地方行政委員会 第29号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/04/25
会議録
○中島委員長 これより会議を開きます。 日程の順序を変更いたしまして、地方財政平衡交付金一部概算交付暫定措置法案を議題といたします。 本案につきましては昨日質疑を終了いたしましたりで、これよりただちに討論に入ります。討論の通告がありますからこれを許します。門司亮君——通告がありますが欠席でありますから、通告を取消したものと存じます。次、立花敏男君。
○立花委員 私どもはこの暫定措置法は、仮定の上に立つた法案だと思いますので、根本的に賛成しかねる。元来国家の予算の審議にあたりましても、私ども地方財政平衡交付金法の並行審議がなければ、予算の項目にあります一千五十億の平衡交付額の決定は、私どもできないという建前をとつております。ところがその並行審議がやられずに、予算がああいう形で通されまして、しかも、それの実行の時期に至りましても、やはり財政平衡交付金法がありませんので、予算の執行ができないということに立至つでおりますことは、明らかに政府並びに与党の責任であろうと私ども考えております。さらに地方税法の審議にあたりましても同様なことが言えますので、地方税法と地方財政平衡交付金法とは表裏一体をなしておりまして、これはどうしても並行審議をやらなければいけない建前のもりだろうと信じます。その場合におきましても、やはり税法だけああいう形で一方的に強引に通されてしまいまして、平衡交付金法の法案は、審議されなかつた。さらにこの地方財政委員会法案の問題でございますが、この問題もきのう来私どもどうしてもこれは平衡交付金法と重大な関係のある問題だから、すでに委員会でも合同審議を決定している問題であるから、合同審議をやつてほしい。もしやれなければ、どうしてもこの委員会で財政委員会法の内容の説明をしていただきたいということを主張いたしましたが、これもやはり委員会としていれられない。こういうふうにこの関係の法案との連関なしに、ただ切り離された形で、地方財政平衡交付金法が問題にされる。しかもそれが問題にされるだけではなしに、今度はその親法案もなしに暫定措置法だけが問題になつている。こういう形でありましては、私は決して責任を持つて審議することはできない。シヤウプ勧告によりましても明らかにこの地方税法、地方財政委員会法、あるいは地方財政平衡交付金法というものが、一連の関連において初めて全体として考えられるものでありまして、決して個々ばらばらには考えられないものだということは明らかなんで、それをそれらの法案を関連なしにばらばらにお出しになりまして、しかも親法案がが出ないのに、暫定法案だけが出るということは、私どもどうしても納得できません。しかも財政委員会法に対しましても、あるいは平衡交付金法に対しましても、私ども重大な疑義を持つております。ある意味におきましてこれは私どもから言わせますと、地方の自治の侵害になる。地方の自主権がまつたく奪われまして、地方の自治のせつかく憲法できめました精神も蹂躙されるのではないか、そういうふうに考えております。特にこの間強行されました地方税法のごときは、生活の面からも、産業の面からも、あるいは財政の面からも、地方の自治を危うくするものであると考えておるわけであります。こういうふうな重大な疑義のある法案をまだお出しにならない。あるいはよその委員会で審議されておる。そういうときに私どもこの財政平衡交付金法に関する暫定措置法だけを切り離して審議することは、まつたくできないと考えております。しかもその暫定措置法の内容に至りましても、私ども重大な疑義を持つております。この問題はきのうの質疑応答におきましても触れておきましたが、わずか二百億ばかりの金では、絶対に地方の財政需要を満たすことはできないという考えを持つております。さらに歳出の基礎にされました地方配付税の額にいたしましても、きのうも指摘しておきましたように、六百六十七億という数字は、二十四年度だけの暫定措置なんで、しかもそれに対しまして委員会といたしましては、全国の市町村あるいは府県の要望を取入れまして、配付税額を半減するという措置は、絶対に二十四年度だけの暫定措置に限るので、二十四年度の途中においても、財源の許す限りは、それ以上の金が出せるようになれば出すのだ。配付税の半減ということは、二十五年度からは絶対にやらないでほしいということを、委員会の意向としても私ども明らかにしておいたはずなんだ。ところがその半減された六百六十七億というこの配付税の数字を、そのまま算出の基礎にしてお使いになつておるこのこと自体が、私ども納得できません。さらに暫定法の中には、この配付された額に対しまして、この額に対する不服あるいは疑義に対しまして、何らそれに対する自治体からの審議、申請の規定も何もされてないということ、これも私どもはやはり問題だろうと思います。