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7回国会衆議院1950/04/24

通商産業委員会 第35号

発言数
169
登壇者
9
会派数
3
開催日
1950/04/24

会議録

小金義照自由党

○小金委員長代理 それではこれから通商産業委員会を開会いたします。  前会に引続き私が委員長の職務を行います、ただいまより臨時石炭鉱業管理法の廃止に関する法律案を議題として審査を進めます。質疑を継続いたします。風早八十二君。

風早八十二日本共産党

○風早委員 前会の質疑において私はまず生産性の面で、いろいろ質疑をいたしておつたのでありますが、その中で特に中小炭鉱の問題について質疑をいたしておつたのであります。これは目下実際問題としてただに経済的だけでなく、社会的にも重大な問題でありますので、いましばらくこの中小炭鉱の特に生産の面に関して質疑を続行したいと思います。  まず第一に中小炭鉱の休廃止状況、これは特に統制撤廃後のを、月別にひとつ出していただきたいと思います。政府委員にお尋ねします。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 月別に数字を申し上げるのでありますか。

風早八十二日本共産党

○風早委員 休廃止がどの程度に行われているかということです。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 月別の数字は後ほど調べて申し上げますが、昨年の四月以降の概略の趨勢を申し上げますと、四月から九月までと、それから九月統制撤廃以後の趨勢を見ますと、大体毎月全国休廃止炭鉱が数炭鉱ずつございまして、従つて九月以前と以後とにおきまして、特別に休廃止の炭鉱の増減という著しい変化はないようでございます。昨年の四月以降ことしの一月までの全国休廃止炭鉱の数が、たしか百十七炭鉱あると思います。そのうちのおおむね半分は九月以降の分でありまして、残りの半分がそれ以前のものであります。こういうふうな分布状況であります。

風早八十二日本共産党

○風早委員 ちよつとお尋ねしますが、その十月以降というのはいつまでのあれですか。これは月別でないと、ほんとうはちよつと私ども何にもならないのですが、まあ大体のところ今おわかりでしたら大体いつごろまで……

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 それでは全国休廃止の、昨月四月からことし一月までの数字を申し上げます。昨年の四月が十二、五月が八、六月が八、七月が十六、八月が四、これが統制撤廃前までの四月以降八月までの五箇月間の全国休廃止炭鉱の数でありまして合計四十八であります。九月が十六、十月が五、十一月が七、十二月が九、本年の一月が二、この五箇月間の合計が三十九、そのほかに月別不明のものというのが三十ございまして、これがいつ廃止したか、はつきりしないのでありますが、それを加えまして、全部で百十七でございます。

風早八十二日本共産党

○風早委員 提案者にお尋ねいたしますが、今政府の出された数字によりますと、統制撤廃後、中小炭鉱の直接休廃止と言われておるようなものは、存外少いように見受けられるわけです。これは一体どういうわけであるか。統制撤廃後の問題でありますが、これについては提案者はどういうお考えですか。

神田博自由党

○神田委員 ただいま政府委員からも、配炭公団廃止前と比べて、廃止後の中小鉱山の休廃止の数があまり多くないようであるということでございましたが、確かにこの表から見ますと、そういうことになつておりますが、ただこの表の中にも月別不明のものというのが相当ございまして、これが配炭公団廃止後の方に入れば数が多い。あるいはこれが半分ずつ入るのか全部入るのかというようなことに上つて違うと思いますが、ただ私この際お答え申し上げたいのは、この臨時石炭鉱業管理法が廃止になると、中小炭鉱が困るのじやないかというような前提で、お尋ねをされているのではないかというような感じを持つのであります。そこでお答え申し上げたいのでありますが、本法提案の際には、臨時石炭鉱業管理法というものは、中小炭坑には適用しないのだということに実は相なつておりまして、管理炭鉱あるいは指定炭鉱には、大体相当な出炭量を持つている山を押えて、そこで増産をやらせるのだ、こういうふうな建前になつているわけでありまして、提案者の考えも、そういうことをしばしば述べられているように、私ども記憶しているのであります。そこでそれを前提として考えますと、この法案と中小炭鉱と、非常に関係があるがごとく考えられることは、ちよつと考え過ぎておられるのじやないかというような気がするのであります。この国管法が存置しておるとあるいは廃止されるとにかかわらず、中小炭鉱の育成強化、あるいは経営の合理化等につきましては、これは別途の問題として、ことに現下のような需給状態あるいは金融状態におきましては、特に意を用いて育成して行かなければならないということについては、私どもも政府も同一な考えであり、また問われておる風早委員も、一昨日来このことを述べられておるようなわけでありまして、同感の点でありますが、ただどういうふうにやつて行くかということになりますと、いろいろこれは予算の関係、あるいはまたその他の関係によつて、できるものとできないものというようなことに、なろうかと思いますが、しかし中小炭鉱の育成をして行くということについては、これは大きな努力を今後ますます傾けなければならない、かように考えておる次第であります。

風早八十二日本共産党

○風早委員 どうも少し私の質問に、神田委員はひつかかつたような感じがするのですが、私は統制撤廃によつて、明らかに中小炭鉱は、非常な打撃を受けるということは、先般来申し上げていたことでありまして、その論旨にはちよつともかわりはないわけであります。ただその場合に、われわれがふに落ちないのは、なぜ統制撤廃直後——今年の一月ぐらいしか今数字はないかと思いますが、その間にはさまで休廃止の数字がふえないのみか、そしろ減つておるような状態であります。この原因をやはりはつきりさせておかないと、いたずらな中小炭鉱に対する楽観論が生まれるわけです。これはわれわれの見るところによりますれば、特に十一月からは——北海道あたりは十月からですが、十一月ごろから冬期の暖房用炭というものの需要期に入つておるというようなことが一つあると思います。月数十万トンというものは新しい需要がふえるわけです。これは例年のことでありますが、とにかくこの季節的な問題は、非常に大きいと思います。また常磐の場合におきましては、特に北海道の吹雪でもつて石炭を出すことができない。そういうふうなことから、特に需要が増す。このため中小炭鉱の危機というものが、一時延ばされたという関係があるということ。でありますから外見的に見ると、確かに今政府委員が言われたような数字の傾向を現わしておるということは言えると思います。しかしながら、その暖房用とかあるいは浴場用とか、また纖維工場、藥品工場、主として中小炭鉱の掘る石炭は、そういう方面に向けられるものが多いのでありますが、こういう方面に向けられる中小炭鉱の低カロリー炭、こういうものは冬期が過ぎると、急に需需が減ることは、これまた例年のことでありまして、別に不思議はないのですが、その点を特にこの際注目しておく必要があると思います。でありますから、この時期が過ぎまして、現在においては——これは三月ごろからでありますが、すでに新しい中小炭鉱の危機というもののきざしが現われて来はしないか。これは二月末の常磐だけの数字しか私は知らないのですが、いろいろその他の数字は政府の方からも教えていただきたいのですが、大体残存炭鉱二十八鉱中、経営困難なものが二十一、きわめて困難だと言われるものが五できている。廃山の予定が二つあるというふうな報告が、すでに常磐側からも出されておるような状態であります。その一つの現われとして、たとえば高萩であるとか、戸部などがダンピングを始めておるというような事実もあるわけであります。また従来長くとも百二十二日拂いの手形で支拂われていた石炭代金が、今では百八十日拂いの手形が出ておる。こういうようなことも事実として現われておるのであります。これは見のがせないことであると思います。でありますから、ただいま提案者の御説明によつて、大体統制撤廃というものは、特別に何も中小炭鉱に被害を與えるというふうに考えることは、思い過ぎたというようなお考えでは、これは中小炭鉱に対するほんとうの対策は、そこから生れて来ないじやないかと、われわれは非常に危惧を感ずるわけです。中小炭鉱の中にもいろいろありまして、ビンからキリまであるのですから、一口には言えないと思います。いろいろな傍系の事業をやつておりまして、高萩炭鉱なんかでも、菊地氏なんかは靜岡でまぐろ網をやつておるとか、あるいはウイスキー工場を市川でやつているとか、ゴム工場を大阪でやつておるとか、そのほかキヤバレーなんかも手を出しておるとか、いろいろなことをやつて、何とか糊塗しておるというような状態で、実際石炭の生産という面から言いますと、これはもうすでに破綻しておるようなわけであります。そういう点を見て行く必要があるのでありまして、実は休廃止の中にも、そういうふうなものも含まれておるわけです。でありますから、休廃止の数そのものが実は問題ではなくして、やはりもう少し根本的に掘り下げて、この中小炭鉱が実際どういう状況に陷れられておるかということを、よく検討される必要があるのじやないかと考えるわけであります。これに対して、私は特に今生産の面だけから問題を出しておるのでありまして、まだまだ中小炭鉱の問題は、いくらも他の側面から見なければなりませんが、この面に限つて見ましても、その打開策として、今中小炭鉱側では、またその従業員の側もこれに同調しておりますけれども、隱匿遊休鉱区の開放という要求が出ております。こういうふうな点につきまして、提案者の御所見を承つておきたいわけであります。これは御承知のように、戰後非常に生産サボタージユが行われた。私どもはこれは明らかに炭鉱資本家側の責任に帰しておりますけれども、この点は議論になりますから、あずかりますが、いずれにしましても生産がサボタージユされたということは、これは間違いない事実であります。それに対してまた労働組合側から生産管理の要求があり、かつところどころにおいては実際それが行われた。またところによつてそれが成功した。これは全般的に言つて、現在の條件ですぐ労働組合の生産管理が成功する條件はないわけであります。しかしながら事実あるところでは、そういうものも成功したというくらい、もうそこへ行かなければならないということが一つ出て来ているというのは、結局今日の資本家のやり方では、せつかくいい鉱があつても、特にそういう優良鉱を遊ばしておく、隱しておく、このことの方が利益であるという段階におきましては、当然それをやるわけです。しかしそれは日本の経済全般、石炭の実際の生産力の発展という立場から言いますれば、明らかに矛盾なのであります。これを解決するために、直接組合側がみずからの生存権にも関係いたしますから、炭鉱の管理をやるというようなところまで、実際来ておつたわけであります。今度の場合においてはいろいろ複雑な意味が新しく加わつておりますから、それと同一には論ぜられませんが、やはり生産を何とか続けなければならないという点、これは客観的にはやはり国民経済の全体として、非常にプラスになるわけでありますから、そういう一つの方向が出ているわけであります。そういう意味でわれわれは隱匿遊休鉱区の開放というこの要求に関しては、非常に関心を持つておるわけであります。これに対して提案者はどういうお考えをお持ちであるか、お伺いいたします。

神田博自由党

○神田委員 ただいまのお尋ねにお答えする前に、さつきの休廃止炭鉱の問題でございますが、公団廃止後と廃止前との休廃止の割合が、廃止後の方が少くて廃止前の方が多いではないかというお尋ねでありますが、これは私、先ほど少しお答え漏れがあつたのでつけ加えておきたいと思います。と申しますのは、御承知のように、低品位のものにつきましては、六月から公団の扱いを廃止しておりまして、いわゆる統制を撤廃しておりますので、六月のいわゆる統制の一部解除の時から計算すると、相当に多い数字になるだろうと思います。これはあとで表を差上げることになつておりますから、それで十分御研究願いたいと思います。  それからただいまお尋ねのございました中小炭鉱が非常に困つておる。金融に行き詰まつておつて、手形も最近において百二十日ぐらいにもなつておるという、実際お困りの例をおとりになりまして、炭鉱自体では経営ができないが、兼業して食つているというようなことをお述べになりましたが、よく御調査されておることでありますから、私、別にその点について疑義は持つておりませんが、これはひとり中小炭鉱だけの問題ではないのでありまして、日本のただいまの中小企業の大部分が、そういう状態になつていると思うのであります。風早さんは今、中小炭鉱を例にとつてお述べになられたのだが、これは決して中小炭鉱だけの問題ではないと私は思う。あらゆる中小企業が今金詰まりしていることは、天下周知の事実である。これをどうするかということが、今日の政治だろうと思います。そこで中小炭鉱だけをとらえて、こういう金詰まりだ。そこで今廃止するのはどうかということにはあてはまらないのではないか、こういうような気がするのであります。しかしながら、中小炭鉱も全体の一部でありますから、これも解決して行く、またその他の面においても解決して行くということはもちろん必要であります。しかしそういうことはやはり総合施策の一環として打たなかつたならば、私は効果はないと思います。今日、中小炭鉱が困つておるということは、やはり需給上の関係から、需要減退によつて困つておるのでありますから、そこへ融資したということになりますならば、それは滯貨融資の問題であつて、その中小炭鉱は救われるかもしらぬけれども、滯貸融資をして行けば、やはり国民経済の全体の負担が、将来において加算されて行くことになるわけでありまして、今日石炭界が明朗を欠いているということは、そういつた日本経済の今縮小生産に入つているところに、一つの問題があるのだろうと私は思います。そこで石炭界を明朗にしてやろう、政府の煩瑣な手続から解放してやつて、企業の自主性を與えて、そうして創意とくふうと熱意と努力を傾けるような方向に持つて行こう。しばつているものを解いてやろうということが、この廃止法案でありまして、喜んで御賛成願えるのじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。中小炭鉱の実情につきましては、思いを同じくいたしておりますが、そういう際であるから廃止できないという御意見について、私ども同意しかねるわけでありまして、むしろ今日廃止によつて立上つて行く、こういうふうに考えておるわけであります。

風早八十二日本共産党

○風早委員 どうも少し御答弁は見当がはずれていないでしようか。今問題は中小炭鉱を論じておるのじやない。われわれは今炭鉱国管の廃止いかんを論じておるわけでありまして、この場合に問題を中小企業一般に拡張して行くということは、はなはだ問題を回避するものである。またかりに中小企業一般だとすれば、なおさらこれは問題になる。中小炭鉱については、やはり炭管廃止にも現われるような、無責任な統制撤廃の問題として、われわれは論じておる。他の中小企業の没落、これもまた吉田内閣の他のそれぞれの産業の面における無責任なる統制撤廃、これによつて生じたその一連の関連性を、ここで提案者みずから認められたということを、ただわれわれが知るだけの話でありまして、何ら問題の根本をかえるわけではない。そんなことを言つておつてもしようがないのでありまして、やはりわれわれは中小炭鉱の問題として出したい。そこで先ほど申しましたように、中小炭鉱の人たち、またその従業員の人たちが唯一の活路として、これ以上は遊休あるいは隠匿しておる鉱区の開放でなくてはならぬ。われわれに掘らしてくれ、これが切実な要求として現れておる。これに対してどういう所見を持つておられるかということを聞いておるのでありますが、それはどういうお考えでありますか、承りたいと思います。

神田博自由党

○神田委員 どうも風早さんのお尋ねは、少しピントがはずれておるのじやないかと思うのでございますが、石炭国管法は、中小企業にはほとんど適用しておらなかつた。当時の提案者の説明を聞きましても、この法案は中小炭鉱には適用しないのだ。指定炭鉱、管理炭鉱は大きな炭鉱がなる。それを、国管廃止によつて中小炭鉱がどうかなるということは、少しお考え違いになつてお述べになつておられるのじやないかと私は思うのです。この国管廃止によつて、業者は先ほど来申し上げておるように、むしろ非常な利益を受けると、私は考えておるわけであります。この廃止によつて中小炭鉱が非常な打撃を受けるというふうにお考えのようでありますが、そこのところが私どもの非常に納得の行かないところであります。さらにまた金詰まりの問題につきましても、石炭も現下のすべての産業の金詰まりの一部だ。それからさらに今日統制を撤廃したから、こういう状態になつたということをお述べになつておられますが、これも私ども統制撤廃のために、悪い方面では若干経済界に影響した点はあると思いますが、しかしいい方面を見のがしておられるのじやないか。配炭公団廃止に伴い、炭管あるいは統制の解除によりまして、御承知のように、非常に炭質が向上した。一部の銘柄を除いては石炭の価格も非常に下つた。そういうことは、石炭業者の企業努力によつて合理化されたものが、一般産業の合理化に非常に有効な働きをなしておつたと考えております。一部の石炭のなるほど統制撤廃によつて上つたかもしれませんが、多くの石炭は、あるものは二割ないし三割、四割も下つて、それがそれらを使つておる産業界には非常な合理化を與えておるわけでありまして、石炭の統制撤廃によるいい面は、私は非常に大きなものがあつたと思う。今日たとえば配炭公団をもつて、石炭の価格統制をやつておつたならば、わが国の産業がどういうふうになつておつたか。あるいは配炭公団の能力からいつても、おそらく炭の操作はできなくなつておつたのじやないか。むりにやらしておつたならば、おそらく数百億の赤字を抱いておつた。それはみな国民負担に転嫁されて行くことだと私は考えております。そういうことから考えますと、配炭公団の廃止、マル公の撤廃は、わが国産業の合理化に、非常な大きな効果をもたらした。しかし逆に一部の原料炭が上つた、そのために基本産業に悪い影響も與えつつあるというようなことも、私承知しております。しかしいい面と悪い両とを比較した場合に、私は廃止の方が非常にいい面を與えている、全体においては大きなプラスである、こういうように考えております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 あまりこの点に停滯したくないのですが、一言だけ言つておきたい。それは炭管法を適用されない中小炭鉱について云々することは、ピントがはずれていると言われたが、これはとんでもない問題だと思う。われわれは炭管法の廃止によつて、実際に中小炭鉱に利益があるか、あるいは不利益があるか、その点を究明することがなければ、何も炭管法の廃止のことを論ずる必要もない。それがどうなるかということが問題であつて、それを避けたら問題がなくなつてしまう。最初からそういうお考えだから、結局中小炭鉱はどうなつてもよろしい。それでは一般中小企業はどうなつてもよろしいという池田ラインに、結局あなた自身もつながつて行かざるか得ない。そういうお考えでは、私はこの提案に対して問題を持たざるを得ない。今の遊休隠匿鉱区の開放のことについては、遂にお答えがありませんが、まだそういうことは考えもしておられなかつた、おそらく御存じないものと、われわれは一応認めざるを得ない。遂に御答弁がないわけでありますが、しかしこれは念のために申しておきます。これもあるいは御理解にならないかもしれませんが、一体今度の炭管の廃止によつてたちまち生じた結果は何であるか、これは良質炭が非常に上つて行く、それから下級炭がどんどん下つて行く、その影響だつたと思います。この一事だけをとりましても、優良炭は上つた。ところが優良炭を主として独占的に占有しているのは大炭鉱資本です。いわゆる大手筋、その中でもこれは限られている。そういつたものがこれによつてまつたく不労所得を得るわけです。これは決して新しくその資本力あるいは資本のいろいろな経費に応じて生じたものではなくて、まつたくのべらぼうな超過利潤である。そういうものの源泉は一体どこにあるか、これはただそれらの鉱区を占有しているその独占権にあるだけの話です。私どもは、この利潤の出所は結局直接鉱山地帯であると考えざるを得ない。そういつたものは当然今日生産力の発展に対して非常な妨害をなしている。今提案者も言われているように、われわれ国民経済全般の立場から見るならば、明らかにこれは矛盾であります。ことに優良鉱を遊休さしておく、あるいはこれを隠匿しておくことに言語道断の話であります。そういうものをこの際遊ばせておくのならば、われわれに掘らせろという要求に対して、やはりこたえるところがなければならないと思うのです。その点だけを一言しておいて、私は価格の問題に入つて行きたいと思います。  初めに事実関係を明らかにしておきたい。この労働の生産性の向上、これは非常に向上しておりません。これに対して石炭の炭価の騰貴率はべらぼうなものである。かりに在籍労務者一人当り月産高をとつてみますと、昭和五年には十二・八トンです。昭和八年には十八・九トン、昭和十三年には十五・四トン、これは昭和八年を最高としてだんだん下つておりますが、戰後の二十三年に至りましては六・四トンに落ち込んでおります。これはきわめて低い生産性でありまして、昭和八年に対しましては三分の一、昭和十三年に対しては二・五分の一であります。これに対して炭価は、昭和十三年をかりに一とすれば一四九であります。片方は二・五分の一に減つているのに対して、百四十九倍に上つている、こういうのが実情であります。さらに炭価は他の燃料に対しても、その騰貴率は最大であります。これも昭和十三年に対して二十三年、この十年間の統計をとつてみますと、騰貴率は石油は七十三倍、ガスは六十四倍、電力は二十五倍でありますが、これに対して石炭は百四十九倍、ことに石油の点では御承知のように今原油がどんどんとこれから入つて来る方針になつている。これがまた安い値段で入つて参りますから、ますます日本の石油価格を引下げて行く作用をなしている。ますますこれは下る傾向にある。これに対して石炭がますます上ると、日本は一体どういうことになるか。われわれは石炭業という立場から考えまして、他の燃料との競争関係で、これではたして石炭が立つて行くか、特に鉄鋼業に対しまして、重油と石炭との競争関係で、石炭が一体立つて行けるかどうか、また多くの石炭を使わなけばなれらない部門につきましては、これはとんでもないコスト高になるのであります。これではとてもやつて行けない。そこに今日の問題の一つがあるわけです。  第三に、日本の炭価というものは、国際価格の変動状況に比べましても、類例を見ない騰貴率であります。この点は資料も出ておることでありますからはぶいておきますが、要するに何としてもこの炭価が高過ぎるということは事実であります。そこで私はお尋ねしたいと思います。まず第一に、炭価と申しましてもやはり大手筋の出炭に主としてかかつておるところの原料炭や、発生炉炭あるいは高品位炭、そういうものと、中小炭鉱の出炭に主としてかかつておるところの下級炭、無煙炭というようなものと二つにわかれます。そういうものを考慮していただいて、この統制撤廃後あるいはまた本法廃止後、この価格政策というものをどういうふうに考えておられるか。全然無策放任にしておくつもりであるか、あるいは一定の価格方策を持たれるのかどうか、上げるつもりか下げるつもりか、それらの根本方針をお尋ねしたい。

