大蔵委員会 第54号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/04/19
会議録
○川野委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたしますが、昨十八日内閣委員会に付託されました大蔵省設置法の一部を改正する法律案の審査につきましては、本委員会の所管事項にも関係がありますので、この機会に内閣委員会に対して、連合審査会開会の申入れをいたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議がないようですから、さよう決定いたします。なお日時等につきましては委員長並びに理事に御一任願いたいと存じます。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 次に昨十八日、本委員会に付託されました国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案、及び予算執行職員等の責任に関する法律案を一括議題として、まず政府の説明を求めます。主計局長河野一之君。
○河野(一)政府委員 ただいま議題となりました国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案の提出の理由について御説明申し上げます。国家公務員共済組合法は、昭和二十三年の第二国会において成立いたしまして、法律第六十九号をもつて同年七月一日から施行されておりますが、その後の諸般の情勢の変化と案施の実情とに顧みまして、今回その一部について所要の改正を加えようとするものでございます。 次にその主要な改正点について御説明申し上げるのでありますが、まず第一の改正点は、共済組合の長期給付における既給年令受給者に対する年金額の増額であります。昭和二十三年六月末日以前に発生いたしました既給年金は、昨年第五国会において成立いたしました国家公務員共済組合法の一部を改正する法律第百十八号等によりまして、恩給受給者と同様、おおむね三千七百円水準まで引上げられ現在に至つておりますが、その後一般給與水準の改訂もあり、既給年金受給者の生活の実情等をも勘案いたしまして、これ々昭和二十五年一月分以降六千三百円水準まで引上げることといたしたのであります。この点は恩給と同様な取扱いをいたそうとする次第であります。 第二の改正点は、法務府設置法の改正等に伴いまして、組合の設置区分を行政機構に即応するよう改める等、組合の設置区分について若干の改善を加えようとするものでございます。 第三の改正点は、組合が行う事業に対する非課税の範囲を若干拡張いたしますとともに、これに伴つて必要といたします條文の一部整理を行うものであります。 なお最後に、この法律案の実施に要する費用、すなわち既給年金者に対する年金額の引上げ措置による組合所要財源の増加は、国庫の負担といたすものでありますが、この費用につきましては、すでに成立いたしました昭和二十五年度予算に所要額を計上いたしてある次第でございます。 次は予算執行職員等の責任に関する法律案について、提案の理由を御説明申し上げます。 従来から現金または物品の出納保管をつかさどる出納官吏については、善良なる管理者の注意を怠り、その保管にかかる現金または物品を亡失、雑損したときは、弁償の責めを免れることができないものと会計法上規定されておりましたが、直接現金または物品の出納保管をしない、いわゆる歳出の命令系統に属する予算執行職員の不当行為に関しましては、特別な弁償責任の規定はなかつたのでございます。これは予算執行の事務が、現金または物品の出納保管の事務のように單純な会計事務でない関係から、それに関して特別な責任を課しますと、種々のむずかしい問題が派生することが予想され、かねてから論議の対象とはなつておつたのでありますが、今まで実現し得なかつたものでございます。ところが終戰後の予算執行の状況に顧みますと、職員の非違行為に基く損害の発生が増加し、このため会計検査院から不当であるとして批難される事項が、積年増加の傾向におるのであります。国民の租税を主たる財源といたします国家財政におきまして、かくのごとき不当経理の多いことは、はなはだ遺憾にたえないところでございます。そこで予算執行職員が法令または予算に離反した支出等の行為をすることを防止し、予算執行の適正を期するため、当該職員に対する弁償責任等の制度を確立することが、当面の急務となつた次第でありまして、これがこの法律案を提出いたした根本の理由であります。 次に本案の要点を申し上げますと、まず第一に、この法律の適用を受けます職員の範囲でありますが、これは支出負担行為担当官、同認証官、支出官、資金前渡官吏、繰りかえ拂い等出納命令官、これらの者の代理宮及び分任官、以上の者の事務を取扱う都道府県の吏員、並びに以上の者からその補助者としてその事務の一部を処理することを命ぜられた職員でありまして、その職務の範囲は、これらの職員の行う予算執行の職務でございます。 第二に、弁償責任の要件は、故意または重大な過失により法令または予算等に違反して支出等の行為をしたために、国に損害を與えた場合でありまして、責任者が複数すなわち多数の場合は、損害の発生に寄與した程度に応じて、個別的に弁償責任を負うことになるのであります。 第三に、弁償責任の検定、弁償命令及び再検定に関しましては、弁償責任の有無と弁償額の検定は会計検査院が行いまして、弁償命令は任命権者が行うものであります。また各省各庁の長は、検定前におきましても弁償命令を発することができますし、後に弁償責任がないとの検定がなされましたときは、利息に相当する加算金を付して、既納にかかる弁償金を還付するのであります。また再検定は、請求があるときは、五年までの間において会計検査院がしなければならないものでありまして、請求があつたときは、口頭または公開審理を行い、陳述または書面による意見開陳の機会を十分保障することといたしております。 第四に、懲戒処分の要求は、国に損害を與えた場合は、故意または過失によつたことを條件に、また国に損害を與えなかつた場合には、故意または重大な過失によつたことを條件にいたしまして、会計検査院がその職員の任命権者に対して、その要求をすることができるのでありまして、懲戒処分をするかいなかは、任命権者の自主的判断にゆだねることにいたしておりますが、任命権者は懲戒処分をすることが適当であるかどうかを調査いたしまして、これについて適当な措置をいたしますとともに、その結果を会計検査院及び人事院に通知する義務を負うのであります。反面、会計検査院もみずからなした要求が不当であると認めますとき等においては、その要求を取消さなければならないことになつておるのであります。 第五に、事前審査及び弁償責任の減免等に関してであります。事前審査につきましては、会計検査院の事前審査を受けて行いました支出等の行為につきましては、有責任の検定も懲戒処分の要求もすることができないのでありまして、この場合におきましては、法令または予算に定める事項の解釈については、大蔵大臣が意見の表示をし得る道を開き、弁償責任の減免については、国会の議決に基かなければならないものとし、また上司から不当な要求を受けてなした、予算執行職員の本意でない行為についての弁償責任は、その命令をした上司が負うものとする保護規定を設けようとするものであります。 第六に、公団等の予算執行職員にもこの法律の規定を準用せしめ、また公団の出納職員には、新たに国の出納官吏と同様の弁償責任を課することといたしております。 最後に、これらの問題の及ぼす重要性にかんがみまして、この法律による重要な決定事項は、会計検査院において検査官会議に付議し、検査報告に記載して国会に報告しなければならないこととする等、会計検査院法の一部を改正するための條文を附則に置いております。 以上の理由と内容によりましてこの法律案を提出いたしました次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを希望いたします。
○川野委員長 ただいま政府の説明を聴取いたしました両案に対する質疑は、あとまわしにいたします。 ―――――――――――――
○川野委員長 次に租税特別措置法等の一部を改正する法律案を議題として、質疑を続行いたします。三宅則義君。
○三宅(則)委員 私は、咋旧租税特別措置法等の一部を改正する法律案について質疑を行つたのでありますが、平田主税局長がおいでになりませんでしたから、あらためて二、三伺いたいと思います。 本法には、日本内地におきまして「住所及び一年以上居所を有しない個人又は」「法人」とありますが、この住所及び居所について非常に疑問があるのであります。これに対して政府はどういうような考えでこの法律をおつくりになつたか。その点を承りたい。
