農林委員会 第36号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1950/04/25
会議録
○松浦委員長代理 これより会議を開きます。 本日は私が委員長の職務を行います。 議事に入る前に議案が付託になりましたから御報告いたします。ただいま本委員会に予備審査のため付託になつております地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件が、昨日参議院を通過し、正式に本委員会に付託と相なりました。以上御報告いたします。 前会に引続き自作農創設特別措置法の一部を改正する等の法律案を議題とし、討倫に入ります。 なお、これに対する修正案が自由党の野原委員より委員長の手元に提出されております。これは印刷物としてすでに各委員に配付いたしておきました通りであります。以上御報告いたします。 —————————————
○松浦委員長代理 引続き本修正案の趣旨説明でありますが、これは時間等の都合によりましてこれを省略し、速記録に掲載することにいたしたいと存じます。 —————————————
○松浦委員長代理 それでは自作農創設特別措置法の一部を改正する等の法律案及び修正案を一括議題とし、討論に入ります。討論は通告順にこれを許します。八木一郎君。
○八木委員 ただいま議題となりました自作農創設特別措置法の一部を改正する等の法律案に対しまして、修正せられておりまするものを原案といたし、私はここに自由党を代表いたしまして、賛成の討論をいたさんとするものであります。われわれこの法案の進さを通じまして質疑応答数日にわたり、この間反対の意を体しておられるように拜聽いたしました——いわゆる反対的な所論に傾聴いたしておつた私は、そのいうところは大体三点に要約することができると思います。これは討論に至つてお述べになると存じますが、その点を簡單に反駁いたしまして、私の賛成討論にかえたいと思います。 その第一点は、共産党から、この法律の改正は、一九四五年十二月九日関係方面から指令されました農地改革に関する覚書に反する、こういう趣意のことを繰返し強く述べておられました。私はこれほど驚くべき独断はない、こう思つておりましたが、政府当局森農林大臣も、明らかに簡明なる答弁をいたしまして、その点は政府がこの法律の提案に先立つて、関係方面の十分なる了解を得ておるというただこの一つの事実をもつてしても、絶対にさような農民解放令に反するようなことはないと断言できると答えておられましたが、むしろこの農地改革の大事業は、提案の趣旨にもありますように、一応完了を見たのでございまして、その成果を恒久的に保持すること、すなわち農地改革によつて打立てられましたところの諾原則を、恒久的に実現して行くという建前に基きまして耕作農民の地位を安定し、その労働の成果を公正に享受させるために、農地の自作化をはかつて、農業生産力の発展と農村民主化の促進をはかることに役立つ。これこそこの法律改正によつて将来一層期待をかけることができると、かたく信ずるのでありまして、共産党の言われるごとく、農民解放令に反するなどというとんでもない独断、驚くべき独断に対しては、まつこうから反対でございます。 次に問題になつた点は、この法律の改正は、改正の趣旨に沿うてない。社会党、共産党諸君の常用語でありまする言葉をお借りいたしますると、改正にあらずして改惡であるというような趣旨の御主張が、繰返されておつたことを承知しておりますが、これはこの農地解放実施以降の今日までもたらされた実績と申しまするか、自作農地として創設した実際の経過と結果を、数字について見ますれば明瞭でございまして、昨年末現在において解放面積百八十九万七千十六町歩に対し、売渡し面積百八十六万五千二百三十八町歩であつて、その割合は実に九八%であり、九九%に及ぶ府県が二十五府県の多きに達しているのでありまして、今日以後は、改正案の示すごとく、政府の買収にかえて農地委員会の定める計画に従つて、農地所有者より耕作農民に強制譲渡せしめるということがしごく適当である、かように信ずるものであります。 反対の意見と思われる質疑を通して私が上げたい第三点は、この農地改革、農民解放を基幹とする本質的な農業政策、農民政策、農村政策、こういうような見地に立ちまして、いろいろと蘊蓄を傾けた議論が展開されておりましたけれども、この意見を私が率直に聞いておりまして、受取りようによつてば、これはまつたく反対せんがための反対としか聞きとれないような情勢であります。おそらくこれから反対討論がもしあれば、反対討論を通じて皆さんの前に明らかになることと思いますが、建設的にいかにして改善するか、この意見でなくて、破壊的な現状打破をまことしやかに事えるものにすぎない議論が多いのであります。ですから、私はここにこの問題は多くを述べませんけれども、これは見解の相違と言つて、鎧袖一触して、もさしつかえのないような問題であろうと思います。われわれは農業の資本、土地、農地、自作農地の維持保善をはかりつつ、営農組織の協同化と、農村工業化と、農正村の副業発展などによりまして、あとう限りの国内食糧を増産し、自給度の向上をはかるべく諸政策に力をいたして、治山、治水、土地改良の実行の具体策をこの農地政策の基調として行きたい、こういうふうに考えておるのであります。