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7回国会衆議院1950/04/14

大蔵委員会 第52号

発言数
36
登壇者
6
会派数
3
開催日
1950/04/14

会議録

川野芳滿自由党

○川野委員長 ただいまより開会いたします。  昨日質疑を終了いたしました国家公務員等の旅費に関する法律案を議題といたします。討論採決に入ります前に、田島ひで委員より発言を求められておりますので、特にこれを許すに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿自由党

○川野委員長 御異議がないようですから発言を許します。田島ひで君。

田島ひで日本共産党

○田島委員 きのうちよつと御質問いたしたのに関連いたすのでありますが、この法案によりますと、大体一様に公務員全体の旅費の三割値上げということになつておりますが、最後の方の率の表で、非常に上の方の高級官吏は率がよくなつておりまして、下の方はこの率が非常に惡くなつております。御承知のように今日では、公務員の旅費というのはほとんど生活費の一部のようになつております。ところが上級官吏になりますと、旅費は行き先で持つて、向う様持ちの旅費になつておりまして、旅費というものがほとんど問題になつておらない。その旅費は上の方が厚くなつて下の方に薄くなつておる。むしろこれは逆にしなければならない。さもなければ下級官吏の人には旅費の足しにならないと思いますが、そういう点について政府の方の御意見を伺いたいと思います。

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 お答えいたします。ただいまの職員の職務の級に応じましての割増率の問題でありますが、これは実情から見まして高級の職員が要務のために随行の者を連れて歩く。そういつた場合にはやはり随行員のめんどうを見る。その他の関係によりまして若干の経費がかかる。同時に職員の職例の級に従いまして、宿泊いたします族館の等級その他についても、やはり公務員としての品位の関係上、そこに経費の多寡というものが生じて来る。こういう事情にかんがみまして、従来からこういう職務の級に応じまして割増しをつけて参つておる次第であります。それを今後も当分の間継続して参りたい、こう考えております。

田島ひで日本共産党

○田島委員 大体このような程度の旅費の値上げで、下の方の公務員が旅行あるいは転勤などに、十分間に合うとお考えになつておられますかどうか。

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 旅費の定額につきましては、全国各都市における各旅館について、一級二級三級等の区別に従いまして、宿泊料の実費額というものを調査いたしまして、それから主として物価庁の統制額並びに交通公社などで調査いたしております料金額、そういうものを基礎にしたしまして算出いたしたものでございます。従いまして公務員の旅行に伴いますこういつた経費につきましては、旅行だからという理由によつて特にぜいたくをすべき筋合いのものではございません。日常生活の延長であるという趣旨において経費を支出すべきもの、こういう見地からいたしまして、この改訂案によります定額をもちまして、そうぜいたくはもとよりできませんが、実費額については十分これで間に合うものと信ずるわけであります。

田島ひで日本共産党

○田島委員 ちよつと十七條に基く一例をあげますと、船賃の中には高級官僚には寢台料金だとか、特急料金とかいうふうに非常に優遇されております。こういつた点なんかもやはり下の方にはほとんど無視されております。先ほどの御返答と同じような御返答かもしれませんけれども、これなどはむしろ下級の人に寢台特急料金などを出せというのではありませんけれども、その率を公平にしないことには非常に不公平ではないかと思いますが、そういう点をもう一度お伺いしたいと思います。

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 ただいまの急行料金並びに寢台料金等につきましては、いずれも職務の級に応じて出すというような趣旨のものではございませんで、規定にございますように特急につきましては片道五百キロ以上、普通急行、準急行につきましては片道百キロ以上という物理的條件に従いまして、支給いたしておるわけであります。また船賃の寢台料金等につきましても、これは公務遂行上の必要からどうしてもそれが必要であるという理由のある場合に支給する、こういう建前にいたしておるわけであります。

田島ひで日本共産党

○田島委員 退職のときの旅費ですけれども、十四日以内に出発しないとそれが無効になるように規定されておると記憶いたしますが、その点の御説明をちよつと……

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 これは外国旅行及び内国旅行により出発すべき期間がきまるわけでありますが、これは旅費支給の計算上、一定の日限によつて区切つたという趣旨でございます。

田島ひで日本共産党

○田島委員 退職になつたときなどの期間が、十四日以内にやはり旅行しないと退職金がいただけないということになつておるのですが、そうなりますとなかなか十四日以内にはむりであります。家を移転したり、子供の学校の転校のほかいろいろなややこしい問題がございますけれども、それでもやはり十四日以内に出発しないと旅費が支給されないのですか。

