通商産業委員会 第18号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/03/14
会議録
○神田委員長代理 これより通商産業委員会を開会いたします。 前会に引続き私が委員長の職務を行います。まず小型自動車競走法案を議題として審査を進めます。質疑に入ります。小金委員。
○小金委員 ただいま議題となりました小型自動車競走法案について、私は提案者の一人になつておりますが、この議案につきまして二、三質問をいたしたいと思います。 まず第一条にこの法律の趣旨を書いておりまして、「この法律は、小型自動車の性能の向上等品質の改善、小型自動車に関する海外宣伝その他小型自動車工業の振興に寄与するとともに、地方財政の改善を図るために行う小型自動車競走に関し規定するものとする。」こういうふうになつております。この法律の趣旨は、まず第一は、小型自動車の競走を行うことによりまして、小型自動車自体の性能、あるいは品質の向上、改善というところに目的を置き、さらに海外にまで日本の小型自動車の性能、品質を宣伝する、こういうことを目的として、同時に地方財政の改善をはかるために、この競走を行う、こういうことになつておりますが、この法律案全体は、昭和二十三年八月一日の法律第二〇九号、すなわち自転車競技法にその型を大体とつておると私は思うのであります。そうなると自転車競技法の方では、この競技を行うことによつて入つて来るところの国庫納付金といいますか、国の収入の一部は自転車工業の進歩発達のために使うということが規定されておりますが、この法律案はその規定がないように思うのであります。この点はどういういきさつでありましようか。提案者の栗山さん、御承知でありましたならば、ひとつ御説明を願いたいと思います。
○栗山長次郎君 ただいまの御質疑に対してお答え申し上げます。立案の衝に当りました者は、当初競輪の場合と同じように、国庫に納付されるものは、いわゆるひもつきで、この法でありますならば、小型自動車のみならず自動車全体の振興の費用に、これを向けるということを構想いたしまして発足したのでありますが、仮提出をいたしましてから正規の提出に至りますまで、二箇月余を費しております。その間の時間は御存じの通りの手続に費された時間でありまして、その手続中にいろいろの意見が出まして、当初の構想通りに最後の結論を得ることがきわめて困難と申しますよりも、ほとんど不可能になりまして、こういう結末に成案はなりましたことを御了承願いたいと思います。
○小金委員 そういたしますと、この法律案の立法者の御意思は、これによつて国に収入があつた場合におきましては、法律の成文いかんにかかわらず、わが国の小型自動車の性能の向上、品質等の改善、あるいは海外宣伝その他小型自動車工業の振興に寄与するような政策に、競走によつて入つて来る金を使つてもらいたいという御意思がはつきりしておりますかどうか、その点を御明答願いたいのであります。
○栗山長次郎君 提案の理由を述べました際にも、それに触れたつもりでありますが、立案をいたしました者の趣旨といたしましては、政府に納入するものはやがて別途の予算措置によつて、今小金委員のお述べになりましたような目的にまわしてもらえば、それが一番立案者の趣旨に沿い、またそれがその業の振興のためによいと考えておる次第であります。
○小金委員 そういう御趣旨でありますならば、提案の理由とかあるいは個々の本法律案の審議に際して、そういう気持があつたということを特に明瞭にいたしておくのと同時に、そういう弱いことではなく、むしろ希望条件として、小型自動車競走によつて、——ほつておいてもそれぞれ小型自動車の性能の向上とか品質の改善に努力はいたしますが、それでお金が国庫に入つて来るというような場合には、具体的に強く政府の政策として、小型自動車工業の振興にその金を使つてもらいたいというような希望条項くらいは、法律を通す場合には、つけた方が私はいいのではないかと思いますが、これは後にこの法律案の取扱いについて、十分各位の御意見を私は承りたいと思うのであります。 その次に、この競走の主催者についてお尋ねいたしますが、これは都道府県だけが主催することができるのでありましようか、その点をひとつはつきり御明答願います。
○栗山長次郎君 結論的に得ました成案としましては、ただいま御指摘になりました通りに、都道府県ごとに実施し得るというのが本案の結論でございます。これも当初立案に当りましたときには、都市においても実施し得るようにという構想をもちまして、前に申し上げました二箇年の間紆余曲折を経て、中央があまりこれに関与、干渉してはよくない、または都市がこれを実施するといたせば、都市のうちのいかなるところに線を引いて、いかなる都市に実施させるかということに問題が多くなり、かつまた実際に競走に参加し得る車両、現在でき上つておる選手は、これから逐次養成をされるだろうと思いますが、車両とか選手の数から言つて、この法案が成立して実施を見るに至りましても、そう多くの競走場を同時に開きましても、実際競技は成立しないだろうというような考慮を、とつおいつ加えまして、地方事情を尊重する。それには都道府県という同じ範疇にあるものを取上げて行けば、ちようど数も四十六程度である、そしてまた都道府県の財政収入に寄与するところが大であるから、地方財政をこれによつててこ入れをすることもできようというようなことで、結論的には都道府県ごとに実施するということになつておりますことを、御了承いただきたいと存じます。
○小金委員 今の御説明によりますと、その御説明の一半の言葉じりをつかまえますと、少くとも五大都市くらいは、この主催者になつてもいいのじやないかというような結論も出ますが、その点についてはいかがでしようか。
○栗山長次郎君 その点も立案から正規の提出に至ります手続の間に、何べんか問題になり、何べんか話を繰返した点でありますが、前申しましたように、結論としては都道府県ということに落着をしておりますことを、お含み願いとうございます。
○小金委員 そうしますと、この主催者と申しますか、これを都道府県に限つたということは一応の限界でありまして、将来もしこれが法律となつて施行された場合においては、五大都市くらいはこの主催をすることができるというふうに私は了解いたしまして、その点は打切ります。 次に自転車競技法に範をとつたこの法律について、私は数個の質問をいたしてみたいと思うのでございます。自転車競技法は施行以来約一年半くらいですが、最近は非常にその競技場の数もふえまして、盛んに今行われておりますが、自転車競技あるいは小型自動車競走に対するいろいろな社会的な批判は別といたしまして、ともかく相当隆盛をきわめております。ところが、この法律案すなわち自転車競技法の施行にあたつて、きようは政府当局の機械局長以下見えておりますが、私は相当不備があるのじやないか、そうすると、小型自動車競技法の審議にあたりましても、一応私はその点に触れてみた方がいいのじやないかと思います。 以下私が参考的に質疑を申し上げることについては、栗山さんあるいは政府当局の方からひとつお答えを願いたいのでありますが、まず本法律案の第四条に、「小型自動車競走会に委任することができる。」というふうになつておりますが、これは大体委任することときまるのじやないか、その点を、法律案を直す必要があるかどうかはわかりませんが、そういう点は実際どうでございましようか。
