大蔵委員会建設委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/03/30
会議録
○川野委員長 これより大蔵委員会、建設委員会の連合審査会を開会いたします。 議案の審査に入る前にちよつと御了解を求めておきまするが、本日は主管委員長の私が委員長の職務を行わせていただきます。 ただいまから昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案及び予備審査中の旧軍港市転換法案を一括議題として、まず政府の説明を求めます。小野自治庁政務次官。
○小野(哲)政府委員 ただいま提案になりました昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要なる事項について御説明申し上げます。 地方自治の拡充強化は、新憲法の基本方針の一つでありますが、これが実現を期するためには、その裏づけとなるべき地方財政を充実安定させることがぜひとも必要であることは、申すまでもないところであります。しかるに、近年頻繁に発生する台風、地震等は、戰時中の国土の荒廃と相まつて甚大なる被害をもたらし、ために地方公共団体の財政は、深刻な危機に瀕しているのであります。すなわち予知せざる災害の発生によりまして、関係地方公共団体は、税収その他の歳入に激減を来す半面、住民の生命及び財産の保護のため必要な救助事業等に要する経費の支出を余儀なくせられ、なかんずく公共施設の復旧事業につきましては、累年巨額の経費負担を課せられているのであります。従いまして、罹災地方公共団体はこれらの経費捻出のため高率課税、起債あるいは経営費の縮減等を余儀なくされ、ことに最近におきましては、地方公共団体が負担する災害復旧費の大半が起債に求められる結果、その償還費が長年月にわたる過重は住民負担となり、地方財政の健全化に暗い影を投げているのであります。先般来朝したシャウプ使節団もこの点を指摘し、災害復旧費は軽微なものを除き、全額国庫において負担すべきことを勧告しているのであります。政府におきましても、従来高率補助金の交付、または災害債の利子補給等、の方法により、災害復旧費に関する地方財政負担の軽減にできるだけ努力をいたして参りましたが、逐年急激な増加を示しつつある災害復旧費の地方財政に及ぼす深刻な影響にかんがみ、かつはシャウプ勧告の趣旨をも尊重いたしまして、従前の災害復旧事業費に対する一部国庫負担の制度にかえ、新たに公共的土木施設の災害復旧事業費については全額国庫負担の建前をとることにより、罹災地方公共団体の財政負担の軽減をはかるとともに、災害復旧事業の円滑な施行を期することとした次第であります。このために、政府は昭和二十五年度の予算編成に際し、公共事業費中に四百七十億円に上る災害復旧費を計上するとともに、この制度を実施するために必要な基準を法律で定めることといたしたのであります。 以上が本法律案を提案いたしました理由でありますが、次に法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 まず第一は、地方公共団体が維持管理する河川、海岸、堤防、砂防設備、道路及び港湾の公共的土木施設に関する災害復旧事業であつて、地方公共団体が施行するものに要する災害復旧費は、昭和三十五年度においては、国庫が全額これを負担することができるものといたしたのであります。従来土木施設の災害復旧費につきましては、「都道府県災害土木費国庫負担ニ関スル法律」の規定により、三分の二の国庫負担が行われていたのでありますが、本法律案は、地方公共団体の施設に関する限り、他の法令の規定にかかわらず、これを国庫の全額負担とすることができるものとしたわけであります。 第二は、従来国がみずから災害復旧事業を行う場合には、受益者負担という意味で、地方公共団体から分担金を徴收していたのでありますが、これに関しましても、さきに申し述べました公共的土木施設につき、明年度において、その分担金の一部または全部を免除することができることとしたのであります。 第三といたしましては、本法律案の適用を受ける災害及び災害復旧事業の意義を明確に定めたのであります。すなわち災害につきましては、これを暴風、洪水、高潮、地震その他異常な天然現象によつて生ずるものに限定して、天然の不可抗力による災害と、しからざるものとを画然と区分することにより、本制度の的確な運営を期することとしたのであります。次に災害復旧事業とは、災害によつて必要を生じた事業で一箇所の工事費が十五万円以上のものであつて、災害にかかつた施設を原形に復旧することを目的とするものと定めたのであります。しかしながら災害にかかつた施設を原形に復旧することがきわめて困難であつたり、またその被害の状況や施設の効率上不適当である場合が考えられますので、このような場合には、同施設にかわるべき必要な施設をすることを自的とする事業でも、その工事費が十五万円以上であれば、災害復旧事業とみなして、本法律案の対象としたのであります。但しこの場合に無制限に全額国庫負担制度を認めますと、災害復旧に便乗いたしまして、不必要な拡張、改良事業が行われることも考えられますので、国庫でその全額を負担する事業費は、当該施設を原形に復旧するものとした場合に要する金額のみに限定した次第であります。なお前に述べました一箇所の範囲につきまして、被害箇所が短距離で連続している場合及び被害施設の効用上復旧事業を分離して施行できない場合は、被害箇所が二箇所以上ありましても、一括してこれを一箇所とみなして工事費を算定するということにいたしました。次にひとしく災害復旧事業であつても、経済的効果のきわめて低いもの、施設の管理者や、建設施行者の不注意、怠慢により被害をこうむつたと認められるもの、きわめて小規模な施設に関するもの等は、全額国庫負担制度の対象から除外いたしたのであります、これは、貴重な国費を有効かつ適切に使用するという意味からして、当然の規定と考えておる次第であります。 なお、本法律案を昭和二十五年度限りの特例法といたしましたのは、地方財政の転換期ともいうべき昭和二十五年度において、とりあえずこの制度を実施し、昭和二十六年度以降については、本制度の実施状況と地方財政の情勢とをにらみ合せまして、合理的かつ恒久的な制度を樹立したいという考え方に基くものであります。 さらに本法律案の実施細目は、政令にゆだねることとしてありますが、画期的な本制度の実施に備え、着々その準備を整えている次第であります。 以上本法律案の理由及びその内容につきまして説明いたしましたが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに議決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
○川野委員長 次は参議院議員佐々木鹿藏君。
