大蔵委員会 第21号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/02/27
会議録
○前尾委員長代理 ただいまより会議を開きます。 酒税法の一部を改正する法律案外五件を一括議題といたしまして前回に引続き質疑を続行いたします。河田賢治君。
○河田委員 政府にまず総括的にお尋ねしたいのでありますが、今度の税革におきましては、大体シャウプ博士の勧告基礎控除二万四千円を二万五千円に、扶養家族従来の千八百円が一万二千円ということになつておりますが、この基礎控除について政府は大体いかなる観点から、基礎控除というものを決定されておるか、この点をお伺いしたい。
○池田国務大臣 基礎控除は従来一方五千円であつたのを、今回二万五千円に改めたのであります。基礎控除をきめる観念として、生活費と見合いにするという考え方も従来一部にはあつたのでありますが、私はそういうことよりも、全体の税收入ということを考えて基礎控除をきめておるのであります。しこうしてシャウプ博士の二万四千円ではやはり負担が少し減りにくい。財政状況その他から勘案して二万五千円にしても収入は確保できるとう考えのもとに二万五千円にいたしました。私としては今後財政の状況によりまして、基礎控除はふやして行きたいという考えを持つております。
○河田委員 今度の税制改革によりまして政府は特に負担の公平並びに合理化ということを言つておられますが、この負担の公平ということについていろいろ問題がありますので、これをまず総括的に政府から御説明願いたい。
○池田国務大臣 負担の公平は税制の要諦でありまして、そのときそれの経済事情、国民所得の状況に照しまして、できるだけ負担の公平をはかつて行かなければならぬと思つておるのでございます。負担の公平を実現いたしますためには、基礎控除あるいは税率あるいはまた所得控除いろいろな点があるのであります。また扶養控除にいたしましても專従者の控除等は、今の情勢から見まして、負担公平上ぜひとも実現いたしたいという考えで、專従者控除も認めておる次第なのであります。そのときそれぞれの状況によりまして、税率、基礎控除あるいは所得控除等につきまして、公平をはかつておるのであります。今回の税制改正は、前の税制よりもよほど負担の均衡が保たれておると考えます。
○河田委員 勤労者の控除に匹敵するものを、申告所得者に対しても控除してもらいたいという要望が、農業団体あるいはまた中小商工業団体等、各業界からしばしばあつたのであります。もちろんわれわれは勤労控除において一五%というのを多いというのではありませんが、とにかく勤労控除においては一五%の控除がある。しかし申告所得者に対してはそれがないという理由について御説明願いたい。
○池田国務大臣 勤労所得と事業所得とはその性質が違いますので、また従来からのやりきたりもありますので、勤労所得についてのみ一五%を認めることにいたしておるのであります。もともと所得につきましては資産所得、事業所得、勤労所得とわけて、そうして税率を違えて行く方法も各国で採用された例があるのであります。わが国におきましても昭和十五年から終戰に至りますまでぐらいは、分類所得税制度を大いにやつておつたのでありまするが、一面また所得はどの所得であろうとも所得に違いない。すなわち百円の所得は、それが資産であろうと勤労であろうと事業であろうと、区別すべきではないという説をなす人もあるのであります。私は今の状態といたしまして、課税の計算の仕方が違つておりますので、勤労所得にのみ所得控除を認める制度がいいのではないかという考えのもとに、他の所得につきましては控除を認めず、勤労所得にのみ一割五分の控除を認める制度をとつておるのであります。
○河田委員 今度青色申告をすることによつて、申告所得者からはいわばまるきりの裸申告だとか、これによつて所得に対する税金の徴収を徹底的にやるという御方針なのでありますが、しかし同時に課税の公平という点から見ますれば、小所得者に対しては、今日はもう生活費に食い込むような状態でありまして、たとい基礎控除を上げ、また扶養家族控除を上げましても、実際に勤労大衆の生活というものはこれによつてよくはならない。非常に重い税金なのであります。しかも公平をはかるという意味において、政府は他方においてはたとえば配当に対する源泉徴收をやめ、あるいはまた五十万円以上に対しては百分の五十五というふうに税率をきめておるのであります。こういうことに対しても、なおかつ政府はこれを負担の公平だと言われるわけでありますか。
○池田国務大臣 所得税におきまして基礎控除、税率あるいは所得の計算方法を従来よりもかえまして、今の実情から見ましてよほど負担の公平ははかり得たと考えておるのであります。一方お話には配当の源泉課税をやめるとか、あるいは五十万円以上五五%、こういうことで資産家に対しまして非常に優遇を與えておるというふうに見えはしないかというお話でございますが、わが国の今の経済の情勢から見まして、資本の蓄積は必要であるのであります。しこうして今までわが国の税法は法人と個人とを別個の存在と見まして、法人に課税しまた個人にも課税するという制度をとつておつたのであります。これは昔から議論のあつたところでありますが、法人というものを個人から離れた別個のものと見ることは、二重課税ではないかと見る向きが強いのであります。ドイツを中心とした大陸系の税法では、個人と法人とを全然別個の課税対象としておりますが、英国を中心とした税制におきましては、法人は個人の出資によつてできているのであるから、別個の課税標準とすることは不適当だという説が強いのであります。今回の税制改正案におきましては、わが国の資本の蓄積ということが必要であると同時に、法人、個人の二重課税の非難を緩和いたすために法人は個人の出資によつてできたものだ、個人の延長だという考えのもとに税制を改正して来たのであります。従いまして法人におきまして超過所得に対する税はやめたい、あるいは精算所得に対する税はやめて、法人というものは個人の出店だという英米等の税制にかえたのであります。 なお個人において五十万円超五五という税率は、高額所得者に非常に軽くするゆえんではないかという議論があるのでありますが、住民税を加えて計算いたしますと全体で六十六、七パーセントにもなりますし、またあまりに高い税率を設けてやりますことは、所得の把握に支障がある等を考えまして、全体として高額所得者に対しまして、従来の高過ぎた税率を低くすることにいたしたのであります。その反面高額所得者に対します所得税の補完税といたしまして、富裕税を設けた次第であります。
○河田委員 今の御答弁によりますと、いろいろ資本の蓄積の必要から比較的高額者には税率を下げた、こういうことでありますが、しかしながら資本に対して——たとえば今度は再評価の法案が出るわけでありまして、それによつて再生産を可能ならしめるという見地でありますが、しかし今日最も低い労働者あるいは中小商工業者の勤労によつて生活する人々は、今日の税制改正によつても決して労働の再生産ということができないような状態になつております。御承知のように吉田内閣が三千七百円ベースを六千三百円ベースに引上げたときにも、税法の改正は行われず、そのために税金におきましても独身者においては二倍半、扶養家族一人は四倍、二人においては四十一倍、こういうふうな高い税になつて来ておるのであります。今回の改正によりましてもこれは依然解消されず、三千七百九十一円ベースのときよりも独身者においては二倍、あるいはまた一人扶養者においても二・八倍、あるいは二人においては二十一倍、こういうふうにやはり解消されていないのです。のみならず賃金と税金の関係におきましても、大体高いものになりますと七倍あるいは十倍というふうに率は上つておるわけであります。こういうふうに働く人々の税金が、今日では生活費の中に食い込んで来ておるわけであります。ところが政府におきましては、御承知のようにこれに対して非常に減税だといつて、大蔵大臣あるいは総理大臣あたりは非常にこの減税を主張されておるのでありますが、今日物価の値上り並びに地方税あるいは附加価値税、こういう新税によりましてますます働く人々の税金は重くなり、ひいては生活が困難になつて来るわけです。ところで御承知のごとく外国におきましても、必ずしも日本のように五割五分で切つておるところは非常に少い。アメリカにおきましても、御承知のごとく二千ドル以下が一六・六%、二十万ドル以上が八二・二三%というふうに高率所得者には累進的にやつております。またイギリスにおいてもフランスあたりにおいても、大体一割から六割まで、ドイツにおいても九割五分ですか、最低が一七%から最高九五%という税率をとつておるのでありますが、単に資本の蓄積という面からのみ、こうした階級層における不公平を課せられておるわけでありますけれども、大蔵大臣は率直に今度の税制改革が、国民の各所得層に対して公平でないということをお認めにならぬのですか。
○池田国務大臣 先ほど来申し上げました通りに、基礎控除、勤労控除等で下の方の階級の方にも相当の減税が行われておることは、数字の示すところであるのであります。従来は独身者の方であつたならば、二万円を越えました場合には所得税がかかつておつたのであります。今回の改正によりましては二万九千五百円から課税になることになります。これは基礎控除から主として来ることでありますが、扶養家族四人の場合におきましては現行では六万三千七百円を越えますと課税になるのが、八万五千八百円を越えて初めて所得税が課税になる。こういうことになるので、よほど一般の緩和ができておると考えるのであります。なお外国の所得税の最高税率についてお話がありましたが、私といたしましては、先ほど申し上げましたように資本の蓄積が非常に必要であるということと、もう一つは今の課税の実際から申しまして、あまり税率を高くすることは脱税を刺激するという点もありますし、また別に住民税あるいは富裕税を考えてみますと、やはり相当の税率になるのであります。所得税を五五%にいたしましても、住民税の負担を考え、またそういう高額所得者が剤産を持ち富裕税がかかることになりますと、かなりの税負担になるのでありまして、今の情勢から見ればこの税制が最も負担の公平に適合すると私は考えております。
○河田委員 政府は大体において——大体です。個々においてはいろいろ問題がありますが、税法通りに今日税金が徴收されておりますか。
○池田国務大臣 ただいまの税法によつて極力課税の適正充実を期しております。しかし税務の実際面におきまして取り足らぬ点がありますので、最近は査察部等の特別機構を設けまして、課税漏れのないように努力いたしておる次第であります。
○河田委員 ところが、これは衆議院の予算委員会でも問題になりましたが、所得の課税漏れについて——これは国立国会図書館から出ておる資料でありますが、平田主税局長の話によりましても、現在の税法はそのまま忠実に運用されてはおらず、もし税法通りに徴税すると、徴税額の二倍以上もの税收が上るようなことになる。このような不公平は改めねばならぬ。こういうふうにして大体二倍くらいの徴税額は生ずるということをはつきりと認めておられます。またシャウプ博士も勧告の中に言われておりますように、大体日本における脱税が二五%から一〇〇%にも達する。これは単に所得税のみならず、他の地方税並びに物品税や取引高税その他もろもろの税金においてもしかりである。こういうことを認められておりまするが、この点について政府当局は、こういう税收が税法との関係において、大体やはりそういうふうな脱税があるということを断定されますか。
○池田国務大臣 どれだけの脱税があるかということはなかなか困難な問題でございます。先ほども申し上げましたように、税法通りはなかなか調査が行かない点があることは私存じております。従いましてできるだけ課税の充実適正をはかるように、機構を改正したり、あるいは従事職員の素質の向上、人員の増加をはかつて、課税漏れのないように努力いたしておる次第であります。
○河田委員 そうするとこの脱税とい、うものは、大体において私たちは大口所得者に多いと思うのであります。これは査察部などでやりました摘発から見ましても相当あつたわけでありますが、こういうふうに大口の所得者に対しては脱税があり、しかも小口に重課しておるというやり方が、今日までの税務当局のやり方であつたわけであります。そうしますと今度の税法改正におきましても、資本の蓄積をはからなければならない。そのためには大口の所得者に対しては、でき得る限り課税をゆるめなければならない。しかしながら下履の階級に対してはまあ耐乏生活をしてくれというのが、大蔵大臣の見解だと思うのでありますが、万一この脱税があり、しかも主税局長みずからも大体税收が二倍に上るということを認められておる。シャウプ博士もそう言われておるのでありますから、大体私たちはこれは間違いないと思うのでありますが、こういうふうな状況で資本の業績をはからすということであるならば、これは政府の言う負担を公平にわかつということにもならないと思うのであります。今後これらの点に対して、政府はいかような手を打つて、こうした脱税並びに徴税に対する面を改草して行く考えでありますか。
○池田国務大臣 大口所得者の調査につきましては、最近調査官という制度を置きまして、極力実額調査に当つておるのであります。今回の税制改正によりまして、相当納税者の数も減つて参りましようし、また人員もある程度ふえて来ることを期待いたしておるのであります。従いまして今後は大口所得者につきましては漏れなく実額調査をいたしまして、大口所得者の課税漏れのないように、万全の措置を講ずる用意をいたしておる次第であります。
○河田委員 政府は特例としてまだ法案は出て来ておりませんが、外国人に対して税金の課税に対する特別な措置をとる、こういうお考えを持つておるようでありますが、これに対する政府側の構想をお聞かせ願いたいと思います。
○池田国務大臣 外資の導入並びに外国の優秀な技術者に指導を受けて日本の急速なる経済再建をはかりたいという考えのもとに、特定の外国技術者並びに事業経営者また特定の外国資本に対しまして、一定年限を限りまして軽減、免除の方法を講ずるよう今具体案を検討中であるのでございます。ここ数日中に御審議願う段取りに至ると考えておりますが、今その内容につきまして詳しく申し述べるまでに至つておりません。