神田博自由党

○神田委員 石炭がわが国の現在の他の物価に比べまして、非常な高率になつている、またこれを外国に比較いたしましても非常な高率になつている、この点については先般来私もそういう事実のあることをしばしば申し上げておりますので、議論の余地はないわけであります。そこでただいまお問いになられました、かような価格構成になつている際に、これを一体どういうふうに考えているのか、下げるように考えているのか、上げる見通しであるのか、あるいはただ自由放任にしておくのかというお尋ねでございましたが、先般来しばしばお答え申し上げておりましたように、石炭の価格の引下げにつきましては、今後非常な努力をしなければならないと思つております。今まで石炭の上るような要素がたくさんあつて、上つて来たわけでありますが、今後は下るような努力をますます続けて行かなければならない。しからば一体具体的にどういう方法をとつたならば下るかということが問題でありますが、これも先般来お答え申し上げたのでありますが、どうしても経営の合理化の問題であり、機械化の問題であるだろうと考えております。しかし経営の合理化、また機械化をはかるといつても、なかなかこれはむずかしいと思います。そう一朝一夕にあの厖大な機構に対して、ひとりでに下るというような手はないと思います。かかる政策をとりましても、今までのように原価生産主義をとり、プール制をとる。あるいは補給金制度でやるというようなごかましでは、とうてい日本経済の再建なり、石炭価格の合理的な面を打立てるというのは困難だと思います。とにかく政府も御承知のように、石炭の技術者、あるいは経営者、あるいは労働組合等を司令部の好意によつて、アメリカ等に派遣いたしまして、高能率、あるいは合理化をしておる点を見せて、そうしてまた機械の輸入等もはかつておることは、これは風早委員も十分御承知であろうと思います。それらが因となり、果なつて、合理化に進みつつあることも、御承知の通りであると考えております。さらにこの四月からでございましたか、御承知のように内航船の統制解除によりまして、海上運賃が下るであろうということは、これは一つの常識に相なつておると考えております。今日石炭に占めておりまする価格構成の大きな部分は運賃で、石炭の価格というものは、運賃につられておると言うてもいいくらいの、高い運賃になつておるようであります。けさ私静岡からちようどガス会社の社長と一緒に、汽車に乗つて参つたのでありますが、ちようど幸いなことと考えまして、石炭をどこのを使つておるだろうか。あるいは値段をどのくらいに買つておるかというようなことを、詳細に聞いたのでありますが、御参考になろうと思いますが、北炭を買つておるようであります。七千カロリーの炭が清水に陸揚げされて、静岡のガス会社に、これは引込線もございますが、持つて参りまして、六千二百円だと言つておりましたが、室蘭から船積みして、清水まで持つて来るのに、千三、四百円かかる。清水から引込線に持つて来ても三百四、五十円かかる。最近はトラックが非常に安くて、トラックで運ぶと二百四、五十円なると言つておりましたが、室蘭から計算しても、六千四、五百円の値段に千七百円くらいの運賃がついておる。北炭であるから、おそらく夕張炭であろうと思います。夕張から室蘭に出す運賃も入れなければならない。今後海上運賃が下る見通しは大体常識であろうと思いますが、それらの点から炭価もやはり下つて行くのではないか。また下げて行くべきものである。ただ今日となえられておりまするように、何か業者の企業努力、あるいは先進国の技術導入といつた面でやつておりますことを、何か政府が一つの規正をして値段を一定のところで押えて、採算が合わなければ補助金をやる。あるいは補給金をやる、そうして経営をやるということは、私は産業育成の邪道であろうと思う。世界経済に入つて世界の競争の一員として立つ場合に政府がすべてのしりをぬぐつてやるというのでは、まわりまわつて国民負担がやはりそれだけ重くなつて行くわけでありますから、共産党の風早さんといたしましては、国民負担の軽減、国民負担の増加しないことを党是としてお考えになつておられると思います。石炭の場合におきましても、補給金をやめて、その補給金の出どころは税金でやるということに相なりますれば、やはり国民負担の増加ということになるわけでありまして、それをやらないから、自由放任主義であるというようなことは、はなはだふに落ちないことと考えておるようなわけでありまして、統制のよい面もあることは、私も十分承知いたしておりますが、しかし統制を解除したことが、なお一層数倍、あるいは十数倍するところのいい面が現われておることを、お見のがしにならないように十分御承知願いたいと思います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 大体価格政策に対するおおよその全貌を、今お答えになつたのでありますが、合理化の点については後ほどもう少し内部に入つてお尋ねしてみたいと思いますから、それは一応あとまわしにいたします。また運賃等につきましても、これは特に言われるほどのものではない。やはり自然に下る見通しだという基礎の上に立つて、楽観論をただ振りまわしておられるようにしか受取れないのであります。今までも下るものは押えるとか、あるいは上るものをむりに押えるとかいつたようなことは、これは邪道であると言われました。私もそう思います。しかし今まで他の條件をそのままにしておいた限り、これは邪道でもとらざるを得ないような事実があつたと思います。その点を十分掘り下げられることなくして、ただいきなり統制を撤廃せられ、これを正道だと言われるかもしれないが、事実放任される場合には、大手筋は期せずして超過利潤を得、それ以外のアウトサイダーは、どんどん転落して行く。これは価格の面ではつきり出ている事実であります。これをどうされるかということは、やはり邪道か何だか知らないが、とにかく新しく積極的な手を打たなければならぬということは、当然のことであろうと思います。  そこで私は次にお尋ねしたいのですが、公正取引委員会の石炭の炭価の面に即しての活動状況の経過の報告をしていただきたい。と申しますのは、いろいろ一部の大炭鉱資本家がカルテル的なものを形成をしておるという事実があるのであります。これらのことに対してこの公正取引委員会は、今どういう活動をやつておるか。これらについて政府委員の方からでもけつこうでありまするからお答え願いたい。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 公正取引委員会は、私どもの聞いておる範囲におきましては、コークスに関しまして今一つの審理をやつておりますが、石炭につきましてはそういつたようなことを聞いておりません。今コークスについてやつておりますと申し上げましたのは、統制撤廃後配炭公団手持ちのコークスを、コークス業者が一手に買受けるという申合せをしたというようなことについて、今審理されておるのであります。この点につきましては、事実はむしろ石炭についても同様な点があつたので、ついでに申し上げますが、当時の貯炭の拂い出しのために、やはり公団でこれを無計画的にダンピングするということは、これは非常に市場を混乱させるという意味で、できるだけ計画的にやりたい。ところが処分の期限が本年三月末までときまつておりましたので、この関係から最もこれをスムースに大量にはかすためには、やはり生産業者に売りもどす方法が一番いいのではないかというふうに、公団当局者も主務官庁も考えまして、そのようなことを公団の貯炭処理協議会へ出したことがあります。結局これにつきましては銘柄が通つておらないとか、あるいは金融の点でありますとか、そういう点で問題の解決ができませんでしたために、そのまま石炭につきましては、そういうようなことは全面的に行われておりません。同様にコークスにつきましても、これは貯炭処理協議会というものがございまして、そういうふうな相談を持ちかけたのでありますが、結局同様な事情でもつて、そういうような全面的な売戻しというものは、事実上できなかつたというのが事実でございます。その点につきまして多少疑問を持たれたと見えまして、目下公取の方でこれを取上げております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 政府委員にお尋ねしますが、大手筋の九社、特に三井、三菱、北炭、井華、古河、この五社に、雄別、これは三菱系ですが、それから三菱の太平洋、これが加わり、さらに明治、貝島が加わつておる。この大手筋九社が昨年の九月以来、土曜会という、最初は二八会といつておつたのですが、こういう祕密会を組織いたしまして価格協定をやつておる。これは私どもが知つておるところでも、すでに第三次まで協定をやつております。これについては政府委員はどういう報告を受けておられますか。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 実は私どもそういう話はまだ聞いておらないのです。

風早八十二日本共産党

○風早委員 だれかもう少し事情のよくわかつた政府委員がおらないのですか。こういつたような重大な、また日本の戰後の政策の根幹に関係しておる問題なんですが、御存じなければ、私の方から多少御紹介しますが、第一次の協定は九月十六日から十二月三十一日まで行われております。これは私どもは内容が非常に問題でおる。六千カロリー以上の上級炭については、公団当時より二十円値上げするということが申し合されております。これは私どもは今までは一応放任の場合に、大手筋は期せずして超過利潤と言うておりましたが、実は期せずしてじやない、こういうカルテル価格を今形成しておる。こういう協定の事実がある。第二次の協定は、これは本年に入りまして、一月一日以降について行われたわけであります。これは運賃の値上げは全額消費者負担にする。北海道あるいは九州地内の場合には、これは一率に百五十円の値上げをするということが申し合されておる。第三次協定は三月十日の国鉄の四、五月分用炭の入札をめぐつて今行われておる。その後のことは私も聞いておりませんが、こういつたようなことが行われておるということが、巷間におきましてもわかつておる。政府委員が御存じないということ自身が、はなはだ問題だと思いますが、ちようど宮幡政務次官も来られましたので、宮幡政務次官はこれらの大手筋九社の価格協定、その協定のための組織、こういうようなものは御存じと思いますが、これに対してはどういうふうなお考えを持つておりますか。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 ただいまかけつけたばかりでありまして、今までのお話の関連が、どこにあるかよくわかりませんが、ただいま御意見のありましたところだけで申し上げますと、政府といたしましてはさような協定のあることは、もちろん指導もいたさなければ、監督もいたしておりません。いわゆるよい意味の自由な商売をしていただいておるわけでありまして、風早さんは御存じで政府が知らないのは、はなはだ不用意でないかという御意見については、私ども大いに注意を拂うわけでありますけれども、ただいまのところでは存じておりません。同時にもしさようなカルテル式な協定が、公然と行われるといたしますならば、事業者団体法、独占禁止に対します各種の法律があるのでありますから、この法律に照らして処断すべきものでありまして、行政庁としてあるいは必要があれば、告発等の処置は必要かもしれませんが、それ以上のいわゆる統制をいたしておりましたような指揮、命令はできかねるものと考えております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 先ほども申し上げましたように、この協定は、土曜会というちやんと組織をもつて、もちろんこれは公認せられたものではない、公認せらるべきものでもないわけでありますが、祕密会としてやつておるわけでありまして、これに対して至急に政府としては責任のある御調査とその御報告を願いたい。私は一応そのことを希望しておきます。  この統制撤廃後におきまして、そういつたような申合せによるか、あるいは放任という形から当然に来たか、自由競争の形に来たか、それは両方であると思いますが、統制撤廃後の半年間の炭鉱資本の利潤というか、これもやはり大手筋と中小、特に三井、三菱について大体政府側の数字を出していただきたい。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 大手各社の損益の数字は一応ございますけれども、昨年の下期後のものは、まだ集計等が十分いたされておりませんので、大分古い資料しかございませんが、それでよろしゆうございますか。

風早八十二日本共産党

○風早委員 どうもこれは少しよく調べて来ていただきたいのですが、そういうようないろいろ資料をいただきますけれども、こういう根幹に触れた問題に対する資料というものが非常に欠けておるので、どうしてもこういう質問をせざるを得ないので、はなはだ時間の不経済でわれわれも遺憾なんですが、これは私どもは政府から資料をいただかないといつても、默つておるわけに行かない。やはりいろいろ雑誌、新聞その他を見て調べておる。石炭経済研究所の石炭特報——これは政府にも十分行つておると思いますが、この石炭特報の昭和二十五年四月一日発行のもの、これなんかによりましても、これは統制撤廃後半年でありますが、半期三井は十二億、三菱は十五億であります。これは資本金に対しましては、三井の場合にはその一〇〇%、三菱の場合には一六六%、半期であります。年間とすれば、二倍以上三倍近くのボロもうけをやつておる。こういうような事実が出ておるわけです。これの真偽のほどは私どももわかりません。これは政府の方でもよく取上げてもらいたいし、ましてや提案者としてはこの点は十分に頭に入れていただきたい。それがうそならうそと、はつきり証明していただきたい。われわれは一応この事実に基いて議論を進めざるを得ない。こういうふうな半期に、一〇〇%、一六六%といつたようなべらぼうな超過利潤というものは、一体どこから出て来るのか。私どもはむしろこういう統制撤廃とか、また今度の炭管法案廃止であるとか、そういう問題の祕密が、こういうところにありはしないかということを疑わざるを得ないわけであります。これは思うにそれに投下した設備その他の資本の收益というわけに参らないと思います。その産出炭の品質とか、炭質とか、カロリーとか、そういうものの優位からこれは必然的にもたらされておるのでありまして、そういうところから販売価格が騰貴した。言いかえれば三井、三菱によつて特に優秀な鉱区が、独占的に所有せられておる。あるいは專有せられておる。そういう專有旅、所有権に莫大な利潤の源泉があるものと考えられるのであります。この自由党の議員諸君の御提案が今回の炭管法の廃止、結局諸君の言われるところのいわゆる自由経済政策、こういうもののねらいどころは、明らかに国内のこういう巨大な炭鉱資本というものの利益に奉仕していやしないか。それからこれは競争関係だけから申しましても、中小炭鉱は関係はないと言われますけれども、事実中小炭鉱はそれで犠牲になつてしまう。そのために中小炭鉱を犠牲にして、巨大な炭鉱資本に莫大な、法外な利潤を與えるこういうのではなかろうかと考えられるのでありますが、これは私は提案者に対しても注意を喚起しておきたい。前会の質疑に際しまして、今度の炭管法の廃止という問題については、新しい意味が加わつておるということを私は申します。これは今までは大体国内的に見まして、国内の巨大な炭鉱資本というものと中小炭鉱との関係で、問題が起きて参つたわけであります。しかしそれだけじやない、新しい意味が加わつたということを私は申しておく。この新しい意味というのは、申すまでもなく国際独占資本の政策との関連であります。吉田自由党内閣の一貫した政策方針の一つとして、中小及び労働階級を犠牲にして、何よりもまず国内の独占資本の利益を擁護せんとしておるということは、石炭問題についても、すでに今出しておるそういう資料を通じましても、明らかになつたと思うのでありますが、同時にわれわれが常に指摘して参りましたことは、国際独占資本に対する完全な従属、これがまさに吉田内閣の一貫した政策であつたということであるのであります。そこでこの提案者並びに政府当局は、この国際独占資本は、これは決して外国石炭業者だけを意味しておるわけではありません。この国際独占資本の日本の石炭業に対する政策の方向については、どういうふうにお考えになつておるか、それの批評をしてもらいたいというんじやない。一体どういう政策をとつておるというふうに認識せられておるか、まずこの点からお尋ねしたいと思います。

神田博自由党

○神田委員 ただいま風早委員より何か石炭鉱業が、巨大独占資本に左右されて自由党の政策が一貫して、あるいは吉田内閣の政策が一貫して、これらの巨大財閥の奉仕者だというような意味のことを述べられました。これについて、どういう考えを持つておるかということのようでございました。これはどうも前提からいつも——何といいますか、風早さんは一たび質問を始めると、必ず人民の管理をあげ、巨大資本があるということで、さらに内閣攻撃があり、自由党攻撃があるというような一貫したお立場でお述べになつておると拜聽しておりまして、われわれは幾たびもあらゆる機会に述べておるのでありますが、今日わが国にそういつた巨大財閥があるというふうには考えておらない。御承知のように財閥は解体せられておる。独占資本は禁止されておる。その前提のもとに企業が営まれておるのだ。比較的大きい、あるいは比較的中小だというようなことはあり得るわけでありますが、それらはともどもに憲法のもとに十分な人権を尊重されつつ、斯業に精励しておるというふうに考えておるわけでありまして、これらの点になりますと、もう共産党と自由党とのイデオロギーといいましようか、立場が根本から違うわけであります。前提が違つておりますから、これは幾らお答え申し上げても、平行線だと考えておるわけでありまして、お答えするまでもなく御了承のことでありますが、お立ちになると毎度述べなければ承知ができない。晝飯がまずいというように考えておられるのではないかと考えております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 今私がお尋ねしたのは、国際独占資本が日本の石炭業に対して、どういう政策をとつておるかという認識をお尋ねしておるわけであります。いつも問題を前に引きもとしては、結局私がお尋ねしたことはお答えにならぬ。これでは立場の相違とかなんとかいう問題ではなくして、ただ逃げておられるとしか考えられない。提案者が確固たる確信をこの提案に対して持つておるとは受取れないのです。なおまた財閥云々の問題がありましたが、われわれは財閥ある、独占資本は儼然として存在しておると考えておりますが、これは議論になりますから預つておきます。しかし問題は先ほど申したように、三井、三菱が統制撤廃のわずか半月の間に、あるいは一〇〇%あるいは一六六%の巨大な利潤をあげたというこの事実に対して、一体どうお考えになつておるか。これもその事実そのものについては、もちろんまだ論議の余地がありますが、大体そういう傾向であることは疑いないと思うのであります。それらを見のがしておるということは、これすなわちこういう独占資本に対して奉仕せられることである。客観的な意味はまさしくその通りである。また今その反面におきまして、中小炭鉱が先ほど申し述べましたように、ばたばたと倒れつつある。これも儼然たる事実でありまして、これが統制撤廃のために起きたかどうか、それが統制撤廃後に起つておる事実とすれば、やはりその間に関連性を持つが、これに対してどういう措置をとられるかというような問題になるわけであります。事実大がこうやつてますます太り、小がつぶれて行くということになれば、やはり結果において、少くも自由党は、吉田内閣は、そういう政策をとつておるとしか考えられないわけです。とつておられないと言われるならば、そういう事実をあげて示してもらいたいわけでありますが、それができないとすれば、やはりそう断定する以外にないわけでありまして、別にこういうことを言つたから晝飯がうまいとかうまくないとかいうわけではないのであります。この国際独占資本が日本の炭鉱業に対して、一体どういう政策をとつておるか。これについて、どの程度の御認識を持つておられるか。この点を何も価格の問題に限りません。実際の日本の炭鉱生産に対して、どういう政策をとつておられるか、ひとつ御認識のほどを承りたいのであります。

神田博自由党

○神田委員 石炭鉱業に対して、外国資本がどういうような関心を持つておるかということについて提案者は知つておるか、どういうふうに考えておるかというようなお尋ねのように承つたのでありますが、石炭鉱業につきまして外国資本が入つて来たい、あるいはまたどうしたいということについて、私ども実はまだ承知しておらないのでございまして、率直でございますが、関心のあることは、これはわれわれがやはり世界の資源についても何らかの関心を持つて、世界経済に仲間入りをしようとしておるわけですから、あることはあるわけでありますが、世界の資本家が日本の石炭にどの程度の認識を持つておつて、またどの程度の関心を持つておつて、どういうような考えのもとで構想を練つて入つて来るかというようなことについては、寡聞にして承知しておりません。その他の点につきましては、先ほど来しばしばお答え申し上げた通りと御了承願いたいと思います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 これは神田委員は御存じないわけはないのでありまして、要するにあなた方がもつぱらそれに奉仕しておられますドッヂ・ライン、あるいはローガン構想の貿易方式、こういうふうなものを一つおとりになりましても、一体それらが日本の石炭の生産なりあるいは価格なり、それらの面に対してどういう関心を持つておられるか。これに石炭を拔きにして当分貿易なり財政一般は考えられないのでありまして、そのことから当然に出て来やしないかと思うのであります。この炭価を下げて、これで各産業のコストを下げる。それで安上りにいろいろ機械化その他をやつて行く。同様に安上りな商品をつくりまして、東南アジアへ輸出して行く。それができなければ東南アジアからの食糧輸入というようなものも、できないわけでありますから、それをやつて行く。もしその食糧輸入かできなければ、いわゆる援助資金の節約、ドル貨の節約もできないのであります。結局アメリカから新手にいろいろな過剩商品を輸入しようとしても、それもできない、こういうことになりますから、どうしてもこれはまずその根本である炭価を引下げなければならない。これはおそらく何人も、この国際独占資本が現存あると考えられるわけであります。こういう点につきましては、今まで公団滯貨の放出につきましても、直接相当のきつい要請もあつたわけであります。そのことが当然炭価をめちやくちやに引下げるという一つの作用を持つて、もちろんそれだけでもつて実際に引下るか下らないかは、他の要素も加わらなければなりませんから、これは別問題である。その通りであるわけではありませんが、とにかく下げる要素を持つておる。公正取引委員会の活動も、結局はこの炭価の面に即して見ますれば、先ほど政府委員はコークスだけについて言いましたが、こういう協定がもしも明らかな事実であるとすれば、これはこの協定を押えるに違いない。吉田内閣が何をやらなくても、これは当然押えるに違いない。また輸入炭でありますが、輸入炭も現在の條件では、日本の国内炭価を切りくずす作用を持つておることは明らかであります、そのほか炭鉱業の合理化によるコストの切下げというような、本格的な方策も無論考えられておるわけだと思うのでありますが、いずれも炭価の切下げという面から考えてみれば、その方向を一応念願しておるということは、これはきわめて明らかじやないかと思うのでありますが、この点はどうでしようか。  それから第二には、結局今の中にも含まれておりますけれども、石炭の売込みであります。つまり今のところでは、開らん炭の方が安い。カナダ炭は高い。でありますから、なかなかそこに困難があるわけであります。しかし、といつて開らん炭の場合におきましても、この前も神田君は、大いに中共との貿易というようなことを、これは私のお好みのあれだが、中共との貿易を考えておると言われますが、これはどうですかね、実際開らん炭の見込みはありますか。われわれの方からやはり見返り物資を送らなければならないわけですが、その見返り物資は、みんな戰略物資だとか何とかいつて押えられておる。事実行き悩んでしまつておる。結局するとやはりカナダ炭が入る。まあその値段も問題ですが、いずれにしてもこういうふうな石炭の売込みという問題が、そこに出て来ておるということは明らかである。第三には、炭鉱用の機械の売込みであります。この合理化というのも、結局こういうアメリカならアメリカの炭鉱機械の売込み態勢と考えて、しかるべきじやないかと思うのでありますが、そういう点につきまして——一体私の方から申し上げて逆だと思いますが、お答えがないために申し上げる。そういうふうなことだとすれば、これは提案者として、きわめてけつこうだとお考えになりますから、あるいはそれは困るとお考えになりますか。その辺の御所見を承つておきたいと思います。

神田博自由党

○神田委員 わが国の産業の大半と申しましようか、相当のと申しましようか、戰争準備あるいは戰争中を通じまして、戰後また疲弊の期間が相当あつたわけでありますが、先進国より非常に工業水準が遅れておる。そこで早く優秀な技術あるいは機械等を導入して、急速にひとつ産業の整備をしたい、能率化をはかりたいということは、今日これはもう朝野を問わず、国民の声と私ども考えております。そこでただいまの風早さんのお尋ねでありますが、アメリカから機械を買う、そういうことは何かわれわれが今考えておりますことと違つた意味に、お考えになつておられるようでございまして、もしさようだとすると、私どもと考え方が根本的に違うのだ、そこから出て来ることなのでありまして、これは先ほど申し上げておりますように平行的な問題じやないか。われわれ戰争準備期間から今日までの間、十数年間孤立した経済に立つておつて、相手国の長所というものをほとんど見のがして来ておる。そのために大分工業水準が遅れている。早く世界の水準にこぎ着けたい、そこで技術の導入なり機械の導入をはかつて、急速に整備したい。石炭鉱業におきましても、やはりこれと同じ考えを持つておりまして、そういうふうな努力を続けておるわけでありまして、これに対して何か別の意図でお考えになつておられるようであります。それはまあ自由でありますが、われわれの考えておることを申し上げまして、御答えにかえたいと思います。  なおもう一つ、先ほどお答え漏れ申し上げたのであります、三井、三菱等の大手筋の炭鉱経営業者が莫大なる利潤をあげておる、こういうことをお述べになつておられるようであります、われわれも若干の利潤をあげておることについては、幾多の材料によつてこれを認めておりますが、今日ただいま申し上げましたように炭鉱の経営の合理化をはかつて行く、荒廃した炭鉱の整備もしなければならない。相当巨額の経費を投じなかつたならば、今日九十四トンぐらいの一人当りの年間出炭量を、将来百七十トンぐらい出して行くことにするには、巨額の経費をつぎ込まなければならない。そういう意味から考えますると、今日あげておる利潤で、はたして百七十トンぐらいの、すなわち世界の水準まで持つて行くことかできるかということを考えると、非常に道遠しということを憂えておるわけでありまして、風早君のお持ちになつておられる材料と、われわれの知つております見解とは、少し違うような感じがいたします。お尋ねでございましたので、この機会にお答え申し上げておきたいと思います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 国際場裡に日本が復帰するということは、われわれもちつともそれには違いないのです。非常にその点は同感なんです。ただほんとうにそうなるように、われわれはその方法をを考えているわけです。今出ておるようなその一部の国際独占資本と、こういう形で結びつくことが、実際の結果として日本がこれから一人前として国際場裕に出い行かれるゆえんであるか、それともかえつてこれは日本を非常に隷属的な條件に陷れることになりはしないか、その点が問題なのであります。その点さえ明らかになれば、国際場裡に出て行くということは、もちろんわれわれも最も念願しておるところなのでありまして、その点は申すまでもありませんが、一言しておきます。大体今私が一応あげましたような国際独占貸本の日本の炭価切下げの諸政策は、実はいろいろなそういう意図を含んでおりましたが、こういつたようなものは結局どういうことになるか。この上級炭につきましては、あるいは鉄鋼であるとか、運輸であるとか、火力発電であるとか、炭価がいつもいたちごつこをやつておつて、これが日本の経済の再建に対する隘路である。これは十分に今まで指摘されておるところでありまして、その点では炭価の切下げということは、できるならばまことにけつこうだと思います。ただその切下げが、やはり十分に原価計算に合うというものでなくちやならぬわけなのでありまして、今までの例を見ますと、現在補給金なりあるいは復金の融資等、こういうようなものによつて、辛うじて立つておるということであつてはどうにもならぬわけです。ところがいずれにしましても、そういう炭価の切下げができるかといいますと、事実統制撤廃の結果、高級炭はどんどん上つておるわけです。また輸入炭の圧迫というものも、結局は中小炭鉱の出炭に対して、しわ寄せせられるという危險があると、われわれは考えるのでありますが、これらの点についてもう少しお考えのほどを、よく出していただきたいと思つている次第です。もしも炭価の切下げというものが、鉄鉱業なら鉄鉱業だけをとればこれに利益するとしても、炭鉱業そのものがそのためにつぶれるということになつたならば、何のための切下げか、これは炭鉱業の方からいうと、また主客転倒になつて来るわけです。そういう点をどう調整せられるおつもりであるか、どう根本的に解決されるおつもりであるか。これらはやはり国際的な面からも、今影響がしんしんと来ておりますから、それらをみな含めて、ひとつ考えていただきたいということです。これは結局このコストの切下げという問題にぶつかると思います。結局コストの切下げがきわめて健全にできさえすれば、非常にこれらの問題の主要なものが解決されると思うのです。ところが従来一貫して首切り、賃下げ、こういうふうな総支拂い賃金つまり労力費というものの節約によつて、コストの切下げが行われておつた。これは今度の統制撤廃と時期を同じくして、昨年四月から今年四月の間におきまして、炭鉱労働者は大体五万人減つております。それで出炭高は一人当り二トン引上げられております。そこに猛烈な手不足、労働強化というような線が出ております。それから賃金の切下げでありますが、これは前回民主党の有田委員の御質問中に、やはりコストの切下げということに非常な関心を示しておられる。これは非常に同感でありますが、その中でまた労力費の節約の余地があるかのような印象を與えるような御質問もあつたと記憶しております。私の記憶違いならば、この点を取消してもいいのですが、もし労力費の節約がまだできるというように考えられておるとすれば、これは問題だろうと思います。大体この原価の中に占める労力費の割合というようなものも、資料として出ておると思いますから、これは省きますが、これらも二十一年、二十三年、二十四年と、どんどん割合は低くなつたのでありますが、低下の一途をたどつていることは、事実として認められているところと思うのであります。そこで私は提案者並びに政府当局にお聞きしたい。このコストの切下げの方法として、依然として労力費の切下げの可能性があるように考えられておられるかどうか、この最後の点だけ御所見をお答え願いたい。