○平田政府委員 住所の意義に対するお尋ねかと思いますが、今お尋ねの通り、住所の解釈は昔からなかなか問題があるのであります。ただ居所の解釈はあまり問題ありませんで、これは日本に参りまして、引続いてそこで居住しているという事実があれば、それによりまして居所があるということになると思いますが、はたして住所があるかどうかということになりますと、いろいろ問題があるわけであります。所得税法におきましては、住所の意義につきまして、大体民法における住所とほぼ同様な解釈をいたしております。すなわち生活の本拠を住所とするという解釈でございます。ただ外国人等の場合におきましては、短期間日本を訪れる場合が大多数でございまして、そのような場合におきましては、大体本国に住所がありまして、日本には居所しかないというふうに解釈すべきであろうと思います。ただ日本に公私の職務を有しまして、家族等まで全部引き連れて来ており、日本にその人も永住する意思がある、こういう場合は明瞭に日本に住所があるということに相なるかと存じますが、たとえば家族等は連れないで一人で来ておるとか、あるいは家族と一緒に来ておりますが、ホテル住い等をし、てごく短期間しか日本に滯在しないというような場合は、これは住所がなくて、單に居所しかないというふうに解すべきではないかと考えます。なお多くの場合二、三年くらいの契約を結びまして、その契約に従いまして日太に参りまして一定の仕事をしてまた帰る。こういうことを最初から予定して参つておるような場合も、どうも住所があるというふうに解釈するのはむりではなかろうか。その辺のところまでは日本に住所がないものとしまして本法を運用して参りたい、かように考えております。本法の外国からの技術なり、資本の導入を優遇するというような趣旨は、そのようなものさしで区分することによりまして、大体目的を達成し得るのではないか、こういう趣旨でこういう区別をいたしたのであります。外国人という表現で区別するかしないかということも考えてみたのでありますが、たとえば日系米人でありまして、アメリカに住所を有するものでありまして、日本に外資を入れようというような場合におきましては、やはり同じ待遇を與えた方がいいではないかという考えからいたしまして、特に外国人に限るということにはいたしませんで、住所は日本にないが、居所だけあつて一時来てやつておる者に対しましても、特別優遇措置を講じて参りたい、このような趣旨でこのものさしを用いまして、一般の外国人等に対しまして租税の軽減措置を講ずることにいたしたのであります。
○三宅(則)委員 外資を導入するための措置ということは承知いたしておるのでありますが、これに関連いたしまして、たとえば娯楽機関であるとかあるいはそれに類するような、重点的ということから考えてみますと、必ずしも重要でないものも付属といたしまして、これも外資導入になるではないかと考えるのでありますが、これに対しても政府は同様に考えておりますか。たとえば中国人、朝鮮人等が飲食店を開くために相当入つて来るような場合ありますが、これらは全然別個に考えておりますか。付随するものとしておりますか。その点をはつきりさしていただきたいと考えます。
○平田政府委員 日本に望ましい外資、一般的に申しますと、いかなる種類の外資といえども、日本に入つて来るということがまず第一番に望ましいではないかと考えます。しこうして特にこのような優遇措置までやりまして、日本に来てもらいたいという場合におきましては、やはり日本にそういう外資が入りまして、日本経済の復興なり今後の発展のために緊急不可欠なもの、こういうものに限りまして優遇措置を講ずるのが、日本国民一般の負担のバランスをはかるという意味からいたしましても必要なことではないか、このように考えているのであります。従いまして、法律でもそのような趣旨を現わしまして、具体的には大蔵大臣が外資委員会とが協議しまして、その範囲を定めることにいたしておるのであります。その趣旨は法律にもうたつておるつもりでございます。しかしこれは状況によりまして、やはり若干かわつて来るではないかと考えまして、今申し上げましたような方法で規定することにいたしたのであります。昨日も説明員から申し上げたと思いますけれども、現在のところ大体問題なく優遇すべきではないかと思われる業種は金地金の製練、硫酸アンモニア、その他肥料の製造―これも一部限定する考えであります。それから塩化ビニール等の特殊な合成繊維、発電事業、鉄鋼業、石油採掘事業、こういうものでありまして、これは必要ではなかろうかというふうに考えております。なおそのほかに、たとえば特殊な精密機械工業とか、あるいは電気通信機械工業といつたようなものにつきましても、場合によりましては一般的でなく、相当こまかく範囲を限定いたしまして規定するような方法も、研究してみたいと考えております。このような問題は、そのときの産業界の情勢等にも関係して参りますし、相当専門的にもわたりますので、外資委員会あるいは各省等ともよく連絡いたしまして、大蔵大臣といたしまして妥当な方針を決定して参りたい、かように考えているのでありますが、今お話の飲食店等には、現在のところこれで規定するつもりはございません。ただ特殊な観光ホテル等の計画ができて、それが日本経済の発展、特に外貨の獲得等に有効な役目を果すと認められるような場合におきましては、ほかの経済情勢等の関係も考慮しなければならないと思いますが、この事業を入れるか入れないかは、そのときの情勢によりましてさらによく研究しました上で、妥当な結論を得るようにいたしたい。さしあたり考えておりますのは、大体におきまして今申し上げました日本の産業を根本的に建て直し、世界の競争にも負けないいいものにするために、必要な事業へ外資の導入及び技術の導入、そういうものを優先して取扱いたい。かように考えておる次第であります。
○三宅(則)委員 今の主税局長のお話によりますと、大体重点的の産業に重きを置く。しかし場合よりましてはへ日本の観光ホテル等にもあるいは関連してやるというような線を、今漏らされたと信ずるのであります。しからば今までよく言われておる中華料理屋、あるいは中華人等の飲食店等にいたしております事柄は、これは絶対にはずすと了解いたしておいてよろしゆうございますか。これについてもう一度はつきりしたことを承りたい。そうすることによつて、日本の経済においてもたいへんさしさわりがあるのです。たとえば場合によりますと、外国資本が入つておりまして、相当飲食店等についても外国人が優遇せられておる。今でも優遇せられておるというふうに聞きますが、これについてもう一度はつきり承りたいと思います。
○平田政府委員 ただいま申し上げましたように、單純な飲食店等は指定すべきものではないと考えております。今のところおそらく優遇すべきものと指定しない考えでございます。現在すでにこれらの外国人等で、日本の円貨で取引いたしまして飲食店等を営んでおる者に対しましては、現在の税法におきましても日本の課税が認められておるのであります。実際におきまして適正な課税をすべく、極力努力いたしておるのであります。ただその実績が必ずしも三宅委員のお話の通り、税法通り完全に行つているかということになりますと、なかなか今後に努力すべき余地もあるだろうと思うのであります。しかしこれに対しましては、あくまでも日本国民の一般の負担を考慮いたしまして、税法に従いまして適正な納税をしてもらうように極力努めるつもりであります。
○三宅(則)委員 この外資導入に対しまする資本の金額が一億円以上ということに了承いたしておるのでありますが、もしかいたしますると、外資がたくさん入つて参れば一億円どころの騒ぎじやない。その資本の過半数も向うの資本になるという場合が想像せられると思いますが、これにつきまして政府といたしましては一億円を限度といたしまするか。それ以下の金額でもこういうものに対しましては、相当優遇するという方針でありましようか。その辺を一つはつきり承りたいと思います。
○平田政府委員 これは一億円以上の場合に法律に限定するわけでありまして、従つて以下の場合には該当しない。と申しますのは、日本の産業の健全な発達のために必要だというようなぐあいに言い得るのは、相当まとまつた外資が入つて参りまして、それによつてほんとうに事業が発展して行く。こういう場合に限定していいのじやないか。一億円と申しましても、今の為替相場で換算いたしますと約三十万ドル程度のものでございますから、そのくらいの程度はある企業に入つてもらいまして、それでほんとうにその企業がよくなつて行く。こういう場合に限りまして、特別な優遇をするというようなことでいいんじやないかと考えます。
