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7回国会衆議院1950/04/13

地方行政委員会 第20号

発言数
135
登壇者
17
会派数
4
開催日
1950/04/13

会議録

中島守利自由党

○中島委員長 これより会議を開きます。  まず、日程第一の理事の補欠選挙でありますが、これは川本末治君及び田中豊君が、それぞれ八日委員を辞任いたされましたので、その補欠選挙を行いたいと思いますが、これは投票の手続を省いて、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」を呼ぶ者あり〕

中島守利自由党

○中島委員長 御異議なしと認めます。川本末治君、田中豊君をそれぞれ理事に指名いたします。  次に小委員及び、小委員長の補欠選任の件を議題といたします。まず消防に関する小委員でありました河原伊三郎君、川本末治君及び淵上房太郎君、競犬法案起草小委員であつた河原伊三郎君、及び川本末治君、特別市制に関する小委員でありました川本末治君が、それぞれ去る八日委員を辞任されましたので、自然小委員も辞職されたことになつたのであります。ゆえにその補欠選挙を行いたいと思いますが、これは委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島守利自由党

○中島委員長 それでは御異議なしと認めまして、消防に関する小委員に河原伊三郎君、川本末治君、及び淵上房太郎君を、競犬法案起草小委員に河原伊三郎君、川本末治君、特別市制小委員に川本末治君を、それぞれ指名いたします。  次に、消防に関する小委員長を、同じく委員の異動に伴いまして空席となつておりますので、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島守利自由党

○中島委員長 それでは川本末治君を小委員長に指名いたします。  政府委員等の関係がありますので、日程を変更いたします。国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律案、内閣提出第一五八号、本法案は目下参議院に付託になつておりまして、当委員会に予備審査を要求されておるのであります。この際政府委員の説明を聽取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者おり〕

中島守利自由党

○中島委員長 御異議なければさようとりはからいます。吉岡政府委員。

吉岡惠一全国選挙管理委員会事務局長

○吉岡政府委員 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律案の提案理由について、御説明申し上げます。  国会議員の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査の執行に関する事務の大部分は、都道府県または市町村の選挙管理委員会に委任して、執行いたしているのでありますが、このため特に要する経費につきましては、現在すべて国が負担することになつているのであります。  今回の税制改革にあたつて採用されました地方財政平衡交付金制度によつて、地方公共団体の機関に委任して行う事務に要する経費は、地方財源でまかなうことを原則にしておるのでありますが、国会議員の選挙等に関する事務は、毎年行われるものでありませんし、また衆議院の解散による総選挙、または補欠選挙等は、予期し得ない時期に行われる場合もあります。またさらに選挙等の公営の実施その他について機会均等を確保する必要から、諸般の事情を考慮した上、直接国費から支出することといたしまして、これまでと同様に、国会議員の選挙等の執行のために地方公共団体が特に要する経費は、すべて国が負担することといたした次第であります。  国会議員選挙の執行に要しまする経費は、選挙の事務が相当複雑で多くの人手を要し、さらに最近は選挙公営が拡充せられる等のことがありましたために、相当の額に達するのであります。しかもその大部分が地方の選挙管理委員会において要するものであります。  国会議員の選挙等の事務は、その大部分が地方の選挙管理委員会に委任して行われるものでありますので、選挙公営の実施その他選挙事務遂行について、地方選挙管理委員会の活動のいかんは、選挙の結果にも非常な影響を持つておるものであります。従つてその活動の裏づけとなります経費について、必要な最小限度が満されませんと、選挙全体の結果に影響を與えるものでありまして、国が経費を負担するについてもいろいろの問題が生ずるのであります。実際におきまして、昨年の一月に行われました衆議院議員の総選挙におきましては、その経費は、当初予備金より七億七千万円を支出した次第でありますが、地方の選挙管理委員会においては、この額ではその責任を十分果すことができないというので、不足の部分について国費を追加してもらいたいという要望が強かつたのであります。政府といたしましては、経費の不足から選挙の執行に支障を生ずることがありましては、その影響するところが少くありませんので、種々検討をいたしました結果、真にやむを得ない経費に不足を生じた場合は、適切な措置を講ずることにしたのであります。結局において、去る第六国会において、一億七千八百万円の追加を補正予算に計上した次第であります。このように事後に問題を残しますことはおもしろくないのでありますが、しかし昨年の衆議議院員の総選挙のように、議会の解散後に行われる総選挙におきましては、時日の余裕もありませんし、予備金についてもその限度がありましたので、避けがたいことであつたわけであります。  以上述べました昨年一月の衆議院議員総選挙の際の実際から考えますと、地方の選挙管理委員会がその必要と認めて支出した経費は、すべて国が負担することになるのでありますが、国の財政上相当の負担になるばかりでなく、国の負担額決定の時期等から考えて、地方の選挙管理委員会の事務執行に財政上の不安があり、また同じ程度の規模の個々の選挙事務についても、地方の選挙管理委員会の間で、そう使用しました経費の額がまちまちであり、ひいては国会議員選挙執行の上に、非常な支障を生ずることにもなりますので、この際国が負担する経費は、特に必要とする特別の理由がない限りは、この程度であるという基準をあらかじめ定めておきまして、いかなる場合に選挙が行われましても、その選挙に支出ができる経費は予測できるようにしておきまして、国の負担額のいたずらに厖大なることを避け、紛議の発生を未然に防止いたしまして、選挙の適正円滑な執行を確保しようとするのが、この法律案を提出するに至つた理由であります。  法律案の内容は、国会議員の選挙、最高裁判所裁判官の国民審査及び憲法第九十五條の規定による投票の執行、その他の公共団体のみに適用する法律のための住民投票の執行について、国が負担する経費の基準額、その配分等を規定しておるのであります。  基準額につきましては、一般の選挙事務につきましては、その行われる單位、すなわち都道府県、市町村投票所、開票所等の別にわけ、選挙運動の公営の事務につきましては、その種類ごと、すなわち選挙公報の発行であるとか、演説会場施設の公営、候補者氏名の掲示等の別にわけ、これら一般選挙事務の執行については、その規模を有権者の数に求めて段階を設け、選挙運動の公党事務については、その種類に応じて、候補者数、世帶数、また面積等を基礎に段階を設けて所要の経費の算出をいたしております。  所要経費の算定につきましては、昨年一月行われました衆議院満員総選挙及び同時に行われました最高裁判所裁判官の国民審査に要しました経費の実績を検討いたしますとともに、都道府県及び市町村の実地について調査を遂げました結果、多く使用していると認められるものを節約して、少い額で済んでおるものもありますが、その中庸をとつて基本の額を定めた次第であります。距離、地域または選挙の行われる時期等によつて、一般的な基本額によることのできないものについては、それぞれ必要な調整を加えることにいたしておるのであります  以上のようにして定めた基準の額を基礎に、来る参議院議員通常選挙の執行に要しまする経費を計算いたしました結果、そう総額は九億八千万円となり、昨年一月の衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に要した経費の九億五千万円に比較すると、約三千万円の増加となるのであります。その金額は中央で使用する分も入つておりますから、申し添えておきます。この比較からいたしまして、経費の基準額は大体むりのないものと信ずる次第であります。  次に配分でありますが、配分につきましては、これまでと同様に全国選挙管理委員会におきまして、基準額に基いて都道府県に対し、その市町村の分も含めた所要経費を算出して配分をいたし、各市町村の分については、都道府県においてさらに基準額に基いて所要額を算出して、配分することにいたしております。また避けることのできない事項、その他特別の事情のために交付された額で選挙を行うことが困難な向きに対しましては、別に調整費というものを設けて、このうちから経費を追加することにいたしておるのであります。また無投票によつて、交付せられた額に不用となる額を生じましたときには、これを返還させることにいたしております。  ここでつけ加えておきたいと思いますが、一昨日成立をいたしました公職選挙法によりまして、多少の経費が増加することになるのでありますが、これはそれも見込んで法案の中に入れてあります。このことを申し添えておきます。  大体以上がこの法律案の趣旨並びに内容でありますが、この法律案が成立いたしますれば、政府といたしましてはこれによつて財政的措置を講ずべき拘束を受けますし、都道府県、市町村といたしましては、所要経費について保障せられることになりまして、選挙の円滑、適正な執行がはかられると考える次第であります。何とぞ愼重御審議をいただきたいと思います。

中島守利自由党

○中島委員長 本法案に対する質疑は次に譲ることにいたしましていかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島守利自由党

○中島委員長 さよう決定いたします。     —————————————

中島守利自由党

○中島委員長 次に日程を変更いたしまして、都道府県の所有に属する警察用財産等の処理に関する法律の一部を改正する法律案、参議院提出、参法第四号、これを議題にいたします。まず本法案の趣旨について参議院議院の発議者であります、参議院地方行政委員長の岡本愛祐君の代理人、同理事岡田喜久治君よりその説明を聽取したいと思います。岡田喜久治君。

岡田喜久治自由党

○岡田(喜)参議院議員 ただいま議題となりました都道府県の所有に属する警察用財産等の処理に関する法律の一部を改正する法律案について、発議者の一人として、提案の理由を簡單に御説明申し上げます。  さきに第五国会において制定されました、都道府県の所有に属する警察用財産等の処理に関する法律は、一昨年三月警察法が施行せられた際、警察の用に供されていた都道府県所有の財産及び物品のうちで、国家地方警察に必要なものは、都道府県が無償で国に譲渡すること、及び警察法施行の後、昭和二十三年六月三十日までに、国家地方警察の用に供するため、都道府県が取得した財産及び物品についても、同様とする旨を規定いたしております。また地方警察法附則第九條には、警察法施行の際またはその施行の後、新たに市町村が警察の責に任ずることになつた場合において、現に警察の用に供する国有及び都道府県所有の財産及び物品のうち、国家地方警察に不必要で、市町村警察に必要なものは、無償でこれを当該市町村に讓與する旨を規定しております。しこうして右二つの法律に基いて、警察用財産及び物品の帰属にがすでにおのおの定まつたのであります。ところが、その後の情勢の変化により、国及び市町村相互間において、現在その一方の所有する警察用財産等が不必要となり、かつ他方がこれを必要とする場合が生じて参りました。ことに、元来市町村民の寄付金等を主にして建設され、都道府県有となつていたものであつて、右法律により無償で国有に帰し、現在国家地方警察の用に供されている警察庁舎、官舎等を、地元の市町村警察用として讓渡するを適当とし、政府側においても、これを妥当と認めている場合がすでに幾つか生じております。  そこでかような事情にかんがみ、右二つの法律で無償で授受した警察用財産及び物品について、国家地方警察と自治体警察との間で、その一方が不必要となつたときに、他方が必要となつたときは、その所有権を国から市町村に、また逆に市町村から国へ、無償で円滑に讓渡することのできる法律的根拠を設け、都道府県の所有に属する警察用財産等の処理に関する法律の不備を補わんとするのが、この法律案の提案の趣旨でありまして、参議院地方行政委員全員がその必要を認め、発議いたしました。  なお、この改正については、国家地方警察、大蔵省等関係当局においても、異議がないということを申し添えます。

中島守利自由党

○中島委員長 本案に対し御質疑がありますれば、この際許したいと思います。

大泉寛三自由党

○大泉委員 質疑でもありませんが、たいへんけつこうな案だと思いまして、ただちに私は賛成したい。何も意見がありません。ただ国家警察のために寄付しようと思つた財産、ところが国家警察でも必要でなくなつた。あるいは自治体が別な目的のためにその財産が必要になつた場合も、やはりこれに適用することと思いますので、念のためにお聞きいたしたいと思います。

岡田喜久治自由党

○岡田(喜)参議院議員 大体同様に扱いたいと思います。

中島守利自由党

○中島委員長 他にございませんか。

立花敏男日本共産党

○立花委員 これは前にできました法律と大分趣旨が違うと思うので、その点でちよつとお聞きしたいと思うのですが、前できました法律は、一つの転換の場合における特例のようなものであつたと思うのですが、この法律はそうではなしに、国警と自治警とがたえず財産をそういうふうに交換し得る、いわば警察財産というものが、自由に自治警と国警との間で融通ができるというような、一般的な法律と申しますか、一般的な点に重点が置かれております。この建前は、自治警と国警とはつきりわけるという精神から言いまして、少し私は疑義があるのですが、その点を少し御説明願いたいと思います。

岡田喜久治自由党

○岡田(喜)参議院議員 一応ごもつともの点もあると思います。但し、この法律はお説のごとく、やはり一般的に将来かような融通性を持たしたものをもつて臨みたい。なおしかしながらお話のように見様によつては自治警と国警とわけた趣旨に、もどりはせぬか云云という御疑念についてのお尋ねでありますが、これは私こう考えております。警察組織そのものは言うまでもなく現制度のもとに国家地方警察及び自治体警察をもつて、おのおのその職能を立てて分離いたしておりますが、庁舎に関しましては往々に同一で、やはり警察目的のために使うというような点においては、あえて自治警であろうが、国家警察であろうが、かわりはなかろうということが一つ、あるいは両者ともに不離一体の形を持つて警察機能を発揮するものであるから、往々にそのような所得財産の融通性を持たして、無償で円滑な讓渡関係をとらせることの方が適当ではないか。結局警察全体の目的のためにこれは便宜ではなかろうか、かような趣旨のもとに、かような立法を考えておる次第であります。

立花敏男日本共産党

○立花委員 ただいまの御説明では庁舎とおつしやいましたが、法案は決し庁舎とございません。財産及び物品とございますので、こういうものを全部片方から片方へ無償で自由に移すということは、大分問題があると思う。決して庁舎だけの問題に限定しておりませんので、広く財産及び物品を無償でお互いに融通し得るというような重大な問題は、簡單にやれないのが建前じやないか、自治体警察と国家警察とは任務から申しましても、その目的から申しましても、性格から申しましても根本的に違うというのが建前でございまして、それの持つておる財産及び物品を自由にこういう形で交換し得るということを一般化するような法律は、先ほど申し上げましたような、前に通りました單なる警察法の施行に関する一つの特例法の中の一部を改正しただけでやれる問題ではないのじやないか、もつと本質的なものを持つておるのではないかと私どもは思います。しかもこの問題は、最近特に国家警察、自治体警察を一本化しようという傾向が非常に強く現われておりまして、この間もこの委員会で川口の市長を呼びましたときも、国警と自治警を一緒にした方がいいというような意見を言つておりましたが、委員の中からも反対の声が出たのでありますが、財産の面からこういうふうな形を、恒常的に取入れて行こうということは、少し親法律の趣旨から申しまして、違つて来るのではないか、そう思うのでありますが、もう少し御説明を願いたいと思います。

