大蔵委員会運輸委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/03/04
会議録
○川野委員長 これより大蔵委員会、運輸委員会の連合審査会を開会いたします。 私が連合審査会の委員長の職務を行いますから、御了承願いたいと存じます。 通行税法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。まず政府より本案の趣旨について説明を求めます。
○原(純)政府委員 おさしずによりまして、通行税法についての改正法律案の趣旨を御説明申し上げます。 皆様御存じの通り、今回の税制改正は非常に大きな改正でありますが、その一つの特色として、流通税的な部面、財貨の移動、経済的な価値の移動にかけるという面の税が、かなりに整理されて参るという特色がございます。取引高税の廃止もその一つでありますし、有価証券移転税の廃止もそれでございますが、通行税につきましても、これは流通税と見まするか、あるいは直接消費税と見ますか、おそらく両者の混合した性格を持つておると思うのでありますが、シャウプ勧告におきまして、強い勧告としてではありませんが、あまり望ましい税ではないという趣旨が述べられております。政府もこの趣旨を考えまして、なるべく廃止いたしたい。但し現在の各般の税負担の状況から考えますと、一等、二等の消費という部分におきましては、やはり或る程度の課税をする方が、全体の税負担の権衡において適当ではないかというふうに考えまして改正法案におきましては、従来運賃部分について五%であり、寝台、急行料金については二割であつた税を、三等については寝台にはかけますが、その他はかけないことにいたします。一等、二等については、運賃部分につきましても、また料金部分につきましても、全部二割の税率でかけて参ろうということに考えたわけであります。これが今回の改正の中心であり、それ以外の点におきましては、いろいろ條文をいじくつておりますが、これは所得税その他の法律においてもやつておりますところの加算税、追徴税関係の規定の整理、あの関係のいろいろな税がかわつて参ります。利子税、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税というような新しい体系になつて参りますので、そういう関係の規定を盛り込む。罰則の関係においても、同様課税との権衡を保ちながら、若干の改正を行うというようなことでございまして、中心はただいま申し上げた通りであります。 これが改正法案の大要でございまして、これによつて税収は相当に減少して参ります。二十四年度の予算においては、補正予算において若干の減を見まして、ただいま四十三億という数字が補正後の予算額に相なつておりますが、これが今回の改正によりまして、二十五年度は十億ということにいたしております。この十億も、従来の税率によりまする二十四年度の残りが、若干入つて来るということを考慮してのことでありますから、新しい税率になりましての平年度額というものは、六億あまりの額に相なつておるわけであります。これが国有鉄道初め各運輸関係において運賃政策とからんでどう処理されますか。その辺われわれも大体の線においては、たとえば遠距離逓減とか、定期券の値下げであるとか、一、二等の運賃の三等運賃に対する割合の改正であるとかいうようなこと等を承知しておりますが、これは別途関係の方から御説明があることと考えております。大要ただいま申し上げた次第であります。
○川野委員長 これより質疑に入ります。岡田五郎君。
○岡田(五)委員 まず通行税の税率のことについて、一、二御質問申し上げたいと存じます。今回の通行税法改正に基きまして三等普通旅客運賃並びに急行券に対する五%の税率を削除されたことについては、まつたく私ども同感の意思を表し、また賛意を表する次第でございます。ただこの二等、一等の普通旅客運賃に対して従来五%であつたものが、二〇%に引上げられたことについての政府の考え方について、詳細に御説明願いたいと思います。 私から申すまでもなく、通行税はもうすでに政府当局においても御承知のように、事変に関連する特別税的な性格を持つておりまして、過去の歴史をひもといてみましても、事変直後、または事変中に創設されたような経過を持つておるようであります。幸いにして大正十五年から昭和十三年まで、悪税として全廃されたという過去の経過から見ましても、人によつては通行税というものは悪税—というと言葉は強いのでありますが、悪税の一種に数えられておつたのではないか。かような税はこういう時節には、むしろオール・ナッシングの方に行くべきではないか、かように考えるのであります。幸いにして三等についてナッシングになつた。しかるに三等、一等において残された。この残された根拠が、税負担力によるものであるか、またはシャウプ使節団の税制報告によるぜいたく税としての旅行に対する特別のものであるから、これに高率の課税をした、こういう意味なのか。その辺のところをさらに詳細に御説明願いたいのであります。 また私の観念では、一等はともかくとして、国鉄における二等というものは、私はぜいたく消費としての旅行と考えるべきではなく、むしろ三等と同じような普通旅行と考えるのが当然ではないか。幸いにいたしまして、国鉄の方も二等車の増をはかり、ことに来年度の計画に基きますと、三等車の増備はむしろ差控えて、一等、二等車を新設、増配するというような形になりまして、遠からず国鉄の各線に三等車が連結せられまして、二等旅客ほ普通旅客として扱われる可能性を信じておるのであります。おそらく昭和七、八年ごろの二等車の状態になると考えるのであります。このような観点からいたしますと、二等についてはむしち普通旅行と考えて、免税をされるべきではないか。かように考えるのでありますが、この点についての政府の御意見を承りたいと思うのであります。