神田博自由党

○神田委員 お答え申し上げます。風早さんのお尋ねを先ほどからお聞きしていると、炭価を下げることが必要だ、非常に炭価が高いので、いろいろの産業がこれをかぶつているわけであります。そこで炭価を下げる方法はどういうことをやるかということで、先ほど来いろいろお答え申し上げたのでありますが、今度は具体的になつて参りまして、人員の整理と関係があるかということを述べておられるのであります。これは先ほどから具体的には申し述べてはおりませんが、昨年の出炭量が年間一人当り九十四トンでございますものを、将来は百七十トンまで持つて行きたい、こう言つておるのでありますから、有効需要が非常にふえない限りは、もし炭鉱の機械化が十分に行く、その他の能率化が行くということになりますれば、それは人員の整理もあり得るということは、当然のことだと考えております。御承知のように炭鉱労働者が逐次減つて参りまして、一人当りの稼働率がふえて参つた、そこで労働強化をしているのではないかというようなことをお述べになりますが、風早先生は学校の方は詳しいが、鉱山のことはどうもよく御存じないのではないかと思うのであります。御承知のように戰後労働者の切りかえが行われて、作業の熟練度が足らなかつたというわけでありまして、あるいはまたこれは労働者だけではなく、これを管理している面からも、あるいは経営している面からも、やはりそういつた問題があつたと思います。特に労務者の練度の不十分ということが、おもな理由でございまして、それらが解決して参りました関係上、一人当りの出炭量が自然にふえて行くわけでありまして、なれてふえて行くことでありますから、むしろ作業関係から言えば楽にふえて行くわけであります。それを労働強化だとお考えになるのは、どうかと私は思うのであります。熟練して参りますれば、これはスポーツの例をとりましても、あまり力を入れなくても球は十分飛ばし得るようなことになる。いくら力を入れても球は飛ばない。こういつた鉱山におきましても練度が十分になつて参りますれば、疲労少くして能率を上げ得ることは常識のことでございまして、一日五・五トンあるいは六・三トンというようなことは、これは仕事をしているのか、していないのかという程度でありまして、ようやく今日八・二五トンくらいまで来たということは、とにかく一通りの目途まで来た、熟練して来たということを現わしていると思います。そこで将来の問題としては、それに加うるにさらに機械化の問題を取入れて行きたい。年間九十四トンくらいの出炭量を、一人当り百七十トンまで持つて行くことになりますと、約倍近い数字になるわけでありますから、将来出炭が八千万トンも必要だということになりますれば、労務の問題はそのまま行けることになると思います。そうでなく、有効需要は増大しないが、機械化が十分進むことになれば、整理の問題は当然出て来るだろうと思います。そこで炭価の切下げがやはり行われて行くことになるのじやないかと、きのうあたり委員からのお尋ねがございまして、炭価の急速な引下げを行うならば、炭鉱の急速な機械化を行うことになる。これは厖大な金がかかつてできないが、しかしもしやれるとしても、労務者の整理という問題が、そこに横たわつて来るから、必ずしもそういうことは全体から考えてよいだろうかどうだろうかということを、十分考えなければならぬということを、お答え申し上げたのでありまして、これらを十分御参照願いますれば、私たちの考えている点も御了承願えると思います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 よけいなことは言いたくないのですが、どうも提案者がよけいなことを言われるから、私もつい言わざるを得ない。私の一身上の能力に対して云々せられている。これは聞捨てならない。あなたは私を知らない。だから知らない場合にはよけいなことを言つてもらいたくない。私は学者だと言われいる。しかしただの学者ではありません。とにかく私は石炭について、炭鉱災害については大きな本も書いてある。この本は机の上で書いたのではない。北海道から常磐から九州から、全国の大中小の炭鉱をずつとまわり歩いて、何度も何度も検討した上で、実地に基いて足で書いたものであります。もちろん私は專門家ではありませんから、炭層がどうだ、こうだというやかましいことは知りませんが、とにかく少くも労働條件に関して、またこの機械化、合理化、こういうものとの関連について、私どもは專門的に検討しております。とにかくよけいなことを言つてもらいたくない。私どもはそういう無責任なことを、今ここで質問しているのではないのです。ほんとうの問題をここへ提出しているのですから、そのつもりでひとつ愼重に御答弁願いたい。  今提案者は、人員整理があり得るということを、みずから認められたわけであります。人は減る。賃金は一体どういうふうになるか。日産協では、売れ行き顧慮した品質、つまりカロリーと能率の自乘化された能率給、こういうスローガンを掲げてやつているのです。これが全国の炭鉱にずつと波及しているわけです。この方針でもつて各炭鉱経営者はやつて来ている。でありますから今猛烈な労働強化が起つております。ことに問題は、上級炭を独占している大炭鉱でむしろはげしい。これは自然にそこは優良炭が出るわけでありますから、やればやるだけ能率給が上るというので、猛烈な労働強化にかり立てられている。しかし下級炭しか持つておらない中小の炭鉱でも、カロリーを上げるためには、どれくらい犠牲を拂つておるか。これは前回の質問の際に述べましたが、実際常磐でも宇部でも、そのためにどれくらい犠牲を拂つておるか。たいへんな量の犠牲を拂つておる。そうしてカロリーを若干でも上げようとして努力している。しかしこれには並々ならぬ労働者の労働強化がある。この賃金も——今あなたは、賃金なんかのことは、あまり御関心ないかもしれませんが、実際常磐地区の場合をとりましても、最も徹底して、基準賃金の三百六十三円を最高にしております。カロリーと一人当り出炭能率によつて、A、B、C、D、の四クラスにわけまして。Dクラスの炭鉱におきましては、基準賃金を坑内は二百七十円、坑外は百七十五円に切り下げている。こういう賃金でとにかくやつているのです。それはぎりぎりでありますから、どんな生活をしているか御存じと思いますけれども、これはもう一度、御存じならば思い起していただきたい。そういうような次第であります。これはやはり何としても、私はあなたと同じように、目標はやはり炭坑の中をもつと合理的に機械化しなければならない。そちらへ行かす必要がある。今のままでありますと、たいへんな労働災害であります。しかも労働災害は大炭鉱に起つております。ガス炭塵の爆発、これはガスの多い炭鉱はまた優良炭が多い。優良炭のところはガスが多い。これは重なつているのであります。だから、今一番災害のひどいのは、災害の中で最も残虐な災害になつているガス炭塵の爆発、これが大炭鉱でどんどんふえている。こういう数字は政府もお持ちだと思いますから、時間の関係があるから省きますが、ふえている。もちろん中小炭鉱では特に落盤を中心にした災害はたいへんなものです。今とにかくどんどん掘らなければ食つて行かれないのですから、もろいところ、危險なところでやつている、ですから落盤一件当りで死ぬ人間の数は、初めは二人、三人であつたものが、今度は十人、十数名というふうに、一かたまりになつて死んでいるというような実情が出て来ている。また支柱なんかも、支柱夫を置かないから、採炭夫が同時に自分で支柱をやる。また採炭をやる。そうなればとても支柱なんかやつているひまがありませんから、どうしても柱を立てないでどんどんやる。また柱をぞんざいに立ててやつて行く、そのためにまた災害が起る、これはやむを得ない。そういつたようなふうにかり立てて行く。この自乘化され、三乘化された能率給賃金制度というものがある。それを全然不問に付しておいて、ただ過去一年間に人員は減つたが、実際労働生産性が一人当り二トンふえたと言いましても、それは陰にどれだけの犠牲があるかということを、やはり考えなくてはならない。由来日本の炭鉱資本家というものは、これは大経営もそうでありますが、保安施設というものを非常にサボつております。これはやはり資本の節約という立場、利潤を上げるという立場から節約しております。そのために災害が特別に日本には多い。そういつた実情をひとつお考えになつた上で、御親切に御答弁願いたいと思うのであります。結局問題は統制廃止後、コストの面で技術化の問題がどうしても起つて来ると思います。その面で問題を出してお答えを承りたいと思うのであります。この統制廃止後の、外国の炭鉱機械の輸入計画というものと、その実績及びその今後の見通し、これはこまかい数字もありますから、政府委員にお答え願いたいと思います。統制廃止後の外国炭鉱機械が、どういうものが輸入せられる計画であつたか、またそれに対してどういう実績を示しているか。その今後の見通し、これが今般のこの問題、特にコスト切下げの問題を、正常に解決するかいなかの最後のかぎを握つていると思いますから、この点についてはぜひとも政府の責任のある数字でお答え願いたい。

神田博自由党

○神田委員 若干お答え申し上げたいと思います。先ほど少し言葉が過ぎたり、足りなかつたりして恐縮でありますが、足りない部分を補足さしていただきます。出炭量をふやしてコストを下げる、そのためには相当な機械化を行わなければならない。そこで有効需要がふえないということになりますと、石炭原価を下げる意味で、人員整理を行うことがあるだろうという意味のお答えを申し上げたのでありますが、それをするというふうには必ずしも申し上げたのではないのであります。ただ、しかし炭鉱の機械化がいつ一体そういうところまで到達するか。これはむろん自然減少というような場合も、人員の場合はあるわけでありまして、それらとにらみ合せなければ、はつきりすることができないと思います。ただしかし目標としております、海外の年間一人当り百七十トンというような方向に持つて参りますと、ただいまの八・二五トンに比べて、相当の能率引上げになりますから、有効需要がふえない限りは過剰人員が出て来る。しかしこれはいろいろの問題と関連して参りますので、ここで算術的に整理するとかしないとかいうことは、議論になると思います。ただ私の足りなかつた点は、労働強化が炭鉱において行われるという問題でありまして、これは全部においては私もさようには考えておりませんが、最近のようなこういつた情勢下におきましては、おそらく一部においては風早委員の述べられたような労働強化が、行われているだろうと想像いたしております。しかしわれわれ考えておりますのに、終戰後の当初から戰前の勤労意欲の点におきまして、戰前までもどつているかどうかということにつきまして、全体としては戰前に大体接近しており、一部ではまさつておる点もあると思いますが、戰前までまだ到達し得ないところも相当あるのではないか、こういうふうにも考えております。労働強化がどういうふうになつておるか、鉱山の災害がどういうふうになつておるか。ことに鉱山の災害等につきましては、先般来鉱山保安法ができまして、保安の面におきましては非常に人員増加もされまして、最善の努力を政府としてもやつておることと考えておりますが、しかしわれわれといたしましては、あれで必ずしも十分であるとは考えておりません。坑道がだんだん伸びて行く條件が悪くなるわけでありますから、特に鉱山保安の問題につきましては、最善の方法を日々とつて行かなければならぬことは、まことに同感であります。政府側からも答弁があることと存じておりますが、それらの点におきましては風早委員と同じ考えを持つております。こういう意味のことを申し上げてお答えにかえておきます。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 外国から輸入されました輸入機械は、アメリカから入れましたもので、フエイス・ローダー、ジヨイ・ローダー、コール・カッター、こういうものが入れられております。御承知かと思いますが切羽で積込みをやります機械と、炭層をカッティングするこの二つの機械。それから欧州方面からはビット、これはボーリングをやるときの刄でございます。それからワイヤ・ロープ、ワイヤ・ロッド、こういつたものを入れます。これの従来入れました数量並びに今後の計画につきましては、ちよつと数字を午後調べましてお答えいたします。

小金義照自由党

○小金委員長代理 風早委員にちよつと御相談申し上げますが、もう大分時間も過ぎましたので、この辺で休憩したらいかかでしようか。——それではそれを終つてください。なるべく問題の焦点を、炭管法の廃止問題に関連してだけに集中していただきます。

風早八十二日本共産党

○風早委員 そのことなんですが、今ことに問題が根本に入つて参りましたが、やはりこの点の見通しをはつきり立ててもらわぬと、炭管法廃止々々といつても、炭管法というものは、石炭全体の増産の根本問題でありまして、これは社会党、民主党、国協党なんかも、とにかく命がけでこれと闘つたわけですから、これを簡單に廃止される。われわれとしてもその場合の立場は、またおのずから違いますけれども、やはりこの問題は相当重要な政治的な意味もあるものと考えております。ですからただ簡單にはしよれはしよれと言われると、これは議員提出というようなこととにらみ合せて、われわれとしても考えなければならぬと思います。

小金義照自由党

○小金委員長代理 私が言うのは横道に入つたり、重複をなるべく避けていただきたいというのです。

風早八十二日本共産党

○風早委員 だつたらひとつ晝からにしてください。

小金義照自由党

○小金委員長代理 それではこれにて休憩いたします。午後は一時半から再開いたします。     午後零時三十六分休憩      ————◇—————     午後二時六分開議

有田二郎自由党

○有田(二)委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。私が委員長の職務を行います。  臨時石炭鉱業管理法の廃止に関する法律案を議題として質疑を継続いたします。風早八十二君。

風早八十二日本共産党

○風早委員 日本の炭鉱業で今までやつて来たやり方というのは、大体コストの切下げ、合理化と言いましても、実際には労働強化というところに終つておつたわけであります。これはいまさら喋々するまでもないわけであります。どうしてもこの問題を根本的に解決するのには、技術の導入がいる。つまり機械化をやらなければならないということは、結論としてはきまつておつたわけであります。またこれは経済の常道でもあるわけです。ところでその場合に、資金の面なんかをそのままにしておいて、それをやるといつたところで、一部の巨大資本を擁しておる炭鉱だけがやれるのであつて、かえつてこれをやる結果、中小はその手段を持たないために結局つぶれてしまう。また大炭鉱でもその結果ただ首切り、労働強化というようなものが、そのために行われるというだけのことであつて、ほんとうの解決をしなかつた。実際にその落ちつくところは、またまた労働力中心の炭鉱経営ということになつたことは、大体御承知の通りであります。ですから今回この輸入にしろ、何にしろ機械の導入がほんとうに具体的な日程に上つたということは、これは必然のことながら、非常のわれわれとしても重要な問題であると考えておるわけであります。そういう意味で実際に今問題になつている輸入機械というものは、日本の石炭生産にほんとうに役立つか、また日本の業界を真にこれで救うか、ひいては日本の国民経済に対して重要な解決策の糸口を開くか、こういう重大な問題として、私は質問を続けたいのであります。この輸入機械がどういうものであるか、どれほどどこへ行つたか、その実績はどうか、これからの見通しはどうか、これについて午前中に質問したわけですが、詳しいことは資料として提出するというお話でありますから、お待ちしておつたわけでありますが、まだ御提出がないままに、一応先へ進みます。  三菱の西島氏その他三井の——名は忘れましたが、三人のエンジニアが渡米せられまして、この機械を注文して来たというのは、大分前のことであります。ところが注文して来たものとかわつておるため、使つてみるとはなはだぐあいが悪い。つまり日本の炭層の條件と、これらの機械の効率というものとがうまく合わない。そういう問題について、政府はどういうふうに考えておられるのか。そうして私がこのコストの問題を出したときに、こういう点については提案者自身も、どうしても労力中心ではいけないから、やはり技術化ということを考えているというようなお話もありました。ですからその技術化が実際に行われるかどうかということが、重大な問題であろうと思います。そういう意味で、実際使つてみてぐあいが悪いということが一般の定評なのです。これは私どももかつての経験がありますが、昭和五、六年だけ、日本において実際これは大経営の炭鉱だけですけれども、まじめに技術の導入をはかつて、従来はただ單に揚水とか、通気とか、運搬とかいうものを中心にした機械化から、初めて採炭面にドリルとか、ピックとか、ことにコール・カッターを導入するというようなことを一応やつた。これがずつと行けばひとつの大きな発展だつたと思うのでありますが、その後準戰時体制に入りましてから、たちまち逆もどりして、また労力中心になつてしまつた。労力はふんだんにもらえるという日本の特殊軍事体制のもとで、結局また労力中心の非常に不経済なものになつてしまつて、先ほど私が申し上げましたように労働の生産力というものがぐつと下つてしまつた。またこれを繰返したくないので、どうしてもこの際に技術導入ということを真に生かすことが必要でありますが、その点実際もうすでにいろいろ矛盾が起つております。それはアメリカの機械を入れて来るがゆえに起つて来る矛盾で、日本の炭層條件と合わない、向うは厚い壁で日本は薄層が多いので合わないという問題があります。それからいろいろモデル・マシーンというような形で、向うから送り込まれているものなんかもあります。たとえば柱なんかでも、今まで日本では木の柱でやつておつたが、今度は鉄の柱をむりやりに買わされてそれを使う。これは重くて、狭い日本の切羽では扱えない。これを扱つたために指を損傷するとか、とにかく木と鉄とは違いますから、非常に疲労が増すとか、いろいろいやがられているわけです。ましてやコール・カッターなんかは、これを入れるためには作業場を、ことに切羽のスペースをうんと大きくしなければならない、全体をかえて行かなければどうにも扱えないのです。だからせつかく入れた機械をたちまちやめてしまつて、あの九州の三池炭鉱なんかでも、この部屋一面くらいの大きなコール・カッターがむなしく残骸として横たわつているというような状況になつてしまつたのですが、そういうことになつては、はなはだ不経済きわまることで、この点については、この際どういうお考えを持つておられ、これに対する解決策はどう考えておられるか、これらに対する提案者並びに政府委員のお考えを伺いたいと思います。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 輸入機械が、わが国の炭鉱の実際にそぐわないという点は、お説の通りでございまして、確かにそういう面が多々ございます。従いましてこれを実際の炭層の状況に適応させるためには、やはりいろいろ国内でもつて、これを十分研究の上、改造する必要がございまして、その点に関しまして輸入機械をモデルとして、いろいろ試作を続けております。逐次非常に状況にあつたものができつつございまして、現に私が昨年の秋に九州の炭鉱に見に参りましたときには、最も新しい着いたばかりだというものが来ておりましたが、これなんかは形もこじんまりとしておりますし、性能も炭層の條件に非常に合つていて、成績がよいということを申しておりましたが、いろいろと改善を加えまして、日本の炭層の状況に合致するようなものを、国内でもつてつくるということで機械化をはかりたいと思つております。特に輸入機械ですぐれておる点は、性能の点もございますけれども、素材が非常に国産のものに比べて優秀であるという点が、非常な強みでございますので、場合によりましては素材を輸入いたしまして、その設計等につきましては、国内で研究の結果最もよいと考えられたものでもつてやりたい、こういうふうなことも考えているわけであります。なお鉄柱に関しましては、これは簡單なものでありますから、すでに国内で相当生産して使用いたしております。これは非常に使用の成績が良好でございまして、できるだけこれを早く鉄柱化するということが、将来炭鉱の合理化のためには、きわめて必要なことでございます。一時的に相当な資金を要するという点が、非常に一つの大きな悩みでありますが、これが鉄柱化するということになりますと、実際の能率の上から申しましても、耐久力から申しましても、経費の点から申しましても、相当な節約になる。さらに一面においては非常に貴重な森林資源というものに対しまして、相当セーブすることになりますので、できるだけ鉄柱化をはかりたいということについて、官民ともにその必要性は認めておるわけでございますが、早急に実現しがたいのは、ほとんど資金関係からそういうふうになつておると考えております。

神田博自由党

○神田委員 私も昨年の七月の末でございますが、北海道に参りました。ちようど炭鉱機械化の展覧会が、札幌の大学に開かれておりまして、講演会等もございまして、親しく見て参つたのでございます。今中島政府委員が述べられたようなわけでありまして、アメリカの鉱山機械をそのままわが国に当てはめることはむりであるということは、何人も熟知しておると思いますが、あのアイデァをとりまして、わが国の鉱山の機械化をして行くということについても、また何人も異議のないことでありまして国情に即したものが逐次できつつあつて、能率も高度化されておるというふうに考えております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 今提案者並びに政府委員から私の質問に対して、とにかくアメリカの機械が入つて来るが、それは日本の炭層條件にそのままでは適しないということは、十分に認識しておるということで、これは非常にけつこうなことであります。従つて機械化ということの重要性は、これはもとよりでありますから、やはりそれに適するような機械をつくることが必要であります。ところが日本の機械産業というものは、非常に優秀なんです。もちろんほかの国と比べて相対的にどうこうということは、これまたおのずから問題はありますけれども、とにかく一応これは独自なものを持つておるわけです。でありますからどうしてもこれはこの際機械産業の復活にも、いろいろ大いに役立つのでありまして、日本の機械産業部門を動かして、これをどんどん積極的にやらせる、この方向がこの際は特に必要ではなかろうかと考えるわけであります。日立なんかもいろいろつくつてみるものの、結局外国からの導入機械ということのために、これが妨げられておるというような実情があります。ですからその点で今のようなお考えを徹底させれば、非常にけつこうだとわれわれは考えておる。しかしながらそこに最後に問題になるのは、やはり金融の問題であると思います。今炭鉱金融というものは、これは一体どういうことになつておりますか。私はこの金融問題についてお尋ねいたしまして、これが合理化の問題を真に解決させるためにも実際に役立つかどうか、その点をひとつ究明してもらいたいと思います。大体今まで、ことに戦後は国民の税金を食つて来た。莫大な補給金、これはもう先般その数字、パーセンテージ等は申しましたから、省きます。復金の融資、これも結局はやはり税金負担である。これらの主として財政的な負担による、つまり国民負担による形で、初めてやつて来られた。こういう金融状況であつたと考えるのであります。今まで一体復金の融資というものと、市中銀行の借入金とにわけまして、設備資金と運転資金とにまたわけまして、大体のところでいいのですが、政府委員の方から、この復金融資の決定的な役割をひとつ出していただきたいと思います。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 一例といたしまして、午前中の御質問に関連いたしますが、三井、三菱の二つの例をとつて申し上げたいと思います。午前中に、三井及び三菱で、いずれも昨年の下に一〇〇%以上の利潤を上げているというふうな御指摘がございましたが、その数字につきましては、また決算もいたしておりませんので、私どもといたしまして明確にいたしがたいわけでございますが、一応そういうふうな利益を上げているという前提によりまして、三井を見ますと、現在資本金が一億でございます。それに対して復金の融資額の残が六十七億でございます。従いましてかりに九億の一〇〇%の利益を上げているということになりますと、事実利益金が九億に上るわけでございますが、全体の投資額ということになりますと、九億と六十七億の合計七十六億、これに対する利益率は一割二分くらいになるわけでございます。従つて復金の融資額が、資本化、いわゆる自己資本化されておりませんが、実際上はそういうふうな役割を果している。従つて利益率を見る場合には、これも同時に考えなければ無意味である。こういう意味で申し上げた次第でございます。また三菱の例をとりますと、資本金が現在五億五千万円ほどございまして、そのほかに復金の融資残が四十七億、合計五十三億近くのものが実際に投下されている。こういうことになつております。従いましてかりに十六割の利益があつたといたしまして、この全体から見ますと一五%程度、こういうふうなことになるわけでございます。

風早八十二日本共産党

○風早委員 大体今のお答えの中にもすでに含まれていると思いますが、結局復金融資というものは、主として設備資金である。たとえば市銀からの借入金は主として運転資金であり、またいろいろ資材なんかの未拂い代金の支拂いとか、そういつた方向に充てられている、こう考えて大体間違いありませんか。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 大体その通りでございまして、復金の融資額は、全体で昨年末に三百五十億ほどあるということは、前に申し上げたと思いますが、その中で三百三十億ほどが設備資金でありまして、残りの二十七億ばかりが運転資金でございます。なおついでに市中関係を申しますと、総額七百三十億の貸出し金額の中で、設備関係が三百五十億、運転関係が三百八十億、これは大体とんとんだ、こういうことになつております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 そうしますと、いずれにしても今問題は、合理化、特に技術化、機械化という意味での設備資金を非常に要する。その面についての資金繰りを考えているわけでありますが、一応それに限定して、問題を進めてみたいと思います。この復金の融資が、炭鉱資本に対してそういうふうに決定的な重要な役割を持つておつたことは、確実だと思います。ところがこれに対してドツジ・ラインによつて、二十五年度の予算によりましても、千数百億の国債償還がなされる。そのためのまた復金融資の引上げがどんどんと行われる。これは実はどんどんと行われておらないのでありますが、この復金融資の引上げということとは、これはまつこうから矛盾する事柄であると考えるのであります。そうなりますと、今後の金融を一体どうするつもりであるか。これは固定資産の再評価であるとか、その益金に対する課税の問題があります。また固定資産税や附加価値税等、莫大なものを納付しなければならぬ。そういつたものをすべて含めて、今年の金融をどうして行くかということは、これは復金がすでになく、また補給金が削減せられ、廃止せられるということになりますと、どこへ一体その融資先を求めて行くか、その点については提案者の方では、どういうふうに考えておられますか。

