地方行政委員会 第11号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1950/03/29
会議録
○菅家委員長代理 ただいまより会議を開きます。 委員長が引続き病気のため、私がかわつて委員長の職務を執行いたします。 日程の順序を変更いたしまして、まず昨二十八日に本委員会に付託になりました地方税法の一部を改正する等の法律案、内閣提出を議題とし、政府の提出理由の説明を求めます。本多国務大臣。
○小野(哲)政府委員 本多国務大臣は、ただいま参議院の本会議に出席いたしまして、緊急質問がございますので、私がかわりまして提案の理由を説明いたします。 ただいま上程に相なりました地方税法の一部を改正する等の法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。 周知のごとく政府といたしましては、シヤウプ勧告書の趣旨を尊重しつつ地方財政を確立するため、地方税財政制度の根本的改革を意図し、目下これに関する法律案を提出中でありますが、何分にもこの法律案は、多くの重要な改革案を包含し、その関連する部面も広範多岐に及び、国民生活に及ぼす影響もまた甚大なるものがありますので、この法律案の提出にあたりましては、地方財政の確立という要請と、国民生活ないし国民経済の激変緩和という要請との調整をはかろうとしてでき得る限りの愼重な態度をもつて臨んだのであります。これがため意外に提案が遅延いたした次第でありまして、その結果改正法律案の制定実施は、昭和二十五年四月一日以後となるべきことが必至と見られるに至りましたので、ここにその間の応急措置を講ずる必要が生じたのであります。これが、この法律案を提出した理由であります。 次に本法律案の内容について御説明申し上げます。ます第一は、酒消費税及び酒消費税附加税を昭和二十五年四月一日以降廃止することであります。これは御存じのごとく、シヤウプ勧告書において酒消費税及び酒消費税附加税の廃止が勧告され、これを予定して国税たる酒税の改正が昭和二十五年四月一日以降実施される運びになつておりますので、この改正と歩調をあわせ負担の過重を来さないようにしようとするものであります。 第二は、新税制との切りかえの関係上、昭和二十五年度分の道府県民税並びに地租家屋税、事業税、特別所得税、鉱区税、船舶税、自動車税、軌道税、電話税、電柱税、漁業権税、狩猟者税、及びこれらの附加税並びに市町村民税、舟税、自転車税、荷車税、金庫税、都市計画税、余裕住宅税及び内閣総理大臣が指定する法定外普通税は、新税法の制定施行の日までは、これを徴收することができないものとし、もつて徴税手続の複雑化を避けることとしたのであります。 以上本法律案の提案の理由及びその内容の概要について説明した次第であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願いいたします。
○菅家委員長代理 これより質疑に入ります。
○塚田委員 お尋ねいたしたいのでありますが、本日御提案になりました地方税法の一部を改正する等の法律案は、ただいま御提案提由の説明を伺つても、今本委員会にかかつております地方税法全般の改正が、当然本国会を通るという前提を頭に置いておられると思うのであります。しかし私どもの考えといたしましても、必ずしもこの全貌がこのまま通るものであるかどうかということは、なお今後の審議にまつ必要が大いにあると思うのでありまして、万一当委員会において地方税法の改正案全体が通らなかつた場合に、この地方税法の一部を改正する等の法律案を通したら、そのときにはその関係はどういうぐあいになるのか、その点をひとつ……。
○小野(哲)政府委員 ただいま御質問がございましたが、政府としては提案がたいへん遅れまして、まことに申訳なく存ずるのでございますが、今回の地方税法の全面的な改正は、御承知のようにシヤウプの税制報告書に基きました改正でございますし、国税、地方税を通ずる問題として、政府としてはできるだけこの法律案の提案については、先ほど申し述べましたように、努力をいたして参つておるような次第でございまして、なるべくすみやかに御審議をいただきますように、期待いたしておるような次第でございます。