○三宅(則)委員 昨日私説明員の方から聞きましたから、あるいは間違つておるかもしれませんが、一億円以下でも入つて来たものに対しましては、こういうような優遇があるというふうに承つたのであります。これが間違いであるならば主税局長の言を信用するのでありますが、この辺をもう一ぺんちよつと承りたい。
○平田政府委員 これは法律で一億円以上の場合に限つておるわけでありまして、説明員がそのように誤解されるように御説明を申し上げておるならば誤りでありまして、法律にある通りでございます。
○三宅(則)委員 この俸給、給與でありますが、三百五十万円を限度といたされまして、それに対しては半額控除するということになつております。その三百五十万円というのは何か正確な基準点があつて、外国と比較いたしましてその辺が適当であろうというような意味合いで、政府は設けられたのでございましようか。それとも何かの基準がありましようか。それを承りたい。
○平田政府委員 特に三百五十万円という数字を一定の機械的の方法で算出したわけではありませんで、大体といたしまして五割の控除をする。それに対しまして、しかし最高は三百五十万円程度で押えるということにして、大体におきまして本法の企図いたしておりますところの優遇の目的は達成できるのではないか。こういう考え方でこの数字を押えたわけであります。御承知の通りアメリカの所得税と日本の所得税を比べますと、アメリカの場合におきましては、相当な高額所得が多いという関係上、ことに所得の一般のレベルがアメリカの場合と日本の場合と違つております関係上、アメリカの所得税の方は日本の所得に換算いたしますと、相当高い所得まで累進税率が順順に高くなつて適用されることになつておるのであります。これに対しまして日本の所得税は、先般いろいろご審議をいただきましたように、五十万円超過で最高の税率を限つております。従いまして上の方の所得の所得税の負担になりますと、アメリカよりも若干重いのですが、しかしその差が比較的少い。中所得以下の場合におきまして、同じ所得金額から申しますと、日本の場合がアメリカの場合に比べまして相当高くなつて来る。これは所得水準が全体としてアメリカに比較して日本が低いということと、日本が特に所得の階級別の分布が、戰後特にフラツトになつているというような事情が原因しているといいますか、そのようになつておりますので、上の方では五割控除したそのままといたしますと、率はむしろ下げ過ぎになるおそれがございますので、この辺で押えましてちようどいい負担のバランスになるのではなかろうかという考えであります。五割控除しまして、その控除額は三百五十万円に限つておりますから、所得から申しますと二万ドル程度の所得で五割控除の金額を打ちとめまして、二万ドル程度以上の所得者の場合は、勤労所得の控除と同じように三百五十万円を全部一律に控除し、所得の割合によつては控除しない。こういうものさしをつくることにいたしたのであります。これによりまして大体におきまして今申し上げましたような点がうまく行くのではないかと思いますが、ただしかしこの優遇措置をやりましても、なおまだ大体においてアメリカの所得税の負担よりも、優遇した後における負担の方が高くなつております。イギリスの負担よりも低くなつておりますが、アメリカの所得税の負担よりも、五割控除になりましても、なおまだ若干高くなつております。いろいろな関係を考慮いたしまして、結局このような程度の方がいいじやないかと考えていたのでありますが、その辺の点をいろいろ労えまして、機械的な算式でやるわけではありませんが、大体妥当じやないかという考えでございます。これはいずれ資料として差上げてもいいのでありますが、ちよつと簡單に申し上げますと、たとえば一万ドルの收入がある場合におきましては、アメリカの所得税法におきましては、その負担は千三百九十九ドル、夫婦者の場合ですが、千三百九十九ドルの負担、所得に対しまして一三・九%の負担になるわけであります。これを優遇措置をやりました後における一万ドルの所得者の負担は、円に直しますと、ちようど一万ドルが三百六十万円になるわけでありますが、三百六十万円に対しまして特例を適用しました後の税率は、八十九万三千百五十円というふうになりまして二四・八%。従つて優遇をやりましても、まだアメリカの場合よりも若干高いのであります。イギリスの場合はちようど三千五百七十一ポンドに当るのでありますが、その場合における税額は千五百十五ポンド、四二%という負担であります。従いましてイギリスの場合でありますと、今度特例を設けられた場合は、はるかに軽くなります。アメリカの場合になりますと、まだ本国における税金よりも幾分高いということになるのであります。この辺のところで線を引きまして、優遇措置を講ずるということでいいのではないかというわけで、このような控除の方法を採用することにいたしたのであります。
○三宅(則)委員 退職手当とかあるいは退職所得でありますが、一箇年あるいは一箇年半おりまして、相当の金額を持つて帰る場合に、こういう負担がかかつて来るわけでありますが、この場合も退職所得に対しては半額であるということでありまして、相当の金額を持つて帰れると想定しておられますか。それとも昭和二十七年からやるのだからという單純な気持で、こういうような案をつくつておられるのでありましようか。その点をひとつ原案をつくつた平田局長にお伺いしたいのであります。 もう一つは弁護士あるいは公認会計士あるいはその他の自由業に対しましても、これはやはり同じだと思いますが、これらのそろばんをはじきまして出します基準というものは、やはり各会社等から通告があるものと思いますが、その辺についての御意見を承りたい。
○平田政府委員 この法律案の主たる目的は、今三宅委員がしきりに問題にされておりましたところの外資の導入、及び外国技術の導入を目的とするものであります。しこうしてこのような目的を達成するためには、やはり何年間かあらかじめ明らかにしておくということが必要でありまして、そのためにこの法律案は実施後五箇年間、こういう措置を講ずるということを明らかにいたしておるのであります。毎年毎年條件がかわるようではなかなか安心して入つて来ないと思うのであります。そのような意味におきまして、昭和三十年までこの特例を設けるということをはつきりいたしたのであります。そうしますと、それに基きまして必要なものは入つて来るということになるかと思います。もちろんその間に退職所得等がございますれば、その所得に対しましても同様な條件で優遇する。このようなことが必要であろうと考えまして、かような立案をした次第であります。ただ法文で事実上二十七年から適用するということにいたしておりますが、これは非円通貨の所得等があつた人に対しまして、過渡的に二十五年と二十六年の二箇年間は、五割控除して課税するという特例を別途に設けております。そうなりますと、この二十五年と二十六年の二箇年間は結局同じになりますから、外資導入関係の方は二十七年からという表現を用いたのでありまして、ただ主たる目的は、やはりあくまでも外資及び外国技術の導入をはかりたい。このために特例措置を設けるというのが本法の主たる目的でございます。なおそれから弁護士、公認会計士等につきましては、これはやはり外資が入つて来る上におきましては、残念ながら日本におけるこういう制度がいまだどうも外資が入つて来るまでに簡單でない―と言うと言い過ぎるかもしれませんが、やはり外資が入つて来る上におきましては、本国のこういう技術者、專門家が出てきまして調査をして、それによつて外資を導くということが必要と考えられますので、やはりこういうものにつきましても特例措置を講ずることにいたしたのであります。所得の調査は三宅委員のお話の通り、会社の支拂い等をよく調べまして適切な捕捉をいたすということは当然のことと考えております。
○三宅(則)委員 それではもう一点だけお伺いいたしたいと思いますが、牧師あるいは学校教員にやはりさつきの自由業と同様に、宗教の方は自由職ということになつております。その辺のところの給與所得につきましてはどういうふうに考えておるか。それからもう一点、揮発油税については、わが国においても相当揮発油税を安くしてもらいたいという運動が盛んにあるのであります。これに対して、政府としては今のところどういう考えを持つておられるか、一言承りたい。
