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7回国会衆議院1950/03/15

農林委員会 第15号

発言数
37
登壇者
7
会派数
5
開催日
1950/03/15

会議録

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 これより会議を開きます。  議事に入る前に議案が付託になりましたから御報告いたします。去る十一日内閣提出により開拓者資金融通法の一部を改正する法律案が予備審査のため本委員に付託と相なりました。以上御報告いたします。  この際委員派遣に関する件についてお諮りいたします。農林五公団のうち、食糧、食料品、油糧、各配給公団の滞貨とその処分状況、並びにその売掛代金とその回収状況等の調査の目的で、派遣期間は三月二十六日より三月三十日までの五日間といたしまして、その派遣地名は東京、大阪、神戸、名古屋、及び京都の各都市内に派遣いたしたいと思うのでありますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 御異議なしと認めます。なお派遣委員は五名とし、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 御異議なしと認めます。  それでは派遣委員の氏名が決定次第衆議院規則第五十五條により委員派遣承認申請書を議長に提出いたします。     —————————————

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 この際八木委員より発言を求められております。これを許します。

八木一郎自由党

○八木委員 提案があります。それは第二次吉田内閣当時の、第四国会の院議をもつて決定になり、その後懸案となつておりまする蚕糸価格安定立法措置についてであります。この問題は第五、六、本第七国会にも、議員間におきまして、かなり熱心に検討されて来た問題でありますが、最近、特に海外の情勢が、一昨年のリヨンにおける、国際絹業大会議決の線に沿いまして、本年十月十六日には、その第三大会が三ユーヨークに開かれ、世界生糸価格の安定に関して熱心な討議が展開される運びが動いておりますし、この蚕糸需要国際間の情勢は、三十四箇国の生糸の消費国から、熱心に関係方面にも要請されておりますところであるし、国内的には、この問題を憂えます全国八十万養蚕農民諸君が、連署をもつて、議員紹介のもとに請願運動が展開せられておるところであります。また議員間におきましては、蚕糸議員連盟等の会合をもちまして、これまた熱心に適切な立法措置に関して、研究が承ねられておる際であります。  一方関係方面におきましても、困難な実情はありますけれども、必要なる国際的な蚕糸民主政治勢力に呼応するために、何とかしなければならないという考慮が払われておることを聞き及んでおるのでありまして、この際、この問題の所管に当つております当農林委員会といたしましては、すみやかに適切な立案の措置をとられまして、過去一世紀にわたつて、わが国に発達して参つた世界的産業であるこの蚕糸問題に対しまして、これらの熱心な内外の要望にこたえる措置をとられんことを希望するのであります。これが具体的な方途といたしましては、当委員会に委員長の指名よりなりまする起算委員長一名、及び委員若干名を設けられまして、その手によつてすみやかに立案起算に着手を願いたい。これが提案の内容であります。御採択あらんことを願います。

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 ただいまの八木委員の提策の通り、小委員会を設置したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それでは設置することに決しました。  それから小委員及び小委員長は、委員長において指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それでは    青木  正君  小淵 光平君    寺本  齋君  中村  清君    松浦 東介君  八木 一郎君    石井 繁丸君  小林 運美君    山口 武秀君  吉川 久衛君を指名いたします。  なお小委員長には八木一郎君を指名いたします。(拍手)     —————————————