神田博自由党

○神田委員 過去におきましては、金融の点はもつぱら復金の融資ということは御承知の通りでありますが、今後はどういうふうにつけて行くか、こいうような御質問のように承つたのであります。今後融資はもつぱら市中銀行にこれをゆだねて行くことに相なろうかと考えております。しかし市中銀行にもおのずから限度もありますので、御承知の通り昨年においても、また今年もその予定でおりますが、見返り資金等からも相当額が出る、こういうふうに考えております。しかし見返り資金の点につきましては、これは長く続くものでもないことは、十分御承知の通りでありまして、将来設備資金というようなことになりますれば、さらに自己資金の調達、あるいは市中銀行の調達、なおまたわれわれの構想を率直に申し上げますれば、かような方面の投資をさせるために、興業銀行の大幅な増資、あるいは債券発行額の引上げ、さらにまた長期金融を受持つような銀行なり、あるいは金庫というようなものをひとつ考えて、これを実施したい、こういうように考えているわけであります。しかしあとの方は、御承知のようなドツジ・ライン下におきまして、ただちにできるとは考えておりませんが、われわれの構想としては、こうした設備の改良、補修等をやる、あるいは増設をやるというような点については、長期資金をまかない得るような窓口を扱うところの特種な銀行、あるいは金庫を必要とする。この設備のために十分努力して参りたい。そうして金融上の策を最善を期したい。こういうふうに考えております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 長期資金の問題については、これはもう予算委員会なり大蔵委員会等で、かねがね論議し盡されておつて、あげくの果が、結局もう見返り資金よりほかにはないというようなところまで、結論も来ておつたのではないかと、われわれは考えているのであります。提案者はいろいろ空想的な構想を披瀝しておられますが、これはやはり問題の実際に今ぶつかつている焦点をぼかさないでやつていただきたい。実際見返り資金よりほかに手がないということは、今のお説の中からも事実出て来ておると思うのであります。ところで見返り資金を入れると言いましても、これは今提案者の御答弁の中にもありましたように先は見えておるということでありますが、当面千億余の見返り資金の中から、できるだけそちらの方に融通してもらいたい。わずかでも回復しつつあるわけであります。そういう場合に私はここではコストの切下げの見地からの炭鉱政策の合理化、その合理化と言いましても、労働強化というようなことでなく、ほんとうに技術化、機械化という点から論じておるわけでありますが、そういう点でこの見返り資金の導入を考えた場合において、見返り資金の導入の條件として——これは決して借入れ條項の中にうたわれておると否とは問わないところでありますが、実際上見返り資金の導入の條件として炭層の條件が入つていはしないか。これは先ほどから私が問題にしております米国なら米国の炭鉱機械の導入ということと、これは不可分の関係で、見返り資金の導入ということが取上げられるのではないか。ところが見返り資金を入れようとすれば、どうしてもその借入れた見返り資金では、外国の機械を買わなければならないような條件になつておるのではないか。この点はどういう実情でありますか。ありのままを聞かせていただきたい。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 風早さんの御質問の中に、見返り資金が機械化のためのひもつき的な措置になるのではないかという御心配のようでありますが、将来のことはじばらく別といたしまして、ただいまの状況におきましては、見返り資金の融通を受けたがために、必ずアメリカの機械を買わなければならぬ、しかも日本の炭層には必ずしも合わないという機械をむりに買わなければならぬという状況に、ただいまなつておりません。

風早八十二日本共産党

○風早委員 提案者はどういうお考えですか。あまり驥尾に付さないで……

神田博自由党

○神田委員 私もただいま宮幡政務次官から答弁された通りに承知しておりまして、驥尾に付すとか、前座をつとめるという意味ではありません。正真正銘のお答えでありますから御了承願います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 これはほかの産業部門に対する見返り資金の導入の場合にも、こういうことは非常にやかましいのでありまして、これはわれわれが申すよりも政府委員や提案者の側はよく御承知だと思います。この場合にもこれは明らかに炭鉱機械の導入のための資金というような関係が、借入れ條件そのものの中に出て来はしないかと考えるのであります。私は今政府委員に対して炭鉱條件を含めて、この見返り資金が炭鉱に入る場合の借入れ條項というふうなものを二、三の例でいいですから、お漏らし願いたい。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 お尋ねの資料は、大蔵省の見返資金課でありますから、約款を示す以外はありません。ただいまここに用意がありませんから、適当な時期にお見せすることにいたします。なお炭鉱機械化のための輸入機械が、見返り資金と特定の関係に結ばれておるというような御解釈でありますが、私が申すより風早委員の御研究の結果十分御承知だと思います。見返り資金の繰入れはガリオア資金であります。炭鉱機械はイロア資金でありますので、性質がまつたく異つておることを御了承願いたい。

風早八十二日本共産党

○風早委員 大体外国機械の導入におきまして、これが日本の炭層の條件に一般的には合わないということは、これはだれよりかれよりも向うさんがよく知つておると思う。そこにしいて入れるのでありますから、むちやくちやに入れるわけに行かないのでありまして、どうしても炭層條件というものを、比較的に向うの機械に合うような炭層條件のところを目ざして、そこに機械を入れてやろうという談合ができることは、当然推測にかたくないのでありますが、そういつたような次第で、一応見返り資金との関係は否定せられますから、私はそれは一応預かつて、とにかく炭鉱機械の導入そのものと、炭層條件というものは十分にらみ合せて入れられておるものと考えます。その点から見まして、今実際に炭鉱機械が入れられて来る。そういう炭鉱を具体的にひとつ出していただきたい。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 見返り資金の出ている炭鉱の名前というお話であつたのでありますが、昨年度見返り資金が出ました炭鉱は、全体で二十六社でございまして、名前をあげますと、三井、三菱、北炭、井華、古河、明治、常磐、宇部興産、貝島、日本、雄別、麻生、杵島、嘉穗、太平洋、大正、松島、早良、松浦、日窒、小倉、大辻、長崎、羽幌、大浜、日満、この二十六社であります。

風早八十二日本共産党

○風早委員 この中でちよつと注目を引くのは麻生鉱業ですが、この麻生鉱業に対して御承知の通り八千万円の見返り資金が入れられておる。これはもちろんそれだけの必要があつたと思うのですか、麻生鉱業と同じような諸條件を持つたほかの中小炭鉱——これは中小とも言えないと思いますが、そこでもつてやはり見返り資金が実際申請しても入らなかつたというような炭鉱の名前をあげてもらいたい。私はやはりどうしても炭層や何かの具体的な実情と、そういう炭層の條件と関連がありはしないかと思う。その点をひとつ考慮に入れていただきたい。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 炭層の條件等の比較は、ちよつと私はつきりわかりませんが、いわゆる中小炭鉱といわれる中で、今回申請をいたしまして、まだ許可の出なかつたものは油谷、芦別、浅野、雨龍、山一、茅沼、この辺だと思います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 この麻生に出した八千万円の大体はどこにどういうふうに使うということについての指定を、はつきりお答え願います。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 麻生鉱業の中で吉隈炭鉱と缶下炭鉱と二つございますが、吉隈炭鉱におきまして運搬設備の改善のために六千七百万円、缶下炭鉱の選炭設備の新設のために千三百万円、こういう内訳になつております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 さつきの御提示になりました山一、茅沼等のこれらの炭鉱については、どういう條件でこれがはねられておるのか。それらの関係も同時に述べていただきたいと思います。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 落されました炭鉱の要求金額の中で、どういうふうな目的に使われる予定であつたか、これはちよつとわかりませんが、金額だけ申しますと、浅野、雨龍が二千百万円、山一が二千三百万円、茅沼が五千二百万円、油谷が一億一千三百万円、こういうふうな数字が出ております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 これは私の知つておる限りでは、炭層條件等の実際の技術的な條件に従つて来る生産上の必要という点から比較してみましても、別にかわりないように考えられる諸炭鉱において、一方では入り、一方では入らない。いずれは入るかもしれないというお話なら別かもしれませんが、とにかく入らないということでいながら、中小炭鉱のうちで麻生がちやんとこの選に漏れなく入つておるということは、われわれとしては重大な関心を持つておるわけです。一般の巷間でもいろいろうわさに上るほどでありまして、これらについてはどうもまだはつきりしないのですが、具体的な炭鉱借入れ條項を見せていただけないために、この点まだ究明の余地を残しておきます。今日は時間もありませんし、また資料もまだ不備でありますし、また後の機会に讓ることにいたしまして、この点はおきたいと思います。いずれにしましても、これらのいわゆる見返り資金というものが、炭鉱の見返り資金の融資に関する限りは、これが特に外国の機械を導入するということとは、全然関係がないのだという政府の言明は一応よく記憶しておきたいと思います。  大体今までの質問によりまして、われわれ日本の、石炭業というものを全体として、一体どう動かして行くのであるか。これの生産を実際にこれから増強して行くつもりなのであるか。またそれは一応成行きにまかせるのであるか。こういつた根本的な一つの問題にこれが結ばれて行くと思うのです。今まで他の同僚議員諸君の御質問の中にも、結局提案者はこれらの炭管法の廃止、あるいはまた遡つて統制の撤廃によつて跡始末をどうするのか。現在事実を見ますれば、明らかに一部の炭鉱は生産を上げることなしに、ただ優良な鉱区を独占しておるというだけで、非常に大きなもうけになつておる。しかしそれ以外のものはばたばたと倒れつつある。こういう実情が一応出ておる。これを日本の石炭生産全体から見ますれば、生産は別に増強しておるわけではない。また増強させようとす何らの方策も示しておられない。こういう点がやはり大きく問題になつて来るのではないかと思うのであります。それについては生産政策と申しましても、結局価格政策であり、ひいてはまた、輸入石炭の問題、導入機械の問題、いろいろ大手からめ手から、独占資本の一つの日本石炭に対する政策と、非常にからみ合つて来る面が多いわけであります。そういう面を十分ににらみ合せた上で、一体提案者としては日本の石炭業の今後に対して、どういうふうにこれを考えておられるか。これを最後として明快な為御答弁を得て、私の質問を終りたいと思います。

神田博自由党

○神田委員 簡單に明快にお答え申し上げます。提案理由を申し上げまして以来、たいまお尋ねの点は、十分お答え申し上げておるはずでございまして、速記録等でごらんを願いたいと思います。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 風早さんの御質問が終りになられたようでありますから、一言政府として発言をお許しいただきまして、先ほどの見返り資金の問題で、風早さんの了解を得たいと思います。もちろん私の申し上げることは御納得の行くといなとにかかわらず、一応お聞き取りを願いたいと思います。何か先ほど見返り資金の操作につきまして、特別の方法が行われておるような御発言でありましたが、これはあなたがある評判をお聞きになつて、あるいは独創的かもしれませんが、いろいろに御想像なさいますことは、これは御自由でありまして、何事も申しませんが、御承知のように石炭に関する見返り資企の解除を申請をいたします手続は、他の資金と同様に、原局で、申請を受付けまして、これを立案いたしまして、安本にまわし、それを大蔵省で嚴重に審査して、司令部に出すのでありまして、司令部でそれを査定して、解除を受けるということになつておるのであります。そういう関係で、日本政府の部内においていろいろの操作をいたしましても、これは一切無効の状況になるのが、現状であります。なおかつ石炭に対する見返り資金の二十四年度の総融資申込み額は、大体八十七億円でありましたが、二十四年度中に解除されましたのは四十一億円あまりでありまして、これが皆様の御希望を達成することのできなかつた事情であります。この点につきましても同様でありまして、所要の資金二百億程度が順次削られまして、結果においては順序をつけまして、七十番までありましたのが、四十一番までようやく融資ができるようになつた次第でありまして、残余の方々は次年度において順次考慮して、見返り資金の融通をつける、かような方向に進んでおるわけであります。電気としては百一億しかできない。石炭は八十七億の申請に対して四十一億あまり、総花式に全部出せなかつた。そういう事情から出たものでありまして、政府としては最大の努力をいたしましたが、さような結果になつたのでありまして、今後も引続いてこれらの融資については、努力を惜しまないものであるということを、特に御了解いただきたいと思いま

風早八十二日本共産党

○風早委員 この見返り資金のいろいろの手続は、大体了解いたしておりますが、雰際にこれを出す前に、やはり向うさんの方から直接に現場に参りまして、相当の調査をやはりやつておるということは、これは私も聞いておりますが、どういうようなことになつておりますか、その手続きの最後は……

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 見返り資金を融資するための調査であるとは思つておりませんので、それのみの理由によつて調査に行つておるとは思いません。日本の炭鉱に対する合理化の技術指導、その他の意味から、司令部に必要と認められる調査とか、視察ということは各炭鉱に向つて続けられておることは事実であります。

田中彰治自由党

○田中(彰)委員 臨時石炭鉱業者管理法の廃止については、私どもは双手を上げて賛成するものでありますが、しかし何事も実施されておるものを急にかえるというときには、政府の方でそれに対する処置を完全にされないと、これによる犠牲者が相当出ると思う。第一に、私は少くとも戰争中及び戰争後に大炭鉱に負けないで政府に協力して石炭の増産に励んで来た中小炭鉱に対して、やはり公団を廃止するについては、中小炭鉱の石炭が悪いのであるから、これの何か救助策あるいは前もつてこれを救済する方法が、一体どういうわけで講じられなかつたか。これをしないために中小炭鉱は非常に犠牲になつておる。こういう点について私は政府の方から一応お聞きしたいと思います。  それから今度の臨時石炭鉱業管理法の廃止でありますが、これを廃止するには、やはり中小炭鉱というものの現在の立場、あるいは今後に対するいろいろの政府の処置というものが、ただ口先だけでなく、ほんとうに親切心を持つてやられるような方法が、講ぜられなければならないと思うが、これがやられているかどうか。この点を伺いたいと思います。  先ほども出たのでありますが、見返り昏金は何と申しましても、非常に貸出しに対して不公平な感がする。そこで第一にお聞きしたいのは、見返り資金を中小炭鉱に貸してはならぬという規則でもあるのか、あるいは中小炭鉱と大炭鉱に対する見返り資金の貸し方に、何か特別な区別をつけて取扱いを、しなければならないような法規でもあるのか、これが一点。  それから復金でありますが、先ほど申し上げました通り、公団の廃止に伴う処遣が、非常に悪かつたために、中小炭鉱は非常に犠牲になつた。それからその後の金融に対しましても、大炭鉱には相当の金融をされるか、中小炭鉱にはどうも金融がされない、不公平である。これは一面考えてみますと、市中銀行を通じてやりますけれども、中小炭鉱が信用がないために貸さないということは、一応わかるのでありますが、非衛に不親切で、融融かうまく政府の方からまわつて来ない。それで復金の返済などに非常に困つておるのでありますから、復金の金を小小炭鉱に関する限り大きな炭鉱でも拂えないものに対しては、こわれた炭住を安く拂い下げてやるとか、あるいは長期に家賃なんかで貸しつけるような方法を、あなた方は考えていないか、この一点。  それから資源庁あたりでは、どうも中小炭鉱の人が何か頼みに行くと、非常に不親切である。そうして大きな炭鉱に対しては、あたかも偉い人に対するように、非常に親切にしてやる。こういうことをだれの命令によつてやつておるのか。役人が中小炭鉱に対して不親切にやらなければならないような、何か今までのいきさつとか、あるいは規則でもあるのか。そういう点に対して忌憚ない意見を聞きたいと思う。それからもう一つは、もし見返り資金を中小炭鉱に貸されるようなお考えがあるならば、資源庁が乗り出して、中小炭鉱の調査あるいは金融のつけ方などに対して、力を注いで貸してやるような方法がとれないものかどうか。  もう一つ、臨時石炭鉱業管理法の廃止に伴つて使用権がなくなる。それで今まで使用権の設定をしたところは、法律によつて一応設定したのであるからよいといたしましても、目下手続中のもの、あるいはこれから手続をしなければならぬというので、書類をつくつておる炭鉱が、少くとも日本に十二、三鉱、あるいは十四、五鉱ある。こういうものに対してどういう処置をとられるか。この点についてお伺いいたしたい。  それからもう一つ、今度臨時石炭鉱業管理法の廃止によつて、少くとも一億一千六百余万円の金が浮くのでありますから、これを石炭増産、特に倒れておるような中小炭鉱、あるいはまた今までやつておつたんだが、ほんのわずかな金融がなくて、できないような中小炭鉱にこの金をまわして救済して、石炭の増産をはかるような意図が政府にあるかどうか。あるいはまたこれを公団のようなところにまわすか、あるいはまた国民の税の負担にまわしてやるのか。その点をお伺いいたしたいと思います。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 中小炭鉱と大炭鉱を取扱い上、特別に区別するということは、全然ないのでございまして、見返り資金の点に関しましても、中小炭鉱なるがゆえに、貸出しまかりならぬというような原則もございませんし、またそういう指示もいたしません。ただ見返り資金を融資し得る條件といいますと、非常にこれはやかましい條件になつております。特に将来の償還の見込みということが、やかましく言われております。さらにまた従来の経常状況等を十分検討の上、見込みのないものにつきましては、なかなか出しがたいということになつております。そういうことに対しては、どうしても中小炭鉱は不利であるということは、否定できないであろうと思います。しかしながら現に申請のありましたものの中で、十分予備審査をいたしまして、これならということで出しましたものの中には、中小炭鉱のかなり小規模のものもあります。たとえば小瀧炭鉱のごときは、これは中小のうちでもまだ非常に新炭鉱でありまして、小の部に属すると思いますが、これは強粘結炭を生産するというので、国内の原料炭としてどうしても必要だという確信のもとに、われわれは出したのであります。こういうものの将来性とか、あるいはその他の條件によつて保護されておるという状況でありまして、従つて政府の方で審査いたしますときには、中小とか、大とかの区別は全然いたしませんで、別の方法で審査をしておるということを御了承願いたいと思います。  それからお説の通りに、中小炭鉱が復金融資を相当受けております。ことに中小炭鉱におきまして炭住の負担が多いということは、お話の通りでございます。これは気持といたしましては、何とかこれを救済することはできないかということを考えておりますが、しかし事実問題といたしまして、復金の償還額というものは、すでに回收額として予算にも計上されておりますし、これを一時停止とか、あるいはさらに別の方法をもつて炭住を政府が買い上げるということは、目下のところはなはだ困難な状況でございます。  それから使用権の問題でございますが、これは石炭鉱業権等臨時措置法が、国管法の廃止と同時に効力を失いますと、新しい使用権の設定は、しばらくできなくなります。しかし現在存続しております使用権は、この計画自体によりましてその使用権の存続期間中はそのまま続きます。また近く提案になることになつております新しい鉱業法が通りますと、いわゆる租鉱権という名称のもとに、この使用権の設定の精神が続けられますので、鉱業法改正のあかつきにおきましては、大体同じような目的が新しい鉱業法に基いて実行できる、こう考えております。従つてその過渡期におきましては、現在の鉱業法を活用いたしまして、使用権は新しく設定することはできませんけれども、鉱業権の譲渡というようなことはできますので、必要な場合にはの譲渡のあつせんというようなことを行政庁でいたしまして、そのつなぎの期間におきまして、特別な障害のないようにいたしたい、かように考えております。  なお中小炭鉱の人が参りましたときには、非常に役所で不親切だというお話がありましたが、私どもはむしろ中小炭鉱の方には、ずいぶん時間もとられておりますし、いろいろめんどうなお話も十分お聞きして、奔走しておるつもりでございまして、そういうことは私以下末端の方にも重々ないと思いますが、もしございましたら、御指摘によりまして、今後矯正したいと考えております。

田中彰治自由党

○田中(彰)委員 もし中小炭鉱が倒れた場合、閉鎖された場合、そういう場合において、炭住なんかを一体どういう処置をとられるか、お伺いいたしたいと思います。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 もし復金債務のありまする中小炭鉱が破綻しまするならば、やはり普通の回收手続によつて解決されるということになります。従つてもし財産がなければ、これは回收不能ということにならざるを得ないかと思います。

田中彰治自由党

○田中(彰)委員 残つた炭住を競売にでもされるのですか、ほかの炭鉱にまわされるような処置をとられるか、お伺いいたしたいと思います。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 炭住は一部復金の担保にとられておるところがございますから、そういう場合には復金の方でこれを接收いたしまして、競売なり何なりやり得ると思います。しかし炭住の所在地はほかの用途に向けられ得ない場所にありますので、従つてその付近の炭鉱で使うとかなんとかいうような方法を講じない限りは、全然無縁のところに売渡しても、解体してどこかに持つて行くこと以外には、処置の方法がございませんので、実際に競売いたす場合には、付近で利用し得るものが買取るということになると思います。

田中彰治自由党

○田中(彰)委員 そこでちよつとお考えを願うように申し上げておきますが、実際は先ほど言われました通り、炭住は特別の場所にあるのであつて、これは倒れましても、あるいは炭鉱をやめてもほかに持つて行けない性質のものでありますから、復金の金を返せないと、どんどんそれを取立てて炭鉱を倒すのがよいか、政府は倒れれば競売にする意思なのか、ほかの炭鉱で使つてもらおうという意思があるならば、ここであなた方がよく御考慮されて、これを復金のものにして、そうして中小炭鉱の困る炭鉱に対しては、家賃でもつて貸し與えていただく、こういう政策を今後とられるようにお願いしておきます。  それからもう一つ、中小炭鉱の見返り資金でありますが、手続がむずかしいと申しましても、中小炭鉱にばかがおつて、そして大きな炭鉱に見返り資金を借り得る帳簿をつくる有能な人がおるというのではない。だれでも中小炭鉱でも借りられるということでありますから、あなた方の方でよくそういうことを説明されて、中小炭鉱は石炭のカロリーが悪いというならば、むしろ見返り資金を借りてやれとか、あるいは金額を少くしてもよいから、公平に貸すというふうな、これは全部には行かないでしようが、そういう方法をあなた方がとられるならば不平がなくなると思います。親の心子知らずで、政府は中小炭鉱に対しても、よくしてやらなければならないという案を持つておりますが、資渡庁の役人は、中小炭鉱は大きな炭鉱以上に働いて来たのだから、それに対してはこうしてやらなければならぬというような、もつと親切な気持を持つてやつていただきたいということをお願いしておきます。  もう一点、今の使用権設定の件でありますが、この使用権設定は、それで私は了承いたしましたが、戰争中に鉱区を売り渡すときには、統制法の第何條かによつて、大臣の許可がないと、鉱区の売買ができないという法律があつたのであります。あれをこの際撤廃されますか、それともそれがそのままついて行きますか、お伺いしたい。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 ただいまお話の法律は、すでに廃止になつているものと考えます。

田中彰治自由党

○田中(彰)委員 ところが去年私は鉱区を譲渡しようとしたところが、まだその法律がくつついておつてできないというので、私のところへ書類が来ているのでありますか、たしか統制会長の承認を得ないと、鉱区の売買ができないというのがあるのです。統制会長は大臣の許可を得てやるという法律があるために、非常に不便を来しているのですが、この際あれをどうなさるか。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 今提案になつております国管法の第十一條に、石炭鉱業の全部もしくは一部の賃貸譲渡、こういうものが認可事項になつておりますが、私どもは国管法の廃止によつて、全部自由になると考えております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 今澄君、風早君から詳細なあらゆる角度からの御質問がありまして、私の質問せんとするところと重複する箇所もあるようでありまするから、できるだけ重複を避けて、簡單に御質問いたしたいと思います。  日本の石炭産業が、戰争中あるいは戰後を通じて、長い間補給金制度、あるいは赤字融資、あるいは資材の軍点配給方式によつて保護されて来まして、最近急速に補給金が撤廃され、いわゆる傾斜生産方式が廃止されまして、急激に大きな変化が石炭産業の上に起つて来たのであります。そういう急激に従来の保護政策が撤廃されて経常面にどういう影響を與えるかという問題であります。すでにいろいろ御質問があつたようでありまするが、なお一応お伺いしたいことは、今旦石炭産業がはたして黒字であるか、赤字であるかという問題であります。大手筋炭鉱におきましては、炭価の値上り等も行われて、大体は黒字のようでありますか、中小炭鉱の場合はどうであるか、いわゆる赤字経常が行われている炭鉱が、どの程度であるかということを、政府当局にお伺いしておきたい。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 中小と大手と区分いたしまして、そのうちで赤字経理の炭鉱は幾らか、黒字は幾らかという数字は、ちよつと手元にございませんので、即答しかねます。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 正確な数字がお手元になければ、至急お答え願うこともむりでありましようが、大体のところはわかつているたろうと思います。中小炭鉱の中で、大体どういうような程度に赤字経常が行われているか、大手筋の中にもそういうものがあるかどうかということは、大体においてわかるのではなかろうかと思います。わからなければ、なお後ほどお答えをお願いいたします。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 お話の数字はただいまございませんが、一応御参考までに配付資料——これは先般金融関係の資料といたしまして、二百余りの炭鉱から、今後の融資希望額と、それの償還見込みというものをとつたわけであります。その場合いずれも出しました炭鉱は、すべて中小炭鉱でありまして、しかもそれだけのものを十分償還できるという自信のあるものだけ出て参つたわけでありますが、その中でいろいろ検討を加えまして、われわれの方で見ましても、これは大丈夫だと考えられました炭鉱か、炭鉱の数といたしまして百五十余りあるのでございます。それからトン当りの利益金額は二百四、五十円になるかと思います。従つて中小炭鉱が四百余りあります中で、その四分の一程度は本年度においては二百円以上の黒字を出し得るというふうな、計画かもしれませんが、そういつた数字が出ております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 それだけの御説明では現在炭鉱経営が赤字か黒字かということは、よくわかりませんが、後ほどさらにこの問題に触れるといたしまして、その次には現在廃坑、体坑炭鉱の問題でありますが、先ほど風早君からもお話があつて、数字の点はわかりましたか、大体昨年の八月以来廃坑、休坑になつておる炭鉱の規模はどの程度のものが大体廃坑、休坑になつておるか、それの日本の石炭生産の全体の中における割合というものがわかりましたら、ひとつ……

