文部委員会 第6号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/02/23
会議録
○圓谷委員長代理 これより会議を開きます。 日本学術会議法の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)(参議院送付)を議題として審査に入ります。 本法案は参議院より送付せられたものでありますが、参議院におきましては、政府提出の通り可決し、去る十七日本院に送付し、同日委員会に付託されたのであります。当委員会におきましては、予備審査中に大体質疑を終了いたしておりますので、本法案の討論に入りたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○圓谷委員長代理 御異議なしと認めます。それでは日本学術会議法の一部を改正する法律案を議題として討論に付します。高木君。
○高木(章)委員 ここに提案されました日本学術会議法の一部を改正する法律案につきましては、すでに今までの審議の経過によりましても、別に問題になる点もないように存じまするし、またこの法案の趣旨も最も妥当と認められまするので、討論を省略いたしまして、ただちに採決してもよいと思います。諸君の御賛同を得たいと思います。
○圓谷委員長代理 ただいま高木君より、討論省略の動議が提出されました。よつて高木君の動議を採決いたします。高木君の動議に賛成の諸君の御起立を求めます。 〔総員起立〕
○圓谷委員長代理 起立全員。よつて高木君の動議は可決されました。よつて討論は省略されました。 これより日本学術会議法の一部を改正する法律案について採決いたします。賛成の諸君の御起立を求めます。 〔総員起立〕
○圓谷委員長代理 起立総員。よつて原案の通り可決されました。なお報告及び報告書の提出につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○圓谷委員長代理 御異議なしと認めます。それではさよう決定いたしました。
○圓谷委員長代理 次に、公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案(内閣提出第三七号)の審議に入ります。これより質疑を許します。
○剱木政府委員 先般公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案の提案の理由を説明いたしましたが、なおこれに補足いたしまして、私から若干の説明を申し上げたいと思います。 大体公立学校の教職員は、当初から待遇官吏として取扱われて来たのでありますが、終戦後待遇官吏の制度が廃止になりまして、純然たる官吏となつたわけでございます。しかしながら地方分権の確立という面から見まして、これは当然地方公共団体の職員であるべきでございまして、昭和二十二年地方自治法の制定の際この精神は明示されたのでありますが、暫定措置として、当分の間官吏とし、身分の取扱いも従前の例によることとしておつたのでございます。法的にその身分を切りかえましたのは、事務職員につきましては、高等学校以下についてのみ、昭和二十三年教育委員会法制定の際に切りかえ、教員につきましては、昭和二十四年教育公務員特例法制定の際に切りかえたのでございますが、ただ大学の事務職員だけにつきましては、その性質上、この教育委員会法と教育公務員特例法の両法に含めることが困難でございましたので、切りかえをしないで、今日まで残つておつたのでございまして、ここで法的に身分の切りかえをいたす必要がございますので、本法案を提出したわけでございます。次に簡単に各條項にわたりまして、逐條御説明申し上げますが、第一項はこの法律の趣旨であります公立大学に勤務する文部事務官及び文部技官は、別に辞令を発せられない限り、この法律によつて、その公立大学を設置する地方公共団体、すなわち都道府県または市の職員に任命されたものとみなすという、身分の切りかえを明らかにしたものであります。現在それらの者の俸給は、おのおのの地方公共団体が支弁しておるのでありますから、この切りかえに伴いましては、他の場合のような官吏から公吏への身分の転換に伴ういろいろの問題は起こらないものと考えます。なお、学校教育法第九十八條で定めております旧制の公立の大学、高等専門学校に勤務する者についても、まつたく同様でございます。 