予算委員会 第21号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1950/03/04
会議録
○植原委員長 これより会議を開きます。質疑を継続いたします。 その以前に、昨日の委員会におきまして中曽根康弘君から大分きつい議事進行の御意見がありまして、総理大臣や大蔵大臣の所在まで承知しておるからはつきりせよということでありましたが、決して総理大臣にせよ、大蔵大臣にせよ、委員会を無視して、国務以外の事に当つておつたのではない事実がありますが、これを中曽根君から調べて答えよということだからお答えいたしておきます。どうか中曽根君も再び間違つた御調査をなさらないようにお願いいたします。 総理大臣は二時に首相官邸を出られまして外相官邸に参りました。二時半から以後に宮中において最高裁判所長官の親任式があつて、それに出席されておつたのでありまして、決して国務を怠つておつたわけではありません。 大蔵大臣の所在は、午前中から十二時二十分まで参議院本会議におりまして、十二時半より二時十五分まで外相官邸において司令部の方と会談しておりまして、二時十五分からさらに通産委員会に臨んでおつたのであります。こういう時間と事実がはつきりいたしておりますから、中曽根君が将来議事進行に対して御発言なさるときには、もう少し愼重な態度でおやりなさらんことを希望いたしております。
○中曽根委員 議事進行について簡単に申し上げます。昨日は大蔵大臣を朝から追いかけまわしておつたのでありますが、午後二時から大蔵大臣がおいでになるからという委員長のお約束で、われわれは待機しておつたわけですが、不幸にして午後二時に大蔵大臣がおいでにならなかつた。今お聞きしますと、大蔵大臣は通産委員会においでになつておつたようでありますが、予算先議権という関係もあり、また今度の三日間予算委員会を特に開くというのは、国税に関するものを中心にやろうというのでありまして、大蔵大臣がいなければできない委員会であります。そういう趣旨もありまして、午後二時に大蔵大臣が出られないというならば出られない理由を私らは聞きたかつたわけであります。しかし大蔵大臣が通産委員会に出ておつたということを今聞きまして、予算委員会と通産委員会はどつちが大事な委員会か、私は予算委員会の方が大事な委員会であると思うが、委員長はどちらの委員会が大事とお思いになるのですか。この際委員長の御所見を承つておきたいと思います。
○植原委員長 委員長は両方大事だと思います。 これより床次徳二君に質疑を許します。
○床次委員 私は実は大蔵大臣と本多国務大臣の両相御一緒に御意見を承りたいと思うのでありますが、まず本多国務大臣にお尋ねいたす次第であります。 明年度の予算におきまして、国民負担がはたして軽減せられるかいなかということは、国税並びに地方税両者を総合いたしまして考えなければならないことは、昨日以来の答弁によりまして明らかでありますが、すでに中央政府の歳出並びに国税に関しましては、今日までぼつぼつ審議が続けられておりまして、大体その輪郭も明らかになつておるのであります。地方歳出に関しましては、その歳出総額として大体四千八百八十億あるいは四千九百三十八億という数字を予想しておられるのでありますが、その数字がはたして地方のほんとうの財政需要を反映しておるかどうかということに対しましては、その検討が十分でないと存ずるのであります。ただいまの地方歳出に応ずるところの地方税は、およそ千九百億と推定せられておるのでありまして、今日までの御説明によりますれば、前年度に対しまして国税におきましては六百億の減、地方税におきましては四百億の増で、差引二百億の軽減になるというのが政府の御説明なのであります。しかしただいま申し上げました通り、地方の歳出並びに地方税に関しましては、その検討が十分なされておらないということを私は指摘いたしたいのでありますが、本多国務大臣におきましては、今日やはり地方の歳出総額は、当初のお見込み通り四千八百億もあるいは四千九百億くらいの程度でとどまつておるというふうにお考えになつておられるかどうか、まずそれを承りたいのであります。
○本多国務大臣 国税、地方税を通じての今回の税制改革で、はたして国民全般の税負担が軽減される赤いないかという問題につきましては、しばしば大蔵大臣からも説明申し上げております通り、国税においては、二十四年度の当初予算に比較いたしますと、九百億の減税になるのでございます。地方におきましては、今日までまことに財源がきゆうくつでありました関係から、今回四百億の標準税率をもつて計算すれば増税になるのでありますけれども、この中の固定資産税以外は、ことごとく標準税率でありまして、この標準税率をもつてとれば四百億までとれる。しかし市町村において、それぞれ自主的に行政整理をやつたり、事務の合理化をしたりして経費の節減をはかつた結果、そこまで税金をとらないでも適正規模の運営ができるということで、自治体においてそれぞれ標準税率よりも安くとることは自由でありまして、必ずしも四百億が確定的に増税になるものとは考えておらないのでございます。ことに今日まで地方においては税として徴収するわくがあまりにも狭小でありましたために、むりな寄付金等によつて約四百億というものを集めて、これを財源に充てていたというのでありますが、今回は税としてのわくが拡大されることによりまして、この四百億の寄付金は、少くとも三百億を減少して百億くらいにとどまるであろうと見込んでおるのでございます。してみると実質的な地方の負担増は、この寄付金を勘案いたしますと、百億の負担増くらいにとどまるのではないかと考えております。そうしますと、昨年度の当初予算と比較いたしまして、九百億の減税のうち地方の実質的な負担増が百億であつて、八百億近くのものは国民負担軽減になるということが政府の見込みであります。しかしいかんせんこの寄付金によりました四百億というものは、その確認が困難なものでありますから、これは正確なものはわからないのでありますけれども、シャウプ氏の綿密な調査によつても、四百億ぐらいだろうと言われておるのでありますから、大体それに近いものであつたという前提のもとに、以上のような見通しを立てておる次第であります。さらに地方費の本年度の総予算の見積りといたしましては、大体四千八百億というものを政府も見積つておるのでございますが、これは床次さんのお話の通りに、厳密なる査定を加えたものではないのでありまして、この点につきましては、これに見積られた各市町村の見積費よりも、さらに上まわるところも、下まわるところも出て来るのではないかと考えられますが、政府といたしましては、今回の平衡交付金法によりまして、地方の財政標準需要費というものを算定する時分には、これもまたその標準通りには行かないのでありますけれども、現在以上見通しの確実な総予算、かくあらねばならぬという金額がわかつて来ることと存じております。地方の予算につきましては、本来自治的に運営されるものでありますので、一応四千八百億ぐらいと見通しておりますけれども、二十五年度の現実の各市町村の予算の集計がどうなるかということは、確実には符合しないものと考えております。一応の見積りであることを御了承願いたいと思います。
○床次委員 ただいまの大臣の御答弁、最初の段は、しばしば私ども承つておる御答弁でありまして、政府の予定しておられるような段階におきまして地方歳出がきまりましたならば、さような軽減はあり得るだろう、これは私も御答弁の通りと考えるのであります。しかしながら、地方の歳出がいかほどになるかということに対しましては、実は私は非常な意見の相違を持つておるのでありまして、ただいま仰せになりましたことく、四千八百億、四千九百億ぐらいでとどまりますならば、確かに減税になる。しかし四千九百億なる推計が、最後に国務大臣が仰せになりましたように、これは自治庁の推定である、実際のものとは違うかもしれぬというお答えがありましたが、これは私は大違いだと思うのであります。今日の予算におきまして、ほんとうに来年の国民負担が軽減せられるかどうかということは、これはもとより推計ではありますが、大体地方の歳出がどのくらいになるか、中央の予算が幾らぐらいであるか、その両者を合せまして、初めて負担が重くなる、軽くなるということが論ぜられると思うのであります。政府の御答弁は、一応地方の歳出が四千九百億ぐらいでとどまるという前提のもとに、先ほどの計算がしてあるのでありまして、四千九百億ぐらいでとどまるならば任意寄付金というものの部分もやはり軽減されるかもしれぬということは、確かに仰せの通りであります。私は今日、この地方の歳出について、自治庁の御計算は非常に見積り過少であるということを考えますので、あえて御質問申し上げる次第でありますが、第一に、今日自治庁がこの数字をお出しになつたのは、地方の実情をいろいろ御計算になつて、詳しい御説明もありますが、これは昭和二十二年の決算を基礎といたしまして、二十三年、二十四年、それぞれ地方でもつて新規に財政需要を計算なさいまして、そうして集計してあるのでありますが、私どもの目から見ますれば、この新規財政需要の計上のいたし方は、最小限度のものが計上せられておるように考えるのであります。以下二、三例をとつて申し上げますと、たとえば明年度におきましては、画期的な新しい税法が実施されるのでありますが、この画期的な税法に対する徴税費というものは、いかように計算しておるか、政府の御説明によりますれば、従来徴税費は大体三%—二・八%から三%の数字を基礎としておりますが、今回の地方税法の実施にあたりましては、七%の徴税費を見込んでおられるのであります。私は、過去の実例におきまして、すでに七%ぐらいのものは優にかかつておるように聞いておるのでありまして、今年の新しい税法を実施する場合には、とうてい七%では行かない。少くとも一〇%近くの金がかかるのではないかということを、地方の当事者もそれぞれ申しておるのであります。この点なんかも非常に見積りが少いのではないか、かように考えております。また人件費につきまして、過去においていろいろ行政整理を実施せられまして、できるだけ地方の歳出の節約をはかられたのでありますが、実際において地方は、なかなか中央機関のごとく行政整理ができ得ないような事務の輻湊をきわめておるのでありまして一なかなか経費の節約ということもなし得なかつたのであります。さらに問題の教育費でありますが、これは本年度におきましては、四十五億円が六・三制によりまするところの建築費として計上せられておるのでありまして相当これは地方の財政の緩和になることは明らかでありますが、これをもちまして地方の歳出が間に合うのだという見方は早計に失するのであります。今日の地方の学校の状況を見て参りますと、終戦前から当然補修すべき校舎も補修せられておらない。辛くも今日まで使つておるのでありまして、いずれも耐用年数を十年あるいは十五年と超過しておるものも少くないのでありましてこの修繕並びに改築ということは、今日すでに目前に追つておるのであります。こういう数個の事実を考えてみましても、明年度要するところの歳出が幾らになるかということは、先ほど自治庁でもつて御計算なさつたような四千八百億、四千九百億でとうていとどまるものじやないのであります。なお災害復旧費のことを考慮に入れましても、これは今年におきましては、ある程度まで公共事業費は増額せられ、あるいは全額負担とか、いろいろの方途を講ぜられておるのでありますが、今日までの災害復旧にはとうていその需要を満たすに足りないのでありまして、まだまだ予算に計上し得ないところにおきまして、多数の需要が残つておるのでありまして、この場合を考えますと、地方費の増額というものは、よほど多くなるというふうに私どもは考えておるのであります、すなわち、先ほど申し上げましたように地方の歳出が、自治庁が予定せられておるようなわくの中で納まつてくれればよろしいのでありますが、当然納まり得ない。私地方に行きまして、少し聞いたのでありますが、いずれも普通の予算を計上いたしますと、二割、三割は超過いたさざるを得ないのであります。自治庁から、市町村財政に関しまして通牒がありまして、来年度予算編成方針が、大体のわくがきめられておるのでありますが、そのわく内において編成することさえも、非常な困難を来しておるようなわけであります。自治庁が今日予定されましたところの地方歳出なんかは、あまりに少な過ぎる。これでは地方の自治体というものがもしも政府の予想通りの予算を組んで実施いたしましたならば、地方の自治体は、来年は今年と同じように萎靡衰頽をいたすのではないかということをおそれておるのであります。本年度におきましては、いわゆるドツジ健全予算が中央部において実施せられましたために、地方財政は非常な犠牲をこうむつたのでありますが、現在の状況において推移いたしましたならば、昭和二十五年度におきましても、やはり地方財政は中央のために非常な圧迫を受けることと考えるのであります。この点に関しまして大臣の御意見を承りたいと思います。
○本多国務大臣 ただいま、地方財政の現状につきまして、いろいろな観点からお話のありました、その御意向に対しては、私といたしましても全面的に同感であります。まつたくさような心配は持つておるのでございますが、国家の財政の現状といたしまして、平衡交付金の額に制約があり、地方の予算は、この予算が基準となつて、徴収額に対する差額を補助しなければならぬという関係もあり、でき得るだけ地方の予算につきましても、歳出につきまして節減をはかつていただかなければならぬという関係がありますので、政府といたしましては、この政府の平衡交付金の算定の基礎となります予算というものについては、相当しんぼうをしていただくほかはないという立場をとらざるを得ないのでございます。しかしそれ以上地方においてどうして歳出が必要であり、またその地方自治団体の住民たちもこれを了承して、さらに予算をふやさねばならぬというような場合には、標準税率から制限税率の間において調整されることができるのでありますが、しかしそれをあまりやりますことは、せつかくの減税がかえつて増税になるという危険も生じて来るのでありまして、お話の通りに心配いたしておる次第でございますが、今後ますく中央政府の経費を節減をいたしまして、平衡交付金を増額するように努力をして解決するほかはない問題であると考えております。 〔委員長退席、小峯委員長代理着席〕
○床次委員 ただいまの国務大臣の御答弁によりまして、自治庁がいかに御苦心せられておるかということがよくわかります。政府の予想したような地方歳出でとどまれば、確かに減税になる。しかし減税だけを目標に地方の歳出にわくをはめようとすることは、私は逆なのだと思うのです。ただいまお言葉がありましたことく、地方がほんとうに必要な支出でありますならば、わくを越えてどうしても徴収せざるを得ないのであります。あるいは税が満度に達しましたならば、寄付金によらざるを得ないということになるのでありますが、その場合におきまして、地方の希望によつて新しく税をとりましたものは、私は当然税であり、地方の負担であると思うのでありますが、政府び予定したものを越えておるから、これは別なのだとは言えないと思います。私どもは国民生活をなします場合におきまして、国税、地方税、さらに地方団体が必要だとしてとりますところの税金、それも合せまして全体を国民負担と考えておるのであります。今日国務大臣——本多国務大臣とは申しません。大蔵大臣が考えておられる将来の国民負担が軽減されるということは、架空な数字なのである、実際の地方の需要には合つておらないのだということを私は申し上げてさしつかえないのではないか。ただいまの御答弁によつて、多分にそういうことをやはり御了解なさつておられるように思うのであります。特にこの機会に私申し上げたいのは、今回の税制改革は地方財源を充実いたしまして、そうして地方自治を拡充したい。これによりまして将来の日本の民主政治の発展を期するというところに、地方税制改革の大きな目的があるように承つておるのでありますが、この税制にのつとるところの地方財政の組み方はいかんと申しますと、これはまつたく逆であります。地方自治をつちかうというつもりのものが、中央政府で一定のわくをはめて、そのわくで地方め運営をやらせようという考え方が入つておるのであります。せつかくごちそうの材料をそろえながら、食つちやいかぬということを、逆にやはり中央政府が要求しておる。私はこれはまつたく地方の自主性を無視した考え方であるのではないかと思つております。国務大臣ははたして地方自治の拡充に対しまして、ただいまのようなむりな財源的操作をやらせようというお考えであるかどうか。私はこの点は大臣もさだめし御同感だと思います。御答弁をいただきたいと思います。
○本多国務大臣 お話のごとく、将来の理想といたしましては、法律をもつて地方税制というようなものを制定すること自体が、矛盾であるというような考えは持つております。しかし今日の段階におきましては、法律をもつて一定の標準を示す、この程度のことは全国的調整のために、ことにまた平衡交付金等の制度を考えましたときにやむを得ないものである。かくして市町村をだんだん育成いたしましたあかつきにおきましては、完全なる財政自治ということが理想であると考えております。
○床次委員 ただいまの御答弁は、少し私の申しましたことに対して、誤解があつたのではないかと存じますので重ねて申し上げますが、今回地方税制によりまして相当の弾力性のある財源を地方に與えられたにかかわらず、政府は地方の歳出を大体四千九百億というわくに入れまして、これを地方に押しつけ、その範囲内なら国の方針に合うのだ、今日内閣がいうところの国民の負担軽減に合うのだということを言つておられるのであります。それ以上のことを地方でもつてやつたならば、これは政府の関知するところではないというような立場のように承るのであります。先ほども申し上げましたごとく、現在の地方歳出というものはとうてい四千九百億ぐらいでは追つつかないのだ、現状すでにその一割、二割を上まわらなければ、地方自治団体の生活に合わないのであります。苦しいところをがまんして寄付金その他を出して、やつと補つておる状態でありますから、さだめし私は五千数百億円になるのであろうと考えておるのであります。自治体というもののほんとうの自主性を尊重いたしましたならば、もつともつとその数字が多くなるかもしれないと思うのでありますが、政府のなさるところはこれを大体四千九百億というわくに入れて、その上におきまして国家の財政を論じ、国民負担を論じておられるというのが、現在の予算審議であり、私はかかる予算審議はまことに片手落ちのものではないかと考えておるのであります。なお今後地方税制が具体的に審議せられます場合におきまして、さらにもう少し検討を加えてみたいと思うのでありますが、単に地方税の総額があまり大きくならないということだけでは、国民負担の問題は論ぜられないのであります。だれがその税金を負担するかということに対しましても、もつともつと検討しなければならない。われわれは日本の課税状況を見ますと、やはり中産大衆がこの課税を負担しておるのでありまして、結局農村におきましては、あまり農家の負担も軽減せられないというような形になるのではないか。地方税の改正におきましてかかることも私は憂えておるのでありますが、どうか本多国務大臣におかれましても、十分に地方の自主性というものを尊重してお考えをいただきたい。ほんとうの地方の歳出というものを把握していただきたい。もしもただいまにおきまして把握が困難であり、依然として四千九百億でとどまるというお考えでありますならば、たいへんな見当違いをしておられるのだ、やはり正しい地方の事情を認識していただいて、その上でもつて地方の財政のみならず、国政全体の一つの判断をしていただきたいと思うのであります。この点は大蔵大臣と本多国務大臣と十分な御研究と申しますか、御協議を煩わしまして、そうして国民に対して誤解のないようにはかつていただきたいものと思います。 それから次に私は税法について一、二お尋ねいたしたいのであります。今回の改正税法によりまして、地方税もやはり所得を中心とした税の立て方になつておるのでありますが、所得税の取扱いそのものにつきましても、まだまだ至つて技術的には不完全なものがあるのであります。いわんやこの所得税を中心といたしまして地方税におきましても、同じ資料を利用して参りますと、その欠陷を倍加いたすおそれがあるのではないかというふうに考えられるのであります。先ほども申し上げましたが、今日政府が予定しておられるところの新税徴收に関する経費というものは七%を計上しておられるにすぎない。もしこの範囲内でやらせるといたしましたならば、まことに不完全な地方税制の実施になるのではないかということをおそれるのでありますが、はたして本多国務大臣は新税法が十分に実施し得るという御自信を持つておられるかどうかもまずこれを伺いたいと思います。
○本多国務大臣 この点につきましてはまことに心配はいたしておるのでありますが、各地方団体におきましても、今回地方財政の確立に一歩を乗り出すことができるというところに、理事者、吏員みな非常な熱意を示しております。すでにシャウプ勧告以来、この税制改革に備えて、それぞれ研究準備等もいたしておりますのでもこの税制の成立がはなはだしく遅延するというようなことがない限り、来年度からの実施には、支障なくやつて行けるものであるという確信を持つておる次第でございます。
