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7回国会衆議院1950/07/04

水産委員会 第45号

発言数
25
登壇者
8
会派数
1
開催日
1950/07/04

会議録

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 これより会議を開きます。  漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。この問題につきましては、内容が重大でありますので、議院運営委員会が開かれました際におきまして、国政調査による委員派遣を要請いたしまして、その上で慎重審議いたしたいと思いますので、御了承願います。  次に荒廃漁場復旧に関する件を議題といたしまして、前会に引続いて質疑を継続いたします。質問の通告がありますので、これを許します。福田委員。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 荒廃漁場復旧に関しましては、その後の調査に関して、水産庁当局において相当事業が進捗しておることと思いますが、どういう状態でございましようか。一応御説明願いたいと思います。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 詳細は課長が参つておりますから、ごく概略を私から御説明申し上げます。前国会のときにこの問題が非常に大きくなりまして、委員の皆さんの方でも特に小委員会をおつくりになりまして、いろいろと御検討になつたわけであります。当時集まりかげておりました資料によりますと、三億円以上の費用を要するということになつておるのでありますが、しかし御承知のように、これの調律はなかなか困難な事情もあり、なおこれを具体化するためには、もう少し調査を進める必要があるというので、その後府県に照会をいたしておるわけであります。この資料は一応七月の十日に集まる建前になつておるのでありますが、一昨昨日でありましたか、非常に急がねばならぬというふうな御鞭撻もありまして、実は昨日さらにそれを早めるように、電報を打つように下の方に申しつげたのであります。そういう事情でありますが、とにかくそういう問題を早く具体化しようと考えまして、できればぜひこれを追加予算に組みたい、かように考えておるわけであります。ところが御承知のように、実際の作業になりますと、海上保安庁あるいは府県等と十分な連絡をとつて参らなければなかなか困難であると考えまして、海上保安庁とも予算の組み方といいますか、作業を実施する場合の分担といいますか、そういう申合せをいろいろとやつて参つたのであります。大体沈没船でありますとか、あるいはその残骸でありますとか、飛行機でありますとか、兵器、機材、そういうふうなものの処置は海上保安庁でやつてもらう。そのほかの石材であるとか木材であるとか、鉄材とか、そういう小さい障害物につきましては水産庁で分担する、そういうような覚書を交換いたしまして、連絡をとりながら予算化をはかつて行こう。こういう段取りにたつておるわけであります。この間の委員会でも、その手順はどの程度今運んでおるかというふうな御質問でありましたので、保安庁に昨日連絡をいたしたのでありますが、保安庁では二十六年度の予算といたしまして、終戦処理費であるとか、あるいは船舶の航路掃海等こういうふうな項目をもつて大体二、三億円程度のものを今用意しつつあるようであります。水産庁でもこれと歩調を合せまして、今予算化を急いでおるのであります。できればひとつぜひ追加予算として、保安庁にも要求いたしまして共同戦線で組みたい、こういうふうに考えておるわけであります。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 今当局から御説明を伺いましたが、結局荒廃漁場復旧に関しまして、調査をするということは仕事の半分でございます。要は、調査に日が暮れましたならば、荒廃漁場の復旧というものは百年河清を待つような状況でございますから、ぜひともこの際私は大臣等にお願いしたいのでありますが、次の国会に予算提出を確かにやつていただけるかどうかということの、責任ある御回答をいただきたいのであります。この点いかがでありますか。