○原(純)政府委員 税の問題について、いろいろ関係の方からただいまのようなお話を伺うのでありますが、一一ごもつともだと存じます。ただわれわれとして、税の体系的なバランスをとつて参るという上におきましては、何さま結論として日本の経済の貧しさ、それからそれによつておるところの財政の苦しさというものが、いろいろな税の面において、個々の立場から見れば、まことにもつともなお話が、必ずしもすぐに実現し得ないとしうことになるのを、常に心苦しく思つておるのでありますが、ただいまのお話も、まさにその一つの例だと思います。日本もだんだん復興が進み、すべてがゆたかに、ゆるやかになるにつれましてそういうお考えが税法の上にも通つて参るという時期が必ず来ると思いますし、それが一日も早く来ることを期待するのでありますが、何さま御存じのように、一番大きい所得税におきましても、基礎控除、各種控除、税率等にいたしましても、ただいま御指摘のありました一、二等の二割の税率と比べて、はたしていかがなものかという見地におきましては、われわれとしてはさらに大きな問題がその面にあるのではないかと思う。また一例を申しますれば、物品税等におきましても、いろいろな関係からお話がございまして、一々ごもつともに存じながら、やはり全体の財政の要求からいたしまして、また税全体から、所得税の方もいたしたい、法人税の方もいたしたいということを考えますと、物品税は先般相当廃止ないし軽減をいたしましたが、その程度にいたしたい。そういたしまして改正いたしました後におきましても、時計であるとか、楽器であるとかいうものが、三割五分という税率で残つているような実情でございます。これを皆様に押しつけがましく申して、それだからというつもりではございませんが、われわれとして、そういう全体のバランスの中で考えます。と、少くとも現在の状況においては、一等、二等の消費というところには、この程度の担税力を期待してよろしいのではないかと考えました次第を、御了承を願いたいと思うのでございます。将来だんだんと財政全体が楽になり、歳出も切り詰められて減税財源が相当出て参ります場合には、こういう関係も当然問題になつて来るかと思うのでありまするが、ただいまわれわれの考えますところでは、この程度のところまではいたし方がないのではないか。従いましてお話の二等車がだんだんふえて、みな二等車に乗れるという時代になることは、非常に望ましいし、またそういう時代になつたならば、通行税のみならず、全体の税負担なり税の体系というものも、すらつとして来ると思うのでありますが、しばらく再建期の日本経済ということをお考えいただいて、御了承願いたいと考える次第でございます。
○岡田(五)委員 今政府委員の方からいろいろお話がありました。そのうち、担税力の点でしんぼうしてもらいたいというお話があつたようでありますが、私は二等旅客の担税力についても、政府委員の方と多少意見を異にしておるのであります。と申しますのは、現在鉄道旅客運賃の二等は三等の三倍であり、一等は三等の六倍という、実に世界にまれに見るといいますか、ほとんど見られない等級の差をつけておるのであります。これは申すまでもなく戦時中の輸送状況、戦後の輸送状況という特殊な事情を勘案してかような率になつたと思うのでありますが、幸いにして今回政府におきましても、一、二等の賃率の改正を考えておられるようであります。それによれば、二倍、四倍ということになつておるようでありますが、大体世界の例を見ますと、二等は三等の一倍六、七分あるいは一等は三等の三倍というのが、一等、三等客の普通の負担力ではないかと私は考えるのであります。かような水準に向つてこのたび旅客運賃を改正されるようでありますが、かような点から見まして、二等客の担税力を一等と同様に考えるというところまでまだ行かぬ、と言つてははなはだ失礼ですが、戦時中の特殊な変態的な考え方で、二等、一等を考えておられるのではないか、かように私は考えるのであります。かような点から行きましても、この二等の旅客運賃、普通旅客運賃につきましては、シャウプ使節団の報告書の趣旨に基きましても、少くとも免税または税率の低下をはかるべきではないか。万歩を讓つても、少くとも二等旅客運賃は現行の百分の五を適当とするのではないか。私はかように存ずるのでありますが、これに対する政府委員のお考え方をお聞かせ願いたいと思うのであります。
○原(純)政府委員 確かにお話のように、一等と二等の消費の内容が違うという考え方はあると思います。そしてそれによつて税率に差をつけるということも一つの御意見だと思います。しかしながらまた一等、二等は、運賃率自体において相当の開きがつくというのが実情でございます。これに低率の税をかける、従つてそれによつて結果として出る負担額に差がつく。率においては違わないが、絶対額において差がつく。これをまた率においても累進すべきだということも、一つのお考えだとは思いますけれども、はつきりと等級によつて賃率に差がつくという場合においては、一本の率でやつて参るということも、また一つのやり方ではないかと考えます。他の物品税その他におきましても、同じ漆器類と申しましても、漆器の中には、非常に高級なものから、ごく大衆的なものがあるわけでございまして、一つにはこまくやりきれないということもございますが、大体において高級なものは原価が高い。それに三割の税率をかけてやれは、税負担として何らかそこに権衡がとれはせぬかという考え方も入つておるわけであります。一つのお考え方と思いますが、特に運賃の場合におきましては、一等、二等というものは、ぺースにおける運賃に相当の開きができますので、これに二割という税率一本でやつ行つて、さしつかえないのではないかという考えで、お手元に御提案申し上げた次第であります。
○岡田(五)委員 二等に対する考え方の相違で、いくら議論しても相いれることはなさそうでございますが、御承知のように、現実をごらんになつてもおわりになりますように、国鉄において一等を連結しているのは、東海道線、山陰線、山陽線、北海道線等の主要幹線だけでありますが、二等につきましては、主要線にほとんど連結しておりますし、今後においては各支線におきましても、二等をつける計画をしておると思うのであります。また二等に乗られるのは、ぜいたくという考え方よりも、むしろその人の地位、身分ということによつて、二等に乗られるととが普通であるという階級の人、また年齢の人が乗られるのであるから、三等が大衆的だと一概に観念的に解釈するのは、どうかと私は考えるのであります。少くとも二等に乗られるには、二等に乗られるだけの社会的身分、または年齢的な普通性を持つておると思うのであります。かような意味におきまして、私は先ほども申し上げましたように、この際百分の五であつたものを何も百分の二十に上げる必要はないのではないか。ただ政府当局は、旅客運賃が三等の三倍であつたのが二倍になつたから、それだけ税でとるのだ、こういうお考えがあるために、百分の五を百分の二十に上げられたのではないかと想像するのでありますが、この辺のところをざつくばらんにお聞かせ願いたいと思うのであります。
○原(純)政府委員 先ほど申し上げましたように、一、二等に二割の税率でとるといいますのは、今回の改正に際して、あらためて従来の通行税のあり方を考えまして、先ほど申し上げましたような、財の流通移転についての課税、それからシャウプの勧告を考え合せまして、あらためて一、二等の消費の実態、三等の消費の実態ということを考えまして、二割という税率をきめたわけであります。もちろんその際運賃問題との関連もございます。そして通貨が全体として調整されるということについても、われわれもちろん承知しておりましたし、それが考慮の一つのフアクターになつたということは、おつしやる通りでございます。ただ結論としては税はやはり汽車に乗る、船に乗るという消費の実意を考えて、それが他のいろいろな消費なり、行為なりと比較して、どの程度のものであるかという観点に立つて、きめるべきであろうというような考え方から、結論自体は出したつもりであります。
