地方行政委員会 第17号
- 発言数
- 219 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1950/04/05
会議録
○菅家委員長代理 これより会議を開きます。 前会に引続き、まず地方税法案を議題といたし、質疑を続行いたします。発言は通告順により、これを許します。床次徳二君。
○床次委員 私は標準税率についてお尋ねいたしたいと思います。幸いにして昨日終始税率の問題が話題になつておりましたので、大体大臣も御了解と思いますが、所得税に関しまして今回改正が行われました際におきましては、シャウプ勧告の趣旨をいれましてでき得る限り税率を安くいたしまして、そうして逋脱をいたしました税を吸収して、そうして予期の歳入をあげるという方針をとつておられる、国税には確かにその方針が見えておると思うのであります。なお今回相当の減税になつたということは、徴収の実績をあげ得るものと考えるのであります。しかしながら地方税において行われましたところの改正案を見ますと、また今回の地方税の実情が相当増税になるということを考えますると、せつかく国税に対して政府が配慮せられたことは、むしろ逆の現象を呈しておるのではないか。この改正案の理由の中に、でき得る限り納税者の協力を求めて、徴税の実績を向上したいということを、述べておられまするが、実は税制そのものは決して税収をあげる、また納税者の協力を得るような形になつていないのではないかということを、私も考えるのであります。過般すでに数次の問答によりまして、附加価値税、固定資産税等におきまして、標準税率が高過ぎる、もつと税率を低くいたしましても、優に所期したところの歳入が得られるということは、これは意見の相違かもしれませんがすでに明らかになつておる。これは附加価値税、固定資産税についても同様であります。また遊興税等につきましても同様であります。その論議の際に大臣がお答えになつた中に、一つの税目の課率を下げましても、ほかの税との均衡があるから、等は下げ得ると思つても下げるわけに行かないのだ、やはり今の標準税率を維持じなければならぬというようなお考えを述べておられるのでありますが、今日までですでにお互いに検討いたしました結果は、ほとんど地方税の各税目にわたりまして標準課税が高過ぎる。しかしこれを安くいたしましても予期の歳入をあげ得るのではないかということが、ほぼ明らかになつておるように私は考えるのでありまして、従つてほかの税との均衡問題というのは、標準課率については起り得ない。大体それぞれのバランスをとつて標準課率を下げることが可能だと私ども考える。むしろ標準課率を下げました方が地方の実情に合いまして、税源もゆたかになるし、また納税者の苦悩も助かるのではないか。こういうふうに考えますが、これに対する大臣のお考えを伺いたいと思うのであります。 なおこの標準税率の問題は実は平衡交付金にも関係していることはかつて御指摘の通りでありまして、平衡交付金制度におきまして、標準歳出と標準歳入を見ます場合に、かりに標準税が高くきまつております場合は、もらうべき平衡交付金がそれだく少くなつて来るということを予期しなければならぬ。また実際以上に標準税率が高かつたという場合におきましては、もらうべき交付金が少くてその町村民がよけい負担しなければならぬというところに矛盾も出て参るのであります。また大臣の御答弁によりますると、地方の自治にまかしてあるから、標準税率がたといあつたにいたしましても、地方の実際の需要によつて、もつと低い税率をかけることができるというお話でありまして、一応もつとものようでありますが、これに対しましてはすでに同僚各位からも、たびたびお話がありましたように、なかなか実際はそうは行かない、結局標準税率までとつてしまうということを御懸念になつておるのでありますが、やはりその結果を免れないと思うのであります。かように考えてみますると、この際この改正地方税法の全般につきまして、大臣は標準税率をもつと下げて、そうして地方税の収入をはかるという点に関しましてお考えをおかえになることが、私は適当ではないかと思うのであります。この点に関しましてお尋ねをいたしたいと思います。
○本多国務大臣 結論から申し上げますと、この標準税率がその程度でなければ予定収入が得られない、その得られる見込みが明確に立たないのでございます。これは御承知の通り償却固定資産等の計算は相当複雑でありまして、これらについては少しく観点をかえますと、相当増収になるようにも考えられるのでありますけれど、結局結論といたしましてこの程度の標準率でなければ、シャウプ勧告の趣旨に沿う財政のその程度の評価ができない、結局予定収入額を確保することが困難であるという考え方に立つものでございまして、その予定収入が確保せられるならば、でき得る限り税率を、標準税率であるにしても、それを低くしたいというのは、政府も極力努力いたしたところでございまして、その努力研究の結果、結局この程度の税率でなければ、予定収入が確保せられないという結論に達した次第でございます。お話の通り平衡交付金で補填します程度は、標準税率を標準として補填するのでございますから、高いからといつてそれ以下を徴収した場合、その税率が下つたために減収になつた分は、平衛交付金では補填されないという結果になります。この点は、そういう税金を安くするということと自治体自体の平衡交付金が交付されないというその利害得失と申しましようか、そういうものをやはり考慮されることによつて適当な徴税も行われ、財源も確保される、これは一体としてやはり考えなければならぬ問題であると考えております。
○床次委員 政府御当局が相当標準税率を下げたい、また下げるべく努力なさつておることにつきましては、私どもよくわかるのであります。ただ政府は税率を下げたならば、予期した歳入が得られないという御懸念を持つておられるようでございますが、この点につきましてはわれわれとあるいは見解の相違の生ずるところであると思うのでありますが、これに対しましては、この際議論を申し上げることは一応打切りたいと思います。 次に伺いたいことは、国税におきましては、納税者に便宜を與えるために、いろいろ御配慮になつておる点があると思います。申告の点につきまして、あるいは違法錯誤の賦課に対しまして、異議の申立てに対しまして、新しい協議団等の処置を講ぜられまして、できるだけ納税に対する苦情の処理を遺遺なくする。そうして納税しやすいようにという建前が現われておるのでありますが、今回の改正の地方税に関しましては、従来の地方税に比しまして相当金額も増して来ております。また手続も新しい手続になつておりますので、地方においてはかなりの混乱があるのではないかということが予想されますが、この苦情処理の手続に関しましては、特別な考慮を拂つておられないように見えるのであります。従来通りの方法をそのまま踏襲しておられるかのように見えるのでありますが、この点は私は非常な手落ちではないかと思いますが、政府の納税者に対してできるだけ納税しやすく、とる者の立場も尊重しますが、同時に納める者の立場も考慮するというお言葉もありましたが、この立場から見まして、将来町村税あるいは県税等、地方団体の納税に関するいろいろな問題の処理に関しまして、特別何かお考えになつておりますか。現在の通りで間に合つておるというお考えを持つておるかどうか、伺いたいと思うのであります。
○本多国務大臣 申告及び申告納税等につきましては、大体国税に準じて規定されておると考えております。青色申告の制度、また予定申告納税等の手続は、大体同様ではないかと考えております。異議の申立てに対する処理方法につきましても、国税の場合とほとんど相違はなかろうと考えております。ただその処理する機関が違うだけではないかと思われます。さらにこの紛争を解決しますための協議機関、これにつきましては、これを法律をもつて必ず設けなければならぬと規定しますことも、いかがかと考えておる次第でございまして、その地方々々の負担になることであり、また地方々々の状況によつてそういう機関を必ずしも設けなくても理解されて行くという場合も考えられますので、そうした協議団のようなものが、市町村においてぜひ必要であるという場合には、自治的にそういうものを設けられても、法は決してこれを禁ずるという趣旨ではないのであります。 〔菅家委員長代理退席、大泉委員長代理着席〕
○床次委員 いわゆる地山方の異議の解決の問題ですが、一応の機関を備えてはおられますが、今までのような機関の程度をもつて、はたして円満な解決が見られるかどうかということにつきましては、過去の実績から見て多少疑いなきを得ない。ことに今回相当大きな改正が行われておるのでありまして、適当な、何と言いますか、国税において設けられました協議団みたいなものがあることがよいのではないかと私は考えておるのであります。大臣は地方の負担関係より見まして、そういうものによつて調整するのは、どうかというふうに、お考えになつておられますが、私はこの点は重要な問題ではないかと思つておるのでございます。 なお地方におきましては新税を施行いたしますために、ある程度までの徴税費を増額しておられる。しかし増額の範囲が単に徴税吏員その他を設けるにとどまりまして、円滑に税の苦情を処理して行くのには予算が足りないのじやないかと思うのであります。かかる税金の処理機構で臨みますと、実は地方自治が非常に混乱するのではないかという懸念があるのであります。この点は今回こういう税制を改正されるにあたりましては、特に考慮せられねばならないことと思います。 なお徴税費に対する問題は、実は地方の歳出の問題にも触れるのでありますが、非常に少く見ておるような気がするのであります。過去の実績から見まして、たしか税額の七%か八%くらい計上しておられたかと思うのでありますが、その程度では今度の新しい税法をこなすのには、かなり困難があるのではないかと私ども考えておそのであります。今までのような苦情処理だけで行けるかどうか、私はぜひ適当な方法を講ぜられることを、むしろお勧めいたしたいのであります。 なお納税思想の普及その他の問題に対しましては、国税の方には従来相当機構がありますので、従来の機構を鞭撻して参りますれば、ある程度までは新税に対しまして相当の力があるというふうに認められるのでありますが、地方の機関におきましては、地方税の賦課嵐務自体が非常に大きな仕事になつておりますので、納税者に訴えまして納税を快くしてもらう、納税しやすくするというところまでの配慮は、なかなか手がまわらないような感じがいたすのでありますが、その点大臣はいかがであります。重ねてその点を伺う次第であります。
○本多国務大臣 新地方税法の普及徹底に関することでございますが、これはお話の通りこの税法が制定されましたならば、地方の各住民にも徹底いたしますように十分に普及いたすよう、自治庁としても手配をいたしたいと考えております。
○床次委員 次に罰則の問題について簡単にお尋ねいたしたいと思うのですが、この前の税法におきまして、相当罰則を強化せられたのであります。なお今回の改正法におきまして、若干それを補いまして納税の強化をはかつておられるのであります。しかし前回の改正によつて十分その効果が上らなかつたかどうか、新しく改正を要するのに、実際そういう差迫つたいろいろの事情があなつたかどうかということに対して、多少実情についての御説明をいただきたいと思うのであります。 なおもう一つ、納税の向上をはかるために滯納処分の問題があるのでありますが、昨今滯納処分につきましては、非常に大きな社会問題になつておることは御承知の通りであります。単なる罰則をもちましても、罰則を整備いたしましただけでは、なかなかこの滯納を一掃するということは容易でない、あるいは納税思想が徹底いたしますれば、昨今の滯納に対しましては、そういうふうな見解を政府は持つておられますが、なかなか経済事情その他におきまして、罰則が整備され、その他が強化されましてからも、徴収が十分に行かなかつたというところに、大きな問題があるのではないかと思うのでありますが、この点に関しましても国務大臣はいかように考えておられますか、御答弁いただきたいと思います。
○本多国務大臣 これはお話の通り税法そのものに対する理解を徹底さして行くという努力と、さらにまた悪質な故意な者については、やはり相当の罰則によつてそういう脱税等の予防に努めて行く両面からの努力が必要であろうと思うのでございます。今日までの罰則で十分ではなかつたというお話でございますが、今日までも罰則はあつたのでありますけれども、納税に対する理解、さらにまたその責任観念の認識は、まだ十分ではなかつた点も考えられるのでありまして、こういう故意的な悪質的なものについての罰則を明確に規定いたしますことによつて、そうしたものの予防に役立つことと考えるのでございます。
○荻田政府委員 昨日もお話がありましたが、罰則の点でございますが、条文の書き方が従来の規定は総則に数箇條罰則が書いてある。それを今度は各條文にそれぞれ罰則をつけましたので、たいへん法案全体が罰則ばかりの規定みたいになりまして、見場が悪いのでございますが、実質的にはむしろ強化されてはいないのでありまして、高くなつたところもございますが、安くなつたところもございます。税一つ一つにつきまして軽重によつて差をつけております。その点につきまして昨日資料をお配りしておいたのでございますが、地方税法改正案中罰則一覧表として新旧対象してございますので、これをごらんいただきますと必ずしも罰則を強化する意図をもちまして改正しておるのではないことがおわかりになるのじやないかと思います。
○床次委員 少しこまかくなるのでありますか、今度新しく入りました罰則の中に、たとえば自署の問題なんかあるのでありますが、こういうものを一一罰則を要するかどうかという気がいたすのであります。これは何か実際の必要が相当出ておるのでありましようか。
○荻田政府委員 法人につきまして従来のだれが責任者であるのかどこのクラスで責任を持つておるかということがはつきりいたしませんので、罰則の適用等につきましても疑義が起りますので、ここに自署をいたしまして、責任をはつきりすることにいたしております。従つて逆に自署する者はこの申告をする場合に、自分の良心と合わないことをいくら上から命ぜられても、それが拒絶できるようなことになつております。
○床次委員 次にお尋ねいたしたいのは、今度の地方税の根本方針におきまして、非課税とせられます客体がある程度まで狭められたような気がするのであります。なお現下の情勢から見まして、相当非課税とした方がいいのではないかという点も考えられるのであります。たとえば農村の問題におきまして協同組合のごとき重要なる問題、都市におきましても協同組合は大きな問題でありますが、これを保護育成する立場から見ますと、これを非課税にする、あるいは非課税にしないでも相当の減税をするということが必要だと思うのでありますが、こういう方面に対するしんしやくが今度の法規におきましては、大分削除せられたのではないかと思うのであります。これに対する御意見を承りたいと思うのであります。 なおこの機会に確かめておきたいと思いますのは、保險組合あるいは健康保險組合等が、組合事業のためにいろいろ施設をしましたものが、はたして今度の地方税、固定資産税、附加価値税の対象になるかならぬかというようなことも、明瞭になつてないのでありまして、明瞭にしていただきたいと思うのであります。あるいは社会教育法によりますもの、具体的に申しますと通信教育のごとき事業が、やはり課税の対象になるかならぬかということが明瞭でないのでありますが、私どもはかかるものは当然従来の公共事業、社会事業並びに附加税になつて、しかるべきものとも思うのであります。さらにこれは個々の税のときにもう少し具体的な例を述べまして、御意見を伺いたいと思うのであります。とりあえず今例示いたしましたものに対して、いかようなる態度をとつておられますか。明らかにしていただきたいと思います。
○荻田政府委員 免税規定は、特に今回少く整理するというようなことはありません。むしろふえている方が多いと思います。第一におつしやいました特別法人でありますが、これは従来も課税しておつたのでありますが、当時はいわゆる利益に対する事業税という考えでありましたので、税率が普通の法人に比べて安かつたのでありますが、今回附加価値に対する加税でありますので、税率を一緒にしたわけであります。 それから国民健康保險組合の固定資産税でありますが、これは一般には免税になつておりません。ただ事業が社会教育法によつて認定を受けたものにつきましては免税になります。
○床次委員 健康保險の施設事業でありますが、附加価値税の方はどうなるでしようか、たとえば病院等を経営しておりまするところのものであります。これは社会事業同様に扱われていいのではないかと思うのであります。
○荻田政府委員 一般に健康保險組合の病院は収入が別にございませんですから附加価値税は課税になりません。
○床次委員 通信教育はいかがですか。
○荻田政府委員 正式の学校教育法に基くものでございましたらかかりません。 〔大泉委員長代理退席、菅家委員長代理滑席〕
○藤田委員 私は主として大臣の提案理由の説明要旨に基きまして、質問してみたいと思うのであります。 まず第一点は大臣の説明要旨の中に税収見込み額が出ております。それによりますと附加価値税は二十五年度四百十九億、平年度は四百四十一億、住民税は二十五年度五百七十五億、平年度四百八十七億、それから固定資産税におきまして二十五年度五百二十億、それから平年度におきまして五百七十八億となつておりますが、ほとんど全部シャウプ勧告の金額と違います。それから第二には平年度と二十五年度を特別に税収見込みに差違をつけられました根拠を、簡単にお願いいたしたいと思います。
○荻田政府委員 大体におきましてシャウプ勧告の線、つまり千九百億の税総額を確保しようというので、課率等の按配をいたしております。従つて個々の税率につきましては必ずしもシャウプ勧告の数字とぴつたり合つておりません。それから二十五年度と二十六年度と違うということでありますが、附加価値税につきましては、これは収入がずりますので、今年度はどうしても平年度一ぱいの税はとれないで、本年度分は少くなつておるのであります。固定資産税につきましても同様でありまして、やはり事務が進行しないと考えております。住民税は多少違いまして、前年の所得税を所得割の課税標準に使いますが、昭和二十五年度の標準になりますのは二十四年の所得でありまして二十六年度の標準は二十五年度の所得であります。ところが二十四年と二十五年では、所得税が相当減税になりますので、かえつて二十五年度の市町村民税の方が収入が減ることに相なるわけであります。
○藤田委員 御存じの通り大臣の趣旨説明にもあります通り、今回の税法は直接税中心になつております。従いまして、この税法は直接大衆に影響するのであります。法三章と申しまして、法律はなるべく簡明率直でなくてはならぬことは常識でございまするが、今回の地方税法は、実に七百三十九という條文を持ちました厖大なものでございます。われわれが読みましても、どうもはつきりわかりません。ましてや一般大衆はとうていこれを咀噛し了解することは、容易にはできないだろうと思います。どうも翻訳法律ではないかという気がするくらい、日本人が読んでは難解であるが、外国人が読んだらわかるのではないかというきらいがございますが、将来條章を整備いたしまして、いま少しく簡單率直に大衆がわかるような税法にかえられる用意がございますかどうか、お伺いしたいと思います。
○本多国務大臣 まことにごもつともなお話であると思うのでございます。條文が特に多くなりましたのは、各税目に共通するものを総則等で定めてしまうのが例でありましたのに、従来と違つて今回は大体税目ごとに罰則徴収手続、申告手続等を羅列いたしましたために、非常に税法の條文が長くなつたわけでございますが、こういうふうに、税目ごとにその徴収手続、罰則等を掲げて行く方が、條文は長くなりますけれども、その税目に関する限り、そこを見ることによつてはつきりするという長所もあろうと考えております。また條文の文章そのものが、やはり司令部等と折衝いたします関係から見ますと、承認を得るためには、向うにも理解してもらい、こちらでも理解し得るものということになる関係で、今後いま少しく簡略な文章で理解の早いものに改める研究を進めることには、まつたく同感でございます。将来のことといたしましては、いま少しく簡略に文章のわかるものに研究を進めてみたいと存じます。
○藤田委員 この税法を実施いたしますと、御存じの通り厖大な徴税要員を必要とすると思いますが、この点につきましては、先般来ほかの委員からも質問が出ておりますが、私は数字に基いて簡單にお伺いしたいと思います。昭和二十三年末の調べによりますと、地方の徴税吏員は、都道府県で二万人、市町村では三万五千、合計しまして五万五千という数字になつておりますが、しかもこれらの徴税吏員は、ほとんどすべて終戰後の採用でございまして、徴税技術がまことに幼稚でございます。この幼稚なる徴税吏員にかかる重要にして、しかも厖大なる新税法を運営する能力があるかどうか、まことに危險でございまして、これは自治庁にお伺いしたいのでありますが、この税法によりまして現在の徴税吏員はどのくらい増員を予定されるか、おそらく町村におきましては、もうすでに多数の町村において職員の月給遅配という状況を生じておりますが、この税法の実施に伴う新規増員に伴う職員費に関しまして、何か自治庁として親心を示される用意がございますかどうか、徴税吏員の増員見込みと、それから増員に伴う財政的な裏づけに関しましてお答え願いたいと思います。