○栗山長次郎君 ただいま小金委員が仰せになりました、このままで五大都市も実施し得るようになるであろうというようなお言葉がございましたが、五大都市で実施いたしますことを、立案に当りました者は構想に入れておつたのでありますが、法律このままでは五大都市には実施するということにはならぬ点を御承知を願いたいと思います。 それから今あらためて御質疑のありました第四条でありますが、これは他の条に、競走会は当該都道府県で一箇所だけを組織するということになつておりますので、一つだけ組織されるものが、当然その都道府県の競走会の運営にあたるということに、はつきり申しますことは、独占禁止に触れる懸念があり、そしてまた都道府県の自主権を侵害する懸念もあるというので、委託することができるというふうに結論を得たわけでありますが、事実上、ただいま御指摘の通りに他の条章に盛つてありますように、競走場の登録、それから車両の登録、選手の登録等は、政府にかわつてやがてつくらるべき中央の協会がいたしますので、この競走を実施いたします上に、競走会の存在、これは事実問題から申せば、ほとんど不可欠のことでありますが、そこに「できる」という表現にいたしましたのは、今申しましたような点に反することを懸念いたしまして、勘案して表現いたした次第でございます。
○小金委員 私は今五大都市が、すぐこの法律に基いて競技を主催するというふうに申したのではないので、やがてはそういうふうに法律を改正して、五大都市が希望するならば、そういうふうなことがあり得ると申したのでありまして、本法案そのままでは適用できないことは承知いたしております。 その次に第十条につきまして、これも「一口金二十円以下の勝車投票券を券面金額で発売することができる。」ということに相なつております。今日はインフレーシヨンがとまつてお金が大分とうとくなつて来ておりますが、やはり今日の情勢では百円くらいにするのがいいのじやないか、ことに自転車が二十円だから、これも二十円というふうに写真相場をもつて来られたのかもしれませんが、百円くらいにならなかつたものか、またこれを修正してもいいか。と申しますのは、第十三条に「払戻金を交付をする場合において、その金額に一円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。」とある0実際今日一円未満の勘定を、ああいう急ぐ場合にするということは、非常に困難がある、現実の問題として五円、十円くらいを単位として払いもどしをするのではないか。まずこの実情を通産省当局にお尋ねいたします。
○宮幡政府委員 私は提案者ではございませんので、提案者の意思はわかりませんが、小金委員のお尋ね、ただいままで競輪の競技を実施して、これを監督して参りまた立場から申しますと、競輪の方はただいま十円の車券になつておりますが、大体十枚を一括しました券を慣例的に売つております。円未満切捨てということの弊害の点については、常識的に十枚分で勘定されるというようなことで、十円の車券を買うということは稀有な事実になつておりますので、法文の面から見れば御意見の通りだと思いますが、御心配の点は事実上の弊害としては少かろうと思います。競輪法につきましては、ただいま機械局の中に特別委員会を設けまして、その後起りましたいろいろな椿事や紛議等、一照しまして、適切なる改正をいたし、次の国会においてあらためて御審議願おう、かような段階になつておりますので、この小型自動車競走法につきましては、提案者側の御同意をいただけましたならば、これを運営することをおあずかりするであろうと考えております当局としては、二十円をもつと格上げするということについても、異存のないことだけ申し上げておきます。
○栗山長次郎君 立案に当りました者といたしましては、競輪の方の十円を一応の対象といたしましたことは事実であります。ただいま政府委員からお話がありました通りに、この法律を実施いたします場合におきましては、一枚が二十円となつておりましても、五枚ぐらいを一口として発売する構想でありますので、金銭の計算上著しい端数がしばしば出るということはなかろうと存じます。御質問の御趣旨ごもつともでありますけれども、これも健全娯楽として一般の人々に近づきやすいようにということで、かようにおちついておるわけでございます。
○小金委員 今宮幡政務次官は実際の取扱い状況を御説明になり、また提案者からもそういう取扱いをするであろうということでありますから、私はしいてこの問題にはこだわりませんが、宮幡政務次官の言われるごとく、一年半ばかり自転車競技法を施行してみて、いろいろな欠点も改廃したいところも出て来ておるらしいから、できればこれをこの際この委員会において取上げて、もし修正が可能ならば新しい法律としてこの点を取り入れる方に進んだらよかろうと私は思います。これは後ほどあらためて御懇談の機会にでもさらに御相談いたしたいと思います。 次にこの法案の第十一条に「左の各号の一に該当する場合においては、勝車投票券を購入し、又は譲り受けてはならない。」ということを規定しまして一、二とあげておりますが、この競走に関係する政府及び主催者の職員もまた投票券を購入したり譲り受けてはならないという規定を設ける必要があるではないかと思います。これは自転車競技法の方で、実際の運用上そういうふうに取扱つているということであるならば、その例にならつてしてよいのでありますが、この点はいかがでありましようか。
○栗山委員 ただいまの中央公務員、地方公務員の人たちの勝車投票券購入を禁止するという点でありますが、事実上監督の立場にあり、主催して公平を期しなければならない立場の者が購入をなすことはあるまいという前提の下に、著しく弊害が伴いそうな二つの範疇について、投票券の購入もしくは譲り受けを禁止いたした次第でございますが、政府当局において過去の経験に徴し、一般公務員、地方公務員も禁止条項の中に入れる必要があるということでありますならば、これは委員会の御審議にまつことになると存じます。
○小金委員 次に法案第十二条に払戻金の条項がありますが、これの勝車投票の方法はどういうふうになつておりますか。命令か何かで定めることになつておりますか、その点をお伺いいたします。