こういうわけでどうしても私どもはこの審議のやり方から申しましても、暫定措置法案の内容自体から申しましても納得できないのですがさらにこの中に官僚と申しますか、行政機関が一方的に物事を措置するという考え方が、非常に鋭く現われておりますので、この点を特に指摘しておきたいと思いますのは、六大都市あるいはそれに関連のある府県に対しまして、自治庁の、あるいはこれからできるであろ地方財政委員会の一方的な考え方によつて、その額を半減し得るというような規定をおつくりになつておることです。これはどういたしましても、法案ではつきりしておかなければいけない問題だろうと思います。こういう形で自由裁量ができる大きな幅を行政機関に与えますことは、かつてのいわゆる独裁的な内務官僚の復活の芽ばえがここにあるのじやないかというように私どもは考えますので、こういうことはやめていただきたいと思います。 以上述べましたようないろいろな観点から、私どもはこの法案の審議がまつたく仮定の上に立つて、審議不可能である。しかも内容に至りましても、今申し上げましたようないろいろな疑義なり欠点があると考えますので、日本共産党といたしましては、この法案には全面的に反対でございます。
○中島委員長 次は床次君。
○床次委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に対しまして賛成の意を表するものでありまするが、しかしながらその内容におきまして、相当意見を有するものでありまして、この機会に私どもの立場を明らかにいたしておきたいと思います。本法案を提出せざるを得なくなつたということは、特に政府が今日まで地方税法の審議において、非常に事務的な折衝その他によりまして遅延しておつたということが一つ、なお財政平衡交付金法案の提案を見ておらないということのために、ここに非常な支障を来したのでありまして、ここに政府の説明いたしまするごとく、地方財政平衡交付金法案の制定が施行せられるまでの間の暫定措置といたしまして、地方財政平衡交付金の一部を、四月中において地方団体に対し、必要な財源を概算交付するの必要に迫られたということになつておりますが、まつたくその通りでありまして、私はきわめて遺憾の意を表する次第であります。しかしこの目的のためにこの暫定法が講ぜられたのでありますが、その講ずる方法の内容におきまして、まことに私は不徹底であり、またその本旨に沿わないところが少くないと思います。時間がありまするならば、私たちはもう一歩これを前進せしめて、ほんとうにこの暫定法案の趣旨に合うように、あらためて事を講じたいと思うのでありますが、その余裕がないことを遺憾とするのであります。 その理由を二、三申し上げてみますと、この四月中におきまする地方団体の歳計現金の不足のために、この法案が講ぜられておるわけでありまするが、地方団体の実情を見ますると、この程度の金額におきまして、将来本格的な交付金を交付せられるに至るまでの資金のつなぎといたしましては足りないのであります。わずか二百億の形でありましては、今後五月、六月にわたつて地方が必要と考えまするところのものに、非常な不足を感じておるのでありまして、地方団体といたしましては、やむを得ず一時借入金その他の措置によりまして、歳出を補わなければならない。場合によりましたならば、必要な支払いを延期してでもつじつまを合わさせなければならないという状態に入ると思うのでありまして、これは現在の地方団体にとりましては、非常に財政上の負担をかける。またその影響を考えますときに、すなわち地方の産業経済方面にしましても、非常な圧迫を加えるのであります。特に直接俸給をもらいます者が被害を受けますのはもとより、なお地方団体からのいろいろの経費の支払いを受けまする者が、この資金難のために必要な仕事が行われない。また支払いが遅れるということは、それぞれの立場におきまして金融の逼迫を来すのであります。特に最近は経済上非常な金詰まりが見られるのでありまして、このときにおきまして、地方団体みずからが大きな金詰まりの原因をつくり出すということは、私はきわめて不適当な事柄であると思うのであります。でき得べくんば、こういう法案をつくられます以上は、もう少し金額をよけいに交付して、その金詰まりを打開すると申しますか、円滑なる地方団体の歳出に充てるような配慮がほしいと私は考えているのであります。元来これはすでに予算にとつておりまするところの平衡交付金の金を使うのでありますから、これは概算払いにいたしましても何ら支障はないはずなのであります。あえて二百億に限る必要はないのでありまして、必要と認められる額を提供する。そして地方の歳出を円滑に行わせるということに対しましては、やろうと思えば優にできることなのでありまして、それをあえて考慮せずして、この程度の額で打切つておく。そして何ら支障がないというふうにお考えになりますことは、單に地方団体に対して金を交付するという立場においてのみのお考えでありまして、その結果どうなるかということに対して、十分な配慮が欠けていると考えるのであります。