地方行政委員会公聴会 第1号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/04/10
会議録
○中島委員長 これより地方行政委員会公聴会を開きます。 さて本委員会におきましては、地方税法案が去る三月二十二百付託せられて以来、連日審査をいたして参つたりでありますが、委員会が特に本日より三日間公聽会を開きまして、地方税制の改革について、真に利害関係を有する者及び学識経験者等より、広く意見を聞くことといたしましたゆえんのものは、申すまでもなく、本法案は国民生活に影響するところきわめて大なるものがあり、従いまして一般国民諸君の本案に対する関心も、まことに大きいものがあるのでありまして、御承知のごとく今次の国及び地方を通じての税制改革は、わが国の税制創始以来の画期的なものであり、特に附加価値税、固定資産税及び市町村民税の三大新税の創設、道府県税体系と市町村税体系との明確なる分離及び賦課徴收手続の明確化等、著しい特色を有するものでありまして、国民各層におきましても、賛否の意見が活発に展開されている現状にかんがみ、本委員会は地方税法案の審査にあたり、国民諸君の声を聞き、広く国民の輿論を反映せしめ、本案の審査を一層権威あらしめると同時に、その審査に遺憾なからしめんとするにほかならたいからであります。本委員会といたしましては、本日公述人各位の熱心かつ豊富なる御意見を承ることができますことは、本委員会今後の法案審議の上に多大の参考となるものと、深く期待する次第であります。私は本委員会を代表して、御多忙中のところ貴重なる時間をさかれまして、御出席下さいました公述人各位に対しまして、厚く御礼を申し上げますとともに、各位の忌憚なき御意見の陳述を希望する次第であります。 さらに本百の議事の順序につきまして簡單に申し上げますが、公述人各位の発言は、発言席でお願いいたします。そのときは御職業等と氏名をお述べいただきたいと存じます。 本日御出席の公述人の氏名を申し上げますと、中村迪君、澁谷健一君、大島竹治君、河野貞三郎君、萩澤公彦君、小田原大法君、天野一男君、信近高雄君、森熊主君、以上でございます。 委員長はただいまより司令部に出席しなければなりませんので、しばらく川西理事に委員長代理をお願いしたいと思います。 〔委員長退席、川西委員長代理着席〕
○川西委員長代理 それでは中村迪君より発言を願います。ちよつと皆様に申し上げますが、大体序論のようなことはみなわかつておりますから省略していただいて、十五分内外の見当でお願いいたします。
○中村公述人 私、日本農民組合の中村迪であります。今回の地方税法の改正案につきまして、日本農民組合としてどのような見解を持つておるかということにつきまして、概略公述いたしたいと存じます。序論的なことは省略いたしまして、ただちに三大地方税といわれております附加価値税、固定資産税及び市町村民税につきまして、われわれがいかなる態度を持つておるかということを申し上げてみます。 第一に附加価値税についてでありますが、本税は、従来都道府県の本税及び市町村の附加税を合しまして、五百二十億円の收入を上げていた事業税にかわりまして、二十主年度において約四百四十億円の收入を上げようとするものであります。その課税標準は、事業の総売上げ金額から特定の支出金額を控除した金額、つまり控除式方式によつて算定されるように改正案には規定されております。これは要するに個別事業が企業活動の結果、国民所得の純増加に寄與した価値を捕捉して、これに課税しようとするものであります。ところでこの附加価値税について第一点、問題となりますことは、これが收益があろうとなかろうと、課税しようとする課税方式を持つておることでございます。従来の事業税は、收益に対して課税されておりましたから、担税力が伴つていたのでありますが、この附加価値税では、純益の有無は問題でなく、本税の課税客体が事業さえ行つておれば、そこに課税しようとする、まことに世界に類例がないといわれる課税方式が適用されようとしておるのでございます。つまり附加価値税のうちには、事業経営上きわめて高い重要度を示す人件費、つまり労働者に対する労賃、使用者に対する給與などの人件費の支出額が含まれますので、これらの人件費が必要経費として控除されていた従来の事業税に比べまして、附加価値税における課税標準は、事業税のそれよりも極端にふくれ上るわけなのでございます。従いまして支拂い給與額が多い事業は、それだけ附加価値は多いということになりまして、これらは利潤ではないのでありますから、実質的には担税能力がないわけであります。しかるにもかかわらず企業の採算上、收益がなくとも、給與を支拂つておる限りにおきましては、附加価値として捕捉されて、課税されるのでございます。そこで問題は、ドツジ安定計画によつて経済の循環に非常な破綻が生じつつあるわが国の現在の経済に対しまして、この新税を実施した場合、短期的に見てどのような作川や効果が現われるかということでございます。申し上げるまでもなくシャウプ使節団は、恒久的に変化のない税制の確立を勧告しておるのでございますが、今回の地方税の改正案につきまして、われわれは特に留意しなければならない点は、かかる長期的な効果についてではなく、いわば経済の激動期におきます短期的な効果について、留意を拂わなければならぬと思うのでございます。そこでその短期的な効果から見まして、附加価値税がいかなる作用を経済に対して及ぼすかということを、ちよつと考えてみたいと思うのであります。シャウプ勧告におきましては、附加価値税の少くとも一部の転嫁を予想されておるようでありまして、企業家側も多かれ少なかれそれが価格の中に織込まれまして転嫁されて行くならば、企業としては税金の一時立てかえ拂いをするにすぎず、あまり負担にはなるまいと見ておるようでございます。しかしながらこの転嫁の可能性はほとんどないものと見るのが至当であります。この点につきましては、企業家も一致して不安を抱いているところでありまして、資本正義的な企業が正常な企業採算に乗つて、生産販売を継続し得るような、生産と消費とが均衡した経済のもとにありますならば、ある程度の転嫁はできるでございましよう。しかし現在のわが国経済は、全体としての有効需要は減退し、滞貨は激増し、生産財生産部門と消費財生産部門の相互循環にはひびが入りますし、工業と農業との相互需要は、不安定な状態に置かれておるのでございます。このような不均衡経済のもとにおきまして、四百四十億円という巨額の附加価値税の転嫁を許す購買力の存在を期待することは、とうてい不可能であろうと存じます。 なおこの附加価値税の転嫁が可能でないとしました場合、いかなることが起るかということを、われわれは危惧しておるのでございます。その点を率直に申し上げてみますと、首切り、労働強化をもつて、企業家側が逃げるのではないかということが予測されるのであります。転嫁の可能性がないとしますと、ドツジ安定政策の強行、三百六十円の為替レートの設定などによつて、わが国の経済の合理化の必要を追られた経済は、その場合資本家が機械による合理化、資本の有機的構成を高めるという努力をする前に、労働者の首切り、労働強化等による人件費削減の道を選んだことは、周知の事実でございます。まして附加価値税が労働者や使用人に対する人件費の支拂い額にも課税され、この面から企業の採算を圧迫されることになりますならば、人員整理、労働強化を一層促進して、企業家は本税の負担を軽減する方法を講ずるでございましよう。 またこれが中小商工業の危機を深めることも、予測されるところでございます。なぜならば、收益の有無にかかわらず課税される。大企業や收益力の高い企業と、負担の不均衡を生ずるのであります。特に資本力の弱い中小商工業は、ドツジ安定計画に基きまして、收益力による競争を通じての優勝劣敗が、一層強要されておるのでございますが、これら金融の道を絶たれ、その危機を現在深めつつある状況でございます。これは税制の合理化ではない。つまり企業の集中に奉仕する租税政策であると、われわれは申さなけれぱならぬと存じます。しかも現在ドツジ政策によつて指導されるわが国の経済政策に、日本の自主的な産業構造の確立という目標が失われておることを考え合わせますならば、附加価値税ばこのような盲目的なわが国経済の再編成過程を、一層強化せしめる役割を果すのではないかと思います。 なお附加価値税が農業関係において問題になりますのは、農業協同組合についてでございます。農林省が先般十四組合について調査をしたところによりますと、剰余金の範囲内で本税を支拂えるものは、わずか一組合にすぎなくて、残りは附加価値税を支拂いますと、赤字になるという結果になつております。さらにはなはだしいことは、全国指導農業協同組合の調査によりますと、昭和二十三事業年度において、約四〇%のものが赤字組合であるといわれておりますが、これらは事業税ならば支拂わなくともよかつたのでございますが、附加価値税を課せられることとなりますと、赤字の上にさらに税金を支拂わなければならない状態になる次第でございます。農業協同組合にとつてこの附加価値税は、まさに決定的にその崩壞を早めるものではないかと、われわれ観測しておる次第でございます。 次に固定資産税についてでございますが、固定資産税につきましては、農業関係のみについて申し上げます。今回国会に提出されましたこの改正案によりますと、地租は自作農創設特別措置法第六條に規定する対価を二十二・五倍したものを農地価格とし、これを課税標準にされております。この計算によりますと、地租は反当りで田約一万七十円、畑で一万余円となります。この地価の標準税率一・七五を乗じたものが改正地租となるのでございます。それは田で現行の三倍、畑で約四倍という引上げでございます。二十五年度における固定資産税の收入予備額は五百三十億円となつておりますが、改正地租によつて計算しますと、田で七十五億四千二百万円、畑は二十八億三千三百万円、合計百三億七千五百万円となりまして、結局農民は農地だけで固定資産税收入総額の約二〇%を負担することになるのでございます。そのほか家屋や宅地を減価償却をする、農機具も含めますならば、さらに農民の負担割合は大幅になるものと予想されます。これも固定資産税の地租の地価につきまして、われわれが聞いたいことは、なぜこの地租を引上げるのかという一点でございます。 〔川西委員長代理退席、大泉委員長代理着席〕 シャウプ勧告は農地の引上げについても申し述べておりますが、農林省でこの理由を説明しておるところを聞いてみると、経済事情が変動するに応じて農地価格、小作料も変化するのが原則であり、現行農地価格及び小作料の改訂も、やむを得ぬとされる情勢に達したと言つておるようでございますが、その意味は、一般の物価が高くなつたのだから、農地価格も物価並に引上げるのが当然だということに理解されます。そうして農地価格を引上げておけば、地租の引上げ理由は自動的に成立するのでございますし、またその巻添えを食つて、小作料も当然値上げという筋道になるわけでございます。しかしこれは表面上の理由であるとわれわれは理解するのでございます。なぜかならば、農地価格は土地の收益価格を標準にして規定されるもので、改正案の二十二・五倍植上げは、これとは関係がないものでございまして、ただ物価水準を基準にしておる。つまり農地の收益価格は低い米価で低くくぎづけされておるのに、租税のために地租を一般物価の変動に照し合せて引上げ、一方におきましては地主に対して地租の納税を保障するために、小作料の値上げをしようというのが、今回現われておる小作料値上げの理由となつておるのでございます。しかしわれわれが今回の地租引上げにつきましては、基本的にはこれが高いか安いかを問題にしておるのではないのでございます。なぜかならば、單に收益計算上それが高いとか安いとかいうのではなくて、われわれは農地改革の意案をここでもう一度振りかえつて考えてみなければならないのではないかと思うのであります。たとえば農地価格の二二・五倍引上げは、地主、小作の搾取関係が支配しておりました過去における賃貸価格を、そのまま物価の変動に応じてふくらませようとする仕方でありますが、このような考え方は、農地改革下における農地の意義を、まつたく無視したものであるとわれわれ断定してはばからないものでございます。農地改革によつて多くの農民に解放された農地は、普通の商品のように、物価の変動に応じて高い安いの価格で評価される性質のものではございません。農地は売買を禁止され、自由な商品ではなく、しかもそこから生産される主要な農産物でおる米、麦等は、国家によつて低い価格で統制されており、自由が商品とはなり得ないのが原則でございます。それであるのにもかかわらず、他方においては地主に対しては地租の引上げに応じて小作料を値上げし、今もなお小作地所有の経済的條件を保障しようとするのでございます。われわれは單に地租や小作料額の高い安いのみに目を向けるのではなく、こういう農地改革の意義を抹殺する政策の本質に目を向け、今回の地方税法改正案に盛られました地租の値上げには、絶対に反対するものでございます。 次に市町村民税についてでございます。詳細は省略いたしまして、この市町村民税の負担額が大体二・五倍にはね上るという計算が行われておりますが、この背後には、一方において法人の負担が軽減されるのに反して、実は個人の負担額は総額で二・九倍にはね上るということが横たわつているのでございます。個人としてこの税の主要な納税義務者となる地方の勤労住民は、所得割と均等割とによつて増税分を背負わなければならないのに、法人はただ均等割のみを負担いたしまして、従来の所得割や資産割による課税は、廃止されるのでございます。これは今回の国税における法人税法の改正にあたりまして、法人に対する超過所得税の課税の廃止などによつて法人課税が軽減され、企業の租税負担を緩和して資本蓄積をはかるという租税政策の、地方税における現われだとわれわれは理解してしおります。しかもこの所得割につきましても、その内部的にも種々問題がありますが、われわれまず第一に所得割について問題といたしたいことは、いろいろな理由がございましようが、比例税率が用いられておることでございます。所得割は所得税附加税的な性質のものでございまして、一般に市町村民税は、いわば市町村住民に対する直接税的な性格を持つ税種と、われわれ理解いたします。従いまして所得割の税率には比例税率ではなく、累進税率が適用さるべきでありまして、かくするごとによつて租税政策にある程度の社会的合理性が実現し得るのでございます。この場合、累進税率を用いるときには、徴税上の計算が困難になり、増税にはあまり役立たないというような意味のことを、地方自治庁あたりでは申しておりますが、社会的合理性の前には、このような理由は問題にならないと存じます。 そこで結論的に申し上げてみますと、現在までのわが国の地方財政の実情は、いわば中央集権的な税制体系のもとに、その有力な收入源のほとんどすべてのものを、国家によつて奪われて来たのでございまして、そのため地方行政機関は、きわめて脆弱な財政基盤をしか持ち得ず、従つて地方自治の充実と発展は、はなはだしく阻害されて来たのでございます。それゆえ今回の地方税法改正案が、地方税制の自主性を強化し、有力な税源を地方団体に與えて、地方自治の物質的基盤を強化することを、その改正の方針としていることについては、その限りにおきましてわれわれ異議はございません。しかしこのような意図が、しからば国民の地方税負掛の合理化及び均衡化を確保するため、具体的な国民経済の実情と所得の分配関係に即して、どのような税制上の措置を講じようとしているかということとは、またまつたく別の問題でございます。そしてさらに進んで、われわれはその税制が終局において、いかなる国民経済の発展方向に奉仕しようとしておるのか、またいかなる地方政治のあり方に役立とうとしているのかということを、問題にしなければならないのでございます。この点について、以上私は今回の地方税法改正案において、三大地方税といわれる附加価値税、固定資産税及び住民税の主要な問題点を申し述べまして、われわれの態度の概略を明らかにして参つたのでございますが、結論として申し上げますと、今回の地方税法改正案には、われわれ全面的に反対いたすものでございます。日本政府は、單にシャウプ勧告の若干の修正や税率の調整をはかるのではなく、国民の総意に基いて、いかなる租税政策、特に地方における租税政策が講ぜらるべきかということを、あらためて用意すべき必要があるのではないかと存じます。 以上をもちまして私の公述を終ります。
○大泉委員長代理 御質問ありませんか。
○立花委員 中村さんに一つお聞きしたいのでございますが、現在でも農民の土地放棄と申しますか、耕作放棄の増加の傾向が見られるのでございますが、この地方税制の施行の結果といたしまして、農民の生産の面にどういうふうに響くか。言葉をかえて言いますと、主食の増産は可能であるかどうか、どういうふうに影響するか、これを具体的に御説明願いたいと思います。
○中村公述人 具体的にと申しますと、数字をもつてですか。
○立花委員 数字でなくてけつこうです。
○中村公述人 それにつきましては、單に地方税による負担の増額のみではなく、米価、またはそれに関連しまして今回の肥料の値上げ、その他税制面のみでなく、農家の收入支出経済に関する全般的な問題を考えなければならぬと思うのでございますが、 〔大泉委員長代理退席、川西委員長代理着席〕 われわれの考えるところ、またたとえば安本で出しております諸資料によつて検討いたしますと、この八月におきまする肥料の七〇値上げ、この負担は農家に対しまして、米麦だけの收入において約六十四億円の支出増加になると見込まれております。このような点を考えますと、農家経済全般としましては、今度の地方税の増徴は、非常な負担の増になるとわれわれは観測しております。
○大矢委員 今度の市町村民税の免税点が、御承知の通り法律では明らかになつておらない。それで少しでも働いておつて收入があると、人頭税と同じく課かることがある。農村はほとんど家族あげてやはり農業に従事しておりますから、勢いこの家族、未成年者をのけて、ほとんど課かるのではないかと思います。この政府の説明によると、約六〇%従来の課税体系よりはふえると思う。私の見るところでは農村なんかに六割どころではない。非常なふえ方になつております。二倍ぐらいにもなるのではないかと思います。それは数字でなくてもかまわぬですか、大体そういうことをお調べになつたことがあるかどうか。
