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7回国会衆議院1950/03/23

労働委員会 第9号

発言数
131
登壇者
13
会派数
5
開催日
1950/03/23

会議録

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 これより会議を開きます。  まず夏時刻法の一部を改正する法律案を議題といたします。

篠田弘作自由党

○篠田委員 議事進行に関しまして動議を提出いたします。本案は趣旨、内容ともに十分わかつておりますので質疑、討論はともに省略いたしまして、ただちに採決されんことを望みます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 ただいまの篠田君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決定いたしました。  夏時刻法の一部を改正する法律案を採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なお議長に提出いたします報告書の作成については、委員長に御一任願いたいと思いますから、さよう御了承を願います。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 次に公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、議決第二号につきましては、去る二月十八日質疑を終局いたしまして、委員会としては討論に入る段階にあるのでありますが、この際政府から本件について特に発言を求められておりますから、これを許します。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 昨年の十二月二十八日に専売公社の労働條件についての紛議について仲裁委の裁定がございまして、本年の一月七日当時の客観情勢のもとにおいては、公労法第十六條第一項所定の通り、公社の予算上、賃金上これを支出することは不可能でありましたので、同條第二項によつて国会に付議する手続をとり、当院の労働委員会において御審議を継続していらしたのでございますが、昨日すなわち三月二十二日現在の情勢のもとにおきましては、公社の経理状況、予算上、資金上等を勘案いたしましたところ、可能となることが確定いたしました。すなわち公社の予算のうち、人件費において一億三千二百万円の余裕を生ずることが明確になりました。しかして裁定は御承知の通り一億二千八百万円を支出すべしとの内容を盛つておるものでございまして、すなわち予算上一億二千八百万円の支出は可能となるに至りましたので、昨日の閣議において裁定はこれを全面的に受諾することを決定いたし、不日これが履行を完遂するはずでございます。  以上の通りでございますから、この機会においてつつしんで皆様に御報告を申し上げます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 ただいまの増田官房長官の発言に関して、若干の質疑を行いたいとのことでありますから、これを許します。吉武惠市君。

吉武恵市自由党

○吉武委員 ただいま官房長官の御説明によりますると、本委員会に付託されておりました専売公社の裁定については、その後予算上可能になつたということでありまして、私どものまことに喜びとするところであります。本委員会は去る二月の八日から始めまして、数回にわたつて審議をいたしまして、一応二月の十八日に打切つたのでありまするが、その間われわれといたしましても、可能であるものは、できるだけ支給したいという意図があつたのであります。しかしながら当時においては、政府の御説明を聞きましても、予算の流用その他の方法を講じない限り、とうていできないということでございましたが、われわれとしては何とかして少しでも出したいと思いましたために、本委員会といたしましても、実は決定を延ばしまして今日まで来たのであります。その後政府も努力をされまして、三月の年度末に際しまして、ただいま官房長官の御説明を聞きますると、人件費から一億二千八百万円の金が出ることになつたということでございます。私どもは昨年の暮れの国鉄裁定の際にも、私が自由党を代表いたしまして決議案を出し、裁定の趣旨はできるだけこれを尊重したいということを提案をいたしまして、多数の皆様の御賛同を得たのであります。私どももこの裁定につきましては、能う限りこれを尊重したいという趣旨であつたのであります。本日官房長官から可能になつたという御説明を聞きまして、まことに喜びとする次第でございます。つきましては、もしそういたしますると、本委員会に付託されておりまする本件は、もともとただいま官房長官の御説明にもありましたように、公労法第三十五條但書に基きまして、すなわち第十六條に該当する場合はそれによるということでありまするから、第十六條によつて当時予算上、貧金上その支出が不可能であつたために、同條の第二項によつて本国会にそり議決を求められたのであります。しかるに今日においてこれが可能になつたといたしますると、もはや第十六條に該当する事項はなくなつたのでありますから、本件はすでに消滅したことになると思うのでありまするが、これにつきまして官房長官の御意見を承りたいと思います。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 当委員会において、まずもつて、もしできるならば専売公社に対する裁定はこれを受諾するように、政府において鋭意研究せよという御熱望がございまして、その御熱望に応じまして、政府においては検討を継続しておりました。最近に至つて、経理状況の推移にかんがみて、裁定を全部受諾し得ることになりましたにつきまして、当委員会における委員長及び皆様の御熱意について、つつしんで深く敬意を表する次第でございます。  それから、今吉武さんの御質問の通り、われわれは第十六條第一項によつて、一月七日及び最近までは、公社の予算上、資金上不可能なる裁定であるとして、国会に同條第二項による所定の手続をとつた次第でありまするが、今や第十六條第一項に該当せざるに至つた次第でございます。従つて議案としては意味を失つたものだというふうに解釈いたしておる次第でございます。

吉武恵市自由党

○吉武委員 ついでに、専売公社の総裁にお尋ねいたします。ただいま政府の代表者としての官房長官から、資金上支出が可能になつたということでございますが、公社におきましても、ただいま政府から御答弁がありましたごとく、一億二千八百万円の支出が可能でありますかどうか、一応御意見を確かめておきたいと思います。

秋山孝之輔日本專売公社総裁

○秋山説明員 ただいまのお尋ねに対して御答弁を申し上げまする前に、私は専売公社の総裁として、かねてから御審議をいただいた皆様の御好意に対しては、厚くここに御礼を申し上げる次第でございます。  私も、政府に出していただきたいということを申し上げた趣旨におきまして、そのうちで若干でも出したいということから、実はひそかに調べておつたのであります。最近に至りまして、裁定の金額まででなくとも、よし千万円でも二千万円でも、私の権限内において出せる金額がありますれば、出したいと存じまして、各地方局、工場その他に対しては極力精査を命じまして、急速に精査いたしました結果が、私の当初予想していたものよりは多くなりまして、ただいま増田官房長官から申し上げました一億三千二百万円近くの金があるということを確認いたしました。そういたしまして、かような次第であるから出したいということを政府に申し出たことは確かでありまして、あなたの御質問に対しては、これで十分と思うのであります。

吉武恵市自由党

○吉武委員 専売公社の裁定の問題については、以上で明確になつたのでありますが、次に私は、国鉄の従業員の給与について、官房長官にひとつお尋ねをしたいと思います。国鉄の裁定につきましては、昨年の暮れに十五億五百万円かの支出を見たのでありまして、その残余の分につきましては、当時の予算上、資金上不可能でございましたので、国会においてはその残余の分は承認することができなかつたのでありますが、われわれといたしましては、その附帯の決議に、もし将来多少とも金繰りができるならば、できるだけ給与の面について改善をせらるべき旨の附帯決議をいたしまして、政府に要望しておつたのであります。今回専売裁定については、資金上可能でございまして、ここに支出ができることを確定したのでありますが、国鉄につきましても、もしできれば幾分でもこの支出をさしてやりたいという感じを深く持つものでありますけれども、政府におかれましては、いかなるお考えでございましようか、お聞かせいただければ仕合せだと思います。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 国鉄裁定の不承認の決議を皆様でなした場合に、附帯決議をなすつておることは、われわれも承知し、またでき得れば附帯決議の趣旨を貫徹いたしたいと、常々考えておりました。しかるところ今日の経理状況を見ますと、偶然ではございまするが、暖冬の関係で、石炭が節約できましたのと、それから石炭の統制撤廃により、カロリーの高い石炭を使うことによつて——御承知のごとく五千二百カロリーの石山三トンと、六千二百カロリーの石炭一トンとは相当いたしますが、必ずしも六千二百カロリーの石灰は三倍までにはなつていないのでありまして、そういう方面の節約と合せまして、偶然ではございまするが、約三億くらいの余裕が出るであろうということを、昨日閣議において大屋運輸大臣も発言された次第でございます。しかしてこれだけの余裕が出るならば、何とかして実質給与の増額に充てたい、こう考えております。もとより吉武君も御存じの通り、裁定は今法律論争の対象にはなつておりますけれども、われわれは承認いたさなかつたのでありますから、公労法第十六條第二項によりまして、効力を発生せず、こう考えておりまするが、裁定を離れまして、何らかの実質給与を増額いたしたいと考えております。しかし関係方面との折衝その他もございますから、今日は明言はできかねまするが、はつきりと申し上げたいことは、あくまでも附帯決議の御趣旨は尊重し、これを具現化いたしたいという熱意を政府は持つておるということを、申し上げる次第でございます。

吉武恵市自由党

○吉武委員 なお先般の国鉄裁定の際に、附帯條件の中に、一般公務員の給与の改善についても希望を述べておいたのであります。今の官房長官のお話によりまして、専売公社の従業員につきましては確定をいたし、国鉄従業員についても三億幾らの金を何とか努力中であるということで、はなはだ喜ぶ次第でありまするが、この際一般公務員についても、できれば何とか御努力を願いたいと思うのであります。これにつきまして、もし御意見を承ることができれば仕合せだと思います。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 公務員の給与ベースについて、われわれが勧告には、はなはだ不本意ながら応じがたかつたことは、吉武君の御存じの通りであります。しかしながら、昭和五ないし九年に比べまして、実質賃金がまだ低いということも、これまた政府の認めるところでございます。給与ベースは変更しがたいにいたしましても、何らかの措置をとつて、官公吏の実質給与を向上せしめたいということは、総理大臣あるいは政府全部、また自由党の皆さんのこぞつての熱望でございます。われわれも何とかいたしたい、こう考えておる次第でございますが、しかし本年度におきましては、遺憾ながら、政府として検討いたしましたところによりますと、経理上の余裕は出て参りません。それから明年度につきましては、各省各庁に配当さるべき予算について、どれだけの節約ができるか、また欠員分を現在員が勉強して能率を増進し、節約をした場合には、どれだけの余裕ができるかということを、現に検討中でございまして、これにつきましては、明確なるお答えはいたしかねまするが、何らかの措置をいたしたいということは、これまた政党、政府を問わず、こぞつての熱望でございます。このことを明瞭に申し上げます。ただ本会計年度におきましては、ただいまも申した通り、全然政府の見るところでは余裕はございませんが、しかし各会計、各省庁におきまして、かりに余裕が出たといたしまして、そうしてもう一つ、かりにでございますが、かりに超過勤務その他が、実際に従来適正合法に支払われてなかつたという場合に、合法にしてしかも適正なる支払いを、その余裕の中から各省各庁が出したという場合においては、政府は、これは不当であるといつて干渉する限りではない。各省庁において合法にして妥当なる支払いをしたものまでも、不当であるとして干渉しがたいということは、この際明言し得るところでございます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 赤松君

