電気通信委員会 第3号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/01/27
会議録
○辻委員長 これより会議を開きます。 前会に引続き放送法案、電波法案及び電波管理委員会設置法案の三案を一括議題とし、審査を進めます。 これより質疑に入ります。質疑は通告順にこれを行います。橋本登美三郎君。
○橋本(登)委員 大臣にはあとで御回答願いますが、とりあえずお聞き願います。主として本日は放送法案について質疑を行いたいと思います。できれば放送法案のごとき、いわゆる法律的な措置を行わないで、従来新聞等が行つておるように一種のプレス・コード、ラジオ・コードのようなものを嚴正に規定していただいて、それによつて行われることが一番妥当と考えるのでありますけれども、本放送法案が提案になつた事情について、大臣からあとで御説明願いたいと思つております。 主として逐條的に二、三のことをお尋ねいたします。大体においては法案なるものが、比較的に綿密に規定せられておつて、その間においてのあやまちは少いように考えるのでありますけれども、ただ條文二、三について見ても、その間において非常に不明瞭な点が感ぜられる。第一に、第四條の「放送事業者は、請求を受けた日から二日以内」ということは、真偽が判明してからの二日以内であるか、もしくはただちに誤報であることを本人もしくは第三者から提示せられた場合においては、それをもつて以後二日以内においてそれの誤報を放送しなければならぬのか、その間の事情について御説明願います。
○網島政府委員 この法案の意味は、放送協会あるいは放送事業者が、請求を受けてから二日以内ということでありまして、今お尋ねのように、真偽が判明してから二日以内という法案の意味ではございません。そこで私どもの二日以内というように考えました理由といたしましては、ここにもございますように、放送事業者が真実でない事項の放送をした場合ということでありまして、そのときにだれがその真実でない事項の放送をしたかどうかということの判断につきましては、第一次的には、これは放送した者が判断をするのであります。従いましてこの請求者が明らかなる事実をもつて、客観的な事実をもつて、間違つているということが立証できるような場合には、これはこの法案におきまして、放送は真実でなければならないということの趣旨に基きまして、できるだけすみやかに放送事業者は、この訂正の放送をすべきであると考えるのであります。ところで問題になりますのは、それが事実であるかないかということの判断に相当なひまがかかるではないか。それを二日以内にやれということはむりであるということが出て参ります。しかしながら放送事業者が自分の放送が真実である、そうして請求者の立証も、事業者の真実なりという信念をくつがえすに足りないというふうに考えました場合には、この訂正放送はしなくてもよろしいと存じております。この第四條に関しましては、あとに罰則がございます。但しこの罰則は、放送事業者が明らかに真実でないということを知りつつ放送した場合、あるいはその請求者の請求が非常に確実である、立証が確実であるということがわかつているにもかかわらず、その訂正放送をしないという場合の罰則でありまして、刑法の総則にもございますように、犯意のない、すなわち当然行うべきものを故意に行わなかつたという犯意のない場合におきましては、罰則が適用されないのであります。一方一般国民の側から見ますると、間違つた放送をされた場合には、できるだけ早く訂正してもらいたいのでありまして、それが一週間も十日もたつてからということでは、もう世間の人は忘れてしまう、そのときに訂正放送しても役に立たないということもございます。現在は効力を失つておりまするが、新聞紙法におきましても、訂正の請求があつた場合には、できるだけ早い次の発行の新聞紙で、それを載せなければいかぬということも規定されておる次第でありまして、私どもは国民側としては、こういうことを希望するのではないかというふうに考えたのであります。さらにこの二日を五日にする、一週間にするということになりますと、はたしてどのくらいが妥当であるかということが問題になつて参ります。ものによりましては、なかなか一週間や十日でもその真偽の判断がつかないという問題も起つて来るわけでありましようし、いろいろこの期間には問題が起ると存じます。従いましてできるだけすみやかにということでは、あまりに抽象に過ぎますので、二日にした次第であります。
○橋本(登)委員 大体の御説明の趣旨はよくわかつておりますが、第二項の「真実ではない事項を発見したとき」という場合と、「真実でない事項の放送をした場合」というのは、その意味において相当な相違があると思います。これは放送事業社、いわゆる放送者の方が、その事実が真実でないということをみずから自分の良識において発見した場合は、当然早い機会において訂正することが義務でありますけれども、あとの場合においては、初めから虚偽であることを放送したのではなくして、真実と考えて放送したことが、本人または直接関係者によつては、それは誤報である。しかし放送事業者の方では、これが誤報であるかいなかを確かめ得ない。こういう事実の場合における実情だろうと思うのであります。そういう点から考えると、單に放送業者が真実であるという信念のためをもつてのみ、請求を受けてもなお訂正しない。この條文からいえば、請求を受けてもなお訂正の放送をやらないで済むということにはならぬのではないか。一応この條文の建前からいえば、それが自分の方で十二分に確め得る余裕でないにしても、本人から一応の証拠をつきつけて、そうしてこれが誤報であるということを言うた場合においては、当然放送事業者としては、取消しの放送をしなければならぬという規定のように、われわれは解釈するのであります。こういう場合において、一応被害者側の証拠というものが有力なるものであることは十分わかるのでありますけれども、なおそれが、責任をもつて放送した側において、十二分に確める余裕を與える。従つて放送事業者の方においても、これが誤報であつたという認識のもとにおいて誤報を訂正するというのには、どうしても二日間という期間では、十二分でないのではなかろうか。もちろん五日とか一週間ということが、はたして妥当であるかということは別問題でありますが、他の適当な方法を考えるべきであるというように考えるのであります。いずれこの問題については次の機会において再度御質問申し上げます。 次の点は、これに関連しておりますけれども、最近日本放送協会から放送したニユースその他の事件が、地方新聞によつて、NHKの報道によればということで、報道をする場合があるように聞いております。この場合においてもしこれが誤報であつた場合においては、その出処はNHK放送によると書いておりますが、新聞社のその誤報に対する責任は解除せられるものかどうか。 それともう一つ、直接関連があるから続けて申し上げますが、第六号の「放送事業者は、同意を得なければ、他の放送事業者の放送を受信して、その再放送をしてはならない。」とありますが、新聞が活字としてこれを採録する場合おいて、この條文に触れるかどうかという点について御質問申し上げます。