○佐々木(鹿)参議院議員 ただいま議題となりました旧軍港市転換法について、その提案理由を御説明申し上げます。 横須賀市、呉市、佐世保市及び舞鶴市の四都市は、御承知の通り旧軍港が置かれて、巨額の国費を費し、また長年月にわたる設営努力により、日本海軍の四大根拠地として終戰時まで発展して参つたのであります。すなわち一小漁村であつた横須賀市は、明治十七年東海鎭守府が置かれて以来、全市すなわち軍港というように一体として発展し、ために一般産業の興る余地なきままに、市の財政も多額の国庫助成に負うような状態であつたのであります。呉市は元呉浦を囲んだ半農半漁の村落にすぎなかつたのでありますが、明治二十三年に第二海軍区鎭守府が開設を見て以来、海軍の諾施設の整備拡充が行われ、戰争中は四十二万の人口を擁する大都市に膨脹したのであります。また佐世保市について申し上げますと、これまた明治二十三年、一寒村が軍港都市として発足して以来、同様の急激な発展を遂げ、また舞鶴市についても事情はほぼ同様であります。しかるに今次の大戰が、わが国をほとんど壊滅の状態に陥れて終末を告げるに至りました結果、これらの四都市は一瞬にしてその存在の意義、立市の根抵を失つたと申しても過言ではないのでありまして、その受けた打撃は精神的にもまた経済的にも他の戦災都市に比較すべくもなく甚大であつたのであります。すなわち、たとえば呉市のごときは四十二万に上つた人口が、終戦直後十三万に激減し、約四箇年を経過した今日においても、ようやく十九万人にすぎず、他の三市についても事情はほぼ同様であります。また四市いずれも一挙にして工廠等の職場を失いましたため、新たに依存すべき産業が皆無に近く、おびただしい失業者群を擁して、市民生活はまことに暗澹たるものがあるのであります。市民の中には工員として父祖数代にわたり、優秀な技術と経験を持つ者が多数あるのでありまして、それらは何ら活用せられることなく農耕とか日雇い仕事等にその日を送つています。これは市民として苦痛にたえぬところであるのみならず、国としても大きな損失と思うのであります。そこに立地せる転換事業体は、なお現行国有財産法に基く国有財産処理方法をもつてしては、その事業は経済的に成立せず、気息えんえんたるものがあるのでありまして、いわんや他三都市においてははかり知るべきものがあると思われるのであります。また巨大な海軍の軍需品製造設備や、港湾施設は市当局その他関係方面の努力により、若干工場の誘致を見たものもありますが、その大半は平和産業のため活用せられることなく、遊休のまま放置せられ、特に造船施設は旧軍港であるのゆえをもつて、その作業は極度に制限を受け、その転活用を阻んでいるのが現状であります。また右に申し述べました事情からする当然の結果として、四市経営の立ち直りに充つべき課税等の収入もきわめて僅少でありまして、いづれも極度の財政難にあえいでいるのであります。一方においてわが国は新憲法において戰争を永久に放棄し、平和国家として新しく発足したのみでありますから、四市往時の軍港市としての繁栄を再びとりもどすというがごときは望み得ないことは当然でありますのみならず、今日四市の市民の間には、憲法の精神に沿つて、立市以来の軍港色を、市の性格から根本的に拂拭し、千和産業港湾都市として新たに発足したいとの、申さば国の内外に対して、都市として嚴粛な平和宣言をしたいとの願望が力強くみなぎつているのであります。さきに広島平和記念都市及び長崎国際文化都市の両特別法によつて、わが国の平和と文化に対する念願が、世界の共鳴を呼んでいることは各位御承知の通りでありますが、日本が旧四大海軍根拠地を、平和都市に転換するということを、世界に宣言するということは、平和運動として意義の深いものがあると思うのであります。申すまでもなく四市の市民は今日市民生活の建直し、市の建設にみずから立ち、みずから助くるの悲壮な決意をもつて努力しているのでありますが、よるべき産業がないために失業にあえいでいるのであります。 右に申し述べたような特殊の事情がありますので、その自力にのみゆだねることなくも国家としてこの際でき得る限りの有形無形の援助の手を差延べることが、きわめて必要であると痛感されるのであります。 本法案は以上申し述べました趣旨に基きまして、旧軍港市である四市に平和都市として新しい性格を與え、遊休状態にある旧軍港の諸施設を活用して、産業の振興、港湾の発展に充て、もつて平和日本の理想達成に資することを明らかにしますとともに、その建設に対する国家の援助を骨子として規定しようとするものでありまして、その大要を申し述べますと、この法律は全文八箇條からなり、第一條には右に申し述べました通りの、この法律の目的をあげ、第二條においてその目的達成のための計画と、事業及びそれと特に重要密接な関係にある都市計画法または性別都市計画法との関係を定めたのであります。第三條におきましては、重要な意義を持つところの転換事業の促進と完成とに対する、国及び地方公共団体の関係諸機関が、できる限りの援助をすべき旨の特別規定を設け、第四條及び第五條において、国有助産、特に旧軍用財産の処分についての特別の措置を定めたのであります。すなわち旧軍用の土地、施設その他の財産を拂い下げる場合には、通常は旧軍用財産の貸付及び讓渡の特例等に関する法律により、時価の二割以内の減額をした価格で讓渡されるものでありますが、特に本法においてはその割引率を五割以内まで引下げることができ、また代金支拂いの延納期間も三年となつているものを最長十年にまで延納の特約をすることができることといたし、さらに旧軍用財産一般につき、国が旧軍港市転換計画の実施に寄與するよう、有効適切に処理するよう義務のあることを示し、従つて必ずしも時価拂下方針に拘泥せず、必要に応じ一時使用許可方針を併用する趣旨を含めしめ、また普通財産の讓與につき、国有財産法の特例を開いております。このように国有財産、旧軍用財産の処理讓與に関しまして、特例が設けられておりますので、第六條におきましては、これらの処分の適正妥当を期するため、大蔵省に旧軍港市国有財産処理審議会を設け、その委員の構成については大蔵事務官、建設事務次官、関係府県知事、旧軍港市の市長、関係各省官吏のほかに、有力な民間の学識経験者をも加えて、最も実情に適合し、権威ある決定をなさしめんとするものであります。さらに第七條におきましては、本法による転換事業の実施の進捗状況を、事業の執行者は六箇月ことに建設、大蔵の両大臣に報告し、内閣総理大臣はこれを国会に報告いたすこととし、第八條は四市の市長及びその住民は、おのおのその市の平和産業港湾都市建設にあたつて、不断に活動と協力をしなければならぬ旨の規定を置いております。なおこの法律は、憲法第九十五條に、いわゆる一つの地方公共団体のみに適用される特別法に当りますので、附則第二項に、本法案の国会議決後各市において住民投票に付さなければならない旨を明らかにいたしておきました。 以上が本法案の大要でございます。何とぞ各位におかれましてはその必要性をお認めくだされ、御賛成賜わらんことを切望いたします。 —————————————
○川野委員長 それではまず昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案を議題として質疑に入ります。
○淺利委員 その前に一つ希望を申し上げますが、ただいま議題となりました問題は、国庫補助負担に関することでありますけれども、その実質は建設行政の上において、また建設委員会に最も関連の深い重要なものであります。ついてはこれについての資料があるならば、建設委員会にもお出しを願いたい。もう一つは建設当局の出席を要求いたします。