岡田喜久治自由党

○岡田(喜)参議院議員 その点につきましては一方が不必要となり、かつまた他方が必要となつたときという制限がありまして、まつたく一方においては不必要であり、他方においては必要である、かような事情のもとに現われた場合において、初めてこの法律の適用になるわけでありますから、漫然と両者の財産その他を有無共通的にするという意味ではないわけでありまして、その点に御注意いただきたいと思います。  また財産と申しましても、主たるものは庁舎、官舎あるいは警察用物品というわけでありますが、これまたいずれも必要不必要の問題が、その関係者において認定、判定され、かつまた協定された場合において、初めてこの法律の根拠のもとにそれが行い得る、かような條件付になつておると思いますから、それによつて御了承願いたいと思います。

立花敏男日本共産党

○立花委員 私はどうもこれは納得できません。特に最近の情勢におきまして、自治体と国警の混淆が見られます場合に、この問題はもつとはつきりした立場からやらなければならないのではないかと思いますので、どうも納得できませんから、今後に疑問を残しておく程度で、質問を終る次第であります。

大矢省三日本社会党

○大矢委員 この法文によりますと、市町村警察が必要な場合には無償で讓渡する。さらにまた国警が必要とするものは国警に無償で讓渡しなければならぬと書いてありますが、これはいずれを重要に扱うのか。どつちが優先的なのか。これは地方によつて違いますが、たとえば大都市のごときは国警よりさらに大きな役目を持ち、重要な地位にある自治体警察があるのであります。これは法文によりますと、国警の方を重要視しておる感じがするのですが、この点はいかがですか。

岡田喜久治自由党

○岡田(喜)参議院議員 さようなことはないはずでありまして、自治体警察も国警も同じ立場において扱われておると思います。法案の順序から申しますれば、一方を先に一方をあとに書いてありますが、まつたく法の性質は同じ立場において書いてございます。

大矢省三日本社会党

○大矢委員 そうすると逆に国家警察に必要で無償でやつたものを、今度は市町村警察でこれをほしいといつた場合にどうなるのですか。これはそういう場合の規定はないのです。自治体警察のものを今度は国警に無償で讓渡しなければならぬということは書いてある。逆の場合は書いてない。

岡田喜久治自由党

○岡田(喜)参議院議員 第一條の二がそれに当つておるかと思います。みな区別はないのです。法文の配列の順序は違いますが、性質はさしつかえありません。一方が不必要であつて、かつ一方が必要であるという條件がついております。その場合は所属主体警察がどちらにあろうとも、別に問わないということになつております。

立花敏男日本共産党

○立花委員 物品と申しますのはどの範囲ですか。少し具体的に御説明願いたいと思います。アメリカから借りておりますピストンなんかも、この中に入るのでございますか。

岡田喜久治自由党

○岡田(喜)参議院議員 私ども実際に遭遇いたしまして必要を感じておるおもなるものは、自動車であつたのです。もしくは自転車。この自動車、自転車等が過不足の関係があつたり、引渡し、讓渡の際に、おのおのかような融通性を持たせた方がよいというものに該当するものであります。しかしいずれも財産及び物品とありますから、両者の間に必要、不必要という問題のもとに、この法律を適用する場合においては、いかなる物品を問わずということには観念上なると思います。しかしそれがそうこまかな問題だと、一方が不必要だとも言わないだろうし、片方が絶対必要だとも言わないだろうと考えられますので、ほどよき適用が行われるのじやないかと思うのであります。

中島守利自由党

○中島委員長 この法案に対する質疑は、この程度で、大体一応終了しておきたいと思います。     —————————————

中島守利自由党

○中島委員長 次は地方税法を議題といたしまして質疑を続行いたします。  本委員会の理事会の決定に基きまして、各税目ごとに審議を行うことになりましたので、まず附加価値税、これは総則第一條より第七十四條までの間において質疑を許したいと思います。

立花敏男日本共産党

○立花委員 その前にちよつとお尋ねしておきたいのですが、この間の大蔵と水産、運輸と通産でございましたか、合同審査をやりましたときの質疑者が残つておるのでございます。委員長のそのときのお言葉では、きようとあすの間に委員外質問でやるということでございましたが、それをどういうふうにはかられておりますか。

中島守利自由党

○中島委員長 それは私としては委員外質疑でお許しいたしたいと考えております。しかしこれは委員会にも諮らなければなりません。大体委員長としてはそう考えておりまして、それぞれ関係委員長の方に話をしてあるわけでございます。向うはいずれ十三、十四日の間にと、私は申し上げておきましたから、この期間に質疑の要求があるものと期待しております。

立花敏男日本共産党

○立花委員 要求があつた上で、この委員会にお諮りになるというお考えでございますか。

中島守利自由党

○中島委員長 ええ。

立花敏男日本共産党

○立花委員 向うから要求がありまして初めてこの委員会にお諮りになる。

中島守利自由党

○中島委員長 そのつもりです。

立花敏男日本共産党

○立花委員 この附加価値税につきまして、外人に対する課税の問題でございますが、これはどういうようにお考えになつているのか、御説明を願いたい。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 外人に対しましても一般と同様に課税するつもりでございます。

立花敏男日本共産党

○立花委員 新聞で見ますと、この外人に対する大幅の免税の問題があるのでございますが、ああいうものには御関係なく、やはりアメリカ人、イギリス人、中国人、朝鮮人、こういうものにおしなべて、この税法通り日本人と同じように課税なさるおつもりでございますか。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 今、地方税につきましては、外人に対する特例は考えておりません。

立花敏男日本共産党

○立花委員 これは将来も、大体近い将来でございますが、やはりそういうふうにお考えでございますか。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 ただいまのところ別に考えておりません。ずつと先に情勢の変化がありますれば、別問題でございます。

龍野喜一郎自由党

○龍野委員 まずお伺いいたしたいのは、第二種事業というものを掲げられておりますが、この第二種事業を特に設けられた理由を御説明願いたいと思います。なぜかと申しますならば、第二種事業と第三種事業とは、その取扱方におきましては、課税標準その他において何ら区別ないようでありますが、何ゆえ第二種事業というものを設けられたか、まずその点をお伺いいたします。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 おつしやいますように課率が第一種と違うだけでありまして、第二種、第三種も同じでございますが、ただ事業の性質が違つておりますので、ただ別にしただけでございます。

龍野喜一郎自由党

○龍野委員 ただ別にしたというだけならば、何も設ける必要はないと思います。おそらく第二種事業というものを特に設けられたゆえんのものは、これらの事業は原始産業で、国税の上において特に何らかの保護的と申しますか、あるいは助長的な立場から物を見なければならぬという意味合いにおいて掲げられたと思うのであります。もしもこの精神をさらに一歩進めるならば、第二種事業の方は第三種事業の次に置いて、もしも課税するならば、もつと税率を低くするとか何とかするような、そういう措置を講ずべきではなかろうかと思いますが、この点に対する御意見。  次に第二種事業の中の二の水産業、これと漁業の関係であります。その間の法律上の観念の相違はどうか知りませんが、実際問題としますれば、われわれは漁業という場合には主として小企業、つまり沿岸漁業もしくは小さい資本をもつて家庭的にやるものを漁業と言つて、水産業というのは、たとえば大洋漁業のごとき大きな会社組織をもつてやつている。あるいはその他の水産加工を大規模にやつているというようなものを水産業というように感じておりますが、この水産業の中にはいわゆるわれわれのいう漁村を構成している漁業というものが入つているか入つていないか、お伺いいたします。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 まず第一点の課率をさらに引下げる道はないかというお尋ねでありますが、これは一応附加価値税は全般的にとりまして、しかも同一の率でとるということを原則にしております。ただ従来事業税につきまして差等のありましたこと、あるいは原始産業につきましては、農業等の振合いも考えまして、特に一%だけ引下げてあるのであります。これ以上下げることは適当でないかと考えます。  第二の水産業の中にはもちろん漁業を含んでおります。水産業の方が少し漁業より広いような意味で考えております。つまり漁業以外にたとえば真珠の養殖事業ようなものも、水産業の中に含めて考えております。

久保田鶴松日本社会党

○久保田委員 議事進行に関して……これは非常にたくさんな法案でありますから、委員長は一條から七十四條までと申されましたが、この一條から七十四條までの一応説明をしてもらいたい。そうして議事を進めてもらいたいと思います。     〔「できなければ逐條審議をやればよい」と呼ぶ者あり〕

龍野喜一郎自由党

○龍野委員 附加価値税についてお伺いいたします。戰後新興宗教というものが、相当の財力をなしているということを承つているのでありますが、新興宗教といえども相当の家を持ち、またその地方に相当の御迷或をかけているだろうと思いますが、これが附加価値税の対象になるのでありますか、ならぬのでありますか。なるとすれば第一種、第二種、第三種のどの中に入るか承りたい。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 新興宗教のどの部分が附加価値の税の対象になるかということでございますが、宗教自体につきましてはもちろん対象になりません。ただその宗教団体が法に掲げてありますような事業、物品販売業とかあるいは旅館業とか、こういうようなものに相当するような事業を行つておりますれば、これは附加価値税の対象になります。

龍野喜一郎自由党

○龍野委員 私がお伺いいたしたいのは、事業がそういう物品販売とか何とかでなくて、祈祷と申しますか、あるいは医療類似の行為によることを意味しているのでありますが、それはどういうようになりますか。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 医療類似の行為、あるいは祈祷というようなことで、いわゆる営利的なものは、第四項の第三種事業の最後の項の「前各号に掲げるものを除く外、これらに類する事業で政令で定めるもの」ということがありまして、これらにつきましては政令で定めることができることになつております。

龍野喜一郎自由党

○龍野委員 次は非課税のことについてお伺いいたします。非課税の対象の(2)の中に、「学校法人及び私立学校法第六十四條第四項の法人が行う第二種事業及び第三種事業」は非課税の対象になつておるのでありますが、今日までのいろいろな法制を見てみますれば、それぞれの特別法において、これが公益上必要と認める場合には、地方税を附加せずというような條項がよくあるのであります。たとえば先般議会を通過いたしました観光ホテル事業のごときは、地方税を附加しないということになつておるのでありますが、今後この特別法によつて、もしも地方税を附加しないというようなことが認められるとするならば、まさに学校法人に関するところの附加価値税の免税は、その学校法人法の改正によつてやるべき問題ではないかというふうに考えるのでありますが、御当局の御見解はいかがですか。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 実は少し前には、地方税に関する免税規定が、各種の法律に散在しておつたのであります。それでは非常に見にくくもありますし、統一も欠きますので、全部地方税法にまとめて、各特別の法律には免税の規定は削除するという方針でできております。今回も大体その方針で行つておりますので、ほかの法律には地方税免税の規定は、特別の場合を除きましてはないわけでございます。ただ国際観光ホテル整備法につきましては、一番最後のページに出ておりますように、これはたしか現在の規定で申しますと、この地方税法第十四條第二項の適用があるものとすというような規定でございまして、つまり新らしい法律の十三ページの第六條第二項に「地方団体は、公益上その他の事由に因り必要がある場合においては、不均一の課税をすることができる。」つまり観光ホテルにつきまして、公益上その他の事由により必要があるものと認めます場合においては、不均一の税、税率を安くする、こういうことができるという程度の規定になつておりますので、特に強い免税規定でもございませんから、一応観光ホテル整備法の規定はそのままにしておきまして、ただ條文の整理だけを行うことにしたのであります。従いまして学校法人等も、特に学校教育法等に規定を置くのは適当でなく、やはり地方税の免税はここに一緒にしておく方が適当であると考えております。

龍野喜一郎自由党

○龍野委員 次に同じく免税の中で、農業とありますが、農業は農村の副業を含むか含まないか。現在の農村は、その金銭的收入の大部分を、いわゆるわら工品あるいは疊表の製造というような農村副業をもつて維持しておることは、御承知の通りでありますが、この農業の中には、農村の行う副業も当然入るものと、われわれは解するが、この点いかん。  次に林業とありますが、これも林産業を含むかどうか。私の問わんとする趣意は、林業のうちに副業として、たとえばしいたけの栽培とか、あるいはたけのこの採取とかいつた、そういうものも含むものであると解するが、御当局の見解いかん。  なお非課税の対象の中に、一番しまいに、「主として自家労力を用いて行う第二種事業で政令で定めるもの」というこの説明として、「主として自家労力を用いて」というのは「事業延日数の中その三分の二以上が事業者又はこれと雇傭関係のない同居の親族によつて行われているものをいうものである」というふうに解釈いたしておりますが、私はかくのごとき解釈は不必要ではないかという気もいたします。こういう点は常識でもつてわかる問題であつて、三分の二以上とか、三分の二以下とかいうような制限を置いた理由はどうか。  さらにその説明の中に「政令で定めるものとは事業の附加価値額が概ね一月について一万円に満たないものとすること。」と書いてありますが、すでに年九万円以下は、いわゆる免税点になつているのでありまして、それが一月に一万円に満たないものとすると、最高を取りましても年に十二万円、そうすると、結局三万円だけは非課税の対象になつているということになつておりまして、いわゆる羊頭を掲げて狗肉を売るというようなものではなかろうか。こういうような制限も私は不必要ではなかろうかと思いますが、この第三種事業で政令で定めるものというものの御説明を承りたいと思います。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 第一点の農業の中には、農民みずからが行います副業、わら工品のごときもの、これは当然入つております。ただ、わら工品でございましても、農民でなくて、別の者がわらを買つて来て、そしてわら工品をつくる、これは製造業の部類に属しますが、農民みずからが副業的に行うものは、当然農業の中に入つております。  第二の林業は、林産業よりも狭い意味に解しております。ほんとうに木を育てて切る林業だけに考えております。従いまして、製炭事業のごときものは、課税しようと思えば課税されるわけであります。但しそれには、三十二ページの初めにございます第二種事業の最後の項の中に、「これらに類する事業で政令で定めるもの」とあつて、これは政令で定めなければなりません。  次の、「主として自家労力を用いて行う第二種事業で政令で定めるもの」でございますが、これは大体この「主として」という言葉がはつきりしておりませんが、今おつしやいましたように、事業者または同居の親族の労力が三分の二以上を占めているもの、これくらいをもちまして、「主として自家労力」という考えであります。  その次に、お配りいたしました附加価値税に関する要綱の六ページから七ページにかけまして、運営要領のところに、「政令で定めるものとは事業の附加価値税が概ね一月について一万円に満たないものとすること。」とあるのは、これは手続の違いで、誤つてここにまぎれて入つておりますので、これは削つておいていただきたいと思います。このような免税点についての特別の定め方をするというようなやり方は、とらないようにいたしたいと考えております。