○床次委員 確信を持つて実施していただけるという御覚悟のほど徳、まことに私どもも敬意を表するのでありますが今日の国税の取扱いにおきましても、税務官吏の熟練度合いというもの、またその勤務年数、経験というものは、まことに寒心にたえないものがあるのであります。これが地方税に参りますと、まつたく何と申しますか、今度は画期的な変更が行われるのでありますが、特別な知識を要する——昨年以来十分な御準備をなさつたように承つておるのでありますが、はたしてそれが実情であるかどうか。また先ほどもお尋ねいたしたのでありますが、予算費用の点におきましても、あの程度の費用でできるのかどうかということについて、私はその簡単に自信があるという御答弁だけでは満足し得ないのでありますが、いかがでございましよう。
○本多国務大臣 徴税につきましては、御指摘の通り見積つていると存じております。徴税費において総額七十億を増加する見込みでありますが、今回のこの税制改革は、初年度においては相当の経費も要し、また新税でありますから、人手も要することと存ずるのでありますけれども、御承知のように課税標準が比較的容易に捕捉しやすいものであつて、そうして年々前年度を土台としてやつて行きますと、固まつて行くような性質を持つております。こうした点から初年度においては、相当の努力は要することであると思いますけれども、その程度の経費をもつて、でき得る限り優秀なる吏員を新規採用するというような方法によりまして努力いたしましたならば、やり得るものである、こういう見通しを持つている次第でございます。
○床次委員 この機会に本多国務相にもう一つお尋ねいたしたいと思います。今回政府におきましては、相当歳出の節約を実施せられておるのでありますが、行政機構の整理によりますところの経費の節約というものは、それほど多くはないように考えられておるのであります。かねて中央政府の出先機関というものに対しましては、いろいろ議論があつたのでありますが、この際本多国務相におきましても、積極的に地方出先機関の整理、統合につきまして御決意をしていただき、断行をお願いしたいのであります。先日来、ときどき新聞紙上におきまして、少しずつ整理の実施につきまして、計画が進行しておるかのように承つておるのでありますが、この際どの程度のことを実施する成案をすでに得ておられ、るか。もし成案を得られましたものがありますれば承りたいと思います。また地方の経費を節約せしむるという意味におきまして、各都道府県の地方事務所も当然考慮の対象になるべきものであると考えておるのであります。地方自治団体のことはもちろん自治でありまして、政府におきまして、すれを干渉するの対象ではないと存じますが、しかし整理統合いたしまして、事務能率を上げるということに対しまして、政府より勧告せらるるということは適当な措置であると思いますが、これに対しまして国務大臣の御意見を承りたいと存じます。
○本多国務大臣 出先機関の整理につきましては、政府もでき得る限り地方に委譲のできるものは、委譲したいという根本方針に基きまして努力して参つたのでございますが、経済統制の事務が相当廃止になつたとはいいましても、まだ残つておるものもあり、その出先機関の整理に徹底を欠きますことは、まことにやむを得ないことと思つております。今回の国会に提案して御了承を得たいと思つておりますのはも農林省の資材調整事務所を府県に委譲いたしたいと考えております。これは従来通産局出張所あるいは道路運送監理事務所等の場合の委譲の仕方と違いまして、国家公務員を地方公務員に身分とも切りかえて完全な委譲をいたしたいと考えております。さらに通産局の出張所はその行政事務は知事の権限内に入りましたけれども、これに従事する職員は身分が国家公務員でありましたものを、地方公務員に切りかえたいと考えております。この二つが今日この国会で御決定願いたいと考えまして方針の決定しておるおもなるものでございます。その他についても小さな出先機関について多少は実施できるものと考えておりますが、根本的にはただいま発足いたしました地方行政調査委員会議において、国家、地方を通じての行政事務の再配分という観点から、これらの問題もぜひ結論を出していただき、その上で方針を決定いたしたいと考えておるのでございます。もつともそれに至りますまでにおきましても、でき得る限り政府といたしましても推進をいたして参るつもりでございます。また府県の地方事務所の問題でありますが、これは地方事務所がどうしてもなければ不便であるという所、あるいはなくてもやれそうであるという所、こういう判定が必要でありまして、この点については地方の自治的判断にゆだねてあつたのでございますが、やはり地方行政費の節減という観点から、政府におきましても地方事務所も必要がないと認められるようなものがありました場合には、それらを廃止するように勧告あるいは督励と申しますか、そういうふうなことをやることは決していとわない考えであります。元来が今日におきましては地方自治の範囲に関することと法律上なつておりますので、政府においてこれに行き過ぎた干渉はできないのでありますけれども、これがまた非常な乱雑状態になつて全国的に弊害があるということが認められる段階に至りましたならば、自治法の中に規定を設けることもよかろうと考えておりますが、ただいまの段階におきましては、そういう点までは方針がきまつておらない次第でございます。
○床次委員 私は終ります。
○小峯委員長代理 米原和君。
○米原委員 税制全体につきましては、午後大蔵大臣の御出席を待つて質問することにしまして、地方税について二、三点ごく簡単にお聞きします。昨日も自由党も北澤委員から指摘された点でありますが、固定資産税で五百二十億円予定されておる。ところが土地家屋だけでも大体それに近い額が出るのじやないかという点であります。そしてそのほかに、たとえば昨日もお話がありましたが、八幡市の場合、われわれが聞いたところでは、八幡の製鉄所で四億八千万円くらい固定資産税がとれる。大体償却資産が一兆三千億というきのうのお話ありりましたが、それで計算すると、その通りにこの割でとると、一体どれくらいとれるというふうに考えておられますか。
○本多国務大臣 お答えいたします。実は固定資産税の中の土地家屋の評価につきまして、賃貸価格に対する倍数をもつて評価することになつておりますが、その評価がどれくらいになるかということがまだ決定いたしておりません。さらに固定資産税全般に対する税率の点においてもまだ決定いたしておりません。その関係から、ここに申し上げます数字は、確定的なものではありませんけれども、大体土地家屋につきまして賃貸価格の八百倍——これはさまつておらないのですけれども、八百倍と見れば、四百億くらい土地家屋税はとれる見込みになると思つております。そのほか償却資産に対する税率を百分の一・七五とすれば百二、三十億—百二十七億ぐらいになるのではないかと思つておるのであります。こういうふうに見込みましたその根拠は、土地家屋については相当捕捉しやすいものであり、その捕捉率も九割くらいは見込んでおります。それからそれに課税した税の徴収額も、滞納でとれないものも出て来ると思いますけれども、捕捉が九割で、課税した税の九割ぐらいの実収が上るものと見込んでおります。 それからその他の有体財産でありますが、償却資産につきましては一兆戸千億くらいはあるものと推算いたしておりますが、その根拠は資産再評価税の課税の対象と一致させておるわけでありまして、これには現在の法人等の考課状の固定資産を集めましたのでは、ここまでは行かないのでありますけれども、相当程度資産再評価も進むものと見積りまして、これを推算いたしておるのでありますが、これに対しては不動産と違いまして捕捉率がそれほど確実には行かないと思いますから、まあ七〇%くらいの捕捉で、その課税したものについて八〇%ぐらいは確実に徴税できるというふうに見積つておりますから、ほんとうの正味の償却資産が一兆三千億ある場合、その何割がとれるかということになりますと、完全にとつた場合五割六分くらいの正味の收入ということになる、こういう計算をいたしまして、今のところではこの固定資産税五百二十億というものに大鑑符号するというような見通しでありますが、しかしこの計算の内容につきまして、まだ政府部内にも異論があり、司令部にも了承されておりません。従つてもう少しく倍率、税率等を緩和しても、予定の收入は得られるのではないかというので、研究、努力中でございます。
○米原委員 ただいまのお話ですと、倍率では八百倍以上になるということは、おそらく今後あり得ないだろうというところまで来ているというわけですか。
○本多国務大臣 八百倍くらいでも五百二十億の收入は確保できるのではないかと考えまして、司令部とも計算の根拠について折衝中でありますが、まだ結論に至つておらないのであります。見通しとして、八百倍に必ずなるだろうということは今日まだ言えない状であります。
○米原委員 私は参考のために、さらに聞きたいのであります。八百倍ではなく、あるいは千倍になるかもしれないと思いますので、千倍としてその捕捉率とか実際の課税の率とかを計算に入れないで、一〇〇%とれたと仮定した場合——実際上は一〇〇%ということは考えられませんが、その場合どのくらいになるか。それから償却資産についても大体一〇〇%とれるとしたら、どのくらいになるかということを聞きたいのであります。
○本多国務大臣 土地家屋につきましては五百億くらいになると思います。それから償却資産につきましては、一兆三千億に一・七五をかけまして、相当の金額が出て来ると思いますが、これははるかに超過いたします。それで、千倍になることがあるかというような御意見でありましたが、司令部と今日折衝中の計数で相違している点は、司令部も九百倍までは下げても支障があるまいというところまではつき合せが進んでおります。政府は、もう少し下げても確保できるのではないかというので折衝中でございますから、千倍になるようなことはないと思います。
○米原委員 大体わかりました。それで計算してみますと、そういう場合だと三百五十億くらいに償却資産の方もなると思うのであります。今土地家屋の五百億と合せて考えると、事実上はそこまで行かなくても、とろうと思えば積極的に——大蔵大臣は施政演説の場合にも、この委員会でも強調されておりますが、税法通りにとるという目標であるということをしきりに言つておられる。そうしますと、実際は政府の内部でも、五百二十億以上この計算ではとれるだろうということを言つておられる。実際にはそれ以上、多い場合はこの固定資産税だけでも二、三百億とれる可能性はある。今度の政府当局の説明では、減税々々ということを言つておられるのであります。しかし、もう固定資産税だけでその減税がけし飛ぶところまで出て来るのであります。しかもそれが税法通りということになると、ここに非常に問題があると思います。 そこで、さらに住民税について聞きますが、住民税についても同じようなことが言えるのではないか。住民税の中で、たとえば一番初めの所得割を一八%とるやり方、これを計算してみましても、昭和二十四年度が三千億、それの一八%とると、この所得割だけで五百四十億という数が出て来る。ところが住民税全体で五百二十億という数字が出ておりますが、これも相当の超過になるのじやないかと考えますが、どうお考えになりますか。
○本多国務大臣 ただいま一〇〇%にとればというお話でありますが、そういう税はとうてい見込むことができないのでありまして、どんなに確実にとつても、九〇%とる税というものは今日まであまり例はなかろうと思います。ことに動産を対象とする償却資産につきましては、よほど厳重にやりましても、不動産等と違いまして、捕捉率を高めることは困難だろうと思つておりますので、これは地方財政の今後の基礎確立をする上から、堅実な見通しをもつて算定しておかなければならぬと考えております。 さらに住民税についてのお話でありますが、住民税につきまして所得税額あるいは所得税の課税標準を対象とするものは相当確実につかめそうでありますが、しかし実際においては非常な少額所得者の資料等を牧集してやることでありまして、これもなかなかフルに捕捉ということはできないことでありまして、これも相当緩和した見方をしておかなければ、地方財政に欠陷を生ずるおそれがありはしないかと考えております。ことに住民税は標準税率でありまして、標準税率を決定いたしましても、全国地方団体が——税の負担は住民のいとうところでありますから、はたしてそこまでとるかどうか、それより下をとることは御自由でありますから、四百億の増税は四百億まで地方がとつてくれれば増税でありまするが、あるいはそれより下まわる——経費の節減や支出を縮めて税を安くする、いろいろな経費の節減に努力をすることになりますと、四百億のわくはあつても、それより下まわる徴税で済むという場合もありますから、やり方によつては総額において増税にならないとも限らないのでありますけれども、政府は大体の見通しを四百億ぐらい増税になるものと見込んでおります。それ以上増税になるだろうということも、各地方自治団体の運営の仕方では、制限税率まではとれるのでありますから、言えるのでございますけれども、まず標準を押えておこうではないかと考えております。
○米原委員 それについては私もう少しあとで聞きたいのでありますが、今聞きました住民税の場合、所得割を一八%としますと、それだけでも五百四十億という数字が出るわけです。そのほかに均当割が一〇〇%とれるとすると、どれくらいな額になるかということをお教えをいただきたい。
○本多国務大臣 所得割で五百四十億くらい、均当割で百億見当になると思います。そうするとはるかに上まわるわけでありますが、そういう数字を押えて、それをもつて不必要な税をとるのであるというふうに伝わりますと、国民の誤解を招く次第でございまして、税は決して百パーセントとれるものでないのでありますから、やはり常識的な堅実な賦課率、徴収率というものをぜひ考慮して考えていただきたいと思います。
○米原委員 議論としましてはそうおつしやいますけれども、先ほど床次委員からもお話がありましたように、実際には地方財政でこれではやつていけないくらいである。今度のやり方では全部地方にまかすような形でありながら、そんなに実際には課税できない実情を知りながらも、何とかしてこの標準のやり方でとらざるを得ないように仕向けている、そこに問題があるのです。実際にはこれほどとれないといたしましても、やはりとるという可能性はある。またこれは標準であつて今までの例からしても、たとえば私の出ました鳥取県のような貧乏な県では、標準税率を上まわる地方税をかけて来ている、そうやらざるを得ない、そうやつて行かなれけばやれないというところに来ている。一方実際上できないというところに問題がある、ですからこういう可能性が與えられると、いやでもおうでもそちらの方に行くのであります。結局あとになつて予定よりとれたと本多国務大臣は言われようが、そこにこそ自然増の秘密がある。法律通り税法通りにとつたところが増加した。増加したけれども、増税ではないということを、しきりにこの前の臨時国会の場合も政府当局は弁明された。なるほど税法通りとつておる、税法通りにとつたところが自然に増加した。国民にとつてはそのことは問題じやない、実際に負担がふえて来た。それが増税なのです。法律通りにとつてふえたのであるから増税じやないとないうことは、りくつとしては成立つが、実際にはこの結果非常に負担が増加することになる。こういう予定を立てられても減税だ減税だと言つて宣伝されることこそおかしい。決してそんな状態じやないと私は思う。ことに住民税の場合実際にこれがとれないのです。夢つて地方財政を似たかにやりたいけれども、実際にはとれない。だからこそ最近方方の自治団体から、この議会に対してもそういう請願が来ておる。先日も各党に行かれたでしようが、兵庫県の四市の代表の方が来て、こういう住民税は絶対にとれない、労働者の多い都市じやとうてい都市の財政はやつて行けないということも聞いておるわけです。そういう状態でこれをかけることがほんとうに地方財政をゆたかにするゆえんであるか、ほんとうに地方自治を完成するゆえんであるか、私は非常に疑わざるを得ない。それでそのついでに聞きますか、昨日の説明では、たとえば八幡という町が予定より非常にとれた場合——この場合当然とれますが、その場合にほかの町にわけて行くということになつておるようでありますが、これは一体どういうやり方でやちでとつて、自分たちで使うという意味合いの金になります。従つてさらにられる方針であるか、聞きたいのであります。
○本多国務大臣 今回の地方税の改革によりまして、財源が増加されるのは市町村であります。四百億というのは市町村の財源が四百億拡大するのでありまして、府県税は前年度の七百億円で押えております。この四百億の増税は標準税率をもつて算定した見通しでありますから、それより上に行く場合もあり、下に行く場合もありますが、しかしその税は府県とか国とかいうものにとられる税でなくして、市町村の議会の承認によつて、自治的に自分た教育施設をりつぱにしたいと思う場合には、奮発をして税率を高めることもできますし、がまんをして悪い施設でもくふうをして行こうという場合には、税率を低めて行くこともできる。まつたく高くするのも安くするのも自由であります。そういう関係から、今まで市町村の方々が考えられておりました税を中央にばかり取上げられて、何にも税の恩恵というものを、身近に感ずることができないという場合とは違いまして、多く出すも少く出すも町村ごとの御相談の上ということになるのでありまして、その結果負担の増加する場合があるといたしましても、国税等によつてとられる場合とは、市町村民の方々の考えも違つて来ようと思います。そうした意味においては、あるいは承諾の上負担が増加するという場合もありましようけれども、しかしこれは身近な問題として承認されることでありますから、今よりも税に対する了解というものがよくなつて行くのではないかと考えております。後段の問題につきましては、自治庁の次長からお答えいたさせます。
○荻田政府委員 固定資産税につきましては、御説のように、八幡市のような大工業都市、翻るいは山間の水力ダムのあるような所では、標準税率をもつて固定資産税をとりますと、その市町村の標準財政費をまかなつて余りのあるところが、あるいはあるかもしれません。従つてそういう場合に対処するために、地方税法中に規定を置きまして、その超過する部分については、これを近県あるいは関係の市町村に課税標準を配分するというような措置をとることにいたしております。
○米原委員 最初に大臣に聞きますが、表面では減税になつているが、実際にまだまだ決して安い税金ではないのであります。実際上はこれがそんなに減税にならぬじやないかという点を、われわれはまた疑つておるのでありますが、この点については午後の大蔵大臣に対する質疑で問いただしたいと思いますが、国税にしても決して安い税金ではない。しかも市町村は国家の事務を相当委任されている。そういうようなところから実際的には、今おつしやつたように、市町村の議会できめるのであるから了解を得るとおつしやいますけれども、確かに了解を得る面もあります。しかしながら実際的にはなかなか負担が多くて、とれないところに来ている。従つておつしやることは、地方自治という美名のもとに、地方に責任を転嫁してしまわれるのだ、こう考えざるを得ないのです。 それからただいまおつしやいました標準財政費をはるかに越える都市の場合に、これを近県とか近在の町村にわけられるとおつしやいますけれども、それだけのことはわかつているが、これをどういうやり方でやられるのか。これは町村や県の間に将来非常な問題を起して行く可能性があると思います。どういうやり方でやられるか、このやり方を一歩誤れば、これもまた完全に地方自治団体の独自性というものを、むしろ解消して行く方向に行つてしまう。そういう点についての所見を聞きたいのです。
○本多国務大臣 今回の中央、地方を通じての税制改革は、相当減税にはなりますが、これをもつて満足すべき減税であるとは全然考えておらないのでございます。九百億、一千億くらいの減税では、今日の重税の苦しみから、とうてい救われるものではありませんし、また個々の納税者におかれても、目立つような減税にはならないのでありまして、政府は今後ますます経費の節減をはかり、中央、地方を通じての減税ということに、さらに努力をして行くべきであると考えております。今日あらゆる政策の中で、減税をやるということが、善政の最たるものであると考えておりますので、そうした考えで依然として努力を続けて行くのでありますが、今回その減税の第一歩がここに乗り出せたというように考えております。
○荻田政府委員 ただいまの問題につきましては、お説のように市町村の利害にきわめて大きな関係を有するものでありますので、関係市町村の協議、あるいは府県知事の裁量だけではできないと思いますので、新しくできます地方財政委員会において直接にこれを調査して、今申しました標準によつて、これを関係の市町村に配分する、中央においてこれをきめてしまうという方法を講じたいと思います。
○米原委員 ただいまの荻田政府委員の説明では、これはむしろ地方の中央依存を高めることになると思います。こういうやり方では地方自治の拡張ということにはならない。この点については議論は避けます。 それから本多大臣は、減税の第一歩たとおつしやいますけれども、私は減税の第一歩にはとうていなつていないと思います。先ほど言いましたように、地方税の方に相当大きな増税の可能性を実際問題としては持つている、との可能性のところまで近寄るようにせざるを得ない実情にあるということで、非常な負担になつて来る。実際は法律でこうきまつておるから、法的には一応率が下つたから減税だということは言えないと思います。実際的にとる金額が問題です。実際的に国民にかかつて来る負担の問題です。でありますから、減税といわれますけれども、たとえば二十三年度の場合をとつて見ても、申告納税の九四%までは二十万円以下の所得です。二十万円としますと、今度所得税がどれだけかかるか、四人家族で所得税だけで三万三千円と出ております。それから、それに地方税を今度の割合で大体計算してみますと、地方税がやはり三万円ぐらいかかる、実際は四人家族が一年間に十四万円で生活することになる。そうしますと一箇月が一万円以下なんです。一万円以下で四人家族が生活するのです。これで生きて行けるか。しかもこの税金だけでは岳、いろいろな寄付金や何かがかかつて来るこれじや絶対に生きられない、生きられるとしたら、何かインチキがあるのです。私は決してこれが減税などと言えないと思います。この点についで大臣の所見を聞きたい。