○田中(角)委員 まず大蔵省の方方に昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案第一條第三項並びに第二條の後段すなわち「前條第三項」というところから「金額に相当する金額」という、その問題に対する定義を承りたいと思うのであります。
○荻田政府委員 この法案の趣旨は、さしあたり現在まで行つております三分の二の負担の災害復旧費を二十五年度だけは全額国庫負担にしようというのでありまして、三分の二が全額になつたという以外は大体現在のままを踏襲しております。なお根本的に考えなければなりませんことは、二十六年度以降におきまして、地方行政調査委員会議の事務の再編、補助金の整理というような、全体的の問題と関連いたしまして考えたいという考え方でございます。今お話になりました点は、従つて現在のやり方と大体同じでございまして、現在省令で出ておりますることを法律にかえておるわけであります。ただ法文の体裁といたしまして、二條にわけただけでございます。従来の規定を申し上げますと、「災害ニ因リテ必要ヲ生シタル土木工事ニシテ国庫ヨリ補助スヘキモノハ被害工事ノ原形ニ復スルヲ以テ目的トス但し原形ニ復シ難キ場合其ノ他特別ノ理由アル場合ニ於テハ増築、改築又ハ之ニ代ルヘキ必要ノ施設ヲ為スコトヲ妨ケス」。災害復旧工事がこの原形に復することをもつて原則といたしますが、それが著しく困難または不適当な場合におきましては、これにかわる施設をすることができる。しかし補助の対象になりますものは、あくまで原形に復する程度で、それ以上は一般の経費として当該地方団体が負担する。これは従来ともかわりはないと思います。
○田中(角)委員 ただいまの御答弁によりますと、第二條の後段すなわち前條第三項に規定する事業については、当該事業の事業費が、当該施設を原形に復旧するものとした場合に要する金額を超える場合においては、その超過金額の三分の二に相当する金額という、現行法通りに解釈しなければならないというふうに聞きとれるのであります。もちろん括弧内はそういうことを意味するであろうと思います。その場合は第一條第二項の規定で、「災害に因つて必要を生じた事業で、災害にかかつた施設を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合においてこれに代るべき必要な施設をすることを目的とするもののうち、一箇所の工事の費用が十五万円以上のものは、この法律の適用については、災害復旧事業とみなす。」という非常に大きな特例を認めたこの法律案の趣旨を、第二條の後段において削つたということになるのですが、第一條第三項の精神を十分生かして、第二條の後段を削つてしまうわけには行かないでしようか。 〔委員長退席、前尾委員長代理着席〕
○荻田政府委員 ただいま申し上げましたように、従来の規定でもそのような方針をとつておりますので、これは根本的に今おつしやつたようにいたすことも一案かと考えますが、さしあたり二十五年度分につきましては、大体ほかのことは従前のままにしておきまして、ただ三分の二を金額にするという点だけを改めたいと考えております。将来根本的に二十六年度以降の災害に対しまする措置を考えます場合には、十分そういう点も考慮いたしたいと考えております。
○田中(角)委員 そうしますと、私がただいま申し上げましたように、金額国庫負担を原形復旧の程度ということに限定せられますと、その差額、現行災害復旧国庫負担の規定によつて、三分の二が国庫補助になるということになるのでありまして、御説明によりますと、事実支障はないように聞えるのでありますが、実際には二十五年度の予算を執行する面から見まして、超過工事に災害復旧費を認めないということになりますと、二十五年度提出予算に当該改良費の計上がないという場合がたくさん起きて来るだろうと思います。この場合、画龍点睛を欠くというよりも、国費の乱費と、わずかの差額を補助できないために大きな目的を達成することができないという場合が起きて来ると思うのですが、これに対して特別な措置をお考えになつておるかどうかということを承りたいと思います。
○荻田政府委員 災害復旧の国庫補助の対象としましては、あくまで原形にとどめる程度に考えております。それ以上改良を伴う分につきましては、地方団体独自の負担で行う。あるいはものによりまして、改良費としまして国庫補助が出ますれば、それは別の補助金として出す。この点従来とかわつておらぬのでございまして、今申し上げましたように、もしこういう点を根本的に改めなければなりませんでしたら、二十六年度以限の問題として解決したいと考えております。
○田中(角)委員 十五万円以下のものは災害復旧の対象にならない、すなわちこの特例の恩惠恵を受けないことになつておるのでありますが、これはきつと災害年度当時の十五万円で押えておられると思います。この額をもつと下げる御意思があるかどうかをお伺いいたしたいと思います。
○荻田政府委員 これを立案いたしますときに、この十五万円をいかほどにきめたらよいかということを十分研究いたしたのでございますが、大体昔からこのような小さな工事につきましては、国庫補助の対象にしないことになつておりますので、その金額等過去の例を調べ、物価の値上り等を考慮いたしまして、さしあたりは十五万円程度で従来とあまりかわりはない。現在におきましては七万五千円とか、あるいはものによりますと、二、三十万円のようなものでございますが、一応全部の工事の費目を一本の価格にまとめますと、大体十五万円程度でさしつかえないと考えております。
○田中(角)委員 第二條の後段に非常に制限をしている項目があります。私たち建設委員会といたしましては、災害復旧は非常に重要だと考えているのでありますが、それよりも国土計画の大きな面から見て、防災ということを十分考えているのであります。日本の現在の防災施設は完全であるかというと、そうではありません。乏しい、しかも限られた予算、要求する十分の一にも満たない年度予算をもつてやつている。河川、港湾その他の施設は非常に貧弱であつて、このままにしておいたならば防災という大きな目的はほとんど達成することはできない。しかも工法その他に対しまして抜本的改革をしなければ、いわゆる新しい方法をとらなければ、実際に目的を達成することはできないと考えておりますときに、この法律の対象事業がはつきりしないために、原形復旧という文字を過去も使いこの法律にも使つておるのでありますが、この原形復旧という定義をもう少し大幅なものにする必要はないか、必要がないかというよりも、当然あると思つております。今まで、から積みの堤防を築いておつて、それがためにすこしの洪水にもくずれておつたものを原形復旧するというのであつたならば、これはもう私が申し上げるまでもなくさいの川原であります。国費を効率的に投下するという意味から言えば、もちろん堤防のかさ上げもありますでしようし、工法その他に対する改良が大きく浮び上つて来ると思うのであります。今まで、から積みの堤防をねり積みにする、もう少しかさ上げをするというような場合、原形復旧のもののみというのを、今までの法律規定等の解釈そのままで行くと、いつもその範囲以上の仕事はできない。