龍野喜一郎自由党

○龍野委員 最後にもう一点お伺いいたします。それは昭和二十五年度の特別処置といたしまして、銀行業は百分の四十五、以下いろいろの事業によりまして、附加価値の割合をきめておられるのでありますが、あるいは百分の百のものもあるし、百分の十五のものもある。われわれから考えますならば、今日の銀行業のごときは、相当担税力と申しますか、その辺から行きましても余裕があるように見える。何も附加価値は担税力を問題にしないのですから、その辺から議論するわけには行かぬかもしれません。しかしながら、このように差等を設ける以上、その間に担税力の問題を考えられて差等を設けられていると思います。銀行業が百分の四十五であり、その他いろいろの区別がありますが、それらの区別を設けられた根拠を、ひとつお示し願いたいと思います。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 この附加価値の計算につきまして、昭和二十五年度に限りまして、ある業態によつて特例を認めます。その業態は、一つは銀行業、無盡業、信託業、保險業、このようないわゆる金融業でございまして、これにつきましては何ゆえこのような規定を設けたかという理由は、このような金融業につきましては、附加価値があるかないかというような理論的な問題もございますが、それよりも計算方法といたしまして、ことにこの保險業のごとく、純保險料と附加保險料、こういう言葉もあるようで、その区別等もございます。保險料まるまるをもつて売上金額だと見るのは適当でないというように考えられますので、ひとつ特例を設けまして簡單に課税して行きたいという考えでございます。この点は、従来の取引高税につきましても、やはりあつたような特例でございます。そのような趣旨で設けたのでございますが、ここにパーセンテージを一々書いてあるのでございますが、これは全国の銀行なら銀行、無蓋なら無盡これを最近の事業成績を調べまして、全国一本として附加価値の計算をしてみると、この額が総收入金額の何パーセントに当るかという、その数字を算出して、このような率をきめた次第でございます。その根拠につきましては、たしか先般資料を差上げておいたはずでございます。  それから次に、運送業と倉庫業につきましては、これは多少意味が違いまして、このような公益的な事業につきまして、負担の激変がある事業税で課税して行つた場合と、新しい附加価値税で課税して行つた場合と、激変があつてはいけないというような観点から、特にこのような率を選択的に課税することができるようになつたのでございます。倉庫業は別でございますが、運送業につきましては、現在の事業税におきましても、利益の何パーセントでなくて、本税、附加税を合せまして、総收入金額の百分の二を賦課率にしております。それに、都市計画税が〇・四入りまして、結局総收入金額の百分の二・四というものが、標準課率になつております。このような特殊な方法を講じてありますので、附加価値になりましてもこの負担とあまりかわりがないようにいたしたい、それどころか、少し安くいたしたいと考えておるのでございます。従いましてこの百分の二・四で行きますと、大体総收入金額の百分の六十を附加価値と見ますれば、従前とかわりないのでございますが、特に一般の運送業につきましては、百分の五十、さらに鉄、軌道業につきましては百分の四十と下げまして、負担が上らないようにしておるのでございます。これは附加価値だけですと、そのくらい下りますが、ほかに固定資産税が非常に多くなりますので、その方の負担も考えまして、附加価値税を特に安くいたしたいというのが、このような特例を設けました趣旨でございます。

久保田鶴松日本社会党

○久保田委員 私、先にお尋ねした点につきまして、まだ結論を得ておりません。理事会におきまして、私は逐條審議をしてもらいたいということを要求したのであります。ところが部分的に審議をしようということに、たつてきめられました。そこで考えまするに、非常に重要な法案でありますから、われわれはこれを愼重に審議をしなければならぬと思つております。その愼重に審議をいたしますにつきましては、一応部分的な説明をされるべきである。この法案は議員がつくつたのでなく、役人がつくつたので、役人がつくつたものを、一応要項については説明をいただいておりますが、この法案自体については説明されておりません。でありますから、一応この部分的な審議をするにつきましては、重要な法案であるだけに、われわれは愼重審議をしなければならぬと思いますから、その説明をしてもらいたい。説明をされるべく、委員長はおとりはからいを願いたい、かように存ずるのであります。

中島守利自由党

○中島委員長 こういう問題で採決することは、はなはだおもしろくないと存じます。今久保田君は、各條項ごととおつしやいましたが、各條項を一々説明したのではたいへんでありますから、ただ問題になつている点に対して、附加価値税なら附加価値税という問題に対して、附加価値税はこういうような形であるという、あるいは細則も入つておりますから、その細則はこういうふうなものであるというような、政府の信念を大体説明したぐらいで、どうです。

久保田鶴松日本社会党

○久保田委員 この法案は国民も非常に関心を持つて見ておられる法案でございますから、できるだけ愼重に審議をしたい、私はこう考えておりますがために、ただいま委員長にお願いをいたしましたようなわけであります。

中島守利自由党

○中島委員長 久保田君の御説のように、すべての委員もこの法案に対しては、重大な関心を持つております。愼重に審議することに関しては、各委員とも異議はないと思います。ただ突然でありますから、政府にそういう準備がない。私から申せば、三條、五條というものを共通的に説明してもよいものである。こう思つておりますから、今のような、政府の都合によつて説明をしてもらうという程度にしておきましたら、いかがですか。

久保田鶴松日本社会党

○久保田委員 委員長の申されることは一応わかるのでありますが、それならばもつと早く出されたらいい。遅く出して来て、しかも逐條的な説明をすることは困るなんということは、これはあまりにも勝手な考え方だと私は思います。

中島守利自由党

○中島委員長 久保山君にお答え申し上げますが、逐條審議に対しても、各條項ごとに説明するという例は、私は今までなかつたのであります。逐條審議も大分しましたが、そういう例はこれまでなかつたのであります。この法案は、これまでの法案とは違う、こういうことならば、これはごもつともであります。しかし私から言えば、各條項を一々——何でもない條項もあります。そういうものまで説明を受けても、何だかむだなような気持もしますので、皆さんのおわかりにならない点は、質疑で十分にできるのでありますから、ただいま申し上げた程度で、どうか御了解を願いたいと思います。よろしゆうございますか。——それではそういうことにとりはからいますが、この問題は今質疑中でありますから、通告のある諸君もありますので、野村君の質疑を許しまして、時間がありましたら、政府委員の説明を聞くことにいたします。野村君。

野村專太郎自由党

○野村委員 附加価値税の中に、各業態の性格によつて、第一種から第三種に分類されてあるのですが、たくさんの業態でありますので、なかなか明定も困難のようですが、その中の葬祭業についてお尋ねをいたしたい。この業態については、大体の性格から見て、浴場とか医業とか、理髪、こういうような業態に通ずるものがあると思うのです。もつとも業態の中の一部については、いわゆる請負的な、他の事業に通ずるような性格の一部あることも、われわれは考えておるのでございますが、しかしその扱いまする業態の中には、かなり貧困な要保護者もあるのでして、こういう面については、相当社会奉仕的な観点から扱つているものも、具体的に事実あると思います。こういう点から考えて、どういう部類に属するのですか、はつきりいたさぬようですが、おそらく私は、大体同種の性格を持つている浴場、理容、こういう関係のいわゆる第三種に属するものに該当する、これに行くのではないかとは考えておりますが、政府の御意見をこの際承りたいと思います。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 葬祭業につきましては、一応第一種事業と考えております。該当する項目といたしましては、八号の物品貸付業、あるいは二十一号の請負業、こういうもののまざつた業態だと考えております。

野村專太郎自由党

○野村委員 ただいま荻田次長の御答弁によりますと、第一種に属する請負業なり、それらに類するもの、いわゆる第一種に該当すべきものだ、こういう御答弁でありますが、これはかつて取引高税についても明定しなかつた関係上、結局取引高税から該当種目としてはずした先例もありますし、またこういう業態のものを他の事業と同じ——医業についてもそうであります。他の事業と同じようなふうに見るということは、私はこの業態の性格から見て妥当でない、こう感じるのです。しかも今日の生活そのものが非常に困難なときに、生命を失つて葬祭を営む。こういう場合において、なるべく医業とか葬祭業、こういう社会的な性格を持つた業態については、よろしく本法においては第三種に持つて行くべきであろう、こう私は考えているわけです。これが今の御答弁のように、第一種に持つて行くことになりますと、私はただいま申し上げたような観点から、非常に惡影響、並びに実際の性格からはずれて、いわゆる惡い影響を與えるように考えますが、こういうような性格を持つたものについては、なお政府側においても、御研究いただいたら、いかがかと思うのであります。私の意見を述べまして、なお今後の本案の検討に留意していただきたいと思います。

中島守利自由党

○中島委員長 政府の説明を聞く前に、川西君が二分間というのですから、質疑を許したいと思います。

川西清自由党

○川西委員 ただいま龍野君からも非課税の点について質問がありましたが、健康保險法におきましては、その第六條三項に、「地方公共団体ハ健康保險組合ノ事業ニ対シ地方税ヲ課スルコトヲ得ズ」云々という規定が設けてありますが、健康保險組合の事業に対する附加価値税につきまして、政府はどういうふうにお考えになりますか。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 附加価値税は事業に対する税と考えておりませんので、その規定には直接該当しないわけでございます。しかし健康保險組合の事業そのものは、ここに列記してある事業の中に入つておりませんので、該当しません。

床次徳二民主党(第九控室)

○床次委員 先ほど御説明がありましたが、政令に設けられるものについて、内容をいかなるものをきめるか、当然おわかりになつているものは、資料としてお出しになるべきだと思います。それに記載を予定している事項の用意は、当然あるべきものだと思います。先ほどから個別的にお話があるので、私ども非常に把握しにくい。準備のあるものについてはぜひお願いしたい。第何種の業務に入るかということは、課率に非常に影響があつて、これは利害関係が多い。少くとも一種、二種、三種、この最後にくつついておりますその他云々という例に入るものについては、おわかりの分だけは資料をお出し願いたいと思います。

荻田保地方自治庁次長

○荻田政府委員 現在考えております政令の内容につきましては、大体お配りいたしました要綱に入つている、その程度と考えております。

中島守利自由党

○中島委員長 それではこれで暫時休憩いたしまして、午後一時から再開いたします。     午後零時五分休憩      ————◇—————     午後一時五十三分開議

中島守利自由党

○中島委員長 休憩前に引続き、会議を開きます。  まず日程を変更して、派遣委員より報告聽取の件を議題といたします。本委員会におきましては、議長の承認を得て、去る一月十日より四班を編成して、地方自治、地方財政、警察及び消防に関する実情調査のため、委員を派遣いたしたのでありますが、第一班及び第二班の調査報告書が完成いたしましたので、この際それぞれ派遣委員より簡單に御報告を願うことにいたしたいと思いますが、この際議事の進行等も勘案して、口頭の報告は省略して、ただいま委員長の手元に提出されてあります第一班及び第二班の調査報告書は、これを会議録に掲載するとともに、これを委員長より議長に報告いたしたいと考えますが御異議ありませんか     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島守利自由党

○中島委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。なお提出方法その他字句の修正等は、委員長に御一任願いたいと思います。     —————————————

中島守利自由党

○中島委員長 次に日程を変更いたしまして、質屋営業法案、内閣提出第一三二号を議題として、質疑を続行することにいたします。川西君。

川西清自由党

○川西委員 私は質屋営業法案に関しまして、二点だけお尋ねいたしておきます。  第一点は、法案の第二十四條に関するものでありまするが、法案におきましては、警察官または警察吏員は、営業時間中において、質屋の営業所及び質物の保管場所に立ち入つて、質物や帳簿の検査ができ、また関係者に質問ができるということを規定しているのでありまするが、従来の経過に徴しますと、ややともすれば必要がないような場合にも、営業所に立ち入つて関係者に質問などをした実例があつたが、今後も警察官または警察吏員が職権を濫用するようなことが、絶無とは考えられないのでございます。ついては本法を施行する際におきまして、政府当局から今後さようなことのないようにするために、地方庁当局に対しまして、適当なる指示を発せられまして、立法の本旨が誤られることのないように、あらかじめ配慮されることを希望するのでありまするが、政府ではさような措置をとる用意がありまするか、この点明確に御答弁を願いたいのであります。  第二点は罰則に関するものでありまするが、法案の第三十條ないし第三十三條において規定されておりまする罰則規定は、いずれも必要のあることは一応わかるのでありまするが、営業関係の法律であつて、一般公衆の生活のためにも営む営業でありまするから、相当円滑性がなければならぬと考えるのであります。いたずらに罰則の規定の字句の末節にとらわれまして、円満なる運営を阻害することがないように、配慮すべきものであろうと存ずる次第であります。つきましてはこの罰則規定は最も愼重に運用すべき旨の指示を、これまた地方庁当局に対して、発せられる御用意がありますか、この点も明確に御所見を伺いたいのであります。  以上二点に関して、政府の御答弁をお願いする次第であります。

齋藤昇国家地方警察本部長官

○齋藤(昇)政府委員 ただいま御質問になりました二点は、いずれもまことにごもつともな次第であります。第一点の第二十四條の立ち入りに籍口して警察官が職権を濫用したり業者に迷惑をかけたりするということは、最も愼まなければならない事柄であります。従つて今御質問にありましたように、真に犯罪の捜査あるいは営業監督上必要のある場合、あらかじめ署長の申請、指示によるとか、指示をまついとまのない犯罪捜査の場合には、あとで報告させるというように嚴重に濫用を戒めるように、通牒を出す考えであります。なおあわせましてこういつた事柄は、民主警察の確立上も非常に支障を来すのでありますから、業者の方々の協力を求める。たとえば業者の組合の方たちからも、もしそういう場合には遠慮なく警察当局に話合つてもらうというような措置をとりまして、御心配のないようにいたしたいと考えます。第二点の罰則の適用につきましては、これまたごもつともの次第であります。われわれの方もまつたく同様に考えるのであります。罰則の適用が苛酷にならないようにいたしますることはもちろん、できるだけ業者の協力を得まして、円満に遂行するよう、これまたその旨の通牒を特に出しまして注意を喚起いたしたいと思つております。

久保田鶴松日本社会党

○久保田委員 この方面の保管の設備の点でありますが、第七條に「公安委員会は、火災、盗難等の予防のため必要があると認めるときは、質屋の設けるべき質物の保管設備について、一定の基準を定めることができる。」ということになつておりますが、私はこの基準について公安委員会でこれをきめられるということは、民主主義に反するのではないか。その意味からこの基準は、公安委員会とあるのを、條例によつてきめるということにしたらどうか、かように思うのですが、当局の御意見を伺いたいと思います。

齋藤昇国家地方警察本部長官

○齋藤(昇)政府委員 ただいまの御質問も、御所論のように條例をもつてきめるということも、ごもつともの点があると考えます。しかしながらこれは現在は警察が許可をいたしまする際に、府県によつては許可基準として内規的にきめて、こういう設備を設けるならば許可をする。そうでなければ許可をしないというように扱つておるのであります。それをあらかじめ一定の基準を公示いたしまして、公に行うということにいたしたのであります。許可者が許可する際の基準をあらかじめ公にしておく。こういう意味をもつてわれわれの方では立法いたしたのであります。従つてこれは一般の市民の権利義務を制限するとか、そういつた性質を持つておりませんので、願わくはこの議案を御承認をいただきたいと思う次第であります。

