通商産業委員会 第16号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/03/06
会議録
○村上(勇)委員長代理 これより通商産業委員会を開会いたします。 本日は私が委員長の職務を行います。まず地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の支所設置に関し承認を求めるの件を議題として、政府の提案理由の説明を求めます。田中政府委員。 ————————————— 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の支所設置に関し承認を求めるの件 輸出検査の品目及び数量の増加に伴い、通商産業省設置法第二十一條により、別表上欄に掲げる検査所を当該下欄に掲げる位置に設置する必要を生じたので、これらの設置について地方自治法第百五十六條第四項の規定による国会の承認を求める。 —————————————
○田中(茂)政府委員 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の支所設置に関し承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明申し上げます。 日用品検査所は、輸出品取締法に基く輸出日用品雑貨の検査の実施機関でありまして、輸出品の品質を改善することによつて、日本製雑貨の海外における声価の向上をはかり、質的輸出振興に寄與することを使命とするものであります。 このたび遠隔地出張検査の不便を避け、輸出検査品目の増加に対処するため、東京日用品検査所の支所を名古屋市に、大阪日用品検査所の支所を福岡市に設置しようとするのでありますが、左にその理由を詳細に御説明申し上げます。 日用品検査所の業務の発足は昭和二十四年三月でありまして、それ以来の検査の実績は月平均三百五十件前後、本年一月までの総検査件数は三千六百五十件に及んでおり、そのうち無條件に合格せしめたものが約半数、一部の品質不良品の取りかえを指示するか、または再検査を命ずる等、適宜な処置指導を行つて合格としたものがその半ばに達しております。すなわち全検査件数の半ばは、大なり小なりの事故があるものと見ることができます。 検査を行う指定品目はゴム製品以下二十四種でありますが、これらは雑貨総輸出額の約六〇%を占めており、さらに昭和二十五年度当初から追加指定を予定している機械玩具、竹製品等を加えれば八〇%を越ゆるものと推定されます。 近時東京、大阪両地区以外の各地方の輸出産業が、ようやく盛んとなり、特に中京地区及び九州地方においてはとみに活溌となり、これらの地域の雑貨関係輸出品生産工場は、中京地区において百九十二工場、九州地方においては百七工場を算します。この両地方の輸出につき所要の検査回数は、今後月平均中京地区二百件、九州地方六十件ないし七十件を推定されます。従来この両地方に対しては、東京、大阪両日用品検査所から出張検査を行つて来たのでありますが。人員、旅費の関係からごくまれにしか検査を実施することができず、ことに昨年十二月一日から施行された新しい輸出手続による輸出については、その情報入手が困難になつたため、ますますこれら地方に対する輸出検査は困難になつて来ました。よつて昭和二十五年度から日用品検査所の全定員、現在の七十六名を百名に増加するとともに、東京日用品検査所の支所を名古屋市に、大阪日用品検査所の支所を福岡市に設置して、輸出日用品雑貨の検査を一層充実し、もつて転出振興に寄與せんとするものであります。
○村上(勇)委員長代理 これにて説明は終りました。引続き質疑に移ります。風早八十二君。
○風早委員 簡單に一、二質疑をいたしたいと思います。この輸出雑品の検査の重要性ということは言うまでもないのでありますが、最近新聞によりますと、アルゼンチンの日ア貿易協会あたりからも電報で非常な警告を発して来ている。つまり日ア貿易協会から日本貿易館あてに至急対策を講ずるようにという電報が来ておりますが、その中では日本から輸出されておる品物が、車両にしてもミシンにしても自転車にしても、その他あらゆる輸出産業にあてはまるのだけれども、コストを割つてまで安売りするということによつて、アルゼンチンの市場を非常に撹乱しておるという有害な結果を生じておるのでこれは嚴重な警告を発したものであると思うのであります。われわれただ検査の嚴重ということだけをやかましく言うわけではないが、やはり根本問題としては特に中小のこれらの生産業者が、資金の面でもまた税金の面でも、十分その生産の能率を上げ得るような條件を持つて、そこでやらせるということが根本問題でありまして、そうなれば自然によい品物が合理的につくられることになるのだと思いますが、その根本問題については、われわれかねがね指摘しておるように、現内閣のやり方が根本的に間違つておる。一昨日の野党の池田大蔵大臣兼通産大臣不信任案にもありますように、われわれは現政府の中小企業対策に対しては、根本的に信任をしておらない。こういう前提はあるのでありますが、しかしながらその中で特にこの輸出品についての検査ということ自体を、全然おろそかにするわけに行かないのでありまして、その意味では、この検査所というものの設置はある程度必要であろうと思う。しかし東京などの実情を見ましても、たとえばこの前われわれ通産委員が視察をした東京の日用品検査所の実際の検査状況、特に高砂ゴム会社などに出張して検査しておりますが、見受けるところこれは非常に簡單な拔き検査でありまして、しかもただ目でちよつと見たり、手で触るだけであるというような、機械化されておらない非常にあいまいなものであります。これが等級をきめる場合においても、そこにはいろいろ不十分な点があるのではないかというふうな疑問を持たせる検査状況であるという印象を受けたわけであります。こういう点について、さらに私は——これは取越苦労であれば、はなはだけつこうでありますが、やはり出張検査をやつて、そこで検査員というものが会社の中に常時おるわけでありまして、会社との関係で、やはり等級の実際決定については、いろいろ情実関係が起り得るという危險性は十分に考えられるわけであります。そういう点については、今までどういうふうにやつておられたか。今までに何か問題があつたというふうな事例があれば、これらの点についても一応お尋ねしておきたいと思います。それから検査所を新しく設けられるのでありますが、これの予算関係は実際にはどうなつておるか。予算の裏づけについてお尋ねしたいのであります。一応この二点について御説明を願いたいと思います。
○田中(茂)政府委員 ただいまの御質問についてお答えいたします。検査所の検査がきわめて不完全のように思うという第一点の御質問でございますが、私も実は高砂ゴムの検査の際にはお伴したのでありますが、あそこでやりましたのは、一応拔き取り検査の眼で見て検査をするところを見せたわけでありますが、検査所といたしましては、工業試験所の検査設備、あるいは会社の検査設備を利用いたしまして、機械的な、科学的な検査もいたすわけでございまして、全部を眼で見る検査だけに止めておるわけではございません。たまたまお眼にかけましたところは、眼で見る檢査のところをお見せしたわけであります。ゴム製品にいたしましても、工業試験所の設備を利用いたしまして、最も精密な検査もいたしておるわけであります。 それから檢査員でございますが、検査員はある工場に常に常置するということは、ほとんどないのでございまして、輸出契約の問題を取上げまして、拔き打ちにその工場に参りまして、その工場で等級をつけたり、検査をした結果を、さらに検査して行くという仕組にいたしておりまして、工場に常置しておるいわゆる監督官のような制度にはなつておらないのであります。検査員の問題につきまして、お話のような情実によつて不当な検査をしたといつたような例は、まだ今日までのところ私は聞いておらないような状況でございます。しかしその点につきましては、今後とも大いに気をつけて参りたいと思います。 次の予算の点でございますが、昭和二十四年度は千二百六十万円の予算でやつて参りました。定員といたしましても、七十六人でやつて参つたのでございますが、本年度はこれを百名に増加いたしまして、金額といたしましては、千六百四十六万七千円にまで、一応増加してやつておるわけでございます。もちろんこれだけの予算をもつていたしましては、完全な検査は困難でございますので、民間等にございます自治検査機関等も利用いたしまして、万全を期したい。検査の重要性につきましては、お話の通り非常に重要性を増すような段階にもございますので、私どもといたしましては、全力をあげまして、海外の不評判を買わないように今後とも努めて参りたいと思います。 —————————————
○村上(勇)委員長代理 次に地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き電気試験所熊本支所設置に関し承認を求めるの件を議題として質疑に入ります。有田喜一君。
○有田(喜)委員 ちよつと伺いますが、わが国において検査でいわゆる従量制をとつておる計器は、一体どのくらいあるかお伺いしたいと思います。
○駒形説明員 お答えいたします。現在従量制をとつています計器は、全国総計いたしまして五百五十万個くらいあります。
○有田(喜)委員 その五百五十万個に対して、電気計器というものは、有効期間はどのくらいとされておりますか。
○駒形説明員 有効期間は五箇年というふうになつておりまして、五箇年ごとに再検定をいたすことになつております。
○有田(喜)委員 しからば測定器の需給状況、戰争中測定計器があまりなくて、せつかく従量制をしきたいと思つても、なかなかできなかつた。有効期間が切れておつても、いろいろな関係で十分なる計器ができなかつた。非常に不完備な電気計器であつた。その後どういうふうにこれが改善されているか、いわゆる需給状況から、その間のことを説明していただきたい。
○駒形説明員 お話がございましたように、戰争中はその製造はほとんどゼロになりました。しかしながら終戰後従量制をとることの必要性を痛感いたしまして、これの増産計画が立てられまして、最初は昭和二十三年ごろから、そういう増産計画が軌道に乗りまして、本年は大体百万個ないし百二十万個くらいの新しい計器の製造ということで進んでおります。昨年は百万個を大体目標といたしまして、その目標にほとんど達するという実績を收めております。
○有田(喜)委員 まだその程度の状況では、今までの有効期間の五年が切れたものでも、十分な検査をやつて、更改することができないように私は考えております。よほど計器の増産というか、そういう方面には積極的にやらないと、今日電力が非常に不足しておりますが、もちろん電源の開発が必要でございますが、一方において消費の合理化ということが必要である。その消費の合理化については、この電気計器というものが先駆である。この点は政府当局においてもよほど力を入れていただきたい。大体普通の状況になるのは、二十五年度中くらいになる見込みか、あるいは来年度になる見込みか、その見通しについて正確なことを御説明願いたい。