○塚田委員 ただいま政務次官の御答弁をいただいたのでありますが、私どもももちろん今度の地方税法の改正そのものに対しては、シヤウプ勧告の大体の線について、大きな考え方の違いは持つておらぬのでありますが、率直に申し上げて、私どもこの地方税法の改正の全体を、はたしてこういう経済の非常に混乱をしておる時期に、一気にやるべきかどうかという点に、なお相当重大な疑念を持つておるわけであります。もつと率直に申し上げますならば、これは税法をお出しになつておつても、施行は一年くらいお延ばしになつてもよいのじやないか。もつとはつきり申し上げますならば、一年くらい延ばして、その間に十分準備されて行かれる方が、よいのじやないかとさえ実は考えるのであります、そういう点に対しまして、もしそういうような結論がかりに出たときに、今この一部分を改正することになると、あと非常に混乱をするのじやないか、何らか別の考えをお立てになつた方がよいじやないか、こういうふうに考えるのですが、その点は、いかがお考えになつておりますか。
○荻田政府委員 この法案は、先ほど提案理由の説明にもございましたように、二点含んでおります。第一点の酒消費税を廃止することでありますが、これは国税の酒税法の改正と関連するのでございまして、酒税法が通りますれば、これは必ず地方税の酒消費税の方は廃止になりませんと、それだけ高い負担になりますので、これは酒税法が通ります限りは、ぜひとも実施する必要があると考えます。第二の地租、家屋税以下各種の税の徴收を、新しい改正地方税法が制定施行される間は、徴收することができないと書いてあります。この部分でございますが、これはかりに全部改正の地方税法が制定されませんでしたらここで矛盾を起すことになりますが、これは何も現在の地方税法を根本的に廃止しておるのではなくて、徴收することができないという程度になつております。平たく申しますならば、税法の通るまで待つ、もし通らなければ、その間に徴收することができないというのを元にもどしまして、前通り徴收できるという法律が一ついることになるわけであります。
○塚田委員 大体了承いたしましたが、この地方税法が三月末に上らないのいうことによつて、地方財政の上に何か非常に大きな欠陥が生じて、運営に困難をされる面がありはしないか、その点をお伺いいたします。
○荻田政府委員 この法律によりまして、さしあたり納期の来ております地租、家屋税等が徴收を延期することになりますので、その部分に対しまして歳入の欠陷が起るわけであります。それで一方におきまして地方財政平衡交付金法によりまする交付金を一部——大体四分の一程度のものを、予算が成立いたしまするならば、これを地方団体に前渡しいたしましてその間の地方の会計経理に遺憾なきを期したいと考えております。
○藤田委員 多少塚田委員の質問と重複するかもしれませんが、簡單にお伺いいたします。ただいま新税法通過までの暫定措置としての改正案が出ましたが、先般自治庁から暫定措置に関する通牒が出ております。これは地方議会はすでに終了に近づいたころ、この暫定措置の指令が出まして、二十五年度当初予算の編成に相当支障を来しておると思うのです。そういう場合におきまして、自治庁の措置が遅れたために、地方財政に相当混乱を来すおそれがあると思いますが、いろいろなケースを考えられて、何か一つの方針をきめられておりますかお伺いしたいのであります。
○荻田政府委員 この根本的な地方税法の改正案がはつきりきまりませんので、地方では二十五年度の予算の見通しを立てることに、非常な困難を来しておると思いますが、この点につきましては、かねてより一応二十五年度の予算は現行制度のままで組んでおいてもらいたいということを言つてありますので、この通りやつておると思います。これが実は二十五年四月一日から施行になるものと期待しておつたのでありますが、先ほどから申し上げるようた理由で、とうていこの施行の見込みがございませんので、さしあたりこの一部改正案を出すのでありますが、この際波乱として考えられますのは、一つは会計現金の不足の問題でございまするが、その点につきましては先ほど申し上げました通り、平衡交付金において措置したいと思います。それからこの法律によりまして税の徴收を延期す為ことになりまするが、すでに徴税令書等の用意をしておるのがあるかと思いますが、これはやめる方でございますから、通達着き次第おそらくやめておると思いますから、さしあたつてその混乱は起つていないと思います。
○藤田委員 ただいま会計の欠陷是正のために、平衡交付金の一部前渡しということを申されましたが、予算面では、なるほど平衡交付金が一千五十億組んでありますが、法律が通つていないということになりますると、どういう技術によりまして前渡しされるのか。また前渡しの金額はどの程度予定されておりますか。これは地方公共団体としては非常に重大な関心がございますので、なるべく具体的に御説明願いたいと思います。
○荻田政府委員 平衡交付金を前渡しするにつきまして、地方財政平衡交付金法が通つてから後にいたしますことが、もちろん適当でありますが、今申しましたような地方団体の財政の緊急の必要かございますので、予算さえ通過成立いたしまするならば、一般の補助金と同様に、必ずしも法律の根拠は要しないと考えられますので、前渡しの形式をもつて行いたいと思います。その場合大体四月、五月、六月分として交付すべき額、つまり平衡交付金法が成立いたしまするならば、それに基きまして当然出さなければならない額程度のものを、この際支出いたしたいと思います。大体その額が三百億くらいになると思います。