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 それでは農林行政に関する件を議題とし、その質疑を許します。山口武秀君。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 幸い農林次官が来ておりますので、お伺いしたいと思います。農林次官は、農林省において大臣の次に偉い人でありまして、ただ次官の席に坐つておるという人でないと思いますので、十分な答弁もできると思いますし、なおできなかつた場合には、大臣のところに聞きに行くという手もあると思いますので、ひとつ責任を持つてお答えを願いたい。この間三月六日の日だという話でありますが、総司令部の方から供出制度の改廃問題をめぐりまして、きわめて重大な指示がな、されておるということを聞いておるわけであります。この問題はきわめて重大であり、農林当局におきましても、何よりも国会あるいは農林委員会におきまして、十分その内容を説明し、それに対する政府の態度を説明するのが当然であろうと思うのであります。吉田内閣が、食糧問題において国内の自給度を高める方針をとり、これを基本として不足分を外国から輸入をする。このようなことは、しばしば言明したわけなのであります。ところが今回の説明におきましては、このようなことが実際上根本からくつがえされることになるのではないのであろうか。なあこれまでのいろいろな説明もありましたが、自給度を高めるという説明も、われわれといたしましては、きわめて納得しがたいものであり、これはとうてい納得できない性質のものであつた。なぜかと申しますならば、国内の自給度を高めるということを申しましても、一体国内の自給度を高めるような方針かどこに織り込まれていたのか。今回の予算案を見ましてもそのようなことはちりほどもなかつたと断言してさしつかえなかつたのではあるまいか。そういうような情勢におきまして、今回の指示がなされたとしますならば、なお一層大きな問題となつて参りますので、とりあえずこの点に関する御説明を次官からお願いいたしたい。このように考えるわけであります。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本政府委員 お啓え申し上げます。司令部方面から、現在、供出制度について何か新しい御意見が示されたのではないか、こういうお尋ねでありますが、実は正式な何らの覚書、その他をいただいたわけではないのでありまして、たまたま最近の食糧問題につきまして、農林省が連絡をいたします際に、お係りからいろいろな御意見としてお話があつたように実は聞いておるのでありますが、しかし今のように正式に何らの意思表示があつたものではないのであります。しかし今お話もございました通り、だんだん食糧事情がかわつて参つておるのでありまして、これらの面から考えますならば、今日の供出制度につきましては、十分検討しなければならぬことは申すまでもないと思います。かような意味において、食糧事情の変化に伴う今後におきまする供出問題というものは、ひとつ十分に掘り下げて、しかも実情に即するように持つて行かなければならない。かように考えておるのでありまして、ただいまのところ新しい考え方について、かわつた考え方というものをいたしておるのではありませんが、しかしいずれにしても情勢は刻々変化をしつつあるのでありますから、こういう点については、われわれとしても十分研究を今後といえども進めて行きたい、こう考えておるわけであります。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 ただいまの答弁によりますと、正式の指示があつたわけではない。そういうことになりますと、先般の新聞に掲載されましたような、供出制度のきわめて根本問題について先方からの指示はなかつたし、そこからの影響は受けるものでないのだというように解釈してさしつかえないかどうか、この点をお聞きいたします。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本政府委員 新聞等にもいろいろ報道されておるのでありますが、事柄は先ほど申し上げました通り、いろいろ再勢の変化によりましては、政府としても十分研究をしなければならぬ問題であります。しかしながら今日すでに昭和二十五年度産米の割当もいたしておりますし、雑穀の割当も現在行つております。さらにまたいも数の買上げ方針も大体決定いたしておるのであります。かような面においては、少くとも既定の方針で行くべきである、こう実は考えておるのであります。しかしこれはしばしば申し上げます通り、食確法も来年の三月末日をもつて、一応廃止になるのでありますから、それまでには明年度以降の問題については、十分研究をしてりつぱな成案を得たい、かように考えておるわけであります。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 私の質問することにもつと簡単明瞭にお答えを願えればよろしいのですが、それでは第一に三月六日付の総司令部からの指示というものにまつたく影響されるものがないというふうに見てよろしいのか。なおこれが正式の指示でも何でもなくて、今の答弁によりますと、考慮に入れてないとしますならば、先日の新聞の影響というものはきわめて大きな反響を巻き起しておりますから、政府として、あのようなことは何もない。あのようなものから来る影響は何もないのだというような、取消しの談話でも発表していただけぬものかどうか、その点をお尋ねいたします。