○栗山長次郎君 あとで出て参りますが、競走場であるとか、また払戻金の計算方法、手続その他の標準等に関する事柄は省令に譲つて、通産省で立案発令願うという構想になつております。
○小金委員 第十八条及び第十九条に関係しまして、百分の五という数字が出て来ますが、「勝車投票券の売上金額の百分の五を超えない金額を当該小型自動車競走会に交付しなければならない。」とありますが、これは自転車なんかの競技の場合と関連いたしまして、はたして百分の五でよいか。これを百分の七とか十くらいにふやしておく必要がないだろうか。この点について御意見を承ります。
○栗山長次郎君 一つの例をとりまして、予算的なものをつくつてみたのでございます。それは、この法が皆さんの御審議によつて成立し、実施されまして一年もしくは二年くらいの間は、今の諸情勢をもつてしますと、全国都道府県が競走をおのおのなし得ることになつておりますけれども、事実問題としては十箇所くらいの競走場が設定されるであろう。そうして一箇所で三回ずつ実施して、一回一億円として年に十箇所で三十億の売上げ金があるという一つの想定を立てまして、その上で計算をいたしてみたところによりますと、競輪の場合よりも経費が余計かかりますが、それでも百分の五程度でまかない得るであろう。そうした想定に基いた計算で一応の見通しを立てている次第でございます。
○小金委員 そういう見通しのもとに百分の五を超えない金額でよいということならば、この問題はしいてこれ以上追及いたしませんが、さてこの法律案全般にわたつてながめますと、先ほど私が申し上げましたように、自転車競技法の一年半あまりの施行実績から見まして、いろいろな問題が起つているのではないかと思う。先般来私は予算委員会においても取上げられた自転車競技の余波として発生した社会的ないろいろな問題があります。その問題について通商産業大臣に対して質問を行つたのでありますが、自転車競技法の施行の途上においていろいろ改廃したい点がある。これをこの席でなくてもよろしゆうございますから、通商産業省の当局からわれわれ委員が承りまして、場合によつたならば、すでにでき上つておる法律はやむを得ないとして、これから法律となそうとするところの法律案については、できるだけ改善すべき点を取り入れたいと思いますが、その点については栗山さんもやぶさかでないと思いますが、いかがでしようか。
○栗山長次郎君 ただいまの点につきましては、手続中にはつきりした見解が一つ出ておるのでありますが、私ども立案の衝に当りました者の構想としては、なるたけ競輪の方式に近からしめようということで、スタートをいたしたのでありますが、競輪とはむしろ違つた形の法律の方が、将来これを健全娯楽とし、また地方財政のてこ入れとするにはよろしいという考え方が、かなり結晶しまして、一見自動車のこの法案と、競輪の法律とは類似形のようでございますけれども、はつきりと違つたところが数箇所ございまして、競輪の現在行われておる法をかえる必要があるといういろいろな御意見のもとに、これをもそれと同じわくの中で検討なさるという行き方につきましては、若干方向を異にしておるということをひとつお認めおきを願いたいと存じます。
○小金委員 それはもしこの小型自動車競走法案なるものが、自転車競技法にのつかるようなものならば、自転車競技法の中に入れてしまえばよろしいのですが、そうでないことは私も認めるし、栗山さんの御苦心のところもそこにあるだろうと思います。ただ競技の方法は、先般来いろいろ起る八百長式の方法とか、またむやみに暴力が入つて来たり、ボスの勢力が及んだり、いろいろなことについて幾多の問題を起しているのじないか。そういうような点を防ぐことは法律自体に書かなくても、法律の運用の心構えにこういうことを取入れてもらう、そういう意味であります。 なお私はこの小型自動車の定義について、ひとつお尋ねしたい。第七条に「小型自動車競走に使用する小型自動車の種類は、左の通りとする。一、二輪車二、三輪車三、四輪車四、モータースクーター」こういうふうになつておりますが、三輪車まではまだわかりますが、四輪車はどの程度の規模のものを言いますか、これは大体標準がございましようか。これをちよつと承りたいのであります。
○栗山長次郎君 第二条に「「小型自動車」とは、気筒容積千五百立方センチメートル以下の発動機を有する自動車をいう。」とあつて、一応気筒容積で限定いたしておりまして、その気筒容積以下のものであるならば、形体は二輪車、三輪車、四輪車であろうとさしつかえない。しかし四輪車が競走に出る場合には、四輪車同士で競走させるという行き方でございまして、ただいまお尋ねの核心に触れる技術的の問題につきましては、通産当局が出席でありますから、そちらからお答えを願いたいと思います。
○玉置政府委員 大体これは気筒容積千五百立方モンチメートル以下のものに対してでありまして、普通の考え方から行きますと、いわゆる普通車以外の四輪車であります。最も小さなものでは、自転車に簡単なモーターをつけたような式のものなども自転車とは構造を異にしております。その程度のものは入ります。それからあとは幅員が一・六メーターを越えないものという制限が登録基準の中に入つております。その程度の範囲に属するものは、すべて競走適格なるものとして登録をいたします。なおこれは気筒容積の大きさに応じまして一級から九級までにわけまして、相当な級別をいたして、競走の組合せの際には、それらの級別を考慮してやるということになつております。
○小金委員 気筒容積千五百立方センチメートルというのは、気筒の数も問わず、また四輪気筒の場合でもかまわない。こういうことなんですか。
○玉置政府委員 その通りでございます。
○小金委員 この小型自動車競走法の精神は、提案者の御説明並びに今までの質疑応答によつて大体わかりましたが、この小型自動車競走法が自転車競技法と根本的に違つておりますのは、自転車競技の方は自転車という一つの機械を使いますけれども、小型自動車の方はこの機械のほかに動力を用いて、人間がこれを操縦するというところに非常に大きな相違がある。そこで人間の問題と、機械と、機械を動かす動力の使い方と三つが結びつくので、この競走法のねらつているところは私は非常におもしろいと思うし、また意義がある。そこでこの法律の趣旨を文字通りに実行されたならば、日本の車両工業の上において、たいへん寄与するところがあると思いますので、これらの点を十分考慮に入れて、この法律案がもし通れば施行していただきたい。一応私の質問はこれにて打切つておきます。
○神田委員長代理 次は今澄勇君。
