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7回国会衆議院1950/03/18

大蔵委員会 第36号

発言数
113
登壇者
15
会派数
5
開催日
1950/03/18

会議録

川野芳滿自由党

○川野委員長 これより開会いたします。  この際お諮りいたしたいと存じまするが、一昨十六日本委員会に付託されました米国対日援助見返資金特別会計法の一部を改正する法律案、並びに製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を一括議題として、政府より提案理由の説明を聽取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿自由党

○川野委員長 御異議がないようですから、両案を一括議題として、政府側より提案理由の説明を聴取することにいたします。水田政務次官。

水田三喜男自由党大蔵政務次官

○水田政府委員 ただいま議題となりました米国対日援助見返資金特別会計法の一部を改正する法律案提出の理由を御説明申し上げます。  今回改正しようといたします要点は三点であります。その第一点は、米国対日援助見返資金の運用または使用に関する規定の改正でありまして、同資金を、連合国最高司令官総司令部民間情報教育部の指導により行われる、国または地方公共団体の民間情報教育事業に使用する道を開こうとするものであります。  第二点は、従来認められておらなかつた歳出予算における支出残額の繰越しに関する規定を設け、支出残額を順次翌年度に繰越して使用できることにいたそうとするものであります。  第三点は、援助資金の私企業に対する運用の事務を円滑にする等のため、従来国がその事務を日本銀行にだけ取扱わせることができるようになつておりましたのを、農林中央金庫等大蔵大臣の指定する金融機関にも取扱わせることができることとし、かつ日本銀行及び指定金融機関に、援助資金の運用に必要な資金を交付し得ることとしようとするものであります。  以上の理由によりまして、この法律案を提出いたしました次第であります。  次に製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由を説明いたします。  現在製造たばこの定価につきましては、財政法第三條の規定に基きまして、製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律が制定施行せられ、ピース、いこい、ハッピー等につきまして、それぞれその最高価格が決定せられているのでありますが、光、富貴煙、アストリヤ及び桃山につきましては、財政法第三條の特例に関する法律附則第三項におきまして、該法律施行の日すなわち昭和三十三年四月十六日において現に効力を有する定価をもつて、財政法第三條の規定に基いた定価とみなされているのであります。従いましてたばこの製造能力も戰前に復しました今日、全面的な国民生活の安定と実質賃金の向上を目途とする政策の一環として、製造タバコの定価の引下げを行うにあたりまして、光及び桃山につきましては、製造タバコの定価の決定又は改定に関する法律の定める価格表に、追加する必要があるのであります。なおこの際他の製造タバコにつきましても価格表を整備するとともに、商況及び嗜好に応じて試製品を販売することができるようにするため、この法律の一部を改正することとした次第であります。  次に改正の要点について説明いたします。まず従来価格表になかつた光、冨貴煙、アストリヤ及び桃山について、その標準規格及び最高価格を、光については十本当り四十円、桃山については五十グラム当り二百円に、それぞれ引下げることといたしました、  第二に、右に伴い製造タバコの価格表を整備するため、他の製造タバコにつきましてもその標準規格を一部変更し、その最高価格も十本当りピース五十円、いこい三十円、ハッピー二十円、新生二十円に、日光については四十グラム八十円にいづれも引下げることといたしました。  第三に、日本専売公社は、商況及び嗜好に応じて試製した製造タバコを、旭の製造タバコの小売定価に準じた小売定価で、おおむね六箇月の期間を限つて販売できるものといたしたのであります。  以上が本法案を提出いたしました理由並びにその大要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成のほどをお願いいたします      ————◇—————

川野芳滿自由党

○川野委員長 次に前念に引続き、銀行等の債券発行等に関する法律案及び日本勧業銀行法等を廃止する法律案を一括議題として、質疑を続行いたしたいと思いますが、その前に本日御出席を願つた参考人の方々の御意見を聴取いたします。御承知のごとく右両案は、銀行等の金融債の発行のための連合国対日援助見返資金による銀行等の優先株式の引受、及び銀行等の自己資本の充実等、そのいずれもが金融政策上あるいは金融制度上、まさに画期的な内容を持つものと考えられますので、本委員会におきましては去る十六日、右両案については真に利害関係を有する方々及び学識経験を有する方々においでを願つて、参考意見を聴取することを決定いたしました次第でありまするが、幸い本日参考人の方々においては、お忙しいところをわざわざ御出席願いましたので、これより忌憚のない御意見の御発表を願うことといたします。  なお本日予定いたしておりました参考人のうち、日本産業協議会会長石川一郎君及び一橋大学教授高橋泰蔵君の両君は、都合により出席できない旨の申出がありましたので、御了承願いたいと思います。  それから参考人の方々の発言時間をお一人大体三十分以内とし、発言順位につきましては、議事進行上委員長に御一任願いたいと存じます。  まず日本興業銀行理事中山業平君に御意見の発表をお願いいたします。中山業平君。

中山素平日本興業銀行理事

○中山参考人 私興業銀行の中山でございます。両法案の細部につきましては、関係方面で十分御審議になつておりますので、これに関する私の意見と申しますか、考え方については省略いたしまして、大体この両法案に関連いたします大きな筋について、若干私見を述べさせていただきます。  まず最初に銀行等の債券発行等に関する法律につきまして意見を申し上げます。この法律によりまして、従来日本の金融制度の上で、長期の資金を供給する方式といたしまして、債券の発行によりまして資金を調達し、これを各企業に長期資金として融通するという方式が、長らくとられておりましたが、終戰後この金融方式につきまして若干異見がございまして、むしろ長期の資金は、証券市場から増資あるいは社債というような形式で調達すべきが本筋でないかという意見が、かなり強かつたのでございます。従つて金融機関の再建整備に対しましても、まだこの問題について最終的な決定が與えられておらなかつたのでございますが、今回の法案によりまして、日本の経済事情から見れば、やはり長期資金につきましては、債券によつて資金を調達し、これを長期の融資として流して行く方式が妥当であるということが、おそらくはつきり認められたの場たと思うのであります。従つてこの法案によつて、私考えますのに、日本の経済の実情から見て、この長期資金の金融方式というものが一番実情に合つた形において確立されたということが、大きなこの法案の利点であると思います。  それから第二には従来長期資金の中でも特にその金融が円滑を欠いておりまして、しかもこれを専門に扱う機関である当該金融機関も、長期の資金を出すことができませんでした農林中央金庫が、農林関係の長期資金を、この法案によつて債券の発行で資金を調達しも長期の資金が出し得るということになつた。あるいは商工組合中央金庫が中小企業の協同組合に対して、やはり債券によつて得ました資金を長期に融通することができることになつた、こういつたただいま申し上げました金融の円滑を欠いておつた農林とか、あるいは中小企業の協同組合の関係の長期貸金が、これによつて円滑をはかることができたということが、第二の大きな利点ではないかと思います。それから同じように、この法案によりまして目途とされております不動産金融についても、同様なことが言い得ると思います。これについては後ほど若干問題がございますので、その節にあらためてお話いたしたいと思います。  しかし反面この法案が含んでおります二、三の問題があると思うのであります。それは御承知のように、この法案の第一條で、目的といたしまして、長期資金の円滑な供給ということがはつきり出ておりますが、今度のこの法律の建前では、先ほど申しました長期資金の供給ということが、従来の特殊銀行というようなものに限定されませんで、預金と債券の合計額が、自己資本の二十倍という範囲の中でありますれば、どの銀行でも出し得るという建前になつておりまして、従つて実際問題といたしまして、普通の経済状態であれば、長期金融機関つまり従来の特殊銀行というものは、主として債券によりまして資金を調達し、預金業務というようなものはむしろ付随的に扱いましても、十分銀行の採算がとれて参つたのでございます。しかしながら現在の経済情勢では、なかなか債権によります資金、これに伴う長期の融通ということでは、銀行の採算をとることがむずかしいので、勢い預金業務というようなものにも、力を注いで行かなければならぬというのが実情だと思います。従つてこの法案によつては、長期貸金の供給ということが、たとえば不動産金融等につきましてもも何ら直接制約を受けておりませんので、これは後ほど申し上げますこの日本勧業銀行法等を廃止する法律案、つまり特銀の解消ということとにらみ合いになりますが、興業銀行、勧業銀行、拓殖銀行というようなものははつきり普通銀行になりますので、今申し上げましたような銀行の経理の実情、あるいはこの法案の上で先ほど申した目的が、格別法律的に強制されておらぬというようなことから、不動産金融等について、はたして所期通り融通が円滑に行くかどうかという点に、若干問題があるのではないかと思います。これは農林中央金庫であるとかあるいは商工組合中央金庫のように、依然特殊金融機関としての性格がはつきりしております場合には、性格から来る機能の制約と申しますか、そういう面で所期の目的が達成されると思いますが、普通銀行という形になつた場合に、ただいま申し上げたような問題があるのではないかと思います。  それから第二の日本勧業銀行法等を廃止する法律案、つまり特銀廃止の法律案について簡單に意見を申し上げますと、ただいま申し上げましたように従来の特殊銀行というものが、機能的に特殊な性格を持つ。つまりスペシャル・バンクでありますと同時に、法律の上ではやはり政府機関的な性格を持つておつたわけであります。これが今回この銀行等の債券発行等に関する法律案に盛られておりますように、各銀行とも建前上は同一である。つまり債券も預金も両方やれるということになりました関係上、従来の特殊銀行法というものの存続の意義がなくなりまして、廃止されるわけでございまして、この面におきましては両法案の関連から当然のことであるということが申し上げられますし、今まで特殊銀行について問題とされておりましたような、銀行の運営についての政府機関からの干渉というような危険も排除されることになりますので、この法案の企図しております点については何ら意見はないと思います。ただそうであるからと申しまして、日本の経済の実情では、やはり国家資金の活用ということが私ども絶対に必要であると思うのでちります。従つてたとえば見返り資金等につきましてもその運用をもつと円滑にする、あるいはこれを最高度に活用するためには、むしろはつきり国家機関的な金融機関をこの際持つ方がいいのではないかということも言い得ると思うのであります。従つて従来の特銀が廃止されるということについては何ら意見はございませんが、今申し上げましたような国家金融機関の必要ということについては、私はなおその必要を強く考えておるものであります。  非常に簡單でございますが、両法案に盛られております大きな筋について若干意見を申し上げました次第でございます。