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本政府委員 三月六日付と言われるのは、どういうものを指摘されておるのか知りませんが、例の新聞に一部報道されました肥料の関係と食糧の問題についてのマ司令部の見解は、三月九日の日に安定本部に参つておるのでありまして、この意味ではないかと思いますが、供出の問題について何も正式なお話は伺つておらないのであります。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 私のお聞きしておるのは、九日付の肥料と食糧の問題ではないのです。この六日付の問題といいますのは、本年の四月以降雑穀を供出制度からはずす、さらに秋以降早場米の奨励金、あるいは超過供出制度をやめるということ、それからなお小麦の問題、それから供出制度の全般的な改廃についての問題、このような問題について指示がなかつたかどうか。先ほどの答弁によりますと、そういうものはないという話ですから、そういうものについては、まつたく影響がなく進めて行くし、早場米の奨励金も出して行けることになるのか、あるいは超過供出の問題についても、特別価格の買上げという問題がとられるのか、四月以降において雑穀を供出制度からはずすというような問題も出て来ないというふうに、先ほどの説明から、受取つてさしつかえないのか、この点を実はお伺いいたしたいのです。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本政府委員 三月六日付で付何か司令部からの書面を受けとつておるかということでありますが、これはございません。なおまた先ほど申しました通り、輸入食糧の問題、その他に関連いたしまして、いろいろこれに対する司令部の見解と申しますか、これは必ずしもまとまつた意見ではありますまいが、一部の方にはいろいろ御意見はある。そういつた御意見も、われわれとしては一つの参考として、いろいろ今日の事態の推移に対します農林政策の立て方については、十分研究して行くべきだと思うのであります。しかしながら今御指摘がありましたような、細目にわたつての何らの御指示をいただいてない、こういう意味であります。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 そうしますと、先日の問題についての新聞の記事というものは、まつたく事実無根のものであつたというように解釈してよろしいかどうか。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本政府委員 新聞の報道を、一々承知いたしておるわけではございませんが、少くとも新聞は新聞のひとつの見方がありましようから、いろいろ意見は出ておるかと思いますが、農林省としてはさような具体的な問題を今日研究いたしておるわけではございません。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 この際特に主食の供出報奨用の衣料品の市場滞貨の問題について、安本、農林省、通産省の関係に伺つておきたいのであります。本月の九日参議院農林委員会において、この問題に対して農林大臣は報奨用の衣料代金の手形の不渡りが全国的に発生して、金融界にも非常に大きな影響を与えており、その金額は約十三億に上つておる、これをどう処置するかということに対して、これは政府の方で引受けて、その解除をするように全力をあげて努力する、こういう答弁を農林大臣はいたしております。さらに現物の引取り拒否の問題については、実際引取りされないで残つた品物については問屋とか荷受機関にこの品物を返品いたしましても、代金決済が問題になりますので、この処置については通産安本、大蔵とも協議いたしました上で、すみやかなる処置を講ずる、こういう答弁を九日にいたしております。しかしその後少しもこの問題は具体的に解決したことが発表されておりません。政府はこの問題を一体今日までどう処理をして来たか、また処理しようとしておるかという具体的な御答弁を願いたいのであります。御存知の通り、農村報奨物資が出されました後に、織物消費税とか、物品税とかいうものが改廃をされまして、その後に政府から計画的な放出がされましたために、衣料の価格は三割から五割低下をいたしておるのであります。報奨物資のうちでも、たとえば綿織物をマル公で五百五十四円か何ぼで払い下げて配給することにきめておりますのに、現在市価ではこれが三百七、八十円である。また作業ズボンにいたしましても、マル公が一着五百八十円くらいのものが現在は三百五十円以下に下つておる。綿織物が一反について約三割から四割方安くなつており、作業ズボンにいたしましても四割から五割方安くなつておる。この事実の上に立つて、政府は一体これをどう処置しようとするか、この問題は非常に大きな問題でございまして、全国の農業協同組合だけでも五十億からの品物をかかえて、そのうち約二十億近いものが現実に滞貨の状況になつておる。政府はこれを一体どう処置しようとするのか、この点について責任ある御答弁を願いたい。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本政府委員 ただいま井上委員からお尋ねのありました報奨用衣料品の問題についてでありますが、実はわれわれといたしましても、この問題の円満なる解決につきましては、日夜努力をいたしておるのでありまするが、いまだ早急な明確な結論を見出し得ないことははなはだ遺憾に存じております。