第二項は、これらの職員の中で、休職、停職または減給処分を受けている者、これらは実際におきましては、現在の調査ではほとんどございませんが、これらがあつた場合におきましては、文部大臣の行つたこれらの処分は、切りかえられた後の任命権者、すなわち地方公共団体の長が行つたものとみなし、この処分を継続させることを定めてあります。その処分の効果については、法分の上には現われておりませんが、当然前の任命権者が行つた際の効果を受け継ぐことになるのでありまして、この切りかえによつて効果に変更を来すことはないのでございます。 第三項は、恩給の継続について規定したものでありまして、この切りかえられた職員が、公立大学に限らず、公立学校において事務職員または技術職員として引続き勤務している限りは、恩給を継続せしめるという措置を講ずるものでございます。なおこれらの職員が一時公立学校の教員になつていても、さらに継続して後に公立学校の事務職員または技術職員となれば、その間の恩給が継続するごとになつております。 大体以上のような次第であります。
○今野委員 ちよつとお伺いしたいのですけれども、最初に「別に辞令を発せられない限り」とありますけれども、別に辞令を発するというのは、どういう場合がありますか。
○剱木政府委員 公立学校の新たに任命権者になります地方公共団体の長が辞令を出して、公立の大学の事務職員または技術職員に命ずるという辞令を発しないで、この法律によつて、そのままの身分が転換するということを規定いたしたのであります。
○今野委員 この措置によつて、つまり身分がかえられる人員はどのくらいあるのか。またそのことによつて、地方財政の負担というものかどのくらい出て来るものか、ちよつと伺いたい。
○剱木政府委員 ただいまの公立大学の全部の事務職員が、これによつて切りかえられるのででございますが、その数は、文部事務官におきまして約四百名、文部技官官におきまして約百三十名でございます。たださきにも申し上げましたように、現にただ官吏という身分を持つておるだけでございまして、その俸給は全部その地方公共団体から今までも支出されておるのでございますから、負担的には何らの変更はないのでございます。
○谷口委員 これも簡單なことですが、今野君が今聞きました「別に辞令を発せられない限り」という問題につて、辞令を発して別なものに移す人員が予定してあるのかどうか。その点このままでいいのですか、それとも別に辞令を発すべき人員の予定があるかどうか、そういう点です。
○剱木政府委員 公立大学の職員になつてしまいましてから、地方公共団体の都合で、辞令を発して他の職にやるということはあり得るかと思いますけれども、この法律では、そのままで身分が全部切りかわるということだけを予定いたしております。
○圓谷委員長代理 他に御質疑はございませんか。
○水谷(昇)委員 これもやはり参議院の方が先議になつておるのですか。
○圓谷委員長代理 そうです。こちらは予備審査になつております。
○水谷(昇)委員 それでは、御質問もないようですから、この程度にとどめて、次に進行していただきます。
○圓谷委員長代理 承知いたしました。本案に対する質疑はこの程度といたします。 —————————————
○圓谷委員長代理 引続いて教職員免許法の一部を改正する法律案(内閣提出三八号)及び教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)の両案を一括議題として審査に入ります。
○剱木政府委員 さきに提案理由の説明を申し上げたのでありますが、なおつけ加えまして、教育職員免許法と同施行法の一部を改正する法律案の内容につきまして御説明申し上げます。非常に複雑でございますので、なお私の説明で不十分な点は、御質疑などで十分御説明申し上げたいと思います。 まず教育職員免許法の一部を改正する法律案の第三條第三項の改正でございます、第三條第三項は、特殊教育の学校の教員は、普通の学校の教員免許状と特殊教育の学校の教員免許状と、二枚なければならないという規定でありますが、盲学校高等部の特殊教科すなわち理療(あん摩、マッサージ、はり、きゆう)及び音楽(盲人音楽)、聾学校高等部の理容(理髪、美容)を担任する教員の場合は、盲学校または聾学校の免許状があれば、高等学校の教員免許状を有することを必要としないように改正するものであります。 