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 ただいまのお話の退職者の旅費の場合ですが、これは四十七條に規定いたしております條件付在職期間中のもののお話かと存ずるのでありますが、これは現在の公務員法の建前からいたしまして、新規採用後六箇月間はすべてその職は臨時的のものである條件になつておりまして、そういつた期間中の職員につきましては、特に労働基準法その他の振合いもございまして、十四日以内ということに規驚いたしたわけであります。

田島ひで日本共産党

○田島委員 もう少し具体的にお尋ねいたします。旅費の支給に対して非常にいろいろ官側の方の制限がある。たとえば逓信関係におきましても、上の方の御意向によつてだれをどこにや三かというような点が、非常にそのときの事情によつて考慮されておる。たとえば組合員などが大会に参りますときに宮側が旅費を出してやる。同じ用で行きますときにそれを認めないこともある。そういう例が相当あります。そういう点なんかはどういうふうに考慮されてなさるのか。

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 旅費の命令を出す場合に、公務遂行上必要がある場合で、特にこの法律案の御審議を願つております法案の中にもございますように、従来そういつた旅行命令についての規定が若干不明確でありましたのを、特に規定を設けまして、電話、事情その他通信手段によつて公務の遂行が円滑にやれないという場合につきまして、特に公務遂行上の必要から旅行命令を出す。そういつた旅行命令のあつた遂行についてのみ旅費を支給する。こういつた建前を確立いたしまして旅費の支出の適正を期したい。こういう趣旨に出たものでございます。

田島ひで日本共産党

○田島委員 それから外国旅行のところでちよつとお尋ねします。きのう竹村さんが大体お尋ねになりました点に関係しておりますが、これはアメリカから朝鮮までずつと地域が書いてあります。これは地域別ですか。それとも外国旅行となつておりますけれども、国の区別によりここに出ていないのも相当あります。これは全部昨日のお答えのようにその他の地域の中に入つておりますか。

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 別表にございますように、一応地域区分で掲げてございます。第二点の、ここに掲げてありません地域につきましては、すべてその他の地域に一括いたしたわけでございます。その理由は、現在におきまして宿泊料その他の実費額につきまして、確たる資料を收集しがたいという現状のもとにおきまして具体的必要に応じまして漸次実態調査の結果に従つて個別的に経理して行きたい、こういう趣旨でございます。

田島ひで日本共産党

○田島委員 もう一点、その中で旅費日当が非常に差異がありまして、フィリピンが非常に高くなつておる。これはどういうわけですか。

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 これは物価の相違でございます。

田島ひで日本共産党

○田島委員 フィリピンがインフレか何かで非常に物価が高いと申されるのですか。アメリカとの差なんかを見ましても非常に多くなつておる。

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 現在司令部職員一行が出かけます場合に、旅費の実額というものは大体現地の物価事情を考慮して、こういつた格差を設けて規定せられておりますので、それに従いまして規定いたしたようなわけでございます。

川野芳滿自由党

○川野委員長 河田賢治君から発言を求められておりますが、これを許すことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿自由党

○川野委員長 御異議ないようですから質疑をお許しいたします。

河田賢治日本共産党

○河田委員 先ほど外国旅行につきまして、ここでは朝鮮という言葉が使つてあります。普通には、今日南鮮方面では韓国という名称になつておりますが、貿易協定なんかも日韓貿易というふうなことになつております。従来、朝鮮という言葉は日本の帝国主義時代のそのままの言葉でありましてこういう法律などには正しい称呼を書くべきではないかと思いますが、この点について一応政府委員のお答えを願います。

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 これは一応南鮮北鮮を合せまして、地域名として最近の法令用語等も参酌いたしまして、朝鮮という地名によることにいたしたわけであります。