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 ことしの一月までに百十七炭鉱全部廃止の炭鉱が出ておりますか、これはいずれも中小のうちでも小規模のものかほとんどといつて、さしつかえないと思います。従いましてその出炭割合は二、三パーセント以下ということになろうかと思います。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 それから資料を拝見いたしますると、上級炭は著しく増産になつており、下級炭に及ぶほど著しく減産になつております。下級炭はこれはもちろん大手筋の中からも出て参りますけれども、おおむね中小炭鉱に多いと思います。結局先ほどの簡單な御答弁から見ましてもわかります通り、中小炭鉱かこの統制撤廃によつて非常に荒廃状態に帰しておる。もちろん統制撤廃の問題だけでありませんか、いろいろ現下の経済事情もよります。先ほど提案者の神田君は、石炭国管は中小炭鉱を対象としておるものではないから、この法案の石炭国管と中小炭鉱と関係がないというようなお話でありましたが、それは見当違いであつて、非常に関係があると思います。統制が撤廃されて来れば、どうしても中心が大手筋炭鉱に移つて、中小炭鉱がことに有効需要が減退している今日におきましては、大きな打撃を受け荒廃状態になることは当然であります。一体日本の石炭の生産を維持して参りまするに、かかる中小炭鉱か荒廃に帰してもかまわないという考え方であるかどうか、いわゆる統制というものか撤廃されれば、今申し上げたように中小炭鉱がまず犠牲になることは、申し上げるまでもないわけです。従つて大手筋炭鉱のみが大体栄えて行けば、それで日本の石炭の生産は維持して行けるかどうかという問題であります。申し上げるまでもなく、戰争当時特にそうでありましたが、戰後におきましても、いわゆる重点生産によつて能率を上げて来たのは、大手筋よりも中小炭鉱であります。私どもに言わしめますれば、中小炭鉱がときには大きな犠牲を抑つてでも、生産を上げて来たと言い得ると思うのであります。そういう場合に現在石炭が余つて来たから、中小炭鉱は犠牲になつてもかまわないというような、口ではおつしやらなくても、そうした政策のあり方というものか正しいかどうか、この点について政府当局と提案者から、それぞれ御所見を伺いたい。

神田博自由党

○神田委員 加藤さんにお答えいたします。まず初めの第一点の臨時石炭鉱業管理法は、おおむね大炭鉱を対象として考えたので、中小の炭鉱については適用しない。すなわち管理炭鉱あるいは指定炭鉱として取扱わない。私先ほど来こういう御答弁を申し上げたのにつきまして、さようでないというようなことでありましたが、当時の石炭国管の審議の際には、私が申し上げたように政府側が答弁されておつたということに考えておりますので、あらためて申し上げておきます。間違つておれば訂正いたしますが、私はそう信じております。  次に統制を撤廃したがために、中小炭鉱が非常な苦境に立つておる。そこで口だけはうまいこと言うが、実際においてはどうも何もできないところを見ると、大炭鉱の保護ではないかという意味のお尋ねのように承つたのでありますが、統制を撤廃するということはもともと自由党が、当時民主自由党の際に先般の総選挙に国民に問うて、そうしてその支持を受けてやつておる今日一連の一貫した方針でありまして、そのために中小企業の問題が深刻になつて来ておる、それをどうするかということは、おのずから別問題だろうと思う。われわれといたしましては、今日中小炭鉱といわず、中小企業、また今日の大企業におきましても、一連の金詰まりでみんな困つておる。何らかの打開をしなければならないということについては、非常に深刻に考えておることでございまして、ただしかし先般来からお答え申し上げておりますように、一つのきめ手でこれを解決できるというようなことは、何人が今日政権をとつても、むつかしい問題です。さらに統制の解除によつてこうむる打撃だけを申し述べておられるようでありますが、統制を解除したがために国民経済が明朗になり、また合理化されて来た、能率が上つて来た、こういうふうないい面も非常にあるわけでありまして、高物価に悩まされておる消費者の多くのわれわれの同胞が、能率化された、合理化された産業からの物価の値下り等の利益を、十分とは申せませんが、相当受けておるということも事実でありまして、これは深く比較して見て、いずれがよいかという問題ではなかろうかと考えておるわけであります。統制経済の長所も私は十分承知しておりますが、今日の段階といたしましては、さような方式よりも、創意とくふうと努力と熱意によつて解決して、その結果でどうしてもうまく行かない、こうした方がいいというようなことについては、適宜手を打つべきものではなかろうか、こういうふうに考えておる次第であります。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 政府といたしましても、中小炭鉱は御承知のように、全体の出炭の三割を占めておますので、これなくして日本の石炭鉱業が今後十分に全体の経済を保ち得るというふうに考えておりませんので、これは窮境に立たないようにという意味で、統制撤廃後もその点を強調いたしまして、融資その他についても交渉しておるのでありまして、今後につきましても、その点については考えはかわらないのであります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 神田君はどうも私の質問の筋をはずれた答弁をしておられるようでありますが、私は統制経済、計画生産の是否論を今神田君に議論を吹つかけたわけではない。こうした手放し生産、いわゆる自由党の言われるところの自由主義経済の行き方で、中小炭鉱が非常に打撃を受けるがそれでもいいのか、そうしていけなければどういう対策を、考えておられるかということを聞いたのでありまして、私の質問した点だけ答えていただけばいいと思う。そうした是否論については最後にいろいろ私の申し上げる機会がありますから、そのときに御答えしていただけばいいわけです。今の御答えでは民自党の一貫した政策を実行するのだとおつしやいましたが、それはまことに政党として、はなはだけつこうなお心がけで、私どももけつこうだと思いますが、しかしその政策を実行する上においても、時と場合を選ばなければならない。私は最初にも申し上げた通り、一度に日本の基本産業の中で第一に位するところの石炭産業を、こうした急激に支柱をはずして野放し生産に追い込んでよいかどうかという点から、論じておるわけであります。その点についての神田君の御答弁が明白でなかつたようでありますから、さらにお答弁を願いたいと思います。  それからもう一つ、今政府当局はいろいろ手を打つておる中小炭鉱は三割からの生産力を持つておるので手を打つておる、打とうとしておるとおつしやいましたが、先ほど田中委員から御質問がありました通り手を打つてない。たとえば統制を一切はずして、石炭事業法のごときものも何ら考えておられない。一体中小炭鉱をどうしてこうした状態の中で、維持して行くかというような政策は、一つも行われておらない。資金の問題も先ほど来いろいろ御質問がありましたが、ああいうやり方で、われわれは中小炭鉱が今その維持に必要とするところの資金をまかない得るとは思わない。そういう点で、ひとつなお具体的な対策をお考えになつておりましたら、お答え願いたいと思います。

神田博自由党

○神田委員 加藤さんにお答え申し上げます。お答えの前に、心境を申し上げるようなことになるかもしれませんか、御審議願つておりますのは、臨時石炭鉱業管理法の廃止の関係でございまして、私どもこの石炭国管法は、その使命としております増産という問題、また経済安定に至るまでの問題、今日の段階においてはこれらの問題は、もちろん経済の安定しているかどうかということについては疑問がございますが、石炭の増産法としての国管法は、もうその使命を終つておる、すでに一年有半にわたりまして、政府がこの法案をとにかく見守つて実施して参つたわけでございまして、その意味から申しますと、当然これは廃止すべき段階にあるのだ、こういう建前で申し上げておるものですから、ついいろいろ直接にこれと関係のない問題になりますと、御質問に合わなかつたお答えを申し上げたかと思うのでありますが、そういう意味で申し上げておりますので、あらかじめ御了承願いたい。  ただいまお尊ねのございました点につきましても、この国管法が施行になつておつても、また廃止になつておつても、中小炭鉱の育成強化の問題につきましては、法案があろうと、なかろうと、育成強化して行くということについてかわりがあろうはずはないのでございます。ことに国管法の立法された当時の事情から考えますれば、中小炭鉱にはこれは適用しないのだ、言いかえればあまり好まない法律をつくつたということになつておるのでございまして、今日この廃止の際に、中小炭鉱と関連あるがごとくお問いなさるものでありますから、つい答弁がていねいになつたというようなことに考えておるわけでございます。簡單でございますがちよつと申し上げておきます。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 神田君はきわめて狭い視野から考えておられるようでありますが、私どもは先ほど来申し上げております通り、石炭国管の内容を知らないわけではないので、その認識不足を指摘していただかなくてもよいわけです。もちろん石炭国管が大手筋たけを対象として指定しておることは申すまでもない、ただ石炭産業全体が野放し生産になると、中小炭鉱は非常な影響を受ける。これは常識的にわかる。私がくどくどしく説明しなくても、たとえば大きな炭鉱だけが、カルテル的なことをやりますれば、中小炭鉱はそのためにカルテルや、いろいろな点で影響を受ける。だから私は現在の中小炭鉱が必要であるかないかということを、やはり石炭産業の問題を考える上において、必要な問題でありますからお聞きしておるのです。ただこの法律を廃止するかしないかということは、軍に今まで統制の対象になつておつたものだけの問題ではないのです。この法律は何かそうした大きな炭鉱だけを対象にしておるから、無用なものであるかのごとくお考えになりますけれども、石炭国管が成立しました事情を考えて見ますと、あの当時の提案者の意向というものは、石炭産業全体を対象として、増産対策を立てるための国家管理を考えておつた。ところが民自党の諸君が大いに反対され、またいろいろな意見がありまして結局修正され、中途半端なものになつたということが、率直に言つて言えるだろうと思うのです。しかしそれだから今日はあれは無用だとは、われわれは考えないのです。無用だと考えないがゆえに、廃止されるについて起つて参ります問題を検討しておるわけです。だからもう少し広い視野から神田君は考えていただきたい。また提案者の意図というものが、そういう狭い意図でありますならば、私は政府当局から日本の石炭産業の将来の問題として考えて、御答弁願いたいと思うわけであります。そこで大手筋の持つておる遊休炭鉱、あるいは睡眠炭鉱というものが今日相当あると思います。資料を要求することを忘れましたので、今数字を要求してもお答えは無理かと思いますけれども、睡眠炭鉱、遊休炭鉱が相当あると思います。しかも知つておる範囲において考えてみますと、睡眠炭鉱は大手筋のいわゆる比較的大資本家に類する炭鉱業者が、持つておる炭鉱に多いと思う。こうした一切の統制をはずしてしまつた後において石炭の増産が必要になつて参りましてこうした睡眠炭鉱、遊休炭鉱の開発をやらなければならないというときに、一体政府はどういう手を打たれるかということをお伺いしたい。

