いいたしたい。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 ただいまお尋ねの点は、先ほどから申しましたことでほぼ御推察が行くと思いますが、第一点につきましては、やはり裁定の主文といたしましては、この切り下げられたという部分を抑え、こういうことを言うているわけであります。  それから年末賞與のことは、現在今度の事件では年末賞與は拂わないようにしている。そのかわりまだ年末までには時間がありますから、新しい賞與制度をひとつ考えたらどうだということを言うているのであります。

滿尾君亮民主自由党

○滿尾委員 そういたしますると、逆算いたしますと待遇低下の補填ということは、月に大体五億円を想定しておられるようでありますから、六箇月分の補填になる。ちようど六月からという御見当をつけられたように推察するのであります。さらにこの理由書を拜見いたしますると、その待遇低下なるものが、宿舎料の値上げその他等々ということが三十ページに書いてある。ここに合計五十八億円とこう書いてあるこの金額は、相当まとまつた金であつて、問題は私はこの五十八億円の見当につきまして、相当検討されなければ、今回の裁定の核心が明確にならぬように思うのである。ところがこの五十八億円という非常に大きな金額を、いとも簡單に等々のものを累計すると十指に余りあるというだけで、ぽかんとこれが出て来るのでありますが、この点をもう少し御説明いただいたならば、われわれは本問題について正しき理解を持ち得るのではないかと思うのでございます。御敷衍ができますならば、もう少し伺いたい。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 その問題につきましては、裁定書の解説だけでは足りないと思いまして、さらにこまかく計算しました資料を、事務局の方に提出してあるはずでございますから、ごらんを願いますと、おわかりくださるだろうと考えております。

滿尾君亮民主自由党

○滿尾委員 それでは次のことに入ります。加賀山総裁にお伺いいたしたいのでありますが、九月の十四日の調停のときに、公社側からお出しになりました理由の中に、国鉄の従業員だけが国家公務員に先んじて待遇改善を受けるのは、ちよつとぐあいが惡い。こういふうな御意向が出ておるのでありますが、仲裁委員会の裁定理由書の中には、国鉄の給與というものはこれは能率主義にのつとるべきものである。かつその金額と待遇につきましては、まつたく独自の性格を持つべきものであつて、国家公務員のそれとは切り離して考えらるべき性格のものであるということを論じておられる。私もこの委員会の御意見については、全面的に賛成なのでありますけれども、かんじんの総裁の方からこういう公文書をもちまして、非常にきつく国家公務員の給與制度との牽連をおつくりになつたようでありますが、これは将来の国鉄の従事員の給與問題を考えまするときに、非常に害になり、妨げになる。私はかように考える。従つて加賀山総裁は国鉄従事員の給與の本質につきまして、どういうふうなお考えをお持ちになつておるのか、この際伺つておきたい。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 調停案の出ました当時は——御承知のように六月一日に日本国有鉄道が発足いたしまして、初めてそこで公務員と違う身分を得たわけでありますが、九月十四日当時といたしましては、まだ三、四箇月ということでございまして、もちろん法律の上あるいは身分上ははつきりと区別ができるわけでありますが、御承知のように昭和二十四年度予算といたしましても、運輸省当時のいわゆる政府官庁としての予算を、そのまま踏襲して来ているわけであります。そういう意味から言いまして本年度といたしましては、特に公共企業体となつてまだ間もないということからいたしまして、何と申しますかごく率直に言えば、気持の上からいたしましても、公務員と非常に離れた措置はとりにくいという状態にあつたのでございます。従いまして調停案が出ましたときは、私どもといたしましては種々客観的情勢から見まして、また国鉄の財政から見て、この調停案は受入れられなかつた。そうしてさような見解を表明いたしたわけでありますが、これはいわゆる国有鉄道に関する法規の整備と相まちまして、漸次自主性を獲得して参る。そうして従事員の給與につきましても、單に身分が違うというだけでなくて、その特殊性にかんがみまして、企業体に適するような能率的な給與をやつて行くということにいたさなければ相ならぬ。かように確信いたしておるわけであります。ただこれには、一気にそこに進むということが非常に望ましいのでありますが、先ほどから申して参りましたように、いわゆる経過的な、過渡的な事情が現在まだあるという事情を御了察願いたい。かように存ずるのであります。