○駒形説明員 大体軌道に乗りますのは、今後もう三年くらいのつもりでおります。先ほどもちよつと落しましたが、戰争中は、この検定期間の五年間を延長いたしまして、それは終戰とともに旧に復したのでございますけれども、その間の混乱がまだ続いているような状態でございます。しかしながら私どもといたしましても非常に努力いたしまして、軌道に乘せるようにいたしております。なお増産の面が着々進んでおりますので、大体三年くらいたてば、十分軌道に乘り得るというふうに考えております。
○有田(喜)委員 この大事な時期において、軌道に乘るのが三年先というのは、心もとなく思います。電気試験所長としてもこの点には相当額を悩まされていると思いますが、今日は大臣も政務次官もおりませんが、よほどしつかりと大臣にも頭に入れさせて、この問題を早く解決されることが、今日消極的ながら電力問題を解決する一つの道でありますから、積極的にやつていただきたい。 なおもう一点お尋ねいたしたいのですが、この電気計器の検定というか、測定は、電気協会で相当やつていると思う。今電気試験所の方と電気協会との分野がどうなつているか。なお電気協会でやつているものは、電気試験所の方で委託されているわけですが、そのときの手数料はどうなつているか、それから電気協会そのものがとる手数料は、どうなつているか、その点について説明を願いたい。
○駒形説明員 電気試験所と電気協会とやつておりますが、この計器の検定は、やはり国のやるべきことと私どもは考えておりまして、電気協会にこれを委託いたしまして、実務を電気協会でとつていただくというふうな考えで運営をいたしております。大体今年度は電気協会が六割になつております。これは試験個数でございます。 検定料ですが、検定料は一個百五十円でございます。しかしながら電圧の高いもの、あるいは電流の大きなもの等は、若干の割増しをいたしておりますので、全体の平均をとりますと、百九十円くらいになるのでございます。そして電気協会の百五十円は、やはり試験料としてとりますが、役所の方に手数料として二十円納めるというふうにいたしております。
○有田(喜)委員 そこで役所の電気試験所の電気計器の検定料についての、いわゆる收支と申しますか、これは相当十分な金があると思います。この手数料をとつただけのものが電気試験所で使われているかどうか、計器の関係だけについて、どういう收支状況になつているか、その点を御説明願いたい。
○駒形説明員 今申し上げました検定料をとり、手数料をとりまして、二十五年度におきましては、全体の総額二億二千万円ばかりになるのでございます。電気試験所の来年度の予算と、これを比較してみますと、来年度は現在議会にかかつておりますものは、二億五千万円くらいの予算になつております。
○有田(喜)委員 少しわかりにくいのですが、電気試験所は單に計器の検定業務ばかりをやつておられるのではなく、それは一部にすぎないのですが、私の聞きたいのは電気計器の手数料と、この電気計器の検定業務をやつておられるその経費というものは、どういうような收支になつておるか。非常に余りが出ておつて、ほかの方に補充されるのか、どうなつておるのか、そこを聞きたいのであります。
○駒形説明員 検定にだけ使つております予算は、大体一億でございます。
○有田(喜)委員 そうしてみますというと、二億二千万円がこの検定から生ずる收入であつて、それに対して実際の検定費は一億にすぎない、こういうことですね。
○駒形説明員 さようでございます。
○有田(喜)委員 そうすると、この手数料によつてよほど他の一般経費をまかなつておられることになります。もちろん電気試験所としまして、ほかにやるべき仕事はたくさんありますから、多少融通をされることはしようがないと私は思いますが、先ほど言いますように、今日電気計器が非常に不足しておつて、しかもそれが軌道に乗るのは三年先という状況である。しかも手数料が余つておつて、それが十分電気計器の検定の方に使われていないという答弁であります。これはもう少し電気計器の検定業務ということに積極的になられまして、せつかく余つている金をよその方に使つたりせられないで、この金をもつともつと電気計器の充実、改善ということに向けてやつてもらいたい。單にそれは電気計器の検定業務だけに使われなくても、今日何かわからぬような計器によつて、われわれは電気料金を納めておる。ことに電気料金は最近高くなつて、ことに割当制度が云々ということで、非常に問題を起しておる。そのいわゆる尺度をなすところの電気計器の充実、改善ということは、今日非常に焦眉の急務であります。そこをひとつしつかりやつていただきたい。ことに金を余らしておいて、他の一般経費にそれをまわしておるというような状況で、この重大な状況を放任しておくということは一日も許すことができない。ひとつ先ほども言いまするように、大臣にとくとお話になつてこの業務を改善されんことを、私は切に念願して、これで質疑を終ります。
○村上(勇)委員長代理 次に風早八十二君。
○風早委員 今回本国会に計量法が出るということになつておるはずでありますが、その内容を見ますと、計量單位といいますか、計量の確度というものが非常に嚴密になつております。今までの度量衡法とは比較にならないような、非常にむずかしいものになつておるように思われるのでありますが、そうした場合、この電気計器というものの生産の面でも、やはり今までとは違つて来る点がありはしないか。そういう点で昭和二十五年度は百二十万箇の計量生産を目標にしておられるというようなお話でありましたが、新しい計量法との関係で、もう一度その点を確めたいと思うのです。またこの際、電気計器というものが、アメリカならアメリカからどのくらい輸入されるものか、そういうものと国内生産との関係、そうしてまたこれが日本の予想せられる本年度の電気計器の需要との関係、これらについて一応御説明願いたいと思います。
○駒形説明員 先ほどお話がありました計量法というのは、電気関係を実は含んでおらないのでございます。電気の方は電気測定法というものによつて行われておりまして、その中には含まないものでございます。それからアメリカからの計器の輸入の問題につきましては、向うの計器は相当品質はいいのでございますけれども、相当高価なもののようでございます。目下のところこの輸入計器のことに関しましては、私どもまだ聞いていないような状態でございます。おそらく価格の点等におきまして、非常な違いがあるので、当分の間は輸入ということは、むずかしいのではないかと考えておる次第でございます。
○風早委員 あまり大して品質の違いはないものであるならば、高いものを入れるというようなばかなことはないのでありまして、それは高いから入れぬということは非常にけつこうであります。しかし今までの日本の貿易政策を見ますと、高いものでも、また日本で競争品があり、日本の企業をつぶすようなものでも平気で入れておる。そういう実績があるものでありますから、特にこの点はお尋ねしたわけです。今は全然入れられる予想がないというようなお答えであると私は考えるのでありますが、そう承つておいていいでしようか。
○駒形説明員 そうでございます。
○風早委員 電気測定法の改正というふうなことは考えておられないのですか。
○駒形説明員 電気測定法の改正のことも、目下いろいろ考えております。これはやはりなるべく早い機会に御審議をしていただかなければならないような事情が一方にはございますが、それは電気の單位が国際的にかわるようなぐあいになりまして、現在電気の單位は国際單位というものを使つておりますけれども、これを絶対單位というものに切りかえることに国際的にきめております。アメリカ、イギリス等におきましては、すでに絶対單位に切りかえましたのでございます。電気測定法には国際單位がきめてございますから、日本もこれを絶対單位に切りかえて参りたい、また切りかえなければならないというふうに考えておりますので、当然電気測定法を改正していただきたい、そういうふうに考えております。
○風早委員 この問題はいずれ電気測定法案の改正案が出たときに、詳しくお尋ねすることにしたいのでありますけれども、この際特に国際單位から絶対單位にかえられるというのは、それはどういう趣旨なんですか。これを伺うのは、結局それでまた電気計器のやはり基準が非常にかわつて来て、生産業者の面でもいろいろさしさわりが起りやしないかというような点も考えられるので、一応お尋ねするわけです。
○駒形説明員 国際單位と絶対單位との差は、十万分の一とかいう程度のものでございまして、実際の計器の生産あるいは企画、そういうものの上には何らの影響はございません。しかしながらこれは学術的、あるいは非常にこまかい電気の量等になりますと、やはりそこにそれだけの違いが出て来るわけであります。しかしながら先ほど申しましたように、実際の計器の生産の上には影響はない程度でございます。
○風早委員 私はよくわからないので、このくらいしか聞かれないのですが、生産の面で、特に生産設備やその他について、何か新しくまたコストがかかつて来るといつたような点を、一応考えたのでありますが、そういう点がないというようなお答えだと考えていいわけですね。
○駒形説明員 そうでございます。
○風早委員 いずれ測定法が出るまでによく調べて見ますから、試験所関係の質問はこれで打切ります。
○村上(勇)委員長代理 次に坂本泰良君。
○坂本(泰)委員 大体試験所についての質問は盡きておるのですから、小さい点ですが、一、二お伺いしておきます。今度支所を熊本市に設置するわけですが、それについて熊本県並びに熊本市からの協力は、具体的にどういうようなものがありますか。
○駒形説明員 お答えいたします。熊本県からは土地、建物を御心配願います。しかしながらそれはまだどういうような契約にするかというところまでは、具体的になつておりません。
○坂本(泰)委員 もう一点は、南九州についての検定能力の不足と、輸送の不便を補うについて、この二十五万七千個のうち、南九州四県については大体どのくらいの予定の個数があるか、その点を伺いたい。
○駒形説明員 熊本県が五万五千個、宮崎県が一万五千個、鹿兒島県が一万個、大分県が三万四千個というようになつております。
○村上(勇)委員長代理 他に御質疑はございませんか。——別に御質疑もないようでありますから、これにて質疑は終了いたしました。 引続き地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、電気試験所熊本支所設置に関し承認を求めるの件、及び地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の支所設置に関し承認を求めるの件、以上二件を一括して討論に付します。首藤新八君。