それから附則第六項の新設でございますが、施行法の一部改正により施行法第七條の規定が、昭和二十八年三月末日以後効力がなくなるので、同年の四月一日以後はすべて免許法の別表第四以下によつて上級の免許状を受けることになります。とこが別表第四以下において、上級の免許状を得るために必夢な在職年数は、それぞれの免許状を得た後におけるもののみを計算することになつています。そこで施行法第一條または第二條によつて新免状に切りかえられた旧令による教員免許状の所有者や、旧制の学校の卒業者にこれを適用する場合に、施行法第七條の適用を受ける者と、同條の適用を受けることができず、別表第四のみによる者との間の均衡をはかるため、別表第四第三欄に掲げる在職年数を施行法の第一條または第二條上欄の資格を得たときにさかのぼつて計算できるようにしようとするものでございます。すなわち新免許法によりますと、免許状を得てから何年という計算になつておるのでありますが、それでは不均衡ができますので、免許状を得る資格を得たときにさかのぼつて在職年数を計算する。たとえば、師範学校を出た者がこの新免許法によりまして、二級なら二級の新免許状を得ましてからと申しますと、この免許法ができてからあとの在職年数になりますが、それをずつと前に師範学校——その資格を得る学校を卒業してその資格を得る状態になつておれば、そのときから起算して経歴年数をさかのぼつて考えるというふうにして、免許状を得る人のための有利になるように改正したのでございます。 それから第七項の新設でございますが、本項は前項と同様の趣旨に基く特例でありまして、別表第四は、新制大学の教育を受けた者を基準として定めたものであるので、旧制度から切りかえた者に適用する場合、これとのバランスをはかるため、原則として五年と四十五單位にしたのであります。この項の適用を受けるのは旧専門学校卒業者で中等教員の免許状を有する者及び試験検定または経歴検定で中等教員の免詫状を受けた者等であり、高師、修業年限四年以上の専門学校、大学等の卒業者の場合は、次の第八項の第五号、第六号の規定によるのでございます。これは旧制の専門学校の卒業者で中等教員の免許状を持つている者とか、試験検定等によりまして中等教員の免許状を持つております者は、そうでない者との間に均衡を失しますので、その年限を五年にし、單位を四十五單位というように、その間の均衡をとるように改正いたしたのであります。 それから第八項の新設でございますが、この項も施行法の規定により旧制度から切りかえた者に、別表第四を適用する場合に、相互間並びに新制度とのバランスをはかるための特例でありまして、別表第四を改正したのでございまして、幼稚園、小学校、中学校とのバランスをはかるため第四欄に規定する單位数十を十五に改めようとするものであります。 それから別表第六の改正でございますが、仮免許状の項の第二欄ハ中の「第五十一條又は」は、別表第三の規定と重複いたしますので、これを削除しようとするものでございます。 それから別表第六の備考改正でございますが、第一号は、養護教諭一の供給を容易にするため、新制高等学校、旧制高等学校を卒業してしない者でも、旧制の保健婦または看護婦の免許を有する者は、本表の規定によつて上級免許状を受けることができるようにしようとするものであります。 それから第二号は、別表第四、普通の教員の規定に準じて、養護教員の場合にも、現職数名施設の種類を多くし、現職教育を受け得る機会を多くしようとするものごございます。 教育免許法の一部を改正する法律案につきましては大体以上でございます。 次に、教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 まず第二條第一項の表中、第三号の改正でございますが、上欄に、青年師範学校及び青年学校教員養成所の前身である実業補習学校教員養成所というものが、この規定では脱けておつたのでございまして、これをこれらの学校と同じように入れる必要がございますので、実業補習学校教員養成所を加えまして、青師卒業者と同じ扱いをするように改めたのであります。 第七号は、第三号及び第八号の改正に伴いまして不要になつた青師及び青教を上欄から削除いたしました。これは前のところに入れたためにこれを削除したわけでございます。 