二十四年産の米並びにかんしよの報奨用衣料品及び自転車等の製品でありまするが、これは大体原反にいたしまして七百万反、金額にいたしまして三十七億、さらにまた手ぬぐい、タオル等の製品でありますが、これらは金額にいたしまして十一億、大体かような見当になるのでありまして、総計いたしまして五十億見当のものが、今お話がございました通り旧臘来著しく経済事情が変化いたしまして、その間物品税、取引高税等が廃止されるに至りましたので、非常な変化を見たのであります。そのために、せつかく農林省が報奨用物資といたしまして配給をいたしたものが、十分消化されないで滞貨になつている、こういう事実、しかも大きな値下りがあり、また一方においては免税品が出まわつている。こういう実情のために出る、あるいは不渡手形が続出している、こういうような状態であります。これはわれわれといたしましても、何とかひとつこの際円満に解決しなければならぬ問題であり、かつまたこれが農村の骨格であります農業協同組合の財政状態に非常に大きな影響もありますので、何とかこれをすみやかに善処いたしたいと思いまして通産、大蔵方面等ともいろいろ連絡をいたしておるのであります。  そこでまず通産省の考え方でありまするが、これにつきましては、各都道府県の衣料品の荷受け機関及び衣料品の登録の卸商が振り出しましたもの、または裏書きいたしました商業手形の中で、先ほど申しましたような情勢の変化によつて代金の回収が思うように行かない。従つて決済ができないものにつきましては、特に慎重な態度でこれを扱つてもらうというようなことに実は考えておるのであります。さらにまた手持ちの滞貨品でありますが、これにつきましては、取扱い卸商に売りもどしをいたしましてその返品いたしましたものについては、別途何か金融の道を講ずる。それからいまの値下りに対します差損金の扱いでありますが、これは価格差益金と見合いましてこれを相殺するというような考え方であつたのであります。しかしながら先ほど申しまする通り、手形の処置にいたしましても、返品の問題にいたしましても、ないし値引きの問題にいたしましても、今申しまするような通産省の考え方でありますが、これを具体的に実行するという段になりますと、いろいろ問題が起つて来るのであります。  これに対します農林省の考え方といたしましては報奨物資はどこまでも供出に対しますお礼、感謝の点をもつて、実は農家に配給をいたしたのであり、また今後といえども農家に対します報奨物資の考え方につきましては、われわれといたしましても十分考慮しなければならない問題だと思います。何とかひとつ相当な値引きをしてもらうというようなことで解決したいものだと存じます。従つてこの値引きに対しますところの差損金に対しましては、国庫で負担する道はないかと存じまして、いろいろ関係各省とも連絡をいたしておるのでありますが、先ほど申しました通り、なかなか急速にこの問題の解決を見得ない状態でありまして、はなはだ遺憾に存じておるのであります。この問題の処置につきましては、なお一層の努力を払いたい、かように考えておるようなわけであります。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 政府がこの問題に対し努力をされておるという次官の御答弁は、われわれも了といたしますけれども、しかし問題はそういうのんきな事態ではない。次官も今お話の通り、この報奨物資は、政府が農民の労苦に報い、い、感謝の微意を表明したものでありまして、それがはなはだしく農民を苦しめ、農村のあらゆる機関を非常に混乱に陥れておる現状を考えたとき、すみやかなる適正なる処置を講じなければならない。ここで私ははつきり伺つておきますが、農林省としては、現在の価格を完全に引下げる。それからその引下げた差益金、高いものを押しつけられておる農民、農協がおりますから、その差益金は農民、農協に返しますか、この点をはつきり伺いたい。現在の価格を引下げるとして、引下げた場合その差益金は農協及び農民に返すか。第二はどうしても農民が金詰まりとまたは品物が非常に悪いというような関係から、現物を引取らぬ場合は、これを完全に問屋なり元の卸機関に引取つてもらうことができるかどうか。第三はこの間に生じますところの金融的処置は、政府で完全に責任が持てるかどうか。この三つについて、明確に責任のある御答弁を願いたい。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本政府委員 この問題を解決いたしまする前提條件といたしましては今日の実情が、どうなつておるかということを、事務的に把握することが最も大切なことであると思うのであります。従いまして今お話のありました通り、一体農家が引取らない、いわゆる配給拒否をいたしております滞貨が、どの組合にどれくらいあるかということもはつきりさせなければならないと思います。その次には、これが一体どの程度の値引きをすれば引取つてくれるかどうかという点が、第二の問題であろうと思います。第三の問題といたしましては、結局これを返品する。たとい値引きをしても追つつかないというものについては、これを返品するという手があるのでありますが、これを一体とのようにするかというような問題、さらにまた、現在すでに代金を支払つたものもありますし、未払いになつておるものもあります。こういつたものを事務的に詳細な調養を至急にやれということで、今さしずをいたしておるのであります。