でき得べくんば、本暫定法案が成立いたしました後におきまして、地方団体がさらに財源に困ります場合には、ただちに第二次、第三次の措置も必要となつて来ると思うのであります。あるいは場合によりましたならば、便法といたしまして、平衡交付金の予定の交付を繰上げて、六月前にもさらに増額繰上げ配付するというような措置も、必要になるのではないかと考えておりまするが、この点に関しましては、政府におきましても十分地方の経済事情、また地方団体の財源事情を勘案せられまして、遺憾のないように措置を講ぜられるよう、要望するものであります。以上私の希望を述べて、御注意を促したいと思うのであります。 なおこまかいことになりまするが、個々の地方団体の中にありましては、非常に事情が違うと思います。ここに予定されましたような計算方法だけでもつて交付せられましても、依然として非常に足りないところも出て来ると思うのであります。特例が一部設けてありますが、單なるこの特例だけでは補うことのできない程度に、地方団体の財政上の苦しいところが相当あるのだと思います。これに対しましては、この特例の実施にあたりまして特別な御配慮をせられまして、遺憾のないように運用せられるよう要望しておく次第であります。
○中島委員長 門司亮君。
○門司委員 私はこの地方財政平衡交付金の一部概算払いをいたしまする法案について、賛成の意見を申し述べたいと思うのであります。しかしながら私どもがこの法案に対する賛成をする意見のもとは、何も政府に好意的に賛成をするのではないのであります。その点は特に政府におきましては考えていただきたいと思うのであります。地方税法にいたしましても、これに関運を持つておりまする地方財政平衡交付金法案にいたしましても、今国会当初において私は立案せられたことだと考えているのであります。しかるにその地方財政平衡交付金の法案が、いまだに提出されないというのは、どこに一体その原因があるかということであります。さきの地方財政法にいたしましても、シヤウプ博士が勧告されまして以来、政府はその方向に向つて法案の準備並びに整備をいたされておりたとわれわれは確信しているのでありますが、それがやつと先月の二十三日に国会に提案され、国会の審議期間はきわめて短い期間に限定されなければならない必然的の運命に置かれているる。時間的に余裕を持たざることのために、法案の審議が満足にできないとということは、これは当然でなければらない。そう考えて参りますならば、国家のきわめて重要な法律案が、政府の怠慢というか、政府の処置のよろしきを得なかつたことのために、国会における審議権が著しく圧縮されて来るということは、御承知だと考えておるのであります。政府は国会の審議権をどうお考えになつておるかということであります。一体政府だけの問題において立法ができるとお考えになつておるか。国会の賛成、さらに国会の決議を要しなければ、法案は絶対に成立しないということは、政府におかれまし、本十分御承知だと私は考えておる。しかるにその審議をいたします期間を圧縮して、必要以上の摩擦を生ぜしめ、国民の前にぶざまな国会の運営を展開しなければならなかつたということの責任は、一体どこにあるかということであります。この法案にいたしましてもその通りでありまして、政府がいま少し誠意を持つて、日本の国会の権威と国民の福祉を考えて参りまするならば、そしてこの前の地方財政平衡交付金法の成立について、その筋との折衝に十分の注意と熱心とを持つて行われましたならば、こういう法案提出の必要はなかつたのではないかと私は考えておるのであります。従つてわれわれは、政府のそうしたきわめて不手際なことのために、いたずらなる——と申し上げますと少し言い過ぎかもしれませんが、実際私どもの心境はその通りであります。必要以外の法案の審議をし、さらに必要以外の論議を闘わせなければならない段階に立至つておるのであります。そう申し上げましても、実際の問題といたしましては、地方自治体は非常に困つておリますので、この点は、われわれ国会におります者の地方に対する一つの務めとして、いかに政府に諸般の事情がありましようとも、そのことのために地方の自治体が困つている事態を、見殺しにするわけには参らぬのであります。従つて政府の処置に対しましては、私どもはきわめて大きな不満を持つている。このことは将来ともに政府において、特に十分戒慣していただきたいと考えておるのであります。 同時にこの法案の内容を見てみますると、いまだ不備な点がたくさん置かれておるのであります。