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7回国会衆議院1950/02/18

通商産業委員会 第10号

発言数
3
登壇者
3
会派数
1
開催日
1950/02/18

会議録

神田博民主自由党

○神田委員長代理 これより通商産業委員会を開会いたします。  前会に引続き私が委員長の職務を行います。  まず電気に関する件を議題としてその調査を進めます。電気の問題につきましては、電力料金の改訂の問題あるいは電源開発等に関する重要な問題がございますが、まず電気事業再編成について、政府の説明を求めます。

始関伊平資源庁長官

○始関政府委員 電気事業の再編成につきましては、政府の案が正式にきまつたということを申し上げる段階に至つておりませんので、ただいま神田委員長代理が申されましたように、再編成の今日までの経過と委員会の答申、その答申が通産省に出されました後における交渉の経緯等につきまして、お話を申し上げたいと存じます。  電気事業再編成の問題は、昭和二十三年二月に日発と九つの配電会社が、いわゆる過度経済力集中排除法によつて、指定を受けましたときから始まつたのでございますが、それ以後今日までの経過につきましての簡単な資料がございますが、きようはちよつと部数が足りませんので、後刻お手元に差上げることにいたしたいと存じます。この経済力集中排除の指定がございまして、その関係の事務は御承知のように持株会社整理委員会が、担当しておるわけでございますが、その整理委員会からの要求に基きまして、日発、配電会社はそれぞれ再編計画というものを提出いたしまして、日発は全国を通ずる発送、配電事業の一社化案、日本中の電気施設をすべて日発が掌握いたしまして、発送電のほかに配電までも全部一社でやるという案を提出いたしたのであります。それから各配電会社は現行の配電会社の営業地域を基礎にいたしまして、発送、配電のその地区内での一貫作業をやるという会社をつくる、そういう案を提出いたした次第でございます。  かような関係で、従来商工省並びにその後の通産省、というよりもむしろ持株会社整理委員会が、この問題を扱うべき立場にあつたと思うのでありますが、通産省といたしましては、いわゆる再編成がやむを得ないにいたしましても、その方法並びに時期等につきましては、できるだけ現状に即したむりのない形でやつて参りたいという立場からいたしまして、昭和二十三年四月、当時の水谷商工大臣は、この問題の重要性にかんがみまして、どういうふうな再編成案をつくつたらいいかということで、民間の各方面の方々十九名の方にお願いいたしまして、電気事業の民主化委員会というものを設置いたしたのでございます。これは大山松次郎氏が委員長になりまして、案を決定いたしたのでございますが、その案の要旨は本州と九州の電気事業は、当分の間現状のままにする。それから北海道と四国における電気事業は、発送、配電を一本化しまして、別の新会社を設立する。第三点といたしまして、電力管理法、それから日本発送電株式会社法は廃止いたしまして、電気事業経営の自主性を尊重するために、これに対する政府の監督はできるだけ緩和する。但しこういう事情でございますから、最小限度の本質的な監督は必要でございますが、できるだけ事業自体の一元性を確立し、自主性も尊重するというような建前の答申があつたのでございます。これがいわゆる大山案でございます。これは昭和二十三年の十月にこの答申が出ております。その間におきまして、各方面でも再編成の問題が討議せられたのでございますが、電気産業労働組合におきましては、先ほどの日発の案と同じような発送、配電の全国一社化案というものが出て参りました。それから府県の代表の方々からは、配電事業だけは都道府県の経営にすべきではないかというような案が、提示せられたような次第であります。それからGHQの方面におきましては、いわゆる五人委員会というものがございまして、この再編成の問題につきまして、いろいろ検討を加えたようでございます。この五人委員会の再編成案は、まだ発表せられるまでに至つておりませんが、仄聞するところによりますと、地区別な発送、配電の一元化運営の会社をつくるのでございますが、ただ関西のブロツクに中部地区、名古屋地区、北陸地区をぶち込む、そういうようないわゆる七社案でございますが、その案が伝えられておるわけでございます。  政府といたしましては、先ほど申し上げましたように、再編成が今日の経済安定の度合、あるいは電源開発ができまするまでは、供給がとかく不足がちであるというような理由からいたしまして、これはなるべく延期したらいいじやないかということ、また再編成のやり方につきましては、政府の委員会でこれを検討したいということを、従来からGHQの方に懇請して参つたのでございますが、昨年の六月八日に至りまして、稲垣通産大臣がマーカツト経済科学局長に対しまして、もし再編成の指令が出されるという場合いにおきましては、あらかじめ政府の意向を徴されたい、こういうことを希望する。     