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 この問題は、金額も相当でありますし、実際問題としては、資料等も今のお話のようにずさんな点もありますので、相当な努力を要すると思うのでありますが、それにいたしましても、すでに時期のずれも相当あるわけでありますから、ぜひ一年の半月でも追加予算を出したいと考えておりわけでありまして二、三日前にも、大臣に特にこの問題について私からお願いはしてあるのであります。しかし大臣の最後的な、ぜひそうするという御回答には接してないのであります。まだ就任間もないわけでありますが、一応申出だけはしてあります。またその線で極力努力して行きたいと考えております。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 そうしますと、水産川の御意向は、各府県の調査資料が集まつてから後にやるというお考えでしようか。この際私の希望申し上げたいことは、四十何県の調査が全部集まるということはとても不可能ですから、被害の大きい所を重点的に取上げていただいて、回答のない所は問題外ですから、前国会でも問題となりました大分県あるいは千葉県、あるいは四国の沿岸、北海道、そういうところを重点的にやつて、この次の国会までに予算をぜひ計上していただきたい、こう思うのであります。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 資料の点につきまして、私の先ほど申し上げましたのは、あるいは少し誤解があつたと思うのでありますが、私も福田委員と同じように、年かかつて調べても満足の行くような結果はなかなか得られないと思うのであります。そこで予算等も現在一応つくりつつあるのでありますが、それはこの前の国会で御報告いたしました資料を大体基礎にいたしまして——もちろん具体的に大蔵省と折衝するまでには、多少新しい資料も参りましたから、それらが参るに従つて、やはりこれを訂正しながらやつて参りたい、こういうふうに考えているわけであります。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 御説のようなことになると、時間がかかつて百年河清を待つことになりますので、おおよその腰だめでもやつていただきたい。これは七月の十日なら七月の十日をもつて打切つてしまつて、あとは予算につきましてただちに大蔵省と折衝をしていただきたい。私は荒廃漁場の復旧はマツカーサー・ラインの拡充よりもつと急務であると存じます。この点について水産庁はいささか怠慢ではないかと考えますが、御意見はいかがでありますか。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 これは弁明になつてはなはだ失礼でありますが、この前の国会でも申し上げたごとく水産庁としましては、この問題の重要なことはむろん承知しておるのであります。しかし戦後そのほかに、漁船も早くつくらなければならぬとか、それより先行するような案件がいろいろありまして、そのために多少かかつたという事情もあることを御了承願いたいのであります。しかし今日は相当おちついて参つた関係もありますが、マ・ラインの拡張の問題にいたしましても、国際情勢からいいまして、なかなか困難な事情にあるわけであります。従つてそれとにらみ合せまして、この問題が非常に重要になつて参つているわけであります。そういう意味でわれわれといたしましては、このうちへ向つての荒廃漁場の復興ということについても、極力実現方をこの際としてははかりたいと考えておるわけであります。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 そうしますと、次の国会には予算計上は必ず頭を出して来る、こういうふうにわれわれ了解してよろしうございますか。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 ぜひそういうふうにいたしたいと考えているわけであります。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 この前の委員会におきまして、玉置委員の水産金融に関する質問の答弁を、時間の関係上委員長において保留いたしておきましたのでこれの答弁を求めます。

玉置信一自由党

