予算委員会 第5号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1950/02/01
会議録
○植原委員長 これより会議を開きます。 質疑に入ります。苫米地英俊君。
○苫米地(英)委員 私は主として貿易関係の質疑をいたしたいと存じます。 小峯、上林山両委員から全般的の質問がございましたので、私はなるべく集中した質問をいたしたいと存じますが、そこに達する径路といたしまして少しく大蔵大臣にお聞きいたしたいことがあるのであります。 来年度の予算のねらいと性格は、通貨の安定と建設面の経費に復興的性格が現われている、この二点にあると存ずるのであります。そこでこの線はドツジ・ラインから生れ出たものと観察いたしておるのでありますが、ドツジ氏は、日本のインフレは消費インフレだ、かような観点から出発いたしまして、購買力の圧縮と債務の償還、この二点に力が入れられておるのでございます。そこで昨年からのドツジ・ラインによる財政政策を実行する以前から、今日われわれが見るところのいろいろの現象は予期せられておつたのであります。財政面は確かにデフレ傾向がある、このデフレ傾向を通貨金融政策によつて緩和して来たのが、過去一年間の経過であると私は見ておるのであります。そこでここにデフレかデイスインフレーシヨンかというような議論が、世間でいろいろ論ぜられており、この議場においても質疑応答がかわされたのでありますが、私は通貨の大巾の収縮もないし、物価のはなはだしい下落もない、この二つの事実は、デフレーシヨンではなく、デイスインフレーシヨンであるという結論が正しい見方であると存ずるのであります。そこでいま一つの建設方面の施策といたしましては、公共事業費と建設的な資金が二十四年度に比べまして七〇%も増加しており、二千百五十億が計上されている。これによつて有効需要が振起され、失業者が吸收され、経済の再建に寄與すると大蔵大臣が申しておりますが、私はこれもまさにその通りだと考えるのであります。これに関連いたしまして住宅建設費が百五十億見積られておりますが、私は建設大臣にこの建設費の分配の基準がどうなつておるか、まずそれを伺いたいと思うのであります。
○益谷国務大臣 政府出資により五十億、それに加うるに対日援助見返資金百億、合計百五十億をもつて住宅金融公庫をつくりたいという考えであります。これは主として今日最も住宅難に苦しんでおります勤労者階級の住宅資金を低利長期に貸付ける考えであります。その分配の基準と申しますのは、どういう趣旨かはつきりいたしませんが、主として勤労者階級の住宅の方面に貸付けたいという考えを持つております。あるいは各都道府県の分配という御趣旨でありますか、そういうことはいまだ決定をいたしておりません。
○苫米地(英)委員 私の申します基準というのは、おわかりにならなかつたかもしれませんが、勤労者というのも一つの基準であろうと思うのであります。また戰災のあつた地方とか、もしくは入植者、帰還者の多かつたような地区とか、こういうような何か標準があるだろうと考えるのでありますが、この点いかがでありましよう。
○益谷国務大臣 ただいまお答え申しました通り、主として勤労者階層ということでございまして、入植者ももとよりありますし、引揚者もあります。いろいろ住宅に苦しんでおられる方面に、長期低利の資金を供給いたしたいという考えでございます。
○苫米地(英)委員 もう少し具体的に入つてお尋ねいたしたいのでありますが、たとえてみれば、北海道のごときは戰災地区は非常に少いのであります。しかしながら人口の増加率、帰還者の数等から申しますと、非常な住宅難になつておるのでありますが、一体この帰還者に対する住宅等については、別個に御考慮もあるようでありますが、これらに対する厚生施設と申しますか、そういうものは非常に程度が低くて、北海道あたりではほとんど生活住居に耐えないというようなものが建設せられておるのであります。またそうでない方面でも、中には掘立小屋式でときには間に合うけれども、総体的から見ると、資材の浪費ではないかと考えられるような住宅の建設もできておるのでありますが、今後の住宅建設については、何か建築に対する基準でもお立てになつて、その基準に従つて建設されるのであるか、あるいは今までのように単純に収容力というようなものを標準として、やはり資材の浪費といつたような形の建築をして行かれるのであるか、その点をお伺いしておきたいのであります。
○益谷国務大臣 これまでは臨時建築制限規則でいろいろの制限をいたしておりましたが、ただいまでは御承知の通り、資材面の方は非常に緩和いたしましたので建築制限を大巾に緩和いたすことに決定いたしたのであります。従つて各人がそれぞれ自分の好みによつて建築せられる面は、国家においてかれこれさしずすることはできないのでありますが、今日住宅難のために、御承知の通りいわゆる庶民住宅を、国庫の半額補助によつて地方公共団体をしてつくらしております。この面につきましてはただいまお尋ねのごとく急場のバラツク式では、これは資材の面においていろいろの弊害と申しますか、そういう点を考えまして、今後いわゆる庶民住宅については永久的な建築、鉄筋コンクリートの建物というものに主眼を置いて進んで行く考えであります。 また金融公庫の貸付に対しても、十分にただいまの御趣旨に沿つて貸付をいたしで行きたいという考えでございます。
○苫米地(英)委員 建設大臣の御所見をお伺いしてまことに安心いたしました。そこでこの鉄筋コンクリートの不燃性建物ができるということはまことに望ましいことであり、待望いたしておるのでありますが、こういう建物が一たびできますど、これは永続性を持つております。ところがもしこの建物が設計とかその他国民の嗜好に適した構造にできておらないと、そういうものはある時代が来ると、顧みられなくなるというおそれがあるのであります。従つてこういう建物の設計その他について、あらかじめ十分の御考慮をいただきたいと存ずる次第であります。この希望を述べて住宅問題の質疑を終りたいと存じます。 さて金融の安定の過程におきまして、国民は険しい道を歩み、その間に非常な波乱が起つて参つたのでありますが、その間に、第一に国内の有効需要の減退ということ、これは万人の認めるところであります。その結果といたしまして、政府手持ち滞貨の増加というようなことにも現われておりますし、輸入物資の不消化というようなことにもなつて現われておるようであります。この有効需要の減退に関して、政府はどういう施策を持つておられるか、また政府手持ち滞貨の現状はどうであるか、これの売却処理についてはどういう見通しを持つておられるか、これを大蔵大臣にお伺いいたしたいと思います。
○池田国務大臣 有効需要の減退もさることながら、生産も増強いたしておりますし、また一時貿易が停滞した関係上、滞貨はかなりふえておるのであります。従いまして昭和二十五年度の予算におきましては、できるだけ有効需要を喚起すべく、予算の使用その他に注意を拂つております。また民間の方におきましても、減税その他である程度の有効需要が起つておると思うのであります。準いましてこの滞貨の形は徐々にほどけて行くことを信じておるのであります。 第二の御質問の、政府手持ち滞貨はどういうふうな状況かというお話がございましたが、輸出物資の滞貨等で、公団手持ちのものはただいまのところ大体二百三十億円程度あるのであります。この滞貨を早く片づけるためには、どうしても特別の金融措置をとらなければならないというので、先般来輸出滞貨の問題につきまして、関係方面と折衝いたしておるのであります。まず公団所有のものにつきまして、相当の金融をつけますと同時に、一般業者が輸出滞貨を買い受けるときには、従来は一箇月の信用であつたのでありますが、これを六箇月くらいに延ばしまして、早くとにかく一般民間の方へ売りさばく方法を考えておるのであります。ここ数日中に具体案が出ると考えております。
○苫米地(英)委員 次に産業界が非常に沈滞して来ている、これも私は現実の事業であると思うのであります。その沈滞の原因はいろいろございましようが、一つは金融面から来ておる。輸入の原料を消化いたしまして、これを加工して輸出する段階まで持つて行く、この間の金融が円滑に行つておらない、これが一つの大きな原因だと思うのであかます。それから一般物資の消化の不良、こういうことが他の一つの大きな原因であります。また債務償還千二百億、これが一般会計から八百三十億、見返り資金から五百億、そのうち外債拂いの百三十三億を保留してありますから、実際は千二百億、この厖大な債務償還、これは大蔵大臣も言われる通り、金融面を通してこれを資本蓄積に持つて行くお考えでありますが、なかなか実情はそういうぐあいに行つておらない。銀行の態度等が思つたように資本蓄積の方に向わないで、日本銀行に流れ込むとか、いろいろのことが起つて来、また金融機関の内部におきましても国債の手持ちが減るので、社債とか、金融債とかを持たなければならないというような事情も起つて来まして、この点におけるところの円滑なる推移が見られないということが、他の一つの大きな原因であると思うのであります。そこでまずこの点につきまして、大蔵大臣にお伺いいたしたいのでありますが、この債務償還の一部を公共事業費とか、減税とかに充てたらどうかという意見が相当あるのでありますが、これに対して大蔵大臣はどう考えておられますか、伺つておきたいのであります。
○池田国務大臣 たびたびお答えしたところでありますが、減税もただいまの状況では、今回の減税程度が昭和二十五年度は過して行くことが適当であると考えております。昭和二十六年度におきましては、また財政規模を縮小いたしまして、また減税を行いたいと思つているのであります。ただいまのところ、債務償還を減らして減税に充てる気持はございません。また公共事業費等におきましても、これは昨年よりも相当ふやして、建設的資金としては予算関係におきまして、お話の通り昨年の七割増の二千二百億円余りを使つておりますので、この程度でいいのではないかと考えているのであります。債務償還は、これはいろいろ難点がありますが、千二百八十億というといかにも大きいように考えますが、アメリカの援助を受けております関係、並びに日本の国民の生活程度を急激に減税によつて上げることは、将来のことを考えまして、あまり冒險過ぎるような気がいたしておりますので、徐々に減税をし、そして徐々に財政の安定を期したいというのが私の考えであります。
○苫米地(英)委員 産業沈滞のために起つて来ているところの一つの問題は、中小商工業の行き詰まりであります。過去一年のドツジ・ラインによる財政政策の結果といたしまして、確かに通貨が安定し、実質賃金が幾らかでもよくなつて、そして一般庶民が幾らか暮しよくなつて来た、先般朝日新聞で、暮し向きの世論調査をいたしました結果を見ても、これが現われているのであります。同時に中小商工業者の方は、この一年間に暮し向きが悪くなつたと言つているのが六〇%だと記憶しておりますが、とにかく非常に多くなつている。そうすると一般勤労者階級の方は幾らかでもよくなり、経済安定の方向に向つている。しかし中小商工業者は逆に、非常な窮地に押し込められておるというような実情にあると考えられるのであります。朝日新聞の言葉を用いれば、こういう断層的な傾向が社会にあるということは、好ましいことではないと考えるのであります。この中小商工業者に対しても、政府はいろいろ施案を講じておられますけれども、いつも時間の問題で、後手になりがちであるかのごとき印象を受けておるのであります。これに関連しまして世間で三月危機というようなことを言つておる人もあり、これに対して世間に非常におびえている向きもあるのであります。ところが近ごろ政府高官のうちで、こういうことを放送しておる人もあるというようなうわさもあるのでありますが、この点に対して大蔵大臣の見通しを伺い、国民を安心させるような御意見を承りたいと思うのであります。
○池田国務大臣 インフレーシヨンを強力にとめまして、安定経済へ移りかわりますときには、ある程度のしわは寄つて来るのであります。そのしわはおおむね弱いところへ寄るのが通例でありまして、この意味におきまして、中小商工業者のうちにはお困りの方が相当あるということは、私も承知いたしておるのであります。しかしそういうしわが寄るからといつて、経済安定をおろそかにするわけには行きません。従いまして今お言葉にもありましたように、この断層階級をいかにするかが問題であるのであります。そこで先般来中小商工業者に対しましてのいろいろな手も打つているのであります。中小商工業者自体に対しまして打つ手と、また大産業に対しまして打つた手が、中小商工業者に対しまして及ぼす影響等も考えられますので、後手の起らないように努力いたしておるのであります。引用なさいました朝日新聞の調査は、数においても普通の世論調査よりは相当少いのではないか、七百くらいと聞いております。しかもまた暮しがよくなつたとか悪くなつたということは、これは実態調査ではなくて、主観的のものが相当入つておりますので、そのパーセンテージをすぐ受入れるわけには行きません。何分にもやはり今までのインフレになれたものが、安定経済に移るためにはいろいろなしわが寄るのであります。われわれとしてはそのしわをできるだけ少くするように、またどうしても救われない場合のいわゆる断層階級につきましては、他の方で考えて行かなければならぬと思つておるのであります。従いまして一——三月の金融問題について、いろいろな議論がありますが、私の見るところでは、政府が今後とも財政金融施策につきまして措置をとるならば、決して危機とかなんとかいうことは起らないと考えております。
○植原委員長 ただいまの苫米地君の中小企業に関するところの質疑に関連いたしまして、川崎秀二君と勝間田清一君から発言を求められております。この際これを許します。川崎秀二君。
○川崎委員 昨日の夕刊並びに本日の朝刊紙上によりますと、蜷川中小企業庁長官は免職されるということが伝えられております。この件に関して増田官房長官は、昨日の政府與党の連絡会に出席して、免職のことについて了解を求めたということが伝えられておるのでありますが、はたしてこのことは事実なりやいなや、政府がその使用する職員について過失がありましたり、また不適格であるというようなことを認めた場合において、これを免職するということは自由でありますが、職員の政治的見識あるいは自己の職務に基いての情勢の分析等に原因をして、免職が行われるということがありますならば、これはきわめて重大な事態を引起すものと私は思うのであります。まずこの点に関し、真相であるかどうか、官房長官の答弁を求めたいと思います。
○増田国務大臣 川崎さんにお答え申し上げます。昨日の朝の連絡会におきまして、蜷川君の人事に関することが議題になつたことはあるのであります。
○川崎委員 議題になつたことはあるというお話だけでありまして、新聞紙上に伝えられていることは、一体事実なりやいなやという点の御答弁がありません。
○増田国務大臣 蜷川君の人事に関することは話題になりましたが、これが処置についてどうする、こうするということまで結論を得ておりません。ただいま川崎君の御指摘の通り、官吏は規律に服すものでありまして、規律という見地から見て、遺憾な点があつたかどうかということを検討中でありまして、本人はいずれ帰京いたすことでございましようから、その際愼重なる調査を途げた結果、適正な処置をいたしたいと思うのであります。
○川崎委員 一、二の新聞ならともかく、全新聞がすでに政府の方針としてこれを決定したということを伝えている。これが事前に政府與党の連絡会を通じて漏れたというので、あわてて増田官房長官はその事実を否定し、今日いまだこれを調査中と逃げを打つておられると思うのであります。火のない所に煙は立たないのでありまして、もはやそのような方針は決定しておるのではないかと思う。政府ではなくてその政党の幹事長が、すでに蜷川君の問題については罷免に決したということを発表いたしておる。こういうような事実をあなたは御否定になるかどうか。また政党方面から、かかる人事の最後的な決定などというものが発表されるということは、まことにもつて不可解千万だと思いますが、その点に関して、官房長官の御答弁を要求します。