○本多国務大臣 税をさらに安くしなければならぬという点については、まつたく同感であります。お話の趣旨によりますと、税法では一応そうきまつていても、実際課税をする場合にむりな課税、あるいは税法そのもののむりな点、不合理な点から、自然増收という名目で増徴される分は、非常に過重になるのじやないか、予定收入以上のものを、そうした事実において課せられることになるのではないか。この点が結局税法上、標準税率等を置いても、負担の過重になつて、減税でなく増税の結果になるのではないかという御趣旨のように拝承いたしたのでありますが、その点は、国税においては私もそういう心配を持つております。今後は、やはり予算とにらみ合せて徴税をやつて行くことが、国会の議決を尊重するゆえんではないかと考えております。ただこの地方税におきましては、徴税の範囲が市町村というきわめて手近な範囲でありますので、そこで課税標準等の算定が終りましたならば、この課税標準に幾らの税率を適用すれば予定收入を満たすことができるかというようなことも、手近に計算ができる事情がございます。課税標準そのものの決定も、税率とにらみ合せて評価の調整もできようと思います。そうした関係から、あまりかけ離れた自然増收などというようなものは、地方税の範囲内においては、起きて来ないものであろうと考えております。またむりに非難を受けてまで自然増収をはからなくても、予定收入が得られれば、地方財政の運営ができるわけでありますし、そうした課税標準と税率のにらみ合せということが手近にできる、でありますから、税法できまつておるから、とれるだけはとるのだというような弊害は、地方においては事情が相当違つて来ると考えております。
○米原委員 今非常に重大な発言をされましたので、あらためて聞きますが、大臣は、税法通りにとつて、結局それを口実にする自然増というようなものは避けたい、予算に基いて、大体予算で標準にしたものをとるように、国税の方もやるべきであるという発言をなざいましたが、それは政府の方針ですか。
○本多国務大臣 税法も法律であり、予算も法律でありますが、私は先に増加所得税等が決定課税されましたときに、予算においては四十五億であつたものが、百六十五億徴収されたことがあります。こうした際には、あまりにはなはだしい予算との違いであつて、国会は四十五億と見込んでいたものが、百六十五億も上つたというようなことは、これは税法の欠陥であるか、徴税の責任であるか、そこに何らかの調整を要するものではないかと考えておりますので、自然増收という名目ならば、幾らとつてもいいというような、税法上の規定にこだわつてとり過ぎるということは弊害があるとむしろ考えておりまして、税法を無視して安くとつてもいいという意味ではないのであります。この点については国会の皆さんにおかれてもお考えになつていることと存じます。政府部内において自然増收をやらぬということを決定しているわけではありませんけれども、説明のついでに私の気持を申し上げた次第であります。
○米原委員 私の聞きたいのは、大蔵大臣は税法通りにとるということを非常に強調されているのであります。ところが今の御発言では、むしろ税法よりも予算に重点を置くという考え方が出ていると思います。その点についてはつきりした御所見を聞きたい。
○本多国務大臣 これは税法に基いて見込まれた予算でおりますから、あまりかけ離れないのが原則であります。それがかけ離れるということでありましたならば、いずれかに私は間違いがあることと思いますから、やはり実際行政上は大いに予算を考慮しながら運営して行くものであると考えております。
○米原委員 そこに実際は問題があるのでありまして、今までこの委員会で、昨年以来何回もそのことが問題になつたわけなのであります。税法通りにどれば実際には食つて行けない。これが実際の姿なのです。ところが今度の税制改革を見ると、青色申告というものが出て来ている。今までかかつて来ていた税金に対していろいろ申告をやつて、実際はそこに相当の柔軟性があつた。これが全部なくなつて、もう予算標準というよりも、税法通りにとれるだけとるということが、はつきり出ているのだろうと思うのであります。ところが本多大臣はそうでない、予算をむしろ重点に置くという考えのようであります。この点についてはさらに大蔵大臣に私ははつきりした点を聞きたいのでありますが、今度の減税論というものは、その点に大きな問題があるのであります。実際的にはこの点が大きな税金がとられて来るのであります。ことに地方税の場合に、大体計算してみましても、また政府部内でもこれではよけいとれ過ぎるのじやないかという意見があるように、そこに問題がある。減税々々と言うのは、単なる宣伝であるとわれわれは考えざるを得ないのであります。でありますから、さらにこの点については後刻大蔵大臣に私は質問したいと思います。これをもつて打切ります。
○本多国務大臣 どうぞひとつ地方税の範囲内における私の答弁にとどめておいていただきまして、国税についでは大蔵大臣から御説明いたします。
○小峯委員長代理 竹山祐太郎君
○竹山委員 私はごく簡単に一、二の点を本多国務大臣に伺いたいのであります。地方税制の問題はいずれ法律が出てから、あらためて論議をいたしたいと思いますが、出る前に予算との関連において伺つておきたい点は、今度の地方税制で、本会議でも私は申し上げておいたのですが、問題は総額の税收入が何が幾らあるとかいう問題もきわめて重大でありますが、私の心配をするのは、一万の町村のうちで、今度の地方税制によつてはたして運営がつく村が何割あるか、それを標準通りやつたならば、維持できない村が何割あるか、これは当然あるべきはずだと思います。もちろんお話は平衡交付金によつて調整をとると言われるかもしれぬが、これはおのずから限度がある。非常な、根本的な変革であつてこれは終戰以後の、政治的に見れば、教育制度の改革以上の大改革であつて、地方制度そのものの根本が非常な大変革を来す問題であります。従つて減税や増税の額の問題ということよりも、町村の自治体が維持できるかどうかという根本問題について、幸いに本多大臣は両方を担当されておる、これについては大きな地方の行政制度の大刷新をやらなければ、税だけの問題では解決できない。従つて一番端的に言えば、市町村が国家の委任事務を大部分やつておるというような状態のもとにおいて、今度の税制改革を行うことには非常な矛盾がある。これを、ご惡く言えば、財源の限度において自治体は自分の仕事だけすればいい。従つて国家事務は返上をするという問題が起らぬとも限らない。ことに私の心配するのは、山村などにおいて、今まで反別割などでようやく維持して来たような村がどうしてやつて行くのか、それをはたして十分維持するだけの平衡交付金の余力があるのかどうか。私は結論を申せば、今の段階においてごくまじめに検討をしていただかなければならぬのは、全体論ではなしに、個々の市町村が何割、この財政計画によつてはたしてやつて行けるかどうか、その点についてどう検討されておるかを伺いたいのであります。
○本多国務大臣 今回の税制改革によります市町村に対する四百億の財源の増加はも行政事務を現状のままで財源が増加するのでございますから、全体といたしましては、地方財政が強化されるものと考えておるのでございます。しかし税制の根本的改革でございますので、その影響は一律には行かないのでありまして、竹山さんの御指摘のように、あるいはこの改革のために財源がかえつて縮小するという町村ができないこともないかとも思いますが、総括的にはさような見解を持つております。今日の中央と地方の委任事務等で非常に複雑になつている問題の解決と、財源の解決、すなわち税制の解決とを同時にやるということは、理想でありますけれども、まず今日行政事務を現在のままにしておいて、財源に非常に困つておるのであるから、財源を付與するということを第一段階に実行いたしまして、行政事務の再配分の問題は、地方行政調査委員会議が結論を得ました上で、この再配分の問題を解決し、そういたしましたならば、さらに地方の財政需要費というものに変動を来して参りますから、さらにその財源については、平衡交付金等の調整によつて解決をして行きたい、かように考えておる次第でございます。
○竹山委員 実際の運用は、大臣のお話のようになるかと思いますが、そうなると伺つておきたいのは、一番貧弱町村は国家が必ず現在の状態まで見る。従つてその限度まで平衡交付金は、現内閣はあとを補償して行くということをおつしやることに了承してよろしゆうございますか。
○本多国務大臣 標準財政費に徴収額で足らない分を全部補填するということが、平衡交付金法の原則であります。これは原則でありますけれども、いかんせん国家財政の事情から平衡交付金の額が千五十億円以上は出せないという、ここに制限が予算の面から来るのであります。従つて不足しておる各町村の不足額に比例いたしまして、千五十億を按分することになります。従つて平衡交付金が不足額の実態に不足しておるという分だけは、調整ができないということになるのでございまして、この点は今後の政府の努力によつて経費の節減を推進するとか、あるいはさらに来年度からは平衡交付金を増加していただいてそういう欠陥を生じないように、いろいろ努力を続けて行くほかはないと田やつております。
○竹山委員 今度の税制改革で、何とか財源がおつつくような都市あるいは富裕の地帯というものは問題じやない。山村を初め現在においてすら維持することができない布町村を、今度のことにおいてどうするかという問題が一番の問題だろうと思う。本多大臣は道州制その他いろいろ地方行政区画の変更の問題も考えておられるようでありますが、きようは時間もありません、から、その御答弁を求めません。私が前段に申し上げたように、役所において総体論だけをなさらないで、もつと市町村の中に入つて、山村の何割かは困難であるとか、あるいは何とかほかの処置を講じなければ維持できない市町村も現実にあるのでありますから、そういう問題の検討をされておるならば、その資料を後刻ちようだいいたして、次の機会に論議をいたしたいと思います。 それからもう一点お伺いしておきたいのは、本会議においても伺つておつたのでありますが、私の心配しておる点は、附加価値税の場合において、シヤウプ氏は農業及び林業を除くということを言つております。これは不動産において重課をされるからだという説明をしておりますが、そういうことから言うならば、農業及び林業に関しては、一切附加価値税はかけられないはずであります。ところが、何かの機会に、私は直接伺いませんでしたが、これは農業については統制をしておるからというようなこと、統制経済がまだ行われているからだというようなことを、これに付随した條件にして言つておりますが、私はこれは少し逃げ口上だと思う。現に林業だつて統制がはずれております。それならば林業にかけるかということでありますが、シャウプ氏が力を入れておる点は、農業及び林業の不動産に対する重課をされたから、附加価値税はかけないのだということが本体であると思います。従つてもうその原則は御了承済みのことと思うのでありますが、念を押しておきたいのは、とかく地方においては入場税及び遊興飲食税は都市の税金である、都市の住民の負担であるという誤解があります。そこで府県税は都市の負担だけまかなつて、農村、山村、漁村は府県税は負担をしないような誤解を生じておりますために、その反対として、農林漁業の方面にも何らかの府県税をかけなければならぬという考え方を、しろうとに了解をされるような説明をしております。これは非常に問題であつて、決して入場税も遊興飲食税も農山漁村民が拂わないのではない、おそらくその半分か何割かは必ず拂つておるのでありますから、これは決して都市の負担ではない。従つてこの点をごまかされないように——よく本多大臣は御承知と思うし、この間本会議においても私の希望をした沿岸漁業についても、シャウプの中には含まれて、あいまいになつておつたけれども、かけないのだという点を言明してくださつたことは、私は非常に感謝をいたしますが、どうか農業などについても、その限界はきわめてむずかしい問題が起つて来ようと思いますが、いやしくも農業、林業、漁業にかけないということならば、そこをはつきりとして、最大限度に地方の実情にまかせたり、あるいは財源ほしさのために、これにりくつをつけてかけないように考えておいていただきたい。法律を出す前にその所見を重ねて伺つておきたいのであります。
○本多国務大臣 お話の通り、農業について附加価値税を課税しない理由といたしましては農業、林業の事業の基盤は全部土地という固定資産でありまして、この税額が相当増額いたしますので、その点と、いま一つには今日の農産物というものが厳格な統制を受けているという、この二つを理由といたしておりますけれども、これが今日かりに主食の統制が撤廃されたあとにおける農業がどうかと考えてみますと、それにいたしましても、農業がそのために急激に有利になるというふうにも考えられませんし、特に負担力が増加するようにも考えられないのが今日の実情であろうと思います。この固定資産税が非常に高いという点から、その後におきましても、農業、林業等につきましては、附加価値税は賦課しないものである。かように考えております。
○小峯委員長代理 これにて休憩いたします。一時半から再開いたします。 午後零時二十五分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○植原委員 休憩前に引続き会議を開きます。質疑を続行いたします。世耕弘一君。
○世耕委員 本多国務大臣に簡単に二、三点お尋ねしておきます。 地方財政の見通しという点についてお聞きしたいのだが、われわれ調査するところによると、今の状態で行くと、地方財政は減税どころでなくて三割くらいの増徴になるのではないかという結果を見ておるのでありますが、この点について地方財政が今後健全な発達をし得る見通しがついておるかどうかという点を、まず最初にお尋ねいたしたいと思うのであります。
○本多国務大臣 地方財政に関する限りにおきましては、四百億の税においては増税になる見込みであります。今回の税制改革は、中央と地方を通じての税制改革でありまして、国におきまして、二十四年度の当初予算に比較いたしまして、九百億の減税が行われますので、これと相殺をいたしますと、五百億の税において負担の軽減になる見込みでございます。
○世耕委員 平衡交付金の財源が将来確実に計上できるかどうか、この点の見通しはいかがでありますか。
○本多国務大臣 これは中央において徴します税額に関係のあることと存じますが、中央においてはでき得る限り税を減額しつつ、さらに中央の行政機関の経費も節減しつつ、平衡交付金の額はさらに増すようにという努力をして行かなければならぬと思います。平衡交付金は国の予算できまることでございますので、そうした努力さえ続けましたならば、確保し得るものと考えております。但し本年度の一千五十億という平衡交付金はまだ満足すべきものではないのでありまして、真に地方団体の財政需要額に自己の徴収額で満たない金額は、実質的にも完全に補填せられるどいうところまでは増額されて行くべきものであると思つております。
○世耕委員 平衡交付金の財源が将来どの点で確保されるかという問題については実は憂える一人であります。今国務大臣からの御説明にありました通り、国家の財政が結局地方財政にいろいろな影響をもたらすということは言うまでもないことであります。卑近な例を申しますと、今日本の国家財政は、アメリカによるところの援助物資並びに見返り資金が大きな働きをしておるということは、御承知のことと思うのであります。この見返り資金、援助物資も、遠からず削減あるいは減少するであろうということは、本議場において大蔵大臣が数度御説明になつたことをわれわれは承知いたしておるのであります。貧弱な地方財政が国家財政にたよる根拠が——その国家財政自身が他の援助を受けて、今日細々ながら成立つておるということを考えてみたときに、われわれは新たな独立した自主的な財政計画を、中央、地方を通じてしなくてはならぬということは、言うまでもないと思うのであります。ところでこの間の大蔵大臣の説明によりますと、援助物資並びに見返り資金が、名目通り援助物資であるか、あるいは将来日本の国家が負担すべき債務となるのであるかどうかということについて、いまだはつきりした答弁をわれわれは得ておりません。私はさように考えておるのであります。阿波丸事件の了解事項の中には、その点が明らかにされておるのでありますが、その阿波丸事件の了解事項の文章を読みますと、債務になるか、寄贈されるか、あるいは棒引きになるかということは、アメリカ側の裁量いかんにまつというような文意があるのであります。そうなるとここに大きな財政上の問題が残されると思うのでありますが、実は文献によつて調べてみますと、一九四八年の四月の対欧州経済援助案なるものが米国の議会に上程された。その骨子によりますと、西欧十六箇国、四年三箇月間に、最初の一箇年間の援助費として五十三億ドルの支出がアメリカの議会を通過しておるのであります。そうして右金額中の約二十億ドルは、寄贈という文章が書かれております。でありますから、この西ヨーロッパの実例から見ましたなれば、日本の、これも概算でありますが、これまでの援助物資、見返り資金等を合計いたしますと、日本の金に換算して約二兆億円に達するかと私は思つておりますが、その二兆億円の金が借財になるのか、あるいは寄贈されたのかという点をこの際明確にしておくことが、国民の覚悟を新たにする上において必要ではないかと思うのでありますが、こういう点に対して何か御調査があれば、この機会に伺つておきたいと思います。
○本多国務大臣 援助物資の代金がいかなる性格のものであるか、この性格につきましては、大蔵大臣より御答弁申し上げたいと存じます。 この援助物資の代金である見返り資金という一つの財源が、漸次減少して行くであろう、さらに全然なくなる時期もあるだろうということにつきましては、見通しとしてわれわれもさように考えている次第でございますが、それを覚悟をして、できる限り目立のできるように準備を進めて行かなければならないと存じます。中央の財政がそうした変化の起きることを考慮いたしますと、特に地方財政においても、一日も早く地方団体が財政的に自立できるところまで発達するように、政府は努力を続けて行かなければならぬと存じております。但し平衡交付金につきましては、結局市町村間における財政力の不均衡を調整するという趣旨でありますから、これはやはり将来とも市町村の財政力が平均化しない限り、必要な制度であろうと考えております。
○世耕委員 本多国務大臣に対する質疑はこの程度で打切ります。
○植原委員長 次に今井耕君に、地方税制について本多国務大臣に対する質疑を許します。
○今井委員 本多国務相にお伺いいたします。私は今回の地方税の改正が、市町村の財政にどういうふうに影響するかということについて、以前から各地の市町村の財政の実際について、いろいろ調査を進めて来たのであります。その結果、私どもが予想した以上に、非常に各方面に重大な影響を持つているのでありまして、その一々につきましてお伺いする時間を持ちませんが、今一例を申し上げますと、ちようど農村におきまして、戸数千戸内外、人口が四千ないし五千、うち七割か八割が農業従事責そして、耕作反別が平均九反内外、こういう町村を数箇町村ずつと調べてみたのです。その結果どういうことになつたかと申しますと、大体平均して、これらの町村でとつている税金が三百万円前後になります。そして現在とつているその税金というものを、今政府の案の通りに、地租、家屋税、住民税を全部町村の收入にする。それから従来の事業税、入場税、遊興飲食税というものを全部府県の收入にする。こういうふうにして現在の税収でどうなるかということを調べますと、大体地租で百万円、家屋税で四十万円から五十万円、住民税が百五十万円、大体この辺の見当に来るのであります、そうし面すと、府県と面町村にわけただけで、地租が百万円、家屋税が四、五十万円、住民税が百五十万円、それだけでもう三百万円あるということになります。これは農村におきましては地租とか家屋税とか住民税の持つ比重が非常に大きい。それがために二倍半とか三倍半とふやさなくても、従来の三百万円という税収があるということなのであります。そこでもしこの地租、家屋税というようなものを大体三倍半とか、住民税が二倍半とかいうふうに勘定しますと、約九百万円の税収が得られる。こういうことになつて、従来の三倍からの税收になる、こういう結果を得ます。これは農村といたしましては非常に重い負担ということになりますが、事実そんな三倍というような大きな経費はいらぬわけであります。そこでこの三倍半とか二倍半というようなことが非常に率が高いというふうに考えられますが、いろいろ今日までそういう実際について御調査されたこともあるかと思いますが、こういう点について本多国務相の御所見をお伺いしたいと思います。