川野芳滿自由党

○川野委員長 ただいまの中山素平君の御意見に対し、質疑があればこの際これを許します。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 ごく簡單なことでございますが、日本興業銀行が今度他の銀行と同じように、やはり債券を発行しておることになるわけでございますが、それにつきまして各地方の銀行等を考慮するわけですか。大体日本興業銀行といたしましては、他の銀行とさつそくやられましようか。それとも漸次やつて行くというような方向に進んで行きましようか。中央におられます興業銀行の態度を聞きたいと思います。

中山素平日本興業銀行理事

○中山参考人 日本興業銀行はかなり古い歴史をもつて債券の発行をやつておるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、今度の法案によつては各銀行とも、この法による制限の範囲内においては債券を出し得るという建前になるのでございます。しかしながら実際問題といたしましては、興業銀行であるとかあるいは勧業銀行あるいは託殖銀行というようなものにつきましては、やはり従来通りの長期資金、特に今回の法案によりまして見返り資金による増資というようなことが実現されますので、その方向に主力を注ぐと思います。しかしながら普通銀行につきまして、この制限に入つて来た場合に、債券を出すかどうかという問題でございますが、これは私見でございますので当るかどうか存じませんが、預金銀行として従来短期の資金の供給というものに主力を注がれ、また銀行の機構あるいは行員の教育等もその面でやつて来られておりますので、こういつた建前になつたからと申してもすぐに債券の発行をなさつて、これによつて長期資金の融通をなさるというようなことは、おそらくないのじやないかと思います。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 よくわかりました。  次にもう一つ聞きたいのですが、不動産金融に関しまして、興業銀行も中小企業もしくは大企業に対して、大分おやりになつておるのでございますが、一般の市中銀行は御承知の通り長期資金でなくして、短期資金ということが基準でありますから、これから長期資金に切りかえるときには相当の年限がかかるように、私は考えるのでありまして、それについて不動産というものを中心にやるのか日本町興業銀行、勧業銀行もしくは北海道拓殖銀行であり、普通の市中の大銀行初め中小銀行は漸次にやつてなかなかすぐには行かぬ、こういう線を持つているのですが、事実は中小銀行は不動産金融を要望している。これについて何かお考えがありましようか。ありましたらお開きしたいと思います。

中山素平日本興業銀行理事

○中山参考人 不動産金融につきましては、従来日本勧業銀行が長い経験をお持ちになつておりまして、私どもの方はもちろん工場、鉱山等につきまして不動産を担保とする金融をいたしますが、いわゆる当面問題とされている不動産金融は、今度の法律によりましてもむしろ日本勧業銀行にこれを御期待なさると伺つております。勧業銀行の方は全国に支店も非常に多くございますし、今もお話のように地方等の要望についても、これにおこたえになることができる態勢になつております。従つて今度の法案の目的とするところからしてもこれは私局外者でございますが、おそらく勧業銀行がここに主力を注がれるのであろうというふうに考えております。

小山長規自由党

○小山委員 今度の法案におきましては、中山さんがただいま言われたように非常な特色があり、日本の経済界で最も渇望されておつたところの長期資金が、これでもつて五百二十億見当調達されるという点において、まことに画期的な法案でもありまするし、日本の金融の調達方式といたしましても非常な進歩した法案なのでありますが、ただいま御指摘がありましたように、私も同じような若干の不安を持つているのであります。と申しますのは法案の建前から申しますと、各銀行は資本金の二十倍を限つて債券及び預金の獲得ができる。これを裏返して申しますと、預金がぐんぐん伸びて行きますと、それだけ債券の発行限度は縮まつて来るという結論になるのであります。それでありますからして現在のこの金融の実態から申しますと、勢い銀行は短期資金の金をまわしている方が安全でもあるし、かつ利潤も上るということから考えますと、債券の発行という方はとかくおろそかになつて、預金の獲得に夢中になつて行くのではないか。その結果せつかく法律上予期されているところの長期の資金が、この原案によりますと五百二十億見当の長期資金が集まるという建前になつているにかかわらず、預金の増加のためにそれが制約されて、債券発行額が減つて来るというようなおそれがあるのであります。そこで私は実際家としての中山さんに、そのような不安を除く法制上の措置もあるいは行政上の措置というものがあるのであろうかということを、ひとつ伺つてみたいのであります。

中山素平日本興業銀行理事

○中山参考人 ただいまの御質問の点は私どもも実は大分考えたのでございますが、法制上の措置としてこれをはつりさせるということは、なかなかむずかしいのではないかと思うのでございます。しかし御心配になつておりまするような、預金が伸びて債券の発行限度が少くなつて来る、このことからして、長期資金のこの方の目的とする供給が円滑を欠くという点については、関係している銀行におきましてはそれぞれ自己資本による増資とか、あるいは今回の再評価によります特別資本金、これが債券の発行限度、つまり自己資本に入つて参りますので、この面によつて限度をふやすことができますし、要は関係銀行がやはりこの法の目的と申しますか、そのことを十分に認識いたしまして、今の御心配になつておりますような点が出て来ませんような運営をする以外に、法案の上で法制的措置でこれを強制するということは、なかなかむずかしいのではないか、と考えるのであります。

川島金次日本社会党

○川島委員 今中山さんのお話によりますと、国家の蓄積された資本、それを国家機関的に運用するということがきわめて妥当であり、必要なことではないかという御見解のようであります。そうするといわゆる復金的なもの、しかもああいう形でないもつと民主的なものにして、そうして国家が直接国家の蓄積資金を投資して、金融の積極的な円滑化をはかるというようなことが考えられておるように私は受取つたのでありますが、そのような御見解なのですか。

中山素平日本興業銀行理事

○中山参考人 私の申し上げましたのは、今度の法律によります、従来の特殊銀行を普通銀行化する、そういう面には何ら反対意見はないのであります。その半面に、たとえば見返り資金の私企業投資といつたようなもの、あるいは見返り資金の全面的な運用等につきまして、これを国家機関を通じてやるということが妥当ではないか。これによりまして、従来見返り資金の運用に問題となつておりました資金の効率というようなものは、はるかに上るのではないか。あるいは中小企業の融資等についても、やはり日本の現状におきましては、国家金融機関というものが働く余地がかなり多いのではないか。そういう意味で申し上げたのでございます。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 まことにしろうとくさいことをお尋ねいたしますので失礼でありますが、長期資金として、今小山さんからお話がありましたように五百二十億、私どもが関心を持つております農林中金といたしましても、約二百億ほど債券の発行ができるのでありますが、こういうものの給源と申しますが、これができたからといつて、すぐ天から金が降つて来るものではないと思いますが、その給源というのは、興業銀行は長い間債券のことに御苦労しておられることでありますから、これができたからといつたつて、そんなものがどこから来るのだということを、何か専門的にお考えになつておられると思いますが、こういうものがさつと出て来るものか。そのお見通しをひとつお聞かせ願いたい。何か預金部の金でも当てにして行かなければならぬものであるかということであります。

中山素平日本興業銀行理事

○中山参考人 私どもの方といたしましてはもちろんのことでありますが、やはり普通銀行といたしまして第一に考えるべきことは、その資金を自分で調達すると申しますか、確かに日本の実情といたしましては、資金の蓄積というものは貧弱でございます。金融機関の努力によりまして、なるべく自分の力で国内の市場から資金を集めるということが常道であることは申し上げるまでもないのでありまして、今後私どもとしてもその面で大いに努力するつもりでございます。しかしながら今御指摘になりましたように、今回の法律が施行になりますと、発行されます債券というものはかなり多くございますし、しかもその銘柄もふえて参りますし、それから農林中央金庫さんあるいは商工組合中央金庫さんなりは、長らく債券の発行というものをやつておりませんので、すでにこれを一般市場から調達するということは、なかなか難点があるのではないかと思います。そうなりますと、当然先ほど申しました国家資金の活用ということともからみ合つて参りますが、預金部の資金によつて債券を消化していただくということが、どうしてもこの法律に関連して必要になつて来ると思います。

宮腰喜助民主党(第九控室)

○宮腰委員 ただいま内藤さんから質問された、債券の発行の許可になつたような場合、これが一般の募集とならなければなりませんが、そういうふうな場合に、今の経済状態ではとうてい引受けられる状態ではないと思うのであります。そういう場合に、政府の預金部資金をこれのつなぎ資金で借りることができるかどうかという御構想と、もしこれが許されるという場合、農林中央金庫あたりが、地方の農業協同組合あたりに強制的に割当てて来るという心配もある。そうなつた場合、地方の中小銀行あるいは信用組合あたりが、相当預金の関係で痛手を受けるのじやないかという心配がありますが、その点はどうでしようか。

中山素平日本興業銀行理事

○中山参考人 ただいま預金部資金の活用が必要であるということを申し上げましたが、その半面におきまして御承知のように今各銀行等は国債の償環、これは日銀のオペレーシヨンその他に基いておりますが、手持が非常に少くなつておりまして、預金に対する貸出し比率というものが高いということは、皆さん御承知の通りであります。従つて銀行といたしましてはやはり資金の運用を、貸付と有価証券投資と申しますか、これに適当に配分しなければならぬ。そういう面からして、今後各金融機関がむしろ債券を希望されて、その面で消化が進むということがかなり期待できるのじやないかと思います。  それから先ほど申し上げましたように、当面は農林中央金庫さん、あるいは商工組合中央金庫さん等の債券についてすぐ市場での消化ということはむずかしいと思いますが、実際問題といたしまして各銀行では、やはり一つの銘柄に投資を集中するということは避けられますので、漸次こういつた債券を各金融機関で消化されるという道が開けて来るのじやないかと思います。特に今御指摘になつた農林中央金庫さんの、たとえば協同組合に債券の消化を求められる、これは農林中央金庫さんの性格上からしても当然その出資団体であるとかあるいは協同体の一員である協同組合が、資金の許す限りこの債権を持つて行かれるということが、常道ではないかと思います。これが組合の資金事情と実情が離れたときに問題がありますが、筋としては妥当な道ではないかというように考えております。

宮腰喜助民主党(第九控室)

○宮腰委員 それからこの市中銀行の債券発行に関しまして、一般の小さな銀行より大銀行に集中される傾向があるのじやないか。そういう場合にどうしても中小工業に対する融資の点が非常に薄弱になつて来て、大企業に集中されて結局大企業のみに投資される。従つて中小資金のまかないが、かえつて非常に困難な状態になるのじやないかという心配もあります。現に大銀行が債務返還のために十億も十二億も——ある銀行が一行で引受けて、その債務整理に当つたという実例もごく最近聞いておりますので、そういう場合、どうも大企業関係の融資が潤沢であつて、中小資金が潤沢でないような場合が生ずるのではないかという心配もありますが、どうですか。