滿尾君亮民主自由党

○滿尾委員 運輸大臣にお伺いいたしたいのでありまするが、今回の国鉄の給與をめぐる騒ぎは、その実体におきまして、私どもは普通の日本人の判断から申しまして、いずれも同情を禁じ得ないものであります。今後同じような問題、今年の問題は今年の問題といたしまして、将来に毎年こういうことが起つては非常に困る。そこでこの年末賞與の制度につきまして、どういうふうに将来考えて行くべきか。現行法のもとにおきまして、国鉄従来員に対する年末賞與は、国鉄限りで大体できるかどうか。国家公務員でないからさしつかえはないように私は思うのでありますが、大臣はどういうふうに考えておられますか、お伺いいたしたい。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 現在の国鉄の法規におきましては、やはり給與をきめますときには、これを政府に国鉄総裁が具申いたしまして、政府の承認を得なければならない制度になつております。しかしながらこの公共企業体の従業員は公務員ではございませんから、国鉄の業績次第によりましては、現行の制度におきましても——もちろん他の公務員と、あるいは一般の民間の企業との比較というような点に対しましては、それぞれ考慮いたさなければならないと存じまするが、絶対にできないとは考えません。もしそれ将来のことにいたしますならば、本日も午前中から申し上げたのでありまするが、公共企業体の従業員が能率をあげて、そうして予算を余したという分がありましたならば、これを国鉄総裁限りで還元ができるように、拔本塞源的に国鉄の形態を改めて行くのがより理想的ではないか。さように私としては考えておる次第であります。

滿尾君亮民主自由党

○滿尾委員 私はこの問題のいろいろなあやを考えてみましたときに、給與の実体から来るところの傾向、あるいは年末質興という給與体系から来るところの抵抗、この第二段の抵抗が何がしかひそんでおるということに疑念を持つたのであります。ところが給與体系というものは一年間の総額でものを考えて、それを時期的にどういうように配分するか。もう一つはもちろん業績なり能率主義によつて配分する観点もありますけれども、かりに時間的に時期的に配分するテクニックというものがここに出て来る。ところがわが国の民族的な考えと申しますか、ほんとうの日本人の風俗、習慣、生活感情というものをまつたく無視することは、将来においても、これは非常に困難な問題を含んでいる。従つてこういうような議論は今年限りでおしまいにするように、ぜひ年末賞與というものについて拔本的なお考えを運輸大臣において腹をきめていただきたい。来年度は予算制度の上に、最初から正々堂々とそういうものを入れるように、御勘考をお願いいたしたいと思うのであります。  それからもう一つ菊川君にお伺いしたいのでありますが、先ほど冒頭に申しました通り、同君が仲裁委員会の裁定に決然として服従せられる決意につきましては、非常に敬意を拂つたのでありますが、同君は同様に、国会の決定につきましても、釈然として御服従いただく御心境にあられることと私は推察するのでありますけれども、御心境を伺つておきたいと思います