しかるに論をなすもののいうところでは、その論旨は一貫いたしませんので、聞きようによつては、第一次、第二次農地改革当時の議論をむし返しまして、あるいははつきりは言わないけれども、農地の私有を否定するかのごとく、せざるかのごとく、自作農地よりも労農ロシア的な国有集団農地で、全面供出的な制度の方がいいようなふうにも思われ、あるいはまた思われないようなまことに収奪農業的な、趣旨の徹底しないことが数日も繰返されておるのでありまして、これを要約して、間もなくお述べになるところを伺えばはつきりすると思いますが、もつと簡単に言えば、かつては戦う小作農民運動の先頭に立ちまして、その小作地が自作地化してしまつた結果戦う條件と目標を失つて鬪志なく、みすぼらしい姿となつてこの論旨が展開されておるというふうにしかとれないのでございます。このことはすでに繰返されたことでありますからくどく申しません。しかし私ともが靜かに考えますと、今やわが国は、全人口のほとんど半分を占むる農業者が、自作地化した農土の上に、偉大なる大自然ととつ組んで、国民のかてをまかなう母の気持で、この熱心な無い心を心として、改正された自作農中心主義に盛り込まれた農業委員会が中心に立つて、自主的再建の熱意と情熱を傾けて、諸般の農業問題を処理しようとしておる。このことに対しまして、領土が狭くなり人口が、ふえておりながらも、この悪條件と戰いつつ農業者の自立方策をきめようとしておる。こういう際に、この進歩的な堅実な保守的な農民各位が、農業者諸君が、経営のコストの低下のためには営農組織の近代化、協同化によつてこれをなし遂げようと努め、余剰労力の吸収については、農村工業による生産物価格向上によりまして、また農業以外の副業所得に創意とくふうを加えなどいたしまして、日本農業の将来の発展策を、この自作農創設中心主義、このもとに大いにこれを徹底しようという気構えを期しておるものでございまして、われわれはこの自主的な情熱と、この気構えに沿うような今回の改正立法には、全面的に賛成をしておるものでございます。かかる見地から、私どもは絶対にこの修正を含む原案に賛成の意を表明いたす次第であります。 以上私の賛成討論を終ります。
○松浦委員長代理 井上良二君。
○井上(良)委員 日本社会党を代表しまして、ただいま議題になりました自作農創設特別措置法の一部を改正する等の法律案に反対の意思を表明したいと思います。 第二次農地改革は、国内食糧の最大限を確保せんために、耕作者の地位を安定しまして、土地の農業上の利用を増大し、農業生産力の発展をはかるということと、農村に巣くつております封建的な地主勢力を一掃して民主的な農村を建設するという、この国家的目的を持つて、農地改革は実行に移されて約三年半、すでに百八十万町歩の買収を終りました。この非常な成果に対しましては、関係官民の努力と、その涙ぐましい活躍に対しまして、われわれ長い間農地改革を強く要望して来た者にとりましては、まことに感謝にたえないところでありまして、関係者各位の労力に対して、ここに衷心敬意を表する次第であります。されどせつかく農地が改革によつて開放されましたが、しかしその開放されました農地は、農業労働の低位な生産の状態のままに、いまだ過剰就業の中に放置されまして政府の農業に対する無関心と、偉観的な経済情勢の変化に伴う対策を、積極的に立てて来なかつた関係、すなわち政府はドツジ・ラインに便乗して超均衡予算の名のもとに、低賃金と低米価と、金融の引締めと、重税によつて、中小企業は続々として倒産し、勤労者は賃下げ、首切り、失業のあらしの中にさまよい、農村においては、食糧事情の回復を契機とする農産物の有効需要の減退等、農産物価格の低下によつて、農業経済の不安が日に深刻化しつつあるにかかわらず、農業に対する公共事業費は年々削減され、金融の道を積極的に講ぜず、逆に肥料価格と電力料金を大幅に引上げ、悪質にして高価なリンク物資を押しつけ、血税による補給金をもつて大量の外国食糧を輸入していも類の全面的買上げを停止し、進んで米麥まで、国際市場のあらしの中に巻き込まんとする一連の資本家的農業政策のために、農業は今やその経営はまつたく成立せず、遂に耕作放棄という悲しむべき事態が、全国の各地に省き起つております。かくのごとく農業経営の不安定の根本的な原因は、耕作農民の経営の不手ぎわによつて来たものではなくして、経済事情の変化と、政府の農業政策に起因するほか何ものでもないのでありまして、これに対する対策は、当然農業に対して社会保障的な対策を大胆に実行するとともに、農業労働の生産性を向上するところの基本的な諸條件を確立することが、農地改革の成果を永久に維持するゆえんであると考えますとともに、農地改革は今後さらに一層徹底すべき必要があると、私どもは考えておるのであります。 さて今般提案されました改正法案は、農地改革法の持つ国家的な意義をまつたく没却しております。再び耕地を利潤の対象として、地主勢力の復活を意図するものであり、また政府のこの意図あることを察知いたしまして発せられたところの、昨年十一月十一日付のマ元帥の書簡にいやいや追従しながら、本質的には農地改革をいかにして打切るかの意図を持つた、最も危険な改正法案でありまして、法の運用まつたく不可能なものに仕組んでおる矛盾きわまるので、われわれはこれに賛成するわけには参りません。以下その反対の根拠を明らかにいたしたいと思います。 まず第一に反対いたしたいのは、従来農地、牧野は、政府において強制買上げをしたものを、本年二月十一日限りで、政府の責任による強制買収を打切つて、村内の封建的勢力のいまだ払拭されていない今日、農調法によつて強制譲渡を村内の農地委員会に委任して、実行することにしているのでありますが、実際には村内の封建勢力に圧迫されて、その実行は期せられないと考えるのであります。 第二に、宅地建物の買収は、農民をよく啓蒙し、その上で買収の実績を上げるべきであるにかかわらず、すでにこれも六月二十日限りで買収を打切らんとしておることは、まことに遺憾であります。 