○玉置(信)委員 せんだつて御質問申し上げた内容について、まだのみ込めなかつたために、御答弁が得られないようでありますから、重ねて簡単に申し上げます。  水産金融のことにつきまして、政府がいわゆる金融政策の根本方針として——これは一般問題ですが、見返り資金五十二億を出して、これをもつて勧銀、興銀、北拓、商中、農中の資本を増額して、そうしてこれを元として結局債券額五百億の長期資金の基礎が確立されることになるのであるが、このうちで水産金融面の農中から予定されておるものが約八億、その農中の手持八億に政府が二十億を出資して合計二十八億になつたのです。この二十億の債券発行ができることによつて、そのうちから貯金、食管借入れ金その他を除いて、百六十億から百八十億の債券発行の力があると思うのでありますから、それを勘案してみると、とりあえず五十億くらいのものが本年度の債券の発行を予定されておるように思うが、しかし水産金融に対してはわずかに八億ではどうにもならぬ。であるからこの面に対して水産庁としてはもつと農中というか、大蔵省に働きかけて、水産金融の面にもう少し金をよけいひつぱり出すという政策をとらなければならぬのではないかということをまず前提として、水産の行き詰まり状態、すなわち卑近な例として北海道のにしんの例をとつて申し上げたのですが、これも重複いたしますから数字はこの場合避けますが、生産者及び船団その他の者が相当数の損害を来しておる。このために明年度のにしん着業資金というものはとうてい自力ではできない。何らか政府においてこれに手を貸していただかねば、こうした漁業は潰滅にひんする。これは北海道の例でありますが、同時に内地におきましても、見ようによつてはにしんの値下りが他の内地の漁獲物に影響して、同時にいわしその他の雑魚の価格に影響を来したという話も聞いておりますが、私はにしんが直接の原因でなくして、そうした最近の時流がそういう結果をもたらしたと思うのであります。ともあれ全国的に見て非常に漁村が疲弊困憊していることは事実でありまして、なかんずく漁業協同組合の窮状は見るに忍びないものがあるのでございます。これに対して、いかなる方法をもつてこの金融の打開をせんとするものであるか。これらについて水産長官並びに大蔵当局にお伺いをいたしたのでありますが、まずこれに対して御答弁を願いまして、足らなかつた場合には一、二だけを重ねてお伺いしたいと思うのであります。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 ただいま玉置委員から申されましたように、大体農中の金繰りの状況は、自己資金による出資が四億増加いたしまして八億になり、また見返り資金の方から二十億参りまして、それを財源として債券を発行するわけであります。従いまして、さしあたり大体百八十億程度の資金の造成はできると思うのであります、そのうち本年度として融通可能な金額は、今のお話のように五十数億くらいに聞いておるのであります。そのうち漁業金融の方面に幾らまわすかという問題であります。これはただいま八億というようなお話がありましたが、必ずしも八億ときまつたわけでもないのであります。今後の折衝にまつておるわけであります。今日の漁村の金融の逼迫状況に即応するために、できるだけの金額を折衝いたしたいと考えておるわけであります。しかし一方また考えてみますると、それにはそれ相応の態勢を考えなければならぬと思うのであります。その一つといたしまして、水産業の協同組合をいかにして強化するかという問題が中心になるかと思うのであります。この線で先般来も府県の主任官の会議を開いたりいろいろいたしまして、いかにすれば現在の協同組合が強くなるか、また自力が養えるかということをいろいろと研究して参つておるのでありますが、一応の案はできておりますけれども、詳しくはまた何らかの機会に関係課長からも御説明していいと思うのであります。しかしこういうふうな協同組合自体の現在の状況をよく考えてみますと、御承知のように、農業協同組合とは違い水産協同組合は発足が遅れましたために、いわゆる政府の放出物資を抱いて、こげつきが非常な巨額になり、預金の支払い停止もやりかねないというふうな、そういう悪條件にはまだなつていないのであります。しかしそれだけに、逆に申しますと自力がないということは事実であります。