○本多国務大臣 各角度から研究はいたしておりますが、ただいまの御研究にちようど一致するような資料を持ち合せておらないのでございます。今のお話によりますと、固定資産税だけで従来のあらゆる自治体の税を総計した金額が得られるというお話でありますが、事業税等の振合い等を考えますと、相当事業税もその税收の部分を占めておつたろうと思います。そうした点からその税だけで従来のあらゆる税の三倍に達するということは、これは非常な異例に属することではないかと存じます。但しその御研究になりました村が、全国的に均衡のとれた、いわゆる国家で要請する一定程度の施設等をしているかいなか。特に税金も安いが、すべての自治体としての規模が特に貧弱であつたために、そうなつたのではなかろうかという点も考えられるのでございますが、ただいまのはまことに異例に属することだろうと存じます。この地方税の固定資産税だけについて本年は一定の税率を用いろというシャウプ氏の勧告に従いまして、そういうことになることと今のところは思、つておりますが、その他の税につきましては、すでに一定規模の運営もでき、財源も十分であるということになりますれば、ほかの税はいかに低率をとることもその村の自由でございますので、そうしたところで自治的に調整というものも行われるのではないかと考えております。
○今井委員 私のただいまの例が非常に異例のまうなふうにお考えくださつたらしいのでありますが、先に申したようなああいう事情の町村でありますと、事業税というようなものはごくわずかしかありませんし、料理屋というものがほとんどありません。あるいは映画館というものもほとんどありません。それでおもな税收が全部町村の方へ行つてしまう。こういうことになりますから、こういうような結果が生れて来るわけです。もちろん二倍半とか三倍半というふうにきめられてありましても、それ以下ならば村でいくら低くきめてもかまわぬということで、さしつかえはないわけであります。しかしこの三倍半とか二倍半というふうなものが標準税收として、そうしてこれだけとれるものとして平衡交付金が交付されるということになりますと、こういう町村にはもう平衡交付金なんか出さなくてもいい、こういうことが一方に起つて来るわけです。そういうことになつて来ると、こういうような寄付金によるような農村は非常に負担が重くなつて来る。こういう点を非常に心配するわけであります。今の平衡交付金の交付の仕方というものについて、われわれにも了解ができませんので、そういう点から考えまして、こういう村ではどうなるか、こういうことについて簡単に御所見を承りたいと思います。
○本多国務大臣 その村が行政の運営に非常なくふうをせられまして、行政の経費が非常に安くて済んでいるというような場合、それを土台として平衡交付金を交付することになりますと、非常な不利な地位に立つわけでありますが、平衡交付金の根拠となりますのは、標準税率で計算した徴收額、それに今度は経理の面につきましても、いかに質素に自治的にくふうをして経費を安くあげておられる村でも、面積、人口——学校教育費でありましたならば、教員数、学級数、生徒数、道路なら道路の面積、長さというような詳細な標準を定めます。その標準で財政費というものを全国的基準で決定いたしますから、それと税額との差額というものに応じて平衡交付金は交付されます。従つて政府で算定いたしました標準の経費よりも下まわる努力をされた場合には、それだけ余裕を生ずるということにもなります。話がへたでしたのでちよつとおわかりになりましたか、どうですか、重ねて御質問をお願い申し上げます。
○今井委員 そこでもう一つお伺いしますが、ただいまのそういうような場合と関連するわけでありますが、義務教育に必要な費用というものを、ひもつきでおろすかおろさぬかということがいろいろ問題になつているようでありますが、ただいまのこういうような例の町村になつて来ると、もし三百万円でいいのに九百万円も持つて来るということになると、もしひもつきにならぬ場合においては、この義務教育の費用も来ないというような場合ができやしないか。そうすると事実この負担がこれらの村には非常に重いために、相当問題になつて来て、結局義務教育の費用が削られる。こういうようなことが心配されて、やはり義務教育に必要な費用というものだけはずつと下までおろしませんと都合よく行かぬのじやないか、こう思うのでありますが、こういう点についてのお考えを承りたいと思います。
○本多国務大臣 義務教育費につきましては、従来の義務教育費国庫負担法というものを廃しまして、平衡交付金という制度をもつて地方の財政一本で行うことになつております。従つて特に義務教育費というものを、別わくで交付するということにはなつておらないのでございます。
○今井委員 そうすると町村によりましては、従来の配付金以外に義務教育の費用までも減らされて行くという町村があり得るわけです。あるいは平衡交付金の交付の仕方で、従来の義務教育費の費用くらいは最少限度を下らぬ。こういうことが言えるのか、あるいは総合的に考えた場合には、村によつて義務教育の費用なんかも半分以下にも削られるというような町村もできる場合があり得るかどうか、量の点の御見解を伺いたい。
○本多国務大臣 これはその村の中における固定資産税ばかりでなく、全部の課税標準が標準税率をもつて徴收した程度で標準財政需要額を上まわるかいなかという問題であります。私どもの研究では特に大規模の工場施設とか、あるいは固定資産ではダムの施設とかいうような課税対象がある場合には、上まわることがあると思いますけれども、ただいまお話のような単純な農村では、標準財政需要額がこれを上まわるところはそうないのではないかと思います。従つてただいまのような場合、義務教育費を損するようなことになりはしないかというお話でありますが、しかしただいまのような場合に、その村の固定資産が標準税率をもつて算定しても、なおかつ財政需要額を上まわるだけとれるというのでありましたならば、そこには平衡交付金は行かないということになります。
○今井委員 いろいろありますが、この辺にとめておきたいと思います。この平衡交付金の交付の仕方によつては、非常に重大な影響を持ちますので、こういう方法でやつたならば、こういう市町村にはどうなるというようなことを当つてもらつて、そうしてひとつ適正に行くように今後最善の御努力を願いたいということを切に私は希望する次第です。 次にもう一つだけお伺いします。家屋税の大幅の引上げということでありますが、大体平常の経済の時代には、所得のたくさんある者が割合に家も大きい家に入つておる。こういうことで家屋税を相当かけましても、それを納めることができます。ところが今日の状態は敗戦の結果、相当大きい家に住んでいる人ほど所得が少くなつてしまつて、家屋と所得が反比例している場合が非常にたくさんあるわけです。従いましてこういう時代に家屋税なるものをうんと上げると、そういう変態的な立場にある人は、今家を売ろうと思つても半分売るわけに行かないので抑えないような場合が出て来る。そうしてもう少上経済が正常になればそういうこともよろしいのでありますけれども、こういう変態的なときにはも当分の間もう少し軽くしておいた万がよいのではないか、もちろんシャウプ氏の勧告のごときも、相当長期のことを考えてやる。こういうのだから、そういう点から考えれば、それはごもつともでありますけれども、今日の敗戦の結果の当座的な変態的な状態のもとにおいては、相当こういうものを考えなくてはならない、臨時的の措置を考える必要がありはしないか、こういうことを考えるのでありますが、この点についての御所見を承りたい。
○本多国務大臣 この問題は個人々々におきましても、やはり收支の均衡のとれた生活をする、適正規模の生活設計、すなわち家屋においてもやはりその力に応じた規模の家屋に居住するということでなければ、結局健全生活にならないだろうと思われるのでありまして、今回の税制改革が、そうした固定資産というような有形的な財産を対象に課税をする方向への改革でございますので、あるいは税金がそれほど高いとすれば、この家屋に住んでいることが少し大き過ぎたというむりな点も出て来ようかと思います。この点いま少しく実情についても研究してみたいと存じます。
○植原委員長 中曽根康弘君。
○中曽根委員 私は大蔵大臣及び農林大臣に対して最近の中小企業の問題及び農村の問題について御質問いたしたいと思います。 大蔵大臣は人気男で連日お疲れのようですが、しつかりお答えを願いたと思います。中小企業のことをお尋ねする前に、この間ソ連が金本位制を採用したということが新聞に出ておりましたが、どういう理由で金本位制を採用したか知らないけれども、おそらく国際的な通貨戰というか、貨幣上の冷たい戰争あるいはドルに対して独立するというような構想でやつているのではないかと思います。これがひいてはアジアにも影響が来てただいま香港を中継にやつている中共貿易あるいは北鮮あるいはその他の日本に対する貿易にも漸次響いて来るのではないかと思うのであります。この点に関して大蔵大臣はいかなる影響がありとお考えになりますか、それに対してまたどういう対策をお考えになつておりますか、まずこの問題をお尋ねいたしたいと思います。
○池田国務大臣 先般ルーブルのドルに対する改訂があつたことは新聞で承知しておるのであります。その程度でございまして、どういう現状のもとに、またどういう考え方に基いてやつたかということは、ただいま調査中であるのであります。しこうして一ドル、四ルーブル幾らだと聞いておつたのでありますが、私ははたして一ドルが四ルーブル程度でいいかどうかということにつきまして、実はあの新聞が出ます一週間くらい前、引揚げの友人その他について向うの物価を調べまして、ああはならぬだろうと思つたところが、ああいうふうなものが出まして驚いたのでありますが、今後ソ連邦の各国との為替状態につきましては、今ここに申し上げる資料を持つておりません。向うの経済事情はなかなか把握しにくいのでございまして、今資料を持合しておりませんので御了承願います。
○中曽根委員 私はさしあたり香港を中継にする中共貿易にやや響いて来るのではないかと思うのであります。と申しますのは非常に強い建値をとつておる。従つて今度のソ連と中共との経済協定、借款契約、こういうものに必ずそれが響いて来る。それがまた間接的に中共と日本との貿易に響いて来る。こういう影響は日ならずして来ると思うのであります。中共貿易というものを中心に、これにいかなる影響があるか、もう一回大蔵大臣の御意見を伺いたいと思います。
○池田国務大臣 中共に対します貿易は御承知の通りに主として香港を通してやつておるのであります。直接に最近開灘炭の輸入がございましたり、ある程度のものは香港以外で行われておりますが、今の香港を通じましてやる貿易は、香港総督の管理下に属しておりますので、ほんとうの経済状況によつて貿易が伸張したり、あるいはとまつたりするという状況でないのでございます。従いましてルーブルが私が想像しておつたよりも高くきまつたという結果から見まして、そう大した影響はないのではないかと考えております。
○中曽根委員 大蔵大臣は情報も、またこれに対する見通しも深く研究しておられないようでありますから、この問題はあとの問題にいたしまして、私は先般の大蔵大臣の言明について若干承りたいと思います。大蔵大臣の先般の言明の内容を読んでみますと、まず第一に、十月までに整理が終るだろう、そうして十月から転換が行われるという言葉を使つておる。それからある新聞によると、安定という言葉が使われております。一体どういう理由で十月という時期をお選びになつたのか、それから転換あるいは安定ということは、どういうことを意味するのか承りたいと思います。
○池田国務大臣 あの新聞に載りました十月というのはあまり意味がございません。私は特に、今整理関係におきましてある程度の投売り等が行われておりますが、これは政府の滞貨放出の現状と将来の物価の見通しにおいてかなり、あのときの言葉で申しますと、じたばたと言つておるのですが、株で申しますとチャブつくといいますが、自分でかつてに見通しを立てて、ほとんどそれが将来いいか悪いかわからずに、見通しの立たぬやり方をやるということが、今繊維関係では起つておるけれども、将来そういうふうなことはなくなつて来るだろう。こういう人はできるだけ少くなるようにしなければならない。不安にかられて悩む方を少くしたいという気持があるのであります。この点において十月ころまではどうか。十月ころまでにはそういうことはなくなるかという質問でありましたから、そんなときまで待ちや上ない宙こういうことを言つたのでございます。十月にどうこうという気は持つてなかつたのであります。しこうしてまた日本の経済が安定の度を加えるに連れまして、合理化も行われ、配置転換も行われるようになると思うのでありますが、そういうことは今までもずつと起つて来ましたし、今後もある程度は引続くだろう、こういう気持で話しておつたのであります。
○中曽根委員 新聞の記事によりますと、十月ということを明確に用いておるのであります。毎日新聞あるいは時事新報あるいは朝日あるいは日本経済、これだけ私は詳細に読んでおりますが、とにかく十月までは中小企業の整理が続く、だらだらと続く、そういうことを言つておる。もう一つはある新聞によると、そこから転換が来るということも書いてある。あるいはまた安定という言葉も書いてあります。私は大蔵大臣が新聞記者団との正式の会見で言明するのですから、いいかげんな、気まぐれな言葉は言わないと思うのですが、十月までに整理がつかないというのなら、一体いつこうまでにそういう整理が続くのか、転換が来るのか、その見通しをもう一回伺いたいと思います。
○池田国務大臣 十月を切つたというわけではございませんが、先ほど申したように、十月くらいまで続くかという質問でございますから、十月までには何とかなるということを言つたのであります。しこうして転換はもう今までも行われておるのであります。合理化は今までも行われておるのであります。あるいはその機会のすみやかならんこと、またその程度の合理化は多い方がいいでしようが、今のようにチヤブつくようなことは少からんことを望んでおるのであります。
○中曽根委員 現在中小企業者が一番心配しておるのは、この苦境をいつまで続けるのか、いつになつたら切り抜けられるのかという、その時期の問題が中小企業者にとつては大きな惱みの種であります。十月までかからぬというのなら、しからばいつごろまでこういう苦しい状態が続くのか、いつごろであるかということを御言明願いたい。
○池田国務大臣 中小企業者のお困りになる程度も、また方面も非常にかわつて来ると思うのであります。もし金詰まりでお困りになるならば、これは今議会で提案いたしました金融機構の改正によりまして、それが動き出したならば、相当部分解消して来ると思います。また税金でお困りの面ねらば、今年度から税金が安くなりますので、この次の納期からは軽くなつて来ると考えおるのであります。その人その人のお困りの方面によつて違つて来ると考えておるのであります。
○中曽根委員 はなはだわけのわからぬあいまいな言葉でありますが、大蔵大臣は明瞭に、各新聞を読んでみる、と、十月ころまでに日本経済全体として、本年十月ころまでには転換整理される見通しがある、その転換整理を円滑にするような施策を講じたい、こういうことを言つておるのです。今になつてあいまいなことにしてお茶を濁しておるように私は感ずるのでありますが、各新聞に取上げられた内容というのは、いずれもこれを指摘しております。従つて私は当時の大蔵大臣の心境からすると、一応十月ということが目途になつておつたのだろうと思うのですが、今になつて各業態によつて、それは個々ばらばらだからわからぬというようなお答えをすることは、はなはだ私は心外に思います。中小企業全般として現在の主として金を中心とする悩み、税金とか、金融とか、そういうような悩みが一体いつごろに解消するのか。明るい見通しが出て来るのか。そのことを私は中小企業の名において大蔵大臣から聞いておきたいと思います。
○池田国務大臣 大蔵省関係の新聞記者諸君とは常にいろいろな問題を話しておりますが、私はある機会にこういうことを言つたことがございます。日本の経済再建の見通しはなかなかむずかしいけれども、一番おしまいに来る措置は、各種の価格差補給金をなくしまして、それによつて見通しがつき、最後に米価と賃金が結局そのつくつた仏の眼と相なるだろうということは言つておるのであります。そういう話題のもとに、十月には鉄鋼補給金もなくなりますし、各種の補給金がよほど少くなつて来る。しかもまた新米価をきめなければならぬ状況に相なつて来る。そうしてそのときまでの日本の経済の復興の度合いによりまして、世界経済とのつながりの見通しがつくようになる。それが早くて十月ということが考えられるのではないか、そのときがおそくなれば来年の三、四月になる。そういうことで十月の話をたびたびした。そこで新聞に十月ということが出たのかもわかりません。しかし今お話したような状況で、いわゆるチャブつくことはできるだけ早くやめる、できるだけ少くなるように、そういうことを望んで言つたのであります。私は決して言を左右にするものではありません。これは当時参加せられた人たちからお聞きになつてもわかると思うのであります。 次にいつごろから中小企業はよくなるかといういわゆる金詰まり、税金の問題についてよくなるかという問題については、今申し上げましたように、政府は極力引揚げました金を民間に出すようにいたしたい。来年度におきましては、債務償還が行われた場合に、これを長期資金を主として中小企業に流す方策を講じておるのであります。税金は今年度からは非常に減つて来るのであります。だから四、五月ごろからはどんどん——というのは程度がありますが、四、五月ごろから本格的にわれわれの復興予算が執行されまして、中小企業も明るくなる、こう考えておる次第であります。
○中曽根委員 相かわらずおめでたい楽観論を放送されておりますが、その御所見に対してはあとで申し上げたいと思います。大蔵大臣が十月ということを目途にいろいろ話されたというのは、前に大蔵大臣がおつしやつた恒久的安定というのと同じ意味でありますか。
○池田国務大臣 安定政策の最後の措置が早くて十月ごろから取上げられるのじやないか。すなわち新米価の改訂のときに行われる。それがおそければまた来年になる。こういう意味であります。
○中曽根委員 そうしますと、昭和二十五年度予算を拜見してみると、米価は四千二百五十円、賃金は六千三百七円、レートは三百六十円、こういうスタンダードでおやりになつておる。ところが三月に肥料が切れ、七月にまた切れる。そうなつて来ると農業のパリティーが当然上つて来る。これは大蔵大臣の言明にもあり、予算の説明書にも書いである。またそうなれば、その他諸般の基礎物資の公定価格が上つて来るという可能性がある。そうすると基礎物資に対する価格体系というものも変化して来るであろうと思います。その変化した新しい価格体系のもとに、この現在の予算というものが執行でき得るかどうかという問題が一つ出て参ります。この点について大蔵大臣はいかにお考えでありますか。
○池田国務大臣 執行し得ます。
○中曽根委員 しからばその恒久的な安定というか、十月から三月にわたるであろうとする安定の場合に、安定の水準がどこへ落ちつくか、たとえば物価の体系がそのときどういうふうになるか、あるいは賃金、米価、あるいは雇用の関係はどうなるか、安定のスタンダードというものを明確に示していただきたいと思います。
○池田国務大臣 二十五年度の予算その他におきましての物価関係は、今の横ばいを考えておるのであります。しかうして早くて新米価決定のときになるのでありますが、これが今後の経済の見通し——大体今の。パリティーは六八と想像いたしておりますが、その後米価のパリティー決定に重要なる要素となります繊維製品、その他の関係で今のところはつきり申し上げる段階に達しておりません。
○中曽根委員 大蔵大臣の御所見は、たとえば米価が上る、そうするとエンゲル係数に響いて来る、あるいは勤労者、消費者の生計費その地に響いて来ると、六千三百七円が動揺上ないか。それに対して、いや税金を下げる、あるいは物価水準がある程度低目になる、そういうところから差引いて現行の横ばいが続くのだ。こういうふうに御言明になつているのですが、しからば一体数字的に、たとえば標準生計費を例にして幾ら米価が高くなる、幾ら実際の価格が下る、あるいは税金が安くなる、そういうことによつてバランスがとれるかという、私は実際の数字の表をここで示していただきたいと思います。
○池田国務大臣 ただいまは、消費者の米価は昭和二十五年中は動かさないことになつている。そうして鉄鋼その他が、補給金の関係で一部上りましても、それは大した影響はないということでやつているのであります。減税後の負担がどうなるかという数字は、先般お手元に届けたと考えております。
○中曽根委員 大蔵大臣の今の御答弁に関連し七、農林大臣に承りたいのでありますが、昭和二十五年度一ぱいは米価を動かさない。大蔵大臣は先ほど新米価という言葉をお使いになつたのだけれども、それに矛盾するような、新しい米価はつくらない、こういう話を承つたのですが、あなたはそういう大蔵大臣のお言葉を是認いたすのでありますか。
○森国務大臣 お答えいたします。肥料の補給金廃止等によりまして、基礎物資の価格が上つて参りますが、それは生産者価格であります。二十五年産の農産物の価格は、十月ごろにおいてこれを決定する。今大蔵大臣の申されましたのは、消費者の価格は上げない、こういう御返答であります。
○中曽根委員 そうしますと、生産者価格を上げ、消費者価格をすえ置くと、どつかで補給しなければならない。この補給の金は予算に計上してありますか。何ぼ計上しでありますか。