○網島政府委員 最初の御質問は、放送協会の放送を新聞が採録いたしましたときに、もしもその内容が誤報であつた場合の責任はどうかというお話だつたと思いますが、御承知のように現在この放送の番組につきましては、政府は一切関與できないことになつております。従いまして放送協会の報道が誤りであつたかどうかということに関しましては、政府は直接には関與できないのでありますが、今御質問の新聞がそれを取上げて、しかも内容が間違つておつたという場合の責任に関しましては、新聞に採録することに関して、放送協会と新聞社との間に契約があつたかどうかというような問題、またその記事の提供をした放送協会と新聞社との間にどういう契約が行われておつたかという、その契約の内容の問題、こういう問題できまるのではないかと存ずるのであります。御承知のように現在は新聞紙法も効力が停歩されているような関係もありまして、法規的にはこれがどうなるかということは、現在私ははつきり知つておりませんが、もしも必要がありましたならば、私どもでできるだけ調べましてお答え申し上げます。
○橋本(登)委員 その点少し私の質問が、あるいは不明瞭であつたかもしれませんが。契約によらずとも、現在はラジオの放送を新聞で採録することを実際上は行つておるのでありますが、この法案におきましては、新聞が活字として放送を採録することについての、禁止事項がないと考えるのであります。第六條は放送事業者関係でありますから、放送事業者の間においては、それを受信し、または再放送する場合には、契約がなければならぬのでありますけれども、これが雑誌及び他の新聞社がこれを採録するについては、大体においてこの法規には触れるところがなかろうと思うのであります。そういう意味において、放送の方は誤報した場合においては罰則を受けるけれども、新聞の方においては、目下新聞紙法が停止されている関係上、これが罰則を受けないということになるようであります。もちろんそれがNHK放送によればというような、出処を明らかにしておらない場合においては、新聞社單独の責任でありますけれども、そうではなくて、契約があるとないとを問わず、出処を明らかにして書いた場合において、その責任をも放送事業者が負わなければならぬかどうか。そういう点を今お聞きしたわけであります。
○網島政府委員 お説のように、この放送法は新聞社を拘束しておりません。しかも新聞がどういう方法でどういうところから取材をするかということは、まつたく自由であります。しかし新聞はやはり新聞としてプレス・コードを持つておりまして、それによつて技術的にやつておるわけであります。従いまして、もしもこの放送協会の放送を引用しまして、新聞社が誤報をしたということになりましても、この放送法におきましては、新聞社を云云するということはないのであります。
○橋本(登)委員 大臣が御出席でありまするので、大臣に根本問題についてお聞きいたします。先ほど申し上げたのですが、新聞及び放送事業というものは、大体においてその性格は類似のものである。従つて新聞においてはプレス・コードによつてその性格がきめられておると同様に、放送事業においても、機械その他の認可についても他の方法によつて行うことができるのでありますから、その放送の性格というものについては、一種のラジオ・コードのようなものをつくることによつて、あえてこうした法案をつくらなくても十分ではないかと考えるのでありますが、なおこういうふうな法案をつくらなければならなかつた事情について、御意見をお聞きしたと思います。
○小澤國務大臣 これは他の機会にもお話申し上げました通り、大体放送に関する問題は、ある程度の放送の自由という点から、放送者自身の自律によつて、あえて法的制限を加えなくてもけつこうじやないかという趣旨もあるのであります。しかしながら現在のいわゆるプレス・コードのように、やはり一般国民から見ますと、何らかの制限を加える法律が必要だという輿論の方が多いのではないかと思います。なるほど新聞紙と比較して、類似のものであるから、新聞紙に対して制限を加えない以上は、放送に対しても制約を加えないでもいいのじやないかという御議論がありますが、むしろ私はある範囲内においては、やはり国民全般の利益のために、新聞紙法というようなものがあることが望ましいのではないかというふうに考えております。従つて新聞と類似の放送に対して放送法を先に出して、新聞紙をうつちやつているという点がないでもありませんけれども、むしろやはり将来新聞紙法というようなものができることを期待し、またできるのじやないかと思います。但し戰前の新聞紙法のような姿ではもちろんないのであります。新しい民主国家にふさわしい新聞紙法というものは、やはり将来できるのじやないか。またつくることが、国民大衆の要望にこたえるゆえんではないかというように考えておりますが、一応橋本君の言われることは、新聞紙は制限しないでおいて、今放送だけを制限するのは、片手落ちではないかという御質問であります。同時に出なかつたことは遺憾でありますが、むしろまず放送法で行きまして、次に新聞紙に対する新しい法案というものが考慮されて行くのではないかと考えております。
○橋本(登)委員 大臣の御答弁で大体了承いたしました。 続いてこまかい点でありますが、第九條の六号に「ニユース及び情報を他人に提供すること。」とあります。これは成文者にお答え願いたいと思いまするが、これはラジオにおいてニユースを放送する、あるいはそのニユースを放送するがための取材として、他人から提供を受ける、こういうことを意味すると思いますけれども、同時にこの條文から言えば、広く解釈すると、ニユース及び情報を他人に提供するということから、日本放送協会が他の新聞社もしくは傍系の新聞社と特殊な契約を結んで、そうした新聞社類似の事業を行い得るような條文にも、解釈できると思うのであります。この点立案者としては、そういう方面には関係なく、要するに放送上の必要によつてのニユースの報道及びこれが材料の取材ということに、大体限定的の意味合いであるか。まずそうしたいわゆる付属的な事業も行い得るというような観点のもとに、第六号の「ニユース及び情報を他人に提供する」ということが規定されたのか。この点明らかに御説明願いたいと思います。