赤松勇日本社会党

○赤松委員 第一に、本件に関しまして、取扱い上これは重大な問題でございまして、先例にもなるかと思われますので、事務総長の御出席をお願いいたします。  第二に、先ほど吉武委員のお言葉の中に、国鉄の第一次裁定が国会において不承認になつたというお言葉がございましたが、これは増田官房長官にしばしば議院運営委員会においても申し上げました通り、決して国会において不承認になつておりません。衆議院及び参議院の議決はそれぞれ異なつておるのでございまして、承認、不承認のいずれの議決をも見なかつたというのが正式な決定でございますから、この際御訂正を願つておきたいと思うのでございます。  第三点といたしまして、私官房長官にお尋ねしたいのでございますが、さきに本件が国会に付議されまして、しかも付議されました理由といたしましては、公労法第十六條に基きまして、予算上、資金上本可能であるということで、これがかかつた。しかも当時幣原議長は、議院運営委員会に諮ることなく、これを独断でもつて労働委員会に付託をいたしまして、これが運営委員会で非常な議論になりまして、われわれ野党側は、本件は公労法第三十五條によつて処理すべき性質のものである、国会に付議すべき性質のものではない。これは専売公社それ自身の経理能力の範囲内において十分まかない得るものである。こういう見解から、当時衆議院におきまして、本件の撤回動議を提出いたしまして、その提案理由を私説明いたしました。自由党は勇猛果敢にわれわれの動議に対しましては、これを否決したのでございます。昨日野党懇談会を開きまして、野党側を代表いたしまして国協党の石田一松君、あるいは民主党の川崎君、また社会党からは私や前田君が官房長官にお会いしまして、そうして専売裁定の取扱い方について、政府はどのようにするのであるかという質問をしたのに対しまして、昨日午前中の閣議においては、本件の撤回を要求することに決定した、このように官房長官はわれわれに答えておられたのでございます。引続き午後の運営委員会におきまして、重ねて私官房長官に質問をいたしました。その際も官房長官は、明瞭におそらく明日くらいには撤回の要求をすることになると思う、こうお答えになつたのでございます。官房長官がお帰りになりましたあとで、私は幣原議長に対しまして、こういうことになるのであるから、当時われわれは、これを国会に付議することに、いわゆる議長が受理することに反対したのである。しかも、もしも政府の方の撤回の要求があつた場合、これを議院運営委員会で取上げ、さらに本会議に付するということになるならば、一事不再議の原則に反するではないか、すなわち前回は、われわれは付議すべきものではない、この案件を撤回すべきであるという動議を出して、これが否決になつた。ところが今度は、反対に政府が撤回してくれと言う、このように同じ案件の同じ内容を、しかも異なつた議決を求めるということは、一事不再議の原則に反する。従つてそういう手続は、国会法上おそらくできないのではないか。従つて議長及び事務当局は、慎重に本件の取扱いについて考慮していただきたい、かように申したのでございます。しかるところ本日に至りまするや、政府は昨日野党代表、及び議院運営委員会におけるわれわれの質問に対して答えられたその答えとは、まつたく別個な方法で本件を処理されようとして、本労働委員会に望んでおられるのでございます。一体いかなる根拠に基いて、官房長官はこのような取扱い方をば本労働委員会に要求されるのであるか、その点をひとつ明瞭にしていただきたい。従つてこの際事務総長の御出席をお願いいたしまして、このような取扱い方は先例になるのでございますから、委員長におかれましても十分慎重にこの点をひとつ究明して、筋の通つた取扱いをせられんことをお願いする次第でございます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 委員長から赤松君に申し上げますが、政府は本委員会に向つて、どういうふうにしてくれということを申しておるわけではないのでございます。「官房長官が今言つたじやないか」と呼ぶ者あり)当委員会において政府の所信を承つておるのでありますから、その取扱いについてはわれわれが決定することであります。従つて事務当局の意見を徴する必要があるとのことでありますから、事務総長をただいま招致いたします。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 これは政府から国会に付議されている。従つてこれを衆議院が受理をいたしまして、そうして労働委員会に付託されている。この取扱いについての御希望が、ただいま政府の方からあつた。ところが昨日の政府の御希望と、今日の御希望とは違う。しからばこれはあくまでも、昨日官房長官がわれわれにお約束さました通り、撤回をお求めになる意思があるかどうか、この点をお尋ねいたします。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 まず第一の御質問にお答え申し上げます。われわれは国鉄公社裁定について、不承認があつたということを言つたことはかつてございません。そういう積極的の事実がなかつた、こう言つております。しこうして承認という積極的の事実があれば、公労法第十六條第二項によつて、裁定の日にさかのぼつて効力を発生する卸、かかる積極的事実がなかつたからして効力が発生しなかつた、こういつも言つておるだけであります。  第二の問題につきましては、この議案というものはすでに国会に繋属しております。かかつておるのであります。かかつておりまするから、国会において適当なる処置をされることをわれわれは期待いたしております。われわれの思考の過程において、あなたにお話したようなことがあつたことは、これは明瞭に認めまするが、また一事不再議、というようなことについても、これは国会が独自に御決定遊ばすことであると、こう私どもは考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 昨日政府の方のお考えを、われわれは運営委員会においてお伺いしたのでございます。委員会における政府の発言というものは公式でございます。しかもその席上におきまして、撤回を要求するという明瞭な意思表示があつた。ところが本日になりますると、どのように扱われましてもそれは国会のかつてである、こういうようなただいまのお答えでございまするから、どうも私は納得が行かない。昨日明瞭に官房長官が意思表示をされたように、撤回を要求されるかどうか、昨日のあなたの御言明に責任をお持ちになるかどうか。それともあなたの昨日のお考えはほんの思いつきで、国会法を十分知らなかつた、あるいは国会の慣例を十分知らなかつた、従つて一事不再議の原則を十分知らなかつたので、撤回を求めることは事実上不可能になつた。だから、ひとつこの際よろしく頼むと、あなたは正直にかぶとを脱いで、われわれに対して率直に、本委員会において適当に御処理願いたい、こういうふうにあなたがわれわれにお頼みになるのかどうか。こういうふうにわれわれは解釈してよろしうございますか。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 私は、昨日議院において申し上げましたことは率直に認めております。すなわち不日——今明日中には撤回手続をとるつもりでございますということは申し上げました。この点は明瞭に認めております。しこうして、第二のことを申し上げます。われわれは一事不再議の点については、われわれ自身は見解を持つておりまするが、これは国会の見解に従うべきであると、こう思つております。それから議案なり、法案なり、予算案は現に国会にかかつております。この法律案にも予算案にもあらざる、一般案件としての議案は、国会にかかつております。繋属中であります。繋属中の議案をどう処理するかは、国会がイニシアチーブをとるべきである。国会がイニシアチーブをとるべきであるということをわれわれは承認いたしたと、こういうわけであります。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 赤松君、事務総長が出席せられましたが、あなたの御質問は……

赤松勇日本社会党

○赤松委員 前田君から質問いたします。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 それでは前田種男君。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 今の問題に関連して質問いたします。  一応提案されました議案は、国会がしかるべく処理してもらいたいという官房長官の答弁でありますが、提案者自身が、もうすでに提案したときの内容とまつたくかわつた結論を今日意思表示しておられるのです。しからば国会に対して、提案者であるところの政府が、何とか議案に対しての意思表示を明確にされる必要があろうと思います。そうしなければ、出した議案がそのまま生きておるから、その議案をしかるべく国会で適当に処理してもらいたいということは、責任を国会に転嫁するということになりますので、むしろ提案者自身が、今言うように内容が提案したときの内容と今日かわつておる。だから政府みずからが、提案者として、一体この案件をどうするかという結論を明確に示していただきたいと思います。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 すでに議案が国会に繋属した場合は、国会においてイニシアチーブをとつて、議案についての処理をなさるべきであるとわれわれは考えております。ただしかし、議案に対する政府の考え方を明示せよという前国君の御意見は賛成でございまして、先ほど吉武君にお答えいたしました通り、議案というものは今や意義を失つた、センスレスになつたと、こう考えております。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 しからば、関連して官房長官に二、三の点をお聞きしますが、この案件が審議されました当初から、われわれは、国鉄と違いまして專売は、裁定書の内容に明記してありますように、公社に経済的余裕が十分あるということを裁定しておるわけです。それでありますから、専売裁定は三十五條によつて完全に拘束されている。それを事務上政府は手続をふめばいいということを繰返し申し上げて来たのでございますが、政府は十六條を適用されまして、資金上、予算上不可能だから不承認だという態度をとつて、繰返し答弁されて来たのでございます。こうしたことが今後再びないようにお聞きしておきますが、この問題に関する限りにおいて、十六條を適用せずに、完全に今日では三十五條によつて公社を拘束する、あるいは組合の方を拘束するという解釈でいいかどうか、政府の見解を承つておきたいと考えます。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 われわれはこういうふうに考えております。第三十五條によつて、まず第一に十六條所定の事項以外は全面的に公社、労働組合及び政府の三者を拘束いたします。しこうして当時の情勢においては、三十五條の但書に該当するということで十六條所定の手続をとりました。ところが、昨日も前田君にお答えした通り、今や——今やというところに力を入れて申し上げたのであります。今や経理状況の推移にかんがみまして、十六條に該当せざるに至つた次第であります。従つて三十五條の但書を離れて、本文によつて最終的に三者を拘束する。この規定を厚く遵奉して、われわれは今どしどし履行中でございます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 ちよつとお待ちください。秋山専売公社総裁はその筋に出て参ります約束がございまして、退席をされますが………

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 それでは秋山総裁に一言お聞きしたい。昨日か今朝の新聞に、公社は組合と三月二十日団体交渉をもつて、裁定の処理を結論的にされたという報道がございますが、この眞意を承つておきたいと思います。

秋山孝之輔日本專売公社総裁

○秋山説明員 今の質問が聞き取れませんでしたが、どういう御質問でしたか。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 三月二十日に公社と組合とで、団体交渉をもつてこの裁定を全面的にのむという具体的な処理がなされたということを、私は新聞で見ましたが、そういう事実があるかどうかということです。