第八号の改正でありますが、相互のバランスをとるために、上欄に第二号、第三号を挿入しまして第十三号、第十四号を削除いたしました。第十三号は学位を持つておる者、第十四号は官公立高専卒業者でございます。この両者には小学校の仮免が與えられないので、三年の経験で一挙に二級にするのは不適当でございますので、ここでは省いたのでございます。 第十五号の二を新設いたしましたが、これは旧制の高等学校教員の無試験検定指定学校の将来の卒業者に対し、従来の卒業者と同じ新免許状を受け得る機会を與えるために新設したのでございます。 第二十四号の二を新設いたしましたのは、第一條第一項の表の第二号、及びこの表の第二号、第三号、第四号、第六号、第十二号、第十五号、第十五号の二の該当者で、幼稚園教員の職にある者に対し、幼稚園教員仮免許状を受け得るようにしたのであります。以上の者は、幼稚園教員としての準備教育は十分とは言えないが、現職者が相当多いことが予想されますので、幼稚園の発達のためこれらの者に教員の資格を與える必要があるのでございます。これは実際は幼稚園の資格は認められていなかつたのでありますが、現にこれらのいろいろあげました者で、幼稚園の教員の中に現職者が非常に多いのでありまして、これらを救う意味におきまして、これらに幼稚園の教員になる資格を認めたわけでございます。 第二十四号の三の新設でございますが、前号該当者で、三年以上幼稚園教員の経験を有する者に、幼稚園教員二級免許状を受け得る機会を與えようとするのでございます。 第八條の改正でございますが、改正前の規定によれば、昭和二十六年四月一日以降、校長はすべて免許法による校長免許状を有する者でなければならないというふうになり、ことに小学校、中学校において校長の補充が困難になるおそれがあるので、昭和三十年三月末日まで、学校教育法施行規則の旧規定による校長資格を有する者を校長にしようということにするのでございます。これは現に二級免許状に相当する資格しかない人で、校長になつておる人がずいぶんたくさんございますが、これを昭和二十六年四月一日以降は校長になることができないというふうに限定いたしますと、たくさんな校長がやめなければならぬという実情が起つて参りますので、昭和三十年三月末日までその期間を延長いたしまして、昭和三十年までは旧規定による校長をなお任命することができることにいたしたのでございます。 附則第五項の新設でとざいますが、施行法第七條は、免許法第六條第二項、別表第四以下の経過的説明であり、上級免許状授與の場合の年数上の條件を重くし、現職教育の範囲の條件を軽くしたものであります。これは新制大学が完成すれば廃止すべき性質のものでありますが、教員養成の大学も各府県に設置せられまして、昭和二十八年三月にはその第一回の卒業者が出ることになつたのでありますから、この特例を廃止して、免許法の本則に昭和二十八年三月から帰つて行こうということで、この第七條を二十八年三月限り廃止するという規定でございます。 大体以上の点でございますが、非常に表が複雑でございますので、おわかりにくい点はまた御質疑によりましてお答えいたします。
○圓谷委員長代理 本法案に対しまして質疑の通告があります。これを許します。谷口君。
○谷口委員 これは今政府委員が説明されましたように、非常に複雑なもので、始めて文部委員会に飛び込んで来た私どもには、ちよつとわからぬくらい、やつかいなものでありますが、免許法の改正の点の今御説明になつた附則第五項の次の第六項のところでは、一級の免許状をとろうとする場合には、すでに二級の免許状をとる資格を得たそのときからその学校に働いていた年数が加算される、こういうふうに改正される。二級の免許状をとるときには、仮免許状を得たときからのその学校に働いた年数を加算する。一級をとる場合には、現行の場合には二級の免許状をとつてから五年間というふうになつているのを、その前の資格のときからの年数を加算される、こういう意味で緩和された、こういう意味でございますね。
○剱木政府委員 お尋ねの通りであります。その意味におきまして改正いたしました。