○關谷委員 私、シャウプ勧告案によりまして、通行税なるものは全廃せられるのであろうと考えておりましたところが、高率な通行税がかけられたということに対しまして、意外な感じがいたしておつたものでありますが、先ほどの政府委員の御答弁を聞いておりますと、大体十億を見込んでおるが、それには二十四度分の残りの徴收せられるものもあるので、実際には六億程度しか見ておらないのだ、こういうふうなお話を聞きまして、この通行税が悪税であるがゆえに、あるいはいろいろの困難に遭遇して、これを撤廃あるいはいろいろの困難に遭遇して、これを撤廃あるいは割引をせられるというようなことを頭の中に置いて、予算を組まれておるというようなことが想像し得られるのでありまして、この点一抹の悪びと申しますか、希望を持つておるものであります。ただいま鉄道関係において岡田委員より、二等は税金を全廃してはどうか、こういうふうな御意見さえ出ておるのでありますが、鉄道運賃に関しましては、今回等級の倍率が修正せられることに予定せられておりますので、大体この通行税を附加いたしましても、それは倍率の変更によりまして、現行運賃から見ますと割引をせられることに相なりますので、この点は私たち岡田委員の説から一歩譲りましても、やむを得ない、こういうふうに考えられるのでありますが、この船舶の航路関係の旅客運賃に対しまして、一律に百分の二十という二割の税率を附加することは、まことに不合理でありますので、その点全廃していただきたいということを、まずもつて政府当局にお願いを申し上げておきたいのであります。以下それに対します理由を申し上げ、政府の考え方をお尋ね申し上げたいと思います。 大体昔から社会通念と申しますか、鉄道を利用いたします際に、三等を利用いたします人が、船舶に乗ります場合には二等に乗るということが常識になつておりますし、官庁あたりの旅費規程につきましては、政府委員などはよく御承知であろうと考えますが、それによりましても、汽車では三等に乗れとしうようなものも、汽船は二等に乗つてかまわないということに、旅費規程も定められておりますので、鉄道の二等と船舶の二等と同じように考えることは不合理であります。この点から考えましても、まず第一に船舶の二等運賃に対する通行税は、廃止してしかるべきものと考えておるのでありまうが、これに対しまして政府当局の御意見をまず承りたいと思います。
○原(純)政府委員 事柄は先ほど来申し上げております消費の実態というここにかかつて参ります。率直に申しまして、われわれもそういう面で非常に豊富な経験といいますか、認識を持つておるというわけではございませんが、せいぜい消費の実際の状況を各方面で開きまして考えました結果が、船舶も一、二等にかけるという結論になつたわけであります。この辺はあるいは御意見と考え方が違うということで、非常識だというおしかりをいただくかもしれませんが、われわれが見ましたところでは、船舶でもやはり三等と二等の開きというものは、相当に違うように考えられます。汽車の場合とそう根本的な差はなかろう。それから運賃等にいたしましても、やはり国鉄の各連絡船、あるいは私営の船舶の運賃を調べてみましても、二等は三等の三倍というような傾向に相なつておるというところを考えまして、まずこの間に線を引いて行くのが適当ではないかというふうに考えたわけでございます。これはお立場によつて、また見方によつて、いろいろ結論の違うものが出て来るものであるということはよく承知しておりますが、われわれはそう考えて御提案申し上げた次第であります。
○關谷委員 どうも原政府委員は、この船舶と鉄道というものの区別はあまりお知りにならぬような——と言つては失礼でありますが、そういうふうなものではないかと思うのです。大体旅費規程あたりもそういうふうになつておることは、あなたもよく御承知でありうと思います。それから今回の場合におきましても、鉄道運賃あたりは二〇%の税率をかけましても、一等、二等は税率の引上げによりまして、三等との比率から申しますと、三等の一に対しまして二・四であり、四・八ということになりますので、現行運賃よりは引下げになるのでありますが、船運賃は今回のこの通行税をかけられますと、値上げになつて参りまして、値下りをする余地はないのであります。ことに現在のこの海運界の状況をよく御認識願いたいと思います。大体政府は戦時中に、油をたきますところの船が非常に多かつたのを、燃料事情のためにそういうようなものを打切りまして、石炭だけを非常に奨励いたしておるのであります。ところがそれらの船は石炭が高値であるために、現在においては非常に欠損をいたしておるのが実状であります。一例を別府航路にとりまして、收入と支出というものを考え合せて見ますと、一航海に対しまして三、四十万円の欠損が出ておるような状態に相なつておるのであります。その非常に苦しい海運界が、なお今度の運賃値上げになりますと、鉄道の方が非常に安くなつて来る。そのために旅客が鉄道の方に集中せられるここになつて参りますと、海運界は非常に衰微をして来ることになるのであります。日本の復興のためには、海運の復興がまず前提であるということは、海運界の実状を知られないまでも、その重要性ということはおそらく認め得られるのではないかと思うのであります。ことにまた現在造船あたりにおきましても、世界各国の状態と比べまして、日本の造船の価格が非常に高い。なぜ高いかということを申しますと、鉄鋼関係が日本においてはトン四万二千円のものを使わなければならないのに、世界の各国においては二万一千円という半額程度のものでやつておる。そこで造船価格においてさえ競争ができないために、日本の海運界は再び立ち直る機会を失うのではないかと、非常に懸念をいたされておるのであります。この通行税の廃止によりまして、海運界がこうむる利益はきわめて微細ではありまするけれども、海運界を復興せしめるということを、親心として大蔵当局も将来考えていただきたいと思います。この税の負担におきましても、幾分なりとも日本の海運を復興せしめるのには、このような税率をかけたならば、日本の海運の復興をますます遅滞せしめるものであるというふうな考えを持つていただきまして、どうしても船舶に対しまする通行税は全廃してほしい。こういうふうに考えるのであります。この点に関しまして政府がどのような御見解を持つておられるか、承つておきたいと思います。
