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7回国会衆議院1950/03/16

法務委員会 第15号

発言数
25
登壇者
4
会派数
2
開催日
1950/03/16

会議録

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が所用のため理事の私が委員長の職務を行います。  今日の日程に入ります前にお諮りいたしたいことがあります。去る三月十三日小玉治行君が委員を辞任されましたにつきましては、弁護士法による大学指定に関する小委員長が欠けましたので、小委員長の補欠選任を行わねばなりませんが、小委員長の補欠選任は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 御異議なければ、北川定務君を小委員長に御指名いたします。     —————————————

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 次に通商産業委員会より商法の一部を改正する法律案及び矯正保護作業の運営及び利用に関する法律案について、本委員会との連合審査会を開きたい旨の申入れがありますので、両案につき通商産業委員会と連合審査会を開きたいと存じますが、御異議ありませんか。

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 御異議なければさよう決定いたします。  なお日時に関しましては、通商産業委員長と協議の上決定したいと存じますから、さよう御了承を願います。     —————————————

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 次に商法の一部を改正する法律案につき、本案がわが国法制史上画期的なる法案たる点にかんがみまして、その審査のため委員を派遣したい旨議長に申請したいと存じますが、御異議ありませんか。

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 御異議がなければ、さよう決定いたします。  なお派遣地といたしましては、名古屋、大阪、福岡の各市といたし、期間は七日間といたしたいと存じますが、その派遣委員の氏名に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 御異議がなければ、さようとりはからいます。     —————————————

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 これより裁判所法等の一部を改正する法律案、少年院法の一部を改正する法律案及び少年法の一部を改正する法律案及び矯正保護作業の運営及び利用に関する法律案を議題といたし、質疑に入ります。御質疑はありませんか——他に御質疑がなければ、次に副検事の任命資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。御質疑はありませんか。——御質疑がなければこれより討論採決に入りますが、討論はいかがいたしましようか。