○中村公述人 具体的に調べた数字は持ち合せておりませんが、われわれ政府関係筋から出ますいわゆる減税計算なる資料でございますが、これはあまり信用しておらないのでございます。なぜかと申しますと、本年度における所得、特に農民の所得を決定的に左右するものは、米麦の收入でございますが、この米麦の値上げによりまする名目的な收入増が、どの程度になるかということを測定いたさなければならないのでございますが、少くとも今予想されておりまする米麦価格によりますと、昨年よりも名目的な收入は相当ふえると思います。従いまして免税点以上に該当する農家は、昨年より若干ふえるのではないかと思います。しかしその点、国税法との関係でどういう相殺作用が出ますか、ちよつと計測に苦んでおります。
○塚田委員 ちよつとお尋ねいたしたいのでありますが、私どもも農業所得者の負担がどういうぐあいにかわつて来るかということには、非常な関心を持つておるのでありまして、ただいま中村公述人から、正確な数字をお持ちにならない、しかし政府の数字はあまり信用しないということをおつしやつたの七ありますが、私ども全面的に政府の数字を信用しておるわけじやないけれども、国税と地方税の全体の組立て方からすれば、私は農業者、農村の方は、やはり相当減税の効果が出ておると実は考えておるのです。それは例の扶養家族の範囲が広がつたのと、合算制の範囲が狭まつたのと、そういうぐあいで、ことに農業所得は政府の二十五年度の税收の予定から見ましても、大体單位農家当り十万円という標準の数字が出ておる。十万円くらいのところですと、一応政府の出しました数字から見ますれば、現行法で二万八千円程度のものが一万七千円程度になるというような数字になつておりますので、私は相当この階層、すなわち十万円ぐらいの所得階層に対しましては、負担軽減が強く出て来るというふうに思うのですが、そういう点に対して、今のお答えと大分感じが違うのでありますが、この点もし何か御資料をお持ちになつてお調べになつたものがあれば、ひとつお聞かせを願いたい。
○中村公述人 遺憾でございますが、われわれの持つております政府の資料等には、やはり負担減になつておりますが、先ほど私申し上げたような意味で、それを反駁するに足る資料を用意しておりません。
○川西委員長代理 質疑はございませんか。——それでは次の澁谷健一君。
○澁谷公述人 企業経営協会、十條製紙株式会社経理部長澁谷健一でございます。企業経営協会を代表いたしまして企業に最も関係の深い附加価値税と固定資産税につきまして、意見を陳述させていただきます。 今回の改正案のうち、この両税に関します最も問題となる点は、第一に、この両税がまつたく新しい税金でありますために、基礎統計資料が不十分かつ不完全でありまして、なお徴税見込み額の算定がきわめて過少であるという点であると考えます。第二は現下の経済情勢におきまして、この両税の転稼は、特殊の場合を除きまして、きわめて困難でありますから、企業に重大な影響を及ぼしまして、かつ負担の不均衡を来すおそれがあるという点でございます。 第一の徴收見込み額の算定が過少であるという点につきまして申し述べますれば、附加価値税はその課税標準でありまする附加価値が、地方自治庁の資料によりますと、一兆五千五百億円となつておるのでありますが、経済安定本部の資料によりますと、昭和二十五年国民所得中から、農業、林産業、鉱業を除きました附加価値相当額の二兆二千八百億円でありまして、この間に七千三百億円の食い違いがあることであります。かりに捕捉率を九〇%といたしましても、二兆五百億円でございまして、この場合五十億円の相違があるのでございます。いずれも政府発表の資料といたしましては、この相違があまりに大き過ぎるように考えるものであります。もし安本資料が確実であるといたしますれば、本改正案によりまして税率は第一種四%、第二種及び第三極三%をもつて課税が行われます場合におきましては、実際上におきまして二百七十億円ないし百八十五億円の過超徴收が行われるのではないかということを憂うるものであります。 次に固定資産税につきましては、その課税標準でありまする固定資産の価格が、土地及び家庭の評価を、把握率一〇〇%といたしまして、二兆七千九十四億円と査定されております。なお機械その他償却資産の評価を、基本価格の五二汚で押えまして、六千七百六十億円という低額に算定されておることであります。この把握率の五二%という率自体が、すでに基本価格の不確実を実証されておるばかりでなく、その把握が不当に低過ぎるということも明らかであります。評価決定にあたりましても実際に時価の五二%で査定されるということになりますれば問題はありませんが、本改正案によりますれば、課税標準は時価といたしまして、二十五年度に限り償却資金の価格は、原則として所得税法、法人税法において再評価のために認められまする最高限の価格とするということになつておるのでございますから、価格決定の際には、大幅に増額されることになるのであろうと考えられます。また徴收見込み額の算定にあたりましても、徴收率を土地、家屋九〇%としながら、同じ納税者を対象といたしまする償却費産について八〇%と引き下げられておりますことも、まつたく根拠がないと考えるのであります。かりに地方自治庁算定の償却資産の基本価格兆三千億円が適正であるといたしました場合は、この把握率九〇%でその価格は一兆一千七百億円となりますので、この徴收見込み額は、徴收率九〇%と抑えましても百八十四億円となりまずから、予定された徴收見込み額の九十三価円に対しまして、約倍額に増加を来すであろうと思われるのであります。この場合附加価値税、固定資産税の過越徴收額は、いかに処置されるものでございましようか。国民はこの点に関心を持つておるものでございます。もし過超徴收を地方自治体に許されるものといたしますれば、当然地方費の濫費が行われるでございましようし、またその自由裁量にゆだねまして、徴收額の減免を自出に許される場合におきましては、国民の間に不公平た課税が行われるであろうということを考えるものであります。 第二の問題でございまする転嫁が困難であつて、長州の不公平を来すという点につきましては、本来附加価値税と固定資産税は、ともに転嫁を前提とすべきものでありまするが、現行の経済情勢は、ドツジ・ラインの強行によりまして、深刻なるデフレ化の過程にあるのでありまして、特殊の一部事業を除きましては、その漸進転嫁はほとんど困難であります。もし基礎産業が漸準似嫁をなし得まして、第二次以後の関連産業が有効需要の面から転嫁がなし得ない。すなわち値上げによつてこの税負担を補填し得ないというような場合には、第二次以後の企業については、みずからの税負担と基礎産業からの転嫁税の二重圧迫をこうむりまして、非常な不均衡を来すことになると考えるのであります。 またこの両税は、企業にとつて固定費的な性格を持つものでありますから、操業度との関連におきまして、これが高まりますれば負担は軽くなる。低いものは負担が重いということは当然でありますが、業種によりまして、また実質的負担が異つて来るのであります。特に附加価値税はその本質上、利益がない企業、あるいは労務費、借入金利子の多い企業ほど負担が重くなりまして、また新規に設備の拡充のできる余裕のある企業の負担が軽いなど、労力作業を主といたしまする特殊企業、あるいは赤字企業、自己資金の充実していない弱体企業に負担が過重になるということは、不合理であろうかと考えるのであります。 当企業経営協会におきまして、価格政策について業棟別に調査しました結果を見ますると、附加価値税は従来の事業税に対しまして、製鉄業は六倍二分、建設業が五倍八分、自動車工業が四倍二分、紡績業が三倍三分、機械工業が二倍四分、化学工業が三倍一分、セメントが一倍二分、食品が一倍五分というようなことになつております。固定資産税につきましては、従来の不動産税に対しまして、電力会社が六十六倍、自動車工業が十六倍、化学工業が十三倍、製鉄業が十五倍、食品工業が十四倍、製紙業が八・七倍、紡績が十倍、セメントが十三倍というふうな、非常な増加を示しております。政府の徴收見込み額によりますと、附加価値税は従来の事業税に比較いたしまして、昭和二十五年度はいずれも四百十九億で同額となつておりますが、われわれ企業の負担におきましては、特殊の場合、これは非常な高收益で、しかも労務費の少い企業の場合でございますが、こういうような特殊の場合を除きまして、約二倍あるいはそれ以上となつております。固定資産税の増加に至りましては、政府見込みの三・一倍よりもはるかに顕著でありまして、八倍ないし六十六倍の高率となつております。そこで地方税に関する当然の疑問は、これほど地方税が必要であるかどうかということと、はたして徴收できるであろうかということであります。徴收額の算定と転嫁の可能性の検討につきましては、十分な御審議をいただきたいと念願するものであります。 以上申し述べましたことによりまして、本改正案中次の通り修正されることを切望するものであります。附加価値税につきましては、第一に、税率は前に申し述べましたように過超徴收となるおそれが多分にありますので、二%以下に定められたということであります。第二は、課税標準の計算方法につきましては、いわゆる面接法によりまして、労務費、地代、家賃、利子、並びに再評価後の減価償却費を差引きました損益の合計額とすること、この方法によります場合は、納税者の申告手続が非常に簡單でありますばかりでなく、地方税務機構の徴税能力が不足しておる現状におきましてその事務の煩雑が避けられまして、しかも公正な課税が行われることを確信するものであります。第三は、一定割合以上の労務費を支拂う企業と赤字企業に対しましては、適当な減免措置を講じていただきたい。第四は、現行事業税との切りかえにつきましては、附加価値税が流通税である関係上、遡及し得ないものでありますから、本改正法は、公布後開始する事業年度から適用していただきたい。附加価値税につきましてはこういう点の修正を希望するものであります。 固定資産税については、第一に、税率は附加価値税同様に過超徴收となるおそれが多分にありますので、税率を一%以下に下げていただきたい。それから第二は、工具、器具、備品の類まで課税の対象といたしておりますこの改正案は、非常に税額判定が煩雑でありますので、また煩雑であるばかりでなく、実益が少いように考えますので、除外していただきたい。第三は、水路、送電線、軌道のような、業種によつて固有の特殊な資産につきましては、特に低率にしていただきたい。第四には、経営の直接的の理由で遊休しておる資産につきましては、稼働するまで免税の措置を講じていただきたい。第五は、土地家屋の価格は、賃貸価格の十地は七百倍、建物は八百倍とし、現実の時価と著しく相違する場合には、申請によつてさらに訂正をされる道を開かれたい。第六は、償却資産の時価評価は困難でありますので、簿価を基準として、企業の行う再評価と並行せしめることに御修正を願いたいと考えるのであります。 なお最後に申し述べたい点は、本改正案によりまする地方税收入の拡充は、シャウプ勧告の本旨をくみまして、企業の資本蓄積が阻害されないように、国税の軽減額の限度において行わるべきことを切望いたします。また再建途上のわが国産業にとりまして、少くとも現在のままでありますれば、立ち直り得るものもこれによつて破局に陥れしめることのないように、ことに第二会社発足間もない企業も数多く、また牧益も正常段階に達していない現段階における本税制改正は、漸進的に確立せられることを要望してやみません。これがために、初年度はこの一年間を準備期間として、できるだけ低い税率で課税を行い、この期間に基礎統計資料の整備完成をはかられたい。並びに二十六年度以降の制限税率は、この際削除されるよう要望するものであります。
○塚田委員 澁谷さんにお尋ねいたしたいのですが、澁谷さんが先ほどおあげになりました附加価値税の基礎になります附加価値の計算で、数字をおあげになりましたやり方は、おそらく間接法の方法で出て来る数字をおあげに左つたと思うのですが、それをおあげになつておいて、直接法による計算方式を主張される間の矛盾を、どういうふうにお考えになつているかという点と、それからおあげになつた附加価値を算出されるときの捕捉率と、それから三度内徴收率をどのくらいに見て御指摘になつた数字が出て来たか。その点についてお聞かせ願いたい。
○澁谷公述人 附加価値につきまして申し上げました私の方の調べの数字は、直接法によりまして、総收入から材料の購入代を差引きましたものによつて算定してございます。従つて建設費なんかは控除してございません。直接法によつて計算したもので申し上げたのであります。
○塚田委員 私のお尋ねの仕方が悪かつたのですが、直接法は御承知のようにプラスの計算で行く方法です。おあげになつた数字は、安本の数字を基礎にしてお出しになつているから、おそらく間接法によらないと、あの数字と合う数字が出て来ないのじやないかと思います。その点はそれでけつこうですが、ここにこれだけ政府予算よりもよけいとれるという数字をおあげになりましたね。その数字をおあげになつた場合の附加価値の捕捉率をどのくらいに見ておられますか。それから年度内の徴收率をどのくらいに見ておられるか。
○澁谷公述人 この附加価値の推定額でございますが、申し上げました二兆二千八百億という数字だろうと思いますが、これは結局直接法によりましても、間接法によりましても、国民所得を基準にいたします場合に、結果は同じであろうと考えるのでございます。従つて国家全体の歳入見込みを立てます場合には、これは直接法と間接法の場合はあまり影響がないように考えるのであります。個々につきましては相当影響があると思いますが、国全体の歳入見込み額を見ます場合には、国民各層の附加価値の総計額が国民所得になると考えますので、その点は影響がないと思います。年度内徴收は、捕捉率を九〇%といたしまして、その差だけが全部取り不足にたるものであろうという前提で、徴收率についてはかげんいたしておりません。
○塚田委員 この直接法でどういう費目をプラスされるかということを、さつきお述べになつたのを聞き漏しておつたのですが、これは費目の選び方で大分違いが出て来るはずです。政府案では間接法でこういうものは控除する、直接法はこういうものをプラスして行くというようにすると、その間に食い違つた所得層があるはずでございます。 次にもう一点固定資産税のうちの償却資産の分は、私どもも政府統計というものを非常に信頼しかねておるわけなんです。一兆三千億と出ておりますが、大蔵省の理財局の数字あたりでも、やはりこれと同じ数字らしいのでありましてその点でむしろ業界の比さん方に、あの数字が私たちは直感では過少じやないか、こういうように感じておるのですが、そういう点についての何かお調べになつたものがございまするならば承りたい。
○澁谷公述人 実は償却資産の価格の総額につましてはなかなか的確な資料は、私どもの方でも得られないのでございます。
○藤田委員 企業経営協会に所属されておる澁谷さんに、簡單にお尋ねしたいと思います。大体われわれは澁谷さんの所論に賛成でございますが、まず第一点にお聞きしたいのは附加価値税でございますが、従来の事業税と比べて附加価値税を可なりという前提のもとに所論を進められたようでございますが、あなたの最後に述べられました修正点を見ますと、大体従来の事業税を維持しまして、それを削減して政府案の西百十九億にマッチさせる。二十五年度の事業税と特別所得税をプラスしますと六百五十億になる。それを約二百三十億減税して、事業税と特別所得税を維持した方が、あなたの所論に合うのじやないかと考えます。この点に関しまして御意見をお伺いしたいと思います。
○澁谷公述人 ただいま御指摘の通り、私はかねてから附加価値税が、取引高税にかわります非常な悪税というふうに考えております。できますならばこのまま事業税を存続するということが一番適当でないか。結局附加価値税が転嫁できるということでございますれば、これはシャゥプ博士の構想に基きまして、相当おもしろい税金だろうと考えるのでございますが、これが転嫁できないということになれば、これは非常な悪税でございます。結局企業によつて負担できない税金を負担せしめろということは、非常に悪税であると考えますから、事業税の存続を希望しております。
○藤田委員 実は附加価値税は、学識的にシャウプさん自身が反対なんです。それを日本で初めて実験しようとしておるという事実を、あなた方もよく御研究願いまして、国民の声を盛り立てていただきたいと思つております。 次はお伺いしたいのは、先ほど固定資産税の修正の点で申されました土地を七百倍、それから家屋は八百倍というふうに拜聴をいたしましたが、大体学者その他の科学的な統計によりますと、六百倍ないし七百倍が妥当な線じやないかと考えますが、第一にお伺いしたいのは、土地と家屋で倍率をかえられた理由、それから学者その他の調査よりも多少高くされておる理由をお賜きしたいと思います。実は六百五十倍くらいで、大体政府の企図する税收をあげられるのじやないかという計算を、われわれはしておるのでございますが、その点はどうでありましようか。
○澁谷公述人 ただいまの土地、家屋の価格の評価倍率でございまするが、これは七百倍、八百倍と申し上げましたことは、別に深い根拠がございません。これは全体につきまして七百倍にした場合に、どれくらいになるというふうな確実な目安はございませんが、少くとも現在の九百倍というのでは、非常に高過ぎるというふうな感じをもつております。それから司令部の方も、倍数の引下げにつきましては政府との交渉におきまして、八百倍以下の引下げが相当に困難であるという点を考えまして、まあ七百倍、八百倍という程度を申し上げたのであります。
○藤田委員 本日は公述人の方々から、関係方面の意向等を顧慮しない、理想的な御意見を拜聽したかつたのですが、大体七百倍、八百倍にされた理由は一応了承しましたが、この修正案の中であなたが言われた水路、軌道、送電線等の除外でありますが、これは例示でございますか。大体あなたが言われた範囲内のものを除外すれば、業界は所期の目的を達するのかどうか。その点を例示的に言われたのであるか。あるいはこれだけを除外して行けば大体よろしいのかどうか、お伺いしたいと思います。
○澁谷公述人 この水路あるいは送電線等につきまして申し上げましたのは、この固定資産税が、特に電力会社に非常な負担が過重になつて来ます。またこの收益率も、水路とかそれから送電線といつたような設備の收益率は、非常に低いものでございますので、特に例示的にこういうような特殊の資産については減免していただきたい、こういう趣旨で申し上げたのでございます。
○藤田委員 最後に言われました二十六年度以後の制限税率は削除してほしいということは、これは各税目についての御意見でございますか、ちよつと拜聽したい。
○澁谷公述人 これは特に固定資産税と附加価値についてお願いしたいと考えておるわけであります。