○河田委員 資本家の諸団体あるいは諸雑誌等においても、外資導入の問題についてはいろいろ言われておるのでありますが、たとえば電力事業についてもドレーパー氏みずからが、日本に何もアメリカからわざわざ持つ来るものは何一つないではないか、資材にしても、労力にしても、技術にしても、電力を開発するくらいのことはアメリカから何も持つて来るものはないと言われたということを、東洋経済なんかにも書いております。そうして外資導入に対する誤つた考えを捨てよということを言つております。もちろん今日の日本の技術あるいは科学等は非常に遅れております。この点国民すべてが、特に政府がこれらの技術や科学の発達のためにも十分な予算を計上し、これらの発達を促すべきではありますが、日本の事業家にすらやれなた、日本の事業家すら税金の負担が重いという今日、外国人に特別な措置を與え、税額の負担を軽減させてまでやらなければならぬという理由はないと私は思うのでありますが、この点についてもう少し明確な御答弁を願いたい。
○池田国務大臣 日本の技術がアメリカ、イギリス、その他の諸外国に対しまして非常に遅れておるということは、万人の認めておるところと考えておるのであります。また日本の経済再建に資金の必要であるということも、万人の認めておるところであります。私も同様に外資並びに優秀な外国技術者が、今必要であるということを痛感いたしておるのであります。これが早急なる導入をはかるということは、われわれの重大な政策の一つにいたしておるのであります。こういう意味から私はこの際外資や外国技術者が進んで入つて来るような受入れ体制をこしらえるということが必要と考えまして、先ほど申しましたように外国資本並びに外国技術について、特に必要なるものについて軽減免除の措置を講ずることは、日本再建にぜひとも必要なることの一つであると考えておる次第であります。
○河田委員 先ほどの外資の問題にしましても、これは單に日本が遅れておるということによつてこれを伸ばして行くと言うが、日本の国民の素質にそういう科学や技術に対する素質が全然ないわけではないのであつて、これをどんどんと助長し発展させて行くことが政府の責任であると私は思うのです。ところが政府はこういう点については、外国の指導なり外国の援助ということのみにたよつておられるようであります。私はこういう点については反対の見解を持つております。 最後に今度の税制改革は、決して働く労働者や中小商工業者や農民に対する税制の問題を、十分解決してないということを私たちは認めるわけです。特に大口の所得者である資本家の諸君は、大体において今度の税法は国税において満足することができるということを表明しております。しかし今日あらゆる労働者、たとえば日本の組合の中でも最も右翼的だと言われる総同盟にしても、基礎控除あるいは扶養控除については、政府の考える以上のはるかに高い要求を持つておるわけであります。労働者の今日の生活は、御承知のごとく人事院の勧告によりましても、一人の青年男子は月に大体三千円の收入がなければやつて行けないということは、カロリーなどの計算でも示している通りであります。従つて今日基礎控除などについてみましても、大体政府がいわゆる生活の要保護者に出しますところの費用とほとんどかわらない。これでもつて国民に、つまり生活を保護する必要のある程度の基礎控除しか今日認めていないわけでありますが、扶養家族は月千円で食つて行けというようなことは、まつたく言語道断の至りだとわれわれは考えるのであります。政府は新しく物価政策におきましても国際的な物価にさや寄せする。そうなれば補給金は削るということになりますが、いろいろとそういう施策の面を考えられまして、今度の税制改革は、税法を大体においてまた次の国会でも改めて、これらの諸点を考案して改正される意思があるかどうか。これを最後に伺つておきたいと思います。
○池田国務大臣 私は現在の国民負担が決して楽なものとは考えておりません。できるだけ財政の規模を縮小いたしまして、国民の租税負担を軽減する考えで努力いたしておるのであります。ただ今の日本の状態から申しまして、インフレは一応とまつたにいたしましても、なお今後経済復興に相当の努力をしなければならないし、また他面アメリカの援助を相当受けておるわが国といたしましては、十分ではございませんが、とにかくこれだけの租税の軽減ができたということは、非常に喜ばしいことと考えておるのであります。第二次世界大戰後各国ともかなり租税を減らすべく努力いたしておりまするが、わが国のように大幅の減税をした国はほかにはないのであります。日本に援助をしておりますところのアメリカにおきましても、一九五〇年から一九五一年にかけては五十一億ドルの赤字があり、これを何とか増税でまかなうか、あるいは対外援助を切り詰めるかという苦悶を重ねておるのであります。私はお話の通りに十分ではないけれども、これだけの減税ができたということは、非常に喜ばしいことと考えておるのであります。しかしまだこれだけでは十分とは言えませんので、財政の規模を縮小し、昭和二十六年度におきましては、また相当の減税をやつて行きたいという考えのもとに、いろいろな施策を講じておるのであります。私の最も重大な問題として考えておるのは、今後の減税にあるということをはつきり申し上げてさしつかえないと思います。
○川島委員 私はこの機会に一般公務員中、国鉄従業員の賃金問題について、政府に緊急的なお尋ねを申し上げたいと思います。去る二十五日政府に対する国鉄の労働組合の賃金、及び年末の賞與の問題をめぐつての紛争事件に対して、地方裁判所におきましては、労働組合の主張が正しいものである、政府の見解は正しくないとの意味の判決をされたことは御承知の通りであります。ことにその判決の結論といたしましては、国鉄は予算上支出可能とみずから認めた十八億七百四十三万七千円から、すでに支拂済みの十五億五百万円を差引いた三億二百四十三万七千円の配分方法について、組合と協議決定の上即時支拂え、さらに残余の二十六億九千二百五十六万三千円については、予算上資金上可能となることを條件として右のように配分して支拂うべき義務を負う、こういう裁定が行われたのであります。この裁定について政府が従来国会において声明され、言明された見解とははなはだしい相違を来しておるということは明らかな事実でありますが、これに対して最も直接的に予算上関係の担任者であるいわゆる大臣の見解をも端的にお尋ねしておきたいと思うのであります。
○池田国務大臣 地方裁判所の判決につきまては、われわれは同意できません。従いまして適当の訴訟上の措置をとる考えでおります。
○川島委員 由来言うまでもなく、公共企業体の労働組合員に対しましては罷業権を一切禁止しております。その罷業権の禁止のかわりとして、正当な機関による紛争の処理の道を講じてあることはこれまた言うまでもなく、しかもマッカーサー元帥の当時における書簡によつても明らかなるところであります。しかも労働組合がこの問題について裁判所に提訴し、しかも裁判所は何物にもかかわらざる嚴正な立場についてこの判決を下されておる。しかも私どもが重大に考えますのは、政府が先般支拂いましたものの中に、国鉄自身においてはこれだけの予算の内部的のやりくりによつて支拂いが可能であると表明し、しかも政府が、ことに大蔵大臣がそれを予算上、資金上の問題に籍口いたしまして、それをしも削減をして支拂つたという事柄でありまして、裁判所はこの事実を一つの憲法違反でもあろうとさえ極言をいたしておるのでありますが、この事柄について直接の担当者である大蔵大臣の、もつと具体的な率直な考え方を聞かしてほしいと思います。
○池田国務大臣 この問題はさきの国会でも論議されたのでありまして、論議は十分盡されておると考えております。結論を申しますと、地方裁判所がいかなる判決をいたしましようとも、私はあの判決には不同意でございます。まだ裁判が確定いたしておりません。確定してから後の議論にしていただきたいと思います。
○川島委員 もし大蔵大臣においてこの裁定に不服だといたしますと、今後いかなる措置に出る方針でありますか。
○池田国務大臣 控訴する考えでおるのであります。
○川島委員 それはいつやる御方針ですか。
○池田国務大臣 内閣で決定いたしまして、適当な時期にいたします。
○川島委員 その政府の見解によつてこの裁定に不服で控訴いたしますが、その控訴には必ず勝つという確信がおありですか。
○池田国務大臣 私は勝つという確信を持つております。
○川島委員 この控訴をした場合に、裁判所の最後の決定で、政府がもし第一審通りの方法によつて裁定を下されるというようなことがあつたとするならば、そのときは政府はどういう態度をとる考えでありますか。
○池田国務大臣 その問題にはお答えする自由を持つておりません。
○島村委員 幸い大臣がおいでですから、簡単に一言御所見を伺つておきたいと存じます。 ただいまの金融梗塞とかあるいは滯納者の続出というようなことにつきましては、私どもは深く憂慮いたしておる点でありますが、結局の問題がただいまの滯納者の大体を想像いたしましても、惡質の者はきわめて少いであろうと存じます。要するに金融がもう少し円滑に行くのおれば、どしどし働いてどしどし納めようという方が多いと断言できると思うのであります。しかるにただいまの状況を拝見いたしておりますと、なるほど徴税の面におきましては大蔵大臣がしばしば言明されたこと、または国税庁に対する指令をされたというようなことを新聞紙上その他でよく伺つておりますので、私どもはそれに対しては一点の疑念も持つておりません。国民全体もなるほど親心をもつて徴税に当つてくれていることは、はつきり認識しておられると思います。しかしながら先ほど申しましたように、結局の問題は金詰まりが打開できるか、あるいは金融がもう少し円滑に行くのでであれば、どしどし税金を納めたいというような気持であります以上、私どもの立場といたしましてはなおさらのこと、何らかもう一段金融の面にお力を注いでいただけるかというような点について、大臣の御所見を承つておきたいと存じます。
○池田国務大臣 金詰まりの問題は、昨年の夏ごろ以来大きい問題で、われわれもできるだけ金融の緩和をいたすべく努力いたしておるのでありますが、何分にも今までのずつとやつて来たインフレを急速にとめますために、一時的には相当金詰まりの問題は覚悟しなければならぬのであります。すなわち過去十数年来事業家は物をつくればもうかるし、物を買い込めばもうかる。こういうことにならされて来ておつたのであります。何でもかんでも仕事をふやせばもうかる時代であつたのでありますが、こういうインフレの状態をとめるということになりますと、そこに一時的の金詰まりの現象が起ることは当然なことであるのであります。ただその金詰まりによつて日本の経済界が根底からこわれる。こういうことがあつたならば、これは角をためて牛を殺すのそしりを免れませんので、そういうことがあつてはならない。しかしとにかく片方でインフレをとめながら、なお片方では事業活動を続けて行くのには、ある程度の金融ということはもちろん考えなくてはなりませんので、昨年の八月以来いろいろな手を打つて来たのであります。最も困つておられる方は中小企業の方でありますのでいろいろな手を打ち、また今後も打たんといたしておるのであります。何と申しましても金がないというのではなく、金をうまく使つて行く制度が完備していない、こういうことにあると思うのであります。従いまして勧銀あるいは興業銀行、農林中金、商工中金等を使いまして金融債を発行せしめ、これによりまして主として長期資金を調達する準備をいたしておるのであります。これも本国会で御承認を得まして、四月ごろからスタートするのでありますが、それまでに非常な金詰まりが起つてはいけないという考えのもとに、私は最近ある種の措置を講じたいと考えております。昨年の暮れからとりました策といたしましては、年末に預金部資金を百億円も出しましたし、また先般公団関係の滯貨あるいは未收入金の処理につきまして、預金部の金を百五十億円使うことにいたしております。また復興金融金庫で余裕金が八十億円ばかりありますので、このうち五十億円は短期の資金とし、また三十億円は来年の四月までの長期の資金として繰出しております。また見返りから月一億円という制度を開始し、この一億円も要求があればもつと増額して行くというような措置もとつておるのであります。今後とる方針としましては、最近金融債発行までの経過的の措置として、ある程度の金融措置をとりますと同時に、政府の持つております余裕金を活用して行きたいという考えで、手続を進めておる次第であります。片一方徴税が問題になりますので、徴税につきましても今の金融情勢を見はからつて徴税の円滑を期するように、国税庁方面には指示いたしておるのであります。ただ非常に問題になつておりますところの中小工業、ことに全体から申しますと申告納税でございますが、御承知の予算では勤労所得に対する税は千二百九十億円、それから中小企業を中心とし、農業者も加えてでございますが、申告納税は千七百億円、こうなつております。勤労者の納められます税は、今年度においてもう千億円を越えておる。しかし事業者、農業者、商業、工業あるいは自由職業の方々の納められた税金は、まだ七百四十億円程度にしかなつておりません。これは申告納税の当然の結果とは言いながらも私は勤労者の税金と勤労者以外の農業、商工業あるいは自由職業の税金との徴收が、商工業者、農業者の分が非常に少いというのはどこかに原因があると考えておるのであります。従来勤労所得と事業所得の差というものは、事業所得の方がうんとたくさん入るのが普通なんであります。しかしここに一、二年の状態から申しますと、少くとも昨年の状態から申しますとそれが逆になつております。これはどこに何があるのか、一方では苛斂誅求、税務署が非常にひどいことをやるように言われておりますが、私は納税者の方にもある程度の責任があるのではないかということを考えまして、徴税の適正、完璧を期するために極力実額調査をやつて、むりな税金をとらぬと同時に、とり足らぬことのないように指導はいたしております。ただいかにもこの一、三月の金詰まりの状況を見まして、公売をするようなことはしばらく待つた方が、金融情勢からしていいのではないかという考えで、公売処分はしばらく見合せるようにというふうな指導はいたしておりますが、金の方にも気をつけますし、また徴税の方にも十分妥当な方法を講じて行きますれば、この一、三月の乗切りは大して心配はいらぬと考えております。