○藤田委員 も 平衡交付金法が通過いたしません際は、どういうふうな措置をとられますかお伺いしたい。
○荻田政府委員 平衡交付金法はたいへん遅れておりますが、今国会に提案いたしまして、必ず国会の御承認をいただけるものと予想しておりまするので、これが成立しない場合ということは今考えておりませんが、もし万一にも通りませんでしたら、もちろんそのときの事情にもよりまするが、大体平衡交付金に盛られたような思想によりまして、一般の補助金と同じように法律の根拠なしにもできると思いまするが、それはいろいろそのときの事情がございまするので、今から法律が通らなくても、その際出すのだということは、ちよつと申しかねると思います。
○藤田委員 昨日の本会議で連合国軍軍人の住宅公社案が通過いたしましたが、この中には相当委員会として重大な関心があります地方税に関する項目がございますが、この点に関しまして政府当局は十分連絡をとられて、了解を與えておつたのか。実は当委員会ではまだ正式に一度も審議していないのでありますが、最も関連のある当委員会が無視されたような、かつこうになつておりますので、小野政務次官にそのいきさつをひとつお聞きしたいと思います。
○小野(哲)政府委員 ただいま藤田さんから御質問の点につきましては、詳細にわたつて御報告申し上げるまでに、実は私どもただいま用意を持つておりませんので、はなはだ遺憾に存ずるのでありますが、おそらく国会におきましては、その法律案の内容等にかんがみられまして、建設委員会で御処理になつたものと思うのでございます。従いまして経過の詳細につきましては、はなはだ恐縮ですが私から御報告申し上げるだけの用意を実は持つておりませんので御了承願いたいと思います。
○藤田委員 ただいま小野政務次官の御答弁によりましてもはつきりしておりますが、この法案のうちの重要な部分であります地方税の免除に関する十分なる事前措置がとられていないことは確実でございます。それで委員長にお願いしたいのでありますが、本法案は実は昨日通過はしておりますが、これは今後非常に重大な悪影響を及ぼす危険がございますので、建設委員会に正式に当委員会の意向を申し入れていただきまして、そのいきさつを次の委員会で、委員長から御報告願いまして、当委員会としての態度をきめていただきたい。これは希望でございます。
○菅家委員長代理 了承いたしました。
○門司委員 大体塚田委員、藤田委員から質問がすでにあつたので、聞く必要もないかと思いますが、さつき次長のお話では、もし法案が通らなければ、またこれを修正するというような、何といいますか、きわめて見識のないお話であつたのでありまするが、少くとも地方の公共団体は、そうした政府の処置がもし講ぜられて参ることになりますと、非常に大きな混乱を来すのではないかということが考えられる。現在の地方の公共団体の予算の組み方の状況を見てみますと、まちまちであります。新税法が大体通るであろうということで、新税法の税額を財源として組んだ都市もありまするし、また政府からおそらく通牒があつたと思いまするが、そういうことはなるだけ差控えるようにということで、旧税法の税額で大体見積つて、新税法によつて歳入を見込まないで、予算を篇成している所もあるように見受けられるのであります。こうした実態から考えてみますると、もし通らない場合にこれをさらにくつがえして、旧税法でやるということになつて参りますると、地方財政に非常に大きな混乱を来すと思うが、それに対して何らかの措置を講ずるお考えがあるかどうかということであります。立つたついででありますから、もう一つ聞いておきたいと思いますことは、平衡交付金の問題であります。先ほどはある一定の数字くらいを大体出す予定というお話でありましたが、これに対しまして、今日までわれわれが平衡交付金の内容について知り得たところによりますると、従前の配付税法と非常に趣が違つております。当然そこに配付すべき額をあらかじめ確定することが困難だと思う。いゆわる財政需要のアンバランスだけを中央にまとめて、それによつて配付するという形が、平衡交付金の骨子ではないかとわれわれは今日まで考えておつた。そうなつて参りますと、いずれの根拠によつて一体そういうものが出されるのか、その点をもう一応承つておきたいと思います。