○谷口委員 こういうことで相当の利益を得る人々の数ですね、ここのところに参考資料として出してございますが、各種新免許状取得見込み者数調べというので、小学校、中学校、高等学校、合計。校長、教諭、助教授その他を入れまして、五十一万五千百六十二名の数が出ておりますが、これはこれと関係がありますかどうか。それとも、こういうふうに法が改正されて資格が緩和された場合に、どれくらいの人間がこれによつて恩恵を受けるか。今日すぐにお手元に資料がなければ、別にいただきたいと思いますが、その点について。 それから施行法第八條中、これは校長と園長の仮免許状を有する者とみなされる者にあつては、昭和三十年三月三十一日まで、その他の仮免許状を有する者とみなされる者にあつては昭和二十六年三月三十一日までと改める。ところが附則の第五項で、第七條の規定は、昭和二十八年三月三十一日までと、その効力の期間を限定しているわけです。校長、園長の場各には三十年まで、その他の第七條の規定による人人は、二十八年三月三十一日までとなりますと、ここのところに、今の御説明では、仮免許状を持つておる校長先生がいて、これの期間が延ばされないとすると、校長、園長をやめなければならない者がたくさん出て来る、こういうふうにおつしやるので、私は非常にいいことだと思いますけれども、他の先生方、校長でない普通の教員なども、そういう点では同じような意味があるのじやないか。ところが一方では三十年だし、一方は二十八年だというと、そこに差別待遇といいますか、そういうものがあるように私どもは考えるのですが、この点はいかがでしようか。
○玖村説明員 第一のお尋ねの切りかえの人数でありますが、お手元に出しております資料は、自動的にといいますか、無條件で切りかえられる数が、ほぼその数になるわけであります。その人々の中には、それより以前の経歴の異なるによりまして、今後の現職教育を受けても、上級免許状をもらうには差があるわけです。ただすべての人の場合に、基礎資格を得た以後の年数が必ず計算に入りますから、すべてが有利になるという形なのであります。 それから次の、第二の校長の場合の特例を設けた理由でありますが、校長は新しい免許法によりますと、教員としての一級普通免許状を持たなければ、校長の仮免許状ももらえないということになつておりますので、今現に校長になつておる人々は、学校教育法の方で仮免許状になつておるのですけれども、これから新しく校長を任命しようとしますと、一級の先生がいなければ、校長は任命できないという形になりますので、そこで三十年まで延期いたしまして、その間に一級の免許状をとつていただく。そういう予想のもとに延期したわけであります。その他の教員はと申しますと、その他の教員は仮免でも二級でも、別にそういう免許状だから使われないとか、あるいは職をしりぞかなければならないとかいうことはないわけであります。
○谷口委員 これは議論になると思いますから簡單にお尋ねします。校長先生になる場合に一級の免許状が必要であつて、その一級の免許状を持たないで今校長になつておるという人がある、そういう点で一級の免許状をとり、さらに校長になるということになるから年数がかかる、こういうようにおつしやる一方に、普通の先生方は、現在現行の免許状を持つておるわけですから、それが上級に行けなくても失職するわけではない、こうおつしやるのですが、校長先生でも、校長はおやめになるだろうが、先生であることには、その点かわりはないわけですね。ただ校長になるということについての特別な措置としては、そういう御説明では、私どもはわからないわけであります。特に現に仮免許状を持つておる先生の数と、それから一級であつて校長の資格を持ち、一級の免許を持つておる先生の数を、もう少し具体的にお知らせ願いたいと思います。
○玖村説明員 先ほどの予想される切りかえの数のところをごらんくださいますと、おわかりになりますように、小学校並びに中学校の教員ことに小学校の教員の中には、一級の免許状を持つている人は非常に少いのであります。ところが校長の場合にだけ特例を設けるのは理解しにくいとおつしやつたのですが、これにつきましては、こういうふうに考えることができるのです。免許法を改めまして、校長には二級でもよろしいというふうに改めるか、それから校長はぜひ一級になつてもらつて校長になるようにするかという二つの道があるわけです。その場合にこの改正は後者をとつたわけです。つまり校長は二級でもいいということにしないで、三十年まで待ちまして、その間に一級になつていただく、そういう立場によつたものであります。