○増田国務大臣 お答え申し上げます。蜷川君の人事行政についてはいまだ結論を得でおりません。本人の出頭を待つて、それぞれの所属長官が調査をいたしまして、適正な処置をいたしたいと思つております。なお新聞記事等の関係につきましては、私としては責任を持ち得ないのであります。
○川崎委員 この際官房長官に官吏の免職問題についての基本的な考え方を聞いておきたいと思うことがございます。それは国家公務員法第七十八條によりますと、公務員の免職される場合、その一つは「勤務実績がよくない場合」、その二は「その他その官職に必要な適格性を欠く場合」と規定されておるのでありまして、官吏といえども自己の職務上、客観情勢の事実分析ないしは見通しを述べるということは、私は許されていると思うのであります。しかるに免職と決定的に伝えられる原因になつたものは、通産省公報において蜷川長官が三月には経済危機に見舞われるであろう、従つて中小企業はこのままで行くならば、大半がつぶれはしまいかという予測を申しただけであつて、これについて政府の施策が悪いとか、方針が悪いとか申した覚えはないということを、本人も昨日京都で申しております。そこでお伺いいたしたいのは、かかることは官吏として当然許さるべきことと思いますけれども、一体政府は齋藤国警長官の問題以来、常に政府の首脳部の言説に媚態を呈するものを抜擢しよう、これに少しでも異見を持つておる者に対しては、チエツクをしようというような考え方を非常に強く出して来て、至公至平の純吏を養成するという考え方が、非常に稀薄なのではないかということを、私どもは憂えるのでありますが、官吏の職責において客観情勢の事実分析を述べる、これは自由ではないか。ことに中小企業庁のごとく、監督官庁というよりは、むしろ中小企業の保護指導ということに重点を置く役所においては、私は蜷川長官の言動というものは、今日一般の常識になつておるように、経済危機がある、ことに中小企業は最も危ういという事実を指摘することは自由だろう、かように考えるのでありますが、これらの問題についての御見解を承つておきたいのであります。
○増田国務大臣 川崎君のおつしやることは、御意見として承つておきますが、ただしかしながら私どもこう考えております。役人はやはり政府の機構の一部をなすものでありまして、たとえばあなた方がさきごろ御指摘になつたような——私はつきり記憶はございませんが、心覚えに覚えております。ある特定の官庁で何か書類をつくつた、それが閣議を経ないうちに発表されたのは、けしからぬじやないかというようなお話も承つたことがあるように聞いております。そういうわけでございまして、事産業行政の動向に関するようなことは、やはり調査書類、あるいは同等以上の一つの見解である、こう考えておるのでありまして、そういう見解を、他の方ならば別でありますが、特別権力服従関係に立つておる役人が、言論が自由だからといつて、ただちにこれを自由に表現し得るかどうか、私はあなたの御見解とは多少見解を異にするのであります。ことに蜷川君のことは何もあれが理由ではないのでございまして、こまかいことは所属長官たる稲垣君にお聞き願いたいのでありますが、規律関係から種々調査をするような事項がある模様でございます。
○勝間田委員 まず一つ伺つておきたいと思いますことは、主管大臣である稻垣通産大臣はいつ御出席になりますか。
○植原委員長 午後二時ごろ来ます。 〔「関連質問と認められませんよ」と呼ぶ者あり〕
○勝間田委員 これはまた別にお尋ねすることにしまして、今川崎君から話されたことに関連質問をさしていただきたいと思います。 〔「関連質問の性格に反しますよ」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 ちよつとお待ちください。——上林山君はおりませんでしたけれども、この問題に対していろいろの意見がありまして、理事会において、かようにして発言をするということにきめたのでありまして、委員長は理事の多数の御決定によつて、議事の進行をいたしておるということを御了承を願いたいのであります。(笑声)上林山君は理事でありながら御出席にならないでおいてさような苦情は、まことに困ります。(「委員長」と呼ぶ者あり)勝間田清一君に発言を許しました。
○勝間田委員 私は先ほどの川崎君に対する増田官房長官の答弁の中で、いわゆる政府と與党との懇談会の中でそういう話が出た、それで帰京を待つて実情調査をやりたいという御答弁だつたと思いますが、私はそれで非常に疑問に思うのは、人事の問題を與党と政府との間の連絡懇談会で論議することが、一体妥当であると考えていらつしやいますか、この点をお尋ねしたいと思います。
○増田国務大臣 勝間田君のおつしやることは一応ごもつともでございます。さようでございますから、人事行政それ自身については結論を得ておりません。ただ新聞その他の関係でこういう問題があるけれども、こういうことはどうなんだということを、むしろ政府に質問を提起する形で、與党側からそういう話題が持ち出された、それだけでございますから、われわれは人事行政の結論は得ておりません。これから調査をいたしまして適正なる措置をいたしたい、こう考えております。
○勝間田委員 そうしますと、いわゆる與党と政府との話合いのときに、與党の方から、新聞等でこういう話があるが、どうかという提案があつて、そうして蜷川さんの人事の問題がいわゆる論議されるようになつたと解釈してよろしゆうございますか。
○増田国務大臣 政府部内でこういうような発言をしたもする人があるけれども、一体政府はどうするのだという意味で、われわれに質問の形で話題が提供されたわけです。
○勝間田委員 私は非常に重大なことと実は考えるのでありまして、官吏の人事について、いかに與党といえども、政党の者がこれに介入するという態度は、日本の正しい官吏制度を確立する上において、絶対にいかぬことだと私は思いますが、こういうことは一体増田官房長官は承認されることであるか。
○増田国務大臣 勝間田君のお説は一応ごもつともでございます。人事行政の中に介入してかれこれ言つたのではいけない、これは私はあなたと同意見でございます。ただ與党といわず、野党といわず、国民といわず——調査しなければわかりませんが、こういうおもしろくない官吏があるけれども、こういう官吏に対しては政府はほつておくのかというような、陳情なり、詰問なり、質問なりはあつてしかるべきと心得ております。
○勝間田委員 それで一体蜷川氏のどこが悪いと話が出たのですか、その点をお尋ね申したい。
○増田国務大臣 何とかいう公報に出ておつたという記事を指摘されたのであります。
○勝間田委員 その公報の内容をここで御発表になる意思はございませんでしようか。
○増田国務大臣 もとよりこれは公報でございますから、後刻お知らせしてもよろしゆうございます。それから單にあの公報の記事関係ばかりでございませんで、川崎君にもお答えいたしました通り、官吏の規律といつたような関係から、遺憾な点があつたかどうかというようなことを、所属長官において調べているわけであります。
○勝間田委員 私はそれで疑うのでありますが、公報に出ていることは、私ども承知している範囲内においては、いわゆる三月危機に対する、あるいは今後の中小企業の存命に関する、重大なる一つの調査研究の結果だと私は思いますけれども、その問題をとつていわゆる人事の問題を論議することに対していささか不安を感じたので、ことさらに今度は、あるいは出張の状態とか、何の状態というような面に籍口して、その問題を敷衍せしめるような傾向があるように思うのですが、その点はいかがでございますか。
○増田国務大臣 その内容につきましては、事人事行政でございまして、人事行政は政府の機密事項でございますから、遺憾ながらお答えいたしかねる次第でございます。
○勝間田委員 公報に発表した中小企業の実情、将来見通される危機の状態、不安な状態、こういうものを、特別庁として外局にまで中小企業庁というものをつくつて、特別な権限を與えて、中小企業の保護育成に当ろうとする長官が発表するという事柄は、私は職務上当然な帰結だと思いますけれども、それはいかがでございましようか。
○増田国務大臣 勝間田君は、外局の長は何か政府の機構でないような御発言らしく聞えますが——私がそういうふうに聞いたのでしたら私の誤解でございますが、私は中小企業庁といわず、資源庁といわず、国税庁といわず、すべてこれ主務大臣の管轄下に立つ一役人であると考えております。
○勝間田委員 官房長官は少し誤解されていると思います。私の言うのは外局にまでして重要に扱つて行く中小企業庁の重職にある長官が、それは通産大臣の監督にあるのは事実でありますけれども、中小企業の保護に当り、あるいは奨励に当るその長官が、中小企業の近き将来における不安を率直に統計その他によつて現わすことは、私は決して不当ではないと思います。その点についていかがでございましようか。
○増田国務大臣 とにかくあれだけが理由ではございませんで、その他各種の関係がありまして、現に調査中でございますから、あのことだけが理由であるということだけで、あなたが大分私に御質問を御継続になるのですけれども、このことに対する御答弁は、ひとつこの辺で御容赦願いたいと思います。
○勝間田委員 私はこの点は、現在非常に不安な状態に置かれている官吏の方々なり、また日本の正しい一つの官吏道をつくる上において、どうしても必要だと思います。というのは、かつてのように、いわゆる政友会道路ができたり、憲政会道路ができたり、政党政派によつて公共事業が左右されたり、あるいは末端の警察署長や警察員に至るまで、政党によつて人事が指導されるという政治を、もしこの際生み出すということであつたならば、私は非常に逆行だと考えます。それと同時に、私は事実は知りませんが、世間に伝えられるように、齋藤国警長官云々の問題もかつてあつたのでありますが、そういう問題をいろいろと考えて参りまして、時の政府のいわゆる御気嫌に沿わないような調査を出したということによつて、もしそこで論議されるようなことがありといたしますならば、私は公然たる国家の公僕としての官吏の勤めは、絶対に勤まらぬと考えますけれども、これをそういう点から考えまして、今度の蜷川さんの問題は非常に重要だと思う。その意味におきましては、最高の人事を握つております増田官房長官の決意、また責任というものは、実に重大だと考えます。今後かかる人事に関する所見を承りたいと思います。
○増田国務大臣 勝間田君にお答え申し上げます。現に各種の関係は調査中でございまして、何とも申し上げかねる次第でございます。私は、役人であるということを御再考を勝間田君にお願いする次第であります。すべて言論は自由であり、思想発表の自由も基本人権でございますが、政府機構の内容を構成している役人は、その点においては制約を受けておる次第でございます。所属長官と意見が違う、また政府と意見が違うというような場合もあり得ると思いますが、ことに危機説といつたようなことがもしありとするならば——まだ調査中でありますから仮定でございますよ。もしそういうことがありとすれば、軽々に自分の観測なり、予断なりは、政府の役人は少くとも下すべきでないと私は考えております。
○勝間田委員 そうしますと、いわゆる公報に発表した調査が、人事に関係した重要な原因であるとは、ここで即断もまだできないはずでございますね。その点は御了承いただけますか。
○増田国務大臣 さようでございます。
○勝間田委員 今後いわゆる與党と政府というものとが話合つて、そこで人事を論議するという事柄は、あまり芳ばしくない、むしろ今後はやるべきはずのものではない、こういうことを御承知願えますか。
○増田国務大臣 人事行政を論議することはよろしくないと思つております。ただしかし、これは皆さん誤解をあそばしではいけませんから——誤解をあそばすことはないと確信しておりますが、国民といわず、野党の諸君といわず、與党の諸君といわず、こういうけしからぬ役人があるということは、誤解でございましても、そういう申入れをすることは自由であり、しかるべきことである、こう考えております。 それから経済界の予測でございますが、統計の発表にいたしましても、これは所属長官のそれぞれの決裁なり、あるいは重要事項は閣議決定でなければいかぬと思いますが、財界、経済界の予測等は——昔昭和二、三年ごろ、大蔵大臣の片岡さんでしたか、失言をいたしまして、非常にパニツクに近い事態を引起した事実もございます。私は中小企業庁長官という外局の長官が、自己の分別と判断でそういうことをするといもことは、役人でないならば御自由でございますが、これはしかるべきことでないというふうに考えております。
○勝間田委員 安本長官に一言伺つておきたいと思います。できれば通産大臣にお願い申したかつたのでありますが、中小企業の問題は現在非常に重要な問題だと私は考えます。そうしてこれに対して論議して行く事柄は、非常に必要なことであり、早く言えば、輿論を喚起して、政治の上にそれを反映せしめて、危機に瀕した中小企業を救済するという、非常に重大な問題であろうと考えます。私は常に思うのでありますが、この前の総理の施政方針演説以来、とかく事実を隠蔽して、いたずらに楽観的に物を周知させて行こうという傾向が、非常に濃厚であることを、私は遺憾に思つたものであります。その意味において中小企業の現在の困難を、これをほんとうに喚起して扱つて行かなければならぬ。これについての論議を押えつけて行くという事柄は、現在の経済認識を深める上において不適当な行動である。むしろ現在の中小企業問題について、経済安本長官としてはこれは重大に論議し、これを重大に取上げて行くことこそ、ほんとうのものであるということを考えられるか、考えられないか、この点をひとつ安本長官に伺つておきたいと思います。
○青木国務大臣 勝間田委員にお答え申し上げます。私どもは決して事実を隠蔽するというような考えで物を処理いたしておりません。いろいろと御議論のあるところは十分承つておりますし、また十分これを参考にいたしておる次第でございます。さようなわけでありますので、その御意見そのものについては十分尊重いたしておる次第でございます。
○苫米地(英)委員 次にお伺いいたしたいのは、給與問題であります。昨年の暮も給與問題でいろいろ問題を引起しましたが、現在再び専売公社の給與問題裁定について議論が起つているようであります。人事院の主張しているところと、政府の考え方と、その相違は、山下人事官の参議院における発言によつてもはつきり現われております。また参議院の運営委員会における秋山専売公社総裁の証言を見ましても、政府の考え方と対立していることがはつきりいたしているのであります。ことに秋山総裁は財源はあると言うて、政府の財源に関する考えを否定しているのみならず、蔵相の許可しない真意がわからない、こういう強い言葉を使つているのであります。このこまかい点は私がるる申し上げるまでもなく、おわかりであろうと思いますが、こういういわば政府部内において議論が矛盾し、対立しているかのごとく見えますのは、一般社会に及ぼす影響がまことに重大であり、見のがすことができないのであります。私はこの際政府の所信を明らかにしていただきたい。人事院の方から私どもの手元に、今度のベース改訂のこまかい書類が配付せられておりますが、それを見ると、人事院の主張が相当根強いものであるということも私ども了承できるのであります。しかしこの問題は軽々しく取扱うことができないのでありますから、どうかこの際この予算委員会を通じて、政府の所信をあらためて明らかにすると同時に、この矛盾、不調和というふうに見えておる点を、はつきり解明していただきたいと思うのであります。