これを強化するためには、やはり組合のまず貯蓄心の養成から始まらなければならぬと思うのでありますが、そういうふうなことでありますとか、あるいは組合経営の役職員の、いわゆる人を得ない問題でありますとか、あるいは協同組合自体に対する指導の問題でありますとか、あるいはこの協同組合の財務運営等についての親切なる指導といいますか、あるいは検査といいますか、そういうようなこともやはり考えて参らなければならぬのではないかというふうに考えておるのであります。前国会でも問題になりましたように、この協同組合の指導をいかにすればよくなるかという問題について、全国的な指導連というふうなものの設立ということも議題に上つたのでありますが、これは法律の関係もあつてできませんが、しかしこれにかわるべき何らか協同組合の連絡会議といいますか、そういうふうなものはぜひつくつて、地方的にも中央においてもそういうふうな大きな問題をいろいろと研究し、また促進を加えて参りたいというふうに考えておるわけであります。また一つの考え方としましては、今日県の連合会等においても相当に貸付の固定しておるところも少くないのでありまして、模範組合というふうなものを内面指導をいたしましてつくつて参る。それがあるいは合体して一つの信用力ある連合会をつくり、その連合会が対象になれば、相当に金の融通も可能ではないか、こういうふうな行き方もあるいは考えられるかと思うのであります。これらの構想をいろいろ具体化するために、ただいまは来年度の予算の編成期であるわけでありますが、各面からいろいろ検討を加えまして、この協同組合をいかにして強化するかということの予算化を今考えておるわけであります。そういうふうな方法によりまして、かたがた農中では今回増資の機会もあつたわけでありますので この機会を逸せず、ひとつできるだけ多く漁業方面に資金が流れますように、努力いたしたいと考えておるわけであります。

玉置信一自由党

○玉置(信)委員 ただいまの水産庁山本次長の御答弁で、抽象的にはもちろんその程度よりお話になれないのでありましようが、これは抽象論では解決できない事態でありますので、もう少しつつ込んでお伺いいたしたい。さらに次長の御答弁を要望してやまないのでありますが、何しろさつき申し上げましたように、生産者すなわち漁業界そのものが非常に力がなくなつておりますので、昨年水産庁の長官あるいは山本次長その他の御配慮によりまして漁業手形というものが一応できたのでありますが、しかしこの資金を造成するための積立てというようなことが、現にできないようなありさまであります。でありますので、これをどうすれば一体資金の造成ができるかといえば、これは何としても、その水を向けるためのある程度の長期資金を融通してもらうよりほかに道がないわけであります。同時に加工手形の問題も、再再私申し上げてはなはだくどいようでありますけれども、これもどうしても制度化しなければならぬのでありますが、これが一体どうなつておるか。  次は漁業協同組合の育成強化の問題でありますが、ただいまのお考えをさらに一歩進めまして、もつと具体的に例を上げますと、先般伺うところによりますと、アメリカの協同組合連合会の経営総副支配人のゴールドという方が見えるそうでありますが、アメリカにはすでにこうした協同組合連合会というものが組織されておるが、ひとり日本だけがこの連合会というものが組織されないということは、いかにも不可解に思うのでありまして、当然これは制度化すべきであると思うのでありますが、これに対する見通しいかん。  次はこれも夏堀金融小委員長が前国会において非常に強調され、私どももこれに同調いたし、当局に要望いたしたのでありますが、御承知の新漁業法によります漁業権の政府買上げに対する証券の発行でありますが、これは二十年後でなければ金にかわらない、この場合、こうした機会にこそ政府の力によつて、この証券を基本として金融化する制度をつくる必要があるのではないか、すなわちいずれは政府がこの金を払わなければならぬのでありますから、この証券を裏づけとして金融の道を講ずべきでないか、農中というものに依存することも、水産界の要望にこたえて金融をうんとしてくれるならよいのでありますが、どうも今日の段階では私ども期待するようなことには参らぬような気がいたします。ところで漁業金融に対する独立した機関を設けることについては、前々国会における当局の御答弁によりますと、関係筋でなかなか了解をしないというようなことを水産庁当局並びに大蔵当局が言つておりますが、これはこうした日本の水産の現状を真に把握したならば、関係筋においてもあくまでもこれを阻止するというような態度には出ないのではないか、かように考えるのであります。