○平田政府委員 日本の復興のために一番、急務としますところは、やはり経済の復興だと考えるのでございますが、文化水準を高めるということもやはり必要なことでありまして、そのためには外国の学校の先生あるいは布教師等も入つて来て、仕事ができるようなふうにしておかなければならない。ところが今のままの税制で特例を設けませんと、非常に税負担が高くなつて、今いる人もあるいは本国に帰らなければならないというような情勢もございますので、そこまでになりますと、ややどうであろうかということを考えまして、学校の先生とか布教に従事する人々に対しましても、同様な措置をとることにいたしたのであります。 それから揮発油税につきましては、先般の委員会におきましてもたびたび問題になりましてお答えいたしましたが、現在の段階におきましては、前にお答えいたしましたこととかわりございません。ただその際も申し上げましたように、情勢は著しくかわりつつありますから、情勢がかわつて来た場合におきましては、そのときの情勢に応じまして妥当な課税をするということには常時研究は怠らない、かような考えであります。
○小山委員 ちよつと二、三お伺いしたいのは、この優遇措置を講じたということは、三宅委員との質疑応答で若干わかつておるのでありますが、要するに日本の税率が高いということから出発したと思いますが、またそれ以外の理由があつてでありますか。まずそれから伺いたい。
○平田政府委員 もしも一般の日本の税率が著しく低い、ことにアメリカ等よりも同じ所得であつても低いということでありますれば、私はあまり税法上優遇措置を講じなくても、相当入つて来るのではないかと思います。ただ今の税負担は先ほど申し上げましたように、所得水準がアメリカと日本と同じ三百六十円で換算いたしますと違つておりますので、その関係からいたしまして、所得税の負担が非常にアメリカより日本の方が高くなつて来ておる。従つてそのまま負担してもらうということでは、外交が入つて来る上において非常な支障になりますので、そういうものを極力排除いたしまして、特別に優遇いたしまして外資が入りやすいようにいたしたい、こういう考えであります。御説の通り日本の所得税法が一般的に非常に低い所得税でありますれば、あるいはこのような措置はいらないであろうと私も考えております。
○小山委員 そういたしますと日本の税率が、来年度予算において余裕ができて、来年度において下つたというような場合には、やはりこの三百五十万円という限度はそのままにしておきますか。それともその場合には、それに合うように改正するという含みでありますか。
○平田政府委員 この負担の開きというものは、前から申し上げておりますように、相当の負担の開きになりまして、所得税の收入額をよほどわずかのものにしない限りにおいては、アメリカの所得税並の負担にするということは、私は当分不可能ではないか。もちろん所得税については極力私どもは軽減に努めたいと思うのでありますが、そのことによりまして、この問題が根本的に解決されるというようなふうには、なかなか実は参らないのじやないかと思うのであります。従いまして一旦きめましたものをあまり毎年かえますと、かえつて安定を欠きますので、やはり著しい状況の変化がない限りにおきましては、なるべくかえないで行く方がいいのじやないか。ただ著しい状況の変化がございますれば、これはもちろんそれに応じまして変更する必要もあるのじやないかと思いますが、今のところかようなことをそこまで予測する事情には相なつておらないのでございます。
○小山委員 この問題については、それではひとつ数字を出していただきたい。と申しますのは、これは一般的に考えると外国人を特別に優遇するのである。その優遇はむろん外資導入をしやすいようにするという立場からでありますから、一応文句はないのでありますけれども、日本の税率がどんどん下つて行つても、なおかつこの法律はそのままで置くというただいまのお話でありますとすれば、そんなに向うと違うのかということを、一応納得しなければなるまいかと思いますので、そんなに違うということを示す資料を、ひとつお出し願いたいと思うのであります。 もう一つは、この税法をお出しになるについては、予算との関係をどういうふうにお考えになつておりますか。具体的に申しますと、この法律によつて外資が入つて来て、たくさんの人が入つて来るから増收になるのか。あるいは今まで一応見込んでおつたのがこの結果減收になるのか。そこをひとつお話願いたいと思います。
○平田政府委員 お話の点は、こまかく研究しますと、なかなかむずかしい点でございますが、大体のことを申し上げますと、今度の特別措置法は、実は今まで非課税になつていたものを課税するという点が、非常に大きな改正なのであります。すなわち合法的にドルの所得があつた人につきましては、現在スキヤブインで課税しないことにいたしておりますが、もちろんこの取扱いを本法の施行されるときには変更いたしまして、やはりドル所得に対しても課税するということに相なるものと、私どもは期待いたしております。もちろん一面におきましては、ドルの日本における通用範囲を徐々に狹めるという方向に向つているようであります。そうしますと、当然営利取得として課税されるということになるわけでありますが、いずれにいたしましても、そのような非営利通貨の所得に対しては、今まで課税されていなかつたのが、とにかく五割控除をして課税するということになりますと、その面から申しますれば、やはりある程度増收になつて来るのじやないかと思います。それから今お話の通り、さらに一層外資あるいは外国技術者等が入つて来まして、それによつてそういう方面の所得がふえて参るということになりますと、これもふえて来るかと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、総体から申しますと、それほど大きな数字ではないのでございまして、何か見当はつかないかということで研究いたしておりますが、大した数字ではございません。予算の見積りをこれがためにかえなければならないというようなものではないと、さしあたり考えております。
○小山委員 予算を組まれるときには、この問題は考慮に入つておりますか。入らないでおやりになつたのでありますか。
○平田政府委員 今申し上げましたように、予算全体に相当大きな影響のあるようなものでございますれば、予算を組みます場合においても、当然考慮すべき問題じやないかと思いまするが、それほどの問題ではないと思つておりますので、特にこの問題を取上げて、予算の増減を見込むつもりではございません。所得税全体で約二千五百億円程度の予算であります。しかし徴收歩合は七四%とか七五%とかいうところで、大きくいろいろな要素を考えてみておるわけでありますが、そのような中の一環といたしまして、このような措置による影響を、特にフアクターとして考えるほどのことはなかろうと考えておるわけであります。
○小山委員 そうすると、予算は増收にはなるまい。減收にもなるまい。こういうふうに了解いたします。 それからこの業種の指定でありますが、これは業種別に指定するのでありますか。それとも個々の法人によつて指定するのでありますか。
○平田政府委員 これは個々の法人によつて指定しますと、あまりにも大蔵大臣が恣意的にきめるというきらいがございますので、やはり原則としましては、業種によつて指定いたしたいと考えております。ただ業種の範囲を、ある業種は一般に妥当と認めれば広く指定しますし、ある業種は相当こまかく業種を指定する。こういう場合は、その必要に応じてあるかと考えておるのであります。
○小山委員 業種別の指定ならば、これは法律で明定して、「その他」というふうにするのが従来の立法の方法だと思うのでありますが、それを全然法律から除外して行政措置にしたのは、何か理由があるのですか。それを伺いたいと思います。
○平田政府委員 できますならば、なるべく法律に明示するというのも、確かに最近の立法の傾向として一つの行くべき道じやないかと考えますが、ただ先ほどちよつと申し上げましたように、状況によつて業種の範囲を変更する必要がやはり相当出て来るのじやなかろうか。それから今申しましたように、業種と申しましても、事柄によりますと、相当こまかい業種を指定せざるを得ないという場合もあるのじやなかろうかと考えます。そのような点を考えますと、これはやはり大蔵大臣の指定に讓らせていただいた方が、よりこれの目的を達するゆえんではなかろうかと考えておるのであります。法律では相当抽象的に規定しておりまするが、今申し上げましたような趣旨に従いまして、政府としましては、妥当なる業種を指定するように努力いたしたいと考えております。
○小山委員 何か法律に明定しなかつた理由があるのではないかと思いますが、お漏らし願えれば、その辺のところを伺いたいのと、それから最初にわれわれが承知しておつたよりも相当範囲が広がつているのは、どういういきさつから行われましたか、伺つてみたいのであります。