○池田国務大臣 人事院の一般公務員に対しまする給與べースの引上げの点につきましては、われわれのとらざる理由は、財政演説その他の機会に申し述べた通じでありますから、この際省きます。専売公社総裁が参議院の運営委員会におきまして申したと申します内容を、私はつまびらかにいたしておりませんが、新聞の伝うるところでは、自分は裁定に従つて出したいという意思表示をせられたことは確かだと思います。しこうしてまた財源があるということを言われたのも、これは言われたかもわかりません。財源があるというのは何をもつて言うのか。もし裁定案に従つて出し得る財源があるならば、専売公社独自の考えで出していい。しかし専売公社総裁が出し得る金はないのであります。従つて私のところに予算の流用を申出になつたのであります。予算の流用を申出られたので、私は財政法その他のいろいろな情勢を考えまして、予算の流用が不可能であるという結論に達したのであります。専売公社総裁が財源があるとかなんとか言われましても、これは私はどういう意味の財源かわからない。あるいは千百九十億円の益金繰入れのお金もありましよう、またいろいろな運転資金もありましよう。しかし給與に専売公社総裁が独断で出し得る金はない。かるがゆえに私に相談に来られたのであります。従つて私としては、裁定案に従つて予算に認められた範囲内における財源はございません。流用ということになりますと、専売公社総裁の権限ではないのであります。大蔵大臣の考え方によつて閣議で決定するものであるのであります。従いましで財源があるという意味が私にはわかりません。従いまして私は財政法その他諸般の事情から考えまして、公共企業体労働関係法の第十六條によりまする予算上、資金上不可能と断定を下したのであります。
○苫米地(英)委員 財源があるとかないとかいう議論は、私どもには了解いたしかねる部分が非常に多いのであります。たとえてみますならば、昨年の暮における国鉄公社の場合でも、一般会計から四十億の繰入れをし、貨物運賃を八割上げなければ絶対にやつて行けないのだ、これ以上節約する余地がないのだということで、国会を通過いたして運賃が上げられることになり、税金から出ておるところの四十億という金が公社の方へまわつたのであります。それから幾日もたたないうちに、給與値上げのために石炭が五億節約できるとか、その他十八億の余裕がある、財源があるということが公表せられ、その結果はあの通りであつたのであります。そうすると私どもが予算を審議しておるときに、行政官庁の方に何かわれわれに見えないからくりがあるのではないか、われわれはこの予算の審議権を十分に盡していないのじやないか、という自己反省もしなければならないような状態にあるのであります。しかるに今度秋山総裁の証言としては、財源があると言う。大蔵大臣のお話によれば、秋山総裁が自由に出し得る給與の財源がないのであるから、財源はないと認めるという御議論のように見えますが、私どもはこういう問題が将来たびたび繰返されると考えるのでありますから、この際何かこういう問題について原則的なものを見出して、将来こういうことをたびたび繰返させないようにすることが、政治の安定をはかり、労働運動の混乱を防ぐ上に必要だと考えるのでありますが、大蔵大臣はこの際こういう議論がわかれないようにするには、いかにすべきかという御所見がございますれば、それをお伺いいたしたいと存ずる次第であります。
○池田国務大臣 国鉄裁定が昨年十二月二日に出ました場合に、われわれといたしまして予算上可能なりやいなやを検討したのでありますが、当初はなかなか財源が見つからなかつたのであります。その後検討に検討を加え、苦慮いたしました結果、国鉄の方から十五億五百万円程度の流用が可能という結論に達したのであります。この場合におきましても、一般会計あるいは特別会計、また専売公社の予算につきましても十分検討を加えた結果、ああいうふうに出したのであります。従いまして今回専売公社の裁定につきまして検討を加えたのでありますが、私といたしましては予算上、資金上不可能という結論に達したのであります。 次に御質問の将来こういう問題が起つたときに、また流用とかいろいろな問題が起つて、政治上非常にやつかいな問題を惹起するではないか、何か対策はないかというお話でございますが、これは第六回国会におきまして、専売公社あるいは国鉄公社の法律を改正いたしまして、たしか四十四條であつたかと思いますが、この裁定による給與の支拂いにつきましては、給與予算として認められた範囲内に限るというふうに、法律の改正があつたと私は記憶いたしておるのであります。その改正法は第六国会で成立いたしましたが、その施行は今年の四月一日ということに相なつておると記憶いたしております。従いまして今後四月以後の問題につきましては、予算上給與として認められた範囲内において問題があるので、この三月三十一日一ぱいは、まだ旧法で大蔵大臣において予算上、資金上可能なりやいなやということを、予算全体財政法の原則のもとにおいて考慮する余地が残つておる。本年四月からは問題はよほど局限されて来ることに相なつておるのであります。
○苫米地(英)委員 政府はこの賃金ベースの変更によつて、人事院の勧告を採択するということになれば、賃金と物価の悪循環が起るということを、一つの理由として述べておられたと記憶いたしておるのでありますが、山下人事官は二%以上は起らない、こう申しておるのであります。この点について大蔵大臣の御所見をいま一応お伺いいたしたいのであります。
○池田国務大臣 人事院の係官の方々は、支給総額から税を引きまして、その金額が国民の消費量に対して二%だから、賃金と物価の悪循環は起らぬ、こういうふうに言つておられます。私は二%だから起らないという理由には承服し得られない。なぜかと申しますと、公務員並びに地方公務員あるいは関係企業体、公団等を合せますと、六百億円になる。この財源を生み出すためには、片一方一般会計におきましては、減税をとりやめなければならない。そうしてまた公共企業体の方におきましては、鉄道運賃の引上げに関係いたします。また専売公社の益金にも関係いたします。また通信関係におきましても、郵便料金その他の値上げをしなければなりません。また地方公務員につきましては、平衡交付金をふやすか、あるいは地方税の増税等をしなければ財源が出て来ない。全体の国民の消費量が二%ふえる程度だから、悪循環が起らないということは机上の議論でございます。しかもまた片一方から考えますと、公務員並びに関係職員以外におきましても、農業協同組合とか、あるいは政府関係機関に非常に密着接続しております関係企業体が多いのであります。こういつた方面にも影響が来るのであります。しかもまた一般産業面におきましても、電気関係労務者のある基準賃金というものは、公務員の賃金ベースを非常に参考廃してやつておるのであります。石炭関係においても同様であるのであります。こういうことを考えて参りますと、單に国民消費量の二%だとか、あるいは一・七、八パーセントだからと言つて、悪循環を起さないという結論に到達することは、私は非常な暴論だと考える。運賃が上つたらどうなりますか。また公団につきましても、公団職員の給料を上げますと、米価にも影響して来る。これを何と見るかということになりますと、やはり今までやり来つたことから考えてみますと、敗戦後のあのインフレの原因は物価と賃金の悪循環、いかに物価、公定価格をきめましようとも、賃金につきまして適当な手を打たなかつたために、新物価体系をこさえたり、新々物価体系にしておるのであります。この事実をわれわれはまざまざと見せつけられておりますので、この際がまんしていただきたい。しかもまた今経済安定途上におきまして、影響のあることでどうしてもやり切れないということなら別でございますけれども、今の消費者総合物価指数が下つて、今年におきましては、減税その他で実質賃金の向上をする。こういう現状から申しまして、がまんしていただきたいと実は考えておるのであります。
○苫米地(英)委員 大蔵大臣のまことに御親切なる、よく理論の立つた御説明によりまして、人事院の見解はもう一度自己反省をし、吟味をしてみる必要があるのではないかと存じます。この議場を通じて大蔵大臣から明細なる御説明がありましたことを国民が了承いたしましたならば、この問題は十分理解ができることと考えるのでありますが、もう一つこれに関連して伺つておきたいのは、政府は今後能率給に切りかえて行きたいというお考えを持つておられるらしく、民間の企業家もこれに賛成しておるようであります。私自身も以前から生活給という方式に対しては、賛意を表ぜずに来たものでありますが、この能率給に切りかえて行く時期、もしくは見通し等について大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います
○池田国務大臣 給與原則を根本的に改めまして、能率給にかえることがいいか悪いかということは、これは非常な議論のあるところであると存ずるのであります。私はただいま今までの給與原則を、根本的に考え方を改めることが、いいか悪いかということにつきましての結論にまだ到達いたしておりません。重要なる問題として検討を加えつつあるところであるのであります。
○苫米地(英)委員 日本の経済は竹馬経済だといわれておりますが、その二本の足は米国の援助と基礎物資に対する補給金、この二つでありますが、これをなくさなければいかぬ、こういうことが言われておるのであります。この点につきましては政府は、来年度は二十四年度の予算よりか八百九十二億減らして、九百億円に補給金をするということになり、また米国のエイド・フアンドもこれから漸減して行くという見通しであり、来年度においては三〇%減る、こういうことが明らかになつて来たのであります。従つてこの日本の経済を自立して行くためには、ここに資本の蓄積ということが必要になつて来るのでありますが、現在の日本の状況を見ますと、国家計画によるところの資本蓄積は、エイド・フアンドの運用による場合を除いては、著しく困難になつて来ておると考えるのであります。そこで起つて来るところの問題は、外資導入ということにかかつて来ると思うのであります。この外資導入については、先般通産大臣からも説明がありましたが、あの程度ではまことにはつきりいたさないのでありまして、税制とか海外に送金することとか、いろいろな問題が今外資導入の障害になつておる。ことに外国筋の人は、日本の為替相場が動いたために損失を招くというような危険性が大きい場合には、外資の導入はできないというようなことを言つておりますが、これらに対するところの見通しを、一応大蔵大臣から伺つておきたいと存じます。
○池田国務大臣 日本の経済を恒久的安定に持つて行きますには、お話の通りに、補給金を極力減らし、また対日援助見返資金がだんだん減つて来るというここは、好むと好まざるにかかわらず、われわれは覚悟しなければならぬ問題であるのであります。私の財政経済政策は、対日援助見返資金がなくなつた場合には、国民が塗炭の苦しみに陥らないような予定のもとにやつておるのであります。この援助資金を永久に来るものだと思えば、いろいろな議論が起ると思いますが、御承知の通りに、昨年は四億三千万ドルが、五〇年度の予算では相当減つております。また五一、五二の予算でも減つて来ざるを得ぬと思います。そうした場合に、日本の経済をどうして行くかという問題を、私は大命題として本年度の予算をつくつた次第でございます。従いまして、これがなくなつた場合には、やはり資源が少く、人口が多いのでありますから、どうしても外資導入を考えなければなりません。外資導入は終戦後しきりに言つておられましたが、日本の経済の見通しがつかぬ、安定の軌道に乗らぬときに、いかに口をすつぱくして言つても来つこないのであります。このごろ外資導入の問題が、向うの朝野にも相当かまびすしくなつたということは、日本経済の安定の見通しがついたからこその結果であります。個々の問題につきましては、通産大臣がおつしやつたように言つておられますが、私はどうしても今ここで解決しなければならぬ問題は、この日本の経済安定をもつと強いものにし、りつぱな経済にすると同時に、技術的に、いわゆる税の問題といたしましても、投下資本の問題、あるいはまた日本に来て技術指導をいたします個人の所得税の問題、この税の問題と、それから投下された資本の元本利子の送金の問題、こういう問題を早く解決しなければならぬと考えておるのであります。私は外資導入はどうしてもやらなければならないことでありますので、外資が来るような素地をつくるということが念願であります。技術上に欠陥等は言われますが、幸いに向うから外資導入の話がどんどんこつちへ来るということは喜ばしいことでございまして、受入れ態勢に万全を期しておるような次第であります。しからばいつどれだけの金が来るかということになりますと、これはまたなかなかむずかしい問題でありまして、私はそれのたくさんの金を早く来さそうと思えば、早く日本の経済を復興するのが一番捷径だと考えておる次第であります。今のところ日本への投資の形式には、個々の会社が個々の向うの会社との契約の問題もありますが、一般に投資団をこしらえてこつちへ来るという話もあるのであります。まああらゆる方法をもちまして、できるだけ役に立つ金を早くよこすような方法を日夜とりつつちるのでありますが、具体的にいつどれだけの金ということは、まだ申し上げる程度に至つておりません。
○苫米地(英)委員 私がこの際承知しておきたいのは、税制について具体的にどれだけの考慮が、今度の税制改革に拂われておるかという問題と、投下資本に対する利益の送還に対する見通しがどうなつておるかということ、また外資導入の一部として考慮せらるべき技術の輸入、これがどういろふうなことになつておるか、この国際金融金庫とか、開発に関する資金とかいうようなことについては、講和条約後でなければまだ問題になりませんが、今申しましたような点については、政府においてすでに見通しと施策とを持つておられると考えますので、それを伺つておきたいと思います。
○池田国務大臣 第一の課税の問題でございますが、これには日本においてのみならず、アメリカ自体におきましても、課税上特別な措置をとるべきやいなやということにつきまして、議論があるようであります。私の考えといたしましては、特定の技術者、日本の産業に必要な技術者につきましては、日本で支拂われる円の俸給に対しまして、その人の生活状態等を考慮いたしまして、基礎控除について、適当な措置を講じてはどうかという問題を考えております。また日本に投下せられます資本につきまして、日本の経済復興に必要なる方面への投下資本につきましては、一定期間免税の措置をとつてはどうかということを考えております。これはわが国におきましても、重要物産製造に関しましては、事業を開始した事業年度の翌年度から三箇年免税をするという規定が昔から置いているのであります。こういう精神を生かしまして、日本の産業復興に必要な方面への投下に対しましては、一定の期間法人税について軽減免除の方法をとつたらどうか、こういうふうなことを考えているのであります。 それから送金の問題でございます。投下資本に対しましての利潤、利子の向うへの返還の問題でありますが、これにつきましては、やはり株式投下の場合と社債引受の場合で違いますが、これは思い切つて優先的に一定の利潤、利子については、外資保証をつけて行く、こういうようなことも考えている次第でございます。しかしこの問題は所得税法あるいは法人税法の一般基本法律には入れませんで、別個の法律で御審議を願いたいというので、せつかく関係方面と今折衝を重ねている次第でございます。しかし何分にもその根本問題といたしまして、減税をすることがいいか悪いかということにつきましては、内外ともに議論の存するところであります。各国の事情を申しますと、アメリカとカナダとの間には免税規定を條約できめてあります。ポルトリコとかフイリピンとかいう場所につきましては、非常な減税措置をいたしているのであります。先ほどお話の通りに、どうしても外資が必要だという前提のもとにおきましては、私は一定期間特別の措置をとることが、日本の経済復興に役立つとすれば、あまりいいことではありませんが、減税その他の措置を考慮するのが適当じやないかと考えております。
○苫米地(英)委員 ただいまの大蔵大臣のお話を承りまして大体了承できました。どうか十分御研究の上、早急にその方向に打開できるように御努力くださらんことを希望いたしまして、私の質問をこれで打切ります。
○植原委員長 この場合林百郎君より議事進行の発言を求められておりますから、これを許します。林百郎君。
○林(百)委員 実は簡單なことですしが、先ほど蜷川氏の罷免の問題について関連の質疑がありましたが、質疑の結果、当該責任者である稻垣通産大臣を呼びまして、中小企業の将来の見通しの問題と関連しまして、この蜷川氏の問題について野党全般としても問いただしたい点がありますので、午後にはぜひ稻垣通産大臣の出席を求め、この問題についての関連質問を許されるようにおとりはからい願いたいと思います。