これに対しての考え方はどうか。  最後に、二十四年度において魚田開発の費用として、見返り資金から二億円のわくをもらつて、そのうち一億円が北海道の魚田開発の予算として計上されておる。それが第七国会の御答弁によりますと、いもの関係の方にこれを流用されまして、あと七千数百万円残つておるが、これだけを何とか二十五年度には具体化し、必ず実行に移すというような御答弁もあつたように記憶いたしておりますが、今日これがどうなつておるか。すでに現地においては、これを引当てとして、いろいろな施設を苦しい中にもなしておるのでありますが、これは当然二十五年度に政府において割当を交付すべきであると思うのでありますが、これがいかような段階になつておりますか、以上簡単に当局にお伺いする次第であります。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 漁業金融につきまして、まず第一の漁業手形制度の問題でありますが、これは御承知のように、魚価が非常に暴落する時期に際会いたしまして、これの最も前提になります共済基金の積立てが思うように参りません。そのためにせつかくの制度がわれわれの考えておる通りには発達しないのであります。その点につきまして、日本銀行等におきましても、当然これではつなぎ融資等は考えられぬというような強い申出等にも接したのでありますが、水産庁といたしましては、今日この制度を、短期の運用資金を出してもらうのに唯一の手段でありますので、何とかそういうふうな短気なことを言わずに、もう少し経過を見てくれというような強い申入れをいたしまして、これの若干の改正があつたのでありまするが、大体現状と大した違いのない程度で、日本銀行としても了承してくれているわけであります。従つてわれわれといたしましては、この基金制度をいま少し現実において充実をさせまして、従つてその基金を基礎としていろいろと出先では注文のあるところも少くないようでありますけれども、基金ができさえすれば、必ず優先的に融資を考えてもらうように、出先銀行には日本銀行からいろいろと指導していただきたいということを申し入れているわけであります。  次に加工金融の問題でありますが、加工手形の問題も前国会でいろいろと御議論いただきまして、一応の水産庁の案はあるわけでありますが、これの具体化はまだ今後にかかつているわけであります。これも並行して早急に考えてみたいと思つております。  それから根本問題といたしまして、例の漁業権証券の問題でありますが、この問題は今玉置委員もおつしやつたように二年後の問題であります。しかしながら今日こういうように金融が逼迫いたしました事情を黙視するに忍びないわけでありまして、これを何とか今日の機会に活用できるようにわれわれといたしましてもぜひいたしたいと考えております。從つてこの関係は農林金庫等と委員会をつくりまして、ときどき寄つていろいろと根本問題の研究をしているわけでありますが、いまだこれは具体化の時期には達していないのであります。今後とも皆さんの御援助もいただきまして、何とかこれを早く具体化いたしたいと考えているのであります。  もう一つは、いわゆる独立の金庫をつくつたらどうかという御意見であります。この点につきましては、われわれといたしましてもぜひさようになることを期待するわけでありますが、しかしながら現在の全体の金融状況等からいたしまして、この機関をつくることにのみ專念して、実際の金融面に力が入らぬということになる向きも考えられるわけであります。これらの点を十分考慮した上でないと、この問題は早急にはなかなかむずかしい問題になる。またそのためには相当にこれは資料なり構想なり練つてかからなければならない問題ではないかと考えているのであります。しかしいずれにいたしましても、農林中央金庫等を百パーセント活用することについては、ぜひわれわれといたしましては、やらなければならない問題であると痛感いたしているわけであります。  見返り資金の問題でありますが、これは前国会でも大臣から本会議で答弁がありましたように、ああいういきさつになりましたことは非常に申訳ないのでありますが、そういう意味で本年度におきましては最も優先的に考えてもらうというので、大体申請書等を吟味いたしまして、七千七百万円の金額でありまするが、これは着々出し得るようにやつているわけであります。