○平田政府委員 業種の指定を特に法律にしなかつたことにつきましては、特別ないきさつというものはございません。御承知の通り、現在の法人税、所得税法におきましても、重要物産の免税事業というものを政令で指定しております。これも法律によつて指定いたしたらという御議論もあるかと思いますが、特に新しく課税するというような場合におきましては、政令で規定するという方法はもちろん避けなければならないと思いますけれども、特別な優遇措置を講ずる、軽減するといつたような場合におきましては、政令なり大臣の指定なりによつていいのじやなかろうかと増えております。しかし立法の全体の傾向の行き方に関する御議論といたしましては、そういう御議論は、確かに一つの有力な御議論じやないかと思いますが、そのような趣旨で先ほどから申し上げておりますように、大蔵大臣の指定に讓つてあるのであります。なお外資委員会が個々の外資につき認許可をやつておりますが、そういうようなものとの関連を考慮に置きまして、業種ではありますが、やはり個別的にこまかく見て指定する必要があるのじやなかろうかと考えまして、このようなことにいたしたのであります。 なお範囲が少し拡張になつたのではないかというお尋ねでありますが、確かに拡張になつた点がございます。最初一応案をまとめましたときの案に対して、拡張になつたおもな点を申し上げますと、第一は経過的な措置であります。従来の非円通貨の所得に対する所得税を課税するところは、最初は二十五年度分に限りまして、一年間だけの特例措置を設けたらどうかということも考えてみたのであります。ただこの点につきましては、一年だけではどうも経過措置として不十分である。なかんずく本法の施行が遅れまして、まだはつきりは申し上げにくいのでありますけれども、実際上は七月前後から実行することに相なるのではないかと思いますが、そうなりますと、二十五年度分に対する特例というのは、ほんの半年分にしか適用にならないということになりますので、これをもう一年延ばして、二十六年度分につきましても、同様な経過的な特例措置を設けたらどうかという点が、変更しました一つの大きな点でございます。 それからその他におきましては、銀行業とかその他の、直接外資導入というよりも、外資の導入に対しまして補助的に必要な産業、これに対しまして同様な特例を與えるか與えないか。これはいろいろ問題にいたしたのでありますが、やはり外資が入つて来ますためには、このような産業がある程度日本に入つて来なければ、うまく行かないのではないかということを考えまして、そのような点について若干拡張することにいたしたのであります。それと最初は軽減します対象として、ごく責任者だけに限定するという考えも、一つの案としてあつたのであります。つまり外国からやつて来てほんとうに外資を管理する、あるいは技術上の責任者としてやつて来るというものだけに限定するか、あるいはそういう人たちの補助員として来る人たちまでやるかやらないか、これはいろいろ問題があつたのでありますが、あまり上席者だけに限定するというのは、いかにも優遇するようで実際は優遇しないという結果になるおそれがありますので、その点を拡張して、一年以上居所はありますが住所がないという者につきましては、この規定によりましてやはり同じく優遇したらどうか、そのような点が、一応まとまりました案に対して、その後さらに最終案をまとめます際に若干補正を加えまして、提案いたしたような次第でございます。
○小山委員 ただいまの範囲拡張のことでありますが、この法文を見ますと、結局あらゆる外国人ということになるような感じを受けるのであります。牧師あるいは学校の先生というところまで入つておるところを見ると、あらゆる外国人ということになるのではないか。それとそうでなくて、外資導入にからんで来る人で除外される例が幾らか出るのでありますか。
○平田政府委員 さつき三宅委員からお話がありましたように、たとえば單純な飲食業を営んでおるというような外国人には、全然適用にはならないかと思います。それから貿易業の場合も、本法の四條、五條といつたような関係におきましては該当になりません。海運業等につきましても、直接該当にならないかと考えます。むしろどつちかと申しますと、四條、五條の場合におきましては、該当になるものの方がよほど少いのではないかというふうに考えております。ただ経過的な規定の方は、これは今まで非円通貨の所得があつた者に対しまして課税してなかつたものを、今後全面的に課税することになるという経過措置でございますから、この規定に関する限りにおきましては、この要求に関する限り、いかなる事業を営んでおる人といえども、すべて該当するということに相なるのであります。
○小山委員 住所を有する、有しないということは、先ほど三宅委員からの質問で伺つたのでありますが、たとえば牧師のような場合は、日本に永住するつもりで来るという人には課税をして、すぐ引返す人に課税しないというのは、いかにも不合理のように思われるのでありますが、この点はどういうふうな観点か伺いたい。
○平田政府委員 お話の点は確かにむずかしいところでありまして、永住の意思を持つて日本に来てやるという場合におきましては、やはりどうも日本人あるいは内地に住所を有する人と同じ條件で税金を納めてもらうという、負担公平と申しますか、そういう考え方の方に重きを置きまして特例を設けない。ただ本来たとえばアメリカにおりますれば所得税がこれだけで済む。日本に来たために所得税がこれだけ非常にふえる。どうにも行けない。こういうような人の場合におきまして、このような優遇した措置を講じますと、比較的来てもらいやすくなる。それによりまして日本の経済、文化が向上するということになりますれば、これは非常に日本のために望ましいことではないかというのが本法のねらいでありまして、従いまして永住の意思を持つて、自分は日本に住所を移すのだというふうな意思表示存された方は、本法は適用にならないということに相なるのであります。そういう方々は日本人と同じような所得税の負担をしてもらうというわけであります。
○川野委員長 それでは本案に対する質疑の通告者はまだ相当ございますが、明日に讓ることにいたします。 ―――――――――――――
○川野委員長 次に、本日政府委員より説明を聽取いたしました国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案、及び予算執行職員等の責任に関する法律案を一括議題として質疑に入ります。西村直己君。
○西村(直)委員 ただいま御説明になりました国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案について、私の質問の中心点は旧海軍共済組合年金給付の問題でありますが、その前提といたしまして一、二お伺いしておきたい点がございます。 恩給法による恩給、それから今回増額になつた共済組合法による共済年金、これは大体の取扱いは同じように考えるのでありますが、これらのいわゆる共済組合法による長期給付と、それから恩給法による恩給というものは、政府におかれましては大体同一性格のもの、また同一の状況下に立つているという考えで措置をされた、こう解釈してよろしゆうございますか。
○河野(一)政府委員 恩給と共済組合の長期納付でありますが、恩給の方は、御承知のように国庫納付金がありまして、それに対して国において給付する。共済組合の方は、法律上の性質は、組合員が掛金をいたしまして、それと同額を国の方で給付するということで、多少違うのであります。しかし取扱いと申しますか、その金額でありますとか、いろいろな精神は相似通つたところがあるのでありまして、この恩給を上げる場合におきましては、共済給付の方も上げなければならぬというような、お互いの関係になつております。大体考え方としては同じである。ただ財源的におのおのの事業体でやつておりますので、その点だけ違うというふうに考えております。
○西村(直)委員 御説明でわかりましたが、そうするとその財源の関係が多少違つて来るという場合に、財源は主としてこの場合にはどこにお求めになるか。
○河野(一)政府委員 この共済組合法で従来は三千七百円ベースになつております。これが六千三百円になるのでありますが、そうしますと、過去の掛金は三十七百円ベースでやつておりますから、ここに非常に欠陷ができるわけであります。その欠陷は、各特別会計はその特別会計でやるのでありますが、一般会計に関係いたします共済組合につきましては、一般会計からその責任準備金の不足を補つてやるという建前になつております。