〔神田委員長代理退席、村上(勇)委員長代理着席〕 さらに指令の内容は再編成の基本的な方針を規定するだけにとどめまして、具体的の実施案は、政府が内閣に設ける電力審議会で検討して、作成することにいたしたいということ。それから再編成の実施は、経済の状況に応じまして、時間的あるいは地域的な段階を設けて、実施するようにされたいということの要請をいたしたのでございます。これは昨年の六月でございますが、その後いろいろ交渉の結果、民主的な委員会を設置するということを先方が承認されまして、電気事業再編成の方針、それから実施のための具体的措置、並びに電力行政機構の再編成案というものを、審議勧告するための、一つの委員会を通産省に置くということになつたわけでございます。そこでその委員会が十一月の四日の閣議決定によりまして、通産省に設置せられました。この答申が二月の一日にあつたわけでございます。この委員会の答申案の内容につきましては、お手元に配付いたしてございます資料によりまして、その後の交渉の経緯だけを簡單に申し上げたいと存じます。  政府といたしましては、この委員会の答申を、先方に翻訳いたしたものを送付いたしておつたのでありますが、二月の十一日付をもちまして、十五日までに政府の案をきめて出してもらいたいということを申して来られました。そこで通産省といたしましては、一応後ほど申し上げますような考え方によりまして、いわゆる松永案なるものを、政府案として採用いたしたいということを申し上げたのでございます。そのまま先方との間に話がつきませんので、今日に立至つているという状況であります。これらの点につきましては、委員会の答申の御説明をいたしました後にやや詳細に申し上げたいと存じます。  そこでこの通産省の電気事業再編成審議会が、どういう答申をいたしたかということでございますが、これはお手元に資料がお配りしてあると思いますが、その資料によつて申し上げたいと存じます。電気事業の再編成の基本的な方針といたしましては、従来の国家管理体制を廃しまして、民有、民営という原則でやる、これが第一でございます。それから第二に発送、配電を一貫経営という建前でやる。なお第三に規模を適正にいたしますために、地域的な電気事業会社を新設する。大体こういつたようなことにいたしまして、電気事業の発展と、それから消費者並びにこの電気事業に対する投資者を保護するという事柄を、基本的な線といたしまして、審議を進めて参つたのでございます。そういうことになりますと、この数は別といたしまして、幾つかの地域的な会社をつくるということに、結論がなるわけでございます。この委員会といたしましても、長い目で見て換算をいたします場合におきましては、この地域を限定いたしました幾つかの発送、配電の一元会社をつくるということが妥当であろうか。日本の現状におきましては、まだ経済の回復が十分に行つていない。それから電源の開発は一生懸命やつておるのでありますが、とかく電気が不足であるという点、さらにいわゆる分断をいたしますと、料金の方面にも相当な地域差が出て来るという点からいたしまして、暫定的に一つの電力融通会社というようなものを設置いたしまして、これによつて再編成による急激な変化からくる悪影響、電力が不融通になるのではないかという点を、それから電気料金の地域差が大きくなるのではないかという点を、是正して参つたらどうかという考え方になりました。これがいわゆる融通会社案でございますが、この案が委員会の答申として正式に採択せられまして、前の方のそういう過渡的な手段を廃しまして、九つの会社にしたいというのが、少数案でございますが、これがいわゆる松永案ということになつております。  電気事業の再編成をいたしますことは、先ほど申し上げましたような趣旨においてやるわけでありますが、いずれにいたしましても、利害得失が相当にあるということは免れがたいのであります。その害の方面といたしましては、幾つかの会社に分断せられますと、相互の間の電力の融通が、今の日発が一元的な管理をいたしております場合に比べまして、相当きゆうくつになる、不円滑になるという点が、一つあげられると思うのであります。その点の見方が、委員会の正式の答申におきましては、相当大きいだろう。つまり本州中央部の両用サイクルの発電地帶を中心といたしまして、ただいまの態勢では、日発が一元的な給電管理をいたしまして、方々のしよつちゆう動きます需要と発電を巧みに、むだのないように結びつけておる、そういう点が分断によりますと、やや不円滑になるという点が、技術的な問題になりますが、一点。もう一つはとかく電力が不足がちでございますから、一つのブロツクから他のブロツクに送るということは、今度できまする公益事業委員会が、監督いたすことではありますけれども、それだけで、はたして十分に行くだろうか、どうだろうかという点の見方からいたしまして、分断いたしました場合には、そういう点の影響が相当に大きいという見方から、すぐに分断しては困るという議論で進めておるわけであります。  