○網島政府委員 今の御質問にお答えいたします。この御質問に関しましては、第九條の最初にありまするように、「協会は、第七條の目的を達成するため」という一つの限定した條文があるのでありまして、第七條の目的は、あくまでも放送協会が放送を通じて、公共の福祉のために盡すということでございます。従いまして、ただいまのニユース及び情報を他人に提供することによつて、一つの新聞社あるいは通信社のような機関となるおそれはないかということかと思うのでありますが、今の目的から申しまして、放送協会がこの第七條の目的をはずれて、大規模にこういう仕事をするということは考えられないのであります。それからまたこの第三項にございますように、「協会は、前二項の業務を行うに当つては、営利を目的としてはならない。」という、これもまた非常に限定した言葉がございまして、これらによつて今お尋ねのような心配はないものと考えております。なお協会は、以上の目的を達成するために、自分みずから若干のニユースを集めることは当然であろうかと存ずるのでありまするが、その場合にほかからいろいろニユースをもらう、そのときにそれと交換の意味で、自分の集めたニユースを提供するということは、協会の目的を達成する上において、協会の事業をやりやすくする上において、必要なことかと存じておるのでありまして、先ほど出ましたような弊害が除去されるといたしますならば、これは私どもとして当然しかるべきではないかと考える次第であります。
○橋本(登)委員 今の説明で、目的が放送にあるのであるから、従つて利益のために他人に情報を提供することはあり得ない、こういうことでありまするが、最後の方の御説明の中に、放送上に使うニユースを第三者からもらうがために、それと交換的に放送局の持つている取材網によつてとつたものを、その第三者に交換としてやり得ることがあるかもしれぬ、こういうことでありますが、その点が相当大きな問題ではないかと思うのです。たとえば放送協会の取材網というものは、現在ではそう広汎なものではないのでありますから、従つて遠隔の地におけるニユースを收集するために、特殊の地方の新聞と提携するということも可能である。もちろんこれがために、放送局のニユースを金によつて換算するということはあり得ないでありましようが、お互いにニユースの交換という建前から、そういうものにニユースを提供するということになれば、いわゆる一部の業者に取材上の利便を提供するという結果になりはしないか。われわれは條文上の解釈は、そういうように広汎に解釈しないで、ニユース及び情報を他人に提供するということは、放送を通じてニユースを受信者に提供するという意味に解釈しておつたのですが、そうではなくて、それがためにもう少し広くそういう方面に仕事ができるということが認められるということになれば、この点やはり大きな問題になろうと思いますので、もう一応この点を明らかにしていただきたいと思います。
○網島政府委員 この條文の主旨は、單に放送のみを通じて他人に提供するということではございませんで、先ほど御説明いたしましたように、ある場合には交換的な意味をもちまして、ニユースそのものを他人に提供するという意味であります。そこでこれによつて起るところの弊害につきままして、ただいまいろいろ御注意がございましたが、私どもといたしまして先程ほど御説明したことに敷衍いたしましてさらに申し上げますと、協会の事業は、全国八地区から集まつた経営委員会によつて、管理統制せられておるのでございまして、これらの方々は、社会の各分野から集められた非常に常識のゆたかな、経験の豊富な方だと思うのでありますが、そういう方々が集まつていろいろおやりになることでありますから、この第七條の目的をあまりに広義に解釈して、今御心配になるようなことをするということは考えておりません。また協会の事業計画、收支予算、そういうものは毎年政府を通じて国会に出しまして、国会の承認を得ることになつております。従いまして今お話のように、この協会の本来の分野を逸脱してそういうことをやるということになれば、そういう機会に十分これを訂正し得るのではないかということを考えておる次第であります。
○橋本(登)委員 今ちようど国会問題に触れましたから、この放送法案中の最も重要な部面ですが、その面についての御質問を申し上げます。この放送法案のいわゆる官僚的である、あるいは非常に屋上屋を重ねている、こういうような感じが強くするのは、経営委員会の設置は、当然経営本体としてやむを得ないにいたしましても、この経営委員会が監理委員会の監督のもとに仕事をするということだけでも、相当に官僚的な色彩が濃厚であるにかかわらず、なおその上にこの放送協会の事業、あるいは予算、計画、一切のものが国会の承認を得なければならない、こういうような規定になつておるようでありますが、この点については、なるほど国会は民主的な機関の最高峰であるから、その国会の審議を受けるということは、形式的には民主主義的な運営の方法であるような感を抱かせるのでありますけれども、実際問題として日本放送協会の財産は社団法人として今日まで築き上げられて来たのであつて、必ずしもこれは国家予算とも申しにくい。にもかかわらず、一応法律によつて——この條文によるとこの点も問題でありますが、聽取料を法律によつてきめて、そうして固定化するということも、運営上から見てももちろんこれは問題でありますし、同時にそれほどまでに国会がこういう問題に関與する、一種の行政上の仕事にまで、具体的な民間の仕事にまで関與することはどうかと考えるのでありますけれども、この上から考えますれば、この監理委員会の設置は当然必要であるにいたしましても、なおその上において国会の承認を経る、あるいは事業計画を出す、こういう点まで国会がこれに関與するということは、ややもすれば最近行政機構が一種の独立的な傾向を幾つも持つて来ておる。御承知のように教育委員会があり、あるいは公安委員会かあつて、行政がややもすれば多岐にわたりつつあるという傾向から見ても、なおその上にこうしたものまで国会の責任において行わしめるということが、はたして妥当であるかどうかということについては、われわれは非常に疑問に思うのであります。のみならず、そうすることによつて民主的に運営せられるという考え方が、あまりに公式論ではないか、この点当局においてはもつとこれを簡素化して、少くとも最高の監督機関は監理委員会をもつてする。それ以上にはこれを持つて行かない。しかもこの経営委員会なるものは、総理大臣によつて任命せられて、なお国会の承認を経なければならぬということになつておるのでありますから、それらの人に多くの権限を與えて、国会がこまかい点まで監督の責任を持つようなこの法案についての御意見については、なお相当修正すべき余地があると思うのですが、これについての当局の御意見を承りたいと思うのであります。