○西村(直)委員 それで大体この御趣旨はよくわかりましたし、またまことにけつこうだと思います。恩給全体の問題におきましても、過去の恩給受給者が三千七百円ベースの支給を受けて、現在六千三百円ベースの恩給受給者と大分差があつて、これの間に不平があつたのが、今回除去されんとしております。共済組合におきましても、この法案をお出しになることはまことにけつこうであります。この国家公務員共済組合法により、今度増額を受ける受給者の数でございます。あるいは三千七百円ベースで来ましたものが今度一人当り大体どのくらいになるか。該当者がどれくらいあつて、上る率がどれくらいか。私の手元にもちよつとした数字はありますが、政府の方も御用意があるかもしれませんので、お聞かせを願います。
○河野(一)政府委員 三千七百円ベースを六千三百円に引上げました場合に適用を受けるものが九万四千人、それから増加額は七億千万円ほどでありまして、この措置によりまして、一人当りの共済給付年額が一万六十六百円程度になります。
○西村(直)委員 ちよつともう一度お伺いしますが、要するに該当者が何人、それの今度の幅がどのくらい上るかという数字をちよつと……
○河野(一)政府委員 三千七百円ベースの場合の年金でありますが、その場合においては八億九千万円、それが七億ほど上りまして、十五億九千六百万円、約十六億ということになりますが、該当人員は九万五千人程度であります。 〔委員長退席、小山委員長代理着席〕
○西村(直)委員 それからいま一点お伺いをいたしますのは、現行、この法案前の三千七百円ベースで、一人当りの年令が幾ら、これが今度の改正によつてどのくらいになるか。恩給の場合でも同じようなことがあると思いますが、概数でよろしゆうございます。
○河野(一)政府委員 ちよつとこまかい数字がございませんが、大体九千円程度のものが、一万六千六百円程度に相なるかと思つております。
○西村(直)委員 そこでその次に私が主としてお願いもし、あるいは質問したい点でありますが、例の終戰のときに、現に存在していなかつたところの共済組合、言いかえれば海軍、陸軍、あるいは外地の共済組合というようなものがあります。これらについては、現在はいかなる状態になつているかという概要を御説明願いたい。
○河野(一)政府委員 この国家公務員共済組合のできます前におきましては、西村委員御存じのように、勅令をもつていろいろたくさんあるわけであります。これには軍関係のものが相当ございましたし、それから外地関係のものがございまして、そういつた勅令が廃止されますについて、基礎がなくなつて、現在清算的な組合になつているわけであります。御承知のように共済組合につきましては、組合の掛金と国からの交付金で、責任準備金を積み立てて行つておりますから、かりに清算になつても、その給付を受ける者、退職者につきましては、ほかの事情が変化ない限り、その財源に事欠かぬわけであります。ところが御承知のごとく急激なインフレと申しますか、そういうことによつて、責任準備金がまつたく意味のないものになつているのが実情であります。終戰当博の各組合におきまして、陸軍、海軍、その他外地等でいろいろ事情がございますが、中には財産を売却して、一時金を支拂つているものもございます。それから現在財産を細々運用して、その責任準備金のある範囲で、拂つているというものもございます。これは現状は御承知のように、非常に不均衡な状態になつているのでありまして、この点について現在としては法的基礎がないのでありますけれども、いろいろ検討を要する段階には来ているというふうに思います。
○西村(直)委員 なるほど法的基礎がないという御説明であつて、考慮するということは政府としてもお認めをいただいていると思います。私もまことにそう思うのでありまして、海軍の組合、これが実態的に一番大きい。おそらく現在これの年令の受給者が二万五、六千名になるのではないかと思うのであります。私どもが民間からいただいております資料によると、たまたま終戰のときに残つておつた同じ性格の共済組合が、その後に廃止されても、これは当然法律の適用を受けている。旧組合の名前において適用を受けている。これはもちろんけつこうでありますが、その人たちは三千七百円ベースで年金九千円、それを一万六千円に上げていただく。ところが終戰のときにたまたま存在をしておりませんでしたところの海軍、陸軍、外地、特に海軍が実態的に非常に数が多く、また実際において存在しているのですが、たまたま法的な基礎を持つていない。こういうものの一人当りの年金額を、私が手元にいただいている貸料から見ると、一人一年間三百二十五円、あるいは三百五十六円というような数字になつている。おそらく一生を労務者として、海軍あるいは陸軍といつたところでささげた人が、年間三百五十六円、あるいは三百二十五円、あるいは二百円台の数字をもつてほうり出されていることは、非常に不合理である。しかしこれも立論をかえて、陸軍、海軍の仕事を手伝つた労務者であるから、徴用もあつたろうけれども、それはしかたかない。終戰のどさくさで消えてしまつたあとは清算で続けて行け。涙金として三百円やる。これは法律の知つたことではない。それは法律論としては一応成り立つかもしれませんが、しかし法律論から参りましても、私が考えますには、その海軍の判任官の方が、他の官庁に移つたような場合には、やはり三千七百円ベース、さらに今後は六千円のベースで恩給受給者の資格が確保される。そうするとここに残された数万の方々、しかもそれは一生陸、海軍なりあるいは外地等において、国家のために使役されて来た人々であります。同じ状態にあつて、たまたまあの国家公務員法をつくるときに、附則の中に現在そのときに存在しないものは除いてしまつたということから、片方は三百円あるいは二百円台の、まるで子供があめを十も買えば消えてしまうような金、何ら生活の足しにならないような金、しかもその中には老境に入つて廃疾状態になつている人もたくさんある。かかる点から考えますと、單に一片の法律で、そこにベースがきめられてしまつたからといつて、これをほうり出すことはできないのではないか。この点について大蔵当局とされましては、将来に向つてこれをどういうふうに解決をなさいますか。私はなるべく法律論以上に進んで、あたたかい気持の御方針をお示しを願えれば、仕合せだと思います。
○河野(一)政府委員 西村さんの言われますように、陸海軍の共済組合の現在の年金額は、三百円とか六百円とか非常に低いものであります。事態がこういうふうに至りましたことにつきましては、はなはだ御同情にたえない次第であります。この陸海軍の共済組合の問題は代表的なものでございますが、そのほかに外地の関係の組合がございます。これは終戰後の状況その他まだ的確に把握できませんので、これらのものについては同じ問題がございます。また終戰後における責任準備金の使用と申しますか、組合員に対する一時命を支給いたしますとか、いろいろ組合によつて実際の事情はかわつております。こういう事情を的確に把握したいと思いまして、現在いろいろな調査をいたしております。一片の法律ということでなしに、西村委員の言われますような方向において検討して、善処いたしたいというふうに考えている次第でございます。
○西村(直)委員 主計局長の言われるように、陸軍の組合等は、承るところによれば、十年間くらいの責任準備金からインフレ以前の数字で支拂つておられた。あるいは外地のごときは、ものによつては一時退職で解散状態に入つて、帳簿等もはつきりしないものがある。今私どもが特に耳にいたしますことは、海軍の共済組合は実態的にも存在する。御存じの通り厚生省の保險局長が会長になりまして、法律の方は離れましたけれども、財団法人共済協会として、厚生省の一つのはつきりとした監督のもとに、形は一つの清算事務のような形でありますが、事業経営をやつておる。従つてこれは財源的な基礎も持つておると私は思うのであります。なるほど同じような気の毒な方たちの中から、救えるものでしかも比較的数の多いものは、旧海軍共済組合のごときものがあるのでありますから、私は部分的には一時も早く手をおつけになる必要があるのではないか。特に参議院におきましても、たしかこの問題は請願を採択されたようであります。衆機院におきましては厚生委員会で請願を採択されたように思うのであります。私はやはり国民の声を代弁する人間といたしまして、この点を強く政府の方に御要望いたしたい。おそらくさらにこれを掘り下げて行く場合に、どこに難点がございますかという点でございます。たとえば実態を把握しにくいという場合に、おそらく旧海軍共済組合というものは、実態把握は非常に楽なのではないか。問題はそれ以上に何か政府として、たとえば予算措置の問題あるいは法律上の問題で、非常に御難点があるかと考えます。またその難点を乗り越えられて、やつてやろうというお気持であるかどうか。その点ひとつお示し願いたいと思います。