それから料金の問題につきましては、将来におきまして、各地域の会社が独立採算制によりまして、自由経営をやることはもちろんけつこうであるが、さしあたりの問題としては、相当に料金差が大きくなるという点からいたしまして、これは産業への影響が大きいではないかというような考え方をいたしたわけでございます。日本の経済の安定、需給の均衡ということが、もう少し達成せられた後におきまして、ほんとうにすつきりした電気事業の再編成をやつたら、いいじやないかという考え方でございます。その案の具体的な内容と、それから先ほど申しました電力の融通が不円滑になる、あるいは地域差が大きくなるということを、どの程度に考えておるかということを簡單に申し上げます。これは資料によつてごらん願いますと、二の具体方策というところがございますが、発送電会社と、九つの配電会社は解体いたしまして、これに照応いたしまする九ブロツク会社を設ける。それから同時に分割による電力不足の激化と、料金の不均衡の地域差の増大を防止いたしますために、地帶間の電力融通を主眼とする新会社を設けるということであります。従いましてできます会社は、融通会社のほかに北海道、東北、関東、中部、北陸、関西、中国、四国、それから九州、この九つの電力会社ができるわけでございます。電力融通会社の構想は、自分自身の供給地域は持ちませんで、ブロツク会社に対する電力の融通と、大口需用者には場合によつては直配いたすわけでありますが、いわゆる配電は原則としてやらない。まあ日発の小型のようなものでございますが、その日発の現在の発電設備のうちで、水力で二百十二万キロワツト、火力で九十七万キロワツト、合計三百九万キロワツト、これは発送電会社の現有設備の大体四割二分でございますが、こういうものをこの会社に所属せしめたい、こういう案でございます。従いましてそれを除きましたものが、各九つのブロツク会社に、その設備がついて参る、こういうことになると思います。  しからばこういうブロツク会社のほかに融通会社を設けるにつきまして、分断することの惡い方の影響を、委員会がどう見ておるかということであります。これはここに資料がございますが、この資料は当局の資料ではございませんで、すべて委員会自体の固有の資料と、御承知を願いたいのであります。現在におきまして、年間の電力量つまりキロワツト・アワーにおきましても、最大電力におきましても相当な電力の不足があるのであるが、再編成をいたしますと、先ほど申し上げましたような事情で、地域間の融通ということはどうしてもきゆうくつになりますので、そのどの程度という問題につきましては、年間の電力量で一〇・九%、最大の電力で一四・八%約一五%、これだけの電力不足と申しますか、つまり受ける方から見ればそれだけのものがうまく入つて来ないということになると思うのでありますが、そういうものが新たに加重される。なおただいま申しましたキロワツト・アワーで一〇%、最大電力で一四%という、その点の見方につきまして、松永案と相当の開きがあるのでありますが、松永案がこの点をどう見ておるかということは、後に申し上げたいと思います。  それから料金差につきましては、極力融通をやつたといたしましても、北陸が最低でありますが、その最低と最高との開きは、一対四になるだろうということであります。この料金差についての見方も、当局の資料ではございません。それでこういうような急激な変化が生ずるのでありまして、公益事業委員会というものが今度別にできまして、会社相互の調整その他をやるわけでありますが、地帶間の電力融通確保という点も、公益事業委員会の主たる任務でございますけれども、公益事業委員会の監督指導のみによりましては、現在日発が一元的な給電の管理をやつておりますような、そういう程度の操作はとてもできない。そのできない程度はどうかといいますと、ただいま申し上げます通り非常に大きい、こういう見方に立つておると思います。  それからいわゆる融通会社に保留すべき設備の総量は、ただいま申し上げたのでございますが、具体的には、たとえば信濃川の水系、天龍川の水系等いろいろございますが、これもお手元の資料によつてごらんを願いたいと存じます。  この委員会の正式の答申に対しまして対立いたしましたのが、いわゆる松永案でございまして、松永案の特色は、融通会社は設けない。そのかわり、ということもございませんが、関東の地区と関西の地区は御承知のように日本の最大の電力の消費地帶でございますが、この地区の会社の地域は、現在のそれぞれの配電地域の地区でございますけれども、電源につきましては、必ずしもその地区のものに限りませんで、たとえば猪苗代湖の電源は、関東につける、それから信越、北陸方面の電源もそれぞれ関東、関西の両電力会社に所属せしめるという点が、一つの大きな特色でございます。そういうことになりますと、結局地帶間の電力の融通というものは相当に少くなり、歴史的に見、その他実情からいたしまして、日本の一番大きい電気需用地帶である関東、関西に必要な電源をそこにつけますので、そういたしますと、関東と関西の需給のバランスが、比較的とりやすいわけでありまして、地帶間の電気の融通の量が、そういうことになると、平均いたしまして——これもお手元に差上げました資料の第二表の(一)というところについてございますが、約三%程度になるのではないか。