○首藤委員 私は自由党を代表しまして、両案とも賛成いたしたいと思うのでありますが、電気試験所の問題から一応述べたいと思います。わが国の電力需給関係が近年著しく不良化いたしまして、家庭生活を不明朗にし、また各産業会社の経理を非常に不経済に追い込んでおることは、すでに御承知の通りであります。現に二十三年度におけるところの電力の需給関係を見ましても、総需用量が三百五十億キロ時に対しまして、供給量は水力は三百十億、火力が三十億キロ時でありまして、差引十億キロ時の不足を告げておるのであります。かような関係から全国的に電力の使用の合理化運動が徹底いたしまして、中小工場はもとより、一般家庭に至りまするまで積算電力計器をとりつけまして、従量制によつて電気料金を支拂うという希望者が非常に多くなつて参つておるのであります。特に九州地方におきましては、御承知のごとく水力の発電所をつくらなければならぬという関係上、常に電力が他の地区以上に不便であります。これがために一昨年でしたか、あの渇水期におきましては、九州の各家庭並びに産業会社は電力に非常に苦しんだのであります。 この九州の電力不足の苦しみは、とうてい他所では見られないような状態に置かれておるのであります。しかるに電力使用の合理化は、正しい積算電力計器の使用によりまして初めて徹底するものでありまして、電気料金の値上げ後は、一層正しい電力計器による取引が要望されることは当然期待できるのであります。 このためには定期的に必ず電気試験所の検定を受けた計器を使用せねばならぬことになつておるのでありますが、先日大臣の提案理由の御説明を承りますと、二十五年度の九州の計器の検定要請個数は、大体二十五万七千個を予想されておるのでありますが、現在ありまする九州支所の能力ではとうていこれだけの検査をやる能力がないそうであります。従つてこの際熊本市に支所を設置しまして、南九州地方における電気計器の検定をとりあえず年間六万個といたしまして、熊本支所に取扱わせるということでありますが、私は先ほど有田委員の御質疑にもありました通り、現在の電力の需給状態から見て、もつと早くかような措置をとるべきでなかつたかと存ずるのであります。従つて少くとも昨年二十四年ぐらいには設置していなければならなかつたというような気持を持つておるのでありまするがために、この際至急に熊本市に支所を設置することを要望いたしまして、本案に賛成いたしたいと存ずるのであります。 なお本日提案になりました日用品検査所の支所設置に関し承認を求める件につきまして、これも賛成いたしたいと思うのでありますが、御承知のように、輸出品の相手国側におけるところのクレームの状態は、必ずしも良好とは申しがたいのでありますが、幸い日用品検査所の設置によりまして、この種の不評がかなり減少いたし、あわせてこの検査所あることによつて、業者が非常に利便を受けるということは事実でありますので、この際二箇所に支所を設置することは、まことに時宜を得た処置だと存ずるのであります。つきましては、今回のこの支所設置につきましては、名古屋支所及び福岡支所だけになつておりまするが、むしろこの二箇所のみならず、輸出の振興、また業者の利便という立場から、もつとその他の場所にも重要な地点に対しましては、かような支所を設置いたしまして、より一層輸出の振興を助長するという対策をとることがわれわれは必要かと存ずるのであります。そういう意味におきまして、この案に対しましても賛成いたしたいと存ずるのであります。ただしかし私はこの際に一言政府当局に御参考のために申し上げておきたいと思いますのは、従来すでに長い間日本の製品に対しましては輸出、国内とも検査制度をしいておりまするが、ともすればそれは形式主義に陷つておる。そこで業者は、自分のマークを宣伝するという意味よりも、むしろ検査所を対象として製品をつくる。ところが検査所の方では常に経費が足りない。せつかく検査所を運用しながら経費が足りない。従つて完全なる検査ができない。その間隙につけ込んで、ともすれば検査所をごまかして、不良品をパスさせるという点に重要を置いておる業者が決して少くないのであります。従つてせつかく検査所がありながら、この検査所があることによつて、一般製品の品質の向上は、政府の見方によりますれば、相当今日までも効果があり、またわれわれはそれを認めておりますけれども、これは決して百パーセントの効果をあげていない。先ほど高砂ゴムの検査の状態が指摘されましたが、ひとり高砂ゴムの製品のみならず、あらゆる面においてこれが言い得ると思うのであります。そこで今後はできる限り早く各メーカーに対しましては、われわれは自己のマークを極力尊重させる。そして内地の検査所よりも、海外の利用者にそのマークを売り広める。この点に政府は格段の啓蒙運動をやるべきではないか、そして近い将来において、かような形式的な検査所というものは廃止して、業者のみずからの自発的な意思によつて、いい製品をつくる、これがほんとうの日本の中小工業の育成の意義であり、同時にまた輸出振興上において、最も効果的な討策だと信じておるのであります。従つてこういう意味において、この線に沿つて今後の中小工業に対する指導をお願い申し上げるということを一応希望して、本案に賛成いたします。
○村上(勇)委員長代理 これにて討論は終局いたしました。 引続き採決いたします。両件は承認を與えるべきものと決するに、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上(勇)委員長代理 御異議なしと認めます。よつて両件は承認を與えるべきものと決しました。 この際両件の委員会報告作成の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして、委員長に御一任いただきたいと思うのでありますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上(勇)委員長代理 御異議なしと認めます。委員長に御一任をいただいたものと決します。 この際暫時休憩いたします。午後一時半より再開いたします。 午後零時六分休憩 ————◇————— 午後一時四十六分開議
○澁谷委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。 ただいまより中小企業に関する件を議題として調査を進めます。前回に引続き質疑を継続いたします。前田正男君。
○前田(正)委員 私は過般来の大蔵大臣の談話に対しまして、緊急質問が各党から行われたのでありますが、ここに自由党の中小企業の担当者といたしまして、総括的に党の方針に対します大臣の答弁を、御要求したいと思うのであります。 この間からの質疑応答の結果によりまして、大体大臣もこの間の談話は、非常に世間を騒がしたことに対して遺憾である。あるいはまた一人の落伍者もないように努力するつもりであるというようないろいろの御返答がありました。また私たちの党において発表いたしました中小企業緊急対策に対しましても、これを全面的に採用いたしまして、一部はすでに実行されておるというふうに聞いておるのでありまして、過般の談話に対しましては、中小企業の皆様からいろいろと批判の問題もありました。そのためにかえつて今後大いに中小企業対策が順調に、また非常に愼重な態度をもつて行われるということになりますならば、中小企業振興のためにも、非常にいい結果を招来されるのじやないかと考えておるのであります。そこで私はこの際特にこの問題に関連しまして、私たちの党の立場としてお話しなければならない問題でありますが、わが自由党はつとに中小企業の対策については、最善の努力を拂つて来たものであります。特にわが党の伝統の経済政策は自由経済でありまして、この自由経済ということは、官僚統制の撤廃であります。今まで中小企業は統制経済によりまして非常に圧迫されまして、また官僚から非常にいじめられて来たものであると私は考えております。よく計画経済をとなえ、あるいはまた官僚統制を再び招こうとするような考え方があるようでありますけれども、これは結局最後には中小企業を圧迫するものでありまして、過般の計画経済におきましては、すでに戰争中その他におきまして、高度に進んだ場合に、企業整備等によりまして、中小企業を非常につぶしたものであります。こういうようなものが再び招来されるというようなことがあつては、私たちは中小企業の皆さんのために、はなはだ憂うべきことであると思うのであります。幸いにいたしまして、わが党の吉田内閣は、成立以来国民の協力を得まして、統制を徐々に撤廃して参りました。その結果従来中小企業の諸君が圧迫されるというふうに感じておりましたところの傾斜生産も、相当是正されて来たのであります。私は自由経済こそ、ほんとうに中小企業の皆さんが行くべき道であるというふうに考えておるのであります。しかしながら終戰後の放漫なるインフレ経済をこのまま推し進めて行くことが、健全な自立経済をつくるために、とうてい認められないものであるということは、皆さんおわかりの通りでありまして、この際インフレを圧縮して行く以上は、ある程度の摩擦の出るものもあるのでありますが、ことにインフレのもとにやみでもうけたような一部の人たちには、非常に困られる人も出て来ると思うのであります。しかしながらこういつたようなしわが集まつて来ることに対しましては、政治に携わる者は極力そのしわを延ばすことに努力いたしまして、ほとんどしわも出ないようにすることが、また政治家の務めであると思います。これがために私たちの党におきましても、昨年末におきましては、中小企業の緊急対策を立てて発表いたしまして、これによりまして、すでに政府が実行されておることでありますが、従来預金部の資金は公債及び国債以外には使用されなかつたのでありますが、昨年の夏はこのうち約百億を国庫預金として、市中に流すことができたというふうな非常に大きな画期的なことをやつておるのであります。また今回は百五十億の国庫預金を流すということに対しまして、非常に努力されておるばかりじやありません。また中小企業の待望しておりました設備資金に対しましても、見返り資金を初めて流用することができるというふうなことになりまして、非常な効果を收めておるのであります。また大蔵大臣も非常に努力されておられた実績を持つておるのであります。ところが一般にその実績は周知されないでかえつて今回の談話によりまして、中小企業を軽視するような印象を與えたことは、はなはだ私は遺憾であります。しかしながら過般来の質問応答及び一昨日の本会の議場におきますいろいろな不信任案、その他いろいろな経過等を見ましても、その間におきまして、政府におきましても、今回の問題につきましては、言葉が足らないために、自分たちの真意でないという点につきましては、十分に弁解をされておるのでありまして、この際さらに政府のほんとうの協力によりまして、真に中小企業の立場に立つて、同情的な対策を講じられまして、一人も落伍者を出さないようにする。こういうような最善の努力をお願いしたいと思うのであります。この点につきましては、大臣の御返答を伺いしたいと思うのでありますけれども、すでにもうたびたび大臣からも発表されておるところでありますので、私たちは大臣の最善の努力を期待いたしまして、次の質問に入つて行きたいと思います。 