中島守利自由党

○中島委員長 他に質疑がなければ、これをもつて本案に対する質疑を終了し、これより討論に入ります。野村專太郎君。

野村專太郎自由党

○野村委員 本案は明治初年に立法されたもので、今日の時代にはこの法規はまことに時間がずれておつたので、今回政府提案の営業法は、いわゆる質屋取締法から営業法と改めて、その点は従来より相当飛躍いたしておる。しかし内容等については取締罰則の点、あるいは運用等についても不備な点が、相当認められるのであります。しかし従来の法規から見ますと、一つの進歩でもある。この委員会各位の質疑応答によつて、政府当局の将来の本法の改正を期待いたして、今日の段階においてはこれを認める次第であります。自由党は本法案に対して賛成の意を表する次第であります。

門司亮日本社会党

○門司委員 本案はただいま野村委員からも申し上げましたように、現行法から見ますならば、進歩的な案であるということが一応言えるかと思いますが、本案立法の趣旨が、政府当局の提案理由によりますならば、必ずしも業者を本意とした立法の精神ではないように見受けられるのであります。その内容といたしておりますものは、犯罪に対する捜査あるいはそのほかの便宜のために、特に本法案を改正するの必要があるかのようなことが明記されておるのでございます。申し上げるまでもなく、憲法で定められた国民の自由な営業でありますために、営業主を保護し、あるいは営業をなす者の便宜をはかることが、そもそもの立法の趣旨でなければならないと考えておるのであります。しかるにこの法案の提出の趣旨が、取締りを主眼に置いた趣旨のように、われわれは理由書だけを読めば、そういう感じを強く受けるのであります。従つて案の内容を検討して参りますときに、取締りの面にその規定の重点があるとまでは申し上げなくても、きゆうくつな法規が定められておるということであります。もとよりこの営業が犯罪に関係のある営業であるということは周知の事実であります。しかしながら憲法に定められた国民の自由な営業を営む者が、国の犯罪予防のためあるいは犯罪の検挙のために、協力し得る態勢を真に整え得る法案をこしらえることが、警察側から見た一つの立法の精神でなければならないと私は考えておるのであります。しかるにその点がいささか欠けておるようなうらみが多いのでありますので、この点は将来この法案運用の上において、特に御注意を願いたいと思うのであります。  次に問題として考えていただかなければならないことは、先ほど久保田委員からも申し上げましたし、また前日の委員会で私も申し上げた第七條の規定でありますが、この規定によりますと、公安委員会において設備の基準を定めるということに相なつておるのでありますが、許可基準の問題になつておりまする第二條の問題については、公安委員が一定の許可権限の中に、自分の持つておりまする権限で、あるいはできるかとも思いますが、設備ができるようになつて参りますれば、火災あるいは水難、盗難等の予防の行為でありまするので、これは單に業者を擁護するということでなくて、この面になつて参りますると、一般公衆を相手にする一つの基準が定められなければならない。従つて責任の所在というものは、やはり一般の大衆に対する責任を持ち得るものでなければならないと考えておるのであります。従つてでき得れば、これを法律においてある程度定める。あるいはそういう例によつてこれを査定する。さもなくんば、都道府県並びに市町村の條例においてこの基準を一応定め、その基準の範囲に従つて、公安委員会がこれを許可するという建前が私はとられなければならない、こう考えておるのであります。しかしながら当局の説明、あるいは業者の方々の意向を仄聞いたしまするときに、その点については、あらかじめ所在の公安委員会その他との了解ができぬのではないか。そう間違つた許可というものもないのではないかというような、一応の意見も伺つておりますので、私どもはこの際、この法案を修正することが妥当であり、また一応考えられるのでもありまするが、前段申し上げましたように、法案が過去の取締法案から、一応民主的に、あるいは実際的に改善されたというようなことを勘案いたしまするときに、一応それらのものを保留いたしまして、特にこの点も御注意申し上げておきたいと思いますことは、国家公安委員会に所属するものではございませんが、各都道府県並びに市町村の公安委員会等に対しましては、当局は一応連絡をしていただきまして、その間遺漏のないように、ひとつ御処置が願いたいと考えておるのであります。以上の意見を加えまして、本案に賛成の意を表するものであります。

中島守利自由党

○中島委員長 次は床次君。

床次徳二民主党(第九控室)

○床次委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に対しまして賛成いたすものであります。しかしながらただいままでお二人がお述べになりましたごとく、本案に対しましては、なお監督の立場、取締りの立場という面におきまして、その運用いかんによりましては、相当業者の方にも影響を與える問題が少くないのでありまして、要は本法の精神を、運用の面において、いかにして生かすかという点にあると信ずるのでありまして、この点に対しましては、御当局におかれまして、特に深甚なる注意を拂われんことを要望するものであります。  なおただいま門司委員よりもお述べになりましたが、保管の施設の基準であります。これは公安委員会において決定されるのでありましようが、その土地々々の状況等に対しまして、十分勘案せられまして、真に保管の施設として遺憾ない、またこれがはなはだしく業者の面におきまして負担とならぬ——もちろんこれは業者とても善良なる管理者の義務としまして、当然なすべきでありますから、業者においてもよく考えられておることと思いますが、この間に不合理のないごとく、基準を定められることが必要であると考えます。運用上につきまして、かかる点を御当局が十分に注意されまして、遺憾のない運用をされんことを特に切望する次第であります。

中島守利自由党

○中島委員長 次は立花君。

立花敏男日本共産党

○立花委員 共産党は、この法案に反対であります。と申しますのは、提案の理由が全然御説明になつたことと違うということでありまして、こういう提案の理由であるならば、私どもは別の法律をおつくりになる方がいいのではないかというように考えます。これは決して質屋営業法という法律に対す提案の理由ではないと思います。社会党の門司委員も述べられましたように、提案の理由の中には、犯罪激増の情勢のもとにおいて、臓品の質屋に流れるものが少くないので、云々、従つて新たに法律を制定して臓品の発見と犯罪の防止に寄與せしめる必要がある。こういう提案の理由でありますが、これでは決して質屋の営業法にはならない。こういう提案の根本趣旨であれば、別に法律をおつくりになる必要がある。従つて私は提案の御趣旨と、法案とが全然違うという建前から、根本的にこの法案に反対なのです。このことはこの法案を逐條的に見ましても、はつきり現われております。  まず第一に、営業の許可でございます。営業許可に関しましても、一般普通の営業と同じように、許可を必要とするのであれば、いわゆる府県あるいは市町村の自治体でやればいいのでございまして、特に公安委員会の許可というふうに限定する必要は、毫もないと思います。さらにこの許可の條件につきましても、一から十まで、非常に嚴密な規定をつくつておりまして、これは何と申しますか、憲法で許されました一般の営業の自由というものを、非常に拘束するものであり、しかも人権を無視したような建前からきめられた條項があるのであります。たとえば許可の禁止の場合の第一号でありますが、これは罪を受けて、その罪を経つて、しかも三年を経過しなければ、この許可が與えられないというふうに、これは非常に苛酷に失すると思います。なぜ三年ということをおきめになつたのか。私どもその理由は判断に苦しみます。現在のように、何かしなければ食つて行けない場合におきまして、刑を終つた者が三年間はできないというようなきめ方は、非常に苛酷に失するだろうと思います。あるいは第二号におきめになつておりますが、罰金の刑に処せられた者でも、その情状が質屋として不適当な者はこれを許可しないということがありますが、これも非常に苛酷に失する。情状というような、非常にあいまいな言葉を使いまして、その情状を決定するのが、いわゆる公安委員会であり、あるいはその手足である警察であるといたしますと、結局警察のごきげんが悪ければ、情状が認められないということになりまして、罰金の刑に処せられた者は、警察官のごきげんをとらない限りは、永久に質屋をやれないということになりまして、これは非常に不適当だと思います。さらに第六号になりまして、一旦許可を取消されました者は、やはり取消しの日から三年たたないと、その許可がおりないということもございますが、これも前の場合と同じでありまして、あまり長きに失する。許可を取消されました理由は幾らもございましよう。しかし一旦許可を取消されました者は、三年間たたなければ、さらに営業をやることはできないということは、これはやはり苛酷に失すると思います。さらにその次の第七号でございますが、この第七号におきましても、これは現在の民法の規定にも反しますように、同居の親族のうちに、前号に該当する者あるいは営業の停止を受けている者があれば、そういう親族を持つておる者は許可しないとありますが、これも非常に苛酷でございまして、もしこういうものがぜひ必要でありましたならば、親族という言葉をもう少し限度する必要があるのではないか。親族一般というようなものの中に、こういう前科、あるいは常業の停止を受けて者がある場合は、許可しないということは、これはやはり営業権の侵害であると思います。さらに最後の第十号に至りましても、公安委員会が質物の保管設備について基準をきめた場合において、その基準に適合する保管施設を有しない者ということがありますが、これなどは、何もこの條文でうたわなくても、施行の上でやれることでございまして、取上げてこれをおうたいになる必要はないと思います。こういうふうに許可の條件が非常に苛酷になつておりまして、憲法の営業権を無視し、あるいは人権を無視するような立場がありますので、この点はどうも承服いたしかねます。さらに営業内容の変更の問題でございますが、この場合にも一々公安委員会の許可を受けなければならないということになつておるのでございますが、これは私どもは許可を受ける必要はないと考えます。一旦許可をしておりますので、その営業所を移したり、あるいは営業内容を変更したりする場合に、また一々許可を受ける必要はない。これは届出で足りるのではないかというふうに考えますので、これも私どもは納得いたしかねます。さらにさいぜんから問題になつております第七條の保管施設の一定の基準でございますが、これはもちろん條例でやればいいことでございましようけれども、さらに條例でやる場合においても、やはり現在のこの保管施設で十全なるものをやるといたしますと、非常に大きな経済的負担やその他が営業者にかかつて来ることが考えられますので、これについてはこういう一定の基準を設けますならば、それに伴うところのやはり補助規定をおやりになる必要があると考えます。すなわちあるいは保管施設の費用なり、あるいは資材なりを優先的に供給するというような補助をやる必要があるのではないかと考えます。さらに公安委員会の許可の更新でございますが、三年ごとに当該公安委員会による更新を受けなければならないとなつておるのでございますが、私はその必要がないだろうと思います。他の條文にもこの業種に対するめんどうな複雑な監督のようなものがありますので、何を好んで三年ごとにこれを更新しなければいけないのかという問題が当然ありまして、しかもこの更新には莫大な手数料をとられることになつておりますので、三年ごとに何千円かとられるというようなばかげた條項は、お置きになる必要はないと私どもは考えます。さらにそれに関連して第十一條の手数料でございますが、手数料の場合は千円というふうになつておりますが、これは許可手数料だけではなしに、更新の場合も、あるいは再交付をする場合も、千円という手数料を拂うというふうになつておりますので、何を基準として千円という額をおきめになつたのか。これははなはだ不思議だと思うのであります。犯罪の捜査にあたりまして業者の方に、犯罪の捜査の手助けをお依頼するという場合に、莫大な手数料をとつて行うということは、むしろ逆でありまして、こちらからそのようなものを拂わなければならぬのではないかと思います。しかもこの千円は多きに失するし、また更新の最高の手数料を一千円におきめになつたのは妥当ではないと思います。さらに実際営業所において非常に問題を生じ、むずかしいと思いますのは、第十三條、あるいは第十四條の、質屋さんが質物をとる場合にやらなければならない手続、これは実際やれない、あるいはやつて非常に困難であり、問題が残る、非常に迷惑がかかるということは、これは業者に対して非常に大きな重圧ではないかと考えます。たとえば質置主の住所、氏名、年齢などを確認するということがありますが、この確認というような不確実な言葉によつて、どれだけの責任、どれだけの内容のものを業者が負わなければならないかということは、非常に不明確でございまして、この手続なりあるいはその範囲なりを、詳細におきめにならなければ、これだけの言葉では非常に問題をあとに残すのではないかと考えます。私どもはこういうあいまいな言葉は、お除きになつた方がいいのではないかというふうに考えます。さらに十四條の帳簿でございますが、帳簿についても、一々質物を受けとつたときに質物の特長とか、あるいは質置主の特徴とか、あるいは前にございました確認の方法とか、こういうものを明細にここへおあげになりましただけでも、八項目も書きつけなければいけないのでございます。こういうことも実際事務としては、非常にできないことをしいるのではないか。しかもこれは一つでも落ちておつたならば、それを理由としていろいろの罰則規定があるのだろうと思いますが、これはやはりできないことをしいて、業者の営業の自由を阻害するということになると思いますので、これも賛成いたしかねます。  さらに問題なのは、二十一條の二項の品触の問題でございます。品触をした場合に、品触書が業者の店に到達してから、六箇月間はこの品物を保存しなければいけないということがあるのでございますが、これもやはり長きに失すると思います。質物の価格はおそらく物価が下りましても、相当高額に達するものもあるだろうと思うのであります。これも六箇月間自分の責任において保存しなければいけないということは、業者に対する大きな経済的な圧迫を與える。六箇月間の利息を一体国家としてどうするつもりなのか。これはやはり明細にしておく必要があると思います。そういう業者のこうむる損害、これを考えずに品触の書類が到達してから、六箇月間は、これを保存しなければいけないという一方的の規定を置くことは、私どは納得いたしかねます。次に第二十二條でございますが、盗品及び遺失物の回復でございます。これもたとい善意で質屋が質物を受け取つた場合でも、この法案に規定してあるいろいろな條項をまじめに正しくおやりになつた場合でも、質屋はもしその品物が盗品あるいは遺失物であれば、無料で没收されてしまうという問題でございます。これはやはり苛酷に失する。少くともこの規定を御明記になる理由は、これではなくなつてしまうのではないか。法案できめられたように、まじめにやつておる場合は、これは無償ということはひどすぎるのでありまして、ここはやはりこういうふうにおきめになつては、業者に対して非常に苛酷になると考えます。さらに二十三條でございますが、これも前に述べました六箇月の利子をどうするのかという問題と同じでございまして、條文によりますと警察署長は当該質屋に対して三十日の期間を定めて、その物品の保管を命ずるということですが、これもやはりその間の業者の受ける経済的な負担をどうするかということを、明確にあわせてうたつておかなければ、これは非常に業者に対する負担になると思います。以上の経済的の負担の問題でございますが、こういう問題は経済的な額から申しましても、大したものではないのだということをお考えかもしれませんが、こういう條文を一方的におつくりになること自体が、業者に対する大きな経済上の圧力になるのではないか。この法案自体の性格がこういうところにやはりはつきり現われておるのではないかというふうに思いますので、ぜひともこういうふうな業者の負担に対する補償をお入れになる必要があると思います。それからそれと同じようなものでございますが、第二十四條の立入り及び調査でございますが、これもこの場合はおそらく犯罪などを予想せずに、一般的な立入り及び調査だと思いますが、こういう場合もやはり行き過ぎではないか。これはどういたしましても、そういう措置ができると規定するかたわら、業者としてはやはりこれを拒否することができるという権限を與えなければいけないと思います。前回も申しましたが、この犯罪を犯しまして、検事の取調べを受けております者でも拒否権がございますので、何ら犯罪を犯していない、まじめに営業しております場合に、立入り及び調査をやられる、しかもこれに対して拒むことができないというようなことをきめますこと、これは明らかに人権の蹂躙ではないかと考えますので、こういう規定をお置きになりますならば、これに対して正当に拒否することができるという拒否権を、お認めになる必要があろうと思います。  以上のような理由からいたしまして、私はこの法案は決して質屋営業法ではなしに、質屋営業取締法であり、いわば警察、あるいは公安委員の方から、一方的に義務だけを業者に押しつけた法案だと思われますので、賛成いたしかねるわけでございます。従来の法案が非常に悪かつたので、少しよくなつているから、これでもいいじやないかというふうに言われますが、それだけでは私ども納得いたしかねますので、やはりこの法案を本質的に改善なさつて、名目通り質屋営業を純粋に業者の立場に立つて、保護育成なさるお考えから質屋営業法をおつくりになる必要があると思いますので、私どもこの質屋営業法案には賛成いたしかねるわけでございます。