○今澄委員 小型自動車競走法については、小金委員の質問であらかた了承しました。私がただお聞きしておきたいことは、五大都市をこれに含めるということについては、もしわれわれが委員会においてこういうことで決定したとしても、提案者の方では異議があるかないか。もし異議があればその理由を承りたい。それから政府の方においても、この都道府県に五大都市が加わるということで何か支障があれば、その理由と支障のぐあいを一つお伺いしたいと思います。
○栗山長次郎君 今澄委員の御質問に対してお答えを申し上げますが、五大都市を加えることについて提案者の考え方はどうかという点に関しましては、小金委員の御質問のときにもお答え申しましたような経過でありますので、当初はそれを構造に入れておつたものが、最後の結びに出て来なかつたということでありまして、最後の結びにつきましては、これに主として立案に当りましたものとしましては、一応の落着をいたしておりますので、ただ経過的にそういう構造をもつて強く主張したこともあるということ以外に、申し上げる自由がないわけであります。
○今澄委員 政府の方は……
○宮幡政府委員 五大都市を開催者として追加いたします件につきましては、通産省といたしまして別に異論はございません。ただ実際において、やり得るかどうかという問題で片がつくだろうと思います。提案者の御意思通り、また委員会の御意思通りでけつこうだと思います。
○今澄委員 もう一点、こういつた競輪、競馬等の、人間なり馬なりが走つておる、そういう競技とこういう自動車が走るという機械的ものとの間には、その競技に対する国民の考え方とか、あるいは人気等にいろいろと差異があると思うが、これらの点について、提案者はけつこうでありますが、政府はもしこの法律が通れば何か考えがあるのか、それとも機械工業振興の上にも一つの御構想を持つておられるならばお聞きしたい。もう一点はこういう競輪なり、競馬なり逐次行われるが、これは半面において国民の射倖心の激成という欠点も持つておることは、当然いなめないことであつて、それらの点について政府はどいうふうな考えを持つておられるか、宮幡さんにちよつとお聞きします。
○宮幡政府委員 国民の射倖心をそそるようなものが、次から次にできるということについて、政府はどういうふうに考えておるか。これはごもつともなお尋ねであります。端的に申しますると、たとえば車券が十円であり、今度の自動車の方にしますと二十円、こういうふうなことは、小学校の子供でも投票するというようなことで、非常に悪い面もあると思いますが、公然と輸贏を決することができまして、秘密にかようなことをやらないという面で、俗に申します賭博行為が、これによつて暗に矯正されておるということが、警察方面からの報告ではとらえておるわけです。その真偽は別といたしまして極端に弊害のみで、そこに善政が少しもないことは考えておりません。御承知の通り射倖心ということにも限度があろうと思いまして、より以上これを進めたいというような考え方は持つておりませんが、とにかく本法の趣旨が、戦後非常に圧迫を受けまして沈滞気味であります自動車工業の振興の一助となりますので、この大きなねらいにおきまして、他に起るべき弊害を極少に押えて行くことの努力は、当然払わなければなりませんが、ぜひとも本法案の成立によりまして、自動車工業の振興を、少くとも戦前の線まで持つて参りたいと思うのであります。そこで先ほど小金委員の御質問の中にもありましたように、国庫に納付されまするところの経費というものは、法制的にひもつきでなくとも、ぜひとも委員会の御意思によりまして、国の自由なる予算措置の範囲内におきまして、自動車工業振興費等に当然割当てられる措置等を御考慮になつておりますならば、政府当局といたしましてきわめて満足の意を表する次第であります。何分よろしくお願いいたします。
○今澄委員 これにて小型自動車工業に関する問題については十分了承いたしました。提案者の弁明その他の問題ももつともであると思います。 引続いて私は政府の関係者にこの前お尋ねしておきました米軍払下げのフオードの自動車のこと、これは大きなことですが、この前概略の点を宮幡政務次官からお聞きしておつた件について、この払下げに関する通産省のこれを扱われた方から御答弁を願いたいと思います。
○岡部(邦)政府委員 御説明申し上げます。八軍の保有しておりましたフオード一九四九年型の自動車、百四十五台を払下げを受けました。これは従来八軍軍人の関係の輸送はP・Dでやつておりましたのを、今度全部円払いで、各人の責任でやるということになりましたので、その輸送用にということで払下げを受けたわけです。そこで通産省といたしましては、主力は東京地区にあるのでございますが、関西にも軍人が大分おるのだから、これを関西にまわしたらどうかということは提案してみたわけでございますが、百四十五台の数自体が東京地区で足らないのだ、従つてこれを関西にまわすことは困るという関係方面の意向がありましたので、関西の方にはまわさないことになつております。その配分につきましては従来ともバイヤーの自動車——バイヤーの方は国際自動車ですが、これに五十台、それから立川地区の空軍のサーヴィスをやつております大和自動車に五十台これを配分することにいたしております。それからなお海軍の方の要求がございましたので、横須賀地区に十台割当てることになつております。これはどの自動車業者になりますかは、目下海軍の関係方面が詮衡中でございまして、横須賀の中の業者を選ぶだろうと思つております。もう一軒許可をされておりますタクシー業者にあらざるものが、最初関係方面のサゼスチヨンで入つておつたのでありますけれども、これは面白くないというのでわれわれはやめまして、残りの三十五台については、運輸省の方に適当な業者の推薦を頼みまして、その結果希望の参つております日本交通自動車にやらしたいと思つております。それから払下げの価格については、一台が千九百ドル及び千八百ドルの二種類ございます。これを特別会計はそれだけで買つておるのでございますが、現在の時価との関係から見ますと、いささか安くなり過ぎるのじやないかということも考えられますので、現在の関税法はまだ七割というのが残つております。七割と取引税の二割、合算いたしたものをもつてそれを払い下げるということにいたしております。従つて一台あたりがたしか百三十二万円くらいになると思つております。その価格が適当であるかどうかという問題でございますが、少くともこの自動車については軍人、バイヤー以外にはこれを使うことができません。と同時に三箇年間は担保に供することもできない、質入れもできないという制限がついておりますので、大体その状態から見れば、それくらいのところがよいのじやなかろうかと考えております。それからナンバーの問題について、運輸省と通産省と意見が異つておつたのじやないかという御質問のように伺いましたが、これはそうではございません。この自動車の新車については、たしか一九三六年型でしたか以降は、日本人は所有することができないことになつております。