○島村委員 ただいまの御説明で大体了承はしたのでありますが、せつかく政府が預金部資金までを放出して預け入れて、そうしてそれらの難関にある者を救おうという御意思も、どうやら金融機関の公共性の再認識と申しますか、それを要するような状況を呈したのではないかと思うのであります。どうぞこういう点につきましては、大蔵省からもう一層十分に再認識するような御努力をいただきたいと存じます。 それともう一つは、これは中小企業ばかりではございません。不動産金融の面につきましては、先般来十分な御努力をいただいておりますことはよく承知しております。しかしあれができるかできないかによつて、日本の産業に及ぼす影響が非常に大きいということは、だれしも考えることであろうと思います。なお一段の御努力をこの点にお注ぎ願いますようこの際お願い申し上げまして、私の質問を打切ります。
○小山委員 ただいまの島村さんの御意見も、この間の新聞発表に関連してのことであろうと思いますので、それに関連してちよつと御質問申し上げるのであります。最近自然増收が非常に多いというふうなことを、新聞でちよくちよく見るのでありますが、そういう事実がございますか。
○池田国務大臣 私も先般新聞で、所得税の自然増收が非常に多いということが新聞に載つたのを見たのでありますが、私の見るところでは自然増收は所得税においてはございません。うつかりすると自然減收ではないかと思います。ただいま自然増收の見込み得られる税種は、法人税と酒税でございます。そうして所得税におきましては、源泉徴収の勤労所得税につきましては、自然増收がある程度出ましようが、それ以上に申告納税におきまして自然減收が出るのではないか、こういう心配をいたしておるのであります。国税局並びに税務署からの報告によりますと、申告納税においてかなりの自然減收が出る、こういうような報告が来ております。しかしこれは前の報告でございますから、正確を期するわけには行きません。法人税あるいは酒税におきましては、自然増收がある程度出るかもわかりませんが、税全体といたしましては、新聞に載つておるようなことはないと思います。ことに所得税におきまして自然増收が出るということはほとんどないのではないか。もし出るとすれば、法人税と酒税でございます。
○小山委員 法人税及び酒税の自然増收、それから申告税の減税を差引いた場合に、予算よりも相当な増收になるのではないかというようなことが新聞に載つておるのでありますが、それに関連して、その増收分を物品税の免税点引上げに向けたらどうかという考え方が一部にあるようでありますが、この自然増收が差引きましてそれほどの額に上る見込みであるかどうか。もしあつた場合に、それを物品税の免税点引上げに使おうというお考えがあるかどうか伺つておきたいと思います。
○池田国務大臣 私はそういう考えは全然持つておりません。また実際面においてできないことでございます。なぜあんなことが出たか疑わしいのでありますが、自然増收が出ますのは、計算ができるのは五月の末か六月でございます。そういたしまして、もしそこに自然増收がたとえば百億なら百億あつた場合におきまして、この百億の半分の五十億は、国債償還に充てるべしということが財政法できまつておるのです。そうして残りの五十億は、一般財源に充ててもいいということになつておるのであります。しかしその勝負が出るのは七月、八月でありますから、今出そうだからといつて物品税の免税点引上げということを考えることは私はどうかと思うので、実はふしぎに思つておるわけでございます。自然増收に関しては、昨年度すなわち二十三年度におきましては、三百億近くの租税の自然増收が出ましたが、本年度は補正予算をいたしまして、出そうなところは一応組んでおります。また自然減收の出そうなところは、千九百億円の予算を千七百億円にこの前の国会で減らしております。私は千七百億円に減らしても、まだ自然減收が出るのではないかと思います。もしそういうようなものがあつたならば、法人税、酒税、ことに法人税の調査を急ぎまして、減收を埋めようということにいたしております。出るか出ないかわかりません。また出ることがわかつても、それは時期的に遅いのであります。もし物品税に充てるとかいうようなことにもなつたならば、これは臨時国会を八、九月ごろに開くよりほかには手はないのであります。しからば自然増收が出た場合にどれを減税するかという問題になりますと、私は物品税よりも所得税を先に減ずべきだと考えております。
○小山委員 次にちよつとお伺いしておきたいと思いますのは、この一—三月に中小企業の危機とよく言われておりますのは、これはもつぱら金融面から来る危機であろうと思うのであります。それがそういうふうに言われますのは相当この期間に徴税が固まつて来る、つまり政府による民間資金の引上げが、この期間に固まつて来るということであるのでありますが、この引上げ超過というとおかしいが、税金がこの一—三月の間に千五、六百億見当民間より引上げられる。その場合の還元の方法でありますが、どういう方法で還元して行くのか。来年度になりますれば預金部による債券の引上げとか、いろいろ民間に返つて来る方法が講ぜられる予定になつてありますが、中間的つなぎに、先ほど島村さんのお話では十分聞き得られなかつたのでありますけれども、具体的に吸い上げた金をどういうルートヘもとして行くか、それがはたしてもどる見込みがあるかどうか、これをもう少しつつ込んだところをお伺いしておきたいと思います。
○池田国務大臣 一—三月の危機ということを言う方がおられるのでありますが、その根拠はやはり昨年よりも非常に今年の税の引上げが多いということが第一点と、それから昨年の一—三月はまだインフレの余波があつた、今度はディス・インフレの状況だから下地がかわいている、こういうようなところから来ると思うのであります。初めの一—三月の徴税は昨年の徴税額と大体同じでございます。予算が非常にふえておりますけれども、徴税額はもう今年度は十二月までに相当の成績をあげておりましたので、一—三月の徴税額は昨年と大体同じであるのであります。片方では去年はインフレである。ことしはそうひどいあれではない。金融的措置を講じて行けば十分支障の起らないようなことができると考えております。 しからばどんな金融的措置をとるかというお話でありますが、先ほどお話申し上げましたようなことはすでに新聞にも載つておりますが、今後の問題といたしまして預金部の金とか、あるいは日銀からできるだけ急速に出そう、こう考えておるのであります。御承知の通りに今の島村さんからのお話がありましたが、銀行の方には金が全然ないということはございません。日銀の貸出しもできるだけ申し出れば出すようにいたしておるのであります。そうすると銀行が金があつて出さないのは公共性を欠いているのじやないか、こういう議論になるのでありますが、銀行といたしましても先の目途のつかない欠損の起きるようなところには金は貸さない。これは預金者のことを考えなければならない。そこで私は中小企業、大企業に対しましても資金を借り入れようとすれば、一定の計画のもとに銀行が貸し得るような企業の合理化態勢を整えなければならない。もし金を貸しても政府があと保証してめんどうを見てやるということならば銀行も貸しましようが、今金融が困つておるということは、おおむね金の需要者の面に非常に惡いところが多いのではないかと思うのであります。御承知の通り金融の問題になりまするが、一月の中ごろから二月の初めにかけましては、東京の市場だけでも七、八十億のコールがある。銀行に金がないわけでない。しつかりしました会社は幾らでも金が借りられる。借りられないのは非常に経営不如意のもの、ただインフレ時代の考え方で仕事をふやせばもうかるという安易な考え方で要求されておるもの、こういうところに金詰まりがあると思うのであります。しかし銀行の方面におきましても、少し出し澁るというきらいがなきにしもあらずであります。われわれといたしましてはできるだけの金の不足がないように預金部の金を使うとともに、同時に金融界におきましても日本経済再建の中途でありますから、少し大胆に金を出したらいいじやないかということを勧奨している。また企業家におきましても、できるだけ見通しのつくような計画を立てて金を借りに行つてもらいたい、こう考えておるのであります。最近通産省並びに各府県で、中小企業の長期資金の調査をいたしました。大体七十億円を予定いたしておりまするが、うち四十億円は少くとも早急に必要なものだというリストをこしらえております。私はそのリストによりましてできるだけ早い機会に、通産省で調べたようなこれはもう確実性のあるものだから、こういうものに銀行から金を貸し出すように督励をいたしたいと考えておる次第でございます。
○小山委員 ただいま中小企業の話になつたのでありますが、金融機関の感じますところの安全度というものは、つまり大銀行が考えている安全感と地方銀行が考える安全感、あるいは無盡会社が考える安全感というものはおのずから違うのです。大銀行はとうていこんな企業には金は貸せないと思つておりましても、地方銀行でよく事業なり、その人物を見ているところでは金を貸してくれる。また地方銀行はとうていこんなところに貸せるものかと思つても、無盡会社のように始終毎日毎日見ているところでは、なお安全感があるのであります。つまり同じ企業でも金融機関によつて安全感の度合いが、相当違う。そういう点で、ひとつ大臣としては中小企業のことをお考えになるときには、中小企業に最も接触している部面に、預金部資金を流すということをお考え願いたいのであります。たとえば中小企業の金融というときに、大銀行に預金部の金を預けましても、中小企業には行かないのであります。また非常に小さな規模の企業の場合には、地方銀行に預けてもこれは行かない。そういうふうなことでありますから、どういう方面にどの程度の金をまわしてやろうかというときには、無盡会社なら無盡会社にどのくらい出そうか。地方銀行なら地方銀行にどのくらい出そうか。大銀行の場合は、中小企業の場合にはほとんど私は必要じやないのじやないかと思つておりますが、そのことについての大臣の御感想を、一ぺんこの機会に伺つておきたいと思います。
○池田国務大臣 お話の通りでございまして、そういう気持で実は昨年末の百億円もやつたのでありまするが、やはり大銀行へ預金部の資金を流した場合と、無盡会社へ流した場合の、時間的と申しまするか、いろいろな点がよほど違うのであります。しかして当初は百億円のうち、無盡並びに信用組合の方には六、七億を流しておきましたが、どうも無盡や信用組合の方に流した方が効果的でありますので、銀行の分を引上げまして、五、六日前も八億五千万円ばかり無盡、信用組合に流したのであります。お話のような実情がありますので、とにかく中小企業金融という場合におきましては、無盡、信用組合、あるいは商工組合、それから地方、それから余つた金を大銀行、こういうふうなやり方が効果的であると私も考えておる次第であります。従つてそういう方針で今後も行きたいと思つております。
○川島委員 先ほど私急いでおりましたので、大臣に重大なことをお尋ねするのをそらしておつた。先般お尋ねいたしました国鉄の裁定の問題でありますが、大臣は大分上訴をして確信のあるようなことを明確に言われたのです。そこで重ねてお尋ねしておきたいのですが、政府のこの問題に対する先般の処置はきわめて適法である、誤りなきものであるとの確信に立つておるのだと思いますが、しからばその適正であり適法であるということの根拠をこの機会に明確にして、われわれに聞かせてほしいということと、もう一つは、この問題が最後の結審においてなおかつ政府の見解と違つた裁定をされた場合には、政府はいかなる処置をとり、いかなる責任をとるという形になるものか、その二つの事柄について重ねてお尋ねしておきたい。
○池田国務大臣 重ねてお答えいたしますが、私は公共企業体労働関係法第十六條一項の規定によりまして、政府を拘束するものでないという考え方を持つておるのであります。 第二の控訴した場合に、その結果が地方裁判所と同じようなものになつたらどうするか、これは先ほど申し上げましたように、今答える問題ではないと思つております。
○川島委員 きわめて重大なことで、今答えるべき問題ではないと言われればそれまででありますけれども、しかしこの問題は、国鉄の労働組合従業員五十万にとつても重大であるが、政府自体並びに国会が最近とつて参りました決定の上についても非常に重大性があり、あわせてまた政府にとつてもきわめて重要な問題である。この重大な問題が今や具体的に当面して来ている。そういう場合に、政府の確信の通りに行つた場合と行かざる場合とについての二つの考え方を、あらかじめ前提として考慮を拂つておくことの方が、政府として当然の事柄ではないかと私は考えるので、重ねてお尋ねをいたしておるのであります。そういう場合を仮定しての政府の態度は、やはり研究し考えておくべきが至当ではないかと私は思うので尋ねておるのですが、その点はお答えができないのですか。
○池田国務大臣 政府としてはいろいろの場合を考えますが、考えておることをここで言うときではない、こう言うのであります。
○宮腰委員 大臣も参議院の方においでになるので、時間がなさそうでありますので、三点ばかり伺いたい。この前大臣にちよつとお目にかかりまして、青色申告のことをお話したのでありますが、一月一月から青色申告が実施になりまして、その後の成績は二月一日ごろまでの集計によると、個人が十六万二千六百九十六、総数の約二・四%、法人は全国で十二万三千五百で四四・一%、法人の方は成績は非常にいいが個人の方は非常に惡い、こういうことになりまして、一度大臣にお目にかかつた節に、末端の税務署の徴税係に聞いてみますと、ああいうような制度では非常に困るということを言われているので、これを延期するか、あるいはまた簡易な表をつくらして納めさせるかという問題がある。事実において年に十万か十二、三万納める方が経理事務所で経理をしなければならないほど煩雑であるということになれば、結局その面で経費がとられて実際は納税することができなくなつてしまう、こういうような心配も起きて来るので、何とかこれを延期するか、あるいは簡易な手続をしてもう少し一般に知らしめた後に実施したら、非常に効果があるのじやないか、こういう心配をするのですが、その点をひとつ大臣から……