○荻田政府委員 相当税額もふえますし、また税額がたとえ同じにいたしましても、地方団体でみずから制定しなければならない税種になります。また道府県と市町村が別々に賦課から徴税まで行う、こういう建前になつておりますので、相当徴税組織を強化しなければならないのであります。この点につきましてはシャウプ勧告が出まして以来、すでに着々準備を進めておりますので、相当準備は整つておると思います。その徴税費についてでありますが、大体五、六十億のものを増加すると考えております。そのうちどれだけが人件費に充てられるか、従つてどれだけの増員が出るかということでありますが、これはこちらから別に数字的に割当てるというようなことはいたしませんが、われわれの予想といたしましては二、三万人前後、ふやさなければならないだろうと考えております。ただこのうち道府県につきましては、すでに市町村に対しまして相当の徴税の交付金等を出しておりまするので、その交付金を市町村に出さないで、みずから人を雇う、職員をふやすということによりましてまかないがつく。市町村におきましては四百億からの税がふえますので、相当程度の徴税費がこれに伴つてかさんで来る。主として徴税費総額におきましてふえるのは市町村になると思います。
○藤田委員 先日塚田委員の質問に関連いたしまして、私簡單に意見を述べたのでありますが、いま一度本多大臣の御明答をお願いしたいことは、新税法はシャウプ勧告の線に沿つてあくまで立案し、今回国会に出したものであるかどうかということをあらためてお伺いしたいのであります。
○本多国務大臣 その通りであります。
○藤田委員 そうしますと、この税法を勧告し、しかも全面的に取入れたと称せられますシャウプ・イズムというものを解剖してみますと、先般も申し上げました通り戰争中のシャウプ博士の論文で、その論文の名前は「タックス・アヴェイラブル・ツー・アバウト・インフレーション」という名前で書かれておりますが、その中で附加価値税というものを徹底的に解剖いたしております。その結論といたしまして、附加価値税というものは結局よろしくない。悪税であるという結論を出しております。あくまで売上税というもので行けということを申しております。勧告をしたシャウプさん自身が悪税であるという結論を出しておるにもかかわらず、このシャウプさんの学説に相反するような附加価値税をあえて今回計画立案された理由はどこにあるか、少し学問的な点になりますが、私が聞きたいところは、シャウプ博士も附加価値税には賛成しておらぬ。従つて近い将来において必ずこれを修正あるいは改正いたしまして、ほかの税法なり税目を考える御用意がありますかどうか、これは決して理想的な税目ではないというふうに、大臣はお考えになつているかどうかをお開きしたいのであります。
○本多国務大臣 私は勉強が足りないので、そのシャウプ博士の学説というものを詳しく存じておりませんが、シャウプ博士が正式に勧告せられましたその趣旨に沿うて立案されたものであると考えておるのであります。シヤウプ博士も、いろいろ附加価値をとるか売上げを取るかということについて研究されて、そういう議論をされたこともあるものと考えられるのでありますが、日本の地方財政、国の財政等を相当長期間にわたつて研究せられました結果、日本の実情には、この附加価値が最も適切であるという断案を下されたものではないかと考えております。ただいまの段階におきましては、私自身の研究では、従来の売上税に比較して、この附加価値をとらえて課税するということが、まことにいいのではないかと私自身も思つておる次第でございます。
○藤田委員 ただいまの御答弁は、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか、現在の段階におきましては、附加価値税が最もいい税である、しかし将来情勢の変化によつては、考え直さなくてはならぬというふうな御答弁と解釈してよろしゆうございますか。
○本多国務大臣 これは、いかなる法律も永久不変のものではないのでありまして、研究されて、さらに政府において、これがより最善であるという結論に到達いたしました場合には、また変化の起きることはあろうかと存じますけれども、現在のところこれが最善であるというふうに御了承願いたいと思います。
○藤田委員 まことに御明答でございまして、さらにこの問題に関して追究することを控えますが、私はこの附加価値税の先般の提案理由の中に、分配所得の観念からする定義を述べられておりますが、その中でこの附加価値を構成する賃金、地代、利子及び企業利潤の四つの大きな要素のうち、最も問題になりますのは、賃金に対する附加価値の課税だろうと思いますが、この点に関しましては、地方税制のエキスパートでもあり、実際家でもあります木村清司氏等は、賃金の支拂い元である事業と市町村というものが直接しておるから、どうしても附加価値税の中から支拂い給與額を対象とする部分を引離して、事業給與費税というがごとき税を創設しなくちやいかぬ、こうすることによつて、附加価値税の欠陥は相当是正できるということを言つておられますが、この木村さんの御意見に対しまして、三大臣はどういうふうな御感想でありますか、お聞きしたいと思います。
○本多国務大臣 それは勤労者の居住する地方団体で、勤労所得税のような取り方をした方が適当であるという御意見ですか。
○藤田委員 そうです。
○本多国務大臣 勤労者の所得に対しましては、勤労所得税がありまするし、これは事業に課する税でありまして、その事業主は附加価値を増加せんがために、勤労者を使用して行くのであります。やはり附加価値に対する担税力、それはその事業者に課するということが、担税力の点からいつても適当である。またただいまお話の給與の面は、これは附加価値の分配の面からの見方にすぎないのでございまして、どこまでも附加価値を生じた事業主体を対象として取る、ただいままでの事業税に見合うものであるという考えが適当であろうと考えております。
○藤田委員 生産物とか、製造による附加価値の中に、銀行業、保險業、運輸業などによる附加価値を含めるということは、適当でないというふうに考えておりますが、これが附加価値税の中に入つておりますその根拠をお聞きしたいと思います。そのほかに、同じ原始産業でありながら、水産業、山林業を区別されておりますが、その理由はどこにあるか。それから第三種事業であります医業とか弁護士業、周旋業のごときものに対する附加価値との関連は、どういうふうに解釈されておりますか。簡單にお開きしたいと思います。
○荻田政府委員 附加価値の性格でありますが、これは一切の国民所得に対して附加されたものでありまして、單に物ができたというだけではなく、一つのサービスがあつたということによつて、やはり価値が附加されたという考えがございますので、お尋ねになりました第一点の、たとえば運送業等についても、附加価値があるわけでございます。それから医業とかその他の職業、第三種の事業に対しましても、附加価値はあるわけでございまして、そこに附加価値税を課する根拠があるわけであります。その場合第一の点でお述べになつた金融業につきましては、これは少し趣が異なりまして、あるいは金融業については附加価値が全然ない、単なる通り抜け機関であるという考えも出るのでありますが、この場合はやはり事業自体に対する課税という面も考慮いたしまして、金融業が附加価値税の対象になつているわけでありまして、性格的には多少問題だと思います。 それから第二点の水産業あるいは牧畜業、これに対して課税し、それから農業及び林業を除外した違い、こういう御質問だつたと思いますが、いずれも原始産業でも附加価値はあるわけでございますが、特に農業と林業等を除外いたしましたのは、やはりこういう事業は土地から生れる生産物である、つまり土地から生ずるところの附加価値というのが、非常に大きな割合を占めております。しかもそれに対しましては、別に固定資産税があるというようなことからいたしまして、この際特に固定資産税も上げたので、農業、林産業の方の附加価値税を免除することにしたのであります。理論的には、おそらく農業等に対しましても附加価値は、やはり取るべきであろうと考えております。
○藤田委員 医者や弁護士の問題が抜けておりましたが、これは後日に讓るとしまして、固定資産税に関して簡単にお伺いしたいと思いますが、第一の点は、従来地租、家屋税におきましては、賃貸価格主義を採用しておつたことは、御存じの通りでございますが、今回は資本価格、つまり時価主義によつておりますが、この根拠が、どうも大臣の御説明その他でもはつきりいたしませんが、簡單にお伺いしたいと思います。
○荻田政府委員 御承知のように、従来の土地あるいは家屋に対しまする税は、いわゆる土地、家屋の収益、しかもその場合に、大体賃貸というようなことが相当あつたわけであります。土地にいたしましても、農地のごとき相当小作地が多かつた。従いましてこれに対する課税は、むしろそれを受取つた、つまり地代、家賃を受取つた人に対する負担という面が多かつたのでありますが、現在の土地、家屋に対する課税は、もうすでに名前は地租、家屋税で、収益税でありますが、大体この賃貸というような事実が非常に少くなつている。またあるにいたしましても、むしろ所有者の方が権限は弱くなりまして、借りた方の人が強くなつている、使用者に対する課税というようなかつこうになつております。従いまして、この賃貸価格というものを課税標準にいたしますことは、大体その賃貸価格というものがない方が、土地などはことに多くなつております。大部分の土地のうち、賃貸という事実がないのにかかわらず、その賃貸を標準にして課税することは適当でないというようなことから、今回これを時価に改めて、しかも毎年これをかえて行く。従来のようにすえ置きをしておいて、経済情勢の変化に応ぜられないというようなことでなく、毎年これをかえて行くという方針にかわつたのであります。
○藤田委員 固定資産税が非常に高過ぎるということは今や輿論化しつつあります。たとえば海運業におきましては二十六倍、ガス業におきましては十六倍半、私鉄関係は十二倍半、その他数倍という状況でございます。この税法をそのまま実施すれば、せつかく復興途上にある日本産業は壊滅いたします。そのひどい例を申してみますと、八幡市におきましては、従来わずか数千万円の地租、家屋税を拂つておりましたのが、今回の税法によりますと、実に四億七千万円という固定資産税がかかつて参ります。また富山県の東山見村という一寒村におきましては、人口わずか三千四百名でございまして、年間の村の総予算がわずか三、四百万ですが、日発がここに施設を持つておりまして、従来八十五万円の納税をいたしておりましたのが、一挙に五千万円を納めることになります。かかる矛盾した税法をそのまま実施することになりますと、日本の産業界にゆゆしい事態の発生が予想されるのであります。かかる偏頗な、偏在せる税源は、新しい法律によつて隣接市町村に町配分するという規定がございます。これはだれが考えましてもまことに姑息な規定でございます。たとえば昨年川崎の競輪におきまして、川崎市は数億のもうけをあげておると称され、小田原市その他の都市からこの配分を求めたのでありますが、一万円の金も出さぬというこの市町村のセクショナリズムから考えまして、こういう姑息な規定は、実際には活用できぬというのが実情ではないかと思います。かかる矛盾した事態につきましては、何か税法の運営におきまして妙手はないものかどうか。表現がまずいのでありますが、言葉をかえていえば、抜け道はないかどうかということをお聞きしたいのであります。
○荻田政府委員 固定資産に対しまして、地方団体が税金を課することは道義的には正しいと思います。しかし今まで非常に低かつた、ことに固定資産のうちの償却資産が課税対象から抜けておつたというような実情がありますので、これが一躍数倍あるいは十何倍になるということは、企業にとりましては非常に負担が重加して、企業の存立自体を脅かすというようなこともあるのでございます。しかしこの税全体を考えますとき、一方固定資産税の課税標準になります固定資産が非常に高くなりますことは、所得税、法人税におきまする減価償却が多くなることでありまして、この面からはかえつて企業の健全化をはかることになるのであります。そういうことを総合して考えていただきますれば、この税制をもちまして、将来におきましては必ずよい結果が出て来るものだと考えております。
○藤田委員 ただいま次長の御答弁の、将来のいい結果はもちろんわれわれは期待いたしております。ところが実に、この金詰り時代におきまして、厖大なる定窟資産を持つておる事業会社等におきまして、一村に五千万円の固定資産税を納めるということは全国的にはざらにあるのであります。至るところにかかる矛盾した憂慮すべき事態が生ずることは、もう必然でございます。この点に関しまして、今後の現実の行政面におきまして、何か機動的な措置を考えられないと、相当大きな問題化することは必至でございます。十分御検討をお願いしまして、善処していただきたいと思います。 次に、ことしの一月一日、大蔵省の主税局が調査いたしたところによりますと、全国の土地賃貸価格は十五億三百万円、家屋賃貸価格は十五億八百万円、あわせまして約三十一億でございます。この賃貸価格に、この税法の九百倍をかけ、それに税率の一・七五をかけますと、土地、家屋による固定資産税だけでも実に四百九十億という厖大な数字になります。それから大蔵省等で最も低目に見ました土地、家屋以外の、いわゆる償却し得べき有形固定資産からとれる固定資産税が、最小限百七十億ございます。そうしますると、家屋、土地で四百九十億、そのほかの固定資産税として百七十億という計算は、学理的にも大蔵省その他の事業当局で確認されておりますが、大臣の趣旨説明によりますと、税額見込みが非常に少くなつております。これはどういう理由でございましようか、簡單に御答弁願います。
○本多国務大臣 収入見積りの詳細については、政府委員からお答えいたしたいと存じますが、この見積りを決定いたしますにつきましては、大蔵省の事務当局も研究に参加してもらいまして、愼重に調査した結果でございます。そういうわけで大蔵省においても、個々の調査にはいろいろ意見が出たのでございますけれども、これは決して自治庁だけで單独にきめた見積りではないのでありまして、大蔵省と協議いたしまして、その研究を持ち寄つて立てた見積りでございます。その内容については、次長から御説明いたします。
○荻田政府委員 土地、家屋につきましては、おつしやいましたように賃貸価格がはつきりしておりますので、これの九百倍を時価と見る以上は、ほとんど漏れはないのであります。それに対しまして税率をかければ、お説のような数字が出るのでありますが、ただそれが調定できても全額徴收できるかどうかという問題がございますので、一割程度のものは徴收漏れになるという数字でございます。償却資産につきましても、これがどれだけあるかということは、今なかなか断定できないのでありますが、先般来お話しておりますように、一応の基礎数字になるものが一兆三千億円。これをどう見るかという問題でございますが、初年度でもありますので、これの大体半分程度が対象になる。半分と申しますのは、半額にするとか何とかにいうことではなくて、一兆三千億という数字自体に疑問がありますから、一応この数字の半額程度を基礎にして使つているのであります。従いまして、先ほどおつしやいましたように、来年度の收入は相当これからふえることになつております。
○藤田委員 ただいま次長の御答弁でありました通り、徴税不能の事態も想像されまして、多少低目に見ておられるようでございます。それほど本税はいろいろ重大な問題を含んでおりますので、この点に関しましては、後刻委員長とも相談しまして、大幅の修正をしていただきたいというふうに考えております。 次にお伺いしたいことは、先ほど八幡市の例を申し上げましたが、八幡市の昭和二十四年度におきます予算は七億二千万円でございます。今回固定資産税を課しますると、八幡製鉄所の四億七千万を初め、約八億ございます。従いまして固定資産税だけで八千万の余剰歳入があるという状況でございます。そのほかの税源を加えますと、八幡市はまさに厖大な黒字財政になるわけでございますが、かかるへんぱな財源によつてわれわれの最も恐れることは、地方財政、特に地方の歳出がルーズになる、財政の厖大を来すという危險があるのじやないかと思いますが、これを想定いたしました規定が全然見当らぬように思つております。何かこれに関しまして平衡交付金法との関連において、特別に配慮されるかどうか、お伺いしたいと思います。
○荻田政府委員 この八幡市のごとき土地におきまして、固定資産税が非常に多額に入るということは、はつきりした数字を今持ち合わせませんが、傾向としては考えられるのであります。ただこういうところにおきましては、現在あまりに入る税が少い。つまり大きな日鉄というようなものがあるにかかわらず、その会社が全然税を負担していない。全然と言つていいくらい税を負担していない。そういう趣旨からいたしまして、法定外の特別税を相当取つておるのであります。そういうことが固定資産税が入れば今後なくなります。そのかわり財源になつておるわけでございます。しかしそれにしてもなお余りかあるのじやないかという問題でございますが、これは今お述べになりました八億という数字がどういう評価によつておるかという問題がございます。非常に固定資産として大きなものでありましようが、おそらく未稼動の部分なども相当あろうかと思いますが、はたして幾らに評価できるかという問題であります。それからかりにその市の標準行政費を上まわるような收入がある場合には、これは今回提案しております地方税法の規定によりまして、附近の市町村に課税標準を分割するということができますので、しかもそれには地方財政委員会が中央におきまして——地元との話合いというようなことでなくして、この点は多少地方の意思を認めないことになりますけれども、やむを得ず中央でこの分割をいたしますので、これがあるために非常にルーズな財政が八幡において行われるということはないようにいたしたいと思います。
○藤田委員 固定資産税で最も重大な点は、資産の評価員の選定であろうと思います。山の中の一小村に至るまで評価員を置くということになりますと、たとえば発送電施設、あるいは鉄道の施設等の評価をするような專門的な技術を持つた評価員の選定ということは絶望であろうと思います。これは財政的に考えましても、人選をする方から見ましても、不可能であることはこれもはつきりいたしておりますが、こういうところにおきましては、評価員の選定にどういう方法を取られるか。お答え願いたいと思います。
○荻田政府委員 かような大きな施設で、ことに一町村の利害だけに関しません発電施設、鉄道施設、これにつきましては、すべてこの地方財政委員会が中央におきまして決定評価いたしまして、それを市町村に配分することになりますから、御心配のようなことは起らないと考えております。
○藤田委員 われわれ農村関係者として最も重大な、全国農民の悲痛な希望だろうと思いますが、農地に関しまして、御存じの通り田畑は公定価格かける二二・五かける一・七五という課税になりますと、たとえばわれわれの郷里のごとき阿蘇の寒冷地帶あるいは東北地方等におきましては、單作地帶でございます。二毛作地帶も単作地帶も同じ程度でかけられて参りますと、これはもう寒冷地帶あるいは雨の多い地帶の農民等は、自滅のほかないのでありますが、この点に関しましても、非常に大大な問題でありますが、規定が拔けております。どういう方法を取られまして、この二毛作地帶と單作地帶の一律課税の矛盾を是正されるか。この点は非常に重大でありますので、後日詳細なまた御質問もしたいと思いますが、何か單作地帶、二毛作地帶の評価差に一定の基準あるいは内規でも置かれるつもりがあるかどうかということをお尋ねしたいと思います。
○荻田政府委員 お話のようなことは案はあるわけであります。しかしその基礎になりまする賃貸価格は、すでによい土地、悪い土地、一毛作地帶、三作毛地帶では相当開きがあると思うのであります。従いましてそれに九百倍かけましても時価に相当開きが出て来ると思います。しかしながら現在きまつております賃貸価格が必ずしもそのように地方の差のあるということに比例しておりませんことは認められるところであります。この点は後にこのような九百倍という便法をやめまして、本格的に一筆々々時価をきめます場合に十分考慮したいと思います。 これは余談でありますが、先ほどおつしやいました賃貸価格を価格にいたしましたのは、賃貸価格にいたしておきますと、結局地代というようなものが標準になります。地代は必ずしもその土地の收益が地方だけに応じないで、その辺で土地の需要が多いか少いかというようなことも影響して来るのでありますが、今度時価にいたしますれば、そのような点は防げて、むしろ改善になつて行くだろうと思います。