○谷口委員 日本教職員組合の発表するところによりますと、講習を受けて上級へ行きたがつておる人間の数が、大体これも概算であろうと思いますが、約三十三万余りあることになつております。ところで上級免状をとりたいという人数を今申しましたが、こういう人々は講習会、あるいは学内、学外において通信その他による資格をとるための勉強をする機関とか設備が非常に少く、あるいはまたそれに対する予算の見るべきものがほとんどない。これは教職員組合の言つておるところでありますが、日本教職員組合が要求しましたのは、学内の講座費として九千三百万円、学外の講座費として約四億円、通信教育の施設費として三億七千万円余、合計約七億七千万円くらいのものを要求しておる。文部省はその三つを合せまして二億八千五百万円くらいの要求額を出したが、大蔵省の査定では、それがたつた四千四百万円になつておる。三十数万の人間が、上級の免状をとるための勉強をしたがり、その講習会あるいは講座を開くことにはなつていても、実際は国の予算が非常に少いために、勉強できないという状況にある。実情を申しますと、上級免許状をとるために講習会なんかへ出る国の予算がないので、一月も講座へ行くと一万円くらいかかるという報告が出ております。そういたしますと、非常に秀才であつて、教育に熱情を持つている教員でも、経済的な実力を持つておりませんと、そういう講習会に出られない。むしろ家がよくて経済的な実力がある——そう言つては悪いが、あまり大して熱情を持たなくとも、家では十分に食つているお孃さんで、片手間に先生をやつている人でも、経済的な実力があるために上級免許状をとるという状況があるようであります。そういう点につきまして、つまり先生方を新しい教師として更生させるための講習でありますから、もつとたくさんの人が勉強できるような、そういう打開の道を文部省は考えていらつしやるかどうか、実情とともにその対策もお聞かせ願いたいと思います。
○剱木政府委員 今の調査でございますが、上級免状を得ようと希望する者の数につきましては、大体私どもも約三十六万くらいの数を予想いたしております。それでこれらの方々が、講習を受けまして上級の免許状を得るようにしたいという念願につきましては、私ども十分持つておるわけでございますが、なお予算折衝におきまして、今申されました数字をあげてあるのでございますが、大体結論としては今申されたような結果になつたのであります。しかしこの問題につきまして根本的に考えなければなりませんのは、高等学校以下の教員の研修につきましては、法律におきましては、教育公務員特例法の第十九條に、明確にその研修の責任は教育委員会の責任においてやるということが規定されております。それでこの研修の方法につきましては、今申されましたように、あるいは大学におきまして、講座を設けてもらう、あるいは出張講座なり拡張講座においてその大学が受持つてもらうことになつております。なお通信教育等におきまして、大学が通信教育によつてやる面と、地方教育委員会の方で認定講習等によつてやる面とあると思うのでありますが、そこで国の分担すべき面は、主として大学において行います。そういう講座の開設とか、通信教育とかそういつた面において考えて行き、その受講者に対するいろいろな関係におきましては、地方公共団体がこれを分担する。なお現在におきましても、この上級免許状を受けなければ、その方々が教員になり得ないという状態ではないのでありまして、上級免許状を得ることは、同時に本人にも相当の利益をもたらす点でございますので、国と教育委員会と個人とは三者協力してやつていただくということが原則的ではないかと思います。ただ本年度の予算におきまして、通信教育とあわせまして四千万円そこそこしかとれなかつたことは、われわれとしては決して十分だとは考えておりません。この施設をいたしますにつきましても、十分な施設はできないのでございますが、相当の年次計画を立てまして、これが開設に向つて今後とも努力して参りたいと考えております。