秋山孝之輔日本專売公社総裁

○秋山説明員 それは新聞の誤報じやないかと思いますが、そういう事実はありません。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 なければけつこうです。というのは、はつきりそういうことが昨日か今朝の新聞に出ております。公社と組合との間において、裁定を全面的にのむ、事前に最終的にそういう協議されるということは、議案が国会に提案されて、政府の意思表示も結末ついていないときに——時間的にもちろんいろいろな関係はあろうとも、そうしたことがあつてはならぬと私は考えます。今新聞が誤報であるということでありますならば、それ以上追究いたしません。  さらに私は官房長官にお聞きしたいのですが、この公労法十六條によりますと、一旦十六條にかかりまして、その関連から審議が遅れますならば、最終的に国会が承認した場合は、裁定の日付までさかのぼつて実行するという、とを法は命じております。今の答弁によりますと、十六條を適用せずに三十五條にもどつたということになりますが、長い間十六條を適用して国会の審議を煩わしたために、八十何日という時間的経過ができているわけであります。だから法に基いて十二月二十八日の日付にして支払い、その他あるいは時間の延びた点等によつて、従業員側に与えたところの損害等に対して、政府はいかような考えを持つておられるか、この際承つておきたいと思います。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 今は法律問題の論争ですから、法律問題としてお答えいたします。すなわち三十五條の本文に該当するに至つたのは昨日であります。それでありますから、昨日両者を拘束する裁定の債務が発生した。今までは未必の状態である、われわれはこう考えております。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 公労法十六條の二項には、十日以内に国会に提出すべし、それから閉会中は、召集後五日以内という日限を切つて、裁定というものが最終的に処理されるように規定してあるわけであります。しかもその結論が出ました場合には、裁定のあつた日付にさかのぼつて効力が発生するとはつきり法律に明記してあります。今度の問題は、われわれはむしろ三十五條で最初から拘束すべきだと思う。それにもかかわらず、政府は逆に十六條を適用されまして、資金上、あるいは予算上不可能だから国会の審議を求めるということになつて来たわけでありますが、そのために八十何日という時間的ずれが出ておるわけであります。そうすると、このような時間的ずれというものは、当然政府の責任において解決されなければならないし、また裁定は十二月二十八日日付によつて効力を発生するということになるわけです。三十五條を適用すればそういうことになりますから、十二月二十八日付をもつて実行されるかどうかということを、重ねて承つておきたいと思います。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 この支払いについては、先ほど専売公社総裁に対して、新聞記事に関するあなたの御質問がございましたが、履行については、やはり話合いをいたして履行いたします。それから十二月二十八日にさかのぼつて効力を発生するということは、第十六條第二項の所定の場合に限るのでありまして、可能ということは初めからわかつていたからして、第十六條第二項にかかわらず、十二月二七八日に効力の発生をさかのぼらしむべきであるというあなたの議論には、承服いたしかねるのであります。何となれば、本年一月七日国会にわれわれが議案として提案したときの客観情勢のもとにおいては、経理上は不可能であつたのであります。先ほど公社の総裁も言われましたが、物件費から人件費へ流用しなければ、なかなか困難であるという状態でありました。前田さん御承知の通り、人件費総額は約四十億程度、そのうち一億二千八百万円出るやら出ないやらは、一月七日をもつてしては三月末を保し得ないことでございまして、年度末を目睫に控えた今日、ようやく明瞭になつた次第でございます。しかもあなたの御存じの通り、専売益金の方は当時一月七日は五億円くらいしか赤字が出ないであろうという予測でございましたが、それから二月以上を経過した今日の状態を申し上げますと、五億円にあらずして、その九倍である四十五億円という赤字が専売益金に出そうになつて来ております。かくのごとき当時の経理状況をもつてして、今日明瞭にわかるはずであるというあなたの御質問には、遺憾ながら同意しかねる次第でございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 これは私が可能だと言うのでなくして、專売公社の総裁は、十二月二十八日付をもつて大蔵大臣に所定の手続をしておるのです。こいうのは、公社においてそれだけの支払い能力があるという具体的な内容を示して、大蔵大臣に所定の手続を申請して来ておるわけであります。今控え目に公社総裁が答弁されましたが、われわれ委員会が要求した調査資料の中にも、明確に公社の総裁は十二月二十八日付をもつて、要するに経済上公社の能力があるという内容を具申して、政府に所定の手続をふんでもらうような申請をして来ておるのです。だからここ数日の間に、政府が三十五條によつて完全に可能になつたということは、政府の苦しい答弁であつて、実を言うと、最初からその程度のことはできる内容であつたということを、私は重ねて質問しておきたいと考えます。  それともう一つは、吉武委員の質問にお答えになつた国鉄裁定に対するとろの出目房長官の答弁でございますが、裁定の一部を実行して、一部が残つておる。その一部を可能な限りにおいてしてもらいたいという質問に対して、できるだけのことはしたいということでございました。裁定とは別個に従業員の待遇をよくするという答弁であつたように承つておつたのでありましたが、国鉄の場合におきましても、十八億のうち十五億五百万円を支払つて、残つておるものは裁定の一部だ、その一部を今日満たそうと政府はしておる。しかし裁定全体から申し上げますと、まだ多くの金額が残つて、今日問題が残つております。この三億の金にいたしましても、あくまでも裁定の一部だとわれわれは見ておりますが、政府は今の答弁によりますと、裁定とは関係なくして、できるだけ従業員の待遇をよくしてやるという意味において、何らかの形で具体化しようというお答えでございます。それを裁定の一部とお認めになるかならないかという点を、重ねて承つておきたいと考えます。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 前田さんにお答え申し上げます。吉武委員が御質問になつたのも、裁定の一部とは申しておりません。このことは私ははつきり聞いております。それからわれわれは裁定というものは承認があつたときに——十六條一項に該当する裁定の部分でございますが、その部分は承認のあつたときにさかのぼつて効力を発生する。しかして承認はなかつたのでありますから、効力は発生しなかつたとこう見ております。裁定は永久に効力は発生しなかつたと、こう見ております。しかしながら実質上は裁定の一部となるであろうと、社会的、常識的には思われる部分の履行と言いますか、そういう給与をいたしたい、こういうことを考えております。でございますから、法律的にはあくまでも裁定と離れてしかしながら常識的、社会的には裁定の一部に該当するような給与、そういう給与を、できれば関係方面とも折衝いたして実施いたしたい、こういう答弁をいたしたつもりでございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 政府は今答弁されたような見解をとつておられますが、いつまでもこの問題が残ることを、私は国家的に見て遺憾だと考えます。こういう問題は、できるだけ早い時間に解決すべきだというように考えます。もちろん解決するためには、いろいろ至難な問題がありましようとも、こうしたものは処理すべきだと考えます。今政府は詭弁に近い言葉をもつていろいろ言われておりますが、私たちは、この裁定をのむかのまないかという基本的な政府の考え方に、大きな誤差があつた。その問題から、今日の専売裁定の問題につきましても、今度のようなことになつたと結論せざるを得ないのであります。それでありますから、私が最後にもう一点お伺いしておきたいことは、第二次国鉄裁定に対する政府の方針は一体どうか。ということは、この問題が新しく国会の問題になるわけですが、新しく国会の問題になつた場合において、いろいろ問題がまた紛糾すると思いますので、第二次国鉄裁定に対するところの政府の所信を、もしここで明瞭にお聞きすることができますならば、承つておきたいと考えます。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 第二次国鉄裁定につきましては、目下政府をあけて鋭意検討中でございまして、御答弁いたしかねる次第でございます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田一松君。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 官房長官並びに事務総長にお聞きしたいのであります。その前に一応確かめておきたいのですが、この専売裁定の案件は先般の当労働委員会におきましては、質疑を一切終了し、打切つてしまいまして、次回に開かれる労働委員会においては、つまり今日はそれまでに質疑応答した、その結果に基いて、討論採決をするという約束になつておるのであります。今ここでこういう問題を質疑の形でやつておりますが、先般の労働委員会の最終日には、次回に開くときには労働委員会でただちに討論採決するという議決をなさつておるのであります。これはどういう関係になるのか。一応委員長なり何なりから御説明を願つておきませんと、われわれは何をしているのだか——今まで専売の裁定問題を、あんなに何日もかかつて質疑応答したのは何のためにやつたのだか意味がなくなる。国会の労働委員会を愚弄したことになる。そこで私は、今日の質疑をやつておるこの形は、この前の労働委員会で討論採決に行くと言われておるのは、これはどうなつたのか、この説明をひとつお願いしたい。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田一松君に委員長からお答えいたします。石田君は非常にお忙しいので、遅れて御出席になりましたから、私の初めの宣言をお聞きにならなかつたようでありますが、本日は石田君の申されました通りに討論採決をする日でありました。ところが本日開会に先だちまして、政府から特に情勢がかわつたことについて発言を求められた次第でありまして、その発言に関連して質疑したいという御希望が委員諸君の中から出て参つたものでありますから、本案に対して質疑は打切つておるのでありますが、政府の発言に対してそれに関連する質疑をお許ししておるわけであります。さように御承知おき願います。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 私はただいまの委員長のお言葉には、ちよつとふに落ちないものがあります。なぜかと申しますと、この労働委員会で先般まで、この専売裁定については委員長自体、この労働委員会自体が政府の所信を十分に開きまして、われわれも十分に質問をして、これはもう審議は済んでおるのです。これは採決するのみになつておるのです。それが情勢が変化したということは、どういうことでありましようか。これは少くともこの委員会が質疑を終了して、討論採決をするという段階になつておる。この専売裁定の問題は、そう簡単に、情勢がかわつたから、今までの労働委員会の審議は全部無効であつて——ただ何だかわからないものをひつぱり出して審議しているのであつて、これからは全然かわつたことになるという意味になるのでありましようか。こういう大きな問題を、委員長の一存で、政府が情勢がかわつたから発言したい、その発言に関しての質疑を継続するなどということは、あまりにもこれは労働委員会の不見識を示すものであります。その点について、委員長の御所見をお聞きいたします。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田君にお答えいたしますが、われわれ、労働委員は、つまり組合と会社側との争議に対する仲裁裁定は、もちろんこれは尊重すべきものであるということで、本委員会に懸案になりました案件について、御承知の通り熱心に今まで討議して参つたのであります。そこで各党からの政府並びに公社関係者に対する質疑は一応終了いたしました。そこで本日は討論採決をする運びになつておつたのでありますけれども、政府側から発言を求められたのでありまして、委員長といたしましては、それに対する質疑を許す許さないは、委員長の権限であります。けれどもせつかく政府から情勢がかわつたことについての発言があつたのでありますし、それについてあるいは先ほどの赤松君のごとく、衆議院の事務当局にも、その取扱手続に対する質疑をしたいという御希望もあつたのでありますから、それをお許しいたしておるのでありまして、委員諸君の御希望を尊重して、ただいま官房長官の発言に対する質疑を許しておる、こういう段階であります。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 このことで私は委員長を追究するのが目的ではないのであります。けれども少くとも本委員会は、もう少し権威を持ちたいということであります。政府の一言によつて、この委員会が左右されてはいかぬということであります。要するに本案件に対してこの委員会が審議した、いわゆる質疑応答を全部終つたと認めたが、これをただちに討論採決をすることを避けて、次の労働委員会で討論採決するという形にまでこれを審議したものを、政府が情勢がかわつたから発言を求めたい——政府が、今まで出せなかつたのが出るようになりましたということは、この委員会が過去において審議したことを、全部無効にしようとするものであります。少くとも政府に対する議会の考え方がちよつと劣つていやしないか。もう少し国権の最高機関であるところの国会の権威というものを重んじなければなりません。政府は、ただいま官房長官の説明によりますと、何だかこの専売公社の裁定が、自然に予算上、資金上可能になつて来ておるようなことを言つております。しかも秋山総裁は、当初からこれは予算上、資金上可能なのであるということをるる説明しておきながら、今日の秋山総裁の御答弁を聞いておりますと、それから後また十分に検討いたしましたところが、などと、まことに見えすいた、この裁定に対する自分たちの当時の検討の不勉強といいますか、不熟心といいますか、この専売公社の従業員の死活に関する大きな問題を、あとになつて考えてこれだけ可能なものが、その当時考えてそれが出なかつたなどということは、公式の委員会でそう軽軽しくおつしやるものではない。私は特に官房長官にちよつとお尋ねしますが……(「前置きが長いぞ」と呼び、その他発言する者あり)黙つておれ、黙つておれ。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 静粛に願います。     〔「もつと気のきいた質問をやれ」と呼び、その他発言する者多し〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田君、発言を願います。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 官房長官はこの裁定に関する情勢がかわつた。いわゆる公労法第十六條第一項、第二項の予算上、資金上、不可能な資金の支出が、可能になつたような情勢の変化を御説明になりましたが、可能になつたからどうだとおつしやるのですか、その意味をひとつお聞かせ願いたい。可能になつたから、今まで労働委員会が審議したあの質疑応答は全部取消してくだされと言うのですか。それとも、あれはそのまま、生きておると言うのですか。私はこれをひとつ官房長官から、この労働委員会が過去において審議したことが、あなたの発言で有効になるのか、ほごになるのか、どちらなのですか。その意見をひとつお聞きしたいと思います。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 石田君にお答え申し上げます。私が冒頭に答弁の際に申し上げたように、専売公社の裁定は、でき得るならば政府においてこれを受諾するように、そのために経理状況の推移等をよく検討するようにという、労働委員長なり労働委員各位の熱望がございましたので、政府も皆様の熱望を厚く奉戴しまして、検討に検討を重ねて参りました。そうして昨日に至りまして、すなわち会計年度末を目捷の間に控えた昨日に至りまして、第十六條第一項に該当せざるに至つた。すなわち予算上、資金上、支出は可能になつたということを申し上げておる次第であります。  それから第二に、第十六條第一項、第二項に該当せざるに至つた。すなわち議案についての所見を問うという先ほどの吉武委員の御質問でありましたが、それに対しては先ほどお答え申し上げました。すなわち議案は今や意義を失うに至つたと政府は考えております、という答弁をいたした次第であります。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 議案が意義を失うに至つた。そういたしますと、今までこの労働委員会で審議したことも、全然意義がなくなつた、こういうことにお聞きしてよろしうございますか。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 繰返して申し上げます通り、皆様の熱心なる御討議が実を結んで、今回第十六條第一項に該当せざるに至つた次第であります。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 増田官房長官の御答弁は、なるほど私たちの気持を奉戴なすつたり、あるいはまた私たちの審議が実を結んだりして、まことにけつこうなようですが、この前までの労働委員会の質疑応答の速記録を一ぺんごらんなさい。一つも実が結ぶどころか、この専売公社の裁定が、政府によつて蹂躙されようとした事実ばかりが速記録に載つておる。それがいつの間にやら、昨日になつて実を結んだ、ずいぶん木に竹を継いだような御答弁です。私には何をおつしやつておるのかさつぱりわかりません。私がここで特に強調しておきたいことは、これが意義を失うに至つたからというので、国会法の五十六條が何かを適用しようとなさつておると見るが、もしこの委員会が、この案件は本委員会に付議する要のないものであるなどと議決したならば、それこそこれは越権もはなはだしいことであるということを一本くぎをさしておく。そんなことでごまかされないから……  そこで私はちよつと事務総長にお聞きしたいのですが、国会におきまして、委員会ですでに質疑応答が終つた案件であります。その次に開く委員会においては、これを討論採決するという議決をもつて今日まで延べて来たのであります。それで次に開かれた労働委員会が今日なのであります。そのときに政府がこの委員会に出席して、特に情勢がかわつたので発言を求めたいということから、この提出した法案が全然議案の意義を失つたと考えると、政府が一方的に言うのであります。そのときに、国会の委員会が過去において審議した、その審議そのものの効力はどうなのか。その審議そのものに対して、当委員会の討論採決をするという議決は残つておるのか。残つていないのか。この点について、私は事務総長の説明をお願いしたい。