○植原委員長 通産大臣は午後出席されるはずであります。林君に対してその場合発言をいかがするかということは、その場合に事実の上でお答えいたします。
○林(百)委員 私のということじやないのです。野党の諸君の質疑が不十分だから……。
○植原委員長 その場合にお答えいたします。 これにて休憩いたしまして、午後は一時半から開会いたします。 午後零時二十二分休憩 ————◇————— 午後一時五十七分開議
○植原委員長 会議を開きます。 昨日の本委員会におきまして、上林山君の総理大臣に対する質疑に関し、総理大臣より奄美大島に関する件につきましては、外務当局より答弁をいたさせる旨の発言がありました。この際外務当局の証明を求めます。川村外務政務次官。
○川村政府委員 奄美大島の渡航問題につきましての状況を御報告申し上げます。一九四九年の三月十四日をもちまして、琉球諸島への公費による引揚げは完了いたしました。同月の十五日以後は申請者側に同情すべき理由ある場合を限りまして自費で渡航が許されました。一九四九年の十二月七日には、第八軍の指令によりまして、同情すべき理由のある場合に限りまして、自費による永久居住及び往復旅行の両者が許されました。大体渡航につきましては以上の状態であります。 あと戸籍処理につきまして、従来特定な処置をとらなかつたいろいろな不便もありましたが、たびたび陳情がありましたので、従来政令第三百六十二号による沖縄関係戸籍事務と同様に取扱うことになりまして、その第一條第一項は改正されまして、法務府福岡法務局沖繩関係戸籍事務所の名称を沖繩奄美大島戸籍事務所と改めまして、奄美大島関係戸籍事務は、一括して本年の一月一日から同所で取扱うことに相なりました。以上で終ります。
○植原委員長 これより質疑を継続いたします。苫米地英俊君。
○苫米地(英)委員 きわめて散発的でありますが、文部大臣に二、三の質疑を行いたいと思います。 敗戦後の日本を再建するために、わが国の教育がその基本となる大切なものであることは、異論のないところでありますが、現在行われておるところの教育を見るときに、はたしてこの教育が新しい日本の建設に役立つておるか、もしくは教育亡国の方向に向つているかという点について、まことに遺憾ではありますけれども、疑問を持たざるを得ない点があるのであります。教育者が過去における師表としての矜恃を失い、一種の労働者にかわつてしまつた。そのためにこの教育が非常に乱れて来ておることは、間違いがない事実であります。それで学校において今後の思想教育、道徳教育というものは、どういうふうにしてやつて行かれるお考えであるか、これをお伺いいたしたいのであります。過去においては、たとい間違つておつても、善意による信念をもつて思想の教育をし、また道徳上の教育をして行くことができた人が多かつたのでありますが、現在はこの点において非常に動揺しておる、もしくは無方針でおるように見られておるところがあるので、政府のこの点に対する御方針を承りたいのであります。
○高瀬国務大臣 戰後の思想界の動揺、また生活の困窮というようなところから、一般に道義頽廃の状況にあるということは、はなはだ遺憾であります。学校教育、社会教育を通しまして、そういう方面に対する改善、振興を十分はかるために努力をいたしておるのでありますが、まだ十分の効果が現われておるとは言えないと思います。学校の教育でもつて、道義教育をどういうふうにしてやるかというような意味の御質問かと思いますが、教育の基本方針は、御承知のように教育基本法によりまして、新しい憲法の精神にのつとつてきめられております。それを中心にして道義教育というものはやつておるのであります。ただそのやり方が、前のように、いわゆる修身科というようなもので、教訓的な教育をするということは廃止いたしまして、社会科を通して社会生活の認識を深め、また生徒自身の社会生活を指導しながら、その中で生徒がみずから道義観念、道義精神というものを自覚し、深めて行くようにという方針でやつております。
○苫米地(英)委員 ただいまの文部大臣のお話では、社会科を通じて徳性を養わせることにしておるというお話でありますが、それに対しては私も異存はないのであります。しかしまことに遺憾なことに実情を見ますと、この社会科を担任するに適当なる先生がまことに欠乏しておりまして、教える能力を持つておらない人が多いといつてもいいくらいで、多くの場合には生徒に調査を命ずるとか、もしくは見学をするとかいうようなことであり、その指導も非常に間違つておる場合が多いのではないかと考えられる点があるのであります。こういう点について文部大臣は、はたしてこの社会科という科目が生きて使われ、能率を上げ、予期の効果を上げておるとお考えになるかどうか、お伺いいたしたいのであります。
○高瀬国務大臣 社会科の教育が現在十分効果を上げているとは私も考えておりません。日本の教育といたしましては、社会科を通して社会生活全般を知らせ、道義観念を養うというやり方は新しい教育制度で、初めて行われることになつた次第でありまして、先生としてもまだ十分に訓練が足りない、研究も足りないという点もあるかと思います。それで今後は十分そういう点を改善いたしまして、効果を上げるようにしなくてはならないと思いますが、お話に出ましたように教員の問題が一番重要な問題であろうと思います。御承知の通りに社会科というのは、今まで地理、歴史、公民、修身というようにわかれてやりておつた学科を、一つにまとめてやるということになつておりますために、先生の方の素養にいたしましても、地理としての専門家、歴史としての専門家、修身としての専門家というものが今まであつたのでありますけれども、それらをまとめた総合的な教養を十分持つて生かして行けるような先生が、実は非常に足りない。今までの歴史的な事情からいつて、これも一時はやむを得ないと思いますが、今後はそういう点で十分に研究を積んでもらいたいと思つております。それで今後は教員の養成方面にいたしましても、社会科についての専門的教養を持つ教員を養成しなくてはならないという立場でもつて、教員養成の学府では、新しいそういう専門的教養を授ける学習をいたしておりますので、これからの先生には社会科担任としての十分の素養を持つた人が出るだろうと思います。ただ現在やつておられる方々については、特別な研究が必要でありますので、文部省といたしましても再教育を奨励いたしまして、地方の教育委員会等でもつて再教育の実施を盛んにやつております。相当の研究はいたしておると思います。また文部省の社会科指導要領というものができておりますが、これも新しい学科でありますために、この指導要領は十分に練られておるとは言えませんので、現在それらの点も研究をして改善をするということに努力をいたしております。
○苫米地(英)委員 社会科の教員の養成をやつておいでになるということは、私も承知いたしておつたのでありますが、現在の規模の養成ではたして何年かかつたならば、一通りこれを補充することができるようになるか、こういう点に多大の疑問を持つのでありますが、この点について御計画がござりますならば伺いたいのであります。それからいわゆる再教育ということが近年いわれて実施せられておりますが、日本における再教育というものはきわめて非能率的なものであつて、その講義もしくは講演を聞く、そして忘れてしまつても一向さしつかえない。顔さえ出しておればいいといつたような、形式的のものが非常に多いように見受けられるのでありますが、いわゆる再教育というものをほんとうに肉になり血になるようにして行かれる何かごくふうでもございますならば、それも承りたいと思うのであります。 以上二点をまずお伺いしたいと思います。
○高瀬国務大臣 社会科教員養成の問題でありますが、さつき申し上げましたように、新制大学の課程としてこれを始めたのでありますから、そういう専門的な養成を終るのには、新制大学を終えなければならないというわけでありまして、初めから十分に素養を持つた先生で充実するのには相当の年限がかかり、はつきり何年とは申し上げかねますけれども、どうしても数年はかかるのではなかろうかと思つております。その間の問題としてお話になりました再教育なり、研究会ということが必要になつて来るのでありますが、お話のように再教育というものが十分効果を上げるのになかなか困難なもので、ただ講習を受けて免状さえもらえばいい、というような気持で出る者が非常に多いということが事実であります。しかし教員の方たちも、最近はだんだん生活困難とはいいながら、気分も落ちついて参りまして、新しい教育制度のもとで十分にやつて行かなくちやならぬ、勉強して行かなければならぬという気分が旺盛になつて来たようであります。私どもが地方に出まして、そういう再教育の機会、あるいは講演会、講習会等に出てみましても、非常に熱心にやつておられるようでありますから、この再教育による効果も将来期待されるものと私は考えております。
○苫米地(英)委員 先ほどお伺いしたのに御答弁が漏れておつたのでありますが、思想教育の方はどういうふうになつておりますか、お答えをいただきたいのであります。
○高瀬国務大臣 思想教育と申しましても、特に学校で思想を教えるというわけではございませんで、やはりこれは社会教育、社会科を中心とする教育で、健全な民主的な思想の涵養をはかるということが中心になつておるわけであります。しかしこのほか生徒のいろいろの自発的な活動による教育もやつておりますので、これらの先生による指導等によつても、憲法、教育基本法でもつてきめられた民主的な平和的な教育方針を中心として、指導が行われでおるわけであります。
○苫米地(英)委員 実情はまさに大臣の言われる通りでありまして、思想教育というものは、まずきわめて穏健な、常識的な、健全なものについてはむしろ二の次であつて、奇矯なる思想教育がある一部の人々によつて非常に強く行われておつて、その及ぼす影響はまことに重大であると考えるのであります。こういう点について私はある大学において赤い先生がいて、その教育に非常に不満を持つて、父兄がそこへ生徒をやりたがらないというような傾向があるところを承知いたしておるのであります。これは極端なものでありますけれども、そうでなくても、いろいろの学校において、むしろある思想を持つた特定の人の方が活発に思想教育をやつて、一般の教育者はむしろ緩慢であるというふうに見ておるのであります。こういう問題に対して文部大臣は将来どういう方針をもつて臨まれるか、これを伺いたいのであります。
○高瀬国務大臣 文部省といたしましては、教育基本法にもきめられてありますように、教育というものを政治的に中立さしておかなければならぬ。一党一派に偏するような政治的行動が、教育の中に入つてはならぬという立場を堅持してやつております。ですからそれに反するような事例があれば、嚴重にこれは処置して行く。またあるいは学生を煽動いたしましたり、その他の事項によりまして、学校の中の秩序を乱すというようなことがあれば、嚴重に処置すべきである。こういう方針で校内秩序の維持及び学校の政治的中立性の確保という方針でもつて、今お話のありましたような点については、嚴重なる方針をとつておるのであります、
○苫米地(英)委員 大臣の御説明は了承できます。近ごろ各学校が自発的に赤い教師の追放をやつておるということを、新聞で承つておるのでありますが、実際にどういうふうにしてどういう程度に行われておるかということを承りたいのであります。それが一時なかなか活発に動いておるやに見られたのでありますが、その後また何か停頓しておるような様子も伺われるのであります。この実情についてお伺いしたいと思います。
○高瀬国務大臣 文部省の方針といたしましては、場先ほど申しましたまうに、教育を政治的な撹乱から守るという立場が中心でもつて、各大学各地方庁等に対して、政治的に中立性を侵すような場合に対しては、嚴重なる処置をしてもらいたいということを希望しておるわけであります。しかし実際にどういうふうにそれが具体的に人事の上に現われるかということは、地方の教育については文部省の権限でございません。また大学につきましては、人事については管理機関であります大学教授会で審議されて処置されておるわけであります。今まで地方で行われましたその種の人事、大学の人事等について、いろいろと文部省に対する抗議、非難等がありますが、文部省は今言つたような関係にあるわけであります。今までの例について考えてみますと、いずれも正当の手続を経て、相当の理由があつてやつておるものと思います。
○苫米地(英)委員 私は今大臣のお話の通り、相当の理由があつて正当の手続を経て行われておるものと信じております。こういう問題はやはり現在の段階におきましては、各大学の教授会また各府県その他の教育委員会において、相当しつかり前途を見通してやつていただかないと、いろいろの混乱が起ると存じます。そこで問題が先に移りますが、学校の教師の労働運動であります。先ほど申しました通り、現在の教育者は先生でなくて、教育労働者になつておる。従つてこの教育労働者が向上して行く上においては、勉強して生徒に親切に教えるというよりは、労働運動に熱中して成功して行くことの方が早い。それで勉強をして親切に正しい教育を與えて、二十年してようやく一つの学校の校長になる。そのなることも容易でない。しかるに労働運動をやつて、団体の組織の力によつて教育委員となるとか、その他選挙によるところの有力なる公職につく方が、人生の街道を驀進する上においてよほど有効である。そういも街道を経て成功している人がたくさんある。そのために教育というものが無視せられて、学校の生徒はしばしば授業を休んで遊ばされている。そうして組合運動があるからというようなことで、生徒の授業というものは非常に欠けておるばかむでなく、そのたびごとに労働運動というものを通じて思想教育をやつておる。こういう点が非常に多く見受けられるのであります。私はこの労働運動の正しい発展を望むと同時に、今のような教育労働者が教育を阻害する、もしくは児童に先入手的な思想教育を施すということについては、まことに遺憾であると思うのでありますが、これに対して文部大臣の御所見を承りたいと思うのであります。
○高瀬国務大臣 教員組合の今までの活動におきまして、確かに非常に行き過ぎた点もあつたと思います。また活動にはなはだ不純な動機のあつた場合もあると思います。それらのことは組合としてむろん自粛して行かなければならない点であると考えておるのであります。ですからそういう行き過ぎとか不健全な活動ということは、教育にとりまして、はなはだ好ましくないということはまつたく同感であります。ただ組合というものは、そういつたことだけをやるものではないのでありまして、教員の団体としてやはりお互いに研究し合い、練磨し合う機関としての仕事を持つておるのでありますから、そういう方面も十分今後健全な発展をしてもらいたいものだと希望しております。
○苫米地(英)委員 大臣のお言葉でございますが、この労働組合は経済的な問題に対してのものであつて、修養的のものは従来あつた教育会、ああいう建前で行くのがほんとうである、こういうような考えを私は持つておるのであります。この労働組合にその修養とか、教育方針の研究であるとかいうものが、含まれておるとは私考えておりませんが、この点について大臣の御所見をもう一度承りたいと思います。
○高瀬国務大臣 教員の団体でありますから、今お話がありましたように教育についての研究をいたしましたり、教員としての教養を高めるというような仕事も団体としてやることは、やはり必要なことだろうと私は考えます。