○荻田政府委員 最初のお尋ねでございまするが、われわれとしましては地方税法の全面的改正法案が現在国会に提出されておりますが、必ず御賛成を得て通るものだと思つておりまするので、一応通るまでの間だけ、この一部改正の法律でやつて行きたい、こう考えておるのであります。その場合どうしても通らなければどうかというお尋ねでございましたが、その場合はさらにこの法案を改正しなければならないと申し上げたのでございまして、初めから改正することを前提にしてこの法案を出すというようなことはございません。 それから第二の財政平衡交付金の、一応交付金を出します場合の根拠でございまするが、これは先ほども申し上げましたように、平衡交付金法が通つてから出しますのが正当だと思いまするが、いろいろ緊急の必要もございまするので、予算さえ通りますならば、一般の補助金国庫の支出金と同様に必ずしも法律の根拠なしに出ておる例もございますから、それと同様に扱いたいと考えておるのであります。もちろんどちらがいいかと申しますれば、法律ができましてから正式に出すのに越したことはないのでありますが、それを待てない緊急の事情がございますから、非常に異例の措置でございますが、出すような措置を考えなければならぬのではないかと、現在考えておる次第であります。
○門司委員 なお聞いておきたいのですが、その場合に国会が開かれておらなければ別でありますが、もし通らない場合のそうした暫定措置については、開会中は、一応この委員会に了解を求められるようなお考えがあるかどうかということでございます。
○小野(哲)政府委員 ただいま次長から説明いたしましたような事態が起りました場合には、政府といたしましては当委員会に御連絡を申し上げる考えを持つております。
○藤田委員 関連して……。先ほど聞き漏した点でもありますので簡單にお伺いします。平衡交付金法が通過しなかつた場合は、予算が通過しておるから基準法律はなくともよい。大体四、五、六、三箇月分の予定で、三百億円くらいを出したいというふうに拝聽いたしました。平衡交付金法が通過しない場合においては、従来の国庫補助その他の支出金と同列に出すということでございますが、もし平衡交付金法が通過いたさず支出した場合は、従来のごとく地方配付税の部分と、国庫補助に該当する部分を加えて、千五十億という平衡交付金の予算ができておりますか。今度渡されます三百億円というものは、一応国庫補助に相当する部分を出されるわけでございますか。これは千五十億の内渡しの内容になりますが、しかし結果が重大だろうと思いますので、重ねて簡單に御答弁願いたいと思います。
○荻田政府委員 今度前渡しをいたしまする額の根拠にいたしますものにつきましては、従来の配付税の額と、国庫補助金の額を両方入れまして、四、五、六月に渡すべき部分を、この際渡したいと考えております。
○立花委員 政府の御答弁を聞いておりますと、どうもこの委員会が無規されておるような形があると思うのです。提案になつておるものが必ず通るということで全部おやりになつておる。平衡交付金法の場合も、平衡交付金法が通ることを建前としておる。税の改正法も税の改正法が通ることを建前としておる。通らないことが万一あつたならばという仮定のもとに、全部お出しになつておらぬのです。これは非常に困ると思うのです。こういうお考えでおやりになりますと、私どもはお出しになつた法律案なり、あるいは一部改正案を審議する必要はないと思いますし、また審議にあたりましても、そういう態度で政府が臨まれますと、何か非常に拘束されるような感じを受けるのです。こういう態度は少くとも国会を尊重される以上は、やめていただきたいと思います。提案理由の説明を見ましても、たとえば酒の消費税の場合におきましても、シャウプ勧告がされておるのだから、これはやめるのが当然だというように書いてありますし、あるいはいろいろな地方税の徴收を停止する場合の説明におきましても、シャウプ勧告に停止することになつておるから停止すると出ております。私どもこれからシャウプ勧告の原則に従つてお出しになつたものを審議しようとしておる場合に、すでに一部改正の法案の中で、裏口からと申しますか、こつそりシャウプ勧告の趣旨を御引例になつておる。今までの慣例によりますと、新しい法案あるいは改正案をお出しになる場合、それができるまでは旧法によるのが建前だと思うのです。現在お出しになつて、審議にかかつておるその審議過程を待たずして、その趣旨において、暫定的なものでお出しになるということは、委員会の審議権を無視するものじやないか、こういうように私ども考えます。従つてなぜ旧法によらずに、こういう一部改正案を出して来たかということを、もう少し納得の行くまで御説明願いたいと思います。