○池田国務大臣 一月末までにどういう数字が出ておるか私は存じませんが、思うにやはりこういう制度の変革の場合は法人の方が非常に敏感でありますので、法人の数字がそういうように全体の法人数から考えまして、相当部分が出ておると思うのであります。個人の方の分は一月赤ではなかなか出て参りますまい。これは多分五月ごろまで延期しておると開いておりますので、個人の分も出て来ると思うのであります。こうして帳面をつけたりいろいろな人を雇つたりなんかすると、かえつて経費の方がかかるこういお話はごもつともな点でありまして、具体的に今後どういうふうにこれを処置しようかということにつきましては、政府委員から答弁いたさせます。
○宮腰委員 ばらばらの質問ですが、あと三点だけ伺います。ごく最近ある政党方面の方々が、事業協同組合をつくると税金が安くなる、こういうことで益んに結束をはかつておるようですが、もしそうだとすれば——昨年度あたりの納税の状態から考えて、これより軽減されるのだという宣伝のもとに、盛んに事業協同組合をつくるような勧誘をしておるようですが、私らの常識から考えると、どうもそういうことが納得が行かない点が非常にあるので、これがもし勤労所得、源泉徴收だけ納めれば済むのだということであつた場合は、非常に問題が起るような気がするのですが、事業においてそういう源泉徴收だけで済むものであるかどうか、これを伺いたい。
○池田国務大臣 事業協同組合におきましては、従来は一般の法人に対しますより税率が安かつたのでありますが、今後は人と同じような三五%になるのでありまして、特別に軽減するようなことはございません。ただ事業者が集まりまして事業協同組合をつくれば、それは事業協同組合の所得になりましてこれに課税になる。そしてそれに参加した人が個人として俸給をもらえば、源泉課税だけであるのでありますが、もし事業協同組合がその利益を分配するということになりますと、また勤労所得以外に課税になるようになりますから、一がいに軽くなるとか重くなるということはなかなか言えぬと思うのであります。やはり事業の状況によりまして差異が出て来ると考えております。
○宮腰委員 それから去る一月、東北六県の参衆両院の議員が集まりまして、東北の單作地帶の減税問題について協議されまして、民自党では塚田さんが大体説明をしてくれまして納得もしたようですが、この東北の單作地帶に対して、特別な税の対策を政府はお持ちでしようか。その点をひとつ……
○池田国務大臣 従来から問題になつたと思うのでありますが、ただいまのところ單作地帶におきまして、税法上特に控除とかあるいは税率なんかで特別の措置をすることは考えておりません。ただ單作地帶の状況によりまして、所得の計算は実情に沿うようにやつておると思いますし、またやるべき問題だと考えております。
○宮腰委員 それから税の徴收問題でございますが、昨年度取引高税それから織物消費税、物品税の一部廃止、減税等をなしまして、国民の負担は非常に軽くなつたような気がするのでありますが、しかしそういうような事実があるにかかわらず、この所得税徴收については、あるいは水増しを行われる心配が非常にあるのではないか、こういうことで一般国民もその点を非常に心配しておるのでありますが、ごく最近の例を見ますと、仮更正決定をする。これに対して異議の申出をしておる人が相当あるのでありますが、この仮更正決定に対し異議の申出を裁決をしないで、ただちに確定申告のあつた後にこれに対する意思表示をするのだ、こういうことを言われまして、徴收の係の方からは、もう時日が来たのだから納めなければ競売するのだという通告を再三受取つておる。そういう関係で競売されれば体面上も困るからと言つて、むりな税を納めている人が大分あるようであります。この点についてどうして仮更正決定に対して意思表示をしないで、確定申告に対してそういう意思表示をするのだということをやつておるか。その間に徴收の方ではどんどん徴收令書を発行いたしまして、督促をやつておるようですが、こういう点にも一般国民が不満の意を持つておる方も多いようですが、その点についてお伺いをしたいと思います。
○高橋(衞)政府委員 今年度におきましては、審査の請求の処理を非常に急ぐといたしまして、実は例年、年度末におきましては直税課関係のものもほとんど全部徴收関係に応援をして、税の早期納入についてのお願いをして参つておるのでありますが、本年度はそういうふうなこともとりやめまして、直税の人間はできるだけ審査面の協力をいたすように指示をいたしております。昨年よりはある程度早く処理ができるのではないかと思います。ただ御承知のように審査の件数が非常に厖大にわたつておりますので、早急にすべてが解決できるということはなかなか困難な実情にありますので、この点御了承をお願いしたいと思います。
○宮腰委員 ごく最近の問題ですが、昨年度の中ごろから大企業に対する徴税関係が非常にきびしくなつたようであります。もちろん脱税しておる者に対しては徹底的に究明する必要があると思うのですが、これによつて法人関係の自然増收が相当あつたろうと思うのであります。私が考えるに、なるほど産業関係から考えまして、過去のインフレ時代においては百パーセント利益をあげても、名目上の利益であつて実質上の利益ではない。そういう意味合いから何パーセントかは留保しておくというような、経理のやり方をやつておるところも相当あるのですが、ごく最近大会社が片つぱしからやられるので、大分心配されまして、経団連のある役員の方からああいうことをやられたのでは事業がみなつぶれてしまう。そうして納税に関する金融の問題にしても、これはほとんど赤字金融ですから銀行の方でもなかなか貸してくれない。従つて倒産のおそれがあるということも非常に心配されております。また追徴税、加算税というのは一つの制裁ですが、査察部に行つても罰金で相当額とられるので、この制裁が二重になつているような気がするのですが、政府ではこういう点をお考えになる意思があるかどうか。
○池田国務大臣 制裁が二重になつておるとも考えておりません。また査察部等で行いました場合に、相当の税額並びに追徴税、加算税があることも聞いておるのでありますが、税務の執行といたしましては、その会社をつぶしたりなどすることはよくないことでございまして、実情に沿つたような措置をとつております。私は査察部で調査いたしましたあとの状況を見まして、ごくまれな例はございますが、査察部でやつたためにその企業がつぶれて行つたとか何とかいうようなことは、ほとんど聞いていないのであります。十億円程度とりました会社におきましても、なお悠々としてやつておるのでございますし、その他の会社につきましても、おおむね事業が成り立つて行かぬというふうなひどいことはいたしていないと思います。しかし追徴税、加算税につきまして、今までのやり方は少しきつかつたというきらいもありますので、今回の税制改正で直すことにいたしております。また問題は償却の問題が多かつたのでありますが、資産再評価をやつて行く場合には、今までのようなことはないと考えておる次第であります。
○宮腰委員 それから証券差益税の問題ですが、この問題について私らも証券民主化議員連盟のことで、証券業者にときどき接触するのでありますが、今回移転税を廃止するということでございますが、実際証券の差益というものを取立てていないような事実があるようであります。ごく最近日本橋の税務署方面の方々に伺つてみるのでありますが、白紙委任状で証券を売買する、そうして最後の名義変更された方々のその中間に、何人かの人が実際は名義変更でもうかつている。徴税令書を出してもその人の住所が不明である。最後の名義変更をした人は、大体損をして名義変更をした人が多いようですが、この白紙委任状で売買された中間の人々が、何か他人名義で偽名が取引をやつておるようですが、これに対して税を徴收する方法がないものかどうか。大臣は今後この証券対策について何かお考えがあると思いますが、この点をちよつとお伺いしておきます。
○池田国務大臣 株式の売買差益に対しての課税は、税務行政で最も困難な点であるのであります。従いまして今後におきましては名義書きかえをある程度強制いたしまして、そうして差益税の課税の充実を期したいと思つておりますが、何分にも今の証券市場の状態から申しますと、売買があつた都度名義書きかえということも非常に困難な、ほとんど不可能の状態でありますので、私といたしましては、株式の売買所得に対しましては、原則として申告によつてやる。そうしてまた株券の発行その他が十分に行われまして、名義書きかえ機関も整備せられたときにおいて、株式売買差益の課税の充実を期したい。現状においてはなかなか困難な状態にありますので、徐々に改めて行かなければならぬと考えております。
○竹村委員 一点だけお聞きしたいのですが、二十四年度の徴税にあたりまして、大臣は政治的に徴税法を考えなければならぬということを、各税務署や何かに言われたことがあるか、これをひとつ承つておきたい。
○池田国務大臣 御質問の点がわかりませんが、租税の徴收につきましては、民間の経済事情その他を考えて、税法の適当なる運用をはからなければならぬということに、国税庁長官並びに国税局長には言つております。
○竹村委員 たとえば大体更正決定に対して審査請求をした場合、その審査請求に行つた人に対しての政党的な所属、たとえば民自とか民主とか、あるいは社会とか国協とか、あるいは共産党、こういうふうにその審査請求をした人にそういうことを調査して、審査請求書に書き入れよというようなことを御指示になつたことはないとは思いますが、いかがですか。
○池田国務大臣 常識でもわかることでございますが、私が民自党の党員であるからといつて、そんなことを言うべき筋合いのものではありません。またそんなばかなことを聞く国税長官や税務局長もないと思います。
○竹村委員 それではそういうことを事実やつておる税務署があるとすれば、それに対してどういうふうに処置されますか。
○池田国務大臣 そんなことをやつている人はないと確信しております。
○竹村委員 それが現にあつたらどうされますか。
○池田国務大臣 そんな問題はお答えする問題ではございません。
○竹村委員 事実あるのですが、そういうことをやることは大臣も間違いだと思つておられるのだから、それにそういうことをやる税務署の署員あるいは税務署長があるとするならば、それに対してどうされるかということを聞いておる。
○池田国務大臣 そういうようなことがあつたとすれば、あつた事実を見て判断いたします。
○竹村委員 その問題は事実あるのですが…… もう一つ聞いておきたいことは、先ほど川島氏の国鉄裁定の問題について上告する、こういうふうにおつしやつたのですが、そのあとに残つておる專売裁定の問題で、あるいは政府の方で負けるということを予想されると思うのですが、大体專売裁定の方はあの仲裁案をお聞きになつて、すぐそのまま政府の方で承認するという考えはないでしようか。
○池田国務大臣 考えは持つておりません。
○河田委員 最近の新聞でもしばしば税務署の更正決定が非常に多額なべらぼうな課税が行われておる。そのために自殺したものが多々あるのであります。従来こういう問題が新聞に始終報ぜられておるのでありますが、こういうことに対して国税当局あるいは大蔵所管の最大の責任者としての大蔵大臣は、どういう処置をとつておられるが。特に税務官吏の行き過ぎた更正決定がなされて、そのために自殺したような場合に対して、これらに対する何らかの慰藉的な方法をおとりになつておるかどうか。またそれをとつておられないとすれば今後とられる意思があるかどうか。この点をお聞きしたい。
○池田国務大臣 むりな税金が行つた場合におきましては、これに対しまして法律上認められた制度があるのであります。その制度をふまずにもし自殺したという人があるならば、それはよほど考えなければならぬと思うのであります。新聞にちよいちよい出ておることも聞いておりまするが、これは税だけのためにどうこうという問題ではないと思います。しかし税だけの問題でなくとも、非常にそういう不安を国民の納税者に與えることについては、税務行政としてよほど愼まなければならぬことでありますので、私としては常にいわゆる苛斂誅求の声を聞かないように、適正な税務行政を施すべきだということを言つておるのであります。かりにまたそういう例があつたとしたならば、どういう措置をとるかという問題につきましては、それは国税長官をして、むりな課税をするようなものにつきまして適当な措置をとらせることは、今の場合でもほかの場合でも同じであるのであります。
○前尾委員長代理 午前中はこの程度にいたしまして、午後二時より再開いたします。 午後零時四十七分休憩 ————◇————— 午後二時三十二分開議
○前尾委員長代理 会議を開きます。 税法改正の諸案を議題といたしまして、午前に引続き質疑を続行いたします。三宅則義君。