河田賢治日本共産党

○河田委員 こういう政府の公文書には相手の感情というものがありますから、なるべく国民感情というものを尊重しなくてはたらぬと私は思う。従つてこういうものをお書きになるには精細に調べて地域にいたしましても、その適当な名称をつけるべきであると思います。  さらに先ほどの旅費の問題でありまするが、現在韓国あたりは非常なインフレで、アメリカからもそのインフレを收束するように要請をしておるように新聞では伝えております。従つてこういう場合に、その国のインフレがとどまりまして安定状態になれば、やはり物価関係は非常にかわつて参りまして、従つて旅費等につきましても一応こうした固定的なものできめておいた場合に、その国の物価が上るとか下るとかいう場合には、どういうふうな御処置になりますか。つまり経済的な状態は絶えず動いておるところが大分ありますから、そういう場合にこちらで固定して旅費を支給するという場合には、どういう御処置をおとりになるか。その点ひとつお伺いいたしたいのであります。

中西泰男大蔵事務官(主計局給與課長)

○中西政府委員 旅費の定額は、あく蚕でも実費に即して定めらるべきものであるという趣旨からいたしましてこの定額を改訂する必要が生じました場合には、その都度改訂いたすべき筋合いのものであると存じます。特に国会閉会中におきまして、緊急の必要が生じまして、これを改訂いたさなければならないという場合をも予想いたしまして、実は附則の第十項におきまして、政令でもつて次の国会で改訂をいたすまでの間、臨時的に定額の改訂を行い得る、こういうふうに規定した次第であります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 それではこれより本案を議題としてただちに討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。田島ひで君。

田島ひで日本共産党

○田島委員 共産党を代表いたしまして、遺憾ながら本案に反対をいたします。  本法案は、一応公務員全体の旅費の値上げということになつておりまして、いかにも下級公務員にも一応は旅費の値上げということになつておりますが、この法案をよく見てみますと、その健際は公務員全体の旅費の値上げという名のもとに、その実外国旅行への旅費、また外国旅行へのいろいろの便宜がほとんどこの法案の主になつておりまして、今日まだ講和会議も開かれておりません日本の現状といたしまして、特定の国に一方的にたつとい外貨を使つてどんどん旅行させるということは、日本の現状よりいたしましても好ましくないことであり同時にそれがこの法案のほとんど中心になつている点につきまして、これに反対いたしたいと思うのでございます。同時に国内におきまする公務員の旅費に関しましても、ほとんどその旅費の支給率が一上級公務員に多くなつておりまして、今日上級公務員が地方旅行をいたしますときには、これは常識で知らされておりますように、国家の予算の中からの旅費は問題になりません。大体行く先行く先で旅費をもらつ、そこでもつて遊興とか遊覽とかいうような不正な行為も相当行われております。これは今日でもほとんど常識になつております。こういう人々にたつとい国民の税金である国家の予算から旅費がどんどん出されるということは、今日の情勢から言いまして決してこれは公務員の旅費の値上げではなくして、極端に言えば一部特権的な官僚の予算の横領とまで言えるほどの法案ではないかと思われるのであります。同時に下級公務員の賃金ベースのわずかの値上げすらも今日では政府は認めなかつた。この旅費の値十げにいたしましても、ほんの涙ほどの名義だけでありまして、これだけの旅費が上りましたところで、下の方の公務員にとりましてはほとんど足しにはならない。転勤とかあるいはその他の退職等のときの旅費にいたしましても、家族の手当あるいはその他いろいろな必要な旅費は、これによつてはほとんどまかなわれておらない。公務員の旅費の値上げということを名義にして、上級公務員と外国旅行をする人々の便宜のために、ほとんどこの法案がつくられておるのであります。そういう意味において今日の情勢下では、外国旅費は第二にして、上級公務員の旅費の値上げなどはむしろこれをしないで、下級公務員に対する十分なる旅費の支給と、同時にこの説明にもありますように、今日ではいろいろな情勢から、今日の賃金ベースでは生活できなくなつておるような状況でありますので、賃金ベースの引上げのために国家の予算を向けるべきであつて、このような姑息な、一部特権的な人々の利益を守るような法案に対しまして、わが党は遺憾ながら反対せざるを得ないのであります。これをもつて反対の理由といたします。