○小野(哲)政府委員 ただいま立花さすから、政府か委員会の審議を無規すると申しますか、尊重しないということについて御注意を受けたのでありますが、私どもは決して委員会の審議を尊重しないというような考えは毛頭持つておらないのでございます。ただ今回地方税法の一部改正法律案を出しましたのも、提案の理由に申しておりますように、先ほどまた次長から詳細にわたつて御説明いたしましたような事情から出しておるのであります。また政府が法律案を提案いたしました場合におきましては、両議院におかれまして、十分な御審議をいただくことを望んでおることはもちろんでございます。同時にまた政府提案の法律案が、御審議の結果、すみやかに御可決をいただきたいということを、熱望いたしておりますことも申し上げるまでもないと存ずるのであります。私どもは提案されました法律案が御審議を願い、成立されるであろうということの期待を持つておるということを申し上げておるのでありまして、決して審議を無視し、または尊重しないというふうな気持は、毛頭持つておらぬということを申し上げまして、特に御了承願つておきたいと思います。 なお、御質問の点につきましては、次長から御説明申し上げます。
○荻田政府委員 この法律は、決してすでに全面的改正ができたものとしての前提にできておるのではないのでございまして、先ほども御説明いたしましたように、第一條の酒消費税を廃止いたしますことは、すでに本院におきまして御可決になつておりまする酒税の改正、これに即応してのものであります。 それから第二條の徴收を延期することも、決して現在の法律を根本から改正しておるのではなくて、ちよつと待てということだけ言つておるのでありまして、決して全面改正をしたことを前提としてできたものではございません。
○立花委員 ちよつとよく聞いてもらわないと困ると思うのですが、全面改正が成立したものとしているということは言つていないのでございまして、全面改正と同じ内容のものを、同じ趣旨によつて出して来ておるということなのです。たとえば、あなたの言われるように、酒税の改正が四月一日から実施されるからというのではなしに、この提案理由の説明の中には、シヤウプ勧告書においてという言葉がはつきりあります。だから、そういうシャウプ勧告書というようなものを頭から持つて来て、この一部改正案を押しつけて来ようとしている。しかも全面改正の案と同じ内容を、すでに一部改正の中に持つて来ようとしている。こういうことがおかしいと言うのであります。しかもその政府の考え方が、今度の一般的な考え方にいたしましても、自主性がないということが、そういうところに現われているのではないか。そのことは今藤田君の申されました、進駐軍の住宅公社の場合でも、地方税の免除ということが、はつきりうたわれておるのですが、そのことについて、地方自治庁の次官が何らお知りにならない。御説明のできるような資料をお持ちになつておらない。地方税の責任の地位にあられる方が、そういうことで済まされたのでは、これはたまらぬと思う。地方税の免除というような重大な問題を、次官が説明ができない。こういう形で、いわゆる今度の税制の改正も、まつたく自主性を失つてやられようとしている。もうすでに今から、この委員会がその法案を審議しようとしておる際に出された一部改正案の中に、すでに全面改正の趣旨なり、具体的なものが織り込まれて出て来ておる。こういうやり方が私は問題だろうと思うのです。またこの問題は、次長の言葉を引いて言いますと、さいぜん、平衡交付金の配付の場合に、法律の根拠がなくても予算が成立すれば配付するということを言われたのですが、こういうことも私は言えないと思う。根拠がなしに配付できるものなら、なぜ平衡交付金法をお出しになるのか、平衡交付金法は必要ないじやないか、こういうことが言えると思います。これも明らかに委員会を無視した考え方だと思う。国会を無視した考え方だろうと思います。平衡交付金法がなくても、予算に盛られた平衡交付金が配付できるならば、私どもは、平衡交付金法をあなたの方でお出しになつても、審議する必要はないと思う。こういうことすべてが、平衡交付金というものがシヤウプ勧告で勧告されているのだから、どうせ国会がうのみにしなければいけないのだからという考え方で、全部おやりになつておるものだから、法律の根拠がなくても配付するというようなことをおつしやる。こういう考え方でおられましては、私どもはお出しになるものを審議する熱意もなくなる。また国民の代表として、私どもはこういうことでは責任が果せないと思う。その点に関しまして、予算が通過すれば法律の根拠はいらない、法律の根拠がなくても配付すると言われた次官の言葉を、もう少し具体的に御説明願いたいと思う。その点は、先ほど藤田君が質問いたしましたように、何を基準にして三百億という金をきめたか、三百億という金を何に基いてわけるのか、いつまでにわけるのか、そういう問題に関しましても、非常に大きな疑問が残りますし、この問題は、地方にとりましては非常に切実な、具体的な問題だと思う。その一般的な問題と、具体的な問題を、もう少しはつきりお答え願いたいと思います。