加藤充日本共産党

○加藤(充)委員 私の方ではこれに反対の意見を持つておるのですが、意見を述べてさしつかえありませんか。

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 引続き述べてください、討論に入りますから。

加藤充日本共産党

○加藤(充)委員 それでは簡單に反対意見を申し上げておきますが、これは簡單なように見えて、なかなか重大な意味合いを持つた法律であり、従つてその一部を改正する法律案も軽視しちやいけないものだと思う。大体副検事の任命資格の特例に関する法律なるものの中に前にすでに二年以内に限り特例が設けられておるわけでありまするが、その中に私は質問というよりも、ぜひ明確にしておかなければならない点があるのじやないか。すなわち「検察庁法第十八條第二項の規定にかかわらず、」それから「副検事の職務に必要な学識経験のある者」これは私は二つの意味で重要な内容を持つていると思うのであります。規定にかかわらず、」ということの内容がきわめて重大であると思うのです。というのは、検察庁法第十八條第二項の規定というものは、たいへん重要だからであります。にかかわらずということは、重要な規定にもかかわらずということで、重大だと思うのです。  それから副検事の職務に必要な学識経験のある者ということについてですが、この点は検察庁法第十八條第二項の規定との関連において、私は重要な内容を持つものだと思うのであります。というのは、第十八條第二項の規定というものは嚴格なものであり、尊重されなければならないものであるのでありまして、大体その規定内容に妥当するような條件を備えた者は、副検事の職務に必要な、また同時に学識経験のある者である。こういうものが一体化されているところに第十八條第二項の規定の意義があると思うのでありますが、先ほど申し上げましたように、副検事の職務に必要な学識経験のある者が、この規定のいかんにかかわらずたいへんあるというような含みを持たせますと、第十八條二項の規定が何を規定したかわからぬということになると思うのであります。これは決して、ひがみじやないと思うのであります。そういうふうな意味合の任命資格の特例に関する法律というものが、十八條第二項の規定にかかわらず、すでに前に通過しているのでありまして、私はそのことについてとやかく言うのじやありませんが、そういうふうな内容が十八條第二項の意味というものを全然抹殺し、それから特例に関する法律の文言が、そういう点について今申し上げたような矛盾をはらみ本質を持つているものだ。これが二年間延期せられる特例となつておりますのに、またこれを一年間か何か延ばすということになりますと、根本的に検察庁法第十八條第二項の規定は殺されてしまうということに相なるのであります。御承知でもありましようが、憲法には人権の保障に関する幾多の規定が設けられておりますし、また刑訴法第一條の総則に当るところには、刑事訴訟法の一本の基準として、人権保障のために立法されているというような規定がございます。そういうふうな一連の日本の新しい民主々義、あるいはその中心である基本的人権の保障という問題と、検察庁法第十八條第二項の規定が関連されて初めて生きて来るのでありまして、こういうふうなものを再三再四先ほど申し上げましたような意味合いで抹殺してしまう、実効をなくしてしまうというような事柄は、基本的に言つても日本の民主的な憲法なり、あるいは刑事訴訟法の人権保障の規定を生殺しにしてしまうものだと思うのであります。私ども職業的な経験から申し上げましても、検事室などに行つてはあまりいい気持のするものじやありません。あそこに行くと、大声でどなる、いわゆる豚箱、司法の刑事室、畳を敷いた昔のあの調べ部屋と同じような雰囲気を感ずる、また感せざるを得ないということ、しかもその感せざるを得ない一つの原因の中には、いわゆる副検事、あるいは副検事じやありませんけれども、検察庁事務官というような輩がいろいろな形で出て参りまして、特例に関する法律というようなもので、副検事にのし上げたような連中が、やはり昔通りどなりまくつて、石地蔵でも言わしてやるというような事柄、実に柄の惡い、聞くにたえぬ、見るにたえざる情景が出ているのは、私は前の特例などで副検事の資格を緩和して——無期限ではありませんが、延期して来ている、こういう事柄が大きな原因であると思う。こういうような意味合いにおいて、私はもう二年も待つてなおできないというのであるならば、できないからしかたがないというのでなくて、やはり基本に返つて、検察庁法十八條二項の規定を生かして行かざるを得ないじやないか、現実的にどうにもならないからといつてずるずるべつたりに行つて、とんでもない人権蹂躙がなされていることをわれわれは事実今までに経験し、今後それを非常におそれるからであります。そういう意味合いにおきまして、最近検察庁などが非常に事務か多くなつてやりきれない、やりきれないと言いますが、ほんとうの事務をやつておらないで、いたずらな事件ばかりを追いまくつて、そうして一般人民大衆の生活の窮乏をよそに、そして窮乏から起つて来るような問題について、その犯罪の原因というものに眼を向けずして、ただこういうような取調ベや、いわゆる検察機関、あるいは私どもの言ういわゆる彈圧機関を強化して行くというようなやり方とにらみ合せますならば、こういうようなルーズな特例が次に出て来ることについては、私どもは重大な関心を持たなければならない。簡單なことでありますが、私はこの法律案に反対の理由として以上のことを申し上げるのであります。ただ思い出しましたから附加いたしますが、きようの東京新聞の記事ですが「却下された容疑者を権察庁が不当留置、水戸地裁、地検と法律解釈で対立」というようなことが言われております。内容は、検察庁が偽証罪の容疑者の通常逮捕状を地裁に請求却下されるや、身柄を仮拘置所に留置したまま、さらに緊急逮捕状を請求したことから、水戸地検と同地裁、同弁護士会側が、法律の解釈問題で対立紛糾しているというのであります。こういうふうなことはひんぴんと行われております。御承知のように三鷹事件の公判のときにも行われましたけれども、ああいう特殊な事件ではなしに、水戸の地方裁判所の管轄内にもこういうことが起きておるということ。こういうことと副検事の任命資格の特例に関する法律の延期の問題と関係がないとは、だれが保証できましようかと私は思うのであります。