川野芳滿自由党

○川野委員長 前尾繁三郎君。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題となつております国家公務員等の旅費に関する法律案に対しまして、賛成の意を表するものであります。  この法律案の実体は、内国旅費につきましては昭和二十三年七月に改正せられまして以来、全然改訂が行われていない。その後物価の事情もかわつておりますのに、実態に沿つていないというわけで、これを引上げることは当然のことでありますし、また一方外国旅行につきましては、昭和十八年八月以来改訂が行われていないというのでありますから、これを改訂するということは当然のことであります。また形式的にも、従来内国旅費規則あるいは外国旅費規則というような勅令によつておつたものでありますので、最近一般的にすべて法律にする点から考えましても、これは法律にいたしまして、そうして内容において実費支弁の実を現わすということは当然の措置であります。ただいま共産党の田島ざんから反対論として、現在講和会議もまだ開かれていないのに、外国に族行するのはけしからぬというような反対論がありました。しかし何と申しましても戰争以来日本人は外国の事情にうとい。従つていろいろ貿易の問題その他を考えましても、外国の事情にもつと通じなくてはならぬ。許しのないところには行けないわけでありますが、許される限りにおいてできるだけ外国の事情に通ずる必要があることは当然でありますし、どんどん外国に旅行するということは、むしろ積極的にやつてもらわなくてはならぬことは、何人もこれを認めざるを得ないのであります。従つてそれに対して実費弁償であります旅費を、実態に沿わすということは当然の措置であると思います。  なおまた先ほど内国旅費については高級官吏にはよけい出して、下級官吏には少いというお話がありましたが、これは実費弁償でありますから、いろいろ皆さんお存じの通り、高級官僚であれば実費がよけいいることは、社会秩序として当然のことであります。ソ連においてはもつとひどいようでありますが、日本では適当な措置であると考えるのであります。しかもまた高級官吏はいかにも人から、こちそうになつて実費を使わぬというお話でありますが、これは官吏を非常に侮辱したものであると私どもは考える次第であります。そういうような者があれば、嚴に取締るべきものだと考えるのであります。あくまでそういうことがあつてはならぬ。従つてそれに対して——、もちろん最近の財政事情によりますれば、これはもちろん切詰めて実費弁償という程度でなくてはならぬのでありまするが、しかし少くとも実費弁償という限度においては、当然やるべきものだと考えるのであります。とかく実費弁償にならないような旅費にいたしておきますから、いろいろな弊害が起るのであります。そこで私は、賃金ベースの問題とは全然別個に、あくまで実費弁償の実を上げてそうして弊害をなくするということは必要であると思うのでありまして本法案に対しましては、もつと早く出してほしかつたというくらいの考えを持つている次第でありますから、本法案に対しまして反対する何らの理由はありません。私は、実情に沿うように今後とも常に旅費の問題について、政府当局が配慮せられることを強調いたしまして賛成の意を表する次第であります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 宮腰喜助君。

宮腰喜助民主党(第九控室)

○宮腰委員 私は民主党を代表いたしまして條件を付して賛成するものであります。  現在までの官吏の出張旅費というものは非常に少く、早急に改訂すべきであつたにかかわらず、今まで延ばしたということは、これは政府の考え方が非常にその事情を知らな過ぎたという考えを持つております。実は官吏の出張の場合は、大体三日ぐらい行けばいいのに、六日も日をとつてようやくそれをまかなつている。また出先に行くと、出先機関を利用して、出先機関に迷惑をかけている。こういうことであつたのでありますから、これは今よりずつと前に改訂すべきであつたにかかわらず、今出したということは、非常におそ過ぎるのであります。またこの改訂は、おそらく現在この法案に出ている通りの條件では、まだまだ不足だと思うのです。これも早晩改訂しなければならぬと思う。またこの旅費の規定の中には、一定の彈力性の範囲を定めまして、出発する都度、その土地土地の地方の事情を考えて、出張旅費を決定すべきであると考えるのであります。また外国旅行の場合は、たとえば労働会議だとか、官吏の今現在予定されているところの出張計画だけでなく、今後いろいろの問題も起るであろうところの中共方面、東南アジア方面、近東方面、南方方面の貿易が再開されると同時に相当官吏の方々の出張が多くなると思うのでありますが、そういう場合には、ぜひもう一度考慮していただきまして日本経済再建のためにいま少し予算を支出して、活発なる海外活動をしていただくようにという條伴を付しまして賛成するものであります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 討論は終局いたしました。  これより採決を行います。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

川野芳滿自由党

○川野委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————

川野芳滿自由党

○川野委員長 なおこの際お諮りいたします。委員西村直己君は、去る四月四日委員を辞任されましたので、本委員会の請願審査小委員が一名欠員となつております。よつて委員長において、補欠として高間松吉君を小委員に指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿自由党

○川野委員長 御異議がないようでありますから、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十三分散会

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