○原(純)政府委員 事柄は具体的な資料と事実を判断すべき問題であると思います。われわれこの通行税一、二等二割というものは、海運にそれほど大きな打撃というところまでの考えを持つておりませんが、なお十分そうした関係のポイントを研究して、将来の問題として善処したいということは考えますが、ただいまのところ今回といたしましては、お願いいたしておりまする改正案でやつていただくということで参りたいと思います。別途御指摘の点は十分お考えを頂戴し、また関係の方からいただいて研究はいたしたいと存じます。
○關谷委員 御答弁は何やら将来において考えるというふうなことで、現在は考えないということでありまするが、ことにこれはあまり大きな打撃にはならないと考えておられるということは、もつてのほかであると思う。大体海運界が現在非常な赤字を見ておる。このような状態では将来海運界の発展は望まれない。日本の海運の復興を遅らせるものである。何とかしてこれを補助をしなければならないということは、大体海運界全般が要望いたしておるのでありまして、この赤字が出ておるのを何とかの方法で、幾分でも軽減してもらいたい。そうすれば自分たちも耐え忍べるだけのものは忍んで行こうということで、今海運を復興することにつきましては、非常な努力が拂われておるのであります。大蔵当局は何らそういうことは意に解しておらないように受取れるのでありますが、大した影響がないということは、もつてのほかだと思います。よく海運の状況を研究せられて、この通行税を廃止するという方向に向つて、ぜひとも御努力を願いたいと思います。 なお先般観光ホテル法案が通過いたしました際に、あの観光ホテル関係においてすら、いろいろ地方税等でこれを軽減するという方法を講じておるのであります。そういう観点からいたしまして、この日本の海運界を復興せしめる上に、これが通行税を廃止するということは、何らむりな感じはないのでありまして、観光の場合と同様に考えて、そうして税負担の軽減をはかるのが当然であるが、大蔵当局としましては海運界の復興ということに対しまして、あまりにも認識がないということを、まことに遺憾に存じておるのでありまするが、多少でもこういうふうな通行税が、海運の復興を遅らせるものであるということを考えられたならば、早急にこういう悪税は廃止してさしつかえないのではないか。その例は、これは通行税ではないのではありまするが、同様な性質で、観光ホテル法に対しましても地方税が設けられておりまするので、ぜひともこういうふうな方法に向つて進んでいただきたいと考えるのでありますが、この点もう一回大蔵当局の御意見をはつきり承つておきたいと思います。
○原(純)政府委員 先ほど申し上げました船に二割の通行税をかけても、大したことはないというふうにとられたとすると、それは申し上げ方が悪かつたわけでありますから訂正いたします。通行税は旅客が通行する、それの運賃料金にかけるというものでありまして、海運会社にかけるのではないというふうに考えます。ただそれがあまりに賃率を高くするという場合に困るというお話であろうと思います。その点は物品税その他と同様に、ただいまのきゆうくつな経済において、いろいろ問題があるということは存じておりますが、全体の海運の收入というものと旅客收入というものとの比率の検討におきまして、私そう非常に圧倒的な比率を占めるのではないというように考えて申し上げたわけであります。 それから海運振興のために、税において特別な措置をしろという御意見であります。これは一つのりつぱな御意見だと思いますが、率直にこの際各産業振興のために、課税上措置すべきかどうかという点に関するわれわれの一応の考え方を申し上げておきたいと思います。 先般の観光ホテルの場合におきましても、率直に申しましてわれわれは非常に大きな疑問を持つておりました。と申しますのは、一特定部門の産業を振興いたさせますために、免税をする等の措置を講じますことはやつております。やつておりますが、原則としてこういうことはあまりいたしたくないという考え方を持つております。それははつきりと国が保護助成をするという形において歳出においていたし、そうしてそれの補助の効率、その結果というものを常に見守るような形において行われることの方が、單に免税ということで、いわば消極的な形であり、それのあとづけというものも十分に行われにくい実質上の補助という恰好でいたしますよりも、そういう積極的な歳出の面で見る方が、ほんとうではなかろうかというように考えておる次第であります。現行法でも若干そういうものが入つておりますけれども、あまりに強くそれを打ち出して参りますと、税体系全般が非常に乱れて参るということの方が、実体的な補助自体が十分な効率を上げるかどうかに、疑問を生ずるというふうな考え方をいたしております。
○關谷委員 どうも海運の実体ということを、まことに御認識がないということがよくわかりましたが、これ以上あまり多くを申し上げてもと思いますが、船にかけるのでなくて旅客にかけるのだ、こういうことでありますが、旅客にかけることが結局船にかかつて来るのだということは、海運界の者でありますならば、これは常識的に考えておるのであります。たとえばこの際鉄道が倍率を変更いたしまする際に、別府、大阪間あたりを見ましても、船舶でありますと一等が三千六百六十円、二等が千八百三十円、三等が六百二十円、こういうようになつて参りますが、鉄道は二千六百二十円、二等が千三百八十円、三等が相匹敵する六百二十円、こういうふうなことになつておるのでありまして、旅客にかけることは、おそらく税を論ずる者は皆わかつておるのでありますが、その結果全部これが鉄道にまわつて参りまして、船舶に乗り手がないというような状態になることは間違いがないのであります。今度の税率を適用しますと、そういうふうな数字になつて参るのでありまして、この海運界の不況の時代に、何とかして将来外航配船というようなこともにらみ合せまして、海運の復興をはかりたいと念願いたしております者から見ますと、今回の税負担が赤字の上にもう少し赤字を持つて来るということになりますので、非常に苦しいものであるということだけは私繰返して申し上げて、将来の御参考に供したいと思います。なお大体船の通行税によつて、一等でどれだけ、二等でどれだけの收入を見込んでおられるか、その数字的な説明を承つておきたいと思います。
○原(純)政府委員 全部の計で一等、二等と出ておりませんが、大体めのこで出してみます。これは平年度計算であります。先ほど申し上げました二十四年度からの繰越を除きまして、平年度六億五千九百万円というものを基礎にして考えております。そのうちで一等分が運賃料金額を合せまして二億五千九百万円、それの一割で五千百八十万円というのが税額になります。それから二等分の運賃料金が主十億三千七百万円になります。そういたしますと、二割で六億七百万円、六億五千九百万というのが平年度の合計でございます。今年度は十一箇月分と前年度からの繰越分を見て、十億四千二百万円ということに見積つております。