○立花委員 澁谷さんに一言だけお尋ねいたしたいと思いますが、固定資産税、附加価位税が他に転嫁できない見通しであるとおつしやいますのでございますが、実際に企業に携わつておられる立場として、転嫁ができない具体的な状態を御説明願いたい。それともう一つは転嫁でさない場合に、この地方税法が実施されました場合に、企業に残された方法はどういうものがあるか、あるいは全然企業が成り立たないのかどうか、その点もあわせてお伺いしたい。
○澁谷公述人 現在配給統制の方面におきまして、大部分の商品がすでに統制が解除になつております。この解除になつておるという現実は、大体需給のバランスがもうすでにとれておるということを現わしておるのでございまして、現にマル公がはずされ、あるいは近くはずされようとしておる商品につきましては、ほとんど有効需要が限界に来ておるというふうに考えますので、今後マル公が存続されるというふうな事業についてのみ、転嫁ができるのではないかというふうに考えております。従いまして電力でございますとか、あるいは運賃とか、そういつたふうな特殊のものに限つて漸進転嫁が可能なのではないか。その他のものについてはほとんど転嫁ができないというふうに考えております。
○立花委員 そういう状態でありながら、しかも地方税法が実施される可能性が強いのでございますが、その場合に企業体としてどういう結果になりますか。どういう方法が残されておるか。そういうことを簡單に御説明願いたい。
○澁谷公述人 結局転嫁ができなくて、これを企業が負担するということになりますれば、勢い企業の自主的な合理化によりまして、この税金の吸收をはかる以外にないと思うのでございますが、すでに現在におきまして赤字の企業等におきましては、ほとんど従前に合理化も相当にやつておるわけでございますから、なおこの上に両税の負担を全面的にその企業が受けるということになりますれば、あるいはその企業が破綻に瀕するという場合が起り得るであろうということを心配しております。
○大矢委員 今立花君の聞かれた他に転嫁ができる、特に今希望のあつた労力を要する企業には、課率を下げてもらいたいという話でしたが、これは御承知の附加価値は、労力企業にみな課かるのです。取引高税その他の税金と違つて、これは事業者の負担であるということになりますと、勢いコストに関係して来る。そうなりますと、企業の合理化といいますか、人員を整理するか、あるいは今後の企業の労働対策に大きな影響が来る。それで勢い失業間間も起き、さらに賃金の、日雇い労働者の條件の上にも影響があると思うか、全然ないのか、あるいは当然そこへ来ると考えるか。その点が税金の性質上、取引高税その他物品税と違うのですから、附加価値あるいは固定資産、そういうことについて労働対策あるいは企業面に及ぼす影響はどうなるかということについてお伺いいたしたい。
○澁谷公述人 ただいま御指摘の通りに、企業合理化をさらに促進するということになりますれば、労働の面におきましても、相当の整理をしなくてはならぬということは当然起り得ると考えます。なおすでに各方面におきまして、相当人員の整理も行われておる企業もございます。そういつた企業におきまして、もうこれ以上合理化の余地のないという企業にとりましては、非常に憂うべき事態が起るのではないかというふうに、一応心配いたしております。
○久保田委員 澁谷さんにお尋ねしたいのですが、附加価値税につきましては、お話にありましたように、これは非常に悪税だとわれわれも考えております。そこで附加価値税に対する企業家の面から、人を使えばそれに対して、赤字であつても、価値と見なして、拂つた工賃に対する税を課けなければならぬ。これは失業者をこしらえる税金だというふうに、一応解釈しなければならぬと思うのでありまするが、そういう点から考えて参りますと、附加価値税に対していろいろ他の方からもお話がありましたが、もつと具体的に企業家全体が、これをどうしたらいいかということの御意見を聞かしてもらえれば、非常に参考になると思います。
○澁谷公述人 もし附加価値税が、現在の形でどうしても実施されるということになりますれば、やはりいかにこの税金を企業家が負担するかという点につきましては、ただいまお話の通りに、こういつた労働力に重課をする点を免れるために、できるだけ機械化をするということによつて、これを吸收するほかないというふうに考えますが、また一万機械化しましたものにつきましては、固定資産税によつてまた重課が行われるということも考えなければならぬかと思いますが、われわれ企業の側からいたしますれば、この附加価値税は経済が正常に帰りました場合、初めて考慮していいものではないか。今のような不安定な経済情勢のもとにおいては、時期尚早であるというふうに考えております。
○久保田委員 結論からお聞きすれば、時期が尚早であるというふうに解釈していいのですが、もう一つは機械化することによつて、固定資産税というものが課かつて来るというお話でございましたが、それよりも今の政府の肓金融であるという点から考えて参りまして、機械化さす方法すら、今日非常に企業が金融難で困つておるのだというような点につきまして、企業家の立場から、もしも機械化する場合の金融の面等は、どういう御意見をお持ちでございましようか。
○澁谷公述人 ただいまのところ設備資金に対します金融につきましては、大体大企業であつて、しかも優秀な企業については、一応その金融は支障なく行われているように思いますが、一般におきましては、設備資金の獲得はきわめて困難な現状でございますので、一般的に申し上げますと、なかなか設備の拡充を借入金によつてやるということは困難であると思います。また設備の拡充を自己資金でやるというものも、現在のような証券市場の状態から見まして、これもまた困難でございますので、実際問題といたしまして、相当政府が思い切つて見返り資金を放出するということによらない限り、しかもこれを元の復金のように、ある程度政府の補償によりまして金融が行われないという限りは、なかなか資金の獲得は困難であると考えております。今のような市中銀行の自主的な金融にまかせますと、金融機関はやはり自衛上、返済の確実なところでなければ融資できないということになるかと考えますので、ある企業の拡充によつて、その企業が生きかえる、あるいは立ち直るという見込みのあるものにつきましては、政府がある程度の補償をいたしまして、融資をしてやるということにしていただかないと、再建はできない、さように考えております。
○大矢委員 固定資産の評価について、特に償却資産の戰時中膨脹した設備、たとえば機械など相当な価格になつておる。これらの償却資産の評価について、何か公平に最も妥当ないい方法があるか。そうでないと非常に価格が上るので、そこから生産が上つて来ないのです。負担に耐えられないのです。何か公平な、最も妥当な評価の方法があればお聞きしたいと思います。
○澁谷公述人 まだその点につきましては、十分検討ができておりませんが、まことにお話の通り戰時中に拡張された機械は、その後の物価の倍数ほど上つていないのです。ですから再評価の倍率によつて評価をしますと、非常に割高の資産になるというふうには考えますが、どれだけの値段が適当かということはちよつとまだ返答ができません。
○川西委員長代理 それでは次は大島竹治君。
○大島公述人 私は日本化学工業協会の大島と申します。 このたびの地方税の改正法案中に、電気ガス税というのがございます。その四百八十九條に電気ガス税の非課税品目が載つております。それで私がこれから申し上げたいと思いますことは、この非課税品目のことについてでございますが、大体この非課税品目を設けられたという趣旨は、非常にけつこうなことだと思うのでありますが、この非課税品目にあがつている品目が、業界の正当な常識といいますか、そういう観点から見まして必ずしも妥当でない。かつ非常にバランスのとれてない点が多い。こういうことであります。従つてこれを完全なものといたしますのには、どうしてもこれに追加修正を加えましていたした方が妥当である。こう考えるのでありまして、この非課税品目の修正につきまして、これから申し上げたいと思うのであります。 電気ガス税のうちのガス税の方は、比較的明瞭でありまして、非常にわかりやすくできておりまから、この方から申し上げますと、この品目はかなり簡單になつております。この法律案によりますと、大体ガス税のうち、ガスに課けるものはタウンガス、天然ガス、これに限る。そういう御趣意と解釈してさしつかえないと思います。ところがタウンガスを法律用語で表わすということに非常に苦心された結果、こういう文面になつたのだと思うのでありますが、この文面によりますと、少しあいまいな点が出て参ります。たとえて申し上げますと、九州に三池合成という会社がございますが、その会社は非常に大きな装置で水素をつくつております。その水素を隣りの東洋高圧に送りまして、東洋高圧でそれからアンモニアをつくり、それからまたアンモニアから硫安をつくつている、こういうことでございます。それからまたこういうような例がよくございまして、同じ法人または別の法人でやる場合に、隣りの工場で水素または酸素をつくりまして、その隣りの同系または別法人の会社へ持つて行つて、そこで染料をつくり、また硬化油をつくるというような場合が非常に——特に化学工業、それからマイニングの方にもあるわけでございますが、そういうような場合にはこのガスには課けるのか課けないのか。今の場合におきまして、三池合成には課けるのかどうかという点につきまして、この立案者側に伺つたのでありますが、それは課けないのだと、こうおつしやつたのであります。でありますが、何と言いましてもこれが少しあいまいでございます。この点は少しく疑義がございますので、昨年の暮れに福岡県で非常に問題になつて、大騒ぎになつたりしたことがございます。これからこういうような問題がないようにしますのには、この文面を少しかえた方がよかろうと思うのであります。この條文は、この法律案といたしましては四百八十六條、四百八十七條、四百八十八條、この三條でこの問題を規定してあるわけでございますが、それを文面を「ガス事業法の適用を受けるガス事業者(準用ガス事業者を除く)の製造するガスに限る」要するにタウンガス並びに天然ガスに限るということを明示する法律上の、技術上の問題と存ずるのでありますが、ぜひひとつそうお願いしたい。たとい文面の解釈をするのだとおつしやいましても、地方に参りますといろいろなめんどうが起きます。そこでこの点を明瞭にさえしていただけばいいのでありますが、そういうふうにしましたらよかろうと、こういうことでございます。ガス税の方につきましてはそれだけでございます。 それから次に電気税の問題でございますが、電気税については相当いわくがあります。前に申しましたように、電気税の非課税品目について申し上げるわけでございますが、非課税品目を規定されました御趣旨は、大体こういうふうに考えられます。 まず第一に輸出入貿易に重要な影響を来すような工業。第二に電力を原料のようにして使う工業、つまり非常に大きく使う工業であります。これは電気炉並びに電気分解工業をさすものであります。第三には肥料などのごとく、国民生活に直接どうしても響く工業及び基本的な原料工業については、課税しないのだという趣旨であろう、こう考えられます。 そこでこの電気ガス税自身のことをちよつとここで申し上げたいのですが、これはシャウプ氏は電気ガス税というものは現にとれている。それをしいてとらないようにするにも及ぶまいというような点から残しておかれた。こう聞いております。電気ガス税にシャウプ氏が重点を置いておられるのではない。こういうような印象を受けるのでありますが、何といたしましても、工業製品の中で国際標準になる製品は、その値段の一ペンスあるいは一セントが非常な影響を及ぼします。外国よりどうしてもちよつと高くつくということでも、輸入しなければならぬあるいは輸入したということからしまして、その工業の従業者は多数の人が失業するということにもなりましたりして、非常に影響するところが大きいのであります。そこでこういうようないわば足かせに相当するものは、なるべくとつておこう。足かせをとつて、自由に競争さして行くということが、行政上の要諦であろう。かように考えるのであります。そこであえて申し上げたわけでありますが、先ほどの非課税品目を決定するのにお考えになつたと思われる三つの観点、貿易上の問題、原料として電力を使う場合、基礎産業であるという点、この三つの点からしまして原案をながめますと、バランスのとれないという点を、これから申し上げたいと思うのであります。 第一に、一番わかりやすい例を申し上げますと、電力を原料のごとく使う工業、その方から申し上げますれば一番よくおわかりになると思うのでありますが、その例といたしまして、ここにあがつておりますのは、カーバイト、カリ製品、燐、水素及び酸素、こういうのが三つの項になつて例にあがつております。ところがこれとまつたく同様な製造の方法であり、かつ操作もよいような製品といたしまして、非常にややこしいたくさんの種類の製品がございます。ちよつとその名前を読みますと、金属ソーダ、青化ソーダ、塩素酸ソーダ、過塩素酸ソーダ、過塩素酸アンモン、過酸化ソーダ、二硫化炭素、硅酸ソーダ、電解鉄、過酸化水素、過硫酸アンモン、こういうような一連の製品は、これとまつたく同様な製澁法でありまして、かつそれに使います電力が原価に占める率というものは、大体同様またはそれよりもはるかに以上なのであります。今あげましたものは、すでにあげられた品目に比べますと、同等のものよりもむしろ多いものの方が多いのであります。これは立案者がこれをお書ぎになりましたときに、その知識と申しますか、そういう点から見て、これはミスであろうと思われるのでありますが、何しろこういう品目というものは、長年こういう工業に従事しております人でも、なかなかピンとすぐは来ないほど複雑と申しますか、ややこしい製品がたくさんございますので、これをやはり法律としますと非常に響きますので、ぜひこれをこの際に除いておいていただきたいと思うのであります。これは事実こういうものを忘れたままにしておきますと、方々からずつと工業家、しかも常識のある工業家から、非常なそしりを永久に残すばかりでございませんで、これらの品目は貿易の製品といたしまして、過去においてその大多数のものは、非常に日本の著名な特異の製品になつておつて、輸出しておつたものでございます。この点をぜひひとつ御留意願いたいと思います。電力を原料に使つた製品として、それだけでございます。それからこれは文面でございますが、こうなさつたらよかろうと思うのであります。こういうように三項にわけましたものに、さらにこういう品目をたくさん並べるということは、法律案として非常にややこしいでございましようから、これをこういう文面になさつたらよかろうと思うのであります。この三項をまとめて、カリ塩類、カーバイト、燐、酸素及び水素その他電炉電解製品、こういうふうにしましたならば一項で済む。それに括弧をしまして例示をされればなおけつこうでありますが、そういうふうになさつたらよかろうと思うのであります。 次に輸出入貿易関係から見ましたものでございますが、政府案としてお出しになりましたものに、この項に該当していると考えられますものが、金属地金、人造電極、こういうものをあげられたことは非常にけつこうだと思うのでありますが、同じような意味からしまして、まず輸出から申しますと、日本の工業製品から見ましてセメント、鹸水ヨードというものがございます。この二つについて御考慮願いたいと思います。セメントにつきましては、国家建設の、ことにこの復興の途上におきまして、最も重要な資材の一つであることは間違いないところでございますが、そのセメントをつくりますのに電力といたしまして、この工業特異の事情といたしまして、エキゾースト・ヒートを使いまして一部をまかない、一部を買電しております。これは各国ともでありまして、日本ばかりでやつておるのではありません。それからこのセメント工業の立地というのが、日本におきましてふしぎに水力電気のあまりないところに立地されております。これは船便その他石灰石の関係等でそういうことになつておりますが、そのために電力費が非常にかさみます。従つてこれに課税されますと相当に響くのであります。この量は、前に申し上げました電力を原料のごとく使う工業に似たほど使うのであります。それからまたセメントは貿易品目といたしまして、戰前インド辺におきまして英国品と競争いたしました、非常に重要なる輸出であつためであります。戦後におきましても、目下非常に重要な輸出品でございます。また近く沖縄で行われます厖大なる建設工事に要しますセメント、これは莫大なものでございますが、これがアメリカと日本とで虎視たんたんと競争する機会をねらつておるわけであります。この際一ペンス、一セントの差でもつて落札しなかつたということになりますと、厖大なる製品の輸出の機会を失うことになりますので、多数の従事員の生活がこれによつて左右されることになります。なおまた御考慮願いたいことは、電気ガス税のうちに、セメントのごときものは従来加わつておらなかつたのが、このたび初めて政府案として出ておるということを御留意願いたい。ぜひともこれを除いていただきたいのであります。 それから鹸水ヨードでありますが、これはめずらしいもので、あるいは初めてお聞きになるかも知れませんが、従来日本では御承知の通り海草からヨードをとつておりましたが、もう海草からでは国際商品として、とうてい太刀打ちできない事情になつております。これは主として千葉県その他天然ガスの出る所に出るのでありますが、地下水の中にヨードを含んでおりまして、それをとることを最近非常にやつております。そこで海草ヨードのなくなつた今日におきましても、日本の産額は世界で四番目であります。それからこの製品の九〇%は、目下外国に輸出されておりまして、非常な貢献をしておると申していいと思うのでありますが、これが各国とも値を下げて参りまして、今非常な苦境に立つておりま。そこでこういう足かせはすぐ取つて、貿易振興に資していただきたいと思うのであります。 輸入の関係から見まして、重大なものが三つございます。それは第一にソーダ灰、それから臭素、次にメタノールであります。これはぜひ御考慮を願いたいと思う点でございます。ソーダ灰は御承知の通りに戰前非常な競争を英国とやりました。ブランナーモンドという会社が世界的にこれを掌握しようとして、恐ろしいダンピンゲをやりまして、まつたく危機に瀕したのであります。戰後またその傾向が出まして、非常に注意しておるところでございます。