ところがこの自動車は八軍の払下げでございますので、従つてPXの払下げになるわけであります。PXの契約書には、あちらの条件に従いまして、日本人に譲つてはいけないという条項が入つておつたわけであります。これは当然今度の日本人の商社に渡すということを前提とする払下げにおいては適用がないはずですけれども、契約書を消し忘れて来たわけであります。従つてわれわれの方ではこれは直してもらわなければいかぬということで交渉しております。同時に道路管理事務所の方で当然それは直るべきものだから先にナンバーをあげましようということで、ナンバーをくれたわけであります。ところが運輸本省の方がそういう話合いがあつても、実際手続上困るからというので、運輸本省と道路管理事務所との見解の相違であつたわけです。そこでGワンに行きましたが、Gワンも当然理解がありましたので、ただちにそれを日本人に渡してもよいというメモランダムを出すことになつておりますので、いずれにせよ、運輸省の内部同士の、上級官庁と下級官庁との争いでありまして、われわれの方では問題がございません。御質問はそれだけだと思いましたが……
○今澄委員 この払下げの売手の方はPXのH・M・トライス大佐、買手の方は日本政府のたれになつておりますか。
○岡部(邦)政府委員 特別会計です、従つて通産大臣です。
○今澄委員 これは契約書を見ると、買手の方は内国貿易課の鈴木孝という個人名になつておるというような連絡がありますが、そういうようなことはありませすか。
○岡部(邦)政府委員 これは通産大臣の名によつて鈴木君が代理してやつておる。
○今澄委員 いろいろ詳細な御説明で、巷間言われておる非常な疑念の点で、氷解した点も多々ありました。問題は、これらの自動車を配分するについて、今の御説明だと、大体関係方面の意向があつたということでありますが、関係方面についてみると、政府にその権限を全部まかしたと言つておるそうだが、通産省としては権限を全部一任された積りでやられたのか、それともそうではなくて、関係方面の意向によつてやらなければならなかつたものであるかどうか、その点をちよつと伺いたい。
○岡部(邦)政府委員 私が直接に交渉に参りましたので、その事情はよく知つておりますが、これは形式的には日本政府にまかされております。しかしながら大部分はひも付でございます。
○今澄委員 それからこれは大阪その他神戸等の関係業者も、もとよりこういう問題になれば関係がある。それで今度のものは、ただ単に台数が足らなかつたという点で渡らなかつたというお話でありますが、今後これらの問題については、そういつた大阪、神戸にもまわされる意向があるのかどうか、それからこういつた計画が次々に計画されておるかどうか、今度大阪、神戸にやらなかつたのは台数が足らなかつたというだけでは、国民を納得せしむる力がないが、ほかにも理由があつたかどうか、ひとつあわせて伺いたいと思います。
○岡部(邦)政府委員 台数が足らなかつたというのが一番の理由でございまして、それ以外の理由はございません。われわれは大阪、神戸の方にも少からぬ利用者がおるのだからやりたいという希望は持つております。この種の事業を引続いてやるかどうかということは、今後の研究問題だと思つておりますが、出物がございまして、こういうような扱いができるとなれば、同じようなことをやりたいと思つております。
○今澄委員 大体運輸省並びに通産省で非常に紛争を生じたというような問題の実相もよくわかりました。ただ問題は、こういうふうな大きい軍の払下げ物資の取引をするのに、貿易課の一課員の名前でやつておられますが、これまでもそういうことがありましたか。
○岡部(邦)政府委員 横浜で、その現場において契約書を交換いたしましたので、通産大臣が行つて署名するわけに行きませんので、かわりにやらしたのです。鈴木君というのは渉外事務を担当しておりますので、それだけの権限を与えてもいいということで、あらかじめその前に私がちやんと許可を得てやつております。
○今澄委員 大体それで前後の様子はわかりましたが、こういうふうな払下げの問題については、やはりいろいろと国民の要望その他も入れてやつていただきたい。政府としてはいろいろほかにもまだこういつたものが、洋服類であるとか、布地類であるとかあるようでありますが、これは十分注意をされてやられたいと思います。 次には引続き宮幡さんに質問をいたしますが、今全国の金属鉱山の労働組合は御承知のように熔鉱炉の火を消して、いよいよ最後のストに入ろうという段階にあります。そこで労働大臣から調停案が出て、これに対して、労働組合側は不満を忍んで受諾したにもかかわらず、経営者連盟はこれを拒絶いたして、事態は容易ならざる段階に入つております。われわれは鉱業及び鉱山政策の基本について、常々質しておるのでありますが、この際通産省としては、これらの金属鉱山の争議については、一体どういうあつせんをしたか、また経営者に対してどういう努力をされたかどうかということを第一点として伺います。 第二点は、このような重大段階になつて、政府の労働大臣が、せつかく出てやつた仲裁案を、経営者連盟が一挙に拒絶したということに対する通産省としての御見解を伺いたいのであります。それからこの争議がこのまま続くならば、日本の産業経済に重大な影響を与えますが、これを収拾するという点に熱意を持ち、いかなる具体的な方途を考えておられるか。この三点について宮幡次官に御質問申し上げます。
○宮幡政府委員 金属鉱山の争議につきまして、いろいろと御心配をいただきますことは、鉱山行政をやつております立場から、まことに感謝にたえないのであります。御指摘のように熔鉱炉の火を落しまして、争議態勢を整えたということを聞いて非常に驚きまして、実情を調査してみました。新聞等によりますと、十六工場の火を落したということでありましたが、実際は八工場であります。それも年一回定期的に修理をしなければならぬ状況にあつて、その場合には、かまを急に冷却しないで順々に火を落して行くというような形でやるのですが、その操作とかねてやつておるのだ、こういうのが真相であると報告されております。しかしこれは争議の一つの手段であると思いますが、これがよいとか悪いとかということの批判はしばらく別といたしまして、当面の争議の原因となつております待遇改善と申しますか、賃上げの問題につきましては、御指摘のように労働大臣からあつせん案が出まして、それに対しましては、これまた御指摘のように労組側では一応これをのんだ形になつております。しかるに経営者連盟と申しますか、経営者協議会と申しますか、この方はこれに対してのまないで拒絶したというようなことが伝わつておりましたので、私の方でも何分にも大臣は兼任のことでありますので、かようなことは大臣の手を煩わしておつても、間に合わないと思いましたので、自分で出掛けまして、労働大臣及び労政局長と参りまして事の真相を確かめたのであります。