こういつた数字が出て参りますと、その数量もはつきりして参りますから、こういうものに対してはこのくらい値引きをしてもらうということで、実は当初考えておりましたものは、いわゆる最近の経済事情等を考慮いたしまして、予定価格の三割引程庭ではどうかというような考えをいたしておつたのでありますが、これも相手方があることでありまして、こつちだけが考えておりましても、なかなかそうは行かないのでありまして、ただ一概に三割と申しますけれども、三でもいけないものもありましようし、五割引いてもらつても、あるいは六割割引いてもらつてもだめだというものもあろうかと思うのでありまして、これらの点が非常にむずかしい問題であるかと思います。しかし一応通産省に対するわれわれの考え方としては、この問題を取上げて考えてもらうということでありますが、大体最近の情勢では、綿反物につきましては、一応現物を返えせ、というようなことにどうも大勢が向いておるのではないかというふうに思われます。しかしながら農協としましては、実際欲しいのだ、要るのだ、ただ値が高いからとれないのだということでありますので、この間の調整をしなければならぬというふうに思うのでありまして、けさほども実は当委員会に、非常に出席が遅れましたが、朝からいろいろ関係者の方が見えまして、陳情があり、要請があり、いろいろな話を聞いておりましたような始末であります。そこでもし値引きをいたしますと、その差損金を一体どうして出すかということでありまして、これは当然国が負担するというようなことになろるかと思いますが、一体その財源があうかということであります。先ほど申しましたように、通産省としては、差益金と差損金とを相殺するというような、ごく大ざつぱな考え方であります。そういうようなことも考えておるのでありますが、経理上から見まして、それもどうも妥当でないというようなことのようであります。そこで私はこれらの問題については、いずれ閣議でも早急に決定をしてもらいたいと思いまして、今資料を急速に収集いたしますように努力をしておるようなわけであります。  それから手形の問題でありますが、手形の期日につきましては、これはきわめて嚴正なものでありまして、これを一週間ないし十日間延ばすとかいうことは、ただ単なる申合せによつてできるはずのものではないのでありまして、これはこの際適切な金融措置を講じなければならないのでありますが、これもどうも大蔵省の方で即座にやつてくれない。ただ今のところでは、明確にはなつておりませんけれども、この事情を十分金融業者の方にも話しまして、きわめて短かい期間でがまんしてもらうというか、黙認してもらうというような形でやつておりますが、そのような彌縫的なことでは根本的な解決策ではありませんので、これらの点についても、すみやかに何らかの金融措置を講じまして、この手形問題も解決しなければならぬと思つております。いずれにいたしましても、資料が収集でき次第、閣議等において十分この問題を取上げて、根本的に解決してもらいたいと、実は考えておるようなわけであります。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 非常に説明がこまかく、御丁寧になり過ぎておりますが、私の聞いております重点に対して、はつきりと責任のある答弁を願いたい。簡単でけつこうであります。価格は一体現行価格に直すのかどうか、直すならば直すということをはつきりしてもらえばよいのです。御存じの通り、今度の措置というものは、まつたく政府の計画的な価格政策でありまして、前にもそうでありましたが、農民の報奨物資なら報奨物資の割当が終りますと、すぐあとで政府から大量の物を放出する。その結果市価がべらぼうに下る。農民はとんだものを抱かされたという不平の声がいつも起るわけです。特に本年は、報奨物資の割当が終り、これらの引当てが済みますと、前後二回にわたつて大量の放出をやつておるわけです。この放出によつて価格の下落を来し、また織物消費税、物品税が、当然引下げられるということがわかつておりますから、それを見込まなかつたというのは、まつたく政府の手落ちであります。この責任を農民にぶつかけ、農協にぶつかけてみてもしようがないのですから、現行価格を必ず政府は責任をもつて引下げる。それでも農民がどうしてもいやだという品物は、政府の方で引取る処置を講じなければならない。その間に起る金融的な措置は、政府の方でめんどうを見る。この三つの点に対して、明確にお答え願えれ、ばよいのです。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本政府委員 今日までのところ、値引きをいたします価格は決定をいたしておりません。従つてただいまはつきり申し上げるわけには行きかねるのであります。なお残品につきましては、大体返品するという方向に、先ほど申しました通り行くと思います。  金融の問題につきましては、極力努力をする、こういうことで御了承を願います。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 これは非常に大事な問題ですから、しつつこいようですが申し上げます。価格の引下げは今日まだはつきりしていない。もちろん何ぼに下げるかということについては、実際のいろいろな具体的市況の調査が必要でありましようし、これからどのくらい下るかという見通しも立てなければなりませんから、何ぼに下げるということは、今日嚴格に認められませんが、これに対する必要な資料が政府の手元に集まつたときに、そのときの市価の相場で必ずこれを引下げるのか、それとも引下げぬのかということなのであります。これは引下げなければならぬのです。あなた方は農林省を代表して来ておられるのですから、その点腹をもつて明確にしてもらいたい。