○三宅(則)委員 小山君があと質問されますから二、三点だけ国税庁長官並びに主税局長にお伺いいたしたいと思います。私は昨日の日曜を利用いたしまして地方をまわりましたところ、いろいろな実情を聞いて参りましたから、この際一、二点だけ御答弁願いたいと思います。たくさんあるのでありまするが、多くの質問はあとに讓りますから、二、三点だけ、私はこういうことを考えておるのでありまして、一般的に通用できるものと考えまするから、主税局長と国税庁長官とがおそろいで相談の上で御答弁なさつてもけつこうです。 実際問題でありまするから事実を申し上げまするが、愛知県におきましてガス紡というものは、岡崎市が全国の半分以上を占めておる地方でありまして、ガラ紡の商品取引所を建設しろというところまで行つておるわけであります。これは御承知の通りくず繊維をつむいだものでありまするが、これに対しまして昭和二十四年九月以降はがた落ちに下つて参りまして、昭和二十五年に至りますると三分の一に低下いたしておるわけであります。それによりまして本大蔵委員会にも請願として出してあるわけでありますが、この適正課税につきましては昭和二十四年の九月現在でもつて、岡崎税務署が各業者に割当てておるのであります。その一例を申し上げますると、愛知県額田郡岩津町、常磐村龍新田の稲垣定七に対しましては、これは四台のガラ紡を持つておる。一台のガラ紡に対しましては大体三十万円見当が所得であるということを言われておるのでありまして、四台であると百二十万円であろうということになつておりますが、たまたま仮更正決定のときに百九十六万円と査定された。とんでもないことであるといつて、異議申請をいたしましたところが百六十六万円に下つた。これでも高いといつて申し込んで行つたらば、今度は百十五万円に下つた。バナナのたたき売りではないのでありまして、はなはだおかしなことでありますが、こういうようにむちやくちやとは申しませんが、若い官吏が無定見に決定いたしておるという事柄は、はなはだ行き過ぎであり、また実情を知らないものであるということを考えておるのであります。こういうようなことはわが愛知県ばかりではありません。全国に相当あるべきものと私は確信するものであります。こういうような若い官吏がえてかつてにある程度まで推定し、またしかられたりあるいは異議がありまするとだらだら下げる。これでもまだ高いというので、この人は自分の財産の家屋を売らなければならぬと言つておりました。これは少し行き過ぎだと思いますが、家屋を売るとか土地を売るとかいうものに対しましては、ある程度までこれを減免する方法があるかないかということが一つ。 第二点は、同じく愛知県額田郡常磐村龍新田稲垣定七に白紙が配付された。税務署へ出て来いという白紙であると思いまして——白紙であるから文句は書いてないが、税務署から来たというので飛んで行つてみたところが、はたしてその日には人がいなかつた。翌日行つてるみとそれは取引高税のことである。ところがそれに対して何かと申しますると、取引高税に対してお前のところは取引高税は少くなつておつたという意味合いで、これを調べることになつたのでありますが、何も書いてなかつた。こういうようなことで二へんも三べんも足を運んだ者があるのでありますが、私はこれまた税務官吏が不親切だということになると思います。こういうように国民に迷惑をかけた場合におきましては、私はある程度まで政府も弁償する方法をとつたらよろしかろうと思いますが、そういう構想がないか、まずこの二点をお伺いいたします。
○高橋(衞)政府委員 第一点の、四回にわたつて仮更正決定並びに更正決定の変更をいたしたというお話でありますが、実は今年度は昨年度よりも相当実額調査を徹底して参りましたので、そういうふうな事例が漸次少くなつておるかとは思いますが、何分にも税務官吏の素質並びに数等において及ばぬ点もありますので、そういうはなはだ遺憾な事例もあろうかと思うのでありまして、そういう点については今後極力教育もいたしますし訓練もして、修正して行くことにいたしたいと思います。多分漸次帳簿なりその他のものを拜見するに従つて、実際の所得に近いところの確実な調査ができて行つた結果といたしまして、何回も訂正をする結果になつたのではないかというふうに想像されます。いずれにいたしましてもそういう無定見なと申しますか、いかにもおもしろくないと考えられますので、こういう事実の絶無を期して行きたいと考えております。 なお第二点の問題につきましては、税法はどこまでも所得がどの程度あるかということによつて、税を課するか課さないかとしうことを決定するのであります。たとえば所得はあつたけれども、それを使い込んでしまつて、現在においては家屋を売るか、何か処分をするかしなければ税が收められないという結果になつたからといつて、その税を減免するという規定にはなつていないのであります。
○三宅(則)委員 私はもう一つ重大なことをお伺いしたいのであります。このガラ紡につきましては、先ほど申しました通り大分値が下つたことは事実であります。現在の商品の單価でありますが、仕入れ値段というものは相当高額でありましたが、年末になりまして三分の一に下つたという場合においては、ある程度まだたなおろし商品の原価と申しますか、たなおろし製品と申しますか、これにつきましては時価主義を適用さるべきが法人などに比べて適当だろうと思いますが、今日の税法ではさようになつていないかとも思います。その辺のところをひとつ温情ある国税庁長官の御答弁を承りたい。 もう一点お伺いいたしたいのでありますが、終戰以来すでに財産税を納めておるにもかかわらず、今度税金が参りまして——新たに買つた土地ではありません。新たに買つた家屋ではありませんのに、今度の税法があまりに苛酷にわたるという意味におきまして、終戰のとき、あるいは財産税を納めたときの財産の一部を売らなければならない、こういうようなものははなはだ同情に値すべきものであると思つております。もちろん終戰以来財産税を納めてから、特別に家屋を買つたとか土地を買つたというものは別でありますが、そうでなく、過去から持つておりました、増加しないところの財産、不動産を売らなければならないということは行き過ぎであるから、ある程度までこれは穏便にやるべきが至当であると私は思いますが、お答えを承りたいと思います。
○高橋(衞)政府委員 第一点の年末におけるところの手持商品の値下りによる損を見たらどうかという御意見でありますが、現在の所得税法におきましては、收入を得るに必要な経費と規定されておりまして、その商品が現実に売られた場合に、原価と実際の売価との差額は、もしもそれが値下りになつたときはそれだけ損失になるし、値上りになつたときはそれだけの利益になるのであります。現在の税法の建前といたしましては、法人の場合と異なりまして、個人の場合におきましてはそう解釈もされておるし、その以外に解釈の仕方がないと思います。
○三宅(則)委員 もう一点伺います。これは事実調べたならば当然わかるべきことでありますにかかわりませず、税務官吏がよく調べなかつたということによつて起つた問題であります。愛知県岡崎市明大治町の宮原という大工さん、これは半年以上病気になつて仕事をしていなかつた。たけのこ生活をしておつたにもかかわらず、平等に相当高額な税金がかかつて来た。こういうのであわを食つて税務署に飛んで行つてみた。ところがこれは調べてからというが一向に調べてくれない。病気をいたしておつたということについては、今度の改正税法においては一万円以上十万円未満のものは認めるということになつておりますが、旧法でもそういうような特殊な事情であつて、一本で働くべき人が病気で働けなかつたという場合には、多少穏便な取扱いをしたらいいかと思いまするが、現段階におきましてどういう処置をとつておられるのか承りたいと思います。
○高橋(衞)政府委員 ただいまのお質問にお答えする前に、先ほど取引高税に対して何度も呼び出したというお話がございましたが、これは遺憾なことであります。実はすでに昨年当初から税務所においでくださる場合におきましては、必ず日時を指定し、その時には必ずあるということにしようということを、やかましくさしずをしておいたのでありますが、白紙で通知を差上げるということ自体が非常に遺憾だと考えております。そういうことのないようにぜひやつて行きたいと思つております。 なおただいまの御質問でありますが、お話のような大工さんの場合におきましては、おそらくは一年中ほとんど仕事をなすつておられないというお話でありますから、その方法について控除すべきところの所得がないのではないかと考えますので、従つて控除の問題は起るまいかと思います。
○三宅(則)委員 收入を得なかつたという事実がありましたならば、ある程度まで減免せらるべきものだと私は解するのでありますが、旧法ではそういうことになつておりませんでしようか。これをひとつ承りたいと思うのであります。 また主税局長に承りたいのでありますが、穏健にして妥当なる税金をとりますには実情を把握することが必要である。ところが先ほどもお話しましたように、税務署の官吏というものは一割か一割五分しか調べておらないから、そういうような不都合な点がどうしても起つて来ると思います。もう少しく増員せられてもよろしいのでございますが、もつと国民大衆に利益を與えられるように、まんべんなくまわるという方法を講ずるわけには行きませんか。その点をお伺いいたしまして私は質問を打切ります。
○高橋(衞)政府委員 納税者の方々につきまして、実際の帳簿につきまして確実な收入、支出の調査をいたしますのは一割五分程度であると思いますが、その他の方につきましても、必ず個人について見てまわりまして、所得額たとえば売上高その他についても、いろいろ外形的な基準となるべきものは調査するという建前にいたしております。ただいまの具体的な例によりましては、おそらく十分に調査ができなかつたという結果に基くものだと考えておりまして、はなはだ遺憾に考える次第であります。
○前尾委員長代理 宮腰喜助君。
○宮腰委員 ただいま三宅委員より質問された問題に関連して三点ばかりお伺いいたします。法人税が昨年度の十一月ごろ大体二百二十七億自然増收されている、こういうことを言われるのですが、この問題につきまして、個人税が高いから法人税にすれば安いということで、法人組織にかえたものが非常にあるようです。そうして帳簿の不備なところもありましようが、法人にすれば帳簿を準備しなければならないということで、大体帳簿は正確にできております。ところがそういうものは過去の業態から考えて、当然それと同様な徴收をしなければならないという意味合いから、帳簿記載があつても、お前のところの帳簿記載は信用できぬということで、同営業の世間並の状態を考慮してきめている例がたくさんあります。この前からの長官の御意見によると、帳簿伝票ができておればそれでいいのだということを言われておりますが、実際は小さな十万、二十万あるいは三十万くらいの法人に対しては認定が非常に多いようであります。この点について、せつかく個人企業から法人に切りかえても、税の関係については大体かわつておらぬと言つて、非常にこぼしている方が多いようです。これと同時に、この十一月ごろあたりは二百二十七億の自然増收があるということを伺つておりますが、こういう状態がどうなつているかお聞きしたい。
○高橋(衞)政府委員 法人におきましては、個人の場合よりも確実な帳簿を備えておられる方が非常に多いのであります。しかしながら私どもの見るところによりますと、法人にありましてもやはり三割なりし四割程度は、今まではきわめて不完全な、ほんとうに税務計算の基礎となし得ないような方々があつたようでございます。もちろんわれわれといたしましては、今回青色申告の制度を創始します際でもありまするし、できるだけ正確な帳簿を備えて行くという習慣もつくつていただきまするし、また帳簿がないことによる紛争も避けて行きたいと考えますので、いやしくも正確な帳簿があれば、また信頼するに足る帳簿があれば、それに従つて行きたいと考えております。 なお第二点の御質問であります法人税の收入額は、二月の十日現在で四百八十八億円收入済みになつております。予算でありまする五百億六千万円に対して九七・五%に相なつております。
○宮腰委員 これは自然増收でなく、自然増徴ではないでしようか。こういうような自然増收がどうしてできるかということについてちよつと伺いたいのですが、私らの考えでは、どうもこういう点が疑問になると思うのです。これは黙つていても自然に入つて来たのだということをおつしやるようですが、やはり徴收手続をして、あるいは帳簿記載に正確に記載してあつたにかかわらずこれを否認しまして、これに基いて割当てるような税を課税したために、自然増收というものができて来たのではないかという疑問が持たれるのですが、その点を伺いたい。
○高橋(衞)政府委員 法人税におきましても、個人の所得税の場合におきましても、割当の観念は全然排除しておりますので、そういうことはなかろうかと思います。むしろ一昨年の中ごろから御承知の通り査察部を創設いたしまして、脱税者の摘発を相当やつて参つたのでありますが、その結果といたしまして、昨年の当初ごろから非常に申告の状況がよくなつて参つたのであります。過去の年度において、たとえば一千万円程度の税の申告をしておられた方が、修正申告においてその三倍、四倍という申告をなされ、納税をなさつた方が相当多数あるのでございます。それらの結果といたしまして、このように当初の予算よりは相当増額の收入が期待せられるようになつた次第であります。
○宮腰委員 飲食店の問題ですが、これは民自党の方々も御承知のことだろうと思います。議会にも再三陳情に来られております。飲食店の問題の中で、特に甘味喫茶協同組合の方々が各党の控室を尋ねて参つたので、その事情を伺つてみますと、ことしの仮更正決定は、昨年度の仮更正決定よりは大体三割ないし四割、五割くらいも多くなつて通告されておるそうです。御承知のように一般の料飲店と甘味喫茶協同組合の比例を見ますと、今まで料飲店が再開されないときは、大体そういうところに入る人でも甘味喫茶店を利用しておつたようです。ところが料飲店が再開されると同時に、たとえばコーヒー店で百円なり、百五十円なりを使うような方々は、あるいはそば屋ができたり、支那そば屋ができたり、あるいはビヤホールができたりというようなぐあいで、それに使うような方方は大体そういうビヤホールだとか、あるいはそば屋というような店に転向をしまして、一般の甘味喫茶協同組合あたりではまつたく成り立たないような状態であるのにかかわらず、今年度は昨年度の仮更正決定よりも大体三割、四割、5割くらいの増額で決定して来ているのですが、われわれの常識から考えても実際気の毒だと思うのです。というのは飲食税の状態を見ますと、甘味喫茶協同組合あたりに来るものは大体二割、料飲店に対しては五割です。これは料飲店が実際に負担するものであつて、客からとつている事実はないようです。売上げ金額の二割だとか、五割だとかいうような地方税をとつて、そのほかに昨年度の更正決定に対して少くとも三割なり四割、五割という増額を要求されて来るのであつたら、そういうような中小商業はほとんどつぶれてしまうのじやないか。こういうことで決議案をつくりまして、各党の控室をまわられて陳情せられたのですが、ほんとうに事情を聞いてみると、これも気の毒な気がする。こういうふうに売上げ金額の五割——二割を拂つたほかに所得税を取上げることになると、完全にこういうような中小商業はつぶれるのじやないかと思うのです。この甘味喫茶協同組合の店舗に対しては、今の二割を一割に下げることが必要じやないかと思うのです。また料飲店に対する飲食税のとり方も、地方税のことですが、まつたくめちやくちやなとり方で、実際の売上げの実收による妥協税を申しつけている。たとえば十万円あつたら五万円は税がかかるにかかわらず、あるいは正確に四万も五万もとられるかと思うと、また組合員の幹部の方々はこれよりずつと少い金額でやつておる。まつたく飲食税なんかはだらしがない税のように思うのです。こういう点について、政府は今後どういう考えをお持ちですか。そういう甘味喫茶店に対しては、特に所得税について考慮する必要があるのではないか。これを伺いたい。