○河野(一)政府委員 海軍の共済組合はたしか二万五、六千人の陣容であろうかと思います。該当者もまた相当大部分を占めるわけであります。従つて海軍だけ先に解決するということも、西村さんのおつしやることもごむりな点はないと思いますが、ただ政府の立場といたしましては、同様な事情にあるものは、同様な処置をすべきものであろうというふうに考えて、いろいろ調査を続けておる次第であります。これにつきましてはもちろん現在の国庫で、予算的な措置を講ずるということに相なりますと、現在持つておる財産というようなものをどういうふうにいたすことになるか。またまるがかえということもあるいは一案でもありましようし、そうでなしに責任準備金の問題について考えるというような、いろいろ検討を要する点があるのであります。そういう点も考えまして、できるだけ、もちろん財政負担も伴うことでありますので、そういう点も十分考えまして善処いたしたいと、目下検討いたしておる次第であります。
○西村(直)委員 はなはだ執拗なようでありますが、これはどなたがお聞きになりましても、またどなたにお話申し上げましても、なるほどもつともな問題である、一日も早く解決すべき問題であるというふうに、私は與党、野党を問わず、各委員なり代議士の方々が言われると思うのであります。なるほど国家のために長い一生を奉公しておられる。しかもその中には家業を捨てて徴用の形で入つておられる。そうしてそれが三百円ぐらいの金で、ただ清算の余り金をもらつて一生の代価にされておる。片方にはそれと同じような性質の方が、国家の法律の方で共済組合員として、なるほど生活は苦しいけれども、一応現在のインフレ下のベースに沿つたような形で年金を給與される。しかもその実態的な問題をまとめておるところの旧海軍共済組合が、局長のおつしやるように二万数千人もおる。財政負担の問題がございますが、私どもが聞いておるのでは、二億円か三億円の問題だと思うのであります。それからいま一つ主計局長は、同一事業にあるから全部一つにまとめて乗つてやろうというような御意向でありましたが、私どもは意見の相違というよりは、むしろこういう困つておる人たち、気の毒な人たちの大体中心になるところを早く救うということが、まず先決ではないかと思うのでありますが、これは局長から直接次期国会でやるとまで御明言はいただけぬかもしれぬが、なるべく次期国会等で早急に解決したいというお気持をひとつお示し願えぬが。私どもはこれは一個の人間でございますが、二万数千人あるいはそれの家族というものが、どのくらいこの問題に対して、政府のやり方を恨むというよりは、法律の冷たさを考えているのではないかと私は思うのであります。
○河野(一)政府委員 この問題はなかなかごもつともな点であります。今回この法律によりまして、一般の共済組合が三千七百円ベースから六千三百円ベースになるにつれましては、当然その間の不均衡かはげしくなるわけでありまして、荏苒日を送るわけには行かないのでありまして、できるだけ近い機会におきまして、西村委員のおつしやる筋を通したいというふうに考えております。それならばただいまいつどういうふうな程度においてやるかという点につきましては、まだ具体的なお答えができるまでに至つておらぬことを、御了承願いたいと思います。
○西村(直)委員 最後に私同じことを繰返すのでありますが、どうか大蔵当局におかれましては、これは厚生省が直接監督をされておるようでありますが、この法を立案されるなり、予算措置をおとりいただくのは大蔵省の権限であります。どうか多くの人が三百円、二百円の年金、同じような生活をして来ておるのに、片方は一万六千円の年金をいただいておるという状況を、一日も早く解決なさることは、おそらく国民のだれ一人としてこれに対してノーと言う者はない。従つてこれは法律技術上、あるいは予算措置の上にちよつとのお手数はかかるかもしれませんが、どうかこの点は大蔵当局とされまして、共済課長もおられますから、おそらく私は全閣僚諸公においてもノーと答える方は一人もないと思つておりますが、どうかこの点は格段に押していただきたいということを希望申し上げまして打切ります。
○小山委員長代理 川島金次君。
○川島委員 私も本日提案になりましたこれに関連しこの問題を取上げて、政府筋の確固とした意見を問いたいと思います。しかしこの問題は非常に重要な事柄でありますので、ひとり主計局長だけの御説明ではむりだと思いますので、明日でもけつこうですから、厚生大臣及び大蔵大臣にも出席をいただいて、十分に検討存する機会をわれわれに與えてもらいたいと思うのであります。その問題について一応保留し、当面の今西村委員からも具体的な意見あるいは希望などが出ましたが、大体それと大同小異の事柄でございます。 元来旧陸海軍の共済組合の人たちは、なるほど西村委員のお話にありましたことく、法律論といたしましては国家公務員とは別の扱いをされるということは、一応成り立つと見られるのでありますけれども、これらの人たちは永年にわたつて国家の事業に参與し、しかも中にはそのために災害をこうむつて半身不随、不具者あるいは病人となつておる。しかも人生の半ば以上を国家の事業に献身的にささげて来た。しかるにただ終戰当時の特殊な事構だけが考慮されて、一般公務員とは全然違つた処遇を受けて、今お話の出たように、わずかに一箇年間三百数十円の年金をもつて、生活の柱としなければならないという、今日の生活の実態、物価の事情等から見まして、むしろまつたくないにひとしいという事情のもとに余生を送つておる人が、ただいまお話のように二万数千人にも達しておるというわけであります。これは余談でありますが、今日政府は国の法律に違反をし、すなわち社会の秩序を乱し、あるいは重大なる法規的な違反を犯す等の不法行為を行つたものを收容しておる刑務所においてさえも、囚人一人当り平均の経費として一箇年三、四万円を要しておるという実情であります。国の秩序を乱し、社会生活を不安に陷れた極悪な罪人を收容する経費すらも、政府は一人に対して三、四万円という多額な経費を支出しておるのであります。それとこれとをたとえるわけではありませんが、そういう好ましからざる人々に対してさえも、政府は相当の経費を今日支出しておるのであります。一方これら共済組合に属する、最も国家のために真剣に、しかも人生の大半を国の事業にささげて参つたそれらの人たちに報いるに、二階から目薬ということわざがありますが、まるで十二階から目薬にも値しないような現実の中にほうり出して、そのまま顧みないという形にあることは、国家の道義性からいつても、これは当然に論議をし、研究を要する余地のある大きな問題だと、私は考えておるのであります。この問題について主計局長は、何分にも單なる陸海軍関係の共済組合に対する問題だけではなしに、外地等の方面における事柄をもあわせ考えなければならぬ。従つてこれに関する的確な実情を把握し、その上に立つて公平適切な施策を行いたいというその意見には、別に異論はないわけでおりますけれども、しかし現実に目の前にすでに非常な窮境に陷れられながら、その余生を送つておる人たちがおる。こういう人たちを救うためには、他のものも調査研究しなければならないからということは、私は理由にはならないと思うのであります。俗説にも愛は近きよりという言葉も昔からありますように、現実に政府の目で見て、同じく国に半生をささげた人たちの中に、その処遇が実に天地雲泥の違いのあるような形の上において、放任されておるという現実を目の前に見ておる。それを外地関係等もあるからという理由で、いたずらに調査研究で時日を遷延することは絶対に許されない。現実は、これらの人たちにとつては一刻の遷延も許されない。まことに同情に価する環境に置かれておるのであります。こういう事柄に対して、主計局長から的確な責任のある答弁を、この席上で突然にわれわれが求めるということはいささかむりだと思いますので、前提に申し上げましたように、責任ある大臣の出席を願つて、この委員会においてこの問題をもつと具体的に取上げ、真剣に国会と政府とが論議をして、一日も早く的確な、しかも適切なる瀬策を見出すことが、われわれ国会としての責任でもあろうと思うのであります。前提が長くなりましたが、もう一ぺん主計局長においては、多少この問題についてはその立場において何らかの研究をされて来ておるものと、われわれ期待いたしておるものの一人でありますので、もう少しこの問題に対する、われわれに多少とも納得のできるような説明と、今後に処する主計局長としての考え方が、大ざつぱでもいいけれども、まとまつておるところまで行つておるならば、それをもあわせてこの機会に伺いたいと思うのであります。西村委員の質問に対して、すでに局長からある程度の答えがされたのでありますが、もう一歩つつ込んだ立場において、これに関する所見をもう少し具体的に伺わしてもらえば、われわれ幸いだと思うのであります。