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 井上委員に御相談いたしますが、この点はきわめて重要ですから、ここで即答を求められいで、何日かの期間を設けて、よく大臣とも相談して、明確に御答弁を願うようにしたらいかがでしようか。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 けつこうです。

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 それではそのようにひとつ政府の方でもよく御調査をなさつて、確答なさるように方針を定めていただきたい。なお政府の方においても係り、担当者などとは、これは非常に前途の見通しを誤つておるような点があるようにわれわれも思うのです。実際地方に向かざるような物資を、いらざる商人などと結託して、むりしているのではないかというような疑いを、ぼくも多分に持つておるのでありますふら、そういう部下に対しても、その内容に対して徹底的にひとつ御調査をなすつて、その方面をしつかり明確にしてもらいたい。あまりに今の滞貨はひど過ぎる。われわれもしばしばこの問題に対して、こういうものは寒い方に向かぬとか、暑い方にはこういうものがいいとか、しばしば陳情したのにかかわらず、なかなか容易にきかぬ。そういう点は、遠慮なく部下の方を徹底的に御調査願いたい。

小林運美民主党(第九控室)

○小林(運)委員 ただいま委員長は珍しく政府を鞭達して、われわれもまことに愉快と思いますが……

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 珍しいことではない。たびたびです。

小林運美民主党(第九控室)