中山素平日本興業銀行理事

○中山参考人 中小企業の金融につきましては、今御指摘になりましたように非常に問題が多いのでございますが、これは少し本日の私にまかせられた題目よりはずれて参りますが、若干私見を申し上げますと、現在中小企業庁等の統計によりますと、やはり利用率から見れば大銀行あるいは市中銀行が多いのでございますけれども、中小金融の問題については、どうしても各金融機関がそれぞれ性格なり機能に違いがございまして、そこにやり得る限度というものがございます。その持つております限度の範囲でこの問題の解決に当る。つまり大銀行といたしましても、今問題になつておりますように、あるいは専門店を設けるとか、いま一段の努力が必要であると思います。と同時に今度の法案によつて、協同組合を中心として商工組合中央金庫というものが十分に活用できる道が開けましたし、それから先般実施されました無盡とか信用組合とかいつた、ほんとうに中小企業の中に足をおろしております金融機関に、資金を潤沢に供給することによつて、いわゆる零細企業というものへの金融はかなり円滑になつて来るのじやないか。それから御承知の国民金融公庫であるとかあらゆる金融機関が、それぞれの持つており、ます機能でこれをやつて行く以外に、やはり大銀行にこれを求めることはむりでないかというふうに考えております。

川野芳滿自由党

○川野委員長 まだ御質疑があるかとも考えますが、あとにまだ二人の参考人の方がおいでになりますので、参考人の方の御意見の発表をお願いいたしましたあとにおいて、御質疑を願うことにいたします。  それでは次は埼玉銀行副頭取秋元順朝君の御意見の発表をお願いいたします。

秋元順朝埼玉銀行副頭取

○秋元参考人 ただいま御紹介をいただきました秋元でございます。突然の御依頼でございますので、十分準備いたす余裕もありませんでしたので、はなはだ研究不十分でございますが、ひとつあしからずお許しをいただきたいと思います。  ただいま興業銀行の中山理事から金融業者としての立場で、非常に有益なお話がございましたが、一般的のことはなるべく省略いたしまして、地方銀行の経営者の一人といたしまして、この一つの法律案についてどう考えるかということを、ごくかいつまんで申し上げたいと思います。御承知のように復興金融公庫の貸出し機能が停止されるとか、あるいは勧業銀行さんがいわゆる普通銀行のように性格をかえられたというようないろいろなことで、いわゆる長期資金を供給します専門的な金融機関が非情に少くなりまして、そのルートが不足しておるということ、それを補いますためにこの法案が提出されたというのが、この法案の一番大きな眼目であると思うのであります。そのねらいどころにつきましては、私ども非常にけつこうなことであると存じまして、その趣旨には全面的に賛意を表するものでございます。この法案の内容について考えてみますと、この法案が実行されました結果、大部分の金融機関が預金による短期資金と債券による長期資金と、これを並行して取扱うということになるように予想されますので、従来のいわゆる普通銀行の行き方と非常に趣を異にして来るのでありまして、実行上のいろいろな細目の点が明らかになりませんと、はつきりした意見を申し上げかねる点もあるかとも存じます。  第一点の債券発行ということにつきましては、先ほども御論議があつたのでありますが、地方銀行として考えてみますと、ちようど約三十年ぐらい前になりますが、各地方に農工銀行というのがたくさんあつた時代がありまして、各地方々々を中心として債券を発行して長期金融をまかなつておりました。その当時におきましても非常に資力も豊富であつて、容易に債券発行ができるという農工銀行も少くありませんでしたが、中にはなかなか債権の発行に困難を感じたという農工銀行もありまして、その結果だんだんに勧業銀行さんに合併されるというような事態になつたのであります。一がいには申し上げられませんが、地方銀行といたしましても、この法律によつて債券を発行できるというようなことも考えられるものがあると存じます。ただ全部の地方銀行が容易に発行できるかと申しますと、銀行の資力、地方の事情その他の関係で一律にも行かないと考えます。先ほどもお話が出ましたように、やはり頭金部の引受というようなことで、債券発行等に相当国家としての御援助をいただくということが、円滑に債券を発行してこの法律に従つてやつて行く上に、非常に有力な道であるというふうに考えられるのであります。但しその場合に考えられますことは、銀行の資本金はどの銀行も非常に運用資産に比較いたしまして小さいのでありまして、債券発行の條件に適合しますためには、相当多額の見返り資金によつて優先株の引受けをしていただくという必要があると思います。一斉にここに多数の銀行が債券を発行して、長期金融に出発して行くということのためには、今申しましたように相当多額の見返り資金の放出を要するという点がいかがかと思われます。  もう一つの点は、地方銀行にとりまして債券を発行して長期金融をする、不動産等を担保にとりました長期金融をするということは、まつたく新しい業務なのでありまして、事務的にあるいは技術的に相当の準備を整えた上でなければ、出発することが困難であつて、今ただちにその方面の業務を大幅に広げて行くということには、そういう事務的、技術的の準備が相当にいるのではないかというふうに考えられます。そういうようないろいろの條件が充足されますならば、地方銀行といたしましてもこの法律を活用いたしまして、長期金融に従事することができるのであるというふうに予想いたしております。  その次にこの法律の中にあります優先株式の発行についてであります。この法案によりますと優先株式消却計画書というものをつくりまして、もつぱらそれによつて発行並びに償却、配当等をいたして行くことになると思うのでありますが、いろいろ経済情勢の変動もございましようし、償却計画というようなものに相当な幅を持たせて、また株式発行の制度につきましても、先ほど預金との関係についてお話もございましたが、制度に弾力性を持たせていただくということが、実行上必要ではないかというふうに考えられるのが第二点でございます。  それからこの法案の中に銀行の配当に関係いたしまして、一定の積立てをするということを條件とせられておるのでありますが、これは銀行の公共的な性質上非常にもつともな規定でありまして、一定の積立てをした後において配当を認めるということは、適当な措置であると思うのでありますが、さらに銀行の公共的な性質に顧みまして、この積立て準備金の積立てというようなことにつきましては、別途税法上において、今期の国会においても問題として取上げられると考えておりますが、相当の無税積立ての道を開いていただきまして、銀行の経営を一層健全化して、公共的の使命を安心して達成できるというような道を開いていただきますことを、われわれは切に希望をいたしているのでございます。銀行の基礎を健全ならしめますために、無税積立てというような特別の措置をとつていただいて、心配なく十分にその機能を発揮できるということにいたしますことは、現在の産業再建のために金融を円滑ならしめるということの、一つの重要な前提條件ではないか。十分な準備積立金を持つて、そうして心配なく金融を円滑に積極的に活動して行くことが、非常に必要じやないかと考えております。  次に勧業銀行その他のいわゆる特銀法の廃止に関する法律についてでございますが、外国の例を見ましても、フランス、ドイツというような大陸の方面におきましては、専門的な長期金融機関、いわば特殊銀行のようなものがありまして、長期金融に従事しているという傾向にあります。またアメリカ、イギリス等におきましては、そういう長期金融、長期資金の調達というようなことは、大体銀行によらないで、他に社債の発行あるいは株式による調達というような点に重きを置いている。こういうような二つの大きな傾向があるように考えるのであります。日本の従来の制度は大陸の制度にならいまして、勧業銀行、興業銀行その他の特殊の金融機関をもつて長期金融をまかなつておつたという状態が、今回この債券発行法と特銀法の廃止法によりまして、まつたく新しい形になりまして、前に申しました三つの行き方のそのいずれでもない。大部分の金融機関が長期、短期、両方の業務を悩むというふうになるわけであります。これは理論的には確かに成り立つことなのでありまして、十分実行の可能性があることと存じますが、何しろ新しい制度でありますし、運営ということに相当の準備なり研究を要する。その点におきまして、この制度がうまく行きますかどうかは、いろいろな運営上の配慮いかんによるかと考えますので、地方銀行等がこの制度によつてやつて参ります場合におきましても、政府当局方面におかれましては、十分にこの新しい業務を育成助長するという点に、遺憾のないようにしていただきたいということを希望をいたすわけでございます。先ほど中山理事から、長期金融のためには、やはり何らか特別の国家的な機関が必要ではないかという御意見もありまして私も同じような考えを持つのでありますが、また一案といたしましては、各銀行が共同で債券の引受をいたし、また銀行ばかりでなく、一般投資家にも債券の引受に参加してもらう。そうしてその債券による資金をもつて長期金融を営むという、必ずしも国家機関でなくとも、普通の会社の形態を持つたそういう特別の長期金融機関の制度というものも、考えられるのではないかと思うのであります。そういたしますと銀行等の金融機関は、その債券を通じて間接的に長期資金を供給するという立場になるのであります。それも長期資金供給の一つの案として、十分考えられるものではないかと考えております。御参考までに申し添える次第であります。  はなはだ不十分ではございますが、ごく概略的に二つの法案について意見を申し上げました次第であります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 ただいまの秋元君の御意見に対して御質疑があるかと存じますが、あとに、もう一人参考人がおいででございますので、その方の御意見の発表をお願いしたあとで、御質疑を願いたいと思います。  この際お諮りいたしますが、日本産業協議会会長石川一郎君の代理として、経済団体連合会、日本産業協議会、共同事務同理財部長の内山徳治君が御出席になつておりますが、内山君に発言を許可することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿自由党