○池田国務大臣 一月から施行いたしました消費者価格を決定いたしますときにおきまして、暦年の二十五年中は動かさないでやつて行けるように、消費者価格をきめているのであります。
○中曽根委員 しかし十月行われるであろと米価改訂において、どのくらい水準を高くするかという見当がついていなくて、どうしてその算定ができますか。
○池田国務大臣 日本の経済安定の最後のあれは、米価と賃金の問題にあるということを申したのでありまして、これは将来の物価のことを言うのであります。二十五年産米は十月から十一月、十二月にかけて出て参ります。しこうしてそれを幾らにきめて、それが消費者にどうなるかということは、昭和二十六年のことと私は考えるのであります。
○中曽根委員 一月にきめたその消費者価格に対して要するに十月なら十月に米価が上る。その場合にある程度の補給をしなければならぬ。その予算というか、補給金というものはどつから捻出しますか。それを予算に計上されているかということを伺つております。
○池田国務大臣 予算に計上されております。これは数字にわたることでありますので、政府委員より答弁させていただきます。
○植原委員長 それは後刻政府委員より説明することにして、大蔵大臣に対する質問を継続してください。
○中曽根委員 今の問題は、日本経済の安定にとつて相当重要な問題でありまして、おそらくこの予算に計上されているならば、昭和二十五年度、あるいは十月にきめられるであろう新米価というものが想定されているはずだ。そうでなければ予算の金額を算定する根拠はない。その昭和二十五年に改訂さるべき新しい米価は、しからばどの程度に予定せられているかも大蔵大臣に伺いたい。
○池田国務大臣 誤解があつてはいけませんが、昭和二十五年産米の米価は想定せられておりません。その後のパリティーの動きによつて動くのであります。私は統制経済、補給金経済がやまつて、ほんとうの経済になりますときには、国際物価と見合いしながら、米価と賃金がきまつて行くのが最上の措置だ、こう言つているのであります。二十五年産米の米価はどうなるかということは、今のところきまつておりません。私が予算上計上してあるということは、昭和二十四年産米の価格と、超過供出、早場米等を加算いたし、またその他の主食を想定いたしまして、そうして昭和二十五暦年中に消費する消費者価格をきめて、予算のつじつまが合うようにいたしているというのであります。二十五年産米の米価につきましては、予算におきまして直接の関係を持たせないようにしておつたと記憶いたしております。
○中曽根委員 十月に一応安定するとか、転換が来るという、その場合における雇用というか、雇用指数というか、要するに失業が現在と比べてどの程度になるか、その見通しはいかがでありますか。
○池田国務大臣 どうも私の言うことがはつきりしていないようでありますが、日本経済の安定の最後の措置が何できまるかということは、米価と賃金によつてきまるというのであります。米価が十月にきまるか十一月にきまるか、わかりませんが、そこで最後のとどめを刺すのだ、こういう意味を申しているのであります。しかして日本経済の安定の度合いによりまして、それが十月になるか十一月になるか、あるいは来年になるかわからない、こう言つているのであります。誤解のないように願います。
○中曽根委員 そのことは私も承知しております。要するに米価というものが基礎になつて新しい安定へ入る。安定の門口が新しい米価である。こういう意味で言つておられるであろう。その場合における安定の雇用というものが、現在とどのような変化があるか。
○池田国務大臣 これは今から想像はできませんが、私は新予算を施行いたしまして復興経済に入つて行くならば、さしたる失業者もないと考えております。また失業者が起きた場合には、適当な措置を講ずる考えで進んでいるのであります。
○中曽根委員 確たる見通しも計算もないようですから、私は次の問題に移ります。大蔵大臣は中小企業に対して金融措置を講ずるということを言つておられます。この間、青木安本長官が京都へ行つて談話したところによると、市小企業に対するいろいろな対策を言つております。それからまたけさの新聞によりますと、民自党の中小企業対策とやらを、あわてて毒消しのように出しておられます。そこで私は承りたいのでありますが、大蔵大臣は先般来、参議院の本会議においても、あるいは通産委員会においても、いろいろ金融措置を講ずるということを抽象的には言つている。しかし今あえいでいる中小企業者が聞きたいのは、幾らを、いつ、どこから出すかという問題であります。そういう具体的な答弁を聞かなければこれは念仏に等しい。たとえば中小企業特別融資のわくを広げるとか、あるいは預託金を無盡やその他に出すとか、いろいろなこと、言つておいでになりますが、あらゆる場合について、幾らの金を、いつから出すか。そういう具体的な言明をしても中小企業者の現在の悩みや憂いを一掃していただきたい。これが私は責任ある政府の態度であろうと思います。
○池田国務大臣 できるだけ最近の機会に、見通しにつきまして申し上げてみたいと思うのでありますが、ただいま申し上げていいことは、昨年の暮に預金部資金を百億円出しました。当初は中小企業に直接関係のあります無盡、市街地信用組合に対する支出が少なかつたのでありますが、その後だんだんふやしまして、すなわち銀行に預けておつたのをまわしましてただいまでは無盡、信用組合に、昨年暮の預金部資金が十六億五千万円出ております。しかして日本銀行の別わく融資といたしまして、主として中小商工業者に出します分はも昨年の八月には十二億円が三億円であつたのが、ただいまでは三十九億円に相なつております。差引二十六、七億円の増額を別わくで出しております。これが全部中小企業に行つておるかと申すと、これは中小企業の別わく融資としてやつております。しかもその出し方は、商工中金に十六億ばかり、勧銀に四、五億、興銀に十四、五億くらいと相なつております。最近は北拓に二億になつております。それからいろいろな問題があるのでありますが、問屋に対しまする金融が、中小企業金融に相当役立つことは御承知の通りであります。問屋に対しまする金融は、昨年八月末では百八十億くらいでございましたのが、十二月末には四百数十億になつております。これも中小企業に対する金融と言い得ると思うのであります。なお政府の資金を相当出すことにいたしまして、きようぐらいもうすでにまわつていると思います。百億円が銀行、無盡あるいは農林中金、商工中金を通じて出ておるのであります。大体この分でも無盡、信用組合にはある程度出ておるのであります。いろいろな施策がございますが、とにかくわれわれとしては、中小企業金融を主体として、問屋あるいは大企業への投資を考えてやつておる次第であります。
○中曽根委員 今の大蔵大臣の答弁の要旨は、今まで自分はこれこれやつて来た、そういうのが八分通りであつて、あとの二分だけ百億の金を銀行、無盡に流した、こういうだけの回答にすぎない。自由党が出した中小企業案なるものによると、たしか百五十億を流せということを言つておる。それから五十億程度日銀のわくを広げろもこういう要望を政府にしておるということを新聞で拜見した。こういうことを自由党から要求されて政府はすぐやる意思があるのかどうか、そのまま黙視するのか承りたい。
○池田国務大臣 われわれは自由党の党員であります。吉田内閣は自由党を基盤とする内閣でありますので、この措置につきましては、ただいま愼重に考慮をいたしておるところであります。私が知つたのはゆうべくらいでございますので、しかもまた政府預金を増加いたします場合におきましては、関係方面との関係もありますので、今私がここで申し上げるわけには行きません。あれに載つている百五十億円というものは百億円はつまりきようから動き出すようになつております。別わくの五十億円というのは、三十九億円は今出ておるのであります。自由党の政調会のあれにつきましては、いずれ後刻私は意見を発表いたしたいと思います。
○中曽根委員 政府関係の金を預託するとしても、百億程度ではとても足りない。一体どれくらい動かし得る金があるかということをちよつと調べてみると、少くとも二百三十億から二百五十億くらいはあるという話です。それくらいの余裕金があるのに、百億ぽつちの二階から目薬をさすようなことをやつても、私は中小企業は自由党政府をありがたいとは思わぬと思う。その政府の余裕金を全部これにまわすような緊急施策を講ずるような意思は大蔵大臣にはありませんか。
○池田国務大臣 政府の余裕金があなたのおつしやるように二百億とか二百五十億であつた場合、百億も百五十億も出したら、これはたいへんなことでございます。政府は非常な大きい会計を持つておるのであります。百億や百五十億は大体常に準備していなければならない。政府の使い得る金はお話の通り二百億とか二百五十億円ではございません。ただいまはもつとあります。
○中曽根委員 私が言つているのはすぐ使える金であつて、それは復興金融金庫や預金部が預託し得る金であります。その金を動員する意思がないかということを聞いておる。
○池田国務大臣 復興金融金庫にあります八十億円の金は、もうすでに使い済みでございます。五十億円は四月までに国庫に入れる金、あとの三十億円は来年度の百八十七億円のうちの一部になりますので、長期の金融としてすでに銀行にまわしております。農林中金その他にまわしております。もうこれは使い盡しておる。預金部におきましても、昨年末百億円を一般市中銀行あるいは無盡に出しますと同時に、先般百五十億円を公団の滞貨金融、あるいは未收入金の肩がわりとして出す用意をして、すでに動きつつあります。
○中曽根委員 しからばさらにどこから出すというわけですか。
○池田国務大臣 関係方面とのあれもありますので、ただいま金額を言うことはできませんが、私は政府の各機関を通じまして、すなわち一般会計百特別会計のみならず、まだ残つております閉鎖機関の問題、そうしてまた預金がどんどん入つて来ます、その預金部の資金の使い方につきましては、その時々に応じまして適切な措置をとる準備をいたしておりますが、今幾ばく出るということはお答えできません。
○中曽根委員 中小企業者の聞きたいのは、今の議場をどう救つてくれるかということであつて、政府がいつも出すような不渡手形の言明とは違うのであります。そういうような具体的な施策が講ぜられていないことに対しては、私は非常に遺憾に思います。 その次に伺いたいと思いますが、大蔵大臣は、当面の金の問題とは違つて、銀行法の改正その他によつて長期資金を出す用意をしておるということを聞いております。それは金融債の問題であります。その問題がその後いかなる展開を示して施策が講ぜられるようになつておるか、特銀の問題であります、大蔵大臣の現在の措置を承りたい。
○池田国務大臣 ただいま国会で御審議を願つておると思いますが、見返り資金から特殊銀行、すなわち勧銀、興銀、農林中金、商工中金、北拓に予定いたしておりますが、五十億円前後の見返り資金の金を出資いたしまして、これとただいま申し上げましたような金融機関の資本金と合せまして、そうして一定限度の債券発行を認める。そうしてこれを長期資金にまわそうといたしておるのであります。従いましてその法案が通過いたしましたならば、できるだけ早い機会に見返り資金から出資いたしまして、長期金融債券の発行をいたしたい考えであります。
○中曽根委員 そのために見返り資金を出すということは、話がついておるわけですか。
○池田国務大臣 話がついておるとか、ついていないとか申し上げられませんが、出し得る可能性が十分あるとうことは申し上げられます。
○中曽根委員 次に税金の問題について伺いますが、大蔵大臣は詣る十一月二十三日でしたかの予算委員会において、私の質問に対してこういうことを答えられておる。私が質問じたのは、地方の税務署において前にこういうふうに指導した。その指導通り住民が申告をした、ところが拔討ち的に更正決定がやつて来て公約を裏切るようなことをやつておつた。こういうことに対して大蔵大臣はいかなる措置を講ずるか、こういうことを私が質問した。それに対して大蔵大臣は、そういう事実は聞いておりませんが、どこにそういうことがあつたかお知らせくださいますれば、私の方で事実を調査して適当な措置を講ずる、こう言つておる。それからさらに、同じく税務署の取扱いについて、たとえば来年になるとシャウプ勧告があるために、税務署の方では、所得が減つたというので修正申告を引いて出す。それを受付けないというおそれがある。そういうことをかりにやつたならば国民の権利を蹂躙するものである。こういうふうに私が質問しましたら、大蔵大臣は、昭和二十四年分の所得につきまして、十月または十一月に修正申告等を出して、そうして二十四年が過ぎて一月に確定申告が出て来たときに、これを認めないと言つたら違法でございますと言つておる。これはわかりきつたことです。だからその違法な行為をした場合については、十分戒飭いたします。こういう言明をしておいでになる。ところが去る二月二十七、八日から三月の初めにかけて、ある県においてこれと同じような事態がまた出て来ておる。それは主として農業関係の課税であります。大蔵大臣は見たことがあるかどうか知りませんが、「確定更正決定に対するお知らせ」という文書がまわつて来ておる。その文書が各農家に届いたのは二月二十七日の午後から二十八日の朝です。それにどういうことが書いであるかというと、「昭和二十四年分貴殿の所得金額は、税務署調査によれば十九万八百三十円となり、確定申告額と遺憾ながら相違いたしますので、不本意ながら近日中に確定通知をいたすことになりました。その場合には不足税金九千六百十七円のほか加算税四百七十七円、追徴税二千二百五十円を同時に納税していただかなければなりませんから、あらかじめさきに申告された確定申告額を十分検討され、特別のことがない限り税務署計算による所得金額を承諾されることをお勧めいたします。右所得金額を承諾された方には、加算税、追徴税は免除されますので、不足税金だけ最寄郵便局または日本銀行代理店へ至急拂込みください、なお承諾された方は、左の承諾書に認印の上、御迷惑でも三月一日正午限り貴町村役場へ御提出ください。こう書いてある。これが来たのは二月二十八日、翌日は三月一日です。その翌日までにイエスかノーかを答えろ、答えなければ加算税、追徴税をとるぞ、こういうことを言つておる。これは明らかに私が大蔵大臣に先日聞いたことと相違する処置だと思うが、——大蔵大臣はあくびなんかしないでまじめに聞きなさいるそういうことをするからあなたは中小企業者に怒られるのだ、まじめな態度で聞いてもらいたい。国民はこの紙をもらつてぶるぶる今ふるえおるのですぞ。あなたは国会でそんなふまじめな態度をして、中小企業家や農民に会わせる顔がありますか、もつとまじめになりなさい。三月一日にこれを納めろということを言われて、びくびくしておるではありませんか、こういうような、あなたが、お答えになつたことと違う措置を下の税務署でやつておる、大蔵大臣はどういうふうにこの問題をお取扱いになりますか。
○池田国務大臣 私があくびをいたしましたのは生理的の現象です。従つて手を置いてやつております。御了承願います。(笑声) 次にある県のある税務署がそういうことをやつたのは私初耳でございます。監督をいたしております国税庁長官から、事情を調べてお答えさせることにいたします。
○中曽根委員 少くともあなたは正式に、この速記録に載つておるような御言明を私になさつておる、そして十分戒飭して、そういうことをやらせぬようにということを、私にここで誓約しておいでになる。ところが二箇月たつというとこういうことが出て来ておる、あなたの指令は全然行われておらない。池田勇人氏の権威は地に落ちたと私は思わざるを得ない。国税庁長官がおいでになるなら、すぐここで釈明していただきたい。私はまじめに質問しておるのです。
○池田国務大臣 私もまじめに答えております。しこうしてそういう一地方に起りました分につきまして、ただいま私に質問されましても、私は直接にどうこうやつていないのでありますから、責任者をいたしまして答弁させます。ただやはり税務の執行におきましては、法律にのつとり、そして国民の納得の行くようなことをしなければいかぬことは、申すまでもないことであります。私は常にそういう考えのもとに指導、監督いたしておるのであります。
○中曽根委員 あなたは生理現象だから、手を押えておつたから、それで免責になるのだということをおつしやつたけれども、そんないいかげんな言葉でこの問題は済まされるものではありません。中小企業者や農民が、ほんとうにこの紙をもらつてぶるぶるふるえておる姿をお想像になつてもらいたい。そういうような気持がないから、ああいう冷酷、無情な言明になる。私は今のあくびを見てあなたの改悛の清は少くとも出ていないということを、ここで明確に認めた次第であります。この紙が来た、それじや内容はどうなつておるかということを調べてみると、こういう状況です。おる県の、名前は小池福平という百姓です。この百姓に対してどのような税金がかかつておるかというと、最初六月に税務署の人が来て指導した、そのときは大体話をして、——この人はだんぼ六反、畑四反で十一万二千三百円の税金を納めるということになつた。そして十月になつてまた多少値上りその他があつたために十二万五千円というふうにかわつた。一月になつて最終指導だというので十二万六千四百五十六円ということで手を打つたところがこれが来て見ると、幾らになるかというと、驚くなかれ二十四万二千百円という重い税金がかかつて来ている。こういう例はこの県のみじやない、ほかの県にも全般的に今起つております。ほかの例をもう一つ申し上げてみると、これも同じ県ですが、大体税務署の方で指導して、これでよろしいという額が、今年の正月で、この人の課税所得が五万一千八百十六円です。それを、百姓も多少ごまかしているものだから、役場で正確に計算してみたら五万六千四百三十七円となつた。ところがこれに対して更正決定でぽかつと八万七千三百円という課税所得が認定されて来ている。もう一つの例を申し上げますと、同じような計算をしてみた場合に、本人は十七万六千円、これに対して役場の方で公正に判定した結果、それが十九万六千円で、約二万円多く判定した。ところが税務署の方から幾ら来たかというと三十八万六千円、こういうことが軒並に行われている。これがあそこにいる共産党をふやす理由になつている。(笑声)現在私の県へ行つても、民主納税会と称するものがこれに食い入つて、甘言をもつて、そして党員をふやす運動をやつている。東京でいたずらに反共を叫んでも、実際政策をやつていることは、こういうことをやつておつたら、これは反共どころの話じやない。しかも、ただいま申し上げましたように、一税務署が指導して、そしてお互いに妥協して、間には農業協同組合の組合長が入つて、それじやこれで手を打とうと言つて約束をして引き下つて来たところが、ぽかつとこういうものが来ている。これは明らかに私は片手落ちなお上のしうちだろうと思います。大蔵大臣はこういうことをこのまま認めて、そのまま税務署にやらせていいと思いますか、これに対してどういう矯正手段を講ぜられますか、承りたい。
○池田国務大臣 所得の決定につきましては、原則として各納税者の收支を調査してやるのが、法の望んでいるところであります。しかるに農業協同組合長などを介入させまして、各人々々をきめるということに、私に異例の場合だと思うのです。しこうしてそのきめ方——手を打つたと言われますが、どういうふうな手の打ち方をしたのか、いつごろ、だれについて、どういうふうな基準のもとに手を打つたか、それがわかりませんので、ただいま何とも申し上げかねるのであります。ただ個々の納税者の分につきましては、原則として実額調査をし、その実額調査ができなくても、できるだけ正確な資料のもとにやるべきだと考えております。しこうして急に決定通知を出したとかなんとかいうことは、その場限りで考えなければならぬと思うのでありますが、ただ私といたしましては、とにかく課税は適正に、円満に行くようにやれということは、常々から指導いたしている次第であります。
○植原委員長 中曽根君にちよつと御注意申し上げます。中曽根君の質疑の時間は三時三十七分までで終るはずであります。たいへん重要な質問でありますから、時間はしんしやくいたしますけれども、割当の時間はそれで切れることを御承知願いたいと思います。いい質問でありますがゆえに、なるたけお言葉をお縮めになれば、なおさらけつこうだと思います。(笑声)
○中曽根委員 農林大臣に承りますが、最近における農村課税の実態は、今申し上げた通りなんです。こういうような農村課税をやらされておつて、農村が今後立つて行けるか。私が調べたところによると、ある県の農業協同組合——たいていの村は大体人口五千ぐらいです。その人口五千ぐらいの村には協同組合の預金が幾らぐらいあるかというと、七百万円ぐらいから八百万円ぐらいずつみんなある。ところが今度来たあれによつて幾ら税金がかかつているかというを、千百万円から千五百万円ぐらいかかつて来ている。その預金をざつとみなとつてしまつたら、農業協同組合が倒れるというのです。農業協同組合が倒れるだけではない、町村長は今あわてて騒ぎ出しておる。これでは村民税がとれない、役場の吏員の給料が抑えなくなるということを言つておる。これは農村の壊滅以外の何ものでもない。農林大臣はこういうふうな事態に対して、どういう御処置をおとりになりたいと思いますか。