まず第一に、最近の中小企業向けの金融対策についてお伺いしたいのであります。すでに政府は日銀その他を通じまして、従来相当の中小企業向けの金融もあつせんしておられ、あるいはまた今回の国庫預託等のいろいろの施策を講じられておるのであります。しかしながらこれが実情につきまして、一通りお伺いしたい問題があるのであります。それはどういうことかといいますと、預託されましたところの銀行は、昨年末は大銀行に流れましたために、中小企業に対しましてはあまり相手にしない、あるいはまた日銀の別わく融資でありますので、興銀、勧銀、等の諸銀行等におきましても、なるほど中小企業向けに出すということにはなつておりますが、これが大体今までよく知合いの人たちとか、何か関係があつた人とか、あるいはまたよく世間で言われることでありますがいろいろ銀行家に対して工作をした方面にのみ流れて、一般的に行きわたつておるというふうには認められない点が相当あるのであります。その点につきましては、政府におきましても、嚴に各銀行の貸出し状況を監査指導していただきたいのでありますが、特に私はこの際その点につきましても御報告されておりますが、三月一日の日本経済新聞に、総司令部の報告といたしまして、APのトム・ランバートという東京の特派員の方が報告しておられる中に「現在の日本の銀行業務は、預金も貸付けもその約四分の三が主要銀行七十四行中十行によつて行われておる、」そうして「財閥は総司令部の命令によつて、一見、各個独立無関係の商社に解体されたが、これらの商社の多くは十大銀行から貸付けを受けるにはほとんど苦労しない、」こういうようなことが書いてあるのであります。またそのあとの方には、「貸付けの多くがかつてのように、特殊的な人的考慮で行われ、小企業にはほとんど意を用いないということである、」こういうようなことが述べられておるのでありまして、外人にこういうようなことを報告され、あるいはまた電報を打たれるということは、これは国際的に見ましても、相当重要な問題であると私たち思うのであります。そこでこの際大臣もいろいろと立場もあるかと思いますが、ひとつよく銀行の内容につきまして、十分な監査をお願いいたしまして、不正な工作をしたために融資をされるとか、あるいは非常に出し惜しみをするとか、あるいは中小企業を相手にしない、こういつたことに対しましては、徹底的に御調査御指導をいただきたいと思うのであります。特に経済査察庁等の政府の機関を通じまして、嚴重な調査をやつていただきたいということを、私たちは要望するものであります。こういうことに対しましては、世間におきまして非常な羨望の的のようなことを申しております。あるいはまた銀行の貸出しに対しましては、いろいろと不満の声も聞くのであります。特にわれわれは、一般の日本の社会経済におきまして、金融に支配されておる、こういうような考えを一般に世間の評判として聞くのでありまするが、このことは日本の経済再建樹立のためには、はなはだ残念なことと思うのであります。特に今回大蔵大臣は通産大臣を兼任せられたのでありますから、日本の経済発展という点から、特に金融というものは国民のための金融でありまして、産業の発展のための金融でなければならない、こういうような観点から、特に政府の今までの銀行の業務に対しますところの監査指導についての根本的な所信と対策を、この際具体的にお伺いしたいと思うのであります。
○池田国務大臣 日本の産業組織内におきます中小企業の重要性は申すまでもないのであります。従つて産業の発達をはかりますためには、中小企業に十分なる力を入れなければならぬことは当然であるのであります。しかして政府は昨年の夏以来中小企業復興のために、いろいろな手を盡して来たのであります。一々申し上げなくてもおわかりと思うのでありますが、問屋企業に対します融資の條件をよくするとか、あるいは銀行家に対しまして、機会あるごとに中小企業育成のために金融の疏通をはかるよう指示して参つております。また昨年暮れ預金部資金の運用につきましても、関係方面の許可を得て百億出したのでありますが、やはりこの結果から見ますと、なかなかお話の通りに末端には流れにくうございます。昨年暮れ預金部から出しました百億円は、おおむね各銀行並びに無盡会社等の預金に比例いたしましてやつておつたのであります。その結果を見ますと、大銀行の方には預金部資金がたくさん行つて、地方銀行の方には少く行く。こういう結果が現れましたのでそれを是正いたしまして、たとえば中小企業と最も密接な関係のある無盡会社あるいは信用組合の方には二、三億しか出ていなかつたものを、預金部も改めまして、百億円のうち十六億五千万円ほどすでに配付した銀行から取上げて、無盡とか信用組合の方に出したような状況であるのであります。やはりいろいろなくふうをして行けば同じ金でもそれが物を言うことに相なりますので、努めてそういうふうにいたしております。しかもまた二月の初めに出しました復興金融金庫の八十億円の余裕金にいたしましても、八十億のうち三十億円は一年以上の期間がありますので、こういうものは中小企業に割に行きやすい農林中金とか、商工中金あるいは興銀に持たすようにいたしまして、できるだけそちらの方に流れるようにいたしておるのであります。先般自由党の政調会で出されました中小企業の緊急対策という中に、政府資金百五十億円を出すようにという決議があつたのでございますが、これもしごくもつともなことで、私は前々から考えまして、関係方面と折衝いたしておりましたところ、初めの百億の許可が四、五日前に出て、おとといの晩また五十億出しましたので、この百五十億円をいかにして使おうか。いかなる使い方にしようかということを考えておつたのであります。幸いに自由党のこの決議にも、従来から不動産金融、長期金融を取扱つておつた勧銀あるいは北拓銀行に二十五億円流したらいいじやないか。こういうことがございますが、ごもつともなことでありますので、政府資金の百五十億円のうち、二十億円は勧銀に、五億円は北拓に出すことに、きよう指令を出しました。残り百二十五億円につきましても、まず無盡信用組合を先にし、しかしてその他中小企業の金融になれておりますところの勧銀、興銀あるいは農林中金、商工中金に優先的に金を渡し、しかして残りの金も今までのような預金のあり高に比例せずに、地方銀行に重点を置いて行く。最後に五大銀行とか八大銀行の方にまわして行こう。こういう考えのもとに実はきよう指令をしたような次第でございまして、この政府資金の百五十億円は一、二日のうちにずつと地方にもまわつて行くことを考えておるのであります。しかも中小企業金融の形態といたしましては、不動産金融がかなり簡便な方法でありますので、二十五億円という勧銀と北拓との優先支給ということは、非常に中小企業も助かることと思うのであります。なお私といたしましては、先般通産大臣を引受けまして、通商省の様子を聞きますと七十億円くらいのA級の中小企業の長期資金が必要だ、また三十億円のB級のものが必要だということを聞き及んでおりますので、一週間以前から両省が話合いをいたしまして、興銀とか勧銀とかあるいは農林中金の経営者の代表者を呼びまして、向うと今までの因縁あるいはなれ合いを離れて、こういう通産省の調査に向つてまず金を出すようにと、こういう勧奨をいたしておるのであります。今お話のように、従来のような頭で行つては、とても十分金融をはかることができませんので、新たなる観点から通商産業大臣あるいは大蔵大臣といたしまして、効果的に資金が早く動くように計画をいたしておるのであります。かくいたしますれば、中小企業金融に、十分ではありませんけれども、出て行くと思うのであります。何分にもやはり資金の需要に対しまして、資金の蓄積がまだ十分ではございません。われわれは資金の蓄積を十分にするためには、財政規模をできるだけ縮小して、そうして減税に出ると同時に、資金蓄積をして産業資金にまわすという政策で行かなければならぬと思います。昭和二十四年度におきまして予想以上に資金の蓄積はできました。大体三千五、六百億円とふんでおりますが、しかしこれにいたしましてもなお十分とは言えません。われわれは資金の蓄積には根限りの努力をいたさなければならぬと思いますが、幸いに通貨価値も安定いたしておりますし、今後は相当の資金ができると思うのであります。資金の蓄積ができれば、今お話のありましたように、金融資本家がはびこるということは、私はなくなつて来ると思います。今は需要が多くて供給が足りない。だから供給を多くすれば各金融機関がこぞつて貸出しをするようになると思うのであります。何にいたしましても、やはり経済を安定しながら、とにかく産業が育成されるように金融機関を指導して行かなければならぬことはもちろんであります。私はこのことにつきましては今後とも十分力を入れて行きたいと考えております。
○前田(正)委員 大体、大臣のお話で政府の中小企業向けの金融対策の全貌を知ることができたのでありますが、先ほど申しました通り、金融の業務につきましてはいろいろのうわさを聞くのでありますから、ぜひ監査を嚴重にしていただきたいということと、今のお話の中の具体的な問題について、一つ二つ不明な点をお聞きしたいと思います。 先ほど、不動産金融をされるということは、中小企業そのものに担保力がまことに少く、また企業内容の不良のものが多いのでありまして、担保という点から見ますと、不動産は必要でありまして、私たちは積極的にこれを推進して来たのでありますが、幸い本日の指令によつて二十五億の融資が実現することになりましたことは、国民とともに非常に喜びにたえない点であります。しかしながら、これが政府の考えておられますところの見返り資金によつて、勧銀を通して預金部資金をもつて債券を発行されようというような考え方を聞いているのでありますが、問題は不動産金融を行いますところの長期の債券が必要であると思うのであります。不動産の債券の返還が非常に短かくては何にもなりません。三、四年のときにはどうしてもできない。十年以上の長期の債券でなければ不動産金融というものは確立しない、こう思うのでありますが、まず不動産金融につきまして、この債券はどれだけの期間をもつて発行される御予定でありますか、第一にお聞きしたいと思います。 次に設備資金につきまして、非常に御盡力になりまして見返り資金が出るようになつたことは、これまたまことに喜びにたえない点でありますが、今大臣が御話になりました通り、設備資金はある中小企業の調査によりましても、約七十億近くのものが緊急のものだけで必要であります。それ以外のものを加えますと百五十億というものが必要であります。ところが見返り資金から出ますものは十五億、市中銀行を合せまして約三十億であります。そこでこれはぜひとももう少し御盡力を願つて増額していただかなければ、十分でないと思うのであります。また一部の地方銀行等においては、五割の見返り資金の負担としては不十分である。