○荻田政府委員 政府は、シヤウプ勧告案の趣旨を尊重して、ただいまお出しておりますような地方税の全面的改正をやることが適当だと思つて、出しておるのでありまして、これはまつたく自主的にきめておるのであります。それから、出す以上は、現在行います措置も、それに沿うような方向で行くのが当然であろうかと考えます。ただその全文改正はまだ成立しておりませんから、それまでの間しばらく徴收を待つてもらいたいということが、この法律の趣旨であります。 それから、第二の平衡交付金をわける場合に、法律の根拠がいらないと申しましたのは、平衡交付金法そのものが成立しない場合はどうするかという、最悪の場合の御質問でございますから、その場合にはこうするのだということを申したのでありまして、平衡交付金法なしで交付金を配分することが適当だ、それの方がよいのだという考えではないのでありまして、最悪の場合をお聞きになりましたから、その場合はこうすると申し上げたのであります。ことに法律の根拠と申しましても、もちろん補助金を出します際には、財政法の根拠によつておるのでありまして、必ずしもわけ方の内容を規定する平衡交付金法というものがなくてもやり得る場合があるということを申し上げたのであります。従いまして、われわれが、前渡しをしようというのも、これは平衡交付金法が通りましたら、それによつてやる。もしも成立しなければ、それまで地方の財政は待てないから、そういう最悪の場合には、平衡交付金法が通らなくても出したい、こういうことを申し上げたのであります。
○床次委員 ただいまの御説明でもつて、最悪の場合は三百億円、大体用意しておられるようでありますが、今日の審議の経過を見ますと、少くともまず一月は遅れるのではないかということが予想される。その場合に、三百億円を大体いつごろお出しになるかという点なのであります。予想されるように順調に法案の審議が進められればけつこうだと思うのでございますが、かなり困難があるのではないかという気がいたしますが、いかがですか。 それから、なお平衡交付金として、とりあえずこれだけ出されますから、相当一時は潤う。当分の間は間に合うようでありますが、毎年四月から相当歳計上困るのであります。五月になりますと、今年はさらに困つて来るのではないか。五月分まで遅滞すれば、歳計の現金支出においても困つて来るのではないか。平衡交付金でカバーできないのではないかと考えるのでありますが、この措置についてはどうお考えになるか。地方団体は、現金のやり繰りということに非常に困る。場合によつては、高利のものも借りなければならぬというおそれが出て来るのではないかと思うのですが、これに対する見通しをお聞きしたい。
○荻田政府委員 平衡交付金の一部交付をいたします時期でありますが、先ほどのお尋ねのように、なるべくなら平衡交付金法が通りましてから出したいと思います。それまで地方団体の会計経理はとても待てない。大体時期としましては、四月中には何とか現金が渡りませんと、今おつしやいましたような、非常に困る事態が生じますので、いずれにいたしましても、四月中には一部交付が済みますようにいたしたいと考えております。それから、五月以降のことでございますが、だんだん年度が進行しますれば、金の使途も多くなりまして、困つて来るのでありますが、その際地方税が全然とれませんと、非常に困るのであります。ただ、その四月に前渡しする平衡交付金の額は、大体第一・四半期の分全体を考慮に入れて出したいと思いますので、ある程度ゆとりがあるのではないかと思います。なおそのほか、始終問題になりますほかの補助金等も、なるだけ政府各省連絡いたしまして、早目に出す。ことに公共事業費等も早目に出してもらうように、政府部内におきましても連絡いたしまして、地方の会計経理に支障のないようにやりたいと思います。
○床次委員 関連してお聞きするのでありますが、今の三百億円お出しになる。その他補助金もなるべく早く出すようにしたいとおつしやるのでありますが、地方の歳出の総額から見ると、必ずしもこの数字では余裕がないのではないかと思います。よほどたくさん公共事業費その他を繰上げてお出しにならなければ、経理に困るのではないかと思うのでありますが、いかがでございましようか。一月の所要財源というものは、もう少し額が大きいのではないですか。
○荻田政府委員 税の徴收が延期してございますが、毎日入りますたとえば入場税、遊興税というようなものはそのまま入つております。そういうことも考えますと、これが非常に施行が遅れまして七月、八月になれば、また別な措置を考えなければなりませんが、第一・四半期において成立いたしますならば、大体やつて行けるのではないかと思います。ことに起債の前貸しのような意味におきまして、預金部資金の一時貸出しというようなことも、あわせて考えたいと思います。