○藤田委員 大臣におかれましてもぜひこの点は單に時価の決定のときに考慮するだけでなくして、平衡交付金の配分にあたりましても、特に農村地帶、なかんずく東北あるいは九州等におきましても、寒冷地帶等に関しましては、特別の御配慮をお願いしたい。全国的な大きな問題だろうと思いますので、要望として申し上げておきます。 時間が参りましたので、最後に一言お聞きしたいのでありますが、住民税でございます。御存じの通り住民税は従来の所得割、均等割、資産割の三條件を削りまして、見立て割たる資産割はなくなります。そのかわりに所得割というものが非常に強化されまして、税額もものすごく厖大になつておりますが、この内容を検討しますと、住民税ではない。もうこれは地方の所得税である。なるべく税の名前はその本質を現わすような名前をとつていただきたい。そうすると一般大衆の納税意欲を非常に強くするということは常識でございますが、でき得れば住民税を地方所得税というような名前で單刀直入にずばりと実態を表現されたがよかつたと思いますが、今回依然として住民税になつております。これは過去の前例をそのまま踏襲されたのか、あるいは実態そのままの名前を表現されようという考慮をされたのか。立法の楽屋裏になりますが、簡單にお答え願いたいと思います。
○荻田政府委員 新しい市町村民税は、おつしやいましたように單なる均等割的な住民税でなくて、地方の所得税という性格があるのでございますが、しかしやはり均等割もついておりますので、完全な所得税とも言えないわけであります。そこでこの名前をどうつけるかということを立法当時考えたのでありますが、両説あつたのであります。実はこの徴税方法とも関連いたしまして、やはり所得税と同じように源泉徴収というようなことが行われますれば、これは地方所得税というような名前にした方がよいと考えたのでありますが、このような徴収方法はむしろ適当でないという結論を得ましたので、そうなつて来ますと、従来の市町村民税とあまりかわりがないということも考えられますので、名前も依然としてもとのままを使うことにいたした次第でございます。
○藤田委員 この住民税の納税義務者でございますが、御存じの通り法人は均等割だけになつております。ところが法人というものは、御存じの通り擬制人でありまして一個の人格を持つております。その法人の中でも特に市町村内に土地、建物あるいは設備を持つておりまして、特別な相互関係にあるような法人、または所得が社内に留保されまして、容易に個人所有化しないような法人につきましては、所得割をとつていいのじやないかというふうに考えますが、この点に関してはどういうふうにお考えになつておりますか。
○荻田政府委員 今お述べになりました点、まことにごもつともでございます。そのおつしやいましたこと全部はカバーできないかもしれませんが、それに対する用意はしておるのでありまして、同族会社等で利益を配分せずに社内留保したものにつきましては、その留保した利益をその社員の所得と見まして、それに対して市町村民税を課税するという條文を入れてございます。
○門司委員 簡單に要点だけをきようはお聞きして、また次の機会にお尋ねしたいと思いますが、この資料の中の国民負担比較表中に、強制寄付として四百億が見込んであるが、そのうちの三百億が大体今度の税の中に吸収されておるというような意味で書かれておると思うのでありますが、政府はこの点について従来の寄付金の四分の一しかとらないという確信がおありになるかどうかということであります。もしこの確信がなかつたとすれば、この国民負担の比較表というものは全然役に立たないことになつて、国民の負担はそれだけふえるということでありますが、この点はどういうお見込みであるのか、またどういう処置をされるおつもりであるか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
○本多国務大臣 寄付は法律上禁ずる趣旨でございませんので、これはどの程度の寄付が減少し、残るかということについての一応の見込みでございます。シャウプ博士も寄付を四百億くらいと推定し、この財源の拡張によつて強制的なもの三百億くらいは減少し、百億ぐらいのほんとうの自由な寄付が残るのではなかろうかということで見込みを立てておられるのでございますが、そうした見方は大体において政府も当つておると考えます。しかし性質が法律上の拘束力のないものでございますから、財政計画からはこれは全然別にいたしております。
○門司委員 今の大臣の答弁は、私ははなはだ奇怪に考えるのです。そうするとこの国民負担の比較表の中に、強制寄付というものをはつきり四百億と書いてある。ほかの税対象の欄と同一の欄に書いてある。そうすると今まで幾ら強制寄付があつたかというと、従来日本においては認めなかつたので、努めて強制書付は避けるようにという指示もし、取締りという点についても十分留意しておるはずだと思う。それで現行の寄付というのは、一面強制寄付のような形を示しておりますが実際の問題といたしましては、ほんとうに地方住民の切なる要望のために、地方自治体に協力しようという建前が多かつたと思う。それではこの四百億のうちから三百億の強制寄付を差引くと、実際地方の財政は百億くらいしかふえないということになつて参ります。現在よりわずかに百億くらいふえることによつて、地方の寄付がなくなるかなくならぬかということは私は疑問である。この点は明確にしておいてもらいたい。もし政府が資料を出すならば、こういうことが資料の中に現われておることは非常に不審でありますので、今の大臣のお言葉だけでなく、一体これについてはつきりした処置をおとりになるかどうか。具体的に申しますと、寄付は全然とらないのだ、とつてはいけないのだ。税金でこれだけ見込んでおるからとつてはいけないということを、具体的にお示しになる御意思があるかどうか。
○本多国務大臣 強制寄付というのは、これは形容詞でありまして、強制的に寄付をとられたということをよく言うのでありますが、強制する寄付というのはあり得ないのでありまして、それはほとんど小学校等の費用のために全戸に割り当てて寄付という名目で出せと言われた場合に、徳義上拒むことができないというようなことから、強制寄付ということが言われたと思うのですが、そうした意味の寄付は税としてとる方法がない。さらにまた財政全体として考えてみましても、その程度のところまでわくが広がらなければ、そうしたことをやらざるを得なかつたという事情等も考えられますので、この財源が拡張いたしましたことによつて、そうしたものは減るであろうと思うのでございます。その程度が三百億くらいが当つておるところであると考えておる次第でございます。しからばこの見込み通りに寄付を減少させるために、何らかの法律的な措置をとる考えはないかというお話でございますが、大体今度の財源の拡張によつて寄付がそこまで減るだろうという見通しでございまして、強制的に寄付を幾らでなければならぬということは、またその寄付の中にはいい意味の、むしろ奨励すべきような美挙的な寄付もあることと存じますので、これを法律をもつて制限し、あるいは禁止するというようなことまでやることは、行き過ぎではないかと考えておる次第でございます。
○門司委員 私は寄付金の問題については、これ以上議論をしてもむだだと思いますが、こういう資料の中にそうした漠然とした、全然税として対象にならないもの、それからさらにこれは国の施策に非常に大きな影響を持つておりますので、国の施策によつて寄付金を徴収するかしないかということは、大体私はきまつて来ると思う。たとえば学校の問題であるとか、あるいは災害の問題であるとかいうようなものにつきましても、やむを得ざる一つの処置として出て来るのでありまして、その責任は国の施策に置かれておる。地方公共団体の責任の上にこういうものはないはずである。国が十分の施策を講じて、災害に対しましても、早急に地方住民の要望するだけの費用を出すことができるし、また当時やかましく言われております六・三制の問題等にいたしましても、国の施策がよろしきを得ますならば、私はこういう強制的な寄付というものは自然になくなると思う。これは国の施策とにらみ合わせなければ、單に地方税だけの問題とにらみ合わせて、われわれはただちにそれだけ減額ができるものだという解釈には、ちよつと納得が行きかねるのであります。 その次にお伺いしておきたいと思いますことは、この法律案の内容を見ますと、固定資産税にいたしましても、附加価値税にいたしましても、税率が本年度に限るという文字が使つてあるのであります。一体本年度に限るということになつて参りますと、本年度の地方財政というものは見本的にやるのかどうかということであります。私は少くとも税金を取立てる以上は、その税金が多いか少いかわからぬが、今年一応これだけかけてみて、足らなかつたら来年はこれだけかけてやろう、余つたら減らしてやろうというような不見識はことはどうかと考えるのでありますが、この点に対するお考えをもう少し詳しく御説明を願いたいと思います。
○本多国務大臣 これは確かにお話の通り大事をとつたという点もあるのでございます。根本的な税制改正でありますために、ことに市町村の根幹をなします固定資産税等におきまして、この税率を固定さして、本年度相当変化のあるときに、収入を確保しようというねらいもあるわけであります。またいま一つは、固定資産につきましてさいぜんより話の出ておりました戰前の賃貸価格等には、相当の不均衡も考えられるのでありまして、それらを固定税率で徴収するというようなことによつて、課税標準が拡大されることになりますので、そうしたことによつて徴税も促進されるであろう、その収入額についても、さらに課税標準の均衡化についても、それを促進する意味が含まれているものと考えております。
○門司委員 平衡交付金と本年度の予算面の関連でありますが、この税率がすこぶる見本的なものである、不見識にいたしましても何にいたしましても、一応政府は一探り入れてみて、足りるのか足りないのかということをためしてみるというお考えでありますとすると、本年度の平衡交付金というものが見積られておる額がはたして正しいのかどうか、あれでまかない得るのかどうかということも、一応疑問が出て参るのでございます。そこで問題になつて来ますのは、年度の半ばに近いといいますか、当初見込んだ政府の予定よりも、はるかに遅れてこの税制が実施されなければならないような状態に立ち至つておりまする現実の問題に即応いたしまして、本年度は政府の見込んでおるだけの徴税というものが完全に行い得ないと、われわれは考えておるのであります。おそらく地方の自治体におきましても、この法律で定められただけのものが、本年度において徴収できるとは考えられないと思います。そういたしますと、さらに明年度もこれと同じような形のものを、一応かけてみるということがまた出て来るのではないか。またそれと同時に、もしそうなつた場合に政府は一体何によつて、これを調整されるお考えをお持ちになつておるかということをお伺いします。
○本多国務大臣 固定資産税の倍率、税率等につきまして、二十五年度限りということを法律で決定し、また二十六年度からは別に標準税率が定められているわけでありますから、特に国会において二十五年度の実績によりまして法律か変更されない限りは、二十六年度以後はその恒久的な税率に復帰するわけでございます。
○門司委員 私が今お聞きいたしましたのは、そういうことも必ずあると思いますが、その場合にもまた私どもから見ますると、もし実際の問題として、二十五年度にかけられた税率で、地方の財政がやつて行けるとすれば、一体何を好んで二十六年度以後これ以上の税率をあげなければならないかという議論が出て参ります。これは出るにいたしましても、中に食い込むにいたしましても、いずれにしても何らかの処置はおとりにならなければならないはずだと考えておりますので、大臣の御答弁のように、二十六年度については法律的な処置を考えないでもいいということについては、私は必ずしも当らないと考えておるのであります。その次には、さつき申し上げましたことがおわかりにくかつたと思いますが、非常に遅れておりますることと、新しい角度でありますることのために、先日の委員会で申し上げましたように、徴税の機構なり徴税の技術、さらに納めまする方の理解も納得も行つておらない。従つて納税者の協力ということも、私どもとしてはあまり考えられない。税率にしてもそういう不安定のうちで、一応かけてみるというような不見識なものが、重り合つて参りまするならば、おそらく見込み額の徴税というものは困難ではないか、その困難になつて参りまする場合に、現在政府が考えておいでになりまするような平衡交付金の額で、一体これをまかない得るかどうか、もしまかない得なかつたといたしまするならば、その処置はどういうふうにおとりになるかということでございます。
○本多国務大臣 ただいままでのところ、この提出いたしておる税法で、徴収見込み額は徴収し得るという信念に立つておるわけでございますが、もしそこに達しなかつた場合、平衡交付金を増額しなければ需要費と収入額との差額を補填することかできないことになりはしないか、この場合政府はどうするかという御質問と思います。政府は大体において補填し得るという見込みをもつて、千五十億というものを予定しておるのでございますが、本年度それが完全に補填できるかいなかということについては、これはやはり完全にというわけには行かないだろうと思います。しかし少しの違いでありました場合には、やむを得ないこととして、地方自治団体で運営してもらうほかはないと考えております。平衡交付金の配分方法は、需要額と収入額との差額に正比例をいたしまして、交付する方法によりたいと思います。
○門司委員 最後に伺つておきたいと思いますことは、先ほどから各委員の御質問の要旨の中にも、しばしば出て来ることでありますが、この予算を見積られたときの統計の資料についてのいろいろな当局の見方と、委員諸君の見方との間に、相当大きな数字的な開きがあるということについてであります。これの原因は、この法案が今まで長い間かかつてできていて、十五次とか十六次とかいうように長い間折衝されました税率の問題が、ここにからんでおると思います。仄聞いたしますと政府は、この税率よりはるかに低い税率で、関係方面に御交渉になつておつたと、われわれは聞いておるのであります。もしそうだといたしますと、この税率の問題は、高い税率が見込まれておりますので、勢い出されました参考書の収入見積額というものを減さなければ数字上のつじつまが合わない。そこで先ほどから、委員諸君が問題にされておりますこの現われて参りました参考書の数字というものは、当局は不当に過少に見積つて出さなければ、つじつまが合わなかつたということに解釈することが、正しいのではないかと考えておりますが、当局の見解は一体どうですか。
○本多国務大臣 収入額を見積るにつきましては、それぞれ根拠のある数字をあげて計算をいたしておるのでございまして、政府といたしましては、この税率で見積るということは、それが政府の最後的決定でありまして、そこに到達いたします前におきましては、御承知の通り関係方面にも附加価値税の税率等について、一種、二種、三種、一%ずつ引下げても、予定収入が得られるのではないかという一応の計算に基いて、大蔵省、自治庁、司令部方面の專門的な立場で、三者集まつて突き合せ折衝をいたしました結果、確保するためには、ただいま提案しておりまする税率でなければならぬという結論に到達いたした次第でございます。また住民税の所得割の税率についても、その通りでありまするし、固定資産税の土地、家屋の倍率についても、やはり同じように、もう少しく低くしても予定収入が得られるのではないかという考え方をもつて、研究はいたしたのでございますけれども、結局予定収入を確保するためには、提案通りということに最後的に決定いたした次第であります。
○門司委員 詳細にこの問題について深く追究しようとは考えておりませんが、結論といたしましては、当局の意見は、税率は下げ得る見込みがあつたということは、私は確かだと解釈してもさしつかえないと考えております。もし当局がそういうふうにお考えになつておつて、先ほどから申し上げておりますように、つじつまを合せることのために、先ほど藤田君のお述べになりましたように、固定資産に対しまする資産額というものを半分くらいに見積つておる、あるいは土地、家屋に対する問題を一割くらい差引いておるというようなことと、課税対象に対するそういう手加減がしてあつたことが事実だといたしますると、この課税標準で課税をした場合には、見込み額よりはるかに多い徴税ができたということになつて参りますと、これはきわめて国民に対しては罪悪だと考えておる。必要な政府の予定額以上の税金を、この苦しい中に、国民からとる必要は毛頭ないのでありまして、当然納税すべき義務のある者を義務づけるための法律が、そういうあいまいな数字であつたり、あるいは苛酷であつたりするその結果、税金がよけいに集まり過ぎることに相なつて参りますると、これは国民に対して大きな罪悪だと考えておる。この点は私はもう少し数学的に明確にしたいのでありますが、本日は時間もありませんし、同僚にも非常に御迷惑だと存じますので、この程度で打切りたいと存じます。その点ひとつ当局はどう考えておられるか、ごく簡單にお聞きしたいと思います。
○本多国務大臣 政府といたしましては、予定収入を確保するためには、ただいま提案しておりまする税率によらなければならぬという、研究の結果の結論を持つて提案いたしておるのでございます。この税率を引下げた場合、予定収入は得られないという見込みでございます。
○門司委員 これで終りますが、なお意見として申し上げておきたいと思いますことは、七日の日はぜひ大蔵当局は大臣以下出ていただきますようにお願いいたします。
○菅家委員長代理 なおこの際お諮りいたしますが、本法案について通商産業委員会より本委員会との連合審査会を開きたい旨の申入れがありましたが、通商産業委員会と連合審査会を開くことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長代理 御異議なしと認めまして、さよう決します。なおその時日につきましては明六日午前十時より運輸委員会をも加えて、連合審査会を開きたいと思います。 なお各委員諸君より御要求がありました大蔵当局、大蔵大臣主税局長等は今日支障がありますので、この七日の午前か午後に本委員会に出席を要求いたしておきましたので、各委員諸君には大蔵関係の質問は、当日お願いしたいと思います。 それでは午前中の議事はこの程度にして、午後一時三十分より再開いたします。それまで休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ————◇————— 午後二時二十一分開議
○菅家委員長代理 再開いたします。 休憩前に引続き、地方税法案を議題として質疑を続行いたします。塚田十一郎君。
○塚田委員 今度の税制改革は、国税も地方税も全体として見ると、非情に私ども合理化されたように感ずる部分がたくさんあるのでありますが、どうも非常に合理化された中に、ところどころ非常に筋の通らないところがあるように思うのです。もちろん何か別種の考慮からされているのであろうと思うのでありますけれども、その考慮がどうも当つておらない。そういうように考えられる場所も幾つかあるわけです。その中で一番著しいのは、附加価値税の中で減価償却を附加価値にしないでおいて、そうして固定設備をすると、それをそこの段階で控除してやるという考え方が筋が通らないと思う。附加価値という概念からすれば、当然減価償却はコストに入れて、そこのところへ附加価値が出て来るというのが、普通の考え方のはずなんですが、その点はどうして政府はこういう考え方を御採用になつたのか、その点を最初にお聞きいたします。
○荻田政府委員 これはおつしやいます通り、附加価値の理論から申しますならば、やはり毎年度減価償却だけを控除して行くというのが大勢だろうと思います。しかし特にそういうことをいたしませんで、この固定資産を取得いたしましたときに、全額を附加価値から差引くという方法をとりましたゆえんのものは、第一に計算を簡單にする、これにつきましても疑問があるところでございまするが、いわゆる国税の所得税、法人税で計算いたしまする利益というものを、そのまま用いるならばよろしいのでございますが、この前にお話いたしましたように、別の計算をいたします以上、比較的徴税機構を整備していない県において、簡單な方法をとらなければならない。それにはむしろ外部に支拂つた物品の購入代金は、原材料でありましても、あるいは固定資産でありましても、全部そのときに差引くという方が簡單であるというのが一つ。 第二に政策的に考えておるのでありますが、日本においては新しい固定資産の取得を奨励すべきときであるから、その奨励したものはそれだけ税金が安くなるようにするために、これを取得したときに全額差引く。 第三に、これと関連するのでありますが、今日の金繰りのことを考えましても、やはり固定資産を取得するということで現金の出たときは、税金を安くして納税がしやすいようにする。このような理由によりまして、同穴資産の取得は、取得しましたときにその全額を差引くということにいたしておる次第でございます。