○苫米地(英)委員 私はその必要性を論じておるのではなく、現実の問題として、この労働組合がそういうことには力も入つておらないし、また教育の圏外にあるべきだという意見なのでありますが、その問題はそのくらいにしておきます。 次に伺いたいのは、六・三制を採用いたしまして義務教育を延長いたしたのでありますが、この義務教育は、国民に負担をせしめないで教育を施すというのが目標であると私は信じておるのであります。しかるに現在の実情を見ますと、父兄の負担は非常に重いのであります。義務教育が楽になつたというよりも、むしろ義務教育の負担が非常に重くなつた。場合によると、父兄の負担は大学におけるところの公の納付金よりも、さらに重いというような事例が至るところにあるのであります。また入学試験等におきましても、いろいろの負担金を課せられているというようなうわさも関いておるのであります。私はこういう行き方は政善せらるべきものであると考えておりますが、大臣の御所見並びにもし改善せらるべきものであるとするならば、その御方針もしくは施策について伺いたいと存ずるのであります。
○高瀬国務大臣 義務教育における父兄の負担が、現在非常に大きいというようなお話でありますが、公立につきましてはそう大した負担があるとは私考えないのであります。従つて私立についてのお話がおもではないかと思いますが、私立学校でやつておる義務教育は、特に父兄が希望して入学せしめておるのでありますから、公立の場合とはよほど性質が違つているというような点、また私立の学校が戰災等によりまして非常な打撃を受けて、施設等で困つているというようなところ、またインフレの影響いうようなことで、一時的に相当大きな負担になつておるということが現在の状況だと思います。教育という見地から申しますと、できるだけ負担は少くしたいというのが当然でありまして、今後私立の義務教育学校といたしましても、できるだけ負担が軽くて済むようになつてもらいたいと考えております。しかし公立につきましても、教育の機会均等というような点から見ても、できるだけ負担を軽くする、できるものならば学習上の必要な経費すべてが無償でまかなえるようにすべきであろうと思つております。ですから今後財政の許す限りにおきましては、公立の義務教育につきましては、父兄等のプライべートな負担がほとんどなくて済むという方向に、進めて行きたいと考えておる次第であります。
○苫米地(英)委員 大臣の御所見によりますと、公立の学校においてはそういうことはないというお話のようでございますが、私立学校においては、むしろこれはやむを得ない点があるだろうと思うのでありますが、私は公立学校においてもこれが非常に多いと思います。いわゆる寄附金という形でありますが、これはいろいろの名義でとつておるのもありますし、PTAのルートを通してとつているのもあります。これらがなかなか多くて、收入の少い父兄は義務教育を施すのに、非常な苦心をしておるように見受けるのであります。この公立学校のこういう寄附金、またこの寄附金のうちには、教職員の生活費を補助するものまでも含まれておるところもあるようであります。こういう点について御存じなければしかたがありませんが、何か御存じがあるならば、将来どういうふうにして行くかということを伺いたいのであります。
○高瀬国務大臣 公立学校につきましても、今お話のありましたようなことが相当あるといううわさは聞いておりますが、実際にどの程度なのか、具体的には私は知つておりません。しかしPTA等が決して金を集めるための機関ではないということは、はつきりいたしておりまして、その会費は月五十円でなければならぬということや、いろいろそういうような指示はいたしております。ただインフレ等の影響で、公立学校といえどもかなり予算的に苦しい点がいろいろあつて、今お話のような寄附金等も行われておるのではないかと思います。しかしなるべくこういうことはない方が、教育的にいいことは当然でありますから、文部省としてはあまりそういう方面で大きな負担が、父兄にかかるようなことはないように指導はして行きたいという考えであります。
○苫米地(英)委員 ただいま申し上げましたこの寄附金等の点につきましては、よく御調査願いまして善処していただきたいと存じます。以上をもちまして文部大臣に対する私の質疑は終りたいと思います。
○植原委員長 通産大臣に対しては苫米地委員が質問があります。それに関連質問をしたいという御希望もありまして、これらもでき得る限りお許しして参りたいと思います。通産大臣は司令部に参つておりまして、二時半には必ずここに来るという通告を委員長は受けております。にもかかわらず二時半は過ぎましたけれども、まだ通産大臣の顏が見えませんが、もうやがて到着すると思いますから、このままで暫時休憩することにいたします。 午後二時三十七分休憩 ————◇————— 午後二時四十七分開議
○植原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 質疑を継続いたします。苫米地英俊君。
○苫米地(英)委員 先ほど大蔵大臣に対して、経済の自立化という点について問題をいたしたのでありますが、経済の自立化につきましては、どうしても貿易を振興せなければならない。一昨年の輸出入と昨年一月ないし十二月の輸出入との数字を比べてみますと、輸出においては二倍、輸入は三割八分の増加となつております。二十五年度はさらに伸張することと考えますが、大臣は最低の自立線はどのくらいの貿易量にあるか、また政府の最低自立線に達するまでの政策、構想というものは、どういうものであるかということをまずお聞きいたします。
○稻垣国務大臣 御質問の点でありますが、今お話の通りに二十四暦年は二十三暦年の大体倍の輸出があつたわけでありますが、今後それがどういうことになるかということのお尋ねだと存ずるのであります。そこで昨年は各方面でドル資金の取得という関係から、できるだけ各国との間に通商協定を締結する、こういう形へ持つて行つたわけであります。御承知のように大部分の東南アジア方面の国々との間にも通商協定が結ばれ、またヨーロツパ方面の国とも通商協定が結ばれ、南米方面におきましても、この前特別使節団が参りまして、そのうちで單に仮契約、口契約の程度になつておりましたものを、これを具体化しておる、こういうことでありまして、それぞれ各国との間に通商協定が行われておるわけであります。それと並んで、御承知のいわゆるローガン構想によつて、むしろ従来は輸入を押えて輸出だけ、飢餓輸出でもやつて行こうという形でありましたのを、輸入はよろしい、しかし輸入するところの原料で、輸入が多いだけ、それだけの品物をその相手の国に與えて行こう、こういう形の政策をとつておりますので、そういつた方面からも私は相当改善されるものだ、かように考えておるのであります。そこへ持つて行きまして、昨年は実行されなかつたCIF建の問題も大体目鼻がついて、CIF建でよろしい、こういうことに相なつておるわけであります。FOB渡しで、あとからその運賃なり、あるいはインシユアランス・レートというようなものを相手方にきめさすということは、かなり商売を迅速に行い得ないうらみがありますので、これがCIF建になつたことは、非常な効果があると私は思つております。なおできるだけ邦船を利用してもらう。むろんこれは船が足りませんから、全面的に使用してもらうというわけには行きませんけれども、たとえばアルゼンチンとの通商協定においても、日本の船舶について特定に考慮してもらうというような一項を入れておるのであります。そのほかの通商協定におきましても、オープン・アカウントの協定で、ある程度シツプ・サービスあるいは運賃といつたようなことも、インヴイジブル・トレードの欄内にこれを記載するという形で、これを認めさせておるというような点も考慮に入れる必要があると思うのであります。それに加うるに、たびたび議場でも、あるいは委員会でも問題になります中共貿易の問題でありますが、これもたびたび私が申し上げるように、むろん今日占領下にありますから、司令部のポリシーに従つて行かなければなりませんけれども、しかしながらたとえば英国が中共を承認しておる。従つてわれわれは英国の商社を通じてのいわゆる香港貿易が、対中共貿易として従来よりは、より多くり期待をかけ得るのではないかと存じておりますし、またある部面におきましては、天津なり、あるいは青島のバイヤーが中共の承認を得た証明書を持つて日本との間にバーターの取引なり、あるいはまた日本の持つておりますところのドル外貨、ポンド外貨によりまして取引をしたい、こういう申込み等もありますので、私といたしましては、昨年が一昨年の倍になつた、それじやまた二十五年度は倍になるというわけには参りませんけれども、二割ないし三割程度のよけいな貿易を期待するということは、決してむりからぬことだ、かように考えておる次第であります。
○苫米地(英)委員 大体の貿易の現状によつての御説明を了承いたしました。私がもう一つお尋ねしてありますのは、米国の援助資金が漸減してだんだんなくなつて行く、二、三年後にはこれは全然なくなるものと見なければならない。この場合、日本が自立して行くために、どれだけの貿易数量があつたらよろしいのか、この目標についてお尋ねした点にはお触れにならなかつたのでありますが、もう一度その点を伺いたい。
○稻垣国務大臣 私が大体二割という予測で申しましたのは、この前に陸軍次官ヴオリーズ氏が見えたときにも、毎年二割ぐらいエイド資金が減るだろうということを、これは雑談的に話されたのでありますが、それに応ずる形において、大体輸出が一割程度ずつ上つて行けば、結局輸入との間にマツチする形になつて来るということを想定いたしまして、私は二割ということを実は申し上げたわけであります。大体そういう見当で、これがかりに二割といたしますと、五年後になくなるということになるのであります。五年後には輸出入がバランスし得るというところに、どうしても持つて行かなければならぬ。それがためにはむろんできるだけインヴイジブルの方も検討しなければなりませんので、今日政府において考えております日本外洋船の建造ということも一つの方法でありましようし、またできるだけこれに応ずるための企業の合理化ということも、必要になつて来ると思うのであります。そういう点についての国内態勢を整えると同時に、エイド資金がなくなつた場合、これをカバーして行くだけの輸出を上げて行くことにいたしたい、かように考えております。
○苫米地(英)委員 そういたしますと、二十五年度には二割、その次の年にはまた二割というようにふえて行くとすれば、それでエイド資金がなくなつたときには自立できるようになる、こういうお考えのようでございますが、そういうふうに貿易をふやして行きますためには、第一に国内産業の開発、振興、拡充ということが、大切になつて来るのでありますが、この国内産業の開発、振興、拡充に対する大臣の御構想を承りたいと存じます。
○稻垣国務大臣 お説の通りに、私が申し上げるように輸出を増して行くためには、国内産業の開発も必要であります。同時にまた、大体われわれは原料を持つていない国でありますから、原料を輸入していわゆる加工貿易の方面についても力を入れることが必要であります。各産業方面におきましてどうしても企業の合理化——その企業合理化という意味は、労務者の犠牲においてという意味でなくして、実際上に技術あるいは設備、そういつたようなものの改善、あるいはよくアメリカで申します工場内のアレンジメントの改善、こういつたような点に特に力を入れてやつて行くことが、一方においては必要であります。また同時に、日本は国内資源がないとは申しますけれども、しかしながら日本にある国内資源、たとえば電源のごとき、これは日本は非常に豊富にある。電源を開発して、電力そのものが原料になるという工業を興して行く。それについては、たとえば硫安工業であれば、日本には硫化鉄がある。あるいは窒素肥料、あるいはそのような原料を輸入しないでやつて行ける化学方面の工業については、たとえば石灰工業、カーバイト工業、こういつた方面について力を入れて行くということで、原料なくして日本の工業を盛んにすることができるのでありまして、それにはまず安い電力を開発するいうことが、緊急の問題であるとわれわれは考えておる。そういう方面については特にできるだけ見返り資金その他の運用によつてこれを実行して行きたい。今年度におきましても御承知のように、大体今二十箇地点、四十三万キロワツトの開発を計画しております。火力は六箇所で二十万キロワツトでありますが、水力は四十三万キロワツトを計画しております。来年はなお追加として七十八万キロワツトをわれわれは予定しておるのであります。これは順次開発をやつて行くので、むろん電源の開発でありますから、一年間に建設が完成するというわけには参りませんけれども、しかしながら本年度からは、少くとも今言つた四十三万キロワツトの発電力を得るための仕事に着手し得るという形をとりたい、かように考えておるのであります。なお日本の鉱山資源につきましても、われわれといたしましてはいろいろ問題はありますけれども、銅はアメリカとけた違いでありますけれども、世界的には第二位あるいは第三位の日本は銅産国であります。これの利用、言いかえれば、電線なり銅線なりの利用と相まつて、こういう方面の需要を喚起すると同時に、銅鉱山の開発ということも考えなければならぬと思います。また先ほど問題になりました化学肥料の面から言えば、硫化鉄の開発の促進も考えるべきであろうと存じます。また長年捨てられておりました金の採鉱ということも、われわれはもつと考えて行かなければならぬ。かように国内資源の開発についても同時に並行してやつて行く、こういうふうに考えている次第であります。
○苫米地(英)委員 国内産業の開発、振興、拡充に対する御構想を御親切に御説明くださいまして、よく了承いたしました。しかしその線に沿うて進む上において、日本の財政を支配しておるところのドツジの政策と、貿易の指導線となつておるところのローガン構想、この間に非常な不調和があるのであります。ドツジの構想によれば、金融の梗塞とか輸出物資の滞貨とかいうことが起るのは必然であり、現にそういう様相を呈しておるのであります。しかるにローガン構想によれば、これは輸入先行で、これに対処して輸出を増加して行くということになるのでありますが、そのためにはまず第一にこの輸入資材の消化、輸出物資の生産、消費財の国内消化というようなことが円滑に行かなければ、このローガン構想は実施できない。そこにドツジとローガンとの二つの線の不調和の点がある。われわれはこう考えるのでありますが、これに対する御所見を承りたいと思うのであります。
○稻垣国務大臣 これは私の領分から逸脱しておるようにも思うのでありますが、私の考え方を申し上げますれば、まず第一に輸入の問題についての金融ができなければならない。まず輸入先行、それに応じた輸出というもの、輸入先行に対する資金的な受入れ態勢が、非常に困難ではないかということが考えられる問題だと存ずるのであります。それに対しましては、最近いろいろ日銀その他と交渉いたしました結果、そこでまず第一に問題になりますのは、いわゆる受入れる際の金融に対する問題でありますが、それに対しては先物取引の相場の決定というものを基準といたしまして、まず外人に対しては年四分、また輸入業者に対しては年五分、ちようどこれは手数料を考えに入れますと、対等の地位で競争させるという建前をとることにしたのであります。それからなお今度は輸入業者が受取つて、需要者までに渡すこの間の金融につきましては、従来の適格割引貿手にならいまして、輸入のスタンプ手形を日銀において再割引に応ずる。しかもいわゆる高率適用はしない、こういう形でスタンプ手形の割引をやつて行く、輸入に対する資金手当はこういう形をわれわれは考えておるつもりであります。 そこで入つて来た品物は、第一に輸入の面が片がついたのでありますから、今度は国内の面の生産の問題であります。今度はこれに対する生産業者の方の運転資金をどうするかという問題、それからまたある程度輸出に際しましての、従来の貿手の割引までの間の措置ということについて考えなければならぬと存ずるのであります。その間における運転する融通資金の問題につきましては、いわゆる輸出の目当がついておる。そうしてそこに採算がとれるというものに対しては、金融業者におきましても、これが金融の措置をとるということは、大体ポリシー・ボードがそういつた考え方で操作をすることになつておりますので、その点の心配はないと私は思うのであります。輸入に対する輸入資金の手当がつけば、おのずから順繰りにそれが輸出にまわつて行くというような考え方を私はいたしておりますので、御心配の点についてはもちろんドツジ・ラインによるところのいわゆる財政面の問題は別といたしまして、実際の金融措置といたしましては、そういつた形でやうて行けるのではないかとわれわれ考えております。