もし経営者の方におきまして不当な理由によりまして、このあつせん案を受諾しないような場合には、経営者に対する積極的な勧告をいたしたい、かような態勢で今朝も経営者連盟の方の代表者を招致いたしまして、つぶさに意見も聞き、またわれわれとしてなすべき勧告もいたしたのでありますが、経営者の方はむげに労働大臣のあつせんを拒否したというのではなくて、そこにある一、二の字句に対する将来にわたります解釈について、疑問を持つておるわけであります。なお他の鉱山労働組合との関連も考えまして、慎重な検討を加えているわけでありまして、いまだに団体交渉は継続されております。昨晩も団体交渉はやつたようであります。今夕も団体交渉が継続される予定でありまして、ただいまの見通しといたしましては、われわれの方の状況調査から参りましたならば、双方の言分は実質的に大なる懸隔があるわけではありませんので、運営の点におきまして疑問の点を解決さえいたしますならば、金属鉱山といえども、それぞれの経営力あるいは収益力というものについては相違がありますから、それぞれ一つの最低限度の線を引いてあげますと、それ以上できるものとできないものというものについては、おのずから個々の解決ができるような見通しでありまして、今晩の団体交渉もしくは明日におきまして、一応妥結に至る見通しがついているような次第でございます。ただいまの段階では、これ以上この全金属鉱山の争議が悪化しようとは考えていないような状況であります。
○神田委員長代理 この際委員長から一言所見を述べておきます。ただいま上程されております議案は、小型自動車競走法案であります。今澄君から金属鉱山のストの質問がありましたが、これは先般同僚議員の高橋君から当時緊急質問として、政府に問われたのでありまして、当時政府におきましては、その答弁する材料がなかつたというようなことに相なつておりましたので、緊急質問の継続というようなことにして、委員長限りで処理したらよいだろうというようなことで扱つたのでございますが、ただいまも申し上げました通り、議案は小型自動車競走法案でありますので、この議案から逸脱しないように、質疑をいたしていただきたいと思います。次は高橋清治郎君に許します。
○高橋(清)委員 この法案の提出者は、各党のお歴々の幹部の名前が並べられてあるのでありますから、この法案を提出するにあたつては十分研究、御調査になつてのことと私は信じますが、多少私が欧米の調査をしたところによつてお伺いするのでありますが、この小型自動車競走によつて、この競走に参加した人々がいつも死傷者を出しておるということです。一体参加した人のうち、どれだけのパーセンテージが死んでおるか、けがをしておるか、御調査せられた実績を伺いたいのであります。
○栗山長次郎君 外国の事例についての事故の計数は、通産省の方にはおありかと思いますが、立案をいたした者の手元にはございません。ただこの小型自動車競走によつて、自動車の性能がどれだけ伸びたかということはよく調べてございます。それでただいま御懸念の点は立案に当りました者といたしましても、これは死傷者等の事故が多いのではないかという懸念を、当然に持ちました次第でありまして、それがために、また法案として皆さんの御審議をいただく前にできるだけ参考資料、もしくは予備行為をしてみたいと存じまして、小型自動車の競走を、東京でも全国の選手権大会として開催をいたしましたし、また近畿方面でも数個所開催を見て、その結果日本の国内で行われます場合の事故については、申し上げることはできるのでありますが、多摩川のスピード・ウエーで、全国選手権大会を実施いたしましたときは、鎖骨を軽く折つた者が二名でございました。関西の方では、同じく鎖骨を折つた人が数回の競走中やはり両三名あつたということでございまして、映画等で私どもが見ますあの障害物的な競走をいたしません限り、整備された競走場でいたします場合には、懸念されるほどの事故はないものと、わずかの経験ではありますけれども申し上げることができます。と同時に、他の例を引いていかがかと存じますけれども、たとえばアメリカン・フツトボールのような場合には、高橋委員も御案内だと思いますが、ずいぶんの負傷者を出します。あれなどに比べますと、よほど程度は軽いものという安全感をただいま持つておりますことを、御報告申し上げておきたいと存じます。
○高橋(清)委員 私が十箇年のアメリカ生活におきまして、よくこれを見たところにより、また調べたところによりますと、相当の死傷者を出しておるようであります。またヨーロッパのフランスあたりの例をとりましても、非常に死傷者を出しております。そういたしますと、この法案が通過した後においては、こういう競走が各府県において非常に行われるとするならば、その試験的なときでさえも、二、三名鎖骨を折つた者があつたということでありますと、実際競走に入つたならば、これは人命に被害を及ぼすことがひんぴんとして起ると思うのであります。そうしてこれが欧米におきましても、これを何とか防止しようというような議が今起りつつあるとき、逆に日本でこれを法案を設けて小型自動車の振興をはかるということは、私はどうかと思うのであります。一体どれほどの影響を人命に及ぼしておるか、けが人を出しておるかということを、もう少しお調べになつてみたならばいかがかという希望を一つ申し上げて、また追つてこの法案に対する質疑はいたしたいと思います。
○栗山長次郎君 ただいまの高橋委員の御親切なる御希望に対しましては、調査もいたしますし、またよその国の例で、そういう事故の起つた原因等を探究いたしまして、本邦においてはさような事故の起らないよう、競技方法、競技様式を考えて行きますことは、この法が成立しましたのちの、災害などに対する当然の措置であろうと存じております。
○神田委員長代理 次は風早八十二君。
○風早委員 ただいま提案になつております小型自動車競走法は、第一条を見ますと、「小型自動車の性能の向上等品質の改善、小型自動車に関する海外宣伝その他小型自動車工業の振興に寄与するとともに、地方財政の改善を図るために、行う小型自動車競走に関し規定するものとする。」こういうことになつておりますが、この点について、提案者のみならず、まず政府当局に向つて質問したのでありますが、第一は、吉田内閣になりまして、いわゆるP・P運動、つまり楽しく遊び楽しく支払う、こういうP・P運動というものを盛んに奨励しておられます。これは通産省の省内でも至るところビラがべたべた張られまして、盛んにP・P運動ということを奨励しておられる。この運動の大きな一環としまして、すでに競輪——人間競馬、こういつたようなものが行われまして一年半になります。その間の実情を見ますと、これは政府が何と言われようとも、明らかに賭博の奨励になつておると考えるのでありますが、こういう点について、まず根本的な政府の御所見を承りたいと思います。