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 田嶋好文君。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 それでは私は自由党を代表いたしまして、この法案に対して賛成の意を表したいと思うのであります。  今共産党の加藤委員からいろいろ反対理由が述べられました。なるほどそれを検討いたしてみますと、ごもつともな点もあるのでございまして、私たちもこの法案が一年延期されるということは、真剣に討議いたしてみますれば、まことに遺憾な点もあるのであります。しかし現在の機構の上からいたしまして、また犯罪激増の状態からいたしまして、一年の延期はやむを得ない処置である。大して長い期間でもございませんので、この一年間期間を置きまして、完全に整備ができますことを期待いたしまして、この法案に対して賛成の意を表するものであります。

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 他に御発言はありませんか、——なければこれより採決に入ります。  本案に賛成の方の御起立を願います。

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 起立多数、よつて本案は原案の通り可決いたしました。  本案に関する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 御異議なければ、さようとりはからいます。     —————————————

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 次に裁判所法等の一部を改正する法律案について質疑に入ります。質疑の通告がありますから、これを許します。加藤充君。

加藤充日本共産党

○加藤(充)委員 私は今問題になりました法律案の提案理由説明書の、主として第三の事柄に関して質疑をするものであります。政府側はこのたびこういう法律案において、この第三に関する改正の点を出す前に、いわゆる裁判所侮辱制裁法案というような法律の立法を考えておられて、そういうものが結局この現行法第七十一條において云々というような、提案理由の第三のこの改正になつたのではないか、こう私どもは考えているのですが、その点こういうふうな改正立法をいたしまする経過についてお伺いしたいと思います。

野木新一検事(法制意見第四局長)

○野木政府委員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。  今度の裁判所法の改正案で新しく挿入することになりました第七十一の二、すなわち警察官等の派出要求に関する規定でありますが、この規定は実は提案説明の際にも言及されておりまするように、旧裁判所構成法当時においては、これとほぼ同じような規定があつて、同じような取扱いをしておつたわけであります。すなわち明治十四年十月、太政官達第八十六号という古い太政官達がありまして、これに基きましてやはり裁判所の法廷の秩序維持というような場合には、裁判所の方から警察の方にお願いして、警官に来てもらうというようなことをやつておつたわけでありますが、この達が新憲法になつてから、はたして法律としての効力を持つておるかどうかというのには非常に疑義があります。大事な規定でありますし、やはり裁判所法中にその根拠をはつきりさしておいた方がよかろうということで、第七十一條の二を設けるに至つたわけであります。いずれにせよ旧裁判所構成法、いやその前の時代から引続きやつておりまして、かりに今の太政官達が効力ないとしても、実は習俗的な規律のようになつて実際行われておるわけでありまして、それを今度はつきりしようというだけであります。これはただいま御質問のように、いわゆる裁判所侮辱制裁法なるものとは、思想的の系統も異なりますから、関連するものではありません。

加藤充日本共産党

○加藤(充)委員 今の答弁だけではどうも私は納得しがたい点があるのです。それでお尋ねしたいことは、こういう規定を持つことが大事だということ。その理由としては、今お聞きした範囲内においては太政官達とやら何やら、私はつきり知りませんが、そういうふうなものでやつておつた。やつておつたのだから、これは今になつては必要ないということだつたら、まあ常識的にわかるのでありますが、太政官達の時代からこういうことが長く行われて、従来やられて来た、だから大事だ。それで今度は七十一條なんかの特別な改正が必要なのだ。こういうふうなことならば、私は今度お開きになつてたいへんりつぱになつた最高裁判所の、もう一つあの上にちよんまげの飾わでもつけておかなければならないことになつてしまいまして、どうも今の御説明だと、私の方から反対しなければならない理由がそれだけでも出て来るのですが、もう一ぺんお答え願いたい。

野木新一検事(法制意見第四局長)