中島守利自由党

○中島委員長 これをもつて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。本案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

中島守利自由党

○中島委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。  なお衆議院規則第八十六條による報告書作成の件は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島守利自由党

○中島委員長 御異議がなければさように決します。     —————————————

中島守利自由党

○中島委員長 休憩前に引続きまして地方税法案を議題といたします。質疑を継続いたします。すでに休憩前において、政府委員より本案の詳細なる説明をしていただくことになつておりましたが、これをまず政府委員から説明いたさせることにいたします。奥野政府委員。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 おさしずに従つた御説明をしたいと思いますので、一応承つておきたいと思うのでありますが、逐條で問題のあるところだけをお話して行くというふうな方法をとつたらいかがかと思いますが……     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 それでは第一條から問題のところだけを申し上げて行きます。  第一條の六号におきまして、新しく徴税令書の様式を定めております。従来は税を課せられましても、その内容がなかなかわかりにくかつたわけでありますけれども、今回の改正によりまして、徴税令書には、どういう法律や條例の根拠において課されるものであるか、どういう計算においてその税額が算定されたものであるか。さらにそれが不服である場合には、どういう救済の方法が許されておるかというふうなことまで、親切に書くという方針をとつておるわけであります。  さらに八号の申告納付、これは新しく地方税の中に導入いたしました徴收の方法であります。附加価値税その他につきまして、新しく申告納付の制度を採用しているわけでありまして、従来の権力的な課税方式に一歩を進めた民主的な納税方法を、若干広げて行きたいという考え方を持つているわけであります。  それから次の八ページへ飛びまして、十一号で、申告納入の問題が起きております。従来たとえば映画館の興行者、あるいは料理店主、こういう人たちは入場税や遊興飲食税の特別徴收の義務を負つておるわけでありますけれども、こういうものにつきましても、納額告知書を地方団体が出しましてから、初めて税金を納入するという制度になつておつたのでありますが、これからはそういう特別徴收にかかわります税金は、徴收した者がみずから進んで申告書とともに地方団体に、納入して行くというような自主的な制度にかえて行くわけであります。そのほかにはあまり根本的な改正はございません。  ずつと飛びまして、四條と五條とに、道府県と市町村との税目の配分を規定しているわけであります。  それからずつと飛ばしまして、十四ページの第十八條であります。第八條におきまして、課税権がどこの地方団体に帰属しているかということについて争いがある場合があるわけであります。たとえば附加価値税につきまして、これは事務所の所在地の府県が課税権を持つておるわけでありますけれども、事業所があるかないかというようなことにつきましても争いが起き得るわけであります。そういう場合には、市町村間の問題は府県知事が、府県間の問題は地方財政委員会が決定することにいたしましたと同時に、こういう問題につきまして、さらに争いのある場合には、出訴して行くことができる。裁判所にまで持つて行けるものであるということを明確にいたしたわけであります。  それから二十三ページの十八條の、地方団体が納税者または特別徴收義務者の過納または誤納にかかる地方団体の徴收金を還付いたします場合、あるいはこれを他の地方団体の徴收金に充当いたします場合には、納税者や特別徴收義務者が納入すべき期限を遅れて納入した場合には、一定の加算金をとります反面、この部分につきましては、地方団体が逆に加算金をつける。納税者、特別徴收義務者の権利の保護を考えておるわけであります。新しく挿入した規定であります。  それから二十五ページの第二十一條へ飛ばしまして、道府県税の賦課徴收の委任でありますが、現在は道府県税は全面的に市町村が徴收の義務を負つておるわけであります。道府県税は市町村が徴收しなければならないというふうに、法律上制度化されておるわけでありますが、今回の改正によりまして、府県税につきましては、賦課から徴收の最後に至るまで、道府県か全責任を負うべきである。また市町村税については市町村が全責任を負うべきであるという建前にかえておるわけであります。しかしながらそれでは困る場合がありますので、そういう特定の困る場合にだけ、賦課徴收に関する府県の事務を市町村に委任することができるという規定を置いたわけであります。一号は、「道府県税の納税義務者又は特別徴收義務者の住所、居所、家屋敷事務所、事業所又は財産が当該道府県の徴税吏員による賦課徴收を著しく困難とする地域に在ること。」非常に交通不便な所でありまして、住民が金融機関あるいは府県の出先に金を持つて行くことが、かえつて煩わしい。それよりは市町村役場へ持つて行つた方が、はるかに便利な場合があるわけであります。そういう場合には市町村がむしろ府県から委任さるべきであるというふうに考えておるわけであります。二号は「市町村が道府県税の賦課徴收に関する事務の一部を委任されることに進んで同意した」場合でありまして、むしろ府県としては徴收のために別な出店をつくるということは経済上かえつて不利益である。逆に市町村としましては府県税も一緒に徴收する、それによつて大した手数もかからないか、逆に府県から必要な費用をもらうという場合もあり得るわけなのでありまして、そういう場合を予想しておるわけであります。三号は「前二号に掲げる場合を除く外、道府県から当該道府県税の賦課徴收に関する事務の一部を市町村に委任することについて申請があつた場合において、地方財政委員会がその必要を認めて許可をしたこと。」これはもとより限定的に考えて許可の仕事をして行かなければならないといとふうに考えておるわけであります。  次に二十三條の附加価値税の方に移ります。二十三條で少しかわつておりますのは、附加価値税は第一種事業から第三種事業までの事業の附加価値に対し課税するのだということを、明確にしておるわけであります。従来の事業税は、事業に対する課税でありまして、今回の附加価値税は事業の附加価値に対する課税であるという書き方をしまして、流通税たる性格をここに示しておるつもりであります。二項が第一種事業の内容であります。従来の事業税の第一種事業とかわりはございません。それから三十一ページの三項の第二種事業、これは従来の第二種事業から農業と林業とを除外しただけでありまして、それ以外にはかわりはありません。それから三十二ページの四項の第三種事業の内容でありますが、従来と若干かわつておりますのは、従来の特別所得税でありますけれども、この中に十七号に公衆浴場業を加えましたのと、十八号の新聞業を加えましたことが、若干かわつておるわけでありまして、いずれも負担の軽減をはかろうという趣旨から、こちらに移したわけであります。  それから二十四條に附加価値税の非課税の範囲を規定しております。今申し上げました点は、四号と五号に農業及び林業が非課税の範囲として移つて参つて来ております。六号の「鉱物の掘採及び砂鉱の採取の事業」は、これに対して鉱産税が課せられておりますから附加価値税をはずしておるわけであります。七号も新しく加えたものでありまして、「主として自家労力を用いて行う第二種事業で政令で定めるもの」要するに原始産業につきましては課税をするけれども、自家労力を用いて行うものは課税をしないという趣旨を明確にいたしたわけであります。附加価値額がいくらでありましても、自家労力によりますものは課税をしないという方針をとりたいと考えておるわけであります。従つて政令で定めるものは、自家労力によつて行うものであるかどうであるかということを、労働の延日数の中で三分の二以下が、自己または同居の親族の労働で営まれておる場合には、これに該当しまして課せられないということになるわけであります。  以下ずつと今まで通りの規定でありますので、省略いたしまして、四十ページの第三十條へ移りたいと思います。一項は、附加価値額は、法人につきましては各事業年度の附加価値額である。従つて法人の事業年度が六箇月である場合には六箇月ごとに附加価値額を計算いたします。事業年度が十二箇月である場合には十二箇月ごとに附加価値額を計算するということになるわけであります。さらに五項に行きまして「個人についての附加価値額は、当該年度の初日の属する年の一月一日から十二月三十一日又は事業廃止の日までの総売上金額から特定の支出金額を控除した金額とする。」ということにいたしまして、個人については歴年で計算して行く所得税の課税標準であります。所得の計算と合しておるわけであります。法人の場合も個人の場合も、附加価値額といいましたのは、総売上金額から特定の支出金額を控除したものであります。そこで第六項で、前二項の総売上金額とは何を言うのかということを書いておるわけであります。従来事業税におきましては、総收入金額という言葉を使つて参つております。それを総売上金額という言葉にかえましたのは、いわゆる資産收入的なものは事業の附加価値とは見ない。たとえば事業をやつておるが、かたわら家屋を持つておつて、家賃收入が入つて来る。そういうものは売上金額の中に入れないという考え方であります。反面そういう家賃を拂つた人はその人の附加価値額の計算にあたりましては、その金額を控除しないわけであります。言いかえれば、家賃を拂つた人は、拂つたところでその家賃に相当する額の附加価値を生んでおるのだ、だから家賃を拂つたところで家賃相当額に対しまして附加価値税を課税して行く、こういう考え方に立つておるわけであります。さらに言いかえますと、総売上金額に加えないものは、反面附加価値額の計算上特定の支出金融にも入れないわけであります。両方に入れないということになるわけであります。ただここで違いますのは、金融業につきましてはそういう資産收入も金融業の特性から考えまして、総売上金額に加えるということにしております。一応読んで行きますと「第一種事業から第三種事業までの事業に係る物品(土地、家屋、電気、ガス、動植物その他普通に物品といわないものを含む。)の売上金額又は役務の対価として收入すべき金額及び固定資産の売却額その他事業に附随して收入すべき金額で政令で定めるものの合計額をいい、利子及び株式配当金並びに地代及び家賃の收入額を含まないものとする。」あとに書いております四つの資産收入は売上金額に入れないかわりに特定の支出金額にも算入しないわけであります。第七項の方で、特定の支出金額を書いておりますが、これは第一には、そこに書いてありますように、事業に直接必要な金額でなければならないと考えております。間接的に必要なものは支出金額には入らない。事業に直接必要であるかどうかという認定を行いたい。もう一つは外部に支出すべき金額であります。たとえば事業が、自分のところで製造いたしましたもので、固定資産を取得するというふうな場合は、外部に支出すべき金額に入らないわけであります。こういうものでありまして、さらに四十二ページのところをちよつと読みますと「土地、家屋、家屋以外の減価償却が可能な固定資産」「商品、半製品、原材料、補助材料及び消耗品の購入代金並びに左の各号に掲げる金額の合計額をいう。」として、一号から九号まで掲げてあるわけであります。そこでそれではある種の支出金額を附加価値の計算にあたつて特定の支出金額に加えられるか、加えられないかということを考えます場合に、私はこういうことで判断していただきたいと思うのであります。ある企業がある金を支拂つた、その金を受取つた人の所へ附加価値税を課して行くか行かないか、受取つた人の所へ附加価値税を課して行けるものなら、その金額は特定の支出金額として控除してさしつかえないと思うのであります。自然支出されたものは受取つた人の所へ附加価値税を課して行くわけでありますから、それで附加価値額は捕捉できるわけであります。反面にその支出金額を受取つた人の所へ附加価値税を課せられないようなものは、支拂つた所へ課税して行きませんと抜けてしまうわけであります。たとえば従業員に支拂う給與、これを受取つた従業者に対しまして、附加価値税は課しません。そこで給與を支拂つた所へ、それを控除いたしませんで、これに附加価値税を課して行くということになるわけであります。附加価値税の課税に対しましては、附加価値を生んだ所へ課税して行きたい。さらに附加価値税は漏らさないように課税して行きたい。さらに附加価値税は重複しないようなかつこうで課税して行きたい。それから八項に行きまして、「民法第三十四條の法人、学校法人その他政令で定める法人がその事業に係る総売上金額の全部又は一部を社会事業その他の公益事業に支出する場合における当該支出金額は、政令の定めるところによつて、前項の特定の支出金額とみなす。」これは公益法人でありましても、附加価値税を課せられる種類の事業を営んでおります限りは、一律に同じように課税をしたわけであります。しかしながら公益的な事業を行つています場合には、それに支出した金額を、特定の支出金額とみなすことによつて、そういう公益法人が公益的な事業をやりやすくしたいというような配慮から、こういう規定を置いているわけであります。さらに九項は「農業協同組合その他政令で定める特別法人が取り扱つた物の数量、価額その他事業の分量に応じて分配すべき金額は、第七項の特定の支出金額とする。」こういう協同組合等の特質から考えまして、物の数量等に応じまして、割りもどしをしました金額は、特定の支出金額と考えまして、それだけ附加価値額を少く計算して課税をして行くというような方針をとりたいと考えておるわけであります。  それから第三十一條は総売上げ金額から控除すべき支出金額が総売上げ金額を、越えた場合の措置であります。言いかえれば附加価値額に赤字が出た場合の処置であります。赤字が出ました場合には、これを五年間まで繰越しを認めて行こうというふうに考えているわけであります。事業が建設を行いました場合には、大体附加価値額は赤字になると思います。その赤字を五年間繰越して行くことができるようにしたいと考えているわけであります。  第三十二條は附加価値税の税率を規定しているわけでありますが、第二項で「道府県は、前項の標準税率と異なる税率で課税しようとする場合においては、あらかじめ、地方財政委員会に対してその旨を届け出なければならない。」というふうにいたしまして、地方団体の自主的な権能を非常に尊重するというふうな建前にいたしておるわけであります。自主的な権能を尊重する結果、税率が非常にアンバランスになりはしないだろうかという懸念も持たれるわけでありますけれども、他面地方財政平衡交付金制度の設定によりまして、必要な財政需要は、標準税率で十分まかなえますように、財源措置をして行きたいというふうに考えているわけでありますので、その心配はあまりないだろうと思つております。  それから三十四條は附加価値税の免税点であります。免税点は十二月分として九万円と考えております。従つてたとえば六箇月の事業年度で、法人でありますと、免税点はこの半分の四万五千円ということになるわけであります。従来事業税におきましては、免税点は所得が四万八千円未満であれば事業税を課さないということにしておつたのでありますが、その免税点に比べますと大幅に引上げております。  三十五條以下に「申告納付並びに更正及び決定」の手続きを書いているわけでありますけれども、大体所得税、法人税において行われております申告納付の方法とかわりはないわけでありますが、特に異なつております点は概算納付の制度でありまして、法人につきましては第三十六條、個人につきましては第三十七條に規定いたしているわけであります。最終的に附加価値額の確定いたしますのは、法人でありましたならば事業年度の終了した際であります。個人でありますと十二月三十一日を過ぎてからであります。しかしながら附加価値税を年額一度に納めますことは、納税者といたしましても苦痛でありますので、法人の場合には事業年度が六箇月を越えております場合には、六箇月を過ぎたときに一ぺん概算納付をしておく、個人の場合には年三回にわけて納付することにいたしておりまして、最初の二回は前年の実績を基礎にいたしまして概算納付をしているというような建前にいたしているわけであります。従つて法人の場合には事業年度が終つた際、個人の場合は十二月を過ぎてから、最終の納期の際に清算して納付するということになるわけであります。その概算納付にあたりましては、前年の実績の、個人でありましたら三分の一だけをそのまま押えて行く。