○苫米地(英)委員 大臣の大体の構想は同感でございます。しかしこの單一の輸出入によるところのこの場合の利益計算の安全性というものは、かけつなぎのできない今日においては、大局から見て安全でないということが起つて来ると思うのであります。このかけつなぎの欠乏から来るところの不安定に対しては、政府はどういう処置をなさるお考えでありますか、それをお伺いしたいと思います。
○稻垣国務大臣 これは今私が申し上げたことについて、そこの間の食い違いをどうするかというお話でありますが、われわれ通産省といたしましては、輸出促進の見地から、輸出品の生産業者との間に非常に緊密な連絡をやつております。われわれの方の企業局においては、それがためにほとんど全部の力を費して、あつせんに努めておる次第でありまして、できるだけそういつたギヤツプの起きないようにわれわれ努力して行くことが、実は通産省の託された使命であると考えて努力しておる次第であります。
○苫米地(英)委員 その御努力なさつておることはわかりますが、その御努力の具体的な現われについて——この国際貿易においてはかけつなぎが根本的の問題で、これができなければ、きわめて不安定のものになる。これに対して御努力になつておることは認めますが、その御努力をどういうふうにして、これを解決して行くか、その具体的の方策をお伺いいたしたいのでございます。
○稻垣国務大臣 具体的の方策とおつしやいますが、これはいわゆるケース・バイ・ケースに解決して行かなければならぬ問題だと存ずるのでありまして、一般的にここでどのような方法とは申せませんが、われわれとしては業者の方々に、随時金融措置についても、あるいは資材面のことにつきましても、御相談を受けて、この間の障害を除去するために、それぞれ手配をいたしておるような次第であります。具体的に、一般にどういう法則によるというような原則的な建前をむしろ持たない方が、本式でもあるようにわれわれ存じておるのであります。ケース・バイ・ケースに解決いたしておる次第であります。
○苫米地(英)委員 私は不幸にして、その点については通産大臣と根本的に意見を異にするのであります。この売り買いのかけつなぎについては、これはケース・バイ・ケースによつて、もちろん取扱いの商品が違いますが、原則というものは決してかわるものではない。原則がかわらない以上は、それに対する方針というもの、もしそういうことから損失が起るというような場合には、どういうふうにして解決するかということを、あらかじめ考慮しておかなければ、この外貨為替の問題などを扱つたり、また貿易を扱う上においても、非常にめんどうな問題が起つて来やしないかと考えるのですが、どう考えられますか。
○稻垣国務大臣 一般的には今関係筋と交渉しております信用保証制度その他についての問題も、御説明申し上げなければならないと存ずるのでありますが、この点については、今できるだけいわゆる事前金融、事前保証という形の問題について交渉しておりまして、この点についての折衝がまだ継続中でありますから、私は先ほどそのような御返事を申し上げたわけであります。
○苫米地(英)委員 折衝中でまだきまらないというお話がございますから、これはその程度で打切ります。 そこで現在の貿易は、協定貿易という形になつておりますが、この協定貿易は主としてスターリン地域、俗にポンド地域と言つている方面に向つて行われているのであります。しかし日本としては、必ずしもこの協定貿易の前途を楽観することが許されない事情にあります。これは後に申し述べますが、われわれとしては、どうしてもドル地域の貿易ということの重要性を忘れることはできないのであります。しかるに現在の実情をもつてすれば、価格の点、技術の点、品質の点において、ドル地域への輸出ということはきわめて困難な状態にある。しかしながら私どもはこの方面に対する貿易というものを重要視して、これを発展させて行くくふうをしておかないと、将来この協定貿易にひびが入つて来たときに、非常な窮地に陥ることを考えなければならないのであります。そこで輸出外貨の優先使用制というものを今おきめになつておりますが、これを利用してドル地域に対する奨励というようなことをお考えになつているかどうか、その点についてお伺いします。
○稻垣国務大臣 別にドル地域に対しての輸出奨励ということは考えておりません。われわれの方の形としては、ドル地域にできるだけ多くのものを売りたい。そういう意味において、たとえば南米あたりとの通商協定なり、あるいは南米との取引、あるいは中米との取引というものについては、特にわれわれは力を入れて、この方面の開拓に盡力しているようなわけであります。しかしながら今御指摘のように、実際にわれわれの品物が品質の点からいつても、その他の事情からいつても、大体において東南洋の方面に行く。言いかえればポンド・エリアに行く量の多いことはもとよりであります。ただ御趣旨のように、できるだけドル方面に対する開拓もしなければなりませんので、特に奨励というような特別な制度はとつておりませんけれども、これに対して特別な力を入れていることは事実であります。
○苫米地(英)委員 輸出業者を鞭撻し、ドル地域に対する輸出を奨励して行くために、私は輸出外貨の優先使用制を利用することが、適切ではないかという意見を抱いておるのであります。現在のところでは品種別によつて二%から一〇%くらい優先的に使用させるということになつていますが、その率をドル地域に対して幾らか引上げて、輸出を刺激するというようなお考えはございませんでしようか。
○稻垣国務大臣 今のお話につきましては、ひとつよく研究いたしてみたいと思います。
○苫米地(英)委員 この協定貿易というものの将来を考えてみるに、ぜひともこういうような方法をよく御検討されまして、ドル地域の方は品質、価格において競争にならないから、とてもだめだというような失望感を持たれないで、御邁進くださることをお願いいたします。 さてそこでこの協定貿易そのものについてお伺いいたしたいのでありますが、この協定貿易は、協定のわく内で自由貿易的の機能を発揮して行くというのが一つのねらいであります。もう一つは外国為替予算の範囲内で、早い者勝ちで貿易をやらせるということをねらつておるようでありますが、これについて、専売品であるとか、統制品であるとかいうものの輸入については、どういうふうなお考えを持つておられるか、伺いたいのであります。
○稻垣国務大臣 統制品と専売品と申しますと、たとえば塩のようなものだろうと思いますが、そういうものにつきましては、いわゆる指定輸入の形において、地域別に、数量別に、ある四半期なら四半期を限つてあらかじめこれを決定して行き、その範囲において通産省がこれを告示して、その申出によつてこれをきめる。ところが物によりましては、統制品でも、たとえばまだとれておりませんが、ゴムあたりに対しては申出が非常に多いので、予定の数量よりも多いという場合には、しかたがないので抽籤できめたのであります。そういうことがはたしていいか悪いかは、今後の研究にまたなければならぬと思いますけれども、統制品あるいは専売品につきましては、一応地域別に、そうしてある期間の数量をきめて指定輸入をし、これを告示するという形をとつております。
○苫米地(英)委員 今大臣の御説明になりましたところは了承できるのであります。ところが実際問題といたしまして、タバコの葉の輸入というような場合について、専売公社の方で輸入商社を五社きめておき、それ以外には輸入させないということを言うておるということを聞いたのでありますが、もしそういうことがありとするならば、この協定貿易の根本的思想に、また自由貿易を標榜している建前に、相当違反して来るのではないかと考えますが、その事実をひとつ聞かせていただきたいと思います。
○稻垣国務大臣 今の苫米地さんのお話は、実は私初めてお聞きしました。私はまだその点について聞いておりませんので、よく調査いたしました上でお答えいたしたいと思います。
○苫米地(英)委員 この問題については、そういうことがないことを私は念願いたすものでありますが、もしそういうことがありといたしますならば、ゆゆしい問題であると思いますので、十分御調査の上、この議場を通じて御回答願いたいと存じます。 さて協定貿易と申しましても、この協定の実行上また国際收支の調節上、いかにこの原則が自由貿易的な機能を発揮するという点にあるといたしましても、ある程度の管理が続けられなければならないと考えておるのでありますが、この点につきまして将来どういうような管理をして行くかということについて、大臣の御所見を承りたいと存じます。
○稻垣国務大臣 指定資材の輸入につきまして統制がある限りにおいては、どうしてもこれを管理して行くということは必要になると存じますので、これはいわゆる統制のわくとの見合いにおいて、管理して行くという感覚でいいのではないか、かように存じておるのであります。従つて統制のある限りにおいては、あるいは専売のある限りにおいては、管理ということがどうしても必要になつて来ると考えております。
○苫米地(英)委員 私はこの統制がなくなりましても、国際収支の調節という上からは、やはり何らかの形の管理がなければならないと考えられますが、これはそういう管理がなくてよろしゆうございますか。
○稻垣国務大臣 これは根本問題だと思うのでありますが、各国がいわゆる通商協定をやつておる。そしてドルが不足である。各国とも一つの管理的な頭によつて、向うから言えばこつちから出す輸出品、いわゆる輸出品に対して一つの管理的な措置をとつておる。それはドル不足が続く限りにおいて、相当各国ともそういう政策をとるのではないかと考えております。そういう面から申しますと、われわれの方もやはり同じような形において、ある程度の管理といいますか、いわゆるコントロールが必要になつて来る、こういうように考えるのでありますが、私が先ほどお答えいたしましたのは、まずそういうものを前提としないで、日本の立場だけから考えて統制がなくなつた場合には、管理を減してもいい場合がある、かようにお答えしたのでありますが、しかしながら相手国のあることでありますから、相手国がやはり通商協定をやつておる建前から行きますと、ある程度の管理は必要であると考えております。
○苫米地(英)委員 私はやはり同感でございますが、そういう場合でも直接統制をしないで、金融面を通ずる間接統制がいいのではないかと思いますが、この点に対して大臣の御所見を承ります。
○稻垣国務大臣 間接統制という意味が私にはちよつとはつきりいたさないのでありますが、管理をする上において、直接統制で行くという面もあり、また間接統制で行く面もあると思うのであります。それはその事柄について、あるいはその輸入される当時の事情といつたようなものを勘案して、その点はとりきめたらいいのではないかと考えます。ある場合には間接統制で十分な場合もあるというように考えております。
○苫米地(英)委員 この問題はまだ十分御研究になる段階まで実情が進んでおらないので、まだ確定的の御意見をお持ちにならないものと存じますので、これは事態の進展に従つて御研究願うことにいたしまして、次の問題に移りたいと思います。 ローガン構想によつて貿易を増大して行くためには、従来考えられておつたところの自給自足とか、国産愛用とか、もしくは不急不用品は輸入を許可しないとかいうような行き方では、この貿易の増大ということは期せられないと考えるのでありますが、この点についてどういうふうに通産省ではお取扱いになるお考えか、これを承りたいと存じます。
○稻垣国務大臣 この点については今苫米地さんのお話の通りに、いわゆるローガン構想を率直簡明に遂行するためには、自給自足なりあるいは国産愛用運動、特殊の不用不急品は入れないというような区別をつけるべきものではありませんで、輸入するものは申出があつたら輸入する、こういう形で原則的には行くべきものだ、通産省においてはさよう心得ております。ただ問題といたしましては、先ほど申しましたように、輸入については指定輸入ということを一面考えております。あとの約三割方のものを先着順という形をとつておる。従つてある意味からいえば、そういつた金額的といいますが、数量的に一つのわくにはめられる、こういう点はあり得ると存ずるのでありますが、考えの根本においては私は御同感であります。
○苫米地(英)委員 さてそこで問題は、この協定貿易の前途ということになるのでありますが、ローガン構想の協定は、スイング・プラン・システムということになつておりますが、この貿易は現在の段階におきましては、これに強制力を持つておらないのであります。ただ唯一強制力を持つた協定はドイツの協定だけ、こういうことになつておりますので、この振子が片方に行つてひつかかつておりて来ないということがあり得ると思うのでありますが、これに対する大臣の御所見を承りたいと思います。
○稻垣国務大臣 御指摘のように、今の通商協定は強制力を持つておりません。これはその通りであります。しかしながらある意味において道徳的な責任を持つておるという形になると思うのであります。できれば協定の規約の中に、強制的な一つの字句を挿入し得るならば、これは最も希望するところであります。従来の通商協定のときよりも、通商協定が更改される場合、あるいは新たに通商協定が行われる場合におきましては、時勢の変化というものもありますし、また従来の経験という点もありまして、順次それが改訂を期しておりますので、われわれとしては、できるだけそういつた方面の字句をも挿入するように努力いたしたいと考えております。
○苫米地(英)委員 現在、また過去を見まして、日本の貿易がアジア諸国に重点があつたし、またあり、将来もあるであろうということは想像にかたくないのであります。この方面の貿易は現在のところ、協定貿易が中心となつておるのでありますが、ここに一つ私どもがあらかじめ十分に構想を練つておかなければならない問題がある。それは西ヨーロツパにおきましては、マーシヤル・プランというものがあつて、それで総合的な計画ができておるのであります。従つてそれらの国々の間には政治的、国際的の見地から、各国に程度こそ異なれ、協調的の気分がある。もう一つこの方面において見のがしてならないことは、西ヨーロツパ諸国の生産の回復の程度が、日本と比較にならないほど進んでおる。操業度も高い。また技術も進歩しておる。こういうような関係から、将来におきまして、ドル獲得の容易にできる時期が来ないということは保証でき云いのであります。またポンドを持つておるとしても、これをドルにかえることが、日本におけるよりも非常に容易である。そこで、貿易がお互いの間に協調することができ、また生産増強、技術の点から、ドルを獲得することが容易にできるということになつて来ると、この協定貿易というものが振り返つて見られなくなつて、日本はひとり協定貿易のさびしい野原に置き去りになつてしまうということが考えられるのでありますが、この点について大臣はどういうお考えを持つておられますか、お伺いしたいと思います。
○稻垣国務大臣 将来の西ヨーロツパにおけるマーシヤル・プランの進行その他によつて、西ヨーロツパの経済の立直りということを前提としての御意見であつたのでありますが、むろんそういうことはわれわれも想像しなければならないので、われわれとしても、できるだけ早い機会において、われわれのそれに応ずるだけの態勢をつくつておくことが、必要であろうと存ずるのであります。それに応ずるだけの態勢をつくるということは、言いかえれば、どうしてもわれわれの企業内容をりつぱにするということでなければならぬ。生産品を、立派な安いものにするように、企業内容を改善して行くということでなければならぬと思うのであります。今日われわれが、十年ないし十五年も遅れたような、半分スクラツプみたいな機械で物を生産して、相当りつぱなものをつくつているという日本人の器用さを、今後よい技術、いい機械を入れることによつて、なお発展さして行くことが、まず第一にわれわれが期待しなければならぬ点であろうと思うのであります。今日そういつたような観点から、われわれとしては、そういつたような場合の努力として、まず国内産業のいわゆる機械化、そういつた上の、ほんとうの意味における経営。合理化という点について、特段の力をいたしておる次第であります。