大池眞事務総長

○大池事務総長 石田委員の質問に対して、事務局を代表して全部の会議をした意見でありませんから、事務総長たる大池個人の意見を申し上げます。まだ初めての質疑でありまして、そういう委員会の処理に対する意見についての、委員部長等の意見等も徴しておりませんので、ただいまのような発言をした次第でありますから、あしからず御了承をお願いいたします。  なるほど委員会において、一つの議案がかかりまして、その議案審議中に、討論並びに採決を残しまして、一切の質疑を終了し、次の段階において討論並びに採決をする決定そのものをなされたのでありまするから、その討論並びに採決をなすべき委員会の決議事項は、確かに今日まで残つておると私は考えております。  その討論に入る段階におきまして、政府より発言を求められたこれは従来の議院法におきますれば、政府は何どきでも発言をなし得たのでありまするから、委員長としてこれを許可しないことはできないのであります。今回はそういうことが明文にはございませんが、憲法の上からも、発言のために政府は何どきでも本会議並びに委員会に出席することを得るという規定がございますので、当然出席をして発言をすること、その時期並びに方法等は、委員長もしくは議長の、委員会並びに本会議における主宰権者が認定することでありましようけれども、発言を拒否する方法はなかろうと考えております。従いまして討論に入る前に政府より発言を求められた場合、委員長がこれを許可することは至当であろうと考えております。その発言に基きまして——新しく発言があつたために、さらにこれに対して質疑をしたいというお話がありまして、質疑を続行されておる。その場合には、その質疑応答が終りました際に、前会の本案に対する採決並びに討論に入るか入らぬかという問題を、委員会で逐次決定をして進めて行くべき問題かと、こう私は考えております。ところが、ただいま途中から入つて参つて、いろいろ承つておつたのでありますが、裁定案がここにかかつておりまするのは、予算上並びに資金上支出不可能という状態において提出をされて今日まで審議の過程を進めて参つたものが、支出ができるという状態になつたという御発言があつたということでございますので、従いましてそれに関しまして、当委員会でかかる裁定案はいかなるものであるかということを御決定になつてそうして討論をし、採決をすべきものであるならば、お進めを願うのが当然であろうかと考えておる次第であります。  それからなお石田委員の御質疑の中に、委員会ですでに審議並びにいろいろやつて来ておつたものが、途中の政府の発言その他の問題によつて、それが全然無効になるといいますか、なくなるというような事例があり得るものであろうか、こういう御質疑に対しては、ただいまの本問題は、御承知の通り新しき法律に基きまして、今国会に国鉄裁定が出て参りまして、次に今度の専売公社の問題が出て参つたのが初めての事例でございまして、今までそういう事例はございませんが、従来委員会でやつておりました審議そのものが、当然に意味がなくなつてしまうという場合はあり得るのであります。それは現にこの前あつたと思いまするが、懲罰動議に基きまして懲罰委員会にかかつておる事件がありまして、それが懲罰になるかならぬか、または懲罰事犯になるかならぬかという審議最中に、その議員が辞職をしてしまつた。もしくは亡くなつてしまうという問題が起れば、その懲罰動議が撤回もされなければ何もせぬで、せつかくやつて来たものが目的物がなくなつてしまうので、当然に消滅してしまう、これは事実上あり得ることであります。たとえば泉山さんの事件のように、途中で御辞職になつた関係で、問題が立消えになつたという問題がありますので、今の御質問に直接関係がありませんが、御答弁申し上げます。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 私は事務総長のただいまの説明を了承します。それでもう一度重ねて事務総長にお尋ね申しますが、ただいま例をあげられました泉山元大蔵大臣の問題であるとか、あるいはある人の懲罰問題で、その人が本会議において議員の辞表を提出したことによつて、懲罰動議あるいは逮捕、不逮捕の問題がそのまま審議をし得なくなつた、こういうことは私もよく了承しております。そのことは、要するに議員が本会議で辞表を提出して議員を辞職し、大蔵大臣を辞職するということ、すなわちこれが原因になつて残余の審議あるいは過去の審議まで無用のものになり、また何ら審議を継続する必要もなくなつたということであります。しからばこの専売裁定の問題は、政府が当初これこれしかじかのことであつて、予算上、資金上、不可能な資金の支出を内容とするから、この議決を求めたいといつて、国会に提出なさいました、しかも審議の最中にこういうことになつたとしたら、今の辞職と同じように、その審議の必要をなくするためには、ただ政府が予算上、資金上可能になつたからという一片の釈明だけでは、私は足りないと思う。要するにこれは今の辞職するということと関連して、政府が提出したこの案件を、政府みずからが提出者として国会から撤回する手続をおとりになる。要するにこの案件を国会から辞職させることによつて、初めて今後の審議もなくなり、また過去の審議もこれでなくなる、こう解釈するのが当然だと私は思います。ただ付議したまま、提案者が撤回もせず何もせず、途中でからつと正反対の案件にしてしまつた。それで意味がなくなつたということで、本委員会がこの審議を継続してある結論を出すということに至つては——国会法の五十九條に「内閣が、各議院の会議又は委員会において議題となつた議案を修正し又は撤回するには、その院の承諾を要する」とある。ただいま官房長官が全然情勢がかわつたということを説明なさつているのは、その五十九條の修正しまたは撤回する、このことの中に含まれていることであつて、ただ言葉だけでなく、政府の行為として、提案者がこれを撤回する必要があり、修正をする必要があると私は考えますが、事務総長はどう考えておられますか。