○川野委員長 御異議がないようでございますので、内山君に発言を許可いたします。内山億治君。

内山徳治経済団体連合会、日本産業協議会共同事務局理財部長

○内山参考人 経済団体連合会の、日本産業協議会もその一つのメンバーになつているわけでございますが、経団連の今町の法案に関します意見は、二月の十日に「長期金融の確保に関する要望意見」というものを発表いたしております。先ほどお配りいたしました「経済連合」の二十四ページと二十五ページにそれが掲載してございます。大体私どもの団体でとりまとめました意見の概要は、この中に盛られているわけでございます。なおまたそれに関連いたしまして、事務局で調査いたしました資料は、その前の二十一ページ以下に若干の解説がしてございますので、本日はそれらの研究をいたして参りました結論の、ごく要点だけを簡單に申し上げまして、責めを果さしていただきたいと存じます。  今回の銀行等の債権発行等に関する法律案は、大体日本勧業銀行法等の特別銀行法を廃止いたします法律案と見合いになつていると存ずるのでありまして、従来の特別銀行制度にかわるものとして、新たに一般の銀行に債券の発行を認めるという趣旨になつていると存じます。終戰後、日本の銀行のあり方に対する考え方がかわつて参りまして、従来のように銀行が債券を発行して長期金融をするということは、やめた方がよろしいという増え方が強く支配しておつたわけでございます。ところが、やはり日本の実情から見ますと、どうしても金融機関の手による長期金融というものがなくては、日本の企業金融その他の確保ができないということからいたしまして、終戰後一時支配しておりました考え方をかえて、やはり銀行に債券の発行を許し、銀行が長期金融をやつてよろしいということに改まりまして、今回の法案になつておるわけでございまするので、その意味におきまして、今町の法案に多少の不満な点がございましても、その根本趣旨には全面的に賛成でございまして、ぜひ早くこの法案が成立をして実施されることを希望いたす次第であります。しかしながらいろいろな事情からいたしまして今回の法案の内容には若干問題になる点が、ございまして、見方によりましては不徹底と思われる点もございまするし、またこれに附帯すべき條件が満たされなくては、実際上の効果が十分に上らないのではないかと思われる点もございます。またこまかい点については、多少私どもの方でとりまとめました意見の線とは違つておつて、要望かいれられておらない点も一、二点あるわけであります。もちろんこれらの点につきましては、政府においていろいろ研究された結果として、今度の法案になつておるわけでございますから、食い違つておるからといつて、ただちに法案の修正ができるかどうかということはしばらくおきますが、それらの食い違つている点等を簡單に御説明申し上げてみたいと思います。  まず第一に、今度の法案ではいかなる銀行でも債券の発行ができる。それからこれに関連しまして、見返り資金による優先株の引受が許されるわけでありまして、これもまたいかなる銀行でもそれを申請する資格があるということになつておるわけであります。しかしながら従来のいわゆる特別銀行による債権発行の制度から見ますると、大体日本の実情からいたしまして、銀行債券をもつてそれに投資をするものはどういう所であるかと申しますと、銀行が非常に多いのであります。一般の大衆が銀行債券を持つことは——これもむろんないわけではない、相当ございまするけれども、資金の量の上から申しますると、やはり一般の商業銀行が、短期の預金で集めました資金を、短期の貸出しとは違つた債権の保有という形で、まずその債券に再投資をするのでありますが、その債券は流通性を十分に持つておりまするから、流動性の預金を持つておる一般銀行がそれを持つても不安がない。一方その債券を発行いたしまして資金を吸収する方の特別銀行の立場から見ますと、その債券によつて得た資金というものは、償還期限が来るまでは固定的安定性のある資金でございまするから、それによつて長期の貸出しをやること、かできる。ここに最大の特徴があると思うのであります。そういうふうに一旦銀行が預金で集めた資金を債券に投資をし、その債券発行銀行が長期金融を営むというところに特徴があるという点からいたしますると、一般の商業銀行が、すべて債券の発行を行つて長期金融を営むということは、一種の妥協と申しますか、不徹底と申しますか、理論的には、ちよつと日本の実情から見ますと筋が通らないような感じのするところがあるわけであります。むろんこうなりましたについては、現在各種の事情がございまして、債権発行だけではなかなか経営が成り立ちにくい。預金吸収による一般の金融とあわせて長期金融をやるのでなければ、長期金融一本ではなかなか成り立りにくいというような事情からいたしまして、かような案になつているわけであります。しかしやや恒久的な制度として考えますならば、そこになおある程度の問題が残ると思うのでありまして、この点は将来の問題としてやはり考えておかなければならない点ではないかと思うのであります。  第二に、現在の日本の貯蓄力から申しまして、一般の銀行が今度の法律によつて発行されます債券を所有し、債券の消化をするということも相当程度行われるとは思いますけれども、それだけでは現在の日本の必要としている長期金融を全部まかなうのには、はなはだ足らないのではないかと思うのであります。従いまして現在の日本の状況といたしましては、どうしても何らかの形による政府資金の活用ということが必要である。すなわち見返り資金あるいは預金部資金等を、長期金融の方向に振り向けて行くことが必要なわけでありまして、その方法としましては、そういう政府資金だけを扱う特別の機関を設けるということも考えられますが、また今度の銀行等の債権発行等に関する法律によりまして、銀行が債券を発行しました場合に、その債券を預金部なりあるいはさらに進んで見返り資金でそれを持つてもらう、消化してもらうということができれば、これによつて政府資金を活用して、一般の長期企業金融に振り向けるという道がそこに開かれることになるわけであります。実際のねらいといたしましては、今日の情勢から見ますと、少くともそういうルートが開かれることを、一つの大きなねらいにしたいのであります。そこでそういう点から見ますると、この法案と同時に政府資金の運用に関する若干の緩和があわせて行われませんと、今度の法案の効果が百パーセントに発揮できないことになるので、どうしてもその二つはあわせてやつていただきたい、こういうことになるわけでございます。そこで政府資金の活用が必要であるという問題と、それから一般の銀行がどこでも債券発行をすることができるけれども、極端な場合を想像いたしましても、もしかりにすべての銀行が債券を発行したということになりますると、その債権の民間における消化ということは、ほとんど不可能になる。これは少し理論に走り過ぎますけれども、そういうような点も考えられなくはない。さらに問題をもう少し進めて参りますと、銀行といたしましては片方で預金を吸収し、一般の商業金融を営むと同時に、債券を発行して長期金融を営む。長期金融の方は貸出しの利益も高うございますけれども、債券発行によつて得る資金のコストというものはやはり相当に高くなりますので、その高い資金コストによつて長期金融を営んで、十分に採算をとつて行けるという銀行はそう多くはないはずでございまして長い間の経験を持つておる銀行や、それに関する支店の組織なり、事務的な組織なりを持つている銀行はできると思いますが、どこがやつてもできるというわけには参らない。そういうことでありますから、自然にまかせてもよろしいという問題もございます。しかしまた少し行き過ぎた心配かもわかりませんけれども、今度の法律案によりまして、見返り資金による優先株式の引受けが許されるということになります結果として、その優先株の引受けという形による見返り資金の導入だけはやる。そのあと債券の発行をやることはあまり利益でないから、それには十分に力を入れないというようなことが万一起りましては、はなはだ都合の悪いことになると思われるわけでございます。それで、そういつた点をいろいろ考えました一つの結論といたしまして、経済団体連合会の意見では、二十五ページの中ほどに、「第二、長期金融機関の拡充に関する事項」というすぐ次に書いてございますが、「長期金融機関の拡充については、いかなる銀行もその資格ありと認められたとき、その優先株式を見返り資金で引受けることとし、右の増資額の二十倍を限度として債券発行をなし得る建前とすることが妥当であると考える。」こういうように一応考え方をまとめたのであります。すなわち資本の二十倍以内に頭金の総、額と債券発行額とが收まる限りにおいて、債券の発行ができるというのが今回の法案でございますが、その預金を発行限度に入れることをやめまして、同時に資本も総資本を基準としないで、見返り資金によつて引受けられた優先株式の額を基準として、それの二十倍を限度として債券発行をなし得ることにしたらどうか。そういうことにいたしますれば、原則としてはすべての銀行がこれを営み得ることになりますけれども、一応見返り資金の融資を受けた銀行だけが債券発行を営むことになりますので、そこに面接の関連がつくという利益があるだろう、こういう意味でございます。この点は一般的に従来の特殊銀行にかわる制度として考えることになりますと、これでは現在の見返り資金の運用ということに、あまりに重きを置き過ぎた感じがするかと思うのでありますけれども、実際問題としては、やはり見返り資金の融通ということがあつて、初めて債券の発行の基礎が與えられるという関係でございますので、事実問題としてこのような考え方の方がよくはないかという意味でございます。従いまして、この意見は、でき得れば法案もそう直す方がベターだということになりますけれども、法案は種々な都合でかえないといたしますれば、運用上やはりその精神を取入れて運用に当る必要があるだろうというように、解釈していただけばよろしいと存じております。  次に、もう一つ問題になります点は、今度の法案によりまして、見返り資金による優先株の引受が行われ、それに基いて債券発行が行われるということでありますが、その見返り資金によつて引受けられました優先株式は、前年の利益の中からこれを償却して行かなければならない。すなわち普通の貸付金の形をかえたような形になりまして、年賦償還的な意味を持つた借入金を銀行が行いまして、それを基礎にして優劣発行をするのと、実質的には似たような関係になつておるわけであります。この方式は方式としては非常によろしいと思うのでありますが、ただ問題は、その場合の見返り資金の返済の仕方であります。原案におきましては、前年の利益の中から一定額を必ず償還しなければならないというようになつておるわけであります。しかし実際の運用の上から見ますと、もう少し見返り資金の償還の仕方に融通性を持たしてもらいたい。むろん償還するために利益の一定率を積み立てるということは必要であると思いますが、しかし実際に償還する、すなわち優先株を償却して資本を減らすということは、必ずしも毎期やらなくても、金融界の情勢に応じて長期資金の需要が多く、長期資金を豊富に供給しなければならないような事情にあるときには、しばらくその償還を延ばして、事情がかわつて返し得るようになつたときに、長期資金とは申しましてもその回收が行われるわけでございますから、そうした資金によつて返していいような情勢のときにも返し得るようなふうに改めてもらうことができれば非常によろしい、こういう点でございます。これは法案の問題というよりは、むしろ見返り資金の運用の問題になるわけでございますが、しかし見返り資金の運用ということが非常に嚴格に規定される必要があるという考慮からと存じますが、今回の法律案の中には、その優先株式の償却方法がかなり詳細かつ嚴重に規定されておるのでございます。これはあるいは見返り資金の運用という点から見て、やむを得ないことであるかもしれませんが、しかしいずれにいたしましても、見返り資金の償還に関することは別途に計画を立てまして、その計画に従つてやるわけでありますから、法案としてはもう少し融通性を持たしてもいいのではなかろうか。法案にはここまでこまかいことを規定いたしませんで、それを見返り資金というよりは、正確に申しますと優先株式消却計画書でありますが、その方に償還に関するこまかい規定を譲ることにしまして、法案の方では必ずしも毎期償却いたしませんでも、積立てをしておいて必要なときに償還できるようにするならば、その方がよくはないかと考えられるのであります。むろん法案をそういたしましても、実際の見返り資金の運用上やはり毎期償却すべしということになるならばも結果は同じことになるわけでございますけれども、見返り資金の運用はまだ若干今後に残されておる点もあると存じますので、経済団体連合会の要望意見の線に沿うて考えますならば、その点だけを修正できれば、していただく方がよろしいということになると思うのであります。  大体かいつまんで申し上げたいと思いますことは、以上の点でございます。これで終ります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 ただいま御意見の発表をお願いいたしました三君に対して、御質疑があればこの際これを許します。