第三に、一度自作農になつた者が、やむを得ずして農地の使用目的を変更する場合は、従前の使用者の意向を聞かねばならぬということにしておるのでありますが、これは農地改革の本質を理解しない証拠でありまして、私どもは、絶対に賛成するわけには参りません。もしかくのごとき耕地ができました場合は、委員会の民主的な裁量で、村内で一番よく働き、かつ収獲を上げる農民に、その耕作権を与えるべきであることを、私どもは主張したいと考えるのであります。 第四に、資金の貸付についてでありますが、政府は農地の買収売渡し制については、金のない者には融資の道を講ずるというのでありますが、これを利用する人はごくわずかで、大部分は富農の利潤追求に利用されるおそれが十分あると考えるのであります。従つて本改正案を生かすためには、現在ある小作地を全面的に開放して、これに対して、融資の道を講ずべきであると考えるのであります。 最後に本改正法案において、最も問題になりますのは、農地委員会を農業委員会に改組せんとすることであります。この改組のねらいは、農地改革を強力に押し進めて来ました農地委員会を廃止して、しかも村内の封建勢力に、選挙という美名のもとでこれを代行せしめ、農地の強制譲渡を行わせないように仕組んである点であります。農地改革の成果を完全に維持するためには、現在農地改革の完成途上にいまだ残されておる重要な諸事業を、完全かつすみやかなる遂行をはかるために、現在の農地委員会の機構をさらに強力に運用し、完全に保持する必要があると考えるのであります。しかるに政府は国家予算の削減の口実と、農政一元化美名のもとに、農地委員会と農業調整委員会を一本化いたしまして農業委員会に改組せんといたしておるのであります。このために農地委員会の職員約一万四千名を整理せんとすることは、事典上農地改革の打切りをねらつたものであることは明白であります。吉田内閣が成立以来採用し来つた、低米価を中心とする、資本家的な農業政策の運の指導方針の現われであることを、強く私どもは指摘いたしまして、本法案に日本社会党は根本的に反対する次第であります。
○松浦委員長代理 山口武秀君。
○山口(武)委員 私は日本共産党を代表いたしまして、農地改正法案に対して、反対の討論をいたすものであります。 ただいま自由党の委員から、きわめておもしろい賛成意見の表明があつたのでありますが、これは自由党の農村認識につきまして、きわめて、こつけいなものを暴露したものにすぎないと、私は考えているのであります。 第一に鬪う小作農民が鬪わない自作農民になつてしまつたというのは、これ以上はなはだしい農村認識はないのであります。現在のようにはげしい独占資本の農村収奪の中に置かれまして、自作農民も鬪わざるを得ないのであります。すでに小作農民という範囲でなく、全農民が鬪う農民として立ち上りつつあるという現実について、残念なからおわかりにならないのかということを感じたわけであります。それからなお今回の改正案が、農地改革の解放指令に反しないかという点につきまして、関係方面の了解を得たということでもつて、これを片づけておりますが、自由党には何ら独自の考えもないし、独自の政策もなく、單に関係方面の了解ということ以外に何もないということを暴露したものであると、私は思うのであります。私は今町の改正法案は、これまでの農地改革の成果を保持するという無用なものは、もちろん持つておりませんし、單に農地改革の打切りということをもつて表明できるものもあろうとは、考えないのであります。これは第二次農地改革すらも、この法律の改正をもつて合法的に逆転が始まる、このように断定しなければならないと思うのであります。第二次農地改革の問題でありまするが、第二次農地改革の論議の際、この改革がいかに不徹底なものであるかということは、すでに議論され、問題は未解決のままこれまで残されて夢つたの悟りあます。しかもこの法律が実行されまして現在まで参ります間におきまして、いかにこの法律が違法性によつて運営されて来たかということを考えてみまするときに、世間の目はだれしもこの農地改革の不徹底を見きわめて来たわけであります。しかも政府ではなお第二次農地改革の成果を上げておるというようなことを言つておりまするが、成果を上げているというようなことでどうして言い表わせるものであろう。第一は、これまでの農地委員会がきわめて多く不当と不正の上になされたということ、土地取上げがきわめて多く行われたということ、こういう面を見ましても——しかしこれは言いません。なお現在三年通じての封建的な地主勢力の支配が、土地の小作保有地を通じての、やはり封建的な勢力の残存があるという事実を見まするときに、この第二次農地改革というものがいかに不徹底であり、欺購に満ちたものであるかということは、きわめて明瞭なのであります。それにもかかわらず政府は開放面積を云々して農地改革の成果を言うのでありますが、この開放面積は政府の統計がでたらめであるということ、それからなお開放面積中に含まれている開農の場合に、正当な農民に開放されずに、ほかに不当な開放の対象ができてしまつておるということ、この場合におきましても、農村における封建勢力が、この開放を間違、つた方向に流しておるということ、こういう面は明瞭であります。さらに現在の日本の農業の状態を見ますれば、これはきわめて大きな危機が参つておるわけであります。このことは、農地改革が行われまして、農業が新しく前進することを完全に拒否しております。なお第二次農地改革で不徹底ながらも上げて参つたところの成果をも、破壊しておる現状なのであります。