大池眞事務総長

○大池事務総長 ただいまの石田委員の御質問は、事務的に考えまして私は至当な考え方だと思います。その方法等につきましては、政府はみずから考えておられる点が十分あろうと思いますが、私の方といたしましては、本裁定案は内閣から議長に提出された議案でありまして、その議案を委員会が所管事項として付託を受けて、議案として今日まで存在をいたしておる次第であります。従いましてこの議案に対する最終的の措置というものは、支出が可能になつた場合に、この議案はいかなる状態になるかという点が一応きまりますれば、当然にそれに対する手続は必要でなければならないものと考えております。ところがかくのごとき新情勢によつて、かつては支出不能であつたものが、支出可能になつたという情勢の変化がありますれば、かかる場合にその議案はいかなるものとなるか、どういう性格のものであるかという点は、従来の国会法に当ります議院法でありますれば、立法権は天皇にありまして、これに対して政府が輔弼の全責任を持つておりまして、国会そのものは単に協賛の府にすぎなかつたのであります。従いまして法律的解釈は、全部政府が有権的な法律解釈を一応いたしたのであります。従いまして法制局等の観念によつて、かかる場合にはこの議案はいかなるものになるかという一応有権的解釈を持つたのであります。ところが、新国会法によりますと、立法権は国会にあるのでありますから、政府が単独にその法律解釈をなすわけには行かないと思います。それは政府としての法律解釈であつて、それが有権的になるやならぬやということは、国会みずから決定することであります。従つて政府としてはその問題をここに御報告になりまして、当委員会等の意向をも聴取して、いずれ正式の手続があつてしかるべきであろうかと考えておる次第であります。     〔発言する者多し〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 静粛に願います。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 官房長官、今お聞きの通りです。先ほど赤松君もいろいろ質問いたしましたが、ここで特にもう一ぺん私からも聞いておきたいのは、ただいま事務総長が説明されたことは、一応私たちも了承するのですけれども、その線に沿つて、事務的にでも何でも——政府はこれを撤回する手続をおとりになるという昨日お話でしたが、その手続をおとりになる意思はないのですか、あるのですか。それからまたこの委員会の決議によつては、撤回の手続をとろうとお考えになつておるのですか。その点をはつきりお答え願いたいと思います。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 先ほど各委員からの御質問にお答えいたした通り、議案としてすでに本院の労働委員会に繋属中であります。この議案をいかに処理されるかは、当委員会なり本院においてイニシアチーブを持つていらつしやる。主体的地位は国会にありということを、私答弁いたしました。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 それはおかしいじやありませんか。政府がこの議案を国会に提出なさいまして、これは付託中なんです。だから五十九條をお読みください。国会または委員会の議題となつた議案ですよ。議題とならざるまではそれでいいですよ。議題となつた議案を修正し、または撤回するときは、その手続をとらなければいけないのですよ。それを付託になつたのだから、どうにでもそちらの方でおやりなさいというのは、提出者としてはあまりに無責任じやありませんか。それはなぜかというと、一事不再議の原則か何かで——この前与党の諸君が撤回に反対しておる事実がある。これは事めんどうになるからというので、こういう姑息な手段をとつていらつしやるのでしよう。それは説明がありません。どうなさいますか。撤回しないで、このままの委員会で御自由になさいという形でやるのか。また撤回するかしないかこの委員会の責任、国会の責任におつかぶせて提案者自身はその責任を免れようとなさるのですか。この点をはつきり聞いておきます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田君にお答えいたしますが、政府の御意思は、さつき官房長官から説明のあつた通りと思います。従つてそれをどういうふうに扱うかということを、われわれ委員会で今審議しておるのでありまして、そういうような扱いを、政府が強制する意思かどうかという意味のことをお尋ねになつておりますが、われわれ政府の強制によつて動く委員会ではないのでありますから、政府がどういう考えを持つておるかということのお尋ねならば、増田官房長官に答えていただきたいと思います。増田官房長官に発言を許します。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 石田君は、責任を国会におつかぶせるかという、えらい消極的なことをおつしやいますが、むしろ議案の運命、その処理は、国会に全権能があるということを申し上げる次第であります。  それからもう一つ、国会法の解釈を有権的にされるのは、先ほど事務総長の申された通り、国会において自主的に御解釈を願いたい。ただ私は、あなたがおつしやいました、撤回するには同意を要するという言葉は、文字通りに解釈をしております。撤回する場合には同意を要する、これはあたりまえのことなのであります。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 そうすると、政府としては、この議案を現在のところでは、自主的に撤回するとか何とかいう意思は持つていらつしやらないと了解してよろしうございますか。それはどちらですか。撤回する意思は毛頭ないとおつしやるのですか。こちらに議題となつたものだから、こちらでかつてにきめろ、先例があるのだからきめろ、こう言うのですか。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 今までの御審議の経から、私が卑見を申し上げては失礼でございますが、簡単に申しますと、二つぐらい案があり得る。結局この議案は意味を失つた、こういうことを私は政府の解釈として申し上げておるのです。そこで皆さんにおかれまして自主的に——イニシアチーブは、あくまでも皆様におありになるのでありまして、皆様が主体的地位をとつていらつしやるのですから、その際議案は意味を失つたから、自然消滅するということを宣言されますれば、その通りになりますし、(「議員提出じやない」と呼ぶ者あり)とにかく議案の運命について、皆様が意思表示をされますれば、その通りになりますし、撤回をせよとおつしやれば、撤回するについて政府は手続をとります。その際は、同意を与えられればよろしいのであります。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 どうも官房長官のお話を聞いておりますと——それは同意をするという答弁なのです。ちよつと官房長官にもう一つ聞いておきますが、あなたはこの委員会にかかつている案件だから、その運命は国会に握られている、どうでもよいとおつしやいましたね。     〔発言する者多し〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 御静粛に願います。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 ですけれども、今官房長官のお言葉の中にも意義を失つたというお言葉がありましたね。意義を失つたものをこの委員会にかけて、この委員会でどうするかということを決定させようとするのですか。意味のない案件を、この委員会でどつちにか決定せよとおつしやるのですか。あなたは、意味がなくなつたとおつしやつておる。意味がなくなつたものを、この委員会においてどう決定するのか。おかしいじやないですか。案件ではなくなつておるのではないですか。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田君、どう取扱うかということは、政府から何もわれわれが押しつけられることではないのでありまして、どう取扱うかということを、われわれは相談しおるのであります。官房長官にさような答弁を求める必要はありません。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 そうではない。政府はなぜこれを堂々と、この五十九條の法律によつて撤回ということをしないか。昨日までは撤回するのだ、手続をとると言つておいて、今日こうしたことを、この委員会でうやむやのうちに、あいまいな説明で、このまま葬つてしまおうとする。その態度が私は許せぬと言うのです。少くとも増田官房長官は大番頭さんです。こういうときに大きな腹を示して、政治的に解決する手はいくらでもあるはずだ。何で姑息な、こういう手段を講じなければならぬか。堂々と議院運営委員会に対して、五十九條によつて本案の撤回を求める、その趣旨は何かといえば、これが案の意義を失つたからだと言つて、なぜお出しにならない。それをお出しにならないことは、この前に与党諸君が、この撤回に対して反対をしているので、一事不再議ということを避けるために、今度の手段をとつていらつしやる。これはおもしろくない。政府は、はつきり撤回の意思があるかどうか、われわれが案をすれば、撤回をなさるか……     〔「答弁の必要なし」と呼び、その他の発言する者多し〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田君、石田君に申し上げますが、重ねて私が申すようでありますけれども、本案の取扱いについて、政府はこういう考えがあるということをわれわれは承つただけでりまして、その処理案をわれわれは決定すればよいのでありますから、先ほど赤松君の御発言にありました通り、当委員会において、もし撤回すべしという議決がありましたならば、政府にそれをわれわれは案ずるでありましよう。従つてこれをどういうふうに取扱うかということについて、官房長官に意見を求めるということは間違いでありまして、われわれは委員会において自主的にこれを決定すればよいことであります。     〔石田(一)委員「委員長の解釈は違いますよ。それは……」と呼び、その他発言する者多し〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田君に発言をまだ許しておりません。静粛に願います。石田一松君。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 解釈が違う。そんな解釈をしてはいけません。内閣が提出した……     〔発言する者多し〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 赤松君、静粛に願います。石田君が発言中であります。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 内閣が提出した議案なんですよ。しかもその案件が、意味を失つて、全然正反対になつたというときには、これを政府は撤回するか、修正をしなければならぬということが、五十九條に明記してあるのです。(「何べん言つておるのか」と、呼ぶ者あり)何べん言つたつていいじやないか。大切なことだ。今までの裁定問題について、なつちやおらぬじやないか。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田君、石田君……

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 ぼくはまじめにやつておるのだよ。今そんなことをして許していたら、国会の権威を失うじやなか

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田君、石田君、委員長から申し上げますが、不規則な発言を禁じますから……

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 ここをむり押ししたつて、数も多いことであるし、何とでもできるのだから、もう少し私たちに言いたいことだけ言わした方がいいのですよ。うるさいし、何も知らないのがうそをついているから、これでやめる。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 岡田春夫君。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 簡単に伺います。先ほど石田君の質問で、大池事務総長の御答弁を聞いたのでありますが、特に大池さんは、アメリカから帰つて来て、今度はしつかりした国会運営についてのいろいろな見学されて来られてたわけでありますから、ここではつきり、悪い例を残す余地を与えるような発言を慎んでいただくことが、最も重要なことだと私は考えます。  そこで、まず第一に伺いたいことは、先ほどの労働委員長のこの案件に対する扱いについて、われわれから聞いておりますと、きわめて好意的にも聞えるし、またきわめてあいまいであり、しかもまた事務当局全体の見解ではない、だれだれ個人の意見をもつて答弁をされておりますが、今までの例をもつてしますならば、一つの案件について、委員会において質問打切りの議決があつた。その議決があつた場合において、あとで政府であろうと、あるいはまた委員長であろうと、いかなる人でありましても、質疑の打切りの議決があつたあとにおいて、重ねて質疑の続行をしなければならぬという場合においては、当然これは国会法の運用の慣例として、委員長が質疑打切りの決定を撤回されてから、審議を続行するということが、私は慣例上妥当である、かように考えるわけなのであります。この点につきまして、大池事務総長は、先ほどきわめて不得要領なお話をされておるようでありますが、質疑打切りの決定、これを撤回するということを当然行うべきであると考えます。この慣例については、どういうようにお考えになりますか。今まで、そのような打切りについて撤回の議決をやらないで、そして同じ案件について続いて審議をなされた先例があるかどうか。

大池眞事務総長

○大池事務総長 岡田委員にお答えいたします。一番最初に政府より発言を求められて、発言が許されまして、次に質疑に移ります際に、どういう形で質疑が続行されましたか、私は聞いておらなかつたのでありますが、先ほど来の御質疑の間に、委員長からのお話を聞いておりましたので、その意味でお答えを申し上げた次第であります。その委員長のお話によりますと、本案についての質疑は打切つてあつて、それにわいては問題になつていない、ただ本案に関連して、増田長官がここで発言をした、その発言について、みんなが何らか質疑をした方がいいという議員の御要望に基いて質疑を許さた。こういうお話を聞いておつたのであります。その間の一番最初の事情を私存じておりませんが、一応質疑が終りまして——打切りでなしに、質疑が終りましても、新たなる政府の発言がありますれば、それが一つの議題となりまするので、さらにその発言に対して質疑の行われたことは、従来からもいくらでもあります。たとえば質疑を三人なら三人でやめようということで、打切りをして進んでおるときに、新たに政府が何らかの発言をそこでしたために、今言つたことはけしからぬ、あれは間違いだということで、質疑が起つたりしたことはいくらでもあつたことでありまして今おつしやる通りに、本案とずつと関連した問題が討議されておりますので、新しい問題になつたから、一応質疑をまたやることにしようじやないかということで、お始めになることもそれはけつこうでございましよう。新たな発言があつたことに関した質疑が行われるということは、悪いことではないのではないでしようか。いろいろのりくつ抜きにしまして……

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 それでは委員長にお伺いいたしますが、今日の質疑は、特にこの問題についての案件は、どういう案件なんですか。政府の発言に関する件という案件でございますか。その点をお伺いしたい。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 質疑を打切りましたことは、先ほど来わかつておることでありますが、本日は討論、採決の日であります。ところがそれに先だつて政府から発言を求められたので、これを許したのであります。ところがその政府の発言に対して関連して各委員諸君の中から、一、二簡単に質問をしたいという申出がありましたので、これをお許ししたのであります。従つて政府の発言に関連した質問というわけであります。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 簡単に言つたらはつきりわかると思うが、案件は何か、政府の発言に関する件ということなのか、公労法第十六條による議決を求めるの件であるのか、このどつちなんですか。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 岡田君にお答えいたしますが、ただいま質疑をいたしておるのは、政府の発言に対する関連質問をやつておるのであります。法案に対する質疑はすでに打切つておるのでありますから……

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 委員長はそういう牽強附会の言をもつて…… ただいまの質疑はもちろん増田官房長官の最近の情勢変化に対しての趣旨の弁明があつてこれに対して質疑応答をやつているのですが、それでは委員長、情勢変化についてということは、何の情勢変化について増田官房長官がやつておるか、当然専売公社の問題じやありませんか。専売公社の問題でないとあなたがおつしやるならば、今日衆議院の公報に出しているあの案件の議題というものは全然違つて来ると思う。これはまさに大池事務総長に、今後の議事運営上はつきりしていただきたいことなんですが、今日の議題は、質疑をすでに打切つた案件について、その打切つた案件の議決を撤回せずして、審議を続行しているのです。こういうことが実際国会の委員会の運営上において、先例としてはたして妥当であるかどうか。この点はこれ以上は触れませんが、大池事務総長に最後にもう一点だけこれについて伺つておきたい。

大池眞事務総長

○大池事務総長 それはあまりかど張つてりくつを申すわけではちつともございませんが、すでに質疑を打切つた案件に、政府の発言があつたからというて、逆もどりをしてやたらやるというような問題は、もちろんいい先例でもなければ、いいことではございません。しかしながらただいま承るところによれば、すでに案件の質疑は終つたけれども、政府の新情勢によつた発言というものが、その発言内容の解釈いかんによつては、今までやつておつたものが、今おつしやる通りに無意味になるとかあるいはそれがなくなつてしまうのではないかという議論と、そういうものは撤回しようじやないかというような御議論とがあつて、重大な御意見だから、黙つて聞いて採決するといつても、お互いが態度決定するのにも困るので、それで質疑が続行されたのではないでしようか。私も実際よく知りませんが、そういう意味ならば最も緊急で、しかもその案件に密着した発言だから、その発言について関連して行われることも、これはむしろしかたがないのではないでしようか、当然のことではなかろうか、お互いにりくつを言わぬで……