○宮幡政府委員 ただいま御指摘の点につきまして、前の方は吉田内閣ができてから引続いてやつておるというようなことの一つの批判的御意見だと思いますので、これは承つておくことにいたします。 それからあとの賭博を奨勧するようなことになりはしないかという御意見に対しましては、先刻今澄委員のお尋ねに対しまして、お答えいたしたような通りの事情でございます。
○風早委員 賭博の奨励にはならないというようにお考えになるわけですか、また実情に対して、結果としてやはり賭博の奨励にはならないというふうに考えられるか、その点については、必ずしも先ほどはつきりしたお答えがなかつたようでありますが、これをあらためて御答弁願いたい。
○宮幡政府委員 今澄委員のお尋ねに対しまして、賭博の奨励にはならないとはお答えはいたしておらないわけでありますが、射倖心をそそるという点においては、たとえて申しますならば、十円、二十円の車券では、小学校の生徒もこれに興ずるであろうというようなことで、弊害と認むべき点も起るであろう。小型自動車をやりましたら、より以上これをさらに他の方面にも及ぼしてやろうというような考え方は持つておらない。しかしながら一面におきまして公然と輸贏を決すると申しますか、さような射倖心を満足させる機関ができましたことによつて、ひそひそとやられますところの賭博行為は減少の統計を現わしておる。これは警察方面の情報によりまして知り得たことである。かようにお答えいたしております。これが結論的に全面的に賭博行為にならぬとか、賭博心を助長しないとかいう決定的なお答えを申すことは、この際差控えたいと思いまして、要するにその点につきましては風早委員の賢明なる御判断によつて、しかるべく御勘案をいただいたらけつこうだと思うのであります。
○風早委員 賭博奨励にならないとは考えないと言われるならば、結局なるとも考えられるわけだと思いますが、現に千葉市なんかを私も最近視察して参りましたが、千葉市は競輪のために、もう町をあげてこれは大さわぎです。 先ほども言われましたが、実際中学生はおろか、小学生まで出て行つておる。またサラリーマンはさいふの底をはたいて、月給袋をそのままそちらへ持つて行つて、使い果してしまうというわけで、家庭争議なんか至るところに起つておる。なおはなはだしいことは、そのためにこの町の商店というものは、すつかりさびれてしまつておる。こういつたような非常にいろいろな結果が起つて来ておるわけです。結局政府は賭博奨励になるとは考えないと言われることは、もういろいろな事実でもつて裏書きされている。これに対して政府はもし一部でもそういうものになるということを認められるならば、一体どういう対策を持つておられるか。これは自転車競技法についてでありますが、今度は小型自動車競走法、名前はかわり、その品物は自転車から自動車にかわておりますけれども、実体はちつともかわらないわけでありまして、ことにそれ自身大賭博の形態を持つており、これでもつて非常に射倖心をあふりにあふり、その結果は今のようなさんたんたる状況を現出しておるというような次第で、政府として、こういう案に協力される限りは、やはりその対策がその面に対して当然あつてしかるべきだと思うのでありますが、その対策はどういうふうに持つておられますか。
○宮幡政府委員 風早委員の言葉の言いまわしから申すと、賭博の助成にはならぬというふうに考えておるが、結局は賭博心を助長しておると考えられるということですが、私はその助成にはならぬという意味で申し上げたわけであります。また私より法律学者として多分な御造詣をお持ちになつておる風早委員といたしましては、よく御承知の通りでありますが、法律が、もしよい結果のみを得られることを全面的に規定できるならば、これは非常に仕合せでありますが、もしよい方面と悪い方面と比べてみまして、よいことの方が比較的多い場合とか、ほとんどよいことだけであるが、いささかそこに弊害も伴うというような場合も、法律として施行される事態もあるわけでありまして、これをもつて一概に、弊害があるから、競輪法に定めてありますところの目的、趣旨というものが全部没却されるものだとは私どもは考えたくないのであります。弊害をどうしてためるかという問題は、これは先刻の小金委員のお尋ねの中にもありましたように、一年半の実績に照しまして、それぞれの欠陥もありますので、ただいま機械局の中に特別委員会をつくりまして、過去の経験に照して、どこを直したらよかろうか、こういうことでただいま検討をいたしておりまして、幸いに成案を得ましたら、次の特別国会に提案して、政府提案として御審議をいただきたい、かような心構えでおるわけであります。要は野球くじもあります。寶くじもあります。あえて競輪、自動車のみが射倖心をつのる最大の原因になるとは、私は結論的には申し上げません、状況としてはそれを私は否定するものではないのでありますが、野球のホームランが飛んでも、やはりこれはくじの対象になつておるような世相でありますので、一概にこの法律をもつて全部を断ずべきでない、かように考えておりますので、対策につきましては、ぜひ御批判にうつたえたいと思つて、ただいませつかく検討を加えておりますので、暫時猶予をいただきたいと思います。
○風早委員 今こちらから質問いたしましたのは、その賭博の奨励になるという点に対する政府の対策であつて、今機械局の中に特別な審査機関のようなものを設けてやるということは、おそらくやおちようレースをこれで一部矯正して行くという点についてであろうと思いますが、こういう催しそのものに対して、やおちようレースであろうが、なかろうが、とにかく射倖心をあふつておるという点、これが問題なんであります。それについては、機械局が何をしようが、そういうことが対策になるわけでない。寶くじとか、その他いろいろな射倖心をあふるような制度を他に設けておられる。それにつけ加えてさらにこういう自転車競技をやる。さらに今度はまた小型自動車の競走をやらして、対策なくして、だんだんにこれに拍車をかけて行かれるというところに、非常に問題があるのではないかと思うのでありまして、そういう意味で政府に対策を伺つたのでありますが、どうもその対策はお持合せがないように一応了解して次に進みたいと思います。 第二には、同じやはり競輪で過去一年半の実績でわれわれが目撃し、新聞等で十分に報道を受けたところでありますが、川崎市などの競輪で起りましたあの騒擾だけでありません。騒擾の場合には、特にやおちようレースと言われるものもあつたと伝えられておるわけでありますが、しかしそれよりも何よりも川崎市の競輪等では、すりとか、たかりとか、あらゆる罪名を持つたそういう犯罪行為が次々に起つて来る。しまいには破産、自殺、そういうようなことまで、この競輪を契機に起つておる。こういう状態が起つておるわけです。やはりこれらに対しましても、政府としては当然に措置を考えておられるはずだ。この法文の中にどこにそういう点についてはつきりうたわれておるか、なお政府はそれ以外にいかなる対策を持つておられるか、これらについて、今後の措置いかんをお尋ねしたいと思います。