具体的にはどういう書類がどういうふうになつているかということは、あとで必要があれば係の課長から答弁いたさせますが、これは本年度最も優先的に考えてもらうという話合いになつているわけであります。金庫の方でも十分了承している点であります。  協同組合の連合会の制度化という点でありますが、連合会の制度化の問題は私の方でも協同組合課長がアメリカに出張いたしまして、その間にいろいろとそういう話も聞いているのでありますが、しかし一つの意見としましては、要するにアメリカでは会計、経理、財務等についてのエキスパートと申しますか、実社会のエキスパートが日本の組合にはおらぬではないかということを言つておられるようであります。全体の制度化の問題といたしましては、これは急にはなかなか困難であると思うのでありますが、先ほど申しましたような点は、われわれとしましても大いに考えねばならぬ。今までとかく上からの指導はいかぬというふうなことを、水産庁としては非常にまじめに受取つておつた点もあると思うのであります。しかしその人の話などでは、やはり水産庁が責任を持つて内面指導をするのがいいのだというふうにも承つておるのであります。これらの点につきましては、今後とももう少し末端の組合を一つ一つずつでもよくするような方向に水産庁としても考えねばならぬ。これは単に府県の係官等にまかせ切りにするということは、水産庁としてもとるべき措置でないし、むろん府県の係官にも大いにこれをやつてもらわなければなりませんが、末端の組合から一つでもよくして行くということを、水産庁としては念頭において二十六年度の予算の編成には考えて行かなければならぬ問題であると考えておる次第であります。

玉置信一自由党

○玉置(信)委員 いろいろ山本次長からの金融対策についての方針を聞きましたが、今のところそう具体的につつ込んでお聞きしても、なかなかむずかしいとは思いますが、何しろ第五、第六、第七国会を通じて、この水産金融の問題は、相当当局と意見を交換し、新長官は間接にお聞きのことだろうと思いますが、この国会に間に合わないといたしましたならば、次の通常国会には、少くとも何とか拔本的な制度をつくるように、私は特に新長官に要望するわけであります。何しろ長官が閣議へ出て直接発言をする権限を持たないだけ、前長官もそうでありましたが、新長官もなかなか御苦労されることだろうと、今日から私ども想像いたしております。また幸いにというかどういうか、農林大臣もかわつたことでありますので、新たな金融施策をもつて農林大臣と特にお打合せを願いまして、少くとも百億くらいの水産金融のもとをつくらなければ、これはいかにここで論議をいたしましても、現実に漁村が救われないと思うのであります。ことに農中の貸付期間のごときは、先般御質問を申し上げたときにお話いたしましたように、現在の方針としては六箇月の短期であるというようなことを聞かされておるのでありますが、もししかりとするならば、とうてい漁村の経営を更生させて行くということにはならぬ。少くとも三年、五年の長期資金を融するという基本的なものをここに確立しなければならぬと思うのであります。特に最後に申し上げておきたいことは、先ほど来申し上げておりますように、にしん漁業というものは非常に行き詰まつておりますので、この金融の問題につきましては、明年のことではありますが、今日からすでに当局としてはこの点について特段の留意を願いたい。幸いに山本次長よりこの漁業証券の金融化について関心を持たれておるということをお聞きし、しかも二年後であるが、今日からこの問題を特に取上げて行かなければならぬという非常に強い御意見を拜聴して、私ども心強く感じたわけであります。どうかこの点を特に新長官においてお考えを願いたい、かように思うわけであります。この点を特に要望いたしておく次第であります。

川村善八郎自由党

○川村委員 ちよつと今のに関連して……玉置君からるる水産金融の問題について、二日にわたつて、しかも長時間の質問がありましたことは感謝しているのであります。私も過去第一回国会から、水産委員会に委員として今日まで出ているのでありますが、水産委員会くらい委員会の回数を開いて、だらだらやつている委員会はないという定評であり、また事実そうであります。これはひとり水産庁の責任ばかりではありません。私たちも責任を負います。しかしながら、今日まで私が御答弁を聞いていると、善処します、あるいはそう思つております、こうしたようなおざなり主義の、責任のない答弁をしている。