特に二十五年度の予算はすでに衆議院を通過しておるのでありますが、そのようなものは予算的措置をとつておらないので二十六年度にいたした、こういうお話でございますが、これは国費投下の面から考えてみますと、非常に危つかしいと思うのであります。その意味で、この法律の原形復旧に対しては、あらためて相当広義な定義をつける必要がないか、すなわち第一條第三項に規定した趣旨を十分取入れた定義を下してはどうか、こう考えておるのです。この場合自治庁並びに大蔵当局からはつきりした御言明がないと、運用よろしきを得てその結果は非常によくても、その結末において会計検査院から規定違反として批難せられるようなことが起るので、この法律案を通す場合は、最も大きな問題としてこの定義をはつきりと下しておく必要がある。繰返して申し上げるが、この第一條第三項の規定を生かすような定義を下す方がよいと思うが、これに対する自治庁のお考えはどうかということを承りたいと思います。現在までの定義を全然かえられないというのであるならば、この括弧内は当然別な字句に置きかえて、この法律の目的を達成せしむるようにしなければならないと思つているので、これに対する意見を承りたいと思います。
○荻田政府委員 おつしやいましたことはよくわかるのでありますが、今の考え方といたしましては、現在の通りをさしあたり二十五年度においては実行する。ただその全額負担ということをはつきりするために法律を書く、こういうところに主眼が、ございまして、根本的に原形復旧以上のものまで補助の対象にするかしないかということは考えていないのでありまして、つまり現状通り原形復旧程度をもつて補助の対象にする。この方針をとつておりますので、定義といたしましてはむしろこれがはつきりするように出ているのであります。ただそれをこれ以上にやつた方がいいか惡いかということになると、おつしやいましたような点がありますが、今までといたしましては、一応この程度を負担する。従つて定義もむしろその意味ではつきりしていると考えております。
○田中(角)委員 最後に一番初めの問題にもどりますが、第二條の後段の括弧をおとりになれるかなれないかということだけ承りたい。
○荻田政府委員 これは立案の当時建設省あるいは大蔵省と十分打合せてあるのでありまするが、さしあたりはこの括弧をしなければならないという結論に達しております。
○前尾委員長代理 瀬戸山三男君。
○瀬戸山委員 場合によつては少しこまかくなるかもしれませんけれども、この問題は私どもにとつては、私ばかりでなく全国民にとつてきわめて重要な回顧でありますので、しばらく時間をかしていただきます。 まず第一番に、大体昭和二十五年度に限つて全額国庫負担ということで、きわめて人が喜ぶような法律でありますけれども、これはほんとうは喜ばない。そこで昭和二十五年度以降に、二十四年度までに起りました災害についての災害費といいますか、この法律の第二條第一項の一から五までの災害復旧費が一体どのくらい残つておるのか、過般のわれわれの委員会において安本当局では千六百億、建設省関係だけで八百五十六億、こう言われておるのでありますけれども、これで十五万円をどうするこうするという問題がありますから、一体ほんとうのところは第二條の第一項の一から五までの間に並べられております既発の災害復旧費は幾らになつておるのか、それをひとつはつきりさしていただきたいと思います。
○荻田政府委員 一般の災害復旧事業費といたしましては千六百億程度残つております。そのうちこの対象になつておりますのは千百億ないし千二百億程度でございます。
○瀬戸山委員 千百億ないし千二百億、——そうしますと、本法によつて昭和二十五年度でやつてやりたいという金額は、災害復旧費、予備費まで入れて四百七十億だと私は記憶しておりますが、あとの三百七十億、そのうちこれには農林省関係が入つておりませんが、これに入つている分を幾らと予定されているのですか。
○荻田政府委員 四百七十億のうち三百七十億が過年度分ということになつておりますが、そのうちこの法律の対象になりますのが大体二百八、九十億でございます。
○瀬戸山委員 二百九十億、少しよけいに見て三百億、千二百億からのやつを三百億で、昭和二十五年度に限つて全額国庫負担ということは、日本の災害復旧については、この法律は私はほんとうはいい法律じやないと思つておりますが、これはいい法律だと思つて出しておられるかどうか、ひとつ自信のほどを伺いたい。
○荻田政府委員 提案の理由でも御説明申し上げましたように、地方財政の圧迫を緩和するためには、災害に対しまして全額国庫負担にした方がよいと考えますので、この法案を提出した次第でございます。ただ前にも申し上げましたように、この問題につきましては根本的な点を考えなければなりませんので“さしあたり二十五年度だけに限つておるような次第でございます。
○瀬戸山委員 これはもちろん先ほど私が数字を確かめましたのは、今日これを全額負担にいたしましても、大体四分の一しかできない。あとの四分の三はそのまま、今日日本各地至るところに災害の原形が残されている。そこで財政と、こういう事業とをどうするかということは、きわめてむずかしい問題でありますが、今日私どもはもちろん財政も考えねばならない。しかし二百八、九十億の金で、それを全額国庫負担にするということは、日本の経済の上から言うと、結論的にはきわめて弊害がある。これは本年さらに災害があるかどうかは予測はつきませんけれども、まずそれくらいのことを予定してかかりたいというのが私ども常日ごろの気持であります。そこでむしろこの際どうせ二百八、九十億は使うのでありますから、今日までの現行法でもかまいません。それに都道府県の力を合せて、早く災害復旧はなるべく多く復旧する。そうしてさらに来るべき災害を最小限度に食いとめるというのが、国の政治といたしては私はほんとうのものであると確信をいたしておるのであります。先ほど地方財政の現況を考えてと言われました。もちろん地方財政の現況はよくありませんけれども、そのよくない地方財政でも、実際災害復旧を担当いたしております各府県におきましては、こんな金を日当にしておらない。目当にしてないと言うと、やらないぞと言われると困りますけれども、これ以上の仕事を今日いたしております。私は認証制度について後刻はつきりさしてもらいたいと思いますけれども、今日これ以上の仕事をしておる。それだけの負担をしてでもこの災害はどうしても復旧しなければ、農村なんかのあのさんたんたる状況を見て、これはいや財政の状況によるのだと言つてはおられないのであります。そこでほんとうにこの法律はいいと思つて出されたのか、もう一度言つていただきたい。たつた二十五年度一年やつて、それほどの効果があると思つておられるのか。ひとつ真劍になつて御答弁願いたい。
○荻田政府委員 本年度執行いたしまするこの事業分量が足りないというような、趣旨においてわれわれも同感の点もあるのであります。ただ、それがゆえに地方団体に対しまして、やはり従来通りの三分の一程度のものを負担させますためには、それを地方においてまかなうだけの財源をやはり與えなければならぬ。しかし今度の地方財政の改正及び来年度の地方債の発行計画というようなものにおいては、このような負担をしないという建前でつくつておりますので、もしこれを負担するということになれば、それだけ地方税をふやすとか、あるいは地方債のわくを拡張する。こういう問題が伴いますので、現在国の予算に計上されておるものを従来通り三分の二の負担にしてしまう、それだけではちよつと解決のつかない問題でございます。