この点につきましては昨日の委員会において、各委員から々指摘されておりまして、質疑応答がなされておりますので、私はこれ以上は申し上げませんが、この法案の運営がいかに民主的であるかということ、これがいかに迅速に公平に行われるかということがこの法案にとつて最も重要なことであると考えられますが、政府が申されているように、昨年度の配付税額による交付付額と大体にらみ合せて、そしてこれの査定の基礎を定めるというようなことが、この法案では配付をする一つの骨子になつておるようでございまするが、さきにも申しましたように、配付税法と今度の平衡交付金法とは、同じように地方の財源に割当てるとにいたしましても、その本質は非常に大きな相違を持つておるのであります。従来の配付税法と今回の平衡交付金法案は、本質におきましてはまつたく異なつた性質を持つたものであり、たまたま地方に配布する額というものが、同じようなものを配付いたしますることのために、同一の趣旨のように感えられておりまするが、実際は非常に大きな開きを持つておるということは、当局も御存じの通りだと思うのであります。しかるにこの法律で、その非常に本質の違います配付税当時のものを基礎として、もし配付されるということになつて参りまするならば、おそらく私は第七條に掲げられておりまするいろいろな問題が起つて来るのではないか。しかもこの問題は、おそらく平衡交付金法が通過いたしまして、それも一年間の払いのうちに、この概算払いが必ず充てられて、そうして超過分はこれを納入するというようなことに相なると思いますが、しかし自治体の状態は、全一箇年間の配付されます金高と、さらに今回の臨時の措置によつて配付されまする金の価値というものが、ほんとうにパーセンテージが同一の趣旨でありまするならば、大した支障はないと思いまするが、たまたまこの法律施行によりて、ある自治体が平衡交付金で定められる額よりもよけいなものをかりにもらつていたといたしまするならば、それを返すということになつておると思いまするが、もし返せないような数字が出て参るといたしましても、当初において非常にたくさんとまでは申し上げませんけれども、ある程度の、必要以上のものが配付されて参りますると、それは必ずそこで消費されてしまうと思う。消費してしまつた金を、少し行き過ぎておつたからこちらに返せと言われても、これはなかなか返らないと考えている。かつて昨年の議会における例の十八億の地方に配付いたしました金は、政府は当然これを回收すべきである。従つて昨年度における地方配付税の増額の際に、大蔵省はこの十八億の当然返るべきものを返してもらつて、そうしてさらに増額すべきものを配付するのだというような意見のあつたことも、われわれは拜聽いたしております。もしそういう事態が再び起つて参りまして、一旦配付いたしたものが、これは少し配付し過ぎたから返せと言われても、今日の地方自治体は非常に財政的に行詰まつておりますことのために、そのときに当然返すべき性質を持つているものといたしましても、なかなか私どもは返すことは困難ではないかということが考えられる。この点の運用については、私は特に御注意していただきたいと思いますると同時に、この案の内容は、これは平衡交付金法が出たときにわれわれは議論をしなければならないと考えておりまするが、実際官僚の一方的な査定において、政府の一方的の基準において、おそらくこれは配付されることに相なつて参るのであります。従来の配付税法でありまするならば、おのおの基準を定めておりまするので、地方の自治団体といたしましても、ある程度の請求もし、ある程度の要求もする強い意見が吐かれたと思います。今回のこの處置によりましては、それはほとんど政府の一方的處置であつて、ここに地方自治体に対する官僚の大きな干渉とまで言えなくても、干渉がましい行為もここに必ず現われて来る。そうしてせつかく地方の自治体が、みずから自分の力において自立して行こうとする民主的な行き方に、大きな阻害を来すものであるということは、私はこの際この法案を通じて言い得ると考えておるのであります。こういうことを考えて参りますると、この法案に対しましては、私どもは実際上の問題といたしましては不必要な法案であつて、審議をすること自体すら私どもは非常に不本意であるということを重ねてここに申し上げておきまするが、ただ地方の公共団体が非常な資金難に陥つておりまするときに、一日も地方の運営をゆるがせにすることができないという現在の地方公共団体の実情にかんがみまして、ここに大きく申し上げまするならば、ほんとうに涙を振つてこの法案に賛成せざるを得ない立場に置かれているということをつけ加えて、賛成の意思表示をじておきたいと考えております。
○中島委員長 他に通告はありません。討講は終局いたしました。これより採決いたします。本案に賛成の諸君の御越立を願います。 〔賛成者起立〕
○中島委員長 賛成多数。よつて本案は原案の通り可決されました。 次にお諮りいたします。衆議院規則第八十六條による報告雷作成の件は、委員長に一任されることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 —————————————