これは御存じの通り化学工業その他の工業の母といたしまして、日本の工業を起す上にぜひ必要なものとしまして、長いこと行政上の保護を加えました非常にめずらし工業でいございます。工業政策の上にこれは非常に重大視されて来た。しかも今日その製造の規模は、外国に劣つておりません。そういう工業がここに滅びるに至るような影響を受けるということは、非常に忍びないことであります。戰後におきましては塩が非常に不当な——不当と言えるかどうかわかりませんが、とにかくほかのバランスから見まして不適当な値段で入つておりますために、保護政策がとられておりますが、ソーダの補給金がこの九月にはずれることになりますので、なおこれに税が課かるということは重大な問題でございますから、ぜひひとつこれははずしていただきたいというわけであります。それから次に臭素についても、大体同様でございますが、臭素についてちよつと申し上げたいのは、これは海水からとるわけでございますが、これは非常に電気を食うのでありまして、一トン二十万キロ・ワット・アワーも食う工業というのは、他にほとんど類例がございません。次にメタノールでございますが、メタノールはガソリンのかわりなんかに使つておりまして重大でございますが、いずれにいたしましても、これは戰時中にできました大工業の一つでございます。その原料として水素を使うわけでございますが、その水素は大体硫安の工場でつくる例が多いのであります。硫安をうくるときに使う水素を使つてやる。同時に硫安をつくつておるというのが多いのでありますが、独立してつくつておられる会社がございます。そういう場合にはここに当然不均衡か起きます。そこでこれについてはぜひひとつはずしていただきたい。これも意外に電力を食う率が多いのであります。ところが硫安は除外品目に載つております。メタノールも同様の立場にあるのでありますが、これは除外品目に載つておりませんから、これはぜひひとつとつていただきたいと思います。 次に基本的な製品につきましての問題を少し申上げますと、基本的な立場から見て基礎産業であるということから見てはずされたものは鉄鋼、石炭と言えるのでございますが、なおこれにぜひ加えていただきたいものといたしまして、同じ意味において鉄鉱石と硫化鉱がございます。鉄鉱石については申すまでもございませんが、硫化鉱につきましては、化学工業及び金属製錬の母であると言つてもいいと思うのであります。ソーダとともに化学工業の母であり、まい硫安の主要原料として重大なものでありますから、鉄鉱石、硫化鉱については特別の考慮を願いたいと思うのであります。なおできますならば、ほかの金属の原鉱の採掘についても、同じく御考慮願いたいと思うのであります。品目といたしまして、以上の三項目から見ましてさように考えるわけであります。 最後に一つぜひ御考慮願いたいことは、工業の特殊の事情から、お気づきにならない、妙な事情があるのでありますから、それを補正してもらいたいということであります。それは先ほど申しました三池合成から東洋高圧に送るガス、この場合がそれに当るわけであります。東洋高圧は硫安をつくつております。三池合成は主要生産品として水素をつくつております。こういう場合、硫安は非課税品目に載つておりますが、水素は載つておりません。載つてはおりますが、これは電解の方の水素でありまして、石炭から合成する方の水素は載つておりません。そういうような場合に、この水素は当然この文面のままだと課税されることになりますので、この水素に要する電力に課税されるために、東洋高圧は非常に高い水素を使わなければなりません。こういうことだと、そこに非常な不均衡が起きて参ります。こういうような事情がやはり出て参りますから、ひとつこれをお考え願いたい。 それからもう一つの問題は、同じような場合でございますが、アルミニウムをつくる場合に、南方からおもにボーキサイトを買つて参りまして、それをアルミナにしまして、電気精錬してアルミニウム地金をつくるわけでありますが、その場合に、アルミニウム地金は非課税品目に政府案として出ておりますが、アルミナは載つでおらぬということでございます。そうしますと、たとえば日本にアルミニウムをつくる三つの会社があるのであります。旧住友の工場、新居浜でございますが、その工場は一貫作業でやつておりますために、これは当然原料も、ちようど硫安をつくるとき、水素にもアンモニアにも、その製造工程に課けることができないと同じようにアルミナをつくるときには当然税金が課からないものと考えられます。ところがそのほかの会社、昭和電工と日本軽金属でございますが、この会社は工場立地の関係から、別の県、別の工場でやつております。そうしますと、その県におきましては、その工場はアルミナをつくる工場になつてしまいます。そうすると、ここにはどうしても課税されるということになりますので、これらに非常に不均衡が起きる。これをどうしても直していただかなければならぬということでございます。 なおアルミニウムは御存じの通り、電力を最も食うという建前もありまして、外国系、特にアメリカでありますが、アメリカでは、その原料の主要産地であります南方に日本が一番近い位置にあるから、日本は将来電力を非常に持つであろうということからいたしまして、日本の輸出産業の最も主要な一つであるという考えで、これを慫慂しております。そういう関係からしても、この両者はぜひお考えを願いたい。 そこでこの両者をどうしたら直るかということでありますが、この文面の第八の項に、アルミニューム地金というのがありますが、これをアルミニユーム地金(アルミナを含む)としていただけばいいと思います。それから第十二の硫安その他の項でありますが、この項に以上製品原料たるコークス並びにガス、こういう項目を追記してくださるならば、それは全部完璧なものになると考えます。 以上申し述べましたような数項目の修正を加えますことによりまして、この法律案は、電気ガス税でありますが、非常にりつぱなものになると思うのであります。そういうふうにいたしましたならば、良識ある工業家から見まして実にりつぱな、落ちのないものであるというふうに考えるであろうと思います。ここにりつぱな金まき繪の重箱があつたとする。そこに盛られているのは実にりつぱなものだが、そこに穴が明いているということでは、値打がないことになる。そこでせつかく国際標準というような点から、こういう非課税品目の項目をつくられたのは、非常にりつぱなことでございますから、そういう数行の、今申述べましたような補正を行つてくださいまして、そうしてこの法案をりつぱなものにされんことを、業界としてお願いする次第であります。 私の申し上げることは以上でございます。
○川西委員長代理 質疑はありませんか。——質疑がないようでありますから、午前の本会議はこの程度にいたしまして午後は一時二十分より再開することにいたしまして、それまで暫時休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ————◇————— 午後二時二十三分開議
○中島委員長 これより再開いたします。 休憩前に引続き、公述人各位の御意見を承ることにいたします。まず河野貞三郎君よりお願いいたします。
○河野公述人 私ども中小商工業者、ことに零細業者にとりまして、最も関係の深い地方税改正法案中の附加価値税、固定資産税その他だついて意見を申し上げてみたいと思います。 御承知の通り私ども中小商工業者は、現在購買力の低下、資金難一重税のために、非常に因つております。そうして中小商工業者の続々と崩壊していることは、皆様方もよく御承知だと思いますが、これをひとつ私どもの業者を例にとつてみますならば、東京だけで一昨年末千五百ほどの業者がおりましたが、現在ではこれが約九百名ちよつとというような状態になつております。これはひとり私どもの業者だけでなく、あらゆる小売業者、零細業者を通じて、こういう状態にたつておるということは間違いないと思うのであります。この点につきましては、私の調査ばかりでなく、東京都経済振興課あたりでも数学を出しておりますが、そのうちで、営業難、経営難によつて営業をやめる者の実態調査がされておりますが、全体の廃業者のうちに、購買力の低下によつで営業をやめる者が約三〇%、それから資金難によつて営業をやめる者が二四%、重税のためにやめる者が四六%というような状態にたつておりますので、あらためて言うまでもなく中小商工業者の経営難が、税金によるパーセンテージが非常に高いということが、はつきり申し上げられるのであります。こうした際に地方税が改正され、今までの取引高税、事業税等が廃止されまして、附加価値税が新たに制定されるのでありますが、この附加価値税に対しまして、 〔委員長退席、大泉委員長代理溝席〕 私どもは今まで事業税が非常に負担しにくかつたのでありますが、その事業税に対する改正の中小商工業者の要望が、この附加価値税の際、どういうように取扱われているかという点につきまして、多大な関心を持つておるわけでございます。しかるにこれをしさいに見てみまするならば、はたしてわれわれが今まで望んでおりまするところの減税の要望が、ここに盛られるかどうかということは、はなはなだ疑問に思うのでありますが、その点は附加価値税の課税標準額として一応一兆二千億円というものがあげられておりますが、これによつて徴收されるところの税額が四百二十億となりまして、これが昨年度の事業税に比較しますと、四百三十億の事業税に対しまして、約十億の減額になるというように伝えられておるのであります。しかしながらこの点で私どもが疑問に思いますのは、課税対象がはたして一兆二千五百億円かどうかという点に、多大な疑問を持つものであります。それは税法を立案しておりますところの地方自治庁の役人の方が、すでに大蔵省財務協会から発行しております書物の中で述べておるのでありますが、附加価値税の算定の方法は、控除法と加算法の二者にわかれる。前者は附加価値を生産国民所得の側面から把握し、後者は分配国民所得の側面から把握するものであるというふうに、はつきりとこの国民所得によつて捕捉するということを明言しておるのであります。そうしますると、現在昭和二十五年度の国民所得は、安本のの出している数字によりましても、またはダイヤモンド等の雑誌がはつきりしておりますところによりますれば、三兆二千億というな数字が示されておるわけであります。もちろん附加価値税の対象になりますものは、この中から農業、山林、漁業等の所得を非課税とするわけでありますから、三兆二千億が即ちこの附加価値税の対象になるとは思わないのでありますけれども、今までの所得税の課け方から見まするならば、一応この税率を決定しておきまして、そうして徴收予定額を示しておきながら、あとになりますと、この国民所得が向上したという名目のもとに、税額を上げて参つておる事実がたくさんあるのであります。たとえば昭和二十三年の場合でありますが、前の吉田内閣のときだつたと思いますが、十月に急に更正決定が出されまして、そのときは前年に比較しまして約五割増しの更正決定が出されたように記憶しております。そして昨年度におきましては、さらに前年に比較しまして六割増しの期待倍数というものが出されておるのであります。かようにしまして、今までの課税がなされておる点から考えまするならば、今度の附加価値税の際にも、こういうことが行われるのではないかというふうに、私どもは疑問を持つ次第であります。先ほど申し上げました通り、今中小商工業者は重税、資金難、そういうようなもののために、続々と倒産しておるのでありますが、こういうところへ持つて来て、この税金がはたして消化できるかどうかということは、私どもは自分たちの現在の経済状態から見まして、はなはだ疑問に思うわけであります。この点につきましては、附加価値数の際も青色申告ということになるはずでありますが、しかし現在の青色申告の状態は、所得税の面におきましても、個人所得者の場合はあまり青色申告をやつておらないような状態でございますので、実際の場合はやはりこの国民所得によるところの、期待倍数的な割当課税がなされて来る危険があると思うのであります。そういう点から考えますれば、私どもはこの附加価値税に対しましては、今まで私どもが事業税に対して要望しておりましたところの減税の趣旨が、少しも生かされていないというように考えますので、この税法を制定いたしますにつきましては、ぜひともこの点が減税になるような方法にしていただきたいと思うわけであります。 次に附加価値税の課税標準でありますが、従来必要経費とされておりましたところの、当然所得の面からは控除されたものに対しましても、今回の附加価値税の場合は課税されることになると思いますので、従つて人件費をもその対象になりますから、中小企業のごとく人件費を多く要する場合の事業におきましては、はなはだ不利な状態になるのではないかと思うのであります。東京商工会議所あたりから現在その統計が出ておりますが、それによりますると、中小企業の場合、人件費の多いところでは、今度の附加価値税によつて事業税より二百倍以上の税金を納めることになるだろう。こういうようなことが発表されております。現在でも危機にあるところの中小商工業しに対して、かように実際は増税になることになりますと、ますます日本の中小商工業は、破滅を早めるのではないかというふうに考えられる次第であります。 次に従来の事業税の場合は、免税点がありましても、基礎控除がないために、実際に納税する場合におきましては、零細業者ほど納税額が過重になりまして、これがため地方税の徴收率を低下させ、かつ零細業者を破滅させていたと思うのであります。従いましてこの地方税の放正にありましては、ぜひともこの基礎控除を認めて設定していただきたいと思うわけであります。所得税の場合は、基礎控除が二万五千円となつておりますが、実際に企業の運営が必要としまするところの基礎的な費用は、二万五千円やなんかではとうていこれはやつて行けるものではありませんし、また中小商工業者の生活も成り立つわけではありませんので、少くとも基礎控除の場合は、所得税も地方税もひとしく三十万円ないし四十万円くらいのものは、ぜひとも基礎控除として入れていただきたいと思うわけであります。これは別に架空にこの基礎控除は多いほどがいいというようなところから、三十万円、四十万円と申し上げるのでなく、実際に戰前におけるところの物価と比較して申し上げております。たとえば酒の例をとつてみてもよいと思うのでありますが、昭和十年から十四、五年近くまでは、酒は一升二円五十銭くらいだつたと記憶しております。また酒屋の主人公なども、そう現在言つております。それが現在では千円近くになつておるのでありまするが、当時の基礎控除はどれほどかと申しまするならば、一千二百円あつたわけでございます。それを酒に換算しますと、約四十石以上買えるわけでございまして、今かりに酒が一升一千円といたしまするならば、それは四十万円の現在の価格になると思いますので、その点等から考えましても、この基礎控除の四十万円というようなものは、現在の物価に比較しましてぜひとも必要なものだと思うわけであります。 以上申し上げたことを要約いたしますと、課税標準が非常に附加価値税の場合あいまいである。もつと明確にしていただかなければならないと思うのであります。それは課税標準が一応一兆二千億というふうに出ておりまするが、これを国民所得によつて課税するというようなことになりますると、そのために増税をされる危險がありまするので、その点を指摘する次第であります。それから二番目に昨年の事業税を標準として課税する点でありまするが、この点は現在あらゆる商売を通じまして、実際の影響で非常に悪くなつて来ております。それにもかかわらず昨年の税金を基準にして、それによつて申告し、納税しなければならないというようなことは、これはまつたく今までの税金をいつになつても根拠にして、それによつて納めなければならない。実際の営業状態、所得の状態とまるつきり違うことを、毎年繰返さなければならないということになると思いますので、この点はまつたく不合理なものであると考える次第であります。それから人件費その他必要経費と認められるものの課税は、これはぜひやつていただきたくないと思うわけであります。それから四番目には、この課税対象となるところの中小企業ばかりではありませんが、その生活を保障するために、生計費に償うだけの基礎控除、かりに今四十万円と申し上げたいと思うのでありますが、ぜひこれは設定していただきたいと思うわけであります。 次に固定資産税の点でありまするが、これは従事の地租家屋税をさらに値上げするばかりでなく、新しく減価償却のできる施設とか、機械とか、そういうものに対しましても課税されることになると思いますので、今まで課かつていなかつた施設に対して、一・七%または三%課税されるということになりますと、今この危機にある中小企業者を、さらに危機に追い込むことになると思いますので、固定資産税は中小工業者にとりましてはまつたく悪税だと思いますので、ぜひこれはやめていただきたい。かように考える次第でございます。 それから遊興飲食税の問題でございます。これは高級料理の点は私は論外としたしますが、大衆を相手とするところの遊興飲食税につきましては、これはやはり大衆課税であり、大衆に非常に負担をしいると思いますので、この点はさらにやめていただきたいと思うわけであります。 それから一つ落しましたが、附加価値税の中で、外食券食堂のようなものまで、附加価値税が課税対象になつておりますが、外食券食堂は御承知の通りこれは家庭の延長であり、かつまた社会政策的な意味も多分に含んでおるやに思いますので、この点もぜひ廃止していただきたいと思うわけであります。 以上が私の附加価値税並びに固定資産税に対する意見でありますが、御承知の通りこの中小企業がこれからよくなつて行くというようなことは、まつたく考えられないような状態に追い込まれているわけであります。繊維製品を初めといたしまして、今日本の中小工業者が扱つているところの品物はどしどしと下落いたしまして、東京初め各都市の商店等はその打撃を受けまして、実に莫大な損をしているのではないかと思うのであります。これでどうしてこれに対して附加価値が生ずるであろうかという疑問を、私どもは持つものであります。今まで取引高税が非常に悪税だといわれておりましたが、今度の附加価値税も決してこの取引高税に劣るものではないと思うわけであります。今私ども中小工業者は、税金が苦しいから、少しでも低くしてもらいたい。でき得べくんば生活のできるように税法を改めていただきたいということは、国税ばかりでなく、地方税に対しましても持つておるのでありますが、ぜひこの点を皆さん方によりまして、今度の地方税法の中にもはつきりと織り込んでいただきましてあらゆる国税、地方税を問わず、中小工業者が生活の成立つまうに考えていただきたいと思う次第でございます。 簡單でありますが、これをもちまして公述を終ります。