少くとも八割程度まで負担を増額してもらいたい、こういうような希望がありまして、大臣においてもこの保証限度の引上げについては、御盡力になつておるようにお聞きするのでありますが、この際大臣のお考えをはつきりさせていただきたい。また同時にこれを地方銀行に、増額であるとか、負担率をふやすということについて、どういうようにまたいつごろ御通知になるかということを具体的にお聞きしたいと思います。と申しますのは、この見返り資金のことについて地方銀行の方においては実際ははなはだ貸付けを澁つております。場合によると中小企業等は相手にしないというような声を聞くのでありまして、実績等もまた相当努力もされて出て来てはおりますけれども、十分ということはできないと思います。そこでこの際政府においては中小企業庁等を通じまして、積極的に見返り資金等を貸し付けるようなあつせん方をお願いいたしたいと思いますが、何分にももう少し増額できるか、負担の率を上げる、こういうことを積極的に詳細にわたつて下部に徹底してもらいたいと思うのであります。その徹底の方法、あつせんの方法等について大臣のお考えを承りたいと思います。 なおここに問題になつておりますのは、これは非常に大きな問題でありますが、利子の問題であります。過般大臣が御盡力になりまして利子も引下げになりましたけれども、しかしながら現在の利子の状況は非常に国民の負担を大きくしております。特に国際的な貿易を開始いたしております現在としては、外国の金利と比べましても日本側の利子の負担は多いのであります。また考え方によると貸付けと貸出しとの利子の差額を詰めるということによつて、初めて銀行も積極的に貸し出して行かなければ業務が成り立たないというような考えも生まれて参るのでありまして、この利子の問題についてもさらに御盡力になつて、適正化に努力していただきたいと思います。また貸付期間の問題についても、実はせつかく貸し付けたと思つたら回收にまわつて来る。こういうようなことも地方においてやかましい声を聞くのでありまして、中小企業の皆さんは非常に困つておられるようであります。この点についても有効に積極的に御指導を願いたいと思います。 なお最後に私たちはいろいろと大臣から金融問題について伺いました。またいろいろと党としてもやつておりますけれども、最後の問題として金融の問題については、どうしても中小企業というものは信用が薄い。そこで銀行としてはなかなか貸しにくい、あるいは小口で手数がかかつて取扱いに不便だ、こういうようにいろいろなことが言われます。なるほど銀行側の立場も多少あると思います。そこでこの問題については、昨年の夏わが党において中小企業の各業種の組合の方に来ていただきまして、お話を伺いましたところ、どうしても銀行の実際面から見てみますと、政府による保証を考えなければとてもだめだ、こういうようなお話が出ました。私たちの党においても政府にお願いしまして、中小企業の保証法案の原案をつくつていただきまして、非常に研究もしていただき、また折衝も願つたように聞いておるのでありますが、現在の実状において、ことにドツジ・ラインによるところのインフレ圧縮の現段階においてはその必要性が起つて来たのではないか、昨年の夏に比ベてよけいその必要性が起つておるのではないかと思います。そこであらためて政府は、この保証法案は原則から行くと、なかなかむずかしいかもしれませんが、一番インフレ圧縮のしわを寄せられておるところの中小企業に対しては、少くとも国家として新しい救済の手を伸べるという点からもこの問題については再度御交渉なさるべきではないかと思います。これに対する大臣のお考えを伺いまして、次に税金の問題に移りたいと思います。
○池田国務大臣 御質問の第一点は、長期資金供給の財源になる長期債券の問題であります。昨年春より興業銀行が長期資金調達の方法として興業債券を発行しておつたのでありすまが、これは期間が大体一年程度でございまして、その後経済の安定とともに興業債券も三年物にかわつて参りまして、利子も三年物で九分程度に相なつて来ておるのであります。今後は、私考えておりますのは興業債券のみならず、勧業銀行とか、あるいは農林中金、商工中金等に出資を見返り資金からいたしまして、そうして長期債券を発行し、普通銀行がこれを引受けると同時に、預金部も引受けて長期の債券発行を便ならしめ、従つて長期資金の根源にいたしたいと考えておるのであります。 次に御質問の第二は、見返り資金から出ます一億円についてのお話でございます。私はこの一億円は何も一億円にとらわれるのではございませんで、どんどん貸し出して行けば、これもますますふやして行きたいという考えをもつておるのであります。実績を申しますと、一月からスタートいたしましたので、まだ十分知れわたつてもいないし、事務になれない関係上、二月末で五千数百万円であつたのでありますが、三月に入りましてここ四、五日間のうちに二千数百万円もふえまして、ただいま七千二百万円になつておるのであります。これはどんどんふえて行くと思います。しこうしてお話の通りこれと銀行と、見返り資金はが半々になつておるのであります。銀行には手数料二分を出しております。回收のときには銀行が先にとつて行くのでありますから、半分保証とも言い得るのであります。私の考えでは五割を見返り資金が持つというのを、八割持つてもよいと思いますが、見返り資金が八割持ちますと、全体の融資がそれだけ少くなつて参りますから、その点は私は五割程度でやつて行きたい。しかし腹づもりとしては特殊の場合には八割ということも考えておるのであります。この見返り資金から出る金の額と保証の額とはつり合うものでございますから、施行を見まして——原則としては五割だけれども、特殊の場合に、申請があつた場合には八割までは出してもよい、こういうことは関係方面と話合い済みになつております。実際一億円は今後ふやして行つて五割でよいか、八割にする場合にはもつとふやされるか、こういう兼ね合いの問題になつて来ると思いますが、できるだけこの金をふやして行くようにいたしたいと思います。まだなれませんので十分動いておりません。しかし銀行によつてはかなり動いておるところもあります。よく動く銀行にはある程度のわくを與えまして、積極的にやつたらどうか。それからまた先ほど申し上げましたように、興銀とか勧銀とか、北拓あるいは商工中金というようなものは、特別の関係を持つわけでありますから、こういう方面にはこの分もどしどし出して行きたいという考えを持つておるのであります。 次に貸付利子の問題でございますが、銀行の経営状況を見まして、先般二月の十五日から原則として二厘下げ、こういうことにいたしたのであります。この二厘下げの問題につきましても、産業界、ことに中小商工業者の方々は利子を下げるよりも、楽に金を貸してもらつた方がいい、利子なんか大した問題じやないという議論があつたのであります。私としては何としても利子を引下げまして、コストの低下をはかるということが、産業復興の最も重要なことでありますので、極力二厘下げを主張いたしまして、ああいうふうになつたのであります。ただ問題は、二箇月切りかえということは意味をなさない、流動資金でも二箇月ごとに切りかえるということは実情に沿わぬから、これを三箇月なり、四箇月なりに延ばす、そういうときには二厘下げでなくとも一厘下げでもいいというような緩和の方法をとつております。最近の銀行の経営預金の増加とか、あるいは今後における国債償還等によりまして、相当收益状況がよくなつておるのであります。しかもまた今後この三月の決算期には配当を認めることにいたします。こういうことから考えまして、私は今後とも金利の低下に努力すると同時に、切りかえの二箇月というものを延ばすというふうにして行つて、金融の合理的融通あるいは打開に努めて行きたいと考えております。 最後に保証の問題でございますが、これは具体案といたしまして、今の輸出信用保証法案のような問題とは違いまして、中小商工業者の範囲と申しますか、業種別にいろいろな問題があつてなかなかむずかしいと思います。見返り資金が半分引受けるというのは、保証の意味であるのであります。私はこういう問題は、政府が保証の制度を採用する前にまだ打つ手があると思うのであります。たとえば銀行の貸倒れ準備金の認め方等によりましてれ銀行自体がやはり保証して行く自家保証的のことをやるようにしたらどうか、こういう考えを持つておるのであります。それでもどうしてもいかぬという場合には、また最後の手段を考えなければなりませんが、私は銀行の利益から一定額を貸倒れ準備金として損金に一応計算しておくような方法をとることによつて、貸出しが非常に円滑に行くのではないか、そういう方向で一応進んでみたいという気持を持つている次第であります。
○前田(正)委員 政府の苦心せられているところを大体お伺いいたしまして、われわれも満足に思うのであります。しかしながら実際問題といたしましては、なかなか中小企業には貸さないというのが実情であります。この点につきましては、政府におきましても特に十分なあつせんと指導、監査とを嚴重にやつていただきまして、また今の自家保証の問題等もできるだけ早くこれを実現願いまして、保証問題に関して中小企業に貸して行くというような体制にしていただきたいということをお願いしておきます。 次に税金のことにつきまして一つお伺いしたいと思うのであります。私たち聞くところによりますと、大体現在の徴税の状況は予算に近づきつつあるようでありまして、また自然増の方のいろいろな目安もあるように聞きますので、この際特に中小企業方面に対するところの申告納税に対し、むりのない課税をするということはでき得るのではないかと思います。また徴税にあたりましても、差押えとかあるいは公売等の実施をするということに対しましては、こういうような現在の状態でありますので、相当いろいろと状況を勘案しまして、苛酷にわたるというようなことに村しましては、嚴に注意せらるべきところではないかと思つておるのであります。こういうことは大体今政府でもわが党でも常に考えておられることと私どもも思つておるのでありますが、実際問題といたしまして、こういうことが国税庁の下部の機関に十分に行きわたつていないのであります。せつかく大臣も親心を持つていろいろ御心配になつていただきながら、それが末端の官吏に行きわたつていないで、いろいろとおもしろくない問題を聞くのであります。最近いろいろとわれわれ同僚議員の中からも、そういう話を聞きまして、はなはだ遺憾に思つておるのであります。そこでぜひ末端の機関に十分徹底的に行きわたらしていただきたいと思いますが、それはどういう方法で大臣はおやりになるか。末端にまで徹底させる方法について、この際お尋ねしたいと思います。 また納税金融という面につきましても、それはぜひ、ひとつ積極的に行うべきものであると思つておるのでありますが、これに対しまして、政府はあつせん指導等をするために、具体的な機関をお持ちでありましたならば、この際お知らせ願いたいと思います。税金の問題は、この二点につきましてお開きしたいと思います。