○森国務大臣 例示されましたような事態が各地にあることも想像されるのであります。私は農業者が課税を受ける場合におきまして納得の行ける税を納めなければならない。これを深く考えておるのであります。今お示しのように一応申告しておいた、それが思わざる更正決定を受けた場合において、その更正決定を受けた農家が、これを反駁し得るところの資料を持つておるかということが問題であります。十九万円というものを申告しておつた、それが三十万円になつた。何ゆえに三十万円にされたか。自分は十九万円しか責任がないのだということをはつきりするものを持つておらないのが今日の農家の状況であります。これは私は昨年来非常に心配いたしまして、商工業者がどういう態度をとろうと、農業者は自分で納得するところの税金を納めるのが国民の義務である。それにはまず第一に、その農家が自分の経営における歳入歳出をはつきりするということが必要である。こういう観点から農業改良区におきまして砥、相当数の農家を指定いたしまして、内容を祕密に記録いたしまして、その農家の收支計算を明らかにさすことに指導しておるのであります。そういう場合に、更正決定が不当であるということをはつきり言い得る資料を持つととが、私は必要と考えておるわけであります。そういう現実の問題として、それをどう処置するかということについては、おのずから問題は別でありますが、地方によりましては、そういう苛酷といいますか、予想外の課税のために苦しんでおる部分があるとも存じますが、それがほんとうにむりな課税額であるならば、農村がそれを反駁し得るところの資料を持つということが、私は何をおいても今日また今後においても必要と考えて、さような面に指導して行きたいと考えております。
○中曽根委員 その資料を持つておるのです。その県では農青連というもの、あるいは農業協同組合が非常に発達しておつて、これが税務署と連絡をして、その指示する様式に従つて帳簿もつくつているし、報告もさせてお、る。そこでそれではどうしてこういうふうにふえたか、六千円のものが八千円になり、あるいは十九万円が三十何万円にどうしてふえたかと見ると、軒並に雑收入がふえておる。反当りの税金あるいは所得額は動いていない。何がふえたかというと雑收入がふえている。その県では養蚕をやるからお蚕は雑收入に入つていない。ちやんと正常の中に入つておる。雑收入というのは、副業の鶏とか豚とか、そんなものの代金である。しかしそれはそんなにふえているはずがない。はずがないということは、大蔵大臣あるいは農林大臣自身御存じだろうと思いますが、最近における農産物価格の状況を見てみると——これは十二月から二月までの話でありますから、その間の情勢を見れば、肉は二十四年二月に対して大体三割値段が落ちております。しかもそれは農業協同組合が実際計算したところによると、子牛を買つて育てた場合は、現在では約一割三分の赤字が出ておる。あるいは鶏卵はどうであるかというと、鶏一羽について、今七百円の税金がかかつておる。あるいは野菜の値段はどうであるかというと、だいこんは昨年の三月、マル公が十八円に対して三円に下つておる。かぶが二十六円に対して七円に下つておる。白楽が五十円に対して十五円に下つておる。キヤベツが五十二円に対して十四円に下つておる。こういうわけで、野菜の値段あるいは畜産物の値段は、非常に落ちている。そういうふうになつて、雑攻入がふえるということは考えられない。一番操作しやすい雑收入が、このようにぽかつとふえておるということは、税務署がお上から割当を受けて、それを雑收入という名前でばらまいたと考える以外には、われわれは考える方法がないのです。こういう事態はあらゆる税務署に多かれ少かれ私は起つていると思う。こういう問題に対して農林大臣は、大蔵大臣に対してしかるべく訂正方を要求してしかるべきだと思う。農林大臣は大蔵省に対してどういう要求をお出しになるか、私はそれを承りたいと思う。
○森国務大臣 雑收入の見立てが税務署と納税者の間に、非常な食い違いがある結果のように御説明になりましたが、そういう場合におきましても、あくまでも納税者が自分の雑收入と考えられるものは、これこれであるということをはつきり言えるならば、私は税務署り更正決定に対して、相当の強き修正をなし得ることを考えるのであります。それを自分がはつきり持たないから、ただふえて来たというだけでは、税務署としても相当の調査をいたしておることと思いますから、その税務署の更正決定を打破るだけのはつきりしたものを私は農家に一日も早くつかませたい、握らせたい、こういうのであります。
○中曽根委員 それを持つておるのです。持つておるにもかかわらず、税務署というところは権力をもつて会いに行つても会いはしないのです。この例を見てみると、二十七日にこれをもらつて、三月一日に出せと言われておる。しからばこれに文句を言いに行こうと思うと、三月の十三日でなければ会わないと言つておる。三月の十三日から三日間にわたつて、ある郡は会う、それから二日間にわたつてある郡は会う、そういうふうに割当をきめられておる、だから百姓は十三日までは荏苒、税務署に会うこともできない。その間に期限は過ぎて、追徴税も、加算税もとられる、こういう事態に現実は流れておる。しかも三月十三日に行つたらどうかというと、百円のバス代をかけて行つてみると、必ずその日には順番の札を握らされる。税務署に行くと二千人も三千人も押しかけて来るのだから、札をとられる。札をとつて、その日に会えるかというと、会えない。大体一日に三割以上少くとも五割くらいはまたもどつて家に帰る、そうすると、あしただ、あさつてだということになるその日になつて行くといろいろ例もあるだろうけれども、ことによつたら、これは判こが足りないとか、協同組合長の判がないではないか、そういうことになつて一つ返される、それでまた翌日行く、ようやく会う、会えないのもある。こういうのが実際の状況なんです。それが共産党をふやしておる理由になつておる。これは私だけではない。全議員が農村でそういうことを経験していることである。資料を持つておつても、そういう状態で組織の中にはうり込まれておるから、百姓は言うことができない。それでようやく税務署の役人に会う、会うというと、会う時間は三分か五分しかない。あなたは雑收入をこれだけふやしたけれども、うちの難はこれしかない、豚はこれくらいしかない。だから雑收入はこれしかしらぬと言つても、三分たつとお拂い箱である。なぜあなたの方はそういうふうにふえたかと、つき合せる時間すらない。そういうところでみなお拂い箱である。そういう状態で現在の税務行政というものは流れておる。いくら資料をつくつても、あるいはいくら正確な帳簿をつくつても、だめである。そういう事態を農林大臣はお知りになりませんか、どうです。
○森国務大臣 中曽根委員のおつしやるようなことのみではないと私は考えるのであります。なるほどそういうふうな極端な、例示されたような問題に対しましては、大蔵事務当局としても相当戒飭されることと思います。私は先般郷里に帰りまして、この問題をまのあたり見て参りました。それには、申告の増加額に対して、納税者が税務署に参つて、そうして両方が相談して、こちらの帳簿はこういう点があつた、こういうものがあつたと納得して、税務署から帰つて来たという事実を私は知つております。全国の税務署が必ずしもそういうふうに一律に参つておるわけではないと思います。そういう極端なものに対しては、大蔵省みずから戒飭される道があろうと存じますが、私は一日も早く農村がはつきりとガラス箱の中を明らかにして、納得する税金を納める、そうして国民の義務を果すように指導したい、かように考えます。
○中曽根委員 滋賀県は森さんのような有能な大臣が出ておるから、税務署だつて格勤精励で、そういうことを起さないように努めておるだろうと思う。大臣の出ていない県の税務署というのは、大体私が今言つたようなものであると言つてさしつかえない。これは実際そうなんです、私だけじやないのです。 そこで私は農林大臣にもう一つ承りたいのですが、ともかくそういう状、態で現在の税金の納入ということが行われている。これを改善しなければ、現在の納税の梗塞というか、これは打開できない。私は大蔵省に対して、農林省として一体どの県でどれくらいそういう事態があるかということを調べて、嚴重な抗議文を突きつけるべきだと思う。この県の税務署はこういう状態で、この県はこうである、この県はこうこうである、だからこの税務署は直しなさい、ここは増員しなさい、少くともその程度の誠意があつてしかるべきだと思います。そういう措置を大蔵省におやりになる意思がありますか、ありませんか、承りたいと思います。
○森国務大臣 これはひとり大蔵省だけの責任ではありません。政府の責任であります。悪いことはあくまでもこれを是正して行かなければなりません。その正すべきところの基礎をつかむ農林省といたしましては、改良局においてさらにその資料を集めまして、そうしてこれが適正なる課税をせられるように——これは政府の責任でありますから、大蔵省に農林省が注意するという問題ではない。悪いところは悪いところとして政府がこれを是正して行かな停ればならぬ、かように考えております。
○植原委員長 中曽根君、時間がオーバーしておりますが、まだありますか。
○中曽根委員 もう少しです。
○植原委員長 もうなるたけ質問だけにしてあなたの批評の言葉だけはお除き願います。
○中曽根委員 私は簡單に質問いたしますが、私の質問に対して的確な答弁を大臣から求めます。的確な答弁をしますれば、私は簡單に言います。しないから私は説明しているのです。
○植原委員長 簡單に願います。
○中曽根委員 しからば答弁も的確に願います。農林大臣に承りたいと思いますが、ただいま申し上げましたように、協同組合の預金が七百万円に対して税金が一千万円来た、これを納めなければならぬ、そうすると協同組合は預金がなくなつてつぶれる、こういう事態が現に起つておる、数県にわたつて起つておるのであります。これは農政の危機であります。こういう事態に対してどういう手を農林省としてお打ちになりますか。これは深刻な問題でありますから、私はまじめにお答え願いたいと思います。
○森国務大臣 私はいつもまじめにお答えしております。協同組合の実態がどれだけの預金があるかということは、個々の組合で別でありますが、そういう場合におきましてはも農林中央金庫におきまして資金の融通をするという方途もあるわでけあります。このことは協同組合自体の問題でありまして、ただいまの申告納税とそうして協同組合の預金の税額という問題とは、これは別だと考えております。
○中曽根委員 実際の農村においては別じやありません。それは銀行に預金しておるのも多少あるかもしれぬが、大部分は供出その他の関係で協同組合に預金しておる。そこでそれだけの税金をとられてしまつたらまず第一に協同組合がつぶれる。地方税が抑えない抑えないから町村吏員の給料が出ないということになつておる。今一番騒いでおるのは——当の百姓はこれをもらつてえへらへらと笑つておる、一昨年まではこれをもらうと悲しんだ、去年はこういうものをもらうと怒つた、今年はえへらえへらと笑つておる、何だこんなもの、こういう心理状態になつておる。これを一番心配しておるのはだれかというと、共産党になつてはいかぬと言つておる日本のまじめな分子、まじめな層であります。それから協同組合関係の職員、指導者、それから町村長です。だからそういう県においては、だれがこの重大な税金に対する対策をやつておるかというと、協同組合長と町村長とが今連合してやつておる。これがわれわれに対して陳情に来ておる。これは本多さんもまじめにお聞きになつていただきたい。農林大臣はただいま申し上げましたように、單に中金の問題だとおつしやつておりますが、そうではない、実際問題として協同組合はつぶれる、のみならず学校の学資金も出ない、生計費もない。いわんや春の肥料を買うお金もない、営農資金がなくなつておる、これはゆゆしいことであります。そういうものに対しては、政府としては喫緊の対策を講ずべきだと思う。單に協同組合を中金の問題にまかさないで、政府があつせんするなり、それに対しては税金の面はこうする。金融の面はこうしてやる。こういうあたたかい政策があつてこそ、初めて私は政治というものがあると思う。この点に関しそ農林大臣あるいは本多国務相は、どういう政策をおとりなりますか、両方から私は承りたいと思います。
○本多国務大臣 ただいまのような問題が次ぎ次ぎに起るということになりますと、まことに憂慮すべき状態と思うのでありまして、お話のような点につきまして今後十分研究をいたしまして、その悪い点は急速に改善するように対策を考慮いたしたいと思います。
○森国務大臣 今例示されておる協同組合は預金が七百万円で、今後の税金が一千余万円、これを引出されると協同組合はつぶれる、こういうお話でありますが、これは実際の問題について考えなければならぬと思いますが、その村の預金がそつくり協同組合でやつて、ほかの銀行や郵便局には全然ないということの仮定のものとのお話と存ずるのでありますが、私は実際にそういう問題があるならば、協同組合自体がこの問題を処理する方途は政府としてはあけであるわけであります。それは中央金庫を利用する道があるはずであります。それを利用してこの金融問題を解決する。また肥料を買う資金等については、御承知のように肥料手形によつて、臨時的でありますが、これを許しておるのであります。農業の営めないようなことのないように金融の道も開いであるわけでありますから、そういう方途に協議をまとめていただくことが私は適当と、かように考えておるわけであります。
○中曽根委員 この問題に関して、政府はあつせんとかめんどうをみるということをしないで、それは農業手形にまかせろ。あるいは中金と交渉しろ。こういう態度をおとりになるように私は察するのでありますが、私はその態度は遺憾な態度だと思う。私が例に申し上げた肥料の問題は、それは農手で代用できるかもしれない。あるいはまた中金にかけあつて多少の金は出るかもしれない。しかし大部分の場合は、今協同組合が中金とかけあつたつて金は出やしません。のみならず子供の学資もない。食うお金がない。そういう状態に追い込まれておる。そういう問題は單に役所の機構だけの指導、指揮にまかせておいてはできない。こういう場合には少くとも政府なりあるいは関係部局が連絡をとつて、集中して対策を講じてやる必要があると思うが、そういう措置をぜひ私は講じていただないということを申し上げて、両大臣に対しては質問を終ります。 池田さんに最後に私はだめを押す意味で承りたい。私は簡單に箇條書で申し上げますから、池田さんも正確にお答え願いたい。まず第一の問題は、ただいま申し上げましたようなこういう事態に対しては期間を延期する。一箇月とかあるいは二箇月、要するに税務署自体が能力が不足であるために、住民の要望も聞けないという事態になつておる。従つてそれに対しては税務署の能力が回復するまでは、待つてやるというのが私は仁政だろうと思う。そういう措置をおとりになる意思がありますか。これがまず第一であります。
○池田国務大臣 納税者のところへ二十七日に発送いたしまして二、三日のうちに税務署へ来いということは、少し私は行き過ぎだと考えます。しかして行つた場合において手不足のために会えなかつた、あるいはまた会う人をきめておるためにその期限内に行つてもだめのような状態だとかいうときには、良識ある税務署長は、その期日を動かさないというふうなやぼなことは言わぬと思います。
○中曽根委員 今の大臣のお答えは適宜それは延期してよろしい。そういう御意思であると解してさしつかえありませんか。
○池田国務大臣 ただいまお答えしたように、常識が判断し得るものと考えております。
○中曽根委員 第二に承りますが、今回のように決定申告前に反攻その他種目別の所得標準を税務署が提示した。それによつて農民が決定申告をした。ところが一方的に更正決定がしかも雑收入という形で多額にやつて来た。こういう場合には、私は税務署としては個々の納税者に対して、その理由を精細に示す義務と責任がおるだろうと思うのです。そういう一々個別的な計数の基礎を示さないで、税金を強制的にとるというようなことは、おやりにならないと信ずるのでありますが、そういう措置を大蔵大臣はやらせるかどうか。
○池田国務大臣 具体的な例で、やはりその場その場でいろいろな要素があると思うのであります。農家の所得を決定いたします場合において、一反当りどれだけにするというような一応の協定はつきましても、たとえば田の所得とか、畑の所得以外に所得があつた場合におきまして、それが話合いの中に入つていなかつた場合には、あとから話合つた以外の資料によつて所得を決定するということは当然だと思います。しかし鶏一羽幾ら、あるいは豚一頭幾らというような問題につきましては、所得があれば課税するのでありますから、その個々の場合において処置すべき問題だと考えておるのであります。またあまり先走つてあなたの所得はこうであるとか、ああであるとかいうようなことはよほど愼まなければならぬと思います。今後は農林大臣の言われたように、できるだけ農家においても帳簿をつくつてもらい、またその帳簿が今度の税法によつておりまする書画申告をなすような帳簿であつたならば、お話の通りに税務署は調査せずに更正決定をすることはできないことになるのでありますから、将来はよほどよくなつて来るだろうと考えております。
○中曽根委員 どうも的確なお答えをいただけませんから、重ねて承ります。私の承りたいのは、税務署の方と農民の方と——農民でも営業者でもよろしい、とにかく計数の基礎を突き合せてみて、農業所得あるいは農業外の所得でもよろしい、ともかく突き合せてみて、両方が納得行く線においてこの問題は解決すべきである。そういう努力を税務署はしなければならない。こういう言明を私は大蔵大臣から得たいのであります。
○池田国務大臣 そういう言明はできません。税務署長は税法の命ずるところによつて決定するのであります。納税者の意見を聞いてお互いに妥協してきめるのが原則になつていないわけでございます。しかし税務署長が自分の決定をしようといたします所得金額について、納税者から意見を聽取し、妥当な意見であれば、これによつて決定することは適当であると考えておるのであります。
○植原委員長 中曽根君、あなたはもう十五分以上経過しております。かなり寛大ですからそのおつもりで、要点だけをお言いくださつて、よけいな言葉をお使いにならないようにしていただきます。
○中曽根委員 今の問題と、もう一つ承つて終ります。まだ的確なお答えが出ていない。最後の決定権はもちろん税務署長にありましよう。百姓の中にもうそをついておる者は相当あります。だからそういうことは当然のことであります。しかし政府の行政として、少くとも税金を納める場合には、がちようの毛をむしるような税金の納め方をさせたくない。やはり納得ずくめでやるのが当然です。幸いほかの県においてはそういう声が出ないところもあるようですが、これは税務署長の指導がよろしいので、事前にたつぷり時間をかけて話合つてそういうことが出ておる。ところが大部分の税務署は人手が足りいなために、そういうがちようの毛をむしるようなことをやつておる。そういう摩擦を防ぐために、少くとも今のような事態に対しては、両方納得するように突き合せる。それくらいの親切さを税務署に持たすべきであると思う。その点に関して大蔵大臣はもう一回承りたいと思います。
○池田国務大臣 税法の解釈と具体的問題がこんがらがつておるようでありますが、お話の通りに税務署長の責任において決定するのであります。その場合に納税者が納得して納められるような具体的措置をとることは、税務行政において必要であろうと思うのであります。税務署長が納得行くまで決定ができないということは、いけないことであると考えております。
○中曽根委員 最後に承りたいと思います。税務署によつて非常に差がある。たとえば税務署と税務署との境界に当つておるたんぼはあぜ一つ隔てて非常に差がある。これは税金のみならず、供出の場合にも起ることであります。しかしそういうことをなるたけ少くするため、私は少くとも税務署の算定の基礎を一般に対して公開すべきだと思う。一般に対して田は幾ら、畑は幾ら、お蚕は幾ら、こういうふうに税務署は公開して、協同組合の首脳部や町村長に示せば、なるほどおれの村はこれだけとられるのはしようがない。落差もなくなる、こういう結果が出て来ると思うのでありますが、こういう所得基準を公開する措置をおとりなる意思があるか。 第二番目には先ほど申し上げましたように、税務署がかなりのむりをやつて、その期限内に納めなければ、延滞利子やあるいは追徴税をとる。こういうような場合には、税務署の能力が出て来て話合いがつくまでは猶予してやる。税務署の責任においてそういうことが起つておるときは当然考慮すべきだと思います。この点に関してもそういう措置をおとりになる意思があるか。この二点を最後に承りたい。
○池田国務大臣 所得の標準率を公表するという問題でございますが、これは従来から問題になつておるのであります。ことに農業所得につきまして、一反はどのくらい出るかという問題も論議されておるのでありますが、なかなかこれはむずかしい問題でございます。同じ一反にいたしましても一筆ことに收益力も違うのであります。経営方法にいたしましてもよほど違うのであります。金肥を使うか、普通の肥料を使うか、いろいろなことありますので、私は理論的に申しますと所得の標準率というものはあり得ないと思います。従つて法的に所得の標準率はこうだということは言えません。先ほど申し上げましたように、税務執行の円滑を期する上におきまして、大体の標準というものをやつておる場合も多かろうと思います。やはりその土地々々によつて一概には言えません。従つて田畑所得率の公表ということは理論的には間違いだと思います。実際的にはやつておるところもあると思いますが、なかなかむずかしい問題であるのであります。昔の二、三年前の状況でありますと、所得標準率を使いましても、供出関係とか、やみの関係でいろいろな計算があとから出て参りますので、所得標準率の公表はますますむずかしくなつて来ると思います。次の問題につきましては先ほどお答えした通りであります。