○塚田委員 お話を伺つていると非常に筋が通つているようでいて、ちつとも筋が通つていないのです。簡單に計算をさしていただけるということであれば、非常に私どもも賛成だし、そうでなくてさえ今問題になつている脆弱な税務機構でありますから、できるだけこれは簡單にしてやるべきだし、また税務機構の方だけでなしに、納税者の側でももうあつちの方からこつちの方からいろいろな資料をとられてたまらないという気持は、特に今度の税制改革等においてはあるのです。ですからそういうふうに簡單にしてやつていただけるというならば、それはむしろ附加価値税の納税方法も間接法なんかによらずに、あつさりした直接法によつて労賃、地代、家賃というようにしていただければ非常に簡單になる。それから固定設備を入れるときに金がいるからというのですけれども、これは固定設備をする場合に、もしも所得から利益をあげて、その中から新設をして行くのであるならば、それは一応その控除もあると思うのですけれども、固定設備をするときには、増資をするか、借入れをするか、どつちかしなければならぬ。増資をしたにしても借入れをしたにしても、とにかく固定設備をする資金というものは、そういう面から出て来るのでありますから、これはそういう特別の控除というものはむだなものだ、そんなに御心配していただかなくても、固定設備をするくらいの資金が集まるらいの人は、そんなに問題にはならぬのであつて、むしろそのあとのほんとうにそれがコストになつて出て来るときに考慮していただく方が一層よい、ことにこの政府の案で行きますと、これから新しくする設備はそれは入れるときに一度控除してもらうからよいのでありますが、今までにあるものはそれが減価償却になつて出て来ても、控除してもらえないという、非常な大きな過去の設備されたものと、これからの設備の扱いが矛盾が出て来る。この点は私はこの法案の致命的な欠陥だと思うのですが、その点についてはどういうふうなお考えでいられるのか。
○荻田政府委員 本法施行前に取得した設備の問題だと思いまするが、これにつきましてはおつしやいました通りのことが考えられるのでありまして、むしろ本法施行前に取得した固定設備を売却いたしました際は、それが附加価価に計算に入れないのみか、あるいはさらに進んで従前のものについてだけでも、減価償却を認めたらどうだ、こういう意見もあつたのでございまするが、いろいろ考えまして、結局そういうものは一切考慮しない、一切減価償却を認めぬ。また本法施行前に取得した設備を、後になりまして売却いたしました場合には、その売却代金はすべて附加価値の中に入れるということになつたのであります。この点ある程度矛盾があると思いますが、一つには税の最後のことを考えてみますると、そのときは固定資産がそのまま残つて行くというかつこうになりますし、そういうことがあるかないか、それから実際の問題につきましては、結局そういうのを認めますと、脱税が起る。つまり固定資産を自分の持つている資産は売つておいて、それから新しく同じものを買うというようなことがあり得るだろうというようなことも予想いたしまして、そういう規定を途中では考えておつたのでありますが、はずしたような次第でございます。
○塚田委員 どうも理論としては納得できないのでありますが、それだけにしまして、次に同じような問題がやはり棚おろし施設についてもある。これはおそらく考え方は計算を簡單にしてやろうというだけのことだろうと思うのですが、これなんかどうしてほんとうの経理学の原則のように、純粋にたなおろししたものでもつてその年の価格を考える方法にされなかつたか、私は固定資産の場合には、もう少し問題は簡單だろうと思います。これはどういうのですか。
○荻田政府委員 これもやはり計算を簡單にするという考えでございます。実際問題としてこれの方が簡單になるか簡單にならないか、——むしろ事業者側からの御意見では、かえつて複雑になるという御意見もあるのでございますが、先ほど申しましたように、国で使つたものと同じものを使わない、地方団体独自で計算する、こういたしますとやはり簡單にしておいた方が、国税の例を見ましても、最も問題になるのはたなおろし計算がめんどうで、一番問題になります。その一番めんどうになるのは徴税力の比較的弱い地方団体では、それを避けた方がよいというような意味で、もつぱら大幅帳式に、取得したときに全額を差引く、こういうやり方をしたのであります。
○塚田委員 これらの点については、おそらく他の委員諸君のお考えも同一だと思うのでありますが、これは日本租税研究協会でいろいろ意見をまとめましたのでも同じような結果か出ているので、これは圧倒的に政府の案のようでない方がいいということになつておるのであります。非常にこういう点むりをしたお考えになつておるということを強く痛感されるのでありますが、これはあとは意見になるばかりでありますから、これくらいにいたします。 次に附加価値を構成するものの中で、たとえば労賃の部分、その他の部分というものを、附加価価を起す原因によつて、少し税率をかえてみるという考え方があり得るのではないか、こういうように私思うのです。たとえば労賃で構成される附加価値の部分は、むしろ業態別によらずに率を低くする、こういうようにすることが先般来から盛んに立花委員からも御質問があつて、御不満であつたようですが、そういう面を何か考慮をされる意思はないか、その点をお答え願いたいと思います。
○荻田政府委員 附加価値の計算を、国民所得を分配所得的にわけまして、それぞれ異つた率を課税するという考えもあつたようでございますが、やはり附加価値となります以上は、附加価値として一つのものと考えておりますので、これに対しまして、特に課率をかえるという意思は持つておりません。
○塚田委員 それから二十四條の七号の非課税の規定でございますが、これはこの前に私ちよつとお尋ねをしたときに申し上げたと思うのですけれども、日本の中小企業というのは大体零細なものが非常に多い、これは全体として勤労所得と事業所得の中間的な性質のものが非常に多いので、勤労所得には附加価値税がかからず、事業所得になるとかかるというのは、非常に矛盾があるということを申し上げたのですが、この二十四條の七号の規定の趣旨を、そういう零細な企業全般に押し拡げて行かれたらどうか、單に第二種事業だけの特例にせずに、全般的に押し拡げて行かれたらどうかというふうに考えるのですが、その点はどうですか。
○荻田政府委員 この第二種事業に載つております水産業、畜産業でありますが、これはほんとうに自家労力だけで収入を得て、ほかに資材等もほとんどいらないわけでございます。ほかの一般の産業におきましては、もちろん労力自体は自家労力でありましても、やはり一種の企業的形態、つまり固定資産を動かすということも伴いますので免税する範囲を第二種事業、畜産業と水産業に限つた次第であります。
○塚田委員 一部分は今の附加価値の免税点のところで、相当救われる部分もあるだろうと私も考えてはおるのですけれども、しかし所得を産み出す要素がほとんど自家労力だけだという形のものは、二種事業だけでは決してないと思う。日本の中小商工業には非常にそういうものがたくさんあるのだということを、実際の実例から考えておる。ですから第二種事業についてそういう特例を考えていただいたのは、非常にけつこうだと思うのですけれども、この趣旨は当然他の産業にも拡げられて一向さしつかえないものだ。この両面から中小企業の非常に苦しい立場というものを救うべき処置が当然あつてよいと思うのです。この二種の事業だけが比較的労力だけだというようなお考えであるとすれば、この考え方は少し間違つておるのじやないか。こういうふうに考えておるのですが、もう一度伺いたい。
○荻田政府委員 これはすつきりした見解にならないのでありますが、農業、林業というものが、原始産業でありながら全然免税になつておる。こちらに対するつり合い上同じ原始産業でありながら、水産業、牧畜業は課税される。従つてその中間をとりまして自家労力だけで行つておるというようなものは、むしろこちらに対する均衡上の問題として、免税の方に持つて行つたようなことも一つの理由でございます。
○塚田委員 どうも少しむりなように思うのですけれども、その程度にいたします。それから先ほどちよつとどなたか御質問があつて、例の同族会社の特例の問題があつたのですが、どうも規定を読んでみてもぴんと来ない面があるのです。問題は同族的な観点から立つても重要な問題だと思うのです。三百十五條をもう一度御説明をお願いしたいと思います。
○奧野政府委員 ただいま塚田さんの御質問は三百十五條の三号ですが、「同族会社の株主若しくは社員又はこれらと親族、使用人等の特殊の関係がある者の課税総所得金額又は所得税額の算定の基礎となつた所得の計算に、所得税の負担を不当に減少させるものがあると認められる場合」——この場合は言うまでもなく個人の所得といたしまして、所得税法の適用があるわけでありますけれども、その場合に政府がそういう計算をしない場合、あるいはまた計算をしても過少な計算をしたときには、やはり個人に所得があつたものといたしまして、その納付すべき所得税額を基礎にして、所得割をかけて行きたいという趣旨であります。
○塚田委員 そうするとこういうことなんでございますか。同族会社がたとえば百万円利益を上げた。三五%の所得税を納めてあとは留保所得として社内に置いて積み上げて、それを資本に使つておるというような場合に、それを配分されたものとして見るという考え方なのですか。そうじやないですか。
○奧野政府委員 今お話のような場合を考えているわけです。同族会社の範囲は所得税法に規定してある範囲でありますけれども、それが個人の所得になるべきものを会社自体の所得といたしまして、所得税の累進税率の適用を免れるというような場合には、個人の所得と見なして所得税も課税して行くわけであります。同時に市町村民税も取得割で課税して行くべきであるという考え方を持つているわけであります。
○塚田委員 もしそういうお考えであるとすれば、私それを不当だということ自体当らないと思うのです。もし所得税法は留保しておけば、こういうぐあいに加算税をとる。だから所得税法の考え方から行けば配当してもよろしいし、しなくてもよろしい、どちらも所得税法が認めておる考え方なんで、それを個人に、株主もしくは社員に配当なり賞與で出さなかつたからといつて、それを不当だと言つて非難することは私はできないと思うのです。むしろ場合によつてはそういうことを推奨して、分配せずに積み上げておいて、会社の資本を充実して行くのは、経済政策全体の立場からかえつていいという場合もあり得る。それをどういう根拠で不当だという認定をされて、この規定を適切されるか。
○奧野政府委員 一般の会社についてはお説の通りだと思うのであります。たまたま同族会社の場合に限つて、そういう規定を適用したいというわけなのでありまして、その認定にはいろいろのしんしやくを用いて行かなければならないだろうと思います。それで先ほど申し上げましたように個人の所得になるべき性質のものである。それが所得税の累進課税の適用を免れるために、全社自体の所得にしているというふうな場合でありまして、一律には言えないだろうと思います。もとより所得税法の規定しておりますように、所得税を免れる目的を推定して行かなければならぬわけでありますけれども、しかしながらそれを特に同族会社に限つているわけでありますから、特にこういう規定を置いておく必要があるのではないかというふうに考えているわけであります。
○塚田委員 これはその同族会社の場合には所得税はもし留保しておけば、ちやんと同族会社には特に非常に税率も高くしてあるのですから、所得税法はどこまでも留保するということ自体に不当性を私は認められないと思う。ですからこの條項を置かれても全然これでは救済されないし、またそういうむりをすべきものではない。むしろ勧告が考えておつたように、あつさりと所得税はかけないのだという考え方で、どこまでも押し通して行かれたらいいと思うのですが……
○奧野政府委員 今所得税法の規定をとりに参りましたから、それとあわせてお答えさしていただきます。
○菅家委員長代理 それでは立花委員。
○立花委員 質問に入ります前に、與党の方がほとんどお出になつていないのですが、こういう形の委員会ですと、私ども出る張合いがございませんので、こういうことはこれからの委員会でないようにしていただきませんと、審議がやれなくなるのではないかと思います。その点與党側から出ておられる委員長として善処していただきたいと思います。
○菅家委員長代理 了承いたしました。
○立花委員 それから固定資産税の問題で少しお聞きしたいと思いますが、本多国務大臣は、大臣としてのお立場で日本の民主化の上の重大な問題であり、また政府も従来極力努力されて参りました土地解放の問題につきまして、どういうふうにお考えになつておられるか。土地改革の問題につきまして、この地方税の上でどういう点を考慮されたか、そういう点をお尋ねいたしたいと思います。
○本多国務大臣 これは土地改革の結果自作農が創設せられまして、それぞれ地主となつて農業をやつておるわけでありますが、今回の税がそれに対してはたしてどう影響するかという問題だろうと思います。これは今回の税制改正を一貫して計算をいたしますと、農業に対しましては相当大幅の軽減になるということで、悪い影響はなかろうと考えております。
○立花委員 この国税、地方税を通じましての税制改正で、農民に対する負担を軽減するというお言葉でございますが、それには重大な疑義がございます。その点に触れる意味で御質問申し上げたのではございませんので、質問の要点に入りたいと思いますが、実は農地に対して他の一般の土地と同様に、やはり九百倍の倍率をもつて課税されておる。その結果土地一般という形で農地も見られております結果といたしまして、土地解放の精神にまつたく逆行するような税金が、農地に対して課せられておるのではないか。具体的に申しますと、二十五年度において百分の一・七五という数字で参りましても、解放されました土地の価格の約四割を税金として納めなければいけない。これが二十六年度に百分の三と制限税率でとられますと、これは七割かけなければならぬ。従つて二十五年度、二十六年度において解放された土地の価格以上のものを税金として納めなければいけないという結果が出て参るのでございますが、こういうことはせつかく農民に土地を解放して、しかもその解放された土地の価格以上のものをわずか二箇年で税金として取上げてしまう、こういう考え方が土地改革の根本精神に反しておるのではないか、私どもそう認識するのでございますが、政府は上地改革のその精神を蹂躪されるおつもりなのかどうか、その点を具体的に御説明願いたいと思います。
○本多国務大臣 土地改革を蹂躙などという考えはもちろんないのでございます。但しその法定の地価が相当時価との間に開きがありますので、その価格をもつて今回の納税額と比較いたしますと、お話のようなことにもなるのではないかと思いますけれども、今日までの税負担の状況を見ますと、土地、家屋、田畑に対する負担は他の税に比較いたしまして、むしろ安きに失していたのではなかろうかと思います。今回の改正はそうしたものを均衡化するという趣旨でありまして、この程度のことならば田畑の所有者である農業著の人たちも、負担にたえ得るところであると考えております。
○立花委員 農民の実情をよく御存じないかと思うのでございますが、農民は去年の一万円の税金よりも、ことしの二千円の税金の方が苦しいのだ、拂えないのだということを言うておりますし、実際問題といたしましてもやみ価格は、すでにマル公を割るという状態になつて参りますと、生活費の七割以上を米のやみ価格に依存しておりました農民といたしましては、税金は拂えないと思う。しかも土地を持つておりますがために、耕作をしておりますがために、いわゆる生産価格を割りました供出価格で米をとられている。だから農民の持つております土地と申しますのは、全然他の土地と性格が異なつております。銀座付近あるいは大阪の心齋橋付近の土地を持つておりまして、それで莫大な収益を上げております土地所有者と、いわゆる土地を持つておるがために生活費を切下げられておる農民とは、全然根本的に違うと思う。そういう点に対しまして、少しもこの固定資産税は考慮が拂われていない。同じ土地という建前から、九百倍、しかも百分の一・七五という率をかけてとつておる。こういうことはこの土地改革の根本精神を蹂躪しておると言つてもしかたがないと思うのであります。農民の土地につきましては、特殊の事情があるからこそ、特に農地の解放ということを、政府みずからも実行されたのだと思いますが、これを今回の税法におきましては、一律に押しなべて土地という一般的なものとして、扱つておるということは根本的に逆行するものでないか。その結果といたしまして、おそらく現在でも耕作放棄がどんどん現われておりますが、この傾向がさらに進展するのじやないか。そういたしますと、結局政府の重大な問題である食糧の問題にいたしましても、やはり支障を来すのじやないか。こういうふうに考えるのでございますが、この点でもう一度考慮なさるお考えはないのかどうか、御返答願いたいと思います。
○本多国務大臣 都市の中心の非常に収益率の多い土地も、さらに農村の田畑も同じ九百倍という倍率をもつて計算することになるではないかというお話でございましたか、それはその基礎になつておりまする賃貸価格そのものが収益率の多い市街地等につきましては、非常に比較して高くなつておりますから、そこで十分均衡がとれるものと考えております。私が提案理由のときにも御説明申し上げました通り、たとえば営業用の乗用車一台が負担する税は、畑地三十七町歩の税に相当するという例をあげておきましたが、御心配になりまする問題の点は、せつかく自作農が創設されたのに、その人たちが国税負担のために非常にたえ切れないくらい重くなるのじやないかという御心配だろうと存じますので、どの程度の負担になるかということにつきまして、資料に基きまして政府委員から一言御説明申し上げます。
○奧野政府委員 田の一反当りの賃貸価格は十八円弱であります。従いまして一反当りの税の負担額は二百八十円内外だと考えております。かりに一町歩の耕作をいたしましても、そして農地、土地を持つておりましても、二千八百円内外ということになるわけであります。畑でありますと、確か五円四、五十銭が一反当りの賃貸価格でなかつたかと思つております。従いまして一反当りの畑の税金はやはり百円内外ということになるわけであります。税金が百円内外ということになりますと、一町歩といたしましても千円内外ということになるわけでありますから、実際問題としてそれほど苛酷な負担を強いるものではないじやないかという見方をしておるわけであります。先日差上げました参考計数資料の(2)の八ページのところに、農業者の負担も書いてあるわけでありますが、その九ページのところには、その農業者についての負担は、田は何反くらい、畑は何反くらい持つておる人の場合であるかということを、こまかく記載しておりますので、それをごらん願いたいと思います。ただ、総じて今申し上げましたような賃貸価格の状況になつておりますから、それほどきつい負担を強いるものではないという考え方をしておるわけであります。
○立花委員 私どもは田畑は免税にすべきであると考えております。何となればさいぜん申し上げたように供出を強制しておるのでございますし、しかもその供出価格が生産費を割つているということは、事実なのでございまして、そういう土地に固定資産税をかけるということは根本的に間違つている。これはもう理念の上で間違つておるのでありまして、多少の金額の差異とか、あるいは多い少ないは末梢の問題だと思う。そういう考え方で農民の土地をお考えになるということが、すでにもう農業問題あるいは農地改革の精神をお忘れになつているのじやないか、そういう点から御質問を申し上げているのでございますが、もう一度この点をお考え願いたいと思います。 それからさいぜん問題になつておりました水産業の問題でございますが、いわゆる原始産業ともいうようなものを、農業と林業だけに限定なすつている。水産業も同じく私ども原始産業でないかと考えております。もちろん水産業の中にも大資本的な水産業と、いわゆる原始産業的な水産業かあるのでございますが、日本の沿海漁民のやつております水産業は大部分が原始産業と言つてもよいのではないかと思うのでございますが、こういうものに対してやはり農業と同様に免税するおつもりはないのか。あるいはこれと関連いたしまして、原始産業という言葉は非常に限定されておるのでございますが、やはり原始的に労働力を用いてやつている営業、事業に対しまして、やはり免税されるお考えはないかどうか。現在でもすでにこの問題は事業税を課する場合に問題になつております。たとえば大工、左官、こういう連中に対しまして事業税をとつているのでございますが、こういう問題をどういうふうにお考えになつているか。これはやはり原始産業には課税しないという精神を広めまして、水産業あるいはこういう原始的な営業、事業に対しまして免税されるお考えはないかどうか、お聞かせを願いたいと思います。