しかし三分の一は、その年の状況から見まして附加価値額の大幅に下るようた場合には、それによらないで、かりに二分の一以下に低下いたします場合にはその額によることができるような制度も設けているわけであります。個人の概算納付の時期を第三十七條の二項のところで五月三十一日までにいたしているわけでありますけれども、法案の提出が遅れて参りました関係上、施行時期も遅らさなければならない。従つてこの第一回の納期の五月三十一日を、昭和二十五年度に限りまして六月三十日にいたしたいというふうな考え方を、いたしましてそれに関連した修正案を提出したいと考えているわけであります。個人の場合には概算納付は五月と九月であります。そして二月に清算納付をするということにしております。その関係の規定は三十七條、三十八條のところであります。法人の場合には事業年度が終りましてから二箇月以内に申告納付をするという建前にいたしているわけであります。  それから四十條へ行きまして「法人の代表者等の自署及び押印の義務」これも新しく加えられました規定でありまして、地方税法の中では附加価値税と鉱産税についてこの制度が設けられております。国税の所得税や国税の法人税についても同様の規定が今回設けられているわけなのでありまして、法人の提出いたします申告の中には無責任なものが、非常に多いというふうなことがありまして、そういう点から法人の提出いたしますところの申告書の理由につきましては、法人の代表者が自署しかつ自己の印を押さなければならないというふうにいたしているわけであります。單に法人の代表者が自署し、押印するだけではありませんで、四十條の二項に書いてありますように、さらに経理に関する事務の上席の責任者も自署し、かつ押印しなければならないというふうな義務を課してあるわけでありまして、法人関係の納税義務につきまして、かなりきびしい規定を置いておるわけであります。しかもまた、この自署や押印をいたしません場合には、四十一條で罰則を設けております。また虚偽の提出をいたしました場合につきましても、罰則の規定を設けておるわけであります。ただしかしながら四十條の四項に書いてありますように、自署及び押印の有無は單に法人に対しまして、正確な申告書を出させようとする趣旨に出るものでありますので、自署、押印がなくても、その申告書等の効力には影響を及ぼすものではないという考え方をしておるわけであります。  四十二條で附加価値税の脱税に関する罰則の規定をいたしておりますが、従来こういう罰則規定が非常に重くなつているのではないか、こういうふうな議論があつたように思うのでありますけれども、全体といたしましてはこういう脱税に関する罪等につきまして、むしろ罰則を軽くしておるのであります。と言いますのは、四十二條の三行目を見ていただきますと、「三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」というふうな書き方をしております。さらにまた三項で、「前二項の免かれた税額が五百万円をこえる場合においては、情状に因り、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、五百万円をこえる額でその免かれた税額に相当する以下の額とすることができる。」というふうな規定を置いております。従来は免れた税金額の五倍以下と書いておつたわけであります。従いまして、かりに二百万円なり三百万円なりの脱税があるとしますと、それの五倍の一千万円にもなります。あるいはものによつては三千万円、五千万円にもなるわけでございます。それをこの程度の罰金にいたしまして、あまり多くなるものはその罰金が「免かれた税額に相当する額以下の額とする」というふうな方針をとつておるわけでありまして、必ずしも重くするわけじやないのであつて、大体この精神から読まれますように、五倍の額というような大きな額はとらないという考え方に立つておるわけであります。  それから第四十七條で附加価値税の更正及び決定の権限をうたつております。これらも従来国税でやりました方針と同じような行き方を考えておるわけであります。  さらにまた五十條で附加価値税の過少申告加算金及び不申告加算金の制度を設けておりますが、これも申告納付の制度を採用いたしました結果、過少に申告をいたしましたり、申告をしなかつたりいたしました場合には、それに相当する税額に対しまして、一定の加算金額を徴收するということにいたしておるわけをありまして、申告納付の制度を採用いたしました関係上、起きて来る新しい制度であります。  さらに五十一條で、六十八ページでありますが、附加価値税の重加算金の規定を置いております。これは「前條第一項の規定に該当する場合において、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は、一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて申告書又は修正申告書を提出したとき」の加算金でありまして、そういう場合には加算金を重くするというような方針をとつておるわけであります。  七十ページの第五十二條の青色申告書による申告手続でありますが、これも新しく所得税や法人税において認められました制度と同じ制度であります。ただことしはすでに年の半ばになつておりますので、この制度の採用は来年の一月一日からいたしたいというふうに規定をいたしておるわけであります。  また青色申告書の関係の問題でありますが、その記載事項が国税の所得税や法人税に関する記載事項と、根本から違つたものでありますと、納税者が二重、三重の帳簿をつくらなければならないということになるわけでありますから、国税の所得税や法人税と考え方を合せまして、一つの帳簿でもつてそれぞれの税に関する要件を充足することができる、こういうかつこうにいたしたいという考え方で、国税関係と打合せをいたしておるわけであります。  さらに第五十三條で、青色申告書による申告に関する更正及び決定がございますが、これがすなわち青色申告書の一つの特権といいますか、恩典ともいえるわけであります。すなわち「道府県知事は、青色申告書の提出を認められている者のその提出を認められている期間に係る附加価値額について第四十七條の規定による更正又は決定をしようとする場合においては、あらかじめ、その帳簿書願を調査して地方財政委員会規則で定める記載事項が正確に記載されていないことを指摘し、その指摘したところに基かなければ、これをすることができない。」要するに更正や決定は、記載事項が間違つておるということを指摘したところに基かなければやれないのだということにしておりまして、青色申告書を認められておる納税義務者の記載事項というものを、できる限り尊重するという建前をここに明らかにしておるわけであります。  第五十四條は、「二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う」場合の申告納付等でありますが、たとえばある会社が東京都と神奈川県の両方に事業所を設けております場合には、附加価値額は全部の事業所を合せて一つの計算をするわけであります。東京都における事業の附加価値額、神奈川県における事業の附加価値額というふうに、切り離しては計算をしないのでありまして、本店、支店いろいろありますと、全部一つにして計算するわけなのであります。出ました附加価値額の総額というものを、東京都分は幾ら、神奈川県分は幾らというふうに按分をするわけであります。その按分の基礎を第三項に書いてあるわけでありまして、簡單に申し上げますと、原則として支拂い給與額に按分するわけであります。東京都の事業所において支拂つた給與額、神奈川県において支拂つた給與額の総額を按分しまして、按分いたしました結果出ました神奈川県の附加価値額に神奈川県におきまする税率を乗じまして納付をする、東京都の附加価値額に東京都の税率を乗じまして、東京都に申告納付する、こういう制度をとろうとしているわけであります。なるたけ簡便な分割基準を採用をしたいというので、給與額を用いることにしたのであります。さらに製造業等の特定の事業所においては非常に大きな固定資産を使うわけでありますので、こういうものにつきましては二分の一を基準額に按分し、二分の一を固定資産の価額に按分するという制度をとろうとしているわけであります。  第五十五條は、「(二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う場合の申告納付に関する更正又は決定)」であります。ただいま申し上げましたような例で申しますと、東京都に本店がある、神奈川県に支店がある。神奈川県はその事業の申告納付にかかる税額を更正したいというふうに考えたといたします。その場合に事業所が多くの県にまたがつている場合には、ある県からも、ある県からも更正決定を受ける。これでは事業としては応接にいとまがないからということが言えるわけであります。それでは事業所としても迷惑の場合もあろうと思いますから、事業所が数府県にまたがつております場合には、更正決定はすべて主たる事業所所在地の府県知事だけが行うのだというふうにしたいと考えております。従いまして神奈川県は更正したいと考えました場合には、東京都の知事にその請求をするわけであります。そこで東京都の知事はしかるべく更正決定をするわけであります。その影響は單に東京都分の附加価値税だけにかかるわけじやなしに、神奈川県分の附加価値税にも影響を及ぼすわけであります。その際に本店所在地の知事が、自分の県の勝手なふうにだけ更正決定をしてはなりませんので、すべてそういう場合には地方財政委員会の指示に基いてしなければならないということを規定いたしておりますのは、第五十五條の第一項であります。そうして関係府県間において公平に公正な更正決定が行われ、また事業といたしましてもあつちからもこつちからもこづきまわされるということのないようにして行きたいという考え方をとつているわけであります。  あと飛ばしまして、七十九ページの第四款では更正、決定等に関する救済を書いております。この中で特に申し上げておいた方がいいと考えられますのは八十ページの二項であります。「前項の場合において、二以上の道府県において事務所又は事業を設けて事業を行う者の事業の附加価値額の更正又は決定に係る異議の申立は、主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事にするものとする。」たとえば神奈川県の分について更正決定が気に入らなかつたといたしました場合においても、神奈川県の知事に救済を求めないで、やはり主たる営業所所在地の東京都知事に救済を求める。その決定によりまして神奈川県分も当然更正をしなければならない。たとえば事業所が十数県二十数県にまたがつている場合もあるわけでありまして、そういう場合に十数県、二十数県の知事を相手にして不服の申立てをして行かないと問題が解決しないということでは、納税義務者に対して非常に煩雑な手続を負わせることになりますので、主たる事業所所在地の知事だけで、問題が片づけれるというふうにいたしたいと考えておるわけであります。その反面に主たる事業所所在地の道府県知事が、自県にのみ有利な態度をとつてはなりませんので、こういう場合には五項に規定いたしておりますように、地方財政委員会の指示に従つて、主たる事業所所在地の道府県知事は、不服の申立てに対する決定を行わなければならないというふうな制度にいたしておるわけであります。もとよりこういう異議の申立てに対する決定については、裁判所に出訴をいたして行くこともできるわけであります。  八十二ページの第五款、督促及び滯納処分は、従来のやり方と別にかわりはございません。  それから八十九ページの第六款の犯則取締りも従来と同じであります。  九十ページへ行きまして、経過措置のところであります。第七十條で「本節の規定は、法人が行う事業の附加価値に対する附加価値については、昭和二十五年一月一日の属する事業年度分から、個人が行う事業の附加価値に対する附加価位税については、同日から、それぞれ適用する。」と書いております。これは個人につきましては取引高税とのりかえをして行きたいという考え方から、一月一日から適応して参るわけであります。法人の場合には一月一日の属する事業年度分から適用するわけでありますが、これをどう計算するかというような具体的例を申し上げますと、昨年の四月一日から事業年度は始まりまして、ことしは三月三十一日で事業年度が終つている法人を仮定いたしてみますと、この法人につきましてまず一年間の所得を算定するわけであります。事業税の課税標準は所得でありますから所得を算定いたします。その所得のうち事業税が適用せられますものは、昨年の十二月末日まででありますから、四月から十二月までの九箇月分だけを測定するわけであります。従つて事業の所得かける十二分の九、これに事業税の税率を乗じたものであつて一つの税額を算定する。もう一つは昨年の四月からことしの三月までの十二箇月間の附加価値の総額を算定するわけであります。附加価値税の適用になりますのは一月一日からでありますから三箇月分だけであります。そこで附加価値の総額に十二分の三を乗じまして、それに附加価値の税率をかけまして税額を算定するわけであります。この両者の合計額を附加価値税として申告納付してもらうというふうな建前をとつておるわけであります。  さらにまた二項のところで、「電気供給業及びガス供給業並びに運送業のうち地方鉄道事業及び軌道事業の附加価値に対する附加価値税に関する特例を書いておりますが、この趣旨はこういうことであります。御承知のようにこういう業につきましては、事業税において外形標準の課税を行つております。電気供給業でありますれば、売上げ金額の二%が事業税ということになつております。従つて電気料金は消費者から徴收いたします場合に、都市計画税を含めまして二・四%を加算して徴收することができるというふうな統制価格の告示になつておるわけであります。従つて二・四%だけ加算して、現に徴收を続けているわけであります。そこで一月一日にさかのぼつて適用することになりますと、その加算をやめなければならない。一旦電気料金を徴收しておつたものを返さなければならぬという問題が起きるわけであります。そこでこういう部分につきましては、新しい地方税法が施行されたあかつきから、附加価値税が適用される。それまでは従前通り事業税の方は外形標準式の課税を行つて行く。言いかえれば売上げ金額に二%を加算したもの、売上げ金額の二%相当額を事業税にして行くというふうな制度をとつております。そういう趣旨でほかの事業とは適用の時期を若干かえることにしたわけであります。  それからずつと飛ばしまして九十五ページの七十四條であります。これは附加価値税にかかる課税標準の特例でありますが、昭和二十五年度分の銀行業等に対しましては、附加価値額というものを総売上げ金額の一定の割合とみなしてしまうわけであります。そのみなします場合に、九十五ページの終りから二行目に書いておりますように、総売上金額の、銀行業及び無盡業にあつては百分の四十五という数字を使つております。これは銀行業や無盡業全体について計算をいたしますと、大体こういうことになるわけであります。銀行業や無盡業につきまして附加価値税を普通の方式で課税して行くことにつきましては、いろいろと矛盾した面がありますので、こういう簡易な方式を採用したわけでありますが、信託業につきましては百分の百をとつておりますのは、総売上げ金額に信託報酬の合計額をとつていますから、こういう方式を採用しているわけなのでありまして、大体信託業を行つているものは、銀行業も兼営いたしておるわけでありまして、銀行業のところで信託にかかわりますものの売上げ金額や支出金額は、それぞれ別途に売上げ金額、支出金額として計上しているわけであります。別に信託報酬を掲げておりますので、信託報酬の合計額をとります関係上、百分の百を課税標準に使つて行きたいという考えを持つているわけであります。  さらに生命保險業にあつては百分の十五、損害保險業にあつては百分の十七といいますのも、全生命保險業、全損害保險業について計算いたして参りますと、大体こういう数字になるわけであります。地方鉄道事業及び軌道事業を除く運送業及び倉庫業にあつては百分の五十、運送業は運送業の種類によつてかなり附加価値額の程度は違うと思います。五〇%から七、八〇%になるのじやないだろうかというふうに考えております。倉庫業につきましては大体八〇%内外になるのじやないだろうかというふうに考えております。たまたまこういうものにつきましては事業税の外形標準式の課税をやつておつた売上げ金額の従来二%であります。そうしますと附加価価額を五〇%と見ますと、四%の税率をかけますと総売上げ金額の二%という同じ割合が出て来るわけであります。倉庫業につきましては、固定資産税の増徴の問題がありますので、負担の激変を避ける意味で、百分の五十というものを運送業等に合せて規定したわけであります。地方鉄道事業や軌道業につきましては、固定資産税の問題等もありますので、それより十だけ下げまして、百分の四十といたしたわけであります。大体軌道業等におきましては、標準的なところは五〇%内外じやなかろうかというふうに、われわれは計算いたしております。  二項は総売上金額の内容であります。