○瀬戸山委員 いくら申し上げてもこれ以上はしかたがないから、まあよろしゆうございます。三百億と仮定いたしまして、大体今まで起つております災害は、昭和二十二年度が少し残つて、二十三年度、二十四年度まで三年分がたまつておるのであります。これでどれをどういうふうに按分するという計画を立てておられますか。
○荻田政府委員 大体考えといたしましては、二十四年度発生いたしました災害について残りの三分の一、二十三年度以前のものは半分、この程度を対象にいたしまして、地方の要求を査定いたしこの二百八、九十億のわくに納めたいと考えております。
○瀬戸山委員 私どもは今日までそういうふうなことを考えておらなかつたのでありますが、現在各府県のこういう問題については、地方自治庁できわめて真劍なおせわを願つておる。ですから地方自治庁を通じなければ今は仕事ができないようになつております。ところが今承ると、二十二年度が二分の一、二十三年度も二分の一、二十四年度は三分の一、これが現在残つている分と言われましたが、そういうふうに聞いておいてよろしゆうございますか。二十三年度が二分の一というのは、今日まで起つた災害の二分の一、二十四年度は今問題になつておりますが、今の通りに承つて間違いありませんか。
○荻田政府委員 この配分は面接は安本、建設省あるいは運輸省等で行われますので、われわれは実は間接になるのでございますが、ただいま調べております数字では、今申し上げましたように二十四年度の残つている分が三分の一、二十三年度の残つている分が二分の一、これを今年度の対象にしたい、そういう考えでおります。
○瀬戸山委員 委員長、安本と建設省の方は見えておりますか。
○前尾委員長代理 ただいま要求中です。まだ見えておりません。
○瀬戸山委員 それでは間接だそうでありますから、その点はもう少し打合せていただくことを自治庁に希望いたしておきます。それと同時にこれは今あなたにお尋ねしてもむりでありますから、希望を申し上げておきますが、そういうふうに二十二年度は幾らも残つておりませんが、二十三年度の災害と二十四年度の災害とどういうふうにやるかということについては、全国的に見ますと非常に問題があるのであります。古いからやるという考え方もあります。新しいからまあ一、二年——これによると四年くらい待たなければならないけれども、待つてもいいじやないかと言うかもしれないが、そうは参らないのであります。現在各地に災害が起つており、また災害の二の舞をさらに増大するような状況が展開されております。古い新しいの問題でなしに、実際それだけの経費を入れたならば、ほんとうに災害を防除し、さらに食糧増産、その他経済の復興に寄與する価値があるかどうかということ、で按分して参りませんと、古いから、今日まで待つたから早くやらなくてはなもないとか、新しいから二、三年待たしてもいいという考え方でやられては困る。あなたがやられるのではないが、地方自治庁の方も全国のことをよく御存じでありますから、ひとつ希望を申しておきます。 それからもう一つ。災害の予備費が御承知の通り百億円あるのでありますか、ことし災害があるかどうか、これはわかりません。ない方を念願いたしておりますが、災害国だからこれもやむを得ない場合があります。そこで二十五年度に起りました災害について、本法によつて予備費を全額負担によつてやられるのか。 もう一つ、もし予備費が余つたならば、二十五年度において、二十四年度までに起りました災害に対し、この法律によつて予備費を全額負担で事業をやる方針であるかどうか。これはあなたにお尋ねしていいか悪いかわからぬので、政府に対しお尋ねすることにいたします。
○荻田政府委員 二十五年度に発生いたしました災害に対しては、やはりこの法律によつて全額負担をいたしますことは、私から申し上げられると思います。ただ今あります百億円の予備費が残りました場合、二十四年度以前の分にまわすかどうかという点は、直接関係しておりませんのではつきり申し上げられませんが、そのような措置をとつてしかるべきだと考えております。
○瀬戸山委員 それからこれはわれわれが最も重要な関心を持つている問題でありますが、先ほど田中委員からも聞かれましたので重複するようであります。ただ重複してもこれはみんなそういうふうに思つているのだというふうに開いていただきたいのでありますけれども、技術的なことについては建設省が見えないそうでありますが、大体施設を原形に復旧するということが非常に問題であります。それに常に私どもは直面するのでありますが、いかに災害川があつても今日まで——いわゆる施設ということについての意義を私は專門家から承りたいのであまりすけれども、施設がないから結局災害はない。現にそこらが荒れまくつておつても、何も施設をしてないから災害はない。だから災害復旧をしないという論理学から来たお役所の理論であります。それは別といたしまして原形復旧、これの金の使い方について、今日まで私どもは非常に不満を持つておつたのであります。実際においては、先ほど田中委員も言われましたが、正直に申しますとまことにうまく行つておる。ところがこの法律通りに、これは原形にならなければならない。原形以上だからと云々されると、この金の使い道が実際の効果を現わさないような状況になりがちであります。私は皮肉を言うようで申訳ないのでありますが、これは非常にいい法律だと思つております。たとえば第三條の第一項の第六点「天然の河岸の欠かいに係るもの。」これは天然の施設の原形の復旧ということで、一番適切なおもしろい問題だと思う。「天然の河岸の欠かいに係るもの。」というのは、いわゆる自然の河川であります。国の力か及ばない所に、何と言いますか、未開発地帶がたくさんあるのでありますが、そういうものは入らない。いくら荒れても天然の河岸の欠壞である。これはなぜかと言うと施設がしてない。手を入れないからいつまでも進歩しない。進歩しないから損害が多い。損害が多くてもそれは進歩しないからしかたがない。こういうのが第六であります。それでいいことが書いてある。「但し、特に維持上文は公益上必要と認められる場合を除く。」この法律はなかなかよくできておると思うのでありますが、これはきわめていいことであります。そこでその施設の原形の復旧というのはどういうこどか。天然の河岸には施設がしてないのであります。施設がしてないから、そういうものは入らないのだから、特に天然と書いてある。そういうときに原形を復旧する工事というのは一体どういうものをさすのかということを伺つておきたいと思います。
○荻田政府委員 大分技術的な運用の問題でありますので、建設省の政府委員が参りましたときに、御答弁いたしたいと思います。