○清水委員 河野さんにお伺いいたしますが、ただいまの御発言の中に、附加価値税に免税点がないというように私承りましたが、附加価値税の中には九万円という免税点がありますが、あなたのおつしやることは、九万円の免税点が低い。少くとも四十万円くらいでなければいかぬという御趣旨でございますか、それを伺います。
○河野公述人 私申し上げたかつたのは、免税点は九万円というのは存じているのですが、そうでなしに、基礎控除であります。税金をそれまでは課けないという、所得税における基礎控除の二万五千円と同じようなものを、さらに四十万円にまで延ばしていただきたい。これは地方税、国税を通じて、どちらの場合でもこのくらいの基礎控除にしていただきたい。これが私どものお願いしたいところです。
○清水委員 今の御発言の中に、はなはだしきは二百倍にもなるというような御発言がありましたが、私どもは国税、地方税を通じては、中小工業者の方には相当の減税になるじやないかというような考え方も持つておりますけれども、今の二百倍にもなるというような基礎的な数字等があつたら、御説明願いたいと思います。
○河野公述人 それははつきりした数字は持つておりませんが、東京商工会議所の調査の結果、そうなつたということを雑誌で見ましたので、それで申し上げた次第であります。
○清水委員 それについて確たる基礎の数字等は、お持ちになつておらないのですか。
○河野公述人 はつきりと自分で算出した数字ではございませんので、その点は書いてあることによつて見たと申し上げるよりほかはございません。
○藤田委員 ちよつと簡單にお伺いしますが、先ほどあなたが修正点で述べれらました、人件費に対する部分は控除してほしいということを、附加価値税の中で言つておられました。その次に中小企業の生計費は控除してほしいと言われましたが、この中小企業の生計費控除の根拠とか、わくとか、それから四十万円くらいを大体基準にしてほしいというような、非常に興味ある、有意義な御発言がありましたので、その点もう少し詳細にお伺いできればいいと思います。
○河野公述人 四十万円と申し上げましたのは、先ほどの酒の値段の例から申し上げたにすぎないのでありまして、これはただ皆さん方に一番おわかりやすい例だと思いまして、酒の例から四十万円くらいという数字を出したわけであります。 それから中小企業と申しますと、これは今政府が中小企業と申しているのは大体三百人あるいは二百人というような職工さんを使つているところも中小企業だと思うのですが、私がもつぱら中小企業と言いたいのは、ことに零細企業の場合をさしているわけであります。従いまして、どちらかといえば、個人営業とか、あるいは、ごく少数の従業員を使つているような、大体主人公も従業員とともに働くというようなことを中心にして考えましたので、その点から生活費というものが、そういう企業の場合は一番問題になりますので、やはり四十万円くらいと申し上げた次第であります。
○門司委員 委員長に伺いたいのですが、公聽会には当局がおいでになつていないようです。何か特別の理由があつてお出にならないのですか。これからでもよろしゆうございますから、大臣なり責任者にひとつ出ていただいてそしてよく聞いていただきますように、委員長からこの会議の決議として一応請求していただきたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○大泉委員長代理 ただいま門司君の意見に皆さん御賛成のようでありますから、ひとつ委員会の意思によつて要求いたします。 次に新産別労働組合会議財政部長の萩澤公彦君。
○萩澤公述人 私、新産別の中央執行委員の萩澤と申します。地方税に関しまして意見を述べさせていただきます。正確な数字を持ち合せておりませんので、抽象的なことになつてしまうかと存じますが、幾つか項目にわけて、簡單に申し上げます。 私たちの立場から申しますと、地方税というものの根本は、結局実質賃金の問題と密接に結びついて来るわけです。現存私たちが要求しております実質賃金の向上、あるいはベース改訂の問題にいたしましても、地方税法において、片方で締められてしまうならば、結局いつまでたつても実質的な生活は向上しないという意味から、非常に重大な関心を持つているわけであります。 この地方税法の具体的な問題に関しまして、第一番目に問題にいたしたいのは、地方財政を確立し、すなわち地方税法の改正の要綱の目標の一に掲げてあります「地方税收入を拡充し、地方税制の自主性を強化して、地方自治の根基を培うこと」とございますが、この地方税法を改正しまして、地方財政を確立し、その確立した地方財政がいかに使われるかということが、第一番目に私たちの問題になるところであります。それは地方税法にいかに現われているかと申しますと、たとえばシャウプ勧告によりますると、いわゆる自発的寄付という言葉が使つてあります。昨年度におきまして、自発的寄付が約四百億ということを言つております。ところが自発的寄付と申しますのは、実は税金以外にわれわれにかかつて来る、非常に大きな負担となつて来ておるのであります。しかもこの公聽会の資料として私がいただきました地方自治庁財政部からの資料の第七ページの五番目の資料に、強制番付という名目で、この強制寄付が百億と計上されておるのであります。従いましてもしこのようにして地方財政を確立して、しかもこのような自発的寄付という名目で、実際は強制寄付がしばしば行われるのであります。これが行われるならば、われわれの税の負担は、一向に軽くならないということは言えるわけであります。従いましてまず地方税法の根本問題でありますいわゆる自発的という名前にしろ、強制的という名前にしろ、寄付を一切出さないような税制を、まず確立していただきたいということであります。 第二番目に、法定外普通税というものがこの税法には書いてございます。これは同じく改正案要綱の第二の方針のところに、「地方団体の権限を拡充して、地方税制の自主性を強化する」という趣旨からつくられたものではないかと存じますが、しかしながら私たちといたしましては、どのようだ税金がどれだけ課かつて来るかということが、一番大きな問題なのであります。国会できめられた税法によつて、大体の目安を立てておいても、地方財政委員会の許可を得て、もちろん府県会なり、市町村会の議決を経るのでありますけれども、地方財政委員会の許可を得て、新しいいわゆる法定外普通税というものが課けらて来た場合に、われわれにとつてこれが予算外の非常な圧力になつて来る、重圧になつて来るということは、当然予想されるのであります。従いまして昨年度におきましても、いわゆる法定外独立税といたしまして、三十三億というものが收入見込みとなつておるようでありますが、従来の慣行はともあれ、また地方財政の自主性という点はともあれ、決定外普通税というものは、私たちといたしましては、納得しかねるのであります。税を徴收するならば、はつきりと地方税法にうたつて、もしも法定外普通税というものをあえてつくらんとするならば、それをもはつきりと明示していただきたいということであります。 それから小さなことでありますが、これは私はもその間の事情がはつきりわかりかねるのでありますが、同じくこの要綱の第三、要領の二の第六番目のところに「国税と地方税の先取特権を原則として同順位とすること。但し、滞納処分に漕手したときは先着手の順位による」ということになつております。この場合に私たちが心配いたしますのは、これによつて、いわゆる国税の徴收と地方税の徴收とが競合いたしまして、不必要な滞納処分が行われる危険性があるのではないかということであります。滞納処分は私たちが十分事情を聽取した上で、最も合理的な解決を試みた上で、やむを得ない場合、ぎりぎりのどん底でなければ、滯納処分はやつてもらいたくない。辛うじて拂い得る能力を持つておりたがら、滯納処分があつたために、破産に陷つてしまうという逆効果が、しばしば生ずるのであります。従いましてこれによつて国税と地方税が競合して、不必要な滯納処分を惹起するような危險がありはしないかということを、私たちは心配するわけであります。 次に私たちにとつて一番大きな問題となつております税の負担均衡の問題、この負担の合理化、均衡化ということは、しばしば申し上げて来ておりますし、要網にもしばしばうたわれておるのであります。しかしながらこの地方税法を見ました場合に、決してこの負担の均衡が徹底されているということは、申されないと思うのであります。むしろかえつて逆に、不均衡が激化されて来ておるのではないかという印象が強いわけであります。具体的に市町村民税と附加価値税について申し上げたいと思います。昨年度におきましては、いわゆる府県民税と市町村民税と三つあつたわけでありますが、今年度におきましては一本の市町村民税になりまして、しかも昨年度に比べて、この資料によりますと、二百九十億円を増して五百七十億円となつております。地方税においでの予算総額千九百億円のうち、その四分の一ないし三分の一を占める五百七十億のものが、市町村民税によつてまかなわれようとしておる。もちろん住民税でありますから、そこに住んでおる人たちが平等に負担すべきだという主張も、一応納得できるような気もいたしますが、しかしながら税金と申しますのは、負担能力のたい者からとろうとしても絶対にとれない。能力のあるところからとるのが原則でありますから、負担の均衡化ということは悪平等ではなく、能力のある者に負担させるということが、最も徹底した均衡化であると思うのであります。従いまして二百九十億を増して、五百七十億円の市町村民税を徴收するということについては、具体的な数字は持ち合しておりませんので、計数をここで申し上げることはできませんが、はなはだしい負担の不均衡化だと思うのであります。 次に附加価値税でありますが、二十四年度のいわゆる事業税並びに特別所得税の合計が四百三十億円で、附加価値税となりましてから、二十五年度の附加価値税の見込みが、四百十九億という数字を、この資料では出しておる のであります。ところが昨年度の事業所得税の課税率が、今年の附加価値税におきましては、百分の四ないし百分の三に引下げられた。一方においては、税率が相当大幅に引下げられておりながら、しかも実際の税收総額においては、僅々十億ないし二十億の差しか出ていないということは、どういうことかと申しますと、收入というよりも、利益のあるなしにかかわらず課かつて来るということが、はつきり言えるわけであります。つまり負担能力のない者に対しての負担を大きくし、負組能力のある者に対する負担を軽減するという結果から、こういうように、一方では税率を下げて、しかも税收総額において変化がないというような、奇妙な結果をもたらしておるものと考えます。これは具体的に例をあげて申しますと、たとえば土建関係の労働者でありますが、とび職におきましては、大体一回について三万円程度の仕事を請けるわけであります。この仕事について直接調査をやつたわけではありませんので、何銭何厘という数字はわかりませんが、大体三万円くらいの仕事を年に十回くらいやつて、それで一年食つている。ところが一回三万円くらいの仕事は、大体一回の利益が五千円程度今まであつたのであります。そうしますと、昨年度まではこの事業税として課かつて来るものは、三万円のうちから必要経費を差引いたもの、年にして大体五万円程度のものに事業税の税率が課せられる。そうすると、大体これが三千円から四千円見当になるわけであります。ところが今回の附加価値税によりますと、三万円の仕事を十回引受けますと三十方円、それでいわゆる基礎控除といいますか、免税点の九万円を引きましても二十一万円、この二十一万円に百分の四の税率を課けますと、八千円以上の額が出て来るわけであります。これだけのものが過重な負担となつて課かつて来るわけであります。負担能力のない者に大きな負担が課かつて来るという例は、これによつてもはつきりと出て来ると思います。しかもこればかりではなく、このような地方税がもし実施されましたならば、ただでさえ赤字に悩み、経営に困難をきわめております一般中小企業その他の会社におきまして、その負担の転嫁を賃金の引下げに向けて行くことは、明瞭なのであります。従つて勤労大衆の生活はますます苦しくなつて行く一方であるということは、はつきり申せます。そのような意味におきまして、市町村民税並びに附加価値税というものは、租税負担の均衡化ではなくて、不均衡を激化するものであるという見解を抱かざるを得ないわけであります。 次に非常に小さなことでありますが、電気ガス税と自転車税、これはそれぞれ十億の増收を見込んでおるのであります。これも数字を持つて来ておりませんので、どの程度のものが品然増收として見込まれておるかということについては、私としてはちよつと見当がつかないわけでありますが、このような自転車税とか、あるいは電気ガス税というような——もちろん電気ガ入税は工場方面にも相当の問題があるのでありますが、いわば大衆的な消費税に近いようなものが増收を見込まれている。しかも一方において自動車税のようなものは、減收を見込まれているというような矛盾に対しても、私どもは目をおおうことができないわけであります。 次に遊興飲食税の税率が引下げられておりますが、要綱によりますと、税率を引下げられた理由といたしまして、増收のために税率を引下げたというようなことを申しております。なるほどそのようなことも言えるかもしれませんが、どうも納得しかねるものがあるのであります。この点についてはくどくどしくは申しませんが、このような形におきましてこの地方税法改正の要綱については、負担の不均衡が激化されているというような結論を出さざるを得ないということだけを申し上げておいて、私の意見の公述を終ります。
○大泉委員長代理 何か御質疑はありませんか。 それでは次に近畿機械工業懇談会理事小田原大造さんにお願いをいたします。
○小田原公述人 私は大阪における近畿機械工業懇談会の代表で出た小田原と申す者でありますが、これは大阪府内において株式を取引所に上場しております会社が十社あります。まあ一口に言えば、代表的な機械業者の集まりでございます。その方の代表者でまかり出ましたわけであります。時間の関係が非常にきゆうくつなように伺いますので、聞いていただきたいことをなかなかみな言えそうにありません。それでお手元にお配りいたしましたこの書類に詳しいことを述べておりますので、これをごらん願いまして、今日は要点だけつまんで話をさせていただきたいと思います。 それでまず一口に申し上げますと、今回の税制改革というものは、われわれ機械業者にとりましては大増税であります。詳しい数字はそこに載つておりまして、あとで申し上げますが、附加価値税、これが従来の事業税と取引高税の二つを合せまして、今度の附加価値税に比較してみますと、ただいまの政府案によつて三割増しということになるのでありますが、こういう解釈は違います。ということは、これまでの取引高税の分は、従来の取扱い方では、買うものの方も、売り上げる方も。請求書に取引高税一%ということをちやんと別に書きまして、製品の原価の中には入つておらぬのであります。そういうような取扱い方ならば、別に増税というものがたちまちこたえて来ることにはならないのでありますが、今度の附加価値税によりますと、全然取引高税だけは値を下げなければならないことになる。請求書に書けませんので、これは原価の中にみんな入るのでございます。従つて取引高税は関係なく考えませんと、今後の業者のふところに非常な間違いを生ずる。従つて附加価値税が従来の事業税に対して、どういう関係になるかというと、ただいまの案によりましては、二倍半にわれわれの事業の方では当ります。それから従来の不動産税が今回の固定資産税になりますと、ただいまの案でちようど九倍余りに上ります。そしてこれが従来のように、利潤があればとられる、なかつたらとられないという制度と違いますので、これが盛んな会社も、衰えている会社も、一律に行くということは、前からたびたび申されているようでございますが、われわれ業者の方からこれを実際に計算してみますと、資本金総額が、十社で集まつたもので十一億八千六百万円でありますが、これに対して四億二千何ぼ、三割六分とられるという勘定になります。一年の徴收傘が、資本金の三割六分をとるのだということになるので、これがいかにむちやくちやなものであるかということかわかるのであります。 これをまず第一にお耳に達しておきまして、そもそもわれわれが今日まで伺つているところによりますと、吉田総理大臣は名古屋における演説において、一切の政治は税金から始まる、こういうようなお話がありましたし、大蔵政務次官の水田氏は、これを引用せられて、昨年十一月における日本租税研究協会の大会の席上におきまして、総理がこういうふうに言つているのもあながち過言ではながろう、これほどに税制というものは政治に大切なものである、と発表せられているという事実を、われわれの方でも実は雑誌によつて拜見したのであります。私がここにこれを持ち出しましたゆえんは、これほどまでに税制というものに関心を持つている総理大臣の、今日までやつておられる状態を、実際に当てはめて考えてみまして、税務行政に対して、今日国民のあらゆる層の者が、いかなる感じを持つているかということを、一言にして申し上げますと、怨嗟の声野に満ちているということを、申し上げなければなりません。そして昨年秋に地方税制改革案が発表いたされまして、あらゆる産業、数多くの企業者から、それぞれ意見並びに希望を活発に申し出ました。この声は過去六箇月間にわたりまして、ますます盛んになつておりまして、われわれ国民が、これまで国会に提出せられました法律案に対して、これほどまでに熱烈なる国民の修正案か出たというのは、ほかにはなかろうと思います。事はそれほどに深刻なものであり、これほどわが国の産業の復興に対して、興廃にかかるという問題は、ほかにめつたにない。こういうふうに考えておりますから、よろしくこの点について御盡力願いたいと思うのであります。以下深刻なる問題について、約七項目にわけてお耳に達したいと思います。 まず一般論として申し上げます。終戰後四年半たちました今日、経済界の混乱から完全に脱却し切れません今日の状態は、ちようど人体にたとえてみますと、今大患後の予後の静養中というような感じのするときであります。まだこの病状は高度の衰弱状態にありまして、しかも今春来のデフレに突入いたしました現状、これがまさに致命的になるのではなかろうかということを、実は非常な心配をしているときであります。