これはすでに農地のやみ売買が行われておることにおきましても明瞭でありますし、なお農地の質入れということが、すでに各地において行われておるということを考えましても、きわめて明らかに見てとれるわけであります。このような状況になりますと、われわれが問題を考えまするときに、当然これは農地改革が日本の戦後の農業政策、農村対策の基本をなすものである望、ここにおきましてわれわれは農村対策というものを、全般的に根本的に討議する必要がありはしないか、あるいはそれと関通いたしまして、第三次農地改革というものをまじめに検討すべき必要があつたのではないかと思うのであります。しかるに今回の改正点につきまして、先ほど井上委員の話もあつたのでありますが、農地、牧野の強制買収、認定買収を打切つて、これを市町村農業委員会の計画へ委譲するというこのことは、明らかに今後現われて来るものを想像上まするならば、市町村農業委員会は、この計画をそのまま実行はいたしません。この改正を出発点として、おそらく再び農村において、地主的な土地所有制度の復活が考えられるわけなのであります。しかも宅地、建物の買収の中止というものは、これは明らかに地主勢力の強化をねらうものであります。封建的な勢力をなお農村に拡大しようという政府の意図から発したのであるという以外に、考えることはできないのであります。さらに委員会の構成を見ましても、今回の委員会の構成は、これまでの委員会の構成から比べてみましても、きわめて反動的な勢力が強化されまして、これによつて反動的な運営がなされることが想像されるわけであります。このような結果は、ますます地主的土地所有者に道を開くものであります。さらにここにおきまして、小作料、地租の値上げをなさるということは、土地を私人の対象とする戦争中、戦争以前の農村の姿にかえすという以外の何ものでもないということが、断定し得るわけなのであります。しかもこの法律を何がゆえに政府は行うかということでありまするが、この改正の意図はきわめて明瞭でありまして、農村における反動勢力の復活の強化をはかつているのであります。このことは第二次農地改革を否定することにもなるのであります。その結果、農民全体が反政府的な立場に立とうとすることに対して、農村に大きく反動勢力を復活させて、それによつて農民の戦線を分裂させよう、このような政治的な意図が隠されているのであります。この改正は、農民の生活を奴隷的な状態に固定するものであります。なおその反動勢力の復活によつて、農民の封建的な意識をどこまでも温存せしめようというような考えであると思うのであります。そうした農民の状態が、日本の労働階級の低質金の基礎になることは明瞭であります。このようにして第二次農地改革をも全面的に否定される方向に動いて行くといたしまするならば、農地改革が日本の民主主義のきわめて重大な基礎をなしておるという点から考えてみても、吉田内閣は日本の民主主義的な発展を拒否しましてここに吉田内閣の、売国内閣としての性格の仮面を脱いだものであろうと考えるのであります。このような農村の、農民の封建的な意識を基礎にして、日本の農業を植民地的に編成しよう、それを基礎として日本全体を植民地化させよう、このような意図でこの改正法案は提出されたものであると断定できるのであります。われわれはあくまで改正法案に反対するものであります。
○松浦委員長代理 吉川久衛君。
○吉川委員 農地開放に関する諸法律が、日本の民主化、農村の民主化に非常に役立つたことは申すまでもないのでありますが、現在の農村の実情を考えますと、まだまだ封建的なものが、相当強いものがあるのであります。これを払拭するためには、この農地開放の精神を徹底させる必要があろうと思うのでありますけれども、ただいままでの農地開放は、既耕地の開放に重点が置かれまして、営農を忘れたところの農地開放であるということが、言えるのであろうと思います。営農に伴うところの農地開放でなければ、今後の日本の農業経営を考えるときに、私は不十分であろうと思います。しかしながら、この農地開放の問題も、ただいままでのところ非常な成果を上げて参つたのでありますが、農地開放の問題だけによつて農村の民主化を考えるということは、私は少し不十分ではないかと思うのであります。そういう意味において、もつとほかの面において、農村の民主化を強力に推し進めて行かなければならないと思う。ただいままで農村の民主化の一つの手段としての農地解放が、相当の効果を上げたことを、私どもは認めると同時に、今後も営農を伴うところの農地解放というような問題について、十分配慮をめぐらさなければならないと思うのであります。そこでただいまのこの問題につきましては、私どもはむしろこの問題よりは、先ほど社会党の井上委員が前段において述べられたがごとく、ただいまの日本政府の農業に対する軽視政策といいますか、誤つた農政が、日本の現在の農村を非常に困窮の状態に追い込んでいる。こういう問題が解決されない限り、自作農創設特別措置法だの、農地調整法等の法律をどのように改正して参りましても、これ参は好むと好まざるとにかかわらず、いかなる規定があるにもかかわらず、必ず農地というものが再びある特定の地主の手中に集められる。そうして、かつては小作人があつたのでありますが、地代が安くなりました今後は、地主とか小作人とかいう関係でなくて、農業経営者と農業労働者というような、一つの新しい形が生れて来る。一村に一人か二人の大きな農業経営者が生れて、それ以外の人々は小作人にもなれないで、その地主の経営者のために、全部農業労働者として、あわれな生活を送らなければならないという状況が、必ず生れて来ると思うのであります。