川島金次日本社会党

○川島委員 内山さんにちよつとお尋ねしますが、先ほど小山さんも秋元さんも長期金融というものはできるだけ国家資金をもつて、それをさらに国家的な機関において、直接金融のできる形をとる方がよろしいのだという、われわれと考えを同じうする標準においてのお話があつたわけであります。内山さんの方におきましても、そういう問題についてはどういうふうな見解を持つておられますか。この機会にお示しくださればたいへんけつこうだと思います。

内山徳治経済団体連合会、日本産業協議会共同事務局理財部長

○内山参考人 はなはだ失礼でございますが、ちよつと最初の方を聞き漏らしたのですが……

川島金次日本社会党

○川島委員 政府資金をやはり特別な国家的な金融機関を持つて直接に金融をして行くという形、これが一番望ましい形だ、こういう説であります。それに対して……

内山徳治経済団体連合会、日本産業協議会共同事務局理財部長

○内山参考人 ただいまのお話の点につきましては、そういうことが考えられるという程度で、研究の問題にはなつておりますが、まだ現在のところ結論を出すところまで参つておりません。しかし御質問でございまするので、大よそどんなような方向のことが考えられるかということだけを申し上げますと、一つは復興金融金庫の何らかの形による活用ということ、それからもう一つは見返り資金の運用について、何らかもう少し金融機関的な性格を持つたものがそこにできないであろうかという、大よそ二つの点があると思うのであります。しかしこれはいずれも実際問題としましては、なかなか実現が困難でございまするので、研究をいたしておりまするけれども、まだ結論的にこうしたらということを申し上げる段階に至つておりません。

川島金次日本社会党

○川島委員 秋元さんにちよつとお伺いしますが、先ほど秋元さんは一般地方銀行における債券発行も非常にけつこうだが、実際問題としては地方銀行においては長期金融の経験も少い、技術も未熟である、非常に準備段階が必要だという事柄であるし、また聞きようによつては、一地方銀行が單独でこういう債券を発行するということは、きわめて困難ではないかという言葉でもありました。その結果として銀行が一つの別な団体をつくつて、その団体の力による債券発行の一案ではないかというようなお話もございました。このお話を聞いておりましても、また中山さんのお話を聞いておりましても、何かこの法案自体は結局は形式的な法律案であつて、実際にはこの法律の中に盛り込まれた地方中央の銀行を通じての、普遍的な債券発行による長期金融というものがうたつてありまするが、実際面においてはなかなかそれが浸透しないし具体化もできない。結局は政府の考えておるような一部の銀行だけが、この法律を活用するという結果になるおそれが十分にあるので、どういう意味でこういう形式的なものだけを法律にしたかということも、われわれちよつとお話を聞いておりますると疑問に感ずるのでありますが、この事柄について秋元さんに、地方銀行から見た立場においてどのような御見解を持つておられますか、お尋ねをしたいと思います。     〔委員長退席、前尾委員長代理着席〕

秋元順朝埼玉銀行副頭取

○秋元参考人 ただいまおつしやいました点は、大体お聞き取りくださいました通りの意見なのでありますが、この法案の非常にいいところは、どの銀行でも債券を発行して長期金融をすることができるという、いわばすべての銀行にそういう業務上の均等な機会を與えるという点に、一つの非常にいい特色があると思うのであります。私も申しましたように、地方銀行としましても、必ずしも全部が債券発行が困難だというようなことではないのでありましてもそれぞれ銀行において事情が違いましようし、進んで債券発行をして長期金融に従事できるという銀行も少くないと思つております。それから銀行が共同して一つの機関を持つて、間接に長期の金融をするというような考え方、そういうような考え方は必ずしもこの法案と両立しないものではないのでありまして、こういうような金融上の問題につきましては、いろいろな方法でそのときの事情あるいはその地方の事情に従つて、社会の経済の必要に応じて金融の便益を増して行くということが必要であると思いますので、この法案によるものは、この法案によつて長期金融に従事し、またかたわら別にこれらを補つて他の機関、他のくふうをして一層長期金融の円滑を期するということも必要ではないか、こういう意味で申し上げた次第であります。

川島金次日本社会党

○川島委員 ほかの方も質問があると思いますから、私は最後に簡單に一言だけ伺います。これは参考人のお三方に、簡單でよろしいですかからそれぞれ御意見を開陳していただきたいと思います。この法案に直接関係はございませんが、日本の経済の実態と、ことに問題となつております中小企業の金融の問題とからみまして、重大だと思いますので一言お伺いいたすのでありますが、政府の昨日発表いたしましたところによりますと、八大銀行が日本の預金において四五%を占めて、貸出しにおいてはこれまた四十四、五パーセントという二分の一に近い貸出しを行つておる。八大銀行の金融支配勢力がいかに大きいかということがこれで明白になつておる。ことに地方資金というものを八大銀行が非常に強い力で吸い上げている。その吸い上げた預金の融資先は、おおむねやはり大企業の方面に集中されるという弊が、これからきわめて大きいと思う。従つて農民の預金が農村に還元しない。中小業者の預金が、中小業者が深刻な金詰まりにあるにかかわらず、これら中小企業の方へなかなかまわつて来ないというような形で、いよいよ金詰まりを深刻にさせておるということも言えるのではないか。そこでまた私の質問に対する政府の答えは、こういうことを言つておる。八大銀行の預金集中あるいは貸出し、金融支配の事柄はわれわれも認めておる。そこで今後は八大銀行の地方における店舗等の整理によりまして、そういつた弊害をできるだけ少くして、そして地方の資金はできるだけ地方的に使うというような方向に持つて行きたい、こういうことを言つておる。しかしながら單に店舗の配置転換だけでは、そういうことの実現を期待することが少いのではないかと、私どもは考えておるわけなのです。従つて他にもつと積極的な政府の力による銀行法等の改正によりまして、もう少し地方の資金が、地方の必要なる当面の資金の需要に還元されるような積極的な金融、そして地方的な金融の上においても、もつと活発円滑にさせろという事柄がきわめて必要ではないか、こういうふうに思つておる。それにつきましてまことに恐縮ですが、それぞれ御三方の御意見を具体的に素直に、ひとつわれわれにお聞かせ願いたいと思うのであります。

内山徳治経済団体連合会、日本産業協議会共同事務局理財部長

○内山参考人 ただいまの御質問は非常にむずかしい問題でございますが、確かに八大銀行の預金とか貸出しについてそういう事実はあると思います。しかしながらこれを今お話のように、たとえば地方にもつと資金を環元する、あるいは中小企業にもつと資金を潤沢に供給するということに、一がいに持つて行くことはむずかしいのじやないかと思います。これは御存じの通り、日本の現在の実情で資金の蓄積というものが非常に少い。量的に一つの制約がございますし、それから地方におきましても、確かに資金の需要は大きいのでありますが、日本全体として見た場合にこれをどう配分することが一番妥当かというふうな観点から、やはり考えて行かなければならないのじやないかと思います。従つて確かに今まで地方に対して、資金の還元というものが多少円滑を欠いておることは私率直に認めますが、これについて今お話のような大銀行の地方支店の整理というような方法もあるいは必要かと思います。それから中小企業の金融については、これも先ほど申し上げましたように、大銀行あるいはそれぞれの中小企業の専門機関としてあります商工組合中央金庫とか、国民金融公庫とか、無盡とか、信用組合とか、すべての金融機関に——この専門機関につきましては、その限度は資金的なあるいは経理的な制約というものはおのずから別でございますか、市中銀行につきましては、例をとりまして私どもの銀行について申し上げましても、現在私どもの本店で中小企業の金融を、中小工業部という専門の部局を設けてやつておりますが、この方に八十人の人間をさいておる。それから大企業の融資は三部制をとつておりますが、この方には百人の人間をとつておる。全体の人員については長期金融機関として今経営をやつております上に、人員の増加なんか望めないということになりますと、中小企業の金融をさらに積極化するためには、相当の人員増加が必要になる。これは経営の上で一つの制約が出て来るというふうに、われわれの銀行についても、現在やつております中小金融が一つの制約をもたらされておるというようなことから、市中の大銀行等に関しましても、これを専門金融機関のようにさらに大きな幅で拡げることがむずかしい点もございますので、やはり現状としてはおのおの金融機関を持つております限界一ぱいにこれをやつて、その半面において先ほど申し上げましたような国家金融機関を設けて行く以外に、実際問題として解決の道はないのじやないかと考えております。

秋元順朝埼玉銀行副頭取

○秋元参考人 ただいまのお尋ねに関しましては、私は大都市銀行は預金、貸出し、この両方の面とも大都市にその主力を注ぐということが、その性格上当然であると思つております。また地方にある事業にしましても、あるいは電力であるとか、石炭であるとか、造船でおるとか、そういう全国的に重要性を持つておる大事業に対しては、これは大銀行が十分協力されるというのが、これまたその性格上相当な筋合いであると思うのでありますが、先ほど御指摘のありました店舗の配置転換、これは私どもも大蔵当局の御方針も承つておりまして、なるべく地方においては地方銀行の機能を主として働かせるというように、店舗の配置転換を導いていただきますことは非常にけつこうなことでありまして、当然そうあるべきことであると思うのでありますが、その結果地方の金融を十分にまかないますためには、従来の地方の一県一行主義というような片苦しい方針は、すでに大蔵当局とされましても必ずしも一県一行でなくてもいい、銀行の新設も認めるという方針をとつておられますし、実際問題といたしまして、それぞれの地方銀行がそのおもなる営業地盤である県を中心といたしまして、隣接の府県等にもやや及んで一つの経済圏のようなものを考えまして、そうして多少従来よりも広く店舗を配置いたしまして地方銀行相互にある程度工作して相寄り相協力して、それぞれの地方の金融を受持つということが、一番実情に適するものではないかというふうにも考えております。  それからもう一つやはり必要なことは、資金の地方還元を促進することであると思いますので、地方銀行が地方において十分に機能を発揮いたしますためには、いろいろのルートから資金の地方還元をして地方銀行の資力を充実させていただく。たとえば郵便貯金、簡易保險というような財源から十分に地方銀行の方へも資力をまわしていただく、また農林中金方面の資金につきましても、それぞれ農村でもつて純粹の農村金融の方面に運用されますことは、これはその職能上当然でありますが、普通の事業に出資されておるような面もかなりあるように考えますので、そういう普通の事業金融は、むしろ地方銀行の方に資金をまわしていただきまして、事業金融に十分習熟しており、また地方の事業界の事情にも明るい地方銀行をして、当らしめるというような方向に向つていただきますならば、一層地方銀行の機能を発揮することができるのではないか、そういうようにいたしまして、店舗とかあるいは資金の問題からいたしまして、地方銀行に一層の資力と機能を與えていただきましてそれによつて大都市銀行は主として大都市に主力を注ぐということと並行いたしまして、地方の実情に沿つた円滑、充実した金融をして行くのが、最も実際的な方法ではないかと考えております。     〔前尾委員長代理退席、委員長着席〕