○谷口委員 大分きれいなお答えなんですが、そうではなくて、文部省が実際上二億何千万円のものを必要だとして予算を組まれたのが四千四百万円に減らされているわけです。つまり現在においてこれだけの予算が必要であつて、これだけはやらなければならぬということを、文部省が専門的な立場からなさつたわけです。それを大蔵省で、五分の一、六分の一に削られているわけです。これは文部省が必要だとされた計画と、まつたく違つたものが出て来るわけです。文部省はただ紙の上でこの数字やこの計画をなすつたのではなくて、実際に現状において必要だという点からなすつたと思う。ところがそれを大蔵省は削つて五分の一、六分の一にしたとすると、一体どうなるかという点についての文部省のお考えを伺いたい。これは單にここであなたと私とやりとりするだけの問題でなくして、根本的な問題に触れていると思う。三億何千万円の予算が必要だとして、そういうものが五分の一に削られているとすると、これは何もできないということになる。そうすると、教育にとりまして、こういうことが必要だと文部省の専門的な立場がら計画されたことができないとすれば、教育そのものの破壊になる。こういう点は一体どう考えておられるかという問題です。 もう一つは、現在仮免許状を持つているとか、二級免許状を持つているということはないだろうから、上級免許状をもらわなくとも、先生はそういう立場に立つことができるとおつしやいますが、免許状というものはわれわれは賛成しない、教員に一つの職階をつくりまして、その中で教員を律して行こうとするやり方は、教師に対しましても、下級の免許状しか持つていない人に対しては、卑屈な感じを起させるおそれもありますし、この職階制は封建的なものだと思つておりますので、賛成しておりません。先生になつた以上は、一級の正規の先生になりたいという気持があると思う。こういう点で、現在の資格で仕事ができるというだけでは、安心していられない。従つて二億何千万円という予算を組んで必要だとされたと思う。こういう点を、單なるきれいごとでなく、文部省は一体どうしようとしているかということを知らしていただきたいと思います。
○剱木政府委員 今も申し上げましたように、文部省といたしましては、四十万円くらいの金で、十分であるとは考えて、おりませんけれども、しかしこれが規定の上から、はつきりこの研修の責任は地方教育委員会にあるということが書いてありますことが一つ、それから免許状を得るということは、何ら時間的な制限を付していない。これが義務的になつておりますれば、また相当われわれの強く主張する点もありますけれども、義務的になつていないという面におきまして、国家財政の非常に窮乏した現在におきまして、この予算を削減されましたことは、一面非常に残念でございますけれども、われわれとして強くその点を要求することができなかつた面もあつたわけでございます。ただこのやり方につきましては、十分、効果のあがるように実施をして参りたいと考えております。なお免許法の本質の問題でございますが、一級、二級というふうに職階的な考え方をするということはどうかというお考えでございますが、この免許法の精神といたしましては、できるだけ上級の免許状をもらうように、いろいろ先生に勉強していただきまして、実質的に先生の素質を向上するということを眼目にしてできているのでございます。これはお説の通りでございますが、ただこれは上の免許状を得るための、ただ形式的の手段にそれが利用されまして、形式的に堕してしまうということになれば、この免許法の精神から言えば、死んでしまう状態になります。できるだけ修業してもらつて質を向上させて行く、その精神を生かすためには、今後相当の重要な問題があるかと考えるのでございます。その意味におきまして、これが実施にあたりましては、相当愼重に考究して行かなければならぬ点が多々あるということは——私どもも考えている次第であります。
○谷口委員 大事なことだと思いますが、上級免許状を得るということについて、形式的にそういうことを考えてはいけない、実際にりつぱな教員として資格をつけるための勉強が必要だと言うのですが、私もそれには賛成で、そうでなければならぬと思う。それだけに文部省の計画されたことは、現在の状況からいつて、これだけは最低限として計画されただろうと思う。これが予算の面からもこわれてしまつているということであります。やり方につきましてはなるべく有効な方式でやりたいとおつしやるのですが、そこのとろを聞きたいと思う。それが明らかになりませんと、つまりりつぱな教員をつくるというこの大きな仕事ができなくなるということになります。りつぱな教員をつくるというこの大きな仕事が、十分でなくなるということになります。りつぱな教員をつくるという意味は、ただりつぱな教員をつくるという意味もありますが、私どもは現在の歴史的瞬間におきましては、もつと大事なことがあると思う。