○植原委員長 次に米原君に質疑を許します。
○米原委員 税金の問題について簡單に大蔵大臣に質問いたします。今度の予算を見ますと、減税されたと言われておるわけでありますが、たとえば申告所得税を見ると、大体二十四年度とくらべて一割一分七厘くらいの減少になつておる。ここで数字的に聞きたいのですが、二十四年度と大体同じ所得があるとしたら、どのくらいの数字になるはずであるかわからないでよおか
○池田国務大臣 二十四年の所得と二十五年の所得が同額であつた場合について減税額は、先般表をお配りしてあると思うのであります。勤労階級、事業者、営業者、農業者それぞれ別々に、そして家族数別に資料を出しております。私の記憶によりますと、農業所得の十万円の人は国税におきまして一万六千五十円、それが今度は九千九百円ぐらいになる。たしかそういうことだと考えております。
○米原委員 去年と同じ所得というのは私の聞いているのは違うのです。あの表をいただきましたが、その意味じやなくて、二十四年度と二十五年度の総額が同じだつた場合、どのくらい減るかということを聞きたい。
○池田国務大臣 これは所得の総額は同じでありましても、所得の分布状況によつて違います。それからまたそれが何と申しますか、勤労者とほかの事業者とによつてもずいぶん違います。今そういう数字を申し上げるだけの資料を持つておりません。
○米原委員 私はこの点をひとつはつきりしたがつたのであります。つまりたとえば申告所得の場合でありますが、一番問題になつておりますから、この点だけでもはつきりさせたいと思つたのでありますが、つまり所得を私が大体計算してみたのでは、やはり今年相当所得が全体として多くなると見込まれておるのじやないかということです。
○池田国務大臣 申告納税の所得は、昭和二十三年を基準にいたしまして、相当増加を見込んでおります。二十四年度に対してどうなるかと申しますと、二十四年度はある程度の物価の上昇期があるのであります。そういう関係がありますので、二十五年度の方がある程度ふえておるかと思つておりますが、二十四年度とはそう太した差はないことになつております。
○米原委員 私の見たのではやはり三割ぐらい増加するようなやり方になつておるのじやないか。そのことは先ほども中曽根委員から、実際に税務署のやつている実情につきましていろいろ例をあげられましたが、いわゆる期待倍数というものを大体三割から四割、今年は去年と比べて増額したものを実際上押しつけるようにやつて来ておるのが事実だ。こういうことは大体そういうふうに見ておるのじやないか。所得を去年と比べて計算してみても、大体三割ぐらい多く見ておるような計算になつておりますが、そうして税務署がやつておるところも期待倍数というものを、去年と比べて大体三割ないじ四割多く申告せよということを実際に言つて来ておる。こういう点を比べ合せて私は聞いておるのであります。
○池田国務大臣 二十五年度の予算といたしましては、所得はある程度ふえる計算になりました。その他の点につきましては従来から問題になつておりますように、税務署の所得の把握力、いわゆる脱税のないように調査しまして、抜けないようにその所得をある程度見込んでおつたと思います。それから二十四年度におきまして、一定の倍数とかなんとかいうことは私は考えておりません。それは何と申しますか、昭和二十三度におきましては、申告納税の予算は千二百億であつたのであります。二十四年度におきましては当初は千九百億に上つております。それを補正予算で千七百億円になつておる。こういう状況から考えまして税務署では大体日本の経済界はどうだ、自分の管内の経済情勢はどうだというようなことを考えまして、一応の收入目算は立つておるかと思いますが、こちらから倍数を指示するようなことは私としては考えておりません。
○米原委員 ところが実際は何割増しというようなことをつけて来ておる。こういう標準で申告せよという申告の指導をやつておる。こういうようなことは今の大蔵大臣の言葉ですと、やらないつもりであるとおつしやいますが、じやそういう方針を全国に指令される意思があるかどうか聞きたい。
○池田国務大臣 全体を通じて何割増しというような指令はいたしておりません。こういうことはやるなんていうのは非常識です。そういうことを問題にするのがおかしい。ただ税務署といたしましては、ことに税務署長といたしましては、笹内の理髪業者なら理髪業者、あるいは呉服屋さんなら呉服屋さん、本屋さんなら、本屋さん、こういうようなものにつきまして業態別に調べまして、前年の実績に比べて今年はどうなるかという目標は、調査した結果税務署は立てるのであります。そうして調査しなかつたものに対しまして、あの業者と比べて、同業者のだれぞれと比べるとあなたのところはこのくらい申告していただきたいということはあるかと思います。
○米原委員 ところが実際はどこでもそういう場合前年度より多くやつて来ている。ただこれと関連して聞きたいのは、青色申告について前年度より低い申告を許さないということが原則になつているようでありますが、これはどういう意味であるか。所得が低いということはあり得ないというのを為むしろ原則として扱つておられるようでありますが、最近の経済情勢だと、必ずしもそういうことは今年の場合はあり得ない思うのであります。ところがそういうことが原則になつている。何か特別の政令が出ない場合は、これが引くことができないようになつている。それと税務署のやつているのと比べあわせて私は聞いているのです。
○池田国務大臣 現在の申告納税につきましては三期になつておつたと思います。しかし一期、二期につきましては、ほとんど全体の額の三割とか五割ぐらいしか納まつていない。みな翌年の三期に固まつて来るような状況であるのであります。シャウプ博士はこの状況をごらんになりまして、ぜひともこういうことじやいかぬというので、あの勧告案には前年の決定金額と同額をまず申告するように勧告せられております。しかし私といたしましては、これは経済界の変動の多い、ことに安定の時代に向つて行きますときに、みな前年通り当初から申告するということはむずかしい問題だというので、シャウプ勧告の線に沿うことは沿いますけれども、そういうことは原則といたしまして、その状況によりまして、その状況によりまして例外を設けたいと考えて、税法を作成いたした次第であります。
○米原委員 しかしながらあの條文を見ますとも実際には税務署長が前年度より低い申告の場合も、どんどんかつてに認めるということはできないじやありません。
○池田国務大臣 あれは政令でまかしたと思つておりますが、政令につきましてはまだ事務当局の意見を聞いておりません。私の気持といたしましては、あまり酷に行かないように、やはり納税者の申出がありました場合におきましては、できるだけ申告を聞くような気持で行かなければいかぬという気持を持つております。従いまして税務署が今年の申告はどの程度になるかということは、その年になりましてからいろいろな商況を調べ、どういう商売はどういう状態だということをずつと調べまして、あの原則の例外を認める用意をしておかなければならぬと考えております。
○米原委員 今お話の政令でありますが、私よく政令の内容を知らないので、事務当局の方がもしもその点について説明ができましたら、詳しくやつていただきたい。
○忠政府委員 お答え申し上げます。ただいまの点は法律ではつきり書いておくことを適当だと考えますので、原則的な事項につきましては法律に書いてございます。お手元の本案第二十一條の三の改正規定でございますが、その第七項におきましては、事業の全部または一部の廃止、休止、転換、失業等の特定の事情によりまして所得金額の減ります場合は、承認を與えなければならないということがはつきり書いてございます。なお震災、風水害等の災害あるいは医療費の支出等によつて所得の減少を見る場合、そのほかの状況につきましては、その年分の所得の見積額が、前年の見積りに比較いたしまして、二割以上減少すると認められるとき、かような標準で、前年の実績額よりも低い所得の申告ができる道を開くことに相なつておる次第であります。
○米原委員 事業の廃止、休止、転換、これは当然でありますし、災害、風水害の場合も問題にならないと思います。問題は最後の点でありますが、三割以上減少する場合だけそういうことを認めるというのはどういう意味ですか、その点についてさらに御説明を伺いたい。
○忠政府委員 予定申告の段階におきましては、要するにその年の一月から五月までの経過によりまして、なお六月以降十二月までの所得を見積るというのが本旨であります。従つてその見積りを一月から十二月まで正確につかむか、それともある一定の線を引きまして、その線の範囲内までは前年の実績により納税をしていただく、これによりまして更正決定の手続を省くという大きな問題が、納税者にとりましても、また徴税官庁にとりましても便利であると思われます。従いましてごく些少なところにおきましては、前年実績によりましてお互いの手数を省く、こういう徴税の便宜上からいたしまして、それでは何割が適当かという問題を考えまして、税率の変更その他の点を考え、二割以上減つた場合が適当であるという結論に達したような次第であります。
○米原委員 それは明らかにただ徴税の便宜ということが中心になつておつて、実際上の所得が減つたとか減らないとかいうことは、第二の問題にされておるということです。実際上二割減少しておるといつても、こういうことはなかなか税務署が認めるものじやない。実際上は少くとも前の年通りに申告せよ、そうしなければ全然認めないという現実の問題になつて来ると思います。この青色申告の問題でありますが、先ほどの中曽根君の質問に対する答弁で、とにかくガラス張りの申告にのつとつて、ガラス張りの税制でやつて行くということを非常に強調されておるようでありますが、そこにむしろ問題があると思います。実際に困つておるのは、ちよつと考えてみましても、現在の申告所得者の二十三年度の例を見ましても、七〇%以上が二十万円以下の所得だという統計になつていたと思うのであります。ところが二十万円の所得の場合でも、実際今度減税すると言つておられますが、こういうやり方でやつたとしても、さらに今度加わつて来る地方税などを計算してみると、大体十二、三万円税金にとられてしまう。一家四人の家族で一月一万円で生活しなければならぬという問題になるわけであります。ところがはつきり言えば、実際それでは生活ができないのがほんとうだと思います。今までのところは、それが事実上法律通りに実行されなかつた面があるというのがほんとでしよう。だから法律通りとらなくちやならということで、この青色申告の形が出て来ておると思うのでありますが、そうなると事実上は生活できない税金になつて来るのです。むしろもつと減税しなければ生活が成立たないのです。そこに問題があると思います。この点について、大蔵大臣はあくまで税法通りにとるのが税金のとり方であるということを、財政方針の場合にもおつしやいましたが、その趣旨をあくまでも貫徹される御意思であるかどうか承りたい。
○池田国務大臣 私といたしましては、国会できめられました税法通りに税金はとるべきであると考えております。勤労階級におきましては、ほとんど税法通りに税金を納めているのであります。農業者も、中小商工業者も、勤労階級と同様に税法通り納税していただきたいと考えます。
○米原委員 そういう大蔵大臣の言葉だからさらに聞きたいのでありますが、実は午前中、地方税の問題について本多国務大臣に質問したのであります。税法通りにとれば、今度の場合地方税は相当の増額になる。必ずしも今予定されているような四百億円の増税でなくて、今まで伺いましたような状態ではもつと多くなる。はたして税法通りとられるつもりか、税法通りにとれば、必ずしもいわれているような減税にならぬではないかという点について聞いたのです。ところがその場合には必ずしも税法通りにはとらない、予算というものも一つの法律である、実情をにらみ合せて愼重にとる、またそういうふうになつて行くだろうとおつしやつているのです。その点が政府の方針かと聞きましたところが、それは政府の方針だとおつしやらなかつた。地方自治庁としてはそういうやり方でやるとおつしやつているのであります。ところが大蔵大臣は今税法通りにとる、国会へ通つた以上はその通りにとるということを繰返されておりますが、それでは一つの政府部内で税金のとり方が非常に違うわけです。基本的にはやはり大蔵大臣の言われる通りにとるべきものであるかどうか、もう一度その点について伺いたいのであります。
○池田国務大臣 もし政府当局が法税通りに税金をとらなくてもいいと言つたらたいへんれこそ米原君から国会を無視するといつてしかられます。これは税法通りにとらなければいけません。ただ問題は、今地方税についてどういうふうな税率を設けるかということが問題でございますが、その税率がぴしやつときまつた場合におきましては、当然その税率によつてとられなければならぬと思います。しかしてそれで收入が予定以上に上つた場合におきましては、剰余金その他処理をいたしまして、翌年度の税金に充てるべきでしよう。ただ察するに不動産、固定資産税等におきましては、税法の解釈に相当のゆとりがあると思うのであります。たとえば土地、家屋につきましては、これは賃貸価格がきまつておりまして、その倍数がきまり、税率が一本できまれば、これは動かすことができません。しかし償却し得べき資産につきましては、税法では時価によつてやると言つておりますが、時価についての見方はいろいろあるのであります。シャウプ勧告案のように、もし昨年の七月一日現在におきまして、物価の上昇割合をかけて行きましたならば、非常に厖大なる資産になつて来る場合が多いのじやないか。たとえば日本発送電におけるがごとく、日鉄におけるがごとく、日本発送電をシヤウプ勧告案によつてやりますと、二千億から二千三百億になります。これに向つてこれが時価であるというので一、七五の税率をかけた場合にはどうなりましよう。四十億くらいの不動産税にならざるを得ない。これではとても電気料が上つたりしてしかたがない。そこで発送電の資産をどう見るかというときには、時価によるということにいたしております。かかる場合におきまして時価をどう見るか、それは発送電の收益力その他を勘案して資産を見なければなりますまい。また他の機械器具にいたしましても、どれだけ陳腐化しているかということから、またその事業の收益等から見て、時価をきめることになる。こういう点は時価でございますから、認定問題になつて参りまして、固定資産税全体の数字が動くようになると思うのであります。この時価の見方は、法律が時価でよいということに相なつていりのでありますから、適当な時価を評定することに相なると思います。税法がそれを認めておるのであります。どうしても原則は、国会で御承知を得ました税法によつて行くよりしかたがない。しかし税法はある程度のゆとりを置いております、ゆとりは、たとえば判定資産税においては時価というふうなことであるのであります。
○植原委員長 米原君に御注意申しまが、あなたの割当の時間は、四時二十七分までであります。
○米原委員 はなはだ時間が短かくて残念ですが、ただいまの点はもつと明らかにしたいのであります。今おつしやいました固定資産税の問題でありますが、午前中の本多国務大臣の御回答と、ただいまの大蔵大臣の御回答とは、ちよつと意味が違うのであります。つまり捕捉できない額というものが——固定資産の場合は償却資産でありますが、大体八割くらいしか捕捉できない。さらに実際の税金が七割くらいしかとれないであろう。結局一兆三千億の固定資産があると思うけれども、実際は予定通りとつても、それの半額くらいしかとれないから、これくらいの数字になるだろう。これだけの説明であつた。 それからさらにもう一つ問題にとたのは住民税ですが、住民税の場合でも、たとえば五百二十億というものを見積つておられる。ところが二十四年度の所得を見ましても三千億、この所得の方は税務署の方にはつきりわかるわけでありますから、所得割をとるのは、実際はそれを大体参考にしてとられるのでありますから、簡單なのであります。それの一八%というと、これだけでも五百四十億になつて、所得割だけでも住民税が予定の五百二十億よりも二十億多いのであります。さらにそれに均等割が百億以上もかかつて来るということになると、はるかに予定を突破するにもかかわらず、その場合に実情を勘案して、もつと少くなる予定だからということをおつしやつておる。そうすると明らかに税法通りではない。こういうふうな見解が許されるがどうか、大蔵大臣に聞きたいのであります。
○池田国務大臣 所得昔の所得税とか、あるいは固定資産税、住民税等は決定いたしまして、決定通知が来て、納税者が期限内に納められることもありますし、滞納になる場合もあるのでありまして、收入の時期がずれることがあるのであります。これは税法の問題でなしに、執行上の問題でございます。そういう場合を本多国務大臣は言つておられると思うのであります。ただ土地、建物あるいは固定資産評価益——定資産は動きませんが、この評価について問題があるのと、評価について問題がなくとも、税法によつて決定しまして、納入の時間的ずれということがあるのであります。それは所得税においてもみな見ております。勤労所得については、たとえば九五%くらいの納期内徴收がある。これは源泉課税であります。税々によつて違うのであります。そういう時間的ずれの問題が税法の執行上から起つて来るのであります。それからまた住民税の方においても所得に対する税としてとつておるのであります。御承知の通り一定金額以下のものは税務署の方にわかつておりません。あるいは二十万円か二十三万円以上の人は、別に確定申告をいたしまして、税務署に申告しまして、税の徴収をするわけであります。しかしそれ以下の人については、税務署にはわかつておりません、僅々の人の申告によらざるを得ません。そういたします場合、税務署で源泉徴収するもの以外におい三あるいはこれは実物給付に相当するものを俸給と考えらるべきものだというので、認定決定をいたすものもありますが、それが全部市町村に行くわけのものでありません。われわれは全部行くことを期待いたしおるのでありますが、なかなか行きにくいのであります。そういう場合においては、国の所得税の收入から比べまして、ある程度のこぼれがあるということは、これは税法の問題でなしに執行上の問題として起つて参るのであります。そういうことを本多国務大臣は言われたのじやないかと考えます。
○米原委員 執行上の問題で若干のずれがあつたり、今おつしやつたような問題があることはわかるのであります。しかしその額が相当大きいということなんです。それで大きいから私は聞いたのであつて、わずかの問題なら、それくらいの誤差が起るのは当然であります。その点については、政府部内にも議論があつてもつと税率を少くするような折衝をやつておるということを御答弁になつておりますが、その点だけでも政府自身でも予定通りにとれば、これ以上とれることは明らかだと思うのであります。私はそう思つたのであります。その問題を別にしまして問題は私の先ほど言つた問題であります。国会できまれば実際は税法の通りにとらざるを得ない。それをとらなければ私たちの方からでもすぐに批判を受けるとおつしやいますが、政府がそういう場合に法律を破つたとうか——もちろん法律の中にはいろいろな除外例もありますし、そういう場合はこれを適用すれば、必ずしも法律を破らなくてできるだろうと思うのです。しかしそれを実際に行つておることは、税法通りにやると言つて、実際には生活に耐えられない税金が来ておるということに私は問題があるのだと思う。私たちはそういう苦しんでおる労働者や、農民の人たち、中小企業家たちにかける税金について、よく事情を調査して、この場合は一応税法の形からいえばそうだけれども、特殊な例外を適用して税務署長はかげんするというような場合には、決してこれは税法の通りにとつていないと言つて攻撃しない。私たちが攻撃するのは、当然そういう中小の人たちはとつておるけれどもも大きな企業に対しては、相当の税脱を事実上大目に見ておるような場合がしばしばある。こういう場合にはもちろん法律的にもとるべきである。こういう場合にのみ攻撃するのであつて、それは少し誤解だと思う。 さらに聞きたいのは、今度の青色申告でありますが、実際上は今言いましたような余地が今まで幾分かある。税務署長が適当な裁量をやれば、折衝してやればできる。ところが今度の青色申告のやり方を見ますと、これは事実上はできなくなつてしまうのじやないか、税務署がきめた通りのものが大体通るようになるのではないか。実際にあの青色申告の帳簿のやり方でありますが、税務署がああいうふうに指導しておるやり方を見ますと、実際上は、先ほども問題がありました。農林大臣はそういうものを正確に申告するように指導して、ガラス張りの税制だと言つておられる。しかしながら実際的には農民の人にああいう複雑な帳簿はつくれません。これは事実です。だからこそ青色申告で一体今まで申告すると言つて来た人たちがどのくらいありますか、法人の場合には相当多いと思うのであります。しかし個人所得の場合に、どれだけ青色申告の申請が出ておりますか、これを私は聞きたいのであります。
○池田国務大臣 青色申告の申請の件数につきましては、ただいま正確な記憶はございませんが、法人税は十一、二方だつたかと思います。個人は全体の数が非常に多いのでありますが、あまり全体の数が多いにかかわらず多分出ていないということを聞いております。しかしこの五月までに出していただくようにいたしておりますから、今後も出て来ると思います。何と申しましても記帳その他についてなかなかむずかしい問題があると思いますが、こういう制度は徐々に私は育成して行きたいと考えております。今政府委員にお答えさせます。