内山徳治経済団体連合会、日本産業協議会共同事務局理財部長

○内山参考人 最近不況が非常に深刻化するに伴いまして、金詰まりの問題が中小企業と農村に非常に集約されて来ておると思うのであります。そこでこれに対する対策をどうしたらいいかということが、当面の大きな問題であるわけでありますが、一つの金融機関が大企業と中小企業とを同時に扱うことがいいかどうか。大都市の金融と農村の金融とを一つの金融機関が扱つていいかどうかというところに、若干問題があると思いますので、その辺の分野をある程度明らかにすることは、趣旨として非常に賛成でございますし、また各種の対策を講ずることについては、もとよりその必要があると思います。しかしながら根本を申しますると、現在の金詰まりの問題はそういう面の金融の制度からだけでは、なかなか解決のつかない問題が多うございますので、一層根本的な対策が必要であるというふうに私どもは考えております。

小山長規自由党

○小山委員 これは皆さんに実はお聞きしたいと思いましたけれども、たいへん時間もとりますので、中山さんにひとつお伺いしたいのであります。現在中小企業の金融が非常にやかましく言われておるのであります。これは結局大企業と言わず、中小企業と言わず、金融すべき資本がない、その蓄積がないということがおもなる原因であることは申すまでもないことでありますが、さてその中で一番不足しておりましたものは従来は長期資金であります。ところが今度のこの法案が実施されますと、この長期貸金は従来よりは変富に供給されるわけでありますが、さてそれが今度は中小企業にはたして流れて行くであろうかどうかという点であります。と申しますのは、従来中小企業に金が流れなかつたということは、いわゆる中小企業の金は、何と申しましても長期の資金が非常に要望が多いのでありますが、長期資金がなかつたから中小企業に行かなかつたのだとすれば、今度の法律でこれは大分解決されるわけであります。しかしそのほかに、中小企業の場合には実態把握が非常にむずかしく、信用の程度が薄いとかいろいろなことがあるだろうと思うのであります。それでこの法案のほかに中小企業の金融を考える場合には、銀行が中小企業に対する貸出しの損失補償というような制度が、望ましいのじやないかというふうに考えておるのでありますけれども、大体政府の考え方は、損失補償をやるということに対しては、中小企業という定義がわからないでいることが一つと、それから損失補償によつて必ずしも金融機関は立つものじやなかろうという考え方がその根本にあるようであります。それで中山さんにお伺いしたいのは、損失補償という制度がかりに設けられました場合には、金融は相当進むものであるか進まないものであろうか、これをひとつ実際家の立場からお伺いしたいのであります。

中山素平日本興業銀行理事

○中山参考人 中小企業の金詰まりの問題を実は私簡單に申し上げたのですが、具体的に申し上げますと、今一番中小企業者が必要としておるのは何であるか。確かに長期資金であることは間違いないと思うのでありますが、しかしながらこれはむしろ設備資金でなくて、長期の運転資金だと思うのです。設備資金については、当面中小企業の側でもちろん合理化その他で必要は起きておりますが、現実に金詰まりとして出て来ているのは運転資金ではないか。この運転資金について、中小企業金融を打開するためには、各金融機関を多元的に使わなければならぬということを申しあげると同時に、單に中小企業融資だけでなくて御承知の通り下請工場とかあるいは下請業者というものが相当ございますので、そのもとになります大企業の融資というものをもつと円滑にする。これによつて中小企業の方に資金が流れて行くことによつても解決されます。それから問題の運転資金の中で一番利用されておりますのは、従来中小企業者は、例をとりますと、大体三月分くらいの運転資金を自分の資金、あるいは親工場あるいは問屋等から供給を受けておりましたのですが、親工場にしろ問屋にしろ、今日それ自体が金詰まりであるということから、こういつた資金に一番困つておるのだと思うのです。これは今度の長期資金の融通ということがこの法案によつて実現されますので、一応解決されて来ると思います。しかしながら、たとえば見返り資金によります中小企業の融資というものも、これは設備資金に限られていることから、その実際運用がまだ円滑に行つてないという面もあるだろうと思うのです。  それから損失補償制度でございますが、これは今中小企業の対策としてとられております日本銀行のいわゆる別わく融資と、それからもう一つ大きな柱になつておる信用保証協会の制度がございますが、この制度によりまして、中小企業の融資というものがかなり具体的に——私どもの銀行の例なんかをとりましても、この信用保証制度があることによつて出し得る面が相当あるのであります。従つてこれがさらに国家補償というような線に拡大されるとすれば、御指摘のように中小企業金融が今一段と円滑になるということは、率直に是認できると思うのであります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 以上をもちまして参考人の方々よりの参考意見の聽取を終ります。参考人の方々におかせられましては、お忙しいところを御出席願つて、長時間にわたつて種々有益な御意見の開陳を行われ、なお当委員会の法案の審査に裨益するところ大なるものがありましたことを、委員一同にかわりまして厚く御礼申し上げます。   午前中はこの程度にいたしまして、午後一時三十分より開会いたします。     午後零時一十七分休憩     …………………………………     午後二時十五分開議

川野芳滿自由党

○川野委員長 午前に引続き会議を開きます。  製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。川島委員。

川島金次日本社会党

○川島委員 政府はいよいよタバコの値下げを行うということになりまして、けつこうなことですが、この機会に若干お伺いしておきたいと思います。  この価格改訂整理をやると一緒に、何か配給の方は廃止をするということでありまするが、それは事実ですか。

水田三喜男自由党大蔵政務次官

○水田政府委員 四月一日から大体配給をやめる方針であります。

川島金次日本社会党

○川島委員 そうするとこの提案の説明の中にも、タバコの価格整理値下げは一面国民経済に照し、ことに重要な事柄は、実質賃金の充実にもこたえるのだ、こういつた意味のことがこの改訂を貫いておる精神である。ところが一部値下げをしたが、配給はとりやめてしまうのだ。従来は配給タバコの値段と一般市販タバコとの価格に開きがあつてこそ、一般労務者に対する一つの施設ということになつているわけであります。ところがそれをやめたのでは、一体実質賃金の充実に努力する形だという政府の説明と、矛盾をする形になるのではないか。その点に対する当局の見解を承つておきたいと思います。

水田三喜男自由党大蔵政務次官

○水田政府委員 確かに御質問のような問題はございますが、現在タバコは全体として平均が二十五円になる。それを今度二十一円に下げる。さらにきんしは配給になつておるのですが、実際には新生というものは大衆タバコであつて、ここらが非常に多く吸われているというところから見ますると、この太巻が二十円ということになれば、事実上大衆用のタバコを下げたということになるので、それと見合せてこの配給をやめる、こういう措置をとつたわけでありまして、配給をなくした点は確かに川島さんのおつしやられるような問題はございますが、全体として見たらとにかく大衆タバコを平均において下げているということで、特に大衆のことを考慮しなかつたということにはならぬのじやないか、こう考えております。

川島金次日本社会党

○川島委員 どうもおかしいですね。せつかく市販タバコを値下げする。まことにこれは一応けつこうなんです。ところが従来労働者、農民に配給されておるものは、配給をとりやめるということになりますると、結局は従来よりもその個々においては値の上つたタバコを吸わなければならぬという形になる。なるほど政府全体のタバコの係数から言えば下るのだというけれども、こういう値下げをした一面において配給をやめてしまうということになつたのでは、実質賃金の向上を政策の一環として大きくうたつておることに、非常に矛盾しておるということをわれわれは指摘せざるを得ない。そこでお伺いするのですが、従来配給をしておつたタバコの量というものは、どのくらいであつたのですか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 今まで配給品として配給しておりましたタバコの種類はゴールデンバット、それからみのり、のぞみ、この三種類ございましたが、これが二十四年度の計画では二百九十六億本の数量になつております。それが二十五年度計画におきましては四百二十六億本、百三十億本ほどの増加になつております。

川島金次日本社会党

○川島委員 そうするとこのゴールデンバット、みのり、のぞみ、これらの価格はここには出ておらぬようでありますが、それは現状と違つて来るのですか。それとも現状の価格でやるわけですか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 ゴールデンバット、みのり、のぞみ、この三種類のタバコの金額はすえ置きでございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 それでは次にお伺いしますが、政府はピースは世界的標準を行くものだと大分宣伝をして来ておる。ピース・ガールなどを動員して盛んに売り出して来たのですが、これは大分売れ行きがかんばしくないので、そういうことも考えられたと思うのです。しかしピースなどはどの程度に二十四年度は売れて来ておるのか。そうして目標額と比較いたしまして、その目標に二十四年度は達成することができる見込みであるかどうか。その内容について簡單でいいですから御説明願いたい。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 二十四年度のピース販売予定数量でございますが、これは十三億本になつております。実績を見ますと、一月までの実績におきまして、十億九十万本ほどでございまして、二月、三月の販売によりまして、大体予定に近いところまで行くのじやないかと思つております。但し二十四年度の販売計画と申しますものは、当初の予算におきましてはもつと多かつたのでありますが、その後販売が非常に不振でございまして、タバコの売上げ金額全体におきまして二十億円ほど減らしました際に、販売計画をかえまして、ピースの数量を減らしたのでございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 そこでさらにお伺いするのですが、せつかくの改訂をやることはけつこうですが、問題は品質であろうと思うのです。品質の問題については、値下げをして一方において品質を下げたのでは何にもならぬことだ。それでは粗悪なタバコを国民に吸わせるという形になるのですが、その点はどういうような方針で行きますか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 品質の点につきましては、タバコの品質で一番大きな問題は、原料の葉ダバコの品質の問題でございまするが、これが最近におきまして大分よくなつて参つております。それは肥料の配給等も大分十分になつて来まして、葉タバコの品質がよくなり、さらに両切りタバコの原料といたしましては、黄色種が最も適当なものでございますが、その黄色種の生産数量がだんだんふえて参りまして、そういうような関係から、両切りタバコの原料である葉タバコの品質が大分向上して参つております。それからなお製造方法につきましても大分昔にもどつて参りまして、たとえばのりつけというような点におきましても、以前ほど悪いものはだんだんなくなつて来ているということが言えると思います。そのほかなお箱の意匠とか、銀紙で包んで湿気を呼ぶのを防ぐというような点におきましてだんだん昔に近いタバコになつて来ておると思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 二十五年度のタバコの生産総額は、その本数は忘れましたが、今の政府の二十五年度の生産量は、葉タバコの関係、あるいは機械工場等の関係で精一ぱいでありますか。さらに政府の考え方いかんでは、もつとたくさんの葉タバコが製造できる能力を持つておるかどうか。それはどうですか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 タバコの製造数量でございますが、これが二十四年度以前におきましては、六百六十五億本くらいになつております。これが二十五年度におきましては、八百億に増加いたしております。それでこれ以上に製造ができないかという能力の問題でございますが、大体八百億というのが、能力から行きましていいところの数字でございまして、ただ販売の方が非常に成績がよくて、それ以上売れるというようなことであれば、職員の方にも勉強してもらつて、十億とか二十億とか、その程度のところは行けるかもしれませんが、能力としては八百億程度のところでございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 どんなものですか。能力としてもつと増量できるというかつこうであれば、せつかくタバコの価格を整理するのですから、もう少し品質のいいものを出しながら数をふやして、さらに一面においては価格を引下げる。こういうことが一番好ましいと私は思うのですが、今度政府が改訂した結果能力があまり上らぬということになつて、当分タバコはこの改訂価格ですえ置かれて、今後引下げるという見込みがないのかどうか。その点についてはどうですか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 ただいま一番大きな問題は、一般会計へ幾ら納めなくちやならぬかという財政上の要求から、幾らの收益を要求されるかということによると思いますが、たとえば本年度は千二百億円の益金になつておりますが、来年度は千億でいいとか、あるいは八百億円でいいとかいうことになりますと、相当タバコの全面的な値下げさえ可能になつて来ると思います。なお明後年度の製造数量は八百五十億本くらいにしたいと考えておりますが、そういうことになりまして、コストの方が現在のままであつて、さらに益金が千二百億円でいいということになりますと、現在よりさらにある程度の値下げはできるかと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 ついでにこれもお伺いするのですが、この前私がちよつと強調しておいたのですが、小売の販売の問題であります。農業協同組合あるいは都市における生活協同組合、こういつた方面に販売の免許を積極的にやつてはどうか、こういう私は考え方を持つておつたのですが、その点についてまだ公社としては、何かきまつた考えを持つておらないかどうか、その点を伺います。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 協同組合に対してタバコの小売人を認めるかどうかという問題でございますがもこの点につきましては協同組合も一般の私人と同じように扱いまして、資格があれば認めるつもりでおります。