私は考えますのに、答弁は上手でなくてもよろしい、下手ででもよろしい、ほんとうにこれを不言実行するという形に持つて行かなかつたならば、いつでもこうした委員会を開かなければならぬ。今日の玉置君の質問については、玉置君は熱意のある御答弁であると言つているけれども、私に言わせればおざなり主義の御答弁である。むしろ、水産庁に何か機関をつくらなければならぬという答弁をするより、そういう考えを持つておいたら、なぜ一体早くつくらないかということを指摘したい。  それから漁業証券の問題も、これが金融化されなければならぬということも今まで問題になつております。この問題もすでに取上げて、そうした答弁は何回も聞いております。これは久宗課長からも聞いている。そうしたようなことが、答弁は上手にされておいて、実現はしていない。このためにわれわれも心ならずも委員会を何回も、しかも長時間にわたつて開かなければならぬということになるのであります。どうか、やはり一つ一つきめて行くように、答弁は上手でなくてもいいから、ほんとうに実行して行くように、この際新長官は腹をきめてやつていただきたいということを、私は念願するものであります。  それから最後に、玉置君の漁業証券の問題について、もちろん誠意のある山本次長の答弁ではありましたが、一言久宗君に対しまして申し上げます。御承知の通り漁業の金融は一日もゆるがせにすることができません。こうした行き詰まつた原因は、それは不漁の結果もありましよう。あるいは財界の不況のために、いわゆる金詰まりの関係もありましよう。しかしこればかりではありません。すなわち新漁業法による漁業権のくぎづけということも大きな一つの原因であります。われわれは今日漁業を経営いたしますのに、この新漁業法が制定されない前は、漁業権を担保にして銀行が甘んじて貸してくれる、あるいは個人でも貸してくれる、また土地でも漁舎でも担保にして借りられた、そうして凶漁があつた時分は、その資金をまかなつてやつておつたというのが、今日までの漁業経営の仕方だつたのであります。しかしながら今日の漁業法では、はつきり漁業権は白紙にする、いわゆる国家が買收するということになつて、担保にするわけにも、讓渡するわけにも、売るわけにも行かぬというのが実情であります。それから漁業権に基いた必要欠くべからざるところの土地、干場、漁舎、これらもくぎづけになつている。こうしたことで、絶対身動きができないというのが今度の新漁業法にからんでの漁業者、漁業権その他に対するあり方であります。こうした責任はだれにあるかというと、私は国家が負わなければならぬ、しかも立法者の久宗君が責任を負うて、この窮迫した現状を救うために、一日も早く、答弁でなく、ほんとうに漁業証券というものを資金化して行くことに努力して行かなければならぬ。もちろんあなたから言わせると、新漁業法の実施は二年後であるから、まだ時間がある。それまで証券が発行されないのだから云々と言われるでありましよう。しかしはつきり法律で定めて、国家が買收して、いわゆる漁業証券を発行することが明らかである以上は、私はそのくらいの措置は国家で講ずべきである。またそれを講ずるのは水産庁の責任であり、われわれ委員会も協力してこれをやるべきだ、私はこういうふうに考えております。この点について今議論しておつたつて、これは議論の議論倒れであつて、秋にできるとか、春にできるとかいうようなことではだめであります。もうすみやかにこれを実行に移すためには、委員会がさらに水産庁と一体となつて、政府を動かす力をもつと持つような組織をしなければならぬと、われわれは考えております。だからこの点について長官並びに次長でも久宗課長でも、ほんとうに自分が漁師になつた気持で御答弁を願いたい。  それから第二の問題は、今短期の資金云々では救われない、これはもつともであります。これは相当年数の長い、長期の資金でなければならぬ。もつと端的に申し上げれば、財政的措置でこの問題を救つて行かなければとうていできない。一例を申し上げますと、今漁業会から漁業協同組合に財産を移管される、こういう場合に借金がついてまわつておる。その借金の金利を払つておつて、たとえば北海道の道漁連が三億数千万円という赤字が出ておる。その赤字を、いわゆる借金として利息を払つて行かなければならぬ。かりに五億借りて来ても三億数千万円を引かれるから、一億数千万円しか漁村に均霑されない。いわゆる貸付ができないので、道漁連の事業すら行き詰まつておるという現状であります。