○關谷委員 本年度分は六億というようなことになると、船舶だけですでにこの予算両に達するというふうなことになりまするので、予算の面から申しましても、この通行税を変更して、これを全廃したからと申しまして、別に鉄道の方がありますのでさしつかえない。六億しか見てないのでありまして、鉄道の方でもそういうふうなものが出て来ると思われますので、別にそれだけしか組んでないというふうなことになつて、予算的な措置が不必要であるという、面から申しましても、ぜひとも船舶の旅客に対しまするところの通行税というものは、全廃していただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を打切りたいと思います。
○米窪委員 大体私が質問申したい点は、岡田、關谷両君によつて盡されております。この際政府の所信をただしたい点は、この問題に限りませんが、政府の政策が一致しておらぬ。たとえば日本鉄道公社の独立採算制と観光事業の促進というような事業と、いわゆる悪税と言われておるこの種の税金をかけるという、こういつた政策の面において、政府は一貫した政策をとつておらないのです。なおその間に矛盾があるのでありましてこういつた大きな問題はここで御質問申し上げませんが、ただここで私ぜひ何つておきたい点は、先ほども關谷君が御指摘になつたのですが、原政府委員はすべての問題を一律的に簡單に考えておられるようであります。これは鉄道の場合においても、二等車に乗るということは、必ずしもシャウプ使節団の言われておるぜいたくな意味合いにおける使用でないということはこれは私が多く言う必要はないのでありますが、船の場合は、官庁あるいは会社の旅費規定から考えましても、二等は鉄道の場合の三等とほとんど同じに考えられている。また先ほど、それは会社へかけるのではない。それは旅客へかけるのだというお話ですが、これはもう私が指摘するまでもなく、きわめて実情を知らない意見であつて、通行税がふえまして、従つて二等へ乗るお客あるいは一等へ乗るお客が少くなれば、結局は公社なりあるいは会社の收入減になるので為その場合において、鉄道の場合は二等車をつけなくもいい。いわゆる生産費に達しなければ、もう二等車を切捨ててしまえばいい。しかし船の場合はそういうわけには行かない。そこに三等のお客をとる設備に切りかえる改造費というものが必要になつて来る。そうでなかつたならば、船主経済から行つても成立たない。そういう特殊の実情をお考えにならないで、鉄道の場合と船舶の場合を同様にお考えになるところが、私は大蔵省のお役人方がきわめて実情をよく知つていないことを現わすものと思うのでありまして、少くともこの点は、鉄道の場合においては一歩を一譲つても、船舶の場合において二等へ百分の二十の課税をされるということは、実際の面において非常にむりな点が起つて来る。私はこの一点だけでも、今度の法案ははなはだ実情を無視したところの観点から出ておる法律であると思う。この点は政府当局でも、ぜひひとつ御考慮をお願いしたいと思うのですが、ちようど主税局長もここにお見えになつておりますから、局長からお伺いしたい。
○平田政府委員 お尋ねの趣旨は、おそらく二等の船舶の乗客に対する課税は、廃止したらどうかというような点だと思いますが、通行税につきましては、今までは三等、三等、一等、全部一律に、普通運賃に対しましては五%の課税をいたしていたのでございます。ただしかしながら、いかにも一般大衆の旅客の運賃に対して課税いたしまするのは、大衆課税的性質が強くございますので、そういう課税は今度のシャウプ勧告に基きまする税制全般の方針といたしまして、この際でき得る限り廃止したらどうか、さような趣旨で実は出ておるのでございます。そこでこれを廃止します場合において、どの線で切るかという場合については、確にいろいろ問題がある思うのでありまして、おそらく船舶等につきましても、二等まで免税の方に入れた方がいいという議論と、それから今回の改正は、今申しましたように大衆課税的なものを排除するという意味でございますから、二等くらいまではまだ課税してもいいのではないかという議論と、二つあろうかと思うのであります。物品税等につきましても、同じような議論が考えられるわけでありまして、現在の改正後の物品税におきましても、なおまだ大衆課税的なものが残つておるから、もう少し免税点等も大幅に引上げ、あるいは品目等も整理したらどうかという意見もございます。そういうふうに間接税につきまして、どの線で切るかということは、いろいろ意見のあるところだろうと思いますが、私どもといたしましては今回の改正におきましては、三等に対する大衆的な通行税の廃止する。しかしながら三等に比べまして担税力が若干多いと認められる部面に対しましては、まだまだ今の課税の状況から申しますると、存置した方がいいのではなかろうか。こまかくさらに考えますと、一等のクラスにはもつと税率を高くして、二等にはあるいはもう少し低く課税するというのも一案だろうと思いますが、全体といたしましてもそれほど大きな額でございませんし、税率二割くらいでございましたら、一等以外一率に二割というくらいの課税を行いましても、さほど問題としましてむりなところはないのではなかろうか、私どもはかように考えておるのでございます。二等につきましても、国鉄の方は実は運賃が大分下りますので、同じような議論が今後においては出て来る可能性もあるいはあろうかと思いまするが、今の段階といたしましては、この辺で切るのはいたし方なかろう。しかしこれはもちろん将来の情勢の推移等に応じまして、国民の消費の状況と照し合せまして、そのときとして妥当な税率をきめるよりほかないと思うのでありますが、今回といたしましては、大衆課税的性質の強い部面を通行税から切落そうという趣旨でございますので、二等以上は、船といわず陸上といわず課税するということで行つたらどうであろうか、かような考えであります。こまかく言いますれば、あるいは二等は一割五分にして、一等は三割とか、いろいろ案はあろうと思いますけれども、そこまでこまかく行く必要もなかろう。料金が低ければ低いのに応じて税率も、税額もある程度少くなりますので、一等・二等を通じまして二割くらいの税率はなおこの際といたしましていたし方がなかろう。御承知の通り物品税等におきましても、まだ必ずしも理想通りには実は参りません。所得税等の負担も御承知の通り、まだ私どもといたしましては、財政上の許す限り将来大いに引下げる方向に持つて行きたいと思つておるのでございますが、そういう各税とのバランス等の関係を考えますと、この際といたしましてこの程度の負担はいたし方がないのじやないか。かように全体的な姿を眺めまして私ども提案いたしておるような次第でございます。