このときにあたりまして、わが国の開闢以来実に画期的といわれまする、この乱暴な税制が出ることになつたのでありますが、はたしてこれが産業界に何らの支障なしに済むのかどうか。また理想とされるところの改正案と、現実の状態に対して、大きな隔たりがあるかないか。こういう問題について政府御当局としては、よろしくこれは愼重に愼重を承ねて、事前の御調査があつてしかるべきものと考えるのでございますが、念のためにこれはしかと皆さんのお耳に達しておきたいと思うのであります。 いま一つ申し上げたいことは、現在わが国民の各層を通じて、過大な税負担に対してはずいぶん悩まされております。この根本は、貧乏な国において不つり合いな大きな行政機構を維持しなければならぬというふうなことになつている。アメリカの一州、すなわちカリフォルニアに匹敵するくらいの大きさのわが国において、四十数箇の都道府県、さらにまた市区町村というようなものが重なつておりまして、この行政事務の複雑承複というものは、確かにここに大きな手術をしなければならぬごとになつていると思うのであります。これらの点についてまた政府御当局として、もう一ぺん考えてみなければならぬのではなかろうかということを、われわれも苦しみのあまり、こういうふうにまで実は考えられるわけであります。事実地方税においてお困りになつていることは、学校の寄附の強要、あるいは競馬、競輪をやるというような方法によつて、財政をまかなつているというこの現状は、これは負担能力において困つている大衆に対する、仕方のない処置だというふうに考えられますが、いま一つこの案についても御考慮を願いたいと考えるのであります。 三番目に、ただいまのわが国の現状はどうでありますか。これについて申し上げます。今やデフレの進行のまつ最中であります。このデフレによつて、簡單にこのごろ、不景気である、事業はだんだんにつぶれて行きおるというようなことを、よく新聞に報道しておりますが、一体これはどういう状態になつているかということを、われわれは日々深刻な現状の中におります立場から、一言申し上げます。要するに最近の状態は、一般の購買力低下から、需要減退ということになつております。これはもとより生産過剰になつているものではありません。まだまだそこまで行つているわけはないのでございますが、いわゆるドツジ・ラインに基く経済安定の政策が、そういうふうにせしめた人工的なデフレであろうというふうに考えますが、そういうことによつて非常に業者の方では、つくつた品物が売れないという現状に来ているのであります。内地におきまして第一、一般の有効需要と称するものが減つて参りますから、どんどんつくつたものはたまつて参ります。ストックを持つて悩んでいるものを、お互いに自分の事業だけは生きて行こうと思うものだから、業者の不自然なる競争が激烈に起きて来る。これがためにダンピングというものが行われまするし、非常な出血をしつつ自分の命脈の続く限りを続いて生かそうというふうに、今苦しんでおるまつ最中であります。従つてこういう場合でありますから、とうていその事業の利潤などを見ることはできない。いよいよ倒れた者はにつちもさつちも行かないようになつて倒れたのでありますが、そこまで行かないにしても、途中にある多くの業者というものは、今は気息えんえんたる状態なのであります。一方海外に品を向けますと、ポンド切下げ以来の国際情勢というものは、どうもわれわれの取引の上においては非常な障害になつております。のみならず最近の輸出というものは、どうも全般的にうまく行きません。のみならずわれわれの機械工業の方面でも、非常にこれが悩みのもとになつております。この国際情勢というものについて、一言ここに御参考までにつけ加えたいと思いますが、七月一日から先、われわれ鉄鋼に関する事業に対しまして、鋼材並びに鋳鉄管、あるいは一番元になります銑鉄の補給金撤廃という問題が、ほとんど確定的なものと報道されておるのであります。七月一日よりこれを下げられた場合には、どうなるかという問題なのであります。政府の御方針はまずズクが三十三ドル平均で、大体の値を維持して行くように補給金を撤廃をする。鋼材の標準ものが七十五ドルという標準をとつているのでありますが、これは考えてみますると、まことにどうもふかしぎ千万の話なんでありまして、われわれ業者の方でいろいろ御当局に対して話しておりますけれども、ちようどこの問題に関連いたしまするために、皆さんのお耳に達したいのでありますが、英国や西ドイツ、ベルギーあたりの銑鉄の平均相場というものは、大体において二十五ドルから七ドルです。鋼材ベースものの値段七十五ドルというものに対して、向うは五十五ドルぐらいなのであります。由来われわれの製品が東洋方面において輸出市場を争うということは、アメリカを相手に争つたためしはほとんどないのでありまして、みんな西欧州の方面と実は競争するようなことに、戰前からなつておるにもかかわらず、今の政府の案というものは、アメリカの大体FOB相場をとつて、一応標準にしようというような案ができておる。これはとんでもないことでありまして、ここでそういう方法を今とられますと、たちまち輸出の方は完全に命をとめてしまいます。鉄鋼製品というものがほとんど出なくなることは、確定的な見込みなのであります。これを最後にどうせられるかわかりませんけれども、ちようどこういうような事情で、輸出の方につきましてはわれわれの方ではお先まつくらなんであります。そうして内地の方の市場につきましては、そういうふうなぐあいにだんだん減つて参りますし、農村相手の商売をしておつたところの農機具のごときものは、今の農村の状態ですから、ほとんど買う余力がなくなつて行つておりますから、従つてわれわれ業者の蓬というものは、今まことに時世たる形がしておるのでありますが、かようなときにありまして、中小企業というものはほとんど存廃の岐路に立つて、いよいよ困窮のどん底にあります。それから大企業におきましても、いずれも今日まで五年間というものは、資本を食いつぶしつつようやくやつて来たのでありますが、その上に補給金撤廃という問題を加えまして、今言つておるような状態でございますから、まつたく先については時世たる気持がしておるのであります。 のみならずここにもう一つ御参考になるように申し上げますが、われわれのところの工作機械というものは、戰前全国で十二万台ぐらいあつたものが、戰時中七十五万台で、六倍になつた。それが戰後の今日におきまして三分の一、約二十五万台ぐらいが動いておるというのが現状であります。これでわれわれ業者の生きて来ておる戰後の状態が、ほとんどおわかりくださることと思うのでございますが、かような状態でございまして、ここに持つて来て取引高税というものは、一応これを拂いますけれども、需要者の方に別に請求書に書き入れて、当然拂うべきものとして扱われたので、これは大した負担というほどのものではなかつた。ところが今度のいわゆる附加価値税におきましても固定資産税におきましても、利潤には何ら関係のないものである。もういかなる場合において拂わなければならぬということがきまつたものであるとするのでありまして、これを是が非でも拂えよということになつて来ます。ると、今申しましたようなぐあいに、売価にこれを転嫁して行くということは不可能な今日の状態でありまするために、事業崩壊の時期を早める。事業の死期を早めるということにしかなりません。それで私考えまするのに、もしこういうような税法をやられるということでありましたならば、今日の日本の状態では、最悪の時期だと私は思うのであります。どうしても今やらなければならぬのであつたらば、これは二度か三度にわけて、もう一つこの事業の安定する時期まで、半分くらいを讓られるというふうな方法をとられたらどうであろうか。今こういうことをやるということは、一番時期が悪いと思う。やるのだつたらおととしぐらいにやつておれば、これほど苦しまないで事が済んでおつたろうと、こういうふうに思うのであります。 それからまことに恐れ入りますが、その次に今度われわれの機械事業の專門のことに関して、ちよつと申し上げようと思いますので、二つありまするプリントの中の一号という方をお開き願いたいのであります。詳しいことを申し上げると時間はかかりますから、一番最後に長い表が載つておりますので、ちよつとお開き願いたい。これは今言つておる懇談会に加入しておる十社の財政状態を、最近の決算面の生きた数字に、今度の新しくつくられる税制を当てはめてみました場合の、予算決箕とでも言いまするか、そういう数字でございまするが、アイウエオというような数字になつておりますから、おわかりにくうございますけれども、これはそこに名前を連ねておりまする順序になつておりますから、それにちようどはまるのでございます。まず会社名、拂込資本金、売上げの年額、それから事業用の償却資産、株式の配当、それから帳簿価格、再評価の価格、こういうようなことでずつとみな生きた数字を載せてございます。それから決算面におきまして減価償却費、事業費、事業税、取引高税、不動産税、法人税、法定積立金、株式配当金、後期繰越金と、こういうふうになつております。これは今すぐにこれを御説明申し上げると時間をとり過ぎますから、大体これについて要点をつまんで申し上げておきたいと思いますが、どうかひとつ詳しくごらんくださいますようにお願い申し上げます。それで一番最後の右の端の方に、合計欄が載つておりまするが、これが十社の総合計した数字になりまするので、平均がわかるようなことでございますので、ちよつとその点をごらんを願いたい。全体が十一億八千六百万円の資本金でありまして、この決算面の数字が、この一番上の減価償却は、今度の再評価によりまして各社とも特別に考えましたものが、表示されておる倍数でずつと出て来ております。これによつて規則通りに償却した場合にはこうなる。それから従来の事業税、それから取引高税、今度の附加価値税というものがその次に並べられております。それから次に不動産税の比較、こういうふうに見て行きますると、事業税というものが六千七百七十五万円であつたものが、一億四千六百十五万円になる。これがちようど二・一五倍になつておりまするが、この数差は政府案の今の四%でなしに、三・五%をとつておりまするためにこうなつておる。四%になりますると、これがちようど二倍半になります。それから不動産税が千七百五十七万円拂つておつたものが、一億六千三百五十四万円、これが九倍になる、こういうことになつております。それで全体の十社を総合いたしまして、一番下に合計欄がありまするが、これまでの、つまり配当をいたしまして、あるいは配当のない会社もあるのでありますけれども、そして税金を納めて償却をいたしましたときの数字が、まず現行が四億九千五百七十三万円の利益をもつてこれまで処分しておつた。それが今度の税法改革と償却の方法によりまして、前の通りにやつて行こうと、考えたときには、八億三千八百八十三万円の金がなければ、前の通りにやれません。これが改正案Aという方でございます。改正案Aというのは、これまでと同じ配当をしてまかなおうとしたときにはこうなるというのが、改正案Aであります。改正案Bと書いてあるのは、現在の利益以上にはどうしても出ない。この金をもつて今度の新税法を当てはめてやつた場合にはどうなるかということが、改正案Bになつております。それで改正案Bによりますると、十社がこれまで配当をしておつたものが、みな配当ができなくなりますとともに、逆に大きな損失がここに上るようになつて参ります。合計欄の右側にイ、ロ、ハ、ニ、ホ、へ、ト、チとありますが、チが後期繰越金と書いてありますが、改正案Bの中の繰越金が六千二百三十四万円の赤ということに書いてありますのは、これまで通りの利益をもつて新税法をまかなつた場合には、六千二百三十四万円の赤が繰越される、こういう結論が出ます。これはただいま申し上げましたようなぐあいに、最近の決算における生きた数字を今後の税制に当てはめて、このA案、B案というものをつくつておるのでありますから、これはなまなましい現実そのままでありますから、この点十分にひとつ詳しくごらん願いたいと考えます。 かようなわけでございまして、われわれの機械事業界から考えてみますると、理合化ということも、もうはや長い間言い古しましたように、気息えんえんとか、生きるか死ぬかというせとぎわにありまするために、もはや合理化する限度が近いということを考えております。それにもつて行つて軍需補償の打切りというような、実に大きな痛手を過去において背負わされまして、今日までようやくこのインフレに基く貨幣価値の下落によつて、帳簿の面をつじつまを合わすことができたというのにとどまる状態であります。それで今日まで配当しておつたものが、一律にずつと配当ができなくなるというふうになる結果は、どうなるかと申しますと、十分御存じのことでございますけれども、配当なしにこれから経営するということは、銀行関係の金融というものにたちまち首を締められまして、とうてい事業の経営は、そういうようなことをしておつてやれるものではありません。ことに今日の金融というものにわれわれが苦しんでおる反面には、この配当ということが大きな問題になつておるのでございます。それでこういう状態、われわれのこの機械業というものがばたばたつぶれてしまうというふうなことになつた場合には、どうなるかということ、これはもう十分おわかりのことでございますけれども、そういう方面の事業から、第一税金をとろうにもとれぬようになることは、結局徴税の精神から言つても逆行いたしましようが、それよりも問題は、今後対外的に発展しなければならぬ。しかも日本においては工業立国の見地におきましてわれわれの機械工業というものを衰微させてしまうということは、どうあつてもこれは国策じやなかろうというふうに考えるし、今後大いにこれを育成しなければならぬことに対しまして、もう一つここに御考慮を願いたいと考える次第であります。 そのほかここに書いてあります再評価の税につきましては、議会も通過したことでありますし、きようはこれに言及いたしません。それから附加価値税の問題でございますが、これに対しましてもここに書いてありますので、詳しいことを一々申し上げることも煩雑でございますから、ひとつこの表をあとでお読み願うことにいたしまして、省きます。それから固定資産税の件についても、大体においてはこれをごらん願うことにいたしまして、あとで少しつけ加えたいと思うのでございます。 さようなわけでございますので、ただいまの表でごらん願いまするようなぐあいに、十社の資本金合計十一億八千六百万円に対しまして、税金年額が四億三千万円、これは資本金の三割六分ずつ毎年とられることになります。これは利益がうんとあれば何でもないかもしれませんけれども、今日の事情から行きますと、これは不可能な問題なんでありまして、利益があればとるというのならば合理的でございますけれども、利益があつてもなくてもこれをとられるという現状は、どうあつてもわれわれ業者というのが、生きて行かれないという悩みをここに訴える次第であります。 その次に六番目に、そこに書いてありますが、この改正案が物価に及ぼす影響はどうかという問題であります。これは二号表の一番しまいに、長い紙の表が載つおりますが、われわれ十社がつくつております製品、それの一トン当りの値段、それから数量というものをずつとあげまして、これがつまり附加価値税が幾ら響くか、それから固定資産税がどう響くか、償却がどう響くかということを、詳しくここに調査して載せております。合計の欄においてまちまちでありますけれども、大体のところが、最低二・九%から三%こたえます。最高一三・八%響きます。平均が六・六%響くという勘定になつておりますから、これだけがつまり値を上げなければならぬことになるのでありますけれども、ただいま申し上げましたようなぐあいに、値は上げられないということにもうきまつた今日の状態でありますから、今までの出血をこれだけ多くするという結論が来るのでありまして、これだけつまり死期を早めると申しますか、今の事業にとつての、これは非常に悲惨た問題になるのであります。 その次に、ちよつと触れておりますことは、これはこの七月から後に、今言う鉄鋼補給金の撤廃がわれわれに響くことについての点でありますが、これは銑鉄をたくさん使つてすぐ製品になるような、鋼材鋳鉄管のようなものは、ここに五割と上げておりますが、直接これを使いますものが、ちようど値段が五割一時に飛び上ることになるのであります。それから綱材あるいは鋳物のようなものを機械の製品の材料として、大部分それを使うというような機械製品になりますと、最低が一割ぐらいで済むというような勘定になるのであります。この額の急騰が内地の需要に対していかに響くか。おそらく七月から先は、しばらく注文がブランクになるだろうという心配を、私どもは今持つているのであります。従つて内地の需要に対して、これ以上まだ固つて来るということを考えるとともに、一方は輸出面におきまして、先刻申し上げましたようなぐあいに、ほとんどこれは出ようにも出られないような、ことに障壁を設けられるということを心配いたしておるようなわけであります。このときにあたりまして、かような税制をおしきになるということは、どう考えてみてもこれはよろしくない。何とかこの点はひとつお考えくださらないと、われわれ業者の前途というものは、どう考えても生きるものは立たないようになりはしないかという心配を訴える次第であります。 そこで結論的にここに申し上げますが、今般の政府案をそのまま、修正されることなく適用せられるにあいては、いずれの企業においても満足に経営できるものとは思われません。そこで私は最後にお願い申し上げたいことをここに要約いたしますると、附加価値税は三%を越えないようにぜひともお願いしたい。こういうのでございます。従来の事業税と取引高税との合計を見ても、九百億余り、これにかわるところの附加価値税は、四百十九億ということになつておりますが、それにもかかわらずわれわれ十社の計算によりますと、附加価値税が四%のときには、今申しましたようなぐあいに三割増になる。但しこれは取引高税を加えた場合であります。加えなかつたならば、三倍半になる。三%半の場合に一割五分増しになりますが、これも取引高税を加えておりますので、これを加えるということは不合理であります。これは二・一五倍になります。大体従来の通りに取引高税を加えたものとの比較をとつてみましても、三%まで行かぬでも、二・九%でいいことになるのでありますが、これはどうかこの意味におきまして、三%以上に出ないようにぜのともひとつお願いしたい。これが今日のお願いであります。 それから固定資産の新規に取得した分に対しまして、税の対象となるということになつておるにもかかわらず、既存の固定設備資産の償却費が課税の対象となつておるということは、どうもうなずけぬ。この点もひとつ御考慮を願いたいと思います。 それからその次に、固定資産税の賃貸価格が九百倍ということになつておりまするが、これもどうもいかにも承服ができない。高過ぎるように思います。大阪市内において、全域にわたりまして表通りの土地、裏通りの土地を、平均をいたしまして算出いたしております。これは関西経済連合会の調査によるものですがも平均毒百倍前後というように発表になつております。勧業銀行の調査によりましても、四百五十倍ということが発表になつておりまするが、この家屋と土地の状況というものを勘案いたしまして、いかにこれを大口に見ましても、五百倍以下にきめるということにならないといけないのじやなかろうかとわれわれは考えております。その他の賠償施設、すなわちわれわれの事業では機械装置でありまするが、おもに工作機械でありまするが、これらの機械業の特別の事情を考慮せられまして、特例を設けなければならないのではなかろうかと思います。一体機械工業は戰前、二作機械が十二万台くらいしかなかつたものが、戰時中に七十五万台といというものになつた。現在この七十五万台でほんとうに使つておるものは、三分の一の二十五万台前後であります。この点を御考慮願いますと、博評価税につきましては、遊休設備についての特別項目が設けてありますが、今度の固定資産税に対しては、それが設けてないようでありますので、これをぜひひとつ遊休設備についての特別取扱いの一項目を加えていただかないと、このままではとうてい適用のできないようなものになつております。 あまり時間をとり過ぎましたが、ここで私の公述を終らさせていただきます。