神田博自由党

○神田委員 加藤さんから、石炭を非常に狭い観点から考えて、管理法を廃止するようなことをしたのではないか、現にそういうような見方をされておるのではないかという御忠告のようでございましたが、決してさような狭い観点に立つておるわけではないので、本法の理由として、るる先般申し上げましたようなわけでありまして、あらゆる角度から再検討いたしまして、この国管法は廃止すべきものである。さらにまた御質問にもお答え申し上げました通り、石炭が重要基礎産業である、そこでまたこれはやがてはなくなるものでございますので、これらの未開発の調査なり、あるいは開発上の問題なり、有効需要なり、政府といたしまして、この重要な面を担当し得るような基礎的な立法は、十分心がけなければならないと思う。こういうことをしばしば政府側からも、私からも申し上げておるようなわけでございまして、決してあの当時のいきさつというような感情だけで、これを取扱つておるのではないのでありまして、現に本法の三年間の施行期間のうち、一年半はわが党がこれを担当しておつた。しかもこの担当しておりますにつきましても、決してまま子を育てたような気持でなかつたことは、御了承願えると思います。ただ日本の再建が逐次進んで参りまして、本法のごときは必要でない、こういうことを申し上げておるのでありまして、狭い意味からでないことを、繰返して申し上げるようなことになりますが、どうかさよう御了承願いたいと思います。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 まず加藤さんにおわびを申し上げますが、参議院の方で、ただいま電力の特別委員会で審議をやつておりまして、途中でちよつとはずしまして、失礼いたしました。  御指摘の点でありますが、本年度の予算をごらんくださつてもわかりますように、臨時立法であります管理法につきましては、いずれ明年三月末日をもつてなくなるのであります。しかしながら延長もすればできるということもありますが、さような前提にできておるわけであります。もともと御指摘のように、石炭の増産ということを、用途といたしました臨時的な措置であつたのでありますが、この全体の状況を見ますと、すでにこの法律か全面的に必要であるとは考えられないような状況になつて参りましたが、ただ生産命令を出したとか、あるいは特殊な指令を出したというようなことで、われわれ政府側として考えておりますところでは、損失補償の原因となるべきような事例も出ておらぬのでありますが、念には念を入れまして、一応予算の項目だけはとりまして、二十四年度全般を円満にひとつ終局を告げたい。かように考えておりましたが、諸種の事情が統制撤廃以後の状況にかんがみまして、むしろあつてもなくてもよいような法律になつたという御観点からこれを今度廃止せられるという自由党からの御提案があつたわけであります。もとより私どもは無用の長物だと言つて、かつての管理法の功績を無視するものではありませんが、あつても大して保護にもならない、それよりも石炭鉱業の将来を考えまして、仮称を石炭鉱業安定法というようなものでもつくりまして、そしてこれを廃止されることに政府としては同調いたしたい。さような考え方になつておるのであります。  なお不日——おそらく今週中、皆さんの御審議に供するようになろうと思いますが、これはまた会期の末になつて大きな法律を出すというおしかりは受けるかもしれませんが、懸案の三年間かかつて検討して参りました鉱業法が、ようやく熟しまして、今回提案の運びになつておりますこの鉱業法によりますると、石鉱と言わずすべての鉱業に対しまする拔本的な改正が加えられておりまして、この鉱業法によりまして、十分平和的な状況におきまする石炭鉱業の保護育成も、達成せられることと期待しております。  なおただいま関係筋と折衝中の石炭鉱業安定法等が、この移りかわりをさらに緩和する役割を果すために、その立法を許されるようになればなおまさつていると思います。さらに地下資源の開発その他全般のことにつきましては、ことさら本年度の予算にもございますように、十分意を注ぎまして、石炭で申せば炭田の調査及び御指摘の遊休睡眠の炭鉱等の開発の必要な時期となつて参りますれば、ぜひともこれらに対しまして、行政的な措置において十分な御援助を與えまして、これを促進いたしたい。大体の目途といたしましては、すでに御承知の通り昭和二十八年度に至りまして、年五千万トンの出炭を目途といたしておりましたことは、加藤さんも御承知の通りでありまして、これらの状況がもし現在の有効需要と総体的に考えまして、大なる変動がないといたしますならば、順次さような過程に入つて行くであろう、大きな問題は鉱業法の拔本的の改正によつて、あるいは移りがわりの処置といたしましては、安定法というようなもの、さらにはこれに対しまする行政的措置ではありまするが、地下資源の開発促進というような面において、十分石炭鉱業の保護育成をいたして参りたい。かように考えている次第でございます。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 どうも私は重点生産によつて中小炭鉱が大いに努力して今度中小炭鉱には睡眠鉱区がない、大きい石炭鉱業に睡眠鉱区がある。そういう点に対する認識と対策をお伺いいたしたいのであります。はなはだ答弁が抽象的ですが、さらに今宮幡政務次官は、私が野放し生産にしてもかまわないかという質問に対してのお答えだと思いますが、石炭安定法でもつくろうかと考えているというお話でしたが、今この石炭国管法を廃止しようと、漏れ聞くところによると、民自党の諸君はきよう強引にこれを通してしまおうというような作戰らしいですが、そういうふうに與党としては、これを今日ただちに廃止しようとしておられる。私はかわるべき増産対策の処置というものがなければならないということに対して、與党と表裏一体をなしているところの政府当局は、安定法でも考えてみようかというようなことでは、とてもそこに一貫したものがあるとは思われない。一体野放し生産で今のところ行つてもよいとお考えになつて、必要が生じたらそうした安定法でも考えてみようという考えなのか、並行的にやろうと思つたができなかつたのか、その点をひとつ今明確にお伺いしておきたいと思います。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 ある意味におきまして、この席でその全部に御明答申し上げる自由を持つていないことは、御推察をいただきたいのでありますが、当時石炭管理法の措置につきまして、昨年の八月あたりに配炭公団廃止と考え合せまして、昭和二十五年度の予算の編成をいたすときに、この問題をとり上げまして、もし廃止するといたしましたならば、石炭鉱業等に関する法律というような仮称のもとに、かようなものをつくつて移りかわりをやるべきではなかろうかということを、検討を始めたのがその最初でございます。その後また名称等につきましても、折衝の過程におきまして、石炭鉱業安定法と称する方が妥当である。これには国管法が持つていますような強力な指示権や、監督権は規定してありませんが、少くとも基礎産業として石炭の増産対策の行方を見守る、かような消極的な意味でありまするが、この重要産業に無関心でないという一つの措置として考えられたのであります。これはすでに成文を得まして、国内におきます法制当局との折衝も進みまして、いろいろな交渉を続けましたが、ただいまではそれを提案する運びになつておらないのであります。将来にわたりまして、ただいまの加藤さんのお言葉をかりますれば、安定法でもつくろうという遅ればせの意味ではなくて、これに先行してやりたい、かような気持でおりましたところ、たまたま自由党の方におきまして、廃止はかねての公約であるから、廃止いたしたいということでありますので、ただ時期を多少繰上げるということ、しかも増産の目的は相当達しておるし、将来におきましても増産目的を達成するのに別に困難はない。御指摘の金融措置等その他につきまして、ずいぶんむずかしい点もありますが、これはひとり石炭鉱業に限つたことではない。復興と安定との過程にありまする日本全産業に、平等な條件であろうと思います。等しく産業行政の中にこれをとり上げまして勘案することによつて、処理できるだろうと思いますので、党の御提案に対しまして、政府といたしましてもまつたく同調の立場をとつておるのであります。御指摘のように異つた気持を持つてやつておるというようなことは、経過的に考えますと、さような御議論もあるいは当るかとも思いますけれども、現状の段階におきましては、十分提案者の御意図に——民自党提案に対しまして、政府当局としては完全同調の形をとつておるわけでありますから、御了承をいただきたいと思います。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 同じところを行きつもどりつしておつてもしようがありませんから次に進みますが、石炭産業がいわゆる全面的な統制を昨年以来順次はずされた結果、日本の石炭に次ぐ他の基礎産業たる鉄鋼生産、電力、鉄道、あるいはさらに重要産業であるところの肥料、重化学工業等に及ぼした影響を、具体的な数字でひとつ示していただきたいと思います。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 統制撤廃後、石炭が電力その他の基礎産業に対して、どういうふうな影響を及ぼしたかというお話でありますが、これは価格の面と量の面と両方ございますが、量に関しましては鉄鋼価格その他いわゆる原料炭の優秀なものを使用するものにつきまして、しかもその供給量に多少の危惧のあるものにつきましては、依然として統制を継続いたしておりますので、その点につきましては従来通りということが申されると思います。それからそれ以外に一般的に量的に申し上げますと、いわゆる燃料炭に関しましては、つまりボイラー等にたきます燃料炭に関しましては、これはもう一般炭といたしまして、価格もかなり下つておりますし、また量的にも比較的中級以上のものがふえておりますので、これに関しましては、おそらくは各産業とも統制撤廃によつて、相当な利益を受けておると思います。ただ場所によりまして、特に今年の一月以降運賃の影響を大幅に受ける地域におきましては、その運賃の面からの影響はあると思いますけれども、石炭プロパーの値段としては、従来より安く手に入つておるということは申し上げ得ると思います。それから問題の電力ないし鉄鋼関係に関しましては、電力は大体において六千カロリー以上の炭を好みますので、その面において若干一般的に値上りを示しております。しかしこれはそこまで触れますと多少問題もありますが、日発あたりで買取つております実際の炭価を、部分的ではありますけれども、聞いてみますと、必ずしも高くない数字が出ておりまして、これは十二月ないし一月ころの数字でありますから、その後はどうか存じませんが、必ずしも電力会社等において一段に言われておるほど、高い石炭を買つておるということは言えないのではないか、それから鉄鋼に関しましても、これもほぼ同様でございまして、きわめて部分的な数字しか出ませんが、最近いろいろ打合せをいたしておりますが、はたして統制撤廃後、いわゆる炭価の値上りによつて、どの程度の影響を受けておるかということを、鉄鋼局と私の方と協同で調査をいたしておりますが、いろいろこれは見方がございますけれども、運賃ないし電力料金の値上りということを別にいたしますと、別と申しますとそれだけを除きますと、むしろ鉄鋼業、製鉄事業関係で購入いたしております炭価というものは、公団当時に比べて必ずしも高くはない、こういうような数字が出ております。しかしだからと申しまして、石炭が一般に高くないということは、私はしいて申し上げるわけではありませんが、ただ統制撤廃前後の公団当時の値段と比べまして、ほかの條件は全然同じようにいたしますと、必ずしも上つておらないというのが実は最近の実情だと私どもは考えております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 私は数字でお示しを願いたいと言つたわけですが、具体的な数字は一向お示しになりませんが、鉄鋼、肥料等はその都度石炭の補給金がはずされたために、どれだけ上るかというようなことが示され、また実際に値段が上つておりますので、大体わかりますが、電力、鉄道その他のおもなる化学工業等については、わからないからお尋ねしたのです。そんないいかげんの、大体どれだけ上るだろうというような御答弁なら、聞かなくてもわかつております。正確な資料をもつてお答えになるのが、政府当局並びに提案者の義務ではないかと思う。そういうただおざなりの御答弁をなさるなら、あらためて本省へ行つて資料をとつて来ていただきたい。時間がかかつても仕方がないから、そういうふうにしていただきたいと思う。それだけの資料をそろえず十分の用意なくして、おざなりな答弁で、この座を進めようというお考えは、私は議会の権威の上からいつても、法案の重要性からいつても、考えていただかなければならぬと思う。そういう点でひとつ、電力、鉄道その他の化学工業と申しましてもいろいろありまするから、簡單には言えないかもしれませんけれど、この点は総括でよろしいが、お答え願いたい。  それからまたこれはコスト高になることは、今お答えになつたことで常識的に考えてわかりますが、日本の輸出貿易がそうした重要原料資材たる石炭の値上りによつて、コスト高となり、輸出品のコスト高となつて、甚大な悪影響を受けておることは申すまでもないことと思います。輸出梗塞の原因というものは、もちろんほかにもありましようが、国際市場に比較してコスト高であるということは、争えない事実であると思いまするが、そういうような点について政府はどういうふうに考えておられるか、これはひとつ政務次官からお答え願いたい。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 ただいま、石炭の価格が、鉄道や電気に影響した具体的な資料を持つていないことは、はなはだ不用意だという御指摘でありまして、これは一応皆さんの御意向として承つておきますが、必要であれば、その資料も提供いたしますし、またここにあります資料の中にある数字を拾つてお答えをいたします。ただ私の方で用意がよかつたということを誇張するのではありませんが、一体この法案が提案されまして、それでは今御指摘のような、たとえば鉄道とか電気に非常な影響があつたと仮定いたしまして、もしこの臨時石炭管理法というものを、来年の三月まで存置したら、そういうものが起らないとは私どもは考えておらなかつたのであります。従いましてこれを置いたら、さような事情は全部解消されるものだという御意見ならば——これは私どもまことに申訳ないと思いますが、置いても置かないでも同じような法律になつておるものが、それらの影響を勘案いたしまして、すべてのそういう産業に対する影響までも資料として準備することは、私どもそこまで思いが及ばなかつたのでありまして、御了承をいただきたいのであります。  なお石炭の統制撤廃の以後の問題についての御議論でありますから、これは国管法に対する御議論でなくして、石炭再統制しろという御議論なら、私どもは御議論として拜聽いたします。統制して安い価格になる、コストも安くなる、運賃もプールしたらいいじやないかという御意見なら、われわれは御意見として、まつこうから拜聽する用意を持つております。しかしながら、この管理法のケースにかかわらざるところの御意見でありますので、資料等の不用意がありましても、ぜひお許しを願いたい。もちろん傾聽することを回避するものでございません。  なお統制撤廃後の問題につきましては、いわゆる統制時代よりも石炭鉱業の事業分野に相当大きな変化が参つておることを私ども存じております。北海道炭と九州炭の競争地帶が、京浜地区に及んでおりまして、京浜地区に運びまして九州炭がトン当り約百円くらい有利になつておるというような事態、これをながめまして、常磐炭の低品位炭が東京その他におきまして、どのような立地條件になつて来たか。これらも十分勘案してみますると、この大きな変化が、価格に及ぼすところが比較的僅少であつた、かような事実上の数字を得ておるのであります。また先ほど管理局長も申しました日発が買つておりまする発電用の石炭も、大体三千八百円程度を目途として原価に組まれ、予算を組まれ、またその程度の価になつておる実情でございまして、これが火力の発電原価に、さように莫大な影響を及ぼしたとは考えられないような状況でありまして、鉄道におきましては御承知の通り炭質の良好なものを使うことによりまして、その消費量は相当節約される面もございますので、これらも考えまして、ただちに管理法を廃止しますから、さらにこの悪影響が電力原価に織り込まれたり、運送原価に織り込まれたりすることはないものだと、私どもは安易な考え方をするのではございませんが、さように存じております。なおここに持ち合せておりまする資料等につきましては、数学的に中島局長からお答えいたさせます。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 配付資料の15に出ておりますが、先ほどちよつと申し上げました通りに、現在炭鉱並びに需要者双方ともに、実際の契約価格というものを、きわめて祕密にいたしておりますので、われわれの察知したところを、そのままここに書くわけにも参りませんので、この資料は場所と購入代というものを伏せてございますが、ただ銘柄別に各種の数字についてはあげてございます。これをちよつと御説明申し上げますと、買入れ価格とそれからその銘柄に対します公団当時の価格、これをまず比較いたしまして、その点でどのくらい上つたか、下つたものもございますけれども、プラス、マイナスを出してございます。それから別に運賃諸掛が十二月から上りましたので、その関係においてどれだけ増減があつたか、これはいずれもプラスでありますが、そうするとその買つた場所に対しまして、たとえば大夕張でありますれば夕張から東京なら東京までの運賃の増減を、ここに出したわけであります。従つてその運賃をしさいに分析いたしますと、大体どの地区かということはおわかりになると思いますが、それは実はこの表では伏せてございます。そういう意味で個別に各事業別の運賃をそれぞれ出しまして、実の買入れ価格と比べる。従つて実際の買入れ価格の中には、この運賃が含まれておりますから、單なる買入れ価格と公団価格との差額のほかに、この運賃の内部におきまする運賃関係から増減というものを差引きまして、結局において炭鉱自体がどうなつたかというふうなことを調べましたのが、最後の欄の差引増減欄でございまして、これをごらんになりますと、マイナスの点もプラスの点もございますが、これはケースがきわめて抽出的でございまして、従つて一番左に買入れ数量がございますが、数量の非常に少いものをつかまえたものもございますし、大量のものもございまして、これをもつて全般を推すわけには参りませんが、一例としてこういうふうに全体を集計いたしました結果、上つておる面もあれば下つておる面もある。従つて全面的に上つておるということは必ずしも言いがたい、こういうことを申し上げたわけであります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 私は別に今資料がすぐないことを責めるわけでもない。ただおざなり答弁はなるべくしないように、数字のないものは発表できない理由とか、あるいはまたあとから発表するとおつしやつていただけば、いいのであります。そういう意味で申し上げたわけであります。ここでいわゆる石炭單価が、ことに先ほど来の質問応答によつてもわかります通り、またただいまのお答えでは大体において重要産業が必要とする上級炭が上つておることは、事実なんであります。そこでいろいろ先ほど来生産の合理化問題が論議されたようですが、私はなお今後單価がさらに上るということを、いろいろの角度から考えてみたいと思うのです。そうしてそれに対する対策というようなものも考えてもらわなければならぬ。今までいろいろ提案者の神田君からも、あるいは宮幡政務次官からも、国管法の廃止問題に直接関係あることだけを聞けというようなお話ですが、私はこの石炭産業の基本的な問題は、やはり今度炭管をはずして、一切野放し生産になることによつてどういう影響が及ぼされるか、従つてそれに対する対策を考えなければならぬという点から、論議されなければならぬ問題であると思いますがゆえに、いろいろな角度からお聞きしておるわけであります。そこで今單価の問題になつたわけですが、先ほど来合理化の問題がいろいろ論議されました。合理化の問題については見返り資金の話もありました。私も見返り資金のことについて、いろいろ詳細に聞いてみたいと思つておりましたが、先ほど来お話もありましたので、これは省略いたしますが、この合理化を行わなければならないことは、今日何人も否定することのできない必要性を持つており、輿論であるわけですが、それに必要な資金というものは、他から借り入れる資金と、企業者の自己資金というものがあると思うわけです。当然企業者の自己資金というものも、この中に考えて行かなければならぬと思いますが、そうしますと、まずそうした合理化をするための自己資金というものを、一体どれくらい見積らなければならないか、政府としては考えておられるか。将来の合理化に対してどれほどの自己資金を必要とすると考えておられるか。それからさらに今回の地方税の改正によつて、当然單価に影響を及ぼして来るものがあるわけです。固定資産税、附加価値税等が課せられることによつて、当然コストに影響が及ぼされると思いますが、その点でどれくらいの影響があるか。さらに資産再評価によつて減価償却費の單価に及ぼす影響というものが、どの程度来るものであるかという点をお伺いしたい。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 ただいまいろいろのご意見がございましたが、あるいは私聞き漏らした点がありましたら、また仰せられてお答えしたいと思います。前後いたすかもしれませんが、税制の改正によりまする、ことに地方税につきまして及ぼす影響がどんなものか、こういう点でありますが、これは中央の国税におきます資産再評価によります税、これは予算の六百億程度だと思つておりますが、これを逆算いたしまして、産業省としていろいろ勘定いたしてみますと、最初シャウプ勧告にありましたような倍率をきめて、強制再評価ということは納税の面から見ても不可能であります。従いましてさらに石炭産業といわず、全部の産業につきまして一応逆算方式その他の推定を加えまして、各重要産業についての倍率を検討いたしてみました。そうしますと今正確な数字は持つておりませんが、大体数字は正しいと思いますが、石炭鉱業等におきましては、大体條件のいいもので一六倍程度の再評価、條件の悪いのでは四・三倍程度、これ以上の評価はできない。そうすることによりまして、かえつて石炭鉱業が破滅的な状況に行く、かようなことを一応資料として得ましたので、これによつて大蔵省の方とも十分交渉いたしまして、また大蔵大臣のお骨折りもございまして、強制再評価を任意再評価に改めていただくことにしました。かつその再評価の納税方法については、御承知のように分割納付する。最初の一年に二分の一、四分の一というふうにしてもらうと同時に、減価償却の増加によりまして軽減せられます法人税の額を限度といたしまして、納付していただく。もしこの納付によりまして三箇年間に完納不可能の場合におきましては、さらにこれを延長する。かような措置をとりましたことは、これは通商産業省の意見を大蔵省に採択願いまして、でき上りましたことであります。従いまして再評価によります影響は、好影響こそ若干石炭のコストにもプラスでありましようが、これによりまして悪影響があり、あるいはコスト高になる原因には私はならないと考えております。但し固定資産税は、従来の事業税とうつてかわりまして、少々手きびしいようなものでありまして、この評価方法と、もちろんその他の再評価の価格に、一つの関連を持つのでありますが、これはかなりきびしいものでありまして、その上附加価値税に至りましては、労務費が、直接法と間接法との課税方法がありますが、いずれにしましても、支拂いました賃金が、主要な課税対象となりますので、この影響も非常に大きなものだと思います。そこでそれらがどのくらいの影響を及ぼしますかと思いまして、原価についてそれぞれの品目ごとに調査をいたしまして、ただいま役所の方には準備しておりますが、あいにくこういう方面は地方行政委員会で御検討もあり、お呼び出しもあろうと思いまして、そのときには用意して参りますか、本日は何も持つておりません。大体今の記徳で申しますと、これは間通つておりましたら、後刻訂正をさせていただきますが、大体この税が及ぼしまする影響は、コストに対しまする四%程度だ、かように考えております。これは一番最高のものをねらつております。数字が間違つておりましたら、表もできておりますから、また後刻申し上げますが、さような関係であります。再評価におきましては、ほとんど影響はない、むしろ好條件になろう、かように考えておるわけであります。  それから最初お尋ねの自己資金として、どれたけのものが必要であるか、こういうことは私のようなしろうとが、申し上げるまでもなく、石炭鉱業は建設に次ぐ破壊であります。掘進をしてまた新しい坑道を掘つて行く、建設に次ぐ破壊を続けて行きますので、いわゆる石炭の統制を解きました当時のような繋ぎ資金の融資では、もはや石炭鉱業の金融をながめるわけに行きません。しかも合理化資金、この点が設備に重点が置かれるのか、あるいは運転資金に重点を置かれろのかということについても、どうもただちに決定できない、これは山々の事情によりまして、相当條件が違うと思います。しかしながらただいまの金融政策は、御承知のようにすべてはコンマーシャル・ベースで、受入れ態勢を整えて市中金融機関との関連をつけることによりまして、初めて達成せられることでありますので、ただいまといたしましては、ぜひともごの所要金額を推定いたしまして、各銀行の資産構成状態が非常に今悪化しておりまして、この状態では預金増加のない限りは、金融ベースによりますところの金融は、より以上望み薄い状況でありますので、それらに対しまして、資金の供給面をまず政府の施策としてやつていただく、もちろん日本銀行を通じて資金を供給する以外に、方法はないのでありますけれども、さような面にひとつ努力をいたしてみたいと考えております程度でありまして、どれたけの自己資金ということは、それぞれの企業計画の細目に検討を加えまして、明年度の予算を編成いたします八月ころまでの間に、相当固めるつもりでおります。しかし先はど風早委員からお尋ねのありましたように、大炭鉱に対しますものは四十一億でありますが、一応見返り資金で資金の供給はできておるのでありますが、中小の炭鉱においては、繋ぎ資金十八億八千万円、年末金融十一億六千万円、かようなものをそれぞれ供給しており、あるいは個々につきましての融資あつせん等は、若干の成果を收めておりますが、全般的には、政府みずからその定らざるところをはなはだ憂えておるのであります。従いまして従来資源庁でやつておりました関係上、中小企業庁で等閑に付しておりまとた炭鉱に対しまする金融について例の協調融資にも乗せたいと、今度特に考えております。ただいま発表の段階にはなつておりませんけれども、特別な融資に対しまする保障制度が考えられております。これらの、石炭鉱業は、やはり中小企業庁の管轄下に含めまして、他の産業と同様な融資あつせんをいたしたいと思います。数字的に申せば——さようなものは、びた一文われわれの手には来ないじやないかというような方々もたくさんあろうと思いますが、大体中小企業に対しまする金融の総額は、千五百七十億程度が、ただいま資金として流れておる状況であります。今後石炭鉱業としての資金の需要につきましては、先ほど申しましたように、十分来年度の予算を編成いたします前の間に、検討を加えましてやつていたたく。時々刻々御入用の点につきましては、はなはだ施策の乏しいものがございますが、一つ一つを取上げまして、大きなものは見返り資金のあつせん、中川はそれぞれただいまやつております制度の中に取入れ、あるいは特別な融資は——これは小さなものについてのことを申し上げますと、最近商工中金の優先株の引受けが許されるようになりまして、発券もできると思います。この金融債の消化ができますと、百八十億程度の資金の調達ができます。そこで各中小の炭鉱を、現在の協同組合に合致いたしますような事業組合をつくらせることを、ただいま勧奨してやつております。その事業組合を商工中金と繋ぎまして、この協同組合の條件に合致いたします事業組合がができさえすれば、この組合の信用を対象として、中小に対する金融をいたすよう、せつかくただいま努力をいたしておるような状況でありまして、全般の見通しは、ただいまのところ確定した数字を持つておりませんが、資金の供給につきましては、いろいろと苦心を拂つております。これらにつきまして適当な御意見かありましたならば、法案の審議にかかわらず、何かとお教えをいただきまして、万全を期して参りたい、かように考えております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 まことに御丁寧な御答弁で恐れ入りますが、大体今御答弁がありましたように、税制の改革から来るところの炭価に対する影響があり、さらに復金からの借金も相当あると思います。その償還についても、やはりこれが炭価に影響を及ぼして来ることは、申し上げるまでもないのであります。そういうような点から、現在よりもさらに、普通の良心的な経営が行われましても、炭価は値上りを来すべきものであります。ことに自立経営ということが建前となりますれば、当然收益率というものは見積らなければならない。広い意味におけるところの收益率というものを考えますと、今申し上げましような合理化のための自己資金の蓄積も行わなければならぬというようなことになつて、炭価の値上げということが、いわゆる良心的な経営においても行わなければ、日本の石炭産業というものは、正常な状態にならないと思うわけでありますが、やはりそうした炭価の値上げというものが、今日の日本の産業状態において許されるかどうか。そして炭価というものが、将来生産者の一方的な見解と、利益の計算によつてのみ成立つてよいものであるとお思いになるかどうか、その点の見解を諮りたい。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 申すまでもなく、石炭産業が国の産業の基幹をなすものでございますので、これがみだりに価段か上るということは、これは見のがせない事実であります。しかしながら統制しておらないのでありますから、これを力をもつて押えることはできません。生きた経済の本則にのつとりまして、これが高くならないような方策をとつて参らなければならぬことは、私か申し上げるまでもないわけであります。中小炭鉱に対する、いわゆる低品位炭の問題につきましては、これが値上りしないだろうということは、私がきわめて簡單に申し上げましても、加藤さんにも御納得がいただけると思います。要するに六千カロリー以上七千カロリーの原料炭と称する高品位炭の値上りが問題になり、これの影響が非常に大きいだろうと思います。これにつきましてはいろいろ苦心をいたしまして、最近広畑の製鉄所の再開につきましても、それぞれの状況によりまして、開らん炭その他の優秀な原料炭を輸入いたしまして、その措置をとつております。今日中日貿易の問題もしばしば問題になりますが、エスクロー・バーターによりますれば、開らん炭の入手の道も絶無ではありません。むしる石炭を供給することにおいては喜んでおりますが、その反対物資の点において、いろいろ複雑な事情がございます。その点は先ほど風早委員も御指摘がありましたが、いずれにしましても、米国の原料炭は価格において相当開きがあります。しかしこの原料炭それ自身は灰分の関係で、必ずしも価格だけでは論じられない場合もあります。開らん炭が一番安いが、灰分はその代りアメリカの炭よりもよほど多いようであります。その数字ははつきり覚えておりませんが、灰分において開らん炭は一九%だと思つております。アメリカの供給してくれます原料炭、七、八パーセント程度たと私は覚えております。これは唐突のことでありますから、あるいは間違つておるかもしれません。しかしそれをさや寄せいたしまして、算術的、直線的比例法をとりましても、やはりそこに差がある。開らん炭が入りましたら一番安いだろう。その開らん炭をどうかして入れる條件に持つて参りますれば、高品位炭の国内価格の高騰を押えることに、十分の効果があろうと思います。かような見地におきまして、もし大炭鉱の方々が、先ほどもいろいろ議論されておりましたように、利潤追求に汲々たるものであつて、石炭鉱業本来の使命を忘却し、カルテル等の組織を秘密につくりまして、各種の操作をいたしますと仮定するならば、政府といたしましては、安価な安い原料炭の輸入に一生懸命努力いたしまして、これをもつて国内の大炭鉱の合理化、高品位炭の価格をある程度押える、かような施策を講ずる以外になかろうと、ただいま考えておる次第でございます。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 輸入炭のことについてお伺いをしようと思つていましたが、政府委員の御答弁がありましたのでわかりました。先ほど宮幡政務次官は、炭価の値上りについては、なるべく上らないようにという希望的な観点から、いろいろお答えになつたのではないかという感じを持つわけであります。附加価値税について、あまり炭価に影響しない、あるいは資産の再評価も影響を及ぼさないというような御答弁であつたようであります。しかし附加価値税が生産費に影響を及ばさないということは、これは絶対にあり得ない。また資産の再評価については、原価償却から、影響を及ぼさないということは私は絶対にあり得ないと思う。そういうような点をいろいろ考えますると、炭価の非常な値上りを来たすということが想像できる。今輸入炭によつてある程度のそこに制肘を加える。あるいはプールされてある程度抑えることができるというようなお話がありましたが、しかし今の宮幡政務次官のお話を大体聞いてみましても、炭価の値上りということは、日本の産業に非常に大きな悪影響を與えるということが結論として出て来るわけです。そこで先ほど来、生産の合理化の問題がいろいろ論議されましたので、私はこの点についてあまり具体的なことは省略することにいたしますが、合合理化はどうしてもやらなければならないということが結論として出て来る。炭価の値上りは困るということになりますと、やはり何らかそこに政府の大きな施策が施されなければならないと思うわけです。しかし最初に申したように、一切の国の政策の支柱がはずされておるということになりますと、言葉の上では何とでも申されますけれども、大きな障害がそこに横たわつて来ると思うのです。それでその政策として近い将来において、補給金政策にかわる助成金政策が、石炭のいわゆる長期資金の確保というような点から考えましても行われなければならない。しかし従来のように個々の炭鉱に対して助成金政策が実施されるならば、大きな弊害がある。従つてそういう点からではなくして、合理化の具体的な、たとえばコール・カツターを一台購入するに、どれだけであるとか、支柱を木材から鉄柱にかえるならばどれだけであるとか、電力を使うならばどうするかというような、單に政府あつせんによるところの金融だけではなくして、やはりこうした産業の根幹に対しては、政府の援助政策がなければ、ほんとうの合理化というものは進まないのではないかと思うのですが、これについて政府の方途、良心的なお考えを聞かしていたたきたい。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 御説まことにごもつともだと拝聽いたしました。御承知のように、統制がなくなりますと、炭政ということは、ただいま申しました合理化の指導、技術指導というような面に集中されようと思います。従いまして、司令部の担当官等の御調査の御報告等も承りまして、石炭管理局と生産局が統合されて、今度炭政局と名前が改まりましたが、この炭政局はこの面に一段の努力を傾けて参るつもりで、担当官等も現地に時々派遣いたしまして、十分にこの点について指導をいたす計画を持つておりまして、これに対しまする所要の予算も計上しておるような次第であります。  なおその他価格の問題でありますが、この価格の問題につきましても、これは上ると仰せられるのを私は上らないと、ここで頭から否定するものではありません。これは自由主義経済論者の考えるごとと、計画経済論者の考えますこととの間に、少しの開きがありますので、心ずしも弁解する筋合いでもありませんが、物の需給と通貸の量、一般の繰済が安定へと動いております過程等を勘案いたしますと、さようにむちやくちやに炭価が上るというようなことは、はなはだ御意見にさからうようで恐縮でありますが、考えられないと存じまして、この点は議論として残るかもしれませんが、答弁の限りでないと思いますので、お許しをいただきたいと思います。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 将来の炭価の騰貴の問題についての見解は、どうも宮幡政務次官と違うように思いまするが、議論にわたりますから、あまり追究いたしませんが、私は生産の合理化の点について、やはり助成金政策というような、一つの直接融資、あるいは補助政策というものが行われなければ、石炭産業のような場合においては、基本産業としての大きな役割を果し得ない、野放し生産でそれを達成することはできないのではないかという点をひとつ明確に考えて、御答弁を願いたいと思つたわけであります。そういう点について政府は考えておられるかどうか。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 ちよつとただいまの御答弁は、その点を漏らしまして恐縮であります。先ほど申しましたように、地下資源の開発ということにこれから重点を置きたいのでありまして、石油におきましては、石油資源開発法というものを次の臨時国会に提案いたまして御審議を願う。金につきましては、今まで年間三トン程度の生産を十トン程度に引上げようということで、三箇年の努力をしたい。しかしてこれについては、新炭鉱の開発のためのいろいろな助成金、研究費等を考慮するようになつております。石炭につきましても、炭田の調査の結果、その必要がありますれば、その調査費も助成いたしたいと思つております。根本的に私企業に対しまして完全補助助成ということが許されないことは、十分御承知の通りであります。従いまして、資金のあつせんをいたしまするのに、コール・カッターの輸入について、コールカッターは、大体イロア資金で入つております。これらの所要資金のあつせん等につきましては、十分御意見のようにそれぞれその事態を研究いたしまして、いやしくも思惑的な資金のあつせん、かようなことにならないようにいたします。これは現在もやつております。ただいま某方面の一連の炭鉱が金融を資源庁に申し込んでおりまして、これを興業銀行と勧業銀行へごあつせんして、査定しております。お申込みは百七十件、査定の結果百十件ぐらいこあつせん申し上げる状態にある、かような状況でありますので、その点は十分考慮いたしまして、思惑資金を供給することはいたさないように、またことに御指摘のような個個の企業にあつせんをすることは弊害が多いので、御指摘のような弊害が現われないように、ぜひ努力いたしたいと思います。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 生産の合理化の中で最大の要素は、何と申しましても、労務者のいわゆる能率の問題であります。統計の示すところによつて見ますと、最近労務者の稼働率あるいは全体の能率は上つて来ておりまして、一人七トンを越える状態になつて来ておると言われておりまするが、しかし日本の統計に表われた最高生産能率は、昭和八年の二百二十七トンだつたと言われております。そうすると、現在大体は九十四トンであると言われ、そうして過去における最高能率は、二百二十七トンだつたと言われております。この点はどういうところから来るかという問題は、これは重要な問題であると思います。先ほど来ちよつと何か労働意欲が減退しておる点もあげられておりましたが、私は終戰直後にはそういう点はあつたと思いますが、最近におきましては、労働意欲というものは戰前に復しておると考える。従つてこの能率が上らない原因というものは、その他にいろいろあると思いますが、その点はどういうふうに考えておられるか。これは実は労働省から御答弁願いたいと思いましたが、一応これは通産省としても考えられておる点だろうと思いますので、ひとつお答え願いたいと思います。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 現在の労働能率が一人平均月産八トン半ないし九トンぐらいに——月によつて違いますが、上つておりますが、これを昭和五——九年の平均の能率一六・二トンというものと比べますと、もつといろいろしんしやくしなければならぬ要素があるわけであります。第一に従来は臨時夫、組夫、そういう種類の労務者が入つておりましたが、これは能率のほかに置かれておりましたのを、これは全部廃止になりまして、いわゆる全部会社雇用の労務者に切りかえた。この点若干落ちるわけであります。それから特に大幅に違います点は、労務基準法の施行によりまして、労働時間が制限せられた。そうしますと、特に炭鉱のごとく往復の時間に非常に大きな割合をとられます場合においては、実際に切羽で働くという時間が比較的大幅に減る。その関係からいたしまして約三割ぐらいの能率の低下がございます。さらに現場の状況が非常に悪くなりまして、山丈と炭丈の比率というものが、比較的山丈が多くなつておる。従つて同じ労働をいたしましても、同じだけの山を掘りましても、実際に出て来る炭というものは比較的少い。そういう関係からいたしましてやはり一、ニパーセントの違い。それから現場そのものが従来の六年当時と比べまして、山が荒れておるという関係から作業がしにくいという関係もございますし、それから実際に炭層そのものが非常に割の悪いところを掘つております関係から、選炭いたしました場合に、選炭歩どまりが非常に低下しておる。こういうような諸種の要素がありまして、これを全部一つの理論計算にいたしますと、当時の一六・二トンというものは、現在そのまま今のような点を全部差引きますと、八・二五ぐらいに当るというようなわけでございまして、そういう点としんしやくいたしますと、今日の條件下においては、すでに当時の一六・二に相当するくらいの、労働者は一時間当りの能率を上げておるというようなことになるわけであります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 今の御答弁によりましても、稼働能率を上げますには、やはり石炭産業の自立経営という点から考えなければならぬ点が、相当あると思うわけです。そういう点を考えると、やはり自立経常に持つて行くという石炭のコストというものは、相当値上りを来さなければならないということも、考えられるわけでありますが、なお労働問題についていろいろお伺いしたいと思いましたが、労働省関係のことは省略いたします。本日いただきました統計を見ましても、正確な数字がわかりませんが、昨年の九月以来二万三千人という離職者が出ております。今日の経済情勢におきまして、この離職者というものは、おそらく失業者となつて現われて来ると思いまするが、炭鉱地帯におきまするそうした失業対策というものは、どうように行われておるか。おわかりになりましたらひとつ……