○瀬戸山委員 私は先ほどあなたが現行法の通りと書いてありますから、これはいいのでありますと言われたから、こう問題をことさらに皮肉のように申し上げるのであります。かりに三百億円足らずの金を使うときに、天然の河岸をつくるなんて、そんなばかげた仕事は実際にはやらない。そういうときに今日河川改修をしなさいと言つても、日本国中の河川改修はできない。災害にあつたときは元通りにするという、そんなことはできません。そういうときには護岸工事をして、将来に備えるということを現在いたしております。そこで先ほど田中委員も言われましたけれども、第一條の第三項はきわめていい法律であります。この法律をつくつておいて、たとえば——読むのもめんどくさいのでありますが、「災害にかかつた施設を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合」、そういうときには災害復旧事業とみなすというのであります。そうすることが国家のためにも地方のためにも、この金をほんとうに有効に使うのにいいのだと認めて、災害復旧事業とみなすということになつておる。そうして災害復旧事業の負担はこれでやるのだという法律をつくりながら、そのみなした事業に対して災害復旧事業費をやらないということは、どう言われてもわけがわからない。今川の例を出しましたが、そういうときにどうされますか、そういうときに元はいわゆる天然河岸だ。天然河岸であつたところに石を並べたからといつて災害復旧ではない。これは国庫全額負担をやらないのだという議論をしておられるのか、どうか。そういうことをしますれば、これは先ほど言われました地方負担においてやればけつこうではないか。これはりくつではけつこうであります。ところがそれでは金の問題になると、もう金がないし、負担ができないから地方はそうなかなかやれません。ただ元通りにいたしましようといつたのでは、また来年同じことをやらされるおそれがあります。今日この規定が嚴重に施行されるということになりますれば、ほとんど今日やられている改良ということはできなくなります。私はこの法律はあまりいい法律じやないと言つたのは、全国の各府県を全部調べたわけではありませんけれども、全国の各府県が災害復旧事業に対してきわめて消極的になるのです。ですから少くともこういうものを活用してもらいますれば、そういう憂いがなくなるということを私どもは考えるのです。あなたがあくまでもこれを主張されておるが、この委員会でどうなるか知りませんが、考え方をもう少しそういうふうに考えてもらえませんかということを、特に念を押すのでありますが、先ほどの通りの御答弁でありますか。
○荻田政府委員 そういうことをいたした方がよいということは私も考えられるのでありますが、ただ法律を起案いたしましてこの文面で解釈いたしますると、そういう場合は入つていないということを申し上げたわけであります。
○瀬戸山委員 そういうふうなことがよいと思われるのですか。はつきり言つてください。よいと思うけれどもこれは書いたからこういうふうに言いますというのではなく、法律は何も書くのが法律ではなくて、国民を治めるのが法律だと私どもは解釈しておるのですが、怒るわけでも何でもない。お互いに日本人ですからどこをどうすれば一番いいかを伺いたい。
○荻田政府委員 事柄自体はよいと考えておるのでありますが、ただ今まで各省で打合せましてこういう結果になりました。この法文だけでもなく、また予算の使い方からもそういう建前で今度のはできておりますので、一応法文としてはかように書いておるわけであります。
○瀬戸山委員 これは私どもはこれ以上別に追究するわけでもないのでありますけれども、この法律の通りにやられると、災害復旧はきわめて退嬰的になつて来るということははつきりしておりますから、ただ役所のお考え通りには相なりますまいということを申し上げるのであります。しかしそういう考え方はきわめていいと言われましたから七今後の運用においてやつてもらうか、この法律をかえるかどうかの問題であります。これはこのくらいにいたしておきます。 それから第一條の第三項であります。これもやつぱりさつきの問題に関連いたしておりますが、「災害にかかつた施設を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合において」、これは先ほど申しました災害復旧事業となる。こういうふうにあるのでありますが、これはいい規定であります。しかしこういうふうな不適当であるというふうなことは、だれが一体これを認めてさようなことにするのかということを承つておきたいと思います。
○荻田政府委員 この補助金は安本の公共事業費から各省に配分して実行されますので、各省のそれぞれの査定官が調査した判断によると思います。
○瀬戸山委員 そうすると同じく第三條の、いろいろ列挙されておりますが適用されないもの、これには「経済効果の小さいもの」とか、「昭和二十六年度以降に着工してもさしつかえないもの」、それから四に、その工事の施行が悪くて生じたと認められる災害とか、それから五の著しく云々と認められる災害、それからさつき引用いたしました天然河岸の欠壊、但し何とか必要と認められる場合、こうなつておりますが、それもすべてそういうことになりますか。
○荻田政府委員 さようでございます。
○瀬戸山委員 そうするともう現にそういうものをやつてしまつたところもあるのでありますが、それは認めていただくと思います。しかしてそうなりますと、一体この災害復旧ということはきわめて急ぐことは私から説明を要しないのでありますが、しかして昭和二十六年度以降に着工してさしつかえないかどうか、それがまたなかなかむずかしいのです。これはもう経済効果がないとありますが、経済効果が全然ないということが常識でもわかる場合もありましようけれども、これはきわめてむずかしい。特にむずかしいのは四の「明らかに設計の不備又は工事の施行の粗漏に基因して生じたものと認められる災害」、三年前にやつたものが今日災害が起つて損害が生じた、そういうことで争つて、そのために災害を復旧しないということがあり得ると思われますが、どうですか。
○荻田政府委員 これは法律にこのようにはつきりと出ておりますので、いろいろ問題は出て来ますが、実はこの程度の規定をもちまして現在も実行しておりまして、一応それでやつておりまするので、この法律が出ましてもやはりその程度のことでやつて行けると思つております。
○島村委員 どうも先ほどから伺つておりますと、まことにまじめなしかも適切な御質問であると思います。ところが政府委員が見えていないために、私どもも伺いたいと思うことを今伺えずにまことに残念であります。委員長に善処をお願いしたいと思うのです。きようお見えになつている政府委員の御関係の御質問がありましたら、そちらの方面を先にしていただいたらどうか。そして至急建設省なり他の関係方面を呼んでいただきたい。
○前尾委員長代理 先ほどから建設省の関係は呼んでいるのですが、まだ参りませんので、その問題はあとまわしにしてもらつて、ほかの問題から御質問願います。