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 それでは次の問題に入つて参ります。先ほどから本質の問題に入れというので本質の問題に入りますが、先程立法権は国会にある。これは当然のことであります。ところが政府が一つの案件を提出した、それを事務当局として受付けておる。この受付方のよしあしはともかくとして、その受付けた文章というものは、公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件という案件として受付けておる。ところが先ほど情勢が変化したとして政府側が提案をして、衆議院が受付けておる、事務当局が受付けておる。この案件の内容に著しき変更があつた、この著しき変更のあつたことを、正式の委員会において増田官房長官が報告した場合において、事務当局としてまつたく違つた内容の案件を、そのまま今までの案件として審議を続行するということが妥当であるとお考えになりますか。

大池眞事務総長

○大池事務総長 今のは事務当局という意味ではなしに、委員会が審査を続行するということだと思います。ただいまのお話は、すでにかかつた法案について情勢の変化があつて——非常な変化があつたから、そういう変化があつたものを云々とおつしやいますが、その変化の程度でありまして、たとえば今の裁定案について直接関連をして申し上げますれば、一億二千八百万円かの支払いが可能であるということで出ておるわけであります。それがだんだん可能な状態にある、九分九厘までは可能になつたけれどもまだ一部残つておれば、もちろん審議の対象になりますけれども、全部支払えるというお話を聞いておつたのであります。そうすればもう十六條に該当しない、こういう議論が起つて来る。そういうものは審議の対象にならぬのだと考えております。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 増田官房長官にお伺いします。審議の対象にならないということになつて来ると、先ほど官房長官も再々言つておられる。この前たしか国鉄の裁定のときであつたと思いますが、運営委員会でも官房長官が言つておられる。これは石田君もおられたのではつきりしておると思いますが、公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件というこの文章が案件であり、主文である、内容もすべてこれに入つておるのだ、かような御説明があつたわけであります。そこで増田官房長官の先ほどからの情勢変化というものは、大池事務総長も非常な苦労をして言つておられますが、内容の著しき変化どころか、決定的な変化だ、それはどういうことかというと、十六條の二項の規定の適用ができなくなつて、三十五條の規定によらざるを得ないのであります。従つて政府が提出をいたしました案件の内容並びに案件すべてが、本質的にかわつた場合において、政府自身としてこれを国会に提出した責任において——これは政治的責任においても、まつたく内容のかわつた案件については、修正並びに撤回の手続を行われることが政治的な道義としても、政治的な手続としても、当然だとわれわれは考える。この点について官房長官はいかにお考えになつておられますか伺いたい。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 すでに皆さんの御質問にお答えした通りでありまして、この議案は本院の労働委員会にかかつておる。すでに議案になつて繋属中のものの処理については、委員会なり本院において、主体的な地位をおとりになつて決定していただきたい、こう思つております。その決定の仕方はいかようであつてもよろしいと思う次第であります。あるいは議案の意義を失つたということで、ほつておかれても無効というようなことにもなるでしようし、ただいま事務総長が言われた通り無効の宣言ということをなさることもありましようし、あるいは政府に向つて撤回の要求をされることもありしようが、ともかくも国会において自由に決定されたらよろしいと思います。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 この点についても、私が官房長官にいまさらお話を伺うまでもなく、審議権は国会にあるのであつて、政府がこれに介入しろというようなことを、私は官房長官から伺おうとは思つていない。おそらく増田官房長官は、そういうことを言おうともしておらないだろうし、われわれもまさに国会が立法権の中心であり、しかも審議権は、はつきりこちらにあると思う。問題は、政府が提出した案件について、本質的な内容がかわつた場合において、政府がこれを変更するという政治的な責任があるということを私たちは申し上げている。これをかえる意思がないというのは、これは政治的な道義心を全然持つておらないか、あるいは能力がないかのどちらかである。この点をはつきりしておかなければならぬ。  続いて次に進みます。大池事務総長に最後にお伺いしたいのは——これはあなたはアメリカに行つておられて御存じないことでしようが、この案件について、全野党が撤回すべしという決議案を衆議院の本会議に上程いたしたのであります。これに対してその当時その情勢になかつたという判断のもとに、与党の諸君はきわめて認識不足で、今のような結論を見ないでこれを否決しておるのであります。従つて、ここではつきり伺つておきたいのは衆議院規則の百五十六條に「議員は、表決の更正を求めることができない。」という規定があるのであります。私たちはこの間の衆議院の本会議において、院議をもつて、議員自体の資格として、これははつきりと撤回することを否決するという決定をしておるのであります。でありますから、少くとも議院としては、この法案が無意味になつたからといつて、撤回するという議決は行えないはずであると、かようにわれわれは考えておるが、もしこれを行つたとするならば、一事不再議の原則に抵触しますし、この百五十六條に抵触して参りますから、この点についてははつきりしておかなければ、あとの運営上困つて参ります。この点を最後に伺つておきたいと思います。

大池眞事務総長

○大池事務総長 ただいまの岡田委員の御質問に対してお答え申し上げますが、二月七日に野党各派から、裁定案に対する撤回の決議案の出たことは承知いたしております。なおこの前の運営委員会におきましても、赤松さんからその点を十分に論ぜられまして、事務総長として、政府より撤回の要求書が参つた場合には、いかなる処置をとるつもりであるかということを議長に尋ねられまして、議長の代理といたしまして、私から事務的な面だけをお答え申し上げた都合もございまして、当時の決議案の内容並びに決議案の討議を十分調べたのであります。その当時野党側から出されました撤回要求は、予算を流用すれば十分に支出ができるのだから、これは十六條に該当したものではないという御主張のもとに、撤回の要求を出しまして、これを否決いたしております。但しただいまの岡田さんの法文をお示しになつた点では、少し誤解があるようでございますから、その点を申し上げておきますが、議員、つまりメンバーとして一旦行いました表決の更正を求めることはできないというその更正は、自分が否決なら否決の方便に入れた、あるいは賛成に入れたときに、あの青札は間違いだから白札にするというのが更正でありまして、かつて賛成した同じ問題について、その賛成した議員が、あとから同じ問題について反対ができないということではないのであります。別個の問題のときにどちらに入れようと、それは自由でありまして、更正の問題は今の問題とはちよつと離れておりますから、その点をお答え申し上げます。  なお一つの議案に対しまして撤回の動議あるいは撤回の決議案が出まして、これが否決になつたときに、その後に至つて——同一会期のうちに、その議案に対して撤回が絶対にできないかという問題は、これは必ずしも撤回ということだけで一事不再議になるとは私は考えません。撤回の理由が全然違う理由であるならば、当然さしつかえないことであります。たとえば大臣の不信任案が否決になりましても、別個の理由が発生いたしまして、また不信任案を議決するということは、いつでもでき得ることでありますから、理由が別個であるならば、撤回の問題が一時不再議にはならぬと思つております。しかしながら今回の問題につきましては、どういう御要求が来るか存じておりませんので、その具体的の問題についてはお答えの限りでないと考えております。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 柄澤君

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 委員長にお願いしたいのでございますが、一番大きな責任をもつて当つておられました池田蔵相と、当時支給が可能であると言われた公社側の代表が欠席されておりますので、なるべく早くこの方たちの出席のとりはからいをしていただきたいと思います。  増田官房長官にお伺いしたいのでございます。増田官房長官は予算上、資金上の都合ができた1与党の委員諸君の発言を聞いておりますと、金ができたのだ、というお話でございましたけれども、当時増田官房長官は、参議院におきましても裁定の問題について、政府当局の代表としての立場からの翼賛を、たびたび漏らしておいでになります。その中に、これは単に予算上、資金上不可能だという観点ではなしに、可能ではあるけれども、諸般の情勢によつてということを、幾たびも繰返されておつたと思うのでございます。これは仲裁委員の堀木参考人なども繰返しておられますが、増田官房長官は、歳出予算に十分経費のあることを認めておるということを証言されております。大蔵大臣も、自分が流用を承認さえすれば、歳出予算はあるのだということを繰返しておられます。その点は政府も認めておられて、疑いのない事実であつたのでございますが、今日御説明を伺いますと、官房長官がおつしやるには、予算上、資金上の問題だけである、それだけであつたと言われて、一月には出せなかつたけれども、今度は出せるようになつたということの御説明でございまして、今まで、政府当局がわれわれ国会議員にも、また一般国民に対しましても、お示しになつておられました態度と非常に根本的に食い違いがある。こういうふうに承るのでございます。その点がはつきりいたしませんと、どうしても私ども納得ができないのでございまして、諸般の情勢ということを当時繰返されておりましたが、一月と今日でどういうふうにかわつて来たのか、この点をはつきりお示しを願いたいと思うのでございます。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 あなたのおつしやることと、私がかつて申し上げておつたこととは、根本的に相違があるのであります。まず第一に諸般の情勢と言つたことは全然ございません。われわれは公労法第十六條第一項に、いわゆる予算上、資金上不可能とは、その上に字が伏せてあるけれども、当該公社のと、こういう字があると読んでおります。これが第一でありまして、これは終始一貫して同じ答弁をしております。それからなお今日、予算上、資金上可能なるに至つたのでありまして、その当時は可能ではなかつたのであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 それではお伺いします。根本的に違うというお話でございますが、それではかつて増田官房長官は、歳出予算に十分経費があるということを言つた覚えがないというふうにおつしやるのでございますか。これは何べんも承つておることでございますけれども、議事録やその他のことを調べまして、責任のあることをあれしたいと思います。ここでそうでない、あるということできまることではないと思いますが、そういうことを言つた覚えがないというふうにおつしやるのでございますか。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 覚えがないというような反駁的な答弁はいたしません。覚えがある、ないどころではないのであつて、そういうことは絶対にないのであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 それでは増田官房長官にお伺いしたいのでございますが、先ほどの政府の御趣旨の説明の中に、諸般の情勢がかわつて出せるようになつたので、公務員の給与ベースの考慮をしている、あるいは超過勤務手当等の払つていないものに対しては、というお話もあつたのでございます。当時この法案が、当委員会で与党の大橋委員などから非常に熱心に論議されましたところの中心は何であつたかと申しますと、專売公社の労働者の所得がふえるということは、結局は賃金三原則に抵触するのではないか、それからもう一つは、公務員の給与ベースを上げるという問題と関連して来るのではないか、であるから政府の方針として、賃金三原則を維持して行く以上、この専売公社の裁定を認めるということは、それに抵触するのではないかというのが、与党の諸君の最も関心のあつたところであります。裁定に対しましては、これを何とかして通してやりたい、通してやりたいという、非常に労働者側の味方であるような御発言が、与党の諸君からもあつたのでございますけれども、専売裁定のわずか一億二千万円を出してやるということが、賃金三原則を破ることになるのではないかという点に、議論が集中しておつたと思うのでございます。     〔委員長退席、島田委員長代理着席〕  それに対しまして政府側の御答弁の、諸般の情勢という、その内容の中に、私どもとしては、どうしてもこの賃金三原則を破れない、こういうものがはつきりうかがわれたと思うのでございますけれども、ここで専売裁定を政府側がいれて通すということは、そういう賃金の原則をかえて行かなければならない情勢になつたということをお認めになつたのかどうか、この点が一つ、もう一つは、出せるようになつたからいいじやないかという御発言が、与党の諸君からあつたのでございますけれども、一月から三月の今日まで、専売の労働者諸君並びに日本の労働表諸君は、公共企業体労働関係法というものが、こういう形で政府によつて蹂躪されることに対しては、重大な関心を持ち、それがあのストライキになり、あの政府に対する反対闘争に今日まで発展して来たのであります。その責任は実に重大だと思うのでございます。ですから賃金三原則に対して政府はかえて行かなければならないということをお認めになつたのかどうか。この点と、それから労働攻勢に押されて政府は出すようになつたのかどうか。この点について御答弁を願いたいと思います。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 御答弁申し上げます。あなたのおつしやることと遺憾ながら非常に所見を異にしております。われわれはかつて、諸般の情勢より不可能であるという答弁をいたしたこともなく、またそういう見解を持つたことは全然ございません。繰返して申し上げます。十六條第一項にいわゆる予算上、資金上不可能とは、当該公融の、すなわち専売公社の予算上、資金上不可能であるから、裁定は受諾いたしたいと思うけれども、やむを得ず出し得ないのである、こういう答弁は終始一貫しております。従いまして賃参金三原則を援用したり、諸般の情勢を援用したりはいたしません。でありますから、当該公社、すなわち専売公社の予算上可能なるに至りましたから、これを全幅的に受諾ずる次第であります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 破廉恥もはなはだしいという御答弁だと思います。恥知らずな御答弁だと思うのであります。当時の提案理由の中に、諸般の情勢ということをはつきりうたつてあるのであります。提案理由の中に言つておる。しかも大臣自身が言つておる。大蔵大臣も言つておるし、労働大臣も言つておるし、あなた方自身だつて言つたのです。与党の諸君が恥知らずに——増田官房長官が諸般の情勢は知らぬというようなことを言うのならば、その暴言をまずここで撤回していただきたい。ここで撤回なさることを要求します。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 関連質問……増田官房長官は、ただいま政府はそういうことを言つたことはない、そんなことはさらに覚えがないと言うが、それは官房長官の失念です。それは正しく提案趣旨弁明の文書の中に、諸般の情勢によりということが書いてあります。それは私はここに手持ちがありませんが、明日でも私は持つて来ます。だからこういうことは、一応記憶にないとおつしやつておいた方が私はいいのだろうと思う。     〔島田委員長代理退席、委員長着席〕