○中島委員長 次に請願小委員会設置の件についてお諮りいたします。本日までに本委員会に付託になりました請願は二百十七件でありますので、審査の便宜のため請願小委員会を設置いたしまして審査することが適当と考えますので、請願小委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 御異議なしを認め、さよう決します。 それではその小委員及び小委員長を選任いたしたいと思いますが、これは委員長より指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 御異議なしと認め、委員長より指名することにいたします。小委員には 生田 利平君 大泉 寛三君 川西 清君 川本 末治君 菅家 喜六君 野村專太郎君 田中 豊科 久保田鶴松君 藤田 義光君 立花 敏男君 大石ヨシエ君以上を指名いたします。小委員長には生田和平君を指名いたします。 —————————————
○中島委員長 次に行政書士法案起草に関する件を議題にいたします。過日の委員会において行政書士法案を起草することに決定し、委員長の手元において一応試案を作成することにいたしたのでありますが、ただいまお手元にお配りいたしましたような案を作成いたしましたので、これよりまず有松專門員よりその概要を説明いたさせたいと考えますが—— 〔「省略々々」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 それでは省略いたしまして、大体この案をもつて関係筋と折衝いたしたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 それではさようにこの問題は決します。 —————————————
○中島委員長 消防に関する小委員長川本末治君より、小委員会の経過並びに結果について報告いたしたいとの申入れがあります。これより川本小委員長の報告を聽取することにいたしたいと思います。川本小委員長。
○川本委員 ただいま委員長よりお諮りになりました消防に関しまする小委員会の経過並びに結果を御報告いたします。 本委員会は本年月二十八日、不肖川本末治外十二名の小委員選任によつて、発足いたしたのでありまして、爾来消防法改正案を起草するため小委員会を開くこと五回、愼重に協議いたしました結果、このほど成案を得ましたから、簡單に起案の理由と内容と御説明申し上げます。 火災を予防し、これによつて生じる人的、物的損害をできるだけ少くすることの必要なことは、いまさら申し上げるまでもありません。そのために昭和二十三年七月、本国会は消防法を起草、成立せしめたのでありますが、その後、同法の具体的運用の体験によりまして、さらに同法運用の完璧を期せんがため、次に述べるような概要を持つた改正案を起草いたしたのであります。 すなわち、改正のおもな要点を拾つて見ますと、第一点は、火災予防のため消防職員が個人の住居に立人り検査するには、第四條の規定により関係者の承諾がなければこれを許さないことになつておりますが、火災発生のおそれが著しく大であるため、特に緊急の必要があり、火災予防上支障が大きいので、公共の危險を排除する意味において、かかる場合に限りこれを許すことに改めて、予防消防の範囲を拡充しようとするものであります。 第二点は、消防の任務を直接遂行する消防機関のうち、消防本部及び消防署を設置しております市町村は、全国でわずか二百有余を算するのみであり、その他の市町村はあげて消防団員の献身的な活動に期待しなければならぬ実情にありますので、これ等消防団員の予防消防を容易ならしめるために、火災予防のため、将に必要があるときは、防火対象物及び期日または期間を指定するという嚴格な條件を付して、当該管轄区域内の消防団員に立入り検査の権能を認めるとともに、火災現場における消火活動の完全遂行を期するに必要な、消阻団の長の権限強化をはかつたのであります。 第三点は、法第七條に規定すも消防長または消防署長の建築許認可同意権に関するものであります。この場合、従来は一定の基準が明示されず、もつぱら消防長または消防署長の主観的判断にまかせてありましたから、個々の消防長または消防署長によつて、必要度の認定が異なり、寛嚴公平を失するのみならず、はなはだしきは不当に嚴重な認定をして、当然与えるべき同意を与えなかつたりする場合があり得て、弊害も少くなかつたので、今回は、同意の基準を法律に明定し、もつて人権の尊重を期した次第であります。また火災予防上の必要な助言と消火活動を容易ならしめる目的のもとに、許認可の対象外にある一定の建築物については、消防長または消防署長に対して届出をするようにいたしたのであります。 第四点は、第三章危險物において、現在危險物の貯蔵については規定があるのに、製造所、取扱所については明瞭を欠いておりますので、この点について法律上はつきりさせたのであります。 