○田中(角)委員 私も先ほど申し上げたのであり、かつ瀬戸山君からもこの第一條第三項並びに第二條の括弧内のことを申しておるのでありますが、これはこの法律案のまつたく生命であります。そのためにいわゆるいろいろな方面から技術的なものを聞きたいというような考えは私たちもあるのですが、建設省当局その他の現実的なる話は、私たちはお聞きしなくても大体承知しております。それであの法文の表現の仕方では、完全なる法規裁量をやられた場合に、この法律の目的が達成できない。できないというよりも非常に国費の濫費になるのではないかということを考えておるために、できるならば起案庁であるところの自治庁において、この法文を訂正することによつてわれわれの意思が十分にいれられるならばそれでけつこうだ、こういうことを先ほどから繰返して申し上げておるわけであります。 まず第一條の第三項にいわゆる「原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合においてこれに代るべき」、こういつておるのですか、これはこの前に、それよりもなお災害復旧を完全に行う、すなわちより効率的なる改良の限度以内であつたならば災害復旧費とみなすというものを第一條に入れて、そのあとに初めて著しく不適当なる場合、困難なる場合というのが来るのであつて、これは案でありますが、原形に復旧するに要する費用の範囲内において技術的に原形復旧するよりもより以上の効果を攻め得ると認める新しい計画によつて事業を行う場合、これもこの費用の範囲内であつたならば災害復旧費とみなす。いわゆる原形復旧という字句を使うのは、こういう制限規定がないと、どこまで行つても国家が全部この法律でやるのだということで、地方自治体関係でやらない場合を恐れて、こういう制限規定をつくつた、しがしこの制限規定をつくつたために法律の根本目的が達成できないということになれば、これは法文がこまかくても、私はそういうものを規定しなければいけないと思う。そういう意味においては原形復旧というだけでただ簡單に片づけてしまわないで、原形復旧に要する費用の範囲内で、この法律の目的を達成せしめるような事業もこの内容に含むというように、どうしても改正してもらわなければ、私はこの法律に賛成するわけに行かぬと思つておる。これに対して起案庁がどうしても出したからと言われるのか、それとも、私もその方が妥当であるとおつしやるのか、その考え方をお聞きしたいと思います。
○荻田政府委員 私御質問の趣旨を取違えたかもしれませんが、あくまでも経費といたしましては、原形復旧するために要する費用の範囲内において——原形復旧でなくて、それにかわる施設をした場合、原形復旧の費用の範囲内までは負担する、こういうのであります。
○村瀬委員 簡潔に要点だけをお尋ねいたしますが、私はこの法律案は起案者の方で一字何か落されたのではないかという感じがいたすのであります。田中、瀬戸山両委員がすでに御質問になつたところでありますが、第一條の第三項に幅を持たせて、災害復旧事業とみなすというのは非常に上出来であります。ところがこの上出来な箇所を、第二條の括弧内で打消しておる。ところがこれは著しくという字が一宇落ちたのではないかと私は考える。第一條の三項に[災害にかかつた施設を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合」とこうあります。 〔前尾委員長代理退席、委員長着席〕 そうすれば、この「著しく」を第二條に持つて行つて、二ページの終りから三行目のところの、「当該施設を原形に復旧するものとした場合に要する金額を著しく超える場合においては、」とあそこへ「著しく」を入れてもらえば、第一條と第二條と非常に首尾一貫して、この法律の運用が円滑に行くのであります。この「著しく」というのが第二條にたつた一字拔けているために、仏つくつて魂入れずというような法律になつてしまう。そこで、これは何かうつかりお落しになつたのであるか、この原形復旧というせつかくの第一條と第二條の思想を、この第二條では一銭一厘も厳重に原形復旧ということを解釈するというお考えでは、この法律は生きないのでありますが、この点、どういう起案者の御意見であつたか、お伺いいたします。
○荻田政府委員 これを起案いたしました際の心持では、この第二條の方は、著しくとか何とか言わずに、一応原形復旧に要する経費を正確に押えまして、その範囲内と考えておりました。
○村瀬委員 第一條では、著しく困難または不適当なときには、これを原形復旧とみなすが、いよいよ金を拂う段になると、せつかくしておつてもそれは認めないということでは、さきの田中、瀬戸山両委員が言つた通りでありまして、これでは困ることになります。しかしこれは大分質疑応答をいたしておりますから、これ以上あなたにはお尋ねいたしませんが、しからば現行災害復旧費国庫負担の規定は、この法律が施行されても、この法律に規定されない範囲については存続するものと考えますが、それは政府はどうお考えでありますか。
○荻田政府委員 二十五年度のこの法律に関しまする部分だけでございまして、ほかの法令が残つでおりまして、これと別のことがありますれば、この方が理論上は適用になることになつております。
○村瀬委員 この法律に規定されない範囲については、現行災害復旧費国庫負担の規定は存続するとはつきりと御答弁になりましたが、そういたしますと、第一條によつて施行いたしました分で、第二條の括弧内の金額を越えた部分については、三分の二の補助とはつきり出す、こう御答弁になつたものと解釈いたしますが、間違いがないかどうか、いま一応伺つておきます。
○荻田政府委員 その点は従来も運用の問題があつたかと存じますが、建前といたしましては、これと同じでございます。
○村瀬委員 これと同じというのは、私の意見と同じという意味と私は解釈いたします。そこで、これが実際運用に当つて会計検査院等の問題が生ずるのであります。二十五年度提出予算には改良費の計上してないことは田中委員がさきに申し上げた通りであります。そういたしますと、それに対するあなたの御答弁は、それは二十六年度で、予算ができてからやつたらいいだろうというような意味の御答弁もあつたと思うのでありますが、さようなことは実際の全国各地の災害地をごらんになれば、二十六年度まで待てとか、そういうものはあとにまわしていいというようなことは言えるはずのものではないのであります。この点、もう一度御意見を承りたい。
○荻田政府委員 過去の災害に対しましても、今年の災害に対しましても、必ずしも現在計上しております額が十分とは申し上げられませんが、さしあたり予算等の関係で今年度はこの程度でございますので、それ以上のものは二十六年度において考えるよりいたし方がないと考えております。
○村瀬委員 幾らかあるが、それに足らぬ分は来年度でやらなければならぬということなら、その通りであります。私の聞くのはそういう意味ではないのであります。先ほどあなたの全体の御説明の中に、一応第一條で、災害復旧とみなして、相当の、災害復旧以上のこともやつてもらうけれども、第二條で、金を拂う段になると、それをはつきり二つにわける。そうして災害復旧の正確な限度内のものを全額負担とし、それを越えたものは改良事業費等によつてやつてもらうというような御説明がこのプリントにあるわけです。ところが改良事業費というものの予算の計上はないのであります。そういたしますと、ある部分はやつて、足らぬ分だけ三十六年へ延ばすという性賀のものとは違うのであります。そこで最初にお尋ねいたしましたこの法律が適用実施されても、現行災害復旧費国庫負担の規定を存続するのかといえば、それは存続するのだと言われる。その間どのように理解してよいのか、もう一度お伺いします。