○奧野政府委員 農業に対する課税の問題でありますが、土地や建物に対します課税につきましては、だれが所有しているかということで課税したり、課税しないというような方針をとりますことは穏当ではないけじやないか、やはり物件課税といたしましては、だれが持つていようと、どのような用途に充てようと、原則といたしましては一律に課税したいという方針をとりたいと思つております。しかしなから農業については御指摘のような考え方もございますし、また固定資産税もかなり重くとるというような関係もありますので、付加価値税の面においては、課税しないというような方針をとつているわけであります。また、水産業に対する問題でありますが、自家労力によりますものにつきましては課税しないという方針をとつておりますので、その面で大分小漁業者というものは、非課税になるのではなかろうかというような考え方をいたしておるわけであります。また大工とか左官に対してまで事業税を課税して行く問題を御指摘になりましたが、大工とか左官とかを日傭いでやつているというようなものには、附加価値税におきましては課税させないという考え方をとりたいと思つておるのでございます。ただ大工や左官でありましても、若干の人を使いながら請負式にやつている請負業者としてやつている場合には、第一種の請負業の適用を受けざるを得ないのじやないかというような考え方をしております。しかしながら、ただ單に徒弟を少しも使わないで一人でやつておりますものにつきましては、原則として課税しないような方針をとるべきである、また法律上もそういう考え方に立つておるわけであります。
○立花委員 農地の問題でございますが、私だれが所有しているからという問題じやなしに、いわゆる農業用土地という建前から免税すべきじやないかという質問をしたのでございまして、百姓が持つているから、これは具体的には一緒になるかもしれませんが、だれが持つているからという建前から御質問したのではございません。その点御了解願います。 それから水産業を自家労力の範囲に認めるとおつしやつたのでございますか、これはもう少し具体的に機械船大体現在機械船になつておりますが、あるいは相乗りの形がございますが、こういうものをどれほど詳細に御研究になつて御決定になつておるのかお知らせ願いたいのであります。それからもう一つ、大工左官の問題でありますが、日傭ならばかけない、請負式のものはとるとおつしやいましたが、現在大工、左官、あるいはそれに類似いたしておる業者の実態を見ますと、日傭と請取という形はそうはつきり区別できない。人は使いませんが自分で請取の形でやつておるのがある、こういうものは課税の対象とされるのであるか、この点も詳細に具体的におきめ願つておれば、お知らせ願いたいと思います。
○奧野政府委員 水産業につきまして自家労力によるものは課税しないということを、具体的に話をしろということでありますが、結局自家労力による範囲、これをどう見るかということであります。われわれの今考えております方向は従業した延日数、そのうちの一定割合以上のものを、その事業を行つておるもの及び同居の親族が行つておる場合には非課税とする。こういうところで線を引いて行きたいというように考えておるわけであります。 それからもう一つの大工左官についての課税の問題でありますが、従前県税営業税のありました時代には私企業としてこれらにも課税をしておつたわけであります。現にその影響も若干あるわけでございますけれども、御説のような点も見られるのでありますが、附加価値税になりましてからは、原則としてたつた一人で少しも徒弟を使わないでやつておるというふうな場合には、若干そこに請負形式が見られましても、第一種の請負業に入れることけ穏当でない、こういうふうな取扱いを示して行きたい、こういう考えでおるわけであります。
○立花委員 大工、左官の点ははつきりしたと思うのでありますが、水産業の場合はもう少し詳細にお尋ねしないと、これではまだはつきりしない点があります。それで一定の割合とおつしやいましたが、それは大体どの程度の割合を認めておいでになつておるのか。それから同居の親族と申しましたが、現在の漁師でございますと、昔は小さな船で自分で手で櫓を押してやつたわけでございますが、今は機械になつておりまして、それに隣り近所の人が五、六人乗りまして、相乘りという形で行つておるのでございますが、どういうものをどうお認めになるか、これは非常に現実の問題であると思いますので、お答え願いたいと思います。
○奧野政府委員 水産業を行つておる人が船を持つておるとかいないとかは條件にいたしませんで、ただ従業しております労働日数の三分の二以上のものは原則として課税しない。三分の二以上が自己労力及び同居の親族の労働カによつて行われております場合は課税しない。船等の所有は條件には考えていないわけであります。
○立花委員 今まででも水産庁におきましては、そういう形で一緒にたくさん乘りまして、今漁具なんか多くなつておりますので、一人や二人ではやれませんので、隣り近所の人が六、七人乘りまして、それでようやく一定の漁業ができるという形になつております。それでありますからやはり今述べられたような標準では妥当しないところがあろのではないかと思います。しかもそれに対しまして現在税務署あたりでは、勤労所得と事業所得と両方かけて来ておるというような点がありますので、もう少し詳細に実態を究めて、この点は決定していただきたいと思います。 それから同じ固定資産税の問題で、この間から固定資産税の対象の見積りが少いのではないかというお話がありましたので、私実例をもつて過小だという話をいたしまして注意を喚起しておつたと思いますが、これは藤田君の方からも午前中お話が出ておりましたが、たとえば八幡の日鉄だけで、四億八千万円の固定資産税がかかることになる。これは毎日新聞の社説に発表してあります。また八幡の町だけで八億円の固定資産税がとれるのだということでございます。いただきました資料によりますと八幡の日鉄とかそういう大企業の納めるはずになつております固定資産税が、わずか九十億足らずだと思うのでありますが、八幡の日鉄だけで四億八千万円の固定資産税の見込みがあるのに、全国で九十億足らずだといたしますと、おそらく八幡の日鉄がもう二十足らずあれば、固定資産税は全部納まつてしまうということになるのでありますが、これがどうしましてもわれわれとしては非常に不可解なのでありまして、政府のお見込みになつておる固定資産税の対象というものが、非常に過小だということが、こういう実際の事実からも出て来るだろうと思うのであります。これはさいぜん申し上げたように毎日新聞の社説にすらお書きになつた問題でありまして、決して私どもが間違つた数字を申し上げておるのではありません。これは実際問題としてもう一度御考慮願わないと、人心に対しまして非常に疑惑の目をもつて固定資産税を見るという原因を與える。そうなりますと納めるべき税金も納められないという形になつて参りますから、この点はもう少しはつきりさせていただきまして、明瞭な固定資産税にしていただきたいと思いますが、その点についてお考えをお開かせ願いたいと思います。
○奧野政府委員 水産業におきまする相乘りの例がございましたが、私は相乘りの人たちそれぞれが個々の事業者ではないか、こういうふうに考えております。従いまして相乘りしておる人たちが他の人たちを雇つておるわけではないのであつて、相乘りの人たちがそれぞれ事業者である。そういたしますとやはり自家労力でやつておるわけでありますから、当然課税されない、こういうふうに考えております。 それから償却資産に対する固定資産税見込額が少な過ぎるじやないかという御意見でありますが、これは先日大臣からもお答えがありましたように今年は九十数億しか収入はないと見込んでおるのでありまして、平年度におきましてはまだわからぬことでありますけれども、地方税総額が千九百億円得なければならないといたしますならば、固定資鵬税で百七、八十億円の収入を得なければならないという計算になるわけであります。償却資産は一応基本価額として一兆三千億というふうな数字をあげておるわけでありますけれども、この一兆三千億の中には陳腐化の問題や未稼働の問題は全然考慮いたしておらないわけであります。九十数億を逆算いたしますと。この一兆三千億という評価が決定されたあかつきには、七千億足らずというふうな決定になるわけでありまして、しかし決定が七千億にしかならないと考えておるわけでございませんで、ただ初めてのことでありますので市町村と納税義務者との間で、評価の問題をめぐつていろいろ争いも起るであろうと思うのであります。従いまして昭和二十五年度内に収入済みになる価額は、償却資産においてはやはり九十数億円しかならない、こういう計算をいたしておるわけであります。資産再評価税におきまして、現実に評価する価額をやはり国税の面では五千数百億円、こういうふうな見方をいたしておりますので、この程度の収入見込額を計上するのが妥当ではなかろうかという考え方をいたしておるわけであります。かりに平年度におきまして千九百億円の税収入を上げようといたしますならば、償却資産の一兆三千億というものは、現実に評価が少くとも一兆億円以上はなければならない、こういう計算になるわけであります。しかしながら現実に評価された額が、われわれの予想いたしますよりも、もつと大きい場合には、もとよりその際に大臣もしばしばお話になるように固定失産税の税率軽減の問題を取上ぐべきである。しかし現在においてはわれわれは今申し上げましたような事由で、この程度の評価しかできないのではないかというふうな考え方をしておるわけであります。日鉄の例をお話になりましたけれどもおそらく、現実の課税にあたりましては、陳腐化の問題あるいは未稼働の問題を日鉄自身から相当強く主張されて来るんだろうということを、われわれとして予想されるのではないかというふうに考えているわけであります。
○立花委員 国税の方の再評価は、申告制によりまして、やつてもやらぬでもいいんだ。だからこれは五千億見積つても妥当かもしれませんが、地方税の固定資産の再評価はそうでないのであります。これは根本的に考えを改めていただきませんと、国税の再評価と地方税の再評価をごつちやになさいますと、とんでもないことになるのじやないかと思います。国税の再評価五千億と申しますと、私どもの資料によりますと、日発、配電会社、この二つの資産を合せただけでも四千億近くある。そういうことによりまして、地方の固定資産税の数字を出す場合に、国税の方では再評価五千億だということは当てにならない数字だと思います。これを基準にされてはたいへんなことになるだろうと思います。それで八幡の例をとりましたが、八幡にしても決して陳腐化の問題とか未稼働の問題を考慮せずに、言つている問題ではございませんので、現実にやはりこれだけの数字が出て来るということから、こういう数字を出しておるのでございましようし、また毎日新聞としてもそういうでたらめな数字を、発表したのではないと思いますので、こういう問題が地方税の改正案によりまして、至るところの資本家、至るところの経営者の問題になつているだろうと思います。この問題はやはりはつきりしていただきませんと、固定資産税を多額に受ける産業に、重大な混乱を及ぼすと思いますので、もう一つ詳細に御答弁願いたいと思います。
○奧野政府委員 先ほど日鉄の評価額の話がございましたがそういう計算をして行きますと、ここに書いてある基本価格の一兆三千億になる、こういう計算をしておるわけであります。この基礎は終戰直後に行つた安本の国富調査を基礎にいたしまして、それから償却額を差引き、それに物価倍数を乘じているわけであります。それと同時にその調査以後に新しく取得された価格も、現在の物価に引直して加算しているわけであります。しかし安本の国富調査は終戰後残つておつた資産を、そのまま形式的に計算したのでありまして、大きな軍需工場の資材も取得当時の価格を基礎にして、評価されているわけであります。こういう問題はおそらく陳腐化の問題、未稼働の問題が大きく出て来るだろうと思つております。しかしわれわれは決して七十億内外に、最終的に評価されているということを考えておるわけでございませんで、昭和二十五年度において収入されたものは、九十数億円しかないだろう。そのことは先ほど申し上げましたように、評価の決定額についていろいろ争いがあるだろうということも予想されているわけであります。それじや九十数億円と見込んだ金額が穏当であるか穏当でないかという一つの比較のための参考として、資産再評価による現実の企業の再評価額がいくらであろうかということを、参考的に申し上げたわけでありまして、決してわれわれはその程度の額を見込んでおるわけではありません。また先ほど申し上げましたように、これが平常化したあかつきにおいて、償却資産として一兆億円程度の許価が行われなければ、もし将来においても地方税収入を千九百億円必要とするならば、そこに欠陷が生じて来るんだということを、お話申し上げておるわけであります。
○立花委員 結局、二十五年度においては、このくらいしか収入できないだろうというようなお見込みの額だということでございます。たとえば日鉄あたりでも陳腐化の問題をとり出して、なかなかとれないというお話でございましたが、それであればあるだけ、やはりこれは問題であると思います。そうなつて参りますと、結局、抵抗力の強いところはとれない。抵抗力の弱いところからとるという結果になつて参りますので、文句の言えない、よう言わないいわゆる一般の地代、家賃を納めるものから、固定資産税がとられることになつて参ると思います。これはほかの委員も申されましたし、前にも申されましたから、この程度でやめておきたいと思います。この問題は根本的な問題でありますので、あとでもつと問題としなければならないと思います。 固定資産税のことをもう一つお聞きしたいと思います。現在でも東京の高輪アパートでありますが、これは都が建てて、家賃を十円幾らとつております。そこへこの間地租、家屋税を合せて千五百円の税金が来て、住んでおられる方が大動揺を来したようであります。家賃を拂つておるのに、なぜ地租、家屋税を納めなければならぬかというので、大分問題になつております。この形が今度の地方税の改正の中にも、さらに大幅に改革されて出て来ておりますが、一つは固定資産の非課税団体の課税を使用者に負担させるという問題、この問題をどういうようにお考えになつておるか。これは單に市営住宅の問題ではありませんで、あるいは公設の市場の営業者あるいは官公社の住人、こういうものには全部これが当てはまつて来ると思います。今度は非課税団体というふうに非常に広くなつております。前の地方税法によりますと、国または公共団体となつておりましたが、今度は非課税団体が全部使用者に転嫁されることになつておりますので、家賃や地代を拂つておりながら、しかも税金や地租家屋税も負担しなければいけないということになりますので、これはあまり行き過ぎではないかと思いますがこれは撤回される御意思があるかどうか、お聞きしたいのであります。
○奧野政府委員 償却資産の問題でありますが、昭和二十五年度において九十数億円しか入らないだろう、こう見込んでおるわけでありますが、あとはとらないのではございませんで、二十六年度以降で徴収するわけであります。ただ納入の時期がずれるということを申し上げておるだけでありますので、私の御説明が悪かつたので、御了解願つておきたいと思います。 それから使用者課税の問題でありますが、これは従前の方針と同じであります。決して拡張はいたしておりません。従来は地方税を課することのできないものが、持つておる土地や家屋については使用者に課税ができる、こう解しておつたわけであります。地方税を課することができないもの、それが今度の法律では非課税団体というふうに略称いたしておるわけであります。そこでそういう場合については、個々の具体的の例に従つて措置を考えて行かなければならないのじやないかと思うのでありまして、たとえば国鉄が従業員のためにたくさんの家屋を建てておる。この場合にその市町村としては国鉄の住家がありますために、相当の施設も要するわけでありますけれども、家屋に対しては固定資産税収入が少しも入つて来ない。これはどうも不穏当のように思われるわけであります。そういうことについて国鉄に課税するというのも一つの方法でありますけれども、便宜使用者に課税する。しかしこれはもとより国鉄が使用料をとつておる場合もございますし、当然そういう場合には本来国鉄に課税さるべき固定資産税でありますから、使用料をそれだけ軽減する、あるいは使用料を軽減しない場合には、その固定資産税を予想して使用料を定めるべきである。こういうような考え方をしておるのでありまして、先ほど都の公営住宅の例がありましたが、従来からそういう公営住宅についての使用者課税にあたつては、使用料と並行して考えております。むしろ使用料をとつておる場合には、固定資産税のことを考えて使用料を軽減することが穏当でなければ、あるいは使用料と合せて決定して行くというふうな方針をとるのが、穏当だというふうに考えておつたのでありまして、使用者課税の問題は、その固定資産の具体的の例によつて考え方をかえなければならぬと思うのでありますけれども、適宜それぞれの実情において必要なものについてはあるいは減免する。あるいは使用料から固定資産税相当額を引いて決定するというような措置を、非課税団体が講ずべきであるというふうな考え方をしておるわけであります。ただ均衡上から行きますと、非課税団体が持つておる物が、通常の用途に供せられておるにかかわらず、單に非課税団体が持つておるということで、市町村が課税ができない、こういうことは穏当ではない。もし非課税団体が真に社会政策的な意味で、その住宅を設けておるのでありましたならば、使用料において当然かげんして行かなければならないのであります。それは個々の使用料の徴収その他について、考慮が拂わるべき問題であつて、地方税の、そういう制度の欠陷ではないという考え方をしておるわけであります。
○立花委員 しかし使用者課税になりましたのは、前年の五月の改正でなつたのだと思います。それ以前にすでに都の住宅などは、そういうこれを考慮せずに家賃をきめておりましたので、そのままの家賃で、改正になつたからといつて、さらに地方税をかけて来るということは、二重になる。あなたの言われるように、すでに賃貸価格を決定する場合に、そういう考慮を拂つてやつておるなら別問題でありますけれども、すでに前から決定しておつたのに、新しく届けるようになつたから課税するというのは、二重課税になりますから、これは具体的にお調べ願いたいと思います。 それから免税の問題でございますが、固定資産税の免税点は、三万円になつておるのでございます。三万円と申しますと、たんぼを二反足らず持つておりましても、三万円近くなるのでございまして、これでは免税の意味がない。しかもこの固定資産税の免税点は、総合額でございまして、決して個個の固定資産税ではございませんので、これは免税点が少きに失するのではないかと思います。これをもつと引上げられる意思はないかどうか。あなたの方でお出しになりました第十四次案でございますか、あれを見ますと、二十五年度は一万円という数字までお出しになつておるのでありまして、一万円という免税点は、自転車一台あつても一万円になる。これでは免税点の意味をなさないのであります。こういうお考えで行くと、三万円に引上げてやつたとおつしやるかもしれませんが、三万円では実際問題にならない。この点についで御意見をお伺いしたいと思うのです。
○奧野政府委員 三万円という固定資産税の免税点を定めました基礎は、従来地租につきましては賃貸価格が五円未満のもの——つまり五円を免税点としておつたわけであります。今回土地家屋の評価を賃貸価格の九百倍といたしますので、かりに従来の免税点を続けるといたしますと、土地については四千五百円、家屋についても四千五百円ということになるわけであります。それに償却資産も加わるわけでありますが、それを今回の固定資産税は、従来よりも一層引上げるというふうな方針をとつて、三万円と決定したわけであります。なぜこういう種類の免税点を低いところに定めるかと申しますと、所有者はすべて台帳に登載された名義上の所有者によるわけであります。これを分散されてしまいますと、固定資産税が少しも課税できなくなるわけで、そこで免税点はできるだけ低く定めておかなければならないことになるのでありまして、現在の三万円をもちましても、現に各方面から、それでは山林に対してほとんど固定資産税がかからない、免税点をもつと下げてくれなければ困る、こういうような意見も出ておるわけなのであります。山林等を各市町村に少しずつ持つております場合には、市町村ごとにまとめて評価するわけでありますから、これがために固定資産税を逃れる面が非常に多くなるわけであります。その事情を御了解願つておきたいと思います。
○立花委員 免税の問題は中小企業者といいますか、いわゆる小所有者にとりましては重大な問題でありますから、もつとつつ込んで聞いておきたいと思います。たとえば仮定を百姓にとりますと、くわあるいはもみすり機あるいは脱穀機、自転車、荷車、こういうものがあるのでございますが、どの程度までおかけになるおつもりなのか、これをはつきりお示し願いたいと思います。 それから同じ中小企業者の例をとりまして、小さい店舗を持つてそこらで店を開いておりますものの、備品あるいは住宅の設備、自転車、ショーウインドウ、いす、テーブル、こういうものに対しまして、どの程度のものを償却資産とお認めになるのか。従つてどこまでを課税対象とみなされるのか、これをお聞きしたいと思います。