○池田国務大臣 徴税の問題でありますが、今お話の通り大体今年度の税收入は予定通りに行きそうであります。ただ内容から申しますと、勤労階級の納められまする源泉課税の所得税、あるいは法人税、酒の税、これらは相当の黒字が出ますが、問題になつておる中小商工業者あるいは農業者を主体といたしまする申告納税は、当初の予算千九百億円を千七百億円に補正予算で減らしましたが、なおかつ相当な赤字が出る状況であるのであります。私は先般国税局長会議のときに、現下の経済情勢を見て、申告納税に赤字が出るのはやむを得ない、出してもよいのだ、ほかの方でとれておるのだからというような話をいたしまして、結局苛酷にわたらないよう十分注意するように、各国税局長にお願いしたような状況であります。これは建前といたしましては、税法の命ずるところによつて徴收するよりほかにしかたがないのであります。ただ納期その他につきましては、いろいろな手もあるのでありますから、お話の通りにむりな税金に紹対相ならないようにということは、常常下の方へ流しておるのであります。 次に納税金融の問題は、一昨年までは納税金融は原則としていけないという建前をとつておりましたが、昨年から改めまして、納税金融はやるべきだということの通牒を出しております。ただ税金を納めるためだからというので、ほかの條件を無視して、どんどん出すというわけには行かぬと思いますが、私は実際面におきまして納税のための金融というのは相当行われておると考えております。また銀行家等の会合におきましても、私はこのことを言つておるような状況でございます、機会あるごとにいろいろな手を通じまして、今の課税の問題、納税金融の問題は、下に流すように努力しておる次第でございます。
○前田(正)委員 御趣旨のあるところはわかりましたが、どうも十分に下部に徹底しないうらみがありまして、いろいろの実例をわれわれのとこへまで持ち込んで参ることが、非常に多いのでありますから、特にこの点につきましては、さらに一段と大臣の御盡力をお願いいたします。ちろん今後の自分たちの発展のために、いろいろと中小企業等協同組合法に基く協同組合を設立いたしまして、強力に仕事を進めておるのでありますが、それに伴いましてどうしても信用協同組合を設立しまして、企業の並行的な発展をはからなければならぬということは御承知の通りであります。この点につきましては、社会党の今澄委員からもせつかくそういうことになつていながら、信用組合の認可が非常に遅れているということについて過般御指摘がありましたが、最近はどんどん認可されておるようでありまして、この点につきましても大臣の御盡力をお願いしたいと思うのであります。 なお中小企業といたしましては、今後の問題といたしまして現在の中小企業の状況を見ますと、仕事が十分ないというところに非常に大きな問題があるのではないかと思うのであります。税金の問題も非常に大きな問題でありますが、この際積極的に有効需要を喚起するということは大事なことであります。国内の有効需要といたしましては、幸いに二十五年度の予算には、わが自由党の伝統の政策であるところの積極政策というものが入つておりまして、公共事業費も昨年度に比べまして非常に多く予算を見込んでおるのであります。そこでこの予算が成立いたしましたならば、政府におきましては早急にこれを活用いたしまして、そうして有効需要を喚起するようにお願いしたいと思うのであります。また国内需要におきましては問屋及び下請制度ということも、これは中小企業自身は独立した産業といたしまして、大いに積極的に仕事を進めていただかなければなりませんが、しかしながらその反面中小企業の同じ工場におきましても、経営を維持する仕事といたしましては、やはり問屋及び下請の仕事もその間にはかつて行かなければ、十分の仕事の量というものは確保できないのでありまして、この方面におきましても、ひとつ積極的にいういうと御盡力をお願いしたい、こう思うのであります。そこで私はその一つの問題としてお話したいのでありますが、それは最近の貿易の事情を見ておりますと、先方の買う方におきましても、金詰まりの関係があるのだろうと思いますが、貿易の注文が来ましても、すぐにそのLCが参りませんで、何回も分割されて来る、こういうようなことでございます。一方製造家の方といたしましては、製造準備のために金が必要である、こういうことになつてLCのない貿易手形はなかなか困難である、こういうようなことから、貿易に非常に困難を感じております。そこでぜひこの貿易の事前金融ということにつきまして、政府の十分な御対策をここでお聞きしたいのでありますが、特に最近私たちが聞いておりますと、輸出信用保証制度というものを政府が考えられましていろいろ御研究になつております。ところが英国におきましては、バイヤーが破産した場合とか、あるいは一年以上の支拂い遅延があつたという場合に、利子というものも引受けるという点から、事前金融がしやすいのでありますが、今回の政府の考えておられるところは、どうもこの点が十分でないということを聞くのであります。そういうことでは、この事前金融を政府が積極的におやりになろうと考えられましても、銀行家ははたしてその政府のあつせんする通りに、安心してこの事前金融をするかどうかという点について、私は非常に疑問を持つておるのであります。そこでこの信用保証法案の問題につきまして、政府のさらに一段の御努力をお願いしたいと思うのであります。また政府はこのLCの分割対策、あるいは一部LCのない貿易手形の割引き等についても、何らかの処置を講ぜられるかどうかというような問題につきましてもお聞きしたいのであります。ところでこの問題について、非常に大きな問題があるのであります。それは何かと申しますと、最近東南アジアとかインド、パキスタン、こういう方面におきましては、わが国の工場設備でありますプラント、工場施設というようなものの輸出を非常に希望しておるのであります。また同時にこのすえつけ、運転のために技術者の派遣を求めておるのでありまして、わが日本の今後の輸出貿易といたしましては、非常に大きな発展性のある方面であると思うのであります。またこの工場設備の仕事の大半は、実は一応大工業でまとめますけれども、その仕事量といたしましては、ほとんど半分ぐらいまでは中小企業の手になるのでありまして、中小企業の仕事も非常にふえて来ると私は思つておるのであります。ところがこの貿易をやろうと思いますときに一番問題になつて来るのは、相手方の支拂い能力でありまして、それがためにどうしても、一部無為替で輸出しなければならぬ、こういう問題が起つて参りまして、それに対しまして政府が保証するとか、あるいはまた場合によりましては一部借款の形式で貸し付けなければならぬ、こういう問題が当然起つて来ると思うのであります。この問題につきましては、十数品目にわたりましての引合いは、私たちも聞いておるのでありまして、これは今後の日本の私たち一般の工業界の仕事といたしましては、実に前途の大きな希望のある仕事であると思います。また中小企業にも十分の仕事を與えるものであると思うのであります。しかしこれがためには、どうしても政府といたしましては、根本的なこの一部無為替の輸出に対する政府保証、あるいは借款の形式、こういつた問題につきまして突つ込んだ金融の問題、ことに事前金融の問題を考えてもらわなければならないと考えるのでありまして、一般のLCのない貿易手形に対します事前金融と同時に、今後のプラント輸出に対します政府の御方針をお伺いしたい。あるいは輸出信用保險問題に対しますところの政府の御見解をお伺いしたいのが第一点であります。 次にもう一つ、この有効需要の喚起の問題につきましては、私たちが毎日使われております日本の製品をよく考えてみますと、実は戰争中の惰性がありまして、非常に品質が悪い、あるいはまた値段が高いということでありますが、これは戰争中から製造設備というものが非常に稼動されておりまして、すでに磨耗老朽化しておるのが相当あると思うのであります。そこでこの際この設備を能力のよいものと置きかえまして、あるいは進歩した製造方式を採用して、技術を導入して設備を改良する、こういとことを行いますと安い品物ができて、国民生活も安定るるばかりでなしに、また貿易面にも非常に大きな発展の余地を認めることができると思うのであります。そこでこれがためには、どうしてもこの際設備を改良するための資金がいるわけでありますが、これを自己調達することは現状においては、はなはだ困難であります。そこで政府といたしましては、この際その産業設備の近代化、改良等のために、どうしても産業開発の投資の長期資金の一つの制度を考えなければならぬと思うのであります。またこの設備自身は、ほとんどその交渉を受けた会社でつくるものではありませんで、これはみなよその製造家に注文をいたします。従いましてその仕事の大半は中小企業の仕事でありまして、中小企業の仕事の中には、非常に大きな需要が起るものと考えるのであります。そこで、昔は復金の制度がありましたが、これは赤字融資等を行いまして、いろいろと非難があつたのであります。ここで純粹な技術導入、設備改良のために産業開発投資の長期資金というものを、ぜひひとつお願いしたいと思うのであります。 以上の二件につきまして政府の御方針をお伺いすると同時に、最後に、わが党の中小企業の対策の要点というものは、以上述べましたようにいろいろと考えてやつて参りました。政府もそれに対して非常な協力を受けておるのでありますが、問題はデイス・インフレ政策を急速に実施しようとする以上は、どうしてもある程度のしわが寄るのであります。そこで根本的にこの産業の根幹を是正して、積極的に貿易の画期的な打開をするとか、あるいは国内需要を起すとか、そういうような雄大な構想によつて、国民に前途の希望を與えなければ、ほんとうに心からの協力を受けるということははなはだ困難だと思うのであります。ただ中小企業対策はこうだ、ああだということを発表しましても、ほんとうに国家が心からの協力を受けるということは困難だと思いますので、この前途に対しまするところの大蔵大臣兼通産大臣といたしましての十分な構想を、ひとつお聞かせ願いまして、どうか私たち自由党の考えておりまする施策に対して、政府の十分な御協力をお願いしまして、私の質問を終りたいと思います。