三%程度ということになりますと、たとえば九州なら九州、中国なら中国の必要といたしまする総電力量に対して、比重が小さいのみならず、会社相互の契約、それを監督いたしまするレギユラトリー・ボデーの力によりまして、日発が一元的にやりますときに比べますれば、若干の不便不利はございましようけれども、先ほど申しました正式の答申のような大きいことはない。まずいわゆる再編成がねらつておりまするほかのいろいろの長所を、実現するという建前からいたしまして、この程度の——三%の全部が無論ロスになるのではないのでありまして、そのうちの若干が不円滑になつたといたしましても、それはやむを得ないのではなかろうかというような見解に立つておるのではないかと存ずるのでございますが、そういうようなのが、松永案の骨子なのであります。なおこの松永案におきまして、必要な電源を関東と関西にくつつけました場合の必要といたしまする融通量の平均が、三%程度だということも、これは役所の資料ではございませんので、これらの点につきましては、いずれ適当な時期において当局の見ました調べに基きまして、資料を差上げまして、また御検討をいただくということにいたしたいと存じます。  さてこういう二案があつたのでございますが、この両案のいずれに対しましても、GHQは賛成でないのでありまして、二月十一日、先ほど申し上げた資料でありますが、これは報告を見たことについての意見と、それから政府の意見の提出を催促して参つたのでございます。後ほど差上げますが、これによりますと、報告書つまりいわゆる融通会社案につきましては、これは現存の経済力の過度の集中の排除を要求し、かつ公益事業委員会についての問題は、まだ御説明申し上げておりませんが、要するに分割自体につきましては、現存の経済力の過度の集中の排除を要求した当方指示の基本的な規定を盛込み得なかつたということは明らかであります。報告を検討した結果不満であります。それから松永氏の個人的な勧告案も期待せられている成果をあげることを得なかつた、こういうふうなことを、こちらの案が出ます前に、すでにGHQから通産大臣あてに言つて参つたわけでございまして、なおそれにもかかわらず二月十五日までに案を出せ、適切な政府の計画を提出して審査を受けろ、こういうことを申して参つたのでございます。それから政府が一応どういう案を出したかということを申し上げます前に、もう一つの問題といたしまして、電力の行政機構につきまして、ただいまの通産省の電力局を廃止いたしまして、五人の委員、これは衆議院の承認を得まして総理大臣が任命する委員でございますが、五人の委員からなりまする公益事業委員会というものを設けまして、これが電気事業の監督、いわゆる調整をやる。従来のような国家管理あるいは国家統制という思想ではございませんで、電気事業者と消費者、あるいは電気事業者相互というような、当事者相互の話合いに大体まかせるのを原則といたしまして、その話合いがうまくつきません場合に、それをレギユレートするのだという観念と思いますが、そういうものをつくる。まあこれに事務局をつくるわけでございますが、この点につきましても非常に大きい見解の相違がございます。GHQの意向は、この委員会を内閣の外局のような形で置きまして、予算や人事につきましてはもちろん政府の一部局として、当然内閣のもとに立つわけでありますけれども、政策の実行につきましては、内閣から独立であるものにしろ、ちようど人事院のようなものを御想像願いますと、非常にそれに近いだろうと思いますが、そういうようなことにして参る。これに対しまして日本の現状といたしましては、電気事業だけそういう独自の立場でやられましては、いろいろ困る点があるわけでございまして、御承知のように料金の問題、あるいは需給調整の問題にいたしましても、いずれも産業政策あるいは国民生活と、非常に密接な関係がございますので、政府といたしましては、いやこの委員会といたしましても、そういう委員会は重要な政策面については、内閣の決定に服する。重要な政策と申しますと、たとえば電源開発をどうする。どの地点の電源開発をやるとか、あるいは料金の決定をどうする、ないしは需給調整をどうする、あるいは電気の緊急遮断をどうするとか、いろいろございましようと思いますが、そういう重要な政策については、政府の決定、内閣の決定に服するということにいたしたいという点が、向うとこちらとの意見の根本的な違いでございまして、そういうつまり独立でないような性格を持つた委員会につきましても、不滿であるということを、先ほど申し上げました二月の十一日付の通牒でも申しておるのであります。こういう経緯でございます。  そこで、二月の十五日に、一応通産省といたしまして、どういう案を向うに出したか、という点を御説明申し上げるわけでございますが、その前にちよつと一点落しましたので、つけ加えます。