○米窪委員 これはたびたび同僚の委員からもお話があつたのですが、どうも船舶の特殊性というものに対しての御認識が、われわれとは大分隔たりがあるようです。すでに旅客数から見ましても、鉄道の場合と船舶の場合、船舶の方が鉄道の場合の一等、二等の場合の十倍です。そこでごく通俗な、常識的なことをお話申し上げますと、一列車でもつて三等車と二等車の比率を見ると、格段の相違で、三等車が十両くらいのところに二等車はわずかに二両くらい、しかるに船の方ではそういう大きな隔たりがないのです。三等船室と二等船室との比率は、鉄道におけるがごとく非常な開きがないのです。これはすなわち二等の船室というものは、相当大衆性を持つておるということでありまして、局長の言われる三等だけが大衆的であつて、二等は大衆的でないということ、この事実を私は訂正しなければならぬ、こう思うのであります。従つてあくまでも鉄道の場合と船の場合と同じ率をもつて律しようというのは、非常な認識不足である。この点私どもは政府も認識を新たにして、ひとつ御考慮を願いたいと思うのでございます。私その点を申し上げて、私の質問を終ります。
○尾崎(末)委員 同僚諸君の御質問と重複をするかもしれませんが、今米窪君が御質問になつたいわゆる第四條の、三等の乗客には通行税を課さないという問題でありますが、これをもう少し掘り下げて根本的に伺つておきたいと思います。これはなぜかと申しますと、古い歴史を思い起しますと、かつては政友会、憲政会というものが対立した場合には、一方では税金をとつて鉄道の路線を延ばそうとし、一方では通行税は天下の悪税なり、全廃すべしというので、長い両政党の闘いがあつたことを、われわれは思い起すことができる。そこで通行税かいいか悪いかという根本的のことを論ずることは、時間の関係上、ここではやめます。というのは、この内閣で通行税を始めたのではなくて、前からずつとあつたものを今回改正しようというのでありますから、通行税そのものの本質に関する議論はしばらくやめにいたしますが、しかし私の考えから申しますと、税金というものの性格であります。税金というものは公平でなければいかぬ。こういうことが税金の根本的の性格でなければいかぬと思う。ところがただいま米窪君に対する局長の御答弁の中に——米窪君も御指摘になつたようでありますが、大衆というものに一等客や二等客は入らないという、この根本的の考え方というものは、私は思想的に見て、日本の民主化を妨げると思う。かつては特権階級とか何とか言つて盛んに一部の者から非難されたほど、いわゆる階級闘争のもとをなした。ところが今日終戦後、いわゆる人権の基本的平等によつて、同じようにみんなが大衆になつた。その大衆の中から、多少税金の扱い方によつて、特権階級となるようなものをつくり出そうとする根本的の考え方に対しては、私はどうしても同調できない。私はもちろん與党でありますから、あなた方の大蔵省の議案を通してあげたいのは、腹一ぱいであります。しかし今の思想的な問題は、重大な問題であります。でありますから、どういうところから、大衆の中に今申しましたような特権的階級がいるかのような、そういう扱いをやり、こうした税法を改正しまうとせられるのか。根本の問題をもう少し掘り下げて伺つておきたい。
○平田政府委員 間接税におきましては、御承知の通りその消費自体が担税力があるかどうか、それでその消費が必需的性質であるか、あるいは奢侈的性質であるか、それによつて実は課税の方針をきめておるわけであります。理論的に申しましても、そういう理論に財政学一般の通説として認めるわけでありまして、一般の消費に対して税を課する場合と課せない場合もありましよう。お米のような必需消費に対しては、絶対課すべからずという強い意見があります。これに対しまして貴金属、ダイヤモンド、こういうものを購入したり、消費する者は、これは相当担税力ありとして課税してよい。またそういう消費自体に対して課税するのは、理論上も正しいということになつております。また酒、タバコにつきましても、消費自体が—相当国民に広く消費されておりますが、人々によつて消費の高は違う。あるいは酒は飲まない人も中にはある。そういう嗜好品的なものに対しましては、間接税は相当課税してしかるべきである。これはシャウプ勧告もそう言つておりますが、これは今日の財政学の通説であります。従いまして通行税の場合におきましても、私どもは結局その乗客の担税力というか、それによつて課税いたすか課税いたさないかということをきめるのが一番よいのではないか。その点についてはこまかく考えると、あるいはもつと合理的方法があるかもしれませんが、現在のところといたしましては、やはり一、二等の乗客はそれぞれ、三等に比べて高い運賃を拂いまして旅行しようということになつておりますので、それだけやはり支出能力がございますから、担税力がある。こういう見方でございまして、別に特別に—クラスが一、二等になつておりますから、いかにもクラスをわけるようでございますけれども、考え方は間接税の一般をきめます場合と同じでございまして、もつぱらその消費自体が担税力を示すかどうか。そういう点を主として考えまして、一、二等には課税し、三等には課税しない。こういう考え方をとつておるのであります。なお先ほどお話がございましたが、大体おもな航路については、運輸省で調べていただいた統計でございますが、乗客人員から申しますと、七九%程度が三等乗客、一、二等の乗客はおよそ二〇%でございます。その二〇%程度の方に、一般の税の重いこの際といたしましては、二割程度の通行税を納めていただくのは、今の財政状況のもとにおきましては、まだどうもいたし方なかろうと思うのであります。さらに物品税等につきましても、大幅の整理が可能となり、所得税等についてもいろいろ議論のあります免税点の引上げ、その他の問題もありますが、そういう問題をさらに解決し得る段階におきましては、また通行税はどうするかということを、おそらく総合して考えなければならぬと思いますが、全体の租税の他とのバランスから申しまして、この程度の課税はこの際としては私どもやむを得ないし、妥当である。かように考えておるのであります。