○高橋(衞)政府委員 甘味喫茶につきまして二割、三割または五割昨年に対して増額になつておるというお話ですが、そういうふうな具体的な事例もあるいはあるかとも考えるのであります。またお話のようにいろいろな情勢からいたしまして、業態の惡くなつているものもあろうかと考えるのでありますが、私どもといたしましては、どこまでも昭和二十四年中におけるところの所得を把握いたしまして、それに対して課税した結果がそういうふうな結果を来しておるのでありまして、あるいは二十四年については相当自信をもつて調査しておるものと考えますので、二十三年の所得金額が少な過ぎたのではないかというふうな感じもするのでございます。またそれらの中には推定による分であつて、実情に合わないものが相当あるというような事実があれば、それは審査の請求なりその他のことなりによつて、今後修正して行くことにしたいと考えます。
○宮腰委員 長官のおつしやるように、そういう実情に沿はない点がたくさんあるようであります。これは一々名前を連ねて陳情書をもらつておりますが、それは後日提出したいと思うのであります。ぜひそういう点は十分御考慮願いたいと思います。さらにまたこれは第六回国会以来たびたび問題になつておりますが、非常に経験年齢の少い方やあるいは年の若い方々が多いために、税の法規に対する認識が非常に不十分であつて、また調査する能力が足りないという点も非常にあるので、どこへ行つてもめんどうくさいので、これで承知しないならかつてにおれの方できめるからと言つて、おどかして帰つて来る者が多いのです。これは徴税面を担当する方々の法律の知識なり、実情を知らな過ぎるということがようです。これに関しましては私も第多い六回国会以来たびたび長官にもお願いいたしまして、ぜひこの教育問題を徹底的に取上げていただいて、あるいは国税局の総務部あたりに教育官を置きまして、各税務署の官吏をその現場に出張して指導したり、あるいは教育したりするということが必要ではないかと思います。従つて現在税務署あたりで指導される方は、係長なり課長なりがやつておりますが、これでは実に迷惑だ。われわれはどうもそういうことをやつておつたのでは、仕事は何にもできないという不平を言つておられる方がありますが、ぜひこの問題は国税局に教育部なり教育課なりをつくりまして、国税局管内の税務署をまわりまして、御指導いただく教育官が必要ではないかと思いますが、その点についてひとつ……
○高橋(衞)政府委員 御指摘のように税務官吏の年齢が低いということ、並びに経験年数が少いということは、今日の税務行政を完全になし得ないところの最も大きな原因でありますので、私どもといたしましても教育には最大の努力を拂つておるのであります。今年度におきましても税務講習所を国税庁に設置いたしまして、その支所を各国税局ごとに設けております。教育官並びにそれに従事するところの税務講習所の職員も、現在のところ大体百五十名程配置しておりますが、二十五年度におきましては、さらに五十名程度の教育官その他の職員を講習所に増員いたしまして短期講習並びに長期講習についての施設を拡充して行く計画になつております。
○宮腰委員 これは行政上の問題ですが、どうも長官の御命令なり局長の命令が、税務署なり末端の課長、係長あたりに滲透しないで、局の方針なりあるいは庁の方針が末端に行届いていない点がずいぶんあると思います。この点についてもしも統制を破るというようなことがあつたら、局なり庁なりではどういう処置をとられましようか、それを伺いたい。
○高橋(衞)政府委員 国税庁なり国税局の方針を、すみやかに第一線に透徹させるという目的をもちまして、実は昨年の国税庁設置の当時、初めて長官直属の監督官を六十名配置いたしたのであります。その六十名の監督官が、常時通牒その他方針が末端に徹底しているかどうかということを監査しておりますので、漸次その効果が現われて来るもの、また最近においてそういうような点における改善が相当よくできて来たように、私どもは見ておるのでございます。もちろん中にはその方針にすみやかに追随し得ないものがあり得るかとも思うのでありますが、それらのものにつきましては、十分に具体的な措置を講じて行きたいと考えている次第でございます。
○宮腰委員 具体的な措置というと、やはり懲戒処分とかあるいは首にするとかいうことでしようか。
○高橋(衞)政府委員 その事柄の重要性に応じまして、あるいは訓戒を與えましたり、または戒告をしましたり、または重きものは整理をするということにいたしたいと思つております。
○宮腰委員 取引高税が廃止になつたのでありますが、まだごく最近においては盛んにこれについての追加的な徴收をしておるようですが、現在までの成績はどの程度納つておるのでしようか。ちよつとお伺いいたします。
○高橋(衞)政府委員 御承知の通り、今年の一月一日から取引高税は廃止になつたのでございますが、二月の十日現在におきまして、予算二百九十四億円に対して二百九十一億の收入済みであります。従つて九九・二%の実績と相なつております。
○宮腰委員 それではまたあとにします。
○川島委員 国税庁長官に緊急にちよつとお尋ねをいたしたいと思います。これは三宅さんのあとを追うわけではありませんが、神戸税務署に起つた問題であります。神戸の税務署で本年の所得決定にあたりまして、業者に突然はがきが来た。そのはがきの文面は、従来は団体交渉で所得を決定していたが、この方法では一部幹部にややもすれば利益になり、一般には不利益である。本年からは民主的にぜひとも納得の行くように、最後の所得決定をしたいから来いというわけで通知が行つたので、その通知を受けた大勢の連中が神戸税務署に出頭したわけであります。そうするとまずその連中を集めて、署長は松永という人だそうでありますが、この署長が開口一番、国民はしばしば終戰という言葉を使つておるが、ほんとうは敗戰と言うべきである。こうきめつけた。ぜいたくな生活をなすべきでなくて国民は今捕虜生活が適当なんだ。この際国民はまる裸となつて——店頭の商品がたくさんあるのは前署長の徴税がゆるやかであつたからだ。元町——これは神戸の銀座通りだそうですが、元町の商店街が戰、争後焼け野原であつたことを思えば、税金が高いの商売が苦しいのなど言えた義理ではない。納税は国民の義務であつて、徴兵の義務がなくなつた今日は、徴税令書は召集令状と同じだと思わなくてはならぬ。こういうふうな一一場の厳粛な訓戒を與えた。しかもそのあとで集めた連中に対しまして、若い署員が個別的に面会して、持参の帳簿を二、三ページめくりまして、これはでたらめだ。信用はできない。こちらにはすでに実地調査がしてある。従つてこつちの実地調査の結果の所得決定案がある。ここへお前たちは判を押せ。いやな者は帰つてよろしい。帰つてよろしいが、そのかわり徴税は五年間さかのぼつてとれるのだから、徹底的にお前たちを調べてやるという態度であつたそうです。こういうことがある。そこでしかも少し奇怪なことは、その署長の性格と称して伝えられるところによりますと、何か神戸の方では松永さんの行くところは草もはえないといううわさが立つておる。その署長は署員の中に週番を置いて、赤だすきをかけさせて、腕章を巻いて、用語は戰争中行われたような、たとえば署員を集めて戰闘配置につけ、突撃だ、次は出動だなどという戰争、闘争用語を用いる。しかも署員はこの署長の前では眞立不動の姿勢をとらなければごきげんが悪い。その上に女子職員が大分おるらしいですが、町を歩くにも役所の中を歩くにも胸を張つて歩いてはいかぬ。女はうつむいて歩くのが日本婦道だというようなことで教育をしている。この事柄は神戸の地方の人たちが本日やつて参りましてのお話でありますので、おそらくある程度信用ができるのではないかと思うのですが、こういう事柄をもつて対処して行く税務署並びに署長の態度は、はたして今の時局下における税務署長としての態度であるかどうか。あるいはまた先頭に私が申しました、決定にあたつて自分たちがかつてに一方的につくつた所得決定案に対して判を押せ、いやな者は帰れ、そのかわり帰つた者は、徴税は五箇年さかのぼつてとれるのだから、徹底的にお前たちは調べるというような、国民にとつては威嚇的な言葉をもつて署長が納税者に対処するという事柄は、かりそめにも民主的な今日における官吏としての国民に対する態度ではないと私は思うのでありますが、こういう事柄について長官はどういう御見解を持たれるか。事柄がなかなか重大なようでございますので、一応お尋ねしておきたいのであります。
○高橋(衞)政府委員 ただいまのお話はずいぶんひどいお話のようでありますが、私実は先般神戸にも参りまして税務署の状況も見て参りました。今まで神戸の税務署は率直に申し上げまして、執務体制が最も悪い部類に入つておつたのであります。職員の仕事のやりぶりも秩序が立つていなかつたという点におきまして、私どもが最も選憾に考えておつた税務署であつたわけであります。従いまして昨年の中ごろから、何とかしてこの執務体制の改正をしてほんとうに公平な課税ができるように、公平な課税をするためにはどうしても税務署の署員が一致協力して、ほんとうに正確な調査をして差上げるということでなければいけないと思います。また同時に納税者に対しても親切にやつていただくという建前をもつて、それぞれ指導して参つたのであります。先般行つて参りましたけれども、庁舎も実にきれいになつておりますし、また机の配置その他署員の態度等も、私ども見ましたところ相当整然とし、またよくなつて参つたように見て参つたのであります。若い署員の中には、あるいはそういうふうな言動をなすものが絶無ではないとも考えるのでありますが、そういうふうな問題につきましては、私ども常々そういうふうなことがないようにということを嚴戒して参つておりますので、そういう事柄も十分伝えまして、今後そういうことがないようにいたしたいと考えます。ただ親切ということと公平ということとは全然別の問題でありまして、どこまでも納税者の実際の所得額を把握いたしまして、それによつて公平な課税をして差上げるということがなければならないのでありまして、いたずらに税額を少くするということは、かえにて不公平でもあり、国民に大して不親切な態度であると、私は確信いたしておる次第であります。
○川島委員 税務官の徴税態度が、国の歳入をはかるために一応熱意を持つということはわれわれも理解ができる。しかしながらその熱意が度を越して、ただいまのような署長の言葉にありますように、焼野原であつたことを思えば、税金が高いの商売が苦しいのと言える義理ではないというようなことを公言いたしたり、はなはだしきは署員を指揮いたしまするに、この民主国家、平和国家を目ざしておりまする日本の再建途上において、その署長たる人が、戰闘配置につけの、突撃だ、出動だなどと戰争用語を用いなければ、一般の署員の指導ができないと考えておるようなことが事実であるとすれば、私は問題だと思う。どうぞこういう事柄について、機会がありますれば至急に御調査を願つて、しかるべき方途を講ずることこそが、その署長のためでもあり、一般神戸地方の国民の納税者のためにもなるのじやないか、かように思いますので、十分御注意あらんことを強く希望しておきます。
○高橋(衞)政府委員 松永署長につきましては、私自身もよく存じておるのでありますが、非常に熱心な方でありますが、あまり表現の上手な方ではございませんので、おそらくはそんな用語を常時使つているとは私は信じられないのでありますが、しかしながらもしもそういうような皆さん方に誤解を起させるような用語を使つたり、また態度があるとすれば、これははなはだ遺憾なことでありますから、十分注意いたしたいと思います。
○前尾委員長代理 小山長規君。
○小山委員 大体所得税を中心にしてお尋ねいたしますが、まず二十五年度の税收予算に見積りました各税であります。この税は国民所得から見てぎりぎり一ぱいに見ておりますか。若干の余裕を持つて見ておりますか。それをまず伺いたい。
○平田政府委員 所得税の見積りにつきましては、先般お手元に詳しい資料をお配りしまして、御検討を煩わしておるのでございますが、大体昭和二十三年度の課税実績をもとにいたしまして、それから生産、物価あるいは能率等を加味いたしまして、適正な増加歩合を乗じまして所得を算定して、それに新税法を適用いたしまして税額を計算いたしたのであります。その生産、物価、雇用賃金、これを調査する方法は、大体におきまして国民所得と同じ方法を用いております。ただ技術的に若干国民所得の場合と、課税の所得の計算の場合と違う点がございます。こういう点につきましては若干調整を加えております。それから国民所得は一律に九月の物価水準をとつておるのでありますが、税の見積りにおきましては、食管特別会計におきましてすでに農産物については一定のパリテイーを予想しておりますので、農業所得の見積り等についてはパリテイーを前提にいたしまして物価を見ております。若干そういう差がございますが、大体においては国民所得の伸ばし方と同じ方向で見ておるのでございます。しからばその国民所得まるまる見ておるかと申しますと、決してそうではございませんで、前々から申し上げております通り、私どもの調査いたしました課税所得と国民所得の間におきましては、勤労所得においても、農業所得においても、営業所得においてもまだ相当開きがあります。その開きは幾分漸次接近しつつあるようでございますが、しかしまだ相当開きがございまして、特に国民所得をもとにして税を見積つているということにはいたしておりません。ただ将来を予測する場合におきまする指数の伸ばし率、これは大体国民所得を予想する場合と同じような方法でやつております。土台はあくまでも私どもの方は実際の課税実績をもとにして、それから伸ばして行くというわけでございまして、方法といたしましては両者の間におきましては、直接のつながりはないと存じます。