○小林(運)委員 これに関連しまして政府にお尋ねしたいのです。一体こういう衣料品の今回の値下がりを来した原因をよく考えてみますと、まつたく政府の見通しか誤つておる。繊維数の増産その他いろいろ経済的な事情から、繊維類が相当出まわつて来るということは、前からわかつておる。それに対して政府は何の用意もなくして、こういうような滞貨をして、しかもそれを全部農民に負いかぶせてしまうというようなことは、非常に私は政府当局の失態だろうと思います。さらに加えまして、私は先般公団の絹織物の払下げのことについてお尋ねしたいのですが、四千五百万ヤールというような莫大な繊維類、特に絹織物でございますが、かようなものを急に放出する。しかも値段は市価の半分以下というような無暴をされる。ところがそれに対して入札をやつてみると、その跡始末というのは、入札して引取ろうとしたところが、それをまた解約してしまう。それでさらにもし入札をして払下げをするなら、またその半分になつてしまうというふうな、まつたく無計画な方法をとられておる。しかもこの織物の放出が各方面に影響をもたらしまして、特に蚕糸業には重大なる影響を及ぼしておる。その重大とは一体何かというと、当然日本の経済上とれるべき外貨が、日本の国内の政治のやり方が悪いために、全然とれないというような結果をもたらしております。それは御存じのように、生糸の値段を非常に圧迫いたしまして、当初十四万円ぐらいしておりました生糸の値段が、現在は十一万円程度になつております。当然十四万円程度に外国に売れて行きまして、外貨がとれるものが、国内のそういつた政治のやり方一つで、出したり引込めたりしている間に、どんどん糸価が下つて行くというようなことから、外貨がとれない、こういうような結果になる。現在われわれは外貨を非常に必要としている。食糧を買うにしても外貨か必要なのだ。その外資を、ただ国内の政治のやり方がまずいために、少くしておる。これは非常に政府の失態だろうと思う。こういう問題を農林省あるいは政府は、どういうふうに処理されるか。今後この問題は、ほつたらかしておきますかどうか。先般この問題について、われわれ蚕糸議員連盟は、政府の各機関に集まつていただいて、いろいろ対策を練つた。その後一体どうなつておるか。次官もそのときには出席されて、あの問題をよく御存じなはずですから、この結果がどうなつたか、はつきりお答えを願いたいと思います。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本政府委員 報奨物資の考え方につきましては、先ほど申し上げた通りであり、なおまた今年度におきましても、十一月、十二月におきましては、農協方面からもぜひ自分の方で扱いたい、また一日も早く出すようにというふうな要請があつたのであります。もちろんその中には、今委員長からも御指摘になりましたが、あるいは農村に小画きのものがあるとか、あるいは著しく品物が粗悪であるとかいうようなものがあつたかとも思いますが、ともかく報奨物資は、農村としてはぜひほしいということであつたのでありまして、既定の方針によりまして一応これを配給いたしたのであります。しかしながらたまたま御承知のように、物品税ないし取引高税等も廃止される結果になり、しかも無税品が非常に早く一般に出まわつて来たというようなために、先ほどお話がありましたような事態を惹起いたしたのであります。この点につきましては、政府といたしましても、十分責任は感じておりますが、しかしながら経済事情が普しい変化をしたというところには、多少の目算の違いもあつたかと思うのであります。いずれにいたしましても、この問題につきましては、極力すみやかに、一日も早く解決しなければならぬと考えております。  なお今お話がありました滞貨品の処分の問題でありますが、絹織物にいたしまして四千五百万ヤールのものを放出するかしないか、しかもその時期はいつにするかというような問題があるのでありまして、関係方面におきましては、一日も早くこれを処分すべきであるというようなきついお指図もあるのでありまして、いろいろ安本あるいは通産省あたりではこの問題を研究されておるのでありますが、農林省といたしましては、今お話がありました通り、これが蚕糸業界に及ぼします影響を考慮いたしまして、少くとも一時にそれだけの大量のものを出すということについては、その影響はきわめて恐るべきものがある。かように考えまして、何とか時間的にずらしてもらうようにという要請を、実はいたしておるのであります。なお海外事場におきまする影響等も考慮をいたしまして、先ほど八木委員からも御提案になりましたが、いわゆる糸価の安定ということつきましては、今後というえどもさらに一層確固たる対策を立てなければなるまい、かように考えておるようなわけであります。いずれにいたしましても、業界に与えます悪影響というものにつきましては、極力これを回避したいと考えておりまして、関係各省とも実は連絡をいたしておるような次第であります。