菊川孝夫日本国有鉄道労働組合中央執行副委員長

○菊川参考人 まことにけつこうな御質問で、私もその点に対しては、一言触れたいと思つておつたところでございます。と申しますのは、私も労働運動の指導者の末席を汚している以上、やはり心持だけは、世界の労働運動の指導者と同じような気持で行きたい。そこで立法、司法、行政の三権が分立されております現在、公共企業体労働関係法というりつぱな法律がございまして、それに従つた決議が一旦なされる場合においては、われわれは服従いたします。しかしながら今御審議されようとしていることは、私たちの考え方からいたしますならば、十六條の二項というものによつて、予算を含んで国会に出て来て、こういうような費目を流用することは国の財政がらいかぬとか、そう言つて削られてしまつて議決されたのならば、私たちはやむを得ないと思います。しかしながら今回の御審議の模様を拜見いたしておりますと、そういうようか法律に従つた御審議がなされておらない。しかしてこれが一旦議決されましたならば、当座は服しましよう。しかしながら、ただちにこれは——法律違反としてのどういう手続をするかということは弁護士に伺いますが、法律違反としてわれわれは最高裁判所に訴えるというだけの決心を持つております。この例は、かつてアメリカにおきまして、タフト・ハートレー法というものがしかれまして、実施されようとしたときに、CIOもAFLもこれには全力を振つて反対した。しかしながら一旦国会を通つた以上、やむを得ない、服従しようと言つて、彼らは服従しました。しかしCIOのライリップ・マレーは国会で議決されたことであるならば——機関紙に政治的な活動をするところの論文を掲げたりすることはいかぬということがあつたそうでありますが、これは憲法違反であるというので、彼は敢然としてこれは憲法違反だ、CIOの各組合は堂々と機関紙に載せよという指令を出しております。そして一方最高裁判所にこれを提訴して、フイリップ・マレーの勝訴になつたそうです。そういう例もございますから、われわれはそれだけの行動をとる覚悟でありますが、これはりつぱな合法鬪争だと私は考えます。この気持だけは全議員各位おくみとり願えることと確信いたしております。

滿尾君亮民主自由党

○滿尾委員 菊川君があくまでも合法的な手段によつて、正々堂々と所信を貫かれようとする努力につきましては、非常にけつこうであろうと思うのであります。しかしながら合法機関による過程におきましても、徹底的にりつぱな態度を示されるようにお願いして、私はその点の質問を終ります。  最後に運輸大臣にもう一ぺん伺います。実は私もかつて国有鉄道に長くおりました者で、現在の国有鉄道の従業員の生活状況につきましては、同僚議員の諸君よりは、より近いところにあつたので、よりよく存じておるつもりでございます。従つてその給與の低さ、その実態をつらつら見ましたときに、虚心坦懷に見まして、まことにお気の毒だと考えておるのであります。今日はいろいろ御議論がございましたが、法律的な見解は別といたしまして、大臣の率直なる御心境をお漏らしいただいて、お伺いした上で私の質問を終りたいと思います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 私は国鉄の経理の面が許すならば、もちろん仲裁委員会の御裁定の通り実行いたしたいという気持には、やぶさかでないのであります。最初は国鉄総裁が、その責任において経理の面をいろいろ検討いたしまして、特に十八億は款項目の流用で可能であろうというような意見が出て参りました。これを一人頭に平均いたしますと、約三千六百円ということに相なるのでありまして、私もこれは一応も二応も妥当であると考えました。しかるにその後各方面からのいろいろな角度から検討いたしました結果、それが平均いたしますと、三千一円、トータルは十五億五百万円ということに相なつたのであります。今回の措置はこれ以上は運輸大臣といたしましても、残念ながらできかねることをまことに遺憾に思いますが、将来の点に対しましては、委員諸君から本日午前中以来いろいろな方面、いろいろな角度から種々な御意見がございました。その点はよく吟味いたしまして、国鉄の諸君に、国鉄の経営の面の十全を期待いたしますとともに、待遇の面におきましても、政府といたしまして十分に考慮いたしたいと考えております。

滿尾君亮民主自由党

○滿尾委員 私は同僚議員の皆さんにぜひお願いいたしたいのでありますが、実は昨年の年末賞與も国鉄はたいへん遅れまして、月末せつぱ詰まつて出たのであります。この賞與の出方が非常に遅くなりますことが、何よりも惡い影響がございますので、政治上のお立場もいろいろあることながら、ぜひ皆様にお願いしまして、一日も早く出ますよう、御協力いただきますようにお願いして、私の質問を終ります。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 成田知巳君。