川島金次日本社会党

○川島委員 その場合、協同組合の事務所と店舗との距離等の関係がやかましく言われておるようでありますが、生活協同組合のすぐ近くに小売店の店舖がある、そういつた場合にでも——協同組合員が多数おりますが、これを許可する方針で臨みますかどうか、その点を伺います。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 協同組合にタバコの小売人の指定を認めます場合に、具体的な場合になつてみないと、隣に小売店があるからどうかということは、必ずしも言えないかと思いますが、すぐ隣にあるような場合は、今までのところではあるいはちよつと困難ではないかという感じがいたしております。なおそういうような点はよく研究してみたいと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 タバコを値下げするが、一方においては政府益金の繰入額も相かわらず千二百億という厖大なことになる。従つて安くすればすぐ売れるかというと、この程度の引下げでそう目に見えて多く売れるというわけには行かない。そうなつて来ると、今度は何か私の聞いた範囲によりますと、専売公社の支局といいますか、支所といいますか、そういつた方面から非常なむりな割当が来る。しかもその割当に対してすぐ金を納めなければならぬというようなことで、非常に小売業者が資金的に困難を感ずる場合がある。はなはだしきは、その割当てられたものを引取らなければならないために、わざわざよそから借金までして来て引受けるという事態が実はあるのです。そうなつて来ると、小売人の手数量はあまりない。そうして一ぺんに押しつけられる。借金はする。利息は拂わなければならない。といつてそれをやらなければ小売の免許を取消されるおそれがあるというようなことで、場所によつては小売業者が非常に困つておるところがあるのですが、そういうことを方針として押しつけて行こうという考え方で公社はやつておるのか。あるいはそれは現地だけの誤つた処置なのか。その点はどういうことになつておりますか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 本年度のタバコの販売状況が今まであまり芳ばしくございませんでしたので、専売公社の本社の方でも大分気をもみまして、各地方局に大体の目標額を示しまして、なるべくこれに努力してもらいたいというようなことで、できるだけ予定の益金をあげるように努力しております。ただその際にむりに小売人に押しつける。そうして小売人に迷惑をかけるようなことがないようにということは、本社の方から十分厳重に言つておるのでございますが、なお末端の方におきまして、自分の成績を上げるために、むりなことを言うところがあるいは中にあつたかもしれませんですが、そういうような点は、本社の方でも今までも十分注意して参つておりますし、今後も注意して行くように監督いたしたいと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 私は商人でないからわからぬのですけれども、これから値下げはするものの、大量のタバコを売り出さなければならぬ。それでなければ千二百億の一般の財政への益金の繰入れも、なかなか懸念されなければならぬ。そこで支局あるいは支所ですか、それらの管轄内における組合もあるでしようが、それらがそういうことによ、つて——それでなくても営業者は深刻な金詰まりで悩んでおります。悩んでおるからといつて、政府としてはできるだけタバコは売つてもらわなくてはならぬという事柄もよくわかる。そこでそういつた資金繰りについて、全体で卸す額が五万円なら五万円のうちの三分の二は現金でも、あとの三分の一は何日かの余裕を置いて取上げるというような、一つの掛売り的なことをするか、でもなければ他の資金的方面を専売公社の方でめんどうを見るというような形にして行く方が、小売人も引受けにかいもあるでしようし、また小売人自身の売上げに対する積極的な熱意がさらに加わつて来るというようなことで、両者がそれによつて目標を容易に達成するというような形になるんではないかと思うのです。そういう事柄について公社の方でもお考えをされることの方が、今の段階においてはいいのではないかと思うのですが、そういう点についてはどうでしよう。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 ただいまのお話まことにごもつともでございまして、公社でも、たとえば年末等におきまして若干小売人によけいに持つていただくような場合には、専売公社の方で銀行との間に立つて話をつけまして、銀行からなるべくその金を融資をしてもらうようなあつせんをいたしておりまして、今までも努力はしておりますが、なお今後も一層努力したいと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 これで終りますが、先般安本で発表したのではないかと記憶しておるのですが、この政府のタバコの価格整理に伴いまして、一般国民経済に及ぼす比率について研究されたものがあるように記憶いたしておるのです。このタバコの値下げによる実質賃金の充実といいますか、その生計費に及ぼす軽減の率、そういう事柄について、定めし研究された結論が出ておると思うのですが、それはどのくらいになつておりますか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 ただいま数字を持ち合せておりませんので、調査いたしましてお答えいたします。

川野芳滿自由党

○川野委員長 内藤友明君。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 ごく簡單なことで一つ二つお尋ねしたいと思います。ただいまタバコの収益調べの表をいただいたのですが、これによりますと、はたしてほんとうに今度の八百億本が売れるかどうかという心配が実は出るのであります。それはどういうことかと申しますと、ゴールデン・バツトはすえ置きの十五円でありますが、これは今までは公社が小売店へ持つて来られた値段が十三円五十銭で一円五十銭の利益があつた。今度はこれを見ますと、九十銭の利益になつておる。従つて小売店は利益が六十銭も減らされておるのだから、あまり力こぶを入れないのではないかと思うのです。そしてまた一面においては、配給品は二百六十九億万本のものを四百二十六億万本にふやされた。こういう事実を思い合せてみますると、はたしてほんとうにこれだけ売れるのかどうかという心配があるのでありますが、それはどういうことでありますか。私がお尋ねしたいのは、今まで公社が小売店へ持つて行つたのは十三円五十銭であつたのが、今度は十四円十銭に上げられた、そのマージンを少くせられた理由であります。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 小売人のマージンでございますが、ただいまお話のありましたバットにつきまして、一円五十銭のマージンといいますのは昨年の五月まででございまして、昨年の六月から各品種みな同じようにマージンを定価の六分にいたしておりますから、現在が九十銭になつておるわけでございます。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 私は昨年いただいた資料で申し上げておるのですが、その後の資料は私はいただかないからちよつとわかりませんけれども、それではもう一つお尋ねしたい。  ゴールン・バツトの収益率は三〇・七割となつております。昨年いただきました資料によりますと、二九・五割だつたと記憶いたしておるのです。それとピースの昨年の收益率が九〇・五割だつたと今頭に残つておるのですが、今度は六〇・五割となりまして、どちらかと申しますと、大衆タバコの方は收益率を上げて、高級品は收益率を下げて出る。これはどういうことになるのでございましようか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 バットの收益率でございますが、昨年度がこれよりも收益率が若干低くかつた原因を申し上げますると、全体といたしまして製造数量が非常にふえましたために、一般管理費というようないろいろな一般の経費が、一個あたりにいたしますと相当安くなりましたために、こういうようなかつこうになつておるわけでございます。  なお、ピースが昨年九〇割だつたのが今度六〇割と申しまするのは、原価の異動もございますが、値段が六十円から五十円になるというようなことのために、收益率が大きく減少いたしております。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 そうすると、こう承知していいのですか。私はこれを見まして、品質を下げられたのではないかと思つたのです。つまりゴールデン・バットの品質を下げられて、よけい政府がもうけられたと思つたのですが、今のお話ではそうではなくて、たくさん製造するからそれで收益率が上つた、こう心得えていいのですか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 昨年お出しいたしましたバットの收益率の調べは今私持合せございませんが、バットの工場の製造原価、この方は相当高くなつております。しかしそのほかの販売経費とか、本社とか、地方局の経費というような一般管理費と申しますような部分が、相当安くなつておるわけでございまして、結局品質といたしましては昨年よりも向上しておると言えると思います。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 今小売店ではたくさんタバコを持つておるのでございますが、これを四月一日から値下げを行われるというお話ですが、その計算はどういうことになりますか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 四月一日まで小売人が持越します分につきましては、その差損金を公社から支拂つてやります。

河田賢治日本共産党

○河田委員 簡單に二、三点質問したいと思います。  最近外国タバコが非常に入つて来ているのですが、専売公社ではこれをどのくらいにお見積りになつておりますか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 外国のやみタバコはまことに困つた問題で、ございましていろいろ努力はいたしおりますが、なお相当の数量が入つていることは事実でございます。やみタバコがどのくらい出ておるかというような推定でございますが、これは非常に困難でございまして、はつきりしたことはもちろんわかりませんが、大体十億本くらいは出ておるのではないかというようなことを言う人もあります。はつきりした数字はどうもつかめないのでございます。