○小澤國務大臣 今橋本君のお話のあつた御見は、きわめて尊重しなければならぬ御意見たと思つております。従つて政府が本法案を立案するにあたりましても、今橋本君の御所論のような有力な御意見があつたのでありますが、諸般の事情から、結論において本法案を出すに至つたのであります。しかしこの問題につきましては、今申し上げました通り非常な意見のわかれるところであります。しかしながら私どもはこの條項を、一般国家の予算と同じではなくて、総括的にただ承認を得る、従つて修正とか何とかいうものは、一般官庁の予算のような、非常に詳細な御審議を願う意味でなくして、国民からとつた聽取料のむだづかいがあるかないかという点を、大ざつぱに承認を求めるという趣旨で一致をいたしたのでありますが、しかしながら今お話のように橋本君の御意見は、この放送事業というものを官僚化すると申しましようか、国実であまり干渉し過ぎて、かえつて放送の持ついわゆる放送の自由というものを、阻害するおそれのあることはごもつともでありますので、この点につきましては十分考慮して、運用に当りたいと考えております。
○橋本(登)委員 今大臣のお話を聞きますと、当局においてもこの点については愼重なるお考えがあるようでありますが大問題でありますから、この点は他の委員からもいろいろの御質疑があろうと思いますし、あらためて委員間同士においてもこの問題を取り上げて、具体的な研究をしたいと思つております。従つて詳しくはいずれ機会を見て御質問申し上げることといたしまして、その間簡單でありますが、この経営委員会のメンバーの中に、委員となることができないというところに四つの政党の役員というのがありますが、この点政党の役員ということは非常に漠然としておつて、どの程度のものを政党の役員とお考えになつておられるかどうか。しかも「委員の任命については、会長を含め五人以上が同一の政党に属する者となることとなつてはならない。」こういう意味で、政党人の全面的に入つて来ることを防いでいることは当然でありますから、けつこうでありますけれども、少くとも五人以内は政党関係者が入ることは認めているようでありますから、従つて政党員がこの経営委員会のメンバーに入り得ることもありますけれども、その場合においてこの政党の役員なるものが、どの程度のものを解釈しておられるか。たとえば大臣もしくはそれに準ずる程度のものをもつて政党の役員、あるいは党の総務級をもつて役員とするか、その点の規定がある程度内規として明確でなければ、いろいろな意味において弊害が起きると考えるのでありますけれども、この立案者は、政党の役員をどの程度考慮に入れてのお考えであるか、その点御質問申し上げます。
○小澤國務大臣 この法文は国有鉄道法か何か、その他の法律にも同じ文字を使つておりますために、今のように政党の役員とは、本部の役員だけをいうのか、地方県連あるいは町村の役員もいうのかという点については、問題になつております。大体この法律の解釈については適用はできませんが、鉄道の法律については、いかなる支部の役員でもやはりこれに入るというような解釈が行われているようであります。しかしこの適当かどうかという問題につきましては、これは一つの私法的な考えになりますので、私どもといたしましては一応いかなる地方の役員もそれに入ると考えております。
○橋本(登)委員 残余の質問は次会に讓りまして、これをもつて一応打切ります。
○江崎(一)委員 私は主として電波法についてお伺いしたいと思います。 まず第一番目に、この立法過程において、特に船舶関係の労働者がこれに相当大きな関係があるということで、労働者諸君の意見を十分に参酌して立案するのだということになつて、お互いの間での了解がなされて、これが立法を行われておつたのであるけれども二十四年の四月ごろからぷつつりこの連絡が断たれてしまつた。そこで労働者も一緒にこの立案過程について、いろいろ意見を述べられるようにということの申入れをいたしましても、いや諸君の要求はすでに考慮されているのだからという理由で、その約束をほごにしてしまつた。ところができた法案を見てみると、その危惧しておつたことが如実に出て来た。そういうわけで、電波が非常に混乱している状態でありますが、そういう点について政府は労働者諸君と約束しておきながら、それをほごにしてしまつた。これは一体どういうことであるのか、その間のいきさつをひとつお話願いたいと思います。
○小澤國務大臣 今江崎君お話のように、労働団体とそういう契約をした事実はありません。しかしながらいやしくも立法に際しましては、労働者の意見も、その他の階層の意見も、あらゆる意見をしんしやくして結論に達したのであります。従つてもし労働者の意見を取入れてなかつたという御認定でございまして、新たに皆さんの考えている点と労働者の意見はこうなんだという見解が違いますれば、これはやむを得ませんから、国会で適当にその意見を取入れて、修正なり何なりされることには決して異議はありません。
○江崎(一)委員 次に、国際電気通信條約に関する今までの経過について、綱島さんから御説明願います。