成田知巳日本社会党

○成田委員 二、三重要な点についてごく簡單にお尋ねしておきたいと思います。  最初に十六條の解釈について末弘さんに御意見を伺いたいのであります。先ほどの福田委員の質問に対しまして、大屋運輸大臣は、経営能力の範囲内における支出というものは当事者を拘束する、しかしながら範囲外のものについては、国会の承認が必要である。国会の承認がないときには、債権、債務は消滅する、こういう御答弁をなさつたのでありますが、十六條を表面から読んで見ますと、資金の支出を内容とするいかなる協定も政府を拘束するものではない、こう規定してあるのであります。従つてこれを反対に解釈いたしますと、たとい経営能力外の支出でありましても、当事者、すなわち公社と従業員とが拘束されるものだと解釈されるのが正しいことと思うのでありますが、これに関する先生の御意見を伺いたいと思います。なお国会で承認がなかつた場合にも、こういう解釈からいたしましたならば、政府の責任は一応解除される、しかも公共企業体の資金の支出が不可能でありますから、裁定書に示された期間内にその金額を支出となくても、債務不履行には陷らないけれども、債権債務は嚴として存在するのだ、こういう解釈に立つております。一応承認がなければ、抗弁権が政府並びに公社側に出るのだ、こういう解釈をするのが正しいと思うのでありますが、先生のお考えはいかがでありましようか。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 大体今おつしやつたようなことで正しい解釈のように思いますが、要するに問題は、つまり昨日から繰返し申しますように、予算上、資金上、可能なる範囲というものが客観的にきまり得るわけでありまして、その範囲については動かすべからざる債権債務がある。それから先について、つまり政府を拘束しないといつている部分は国会にあるのであります。国会が何らかの措置をとる。これはこういうふうにしたい、ああいうふうにしたいというさしずをされたならば、そういうふうに公社はすることができ、それからまた政府が何らかの措置をしなければならないならば、政府に対する義務が出て来ると思います。それから終りの部分つまり債務がなくなるのか、抗弁権かどうか、債務はまだ続くのかという問題は、あの公労法からだけでは結論が出ない、相当人によつて議論があるであろうと思います。従いまして、こういう席で私の議論はこうだということを、委員長として今日呼ばれた以上は、申さない方がいいのではないかと思つております。おそらくもつと惡いぎりぎりの場合になれば、しなければならない議論だと思いますが、私がそういう議論をここでしたくないというのは——そのために、昨日申したように、あの経済の中から三十億ほんとうに貸してあげさえすれば、裁定書の理由にも書いてあるように、ほんとうにむりなく事の解決ができることなのだから、そういう議論はしないでいただきたいというのが、むしろ私の念願なのであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 先生の御意向はよくわかるのでありますが、しかしながら政府が、そういう先生の御意見があつたにもかかわらず、そういうことを履行しようとしないという非常に重大な問題に逢着しているわけなのでありまして、委員長として、この困難な問題についての御意見を述べられることは、立場上非常にお苦しいかもわかりませんが、しかしこの問題の重要性にかんがみましたならば、この際ぜひとも委員長としての御意見を伺いたい。もし委員長としての御意見が不可能でしたら、末弘博士個人としての御意見をぜひ承りたいと思います。