○川西委員 先ほど藤田君、門司君から平衡交付金の一部交付について御質問があつて、その点に多少触れられておつたのでありますが、明確な御返答が得られませんでしたので、その点、一点だけお伺いいたします。 ただいまの御答弁によりますれば、当局におかれては地方税法が成立しなくしても、平衡交付金を一部交付します場合に、平衡交付金法の成立を期待しておられるような答弁でありますけれども、この平衡交付金法というものは地方税法と対になつて初めて意味があるものであります。平衡交付金は御承知の通り標準財政需要と標準收入との大体差額を、各地方公共団体に交付するという趣旨のものであります。もし地方税法が成立しませんで、平衡交付金法のみが成立して、これを根拠に平衡交付金を一部配付される場合には、各地方公共団体に対する配付額は——その場合の標準收入は現行税法の收入基準にされるのであるか、新地方税の收入を基準にして按分されるのであるか、その点税法が違いますからわけ方も大分かわつて来ると思いますが、どういうふうにお考えになつておりますか、御答弁願いたいと思います。
○荻田政府委員 まだ細目はきまつておりませんが、大体の考えといたしましては、従来の配付税に相当する部分につきましては従来の配付税の交付額、補助金に相当する部分につきましては補助金の交付額、こういうものから出しまして、なお新税制の点も加味いたしましてきめたいと思つております。従いまして結果におきましては、あるいは新しい平衡交付金の交付額が正当にきまりますと、その額と食い違いが起るかもしれませんが——これは言葉は悪いのでありますが、拙速をとうとぶというような意味におきまして、とうていそういう調査をしてから出しましたら現金に間に合いませんから、その程度で支出いたしたいと思います。
○川西委員 つまり今の御答弁によりますと、平衡交付金法だけが成立しても、実際には平衡交付金法は動き出すことができないというわけに了承してよろしいのですか。
○荻田政府委員 この二十五年度の平衡交付金の配付額を細目的に決定いたしますのは、もちろん地方税法が成立いたしませんとできません。しかもそれに基きましていろいろ調査をいたしますから、どうしてもほんとうの交付は八月くらいになると思います。それまでの間は、平衡交付金法の中におきましても前渡しができるようになつておりますから、先ほど申しましたのは、この根拠に基きまして出すことが、やはり四月に出すとしても正当である、もし成立いたしませんでしたら、今申しましたような方法でわけたい、こういうわけであります。
○菅家委員長代理 他に質疑はございませんか。——本法案は緊急な法案でもありますので、質疑はこの程度で終了したいと思います。 ただちに討論採決に入りたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長代理 それではこれより討論に入ります。
○河原委員 本法案はこの場合やむを得ざるものであり、また一面適切なものであると信じます。よつて本法案に賛成であります。
○菅家委員長代理 ただいま河原君の御意見の通りで御異議ありませんか。
○立花委員 異議があります。私どもは反対いたします。
○菅家委員長代理 それでは採決いたします。河原君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○菅家委員長代理 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたされました。 なお衆議院規則第八十六條による報告書作成の件は、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長代理 御異議ないものと認めてさよう決します。 —————————————
○菅家委員長代理 ほかに何か御発言はありませんか。
○龍野委員 私はこの際委員長に対して緊急質問をいたしたいと存ずるのであります。それは本日の毎日新聞の伝うるところによりますれば、川口市内の自由労働者約二百名が、二十七日同市役所に押しかけ、折から開会中の市会議場になだれこみ、不法占拠を続けて議事を中断させたということであります。私は新聞紙上に載つたからといつて、地方のすべての問題を取上げて本委員会の問題にしようという意思はありませんけれども、もしもこの新聞記事の伝うるところが事実であるとすれば、これはまさに憲法を蹂躪する、すなわち民主政治を破壊する重大なる問題であるがゆえであります。