○忠政府委員 この前高橋国税庁長官が多分申し上げたと記憶しておりますが、二月十五日現在で届出人の件数は、個人が十七万一千人余でございます。そのパーセンテージは、全体の個人事業者を通じますと、二・七%ということでございますが、営業者につきましては四・九%という割合になつております。それから法人は合計十一万三千余の届出がございまして、この割合は四二・一%となつております。
○植原委員長 米原君に御注意申し上げます。あなたの時間は超過しております、
○米原委員 実際上は青色申告をやればやるほど裸の申告をしなければならぬ。ところが裸の申告をやれば、実際上は生活できない状態に来ておるというところに、深刻な問題があると私は思うのです。だからこそ中小企業家以下の——むしろ以下と言つていいと思いますが、個人の場合の所得申請は二・七%しか出ていないという実情になつているのだと私は考えざるを得ない。そういう点で根本的には、もつとずつと税率が低く、税金が安い場合には、青色申告というやり方はいいと思いますが、現在の税率では、まつたく国民を裸にしてしまう。今までは税務署との交渉によつてある程度解決された問題が、大蔵大臣の言う税法通りのやり方によつてやれば、完全に裸にされてしまうという形になつておりますことは、私は遺憾に思うものであります。 最後に聞きたいのでありますが、この前川上委員から大蔵大臣に質問しました例の外国人の税金の問題であります。あれはその後どういうふうにきまつたか、いつきまる予定であるかということを念のために聞きたいと思います。
○池田国務大臣 税金は、いいかげんと申しますと語弊がございますが——これははつきり所得を申告していただいて徴収するのが最も望ましいのであります。しこうして收入が多くなつて来れば、税金の引下げ等に充てるべきだと考えております。いいかげんで徴税すべきではないと考えております。 それから外国人に対する課税並びに外国資本に対しましての課税上の特別措置につきましては、われわれのところでは大体きめて向うへ持つて行つておるのであります。一昨日の午後も私司令部へ行つたのでありますが、まだ向うからの報告が来ておりません。もうおつつけ来るのではないかと考えております。
○米原委員 税金を正確に申告して、そうしてとるのがいいということは、りくつとしては一応成立ちます。また税金をとつて、たくさんとれれば来年度減税するということは、りくつとしては通るようでありますけれども、現実の問題としてはそれだけとられたら、営業者は死んでしまう。ここまで来ておるから私は問題があると思う。 さらに外国人の特例の問題でありますが、これはこの前川上委員も申され、ましたように、非常に問題がある点であります。これは私方々の人に聞きましたが、だれしもこの点に関心を持つておるのであります。日本国民に一日も早く、どういう形でどういう意図でやられるかという政府の意図を、はつきり示さるべきであると思うのであります。相当会期も追つて来た現在でありますが、この予算が通るまでにこの特例の法案が出る予定であるか、それとも相当あとになるのであるか、私はこの問題については、本議会でも相当内容について討議をしなければならぬ問題であると思うのでありまして、あまりおそくなることは非常に問題があると思うのでありますが、大体いつごろ出る予定か、見当がついておるならば聞きたいのであります。
○池田国務大臣 お話のような点もありますので、われわれはなるべく早く出したいと急いでおる状況であります。いつ参りますかはまだはつきり申し上げられません。
○米原委員 つまりわれわれが聞いておるところでは、これは非常に問題があるために、このことについて一言警告を発しておきます。議会の終る二、三日前になつて、こそこそと出して通そうというような考えを持つておるということをほのかに聞いておるのであります。この疑いが事実でなければいいのでありますが、そういうことがあるならばも断じてこの法案は通すことはできない。こういう重要な法案は、ぜひもつと早く出すべきであるという警告を発して私の質問を終ります。
○植原委員長 勝間田清一君。
○勝間田委員 大蔵大臣に伺いたいのでありますが、今年ももうすでに三月に入つたのでありますが、今年の剰余金は大体どの程度出る予定でありますか、その点をお尋ね申し上げたい。
○池田国務大臣 剰余金の問題につきましては、ぼつぼつ目算を立てなければならぬ時に相なりておるのであります。大体ただいままでの情勢では、租税の方ではあまり増収は出ないのではないかと思います。国税庁からの報告によりますとちよつと赤が出ております。しかし常に国税庁からの報告は控え目でありますので、赤は出ることはないという確信は持つております。 大体内容について私の推測を申しますと、勤労所得税で六、七十億くらいでございましようか、あるいはまた法人税で九十億、これはまだはつきりわかりませんが、六十億ないし九十億。酒の方で三、四十億、これも最近ちよつと特級酒の売れ行きが悪いためでございますが、プラスの方面で大体百二、三十億から百五十億くらいじやないかと思います。マイナスの面で御承知の通り問題の申告納税で、補正予算で二百億減らしましたが、減らしたあとの千七百億円はちよつとむずかしいので、これで少くとも七、八十億、あるいはことによつたら百億くらいの減收が出るのではないか、こう考えますと、全体といたしまして、まあ五、六十億円くらいの黒字になるのではないかというふうに考えております。これは何と申しましても、二月中に更正決定を出しましたといたしましても、滞納とか、そういうふうになりますと、正確な数字が出るのは、五月の中ごろ過ぎあるいは六月の初めごろになるかと考えております。 それから次の大きい問題は専売益金でございます。専売の裁定の問題のときには四億五千万円か五億円程度に見込んでおつたのでありますが、その後のタバコの売れ行き、塩の売れ行きがあまり芳ばしくございません。四、五億の赤字じやなしに四、五十億の赤字じやないかというふうに私は考えております。タバコは四月一日から値下げいたしますので、買控えということも考えなければなりませんし、うつかりすると四、五十億の赤字になるのではないか、まあつとめて赤字を少くしようというふうに考えておるのであります。 その他剰余金の問題になりますが、一般の歳出の万でございますが、先般の給與所得金につきましても、給與の財源にも相当の努力をいたしたあとでございますので、あまり不用額を多く期待することはできないと思います。これは各省別にわたつておりますので、集計にも相当手間取りまして、その他各省は今のところいろいろな仕事をしておりますから、どれだけの数字ということは申されませんが、いずれにいたしましても不用額というのは例年そうたくさん出るものではない。そういたしますと、全体を通じまして大した自然増加は見込めないという状態であると言えるのであります。
○勝間田委員 次にお尋ね申したいと存じますのは、やはり中小企業問題に関係しての問題でございますが、私最近見ておりますと、非常に大蔵大臣お骨を折つて、金融をされておるようでありますが、少しも金融が下に浸透していないように考えるのでありまして、去年の末の百億の金もどの程度だか、ひもつきでないからわからないでありましようが、そのうちいろいろ、たとえば別わく融資を出して、銀行は低額のものを融資するというような形のものを出されておるようでありますが、いろいろな面を見ても、どうしても浸透していないというような感じを持つのであります。そうしてこれは結局、市中銀行なり日銀のオペレーシヨンなりいろいろな形を使つておやりになつても、結局中小企業に対しては実績がないし、もう一つは信用が非常に乏しい。そこに持つて来て先行き不安であるという状態に実はなつておると私は思うのです。ここで実際に大蔵大臣が一生懸命に浸透させようということであるならば、結局その面に何とか手を打たなければ何にもならないではないかという感じが私はいたすのであります。その意味で、信用保証なりあるいは損失補償なりの面までも突き進んでやるお考えがあるかどうか。それからやはり中小企業の金融は、非常に特殊な金融でなければならないということが考えられますが、興業銀行等々を「通じてはたしてそれができるかどうか。特に最近信用協同組合などの設立が非常に遅れており認可も非常にないという状態である。私の知る範囲内においては、あるいは政党の非常な、何といいますか、玩弄物になつておる。むしろ選挙地盤の拡張の材料になつておる面がある。そういうことがかえつて災いして、少しも設立が進んでおらない。こういう特殊な中小企業の金融機関は、急速度にやつて行くという準備行動を先にとつて、そこに一つの見返りなり、あるいは預金部資金なり、いろいろの金をその中に流し込むというように、どうしてもしなければならぬと私は思う。グルンドをつくり、同時に竹の管をつくつて、そこに流して行く、こういう政策を突き進んでとつていただかないと、私は中小企業というものは空転すると考えるのでありますが、これらに対する具体的な政策が、もしおありでありましたならば伺いたいと思います。
○池田国務大臣 ごもつともなお話でございまして、昨年暮に出しました預金部資金の百億に対しましては、すぐに浸透しないきらいがあつたのであります。これまた銀行の立場になつてみましても、政府が急に金があるからといつても、すぐ翌日から預けたものをみな貸し出すというわけにも行きません。従いまして一時日本銀行に市中銀行が預けた額が六、七十億と言われておる。しかしそれはまた将来の貸出しのフアンドになつて出て行つておると考えておるのでありますが、こういうようなことではまわりかおそいというので、当初は無盡は二億円くらいしか出していなかつたのでありますが、この百億の中から一般の銀行の分を引揚げまして無盡とか信用組合に十六億五千万円ぐらい出して、下の方をふやすようにしておるのであります。それが早くまわつて参ります。今回司令部からオーケーが来まして、政府資金を出しますのに、できるだけ無盡とか信用組合とか、商工中金、あるいは農林中金とか、勧業銀行方面、特殊の銀行にたくさんまわし、一般の銀行でも、従来は預金の割合でやつておつたが、地方銀行におおむね力を入れる。こういうようなまわし方をいたしておるのであります。政府並びに預金部資金の金をまわします場合に、回転率を十分考えなければならぬと思つて、今までのやり方よりもかえて行きつつあるのであります。そうしてまたお話の信用協同組合とか、あるいは東京並びに大阪その他の四、五十箇所でやつております信用保証協会、こういうふうなものはどしく育成して行きたいと考えております。通産省におきましても、中小企業庁を大いに拡充いたしまして、従来九十人で三千六、七百万円の予算を二億近くもふやして、事業協同組合あるいは信用協同組合の方の育成助長をやつて行きたい。それからまた資金を要する中小企業者につきましては、できるだけの指導をいたし、あるいは金融のあつせんもする、こういうような方法でやつて行きたいと考えておるのであります。大蔵省におきましても、先般一県一行の銀行制度を改めまして、中小銀行の設立を声明いたしましたが、まだなかなかはかどつておりません。口頭で申し入れられたのも数行ございます。書類の出ておるのも数行——五つ、六つあると聞いておるのでありますが、やはりこれは銀行だとか信用協同組合というものは、国民の金を預かつておるのでありますから、相当の計画性と堅実性を持たさなければいけないのであります。大蔵省では今調査をいたしておりまして、私としては、早くこういうものを生み出すように督励をいたしておるのであります。信用協同組合は大体新制度によるものが二、三建つておるかと思うのであります。移りかわりの分が十七、八あつたと思います。しかし今後中小企業の金融といたしましては、こういう信用協同組合、事業協同組合というものの育成をはかると同時に、これの連合会というものを発達させ、また今度近く増資をいたしまして長期債券を発行する商工中央金庫とのつなぎ合せを円滑にするようにして行つて、今までの金融制度の欠陥、ことに中小企業者に対しまする制度上の欠陷を直して行きたいという計画で進めておるのであります。
○勝間田委員 現在の状態では、金融だけで一体中小企業対策というものがやつて行けるかどうかということは、私は非常に疑問に思うのであります。やはり相当の国家資本なり、財政投資などもやつて行く面が相当ふえて来なければ、実際上は金融だけでは解決がつかないという面が、相当私はふえて来ているように思うのです。今度の予算を見まして、中小企業に対する政策と直接に出して行かれる分を考えてみますと、中小企業庁の振興部あたりでやつております協同組合の施設に対する補助金がわずかに一億円、それに対する調査費が若干含まれて一億四千万円でしたか、一億四千一百万円程度しか、組まれておらない。現在農村関係においても、土地改良に出して行く、あるいは開発関係に出して行く、いろいろな面が出ておる。これはもちろん非常に不十分でありますけれども、現在中小企業だけが非常に財政支出の面で少いということを私は考えざるを得ないのであります。やはり政府は現在のような状態で、中小企業問題は非常に重大化しておるのでありますから、ある程度まで予算の修正もやつて、中小企業に対する、特に協同化と施設の改善に対する財政支出をやつて行くべきではないかと思うのであります。池田国務大臣には申すまでもないのでありますが。たとえばクリップスが古い設備を新しい設備にかえるために、積極的に免税をやるとか、いろいろの保護政策をやつてイギリスの古い設備を新しいものに近代化して行くごとにずいぶん努力されておる。私は資産再評価等の問題がいろいろ出て来たことについては、若干そういう傾向が現在見られるのでありますが、中小企業に対するそういつた面の積極政策をとつてもらつたらどうかと私は思うのであります。できれば予算修正ということが一番正しいと私は思うのでありますが、この面に対する積極的な御意見を承りたいと存じます。
○池田国務大臣 国家が中小企業の補償をするということについては議論があるのでありますが、いかなる形体においてやるか、補償をどういうふうにするかということは、なかなかむずかしい問題であるのであります。中小企業にもいろいろな種類がありまして、今国家が一々補償しなければならぬようなものは銀行からも相当出ると思うのであります。そこで私はそういう問題もさることながら、ともかく金詰まりということを中小企業の方から言われておりますので、先ほど申しましたような施策のほかに、やはり勧銀とか興銀とか農林中金を使つて金融をつけてやり、更生をはかつてもらいたい。自分の力でやつていただきたい。国家がすぐ手を伸ばすと申しましても、なかなかむずかしい問題ではないかと考えております。それから中小企業で一番問題になるのは不動産金融でございますが、不動産金融についても見返り資金その他を使うことに、ただいま計画いたしておるのであります。今私が特に考えておりますことは、通商産業省で先般調査し、また府県の御援助を得て調査いたしました中小企業関係の金融大体四十億くらいでございますが、これは早急に出すように二、三日来各関係の銀行が寄りまして、銀行局長並びに中小企業庁の方からも説明をして、これを先に出すというふうにいたしております。従つて今後の金融政策によつて相当潤つて来ると私は考えておる次第でございます。国家補償の制度というものはなかなかむずかしい問題であるのでありまして、御承知の通り輸出に対しては補償制度を設けてありますが、国内の中小企業を対象とすることは、実際問題としてなかなか困難な場合がありますので、今ただちにこれをやるという考えは持つておりません。まず金融をつけて、情勢によつてはこれは考慮しなければならぬ問題であることはわかつておるのでありますが、今やるということを言明する段階に至つておりません。
○勝間田委員 それから税金のことに対しての問題でありますが、シャウプ勧告において、われわれがかなり期待を持つておつたのは、やはり農村に対して勤労所得的な性格を認めて行くという点、従つて勤労控除を農村や中小企業者の人たちにもやつて行くという点に、実は非常に期待を持つておつた。しかし今度の政策を見ますと、そういう面が現われていないように私は考えておるのでありますがこれに対する大蔵大臣のお考えを承りたいと思います。
○池田国務大臣 先般お配りした表にありますように、今回の税制改正によりまして、農村関係は相当減税になると考えておるのであります。農民の收入を勤労所得であるという見方によりますと、今度はまた中小企業関係の方におきましても、勤労所得と認むべき場合が相当ある。これは理論的には考えられないことはないので、シャウプ博士もこの点については検討を加えられたようですが、私はこの問題はやはり今後の財政状況によりまして、そういう所得の形体による特別の措置よりも、全般的に税を下げて行くのが至当ではないか、そういうわけで、今農民の事業所得を勤労所得並に取扱うことは妥当でないと考えております。
○勝間田委員 それからもう一つ私どもの納得の行かない点は、五十万円以上を五五%にした。しかしそのときはシャウプ博士も言つておるようでありますが、富裕税を設けたからいいではないかというのであります。私は何ゆえに、五十万円以上の累進課税を廃止したか、この点がほんとうに納得行かなければ、減税になつたということを申しましても、皆さんに真に理解してもらえないのではないかと思うのです。もしそこに富裕税を設けたからいいではないかということであれば、五百万円の人たちに富裕税をつくつたことと、この五十万円以上の累進課税をやめたことと、どういう関連があるのか。私はこの関連を出すのは非常にむずかしいと思いますが、この点についてひとつ納得の行く御説明を願いたいと思います。
○池田国務大臣 最高税率をどこの階級に持つて行くかという問題と、それから中央、地方を通じての税負担を、所得に対して何割くらいが適当であるかという問題と、別個に考えたのでございます。 第二段の最高税率をどのくらいまでに持つて行くかということについては、相当の議論があるのですが、向うからシャウプ博士と一緒に来ましたコロンビヤ大学のヴィツクリー助教授も言つておりましたが、最高税率は地方税の負担と合せて七〇以上に持つて行くべきではないかという強い説を主張しておりまして、各国の最高税率があんなに高いのは、これは所得税のがんであるという強い議論をしておりまして、それが向うの使節団としては圧倒的であつたようであります。今度五五にきめましたのは、五五にいたしますと、住民税を加えますと、大体六六か六七になるのであります。しこうして、その人が富裕税を納めることになりますと、七〇程度、あるいは場合によつては所得に対して八割程度の負担になる場合も起り得るのであります。そこで私どもといたしましては、資本の蓄積が必要であるという強い考えのもとに、所得の最高税率は五五くらいで適当ではないかという考えを持つております。 それから最高税率を適用する所得の階級を、どこへ持つて行くかということですが、これは税收入との関係であるのであります。最高税率を高いところへ持つて行きますと收入が非常に減つて参ります。それで收入本位にシャウプ博士も五万円以下、三十万円以上というようにされたのですが、三十万円超過すると最高税率ということになると、何と申しますか、私ども古い考え方かもしれませんが、今までの税法を取扱つておつた私考もといたしましては、いかにも遺憾でありますので、実は最高税率を百万円で五五という案を持つて行つて折衝したのですが、シャウプ博士の案は、そんなにかえるわけには行かないというので、五十万円で折合つた次第であります。今の所得階層から申しますと、私は百万円以上五五くらいが適当ではないかというように思つております。百万円で六〇くらいに達しましても、あれを加えまして七〇程度でございますので。まあ五五から六〇ということでありますが、シャウプ博士の勧告の次第もありますので、一応五十万円以上五五にいたしたような次第であるのであります。しこうして私といたしましては、小所得者の方をできるだけシャウプ博士の案よりも減税したいという念願のもとに、基礎控除二万四千円を二万五千円にしたのでありますが、二万四千円を二万五丁円に、千円増加したたけで、たしか三十八億減収になります。それから勤労所得の一割控除を一割五分控除にいたしましたので、約百十八億ぐらいの減収になります。三十万円を五十万円にいたしました関係上、約十八億ぐらいの減収になると思います。まあ議論はあるのであります。最高税率の問題、あるいは最高税率を適用する所得の階級の問題、これは所得税の中心問題であるのでありますが、シャウプ博士の強い勧告もありました。しかし私は自分の経験から申しまして、シャウプ博士の案よりも、御審議願つている私の案がベターであるという自信を持つております。しかしこれは財政需要等から考えまして、まだ将来において減税を中心にしてモディフアイして行かなければならぬと考えております。
○植原委員長 この際お諮りいたしたいことがあります。理事圖司安正君が委員を辞任されましたので、理事の補欠をいたしたいと思いますが、これは先例によつて委員長において指名することに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議がなければ、さように決定いたし、理事に小坂善太郎君を指名いたします。 本日はこれにて散会いたしますが、念のために委員諸君に次の御注意を喚起いたしたいと思います。予算審議も、諸君の御盡力によりまして、かなり進行いたしましてそろそろ大詰めに来ておるのでありますから、日曜日には午前十時から開会いたします。各委員、どうか奮つて御参集されんことを希望いたします。 本日にこれにて散会いたします。 午後五時三分散会