○野木政府委員 言葉が少し足りませんので、趣旨が徹底しなかつたかもしれませんが、太政官達にあつたから今度これを法律に入れるというだけのことではありませんで、やはり裁判所における法廷の秩序を維持するということのためには、警察の助力を借りるという場合も事柄の性質上必要でありまして、従つて昔の規定にもあり、また旧刑事訴訟法、裁判所構成法の際にもそういう規定が必要でありますので、その規定の根拠を太政官達という点に置いておつたわけであります。これは新しい裁判所法のもとになりましても、やはり事柄の性質上必要であるわけでありますが、單なる今までのやり来りとか習慣とかいう点、あるいは太政官達という点に根拠を求めるのはやや不確かになるきらいがあります。やはり一つの機関と他の機関との関係でありますから、この裁判所法中にはつきりと規定しておいた方がよい。そういうような自主的事由から来ておるわけであります。

加藤充日本共産党

○加藤(充)委員 何か一般的に助力をかりる必要があり得るからというのですが、今までどういうところにそういう必要があつたか。そういう場合にはどういう措置をして、初めてそれが治つたのか。そういう具体的な実例でもあつたら聞かしていただきたいと、こう思うのですが、どうも依然として天皇の名前において裁判をしていた時代の感覚で、そうして人民を敵にまわして菊の御紋章で押さえつけておつた裁判所、いわゆる人民を取締る太政官達、こういうようなもので一方的にひつぱられて来ておると思うのですが、先ほど御質問した点、そうしてそういう必要な事態が発生した原因というものは何であつたか。そういうふうなことを、ただ一般的に必要があり得るというようなことだけでは、私は新しい時代の裁判所に、しかも適当に裁判所の秩序を維持する配置なり制度、こういうようなものは設けなくても、外部から警官隊を呼んで来なくとも、私は一応秩序が立てられておるような立場になつておるはずだと思うのです。こういうものを設けるのが必要だとか何とかいうことよりも、全体の日本の民主主義的な、そうしてそういう方向に向うべき指向を現わした法律、制度、あるいは各般の国家機構の組立ての中に、太政官達に糸を引くようなことを、一般的必要があるからということで、人の驚くようなちよんまげをつけるような條文を入れるということは、体裁が悪いばかりでなく、また私がさつきほかのことで申し述べましたように、何か新しいもの、民主主義的なもの、そうしてまたこの司法権の独立、こういうようなものに対して、やはり行政権あるいは警察権、こういうものが中心になり、そうしてまた検察庁方面の圧力、こういうようなものが結局において司法裁判所の裁判官の独立、裁判の神聖さというようなものをどんどん侵害して行くおそれがある。千丈の堤もありの穴からくずれるというような影であると思う。これは私は非常に重大だと思つてお聞きするのですが、どうも今までの御答弁でははつきりいたしませんので、重ねてお尋ねしたいと思うのであります。

野木新一検事(法制意見第四局長)

○野木政府委員 この第七十一條の二の発動は、あくまで裁判長、または開廷をした人、裁判所側から要求があつて発動をするのでありまして、外部の行政機関の方から押しかけ的に出かけるということはないわけであります。従いましてただいま御心配になるような、行政権が裁判所の方を圧迫するということは、この規定の建前から出て来ないものと思われます。なおこの規定が非常に古い太政官時代のものをそのまま持つて来たという御趣旨の御質問のように思われますが、やはり法廷の秩序を維持するという場合に、通常の場合においては、一応廷丁なり何なりで秩序の維持はできると思うのであります。しかし事件々々によりまして、場合によつては多少警察官の援助も借りなければならないというものもありますので、迅速、公正、秩序ある裁判を維持するためには、事柄の性質でこういう規定が必要なものと思うわけであります。     —————————————

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 この際お諮りいたしたいことがあります。  矯正保護作業の運営及び利用に関する法律案の審査のため特に行刑の面に関して牧野英一博士及び刑務協会專務理事、瀧澤勝司君を参考人として委員会に招致し、その意見を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

角田幸吉自由党

○角田委員長代理 御異議なければさようとりはからいます。なおその日時につきましては、委員長に御一任願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時三十八分散会      ————◇—————

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