○苫米地(英)委員 大臣のお考えの通り、私どもは合理化して進んで行かなければならない。同時に合理化して行くばかりでなく、先ほど私が申しましたように、ドル地域の貿易ということに今から力を入れて、西ヨーロツパ諸国にとり残されないように準備をして行かなければならないと思うのであります。 なお、この際お伺いしたいのは、西ヨーロツパにおけるポンドの値段は、やみ相場がある。そのやみ相場が二ドル二十セントぐらいであり、公定相場が二ドル八十セントということになつておりますので、この協定貿易において、われわれが輸入する場合には、このマル公の二ドル八十セント、これで輸入しなければならない。しかるに西ヨーロツパ諸国では、やみ相場の二ドル二十セントで輸入することができるということになりますと、日本の立場が非常に不利になつて行くと思うのでありますが、こういう問題に対して、政府はどういうふうにお考えになつておるか、お伺いしたいと思います。
○稻垣国務大臣 私は、やみ相場が現在西ヨーロツパにおいて幾らいたしておるかということは、私も雑誌その他で、二ドル二十セントあるいは二ドル三十セントといつたようなことも聞いておりますが、実際どういう形になつておりますか、承知いたしておりません。しかしながら、今かりに、御指摘のような点が実際にあるとしますと、原料を入れるという上に、一割ないし一割五分、あるいはもう少しの差が出るということも想定されるのでありまして、これらの点につきましては、今日われわれは、ちようど幸いに自由貿易の立場をとつておりますので、できるだけ競争の立場をつくらして、そうして安い原料を入れるということの努力をいたす以外には、かりに、やみで取引されたものに対して、われわれがこちらでとやかく言つて、ヨーロツパのものを制肘するわけにも参りません。できるだけ自由競争の立場でミートさせる、こういうこと以外に方法はない、かように考えております。
○苫米地(英)委員 私は、この西ヨーロツパのやみ相場というものを考慮して、それを基準として、ドル地域と比較研究しれ上で、その輸入先というものを決定して行く方がよいのではないか、こんなような思想を持つておりますが、この問題はそれだけにいたしまして、次に貿易條件の改善という問題についてお伺いいたしたいと思うのであります。 これは、先ほど触れました通り、まず第一に、協定貿易の協約に強制力を持たせるということに御努力が願いたい。それからCIF、FOBの取引がまず承認されたということは御同慶の至りでありますが、こういう條件で取引をするのには、それぞれの機関が備わつておらなければできないものであります。今詳しく、どういう機関がなければ、そういう取引ができないかということは申し述べる必要もないかと思いますが、私どもは、言葉の上で、こういうことができるようになつたということでは効果が乏しいのでありますが、これを実際に合わすように、具体的にどういう方法が進められておるか、その点をお伺いいたしたいのであります。
○稻垣国務大臣 今の御質問の点は、それぞれの事柄にあたりましてやつております。一例を申し上げますならば、先般シヤムへ車両を入れることに相なりました場合におきましても、こういう点を條件として取引をする、ぜひ日本船を利用してもらうということを契約の條項の一つに入れるということで、相当長い折衝もいたしましたし、相当エキサイトもしましたけれども、しかし幸いにそういうことが成功したというような場面もあるのであります。またたとえばシフ建にいたしましても、できるだけ相手方のバイヤーに、そういう條件を承認してもらうという形において、手を打つておるというようなわけでありまして、個々のケースにおいてこれをうたう。また先ほども申しましたように、今後つくる通商協定の中には、いわゆるインヴイジブル・トレードという一つの條項を設けまして、そうしてこの條項を認めてもらうというような処置もとつておるわけでありまして、これは、その事柄事柄によつて、われわれといたしましては十分に努力を拂つておるつもりであります。
○苫米地(英)委員 政府の御努力はよくわかりますが、こういう問題は、契約に取入れるかどうかということでなく、これを効果的に使うのには、その輸出港にどういう機関を持つておるか、輸入港にどういう機関を持つておるか、船舶はどうなつておるか、保險はどうなつておるか、そういういろいろのものが入つて来るのでありまして、そういうものが総合的に動くときに、インヴイジブル・トレードの内容というものも生れて来ますので、その契約にそういういろいろの努力をしておるかどうかということでなくて、そういう契約を自由になし得る状態に向つて、どういう手が打たれているかということをお伺いいたしたかつたのでありますが、この問題については、今お伺いしたようなことはたびたびお伺いしておりますので、おそらくその辺が現状だろうと思いますから、それ以上お伺いすることは差控えたいと存じます。 これはちよつと余談に入りますけれども、近ごろダンピングという言葉が非常に濫用されておる。ダンピングのほんとうの正しい意味でないところに、ダンピングという言葉が使われて、非常に影響を悪くしていると思うのであります。私はこのダンピングということは、日本の為替管理法で防止し得るようになつておるので、どうかこれは通産省で地方の御指導をなさるときも、ダンピングという言葉を濫用して国際市場に悪い影響を與えないように、ひとつ御努力くださることと、それから外国為替管理法でダンピング防止に十分意を用いている点を、国民に周知せしむるように御努力されることを希望いたします。 次に中共貿易でありますが、香港を通じての貿易は、オープン・アカウントで取引されておるようでありますが、これは日本に対する香港からの輸出の六〇%しか、香港の方では日本から輸入しない、といつた現状にあるらしく承知いたしておるのでありますが、この点はいかがでございましようか。
○稻垣国務大臣 対香港取引につきましては、その都度非常にかわるので、ある時期になると今御説のような問題が提起されましたり、そうかと思うと、全然違つたような形で、われわれの方からの輸出は自由というような点もありますので、一概に申し上げかねるのであります。そういうような通知が一度向うから来たこともあります。
○苫米地(英)委員 北支の貿易は輸入先行のエスクローで取引されておるのでありますが、近ごろ中共側で中共側の輸出先行のエスクローに切りかえたいという希望があると聞いておるのでありますが、この実情はいかがでございましようか。
○稻垣国務大臣 中共との北支の取引につきましては、実はいろいろな説があり、またいろいろなバイヤーも直接見えまして、はたして向うを代表しているのか、代表していないのかわからないといつたふうで、またバーターの取引を希望されるものがあるかと思うと、今のようなエスクローをやつて行こう。これははつきりしません。しかしながら私はだんだん北支貿易というものは、今日よりも日を追うに従つて、増加して行くという曙光が見えているのではないか、かように考えております。
○苫米地(英)委員 私はもしこの中共貿易を進展させようとするならば、二つの観点から御努力いただくことが必要でないかと思うのであります。その一つは、バツク・ツー・バツクのバーターであります。それからもう一つは、輸出入品目の合致、この問題が解決されなければ、北支中共貿易というものは進展しないと思うのでありますが、司令部の方の制限が相当嚴重であるようなので、品目の合致ということがなかなか困難らしく思われるのであります。このバーターをバツク・ツーバツクの形にかえる、それから司令部の制限を緩和してもらう、この二点について、お見通しを伺いたいのであります。
○稻垣国務大臣 この点については御同感でありまして、われわれといたしましても、非常に案は苦慮いたしておるのであります。ことに輸出品目のいわゆる戰略物資等の指定その他の問題につきましても、できるだけ広範囲にわれわれにまかされるようにいたしたいものと考えておるのであります。そういう点についてはなお今後いろいろ相談と申しますか、折衝を要することであります。今の苫米地さんのお説はわれわれもまつたく御同感であります。
○苫米地(英)委員 このバツク・ツー・バツクのバーターをやるのには、中共側は英国とか米国の銀行を好まないらしいので、フランス、オランダというような国の銀行を望んでいるらしく聞いているのでありますが、こういう方面に対して、政府は何か交渉でもなされたことがございますか。
○稻垣国務大臣 その点については私まだ聞いておりませんので、お答えできなくて恐縮であります。
○苫米地(英)委員 次に経済の合理化の回復ということについてお伺いいたしたいのでありますが、今通産大臣にお伺いするのは少し見当違いだと思いますので、これはとりやめにいたしまして、きようの質問は打切りにいたします。
○植原委員長 午前の関連質問につきまして、蜷川氏の問題に関することがありました。これは稻垣通産大臣が主管大臣になるのだから、それに関連して質問したいとの要求がありましたので、これをこの場合許可いたします。米原昶君。
○米原委員 私は本日の新聞に出ておりますところの蜷川中小企業庁長官の罷免問題に関して、主管大臣の所信を聞きたいのであります。午前中、民主党の川崎君と社会党の勝間田君が、こり問題に関して増田官房長官に質問したのでありますが、その増田官房長官の答弁によりますと、與党と政府との連絡会議で、この問題が問題になつた。但し罷免は実際上まだ発令しておらないが、問題となつたということをはつきり答弁されたのでありまして、大体新聞紙上に伝えるところが事実であることが明らかとなつたのであります。そこで私は新聞紙上に伝えられているところの記事を読みまして、これは実に不可解な罷免理由だと考えざるを得ないのであります。まつたくこれは理解できない罷免理由だと思うのであります。そこで第一に、蜷川長官が自分個人で中小企業の金融状態の調査をしたということが、ある新聞では一つの罷免理由にされていると報じられておりますが、現在中小企業の金融の状態が非常な困難な状態にあることは、だれしもこれは認めておる事実であります。政府側も、たとえばそういう問題に対して、ことしは見返り資金十五億円出すというようなことを言つておられるけれども、その見返り資金の十五億円の問題についても、たとえば池田大蔵大臣は経団連で、これはちよろつと中小企業にあめをなめさせてやるのだというようなことを、言つておられる事実をわれわれは知つておるのであります。こういうような非常な困難な状態にあることを調査するのが何が悪いか。われわれは実に不可解である。多少とも良心を持つたところの官吏ならば、この金融状態を調査しなければならぬのは当然であります。そしてその調査した結果が、いわゆる新聞によつて伝えられるところでは、私はその通産省の公報なるものをまだ読んでおりませんが、こういう状態では中小企業はつぶれてしまう、三月には重大な危機に瀕するかもしれないというような意味のことが書いてある。そのことが罷免するという相談になつたと言うのでありますが、その点で、たとえば午前中の苫米地君の質問に対して、大蔵大臣は滞貨の問題について、輸出滞貨は二百三十億だというようなことを言つておられるけれども、公団関係の滞貨だけでも一千億円もある。また日産協の調査しておる工場だけでも八百億円を突破しておる、全体として二千億になんなんとする滞貨があることは歴然たる事実であります。しかもこの滞貨を政府は全部放出しようとしている。そういうことが起るならば、中小企業にどういう結果が起るか。壊滅的な打撃が起るであろうことは明らかであります。そういう点で長官が多少とも良心を持つて、何とか中小企業に対して対策を講じなくちや、このままで行けば重大な危機に瀕するであろうと言つたことが、何が罷免の理由になるか。実に不可解なことである。国民の奉仕者として、公僕として、中小企業庁長官として当然なことだと思うのであります。何ゆえにそれを政府はいけないと言うのか。明らかにこれは政府がとなえておる例の楽観的な経済安定論、これに多少でも反するものであるからいけないと言うのでありましようが、これこそまさしくフアシヨ的な態度だと思うのであります。またことに本日の朝日新聞を見ますと、通産大臣は長官の罷免問題について、長官は非常に留守にしているということが大きな理由だとあげられておりますけれども、この今回の場合も、何か近畿地方の中小企業のブロツクに出席されたということで、これはむしろ当然なことだと思うのであります。そういうことならば、たとえば官吏のうちに、現在ことに議会開会中、当然議会にも出席しなければならない官吏のうちに、はたして留守にしてない人がいるかどうか、たとえば愛知銀行局長とか、野田専売公社副総裁、こういうような人たちが相当留守にしておられるということも、われわれ知つておるのであります。そういう人たちの問題を上げないで、何ゆえにこの蜷川長官の場合が問題となつておるかどうか。この点についての大臣のはつきりした所信を聞きたいのであります。
○稻垣国務大臣 今米原君のお話によると、懲戒がきまつたようなことでいろいろお話でありますが、私まだ懲戒の発令を耳にもいたしませんし、また発令するということも言うたこともありませんし、どうも私はそれははなはだ御質問の趣意が受取りかねるのであります。但し私が申し上げたいことは、先ほどお話のように何か官房長官からお答えになつた、そういう話が出たということは私も承りました。しかしながらそれで懲戒するとかしないとか、そういつたようなことがきまつたわけでもありませんし、その主管大臣は私であります。私が懲戒するかしないかという問題をきめるのでありまして、まだ私が懲戒したと申してもおりませんのに、懲戒したごとき今のお話は、私は実にふに落ちないのであります。まずそれはお取消しを願いたいと思うのであります。 それから何かそこに朝日新聞でございますか、書いてあることについて云云されたのでありますが、書いておりますことはこういう意味であります。一体なるほど議会が始まりまして、政府委員になつております者は、議会に出席いたさなければなりません。それが欠席する場合には、あるいは出張します場合には、必ず主管大臣に断つて出張いたすのであります。ところがあるいはほかの省の方が今出張されておるとか、いないとかいうお話の例がありましたが、おそらく断つて出たのだろうと思います。しかしよその省のことは存じません。しかしながら私の省におきまして、他の局長が出ます場合には、大臣に議会中であるが行つていいか悪いかという許可を得て参つておるのであります。私がそこに書きましたのは、蜷川長官は全然無許可で出かけて行つた。なるほどそのときにそこに書いてありますように、向うでたまたま中小企業の会合をいたしましたけれども、そのあとは私用であります。この点は私も聞いて知つたのでありますが、そういうわけで、実際には私に断らずに出られた。こういうことははなはだ不都合であるということを申したに間違いはありません。今日でもさように心得ております。
○米原委員 第一に今聞きたいのは、私も何も罷免が事実だとは一ぺんも言わない。増田長官がこのことはまだ罷免は出ていないということを申した、そんなことは言つておらぬ。そういうことがただ問題になつたということが明らかだ、ことに通産省の公報に出た論文が問題になつたことも、増田長官ははつきり認めておられる。そういうことが問題になつた。だから新聞に出ていることが大体において正確であり、問題になつたことはこういうことであろう、だからこれに対する通産大臣の所信を私は聞いているのであります。しかし通産大臣は、しからばまだ罷免はしておらぬとおつしやいましたが、では今後どういうふうな考えを持つておられるか、その点もはつきり聞きたいのであります。