そこで私は、こういつた問題よりは、もつと根本的な農業重視政策を強行いたしまして、農業恐慌から農村を救い、農民を救つて、農地が再びある特定の人々に集まることりないような方策を、立てて行かなければならないと思うのであります。従つて、私はこの問題について、ただいま野党なるがゆえに何でも反対するというのではなく、反対のための反対というのではありませんが、これは今の日本の農村の置かれている段階から考えますならば、私はむしろ小さな問題であろうと思います。従つてこの問題について、私は政府並びに与党の諸君と、あえて一戦を交えようとは思わないので、むしろこの際は、の問題に私は賛意を表しておきたい、思うのであります。 ただここで問題になりますのは、きわめてこれも小さな問題かもしれまけんが、農業委員会の構成につきまして、一号委員のうち、二反歩を越える面積の小作地を耕作しておる者で、その者の耕作面積が都道府県平均以下の者とあるのを、耕作面積の三分の一くらいを小作する者というような程度にいたしませんと、これではあまりに小作的な性格を持つたものがわずか正名しか出られないということでは、依然として抜くことのできない農村のあの封建性を払拭するためには、はなはだこの点は遺憾であると思うのであります。今後こういう点についても十分政府は御留意を願つて、その運用を誤りないように御指導を願いたいと思います。 以上をもちまして、簡単でありますが、賛意を表するものであります。
○松浦委員長代理 小平忠君。
○小平(忠)委員 私は農民協同党を代表いたしまして、本改正案に絶対反対をするものであります。 その理由は、今回政府から提出されましたこの内容をつぶさに検討いたしますのに、基本的な問題について、まず日本の農村が置かれておりまする民主化の線、さらに農地改革がいかに重要な役割を示すかの点において、まだ今日の段階では、これを打切つたり、あるいはこれを軽視すべき段階でないのであります。しかるにこの内容は、この最も重要であるべき農地改革を、最悪後の仕上げをしないでここで打切る。そういう言葉を私は使わざるを得ないのであります。と申しますのは、やはり何といつても、すべての事業なり、一つのことをなすには、最後の締めくくりが最もかんじんであります。そのかんじんな締めくくりがなされないときにおいては、私は農村の民主化などは、とうていその目的を達することは不可能であろうと思います。そういう観点において、まことに遺憾にたえないのであります。 以下その改正法案に反対をすべき理由を申し上げますならば、まず第一に、今後自作農を積極的につくろうとする意図を、完全に放棄しておることが第一点。第二点は、一応表面では農地改革の恒久化というような美名を用いながら、実際は自作農創設特別措置法の一部を農調法に移すだけの、形式的な恒久化にすぎないのであります。従つて積極的にはまつたく恒久化を確立することを講じていないという点であります。第三点は、小作地を通じての社会的奴隷関係を温存、あるいは逆行せしめようとする意図を蔵している点であります。第四点は、未墾地の買収について、諮問機関たるべきところの農地利用計画審議会を設けて県農地委会の上にそれを置き、実質的に県農地委員会の弱体化を考え、政府並びに関係庁の直接人事権を持つ機関をしいるというような、非民主的な措置を講じている点であります。第五点は、この改正案で最も重要な点を指摘すべき農業委員会の構成であります。これについては政府側といろいろと質疑応答がなされましたが、その結論をいろいろ伺つてみますのに、私は次の点を指摘しなければならないと思うのであります。と申しますのは、この委員構成が、村内勢力を、やはり依然として独占資本の手先化せんとする方向にあるのでありまして、かかる行き方を私はまことに遺憾にたえないのであります。すなわちそれによつて、農地改革より農地改革への発展を期する民主的な方向を、まつたく有名無実に終らしめるものであるという点を、指摘しなければならないのであります。 ただいま自由党を代失して、八木一郎君が、これに対する賛成討論をなさいました。さらにまた、ただいま国民協同党の吉川君が、この案に対して賛成をされましたが、この賛成の討論こそ、私は悲痛なものがあると思います。と申しますのは、本案が改正されるということが国会に上程されるや、全国農民大会を開催し、農地委員の代表者が、国会、政府に詰め寄つて、いかなる農民の実情を訴えたかということを忘れておられるのではないかと、私は思うのであります。この点に関して、私がただいま悲壯な意見と申し上げたのは、おそらく国会が閉会になり、選挙区に帰られたならば、多数の農民代表が、会議の席上、あるいは自宅に押し寄せられて、あなたはいかなる理由によつて、この法案に賛成されたかということを詰問されるであろう。そのときにおそらくその心中を思うのに、現在日本が置かれている国際的地位、あるいは関係当局の意図もあり、さらに与党である立場にあつて、それは実体においては反対であるが、しかしこれに賛成しなければならないという実情を、諸君たちよくくんでもらいたいという答弁をされるであろう。しかし、少くとも私は、国民の公僕として、国家の選良として国会における発言と異なるようなことがあつては、断固許されないと思う。かかる観点におきまして私はあくまでも日本農業の将来を思うき、いろいろ問責たくさんありますが、時間をあまり使うことは遠慮しまして、簡単に申し上げますが、今日日本農業の置かれている地位を考えるときに、かかる改惡を賛成するなどという人たちに対しては、私は断固その責任と、今後日本農業の発展のために考えるところの熱意を、鋭く追究しなければならぬということを言いたいのであります。今日の日本の農業というものは、單に農業危機ということを口で論ずるだけではないのであります。ひしひしと迫る農民の今日の状態は、おそらく私は現在自由党のとられている政策が、日本農業を破綻の窮地に陥れることは、明らかであろうと思います。これに対して何らの政策あるいは方針を持たない今日、このままで行つたならば、おそらく本年の暮れ、あるいは来年には、日本農業の完全なる破壊、壊滅を来すだろう。今においてこれに対する打破、これを打破るところの対策を講じなければならぬということを考えるときに、かかる法案に賛成するなどということに対しましては、断固了承できないのであります。 私は以上反対の理由と、これに対する私の意見を申し上げまして、反対討論を終ります。