○尾崎(末)委員 私が第二回に質問を申し上げようと思つたことを、局長さんが先におつしやいましたが、関連して質問申し上げますが、今おつしやるような担税力があるかないかということによつて、いわゆる税額の多少をきめて行く。こういうことは通説でもあることは、私もいささか承知いたしております。特に最近私は運賃審議会の委員をしておりますので、最近の貨物運賃をきめるときにもこうした議論が相当出たのであります。いわゆる物品に対する税金をかけるという考え方と、人間に関する税金のかけ方と、通説によつて同じような考え方で取扱うということは、話が最初にもどりますが、やはり大衆というものの中から特殊なものを引離して行こうという、こういう考え方に一致するような気がするのでありますから、どうしても私はそのことには賛成できない。というのは、物品におきましては、お話の通り高貴なものにこれは多くの税金をかける。あるいは値段の低いものに税金を少くする。あるいは運賃を少くする。こういうことは対象とする事柄の一つであるのでありましようけれども、人間を物品並に考えて、そうして税金は公平であるべきはずのものを、その根本的なものの考え方を別にして行くということは、どうしても私はふに落ちないのであります。それから今伺いました一等一二等客と三等客との数の上から考えてみましても、その二五%か二七%程度の一、二等客の中には、おそらくぜいたくをする、金があり余るから一等や二等に乗るというのでなくして、一晩を楽に眠つて行けば、あくる日を一日十分に働くことができる。三等に乗つてくたびれておつたのでは、あくる一日をむだにする。だからというのでむり算段をして、一等、二等に乗つておる人が相当あるのであります。これは私の長い間の経験によつて、そういうことをやつて参つた。いわゆるわれわれが持つている力を、あるいは時間を、有効適切に働かしめよう、こういうことで努力している者を、いきなり物品税と同じにぜいたく者扱いをされる。そういうような考え方からはつきりと三等には課税をしないが、一、二等には課税をする。こういうようにわけて行かれる結果は、決していい結果を来さない。必ず将来思想上の大きな問題になつて来る。こういう点を私は憂えるので、このことを申しておるのでありますが、これはやはり思い切つて二等もいわゆる課税の対象からはずして行く。その次は一等もはずして行くのだ。そうしていわゆるすべての国民を大衆として取扱つて行くのだ。こういう方向に向うようなやり方に、ひとつ御修正を願いたい。その点についての御意見を伺います。
○平田政府委員 今の最後の点は、まつたく私ども将来の方向としてはそうありたい。税というものはなるべく少い方がいいのでございまして、財政上の許す限りにおきまして大して意義のない税は廃止する方向に持つて行きたいと思つておりますが、その第一段階と言うのは、少し言い過ぎるかもしれませんが、今回はともかく税制としまして全体の歩調を合せまして、三等乗客に対する課税はやめることにいたしたのでございます。その反面、二等以上に対しましては、ある程度の課税をいたしまして、存置することにいたしたのでございますが、これは将来の財政事情等とにらみ合せまして、そのときの情勢に応じて妥当な課税をすることは、当然だと考えておるのでございます。それから先ほどお話がございましたが、何もこれは人頭税でも何でもないのでございまして、乗客が切符を買いまして旅行をする。その一種の支出能力と申しますか、そういうやはり一定の交通のために金を出す。そこに一つの担税力があるわけでございまして、物を購入するのと、その実質的な経済関係はあまりかわりはない。何も乗客の頭にぶつかけるわけではございませんで、やはり一定の金を出して旅行をするというところに、この担税力があるという意味で、課税いたしておるのでございます。従いましてその点はほかの間接税等と、本質的にはむしろ大差ないのではなかろうか。従いまして何も人をクラスにわけまして課税するというのでなくして、一等に乗るために高い運賃を沸つて乗る場合におきましては、その運賃相応にいたしまして、ある程度税を納めてもらつたらどうか、こういうものでございますので、その点ひとつ私どもの見解をあわせて申し上げておきたいと考える次第でございます。
○尾崎(末)委員 長い論議をいたしましてもどうかと思いますから、結論を申し上げますが、その前提として、一体この海陸合した二等の税金によつて、どのくらいの数字が出て来るのでありますか。それを参考までにお伺いします。
○平田政府委員 汽車と汽船と両方合しまして、平年度としては六億七百万程度でございます。それで今年度予算に少し計上しておりますのは、三月分の通行税が、四月から廃止になりますので、一月分来年度に入ることになつております。その結果本年度の予算は十億程度ということになつておりますが、一月分は改正前の通行税が入つておりますから多くなつておるのでありまして、今後平年度においては相当それよりも減ることになつております。 それから今調べましたが、さつき申しました主要航路によりますと、一等だけだと納税人員からいたしましてわずか三%になつてしまう。二等が一八%ぐらい占めておりますが、全体の利用者のうち二割ぐらいの程度の人が、通行税を拂うというくらいのところでありましたならば、この際といたしましてはまだまだほかの税金も重いところでございますので、やむを得ないのではないか、妥当でなかろうかと考えておりますことを、重ねて申し上げておきたいと考える次第でございます。
○尾崎(末)委員 数字が今お話になつたような程度のものであるといたしますれば、もとより私どもは一円の金といえども大事にしなければならないことは承知いたしておるのでありますが、しかしながらさつき申し上げたような、この後の日本の民主化のためには、確かに不公平なこういうやり方をやることは、大きな弊害が出て来ると思いますので、一等、二等も税金の廃止ができませんならば、せめて二等はぜひともひとつやめてもらいたい、こういうことを希望申し上げまして次に移ります。 この第十三條は、改正されるよりも改正されない前の方がよさそうに私は思うのでありますが、この第十三條の新旧両方を対照してみて、古いのよりも新しい方がどこに特長があるのか、その御説明を伺いたい。
○平田政府委員 通行税の罰則の規定の仕方の問題だろうと思いますが、今まで税法につきましては、原則として罰金刑は大体脱税額の五倍以下とか三倍以下とか、そういうようなきめ方をいたしていたのでございます。それで通行税の場合におきましては、従来五倍以下に相当する罰金に処すということになつていたのでございますが、もともと脱税犯の性質につきましているもと論議がございまして、最近においてはむしろ体刑も科するということになつておりますし、罰金といたしましても、原則的にはやはり他の罰金刑と同じく、定額刑できめるのが妥当でないか。裁判所におきまして刑を量定する場合におきましても、そういうきめ方が妥当ではあるまいか。かような法務府あたりの意見がございまして、一応すべて定額できめておるのであります。もちろん以下でございますが、今度は通行税におきましては、原則として百万円以下ということにいたしておるのでございます。ただ税額が非常に大きくて、いかにも罰金刑といたしまして、百万円程度科したのでは効果がないという場合におきましては、特に第二項の規定を設けまして、脱税額と同額までの罰金を科することができる。これは従来五倍以下でございましたのを同額までというので、大分引下げました。と申しますのは、五倍ということにいたしましても、実際問題としてはなかなか高率な罰金を科することができませんし、また科しますと非常におもしろくない影響を生ずるような場合がございますので、刑罰の額といたしましては、大体同額以下くらいのところで科すれば、罰金刑の目的を達するのではないかという趣旨で、かような規定に改めておるのでございます。これはひとり通行税だけではなくて、他の租税におきましてもおおむねかような改正規定にいたしておるのであります。