○奧野政府委員 いわゆる器具、工具、備品といいますようなものに対します固定資産税につきましては、その課税の範囲が必ずしも明確にならないと考えております。そこで取扱いといたしまして、その所有者がそれを資産に計上して、所得税や法人税の計算において減価償却を主張します限りにおいては、その器具や工具や備品に対して固定資産税が課税される。しかしながら資産に計上もしない。また所得税や法人税の計算において減価償却も主張しない。こういう場合には微細なものに至るまで課税いたして行きますことは穏当でない面がたくさんあるわけであります。そこで耐用年数が一年以上のもの——一年か二年ぐらいのものは特に固定資産と考えなくてよろしい。三年以上のもので、しかも一個または一組の価格が一万円以上のものである。こういうことで線を引きたいと考えておるわけであります。従いまして器具とかいすというものは課税の対象にはならない。そういう線からはずれて来る、こういうふうに考えておるわけであります。
○立花委員 これは最初に申し上げましたように、小所有者にとつては非常に重大な問題でありますので、重ねて御意見をお聞きいたします。ただいまの御説明でわかつたのですが、耐用年数三年以上でしかも一組一万円以上、これは二つの條件が一つでありますか。そうして今お述べになりましたものは減価償却を公租公課の上で要求しないものでも、こういうものはかけるというのでございますか。
○奧野政府委員 耐用年数、価格、両方とも備えていなければ課税の対象になりません。
○立花委員 しかも減価償却も……
○奧野政府委員 それは減価償却を主張しなかつた資産について申し上げているのであります。減価償却を主張しますれば、耐用年数が一年で、価格が小さいものでありましても、課税の対象になると考えております。
○立花委員 少しくどいようですが、もう少しつつ込んでお聞きしておきたいと思うのです。たとえば喫茶店なんかですと、それに備品として、いす、テーブルがあるのでございますが、これを一組とお認めになるのか、個々のものとお認めになるのか。これは重大な問題なんでお聞かせ願いたいと思います。
○奧野政府委員 今お話になりました例は、具体的の問題になりませんと市町村としても判断するのが非常に困難だろうと思います。非常に小さな喫茶店で、小さいいすや机など粗末なものを置いている。そういうものについて一々それを評価し、課税して行くことは穏当でないと思います。しかしながら相当りつぱな喫茶店などにおいて、特にそういう備品について減価償却を主張していない場合に、一つ一つを拾い上げてこれは一万円を越える、これは一万円を越えないということで、課税の対象にしたり、課税の対象にしなかつたりすることは穏当でないと考えます。そういう場合には全体として評価して、課税の対象にすべきだと思います。私の申し上げるのはただ先ほど農業者の例をおとりになりましたのでそういう場合における説明として一般的な取扱い方針をお話申し上げたわけであります。しかしながら償却資産に対します課税を、小さな喫茶店の粗末ないすについてまで及ぼして行こうという考え方は毛頭ありませんし、そこは市町村は、住民に対する公平な課税という見地から、しかるべく判断して行ける問題じやないか。またそういうふうな指導をして行くべきであるという考え方をしているわけであります。
○立花委員 次に附加価値税のことについてお伺いしたいと思いますが。附加価値税で概算納付を規定なさつておるのでございますが、一番今度の税制改革で悪い点だと思いますのは、あるいはまた政府が言つておられます減税だということが完全にこの税法の上でくつがえされておると思いますのは、所得税の改正につきましても申告が前年度の更正決定を下まわることができないという規定をお入れになつておるのであります。その悪いと思われます所得税の場合も、二割以上の差異があります場合は認めるということになつておるのであります。ところが附加価値税におきましては、その年の附加価値税の概算納付は、前年度の附加価値税と同額とする、しかも五割以上の開きがない場合はこれを認めないとなつておるのでございまして、所得税で改悪された点がさらに改悪されて、地方税にぶち込まれておると思うのでございますが、この点を御説明願いたいと思います。
○奧野政府委員 国税で考えております概算納付は、あくまでも申告納付の一環としての概算納付を認めておるわけであります。従いましてその概算納付額が少しでも現実の申告納付すべき額を下まわつております場合には、自然その額によるべきであろうと思います。しかしながら地方税にとつております概算納付の方法は、原則として前年の額を基本にしまして概算納付するのでありまして、これをとつております理由は、地方団体の徴税能力がなおきわめて弱体な状態にある、あるいはまた事業税はすべて前年の所得額を基礎にして課税して来たというふうな事情から考えますと、現在の事業税においては前年の額を基礎にしておるわけでありますから、やはり概算納付において前年の額を基礎にして、さしあたり納付してもらつてもさしつかえないのではないか、しかもまたこれは国税式に申告納付の一環として行う概算的な納付だと考えますと、常に更正決定の問題が起きる、そうしますと個人の附加価値税でありますと、年三回にわけて納めるわけでありますから、三回にわたつて更正決定を繰返えさなければならない。そのことは課税団体としても非常に煩わしい問題でありますし、また個人としても非常に煩瑣にたえないのであります。そこでそういう制度をとりなから、なおかつ納税義務者の事情も考えまして、あえて二分の一以下に下る場合は、その額によることができるという規定を置いたわけであります。これは現在の事業税の課税形式、あるいは現在の課税団体の実力の状況、こういうものをあわせ考えまして、こういう制度に切りかえたわけであります。
○立花委員 所得税の場合と地方税の場合附加価値税の場合とあわせまして、根本的にこれは最もいけない点が、集中的にここに現われておるのではないかと思うのであります。御承知のようにいわゆるシャウプが案をきめましたときのように、不景気というものがそう深刻になつておりません場合は、言わば毎年税金を多く納められるというような状況でございますと、あるいはこれでもいいかと思いますが、現在のようにいわゆる中小工業者の経営状態が下降の方向にある場合に、前年度の更正決定を下まわることができない。しかも国税では二割下まわれば認めるというのを、地方税では五割下まわらなければ認めないという形は、根本的に実情に反するのではないか。従つて今政府委員が言われました徴税力が弱いから、こういう形をとるのだとおつしやいましたが、こういうことになりますと、異議申請なり、あるいは実情調査の必要が続々と起りまして、かえつて弱い徴税力がますます混乱するのじやないか。こういう天くだり的な実情にそぐわないやり方で、はたして税金がとれるかどうか、この問題はやはりお考え願いたいと思う。こういう形は絶対にいけない。申告納付の一環と言われましたが、申告納付の一環であれば、やはり申告でやればよいのでございまして、前半の附加価値税を下まわることができない、五割以上下まわらなければ認めないという形は、申告納税の根本的な精神に反するのじやないかと思いますので、国税の一番悪い点を拡大して、地方税に入れられておりますところの附加価値がの概算納付の、この條文はお削り願いたいと思うのでございますが、本多さんはどういうふうにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○本多国務大臣 これは納税思想が十分高まりまして申告があともどりをしないというほんとうの堅実な予想に基いて、申告納税が行われるという段階になりましたならば、あるいはお話のようなことに改善すべきではないかと存じますが、今日の段階では御承知の通り、年々更正決定あるいは税務署の調査等によつて一定額を納付しておりながら、さらに申告のときには極端なる少額なる申告をする。また調査して更正決定のときには、やはり前年を下らないような実情にあるという例が非常に多いのでございまして、申告納税が常に不必要に申告額があともどりして、少く申告されるというようなことを是正する意味を持つた制度であると考えております。今日の段階におきましては、こうした制度によりませんと、最後的決定のときまで地方財政の実情も、歳入に欠陥を生じまして困難を来すゆえんでございますから、やはり所得税法にとられております制度と同じような制度を、ただいま申し上げました通り採用して行くことが適当であると考えております。
○立花委員 大臣の今の御答弁によりますと、大臣自身が申告税法の根本的精神をお認めになつてないのじやないか。納税思想が低いからこういう方法をとるのだというふうにおつしやいましたが、これでは何のために新しい民主的な税法として申告納税の形をおとりになつたかわからぬと思う。そういう根本的な考え方ですと、結局いつまでたつても天くだり課税、いわゆる拂えない税金を押しつけるという形になりまして、そうなれば大臣が願つておられる地方の財政を改革するという形は、いつまでたつてもできないのじやないか、やはり申告納税の根本的な精神をやりながら、それでもし違反するものがありましたならば、適当な措置があるのですから、そういう方法をおやりになるのが適当でありまして、申告納税の根本趣旨に反したような概算納付という形はおとりになるべきじやないと考えますが、重ねて御意見を承りたいと思います。
○本多国務大臣 この制度の理念といたしまして、私がただいま申し上げましたような点が、この根本になつておると考えるのでございますが、その制度自体のことにつきまして、今少しく政府委員から説明を申し上げまして、さらに御答弁申し上げたいと思います。
○奧野政府委員 国税のとつております方式は、あくまでもその年の所得の見込み額を基礎にして納税して行くわけであります。その際に納税額は前年の決定額を下ることができない。こういう考え方に立つておるわけであります。そこで前年の決定額をとつた場合には少しでも下れば、その下つた額を主張できるという建前から二割という線を引いておるわけであります。地方税の場合には初めて申告納税の制度をとるわけでありまして、また申告納税の現状から考えました場合には、国税と同じ方法をとることは適当ではない。そこで個人の場合を例に申し上げますと、一年間の附加価値額を計算いたしまして申告納付いたしますのは二月であります。しかし分納の意味で五月、九月に三分の一ずつ納めておくわけでありますけれども、この三分の一ずつというのは、その年の見込額の三分の一ずつ納めるという建前でございませんで、前年の三分の一ずつを納めて行く、言いかえれば現在の事業税と同じ形式を採用しておるわけであります。その年の見込額の三分の一を納めるわけではございませんで、従つて前年の額の三分の一を下がることができないじやありませんで、前年の三分の一をそのまま納めておく、非常に多くてもそのまま前年の三分の一でよろしいわけであります。この点は国税は下げることができないのでありますから、多ければ多く納める必要があるわけであります。そういうところで国税のとつております方針と、地方税のとつております方針とが違つておるわけなのであります。地方税の場合にはもつと多くなる場合でも、とにかく三分の一を納めておけばよろしいわけであります。そういうことにして納税者が毎回こまかい計算をする必要がないようにしたいし、また納税者と課税団体との間に絶えず摩擦を繰返して行くというふうなこともやめたい、こういうふうな考え方を持つておるわけであります。
○立花委員 今の御説明で、前年よりも所得が多い場合なんかは問題にならないと思う。拂えないのをとられる、こういう形になりますと拂えない場合もとられるということが問題だと思う。今あなたがおつしやいましたように、多くても拂わなければいけない。具体的に申し上げますと、去年よりも収入がどんどん下つて、三割四割下つておりましても、去年のままに納めなければいけないということになる場合が、実は問題でございまして、これは何と申しましても、やはり現在の実情から申しまして、下降方向をとつております中小業者には、これはやはり大きな負担であり、大問題であると思います。これはやはり考慮を拂う必要があるのではないかと思います。 それからもう一つ、これは初年度からということをおつしやいましたが、この條文を見ますと初年度だからというような條文はございませんので、これは毎年々々前の年の附加価値の額を踏襲するということになつておるはずですが、これは初年度でこういう條文は消えるのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○奧野政府委員 初年度と申し上げたつもりではなかつたのであります。ただ初めて申告納税の制度を採用して行くのだということを申し上げたつもりでございます。 それからその年の附加価値額が前年より下ります場合、今御指摘になつておりますように、二分の一以下に下るという場合には、その額によることができるということにしておるのでありますが、さらにその納税者の状態がいろいろ困つた状態に置かれております場合には、ここが国税と違つて、地方税の特色だと思うのでありますけれども、個々の地方団体が適宜あるいは納期限を延長するとか、あるいは適宜減免するとかいうことができるというわけなのでありまして、課税団体それぞれがやはり一つの人格の主体として自分の意思で、その納税者の実情に応じた措置をとつて行くことができるわけであります。そういう幅の広い措置がとられるわけでありますから、制度としてこういう形式がよろしいというふうに、われわれは考えておるわけであります。
○立花委員 五割以下に下つていなくても、適当な処置がとれるというのでございますか。
○奧野政府委員 そうです。
○立花委員 それからもう一つ、附加価値税についてお聞きしておきたいのは、免税点の問題でございますが、これも九万円でございますが、実はこれと関連いたしまして、この間もちよつと触れたのでありますが、所得税、住民税に附加価値税がかかるのでございますね。
○荻田政府委員 これは所得税、住民税は所得に対して課税する税であることは申すまでもないことでございますが、初めから申し上げておりますように、附加価値は大体この事業のコストといいますか、そういう観点でかかるのでありますから、まず地租とか新しい固定資産税とかいう税を引いて、その残りに附加価値税がかかり、今度はそれを引いた残りに所得税がかかるようになります。従いまして、所得税に附加価値税をかけると言われますと、少し表現がいかがかと思われますが、要するに所得税を引かない附加価値に対しまして、この附加価値税がかかるわけであります。
○立花委員 結局、だから所得税に附加価値税がかかるでしよう。所得税を引かないものに——所得税、法人税、富祐税、市町村民税、その他政令で定める税金を引かないやつの総合された附加価値にかかるのですから、所得税、市、町村民税、法人税、富裕税に附加価値税がかかると言つていいのではないかと思います。
○本多国務大臣 附加価値税はその利例を対象として、その利潤の中から納める税でありますから、その所得税にかかるということにはならないわけであります。すなわちこの附加価値ということは、利潤があるとすれば、附加価値の内容になつておりますその利潤を対象として、所得税がかかるわけでありまして、所得税に附加価値税がかかるということにはならぬと思います。
○立花委員 それは詭弁だと思います。それは明らかに詭弁だ。たとえば青酸カリをオブラートに包んで飲んだら、これはオブラートを飲んだので、青酸カリを飲んだのではないと言うのと同じことでありまして、これはまつたく詭弁もはなはだしいのであります。所得税、法人税、富裕税、市町村民税を含んだものに税金がかかるのですから、所得税にかかるといつても当然なんで、青酸カリをオブラートに包んで飲んだら死なないと言つても死ぬんですから、これは現実に事が証明しているので、附加価値税というものは税金にかかるのです。笑いごとじやなしにこれは大問題だと思います。これは私が聞いております免税点の問題と関連して来るのですが、現在……
○本多国務大臣 どうも今のお話は、附加価値の中から、附加価値を対象として附加価値税を拂います。そういうような支拂いをして行つて、利潤というものがわかります。その利潤というものに対して所得税がかかるわけですから、決して所得税に附加価値税がかかつているということにはならぬと思います。
○立花委員 これはおかしい。ここに「各号に掲げる金額の合計額をいう。」として引くやつをずつと九つ書いてあるのです。その中に公租公課を引くとなつておりますが、但し「所得税、法人税、富裕税、市町村民税その他政令で定めるものを除く。」と書いてあります。だから、この控除資金の中には所得税やそういうものは入らないわけですから、結局それはそのままこの附加価値の対象額の中には含まれている、それに附加価値税がかかるということはなんでありますから、これは現実の問題としては、やはり控除されない税金が附加価値税の対象になつて来る、これはひつくるめて利潤という言葉を本多さん言われておりますが、結局それはこうわければこういうものになるということだと思うのですがそうなんでありますか。
○本多国務大臣 まあ今のようなことで、そういうように解釈されるのは御自由でありますから、どうしようもないのですが、附加価値は利益がある場合には、その附加価値の中には利益は包含されておると思います。従つてこの附加価値税はその他の経費と同じように、附加価値額からその附加価値税その他の経費を控除いたします。そうすると、残るものは所得であります。この所得を対象として課税をされて、今度は所得の中から所得税を拂うこう考えて行くべきものだろうと思つております。
○立花委員 りくつは同じなんです。だからこそ所得税にかかる。それを確かめておいて、現在事業しておりまして、事業所得が幾らかありますものの税金の問題でございますが、ここで控除しない公租公課、こういうものを合せまして九万円と申しますと、大体所得税あるいは市町村民税の合計したもので三十万円あるいはその前後の額になつて来るだろうと思うのでございますが、税金のなにを除いただけで免税点は一ぱいになつてしまうというふうに考えられるのです。これではやはり免税点が非常に低いのではないかと思うのですが、どうでございますか。
○奧野政府委員 附加価値税の免税点の九万円というのは、固定資産税を拂つておりますと、固定資産税を拂つた結果が九万円に満たない場合は課税しないわけです。そういう物権税的なものを控除した後の価額で、免税点の規定に該当するかどうかをきめるわけであります。
○立花委員 御答弁私ども納得が行きません。これはもう一度條文を調べていただきまして、現実の問題に当てはめてお答え願いたいと思います。 次の問題に移りたいと思います。実はこの新しい地方税法が出まして、私どもこれ以上はもう地方税というものはないのだというふうに考えておつたのでございますが、その点はどうなんでございましようか。地方は普通税をとり得るという規定があるようでございますが、このほかにも普通税をとり得るのでございますか。その点をお聞かせ願いたいと思います。
○本多国務大臣 法定外の普通税をとり得るのでございます。但し地方財政委員会の許可を得てとり得ることになつております。
○立花委員 この税法では、地方財政委員会の許可の場合の條件などは、詳細におきめになつていないようでございますが、何によつておきめになるのでございましようか。
○本多国務大臣 大体は規定されてあるのでございます。ただ事実問題を、その法文に照し合せて該当するかいなかの認定を、地方財政委員会がやるだけでありまして、この法律に規定されておりますところは、確実な税源であること、それに見合うところの財政需要経費の点においてやむを得ざる必要があること、またはこれが国税の課税標準と同一でない課税標準であること、その他地方のものの流通を阻害しないことというようなことがあげられております。これらにつきまして具体的に決定いたします場合には、その地方団体の予算等を審査いたしまして、ぜひかくのごとき財源が必要であるかいなかということ、さらにその税源が確実に確保のできるものであるかどうか、さらにただいま申し上げました課税標準、流通の関係も、その問題について法律の條項に照らして決定されることになるのでございます。
○立花委員 念のためにお聞きしておきたいのですが、その場合に、また元のようにたくさんの地方税の税目が出て来るのではないか。その点についてどういうふうにお考えか、あるいは現在そういう新しい地方の普通税として考えられるものは具体的にどういうものがあるか、お聞かせ願いたい。
○荻田政府委員 今度の法定独立税によりまして、地方団体の財源は大体四百億からふえるのでございますから、さらに決定外の独立税を起す必要はその意味ではなくなると思います。もう一つは、新しい固定資産税のごとき、あるいは附加価値税のごときができましたので、それと重複するような税金はもうとる必要もなくなるということもありまして、むしろ少くなると考えております。 なお、先般お配りいたしました地方税法の一部改正に伴いまする法律に関しまする告示の中にありますような課目は、大体なくなると思います。
○立花委員 最後に、新聞に対する附加価位税の問題について伺います。新聞は特別の事業だと考えますが、新聞事業に対する大臣の御見解をまず承りたいと思います。
○本多国務大臣 新聞事業がきわめて公益性の高いものであることは了承いたしておるのでございますが、新聞社の今日の企業形態等も考え、また他の税との均衡を考えまして、やはり附加価値税は課すべきものであると考えたのでございます。但し、ただいまも申し上げました度合を勘案いたしまして、その税率は二種、三種と同様の税率をもつて課税して行くことが適当でになかろうかと考えております。但し将来の予定といたしましては、今回設置されまする地方財政委員会において、一年間のうちに課税、非課税の限界について調査して、結論を出すことになつておりますので、その際は十分愼重に研究いたしたいと考えております。