中島守利自由党

○中島委員長 質疑を継続する以前に、この際お諮りいたします。本案について、竹村奈良一君より委員外発言を求めておりますから、これを許すことに御異議ありませんか     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島守利自由党

○中島委員長 御異議なしと認めます。それでは竹村奈良一君。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 この前の大蔵委員会との合同審査会において発言ができませんでしたので、特に発言をお願いいたすものであります。お尋ねいたしたいのは固定資産税の点であります。先般連合審査会に政府の方から配付されました資料によりますと、たとえば土地と家屋あるいは償却資産に対して、おのおの同じような率でとられるのでありますけれども、大体償却資産につきましては九十三億二千八百万円、これは非常に少いので、私疑問に思うのであります。これはなぜこういうふうに少いか、お伺いいたします。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 その点につきましては、たびたび御説明申し上げたのでありますが、償却資産の基本価格を一兆三千億、こういうふうに見積つております基礎は、終戰直後安本によつて行われました国富調査の額、それを基礎にいたしまして、それにその後の物価倍数を乗じまして算定いたしましたものであります。当時軍需工場その他のものも相当たくさんあつたわけでありますが、それらもみな一応基本価格の中に入つて参つて来ているわけであります。従いまして、こういう面について、さらに陳腐化の問題、あるいは未稼動の問題等を考慮に入れて参りますと、このままの数字でよいか悪いかということが、かなり疑問になつて参るわけであります。さらにまた、昭知二十五年度は償却資産の評価を初めてやるわけであります。納税義務者から申告をとりますのは、十月末日が期限であります。それから市町村が決定をいたしまして、納税義務者にいろいろ不服もありましようし、そこにさらに審査のやりなおしをしなければならぬというふうな問題から、相当多くのものが二十六年度以降にふえるのじやなかろうか、こういうような見方をいたしておるわけであります。そういうことを総合的に考えまして、まず百億足らずの收入を見込んでおくのが、適当ではなかろうかというふうに考えたのでありまして、決して償却資産からこれだけしかとらないというふうに考えておるのではないのであります。後年度に相当のものがずれるということを予定いたしておるわけでありますが、かりにそれでは百億足らずのものしかとれないとした場合に、償却資産の評価額の幾らに相当する部分だけが二十六年度に徴收になるだろうかということを申し上げますと、六千億内外になるわけであります。大蔵省で資産再評価を実施した場合に、現実に企業が評価するのはどれくらいになるだろうかというと、この償却資産に相当する部分は五千億くらいだろうと見込まれておるのであります。もとより固定資産税は、企業がいくら低く評価しても、それを基礎にする必要はないのでありまして、適当な時価をとるわけでありますから、その五千億内外の数字に拘泥する必要はないと思います。しかしながら一応そういう見込みを立てているわけであります。償却資産からどれくらい平年度において收入が上るだろうかということを申し上げますと、かりに地方税收入として一千九百億円はどうしても将来において必要であろうということになりますならば、償却資産から百七、八十億の收入を上げなければ、そういう額に達しないのであります。と言いますのは、市町村民税におきまして、昭和二十五年度は二十四年度の所得税を基礎にいたしますが、二十五年度はこの所得税は減税によりまして大幅に減額されて行くわけでありまして、自然二十六年度以降市町村民税において、百億内外の減收を生ずるわけであります。そういう関係から償却資産につきましては、今申し上げましたような收入を上げなければならぬのでありまして、さらにそれを償却資産の評価に置き直して考えますと、一兆あまりの評価ができなければ、一千億円の收入を上げることは困難である。こういうことになつているのであります。従つて九十億幾らしかとれないと、政府において見込んでおるのではないのでありまして、今年度においてはこれだけしかとれないというふうに考えておるわけであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 そういたしますと、大体二十五年度においては、それくらいしかとれないであろうけれども、来年度においては、資産再評価が適当に行われるならば、金額その他のものが計算されるならば、もつとふえて来るということになるわけですね。そういたしますと、結局におきまして、この再評価、いわゆる償却資産に対するところの課税は、現在では確実なものではなく、大体の見込みでおとりになつている、こういうふうに承知してよいのですね。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 償却資産の種類別に数字の基礎を示しておりますが、そこに示されたような形において、われわれは推定をいたしておるわけであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 それからもう一点お聞きしたいと思います。土地に対しまして、大体二百十三億何ぼという基礎によつておとりになるのですが、賃貸価格というものは、実際面におきましては非常に相違があるわけであります。たとえば一毛作田と二毛作田等におきましては、收益が非常に違うのでありますけれども、しかし賃貸価格はあまりかわつていない。それを一定の倍率によつてとられると、結局において不均衡になるではないかと思いますが、この点に対してはどういうようにお考えになりますか。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 一毛作田と二毛作田との間には、今お話のありましたように、賃貸価格におきまして若干の差異があるわけであります。この差異がその程度でよいか悪いかという問題は、これはやはり個々の土地について、かなり問題があるだろうと思います。その問題はやはり一毛作田と二毛作田という関係の問題のみならず、宅地一般、あるいは畑地一般につきましても、賃貸価格はずいぶん前に算定いたしましたものでありますので、同じような問題がやはりあるだろうと思うのであります。そういう若干の不合理はあるといたしましても、この際賃貸価格を標準にして九百倍を乗じたものをもつて課税標準にして行く。その結果賃貸価格そのものに存しております不均衡が大写しにされる。従つてそれは将来にわたりまして公平な評価をいたして行きます場合に、非常にいい基礎になる。従つて昭和二十五年度においてはある程度やむを得ないけれども、それが基礎になつて、昭和二十六年度以降において、でき得る限り全体にわたつて、公平な評価を行つて行きたい。かような考え方に立つているわけであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 そうすると、賃貸価格は今おつしやつたように、たとえば果実等をつくつておるところも、二毛作田も、ほとんど同じような賃貸価格で、これであると非常に不公平が大きくされる。こういうように政府が考えておられるならば、近い将来、少くとも二十五年度にこれをやりますと、二十六年度においては、それを適正化するために賃貸価格の再改正等を行われる用意を持つておられるかどうか、お伺いいたします。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 二十五年度におきましては、現在の賃貸価格を標準にして課税して行くわけでありますが、一面二十五年度中に、各固定資産につきまして評価をいたしまして、適正な課税標準を用意して、二十六年度からは違つた課税の標準に基いて課税して行くということになるわけであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 もう一つお聞きしたいのですが、固定資産に関する要綱の中で、大体課税除外の範囲の中に「宗教法人がその用に供する家屋及びその境内地又は構内地」、こういうふうに言われておるのでございます。これを除外するというのは、非常に困難なことだと思うのですが、この点に関して、一体どの程度まで——たとえば構内地と言いましても、非常に大きな構内地を持つておる宗教法人があるわけです。そういうようなものも全部包含されるか。たとえば山林等も非常に多く所有しておるものがあるわけです。現在では、御承知のように、神社仏閣財産処理委員会というものをつくつて、適当にそれを拂い下げられるかどうかということを審議しておりますけれども、実際聞きますと、相当多くの部分が讓渡されるというような場合においても、それを除外されるかどうか。その範囲を御説明願いたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 この種の制度は、従来の地租や家屋税についてもとつて参つたわけでありまして、それを固定資産税についても引継ぐという方針を採用いたしておるわけであります。従来その範囲については、かなりこまかく抽象的な範囲を示しておるわけであります。しかし根本的には、宗教法人本来の用に供する土地や家屋だけでありますので、言いかえば、構内地についても、その神社なり仏閣なりの尊嚴を保持するというために、必要な範囲に限られなければならない、こういうふうに考えておるわけでありまして、具体的には個々のものについて、そこに認定の範囲が加わつて参るだろうと思いますけれども、従来の例に徹しまして、まず特に問題の起きることもないのではなかろうかというふうに考えておるわけであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 たとえば具体的に申しますと、今神社仏閣のいわゆる境内地拂下げの審議会において審査されておるのは、その審査の結果神社に所有権をゆだねられるのは、今御説明になつたように、神社なり仏閣なりの尊嚴を維持するためだという折紙をつけてお渡しになるわけであります。その山には山林で百町歩、三百町歩というものもあるわけです。その点も全部除外されるのでありますか。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 法律上除外しておりますのは、そういう範囲ではございません。道で言いましたら、参道とかあるいは参道の周囲にあるところの風致保存のための地域、こういうものだけに限定しておるわけであります。しかしその地方団体が法律上は課税できるけれども減免をするというふうな措置を講じたいならば、これは別途の根拠によつて補うことができるわけであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 そうすると、たとえば伊勢神宮なんかは今三百町歩くらい持つておるわけであります。これの所属をめぐつて、国有のものにするか、神社のものにするかということが、非常に問題になつておるわけでありますが、こういうのも、大体拂下げということになると、尊嚴を維持するという形において拂い下げられるわけであります。しからばそういうものに対して、尊嚴を維持するという意味において拂い下げられても、それはやはり税金の課税外にはならない。こう解釈してよいのですか。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 今お話のありましたように、非常に広大な山林を神社有にされた場合に、その全部が非課税の範囲になるかというと、私はならないと思います。法律の解釈上、宗教法人の用に供するというのは、そういう大きな範囲ではないと考えております。しかしながら先ほど来申しましたように、その地方団体が特別な考慮を加えるならば、これは別であります。法律上課税権を奪つておりますのは、もつと狭義に解されなければならないというふうに考えております。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 もう一つはつきりしておきたいのは、たとえばその宗教団体が、宗教に必要だという形におけるいろいろな、営利を目的とするというわけではないが、共同的な土地の耕作等をやつておるというような場合も、これは当然課税することになるわけですね。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 お話の通り、課税することはできるというふうに考えております。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 それはできるということだけであつて、これはもちろん地方庁の意思によるわけですけれども、課税外でない、こういうふうに解釈してよいわけですか。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 お説の通りであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 それではもう一つお聞きしたいのでございますが、たとえば今度の課税標準等においては、課税標準は時価でする、こういうことになつておるのでございますが、單に土地の面は賃貸価格等で押えられておるが、時価ということとの関係、たとえば土地の値段というものは、ほんとうの時価であつても、非常に問題があるわけです。昨年度の土地の価格と現在の土地の価格とは時価では相違しておる。その点そういうような場合においてはどういうのでありますか。ただ單にそういうことがあつても、やはり賃貸価格だけを一本に考えられますか、その点をお伺いしたい。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 昭和二十五年度においては、賃貸価格だけを基礎にして、いわゆる時価というものは考慮に入れません。昭和二十六年度以降においては、適正な時価を課税標準に用いるわけであります。適正な時価というのは、要するに、市場価格ということになるだろうと思いますけれども、市場価格というのも、ある一時的な一定の時期におけるところの市場価格ではなしに、標準的な正常な市場価格、ある一定期間を通じてながめた場合の適正な市場価格、時価でなければならないというふうに考えております。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 そういたしますと、農地等においては、現在の二十五年度の計算で行きますと、大体八百円くらいで土地解放を受けたものが、この計算で行きますと、約一反に三百円くらいの税金をかけなければならぬということになると思うのです。そうすると、三年くらいで、譲り受けた土地の価格と同様な税金を拂わなければならぬ。二年半かないし三年くらいかかると、買取価格そのままくらいを税金で拂うということになる。そうしますと、現在では、御承知のように、至るところでぼつぼつ解放された土地に対するところの土地放棄が行われておるわけです。数字はちよつと忘れましたが、農林当局も声明しておるように、相当な反別になるわけでありますが、このままある程度の一定の率をかけて行かれますと、いわゆる土地解放の精神、たとえば自作農たらしめたところの根本精神が蹂躙されて、かえつて土地を放棄して行く連中が多く出て来ると思いますが、これに対して政府はどういうような対策をとられるか。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 私は農地については、現在自由に売買できるような価格は存しないと考えております。自由に売買できる価格は認められていないはずだと思います。それならば農地解放の趣旨に反したような固定資産税を課するのじやないかという御意見でありますが、一反当り二百七、八十円の固定資産税というものが、はたして農地の経営を不可能にするような酷な負担かどうかということになつて参ります。ほかの事業その他の負担しております税額と比べて、別に特に重いというふうには考えられないのじやないか。特に附加価値税を農業を行う者については課さないというような方針をとつておるわけでありますので、この点決して農地解放の精神に逆行するものではないというふうに考えておるわけであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 もちろん確定申告ではありませんけれども、たとえば税制改革の所得税の面でありますが、農業所得においては、申告所得に対しましては、御承知のように、昨年度の所得よりも下げて申告してはいけないという條文があるわけです。特に昨年度の所得よりも低く申告する場合においては、政府の命令に定むるところによるというように規定されておりまして、農業の所得申告においては、実際昨年度の所得以下には予定申告はできないことになつておる。そういたしますと、米の値下り、あるいはやみ米の値下り、いろいろなことで、片一方においては所得税はいくら所得が少くなつても、昨年と同じようにとられて行く。そして一方においては固定資産税で、地方の農村においては土地と家屋を主たる財源にしておる。そしてこれは実際この表で見られるように、償却資産に対しましては大体の見積りをして、低くしなくては捕捉しがたいというような税金と違つて、土地や家屋のように簡單に捕捉できるものに対して、これだけの税金をかけられるということになりますと、私たちの考えでは農家はもうやつて行けない。そこの現われとして土地放棄がどんどん起つている。しかも最近に至つては農村ではどういうことが起つておるかと申しますと、これは税金がかなわぬから、土地の共同化、たとえば協同組合等において、一手に土地会社をつくつてやつて行つて、そして生産費や労力費を出して、所得税を何とかできないかというところまで来ておる。その状態には、たとえば農業手形の増大とかいろいろあげられますけれども、詳しいことは皆さん御迷惑と思うので申上げませんが、とにかく非常に農家は今困つて来ておる。それに三年たてば、もつと解放された田地と同じような額でとられる。しかもあなたが今おつしやつたように、農地は自由に売買できないことになつておる。そこに問題があるわけであります。自由に売買できるものであつたら、重かつたら売つたらよいと簡單に考えればよいのですが、農地は自由に売買できない。しかも土地を解放された農民にとつては、土地を長い間自分がいやでもおうでも持たなければならない。ほんとうにいやだつたら政府に買い上げてもらうが、政府はいろいろの手続きで買い上げないというような状態になつておる。とにかく農民を土地にしばりつけておる、自由に売買できないようにしておいて、しかも逃れることのできないようなものに、こういう大きな九百倍というような課税をなされるということは、私は土地解放の精神を蹂躙されるものだと思いますが、重ねて一点、自由に売買できないものに対して、しかも農民を土地に上ばりつけておいて、そしてそれにいやおうなしにかけて行く制度は、土地解放の精神、自作農創設の精神と反すると思いますが、重ねてお願いいたしたい。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 申し上げるまでもないことでありますが、税法は社会経済の現実の姿に即して、政府が立てて行かなければならないというふうに考えております。社会経済の実態がかわつて参りますれば、それに即して税法もまたその建前をかえて行かなければならないと考えるのであります。現在のところ、固定資産税につきまして、土地の負担はかなりふえるわけでありますが、これが農業経営の現在の実情に即して、苛酷な負担をしいるものであつて、農業経営を破壊するものだというようには考えないのでありまして、今後農業経営の実態がいろいろな変遷を経て行くかもしれない。その際にはまたその際において税法も全体を通じて改めなければならぬ問題も起きるだろうと思います。しかしながら現在においてこの程度の負担は、決して今お話になりましたように農業経営そのものを不可能に陥れるような重税をしいるものだというふうには考えない、かように申し上げておるわけであります。