先ほど申しました委員会の正式答申、いわゆる松永試案のほかに、十ブロツク案というものがございまして、これは一月十九日に委員会がGHQのミスター・ケネデイといろいろ話をいたしました際に、先方から提議のあつたものであります。これは大体福島県の半分と新潟、長野の北半分、そういつたような地域の会社をもう一つ、要するにあの方面は非常な電源地帶でございますが、その地域だけを別に一まとめにした会社をつくりまして、合計十箇の会社をつくれというような意思表示が、先方から委員会の方にございました。これに対しまして委員会といたしましては、いろいろ検討いたしました結果、電源地帶と消費地帶とを、ことさらに分離するような不自然なかつこうは、困るという点からいたしまして、十ブロツク案は適当でないということを、答申案の内容において、はつきり書きまして、まあ先方の提案を委員会といたしましては承認しなかつたと申しますか、そういうふうな意見であつたのであります。そこで政府といたしましては、とにかくニ月十五日までにこの資料を出すということになりました結果、一応これが政府の正式な答申というかどうかという点につきましては、冒頭にお答えいたしましたように、先方との関係におきましても、その他いろいろ問題があるのでございますが、一応の考え方といたしましては、再編成自体につきましては、おおむね松永案による九分割を実施したい。その理由といたしましては、第一にこれで大体においてブロツク内の電力需給のバランスがほぼ達成せられるではないか。それから民有民営の発送、配電の一貫運営によりまして、経営の合理化、サービスの改善をはかり得るのではないか。それから第三に水力発電所と火力発電所とを不可分の一体として、運営することができるではないか。以上のような考え方によりまして、松永案にきめる。なお松永案についてのGHQの一番大きい反対意見は、松永案が先ほど申しましたように、自分の地区以外に電源を持つという点でございますが、その点につきましては、供給区域外に発電所を持つても、これは経済力の集中排除という点からいつても、さほどおかしいというふうには考えられないのではないかということ、それから先ほど申し上げましたように、われわれは九分割の場合にも、融通を必要とする量については必ずしも三%程度だというようには、考えておらないのでございますけれども、とにかく相互の融通量はそれほど大きくはないから、公益事業委員会の調整措置によりまして、電力不足の結果を防止することができる。従いまして電力融通会社を設置しようという案は、いわゆる再編成の本旨から申しましても適当ではございませんし、ただいま申しましたような融通量が少いということと、調整措置が必ずしも不可能ではなかろうというような考え方からいたしまして、その点は必要がなかろうというふうに考えた次第でございます。ただ問題は電気料金の問題でございまして、この問題につきましては、一部地域のある基幹的な産業が、存立を危うくされるというような事態ができては困るのでありまして、御承知のように産業が電気を使う場合にも、いろいろな使い方がございまして、動力用に使うというような場合につきましては、いずれにいたしましても、それほどの深刻な問題はないのではなかろうかと存じますが、たとえば電気化学工業でございますとか、その他電炉関係の作業等につきまして、非常に深刻な影響があるということであれば、一定の期間、地域、産業の種類を限定いたしまして、たとえば国庫から調整補給金のようなものをやるとか何とかいうふうなことを考える必要があるのではなかろうかということを、作案いたしましたものの中にもつけ加えましたような次第でございます。ただ松永案の中で一部の発電所の帰属につきまして、不適当なものがあるとも考えられますので、そういう点の細目は、原則的な問題の決定ができましたあとで、相談いたしたい。  それから公益事業委員会の方の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、これは公益事業委員会が、完全に独立な機関として活動して参るということは、日本の実情に即しませんので、電気事業委員会の答申をそのまま採用いたしまして、つまり先ほど申しましたように、流用政策については、閣議決定に従うという案で参りたいということを申しておるのであります。これに対しまして、これは二月の十一日の案で、向うの通牒で不賛成の意思表示がございましたものを、押し返して参つたような点もございます。その他いろいろな事情からいたしまして、もちろんこれは御審議願う政府の正式の案というような段階になつているものでないことは、最初にお断りを申し上げたような次第であります。  一応再編成の問題につきまして、今日までの経緯、それから問題になつておりますような点につきまして、御説明を申し上げた次第でございます。

村上勇民主自由党

○村上(勇)委員長代理 これにて散会いたします。     午後零時三分散会

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