○小山委員 二十三年度の課税実績が基準になつているそうでありますが、二十三年度の課税実績というのは、一般に非常に苛斂誅求であつたと言われておつた課税実績ではないかと思うのであります。そういたしますと今度の税收予算の見積りというものは、相当ぎりぎり一ぱいまで見てありはしないか。この点についてはいかがでございますか。
○平田政府委員 二十三年度をもとにいたしたのでございますが、一番確実な資料としましては、私どもはやはり課税で実際に把握したもの、それをもとにするのが一番確かでありまして、それ以外に実はよるべき資料がないのでございます。従いまして将来の予測は今申しましたように、一定の指数を乘じまして予測するわけでございます。基礎といたしましては実績をもとにするのが一番よろしかろう、かように考えている次第であります。
○小山委員 そうしますと、相当これは各人の所得々々にとつてみばれ、ゆとりを見てこの税收は見てある、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
○平田政府委員 ゆとりを見てというお話もちよつとはつきりしないのでございますが、従来からの課税実績をもとにしまして、それに対して生産、物価、賃金、能率等の関係を考憂しまして、二十五年度に課税すべき所得が幾らふえるだろうか。それを見積りまして算定いたしたわけでございますが、私どもとしましては新税法のもとにおきまする歳入見積りとしては極力的確を期した、かように申し上げてよいと思います。
○小山委員 この税收予算は一般の予算と同じように、昨年の九月の物価が横ばうものとして組んであるということは、きのうの御答弁であります。ところがその後において購買力は低下したし、相当な滯貸が出て参りましたし、それから現象面としては貿易は不振になつている。中小企業は金詰まりのために相当の倒産数を見ている。従つてまた失業者もふえているでありましようし、滯貸やその他の関係によつて売上げ收入は相当減つていると見なければならぬ。そういたしますと、これらのものを総合して考えると、所得税、法人税、附加価値税、住民税というような収入を土台としたところの税金は、その後において相当変化していやしないかという感じを受けるのでありますが、この收入見積りが九月の物価が横ばうものとして立ててあるということから、その後におけるいろいろな現象、これらを考えた場合に、これらの見積りだけの税收をとれる確信があるかどうか。この現象と照し合せての政府側のお考えを伺いたいのであります。
○平田政府委員 お話の通り、実際の物価等は大体九月の水準が横ばいするということで、予算全体を見る方針で参つているのでございます。従いまして所得計算におきましても、二十三年度と比較します場合において、二十三年度の物価レベルと九月水準の物価レベルと、その比較指数と申しますか、その指数でやはり所得の増減があるものとして計算いたしております。そういう意味におきまして、もしも将来物価の水準が相当下落するということになりますと、あるいはここに見積つている数字にむりなところが出て来るのではないかと私は思いますが、その点につきましては大臣も前々御説明いたしましたように、若干の波動はあろうが、政府としてはあくまでもディス・インフレの線を堅持しまして、大体において横ばいするという方向で行くという建前になつておりますので、現在のところ私どもとしましては、やはりそういう見積り方法をとるのが一番正しい方法ではないかと存じます。もしも情勢がかわりますれば、かわつた数字によりましてあるいは見積りがえをするということが出て来るかもしれませんが、今のところは今申しましたような考え方でいるわけであります。
○小山委員 場合によつてはこの税收は見積り過大となる可能性があるかもしれない、こういうような答弁と解釈いたします。さてそこで今度は国税庁長官にお伺いいたしますが、国税庁としてはこの見積りの範囲内でとろうというのでありますか。それともいつも長官のおつしやるように、税法の定めるところによるのであるという態度で行かれるのでありますか。今度の予算の執行という面からいつて、長官としては一体どちらに重きを置いて考えておられるか。
○高橋(衞)政府委員 私どもはもちろんこの予算の見積りが相当合理的な根拠に基いてなされておりますので、先ほど平田政府委員の申しました通り、物価の水準、生産の状況その他が大体予想された程度であるならば、その收入が入ることは当然であると思います。しかしながら私どもの立場といたしましては、どこまでも各税法の定めるところに従つて、收入目標というものを立てずに、結果としてどうなるかという予想はいたしますけれども、收入を上げなければならぬという建前のもとに税を徴收する考えはないのでありまして、従つて私どもの本旨とするところは、どこまでも税法に忠実に、税收が予算よりも増減するということに関係なく考えて行きたいと考えている次第であります。
○小山委員 国民が今ひそかにおそれているところは、税法の建前においては税率は安くなつた。しかしその税の根本でありますところの所得の算定において水増しの査定をされて、結局は税法によつてきめた税率が下つたという結果にならないようなことになるのではないだろうかということが、国民の言わず語らずのうちに一番おそれているところであろうと思うのであります。そこで今度は税法においては、青色申告用紙制度を使つておりますが、これは納税者のうちから言えば、昨日国税庁長官が申されましたように、ごくわずかの人しか使えない。大部分の中小企業者あるいは農民、これらの人はこの春色申告用紙は使おうと思つても、政府のきめた通りの帳簿をつける能力もなければ、またそれだけの力もないし、事実経費も非常にいりましようしいたしますから、実際問題としてこの青色申告用紙というものは、法律の上には載つているけれども、それを利用し得る人はごく一部の人にすぎない。そういたしますと、やはり従来通りこの査定というものは、税務署長が最終的に決定することになるのでありますが、この場合の外形標準というものが、今までのようにただ税務署長の手心その他によつてきまるのではなくして、相当客観的な状態のもとにおいてきまるように、外形標準のきめ方というものがなければならぬと思うのでありますけれども、それは今度の税法の中には出ておらない。これについてはどういうふうな御構想をお持ちになりますか。
○高橋(衞)政府委員 繰返して御説明申し上げました通り、水増しというようなことが、税法の最も忠実な実行に障害がある事柄でありますし、また負担の公平を害する事柄でありますので、絶対にこれを避けて行きたいと考えておる次第であります。またそういうふうな査定をいたします際、または更正決定をいたします際の基本となるべき外形標準と申しますか、いろいろな標準につきましての問題は、各地によつて事情によつてそれぞれ違うべきはずでございますが、私どもといたしましては、先ほど御説明申しました監督官の活用並びに国税庁の各職員、または国税局の各職員によつて、個人所得につきましては、ランダム式にいろいろな例を摘出いたしましてそれらの調査をし、それの実績によつて各税務署におけるところの課税が適当であるかいなかという監査を、今後漸次拡充してやつて行きたいと考えております。
○小山委員 外形標準はむろん科学的に行わなければならぬのでありまして、ただ勘でもつてこれをやられては非常に困るのであります。たとえば農村のような場合には、国家が補助を出しても、各町村なりあるいは大きな町村であれば、その部落々々に相当な人間を置きまして、そこでその部落なら部落の收支のぐあいを的確に把握して行く、そうしてそれを引伸ばして行くというような方法はないのでありますか。
○高橋(衞)政府委員 御質問の点は、主として農業所得に関するものであろうかと存ずるのでありますが、二十四年度におきましては、大体納税者の数を私ども三百三十万程度と考えております。そのうち約十万軒の農家については、確実な基準となるべき調査を各所得、收穫並びに経費について調査をいたしておるのであります。その十万の農実を選定する際には、無作為摘出法と申しまして一定の法式があるのであります。つまり最も標準的な、しかも主観のまじらない、ほんとうに標準となるべきものを摘出するという一つの方式でありますが、その無作為摘出法に基きまして、十万の農家の選定をいたしました。それの調査の結果を標準率に持つて来て作成しておるのであります。その作成の方法自体が誤つておりますと、非常に間違つたものができますので、それらの点については、先ほどお話しましたような方法によつて国税庁、国税局等において監督をして行くつもりであります。
○小山委員 今の人たちは十万人というのでありますが、十万人というと一箇町村十人でございます。以上に関連してちよつとお尋ねしてみたいと思うのでありますが、以下若干農業所得に移ります。農業所得については、これは主税局長でありましようけれども、やみ收入というものをどのくらい見積つておられますか。
○平田政府委員 やみ收入というようなものは特別に見積つていないのですが、大体二十三年度の課税実績をもとにしまして、マル公と実効物価とある程度ウェイトをつけまして、それぞれ、伸ばしておりますから、そういう面につきまして、現実にとにかく農家に收入があることがわかつた場合におきましては、その收入は課税するという方針にいたしておりますから、入つておることは事実でございますが、幾ら入つておるかということは、特別に計算して見積つておるわけではございません。
○小山委員 それからやはり農業所得でありますが、農民が自家用として栽培しておるお茶だとか、あるいは果樹というようなものに課税をしておるようでございますが、これが全部売られている場合には、むろん課税しなければなりますまいけれども、大体畑の周囲あるいは宅地の周囲にあるお茶、あるいは宅地の中にあるかきの木とか梅の木というようなものに対して課税するというのは、あまりに苛斂誅求のような感じがいたしますが、この点についてはいかがでありましようか。
○平田政府委員 税法の理論から行きますと、農業所得につきましては、收穫しましたあるいは採取しました農作物その他一切を收入と見て、経費を差引くということになつておりますので、りくつを申しますと、実は何でも所得になるわけでございます。ただ実際はあまり零細なものを一々おつかけまわして、かえつて手数倒れになる、あるいは今のお話のようにとんでもない常識はずれになるといつたようなことになるのは、やはりある程度避けなくてはいかぬと考えるわけでございまして、具体的な方法をどうするかということは、場合によつては問題があるかもしれませんが、大体考え方としましては、今申しました考え方で運用上よろしく努めるようにしたらどうか、かように考えます。従いましてただ一律にかきの收入とかお茶の收入は見ないとか、そういうわけにも行くまいと思うのですが、実情に応じて運用の適切をはかつてやつて行きたいと思います。
○小山委員 これは高橋長官の方の役目のようでありますが、実際われわれの方の農村におきましては、税務署長が最後に使う手はこれなんです。自分たちの思つた通りの税收が上らないときには、お前の屋敷の中にはかきが何本ある。それを計算すると何円になる。あるいはかきの木が何本あつて、それが幾らなつておるはずだから幾らだ。税務署の收入のつじつまを合せるときに使う最後の手としてこれが使われるのであります。こういうような手を使われますと農民は非常な苛斂誅求を感ずる。大体これは金になつていない。幾らかでも金になつておるならいいけれども、金になつていないものを、税法の理論に従つてこれでやられるということになりますと、非常に税というものに対して疑いを持つて来る。それで自家用として栽培しておる程度のものはよろしいというような、一般的な方針を指示されるわけには参りませんか。
○高橋(衞)政府委員 先ほど主税局長からも御答弁申し上げました通り、理論上はどこまでもこれははつきりした收入であり、それから必要な経費を差引いたものが所得とならざるを得ないのであります。従つて全国的に、たとえば自家用蔬菜等につきましても全部所得に見ておるような状態であります。これは都市と農村等との権衡をとるというふうな事柄もございますし、またはそれぞれ果樹等につきましても、主産地としからざる土地との権衡をとる必要もあるかと思いますが、画然とここの家は相当売つておる、ここの家は売らぬということを区分することもきわめて困難でありますので、きわめて零細な者は、そこまでは追究しないようにというような心持は持つておりますけれども、しかしながらできるだけ捕捉し得るものは漏れなく捕捉して行くということが現在の税務行政の建前となつております。
○小山委員 税務行政の建前でもあり、法律上もそうでありましようけれども、大体お茶にしても、かきや梅にいたしましても、それが販売市場に出ておるところと出ておらないところは、おのずからわかるだろうと思うのであります。販売市場に出ていない、ただ畑のあぜの周囲に若干あるとか、あるいは宅地の周囲に若干あるとかいう程度のものを收入として見積りの基礎として行くということが、苛斂誅求になりはしないかということでありますので、そういうような点は実情に即してやられるような指示をいたしていただきたいというのが希望なのであります。
○高橋(衞)政府委員 宅地によつて非常に事情が違うかと思うのであります。たとえば畦畔に豆を植えておるというようなところにおきましては、豆の收量というものはやはり標準の中に組み入れて考えておるのでありますが、そのかわり畦畔に豆を植えられたということは、米自体の收穫量は幾分減るという結果を来さざるを得ないと思うのであります。また果樹等におきましてもお話の通り、市場に出ておる地方とおらない地方は相当にはつきりわかるのでありますけれども、しかしながら自家用蔬菜を見ると、同じようにその土地において売るという方々もありますので、ある程度以上の果実の收入があり、收穫があると思われる方については、やはり所得に算入することが公平を得るゆえんじやないかと考えております。