中島守利自由党

○中島委員長 ちよつと申し上げますが、実はこの法案に対する逐條審議に入つておりますので、固定資産税に対しては、また各委員とも質疑がある。今ようやく附加価値税に入つたところで、あなたが長く質問されると非常に迷惑するのです。あなたの同志がありますから、同志の方にあとは質問してもらう。そして固定資産税のときに質疑をしてもらうようにしていただきたいと思うのであります。なるべく言論は自由にしたいと思うのでありますが、こちらの審議の都合もありますので、委員外の諸君に長く質疑をされることは進行上困りますから、ただいまのようなことにおはからいを願いたいと考えます。

竹村奈良一日本共産党

○竹村奈良一君 もう一点で質問をやめますが、実は議論になるので、もうそのことについては申し上げません。大体現在の政府の考え方では、土地は一応農民にしばりつけておく、そして自由に売買できないようにしておいて、そこから多くの税金をとる、こういう御意思でおられるというふうに承知して、この点については議論はいたしません。  そこでもう一つお聞きしておきたいのは、大臣はいつでも、前のときでも言われておるのですが、予算面からいつて、たとえば九百何億の減税だ、そうして地方税は四百億しかふえないのだ、だから差引五百億ほど減税になる、そういうふうに言つておられるが、しかしこの率で実際にいろいろな面で徴收されますと、われわれの考えでは少くとも千数百億、つまり四百億円地方税の増税ではなしに、千数百億になるのではないかというふうに考えるわけであります。その現われはいろいろありますが、長くなりますから申しませんが、たとえば先ほど申し上げました償却資産においては、実際現実につかまえるならば、ここに現われているだけで少くとも三百億くらいは、このままでいればとれるわけです。たとえば前の大蔵省の説明では、いわゆる償却資産は一兆六千億といつておつた。ところが今度の大蔵省の、今あなたの出されたのによると、一兆三千何億と減つておる。ときどきに政府の実態のつかみ方が、非常にかわつておるわけでありますが、これは非常に低目にここには出されておる、こういうふうにわれわれは推察できる。また事実においてそう表に出ておるわけです。それと同時にもう一つは、同じ減税されましても、それは上の方たとえば法人は優待されて、そうして実際逃れることのできない土地とか家屋とか、捕捉のできるものを持つておるものは減税どころか、かえつてふえると考えるのでございますが、これに対してひとつ政府の御所見をお伺いいたしたい。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 償却資産の見方はお手元に差上げておる資料に、具体的に書いておるつもりであります。これをとつて今御質問になつておられるような御意見を持たれたのか、私は承知いたさないのでありますが、基本価格を、一兆三千億、非常に大きな数字をそのまま出しておるわけであります。收入を基礎にして考えますと、六千億内外にしかならないものを、これはあからさまに出しておるわけであります。たとえば電気、ガスの供給設備を見ましても、四千七百六十一億二千四百万円という数字を出しております。こういう数字は日発の例から、あるいはその他を通じまして大体見当をつけていただける数字ではないだろうかと思うのであります。しかもまた製鉄会社その他の例をとつて考えましても、熔鉱炉はもう休んでしまつておる。それを建設のときの価格を基礎にしまして物価倍数を乗じて算定して、それで課税して行くという行き方がいいのか悪いのか、こういう問題はやはり今後の各企業の運営の個々の活動の状況とも、にらみ合せて考えて行かなければならぬのではないかと思うのでありまして、わが国の経済力というものが、今すぐに戰前に回復するものでありますならば、償却資産の見積りも、相当大きくできるだろうと思うのであります。しかしながらかつて働きましたいろいろな生産設備が現に遊休設備に化してしまつているものならば、それを昔通りにはなやかであつたわが国の時代における業者と同じような評価をして、課税して行くことがはたしてよいだろうか、悪いだろうか、やつて行けるだろうか、どうだろうか、私は非常に疑問に思うのでありまして、しかもそういうものにつきましても一応一律的に倍数を乗じまして、一兆三千億という数字を正直に出しておるわけであります。しかしながらもしここに具体的にお示し願いまして、間違つているところがありましたら、お教えをいただいて、さらによく検討して、間違いのないように一層の努力を重ねて行きたいと考えております。

清水逸平自由党

○清水委員 税につきまして相当論議を盡されまして、ある程度修正しなければならぬではないかと思う点が、多々ありますけれども、私は今日二十六條の罰則についてお伺いいたしたいと思います。二十六條によりますると、「一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。」とあり、その三項に「徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者」とありますが、答弁をしない者をこの「一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。」ということは、憲法の精神にもとりはしないか、憲法の三十八條には、不利益なる供述は強要されないというような條項がございますけれども、これによりますると、答弁をしないという一事をもつて、こういう重い刑罰を課することは、この憲法の精神にもとりはしないかということをお伺いいたしたい。     〔委員長退席、大泉委員長代理着席〕

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 この関係の罰則は、従前と同じ規定なんでありまして、もとより重い罰則を課しているわけでありますけれども、その情状によりましては、この罰則はこの範囲内で処理されるわけなのでありますので、もし善意の場合におきましては、それに相当した措置がとられるのではないかというふうに考えるわけであります。憲法の方は別に答弁しなくてもよろしいというふうなことを規定しているわけではございませんので、これとは矛盾するものではないというふうに考えております。

清水逸平自由党

○清水委員 刑事訴訟法におきましても、被告人の黙祕権というものを認めております。検事なり、判事なりが調べる場合においても、自己に不利益なる供述の強要はされないことになつております。一徴税吏にその答弁をしなかつたことにおいて、こういう刑罰のあることは、私さいぜん申し上げた通り、私としてはどうしてもこの憲法の精神にもとるものと思いますが、この二十六條の規定のうち第三号の「答弁をしない者」ということは、はつきりお抜きになつてしかるべきじやないかと存じます。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 憲法三十八條の規定は、刑事事件に関する規定であります。刑事犯罪を犯したか犯さないかわかりませんが、その場合に不利益なる供述を強要されないというふうに規定しております。地方税法案の二十六條の問題は、行政上の質問に対する答弁の問題でありまして、これは当然ある程度の所得を持つているものは、それに従つて当然ある程度の納税の義務を持つておるわけでありまして、その事実が出たからと言うて、あるいは一年の懲役に処するとか、何円の罰金に処するとかいうような刑事上の問題ではないのであります。当然国民はすべて自分の所得その他のものを明らかにして、それにおいて課せらるべき税金額は、納めなければならないのではないかというふうに考えるのでありまして、そういつた行政上の問題について、その答弁をしないものは罰しなければならないというふうに解釈すべきじやないか、憲法は刑事上の事件に関するものを規定しているのだというふうに考えております。

清水逸平自由党

○清水委員 刑事上のことであつても、なおそれだけの国民に権利を附與しておる、懲税の段階の、刑事上の法に触れないものに対して、こういう刑罰は私はどうしても重いと思います。これ以上にわたつてはあるいは議論になるかもしれませんが、この点について私も研究いたしますし、御当局でもしかるべく御研究願いたい。

大泉寛三自由党

○大泉委員長代理 床次君。

床次徳二民主党(第九控室)

○床次委員 先ほど三十四條の附加価値税の免税点について事業税と比較して説明されましたが、もう少し詳しく御説明願いたい。今回の附加価値税の免税点は九万円、これが従来の事業税の免税点と比べまして、どの程度の事業経営者に対して軽減になつておるか、その点について御比較を願いたい。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 大体総売上げ金額に対しまして、所得額というものは何パーセントくらいに当るだろうかということは、物品販売所でありますとか、あるいは製造業の中でもいろいろな業態によつて違つて参ると思います。かりに所得額というものを総売上げ金額の二〇%だというふうな仮定をいたします。二〇%に相当する額が従来は四千八百円であつた、ところが附加価値税になりますと、総売上げ金額の何パーセントに当るかということも、やはり業態によつて非常に違うわけであります。かなり重いもので言いますと、五〇%くらい、あるいは四〇%のものもありますし、三〇%のものもあるわけでありますが、かりに軌道業にとつております四〇%という数字を使いますと、四〇%に相当するものが九万円、こういうことになるわけであります。そうすると二〇%、四〇%、ちようど二倍でありますから、四千八百円の九千六百円、一〇%にしますとこれが四倍になりますから、四千八百円の四倍の二万円弱であります。二万円弱に当るわけであります。そういうものを附加価値税においては九万円に引上げておるわけであります。そういう点から私は免税点が大幅に引上げられるのだということを申し上げたわけであります。

床次徳二民主党(第九控室)

○床次委員 次に一つ承りたいと思うのですが、附加価値税の脱税に関する罪で、四十二條の規定でありますが、従来は免れた罰金額に対して五倍以上という財産刑が課せられておるのでありますが、今回はそれが改められて最高額が五百万円になつておる、相当軽減されておるというお話でありますが、これはほかの税についても共通な問題でありますが、体刑を課する規定がほとんどどこにも入つておりません。体刑を課する徴税方法と申しますか、徴税の法律をつくるという方法は、財産刑を課して行く、あるいは科料刑を課して行くという行き方と、はたして特質はどうであろうか、この点に対しまして少し御説明をいただきたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 従来は脱税犯に対しましては、一律にあらゆる税目につきまして三年、五倍の制度をとつておつたわけであります。今回は税種によりまして、区分をいたしまして、附加価値税のような大きな税額に上る税種につきましては、三年、五百万円一倍というふうな方針をとりますとともに、たとえば小さい税額にしかならないような種類のものでありますと、自転車税とか荷車税とかいろいろございますが、そういうものにつきましては一年、十万円でありますか、そういうふうな制度にかえて行くわけであります。なるたけ軽税の罰則は軽い方がよろしいのでありますけれども、現在の段階におきましては、やはりこの程度の罰則規定を置いておくより仕方がないのではないかというふうな考え方を持つております。国税とあわせて均衡のとれるような罰則規定を、ここに掲げておるわけであります。

床次徳二民主党(第九控室)

○床次委員 ただいまの御答弁でありますが、最近の税金に対する犯罪をいろいろ見て参りますと、金額が非常に多いときはその金を納めずして、簡單に体刑で、済ました方がいいというような考え方もあるのではないかと思うのであります。税金犯罪と申しますか、脱税に対する体刑がどんなふうに変遷しているか、もちろんその変遷に応じて改正なさつたのだと思うのでありますが、その状況について御説明を願いたいと思います。今御説明なさつたような形でありますと、非常に高額な脱税をいたしました者は、今度の規定において非常に楽になるというような形になりまして、精神上から見ますと、案外金額の少い脱税者はその割合に重い刑をかけられておるのだという感じも受けるのでありますが、その点に関して御当局の御意見を伺いたいと思います。

立花敏男日本共産党

○立花委員 議事進行について、與党の委員が一人もいなくて、審議することは不能だと思うのですが、出て来るまで休憩するか、散会したらどうですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大泉寛三自由党

○大泉委員長代理 床次さんの御質疑が終つたならば、散会することにいたします。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 脱税犯の中にも道義的な見地から見まして、非難すべき性質の非常に強いもの、また経済的な観点が非常に強く入つておるような面、こういうものがあるわけでありまして、その脱税犯の体形によりまして、ある者は懲役刑を用いる、ある者につきましては罰金刑を採用するということになつておるわけであります。従いましてこの二本建というものは今日の段階においては、なお必要じやないかというような見解を持つておるわけであります。

床次徳二民主党(第九控室)

○床次委員 関連いたしまして、最近非常に脱税額がふえておるのでありまして、その場合五倍というのでは多過ぎるかと思います。これは国税等の脱税についての振合いを考えなければなりませんが、数字的にいつてどんなものでございましようか、現在の脱税の実情から、ちよつと御説明願いたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政部財政課長)

○奥野政府委員 脱税犯だからその事業の実情というものは、別にしんしやくすべき必要がないというふうに言つてしまえば、それまででありますけれども、それにはやはり情状を酌量しなければならない場合も、非常に多いわけであります。そういたしますと従来の五倍という額をもつて罰金刑を科して行きますと、企業がつぶれてしまうというような場合が相当多いわけであります。そういう点から今回は五百万円以下で、五百万円を越えた場合にはそれと同額というような措置をとつたのでありまして、これは法人税、所得税につきましても同様な方針がとられているわけであります。

大泉寛三自由党

○大泉委員長代理 本日はこれにて散会いたします。     午後四時四分散会

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