○大泉委員長代理 何か御質問はありませんか。——それでは次に全国金属労働組合中央執行委員天野一男君にお願いします。
○天野公述人 今全国と言われましたけれども、私は全日本金属労働組合品の中央執行委員の天野であります。この点は総同盟と間違いますから……。ただいまやはり金属に関係のある、直接は関係がございませんが、経営者からいろいろと言われました。今度は私は労働者の立場から、やはり話してみたいと思うのであります。 今回の税制改革案につきまては、われわれ金属労働者は重大な決心をもつて見守つております。特に地方税法案は、われわれ勤労者にとつては、給料の遅配、欠配、工場閉鎖を招き、勤労者の生活を破壊する、名前をかえた勤労所得税法案、あるいは首切り税法案であり、民族の奴隷化と植民地化をねらう、むしろ戰時税である。われわれ金腐労働者は、この地方税法案に対しては全面的に反対するものであります。 まず附加価値税を取上げてみますと、標準税率四%となつておるのでありますが、本年度の徴税目標額は四百二十億円であります。この徴税目標額四百二十億円は、絶対にかわらないのかと申しますと、決してかわらないものでもなく、標準税率はあくまでも標準税率であり、徴税の際の最低税率であると考えます。標準税率以外に制限税率八%というのがある。徴税目標額の四百二十億が、制限税率によつて徴收せられた結果は、倍額の八百四十億円になるのでありまして、しかもこの八百四十億円以上は制限された税額かといいますと、決してそうではなくして、また税法中にはこううたつてあります。制限税率を超えて課税するときには、地方財政委員会に届出しなければならないといつております。ただ届出さえしたたならば、幾らでもとつていいということになります。要は標準税率も制限税率もあつたものではない。この條文の一つで地方税全部が骨抜きになつてしまうのであります。たとえば軍需工場があるといたします。日本には軍需工場はないと思いますけれども、まずあると思いもするのでございますが、これを育成しようと思えば、附加価値税を軽減することによつて、企業の利潤は上り、その間に日本に軍需工場ができ上つて、日本を軍需工場化することができると思います。それに反しまして、企業の合理化の必要な工場あるいは不必要な工場は、税の面から制限に攻撃が加えられ、企業の合理化も、工場閉鎖も自由にやれるということになるのであります。この場合資本家は、たとえば標準税率四%ならば、労働者百名のうちの四名、制限税率ならば百名中の八名の労働者の首切りをやるか、あるいは全面的に切下げをやつて、企業の合理化をやるか、それがやれなければ工場閉鎖をしなければならないということになると思うのであります。すなわち附加価値税は労働者に転嫁されて、給料の切下げは附加価値税を勤労者が勤労所得税として支拂うのと同様であり、附加価値税とは労働者にとつては勤労所得税であり、首切り税である。この附加価値税は、本改革法案中の最悪法案であると私は考えるものであります。政府はなぜこのような幅のある無制限な税法を立案したか。私の解釈によるならば、それは一朝事ある場合に、税法をかえずして、思うように税金を收奪し、戰争に間に合すための準戰時税法であると断定せざるを得ないのであります。ゆえに附加価値税には、以上のような理由で、われわれは絶対に反対するものであります。 次に地方税法中の固定資産税について述べることにいたします。今回の税法改革案中には、單に固定資産税のみならず、固定資産の再評価益税、附加価値税の中の固定資産の償却に対する課税のごとき、固定資産に対しては二重、三重に課税されていることは、固定資産を最も多く抱き込んでいる企業に従事しておるわれわれ金属労働者の関心と憤激とは、はかり知れないものがあるのであります。たとえば車両、鉄鋼機械器具、造船、電線、重電機工業は、厖大な固定資産をかかえ込んでおることは、周知の事実であります。固定資産税並びにその他の固定資産に対する課税によつて、金属工業が最も打撃を受け、それらの打撃は労働者に転嫁され、さなきだに危機に瀕しておる金属労働者の生活の破壊は、給料の遅配、欠配、あるいは首切り、工場閉鎖というような形で、税の面からの攻撃がものすごくかけられることを信じて疑わないものであります。のみなず金属産業は、わが日本民族産業の実に筋金であり、産業の興廃は一にかかつて金属産業にあることをわれわれは確信するものであります。政府は口に経済再建、資本の蓄積をとなえながら、いかにして資本の蓄積、経済の再建をはからんとしておるのか。固定資産税は実にわが国重工業の破壊であり、ひいてはわが国産業の崩壊を招くものであり、重工業を持たない東南アジア化であり、植民地化であり、工場をつぶし、われわれ労働者の職場を奪い、あるいは労働者を奴隷化する税である。なぜならば、二十四年度の不動産税は百六十六億円であり、二十五年度の固定資産税は五百二十億円であり、昨年度と本年度の倍率は三・五倍程度であ呈す。われわれの調査によると、金属産業にありましては、八倍から驚くなかれ三十五倍であります。これを見ても、いかに金属工業が重税を課けられるようになるかということは、予測にかたくないのであります。 なお固定資産について一言したいことは、国鉄公社の固定資産であります。吉田内閣は二月七日の閣議において、現在国鉄の資本金は四十九億円でありますが、それに見返り資金四十億円を資本金として、国鉄の資本金四十九億円に加えて、資本金を八十九億円に増資することを決定しております。これが実施せられることになりますと、国鉄の性格は全然かわりまして、国鉄は昔日の国鉄ではなく、国鉄公社は一株式会社とかわるところはないということになります。ゆえにもしこの固定資産税を実施するにあたつては、それと並行に国鉄公社の非課税の法案を取消すことと、国鉄の固定資産は評価替後は一兆円以上になるといわれておるのであります。政府自身も七千億円だと言つておるので、政府の言う通りとしても、百二十五億円の固定資産税がとれることと、附加価値税も国鉄からとれるし、貧産の評価益税等もとれるので、国税並びに地方税の全面的修正と、それによる全面的な税の軽減を提案したいと思います。もしそれができないならば、何ら性格のかわらない民間車両製造工場並びに私鉄なども、全面的に免税にすべきであります。もしそれもできないというならば、わが国の重要産業の一つであり、輸出産業の一つである民間車両工場への国鉄の発注車両ダンピングの強要、並びに田鉄工磯部の拡大強化、專門車両工場化による民間工場への圧迫、並びに国鉄への隷属化をただちに中止さして、壊滅寸前にある民間車両工場の育成のために、発注予算の増大と並行して、あの厖大な鉄道建設計画をもつて、わが国の車両の輸入を渇望しておるあの中共地区への車両の輸出を、即時許可するように要望するものであります。 次に市町村長税について述べることにいたします。市町村民税はわれわれ勤労所に面接響くものであり、問題が問題だけに重大な問題であります。まず二十四年度の住民税、二百七十六億円と二十五年度の市町村民税五百七十五億円との倍率は約二倍でありますが、昨年の住民税の納税者千二百万人から、今年度は均等割による課税対象者の激増、特に今までの扶養家族中の一部の免税廃止による増加などによつて、課税対象者は二千二百万人で、約倍でありますので、一人当りは去年度の作民税と本年度の市町村税は同じになると思います。ところがわが金属労働者について調査してみますと、今まで調査の来ておるところによりますと、九倍から十四倍強になることは、実にわれわれ労働者として見逃すことのできない問題だと思います。政府は所得税を軽減しておるので、全体としては藤波になると言つておりますが、われわれの調査によると、今までのところ軒減せられたことになる実例は絶対に出ておりません。実に法人税をわれわれ大衆に低嫁し、高額所得者の軒減をはかつておることを雄弁に物語つておるものであり、市町村民税はわれわれ勤労大衆を食えなくする悪税であり、奴隷化税であります。 なお入場税のごときも、待合遊びの遊興飲食税の二倍半をとろうという非常識さには、あいた口がふさがりません。その他の地方税については、遊興飲食税と同様であり、批評の余地がありません。それらを包含しておる地方税法案は、日本産業の破壊と植民地化と勤労大衆の奴隷化をねらう悪法であり、わが金属労働者はこの地方税改悪法案に絶対反対を表明するとともに、全人民の先町に立つて反対闘争を省き起し、断固爆碎する決心でおります。以上であります。
○塚田委員 大野さんにお尋ねしたいのであります。二十四年と二十五年の負担が九倍になるというお話でありましたが、これは住民税と市町村民税の比較でありますか。もしそうであるとすれば、何かそういう統計資料があるか、お聞かせ願いたいのであります。どのくらいの所得の人たちの場合で、そういう九倍という数字が出て来るのか、それをひとつ……
○天野公述人 九倍は九千七百円です。十四倍の方は九千七百五十八円です。しかし十四倍の方は扶養家族は妻一人で、九倍の方は妻と両親と五名でございます。
○大泉委員長代理 それでは次に日本自治団体労働組合総連合中央執行委員長信近高雄君にお願いいたします。
○信近公述人 私は日本自治団体労働組合総連合の代表者でございます。簡單に申しますれば、全国の地方の公務員諸君の代表者であります。従いまして今度の税制改革その他の問題を取扱う側の立場に立つものでありまして、これらの税制改革がどのような影響を地方の自治体並びに地方の公務員諸君に與えるかという観点より、いささか陳述をいたしたいと考えます。先ほど来の公述の方々の点に多少重複いたす面があるかも存じませんが、一応概括的に申し述べてみたいと思うものであります。 政府は鳴りもの入りによりまして、減税であると言つておるわけでありまして、また給與白書によりましても、この減税によりまして五・六%の主計費の軽減ができると申しております。一応国税の面におきまして、二十五年度税收入はわずかながら軽減をされておるのではありまするけれども、地方税におきましては一千九百五十億、約四百五十億程度の増徴になつております。この増徴分が市町村にまわされているということにはなりましようけれども、地方住民といたしましては、国税以上重大な関心を拂つておりまして、ともかくも増徴であるということに対しては異議のないところでありまして、従つて政府の言う減税という問題は吹つ飛んでしまつているのではないかと思うのであります。地方自治体の税收入の増加をはかりまして、現在の財政難というものを緩和し、自主的な行政を確立するという考えに対しまして、別に異論はないのでありますけれども、とりやすい税額は国が一手に引受けてとつてしまいまして、きわめて困難であるところの、しかもその内容が労働者でありますとか、あるいは中小企業者、あるいは農業者、市民諸君の、つまり恵まれない階層の人たちに対して、無差別な課税を行おうとしておるところに、問題があると考えるのであります。とりやすい今までの国税を地方に委譲するというのでありますれば、話はきわめてよくわかるのでありますけれども、今まで通りでこれらの増徴をやるということになりますれば、結局はきわめて弱い人たちをおどしたりすかしたりして、巻き上げて行くというふうに考えます。つまり直接国税の減額を欺瞞的にいたしまして、一切の重税政策を地方税に転嫁していると考えるものであります。 第一に附加価値税でありますけれども、純利益に課税いたしておりました従来の事業税を改めまして、商工業の收入総金額より資本、設備費あるいは原材料購入費等を控除いたしましたものに対して課税されるわけであります。すなわちこれを逆に申しますれば、その中には利益、地代、利子、労賃、これらを附加価値であると解釈いたすのであります。そこでこれを結論的に申しますれば、中小企業はこれではどうしても倒産せざるを得ない。同時にまた失業者の増大がどうしてもなまなましく浮び上つて来ると考えるものであります。なぜならば先ほど来公述人がしばしば申し述べられたことく、たとい利益があつてもなくても、ここには課税されるということでありまして、このことは当然に附加価値の中に労働賃金が含まれているという観点からいたしますれば、労働者に対しますところの賞金の切下げ、あるいは企業の合理化という美名のもとに隠れたところの首切りということも考えられる。当初農民組合関係の代表者が申されたことく、協同組合あるいは労働組合のような、利潤を目的としないところの施設や組織に対しましても、課税がされる危險がありまして、これは破壊的な悪税であると考えるのであります。この税金は、先ほど藤田代議士が、勧告当時アメリカにおきましても論議中のものであつたと言われましたが、われわれもそう聞いておるのでありまして、これらのものを今やきわめて混迷せるこの日本経済界の様相の中に取入れることは、はなはだもつて危險千万であると考えるものであります。 第二に市町村民税でありますが、この税金はまつたく私は完全人頭税であろうと考えます。たとい收入があろうともなかろうとも、人頭割におきまして八百円、六百円あるいは四百円という課税がされるわけであります。しかも法人には所得割、資産割を課けない。いわゆる資本家を擁護するものであり、大衆課税という性格を持つておるのであります。これは四百億の増徴を見込んでおりますけれども、先ほど金属の方が申されましたことく、一千三百万人からさらに課税対象が二十二百万人に増加いたしておる性質のものであります。従いまして一般市民、農民あるいはその他の方々の市町村民税は、二倍あるいは三倍というように強引に取立てられますと同時に、全国の各地方の中には、それ以上の五倍でありますとか、八倍とかいうような状態が起きつつあるということを聞いておるわけでございます。 第三に固定資産税でありますけれども、税收入見込み額五百二十億、これらは土地及び建物を中核体としておるわけでございますから、家賃、地代の大幅な値上げが必然的に起るものと予想されます。そういたしますれば所有者は使用者にこれを転嫁いたすわけでございますからして地代、家賃への転嫁として、約四百三十億程度のものが勤労者の負担になつて参ります。しかも中小企業におきましては、全面的な自己負担という形をとるのであろうことが考えられるわけであります。 このような特徴を持つておりますのが、今度の地方税改革の主要な根幹をなすものであります。たとえば先般の入場税につきましても、三分の一程度政府は切下げておるのでありますけれども、この入場税の徴收強化の方法といたしましては、無料入場をさせる場合におきましても、その経費を入場料金とみなして、税金を課し得るというような規定を設けまして、民主団体あるいは一般市民の皆さんが、何か利潤を目的としない催しものをいたしましても、これを税金の対象として收奪するという性質を持つております。今度の改革は、一般大衆のうちからとれるだけのものをとりまして、お金持ちにはでき得るだけのサービスをするという生質を持つておるわけでありまして、地方税の一大改革ということになると、きわめて美しく聞えるのでありますけれども、附加価値税から始まるところの各組税法案は、すべて勤労者でありますとか、あるいは中小企業者、あるいは農民の方々に対しまして、倒産あるいは崩壊、あるいはきわめて奴隷的な立場に追い込むというように私たちは考えるものであります。地方自治という新憲法の精神から申しまして、一般の方針といたしまして、地方の独立税の強化を理論的に私たちは一応肯定いたすものであります。しかしながらこの理論上の肯定は、私たちといたしましては、少くとも一般の住民の生活の安定、中小企業の発展、及び地方産業の独占形態の排除を前提としたものであり、さらに地方自治における中央官僚の支配を排除するということを前提とした、民主的なものの肯定であります。従いましてこの前提がなければ、地方自治はまつたく五里霧中の中に追い込まれるものと考えるのであります。こういつた観点よりいたしまして、地方の財政は実質的にはさらに窮乏のどん底に導かれて行くものと考えます。現在においては納税成績はさほどには上つておらないのであります。本日調べたところによると、東京都において、去る二月現在において都税は、全体の六割六分八厘しか納税されておりません。中でも最もひどいのは、普通法人税が一割三分しか納税されていないのでございます。住民の非難の的になつておりまして、税金のために自殺があり、家族の集団自殺があるというような様相を呈しております。この上にさらに増徴をするということになりますれば、まつたく地方自治体としては、忍び得ないものがあるばかりか、税を課したとしても、徴收するのに非常に困難であろうと考えるのであります。そのためには標準税率を越えましても、課税しなければならないという状態を引起すことが予想されます。しかしそのために平衡交付金があるではないかというように言われるのでありますけれども、わずかに一千五十億の平衡交付金をもちまして、さらに新制度平衡交付金の相当額約七十八億をもちましての前年の例に比較いたしましても、きわめて拙劣なる支拂い方法その他をやつておるわけでございますけれども、このような状態で地方自治体をはたして中央において十分に把握でき、円滑なる自治行政がなし得るかどうかということについては、はなはだ大きな疑問を感ずるものであります。