○松浦委員長代理 これにて討論通告者全部の討論は終りました。よつてこれにて討論は終局いたしました。 引続き採決を行います。採決の順序は、まず野原委員提出の修正案より採決し、次に原案について採決をいたします。 それではまず、野原委員提出による修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松浦委員長代理 起立多数、よつて本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま修正と決しました部分を除く原案について採決いたします。修正部分を除く原案について賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松浦委員長代理 起立多数、よつて本案は多数をもつて修正議決いたしました。 なおこの際、委員会の報告書の作成についてお諮りいたします。これは前例によりまして委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長代理 御異議なしと認めます。それではさように決しました。
○松浦委員長代理 次に地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件を議題とし、その審査に入ります。まず政府の提出趣旨の説明を求めます。坂本農林政務次官。 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件 最近における外国貿易のすう勢にかんがみ、左のとおり輸出農林水産物検査所出張所を設置する必要が生じたので、その設置について地方自治法第百五十六條第四項の規定による国会の承認を求める。 出張所名 輸出農林水産物検査所門司出張所 位置 門司市
○坂本政府委員 輸出農林水産物検査所出張所設置承認につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。 輸出品の声価の向上及び品質の改善をはかり、輸出貿易の健全な発達を期するため、昨年三月十五日から輸出品取締法に基く検査を実施して来ているのでありますが、昨年はとりあえず本所を東京に、支所または出張所を小樽、横浜、清水、名古屋、神戸及び岡山の六箇所に設置して実施して参つたのであります。しかるにその後貿易上の制限が緩和され、輸出数量が増大するとともに、門司港の航行が自由になりましたので、今後九州産のものは門司港を通じて輸出される場合が増大すると予想されるのであります。九州で生産される輸出農林水産物は、種子、ゆり根、花むしろ、木材、木ろう、毛皮等であります。現在九州地区には検査所が設置されておりませんので、必要のあるときは、岡山等から出張して検査しているのでありますが、検査業務を円滑にするため、門司に出張所を設置いたしたいと存ずるのであります。 以上が出張所設置に関する提案の理由であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御承認あらんことをお願いいたします。
○松浦委員長代理 引続き質疑に入ります。井上良二君。
○井上(良)委員 ただいま議題になりました輸出農林水産物検査所設置の法案に関連して、質問を一、二点いたしたいのですが、輸出農林水産物資の状況について、どういうものがおもに輸出され、輸出先はどういう方面であり、今後の見通し等について、御説明を願いたいと思うのです。
○平川政府委員 農林水産物の輸出せられますのは非常に多種多様にわたつておりまして、農産物と申しますと各種の種子類でありますとか、あるいは除虫菊であるとか、特殊農産物あるいは花むしろのようなもの、そういうように各種多様にわたつております。また林産物ではしいたけのようなものとか、木材も若干ございます。それから水産物ではかんてんその他のカン詰類、あるいは冷凍魚というような種類のものが出ております。大体二十四年度におきましては四千数百万ドルの輸出が、ございましたが、二十五年度におきましては、約七千万ドルくらいの輸出を計画いたしております。輸出先といたしましては各方面にわたつておりまして、アメリカにも、あるいは南方方面にも出ているのであります。概略の点はそういうことでございますが、なお今後といたしましては、輸出農産物に対する各棟の奨励施策を講じましてできる限りこの輸出額を増大するようにはかつて参りたいと考えます。ただいま申しました輸出額は、生糸は除いております。
○井上(良)委員 この輸出農林水産物資の問題でございますが、御承知の通り昨年来相当積極的に、今後の海外輸出の関係をにらみ合せて、業者の方でも積極的な態勢をとろうとしておりましたところが、ある物は相当滞貨し、このために非常な資金難に悩んでいる。たとえて申しますならば、かんてんのごときものは非常に業者が困り、またこれらの生産者もために難儀をした。従つてこの奨励の具体的措置、あるいはまた金融の具体的措置というものについて、政府はどうお考えになつておりますか。この点をお聞きしたい。