○立花委員 大衆の立場から申しますと、新聞がなければほとんど世の中の情勢がわからないというような現在の時代でございまして、しかも新聞すら買えないというような事態がますます強化されつつあるのでございます。この際莫大な附加価値税をおかけになりますと——特に新聞などは附加価値税が多額にかかる業態でございますので、これが従つて新聞紙單価の値上げになりまして、住民のいわゆるニュース権を阻止することになるだろうと思うのです。一体政府といたされましては、附加価値税によりまして新聞の單単価が幾らぐらい値上げになるか御調査なさいましたかどうか。それをお聞かせ願いたいのであります。
○奧野政府委員 企業によりまして附加価値額が総売上金額の何パーセントぐらいになるだろうというふうな計算ができるわけであります。総売上げ金額の五十パーセントを越える業態は非常に少いのでありまして、新聞業もその経営のやり方によつて若干違いがあるわけであります。かりにその附加価値額を五〇%見ました場合に、新聞一枚当りを例にとつて計算いたしますと一円五十銭、附加価値額がその半分といたしますと、七十五銭であります。しかしこれは原価から言いますと、もつと小さくなると思います。かりにごく大ざつぱに、わかりやすい意味で七十五銭という数字を出しました。それの率が三%でありますから二銭二厘五毛、そこで一円五十銭の新聞が一枚当り二銭二厘五毛ずつの附加価値税を負担する。さらに別途の取引高税を一応一銭五厘としますと、二銭二厘五毛から一銭五厘を引きました七厘五毛だけふえる、こういう計算になるわけであります。ところがそういう新聞業でありましても、現在所得を標準にして事業税を負担しておるわけであります。こういう所得に対する事業税も、新聞社によりまして大幅に違つております。しかし、現に多数の新聞社が事業税を負担することになつておりますので、そういうものを相殺しますと、負担はふえないのじやないか。取引高税の廃止を機会に現在の額で、この税だけのために新聞紙の価格を変更しなければならないというふうな事情はないという計算を、われわれはいろいろな点からいたしております。
○立花委員 これは私みずから計算したのではございませんで、ただこの新聞協会の数字によりますと、政府の数字とは百倍近く違うのでありまして、一枚当り二円というふうにここに数字が出ておるようでありますが、今、奥野さんの言われましたのは、二銭二厘五毛ですか、これは非常に大きな開きだと思いますので、こういう開きは單なる誤差くらいのものではないと思いますが、これは何とかもう一度計算をし直しませんと、これでは話ができないのじやないかと思いますが……。
○本多国務大臣 これはもう一度計算いたしまして御説明申し上げます。
○野村委員 今提案になつております税法の改正案中、罰則について若干伺いたいのですが、このことについては委員各位からお尋ねもあつたのですが、この罰則は悪質な面において、やむを得ざるときにおいてのみ、これは発動される、こう思うのです。最近民主主義の政治が行われるようになつて、この種のものは戰前よりは多分にもつと緩和されなければならぬと考えるのですが、今回の改正案については特に重課されたというのではないのでしようけれども、現在の民主王義政治、これらとにらみ合せて非常な峻嚴な罰則のように思う。罰金刑のみならず、相当長期にわたる体刑まで科しておるのです。これをそのまま法文通り適用いたすということになつたならば、これは非常に峻嚴に過ぎるのではないかと考えるのです。最も正面な納税者がばかを見はせぬか、こういう点からそれらと不正直な悪質な者に対して、峻厳な法の用意をあらかじめいたして、これによつて正しい国並びに地方の財政に順応するということは、これはよくわかるのです。しかし法文となつてここに現われた以上は、とれを正確に適用いたして行かなければならぬことはもちろんであります。それについては納税者が納得してむりのないように納税のできるような税率、税法でなければならぬと思う。こういう点にかんがみて、今回シャウプ勧告の線によつて、地方税法が改正せられんとするその内容については、現在の担税力の実情から見て、この税法をそのまま樹立することは非常に困難だと思われる。こういう点に対して政府はどういうふうにお考えになつておるのか。できればこれはなるべく緩和することが最も妥当である、こう考えるのであります。これに対して御所見を承りたい。
○本多国務大臣 お話のごとく、税が重ければ従つて税をのがれたいというような間違つた考えを起す者もできがちである。税がそれほど重い税でない場合には、そういう考えを起す者が少いので、罰則も相当緩和してもよいことになるであろう。まことにそういう理論には根本的に同感でございますが、今回の地方税に付しております罰則は、いずれもこの程度の税を確保するためには、そうしたことを予防する見地からも、この程度の罰則は整備しておく必要があるであろうと考えられるのであります。また今回罰則が種々改正されておりますのは、今日までの罰則の整理をやつて、これを明確ならしめたという程度であると考えておりますので、ぜひ御了承願いたいと存じておりますが、旧罰則と新しく制定しようとしております罰則との比較等について、次長より御説明申し上げたいと思います。
○荻田政府委員 先ほどもお話申し上げたのでありますが、今回罰則を各税について一々つけましたので、非常に多くなつておるような感じがするのでありますが、実質においてはむしろ国税にならいまして、軽減する方の趣旨で書いてあるのであります。ただ中には新しい措置については新しい罰則ができまして、その点はお配りいたしました「地方税法改正案中罰則一覧表」、これをごらん願いますとおわかりになると思いますが、大体納税賦課徴収に対する虚偽の申告の場合の罰則に対しましても、一年の懲役か二十万円の罰金になつておりましたのを、小さな税については二十万円を六箇月五万円というふうに下げておるようなことでございまして、内容においてはむしろ下げる方向に進みたいと考えております。
○野村委員 ただいま大臣並びに次長からの御説明、大体法文を一応通覧いたしますとわかるのですけれども、この罰則を犯すに至る原因を探求いたしますと、税法なり税率が非常に実際にあてはまらないで、そういうむりな罰則をあえて犯すような事例も相当あろうと思います。私は、先般いろいろ御質問をいたしたのですが、この点はたとえばいわゆる遊興飲食税についても、また前国会において、入場税の五割引下げをやられましたが、これらの点についても税率、税法そのものが非常に苛酷であつて、そのままやれない。現に入場税について、最近新聞紙上伝うるところによると、日劇等の競売のあの例にみても、完全に徴收者がとつて、こういうものですら経営その他の点から見て、あえて強制処分にも付せねばらぬということである。これは非常に税法そのものがむりであるからである。それから遊興飲食税、これは先般も申し上げたように、すでに花柳界等の飲食を含むものは別として、他の族館、あるいは喫茶店等においては、りつぱなビジネスである。普通の実業と少しもかわりないのです。これは遊興飲食の名のもとに十ぱ一からげになつておりますが、実際にはとれておらぬのです。かりに十五割の税金でも一体税法ができたならば、税法そのものに適用しなければいかぬのですが、実際には各職場なり各面において、その間徴税の技術の上で断行してとつておるところがある。今回シャウプ勧告から、改正案に至つては、おおむねこれらの税金は三分の一程度緩和するというような資料を今いただいております。どの点が三分の一に減じられたのか、私はちよつと了解することができないのです。そこでこの形式の上においては、税率を引下げたような形には見せておりますが、十五割のものが実際には七割五分くらいしかとれておらない。一体税法をきめたならば、断行し、そこに相談をしなければ徴税のできないようなものはすでに税率そのものが、税法そのものがむりだと、認められた結果がそうなるのだろうと思う。そこでどうしてもこれを明朗に、明るく納得をして業者に協力をさせなければならぬ。そういう点から、これはいわゆる徴税官吏の素質の問題、あるいは待遇の問題にも関連するかもしれませんが、いろいろな疑獄なり、いろいろな事件が起るのです。こういう点から、これはどうしても納得をして納められる税率、税法でなければならぬ。現在これらの人たちはお客からもとれない。そのとれない税金を全部くるんで現在やつておるというような状態で、非常にむりがある。そういつたような税率、税法というものは、この際断固として改めなければならぬ。そういうところに知らず知らずのうちに罰則に触れざるを得ないような事態が看取できるのであります。こういう点に対して私はこの罰別の一つ一つについては、ほんとうの悪質の場合に対してのみ、あえてこれを用意しておると思う。これは法文を見ればすぐわかるのですが、しかしそれに至る道程が、まことにやむを得ざる事態からそこに行くことが考えられる。この点に対して私は罰則がいささか酷に過ぎるのではないかと思う。税法そのものは、百人のうち八十人なり九十人が、税法そのままをやつておるのに、残りの五人なり十人なりがこれを犯すということならば、これはいけませんが、もう百人のうちおおむねいけないというのは、すでに法律がいけないことになるのだと思います。こういう点に対しては、罰則は峻嚴に過ぎるのではないかという見解を申し上げて、この点に対して御意見を伺いたいのであります。
○本多国務大臣 間違いの起きます原因は、税が高すぎるという点にあるという御主張は、まことにごもつともでございまして、政府といたしましても税率を引下げ、課税標準の捕捉度を高めるという方向へ極力進むべきであると存じます。大体におきまして、御指摘の税についても三分の一程度の税率を引きあげたのでございますが、今日の段階におきましては、やはり遊興飲食税は奢侈的な面、さらにその段階はありますが、実生活の面にまでつながつておるものでありまして、その奢侈の程度、負担力の程度等に応じまして、税率に段階を設けて、今日提案いたしておりまする程度の税率を定めますことは、他の税と均衡をとる上において、ただいま申し上げました点からやむを得ないところであると考えておるのでございます。なお三分の一程度引下げました内容については、政府委員から御説明申し上げます。
○荻田政府委員 遊興飲食税の税率についてに、従来四つございまして、芸妓の花代に対するものが、一五〇%でありましたものを三分の一下げまして一〇〇%にする。それから最低の喫茶店等の飲食は、従来二〇%でありましたが、これは従来通り二〇%にすえ置きます。これは実は昨年改正いたしましたときに、大体四〇%程度のものを、二〇%に下げておるようなこともございましたので、この点はすえ置きます。そこでその中間にありますものが、二段階になつておりまして、芸者を呼んで飲食した場合には八〇%、その他の場合は五〇%になつておりましたのを、同率にいたしまして、これを四〇%に引下げております。
○野村委員 今大臣は、奢侈の程度、あるいは他の税との均衡からというようなお話でございますが、この奢侈の程度というものは、いわゆる芸者の花代を含む、あるいはこれに関連する行為に対しては、私もそう思うのですが、そのほかの飲食店等々については、私はこれを奢侈でおり、遊興であるということは、どうしても納得できない。こういう点に対して、しかも地方自治体が要求しておる財源、税収は、完全に協力して確保しなければならぬことはもちろんでありますが、これは納得する税率でなければならぬ。旅館にいたしましても、飲食店につきましても、いわゆる徴収の技術において、証紙を貼付するとか、いろいろな方法で明確に協力のできるような態勢を考慮いたしまするならば、十分この法案が要求しておる税収はできる。こういう点で私らは今後もこの問題については検討をいたしたいと考える次第で、この点罰則の緩和に対する私らの意見に関連をいたして、政府当局においても御考究を願いたいと思うわけです。 それからもう一つ、寄付行為ですが、国並びに地方の税法を根本的に建直して、納税者に協力してもらわなくちやいかぬという観点に立ちますれば、従来からも問題になつておりました寄付行為は、現在の段階でこういう税法で、納税者を求めるならば、法律をもつて禁止すべきであると考えております。東京都においては、條例をもつて原則としては禁止し、許可をするようなことをきめられておるようなことも最近聞いておりますが、税法を明瞭にレールに載せまするならば、どうしても納得する税率と、同時に寄付行為に対しては、これはその人々のその時の感じによつて行くので、どうしても正しいことにならぬと思う。こういう点から、シャウプ勧告によつて、従来四百億あつたものを今度は百億地方財政に見込んでおるようですが、これに対しては、こういう税法をもつて納税者に協力を求めるならば、むしろ寄付行為は法律をもつて禁止すべきであろうと考えております。この点に対して御所見を伺いたい。
○本多国務大臣 寄付行為を禁止するかいなかについては、いろいろ意見もあることと存じますけれども、政府は今回の財源の拡張によりまして、むりな寄付を求めるというようなことはなくなるであろうと考えておりますが、しかし自分の郷土である自治体のために、まつたく美しい心持から自発的に寄付をしたいというような篤志家などの行為は、これを禁ずるということまで行くのは、行過ぎではなかろうかと考えております。その参考資料といたしまして、従来の寄付が四百億あつたものが、百億くらいの寄付は残るであろうと出してありますのは、これはまつたくの見込みでございまして、百億の寄付は強制的にとるという意味でなくて、こうした財政の緩和から、むりな寄付と思われる部分がなくなる。自発的な、ほんとうのよい意味の寄付が百億くらいはあるものであろうというふうな、一応の見込みを参考にそこへ示してあるにすぎないのでございまして、禁止するというところまではむりではないかと考えております。
○野村委員 寄付行為はごく自由な立場で行われるものですから、今大臣のお話のごとく、純真な、しかもむりのない相互の理解しておるうちに行われるものでなければならぬと思いますが、しかし大体実際の実情としては、この寄付にはどうもむりがつきがちです。私は今日国民の担税力というものが限度に来ておるときは、税法そのものをどうしても根本的に考えなければならぬという考えを持つておるわけでありますが、今日はこの程度で一応とどめることにいたしますが、なお御研究をいただきたい。
○大石(ヨ)委員 本多国務大臣に質問いたしますが、先日特別観光ホテル法案というものが提出されました。そのホテル法案中に、地租その他の税金を免除するということがありまして、われわれ地方行政委員として、合同審査がありましたときに、第一私も反対いたしましたが、多数をもつて遂に特別観光ホテル法案が通過いたしました。一方においては、かくのごとき重税に悩んでおる者があるのに、またこの観光ホテル法案という名称のもとに、常業をする者は、そうした地方税その他の重税を免れる。そういう法案があえて衆議院を通過するということに対して、本多国務大臣はいかなる御所見を持つておりますか、私は詳細に聞きたいと思います。
○本多国務大臣 まことにごもつともなる御意見であると存じます。観光ホテル法案が成立いたしたならば、その通り実行するほかはないのでございますが、政府といたしましては、法律上今日減免のきまつておるものも含めまして、この一年間に減免の範囲を再検討いたしたいと考えております。そうして地方財政委員会の結論によつて、減免の範囲は適正にこれを改正いたしたい。結論が出ましたならば、さようにいたしたいと考えているのでございまして、そうした問題も、法案が成立いたしましたならば、やはりその対象として愼重に研究いたしたいと存じます。但し観光ホテル法案の減免の規定は、減免の規定が適用になるというような意味の規定になつているそうでありまして、私は今ここにその規定の詳細を存じませんけれども、必ずしも減免しなければならぬという規定ではないように伺つております。政府委員の方で調査をしておるようでございますから、その内容を御説明申し上げたいと思います。
○小野(哲)政府委員 ただいま大石さんから、国際観光ホテル事業整備法でございますか、これは前国会で成立いたしまして、目下政府でこれが実施の準備に当つておるようなわけでありますが、その際私も、この法律案の審議に際して、政府側から出まして、いろいろと協議にあずかつたわけであります。大石さんの仰せになりましたように、この法律の原案におきましては地租、家屋税というふうな具体的の税目についての減税の規定があつたのでありますが、この種減税の規定を国際観光ホテル事業整備法中に設けるということは、地方財政の自主性を阻害するものである、従つてこの点につきましては、地方税法の基本的な原則に立ち返つて、当該地方団体の自由なる意思によつて判断の上、これに対する減免の措置を講ずる方途によることが妥当であろう、こういうことに相なりまして、委員会において修正されたような次第でございます。先ほど大臣から御説明を申上しげましたように、地方税法の規定の適用があるものとするということに相なつたことを、関係いたしました一人として申し上げまして、御了承いただきたいと思います。
○大石(ヨ)委員 小野政務次官の詳細なる説明によつて、了承いたしました。つきましては、今野村委員からおつしやいましたが、遊興税その他が非常に重税であるために、脱税の行為をあえてしておる者があります。たとえて言うと、旅館その他は非常に重税に悩むために、クラブとかまたは何々会社の寮とかいう名目のもとに、脱税行為をあえて公然といたしておつて、それをだれも取締る人がありませんが、政府当局はどういうふうにお考えになつておりますか。
○荻田政府委員 現在の遊興飲食税は、「料理店、貸席、カフエー、バー、喫茶店、旅館その他これらに類する場所における遊興飲食」と明瞭に規定されておりますので、明確にクラブ、寮となつておるものに対しては、遊興飲食税はとれないわけであります。しかし税脱の目的をもちまして、これに類するもので、ただ名前だけがクラブという場合には、とり得るわけであります。しかしほんとうのクラブ等においての遊興飲食に対して課税するといたしますれば、これはやはりクラブ税というような法定外の特別税を設けまして、そういうものに課税することができる道は残つております。
○大石(ヨ)委員 ただいま野村委員のおつしやる通り、そういうふうな脱税をするということは、あまりの重税に悩んでするのですが、ただいま荻田政府委員もおつしやいましたが、現に私はそうした脱税行為をあえてしておるところを百ぐらい知つております。ここで例をあげろとおつしやれば、私は例をあげますが、一方においてはうまく脱税しておる。一方においてはまじめな人が、幾ら働いても生活に苦しんでおる。この点について、私は荻田さんにお聞きしたいと思います。実際に脱税をしておるのです。そうして、またいろいろな官僚の人がそこで酒を飲すむ。そうして知らぬ顔をしておる。一体これはどういうことです。その事実を私は幾らでもつかんでおります。各地方の知事がとまりに来るところは、一つの寮として、いわゆる宿屋の遊興飲食税を拂つておらずして、あえてとまつておる。こういうところは東京には何百あるかわからないじやありませんか。皆さんよく御存じのはずです。そういう点を脱税さしておいて、一方においては、まじめな人から税金をとる。私はこの点を考えていただきたいと思います。
○荻田政府委員 まことにごもつともな点でございますが、ただその個人の家でいかに御馳走を食べても、これは遊興飲食税の対象になりません。それから、その程度を少し越えまして、個人の邸宅でなくても、その人たちだけの家で食べましても、遊興飲食税の対象にならないわけであります。一般公衆のために開放しております料理店等に対してだけ遊興飲食税をとるわけであります。そこで中間的に、名前は個人のクラブなり、寮あるいは宿泊所となつておるものが、あたかも一般の公衆に公開されておる料理店と同じような行為をしておる場合、これはまさにおつしやる通り、一種の合法的な脱法行為なのでありますが、こういうものに対しては、その実態に応じまして、課税するように指導はいたしております。しかし、なかなかそこの区別がむずかしいものでありますから、相当漏れておるものもあると思いますが、そういうものにつきましては、地方にも注意いたしまして、不均衡の起らないように努めたいと思います。
○大石(ヨ)委員 それから、荻田政府委員に質問いたしますが、入湯税というものは幾らでもごまかせますが、どういう方法で徴収される道がありましようか。
○荻田政府委員 これは、温泉旅館におきまして、客一人一日とまるごとに十円というものをとりますので、その旅館に、その月に延べ何人のお客がとまつたということをつかまえさえすれば、公正な課税ができるわけでありまして、金額も少いものでありますから、遊興飮食税みたいなひどい脱税はないと考えております。
○大石(ヨ)委員 しからば、荻田さんにお聞きしますが、宿屋が千人とまつたのを三百人にしてつけておいたら、それはどうなるのです。こういうところに脱税の方法に幾らでもあるのです。そして貧乏人や、まじめな人に対して政府が盛んにそうした重税を課しておることは、私は矛盾しておると思います。幾らでもこんなことはごまかせますが、これをどうするのですか。