○宮幡政府委員 小型自動車競走法を実施いたしました場合の運営等につきましては、先ほど提案者代表の栗山さんからお話がありましたように、省令によつてこれをいたしたい、こういうようなことで、ただいま省令の仮案を準備いたしておりまして、必要がありますれば、これを参考として配付してよろしいと思つております。もちろんこれはまだ法制的の審査を経ておりませんので、多少内容におきまして字句等の修正があろうと思います。それをお含みくださいまして一応御参考にごらんを願いたい。これによつて運営面等のことは、でき得る限りの考慮を払つております。 なお御指摘の川崎競輪というような問題について、機械局で考えていることは、やおちようの取締りであろうという御断定でありますが、これはあなたの御自由なる意思でお考えくださるもので、私は否定はいたしませんけれども、さようなものではございません。川崎競輪が一体やおちようから起つた騒擾というのは、見方としてあるかもしれませんが、綿密な科学的な調査の結果、あの競輪に絶対にやおちようでないということは、専門家も、それに参加いたしました者の全部が明らかに認めることであります。要はそれに潜在いたしますところの御指摘のすりだとか、あるいはおどかしの者であるとかいうものにまつわりますいろいろな弊害がありますので、これに対します取締り方法を一応考えまして、地方の八通産局長を中央に招致いたしまして、この取締り方針の徹底を期するための伝達をいたしまして、ただいまそれぞれの地区において、もしそれに違反することがありますならば、競輪法第十三条と思いましたが、通産大臣の権限において、競技の中止を命ずるというような手段に出まして、これの取締りを強化するように努めておるわけであります。その通牒等もございますので、これもまた適当の機会にお目にかけることを決して拒否するものではありません。およそ弊害ありと御指摘され、また弊害ありと考えるならば、これをためることに努めて行くことは常識の問題であります。弊害の極致に達しましていかんともなすことができない事情にありますれば、これは法律その他の強権を用いまして拒否するというのは社会常識の当然でありまして、もし当委員会において弊害の極致にありというようなお考えで、今上程されておりまするこの法律案に不賛成である。あるいはすでに施行されております自転車競技法の廃止を御提案なさるというようなことは、もとより御自由であります。しかしながら現在提案されております小型自動車競走法は、提案者各位の御説明等をこまごま伺いまして、また通産省の行政の一環にもし入ると仮定して考えまして、弊害よりも利するところが多いと考えて、この原案に一応賛成の意を表しておる次第であります。
○風早委員 意見をなるべく差控えたいと思うのです。一応質問を先に進めて行きます。今これは弊害よりも利するところが多いと言われましたが、その利するところは一体だれが利するのか。私はまず政府に今まで競輪によつて得られた国庫収入——競輪によつて得られた全収入と、それから実際に国庫に納められたその状況を、ひとつ御報告願いたいと思います。さらにそれが実際に地方財政なり、また事業の拡張なりに向けられて、実際に流された割振りもひとつ御報告願いたいと思います。
○玉置政府委員 経理の実績について最近までの計数で申し上げますと、大体において売上高は七十億くらいの状況になつておりまして、おそらく三月末までには百億内外のものに達するのではないかと思つております。これに対しまして国庫の収入は約二億くらいの金額に達しております。三月本年度分として国庫に入る分は、四億か五億くらいの間に納まるのではないかと思つております。本年度の予算で御審議願いましたことと思いますが、二十五年度といたしましては、この競輪法の法律の精神に基きまして、大体二億の金が予算に計上いたされまして、これが自転車関係のものとして、たとえば中小企業庁の中小工業の振興、あるいは工業技術庁の予算として工業技術の振興、特許庁の予算としまして発明の奨励の費用というように、あらゆる面にこの二億のものが使われる予定になつております。
○風早委員 いろいろ新聞紙上等で伝えるところによりますと、これらの収入が実際に地方財政なり、また国庫のそれぞれ予定した費目に使われる前に——今聞きましても売上高と国庫収入の間には非常な差があるのでありまして、それらの必要な経費というものを除いたあとの実際の純益につきまして、いろいろなうわさ、またいろいろな報道があるのであります。ことに今回この自動車の場合におきまして、競走会といつたようなものが設けられておるが、競走会といつたものは一体どういう構成を持つておるか、こういうものがはたして不正な行為が行われてその媒介にならないか、こういう点についてわれわれは今までそれらのいろいろな疑惑を持たれたり、また報道もせられておる、この自転車競技に関する事実に関連しましても、やはり今回こういうふうなものが新しく出ることによりまして、競走会というものに非常な関心を持たざるを得ないわけであります。そういう点について政府はどういう用意をもつておられるか、これも政府当局にお尋ねしておきます。
○玉置政府委員 先ほど売上高と国庫収入との開きが非常にあるというお話でございましたが、競輪法で御承知のように、車券売上げの百分の七十五は一般払いもどしといたしまして、残りの百分の二十五につきまして、そのうち百分の三を振興会、あと所要の経費をとりまして、その残りの三分の一を国庫にあげる。こういうことになつておりまして、これらの振興会の内容その他につきましては、私どもといたしましてもいろいろ遺憾のないように十分研究をいたしておりまして、経理監査等もそれぞれ厳重に実施をいたしておる状況であります。小型自動車競走法案が出まして通過して、実施の場合を考えますれば、これらにつきましても競輪と同じように、おのおの府県に設置されまする競走会におきまして、それぞれ専門的な小型自動車競走の実施の面を受持つわけであります。そしてそれぞれの人を得まして、いわゆるこれは民法上の法人として手続がとられるわけでありまして、それもそれぞれの法律に基きまして、厳重なる監督その他を実施して行く予定にしております。
○小金委員長代理 ちよつと申し上げます。本日は本会議の都合もありますので、この程度にとどめまして、明十五日午前十時から開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十七分散会