○池田国務大臣 御質問の第一点の信用協同組合また問屋に対する融資問題でございますが、信用協同組合の育成は、来年度このためにも相当の予算をとつております。また別に中小銀行の設立にも力を入れておる次第であります。ことに問屋に対しまする融資は、昨年の八月丙から乙に上げました関係上、八月が百八十億円ぐらいの貸出しであつたのが、十二月末には四百四十数億円にふえておるのであります。中小企業の状況から考えまして、問屋に対しまする金融もぜひ必要かと考え、今後もこの方面への融資に便宜をはかりたいと思つております。 なお貿易資金でございまするが、やはりLCが来ます前におきましても、ある程度の融資をしなければならぬことは、私も十分承知をいたしております。また日本の輸出振興から考えまして、プラントの製造が非常に役立つことも十分知つておりますので、ただいま貿易資金に対しましての事前融資につきましては、特段の方法を考えたいと考えておるのであります。 なお今までの設備を改良し、能率を上げるためには、私はやはり外資導入も考えなければいかぬ技術者の誘致もしなければいかぬという考えのもとに、特別法を制定しようといたしておるのであります。また外資のみならず国内の資金につきましても、でき得るだけ基本産業たとえば石炭とか、あるいは鉄鋼等に対しましてできるだけ融資をして、そうしてコストの切下げ等をはかつて行きたいと考えておる次第でございます。もちろん今御審議を願いまする二十五年度の予算案を施行いたしまするならば、しかも早期に計画を立てて施行いたしまするならば、相当国内的の有効需要も起きて来ると思うのであります。これと加えて貿易金融の円滑と申しますか、金融制度を確立するならば、日本の貿易あるいはまた国内需要の振起等は、期して待つべきものがあると考えております。
○澁谷委員長代理 風早君。
○風早委員 今日は政府の中小金融の問題について、質疑が行われることになつておつたのでありますが、池田大蔵大臣兼通産大臣が席をはずされておりますので大臣に対する根本的な質問は、一切次回に留保しておきたいと思います。 この中小金融の一つとして、現在政府が無盡会社に対する出資をやつている、無盡会社を通じて中小企業の金融をやるというような構想を漏らされかつそれをある程度実行されつつあるということでありますが、これも一つの金融の仕方であつて、実際にそれが下に浸透すれば、それも何ほどかの役には立つと思う。ところが、われわれ至るところで聞くところによりますと、無盡会社にたとい出資が行われても、実際無盡会社の金融の潤いが下部には浸透しない。さつぱりわれわれのところには来ない、こういう声が全国至るところから聞えて来るのであります。これはなぜそういうことになつておるのか、いろいろその原因はあると思うのであります。しかしながらここではからずも三月二日づけの毎日新聞に日本信興、これも無盡会社でありますが、日本信興株式会社のその融資の仕方につきまして、いろいろ問題になつておる。これは毎日新聞だけではない各新聞一齊に出ておるのであります。その中で特にこれは小峯柳多議員を初め自由党の現議員諸君の名前がたくさん出ておる。こういう人たちに対して、この無盡会社が金品を供與した。こういう記事が出ておるわけであります。これはしかも本莊社長並びに秋山支店長の自供によるものと書いてあるわけであります。われわれ新聞の記事だけでもつて容易にその事実をそうだと即断するものではありません。でありますから、これですぐ責任を追求するとか何とかいうことを考えているわけではありません。しかしこの中に特に注目しなければならないのは、通産関係のわが宮幡政務次官の名前が出ておる。その額はきわめて僅少ではありますが、しかしながらとにかく本莊社長からも何がし、また秋山支店長からも何がしといつたように、両方にまたがつて金品の供與がなされたことが出ておるわけであります。これはわれわれ通産委員としても、もちろん非常な関心を持たざるを得ない。もちろん自由党の内部においても、これは十分問題になり得ることであると思います。また所管大臣としても監督の責任上、何らかの釈明がそこにあつてしかるべきと思いますが、とにもかくにも政務次官がここに出ておられますので、われわれは率直にこの宮幡政務次官自身から、この問題に対する事実の釈明を要求したいのであります。
○宮幡政府委員 どうも風早さんとは大蔵委員で仲よしなものですから、たいへんやわらかい御質問で、これは友人としてのお尋ねくらいで、共産党を代表してとは私には受取れないくらいなやわらかい気分でおるのであります。お話の点で、日本信興とおつしやいました会社は、私は名前も知らなければ、それには何ら関係がございません。それから本莊という方は私に会いに来たことはあるかもしれませんが、御交際もなければ、私としては面識もありません。それから御指摘の秋山という方につきましては、風早委員と一緒に第五回国会において、大蔵委員をやつておるときに、全国のいわゆる殖産会社、庶民金融の方々が、取締規則ができますと、当然貸付金は一応つぶされてしまう。何らかの経過的処置等、無盡会社に移行する制度を設けてほしいという陳情に毎日々々国会においでになつたことは、皆さんすでに御承知の通りであります。これは第五国会のときでありますから、昨年の四月から五月にかけてのことであります。当時は私は現在の自由党、当時の民主自由党の政務調査会大蔵部長でありまして、大蔵委員会の当番理事、すなわち委員長代理をやつたことも風早氏御承知の通りであります。そこで陳情をせつせと伺いましたことは事実でありますが、委員会の経過等をごらんくださいますれば、この陳情を取上げていろいろの質問をし、法案に対し修正意見等を述べて、專門におやりになつたのは小峯柳多委員であります。 私はこの問題に関しまして、関連を持つた覚えはございません。なお政務次官である宮幡がという御指摘でありましたが、私は当時は政務次官ではありません。六月九日に現政務次官になつたのでありまして、ことさら新聞紙が政務次官の銘を打ちまして、この問題を取上げて行くということは、私としては大新聞の権威にかけてはなはだ遺憾だと思つております。同時にそれらの記事が全新聞紙に載つたというお話でありますが、私の知つている範囲では毎日新聞、つい日曜日あたりに朝日新聞にも書いてあつたそうでありますが、朝日新聞等の記事をあとから伺えば、十月の幾日とかにどこかに集まつたというように書いてあつたとかいうことでありますが、私どもは国会が終りましてから、陳情の方々に、たとい秋山君にしろ、本莊君にしろ、一ぺんの御来訪も受けなければ、私の方からお尋ねしたこともありません。かような関係でありまして、事は正当なる検察庁の調査によつて進められていることでありますから、事件はいずれ進展して参ることと存じますが、一身上の釈明を求められたのでありますから、率直に申し上げます。ただいま申し上げました通り、私は金融機関の全九州の代表者が、これではつぶされてとてもかなわぬから助けてくれという言い方をして、陳情して参つた。その代表者と面接しただけでありまして、毎日新聞の社会部の記者がおいでになりましたときも、ちようどその通りのことを書いております。そのときに本莊社長に面接したこともなければ、面識もありません。秋山君は代表して陳情に来られた。こういうことまでちやんと発表してあります。政務次官としてやつたことではありませんから、所管大臣から監督上の何かのおしかりを受けようとも私は考えておりません。さよう御承知をいただきたいと思います。
○風早委員 今御釈明があつたのでありますが、こういう記事が新聞に堂々と出され、これは読売新聞にも出ておるのでありますが、出されるということは、これはよけいなことかもしれませんが、やはりこういうことならば、世間は非常な疑惑を持つのであります。それでなくても中小企業の金融に対しては、全国の業者は非常に神経過敏になつておる。しかも今度政府は特に無盡を奨励している、無盡会社を通じて融資をするということを言つておるのに、その無盡会社が下へ実際に浸透させないで、途中でたとい少額にしてもこういうふうなことがあるということは、そういう疑惑を招かせるような記事でありますからして、これに対しては当然名誉毀損の意味においても、またそういう政治的な意味におきましても、はつきり取消しを要求されてしかるべきだと思います。これはよけいなことでありますが、そうならない限りは、やはり疑惑が残るわけでありまして、通産行政上、また通産委員会としても迷惑千万だと考える。宮幡次官が清廉潔白であるならば、ますますわれわれはそのことをはつきりさせた方がよかろうと考えるのでありまして、その点はもちろん今後司直の手がどういうふうに伸びるか先のことでありますからわかりませんが、当面の処置として考えていただきたいのであります。 この際私はこの無盡会社に対する政府の設立関係、並びに出資関係の具体的な数字的な資料を出していただきたいと思います。この無盡会社の中で、特に日本信興というものが、どういう位置を占めておるか、これは実際の出資額その他によつて出していただきたいと考えるわけであります。大蔵省であろうがどこであろうが、これは通産行政に、また中小金融直接の機構になる問題でありますから、これは当然本委員会で扱う権限内だと考えるわけであります。
○宮幡政府委員 日本信興に対する資料提供の御要求に対しましては、これは大蔵省所管でありますが、当委員会にも関係があるものだという御趣旨でありますので、連絡いたしまして資料をとりそろえまして、差上げることにいたしたいと思います。 それから宮幡、お前が清廉潔白であるならば、取消し要求をしたらどうかという友人にもまさる御注意でありまして、恐縮千万に存ずるわけでありますが、何分にも清廉潔白だという証明は、自己証明では間に合わないのでありまして、第三者あるいは御他人の方々が宮幡は正しい男だということをお認め願う時期が、たとい遅れても、私はそれに対して別に悔みも感じません。先ほど申しましたように、政務次官の当時でもなかつた、しかも風早さんと同じ委員会においてやつたことを、ことさら政務次官とつけなければ宮幡の名誉がきずつけられない、宮幡は不実な男だという記事に対しまして、私は釈明の必要もなければ取消し要求の意思もありません。やがてこれらははつきりとわかつて来ることでありまして、私はこれを、取消しによつてみずからの正しさを自分で証明しようなどという考え方は毛頭持つておらないことを御承知願いたいのであります。なおこの点に対しまして、国会における友達としての御注意に対しましては、別な意味において感謝いたすものであります。
○風早委員 宮幡政務次官は、第五国会当時はただ大蔵委員会の筆頭理事でありまして、むろん官庁役人としての問題外のことであると思いますが、その当時やはり大阪方面からも、あなたが最も專門とせられておる税務代理士ですか、そちらの方の関係からいろいろな事実をあげまして、あなたを追及する手が国会まで来ておつたことは、宮幡政務次官自身も御承知と思います。われわれもこれをいろいろ受けておつた。しかしわれわれはその当時同僚として親しく宮幡委員を見ておりまして、これを取上げるに値しないと考えて、とにかくそういうことは一切保留しておつたわけです。しかし今回再び——特にあなたはぬれぎぬかもしれないが、そういう疑惑を投げかけられておるということから、われわれはどうしてもこの際に釈明を要求せざるを得なかつたわけでありまして、これが将来あなたの釈明通りであるということになれば、これはまことにけつこうな話であります。どうかひとつますます清廉潔白なる政務次官として、通産行政に携わられんことを切望して、私の質問を打切ります。