○網島政府委員 この国際電気通信に関する條約といたしまして、国際的にその必要が認められましたのは、無線の問題からでありますが、事の起りは、はつきり年代は忘れましたが、マルコニーが無線通信を発明して以来、間もなく英国においてマルコニー会社ができ上りまして、みずから海岸局をつくると同時に、船主と契約をして、契約した船主にその会社の無線機を売り込んだのであります。そうして海上のいろいろな遭難その他輸送の問題等について、契約した船と自分の海岸局のみが通信をするということを始めたのであります。これに若干遅れまして、一方ドイツにおいてテレフンケン会社がやはり無線の機械をつくり始めて、同じようなことを始めました。ところが海上における人命の安全という問題は、一つの営利事業として、会社の営利の目的のみにこれを終始させるのではないのでありまして、あまねく人類の幸福と安寧という点から、これを考慮すべきものであるということから、いかなる会社の無線機であろうとも、海上におけるところの船との通信は、これは義務的にやらなければならないというふうにすべきであるということが、国際間に問題になりまして、これがこの電気通信條約の最初に起つた理由であります。そこでベルリンでこの会合が催されて、ベルリン條約というものができ上つたのでありますが、それ以来無線技術の発達に伴いまして、電波の応用分野がどんどん開けて行き、各国はその電波を使つて、どんどん放送なり通信なりを始めるということになつたのであります。そうなつて参りますと、ここに混信という問題が起りまして、いかにしてこの混信を避けるかということが、無線通信の秩序を保つ上において非常に大事な問題になつて参りました。そこでその後一九一二年にロンドン、あるいは一九二七年にワシントン、一九三二年にマドリツドというふうに、引続き三回の條約会議が行われまして、ここにおいて各国がいかに電波を使うかということをきめたのであります。これと同時に、海上におけるいろいろな無線の運用の方法等につきましても、国際的のとりきめができるようになりましたし、また無線ばかりではなく、有線の面におきましても、それぞれ海底ケーブルその他を通じて、国際通信が始まつて参りましたので、それらのことも加味して、これらの條約ができて参つた次第であります。ところで條約は五年ごとに改訂する。再審議をするということになつておるのでありまするが、たまたま戰争が起りまして、しばらくとだえておつたのであります。ところで戰争が終りまして、一九四七年に戰後最初の條約会議が、アメリカのアトランテイツク・シテイーというところで催されまして、現在のアトランテイツク・シテイー條約というものができ上つたのであります。このアトランテイック・シテイー條約は、大体において従来のマドリツド條約を踏襲しておるのでありますが、この戰争中に発達したところの電波の応用分野を考えに入れまして、その條約の対象とする範囲が非常に大きくなりましたことと、いやしくも国際混信を起すような波長の割当は、ジユネーブにおきまするところの周波数登録委員会という委員会にかけまして、そこで各国の調整をはかつた上できめるということにかわつた点が、非常に大きな点でございます。
○江崎(一)委員 この国際電気通信條約に、日本は正式に参加したのですか。その辺のいきさつをもう一回お話し願いたいと思います。
○網島政府委員 御承知のように現在わが国はまだ非占領国でありまして、外交権も持つておりません。従つて正式に外交機関を通じて、條約その他を云々するということはできないのでありまするが、幸いこのアトランテイツク・シテイー條約がきめられる際におきまして、日本とドイツの問題がいろいろ議論されました。條約の第一條、第二條にありまするように、本来ならば條約に加入できる国は、国際連合の一員でなければならないということが規定されておるのでありまするが、日本とドイツに関しましては、その付属議定書によりまして、たとい国際連合の一員とならなくても、権威ある当局が適当であるということを認めて仲介の労をとるならば、その加入を認めるということになつておるのであります。その付属議定書の條文に従いまして、昨年一月わが国は連合軍司令部の仲介によりまして、正式にこの條約に加入することを申し込んだのであります。ところがこれに関しまして権威ある当局ということにつきまして、各国間にいろいろ議論が出まして、ある国はこれは極東委員会である、ある国は管理理事国会議ではないかという意見もあつたようであります。そこでしばらくきまらなかつたのでありますが、昨年の八月、九月にかけて開催されましたところの管理理事国会議、これは條約と條約との中間におきまして、国際間の條約に関する重大な問題を審議決定する機関でございますが、この十八箇国からなるところの管理理事国会議でもつてこの問題が取上げられまして、その結果多数決をもつて、日本の参加は合法的であるということが決定いたされました。従いまして現在日本は正式の国際電気通信連合の一員でございまするし、この條約に加入しております。従いましてこの條約に関する一切の義務も履行しなければなりませんが、それと同時にこの條約に規定せられた利益も保護されておるわけであります。
○江崎(一)委員 その間に非常な国際的な微妙な問題があつたと思うのですが、その内容をひとつぜひ話していただきたい。
○網島政府委員 先ほど申し上げましたように、わが国は国際問題につきましては、條約その他発言権がございませんので、内容につきましては私ども一切存じておりません。従いましてここで御説明申し上げることができないことを遺憾と思います。
○江崎(一)委員 去年の九月十三日の逓信委員会におきまして、小沢大臣が言つておられますが、この国際電気通信條約加盟に関する問題を説明しました中で、昨年の十二月加入の申入れをなし、正式受理を見たのでありますが、ソ連及びその衞星国側が、加入の無効を主張して云々という項目があるのでありますけれども、これはソ連及びソ連の衞星国だけが反対したのですか。その点小澤さんにお伺いしたいと思います。
○小澤國務大臣 今網島君が言つたように、その詳細についてはわかりませんけれども、棄権をした国もありますが、大体この前の答弁通りであります。
○江崎(一)委員 この日本加入に対して非常に強硬に反対したのは、英国、フランス、これが非常に強く反対しておるはずですが、それはお聞き及びないですか。
○網島政府委員 私ども聞いておりません。
○江崎(一)委員 この国際電気通信條約に日本はどういう形で、どういう資格で入つておるか、それをひとつお伺いしたい。
○網島政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、現在わが国は正式に国際連合の一員でございます。従いましてもちろん投票権を持つておると存じます。それからすでに最低ではございまするが、連合の負担金も拂つております。但し外交関係がまだ各国との間に復活しておりませんので、條約その他の主管庁会議、全権会議があります場合に、開催地の国からの招聘がなければ、日本から行けない。もちろん占領軍司令部の承認も必要と思いますが、主催国の招聘がなければ行けないというのが、違つている点であります。