○稻垣国務大臣 そういうお話であれば私もわかるのであります。私がさつき承つたのは、そういうふうに承らなかつたから申し上げたのであります。そこで、それでは問題になつた点についてどう考えるかという御質問と私は承りまして、それに対するお答えをいたします、たとえば一体ああいつたような問題につきまして、中小企業庁なりあるいはどこかの原局がある一つの調査をいたします。これは必ずわれわれの方の習慣といたしましては、省議にかけるのであります。省議にかけてその省議にはかつた上にこれを発表し、あるいは発表しない、これをどう取扱うということを決定いたすのであります。蜷川長官のは全然省議にはからなかつたのであります。この点は確かに蜷川長官としては、私は非常な手落ちであると考えております。それからしてまた内容そのものについての問題でありますが、これは出ておりましたところの数字、それが私は省議が必要だということを申し上げたのでありまして、これについては実際に正確に全般的にあの資料をとつたかどうか、そういう点も検討しなければならぬのであります。またこれがどういつた方面にどういう影響を與えるかということも、通産行政の上から検討しなければならないのであります。またあの数字で表わしたことが、かりにその通りであつたといたしましても、通産省といたしましては、それがもしそういうことを発表するがために、悪い影響があれば発表をさしとめる、あるいはこれをあなた方が言われるように警戒を発するということも、これもよいことであろうと思います。いずれにしましても、これは省議において決定した上で、これが発表を許すわけであります。それを主管大臣の許可も得ないし、また省議にもかけないでかつてにこれを発表するという行為は、いわゆる通産省の官吏といたしましては、はなはだおもしろからぬ行為だと、かように私は存じております。
○米原委員 ただいま通産大臣の答弁ではつきりしたのであります。もちろん省議にかけるとか、そういうことはあなたたちの省ではあるでしよう。それから出張するにあたつて了解を得なければならぬ。私はその点だけは当然だと思います。しかしそれは出張するときに、どういうところに行くかということだけです。それよりも問題は公報に発表した内容が問題だと思うのであります。おそらく通産大臣はその発表したものが、通産省のあなたの一般的な方針とほとんどかわらないものだつたら問題にされなかつただろうと思うのであります。明らかに今おつしやつた答弁の中に、たとえば一般に発表しては行政上困るような問題という言葉がありましたが、そのことは明らかに秘密政治ではありませんか。明らかに秘密政治である。(「秘密政治は共産党じやないか」と呼びその他発言する者多し)中小企業庁長官としてそういう困つた問題についてその意見を述べるのは当然じやないか。その点をはつきりお答え願いたい。
○稻垣国務大臣 お答えしますが、通産公報に載つているとおつしやいますが、通産公報に出ておりませんからお答えしておきます。論文は通産公報には出ていない。それは当人がわざわざ出かけて行つてとにかく自分が印刷して、そうしてそれを全然私らに示さないで発表されたので通産公報には出ておりません、その点をはつきり申し上げておきます。 それから今申しました秘密云々というようなお話がありましたが、これは私が何も秘密にするとかしないとかいう問題ではありません。この問題をはつきりしても少しもかまわない。ただそれが日本の経済に大きな影響を及ぼすことになれば、問題は重大であります。今日本の経済は、われわれ通産省としては、経済の建直しに一生懸命になつている。これがもし悪い影響を與えるということになれば、なお検討しなければならぬ場合があると申し上げたのです。私はそれがためにやめるとかやめぬとか言うのではない。なぜならば見せてもらつていないから、これがよかつたか悪かつたかわからないと申し上げている。
○川崎委員 本日朝の増田官房長官に対する私の質問と稻垣通産大臣の答弁とに、多少蜷川長官の罷免問題について感触の違う点があります。その点をいろいろ伺つておきたい。所管大臣の許可なしに発令することはできないと、たいへん意気込んで御答弁になつたことはけつこうだと思いますが、それならば政府與党の連絡会でこれが取上げられて、あなたはおそらくその事前において御連絡もなかつたことだろうと思うが、そのことにおいて満足をしているのかどうか。
○稻垣国務大臣 満足もしなければ不満足でもありません。自由であります。いろいろそれを論議されることは自由であります。たとえば川崎君がこの問題をつかまえて、これを罷免するものでないと論議されるのも私は默つて聞いております。別にそれについて私はとやかく申すべき立場ではありません。
○川崎委員 本日朝の増田長官の御答弁によるならば、最終決定には至つておらない。しかしながらこの問題について論議をしたことは事実であり、議題に上つたことは事実であつて、そうして今あなたが言われるように、その議論は自由であつても、もはやその問題は、とにかく罷免の大きな理由としてあげらるべきものが、通産省の公報に出たところの問題であるとか、あるいは本人の談話であるとかいうような意見が、すでに本日朝の官房長官の答弁には出ている。従つてそれから受けるところの印象は、すでに與党と政府との連絡会において、基本方針は決定をしているというふうにわれわれは聞いているのです。政府と與党との連絡会に、一体あなたは默つて聞いておつたというならば、出ておるのか出ておらないのか、はつきりしなさい。
○稻垣国務大臣 出ておりません。 〔川崎委員「出ておらないで默つて聞いているとは何だ」と呼ぶ〕
○植原委員長 川崎君、私語を禁じます。
○稻垣国務大臣 私の言うのは、その話をあとで聞きましたということを——その席に私がおつたと言つていないし、それからどうこうと言つていない。ひとつ私の言うことをよく聞いてお尋ねください。
○川崎委員 民自党いかに大なりといえども、二百七十名である。しかして民主連立派いかに落ちぶれたりといえども、二十七名の議席を衆議院に擁しているのでありますから、こういうことが事前において審議される、あなたに連絡なしに協議をされるということについては、大いに憤慨すべきであつて、共産党などに憤慨する前に、もつと毅然たる信念を持つべきであると私は思います。 そこでいま一点聞きただしたいことは、この中小企業の問題について三月に危機が来るということは、これはもう一般の定説である。ただそれをいかにして乗り切るか。政府は自信がある、こういうことを申しておられるだろうと私は思う。その点は、自信があるということについてわれわれはまたいろいろな質問をすべきことであつて、政府が自信があるということを言つていることは非常にけつこうだと思う。そこで蜷川長官が言つたことは、客観的事実に基いて中小企業は三月には危機が来るのだ、こういうことについて警告を発し、中小企業を没落から救おうということの客観的な事実を指摘しているということにおいては、私は非常にけつこうなことだと思うのですが、今後こういう問題について、政府の施策に反対をしている者を罷免するということは、あるいはこれは政府の立場からは当然であつても、しかし客観的事実に基いて見通しを述べるというような官僚を罷免の対象にすべきものかどうか。その点について御答弁を煩わしたいと思います。
○稻垣国務大臣 どうもさつきからの私の返事をよくお聞きになつていないようですが、私は一体発表される前にその書類も見なければ、新聞で初めてお目にかかつたのです。私は見ていないのです。だからそれがはたしてどういう種類のものかどうかの判断を下すことはできない。言いかえれば、私の部下が私に默つて出したということだけは、間違つているということを私は申し上げている。それがいいとか悪いとかいうことは、見てからの上でなければ判断できないのであります。
○勝間田委員 私はやはり関連して稻垣さんに、問題をわけてお尋ね申したいと思うのでありますが、その一つは、稻垣さんは自分の部下の者がいろいろの手落ちがあつたことについては、私は稻垣さんに責任があられると思います。またそういう関係から行きますならば、與党の人と政府の懇談会において、與党の人から自分の部下についての人事行政に対して云々される事柄は、いいと思われますか、悪いと思われますか。
○稻垣国務大臣 これはお考えになるにまかせます。どのようにお考えになろうと御自由であります。つまり今の第一の御質問は、部下がそういつたような所管大臣の言うことを聞かなかつたのは、所管大臣自身の不徳だといつたような御発言のように思つたのでありますが、これはなるほどすべて部下のやつたことについては、私が責任があるという立場から言えばその通りであります。しかしながら私自身の立場から言えば、言いかえれば省内の所管大臣と部下という立場から申しますれば、部下が所管大臣に無断でやつたことについては、私はこれははなはた間違つたことであると考えるということを、先ほどから申しておるのであります。その点ははつきりしていただきたいのであります。 それから第二の問題は、何か朝飯会でさしずを受けて、それをいいと思うか悪いと思うかという意味に伺つたのでありますが、私はさしずを受けたのではありませんで、先ほどから申す通り、そういうことを話したという報告を承りましたと申し上げておるので、それに対していいとか悪いとか、どうとかいうことを言つてはいないのであります。
○勝間田委員 その朝飯会、あなたの不在の朝飯会で、あなたの行政に対してそういうことを云々されることに対しては、あなたはほんとうに苦々しく思われるのが妥当だと私は思います。ところがその問題について……。 〔発言する者多し〕
○植原委員長 静粛に願います。
○勝間田委員 私は先ほど来稻垣さんのおつしやつていることを聞きまして、やれ出席がどうの、命令を聞かずに大阪へ行つたのというようなことを、この予算委員会で逆にそういうことに攻勢に出て来られる気持がわからない。私たちは、役人をやつておつて、実際にあなたに信頼して勤めているという人間から見ましたならば、そういう出席のことまでここへ出される稻垣さんでないと思う。真に稻垣さんであるならば、私の知らないところでそういうことを言つたところが、それをやるのは私だから、そういうものに束縛されないと出られるのがあたりまえだと私は思う。私は一番大事な事柄は、人事行政に対して毅然たる態度を持つてもらいたいことであります。この点をまず第一にお伺いしたいと思います。
○稻垣国務大臣 今の話は、私何もすき好んで部下のことを申し上げたくないのでありまして、今の御質問に対してのお答えをしたのであります。それ以外の問題についてもいろいろ問題があります。実は蜷川君は試験も受けておられません。いろいろそのほかにも問題はあります。しかし私はそのことはちつとも言つていない。御質問を受けたことをのみお答え申し上げた。事態をはつきりと明らかにするために申し上げたのでありますから、その点ははつきりしていただきたいと思います。
○勝間田委員 それからなるほど私がこの企業に関する実態調査を見ますと、六千戸に対して、しかも六大都市における六千戸に対して、その中の答申があつたもの四千九百六十三戸に対し、その業種別の内容を見ますと、実に精細をきわめた調査であります。その調査の内容を見ますと、実に私どもは中小企業の嚴然たる現状の姿が手にとるように実は見受けられる。このことは私は本会議においても、日本の現在の中小企業の問題は実に重大問題である、こういう問題に目をおおつて、いたずらに楽観的な処置をすることについては、これは実に憂うべきことであるという考えを申し述べたのであります。ところが実際を見ますと、たとえばなお金融機関を利用しているものは、主として三十人以上の規模のものであつて……。(発言する者多し)近づきがたい殿堂とあきらめの目をもつてながめているといつたような実情である。しかもそれらの金融の打開策として。
○植原委員長 勝間田君に御注意申します。その問題はまだ通産大臣が見ておらないし、問題になつておらぬことであります。だからその問題をあなたがここでわざわざ御報告になつて、論議の問題に供することは問題外だと思います。
○勝間田委員 関連しておる……。
○植原委員長 関連しておりません。その問題はまだ通産大臣は見ておらないし、公にされておらない問題だというものを、あなたがこの場合にそれを提供して論議の中心になさることだけは、当を得たものでないと委員長は認めます。
○勝間田委員 私は関連して申し上げます。
○植原委員長 関連ではございません。それは宣伝です。
○勝間田委員 宣伝じやありません。
○植原委員長 それは委員長は妥当と認めません。直接問題になつたことだけに御質問を許します。勝間田君それだけはおよしになつてください。
○勝間田委員 関連して簡單に……。そういう中小企業が現在一番金融に困つておるので、これをどういう方法によつて切り抜けて行こうかとする調査に対しては、いわゆる三月の税をどうしても延納して行かなければ切り抜けられない。それからもう一つは……。
○植原委員長 勝間田君に申し上げます。
○勝間田委員 人員整理をしなければ……。
○植原委員長 ちよつと待つてください。あなたはこの議場で、蜷川君のそういう議論をしております。蜷川君がそういう発表をいたしておりますが、この調査は正確だと私は思いますが、政府がいかようにお考えになるか、この調査ははたして蜷川君が正しい基礎に立つたものであるかどうかということを、あなたの質問の際に御提供なさるならば私はお許しいたします。しかし今その問題に触れておらない問題を、あなたがそれをしいてこの場合にお使いなさることは、委員長として妥当なりとは認めません。
○勝間田委員 それならばその点は簡單にいたします。 〔発言する者多し〕
○植原委員長 静かに願います。
○勝間田委員 私はこういう困難な中小企業の実情を実際お調べになるということはきわめて妥当な考え方であり、また時宜に適した考え方だと実は思つておるのであります。これがどういう手続をなさつたかについては私は十分存じません。それはわれわれの目の届く以外でありますから。しかしこういう実際の調査をして、もしそれが新聞に伝えられるようなことになつてはおもしろくない。そういう人間が現在の民自党なり内閣なりのおもしろからざる人物であるということになつて行くならば、これからの調査事務は相当にデイスダーブされると思う。私は官庁が政党政派に関係のない真実の資料を提供してくれることを希望するものであります。今後私は真実な調査を御奨励願いたいと思います。それをいかに主管大臣がなされるかは自由と思いますが、この問題は調査まで彈圧する機縁になりはしないかと思いますので、その点ははつきりと主管大臣の御見解をひとつ承つておきたいと思います。
○稻垣国務大臣 どうも御質問が私にはふに落ちないのであります。調査をこれによつてとめるとかとめないとかいう問題ではないのであります。私自身その調査の結果を見ていないということをたびたび申し上げておる。われわれの方は調査をやつてもらうことは……。 〔発言する者あり〕
○植原委員長 井上君は委員でないと思います。井上君、委員外からの議事の妨害をさしとめます。 〔「答弁を続けろ」と呼ぶ者あり〕
○稻垣国務大臣 答弁をしたいのでありますが、どうも騒がしいのでお聞きになれないと思つたからです。静かにしてください。そういうわけでありますから、調査事項を云々するとかどうとかいう問題じやありません。その点はよくひとつ誤解のないようにお願いいたします。勝間田君の言われるように調査なんかも必要であります。統計なんかも必要であります。この点を私は決して否定しておるわけじやありません。その点は了解願います。
○西村(榮)委員 私は稻垣君がばかに興奮しておるようですから、きようは簡單に質問したいと思います。たとえば中小企業庁において、現在の中小工業の窮状を打開するために、目前の所要資金は設備運転資金が四百六十億円と要求されて、これが二百八十億円に減ぜられた。ところが閣議において緊急必要なりと認めて百五十億円が中小企業の設備運転資金として承認されたのであります。これがわずかに予算化されて日本銀行の融資のわくがきめられたのが三十二億円でありまして、二百八十億のわずかに一二%であります。そこでこの閣議で緊急やむを得ざる費用として百五十億円というものが決定されたにもかかわらず、わずかに三十二億しかそのわくが設けられなかつたということについて、通産大臣はこれで一体中小企業がやつて行けるかどうか、私は簡單にそれだけ聞いておきたい。
○植原委員長 西村君、それは関連しておりません。その質問は西村君の質問のときに答弁すればよろしいと思います。 本日はこれにて散会いたします。明日は定刻より開会いたします。 午後四時十九分散会