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 数学的に二万幾らの実際の人員減がございますが、これはいわゆる首切りによるものも、そのうち幾分かはあると思いますが、一般的に自然退職によるもの、すなわち自然減耗によるものが相当ございまして、それに対します補充を差し控えたというような面も、数字的にははつきりいたしませんが、あると思います。自然減耗によるもの並びに強制首切りによられたもののうちの一部分というものは、すでにもう労働の意欲のないものか、あるいは帰農いたしましたり、別途の職業についているというものもありまして、全部が失業状態にあるというふうには考えられませんが、その中には若干実際に失業されているものもあろうかと思います。これに対しましては、特に炭鉱労働者の失業者に対する特別の失業対策を、実は持つており圭せんで、一般の公共事業対策その他によつて——一般の失業救済施策によつて、これを救うというように考えております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 その点でお伺いしておきたいことは、失業対策がいわゆる公共事業を遂行することによつて行われているようでありますが、各省の連絡というものが非常にむずかしい。たとえば建設省の仕事において、失業対策をやり得ることでも、労働省と建設省との関連が非常に薄い。通産省の所管においてこうした問題が起つて参りましたときに、労働省その他との十分なる連絡において行われるかどうかということは、はなはだ疑問です。そういう点を通産省当局としては十分将来お考えになるかどうか。ついでですからお伺いします。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 大量の失業が予想せられます場合には、もぢろん労働省の方にも十分連絡いたしまして従来もやつておりますが、今後もやはりその方針でやるつもりであります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 次に、先ほどちよつと宮幡政務次官からお話があつたと思いますが、安本の五箇年計画によりますと、昭和二十八年度において五千万トンの生産目標となつております。この王箇年計画というものが、まだ吉田内閣には正式には決定になつておらないようにも聞いておりますが、しかし安本においてこの計画を立てられたことは事実であります。そこで現在政府としては大体生産目標というものを、今日なおここに置いておられるかどうかということをお伺いします。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 ただいまの状況における石炭の需給関係を考えますと、大体四千万トン程度を確保して行く必要かあるだろう。従いまして将来産業が振興の過程を辿つて参ります場合には、五千万トン程度のものが必要であろうということは、政府で正式決定をしたといなとによらず、通産省といたしましては、さような点に一応の目標を置きましてこれに縛られてどうするという意味でなく、さような観点からいろいろなことを考えていることは事実でございます。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 提案者の提案理由によりますと、前回もちつとお話があつたようでありますが、「現下の経済事情にかんがみ」という言葉があります。そういう理由で、この重大な石炭の生産に関係のある法規をはずされるということは、重大な問題だと思いますが、それはほんとうに現在の状態を目標としてはずしてもよいとお考えになるか、あるいは基本産業としての国家百年の大計というような立場から、今旦石炭産業というものをまつたく野放し生産にしておいて、いわゆる自由主義経済の中に、ほうり出してもよいというふうにお考えになつておるか、その点を提案者にお伺いいたします。

神田博自由党

○神田委員 加藤委員にお答えいたします。本法案の提出理由の「現下の経済事情にかんがみ」ということは、單なる経済の意味かというお問いのように承りました。これはもう数日前から今澄委員等寸からもお尋ねがございまして、提案理由に詳細述べておりますごとく、さらに過去の業績からも判断しまして、将来の一応の見通しも立てた現下の状態においては、本法案を必要としない。こういう意味でございまして、ただいま、将来においても石炭行政の基盤となる立法は必要としないかというようなお尋ねでございましたが、この点については、石炭が産業に占めております重要な地位にかんがみまして適当な立法はしたい、またすべきものである、こういうふうに考えております。ただ内容の詳細の点になりますと、まだ構想中でありまして、まとまつておらぬということは、政府側も先ほど来答弁をしておりますし、私も労えを同じうしておりますので、お答えにかえます。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 さらにその理由の中に、一億一千六百万の経費を節減できる、これが一つの大きな理由にあげられておるようであります。かりに一億一千六百万円余の経費が全部節減できるといたしましても、それによつてもし一方に失うところが非常に多ければ、そうしたわずかの経費を惜しむべきではないと思う。先ほど来のお話を聞いておりますと、野放し生産にしておいて、一切自由主義経済の中に追い出しても、さしつかえないという御議論はないようであります。提案者側の御答弁の中にも、政府側の御答弁にもないようであります。これにかわるべき石炭事業法とか安定法というようなものを考えなければいけない、場合によつてはいろいろな保護助成もしなければならない、保護政策もとらなければならない、こういうようなことを御答弁になつておる。そういたしますと、今一億一千六百万円余の経費を節減するに急のあまり、一方にそういう処躍をとらないで、これを廃止されるという意図というものが、日本の経済上の立場からだけ考えられて、これをやられるというふうには思えない。私どもはその点について大きな疑問を持つわけです。先ほど来神田君は私がお聞きしないのに、これは自由党の公約であるからというようにおつしやいましたが、この公約を一つ一つ実行したいならば、それによつて大きな障害が、ことに石炭産業のようなものの上に将来もたらされないように、また国民が将来それによつて迷惑されないように考えてやらるべきではないか。政策は当然国民のために行うべきものであり、国家再建のために行うべきものであろうと思うのです。そういう点について先ほど来の御答弁をお伺いしておりますと、用意が足りない。ただ單にこの国会において公約を実行したいがために、おやりになるとしか思えないのであります。私が申し上げるまでもなく、神田君がしぱしば言われました通り、石炭国管というものはいわゆるイデオロギーから生れて来たものではない。石炭増産の必要から生れて来たものでありまして、もとより風早君が昨日からおつしやいましたように、修正資本主義の理論の上に生れて来たものでももちろんないのであります。そういう点から考えますと、お互いに石炭のような基本産業中の基本産業たるものを、そうした一党だけの考え方から扱うべきものではないと考える。万全の対策を考え、周到なる用意をもつて、臆病過ぎるくらい用意周到にこれを扱わなければならないと思うのであります。ことに石炭国管法は来年三月をもつてその効力を失うのであります。来年三月効力を失うものをそれだけの万般の用意をせずして、これを撤廃されるところの真意は、いずこにありやということを、私どもは疑わざるを得ない。この点についてもう一応私の結論を得たいために、提案者にお伺いいたします。

神田博自由党

○神田委員 たびたび申し上げておるのでありますが、あらためてお等ねでありますので、はつきりお答え申し上げたいと存じます。石炭国管法の設立の由来から考えまして、増産の対象としてできたものが今日ではもうオーヴァーしておる。もうこれだけでもこの法案は廃止してよろしい、これは御承知のように、イデオロギーでできたものでないことは、十分お認めのようでありますし、また増産の目標のためにできたことも御承知であると思いますが、もうすでにこの法律は働いておらない、働いておらない法律を廃するということは、国会の任務たと思うのです。それをたんたんたる心境においてやつておるのでありまして、法律は必要のときに生れ、不要のときにはこれを廃して行くべきものであると考えておるのであります。ことに臨時立法をたてにとりまして、この臨時立法を廃するために、基本的な石炭のあり方をきめるために、恒久立法を同時に出すべきものであるというようなお考え自体が、私どもと意見を異にするところじやないかと考えております。恒久的立法は諸般の情勢を十分調査研究のもとにおいて、やるべきものと私どもは考えております。ただいま加藤さんがお述べになりました日本の石炭資源のいかに重要であるか、これを一党のみによつて私すべきものでない、これは私どもまことに同感でございまして、私どもも一党のみにおいて、決してこれをどうこうというわけではないのでございまして、心を広くいたしまして、十分輿論も聞いて考えておる次第でございまして、臨時立法は臨時立法として、その目的を終つたならばこれを廃して行く。恒久立法については心を広くして輿論にも問い、また構想がまとまりましたならば、公聽会その他の方法も十分考えまして、十分な準備のもとにつくるべきものである、かように考えておるわけでございます。繰返すようでありますが、短い期間の臨時立法でありまして、もうその必要のないという意味において、これを廃して行きたい。行われてない法律を廃止するという考えでおりますので、支障はない、こういうふうに私ども確信いたしておる次第でございます。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 最後に一言つけ加えておきたいことは、今神田君は、これを臨時立法だから恒久立法と同じに考えなくてもよいとおつしやいましたが、期限があるから臨時立法である、期間がついてないから恒久立法だという解釈では、その法律の本質をつかめない。石炭増産のための対策立法が、期限がついておらないから恒久立法だ——どういう意味でおつしやつたのか知りませんが、永久普遍のものでやれるわけのものであります。ただもう一つ申し上げたいことは、この石炭国管から附随するところの、いろいろな増産に必要な、あるいは公平なる配給に必要なるところの法律というものは、吉田内閣によつて順次はずされて、なくされました。そこでこれはもはや手足を奪われた、無用のじやまものであるというようなお考えのようでございまするけれども、しかし私は、先ほど来の政府当局のあるいは提案者たる神田君の御答弁を聞いておりましても、やはり石炭産業については、その生産の上においても、あるいはその他関連産業の上についても、いろいろな対策というものが考えられなければならない。言葉をかえて申しまするならば、いわゆる計画生産もある程度行い、またある程度のいろいろな統制も必要によつて行われなければならない。こういう考えは、われわれと大なり小なり一致しておるようであります。そういたしますると、石炭国管というその一つの根幹から、いろいろな施策というものか生まれて来なければならないものであろうと思うのでありまして、今国管というものが絶対無用のものとなつた、機能を失つたものでめるという考えは、私は考えが違うのじやないかと思うわけであります。私の意見を附加して申し上げておきます。

神田博自由党

○神田委員 討論ではございませんので、御意見として拜聽いたしておきたいと思います。ただ私は、この石炭鉱業管理法は、冒頭にも臨時という文字がかぶされており、石灰の緊急増産のためたということが、本法の中にもうたわれておるのでありまして、あくまでも臨時立法だと思つておるということを申し述べまして、お答えにかえておきます。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 私は質問に入る前に、まず行政庁にお伺いしたいのでありますが、この臨時石炭鉱業等管理法は今日一、二日を争つて、これを廃止しなければ、何か行政上の支障でもあるのかどうか、まずその点を承つておきたい。これは行政庁にお伺いしたい。具体的に御説明願いたいのであります。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 提案者の提案理由として御説明のありました中に、ただいまのお答えが書いてあるわけでありますが、その御方針に政府としても異論かないということを、先刻申しましたような次第であります。これは具体的にいろいろ申しますと、またいろいろ言葉のあやができると思いますが、経費の節減もできますし、それからこれを廃しましても別に支障もなかろうという諸般の情勢を勘案いたしまして、適当な時期だろう、かように考える次第であります。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 うわさによれば、本日質疑を打切つてという動議を出されるとかあるいは今明日というようなお急ぎの方面の意見も聞いておるのでありますが、一体これを急がなければ、行政を執行する上において支障を来しておるのかどうか。私はその点をお伺いいたしたい。もしもこれが支障を来すという場合には、私も日本の国会議員であるから、御協力を申し上げたい、こういう意味であります。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 たいへんごもつともな御意見でありまして、その通りだと思うのであります。政府といたしましては、大体国管法の在在を必要としない事態になつておるということは、もう真正面に認めておるものでありますが、ここで一時間を争つたり、何時間を争つたりしてやらなければならないということを御注文申し上げたり、一々さようにも考えておりません。しかしなからこの委員自体、国会自体がお考えくださつておる措置につきましては、また行政府としてはこれに対して何らの干渉もできないわけであります。この点、御了承願いたいと思います。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 ただいまの御答弁でわかりました。そうすると、行政上、これを存置することも廃止することも少しも支障はないが、同時にそんなに急に廃止しなくても、行政執行上支障がない、しかし国会の意思にまかせる、こういうふうに解釈してよろしいですね。  そこでそれでは先ほど来、神田氏が提案理由の説明を加えられておる中に、重要な点があるのです。本法は、業者の自由なる意思と創意と熱意を抹殺せるがゆえに、これを廃止することが大体の目標である、こう御説明になつたのでありますが、この臨時石炭鉱業管理法のどの箇所に、あなたが心配しておられるような、業者の自由なる創意と熱意を抹殺する箇所があるか。どうも私は勉強が足らないのでありまして、神田先生にお教えを請いたい。

神田博自由党

○神田委員 どうも公けの席におきまして、平素お教えを請うております西村先生から、逆にお教えを請いたいというようなことを言われまして、まことに恐縮しておる次第でございました点でございますが、それは私が申し上げますまでもなく、先生にはお心当りかあり、御存じだと思います。私に率直に言えということでございますので、申し上げるのでございますか、御承知のように、この法案が、提案された際の審議の経過、それから公布せられて、実施の結果、幾多、今お尋ねがございましたような不祥のあつたことは、お聞き及びだと思います。しからばそれか全部かということにつきまして、もとより議論がございまして、この法自体が非常によく行つておるという考え方もあるだろうと思います。しかし今日の段階におきましては、すでに先ほど来から申し上げておりますように、これはなくてもよろしい、むしろない方が業者の熱意とくふう繊り込むのにいいのじやないか。増産のための実体がなくなつておる。増産命令を必要とするような諸般の規定にしばられておるものが、今日増産の命令を下すような段階ではない、指定炭鉱あるいは管理炭鉱というようなものの制度がありましても、実際においては運用が消極的になつておる。そこで手続上からいつても、やはりこれを廃止した方かよろしいのではないか。先ほど加藤さんのお尋ねもありまして、まあ今日の歳出の尨大な点から考えますれば、この施行のために要する経費というものはわずかだとは考えております。しかしわずかでありましても、国費の節約になるということでありますならば、これは今日進んで廃止する段階ではないか、かように考えておる次第でございます。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 私は今は賛同の時間でございますから、計画経済並びに自由経済の論争をしようとは思つておりません。従つて本法を廃止するかいなやについての具体的の問題について、御質問申し上げたいと思います。私が先ほど神田さんにお尋ねしたのは、あなたが指摘されたような、自由なる意思と熱意とを業者の中から抹殺するというお話でありますが、私は概念論ではなしに、この四章から成つておるところの石炭臨時国家管理法の中に、どの箇所がそういうような支障を来しておるか、法案について具体的な説明を承つておるのであります。私は抽象論を承つておるのではない。具体的に、どの箇所が廃止の提案理由に該当するか。

神田博自由党

○神田委員 法案のどの箇所にということでございましたが、法案の制定のいきさつ、公聽会、その他一般の空気を通じまして、かような煩瑣な官僚統制のもとにおいては、石炭の増産というものはきわめて困難であるという輿論でございまして、私はそれを率直に認めて、今日もなおさように考えられておる。こういう意味で申し上げるのでございます。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 私は先ほど申した通り、具体的な答弁を承りたいのであります。しかしいろいろ御事情もありましようから、しいて御質問をいたしません。ただただいまのお言葉の中に、官僚統制がいかぬ、こうおつしやつたのであります。これもまた抽象論で私わかりません。そこでこの臨時石炭国管法を三箇年にわたつて施行せられて、そうして行政官庁として見た経験から、本法がいかなる長所を持ち、いかなる短所を持つかということを、私は行政官庁から率宜に承りたいと思うのであります。私は冒頭に申し上げておきますが、政府並びに提案者に対してあげ足を拾うというようなことは、いたしたくないと思つております。従つてただいまの神田君の御説明の中にも、私はどの箇所においてどこにその廃止の理由が、具体的にあるかということを、もつとお伺いしたいのでありますが、私は朝野立場を異にしておりますが、あげ足とりはしたくない。ただ本法審議の上に重要な点だけを、すなおにお答えあれば満足するのでありますから、私の質問に対してはその意味において、すなおなお答えをいただけば、私は悪つつ込みをいたしませんから、御安心願います。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 すなおにお答えいたします。成立においてこの臨時法がいろいろいきさつのあつたことも、具体的の事案として残つておるわけであります。しかしこれを実施いたしまして、生産意欲その他の点において必ずしも遺憾のないわけではありませんが、結論といたしましては、増産に対しまして寄與したところの功績は、決して抹殺いたすものでありません。その目的を達しまして、これからはほんとうに提案理由に書いてありますような方法で、より以上自主的な企業意欲によりまして、この基本産業を保持して行くことが正当だ、むしろこの法律の任務が完了したものと考えておる次第であります。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 私は本法を二箇年執行された経験上、本法における長所と短所が、どこにあつたかということをお伺いしております。あなたが今おつしやつた中において、もう役目が済んだと、これは神田君もおつしやつたが、それは少し法文をごらんになつたらわかるじやないかと思う。本法の第一章の第一條にこういうふうなことか書いてあります。「この法律は、産業の復興と経済の安定に至るまでの緊急措置として、政府において石炭鉱業を臨時に管理し、以て政府、経営者及び従業者がその全力をあげて石炭の増産を達成することを目的とする。」こういうことになつておる。増産の点はいろいろ見方もありますけれど、一応の段階には達しておる。しかしその内容についてまだ身を入れなければならぬところもある。同時に安定という点においてはまだ達しておらない。この点においては私はまた後ほど不安定な原因について御質問申し上げますが、この復興と安定という二つの目的がある。しこうして回復はいたしたが、安定はいたしておらぬ。この段階になつておるので、あなた方の御答弁は当らないのでありますが、私がお伺いしたいという主眼は、二箇年間これを施行した結果における長所と短所を、行政庁からお伺いしたい。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 長所と短所を申し述べるとしましたならば、これはまあ石炭国管功罪論というふうなものでありませんと、話にならぬのでありますか、大体において増産をしようという目的は達したことを、私は率直に認めておるものでありまして、それから悪いことと申しまするならば、まずよい炭も悪い炭も価格を、一つに同じに押えたり、財政支出によりまするところの補助金的な措置をするということにおいて、はなはだおもしろくない、かように考えております。御指摘の第一條の安定はまだじやないかということは、これは予算委員会において西村君が大いに御発言なさつたことで盡きておる。池田大蔵大臣はデイスインフレであつて、一応安定しておると言つております。安定しないという見方は御自由でございますけれども、さような施政方針演説をやつております内閣でありますので、私どもは第一條の安定も一応あるものだと、かような考え方を持つております。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 そうすると本法の欠点というものは補助金制度と画一的である、これが欠点であるという御指摘ですね。それでは事務当局にお伺いしますが、本法を施行せられてこの第四章の中において法律のどこに欠点があつたか、将来の石炭行政をやつて行く上においてどこに欠点があるか、その点をひとつ……

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 われわれが国管案を施行いたしまして、特に最近においてその欠陥だと考えておりますのは、管理の方法にいたしましても、報告の点にいたしましても、手続が煩瑣でございまして、そのために炭鉱では報告書類の作成に非常に手数を要しておる点、さらにまた管理組織がいろいろ複雑になつておりますために、実際の企業の経営が敏速に行われない。従つて企業責任がきわめてあいまいになる。こういうふうな点が一応の本法の欠陥ではないか、かように考えております。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 そうすると事務当局としては報告かずさんであつて手続が煩瑣であるということが欠点である、こういうふうに思つておられるのですな。そう解釈していいのですね。

中島征帆通商産業事務官(資源庁石炭管理局長)

○中島政府委員 ずさんというよりも、報告の内容が非常に複雑で、かつ量的に多いということです。しかしこれは当時の国管法を施行するためには、必要最小限度と認められた事項でありますけれども、最近においてこれは少し多過ぎるのじやないかと思います。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 わかりました。そうすると大体話がわかつて来たが、事務当局としては、応務の取扱いが非常に煩瑣である。だから先ほどやじが飛んだように、増産をいくらか阻害しておる。それから政務次官の方では補助金的措置等が画一的であるということが欠点である。こういうことですね。そうすると欠点はそれだけだということになると、臨時石炭鉱業管理法によるところの特色というものは、一体、どう考えられておるか、提案者の御意見を承りたい。

神田博自由党

○神田委員 その後段をもういつぺんおつしやつてください、私の方ではないと思つておりましたから……

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 臨時石炭鉱業管理法の全條を貫くところの趣旨というものは、要約すすれば四点にあると思う。それは増産と、石炭業の保護育成ということが第一点。それから私益よりも公益を尊しとする考え方、すなわち石炭業の利益を守りつつ、なおかつ高い段階における国民経済全般の利益を保護して行く。第三には、経営者と労働者とがお互いにその立場を生かしつつ、産業設計を樹立して、労資双方においてその遂行に対する責任を分担して行くということがここに明確にせられておる。同時にいろいろの報告その他においてはずさんの点もあるし、ただいま事務当局で言われた複雑の点もあるのであつて、この業者に対する保護育成、並びに行き過ぎたる我利々々主義に対しては、法律をもつて正邪を明らかにするという四点が、臨時石炭鉱業管理法の特色であるとされておるのであります。この長所はお認めになりますか、それともこれが違つておれば違つておるということについて、現実に法案に則した御説明を承りたい。

神田博自由党

○神田委員 ただいま西村委員からこの法案の特長としております内容四項目に対して、こういう特長を持つている法律である、しかるに欠点はどうかという御尋ねでございましたが、なるほどそうした特長を持つているという御説明は、法案審査の際たびたび聞いて参つたのでありますが、当時の情勢におきましては、そういう考え方をなさる方の力も相当大きかつたことは、私も十分承知しておりますが、私どもは当時からこの法案に反対している立場でございまして、実は当時われわれ輿論に負けたか、どこで負けたかは別といたしまして、国会の少数派として敢闘いたしまして、必要のないということを十分述べて参つておりますので、その後一貫してさように考えておるのでありますが、ただいまこの長所を述べろということを言われますけれども、ちよつとさような御満足の行くようなお答えも申し上げるわけには行かないと思います。しかるに反対であつたとなかつたとは別といたしまして、とにかく法案が通過して、この法律が実施されたわけでありますから、その実施にかんがみて、増産に多少の効果があつたかどうかということになりますれば、これは多少議論になりますけれども、多少の効果を認めるには私どもやぶさかではない。しかしその弊害がどういうことであつたかということになりますと、またこれは議論になつて参りまして、それも認めざるを得ないということにも相なりますか、但しさようなことは過ぎたことでございますので、しばらく別問題といたしまして、とにかくこの内閣といたしましては、一年有半にわたつて実施して参つたのでございまして、今日実施の最もも経験の深いところから廃止案を出しておるわけでありまするし、また先般の総選挙におきましても、党の政策といたしまして廃止を声明してずつと続けて参つておるのでございまして、貫した考え方であります。決して突如として出したわけでもございません。また審議を急ぐ理由はどうかということでございましたか、これは当委員会が今いろいろな重要法案を持つているというところからいたしますと、会期の関係等からいたしまして念がざるを得ないということになるのではないかと考えております。御了承を願います。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 そうすると、今別に政府委員から御説明になつて石炭鉱業安定法というのですか、これはすでに事務当局の手を離れて折衝中であるというのですが、今の御説明によりますれば、この上石炭鉱業安定法というものかできてから、この廃止案を出されても、さしつかえないのじやないのですか。

神田博自由党

○神田委員 今の西村君のお考えも、一つのお考えだと存じますが、私どもも、具体的にこの国管法を廃止したいといつて取上げたのは、昨年の夏以来でありまして、当時からずつと研究を続けて、その成果に実は期待をかけておつたのでありますが、現実の問題といたしましては、そう繭簡單にやすやすとはわれわれの構想しているようなわけには参らない。また理論的には、臨時立法を廃止するには、恒久立法の準備をしなければならないというわけでもない。もう用済みのものは廃止して行きたい。新しい段階、新しい構想のもとで、りつぱな法案をつくつたらよいじやないか、こういう淡々たる気持で考えておるわけであります。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 それでは逐條的に御質問いたしますが、この第一章の第一條に、先ほど申し上げましたように、「産業の復興と経済の安定に至るまでの緊急措置」とありますか、この経済の安定という意味は、先ほど政務次官からお話がありましたか、日本経済善般の安定ということよりも、私はこの中では石炭業の安定ということに解釈いたしたい。しからば石炭業は今日の段階において安定しておるか、どうかという点を考えて見ると、私ははなはだ遺憾なから不安の念を禁じ得ない、石炭業が今日、コストの上において、経営の基礎の上において、また将来の国際関係において、安定しておるという確信が政府にあるならば、その具体的な方針を明示していただきたい。私は遺憾ながら今日不安を持つておるので、あえてその点をお伺いいたしたい。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 御指摘の問題は、大きな国策全般の問題でありまして、ここで五分や十分ではちよつとお答えしにくいと思うのであります。しかし御指摘になりますお考え方は、私はそれに対しては必ずしも全面的に反対だということを申すのではございません。しかしこれは特に西村さんは御專門でよく御存じでありますが、世界の経済事情におけるインフレからデフレに移ります際の各種の現象は、各産業が同じような線を描いて階段をおりて行けるならば、これは仕合せでありますか、経済は各種の関連、客観情勢に支配されまして、各種の産業にでこぼこのできて参ることはやむを得ないことであります。それでただいまは安定の過程——安定じやない、つぶれて行く炭鉱もあるということは、これは御指摘の通りであります。しかし戰時中は、ものがなくなると、竹やりでタンクと戰争をやるというので、竹やりも兵器だつたかもしれない。しかしものが十分に充実されて参りますれば、おそらく竹やりが兵器となつて登場しないと考えられると同じように、戰時中なるがゆえに存在価値を認められたのか、平時経済に切かえられた場合に、それが必ずしも戰時中に負わされた條件のままで、平時経済に移つて行くことか可能であるか、どうかということについては、相当疑問があるわけであります。もしそういう面をとらえまして、兵器から竹やりが除外されたという状況になつたから、これは安定じやないじやないかということになりましても——これは議論になりますから、申し上げにくいのでありますが、この点は西村さん御自身の方が十分御承知であり、かつ政策の御批判については、私は委員会においてよく伺つておりまして、もしお話をする機会があつたならば、いろいろお教えも請おうと思つておりますが、これは不安定だとは私は考えておりません。御指摘の第一條は、石炭鉱業の安定ということを主としてねらつており、それに従属的に全体の産業をにらみ合せている精神であろうと思つておりますが、不安定だということを肯定する勇気は、ただいまのところないのであります。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 私のお伺いしているのは、今の増産よりも、石炭業の安定というものは、結局その設備改善その他によつて、十一トンを目標にして行かなければ、コストが下らないじやないか。同時に今日の国際的な関係から見て、石炭業を保護する対策をとらなければ、将来また国際関係のあらしの中に日本の基礎的産業というものが、追い込まれるのじやないかと思つておる。予算委員会の例をお引きになりましたけれども、わが国の現在の産業政策というものは、ドツジ処方箋や、その他の外国人の処方箋よりも、むしろ明治初年の澁澤さんの処方箋を、われわれは一番学ぶべきじやないか、こう私は考えておる。そういう見地から考えて、不安定の中において全体をどうして保護して行くか。業者自身が十一トンを目標とするためには、政府は保護してやらなければならぬ、育成してやらなければならぬが、この点が欠けているので、私は不安があるから、これに対する対策をお持ちかどうかということをお聞きしたのであります。しかしこれは議論になりますから、次に進みたいと思うのであります。  そこで先ほど提案者に御質問したときには、時間の関係上、御答弁も制約されて漠とした御答弁しかいただかなかつたのでありますが、臨時石炭鉱業鶯理法第三章における特色というものは、炭鉱管理委員会の諮問を経て経営対策を立てる、こういうようなことになつておる。生産協議会という問題は、これはわが国の産業の歴史の上において、きわめて重要なる点でありまして、労働者と企業家に対等の立場において協力せしめて行くという態勢で、増産に一応役立つた、将来はこの内容を充実して行こう、こういうことであるのでありますが、この生産協議会に対して何かこれをはずさなければならない理由があるかどうか、具体的にこれを承つておきたいと思います。