○宮幡政府委員 もう風早さんのお尋ねは終つたことでありまするから、ただいま申されました無盡会社に関することは、それでおしまいにいたしておきます。しかし第五国会当時に公認会計士法に関しますることというものは、私はある意味におきまして、震源地がどこにあつたかということを、もし申さしていただく自由がありましたならば、言いたいくらいに思つております。事は日本タイムスに出たことでありまして、私ども同業者五千人から一人三千円とかの基金を集めて、算術的に申すと千五百万円あるだろう、国会の廊下において非常に評判であつて、これはニユー・スキヤンダルだと書いてありました。これに関して私は日本タイムスにちやんと取消しを要求いたしました。その事実の無根なることはすぐわかつたのでありますが、一体五千人で三千円だから千五百万円だという本家本元までも私は知つておりますが、われわれは業者でありまするし、現在まで会長をやつております関係上、自分で若干の費用を使つてはおりますが、それらの方々からびた銭一文ももらつたものではありません。さようなことをことさらつくつて、私を傷つけようとする。それほど私は国会のにくまれ者であるかと、当時悲しみの涙も出たくらいであります。しかし今は一年たつての笑い話になつておりますので、どうぞそういうようなことで、またぞろ因果関係に結びつけての御説には、はなはだ迷惑でありますから、風早さんとは私は委員会で仲がいい友達でありますから、悪いことがありましたら、直接に御忠告をいただくことはまことにけつこうで、何かおつしやつていただくことが、ためにするように思えることは、友達として非常に残念に思う次第であります。
○澁谷委員長代理 村上勇君。
○村上(勇)委員 私はごく簡單に電力割当と、火力料金の高過ぎることについて、宮幡政務次官並びに安本動力局の澤田電力課長にお尋ねしたいのであります。昨年の末にきめた電気の新しい料金について、一般の需要家が現在一番困つておる点は何かと申しますと、まず割当電力量の不合理、それから火力料金の高過ぎることに起因して、実際の支拂う電気料金が、政府のきめました一・三二二倍でなくて、二倍、三倍はなはだしいところは五倍に達しておるというのが現状であります。これに対しまして、先般の本委員会で、政府は二十五年度の第一・四半期はもちろんのこと、二十四年度第四・四半期すなわち三月中にも適当の措置を講ずると答弁されたはずであります。しかるに本日各地区の、特に九州地区からの陳情によりますと、二十五年度の電力割当量は、独立採算制に立脚した計算方法によつて決定される。すなわち、現在よりも地域差は一層著しくなるということを心配しておるのでありますが、このような心配は私は無用なものであると思いますけれども、念のために政府の正確な御答弁をお願いしたいのであります。
○宮幡政府委員 本件は安本の方からお答えする方が適当の御質問だと思いますが、実は通産省といたしまして、非常に重大な関心を持つておる問題でありますので。私の方からわかつております程度、なるべく詳細に申し上げたいと思うのであります。御指摘のように、基準電力量の割当が非常に低く押さえられました関係上、その上を使いました電気は、火力の料金を負担するという料金制度におきまして、とにかく一月、二月の実績におきましては、予想外の高い電力料金を消費者にお支拂いを願いました。その結果としまして、配電会社は予想以上の増收が現われたということは、おおうことのできない事実であります。御指摘のように、値上げの程度は三割二分二厘が確かにねらいであります。その三割二分二厘の根拠というものは、旧料金制度におきまして、五千七百円ベースの電産職員の賃金しか盛り込んでいない。しかるに実際のベースは七千百円ベースになつておるので、この差額が赤字になるのである。それから補修費といたしまして——火力の出力を増やすための補修費といたしまして所要いたします経費は約百四十七億円程度である。それが旧料金の中に盛り込んでおりますのは、九十六億円でありますので、この差額を補填しなかつたならば、本年の二月に予想される渇水期の時期において、火力の出力が間に合わなくなるであろう。かようなことでそれを織り込みましたこと、それから火力発電を増強いたしまして、渇水期に備えるための所要出力を出すためには、従来旧料金の当時、三百六十五万トンの石炭をたいて参りましたが、四百七十万トンの石炭をたくという、その約百万トンの石炭代金を盛り込みました。その他諸雑費において、今まで欠けておりましたのを補正いたしましたのが、新料金の三割二分二厘であります。そこでこれを実施するにおきましては、安本において昭和二十三年度は異常豊水の時期であつて、これを実績ととることは、はなはだ間違つておるということで昭和二十三年度の実績を除外いたしました。昭和二十二年から過去六年間の実績をとりまして、それによつてあみ出したものが、水力としましてはこの程度が標準割当になる。これがいわゆる安い九銭なら九銭の電気であるという線を引きまして、それらの電気は電力の量としては十分供給できるが、料金は火力に依存するから、高い料金を拂つてもらいたい。一キロ八円なら八円、こういうものに組み立てられたのでありますが、意外にも本年は暖冬異変と申しますが、非常な豊水でありまして、一月においては約五億キロワツト・アワー、二月におきましては四億一千キロワツト・アワーの水力の出力が多くなりました。その結果非常に配電会社に有利な計算となつて、水力の安い電気を火力の高い料金で売つたという結果が生まれたのであります。しかしながらもともとこの基準の割当につきまして、通商産業省としましては、資源庁の電力局が中心となりまして、交渉にあたつて参つたのでありますが、そこにはいまだ十分の折衝が遂げられていないので、幾多の欠陷のあることを認めました。従いまして一月の中間におきまして、ぜひともこの水力に対する増加出力に対する臨時変更割当をしたいということを考えまして、安本の方では来年は直すから、この四半期だけはこのままに置いてくれということでありましたが、需用家に対する影響、すなわち産業経済に及ぼします影響を考えてみますと、とてもほつておける問題ではありませんので、ただちに司令部の方にも交渉を開始いたしまして、一月分から訂正の要求をいたしたのであります。すなわち出力増加の分に対しまする臨時割当——かりに五億ふえておつても、五億全部やつてくれというのではない。その中に三億なら三億をとらえて、ぜひともゆがんだ料金を是正してもらいたいということを、正式に交渉いたしましたところ、これは途中で直すべきものではない。さかのぼつてやつても、何らの実効を收めることはできない。かような理由のもとに、司令部からわれわれの方の申出を拒否せられたわけであります。これが一月三十一日と記憶いたしております。ところがさようなことで拒否せられて、これをそのまま受入れておるわけには、国内の事情が許しません。そこでさらに安本をも督励いたしまして——督励という言葉は過ぎるかもしれませんが、簡單な言葉で申し上げれば、いわゆる官庁同士の、一つのけんかとさえ見られるような、強い申入れをいたしまして、二月の十日を期限とする再交渉をいたしました結果、一億キロワツト・アワーに対します増加割当を許されまして、二月十一日にこれを許される命令が参つたわけであります。そこでとりあえず七千万キロワツト・アワーを大口電力に、それから三十万キロワツト・アワーを小口電力にと配当いたしまして、二月分はでこぼこを一応是正したのでありますが、特に業務用と申しまして、病院とか、学校とか、官庁経営のもので、予算に押えられておりますものは、病院においても電気の料金のために、手術を休まなければならぬ。どんな手術があつても、これ以上使うことができないというような矛盾もありまして、これらの是正にも非常に苦しみましたが、一応安本で押えておりました五千三百七十万キロワツト・アワーというような、これらの余剰電力、あるいは深夜間の電力までを、あらゆるものを動員いたしまして、その不備を是正して参つたわけであります。なお細密に検討してみますと、火力の電気も、宇部の三番火力発電所を標準として、原価計算してありますが、この原価は少々高過ぎると思いまして、これをどうしても真実の原価に直すべきである。その他水力の割当に対する見方につきましても、あまりに配電会社等の渇水期における火力をもつて、水力を負担いたします危險を恐れたためか、あまりに余裕を見過ぎております。こういうものを全部是正すべきである。こういう考え方から、つい半月ばかり前から、来年度の割当につきましては、十分な検討を続けて参りました。ただいまもまだ、安本の方と意見の一致を見てはありませんが、通商産業省としましては、断固従来の方法を改めまして、二十五年度は、年間計画を今度は立てるわけでありますから、二十五年度の基本的な考え方は、まず水力の二十四年の実績——但し第四・四半期は、このゆがんだ料金制度でありましたから、その実績は別といたしまして、超過料金——旧料金制度で拂つて参りました超過料金に値する電力の量は除算いたしますが、普通料金で使いました電力の実績を、まず保障して参る。そのうち渇水期に備えまして、五分や三分の余裕を見ることはやむを得ないといたしましても、原則は二十四年度の実績に対するものを基準電力量をして、水力の値段で配当するこういう基本方針を立てまして、そうして火力はさらに原価計算を綿密にいたしまして、これを引下げる、こういう方向でただいま交渉しております。明日省内におきまして午前九時半から兼任大臣も交えて当省の腹を最後的に決定いたしまして、全体会議を持ちまして、閣議決定を経まして、それぞれその制度をやつて参りたいと思います。この実施をいたしますると、第四・四半期に現われましたような変調的な料金制度はあとかたもなく消えまして、そうして小口電力におきましては、三割二分二厘よりも若干高くなりまして、四割五分という線は出ると思いますが、その他の全体を平均いたしますと、おおむね三割二部二厘に近くなつて参る、かように考えております。なお二十五年の四半期を始めましてさらに矛盾の点がありますれば、もう一度交渉いたしまして、この点も直したい、かようなことでせつかく努力いたしております。おそらく二十五年度におきましては、第四・四半期において現われましたような五倍とか六倍、あるいは病院で業務用の電気がなくて手術ができないとか、学校の授業ができないとかいうような、かようなことはまずない、こう申し上げてもよろしいと思うのであります。ただ料金の点につきましては、相当民有、民営の分断関係も迫つておりますので、各配電会社等のいわゆる経営者としての立場の要求も熾烈でありますので、今後の交渉はかなり骨が折れると思いますが、通商産業省といたしましては、ぜひとも全消費者のためにいわゆる電気の公益性を十分心といたしまして、交渉いたしまして、今回の失敗を再び繰返さないようにいたしたいと、努力いたしておるわけでありますので、国会としましても、何とぞ通商省の立場を御後援をいただきまして、声を大にいたしまして、ひとつあと押しをお願いしたい、かように思う次第であります。
○澁谷委員長代理 本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもつてお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時八分散会