○尾崎(末)委員 今の御説明によつて考えますれば、改正さるべき第十三條の中の「百万円ヲ超ユルトキハ情状二因リ同項ノ罰金ハ百万円ヲ超工其ノ納付セザル通行税ノ金額二相当スル金額以下ト為スコトヲ得」この中に、情状ということに関しての趣旨は十分に盛り込んである、こういうことになるわけですか。
○平田政府委員 これはもちろん裁判所がその事情をよく調べまして判定するわけでございますが、その情状により、とうてい百万円の罰金では刑罰の目的が達成しがたいと認めるような各般の事情がありますような場合においては、この規定を働かせましてそれよりも高いが、しかし税額と同額以下までの罰金に処して行くことができるというわけで、御質問の通りに運用されて行くものだと考えております。
○尾崎(末)委員 もう一言、やはりこの問題でありますが、御説明によりまして、安い、少い場合に高くする。いわゆる軽い場合に厳罰に処する、こういうことに当てはまる情状はよくわかるのでありますが、「三年以下ノ懲役若ハ百万円以下ノ罰金二処シ」という、重い方を情状によつて軽くするという情状の趣旨が、どこにも盛り込まれていないように思うのでありますが、その点について御意見を承りたいと思います。
○平田政府委員 これは罰金刑すでに通ずる場合でありまして、「百万円以下」という以下の金額の中で、裁判所で犯罪の状況等によりまして妥当な罰金額をきめる。検察庁といたしましては、やはり犯罪の状況等にりよまして妥当な額を求刑するということになるわけでありまして、一般の罰金刑と、運用の方針は大したかわりはないと考えております。
○尾崎(末)委員 質問を終りますが、重ねまして通行税を全廃する方向に向うその階段といたしまして、二等を全廃する。こういうところまでひとつさらに御考慮願いたい。こういう希望を申し上げまして、私の質問を終ります。
○關谷委員 先ほど私が政府委員に御質問いたしました場合に、船舶の通行税が、一、二等で幾らになるかと申しました場合に、合わせて六千万になるということでありますが、それにただいま主税局長は汽車を含めて六億というように、数字的に大きな開きがある。その点をはつきりと御説明願いたい。
○原(純)政府委員 先ほど申し上げましたのは、私御質問の趣旨を取違えたかもしれませんが、通行税全部について申し上げました。従いまして局長の言われた数字と一致するわけであります。そのうち船舶分を申し上げますと、国鉄、民間を合せまして一億という見込みにいたしております。一等と二等の区分は、国鉄分が四千万円のうち、一等分が七百六十万円、二等分が三千二百万円余りということになつておりますが、民間の方は資料が整いませんので、全体で六千万というふうに見積つております。
○關谷委員 いろいろ各議員の方から質問も出てそれで大体言い盡したと思いますが、私たちは鉄道、船舶を通じて、どうしても二等は全廃していただきたい。なお船舶に関しましては、一、二等ともに全廃してもらいたい。こういうような希望を持つておるのでありますが、これは鉄道では値下げがありますので、税をかけましても現行運賃より値上げになりますが、海運あたりは、一、二等の占める率も大きいし、打撃が大きい。海運再建の障害にもなつて参ります。なお将来の海運振興において質を低下せしめるというようなことにもなつて参りますと、鉄道運賃との均衡もとれないのでありますし、ことに予算面では非常に低く見てありますので、予算的な別途の措置もいらない、こういうようなことも考えられます。ことに、こういう海運振興ということは、税によらず、補助ということを先ほど言われましたが、現在補助というようなことはほとんど取上げられておらないときにおきましては、こういうような方法、税だけでも非常に影響するものである。ことに海運界には負担力がない。こういうような総合的な見地から見まして、どうしても鉄道の二等並びに船舶は一、二等ともに全廃、こういうふうなところに、政府当局といたしましては提案者でありますがゆえに、極力これを固執せられると思いますが、賢明なる大蔵委員会におきまして修正せらんことを希望いたしまして私の質問を打切ります。
○前尾委員 ちよつと私資料を要求しておきたいと思います。いろいろ質問の中にも出たのでありますが、一、二等の各乗客別人員、それから旅客料金の数並びに比率をお調べ願いたいと思います。ことに海運関係におきましては、一、二等区別していない。三等乗客と申しますか、等級別のないものでありますから、それをはずした分についてもお調べを願いたいと思います。それから先ほどちよつと米窪委員から話がありましたが、客室からいうて、どういうような比率になつているかという点もお調べ願いたい。 それから一つ質問でありますが、船運賃につきましては、食費はどういうふうな区別計算をして、はずすものか、あるいは食費のみで課税するのか、お尋ねいたしたいのであります。
○辻説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。現在、船におきましては食糧事情から、食費は入つておりません。全然運輸サービスだけの料金でございます。
○岡田(五)委員 今、前尾委員から資料を要求されました一、二等、三等の乗客の割合の数でありますが、私は国鉄関係について申し上げたいのでありますが、政府委員にお願いしたいのでありますが、終戦後の一、二等の乗客の割合というのは、こういうのは異例の状態でありまして、これをもつて論ずることは私どうかと思うのであります。従いまして、この資料を見る場合におきましては、昭和八、九年ごろの普通の状態の資料を参考にすることがいいのではないか。なぜかというと、終戦後一、二等車は関係方面に引上げられたという関係もあり、また旅客運賃が二等は三等の三倍であるとか、六倍であるとか、そういうような異例の状態の数字は、あまり参考にならないのじやないか。かように考えますので、戦争前の状態をもつてしていただくことが、非常に参考になるのじやないか、かように考えます。
○三宅(則)委員 私は、先ほど前尾委員から、資料の要求があつたのですが、私鉄から本線に乗入れます人員、料金、それらの受拂い等におきます関係等も、御一緒にお調査なさいまして国鉄と私鉄関係の人間の数、あるいは料金につきまして御要求をいたしたい、かように考えるのであります。
○川野委員長 ほかに質疑の通告者もございませんので、運輸委員会と大蔵委員会との連合審査会は、これをもつて終了とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議がないようでありますから、さよう決します。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会