末弘嚴太郎公共企業体仲裁委員会委員長

○末弘参考人 この問題は、はつきり申したならば、解釈上議論のある問題だということをお答えするのが一番いいのではないかと思います。かりに私が労働組合側の弁護士になれば、裁判所で勝つだけのりくつを言う根拠があると思いますし、もしも公社側の弁護士になれば、相当鬪える、りくつも言える、議論がある、そのくらいのところでひとつ……。法律論というものはそういうものであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 この問題はこれでおきまして、次に大屋運輸大臣、加賀山総裁にお尋ねしたいと思います。この問題は先ほど土橋委員、柄澤委員からも御指摘があつたと思うのでありますが、政府の財政政策、経済政策によりまして、国鉄従業員が相当の賃金の引下げを受けている、犠牲をこうむつている、こういうことを裁定書にうたつてありまして、特に具体的な例を十幾つかあげております。昇給、昇格の繰延べ、宿舎料の約六倍の値上げ、合宿料の四七%値上げ、夜勤手当率の切下げ等々あげまして、中には労働基準法に基く超過勤務手当の不支給というように、公社自身が法律違反を犯しておるということさえも、具体的に麗々しく書いてあるのであります。この政府の賃金切下げのために、約一箇月一人当り千円の損害をこうむつておるということを、裁定書に具体的に書いてあるのでありますが、この裁定書に具体的に示された事実を、政府並びに国有鉄道総裁はお認めになるかどうかという点をはつきり御答弁願いたい。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいまの成田君の御質問の趣旨、すなわち裁定書の中に記述してありまするこの国鉄従業員の待遇の薄くなつた等の数点の問題に対しましては、全部そのままうのみに政府としても承認はいたさない気分でございまするが、大体さようなことがあることは認めておる次第であります。かるがゆえにこの問題に対して政府も……(「認めていないのか」と呼ぶ者めり)はつきりわかつております、認めておりまするが、財源の点に遺憾の点かあると答えているのであります。

加賀山之雄日本国有鉄道総裁

○加賀山説明員 その千円という問題につきましては、今度の裁定の一つの論拠になつておるように思われるのでありまして、先ほど申し上げましたように、日本国有鉄道といたしましては当事者である建前上、これに対するとかくの批判は遠慮させていただきたいと思いますが、ただその中には、必ずしも待遇と言い切れないものも入つているようにも考えられるという点だけを、申し上げておきたいと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 運輸大臣の、最初は大体認めるというような御答弁だつたと思います。後ほどのは、全面的にこれをお認めになりますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 言葉じりをつかまえてもらつては困るのでありますが、ああいう種類のことを、全部ではありませんが一部分認めます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 これは言葉じりをとらえるわけでも何でもないのであります。この裁定書を見ると、これらの処置によつて受けた職員の不利益を算出すると一人当り月一千円を越え、これから生じた公社の負担減は本年度五十八億円と判定する、この五十八億の八割、約四十五億円というものを、この根拠に基いて裁定書は出したわけであります。ですから、これを一部でも認めるということになりましたならば、これに対して支給されるところの手当というものは、昨日末弘先生がまことに親切に政府に御注意なさつたのでありますが、賞與の形になる、この裁定の根拠はここにある。それを全面的に認めなければ、それ以外のものは賞與の形になつて、これは二重取りできるだけの権利を組合員は獲得するということになる、そのどちらかということを、はつきりさせていただきたいと思います。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 裁定書に書いてあることを政府は全面的に認めておらぬのであります。ただいま成田君の御指摘の点は、一部私が認めると申し上げたのであります。何らここに矛盾も撞着もありません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そういたしますと、大体お認めになつたとすれば、結局政府としては当然拂うべきものを拂わなかつたという結果になつたわけでありますが、この点について政府にお尋ねしたいのは、税金の問題でございます。御承知のように昨年賃金ベースの改訂が行われました際に、年末調整をいたしまして非常な收入減になつて一月、二月の給料は税を引きますと二千円、三千円という赤字さえ出ておるのであります。今回のこの給與は、当然政府が拂うべきものを拂わなくて今日まで持ち越して、履行遅滯をやつておつた。こういうことを考えますと、この税金の問題について、政府は相当の考慮を拂うべきである。減税すべきか、あるいは分割拂いにするかというような、当然の処置がとらるべきであると考えるのでありますが、それに対する政府の御意見を伺いたい。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 ただいま御質問の点は、明日大蔵大臣からお聞き願いたいと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 大蔵大臣がおいでにならなくとも、少くともこの裁定書が出された以上、閣議でもこの問題が当然問題になつておると思うのでありますが、それについて大屋運輸大臣は全然お聞きになつておらないのでありますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 閣議で問題にいたしました。そうしてかようかようといういろいろな討論もありましたが、正確を期するために、大蔵大臣から答弁していただきたいと私は思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 正確な点は大蔵大臣から明日承るといたしまして、当時の情勢としては、政府としてこの税金の措置を相当考慮される御意志を持つておられたかどうか、その点についてお伺いしておきたい。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 やはりその点も大蔵大臣から御聽取を願いたいのでございます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 次に菊川さんにお尋ねしたいのであります。先ほど菊川さんの御答弁の中で、仲裁委員会の裁定によつては、一文も與えられぬということになつてもという、悲壯な決心で調停委員会にお出しになつたということを聞いたのでありますが、これについて民自党の方の、この裁定書が国会で否決された場合においても、同様な考えを持つておるかというような御質問に対して、最高裁判所に提訴するという見解を御表明になつたのであります。この問題は国鉄従業員全般、特に下部組織に非常な大きな影響を及ぼすと考えておるのでありますが、現在菊川さんの御見解あるいは見通しでは、国鉄従業員が最後の綱と頼んでおりましたこの裁定書が、政府に拒否された場合に、どういう影響を與えるかということについての御見解を伺いた。