○江崎(一)委員 日本は国際電気通信條約の会議に対しまして、どういう注文をしておるかということにつきまして、お伺いいたしたい。
○網島政府委員 條約ができましたときは、終戰後間もなくでございましたし、そのときにはもちろん日本としてこれに要求を出すというようなことは全然できなかつたのでありまするが、條約に基きまして、その後頻繁に主管庁会議が行われております。たとえば一昨年の十月から昨年の四月まで、メキシコで行われました国際短波放送会議、あるいは昨年の九月に行われました第三地域会議、これは極東方面の国が集つて相談する会議でございまするが、この第三地域会議、それから先ほどお話しました條約の趣旨によつて、各国の現在使つております波長を全部再編成するための技術委員会が、ジユネーブで約二年越し行われております。一昨年の一月十五日から今日に至るまで行われておるのですが、この委員会等に対しましては、日本から司令部の好意によりまして、オブザーバーあるいは司令部の派遣者の顧問という資格で出席いたしまして、周波数の獲得につきましては、多大の努力をしております。幸い今日までのところ、日本の要求につきましては、各国の好意ある取扱いによりまして、大体において満足すべき結果を得ておると考えておる次第であります。
○江崎(一)委員 それでは具体的に、日本はどのくらいの周波数單位が與えられておるか、それをひとつ説明していただきたい。
○網島政府委員 最初に成案を得ましたのは、昨年のメキシコの短波放送会議でございまするが、これにつきましては各国においていろいろ議論はございましたが、終局的には日本は短波の放送周波数を九十三時間割当てられたのであります。もちろんこれらの周波数の最後的の決定は、今年の九月に各国が集まりまして、放送であるとか、あるいは船舶であるとか、各方面の波長についてできた成案を持ち寄つて、最後的決定をする特別主管庁会議というものが行われまして、この会議において決定されるわけでありますが、一応メキシコ短波放送会議の結果としましては、そういう結論になつております。それから昨年の九月の第三地域会議の決定につきましては、放送、船舶局、海岸局、固定局、それらにも通じまして、大体日本の要求は満足されております。はつきりした数字は私現在覚えておりませんので、後ほど書きものにして差上げたいと存じます。先ほど御質問の中に、どれだけの波長帶が云々という御質問がございましたが、各国に割当てる周波数というものは、バンドではございませんで、これは個々の周波数を割当てるのであります。バンドにつきましては、ここからここまでは放送に使う、ここからここまでは船が使う、ここからここまでは固定通信が使うというふうに、條約及びその付属規則によつてきめられているのであります。
○江崎(一)委員 この周波数の日本に対する割当でありますが、戰前戰後を比較してみると、どういう変化がありますか。
○網島政府委員 御承知のように戰前日本におきましては、当時の逓信省が主管しておりましたところの、官庁及び一般の無線通信のほかに、陸軍及び海軍が無線を持つておりまして、これらが非常に厖大な波長を使つておりました。従いましてむしろ一般官庁、民間の無線通信というものは、これらに非常に圧迫をされておりまして、その波長の使用が非常にむずかしかつたのであります。幸いにと申しますか、戰後陸軍、海軍がなくなりました結果、これらの通信から受けるところの混信という問題がなくなりまして、一般官庁及び民間の通信が非常にしやすくなつたのであります。但し現在わが国におきましては、連合軍司令部から発せられましたところの、スキヤツプ・イン一七七四によりまして、無線通信の統制という覚書が日本政府に発せられまして、それによつて一時はあらゆる無線局の許可をする場合には、事前に連合軍司令部の許可を得なければならないことになつておつたのであります。昨年の秋にその一部が解除されまして、超短波のあるバンドにつきましては、日本政府限りこれの使用を考えてよろしいということになりましたので、最近は非常に自由になりました。従いまして戰前と戰後における波長の分配状況はどうかという御質問に関しましては、戰前は私ども陸軍、海軍がどれだけの波長を使つておつたということは、これは祕密で、知つておりません。しかしながら当時の民間及び官庁が使つておりました波長に比べますれば、現在ははるかに増加しております。具体的な数字は、もしも御必要があれば、書きものにしてお示ししたいと思います。
○江崎(一)委員 この周波数並びに周波数帯の占有権、これは大きな財産だと思うのであります。敗戰後、日本が戰前うんとたくさん持つておつたこの財産に対して、各連合国はこれの再配分を要求をするような機運があるかどうか、それをお伺いしたい。
○網島政府委員 波長の獲得の問題は、これは各国とも非常に真劍であります。一昨年の十月から昨年の四月まで、私が出席しました国際短波放送会議におきましても、それこそ各国はほとんど死にもの狂いと言つていいほど熱心であります。従いまして最初一月で終る会議が、半年になりました。あるいは現在ジユネーブでいまだに行われておりますところの、周波数の準備委員会というものは、半年程度で終るというのが、三年越しになつて、まだ終つておらないというようなことでございまして、非常な困難を伴つておると私どもは想像されるのであります。しかしながら向うからの事務局その他の報告によりますれば、各国の協調によりまして、漸次結論を得つつあるということを聞いておりますので、周波数準備委員会も、今年の二月一ぱいで終了することになつております。そうなりますれば、それによつて、各国の周波数の割当の大綱というものはきまると存じております。
○江崎(一)委員 現在ではその大綱は、どういう方向に動きつつあるということはわからないのですか。
○網島政府委員 詳細はわかりません。しかしこの周波数の割当の基準は、現在各国がどういう通信をやり、どういう波長を使つているかということが、基準になつております。それにもちろん今後数年間の使用見込みというようなものも加味してございますが、大体において現在の無線分野における勢力が、基準になつているというふうに考えていいのじやないかと思います。