従いまして各地方自治体は苦しまぎれに、地方銀行の通常経費に対する大きな圧迫を避けようとするわけでありますが、この地方銀行は必然的に中央につながるところの一脈の金融資本と相結びまして、いわゆる中央における金融資本のみが地方自治体の中に大きな一環として、筋金が入れられて来るのではないかと思います。従つて地方自治体の実態がいろいろな面から圧迫を受けまして、真に民主的な地方自治というものが、きわめて望み薄となるものと考えます。 そこで一体税金がはたして徴收できるかという問題と、同時に徴税機構の問題を今後どうして行くかというところに、われわれの立場からの大きな問題が起きて参ります。これに対しまして政府といたしましては、一応一人前の税源を各自治体にやつたのだからというふうなことになろうと思うのであります。聞くところによりますれば、六十億の徴税費によりまして、府県に二万人、市町村に一万八千人の増員を計画しておるということを聞くのでありますが、これらの非常にどん底をついておる担税能力の現在の一般大衆に対しまして、ここに苛酷に人を使つて取立てて行くという姿を現わしておるのではないかと思うのでありますけれども、現在のこのような徴税能率の低下というところに、これらの人たちがいかに優秀な吏員を採用いたしましても、市民と自治体市町村との間に板ばさみになりまして、必然的に能率が低下されて行くのではないかと考えます。従いまして失業者群ということが、これと逆論的に考えられるわけでありますし、若しまぎれの自治体の脱税の増加、これと不可分離的な強制的な寄付の増大、さらには地方の知事、市町村長が、中央につながるところの出先代官所的性格に移行して行くというふうに考えるものであります。さらに小さな市町村に参りましては、人は集めたけれども、人件費がない、收容力がないというふうな状態を、まざまざと引起すであろうと考えるのであります。こういつた立場に立ちまして、われわれ実務者の場合におきましては、必然的に労働過重ということになりますし、あるいはまた危險率の増大ということになります。今日私たちの仲間がやつておりましても、三つや四つなぐられる覚悟で徴税に出ております。また市民各位あるいは県民各位とされましては、非常に反税的な気持をお持ちになつておられるわけでありますから、このような重税と悪税が施行されるということになりますれば、さらに市民とわれわれ自治体との間には、非常な感情の摩擦軋轢が日に日にに増して行くでありましようし、また先の公述者の述べられたことく、反税闘争というような形態ができ上つて来る危険性があります。従いまして地方自治体における円滑な地方行政は、どうしても望み得なくなる危険性があると考えるのであります。これらを総合的に集約いたしまして、地方自治体がいわゆる大衆收奪の矢面に立たされて行くということであります。それには地方自治体の行政機能は、きわめて摩痺する危險があるということであります。さらに地方自治体の民主化は、むしろ民主化に逆行する危険性を持つておるということであります。そのためにはわれわれとしては民主的な構想により、いろいろな各層の人によるところの納税調査機構を設けまして、これによつて官僚が單に机上のプランでなすのではなしに、地についたところのものをお考え願いたい。このことによりまして中央集権性を打破し、真に日本の民主化ということができるということをお考慮願いたいと思うものであります。各地方におけるこういつた自治運営の、きわめて不円滑な要素が集結されるといたしますと、国家自体がどのような形態に落ち込むかということを、十分御高配、御考慮を願いたいと考えるものであります。 大体におきまして、私をして言わしむれば、どうか国税を地方に委讓されたいと考えます。住民税的性格を持つておる所得税、これを地方に委讓されたい。さらに法人税といつたようなものを、国家が国税として取扱われてはどうかと考えます。 はなはだ抽象論的ではありますけれども、われわれもまた全国的調査をいたしておりますし、專門の委員も置いておりますが、一応組織の代表者といたしまして、概括的にぜひともお願いを申し上げたいということで申し述べた次第であります。要は、繰返しますれば、今度の税制改革に際しましては、全面的にこれをすつかり取上げるところのわれわれの立場におきましても、なおかつ反対をせざるを得ないものであります。
○門司委員 ちよつと質問をいたします。この内容を見ますと、非常に罰則が嚴重になつておるのでありますが、地方の公共団体がこの罰則通りに施行することができるかどうか。これは非常に重要な問題でありますが、この点の見通しをお聞かせ願いたいと思います。
○信近公述人 嚴罰規定その他が各項目についているわけでありますが、これでわれわれ実務者がはたしてやれるかどうかについては、とうてい不可能だろうと考えております。そのためにはきわめて非能率的な様相を呈しますために、ここに警察力的な力を財務吏員諸君に與える危險が、将来起つて来るのではないかと考えます。従いまして、その間に板ばさみになつて行くところの実務者の徴税吏員諸君は、非常な苦境に追い込まれて行くではないかというように考えます。
○大泉委員長代理 次に日本船主協会理事、山下汽船株式会社社長森熊三升にお願いします。
○森公述人 私はただいま御紹介にあずかりました日本船主協会の理事をしております山下汽船株式会社社長森熊三でございます。このたびシャウプ勧告に基きます税制改革につきまして、日本船主協会といたしましては、固定資産税と附加価値税の問題につきまして、皆様にぜひともお聞きとりを願いたいと思う点を、これから申し上げたいと思います。二点ございます。 船舶に対する税は、これまでは船舶税という名義でとつておりました。これが今度の税制改革によりますと、固定資産税の名目で御徴收になることになるのでありますが、これに対してわれわれ船主はこういう要望をしております。船舶に対する税は固定資産税とせず、他の独立税としてお取扱いを願いたいという要望でございます。 その理由を申し上げます。第一、昭和二十四年度の船舶税は八千四百万円、これは実際に拂つております。これを固定資産税に変更せられて課税された場合には十一億になります。総平均にして約十三倍強、ことに外航に出ます大きな船につきましては、三十二倍強になるのであります。新造の大型船の二十四年一般の船舶税は、三十一万円の勘定になりますが、固定資産税になりますと、これが一千万円になるのであります。この重税を課せられた場合には、次に申し上げまする第二の結果が出るのであります。第二には、この結果が二十五年度の新造船の計画に対して、船主は全然手も足も出ないということになる。わが国でもつてもし新道をとめてしまつて、船主がただ安閑としているようなことがありましたら、日本の海運の再建が絶対にできません。御承知の通りわが国の船舶と申しますのは、戰前には六百万トンあつた。それが戰争によりまして、ほとんどいい船はつぶされてしまいまして、残りましたのが、終戰のときには百三十万トンくらいしかございません。そうしてそのとき動いておつた船は七、八十万トンしか動いておらない。それを公団とか復興金融金庫とかいうことで、いろいろ補助を受けて、だんだんに回復いたしまして、ただいまでは動けるものとしましては、約百八十五万トンということになつております。ただわれわれの標準になりましたのは、船主協会で船主の持つておりまする悪い船までも全部加えまして七百二十五隻、約二十二万五千トンになつております。これを標準にして約十一億になるわけであります。これはよくお考え願わなければならないことは、海運が復興しませんと、いかに貿易の問題を口にされても意味をなさない。貿易は海運と表裏一体になつておりまして、貿易をやりまして輸出をするにしても、輸入をするにしても、外国の船によつてこれをやつておりましたのでは、いいところはほとんど全部扱われてしまう。われわれのよく言つておりますところの輸入はFOB、輸出はCIFということを言つておりますが、あれは日本の船でなければ意味をなさない。全部外国に運賃をとられた場合には、運賃の料は非常に多いのでございます。それですからいかに貿易を発達させようと思いましても、運賃の面ですつかり押えられてしまう。これはわれわれこういう例がある。インドの方から綿を日本へ持つて来まして、そうして向うへ綿絲を出しておつた。ところがランカシアの方でそれをちやんとにらんでおつて、カルカッタの相場をほとんど左右しておつた。日本の方で非常に安くできるというときには、運賃を上げて原綿のコストを上げる。原綿のコストが上れば、製品が高くなります。ほとんど死命を制せられておつたのが、澁澤さんが何か大阪商船に話したという話です。日本の貿易はこれではたいへんだ、ぜひとも日本の船でやらなければいけないというので、日本の船が出たのは、インドに出たあれによつて、日本の貿易が今日までなつたわけであります。ですからこれは私が海運に関係しておりますから、自分がどうとかの問題ではありません。海運を回復させることが、日本の復興に非常に関係が深いということをお含みおき願いたい。見返り資金がアメリカの好意でもつて出ますが、もしこういう税が課かつておるとしますれば、船はできないと思います。そうすれば見返り資金も、せつかての好意が無になつてしまうことになります。 第三には、配船の都合で船をつなぐことがございます。今の日本の船の情勢から見ますると、あります荷物と船とのバランスがとれておらない。船の方が多い。大体この間調べましたのでは、外航におきましては五千トン以上の船が八十五万トンあります。そのうち外航でもつてクラスのとれる。いわゆる外国のロイドとか、ABのクラスのとれておる船は、十五万トンしかない。これは無條件で外航に出られます。そこであと七十万トンはつながなければいかぬことになる。もし荷がうまくとれまして、これが出ます場合、許可されれば出ますから、全部出ようと思えば出られるが、荷物がありません。内航におきましては約百万トン、荷物、船の数から言つたら、今の計算でどうしても三十万トンくらいはつながなければいけないだろうと思います。ですからもし船がつないだとかりに仮定いたしますと、ただいま申し上げました大型で一千万円のものが、動かないで拂いようがない。繋船料というものが今問題になつておりますが、まだきまつておりません。ところがこのいただきました資料によりますと、船舶の税金のところで見ますと、固定資産税で見ますと、これでは古い船で七百円年に課かるわけです。新しい船で八百九十五円課かつております。そうすると片方の繋船料は全部拂い出してしまう金で、一つも残らない。からつぽなんです。これに年々そういう税が課かつて来る。拂にようがありません。これは支拂いはできないと思う。こういう問題があります。 第四番目に、新道をかりにしたとしましても、この種の税のない外国船とは、絶対に競争はできません。わが国はどうしても外航でやらなければならぬ。この外航に出る船が、外国の税のないものと競争はできません。特に外国ではほとんど二分五厘とか三分五厘とか、そういう低金利の補助でやつておる。でありますからこれに対していくら日本が争つてみたところで、今見返りは七分五厘です。市中銀行で二銭八厘から三銭くらいです。それで競争ができるはずはない。ですからこれはむりだと私は思います。 第五番目に、船主の大多数というものは、東京、大阪、神戸を定繋港としております。この関係上、今の地方税がこの通りであるとすれば、三つの港に集中されてしまうことになる。もしこれが小さな市町村に移された。市町村が定繋港としました場合には、その地方へ持つて行つて、非常に莫大な税金が下るわけです。これは地方としてへたをすると、ランキングのおそれがないとしないと、われわれ考えておるのであります。 今までのは概括論でありますが、なおこれを運賃の面から見、なお船員とか、金利とかいう面から見たいと思います。もう一度申し上げますが、運賃の面から見ますと、固定資産税の場合には、大体日本内航におきまする貨物を千五百万トンと見まして、今の十一億円を割りますと、一トン当りが七十二円強になります。これは標準運賃——若松から川崎まで持つて来ます標準運賃が、八百四十円ほどになつておりますので、約一割になる。ところがこの運賃が、四月一日の民営還元以来というものは、非常に下つております。でありますからこれが先行きは上るという見込みは、今のところは考えられない。下るこそすれ上りはしない。そうすればこの率というものは、非常に高くなる。しかも荷主には転嫁できない。こういう結果になる。それから本年の三月三十一日までは、運営会が船を全部傭船しておつたわけです。その傭船料も船主がもらつておつたのですが、そのときの定期傭船料から見ますと、B型の新流船の傭船料というものは二割二分になつておる。一箇月分の傭船料というものが税金にとられる形になる。その次に船員の面から見まして、B型の新泊船というものは乗組員が大体五十三名くらい、それがもし一千万円も税が課かるということになりますと、大体四十二名くらい船員を増したと同じ結果になる。九十五人乗せた結果となる。ところが外国船におきましては、三十五人から四十人くらいしか乗つていない。それは給料が非常に高うございますが、人数が非常に少うございます。日本の海運が今まで外国と競争ができたのは、どこにあるのだということを考えてみますと、今までは安い船を雇つておつたということもありますが、一番大事なのは船員です。日本の船員は非常に安かつたということが、日本の海運の非常な有利な点であつたのであります。ところが今度の税制をもし実施されるとすれば、この利益というものはなくなる。そうしたらボロ船で船員費がかかるということになると、どこで競争するかという問題になる。これはイギリスやアメリカが戰争の前に非常に日本を恐れたのは、非常に船員費が安くてコストが安いから、運賃が間に合つていた。それで競争ができていた。それが今度の税によつてはなくなる結果になります。 最後に金利の面から見ますと、一体日本の金利は高うございますが、この税がかかりますと、一分七厘高い金利になります。こういうような情勢でありますから、船主の経済というものは成立ちません。成立たぬということは、新道なんかの問題が来たときにも、手がつけられぬということになると私は思います。だからこれからやつておつて、船会社というものは、これはなかなかえらい問題になると私は心配しております。これはぜひともお考え願いまして、もし今般がつまづくようなことになりますと、これは日本の海運政策の行き詰まりになるわけです。それがために外船、いわゆる貿易関係が非常に不利になりますから、これは私たち一汽船会社の問題ではないのです。全体の問題であります。 それから参考までに申し上げますが、地方自治庁で調べました資料によりまして、船舶に対する固定資産税というものが前の表で——この表は違いますが、前の資料によりますと、大体六億円ということを見込まれたのです。それで私たちが議会の関係の專門員の方に御説明申し上げたときに、私は十一億円ということを申し上げた。ところが地方自治庁で調べたものは六億だ、違うじやないかということで、そこに食い違いがありましたが、調べてみました結果、こういうことになつた。地方自治庁の調べによりますと、再評価をしまして税額を出しますと、約十二億になる。それで税の把握率を五〇%と見まして、六億が出ておる、こういうことがわかつた。それで專門員の方から地方自治庁の本多国務大臣にあてまして、願書に出ております理由のうちに、その理由がちやんと書いてあります。なおいただきましたこの資料によつて見ますると、大体十四億四千二百万になり、前よりよけいになつておる。ですから十一億でも問題になつておるものが、十四億四千二百万のものがとられることになり、これが固定資産税として船の方に課かつて来たりなんかしたら、船としては非常な問題である。これはぜひともひとつ皆様に御理解御考慮願いたいと思います。 次に附加価値税の問題を申し上げます。附加価値税の問題につきましては、総收入及び附加価値より、借入金の利息は、施設費その他と同様に控除せられたい、こういうのがわれわれの要望でございます。それはどういうことかと申しますると、今度の附加価値税のうちには、利息とか、今まで船の方では施設費とか修繕費とか、いろいろなものがありますが、そういうものは全部控除しないことになつておる。ところがそれをやられると、大体そういう利息や何かは七〇%ぐらいになります。だからこれはぜひ拔いてもらいたい。控除する形をとつてもらいたいということを、地方自治庁の方にお願いしました結果、利息以外のものは大体いいだろうということを課長さんはおつしやつた。私はそれは逆だというのです。利息は大体において総支出の中で、二割八分から三割五分かかつております。造船所は多分五割かかつておるでしよう。それだけの一番大事な項目を拔かして、あとのものをお入れになつておるというのは、ちよつと遠います。だからぜひとも今の船会社といたしましては、これから日本の海運を再建するためには、今までのボロ船ではだめです。どうしたつて新造しなければならぬ。新造をするのに、今の高い船価でやつて行くということはできない。その金は見返りの金を貸していただいたりしてやるようにはなつておりますけれども、拂う金利はたいへんなものです。この金利を拔かないで、ほかのものをお拔きになつたということは、ちよつと違いますということを申し上げておるわけです。どうかひとつこれはわれわれ業者といたしましては、借入金もこれからどんどんふえる一方です。一艘の船をつくるにいたしましても、五億から七億、今度の新曲におきましてはもつと高いでしよう。そういうような多額の借入金をしております関係上、利息というものが支出の大部分を占めることと思いますから、ぜひとも皆さんに御考慮を願いたい。 私のお聞きを願う点は、この二つの点でございます。
○大泉委員長代理 御質問はございませんでしようか。 それでは本日御発露になられました方々のほかに、御出席を願つておきました、香川県の知事で増原恵吉君が、都合によりまして出席ができないという通知がありましたので、本日はこれをもちまして、公述人の御意見の陳述は全部終ることにいたします。 この際委員長といたしまして、公述人各位に一言ごあいさつを申し上げたいと思います。本日は公述人各位には、御多忙中にかかわらず、御出席くださいまして、それぞれのお立場に立つて、あらゆる角度から御熱心に、貴重なる御意見を御陳述くださいまして、本委員会の本案審議上多大の参考になりましたことを、ここに厚く御礼妨を申し上げる次第であります。 それでは本日はこれをもつて委員会を散会いたします。明日は午前十時から続行いたします。 午後四時三十七分散会