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 私に関する限りは、十六條第一項は、当該公社のと、あくまでも終始一貫して答弁しておりまするが、もしや関係国務大臣なり、政府委員の答弁に、そういう点がありましたら、私は今日あらかじめ取消しをいたしておきます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 鈴木労働大臣に質問したいと思いますけれども、その前に増田官房長官が取消されるということで了承したいと思います。     〔発言する者多し〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 靜粛に願います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 鈴木労働大臣に質問したいと思います。増田官房長官の発言に関連して御質問したいと思うのでございますが、当時の鈴木労働大臣の労働委員会におきますところの御答弁では、明らかに、流用のできるということや、それから大蔵大臣の行政権をもつてこれが出ないというようなことは、当時論議し尽されまして、やはり当時諸般の情勢ということをお認めになつていたように思うのでございます。鈴木労働大臣として、このたび閣議でこれが決定されました際に——伺つておきたいのでございますけれども、労働行政の責任者として、当時どんなあれが来ても諸般の情勢で出せなかつた。一億二千万円の裁定が諸般の情勢から出せるようになつたということについて、鈴木労働大臣として……(発言する者多し)静かにしていただかないと発言を中止いたします。     〔「委員長、私語を禁じろ」と呼びその他発言する者あり〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 静粛に願います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 公共企業体労働関係法の十六條二項のありますことによりましてまた諸般の情勢ということによりまして、一月に即時実施されなければならないものが、今日まで延ばされ、それによつて、労働攻勢が非常に大きく反政府的に動いているというこの事実について、政府として責任をどういうふうにお考えになつていらしやいますか、労働大臣の御答弁を願いたいと思います。

鈴木正文自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 公労法の解釈でございますが、私に関する限り、おそらくほかの関係閣僚もそうであつたでありましようが、公労法の十六條の解釈は、ただいま出目房長官からも申しましたように、あくまでも公社自体、しかも国鉄の場合及び専売の場合さえも、絶対の相関関係はないのであつて、それぞれの企業体の資金上、予算上の可能、不可能によつて一切が決定せらるべきであるという主張を、労働大臣としては終始続けて来たつもりであります。かつて不可能として提出されたその当時におきましては、同じ観点からして予算上、資金上、不可能であるという結論のもとに、確信を持つて提出したのであり爾後再検討の結果、時日の推移とともに、新たに可能となつた。この場合には平面的に公労法の意味を解釈して、可能という形でもつて全部を出すという解釈、これが正しい解釈でありまして、毛頭間違いないし、労働大臣としてはこれでけつこうだと思つております。  それから労働攻勢全般につきましては、私どもはらく事実に即して解決をして参ります。すでに解決したものもあり、近く解決せんとするものもあるのでありまして抽象的、一般論を振りかざして、いたずらに事を紛糾させるより、むしろ着実に一つ一つのケースについて事を解決して行くことが、私どもの態度であります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 私の質問と、ちよつとお返事がずれているのでございますけれども、当時言つておられました、いわゆる公務員のべースの引上げに関連して、裁定の一億二千万円の支給というものが、いわゆる賃金三原則を破るという建前から、非常に与党側から憂慮され、政府当局もその点で賃金三原則を破るということはできないという点で、専売公社の問題が非常に大きく取上げられておつたと思うのでありますが、ただいま増田官房長官のお話によりますと、公務員の給与ベースを考慮しておる、三億円くらいは出るだろう、(「それは国鉄の場合だろう」と呼ぶ者あり)これは国鉄の場合にも関連して行くのでございますけれども、欠員を現在員によつて補うことができた場合には、三億円の給与ベースの考慮ということも、できるだろうということがいわれておるのでありますが、こういう点は結局実質賃金が上るだろうという池田蔵相の見解、つまり給与べースを絶対に上げないでも、実質賃金は物価その他が下ることによつて上るということになるんだ。そういう見通しのもとに、三月まで国鉄の仲裁その他の裁定というものは、一時金を出すことによつて、給与ベースの改訂はやらないということを言つておられたと思います。今日の増田官房長官の政府の方針をお漏らしになつたところによりますと、池田蔵相のいわゆる実質賃金が上るという、こういう見解は誤つていることになると思います。私ども現に労働者の上着その他を調べましても、一月に三百二十八円だつたものが二月、三月には五百四十六円に上つている。これは炭鉱労働者の上着でありますが、そういう状態が起つていることによつて、政府はこれをお認めになつて、そうしてその考慮に立つておやりになるのかどうか、その点をはつきりさせていただきたいと思います。それは、いわゆる諸般の情勢がかわつたという基礎に立つているのかどうか。ただ金が余つたから、くれてやるのだというような態度であるのか。それとも労働者の実際の生活、食えないという生活を根拠にして、いわゆる生活権というものを根拠にして賃金を考えているのか。こういうことは非常に重要な点なのであります。いわゆる賃金法則——現に食えないような状態に押し込まれていることがストライキの原因なのでありまして、その基本的な方針がここではつきりされなければならぬ。諸般の情勢がかわつたということは、労働者が食えないから、食えるようにしてやるという考慮に立つて行われたものであるか。金が余つているから、くれてやるというものであるか。この点に対して鈴木労働大臣から御答弁願いたいと思います。

鈴木正文自由党労働大臣

○鈴木国務大臣 実質賃金を充実する努力を続けていることは、しばしば言つている通りであります。それからそのことが、ただいま柄澤さんの指摘されましたような点とどのくらいの関係があるのか、ちよつとわかりませんが、われわれは可能な方法において、実質賃金を充実して行く政策を展開して参ります。国鉄の問題は先ほど申し上げました通り、国鉄自体の経理によつて可能、不可能が決定されて行くのでありまして、直接的に何等関係はございません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 人事院の方がお見えになつておりますから質問したいと思います。人事院では給与ベース改訂の勧告をされておりますが、今度の専売裁定に関連しまして、この人事院の給与を上げるということについてただいま鈴木労働大臣や増田官房長官からは、実質賃金が上るという見通しをもつて給与ベース改訂の方針はないというような御答弁があつたと思いますが、人事院はこれに対してどういうようにお考えになつておられますか。

上野陽一人事官

○上野政府委員 お答えしますが、人事院はあくまで技術的な見地から、事実に基いて国家公務員の給与ベースがどの程度であるべきかということを研究、調査いたしまして、その結果を勧告いたした次第であります。勧告はあくまで勧告でございまして、技術的に国家公務員に対してはこの程度の給与を当然支払うべきであるという資料を、閣及び国会に提出した次第でありまして、それで人事院としての義務と権限は終つているわけであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 池田大蔵大臣と専売公社総裁が見えませんので、質問をこれで打切りたいと思います。

吉武恵市自由党

○吉武委員 私はここに動議を提出いたしたいと思います。それは、政府の本日の御答弁を承りますと、専売裁定につきましては、専売公社の予算の人件費において余裕を生じ、裁定に示す金額は支給可能となつたということでございます。かくいたしますと、今回政府の提出されております専売裁定の案件は、すでに公労法第十六條の二項に該当しなくなつたことでありますから、自然消滅となつたものであると存じます。従いまして本委員会におきましては、これが審議の必要がなくなつたと思いまするから、次の動議を提出いたしたいと思います。  すなわち本委員会に付託になつた専売裁定に関し、公労法第十大條第二項に基き、国会の議決を求むるの件は、専売公社の予算上支出可能となつたので、自然消滅したものであるから、その審議は不要となつたものと認める、との動議を提出する次第でございます。すみやかに御採決あらんことを望みます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 中ただいまの吉武君の動議に対しまして討論をいたしたいとの申出かありますから、ごく簡単に願うことにいたしまして、順次これを許します。篠田弘作君。