○平川政府委員 輸出農産物に対しては、ことに金融の措置が問題であろうと思います。ただいま御指摘のかんてんにつきましては、滞貨の問題もございまして、昨年応急的にこれに対する措置を講じたようなわけであります。またお茶等につきましても、臨時に日本銀行等の応援を頼みまして、融資のあつせんをするというようなことをいたしました。なお生産方、面に対しては、輸出農産物の生産設備等に対しまして、見返り資金の融資を計画いたしたのでありますが、御承知の通り、見返り資金の関係なかなかはかばかしく参りませんので、昨年度は農林中央金庫の自己資金をもちまして、若干の融通をいたしたというような状況でございます。本年におきましても、引続き農林中央金庫の増資及びこれに対する見返り資金の出資の問題を今折衝中でございますが、これができますれば、中央金庫等からこの方面に対します融資もある程度できることだというふうに考えております。
○山口(武)委員 輸出農林水産物検査所の設置の問題でありますが、この検査ということは、第一には日本の輸出商品をよくする。それから第二番目には、この輸出品につきまして良心的な品物を輸出するというところにねらいがあるのだろうと思うのであります。これにつきましまして、私、坂本農林次官のお伺いしたいのでありますが、これは関係のあることだからお答え願いたいのであります。輸入の方の場合はどうなつておるのですか。輸入の場合に大分まずい外米が入つて来るということがあるのですが、こういう問題について、検査というものは、どのようになつているのか、お伺いしたいのです。
○坂本政府委員 輸入品につきましては、通産省の貿易庁の方でやつておるのでございます。受入れに対しましては、それ相当の検費をいたしていると存じます。
○山口(武)委員 ただいまの答弁では検査をしていると思いますというのですが、ほんとうにやつているのですか、思うのですか。どつちなんですか。
○平川政府委員 現在のところ、それにつきましては、貿易庁で査收の検査をいたすわけであります。政府がもちろん買うわけですから、受取る際に中を調べて、そうして買うわけです。ただ実際問題といたしましては、政府の輸入でありますから、ことにガリオア等によつて入りますものについては、これは実際問題として断つて返すというようなことはないようであります。それから今後は民間輸入が大分多くなつて参ります。これにつきましては、農林省の方もいろいろ輸入する業者等の許可等に対しまして、これから関与をいたすことになつております。従いましてこれに対しては、入れる場合の食糧庁としてのいろいろの検査ということが行われるわけです。
○山口(武)委員 次官は通産省の管轄ばかり言つて思われますくらいの答弁しかされないのですが、食糧問題は、これは農林省の所管のはずです。食べる方は国民が食べるのです。輸出について検査を厳重にされるのもけつこうですが、輸入についても、食えないものを配給するようなことがないように、今後におきまして、農林省はもつと十分な責任をもつて処置をとつてもらいたいと思うのですが、この点いかにお考えですか。
○坂本政府委員 もちろんお説の通り、数量、あるいは品質等につきましては、厳重に検査をすべきものであると考えます。
○横田委員 二、三質問いたします。山口君のに関連しているのですが、外国の米のことについてなんです。これは委員会においては簡単に片づけておりますけれども、私が大阪に帰りまして見たところによりますと、主婦たちがこの外国食糧、特に砕けた米を配られては困ると言つて判を押して、そうして市会に出しているのです。市会ではこんなものは断わろうじやないかというので、満場一致できめた例もあるのです。だからその場合に問題になつて来るのですが、ここで聞きたいのは、‘先ほど坂木政務次官が言われましたように、外国の米は通産省で検査をやつていると思う、こう言われたのですが、その検査をやつている内容は、品質の検査をやつているのか、あるいは量の検査をやつているのか、承りたいのです。
○平川政府委員 直接の係でございませんので、あるいはそれにつきましては、さらに通産省の方から、正確なこを御答弁するのが適当かと思います。建前としては貿易庁が受取るわけであります。貿易庁が検査して受取るということになつております。
○横田委員 そういたしますと、通値省で米を受取つている。砕けた米を受取つている。それを国内に配給する場合には、農林省の責任においてやつておられる。農林省がそれを受取つた場合に、非常品質の惡いものであつて、不適当と思えた場合においては、農林省はこれを返す意思があるのかないのか、その意思表示ができるのかできないのか、その点だけ一点承つておきたい。
○坂本政府委員 もちろん食糧庁の考え方といたしましては、できるだけ良質なものを配給いたしたい、かように考えておるのでありますが、御承知のような貿易事情であるのでありまして、必ずしもわれわれが望むようなものばかりというわけにも参らない事情もあるかと思います。同時にまた、そのようなものを返品するということも今日の立場においては非常に困難なのであります。従つてこれらのはなはだしき事故品の処置等につきましては、食糧庁の事務当局からお答えをいたさせることが妥当であろうかと思います。