小林運美民主党(第九控室)

○小林(運)委員 次官のおつしやることは、われわれ考えておることで、だれもそれについて異論はないのであつて関係方面といろいろ折衝しておるというふうなことでぐずぐずしておると、もう三月も終つてしまうというようなことから、向うから言われてておることの期限も来るし、大体の見通しとして、あなた方はいつごろまでにその問題を解決するのかということが、非常に重大な問題なのである。これは時期の問題である。とにかくあれだけの厖大なものを持つておるということ。そのことが、市場を圧迫することは事実なのだけれども、政府が責任を持つて、いつごろどのような計画で、どういうふうに処理するのだという計画を早く立てることが、市場にもまた一般経済界にも与える影響がはつきりしまして、この窮局を乗り切ることができるのですが、ただ何とかしたいという考えでおることは、だれでも考えられる。政府がこれをやるには責任がある。その責任をいつごろ、どうやつてやるかという具体的の方法を、また考えをはつきり承りたいのです。

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 小林委員、ただいま小林委員からの御意見は、先刻井上委員も私からも申し上げて、一応ときを定めて、そうして政府の方でも各省にわたつておるからほんとうに決定したことを承わることにしておきましたから、それで御了承願います。

吉川久衛国民協同党

○吉川委員 私は委員長の御意見に賛成するものでありますから、多くは申しませんが、坂本政府委員は農政に関しては非常な権威であられるので、しかも各方面からの陳情をお聞きになつておられ、事情に精通しておられますから私が多く語る必要はございません。委員長の言われたところでは、日を定めてひとつ御返事をしてもらおうじやないか、こういうことでごさいました。それについて、この問題は緊急を要しますので、ただ漫然と日を経過されては困るのであります。できるだけ早くこの問題をはつきりしていただきたいということを申し上げたいのであります。政務次官がストツクの状況等を調査して、それから対策を立てるというようなことを申されましたが、調査をされることは、もちろん必要でありますが、それと同時に、これは経済の変動によつてこういう結果が来たということを、繰返し次官は言われますけれども、ただそれだけではないのです。ドツジ・ラインを強化すれば、当然取引高税その他の諸税を改廃するというような問題が起きて来るのです。そうすれば、必然的にこういうものが値下りをする。しかも政府は一万数千ヤールの綿布の放出をいたしております。こういうことによりて非常な値下りを来すことは、これは当然なのでありますから、政策的にこういう結果が現われているというところから、政府は十分な責任を感じてていただかなければならない。従つてこの問題の解決には、各方面から、これはひとり農業協同組合だけではありません。業者関係も同様の状態にあるわけでありますから、その点は通産省ともお話合いは十分できるわけであります。次官の先ほどの各省との交渉の経過を承りますと、きわめて手ぬるいような事情を私たちは看取したわけであります。どうかもつと御熱心に、猛烈にひとつ御交渉をやつていただきたいと思います。そうしてできるだけ早い期間に、この結果をはつきりして御公表を願いたいと思います。その点を要望いたしまして私の発言を終ります。

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長 吉川委員の御要望の通りに、大臣に直接会つて、最も短い期間のうちに御返答受けるように努力いたします。  安定本部の伊藤報奨物資課長並びに通産省より衣料課員の楠岡説明員等が参つております。実は局長の御出席を要求したのでありますが、しかも十一時過ぎてから政府委員が参るようなだらしのない限りを盡しておりますから、これでは質問者もないようでありますから、十分警告を申し上げて責任者に次の機会に御出席を願うように、委員長からとりはからいます。  それでは次会は公報をもつてお知らせすることにして、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時五十三分散会

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