○江崎(一)委員 現在民間に使つている日本の周波数及び周波数帯について、いわゆる産業関係の周波数の割当と、警察無線あたりが使つている周波数の割当、これは一体どれくらいの比率になつておりますか。生産的なものと非生産的なものの比例を、ひとつ話していただきたい。
○網島政府委員 実際の数字は後ほど具体的に、各産業別の周波数の使い方をお示しいたしまするから、それで御了承願いたいと思いますが、概略のところ、産業通信に比べて、警察方面の通信の波長は相当多いと思います。もちろん全体的に見ますれば、産業の方がはるかに多いのでありますが、ただ一つの業務を取上げて考える場合、たとえば海岸局であるとか、あるいは漁業無線局というものを取上げて考える場合には、比較的多いのでございます。これは現在わが国における有線通信が、戰災によつて相当破壊され、あるいは弱体化しておりまして、風が吹いたり、地震があつたりしますと、立ちどころに不通になつてしまいます。しかしながらこの警備方面の通信は、一日も欠くことができないということから、これに相当の周波数を與えているのでございますが、漸次電気通信省の有線施設が完備して参りますれば、これらの波長は減少して行く見込みであります。但し移動通信、たとえば船と陸上との間の通信、あるいは自動車とある町との通信ということは、これは有線では絶対できませんで、無線によらなければいけないものですから、こういう方面の波長は、依然として今後とも増加すると存じます。
○江崎(一)委員 ここで非常に問題になるのは、警察関係に非常に広汎な周波数及び周波数帯を割当てているために、産業方面が非常に苦境にあるという事実です。たとえば漁業関係。これも相当問題になります。一例をあげてみますと、岩手県に宮古という所がありますが、ここで大体四十数隻漁船がある。この時間の割当と周波数の割当で、一隻平均七秒しか通信できない。これで呼び出して通信が一体できますか。電波行政でどう考えておられますか。これをひとつはつきり話していただきたい。
○網島政府委員 多少誤解をお持ちになつているのじやないかと思います。警察に波長をとつたから、漁船関係の波長が減つたということにはならないのであります。と申しますのは、條約の上におきまして、固定通信に使う波長と、船などとの間の移動通信に使う波長のバンド、周波数帯がはつきり区別されているのでありまして、これはほとんど無関係であります。一方漁船の使う波長、これにつきましては、漁船が小型であるために、特別な波長を使わなければならないのであります。商船でありますと、短波とか長波あるいは中波というものが使えますが、漁船はいわゆる中短波と称するところしか使えないのであります。従つてこの波長帯におきましては、現在日本政府において使い得る数は十四かと思いましたが、十四の波長しかないのであります。漁船に使うところの波長のバンドは、全部漁船に開放しております。ところで日本は漁業が非常に盛んであります。しかも最近は無線を使うことによつて、漁業上非常に有利だということが認識されました結果、無線の需要申込みが非常に多いのであります。従いまして無線局の開設につきましても、いろいろ要求がございます。私どもといたしまして、波長の関係からなるべく無線局の数はふやさない。一つの無線局でできるだけ多くの漁船を相手にして行くという方針をとりまして、後方連絡、すなわち無線局と各地との間の連絡は、有線通信でもつてやつてもらうという方針をとつております。ところが岩手県でありますとか、その他一部に、この有線通信が非常に惡いところがございまして、それに頼つておつたのでは、せつかく漁船から送つて来た大事な電報が、非常におそく届き、用をなさないという場所が多多あります。そういうところにおきましては、暫定的にやむを得ず時間割をきめまして、波長の割当をやつておるのであります。今お話のように、現在各無線局の波長の電報の時間は相当短くなつておりますが、御指摘の宮古に関しましては、大体漁船一隻当り通信時間が三分程度であります。御指摘のように何秒でしたか、そういうことは絶対ございません。三分間程度でございまして、三分間あれば大体の通信はまかなえると私どもは考えておるのであります。 なおこの漁船の使う波長に関しましては、先ほどお話した第三地域会議の結果、若干増加いたしました。これは私どもとして非常に幸いなことでございまして、これが今年の九月の主管庁会議で最後的に決定いたしますれば、これらの波長が相当ふえますので、もう少しこの漁業通信は楽になると私どもは考えておる次第であります。
○江崎(一)委員 漁業関係に対しましては、この周波数の割当を極力潤沢にすることと、その時間についてもずつと民主的に取扱つてもらわなければいかぬ。特に時間並びに周波数等の割当は、電波監理委員会が絶対権力を持つて握ることになるために、ややもするとこれはとんでもない問題を起す危險がある。この点について極力御注意を願いたい。 次にこの電波法案は、非常に人的要素これは非常に大きなシヴイアーな條件を與えておるが、これに反して物的施設の方は非常にルーズである。これはちようど国際電気通信條約と反対の行き方だ。設備はがたがたで、そうして人間の努力でこれをカバーさせるというような法の精神が出ておると思うが、この点はどうですか。
○網島政府委員 私どもは今御指摘されたように、この法案ができておるとは考えておらないのであります。特に私どもが法案をつくるにあたりまして考慮した点は、人的と申しますか、おそらくこれは無線従事者——オペレーターのことではないかと思いますが、この人的な問題に関しましては、特に私ども愼重に取扱いまして、なるべく委員会規則というものでやつて行くという方法を避けました。と申しますのは、これは個人の権利、利害に関係する分が非常に多いのでありまして、従つてできるだけこれは法案に盛り込みまして、国会において十分審議していただくというつもりでございます。それから機械設備に関しましては、これは技術の進歩によつて、毎年々々かわつて来ます。それから五年ごとの條約はもちろんでありますが、その五年ごとの間に行われます主管庁会議におきましても、いろいろ條件がかわつて参ります。その都度これらの條件を法律で直して行くことは、非常に煩瑣でございますし、また機械設備にし関ましては、無線従事者ほどそう嚴密に考えなくてもよい。これは委員会規則でもよいのじやないかということから、これは委員会規則にまかせておるのでございますが、委員会規則はもちろんこの法案にございますように、つくりますときに審議会を催しまして、一般の声を十分聞いて、委員会の監理委員の合議によつてきめるという方法をとつておりますために、御心配のような点はないと私どもは考えておる次第であります。