○横田委員 もう一点。それでは今の問題はそのままにしておきまして、次にいわゆる輸出品の検査のことについてなんですが、世界評論五月号に出ました大内力氏の「世界経済と日本農業」の中を読んでみますと、こういうことが出ているのです。「二三年では茶が最も大きく、みかん、野菜果物の罐詰、椎茸がこれについでいる。しかしいずれも二百万ドルないし数十万ドルというところで、大した額とはいえない。」こう書いてあるのです。この点において先ほど答弁された方の額と非常に違いがある。この本の方が間違つておるのか、あなたの方が合うているのか、それが一つと、同時にまた、こういうような輸出品について検査をいたしますと、輸出がふえるのか、あるいよそれともまたまかの原因で滞貨になるのか、その点をはつきり承つておきたいのです。
○坂本政府委員 数量の点につきましては事務当局からお答え申し上げますが、輸出品につきまして検査を厳重に行いますことは、日本製品の国際市場における声価、借用を高めるためであります。
○横田委員 そういたしますと、副次的なもので、大して大きな輸出額になるものではない。その一つとしてこう書いてあります。「そしてこんごそれらがどれだけ増大しうるかはわからないが、しかしもともと生活必需品たる色彩の乏しいものであるから、それほど増大するとは思えない。」輸出額がふえるとは思えない、こう書いているのです。だから日本の国としては、これ以外にも輸出するように品物をかえるような、いわゆる構想が農林省としてはあるのかないのか、こんなつまらないものでも、余儀なく検査しなくちやどうにも外国が受取らなくなつて来たのか、この点も重ねて御回答願いたい。
○平川政府委員 先ほどの数字につきましては、今の評論は二十三年度を言つておられるようでありますが、二十四年度の実績は生糸が千七百万ドル、その他農林水産物全体で五千五百万ドルになつております。千七百万を引きますと、約四千万ドルになります。二十五年度のことはまだわかりませんけれども、先ほど申し上げましたように、計画といたしましては七千万ドルぐらいまでふやしたい、こういう希望を持つております。
○横田委員 ちよつと待つてください。四千五百万ドルに生糸を引いてなるのですか。
○平川政府委員 生糸を入れて五千五百万ドル、そのうち生糸が一千七百万ドル占めているから、残りは四千万ドル弱になるわけであります。なお輸出品目につましては、だんだんと自由貿易的な関係になつておりますので、必ずしもその品物が生活必需品でないから輸出が、困難であるということにはならないと思います。ただいままでやつております品目をできるだけよけい出すような、そのためにはできるだけ信用をつけて、粗悪品が出ないようにすることが一つの必要な方法であると思うわけであります。なお先方の事情等も現在まだ十分わかつておりませんが、今後だんだんと官民の海外渡航が自由になつて参りますとともに、いろいろ向うの事情等も明らかになりまして、あるいは新しい品目等もだんだん出て来ると思います。現在の品目につきましても、なるべくこの数量をふやして行きたいという意味でございます。
○松浦委員長代理 これにて質疑通告者全部の疑質は終りました。よつて本件に対する質疑は終局いたしました。 引続き討論に入ります。討論の通告がありませんので、この際討論を省略し、ただちに本件に対する採決を行います。本件に承認を与うるに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○松浦委員長代理 起立総員。よつて本件は承認を与うべきものと決しました。 なおこの際委員会の報告書の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○松浦委員長代理 御異議なしと認めます。それでは、さよう決しました。
○松浦委員長代理 この際井上委員より発言を求められております。これを許します。井上良二君。
○井上(良)委員 この際私は政府に対して肥料価格の値上げについての要望をいたしておきたいと思います。御承知の通り、政府は肥料補給金の打切りに伴いまして、肥料の販売価格の値上げを一月、三月、七月とわけて実行せんとしているのであります。御承知の通り農家の最近の経済状況は、外国からの輸入食糧や、国内の経済諸情勢の変化等に伴いまして、まつたくその経済的な事情は一変いたしておりまして全国の農民は政府の新しい農業対策の確立を強く要望していみときであります。このときに、政府は再び七月から肥料販売価格を大幅に値上げをせんとしておりますが、かくのごとき大幅な値上げは、とうてい農家の負担にたえない状態でございますので、次のごとき要望を本委員会で御決定願いたいと思うのであります。 政府は肥料補給金の打切りに伴つて来る七月より肥料販売価格を大幅に値上げせんとしているが、現下わが国の農業経済の事情は、かかる大幅の値上げにたえ得ざる実情にあるにつき、本委員会は肥料価格の値上げが農家の過重な負担とならざるよう、特別の措置を講ずべきことを強く政府に要望する。 以上の要望を決定してもらいたいと思います。
○松浦委員長代理 ただいま井上委員の御発言は、肥料補給金の打切りに伴い、肥料の販売価格が値上げとなる、ついては、この肥料価格の値上げが、農家負担とならざるよう特別な措置を講ずるよろ政府に要望せられたいとの動議であります。本動議のように政府に要望するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長代理 御異議なしと認めます。それではただいまの動議のように政府に要望するに決しました。 本日は、この程度にとどめまして、次会は明後二十七日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十五分散会