篠田弘作自由党

○篠田委員 専売裁定が本委員会に付託されましてから、すでに八十日を経過しているのであります。質疑を打切つてからも、すでに二十日間以上を経過しているのでありますが、その間本委員会が、質疑を打切つてから今日までなぜ開会されなかつたか、いわば決定を延期しておつたかと申しますと、この二十日の間に、わが党を初めわれわれ議員の一人に至るまで、何とかしてこの専売裁定につきましてでき得る限りの支給をする方法がないであろうかということを考えまして、われわれも熱心にこれを検討するとともに、政府に対しましても調査を勧めておつたのであります。すなわち質疑を打切つてから二十日以上本委員会を開かなかつた理由は、この期間においてでき得る限りの善処をしたい。そういう希望を持つておつたのであります。しかるに昨日に至りまして、政府の報告によりますと、これが予算上、資金上可能になりました。専売公社自体の経理におきましても、一億三千二百万円の人件費に余剰ができた。従つて公労法の命ずるところによりまして、一億二千八百万円の仲裁裁定をのむということが可能になつたわけでありましてわれわれが今日まで非常なる苦心と努力をしたことが、ここに報いられた結果となつたのであります。従つて私たちは、喜んで一日も早くこの支給を政府に慫慂するとともに、ここにかけられましたところの案件は、ただいま吉武委員の言われました通り、自然消滅したものと認める。こういう意見に対しましては賛成いたすものであります。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 前田種男君。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、左記数点の希望意見を付しまして、吉武委員の動議に賛成したいと思います。と言いますのは、本案が提案された劈頭から、私たちは専売裁定に関する限りにおいては、初めの第一次国鉄裁定と内容を異にいたしまして裁定の内容に明記されておりますように、公社自身にその能力ありと裁定しておりました関係上、国会の審議を必要としない。言いかえますならば、三十五條で拘束されておりますために、十六條の適用をすることがむしろむりだという観点に立つて長い間委員会において政府の所信をただして来たわけでございます。時間的には相当ずれて参りましたが、本日われわれの所期の目的でありますように、十六條の適用を免れまして、三十五條によつて完全に拘束され、裁定を受諾するという結論になつたことを喜ぶものでございます。私はこれに関連いたしまして、政府は今後こうしたものに封ずるところの取扱いに対して、一段の熱意と努力を希望ずるものでございます。  さらに第一次国鉄裁定、第二次国鉄裁定がいまなお問題になつておりますが、こうしたいわゆる平和的な機関において最終的に決定されました問題につきましては、経済上、あるいは資金上、いろいろ困難はありましようとも、平和的な、最終的なああした機関を尊重するという趣旨に立ち、また日本の労働組合運動が今後ストを回避いたしまして、平和的な団体交渉によつて問題が処理され、あるいは中和的な国家的な機関において処理されるように軌道に乗る、そうした機会が一日も早く来るように念願するものでございます。私は、この問題が今日こうした結末になつたことを喜ぶとともに、裁定に、あるいは公労法に示されておりますように、裁定の日にもどつて完全に拘束するという態度を政府はおとりになるように、重ねて要望いたしまして賛成いたします。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 柄澤登志子君。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 私は日本共産党を代表いたしまして、案件が消滅するというこの動議に対しまして反対の意を表明するものでございます。その意はどこにあるかと申しますと、労働委員会が、消滅するというような態度を声明するのは、これはこの前も政府がやりましたように、予算の編成権もない国会に対して、国鉄の裁定というような問題に関しましても、すべてこれを国会の責任に転嫁して、当然保障されているところの労働者の権限を蹂躙するという政府の意図、これを承認することになるのでありまして、政府みずからは、三月の先のことが見通せるかとか何とかいうような口実をつけまして、そうして自分の今度の行動に対しまして正当化しておりますけれども、その非を謝して、そうしてみずからこれを下げるべきだと思うのであります。このことは、日本の最低の賃金をもらつております専売の労働者の生活権の問題であり、日本の労働者全体の生きる権利を蹂躙するという大きな問題に関連しておりますので、こういう態度をとつて政府が臨んでおりましたものに対して、労働委員会が——日本の労働行政の重要な責任を持つております労働委員会が、その名においてこういうことをすることに対しましては、とうてい賛成することができないのであります。一月に実施すべきものを今日まで延ばし、給与ベースの値上げということが問題になつて来ておりますのに対して、水をかけるようなこういうような態度に対しましては、私どもは絶対に賛成することはできない。政府みずからが下げるべきである。その非を陳謝すべきである。こういうふうに思うのであります。もちろん専売裁定を実施すべきことは、これはもう論をまたないことでありましてわれわれは一日も早く実施しろという要求を掲げて来たのでありますから、そういうようなデマ的なものに対しては、われわれは正面からとつ組んで行こうと思つておりますが、この動議には反対せざるを得ないのでございます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 石田一松君。

石田一松国民協同党

○石田(一)委員 私は国民協同党を代表いたしましてただいま提案になりました動議に対して、一、二の希望を付しまして、賛成の討論をしようとするものであります。  一月七日政府が本院に提出いたしました、公労法第十六條第二項の規定により国会の議決を求むるの件、これは仲裁委員会の裁定書自体の中にも、また専売公社の秋山総裁自身の品からも、公社の予算上、資金上この裁定は決して不可能な資金の支出を内容とするものではない。その結果本案は公共企業体労働関係法第十六條第一項を内容とする裁定ではない、であるからして同條第一項によつて国会の承認を求むる必要のないものである。こういうことを明確にしておる案件であつたのであります。にもかかわらず政府は、増田官房長官初め鈴木労働大臣並びに池田大蔵大臣がこの委員会に出席いたしまして、この裁定の中にいう、その内容の資金——予算の流用、移用を大蔵大臣が自由裁量によつて承認しないから、予算上、資金上不可能であるというような暴言をまで吐いております。しかもこの問題につきましては、仲裁委員会あたりにおける権威ある証言によつても、本案件に対しては、少くとも大蔵大臣は法規裁量によるべきであるということがはつきりいたしておるのであります。にもかかわらず大蔵大臣は、こうしたいわゆるわれわれが聞けば暴言にもひとしい、この間の自殺と同じような暴言を、この委員会で吐いておるのであります。この問題に関しては、先ほど前田委員が討論の中に申しましたごとく、われわれ国民協同党といたしましても、本案は公労法の十六條によるべきではない。すなわち同法の三十五條の前段によるべきであつて本案は国会で審議すべき対象でないということを主張いたしまして、この撤回動議に賛成をしたのでありますが、遺憾ながら与党の多数によつて、これを撤回すべからずと議決されたのであります。しかし今日ただいま政府当局の説明を聞きますところによりますと、われわれが当初主張いたしましたと同じ結果と相なつたことを私は認めるものであります。すなわち本案は、事実上国会の審議の対象たる意義を失つた。このことにつきましては、ただいまの本動議の提出者に同意見でありますが、ただ遺憾なことは、本案の取扱い上、国会運営に関して法律上に種々なる疑点を残し、あるいは本案の取扱いに関して将来悪例となるおそれのあることであります。そのことを一点指摘いたしまして、私は今後かかることが絶対になきよう、戒めたいと思うのであります。それは仲裁委員会のなした裁定が、実は予算上、資金上可能なものであるにかかわらず、大蔵大臣の自由裁量によつて、この流用、移用は認めないから予算上、資金上不可能であるという理由のもとに、国会に対して十六條第二項によつて議決を求めるの件として出しておいていたずらに一箇月、二箇月、三箇月とこれを国会の審議にゆだね、ある一定の時期が来たときに、これは予算上、資金上支出が可能になつたから、情勢が変化したからということによつて裁定の日付の昨年の十二月十八日に遡及しなければならないその効力を、政府の悪意によつて二箇月でも三箇月でも引延ばせるという、実に不届千万な悪例を残しておることであります。かくのごときは今後絶対に戒めなければならぬことだと思つております。  こういうこと等によりまして、法律上あるいは取扱い上、いろいろの疑義あるいは悪例を残すものではありますけれども、専売公社側の従業員諸君が首を長くして待つておるところの本裁定が——政府の努力あるいは与党の努力とおつしやいますけれども、秋山総裁のただいまの説明によりましても——秋山総裁自身が、公社の職員に何とか自分の権限でできるものをしてやろうと慎重検討の結果、予期以上の人件費の余剰が生れた、こう説明しておるところを見ましても、これは決して与党並びに政府がやつたのではない。これは少くとも最初から、予算上、資金上可能であると言つておつた。これは秋山総裁以下の職員たちがこれを検討した結果こうとたものが生れた、あるいはまた諸般の情勢がそうさせたのであつて、現在の吉田内閣が、これをもつてこの次の参議院選挙を有利にしようという、まことにあさはかな考えを働かしても、絶対に国民はこれを了承しない。このことはこの際特に念を押しておいて、本案に持する賛成の意を表するものであります。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 岡田春夫君。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 労農党を代表いたしまして簡単に反対討論をいたします。  私たちは専売公社の裁定を即時支給すべきであるという点については、これは当然であると思いますが、ただ本日吉武君から御提出になりました動議の内容についてわれわれは反対いたすのであります。この点につきましては先ほどほかの諸君からも詳細にお話がありましたので、あらためて煩雑な点に触れる必要はないのでありますが、政府が提出をした法案の内容が本質的にかわつている場合において、政府がこの法案の内容のかわつたことの何らの手続を行わないで、多数の力によつて、その政府の意をそんたくしてこのような動議を出すという態度は、まさにこれはまつたく非民主主義的であります。この点について今後悪例を残すという意味おいても、われわれは賛成をし得ないわけでございます。特にこの動議を見てみますると、自然消滅したものであるからと、かように書いてありますが、自然消滅したものであるからということが、いかなる形で明らかにわかることができたか。これについて政府が何らかの具体的な措置をとらずして、すでに消滅したものであるという断定を動議として出されるということは、これは明らかに断定に過ぎるとわれわれは考えざるを得ないのであります。こういう点から考えましても、この動議については、きわめて独断的であるという意味においてわれわれは賛成するわけに行きません。先ほど篠田君からも、二十日間にわたつていろいろ慎重審議を続けられた結果出したのである、かようにお話になつておりますけれども、うそは言えないもので昨日政府の報告によれば一億二千万円の金の出ることを聞いたが、ということを続いて篠田君がお話になつておるということは、自由党自身が、二十日間調べたのではなくして、政府の言うことを聞いてやつたのだということを、裏づけしておるにすぎないのであります。こういう点から言いましても、特に最後において、(「けんかはしない方がいいよ」と呼ぶ者あり)いや、私は篠田君とはけんかをしないのでありますけれども、討論でありますから簡単に申し上げておきますが、特にこの裁定問題についてとられました労働省の立場に対して、われわれはきわめて遺憾の意を表します。先ほど鈴木労働大臣が、最初のころにおいては十六條の二項が妥当であつたと考えたが、現在においては三十五條が妥当であると言われた。これは大蔵省の言われることであり、財政上の問題であつて、労働大臣あるいは労働省が、財政上の問題を審議する行政機関であるとは、私は聞いたことがありません。少くとも労働省は、労働者の保護の見地に立つて行わなければならないはずなんであります。こういう点について、賀來さんもりつぱな本を書いておられますが、近ごろはどうもあの本の内容と大分違つたことをやらざるを得ないので、その非常につらいということはわかります。しかしこの際しりかりやつていただかないと、われわれはあのような本に信用を置くわけには行かなくなつて来ますので、この際特にこの点について労働省に対して苦言を呈しておきます。  以上簡単でありますが、これをもつて反対を申し上げます。しかし断つて置きますが、裁定それ自体についてはわれわれは賛成なんであります。自由党の諸君は反対をすると、これに対してよく悪用する懸念があるので、この点ははつきり申し上げておきます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。吉武君の動議は、専売裁定に関し、公共企業体労働関係似第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件は、専売公社の予算上可能となつたので、従つて支出不可能のゆえに提出された本件は自然消滅したものであるから、これ以上の審議は不要となつたものと認めるというのであります。この動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 起立多数。よつて動議のごとく決しました。  なお本件に関する報告書は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 御異議がなければさようにいたします。  これにて本委員会に付託されておりました公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、議決第二号は自然消滅となりまして、本委員会の審議はこれを要しないものとなつたのであります。本件は一月七日本委員会に付託されまして、以来たびたびの連合審査会及び数回の委員会において審議を重ねて参つたのでありますが、專売裁定の内容が予算上、資金上不可能であるがゆえに、国会の議決を求められておりました本件が、委員会の態度決定前に、人件費において余裕を生じ、裁定に示す金額が支出可能となりましたことは、本委員会といたしましても、まことに喜ばしいことと思うのでありまして、本件は自然消滅いたしまして、これ以上審議する必要がなくなつたのでありますけれども、これまで委員各位が御熱心に審議されましたことにつきましては、委員長として深く感謝いたす次第であります。明日は午後一時より委員会を開きます。本日はこれにて散会いたします。     午後五時十一分散会

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