河田賢治日本共産党

○河田委員 その方の取締りについてはどういうような措置をせられておりますか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 外国のタバコの取締りにつきましては、専売公社に監視官がおりまして、監視に当つている人間が全体で二千人近くおります。それが料理屋のような外国タバコのよけいに、消費されるおそれのあるところとか。またたとえば会社等において集団的にたくさん買い入れてわけておるというようなところを主としてねらつて、監視に当り取締りをやつております。

河田賢治日本共産党

○河田委員 成績は上つておりますか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 必ずしも満足するような成績は上つておりませんが、しかし料理屋等におきましても、最近取締りを相当嚴重にやつておりますので、ある程度自粛の実は上つておるように考えております。

河田賢治日本共産党

○河田委員 この法案の第三項に、試製の「製造たばこが六月をこえて販売されるためには、最近の機会において、第一項の日本専売公社製造たばこ価格表への追加の措置がとられなければならない。」とありますが、これはどういう意味になりますか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 この試製タバコの規定は、今度初めて新しく入れた規定でございまして、原則としては、六箇月以内を限つて販売できるというようにしてあります。大体六箇月くらい販売してみますと、一般の消費者の嗜好に応ずるものであるかどうか、評判がいいかどうかというようなことがわかりますので、それで成績がいいということであれば、恒久的に販売するということになるわけでございます。それで六箇月以上恒久的にやるという場合には、この法律の価格表にその種類を追加してやるということになるわけです。

河田賢治日本共産党

○河田委員 そうすると、国会でこの価格を承認するまで、追加表に試製タバコを入れておくだけですか。

冠木四郎大蔵事務官(日本専売公社監理官)

○冠木政府委員 試製タバコを恒久的に売りたいというときには、その際に国会にこの法律の改正案を出しまして、御協賛を得れば恒久的に売ることができる、もし否決になればその販売をやめてしまうことになります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 ほかに御質疑はございませんか。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 本法案につきましては、質疑も大体盡きたようでありますから、これらをもつて質疑を打切られんことを望みます。

川野芳滿自由党

○川野委員長 前尾君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿自由党

○川野委員長 御異議がないようですから、本案に対する質疑を終了いたします。  なお本案を議題として討論、採決いたしたいと存じます。討論は通告順によつてこれを許します。川島金次君。

川島金次日本社会党

○川島委員 私は社会党を代表して、本案に対して若干の希望を付して賛成をするものであります。  政府はこのたび実質賃金の充実向上、全面的な国民生活の安定ということを目途として、このタバコの値段の引下げを実施することになつたのであります。その点については私どもも別に異見をさしはさむものではないのであります。しかしながら一面においては、従来せつかく労働者、農民等に配給をいたしておりましたゴールデン・バット等のごときを、この機会に配給を廃止して、これを同様に一般の市販とすることになることが明らかでありますので、この点は政府が強く主張して参つております実質賃金の、ことに向上の問題については、はなはだしく矛盾をはらむ問題であろうと思います。本来ならば、この改訂とあわせて配給もし、しかも配給品はこの改訂と並行して値下げをしてこそ、初めて政府の言う国民生活の全面的な安定、並びに実質賃金の充実を目途とする一環の政策であるということで、それが貫かれるわけであります。しがしながらそういう措置を講ぜずして、逆な措置になつていることについて、われわれは少なからぬ不満を持つものでございます。しかしながら全体的に見ますれば、価格がそれぞれ相応に引下げられて、しかも一面においては、タバコの製造量が増加されることでありますので、その面においては需給のバランスも次第にとれ、自由に国民がその嗜好に従つて、選択してダバコがのめるということになる点においては、われわれも異議がございませんので、これに賛成をいたすのであります。でき得べくんば、今後政府はさらに一段の努力を傾けられまして、品質の向上、生産量の増加、それによつて一面価格の引下げをできるだけ実施するという方向に向つてほしいことを強く要望いたしまして、本案に賛成をするものであります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 北澤直吉君。

北澤直吉自由党

○北澤委員 今回政府におきましては、タバコの製造能力の回復にかんがみまして、一面専売益金を確保しながら、他面においてタバコの値下げを実行せんとするわけでありまして、まことに時宜に適したものと考えます。今回のタバコの値下げは、所得税その他の税制一般の改正と一体をなして、国民負担の軽減に資するということが大きな目標でありますので、その意味からして、私は自由党を代表しまして、今回の改正案に賛成するわけであります。ただ、ただいまも社会党を代表して川島委員から希望がありましたように、今後とも政府におきましては特段の努力をされてこの上ともタバコの品質の向上と価格の値下げにつきまして、努力されるよう希望いたしまして、賛成いたす次第であります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 宮腰喜助君。

宮腰喜助民主党(第九控室)

○宮腰委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に強い希望條件を付して賛成するものであります。  タバコは御承知のように国民の必需品でありますので、この点特に御考慮願いまして、今後品質の改良、それから財政收入を落さないで、両立し得るような専売の経営方法を特に実施していただきたい。こういう希望條件を付しまして、本案に賛成するものであります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 河田賢治君。

河田賢治日本共産党

○河田委員 日本共産党を代表しまして、本案に希望を付して賛成するものであります。  ごく簡單に申しますと、言うまでもなくタバコが非常に高いわけです。御承知の通り、共産党としましては、もうこれは原価の二倍程度にすべきである、こういう考えを持つております。同時に今日タバコの味にしましても、つまり品質が非常に悪いので、できる限り公社においては労働者の職員の負担にたらない方法において、経営の合理化をやるとか、特に妙な宣伝機関なんかにばかばかしいほど命をかけて、大した効果もないことをやつておりますが、ああいうむだづかいを経営の面においてやめまして、職員の待遇改善、同時にタバコの品質の向上、こういう方向に専売公社は極力努力すべきである。それによつてさらにタバコの一般の値下げを断行し、特に今回のタバコ値下げにおいても、普通の一般動勢者の配給品であるゴールデン・ハットがそのまますえ置かれたということは、今度の改正においても非常に不十分な点があることを認めるわけであります。こういう点でこの次のタバコの改訂には、できる限り一般の需要の多い下級品のタバコの値下げを断行されることを目標にして進まれんことを希望して、賛成するものであります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 内藤友明君。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 私も本案に賛成いたすものでありますが、ただ一つ希望を申し上げたいと思うのであります。  それは取締りの問題であります。先ほど河田委員からもお尋ねがありましたが、やみタバコが非常に氾濫している。これをしつかり取締りませんと、千二百億の財政收入はくずれることになります。それから、取締りの方面はそれのみではないのでありまして、子供が盛んにこのごろタバコをのんでいるのであります。これは一種の人道上の問題でありまして、子供が悪の道に走るのはまずタバコからであります。売れるからいいというだけではないのでありまして、かえつてその方面における国家の損失が非常に大きいのでありますから、そういう方面にも嚴重な取締りをされたい。これが私の希望であります。賛成いたすものであります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 討論は終局いたしました。  これより採決に入れます。本案に賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕

川野芳滿自由党

○川野委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。     …………………………………

川野芳滿自由党

○川野委員長 次に昨日質疑を打切りました解散団体財産收入金特別会計法案を議題として、討論採決に入ります。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 ただいま議題となりました本案につきましては、ごく簡單なものでありますので、討論を省略したらいかがかと思います。

川野芳滿自由党

○川野委員長 前尾君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿自由党

○川野委員長 御異議がないようですから、さよう決定いたします。  これより本案を議題として採決に入ります。本案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕

川野芳滿自由党

○川野委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。      —————・—————

川野芳滿自由党

○川野委員長 次に保険業法等の一部を改正する法律案を議題として質疑を続行いたします。

河田賢治日本共産党

○河田委員 保険業法等の一部を改正する法律案の第一條の二でありますが、保険会社が外国に保險事業を営み得るのには三年を経過すること、かつ最終の決算期において利益金または剰余金が計上されておるという條件がつくわけでありますが、そうしますと、たとえば二つの会社が新しく合併して新設された場合は、これはやはり依然三年間を経過し、さらに剰余金や利益金が出なければ、保險事業が営めぬということになるわけですか。

舟山正吉大蔵事務官(銀行局長)

○舟山政府委員 保險会社が免許を得た日から、あるいは営業を開始した日から三年間ということになりますから、御指摘のような場合には、法律解釈上若干の疑義があると思いますが、その会社の営業の実態を調べまして判断すべき問題かと考えます。

河田賢治日本共産党

○河田委員 この間対日理事会でホジソン・イギリス代表が、日本の銀行の独占力が大きくなつている。これに対してアメリカの議長から反駁的な報告があつたわけでありますが、その後またホジソン氏から、やはりその報告では不満足であるというようなことが出ておつたようであります。これに対して政府当局は、日本の銀行は單に株主が分散しておるから、それで支配力がないというだけでなく、もつといろいろな面からどの程度産業並びに金融を支配しておるかということを、はつきり発表されていないのですが、今後されるような意思はないのでしようか。これは言うまでもなく日本が今置かれておる国際的な條件のもとにおいて、できるだけ外国の信頼のもとに、早く講和條約を結んでもらうような態勢を整えなければならないと思います。ところが今の日本の政治のやり方において、諸外国特に占領国の重要な国から信頼されていないというようなことは、これは日本の講和條約を有利にする道ではないと思います。従つて政府としても、こういう点については積極的に国民にも報告し、かつまた国民の代表たる議会などにも、こういう問題があればただちにその内容を報告さるべきじやないかと思います。こういう点で政府も日本の置かれた国際的な條件というものを十分お考えになつて、善処されておるとは思いますが、この点について政府の御見解を承つておきたい。

舟山正吉大蔵事務官(銀行局長)

○舟山政府委員 最近問題になつております大銀行の財閥化云々の問題に関しましては、政府の銀行行政の面におきましては、対日理事会その他外国関係とは全然別個に、銀行がまさにあるべき姿において営業するように監督指導しておるのでございまして、大銀行の産業支配というようなことのないように、あまねくあらゆる金融に対してその需要を充足するように、指導いたしておるわけでございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 先ほど河田君から質問がありました第一條の二は日本の保險会社の場合ですが、外国保險会社が日本で保險事業を営む場合に、こうした制限はないわけでありますか。

舟山正吉大蔵事務官(銀行局長)

○舟山政府委員 ございます。外国会社が日本に進出する場合、また日本の会社が外国に進出する場合、両方について同じ制限を付しておるのであります。

川野芳滿自由党

○川野委員長 ほかに御質疑はございませんか。——それでは本日はこれにて散会いたします。     午後三時九分散会

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