○江崎(一)委員 電波法案に対します質問はまだたくさんありますが、きようは大体これくらいにしまして、次に緊急の問題につきまして小澤電通大臣にお伺いしたいと思います。というのは、小澤電通大臣は二十五日の朝、外相官邸に電信電話復興審議会委員石川一郎、景山準吉、山本仲次郎の三氏とともに吉田首相を訪問して、復興対策の審議状況を報告し、電信電話事業をこの際一挙に民営に移す云々といつたような記事が、朝日新聞に出ておりますけれども、一体電通事業を民営に移す意図が政府はあるのかどうか、その見通しについてひとつお話を願いたい。
○小澤国務大臣 この問題は昨日の本会議におきまして、川上貫一君にも端的にお答えいたしておきましたが、いわゆる民営に移すとか、あるいは公共企業体にするとかというような問題は、一つの目的の手段でございまして、今ただちに民営にするとか、公共企業体にするという考えはまだ決定しておりません。というのは、第五国会と思いますが、衆議院あるいは参議院でも、満場一致で電信電話の復興決議案が可決されております。復興決議案すなわち復興と拡張——日本には電話が現在の程度でよいのか、それとも日本の政治、経済、文化の過程において、どの程度に復興され、どの程度に拡張されることが望ましいかという問題を検討いたしながら、この復興計画を進めようと思つておつたのであります。しかしこれは政府でも研究いたしておりますけれども、いわゆる学識経験のある諸君にこの問題を審議願つて、その結論を参考にすることは、なおけつこうな方法であるという考えから、御承知のように内閣に電信電話復興審議会というものを設けました。もちろんこの審議会は、法律の定めたものでもなければ、あるいは政令の定めたものでもありません。閣議の了解でこの審議会をつくつておりますが、この審議会の委員諸君は、政府の意向を十分くんでいただきまして、非常な熱意をもつて検討を進めて参つたのであります。すなわち一体日本の電話というものは、近い将来においてどの程度拡張することが、国民大衆の要望にこたえるゆえんであるかということを、まず第一に研究しましたが、これは結論から申し上げますと、いろいろな御意見がありましたが、大体三百万個の電話というものがなければ、日本の現在の経済、文化等にかんがみて、不十分ではないかというような結論になつたのであります。三百万個の電話ということになりますと、現在百万個でありますから、さらに二百万個の増設が必要である、あるいは復興が必要であるということになつたのであります。それではその二百万個の電話というものには、どれだけの資金、どれだけの資材がいるかということを、だんだん検討して参りますと、ここに現在の経営体である国営で、それだけの資金を負うことができるかということになり、また一方サービスの面からいいましても、国民諸君から電信電話のサービスが非常に惡いという評判があるのでありまして、このサービスをどの程度に改善するか、これを改善するには、もちろん人的サービスもございますが、機械、設備の改善というようなことを考えますと、結論はやはり資金、資材になつて来るのであります。こうしたサービスの改善と、電信電話の復興あるいは拡張ということを考慮いたしますと、相当莫大な金額を要するのであります。この莫大な金額を、はたしてこの国営としておつて資金が受入れできるかどうか。また現在のような国営組織で、国民の要望するようなサービスが可能であるかどうかということを検討し始めて参つたのでありますが、大体委員諸君の考えは、やはりこの国営体では、今のような目的を達成することは困難ではないか。だからというて、一般民営にするというようなことも、独占企業体であるこの電信電話の形を、民営にしても何ら得るところがないから、これは民営の長所を高度に織り込んだ、いわゆるコーポレーシヨンにすることがいいのではないかというような考えが、委員諸君の大体共通した結論的な考えであります。しかしながらこれは委員諸君が、まだ会議を開いて決定したわけではないので、今まで審議の結果、委員諸君の考えを総合すると、そういうところに一致しそうだというので、総理から審議の模様はどうかということの質問がありましたから、私自身が間接に答えるよりも、委員を代表して、ただいま御指摘の三人が総理に直接に報告したり、いわゆるデイスカツシヨンをしてみてくれ、こういう意味で検討を続けたのが、その新聞に表われた記事の内容であります。しかしながら現在政府といたしましては、この委員会の空気を聞き、また委員会の意見を聞くという程度でありまして、ただちにこの委員会の意見をそのまま受入れるというのでもなければ、また委員会でも結論に達しておるわけでもないのでありまして、今この問題について方向はどうかということを聞かれましても、ただちにこうであるというような結論をお答えする程度には至つておらぬということを申し上げます。
○江崎(一)委員 この電信電話復興審議というものはどういうものか、ひとつ御説明を願いたい。この内容です。
○小澤国務大臣 これは内閣総理大臣の諮問に応じてそれに答申するのが委員会の権限であり、義務であります。従つて先ほど話したようにこれは法律上の根拠もありません。すなわち設置法等にも記載がありませんし、また政令等に基く委員会でもないのであります。閣議の了解をもつて、閣議の決定によつて、この委員会規則二、三條をこしらえて、今のような目的で審議を継続いたしておるのであります。
○江崎(一)委員 これを公共企業体にして、つまり民営に移して行つてうまく行くんだという、その根拠がどうも了解できないのですが、その点小澤さんが知つておられるところを、ひとつ説明してもらいたいと思う。
○小澤國務大臣 この問題はさつき答弁した通り、公共企業体になるとか、あるいは民営になるとかいうようなことは、政府では検討はしておりますけれども、結論は出ておりません。従つて結論の出ておらぬ問題について、総理大臣ではないけれども、仮定の問題を議論したつてどうにもなりませんから、後日結論がついて、政府がこうすることによつて国民大衆にこたえるゆえんだという結論が出た場合には、民営という結論が出た場合には、大いに江崎君の御意見を承つて成案を得たいとい思ます。
○辻委員長 本日はこの程度にとどめたいと思います。ただいまのところ次の委員会は来る二月二日、三日、午後一時より開く予定であります。 これにて散会いたします。 午後零時十五分散会