第五点は、従来消防の用に供する機械器具及び設備に関しては、国家消防庁が一定の規格を定めて、これを勧告することになつておつたのでありますが、これらのものと密接な関係のある防火塗料、防火液その他の防火薬品に関しては、規定を欠いておりましたため、支障がはなはだしかつたので、今回はこれらのものをも加えて、もつて支障を排除いたしたのであります。また右にあげましたものに関して要求があるときは、国家消防庁はこれが検定を行い得ること、そしてそのために経費を要しますので、手数料を納めるべきことを新たに規定し、一はもつて当業者の便をはかるとともに、消防諸般備等の完全を期し、他はもつて收入の確保をはかつて、この仕事の完全遂行を期したのであります。 第六点は、市町村長の火災警報発令権でありますが、従来は市町村長が都道府県知事から通報を受げたときのみ、市町村長の火災警報発令権が認められておつたのでありますが、かくては市町村長が気象の状況、火災の予防上、いくら危險であると認めても、知事から通報のない限り、警報を発令することができず、面積の広い道県のごときにありましては、すこぶる実情に適しないものがありましたので、今回はかかる場合には知事からの通報がなくても、市町村長が警報を発令することができることとし、もつて実情に即した火災予防の完璧を期したのであします。 第七点は、消防自動車のサイレン使用及び速度制限に関するもりであります。サイレンは従来は消防自動車が火災現場におもむくときにのみ、これを使用することを認められ、訓練の場合にはこれが使用は認められていなかつたのでありますが、実際には訓練の際にもこれを使用することを適当と認められる場合がありますので、特に必要がある場合ということと、一般公告をしたときという二つの條件を付して、訓練の際にもサイレンの使用を許し、もつて訓練の完璧を期するとともに、またサイレンの濫用により社会不安を生ぜしめることのないよう。愼重を期したのであります。次に速度制限に関するものでありますが、道路交通取締法の規定によりますと、緊急自動車の速度制限は、特例を認めて、特にその使命を果すよう考慮が払われておりますのに、一刻も早く火災現場に到着して、活動を開始しなければならない任務を持つておる消防自動車に限り、時速六十キロを越えてはならないとする消防法の規定は、まつたく実際の必要に反し、支障がはなはだしいので、この六十キロという制限を撤廃し、もつて支障のないことを期したのであります。 第八点は、消火もしくは延燒防止または人命救助のため、緊急の必要がある場合、消防対象物や土地の使用、收用、處分権、または使用制限権は、従来は消防長または消防署長のみに認められておりましたが、消防本部を置かない市町村においては、消防長も消防署長もおりませんので、かかる市町村にあつては、消防団の長に対して、この種の権限を認めるようにいたしませんと、実際上の支障がきわめて大なるものがありますので、今回の改正によつて、これを与えることといたしたのであります。しかしまた反面、この権限は非常に強大なものでありまして、もしこれが運用を誤りますと、個人の基本的人権に関するもの大なるものを生じますので、この権限を付与するために、火勢、気象の状況、その他周囲の事情から合理的に判断して、延焼防止のためやむを得ないときに限るという、嚴格な條件を設けたのであります。 第九点は、現行法は、火災の原因調査及び損害調査にあたり、消防長または消防署長に一定の物的調査ができる旨を規定してありますが、これのみをもつてしては、与えられた責任を十分に、また正確に遂行することはできがたいので、一定の質問権を消防長または消防署長に与えて、人的調査ができるようにいたしますとともに、また放火、失火の犯罪の疑いがあるときは、火災原因の徹底的糾明をはかるため、被疑者及び物が、警察から検察庁に送付されるまでの間において、一定の質問及び調査ができるようにしたのであります。 以上のほか、罰則その他若干の改正をはかるとともに、語句の整備を行つたのであります。 右小委員会の経過及び結果並びに改正案のおもな要点を御説明申し上げた次第であります。
○中島委員長 ただいま川本小委員長より報告がありました通り、小委員会において起草いたしたのでありますが、念のために申しあげておきますが、本案については川本小委員長より関係筋の了解を求めておる段階にありますので、まだ関係筋の承認は得ておりません。そういうわけですから、本日は成案を決定しないで、いずれ次の機会におきまして各委員のご意見を拜聽しまして、成案の決定をいたしたいと考えます。それでよろしゆうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 なお念のために申し上げますが、地方財政委員会設置法案の内閣委員会との連合会は、明日というように拜聴しております。それでありますから、明日ございましたらぜひ御出席くださるようお願い申したい。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十五分散会