○荻田政府委員 先ほど現行の制度は、この法律の範囲外のものはやはり残ると申し上げたのでありますが、この原形復旧以上のものにつきましても、先ほどこれと同じだと申しましたが、それは提出されております法案と同じでございまして、建前としましては、やはり原形復旧以上のものは補助しないという施行令でございますか、省令でございますが、そういう規定によりまして、運用されております。
○村瀬委員 ますますたいへんなことを伺うのでありますが、まつたくこの法律そのものが死文と化するようなものではないかと思うのであります。一応必要な額の災害復旧を、嚴密な意味の災害復旧を少々越えてやつてよろしいといつて、第一條で喜ばしておきながら、第二條では一銭一厘までもさつとこれを厳格に災害復旧の限度にとどめてしまう。そしてそれ以上は全然これの対象にならぬというようなことにもしなりますならば——先ほどあなたはそうはおつしやらなかつたのでありますが、もしさようなことになるといたしますれば、これは運用にあたつてゆゆしき問題が起ります。そこで当然これはその差額の分につきましても、現行災害復旧費国庫負担の規定を準用すべきである。なぜならば、第一條にちやんとみなすとあるではないですか。その差額も災害復旧事業とみなしておるのです。みなしておきながら、第二條へ行つて、それはびしつと災害復旧の限度で切つてしまう。それではみなすというのはどういう意味なんですか。みなした以上はその差額の分についても、全額はもらえなくても、三分の二は当然もらえるはずであります。もう一度はつきり御答弁願いたいと思います。
○荻田政府委員 先ほど申し上げましたように、現行の規定そのものが、やはり原形復旧以上のものは補助の対象にしないということになつておりますので、この点におきましては、この改正法律も現行制度も同じございますので、この改正法律を適用すれば、従来の法律を適用する余地はないのでございます。
○村瀬委員 問題がぼやけますから簡單にお尋ねしますが、災害復旧事業とみなすとここへ書かれたのは、それではどういう意味ですか。
○荻田政府委員 この法律の適用につきまして、これを災害復旧をみなす、こういう規定でございます。それからやはり現行制度でも、そういう工事額は災害復旧費と見るのでありますけれども、それ以上のものは負担しないということが書いてありまして、やはりこれは現行法も、この改正法律案と同様のことでございますから、別に従来の法律を適用する余地はないのでございます。
○村瀬委員 こういうことで時間をつぶすことは惜しいのでありますが、とにかく災害復旧費と一応みなしておいて、金を出すときには災害復旧費とみなさぬ、さような矛盾なことはたといほかの法令がどうあろうと、それは法律じやありません。さようなことでは、国民に対して正しい遵法精神を強要することはできません。 そこでもう一つ最後に伺いますが、現行災害復旧国庫負担の規定が存続するものとあなたはお答えになつたのでありますが、存続するのでありますから、その法律で全額負担の基準から漏れておるものは現行規定によつて補助し得ると当然考えられるのであります。たとえば北海道の水利組合等の地方公共団体以外のものの所管する工事に対する補助等は従来あるのでありますから、これはその通り了承してさしつかえございませんか。
○荻田政府委員 出しました法律の解釈といたしましては、この法律の対象になつているものにつきましてはあくまでこの法律によるのでありまして、この法律の対象以外のものは従前の規定が適用になります。しかしこの土木災害につきましては、一応全部新しい法律がカバーしておりますから、その分に関する限りにおきまして従前の法律の働く余地がないというふうにわれわれは考えております。
○村瀬委員 どうも御答弁は焦点がぼやけてしまつてはつきりしないのでありまして、私は非常に満足ができませんが、もう一点だけ申し上げておきます。 第一條の第四項でありますが……。(発言する者多し)
○川野委員長 靜粛に願います。
○村瀬委員 「一の施設について災害にかかつた箇所が二十メートル以内の間隔で連続しているものに係る工事」、それから「二十メートルをこえる間隔で連続しているものに係る工事及びこれらの施設の二以上にわたる工事で当該工事を分離して施工することが当該施設の効用上困難又は不適当なものは、一工事とみなす。」とありますが、一市町村内で工事を分離して施工することは当該施設の効用上困難であり、また不適当だと存ずるのでありまして、一市町村内ではこの文章が適用されると思う。すなわち一市町村内ではたとい何箇所にわかれておつても、それは一箇所として施工するのが当該施設の効用上適当であり、困難がなくなると思うのでありますが、さように御解釈になつておりますか。
○荻田政府委員 大分技術的な点でございますので、やはり建設省の政府委員から御答弁申し上げた方がよいかと思いますが、一応この法文を書きましたのは、やはりこの文面通り一市町村内とか何とかいうことは考えておりませんで、その工事の状況によりまして、二十メートルを越える間隔を連続しておつても、当該施設の効用上困難または不適当なものは一箇所の工事とみなす、ただ工事を施工する団体自体が、府県の場合でありますれば、数県にわたり、市町村の場合であれば、数市町村にわたる場合にはこれを適用しない、こういうふうに解釈しております。
○井手委員 ただいまの村瀬さんの御質問に対する答弁が不明確でありますから、こういうふうに解釈していいかどうか、ちよつと伺います。 第一條の災害復旧事業とみなすということは、災害復旧を含む原形工事がありましても、その工事は災害復旧とみなしてやる、経費は災害復旧の限度しか出さないのだというふうに規定してあると思うのですが、どうでしようか。
○荻田政府委員 その通りであります。第二項によりまして、災害復旧工事の定義を書きましたが、そこに「災害にかかつた施設を原形に復旧することを目的とする」、と書いてありますので、この三項を書きませんと、たとい金額は範囲内でありましても、別にかわつた工事をいたしますと、それがこの対象から除外されますので、それをはつきりしたわけであります。
○井手委員 でありますから、この補助の対象とする工事は、たとい災害復旧の原形復旧でなくとも、そのときの事業は災害復旧とみなすという、その事業をみなすのであつて、経費はあなたの言うように、災害復旧の限度でやるというふうに説明なさつたらあるいははつきりわかりますが、私はそう解釈します。そうすると、その対象ということに非常に疑問を持つて来ますから、その事業の対象とは何か、こういうこと疑議を持つて来て、論点がそこに集中されると思います。どうもその解釈、答弁の内容がはつきりせぬようですからお伺いしているわけです。でありますから、事業は原形に復旧のものでなくても災害復旧にみなす、しかし金は原形復旧も災害復旧の金しか出さぬというように詳細にお答え願いたい。そう答えればはつきりします。
○荻田政府委員 たいへん私の説明が惡くて時間を空費して相済まないのでありますが、その通りでありまして、工事自体はどのような工事をしてもいい、金額はその限りというわけであります。
○川野委員長 それでは本日はこの程度にいたしまして明日午前十時から連合審査会を再開することにいたします。 これにて散会いたします。 午後零時四十一分散会