菊川孝夫日本国有鉄道労働組合中央執行副委員長

○菊川参考人 先ほどから繰返し私が申し上げました通り、国会に付議してその承認を求めなければならない、こうなつております。普通組合の会議におきましても、執行部から何か提案する場合には、必ずこれについては意見がついておる。これは承認してくださいと持つて来る。政府はそう来るべきだと思う。これは国の財政上非常に困難であるけれども、こういうふうだから、ぜひとも承認してくださいと国会に出し、それはいかぬ、今の国の諸般の情勢からいかぬから、削られたというならやむを得ない。そうしたならば、公労法に従つて処置されたのだから、やむを得ない。しかしながらその公労法に従つた処置がなされていないところに、私どもは不満があるんだから、これを公労法違反として最高裁判所まで持つて行つて争おうというので、現在は顧問弁護士を委嘱いたしまして、その手続を研究中でありまして、どう持つて行くか、もし万一の場合にはどうするかということを、組合としては検討いたしております。しかしこれがいかなる影響を組合に及ぼすだろうかということについては、皆様方はたびたび労働組合はあくまで経済的な要求を掲げて鬪争する、政治鬪争は政党がやるんだということを申されておりますけれども、こういうことになりますと、勢い政府みずからが、労働組合を政治鬪争に引込むというような結果に私はならざるを得ないと思う。それをおそれるのであります。それをきわめておそれておりますが、すでにもうそういう意見を吐く連中が多くなつて来ておるという危險が、きわめて多いということをよくお考え願いたい。

成田知巳日本社会党

○成田委員 もう一つお尋ねしますが、先ほど申しましたように、裁定書に超過勤務手当の……     〔発言する者多し〕

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 靜粛に願います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 労働基準法に基く超過勤務手当の不支給という項がありまして、政府みずから労働基準法を犯しておるということがはつきり規定されておるのでありますが、これに対して労働大臣はいかなる御処置をお考えになつておるか、明確なお答えを願いたいと思います。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 御承知のように、六月までは国鉄の現在の従業員の方たちは公務員でありまして、労働基準法が適用されておらなかつた。その後において適用されるということになつております。裁定書にありましたような事実がどの程度ありましたかということにつきましては、なお詳細に政府としても調査をいたしますけれども、国鉄が公共企業体になつてから以後の基準法の適用につきましては、十分の処置をいたしたいと思います。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員長 本日はこの程度をもつて散会いたしまして、明日午前十時より引続きこの連合審査会を開きまして、関係当事者各位の御出席をお願いいたし、質疑を進めたいと存じますから、本日御出席の関係各位は、御足労ながら明日も午前十時より御出席をお願いいたしたいと思います。右御了承願います。なお明日午後一時より労働委員会を開会することといたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後七時四十五分散会

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