○荻田政府委員 この税法は、書きましただけでありますから、これを実行するのに非常に骨が折れるわけでございます。おつしやいましたようなことがありませんように、それぞれ法律的にはそういうものを取締る措置も考えてあるのであります。これを徴税に当ります者が、法規通り公正に適用するように今後努力して行きたいと考えます。
○大石(ヨ)委員 しからばどういうふうに努力されるのですか。毎晩そんなところに見に行くわけに行きませんじやなかろうか、とまつた者はとまつても、宿帳をつけなかつたらいいのだから、十円ずつお客からとつて、結局もうけるのは宿屋でありませんか。なぜこういうばかなものをおつくりになつたのですか。
○荻田政府委員 御説の通り一々ついてまわるわけに行きませんですが、この点はやはり族館の規模とか、その繁昌の程度とかそういうことで常時調査しておりまして、申告いたしましたものが不当に低い場合には、更正決定をするような措置を講じさせたいと思います。
○大石(ヨ)委員 とにかく私たちいろいろな輿論を聞いておりますと、戰争に負けたのであるから税金を拂うことは仕方がないけれども、あまりに不公平であるという声が各地に聞えます。どうぞこの点において政府当局は公平なる徴収の方法を講じていただきたいことを私は切に望みます。
○菅家委員長代理 通告の久保田君は、今日都合がありまして、次会に譲ることになりますが、もう三十分ぐらい御勉強願いたいのでありますが、その他に御質疑ございませんか。
○奧野政府委員 先ほど塚田さんから地方税法改正案の三百十五條第三号同族会社の行為の範囲についての御質問があつたのでありますが、所得税法の六十七條は御存じだと思いますけれども、「政府は、同族会社の行為又は計算で、これを容認した場合においてその株主若しくは社員又は親族。使用人等その株主若しくは社員と特殊の関係がある者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、」その計算を否認すると書いてあるわけでありまして、それを受けまして、地方税法の三百十五條第三号の規定を入れいわけであります。まつたく同じ趣旨でこれを書いておるのでありまして、所得税法で規定しておる趣旨通りを国が実行しない場合には、市町村がその通り計算をし直すこういう趣旨でこの規定を置いておるわけであります。 それから先ほど立花さんの新聞の附加価値税の問題で、金額に大きな隔たりがあるじやないかとお話があつたと思います。立花さんがごらんになつているのは一箇月分として金額を出した数を示しておるのではないかというふうに思つております。
○塚田委員 御指摘の通りまさに所得税法六十七條に、そういう規定があるのでありまして、それと同じことであるから、これはさしつかえないということには毛頭ならないというのでして、大体所得税法のあの規定自体がむだなものです。今までの所得税法でありますならば、当然同族会社が配当せずに、賞與を出さずにおるということは、不当だという認定をなし得る場合もあり得るかもしれませんが、今度の考え方からすれば、保留したならばこういうぐあいに別の方法で措置するんだぞという規定を設けておきながら、さらにどこどこどういう事態が出たときに不当だと認定するということは、全然りくつに合わないということを言つておる。ですから地方税法には、せめてこれをお抜きになつた方がいいだろうというふうに考えたわけですが、それはそれとしまして、立ちましたついでにまた時間が若干あるそうでありますから、私が先ほど来問題としました遊興飮食税について、少しお尋ねしてみたいのですが、これは従来の税率は高いということは、私どもも感じておるのですけれども、しかし私この点はシャウプ勧告の例の物品税の十割をなくしたことは、非常に賢明な措置だつたと思うのです。物品税の十割を最高七割にしてしまつたのは、勧告の中にもその理由が書いてあるが、やはり品物の性質としては、十割ぐらいかけてもいいんだ、しかしとれない、非常にむだをする、だからしてこれは七割ぐらいを最高にとめておいてよろしい、そうすべきじやないかという意見もあつたのですが、それと同じことがこの遊興飮食税や入場税——遊興飮食税と入場税を同じ率に置くということ自体問題なんでありますが、遊興飮食税だけを考えましても、遊興自体は十割ぐらい税をかけて、なるべくならば多少そういう面において、押えるという措置も必要であると思うのでありますけれども、やはり同じようにとれない、現実にとれない。そうしてとろうとすれば、無理をしなければならぬ、無理をして結局脱税を見つけたときに、重い罰をかけなければならない、こういう政治のやり方自体に私は非常に疑念を持つておる。ですからせめて七割程度くらいまでは遊興飮食税の花代なんかの場合にも下げて行くということは、りくつとしては当然考えられるものだと私どもは思うのですが、この点大臣の考えをお聞きしたい。
○本多国務大臣 ただいまのは税率の程度の問題でありまして、必ずしもそれに反対するというわけではございませんけれども、やはり捕捉し得まする程度の課税対象を勘案し、地方財政を確保するためには、この程度の税率でなければならぬと考えておる次第でございまして塚田委員の主張される税率を低めて捕捉率を高めることが、今日の税制改革の骨にならなければならぬという主張には、全然同感でありますけれども、今日の事情のままでただ税率を下げるということでは、歳入欠陷を起すおそれがありやしないかとも考えられます。さらにまた遊興飮食税の中には、一般国民がきわめて奢侈的であると思われる花代を含む遊興等があるのでございまして、そうした方面の税率をあまりに一挙に引下げますことは負担均衡の上からも、また国民感情と申しましようか、そういう趣旨からも愼重を要することであろうと考えまして、この程度にいたした次第でございます。
○塚田委員 まあそのくらいにいたしておきまして、別の問題をもう少しお尋ねしてみたいと思います。 政府は今年の地方財政の総体の計画とわくというものをお考えになるときに、こういうことを何らかの基礎を持つてお考えになつていることであるかどうか。つまり総体の地方財政の收入のうち固有財源と、それから国家が交付します交付金、それから地方債、こういうものの比率をある比率をもつてしておくのがいいというような、何か基礎数字をお持ちになつて、今年の財政計画をおきめになつたかどうか、その辺をひとつ……
○本多国務大臣 特にただいまお述べになりました財源が、どういう比率でなくてはなしらぬというわくをもつて、この財政計画を立てたのではございません。ただ財政計画としてこの金そのものを比較いたしまして、この程度の財政計画が妥当であろうといううことで、計画が成立つておる次第でございます。こういう財源に対して起債が何割でなければならぬ、あるいはその他の財源が何割でなければならぬというわくにとらわれるような基準を定めて、計画したものではございません。
○塚田委員 昨日もちよつと出ましのですが、そういたしますと交付金の一千五十億というものは、政府が大体ある標準支出というものを想定されて、そうしてこの税法による標準收入というものを勘案してあの数字が出て来た。大体それに追いつく数字だろう、こういうようにお考えになつて、あの千五十億というものを納得しておられるのか、この点をお伺いいたします。
○荻田政府委員 大体地方財政のわくをまかないますために、まず手数料とか使用料とかいう収入は、とにかく優先的に考えなければならぬのであります。その残りを地方税と国庫支出金とそれから地方債と、この三つに多く財源を求めるわけでありますが、理想といたしましてはなるべく地方税收入を多くするというのが理想でございます。しかしこの平衡交付金につきましては、與えられた地方税の支出によりまして、非常に地域的の不均衡がございますので、これを調整するためには、現在のように地方団体間の財政力が違つておりますときには、どうしても相当額がいりますので、これは相当確保しなければならない。従来の配付税の願から見まして、千億程度のものはどうしてもいるだろう。それからそのほかの補助金でございますが、補助金はなるべくなくした方がよいとは考えますが、公共事業費に対しまする補助金のごときは、現在の情勢ではなかなかなくすことはできない、こういうような考えで、大体今度のわくができたものと考えます。従いまして千五十億という平衡交付金の額を従来の配付税の額、それからなくなりまする補助金の額等から見まして、まずこの程度で財政調整の目的を達するのに十分であり、かつこれを入れまして全体の地方財源のわくが、二十五年度におきまして、大体地方に與えられた仕事をやつて行くのについて十分な歳入の額である、こういう判断のもとにきまつたわけであります。
○塚田委員 もう一点地方債の問題でありますが、地方債は私どもが頂戴した資料に政府がお書きになつておる数字と、最近司令部などと御折衝になつて一応可能だとお考えになつている数字と、少し違つているのじやないかと思いますが、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
○荻田政府委員 この計画では一応三百億の額をあげております。この額は正式に司令部の承認を得たものであります。シャウプ勧告ではここにも示してございますように、大体四百二十億来年度出すということになつておりますのに対して、三百億しか認められなかつたことは、地方財政の運営上われわれとしましても支障があると考えますので、これをシャウプ勧告通り四百二十億まで増加することに努力しておりますが、そのうち七十億につきましては、大体のところ了解を得ております。従いまして三百七十億認められることになつておりますが、なお五十億程度の増加を努力しておる次第でございます。
○立花委員 二、三日前でございますが、本多さんの御答弁の中にきわめて重要だと思われる点がございまして、しかも少し疑義がありますので、もう一度確認しておきたいと思うのでございます。市町村民税は累進であつてもいいというお答えがあつたのでございますが、あれは所得割だけでございますか、それとも均等割も累進でやつていいのでございますか。全体としての市町村民税を累進でやつていいというお考えでありますか、はつきりしておいていただきたいと思います。
○本多国務大臣 均等割に対する累進はちよつとお考えようがないのじやないかと思います。私がお答えいたしましたのは、所得割について制限税率の範囲内ならば、必ずしも法律は禁じておらないと申し上げたのでございますが、本年度は所得税額を課税標準として、それに対する一八%が標準税率ということになつておりますが、これは所得税額そのものは所得税法上の累進率によつて算定されたものでありますから、これに一定税率をかけることそのことが所得割に知るわけであります。しかしさらにその税額をもととして税額の多少に応じての累進率を適用したいというようなことは、特にそういうやむを得ざる事情がある場合、律法は禁じてはおらないのでございます。
○立花委員 法律は禁じてはいないようでございますが、やつもいいということはないのでございますか、やつてもいいのでございますね。
○本多国務大臣 これはその自治団体、自治団体の判断せられるところに属することでありまして、禁じていないのでありますから、その自治団体の判断によつておやりになつてよろしいことであると考えます。
○立花委員 これはほんとうに重大な問題でありますので、もう一度つつ込んで聞いてみたいと思います。下の方が一%、上は二〇%とつてもいいということになりますね。そういたしますと附加価値税についても同じことが言えるのではないかと思います。附加価価税が累進でやつてはいけないという禁止法もございませんので、地方によりまして禁止がなければ、累進でやつていいということになるだろうと思います。これはやつていいのでございますか。
○荻田政府委員 この市町村民税の均等割の部分は、これは名前通り均等でございまして、一応頭割で同じ額を課税するのが普通の考えだと思います。しかし特にその団体で均等にみなならして行くのが適当でないと考えれば、これに差等をつけてもさしつかえないわけでございます。それから所得割につきましては、第一の方、つまり所得税を課税標準とする場合には、所得税はすでに相当高度の累進率になつておりますから、これに対する市町村民税は、百分の二十という制限率はないのでございまして、百分の十八という標準率でありますが、大体一本の税率でとるのが普通であります。しかしこれは団体で判断いたしまして、百分の二十の範囲内において累進的に税率をきめれば、これは別に法律には触れない、さしつかえないわけでございます。ただ第二の方法、第三の方法、つまり所得額を標準とするもの、所得額から所得税を引いたものを標準にする場合、この場合は当然累進課税率が適用になるべきだと考えております。
○立花委員 結局均等割も所得割も累進でやつていいということになるわけですね。それをひとつ確言願いたいと思います。
○本多国務大臣 これは地方団体が自主的に決定してやる場合、さしつかえないと思います。
○立花委員 それならばやはり附加価値税の問題が出て来るのであります。附加価値税も税率の問題は同じような規定でございまして、標準税率が四分で、制限税率が八分ですから、八分までは幾らでも累進でやつてもいいということが出て来るわけですが、これと住民税がやつていいなら附加価値税でやつて悪いということはどこにもございませんので、附加価値税でもいいかどうか、その点も御明答願いたいと思います。
○荻田政府委員 普通租税の常識といたしましては人税的な、いわゆる所得税的なものは累進率を適用いたします。物税的なものは均等割を適用いたします。附加価値税は物税でございますから、これは均等の税率を適応するのが普通でございまして、ただ法律上はその間に差等をつけても別に違法とは書いてございませんので、やつてもさしつかえございませんが常識としておかしいことだけでございます。
○立花委員 常識でおかしいだけで、法律はとめてないからやつてもいいということですか御確言願いたいと思います。
○塚田委員 私ちよつと政府側の答弁がふに落ちない、市町村民税も制限率の範囲内ならば、法律に禁じてございませんから、地方自治団体の自治的判断で、どうしてもいいというようにこの法律を読まなければへんとするならば、法律をお直しになる必要がある。この税の税率なんというものを、法律できめるという建前だ、地方団体の随意にきまるということであるならば、これは大問題である、そこまでとても市町村の條例なんかにまかすわけには行かないので、もしこの法律を今御答弁のように解さなければならない、また解すべきだというお考えであるならば、これは重大な修正点がここに残つておるわけであります。これはじつくりひとつお考えになつていただきたいと思います。私どもはそのようには解釈はしておらぬのであります。
○荻田政府委員 附加価値税と申しましたのは、法律論、いわゆるりくつだけの問題としましては別に禁止されていない。しかし実際問題としては、そういうことはあり得ないというくらいの程度だろう、こういう意味で申しました。
○河原委員 均等割の点でお伺いしたいのでありますが、均等割は読んで字のごとく均等制であるはずと思います。これを不均等にしてもいいという御説明でありますが、それは法律のどの條文によつてそういうことをしてよいのか。また税率というものが、さようにかつてに自由に自活団体においてできるものならば、むしろ税率というものを示さない方がよいのではないか。さらに進めて言いますれば、地方税法というふうなものは、かつてにまかせて、各地方自治団体において自由にすべしということがいえるのではないかと思うのでありますが、この均等割に関連して、それらの点をお伺いいたします。
○荻田政府委員 先ほども申し上げましたように、均等割は読んで字のごとく均等であるのが原則であります。しかしその減免の規定がございますから、特に事情のある者に対して、これを安くするということはさしつかえない、こういうふうに御了解願いたいと思います。
○河原委員 今の御説明と先刻の御説明とは大分かけ違うように思います。先刻の御説明では、しかるべくやつてよいというように受取つたのでありますが、今の御説明は、特別の事情ある者はと、こういうふうなことでありますが、どちらがほんとうでありますか、確めたいと思います。
○荻田政府委員 先ほど言葉が足りなかつたと思いますが、均等割の原則は、先ほど申しました通り均等なのであります。特に例外の場合にあえて地方団体が自主的にやろうとする場合はさしつかえない、こういうことを申したのであります。
○立花委員 だからその特別の場合と申しますのは、市町村全体として特別の場合でありますか。個々の特別の場合でないのですね。市町村が特別の状態であると認定いたしまして、均等割を各層へ均等にやつてもいい。だから均等割を累進的にやつてもいいということになると思うのでありますが、あなたの言われておりますのは、特殊の個人の場合の特殊性ということを言つておられるのか、各自治団体で自分の村は特別の状態にあるから、こういう均等割も累進でやるのだこういうことを言つておられるのか、その点をはつきりしていただきたいと思います。
○荻田政府委員 均等割に累進的に当然の制度として段階をつける、こういうことを申しておるのではないのでありまして、特殊の者と申しましても、何のたれがしというのではなくて、特に生活保護法の適用を受ける限界にあるような階層の者でもつかまえまして、均等割を一応下げるこういうことはさしつかえないということを申したのであります。
○立花委員 扶助を受ける者は免除となつておりますから、これは問題にならないのであります。
○荻田政府委員 その境のことであります。
○立花委員 境と言いますと、その上の者になります。そういう者は階層的にありますから、これは階層的にやつてもいいのではないか。本多さんの言われる所得割を累進をお認めになるなら、何も均等割をお認めにならないということは言えないので、そうしてまたそういう形で、ひとつ市町村民税の累進をお認めになれば、附加価値税も全部お認めになるのが論理的に正しい。だからこういうところはあいまいにごまかさずに、みなはつきり累進でいいというように御確認願いたい。
○荻田政府委員 これではわざわざ均等割と書いておる。均等という言葉は普通同じということであります。ただこれに対して特殊の者に対しては減免の規定がございますから、この特殊の者、それを一人々々名前をさすか、あるいは一定の條件をさすかして、それを減免するのはさしつかえない、こういうふうに申したのであります。
○立花委員 均等割と申しましても、この層は二百円均等割、この層は三百円均等割、こう行けば均等割の累進ということはできるのであります。決してこれは矛盾しないと思う。さらに標準税率均等割、標準額となつておりますので、これはやはりあくまでも標準でございまして、絶対この額を守らねばならないということは言えない。そういうことを言えば、標準税率は絶対守られねばいけないことになります。やはり論理的に徹底をしておいた方がいいと思います。私どもからいたしますと、みな累進でやつてもらつた方がいいのであります。この間本多さんは累進でやつてもいいという御確言、しかも私二回あなたに明言していただいたのであります。大丈夫だと思つておりましたがなお疑義がありましたので伺いましたのでありますが、問いましたがために、踏み込んでひつくり返るようなことになりました。これはもう一度この場で御確言願わないと、やぶをつついてへびを出したようなことになるので、この際御確言願いたいと思います。
○本多国務大臣 法の解釈上の問題でございますから、十分研究いたしまして、明日御答弁申し上げたいと存じます。
○立花委員 そうしたら前の御確言は取消されたわけでありますか。
○菅家委員長代理 取消されたというのではない。委員長から申し上げますと、ただいまの問答を聞いておりましたが、それに対して政府側の意見を明日申し上げようというのですから、そのままの状態であります。別に取消しになつておりません。継続のままであります。
○立花委員 きよう実は各地方から団体の傍聽も参つておるようでありますので、かわりにお聞きしたいことがあるのであります。実は地方では遊興飲食税あるいはその他の事業税等の徴収にあたりまして、これこれの金額が地方自治庁から割当てられているから、これをとらなければいけないのだというように、納税者に説明しておるようでありますが、この点はやはりそうじやないのだということを、はつきりしていただきたいと思うのであります。自治庁からそういう徴収額を各県に割当てるということはないと思います。大臣の御明答を得たいと思います。
○荻田政府委員 二十四年度の遊興飲食税の見積りを、全体といたしまして非常に高くしておりまするので、この標準で行けば各県それくらいの標準になる、どれくらいの金額になるということで、参考のために通知したのであります。その額を必ず徴収しなければならないとかなんとかいうものではございません。
○菅家委員長代理 それでは本日はこの程度で質問を打切りまして、明六日午前十時より通産、運輸両委員会と連合会審査で行うことになります。時間を励行して御出席くださるよう委員長よりお願い申し上げておきます。 本日はこれで散会いたします。 午後四時五十九分散会