○河野(一)政府委員 この問題の解決にはいろいろな問題があるのでありまして、陸海軍のほかに外地の関係もあることは、先ほど申し上げた通りでありますが、たとえば現在清算法人的になつております共済組合をどういうふうにするか。共済組合單位として残しておいて給付事務をやらせるのか。あるいは收入もあまりないことでありますから、国でもつて引取つてやるのか。恩給に類したものとしてやるのかどうか。あるいはその場合におきまして現在の財産をどうするか。ことに海軍などは病院を持つておるのでありますが、この病院をどうするかというような問題、それからその他の財産もいろいろあるところもありますが、そういうものは換価性があるかどうか。現在の財産でできるだけのことをやつて行つて、あとは全部背負うようなかつこうにするのか。そうでなしに国が責任準備金というものを出して、それでもつてやつていただくということにするのか。そういう点がいろいろ各組合の実情によつて異なつておるわけであります。もちろん各組合の間において不均衡になつては困るのでありまして、そういう点に対しての実情の調査ももちろんでありますし、そういうやり方についての考え方、構想についてまだ具体的にどうするというところまで行つておりませんが、問題としては以上のようないろいろな問題があるということを申し上げて、御了承を願う次第であります。
○川島委員 今の主計局長からお話の出ました、海軍共済組合関係の病院等のあることはわれわれも存じております。こういう問題の処理をどうするかということも、もちろんこれを愼重に研究されることは、われわれも意義のないところであります。しかし端的に言えば、こういつた施設のかりに帳簿価格だけでも今の時価では相当な財産になる。こういうものをすぐに金にかえるということは、きわめて容易ではないということもわれわれはわかるのでありますが、こういう財産を基本といたしまして、帳簿価格でもかりに今日調査すれば、大ざつぱに見て一億円以上残つておるというような財産を、今日の資産再評価的に評価がえいたしますれば相当な財産になるわけであります。そういう問題を基本として政府が特段の熱意と誠意とをもつて研究されるならば、その処理については私はそうむずかしいことではないと思うわけであります。そこでお尋ねしますが、一体海軍方面における病院等を含めた財産は、われわれは大ざつぱに聞いておるだけで、帳簿価格で一億数千万円ということでありますが、現在の時価に見積つた場合にはどのくらいになるかということについては、私どもよくわかつておらないのでありますが、かりに主計局長のお手元に、そういう事柄についての数字的な調査がありましたならば、この機会にわれわれに参考のために聞かせてもらいたい。
○河野(一)政府委員 海軍におきまして帳簿価格で一億九千万円程度、その中で現金が預金で千三百万円、金銭信託で五百四十万円、貸付金で二千五百万円、未收金というのが四千六百万円。陸軍におきましては五千七百万円程度の帳簿価格であります。信託預金が二千四百万円、定期預金が二百万円、普通預金が二百万円、有価証券が六百万円。陸軍の方は大体流動的資産が多いのでありますが、海軍の方は御承知のように係争になつております建物もあるわけであります。よく御存じの元の日産ビルなんかもそういう問題もありまして、なかなか財産の換価といいましても、病院を持つておりましてもこれがペィするかどうか。これを国が買放して国立病院にするか。あるいはそのままでこれをどう評価して、将来共済組合のままで残してやつて行けるのか。この辺の実情をもう少し調査したいと思つております。ただ帳簿価格―現金あたりは別でありますけれども、土地建物というものを現在評価いたしますれば、おそらく数倍、十数倍ということになろうかと思います。ただこれだけのものを評価がえだけしてすぐ金ができるわけではありませんで、そういう点とあわせて考えませんと、ただ足りないから全部国でもつてやるんだということは、どうも筋としては通らない。こういう点もあわせて考えてみたいと思つておるわけであります。
○川島委員 時間がございませんから、この問題はいずれ明日あらためて責任ある大臣にお伺いしたいと思うのですが、これとあわせて簡單に窓口だけの程度でもよろしいのでありますからお伺いしておきたいと思う。なお詳しくは明日申し上げたいと思います。陸海軍の共済組合関係と同様に、多少事情は異なつておりまするけれども、従来政府の直轄的な事業で運営されて参りました八幡製鉄の共済組合の年金のことであります。この八幡の共済組合の年金の事柄につきましても、これまた私がいまさら申し上げるまでもなく当該組合員並びに八幡製鉄の当事者におきましても、実に困難な問題として深刻に検討を今されておるようであります。従つてこの問題についても、すでにさだめし当局の方へいろいろと実情を具申し、またこの問題に対する対処方について政府の同情ある、しかも熱意のあるところの処置を熱望をして来ておるものと想像いたしておるのであります。元来八幡製鉄共済組合と申しましても、これは私から申し上げるまでもなく、よく主計局長も先刻万々御承知のことと思うのであります。従つて内容についてはこの機会に詳しくは申し上げませんが、この問題について主計局長はどのような考え方に今日立つておるか。その事柄についてできれば率直に具体的にわれわれに聞かしてほしいと思います。言うまでもなく八幡の共済組合の問題につきましても、これまたかつては国の事業、そういう事柄に献身して来た者が多いわけであります。その人たちが今日一会社に移行されたために、これはまた陸海軍の共済組合の当該関係者と同様に、苦しい立場にほうり出されようといたしておるわけでありますので、この点については政府はもとより格段の関心を持たれておるであろうと思いますが、この機会にひとつその問題についての考え方を率直にお示しを願いたい、かように思うわけであります。
○河野(一)政府委員 川島さんが率直にと言われますので率直に申し上げます。八幡共済組合と陸海軍の共済組合とは、私は筋が違うのではないかと思つております。海軍にいたしましても陸軍にいたしましても、母屋がもうなくなつてしまいまして、どこもめんどうを見てくれるところがないわけであります。従つて一般会計という問題がここに起つて来ざるを得ないのであります。八幡製鉄共済組合は御承知のごとく元は官営の八幡製鉄所でありましたものが、たしか昭和九年でありましたか、日鉄になつたわけであります。その母体がずつと残つておりますので、陸海軍とは少し違うというように考えております。それから今回この法律によりまして三七ベースから六三ベース上げるのでありますが、その分はいずれも特別会計において負担いたしております。鉄道につきましても通信につきましても、既給年金者に対する分を、おのおのの会計で負担しておるわけであります。そういう点の考慮から申しますと、私は私見をもつていたしますれば、八幡共済組合はおのおのの事業体で処理していただきたい、こういうふうに考えております。
○川島委員 まだ私の質問に相当広汎にわたつておる予定でありますが、時間が大分追つたようでありますから、保留いたして打切つておきます。
○西村(直)委員 ただいま明日か明後日大臣に御出席を願つて、答弁を願うということでありますが、この際主計局長にお願い申し上げておきたいのですが、大臣に御答弁いただく場合にははつきりした御覚悟というか、御方針をお示し願いたいと思うのであります。われわれは政治の観点から論じておるので、配炭公団でもつて百二十億の穴をあけた。鉱工品公団ですか、そこでは若いチンピラが一億の穴をあけたというようなときに、わずか二億円、三億円の金で二万数千名の人間の生活問題、しかもその背後には何千何万の者がおる。そういう政治問題から取り上げた場合に、事務的に難点があつてもこれを乘り切るという政治方針を大臣からお示し願う意味で、大臣の出席を要請しているのですから、どうかその点を大臣が、恒例によつて恒例の御答弁をなさるなら、むしろお聞きしたくないのです。おそらく従業員各位も、政府は百二十億も穴をあけたのを埋めているそうだが、われわれに対しては何ら政府はあたたかい気持を持つていないと思つているでしよう。そこに政治の弱点があるのです。その真劍な気持から委員各位が聞いておられるのですから、こういうふうにお考えになつて、大臣からおざなりでない御答弁を希望している、こうお伝え願いたい。
○小山委員長代理 本日はこれで散会いたします。 午後零時三十二分散会