と申しますのは、私が喋々申し上げるまでもなく、議会というのは他のいかなる圧力にも屈しない、各議員はそれぞれ完全なる自由のもとにその行動をするというのが、政治の根本であることは申し上げるまでもないことであります。先般国会におきましても、賃金裁定問題をめぐりまして、相当議事堂外において不穏の空気があり、これは本国会においても相当問題になつておるのでありますが、この新聞記事の伝うるところによりますれば、議事堂外でなくて暴力が議場を占拠したという問題であります。かくのごときことが軽々に行われ得るということを見のがすことは、今後健全なる民主政治また地方自治の健全なる発達の上に、ゆゆしい問題じやないかと存ずるのであります。私は本委員会として今後かくのごときことの必滅を期することが、本委員会としての重大なる使命じやないかと存ずるのであります。従いましてこの問題につきまして、委員長はいかなる考えを持つておられるか、またかくのごときことが将来行われるためには、いかなる措置を考えておるかということについて、まず第一点をお伺いしたいと思うのであります。ことに同紙の伝うるところによれば、どうせ検挙されるならみんな検挙しろ、入れ入れと全員を呼びこみ、すわり込ませ、みずからは議場中央速記台に脚絆、地下たびの土足で仁王立ちになり、アジ講演を始め、議事をめちやめちやにしたというふうなことが許されるようならば、まつたくこれは自治政治の破壊であり、憲法政治の破壊であると断ぜざるを得ない。 ことにこれに対するところの警察当局の措置が、はたして適当であるかどうかという問題についても、私は委員長のお考えを承りたい。と申しますのは、警察側が議場侵入を許して手をこまねいていたために、威圧されてしまつたということであるが、こういうような警察の執行ぶりでは、われわれは安心して生活もできない。いやしくも警察というものはあくまで法規を嚴守して、そうして人民の権利義務を確立すべきであると存ずるのであります。議場の神聖を確保するために、警察がその正当なる権限を行使するのは当然だろうと存ずるのにかかわらず、新聞紙の伝うるところによりますれば、手をこまねいて見ておつたというようなことでは、これは非常な警察の根本に関する重大問題ではないかと存ずるのであります。この問題につきまして本委員会として、いかなる措置をとられる考えであるか、委員長に対して御質問申し上げる次第であります。
○藤田委員 ただいま龍野委員から、一部市の治安問題に関連して、いろいろ御発言がありました。私はこの際特に委員長にお願いしたいのは、実はこの国内治安を担当いたしております国家警察関係者が、当委員会との連絡が非常に悪い。間接に関係のある、ある委員会に対しましては積極的に出席して、いろいろ発言しておる。しかも自治体警察関係者も随時出頭いたしております。ところが、本委員会には全然連絡がない。ただいま新聞紙による治安状況の御発表がございましたが、われわれは国会の権威にかけまして、この責任者からとくと実情を聽取いたしまして、川口以外に最近しばしばかかる事件が散見いたしております、これに対しまして当委員会としての根本策も、一応研究してみる必要があると思いますので、樋貝国務大臣その他関係者の出頭を至急求められまして、当委員会の態度をきめる方針をとつていただきたいことを委員長にお願いいたします。
○菅家委員長代理 ただいま龍野君の御発言があり、さらに藤田君よりも付言されたようでありますが、委員長も本日初めてあの新聞記事を読んだだけでございまして、新聞記事以外の事実はさらに知の得ないのであります。この問題につきましては後刻理事会を開いて、理事会の諸君に諮問をいたしまして、その件の真実を得る方法、さらに必要があるならば委員会の意思によりまして、調査する方法等もございますので、研究の上において委員会にさらにお諮りいたして、委員会としての態度を決定いたしたいと存じます。右お答えいたします。 —————————————
○菅家委員長代理 この際公聽会開会の承認要求の件についてお諮りをいたします。ただいま審議中の地方税法案は、一般的関心及びその重要なる法律案であることは言うまでもなく、国民生活に及ぼす影響もきわめて大きいものがあのますので、この全面的地方税制の改革についての一般国民の声を聞くことが、緊要であると考えられます。従いまして委員会としては公聽会を開くことにいたしたいと存じます。これを開くときはあらかじめ議長の承認を得ることになつておりますので、その手続一切は委員長に御一任を願いたいと思います。衆議院規則第七十七條により公聽会、国会承認要求書を議長に提出いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長代理 御異議なければさよう決定いたします。諸般の手続はただちに委員長においてとることにいたします。 本日はこの程度で散会いたします。 午後零時六分散会