それはこの免許法あるいはこういう形で上級の免許状をとろうとするために、勉強される先生方は、単に知識的なものを多くとろうとか、少くとろうということではなくして、従来の考え方で教育された人々が、新しい民主主義社会での新しい民主主義的な先生になるための、一つの革命的な意義があると思う。そういう点で非常に大事だと思う。従つてこれが單なる予算の問題からなおざりにされて、文部省の考えておられることすらできないということになりますと、これは教育したいへん大きな問題になつて来る。従つて文部省の方で実際に必要だとされるならば、私ども全員、おそらくここにおる他党の諸君も、全体賛成だと思いますが、予算の復活ということに協力して闘わなければならぬし、そういうように行くべきだと思う。それでなければ、現行の予算でどういうふうにしてその目的とするところを達せられるか具体的なところを示していただきませんと、いろいろ政治的な折衝の結果、文部省では新しいりつぱな先生をつくるということについての大きな事業を、もう投げてしまつていらつしやるというふうにしか考えられぬのであります。そういう点をもう少し具体的に、どうして打開するかという点をお示し願いませんとたいへんだと思います。
○剱木政府委員 その実施の方法でございますが、実施の方法といたしましては各大学に主として夏期講座を行つて行きたいと考えております。なお地方の大学の所在地以外の人の便宜をはかるために、地方へ出張いたしまして、講座を開始したいという方法も、現在企画いたしておるのでございます。 それから通信教育につきましても今その企画を研究立案しつつありまして、できるだけ多くの人に通信教育を利用してもらうような方途を考慮しておるのであります。ただこの予算面から申しますれば、文部省の方は四千万円にすぎませんが、なお受講する人のためにと考えまして、昨年度は教員一人当り三千円の旅費を組んでおりましたが、本年度は平衡交付金の中で、四千円を計上いたしまして、そういつたような経費に充てることも計画しております。これは国の方から考えた面でございますが、しかし本質的には、さきにも申しましたように、この問題につきましては、どうしても地方教育委員会が協力してもらわなければならぬのでありまして、ただいま各府県におきましては、地方教育委員会において、府県当局とこの予算折衝をいたしておるようでございまして、正確な数字はまだまとまつておりませんけれども、相当府県におきまして、講習のための経費を計上されつつあるような現状でありまして、それに対して、私どもとしては大きな期待を現在持つておるわけでございます。
○谷口委員 次の教育職員免許法施行法の一部を改正する法律の二ページを見ますと「第十五号の次に次の一号を加える。」十五の二として先ほどの御説明によりますと「旧教員免許令に基く高等学校教員規程による無試験検定を受くることを得る者の指定(大正八年文部省告示第三百七十四号)の定めるところによつて指定を受けた者」これによつて新しい免許かされることになつておるわけでありますが、その前に実業学校なんかも入つて来ることもありますが、特に十五の二のところでは、旧教員免許令に基いて資格を得た先生が、そのまま新しい小学校、中学校もしくは高等学校の先生になり得る規定が新しく加わつたのであります。こういう点につきまして、旧教員免許令に基く資格のある先生がそのまま入つて来ることになりまして、先ほど私ちよつと触れましたように、古い教育を受けた人々がそのまま入つて来ることになりますが、現在のいわゆる教育勅語を基本とするあれでなくて、教育基本法の精神に基く新しい教育、その教育をなさる先生に旧来の教育を受けた人がそのまま入つて来るという道が開かれることにつきましては、相当の危惧の念を新時代の父兄としては持つ。これはどうして行くか、あるいはそういうおそれがあるかないか、これを伺います。
○玖村説明員 十五の二は、これからの大学の卒業生であります。
○谷口委員 大体これでやめておきます。
○圓谷委員長代理 お諮りいたします。時間も過ぎておりますので、本日はこの程度で散会共いたしたいと思いますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○圓谷委員長代理 御異議がないようでありますから、本日はこれで散会いたします。 午後零時二十七分散会