神田博自由党

○神田委員 生産協議会の構成、またそのねらいは、今お述べになりました通りと私も承知いたしております。そこでこれはりつぱな制度であるにもかかわらず、これをやめなければならない理由があるかというようなことでございましたが、これは本法がなくなりますれば、なくなることは当然でありますが、そういう議論は別として、とにかく残してもよいではないかというような意味かともとれるのであります。国管法の先年の審議の際におきましても、石炭のみがそういう仕組で行かなければならない理由はどこにあるか、他の労働立法に基いて労資が平等の立場に立つて、工場の生産能勢を十分整備して行くということは当然なことで、民主的にこれを運営して行くということは当然のことでありまして、それを特は石炭鉱業のみ、この臨時石炭鉱業管理法の中に規定したことは、どうであろうかという議論もあつたこともお忘れないことと存じております。私ども当時より、制度としてはこれは一つのねらいでありますが、もともと石炭鉱業にのみかような規定をすることはおもしろくない。これは労働立法の方と一般的に考うべきものであるというような考え方でございましたものですから、今回廃止にあたりましても、特に残すというような措置はとらなかつた、そういうふうに御了承願いたいと思います。それから石炭鉱業のなお一層の安定のために、政府が保護助成の策をとらなければならないということは、私もこれは原則論としては決して異存はないのでありますが、従来石炭に対して政府のとつて参りました態度というものは、道楽むすこに金をつぎ込んだという批評をよくされるのでありますが、まさにその観があつただろうと思います。この臨時国管法によつて増産になつたのか、あるいは二十三年末の経済九原則のいわゆる至上命令による企業の自主性、そこで初めて石炭業者が立ち上つて増産に粉骨砕身したというようなことも、言われておるのでありますが、従来の政府——これは何政府といわず、石炭に対しては他の産業よりも、よく考えていただいたことはけつこうでありますか、ある面においては非常に行き過ぎだと考えております、復興金融公庫の融資が、三百五十億に上つておる。そのうちの百五十億というものは、炭住の資金に使われております。今日炭住の資金によつてつくられた住宅が、ほとんどあき家になろうとしておる。それらのごときは、特に政府があまりに炭鉱経営に干渉し過ぎた行き過ぎだろうと思います。今日炭鉱の経営が安定しないということは、この炭住資金の返済に困つておる。先ほど同僚の田中委員からも、この点非常に述べられておつたようでありますが、私もこれはまことに同感でありまして、政府の産業に対する施策というものは、行き過ぎてもいけないが、行き足らなくてもいけない。その間をねらつて緩急よろしきを得なければならないのではないか。一ぺんきめたものをそのままつつ込んで行くというようなやり方は、どうも機動性がなさ過ぎはしないか。今後の石炭行政につきましては、先ほど加藤委員も述べられたように高い立場から広く、そして機動性を持ち、伸縮牲のある、あるいはまた彈力性のあると申しましようか、じやまをしない、ほんとうに乗り越えられないところだけを、また乗り越えなければいけないところだけを、政府があと押しをすることが、必要なのではないかと考えておる次第であります。国管廃止の件につきましては、るる述べておりますので、くどくどしく申しません。以上をもつてお答えといたします。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 ただいまの提案者の御説明によると、政府と業者と従業員が三者一体になつて、生産に対して立案と責任を分担しておる。その経営については事業家と従業員がその責任を分担して行く、しこうして事業家の所有権は認める。同時にそこで働いている人々の立場も認めて行く。またこれを生かして行く。その意味において生産協議会に重点を置かれたという制度は、これは悪くはないが、石炭業のみにそれが先行するということは考慮の余地がある。こういうふうに御答弁を解釈してよいのですか。

神田博自由党

○神田委員 私はさようには申し上げないのでありまして、当時他の方は労働立法にまかせておいて、石炭だけこういうふうにやつて行くということについて議論があつた。われわれもその点についてはその後段の方に同感であつた、こういう意味で申し上げております。ただ一つの考え方として、当時の困難な際に政府があと押しをする、また経営者、労働者三位一体になつて緊急増産をする、そのためにまた第四章でありますかのような規定を考えて行くということが、当時の政府としてよろしいということでお考えになつたのでありましようが、私どもは当時から一貫して、この点についてはそれほどの必要はないではないか、他の方法があるではないかというような意見を、申し述べておつたのでありますがしかし考え方としては、大いに研究の余地があると考えております。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 大体お話はわかりましたが、御説明の中には、この制度を否定されるという御意見はなかつたようであります。ただこれのみ入れることについては、全般の均衡をそこねるということで、当時も意見があつたし、今もそう考えておる。これはお考えとしては一応もつともだと思うのでありますが、この制度が悪いという議論を承れば、私は得心するのですが、業者と従業員が協力して、増産と業務の責任を負うという制度が肯定される上からは、これだけを切り離してやられることが、どうも均衡がとれないじやないかという議論になりますと、私は御賛成しかねる。立場をかえて言えば、今日国民の食糧の重要な問題である米に対して、なぜ政府が嚴格なる生産並びに配給統制をしておるかということになつて来る。これは国民の食生活に重大な関係があるからこそ、米に対しては嚴重な統制をとつておる。同じく石炭業も産業上の食糧でありますから、これに対してはやはり進歩的にして、かつ具体的な対策がこの第三章の生産協議会に盛られておると私は考えておる。そこであなたが数日来しばしばお述べになつたところで、この第三章に明記されておるところは、所有権と個人の創意の企画性というものが、企業家の権利義務としてここに書かれておるのでありますが、この第三章の生産協議会に相関連いたしまして、業者の所有権というものは、どこに制限されておるか、そして業者の自由なる活動が、この章においてどこに制約を受け、業者がこの法律があることにおいて、どこに自由な活動ができない点があるか、私には見当らないのですが、この第二章並びに三章において、あなたが指摘されるような自由な活動と創意とを抹殺されるものが一体どこにあるか、承りたい。

神田博自由党

○神田委員 この機会に廃止しようという法律の逐條審議をいたしましても、いかがかと考えるのでありますが、ただ国菅法に基きまして、指定炭鉱あるいは管理炭鉱にされた場合に、業務計画を確立して商工大臣の監督を受け、また指令を仰がなければならない、そういうところが非常に苦痛としておる根本の点ではなかろうかと思います。いろいろ他に申し上げればまだありますが、一番いやがつておりますのは、自分の石炭鉱業に対して、管理あるいは指定の監督を受けて業務計画を作成して、そうして許可を受けなければならない、かようなことは今日の石炭情勢のもとにおきましては、これは実に屋上屋ではないか、需要供給に基いて、そうして鉱山の経営を考えて行かなければならない現段階におきまして、現地の石炭局、あるいは資源庁、通産大臣の許可を受けるということは、むしろ基本的人権を制約したということになるのではないかと思うのであります。大分当時とは情勢が違つておりますので、今日の段階においてはという意味で申し上げておきます。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 業務計画を樹立し、かつ商工大臣の許可を受けなければならぬということは、日本の法律のもとにおいて仕事をしている人は当然なんで、これは自由なる活動を阻害するとは考えていない。農民に対しても今日供出の多くの制度がある。これは国民経済に対して、国民生活に対して重要なる影響があるから、嚴重なる罰則制度を設けて供出制度を立てる。従つて産業上重要な石炭業に対しては、国家が全般的な計画を立てるという意味において業務計画を立てさせ、そして適当と認めたものに対して国が許可を与えるのですが、大体こういうような申請に対して、今まで許可、不許可というようなことをいたしたことはありません。これは従来の慣例から言えば、行政官庁の事務当局がおられるのでありまして、ほとんどこの法律は業者の意思にまかせておるのであります。ただこの法律をつくつたねらいというものはどこにあるかというと、第三章において明記してありまするように、炭鉱管理者が著しく不適任かつ無能の場合においては、全国炭鉱管理委員会に諮つて、事業主に対して、当該炭鉱管理者の解任を命ずることができる、そういうことになつております。これは今言うような公益を重しとする見地から、自分の利益のみを考えて事をしたり、あるいはサボタージユを起し、あるいはせつかく親の代から持つておつても、業務執行の能力がないという人に対しては、炭鉱管理者たることを解任するということを、全国炭鉱管理委員会に諮つて主務大臣がこれを適用する、こういうようなことになつておるのでありまして、私が今聞いた業務計画とか、自由なる活動の拘束とかいうようなことに、悪質の人に対してしているのであつて、あなたの御答弁は当らないと思うのであります。ただそういうことを討論を繰返していても仕方がありませんが、しからば、炭鉱業者にして、不適任かつ無能なんで、せつかく天下の宝庫を預かりながらそれを活用することのできない、かつまた将来の思惑その他において、おのれの利欲のために国家の利害に衝突するというような場合においては、本法を廃した後において、それらの悪質業者に対して、政府はいかなる方法において、これを監督指導なされるか。

神田博自由党

○神田委員 いろいろ御心配なさる点よくわかるのでありますが、大きな炭鉱においても、あるいは中炭鉱においても、あるいは小炭鉱においても、たいていのところまで下つて行くと思いますが、およそ労働組合のない炭鉱というものはない、また個人経営の炭鉱というものもきわめて少いと思います。会社でありまするならば、株主権いうものが行使されるでありましようし、また健全な労働組合から、さような無能な、あるいは貪欲な経営者は排撃を食うと思います。ことに今日のようなきびしい経済の段階におきまして、そうした考え方で経営ができるというようなことは、これはもうきわめてまれな例であつて、さようなことは長続きせぬ。労働組合も相当進歩しておる今日の段階、また株式会社であれば株主権も活発に働くというような建前から行きましても、今お述べになりましたようなことは、ごく一部の、まれに見る不可能なことではないか、さようなことが出ましたならば、むしろ世の中の見せしめになるということでございまして、御心配は私も同感でありますが、具体的な事実問題としては、さようなことか起ろうとは考えられ得ないのではないかというような考えを持つております。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 そうすると、今の御答弁によると、第三章の従来の法律が廃止された後には、業者の道徳と、自然淘汰において処理される、こういうようなことですか。それで石炭行政をやつて行けますか。單に道徳と自然淘汰だけに頼つて、この第三章をはずしてやつて行けるかどうか。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 やつて行けるかという御質問ならば、やつて行けるということを、昨年統制を廃止してこの方相当の時勢の移りかわりをながめておりまして、できるものだと率直に申し上げます。ただ違いますのは、自由企業制度を目ざすものと、しからざるものとの間の感覚の相違であります。大体私どもは、国管法ができるときにおいては、あまり勉強した人間ではありませんので、よくはわかりませんが、一体国家管理というものでありましたならば、資本と経営の分離がなされておるべきはずであります。しかるにかかわらず、ただいま廃止されんとしております法律は、資本と経営を分離いたしていない国家管理というものをやつておるのであります。私は別に国家管理を慫慂するものではありませんが、かような矛盾撞著したところの、資本と経営とが分離していない国家管理態勢というものが、この法律の中に全部盛り込まれておることを御質問があつたときに申そうとしたのであります。しかし西村君と議論することになるので、好ましくないので避けました、法律の中に一貫した魂が入つておらないということが、この法律案に対する重大な欠点だということを、私はまず指摘したいのであります。従いまして、自由企業制度を目ざす以上は、もし不良な炭鉱ができ、不徳なものができれば、必ず自由競争の中で倒れて行くであろうと思います。先ほどお話がありましたように、これが審議されました当時の状況は、生産協議会における資本家と労働者の立場は平等である、こういうような答弁も当時あつたように記憶しております。かような状況から考えますと、全般的に、国管ならば国管で、もつとはつきりした方がいい、資本と経営が分離した方が、われわれと主義は違いましても、うまいものになるのではないか、あいまい模糊たるものであつてはいけないのではないかという考えをわれわれは持つておるのであります。決して議論するわけではありませんが、自由企業制度を目ざす主義から行くと、これでどうやらやつて行けそうです。またやつて行ける、資本の入れかえだとか、自然淘汰ということによつて、悪徳のものはなくなつて行くであろう、これはなぜかというと、公益性の強い事業でありますから、世間の批判というものも相当鋭いものであろう、かような考えを持つております。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 政務次官が御指摘になりましたように、この法律がきわめて中途半端であるということは、これはもう当時の事情上やむを得ず中途半端であつた。そこで私が今質問する要点のねらいは、どこにあるかということであれば、要するに石炭業の公益性というものをよく考えて、その法律の悪いところは悪いところとして直して、新しいより高い段階における石炭行政を運営する法律案をつくるために、本法の欠点がどこにあるか、單に抽象的な自由主義経済とか、計画経済をどうするとかいうことでなく、私は次の法案作成の見地に立つて、この法案の欠点があつたら指摘してもらいたい。長所があつたら生かしていただきたい。こういう意味で私は質問している。ところが今あなたが言われるように、あるいは提案者が御説明になつたように、これを單に道徳的立場と、それから自然淘汰にのみまかせるということについては、これは私は同意しかねる。そこには、今までだつたら、これは中止並びに設備の移転をすることを、商工大臣の許可がなければ禁じられている。ところが今度これを閉鎖することも、あるいは移転することもできるということであれば、残るものは、鉱区を持つていると税金かかかるという損害だけであつて、これは思惑の対象になる。このときに一体どういうふうなことになるかというと、国家経済全体に悪影響を及ぼす。同時に失業ができるというふうな弊害が生じて来るというところで、私はこの第三條を廃止された補いが、どこでつけられるかという点をお聞きいたしたい。これは私は今言うような道徳と自然淘汰だけで片づくと思つていない。なるべくならばこれは他の何らかの方法において、道徳を破り、自然淘汰を覚悟するという業者に対しては、国家はどうしなければならぬ、どうすることができるのだということを、お聞かせ願えればけつこうだと思います。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 統制もいたしておりませんし、この法律でなくなれば、国家はさようなものは一般的法制、その他の刑法とか——司法と申した方がよろしいでございましようが、それの取締りに該当いたすものは、それでいたすことになります。その他は先ほど申し上げたような、一応何もないような形になるわけでございます。しかしながら先刻も加藤さんの場合に申し述べましたように、近く遅ればせながら御審議を願います鉱業法におきまして、従来の考え方と違いました試掘権、採掘権というものができまして、ただいまの第三條を直接廃止して参りました場合の弊害は、鉱業法の実施によりまして、是正できるものだ、かように考えているわけであります。ただ單に道徳——神田さんの方で御説明になつたことを誤解なさつて、そういうお言葉が出たと思いますが、それのみで片づけようとは思つておりません。鉱業法によりまして、相当程度の補足ができる、かように考えているものでございます。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 ただいま各党間において、議事進行について、大体協定ができたようでありますから、朝野両党が火花を散らして争うべきところは、別な戰場があることと思いますので、私は結論だけ申し上げて、あと二、三点疑問の点を質問しておきたいと思います。  そこで第一点は、この臨時石炭鉱業整理法がねらつた点は、何といつても、石炭業における労働力の占める比重が非常に大きい。この協力なくして増産と合理化は不可能である。これを従来の自由主義経済あるいはその他の問題で対立して来ると、勢い飛ばつちりが業務それ自体に起きる。従つてこれは渾然一体となつて、労働者の協力を得なければならぬ。そこで経営協議会というものが盛られたせつかくの基調を、ここに抹殺して、将来労働階級に対する協力をどこに求められるか、この点を一つお伺いしたい。これは簡單で、要点だけを御答弁を願いたいと思います。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 経営協議会の問題でありますが、これは私どもは法制化されたものといなとにかかわらず、労資の協調いたします立場で、諮問機関としての存在は、好ましいものと思つております。しかし現在の法制にあるように、これが決議機関であるということについては、疑問を持つているものであります。産業労働につきましては、すでに加藤委員の御質問の中にありましたように、現在では労働者の勤労意欲がほとんど戰前に近いまでに回復していることは、社会党もお認めの通りであります。この向上しました勤労意欲をぜひ無視しないように、企業家の良心を喚起するために、われわれは努力して参りたい、かように考えております。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 わかりました。  次にお尋ねしたいのは、本法をはずしたときに、こういう弊害が生じてくるのです。それは石炭業が国際的関係において、あるいは天災地変において、不測の損害を受けたときに、あるいは新しい鉱区を開発するために、引合わないか、国家的見地に立つて、これを開坑しなければならぬというふうなときに対して、これが保護育成策を一体どうなさるか。  次には、何といつても、十八社の大会社が中心を占めているのでありますから、将来これらの協定によつて、一つは、炭鉱業が業務に対する不慮の損失を受けた場合における損失補償の問題、一つは、暴利その他他の産業を団結して圧迫するというような事態が起きたとき、これに対するどういうふうな対策を講ずるか。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 最後の問題は、先刻風早委員の御質問の中にもありましたように、事業者団体法あるいは独占禁止法の規定に照しまして、取締ることか可能かと思つております。国際関係の急激な変化等によりまして、石炭鉱業は自由企業の中に放つておくことが許されないような事情が参りましたならば、それに相応いたしまする適切な立法をすべきだと、こう考えております。天災地変等臨時の災害に対しまするものについては、地震がありましても救済の措置等を、国会でもお考えをいただいておるような状況で、それに応じます災害対策の立法をなすべきだと考えております。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 第三点に、消費者に対する保護の問題、これは英国あたりでは消費者審議会というものがつくられておりまして、工業用石炭の消費者並びに家庭用の消費者の消費者協議会というふうなものを持つて、燃料大臣がこれを統轄して、業者との間における利害の対立を調整して行くという制度があるのですが、将来これに対して何らかの考慮がされておるかどうか。

宮幡靖自由党通商産業政務次官

○宮幡政府委員 いわゆる石炭の公共性ということは、消費者を対象としての言著であろうと私は存じております。従いまして公益性を認めます以上は、これは資本主義経済の下では、私企業であることを前提としておるのであります。私企業の消費者と生産者との利害というものが、必ずしも第三者的批判を受けなくとも、お互いの利益が一致する線が理想であります。しかし万一御指摘のように消費者と生産者の利害が不一致というような場合が参りましたならば、そのときに考えても遅くない。現在ではそれぞれ商工の自由なる団体等がたくさんありまして、かなり輿論を集めまして、それぞれの要求が出ております。それらの問題は輿論で片づけて、さしつかえないものと思います。御心配のような事態が参りますれば、必ずしも英国に範をとるわけではありませんが、もちろん適当なる措置を講じなければならぬと考えます。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 英国だけではなしに、アメリカでは金融的処置において、これを調節して行くのでありますから、日本においても本法が廃止されても——あなたの党の絶対多数をもつて行けば廃止されるのですが、しかし廃止されてもそういう点をよく考慮されておいて、社会党がまた勢力を復活したら、また別の法案をつくりますけれども、時の運命はいたし方がないのであります。これはしかし国民が迷惑しないように、アメリカにおいても金融的調節をしておる、この点をお考えを願いたい。  それから提案者にお伺いしたいのですが、この臨時石炭管理決を制定するときには、数日にわたつて公聽会を開いて、各界の権威者の意見を聞いたのです。一体これを廃止するの可否については、そういう手続をおとりになることが、今日私は適当だと思うのであります。提案者は輿論に聞くというだけの謙虚さがおありになるかどうか、一応提案者にお聞きしておきたい。

神田博自由党

○神田委員 ただいま西村委員から本決を制定する当時は公聽会を開き、非常な長時間を要して成立を見たのだが、今度は公聽会も開かないでやるようだがどうかというお尋ねがありましたが、これは委員長にお伺いすることであつて、私のお答えすることできないようでありますので、本日の委員長にひとつ……

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 それから私の希望として、こい願わくば、こういう大きな問題は消費者代表、業者、学識経験者こういうものをお集めになつて、一応輿論をお聞きになる必要があるという希望を申し上げて、一応御意見をお伺いしたい。

有田二郎自由党

○有田(二)委員長代理 西村委員の御質問にお答えいたします。今日の段階において提案者からいろいろな説明がありましたけれども、すでに石炭の実際の情勢が、御存じの通りでありまするし、しかも国会終了まぎわに関係方面のオーケーもとれたようなことでありまして、十分なる御審議ができないという点は、非常に遺憾でありまするけれども、本案は参議院においても十分審議を盡さなければならぬと考えまするし、手続上の非常な不手ぎわにつきましては、まことに申訳ないのでありまするが、御了承願いたいと思います。

西村榮一日本社会党

○西村(榮)委員 これは先ほど申しましたように、本法を制定するときも、そういう順序を踏み、輿論に聞いて制定したのでありまするから、やつぱりこの法律におわかれする、夫婦わかれするときも、やつぱりそれだけの手続が必要じやないか。私はそれだけの手続を省いてまで、急にやらなければならぬという理由は、先ほど事務当局並びに政府当局の御説明においては首肯しかねますから、委員長においては前途ある政治家でありますから、こいねがわくば、輿論を尊重するという対策をとられることが、私は自由党の名誉のため必要ではないかと、こう思うのであります。  最後に簡單に提案者に申し上げておきたいのであります。それから自由党の方から私の質問に対し、あるいは風早君、加藤君の質問に対して非常にやじを飛ばされたのでありますが、そのやじの中には、私は誤解が含まれておると思う。例えば神田君が二十四年度の滯貨の中には、いろいろ理由をあげられまして、貿易の不振だと言われたのでありますが、貿易の不振は昭和二十三年九月の世界経済の転換を契機といたしまして、東南アジアの市場は日本のものでなくなつた。ここに日本経済は昭和二十四年度の貿易の不振という現象が現われて来たのであります。これは日本だけの、あるいは日本の業者だけの責任ではなくて、世界経済の大きな流れが、貿易の不振の一つとなつて現われて来た。そこで本法を廃止するか、あるいは存続するかという討論に際しまして、先ほど来やじが飛ばされ、あるいは提案者の御趣旨の中に、業者の自由と創意と熱意とを業務の中に盛るために、本法案がじやまになるのだという御趣旨がありました。私は自由党の立場から、その主張をされることはきわめて必要であり、かつまた敬意を表するものであります。しかしながら、少くとも将来出る法案について、自由党の諸君に私はお願いしておきたい、また提案者に対して御再考願いたいという一点は、決して自由主義経済あるいは計画経済というものは、日本、一国だけではこれは成立いたさないのであります。英国における近時の動向が物語るごとく、あるいは今日自由主義経済を基本としておるごとく見えるアメリカ経済におきましても、第三次世界大戰の切迫とともに、急速にとられつつある近時一箇年の経済政策というものは、統制経済よりもむしろ嚴格なる計画経済の段階に進んでおるのでありまして、なお以上多くの嚴密なる計画経済の方向を、アメリカ経済がとりつつあるこのときに、十八世紀的な自由主義経済が、はたして日本の国民経済と、日本の再建に役立つかどうかということを御再考願つて、本法の可否について、私は絶対多数党の御再考をお願いしたいと思います。私の質問は終ります。

有田二郎自由党

○有田(二)委員長代理 本日は大分時間も経過いたしましたので、残余の質疑は次会にお許しいたします。次会は明二十五日午前十時より開会いたします。  これにて散会いたします。     午後五時五十分散会

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