○小山委員 ただいまのは希望を開陳いたしましたので、実情に即してぜひ御考慮を願いたい。 次に法律に移りますが、この所得税法の第一條は、外国人にはむろん適用があると思いますが、連合軍の軍属を含みますか。
○平田政府委員 外国人にも適用になることは当然でございますが、外国の軍属は今日本が占領下に置かれておりまして、特殊の関係がありますから、占領軍に属する軍人、軍属には税法が及ばないと解釈しております。
○小山委員 次に改正になりましたものを見ますと、一時居住の外人が会社法人から利益の配当あるいは剰余金の分配を受ける場合には、課税をしないということになつておるようでありますが、これはどういう趣旨でありますか。
○平田政府委員 一時居住という意味はどうかわからないのですが、配当所得につきましては今回全面的に源泉課税をやることにいたしたわけであります。従いまして制限納税義務者が——外国人が日本の法人から配当を受ける場合におきましても、配当所得に対する源泉課税はいたしません。従いまして第一條の制限納税義務者の納税所得から排除してもよろしい、排除しなくちやいかぬということになつたわけでございます。さような改正でございます。
○小山委員 そうすると、その人たちはその限りにおいては全然課税を受けない、こういうことでございますか。
○平田政府委員 国内に住んでおる一般の納税者も、配当については源泉課税を受けませんので、日本の法人から配当を受けます場合の外国人が、配当の課税を受けないのも当然だと考えております。
○小山委員 次は第五條の二の第二項についてでありますが、この趣旨はどうもよくわかりにくいのでございますけれども、ネットの相続財産が三十万円以上の場合は、相続税のほかに讓渡所得税をも課するのである、こういう趣旨でありますか。
○平田政府委員 今回讓渡所得につきましては課税の建前を相当かえまして、今までは御承知の通り讓渡所得は現実の資産を売却讓渡した場合において、今までは御承知の通り讓渡所得は現実の資産を売却讓渡した場合においてしか課税していなかつたのでありますが、今度は相続讓渡等の原因によりましてもある所得者から他に所有権が移転したような場合におきましては、その機会をとらえて讓渡所得税を課税することにいたしたわけであります。たださようにいたしましたといたしましても、あまり零細なので、一々課税するのは必ずしも負担の実情に即しませんし、また実際問題としても評価その他困難な問題がございますので、ここで一種の免税点を設けまして、相続の場合は三十万円、讓渡の場合は一年一人三万円、それまでの財産を相続または贈與した場合は讓渡所得税を課税しない。かようにいたしたわけであります。
○小山委員 そこでさらに年三万円以下の贈與についてはこれを適用しないのでありますが、その場合に毎年々々三万円ずつ贈與して行くといつた場合に、二百万円になろうが、三百万円になろうが、これは税金をかけないということになるのでしようか。その場合に贈與税との関係はどうなりますか。つまり贈與税は一生を通じて十五万円ということになつておるから、三万円ずつのものが毎年々々累積して行つて、十宙万円以上になつた場合には贈與税はかかるのかという趣旨であります。
○平田政府委員 贈與税の方も同様に、同一年中に同じ人に対しまして三万円以下である場合は、贈與税を課税いたしません。所得税におきましても同様に課税しない建前になつております。
○小山委員 確かめておきますが、毎年三万円子供に贈與して行く。そうしてその累積が幾らになろうとも毎年三万円以下の分については課税いたさないという趣旨でございますか。
○平田政府委員 その通りでございます。
○小山委員 第六條の七でありますが、農業災害の補償金は、これは損害保険金でありますか、あるいは課税の対象になりますか。
○平田政府委員 農業災害保險の保險金は、やはり一種の災害保險と解釈いたしておりまして、その保險金が一時所得に該当するような性質のものでございますれば、これはやはり第何條でしたか、非課税の規定に該当するものと解釈しております。
○小山委員 これは八條と十條と別でありますけれども、ついでですからお尋ねします。不具者というのは盲だけがここに出ておりますが、実際これが政令その他ででき上るときにはどういうふうに考えておりますか。つまり不具者というのは、その人たちが精神的負担を受けるところが多いから、扶養控除をやろうとするのか。あるいは肉体の障害があつて十分な収益があがらないというので、課税の控除をやろうとされるのか。それによつてこの範囲が違つて来るだろうと思いますが、どういうものを予定されておりますか。
○平田政府委員 不具者の範囲は、具体的にはなるべく施行政令で詳しく書きたいと思つておりますが、今のところ大体心神喪失の常況にある者、盲、つんぼ、おし、その他重大な障害を受けまたは不治の疾患にかかつて常時介護を要する者、こういう者を大体不具者として規定したらどうだろうかと考えております。
○小山委員 第十條の関係でありますけれども、附加価値税というのは地方税に出て来るのでありますが、これは必要経費として控除するものに入りますか。
○平田政府委員 附加価値税は当然必要経費として控除いたします。
○小山委員 そうなると、附加価値税の場合にまた問題になりますが、附加価値税は消費者に対する転嫁が非常にしにくいのではないかという感じがするのであります。それと関係はありませんけれども、この附加価値税が累積して行つて、それが必要経費になつて来るということになつて、その翌年の所得税、法人税に影響するということは考えられませんか。
○平田政府委員 現在も地方税でありますところの事業税は、所得の計算上必要経費に算入しております。その事業税と附加価値税と置きかわる関係になりますので、お話のような点はなかろうかと思います。むしろいつか申し上げましたように、附加価値税の方は従来の事業税に比べて、個人業者の場合は負担額が相当減るようになります。それでその経費も少くなつて来る。それだけ中小商工業者の方は、附加価値税は容易になつて来るのではないかと考えております。
○小山委員 逐條になつてはなはだ恐れ入りますが、第十條の三から六にかけては、実にわかりにくい條文でよく読めないのでありますが、この資産の讓渡所得というのは、実際の收入が再評価額を越える場合、その超過額について生ずるものでありますけれども、この場合の再評価額というのは法定の価格でありますか。それともやはり個人が自由に設定したところの価格でありますか。
○平田政府委員 資産再評価表を間もなく国会に提案いたしまして御審議を煩わす所存でありますが、原価計算につきましては原則としてい任意にいたしておりますので、一種の最高限の範囲内におきまして各納税者が具体的に再評価したようになる。それに反しまして自家用住宅、土地、株式というような資産につきましては、もつぱら讓渡所得の課税上問題になりますので、この方はむしろ資産再評価法で再評価したものとみなす規定にしております。従いましてこの方は納税者が任意に再評価する、しないという問題ではありませんので、法律上定められた再評価額で、この基準をきめるわけであります。しこうしてその再評価額を越えて讓渡した場合だけ今後は讓渡所得がかかる。それ以内の部分につきましては六%の再評価税がかかる。もちろん再評価額よりもはるかに低い価格でしか売れなかつた場合におきましては、現実売つた価格と前の取得価格との差額の六%に対しまして再評価税を課税する、かような関係に相なるのでございます。なおこの辺の関係は相当ややこしいところもございますので、今適当な計算例をつくておりますので、それをお出ししまして御了承願いたいと思います。
○小山委員 ぜひともお願いします。十一條の三によりまして震災、火災、風水害の場合の負担額を控除することになつておりますが、一体この算定をどういう方法でおやりになるつもりでありますか。つまり損害の査定であります。査定のいかんによつては、この法文は実際問題としてあつてもなきがごとしということになるのでありますが、この査定についてはどういう方法でやれるのか。あるいはほかにどこか條文があるのを読み落しておるのかもしれませんが……
○平田政府委員 損害額の査定はすこぶるむずかしい問題でありますので、従来はなかなかこういう規定を入れる段階にまで参つていなかつたのでございますが、しかし何としても所得税の公平が第一義であるという意味で、かような規定を設けることにいたしたのでございます。建前といたしましてはやはり災害を受けた直前の資産の時価を調べまして、全部滅失しました場合におきましては、おおむねその時価は損害額と見るのが当然だと思います。毀損しましたような場合におきましては、災害後の時価をやはり調定いたしまして災害にかかる前の時価と災害を受けた後の価格との差額が損害額、これが原則だろうと思います。具体的にはそれぞれ納税者の出しました資料等に基きまして、やはり第一線の税務官庁におきまして適正な価格を査定して行く、こういうことになるよりほかにないのではないかと思います。なほ非常に小さい多数の納税者の場合におきましては、また一定の簡便を標準的な方法も少し研究してみたらどうかと思いますが、これは御指摘の通りはなはだむつかしいことでありますので、われわれとしましては極力的実をはかつて行くよう努力をいたしたいと思います。
○小山委員 これは私どもの南九州は台風の進路に当つておりますので、毎年起る問題でありますから、よほどこれはしつかりした損失の査定の方法をきめておいていただきませんと、実際問題として空文に終つてしまいそうな気がするのであります。この損害があつたかなかつたかということは本人の届出によるわけであります。
○平田政府委員 もちろん第一は申告で、申告の際にこれによります損失額が幾らあつたかを出させるわけであります。それが最初の基準になるわけであります。
○小山委員 それはたいへんな問題です。申告のときまでその損害の査定を待つておるのでは、証拠は隠滅してしまつて何にもわからなくなる。ですから災害の直後にこれを調べる方法を講じていただかないと困るのであります。
○平田政府委員 もちろん実際問題といたしましては、お話のようなこともあわせまして適正を期する考えであります。
○小山委員 最後に、これは国税庁長官の方か主税局長の方か知りませんが、取引所に上場なき株式の評価方法というものがいつも問題になるのですが、従来の考え方によると、その会社の拂込金と積立金によつてこれをやつておる。ところが取引所に上場されておる株式は何によつて評価するかと言いますと、その会社の積立金なり、そういうものももとよりでありますが、損益が向上するか下向するかということが最も大きな要素になつて参ります。そこで取引所に上場なき株式の評価方法というものは、国税庁の内部においても一定されておるべきものであると思うのでありますけれども、私が従来知つておる範囲内では、積立金と拂込み金額を、ただ算術的に計算した方法でやつておられる。その後かわりましたかどうか知りませんが、取引所に上場なき株式の評価方法について現在のやり方をお教え願いたい。
○平田政府委員 取引所に上場されてない会社の株式の評価は、お話の通りなかなかむつかしい問題であります。いつも税務官庁におきましても、この適正な評価には骨を折る一つでございますが、基本原則は会社の資産はやはり株主のものでございますから、なかんずく上場されてないような同族会社等の場合におきましては、さようなことが強く言い得ると思うのであります。従いまして会社の正味資産を調べるのであります。つまりあらゆる積極財産につきまして、時価で評価をいたしましたプラスの財産から負債を差引きまして正味資産を調べまして、その正味資産が一株当り幾らになるか、それを調べまして、その株に乗じまして財産額を計算するのが一般の原則であります。ただしかしそれによりますと、お話のように一般の上場株等はかりに正味資産で計算しまして、一株当りに見ました場合に相当低い場合があります。従いまして株主が相当多数いるような会社でありまして、しかも上場されていないといつたような場合におきましては、ある程度売売実例というものがございます。従いましてその売売実例等もできる限り集めて調べまして、それらも十分参考にしまして適正なる評価をする、そのようないろいろな見地から、極力適正をはかることにいたしておるのでございます。なおまた、さらに今申しましたような方法で、はたして適正かどうかわからないといつたような場合におきましては、收益の状況がどうか、将来の見通しはどうかといつたようなこともあわせ考えまして、でき得る限り適正な評価をすることに努めるほかはないと思います。これは今度の富裕税の分に関しましても、一定の評価方法を研究してみたのでありますが、一律にやりますとかえつて適正を欠くおそれがありますので、その辺のところは今申しましたようないろいろな方法をあわせ用いまして、極力評価の適正を期して行きたい、そういう意味で規定は設けてないのでありますが、個々のケースにつきまして、今申しましたいろいろな方法をあわせ用いまして、評価の適正をはかつて行くように努めたいと思つております。
○小山委員 問題は高橋長官の方に行きそうでありますが、取引所の上場株式の評価はおそらく今度の富裕税のときには、一番問題になつて来ると思います。それで株式の評価方法は、今の総資産から総債務を引いたものを株式で割るという機械的なことでなしに、同種の株式がある場合にはそれと比較権衡をとる。上場された株式の同種のものは、それを比較権衡をとるという方針だけはも国税庁できめていただきたいと思いますが、いかがでありますか。
○高橋(衞)政府委員 先ほど主税局長から御答弁申し上げました通り、非常に困難な問題でありますが、ただいまのお話の同種の企業であつて、取引所に上場のある株と権衡をとつて、そうして推定をするということも一つの有力な資料であろうかと思います。
○前尾委員長代理 それではその他の質疑はあとまわしにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十三分散会