これはひとり北海道の連合会ばかりでなく、単位漁業協同組合もそうである、かように私は考えております。従つて一応これを政府にたな上げさせて、いわゆる長期の年賦償還にして、そうして新たな資金を長期に流すという以外には、私は漁村は救われない、漁業の資金はまかない切れない、かように考えておるのであります。こうした点において、あなた方にその意思がありやいなや、まずこの二点をお伺いしたいと思います。  それからもう一つ、たびたび荒廃漁場の問題についてここで議論されておるのであります。一回や二回ではありません。これを今日まで実行に移しておらぬというのは、私は水産庁の怠慢であると言える。もちろん国家から予算化されない以上はできないということは、はつきりしておりますけれども、その予算化するためにはあらゆる資料と努力を尽さなければなりません。私たちが委員会の責任において調査いたしますのは、国会の名においてやるには議長の承認を得なければならぬけれども、そういう手続をしておつたのでは臨時国会にも間に合いません。でありますから、でき得ればわれわれは自費でその調査をしたい。そして水産庁からもついて来て現実に嚴重な調査をして、ここでどうしてもやらなければならないのだということで、先に手をつけて漁民に見せたならば、漁民はたとえ一年や半年あとにまわされても、水産庁は乗り出すのだ、国も乗り出すのだということで安心をしますし、また現実に行われるということが明らかになりますので、もう議論の議論倒れをしておるよりも不言実行でまずもつてできるものから着々実行に移して行くという方法でやつていくことが必要であると、私は考えますので、この点もあわせて長官は私らと同じ意思であるかどうかということを、お伺いしたいのであります。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 川村委員の御質問に対して御当局の御答弁があると思いますが、その前にちよつと——私も川村委員の御発言に全面的に賛成でありまして、国会内における各種の委員会をまわつてみますと、この水産委員会はまことに国会討論会みたようで、言はなはだ多く、これほど不実行の委員会はないように見える。非常に活発な意見もありますし、当局からも説明を承りますが、その実施ということについては、これほど不実行の委員会は他になかろうと思います。私は川村委員の御質問に対して全面的に賛意を表し、支持するものでありまして、国会は国権の最高機関といたしまして、政府委員の御答弁になつたことは、責任をもつて遂行していただきたい。委員会は政府委員の御答弁を監視していただきたいと私はここに委員長にお願いするものであります。従いまして、それが不実行に終つて、政策の実行が等閑に付せられた場合には、責任を追究していただきたい。この点につきましては、委員長にくれぐれもお願いいたしたい。もちろんわれわれは行政府と対立するわけではございません。委員会といたしましても水産庁と一致協力して、ここできまつたことはどこまでも一緒になつてやつて行くのでありますが、今までの当局の計画というものは、はなはだその実施の面において欠けるところがありますので、私は川村委員に同調して、特にこれを提案いたすわけであります。荒廃漁場の問題に関しましては、ぜひともこれは臨時国会に予算を計上していただきたい。今川村委員のおつしやつたことを全面的に実施していただきたい。さらにまた委員長に対しましては、これはお願いでありますが、ぜひ農林大臣と、委員会の名において全面折衝して、予算の計上にお骨折り願いたいと思うのであります。

家坂孝平水産庁長官

○家坂説明員 荒廃漁場問題並びに金融問題につきまして、福田、玉置、両委員からもいろいろなお尋ねがあり、また川村委員からは、私どもの心構えをお尋ねになつておられるのであります。私も現在の水産界が非常に金融的に、経済的に最も困難な場面に直面しておるということは痛感しております。私も経済界に長くおりまして、その面には苦しんで来た者でありますが、特に水産庁に参りましてからも、毎日々々のお話を各地方からも承つておりまして、ひしひしと私の胸を打つものがあるのであります。それに私といたしましては、この現状をできるだけすみやかに解決して、一歩々々前進して参りたい、かように覚悟をきめておるのであります。それでこれにはもちろん業界に対しましても受入れ態勢の整備ができない限りにおいては、なかなか言うべくして行いがたい結果にも相なりますので、業界方面におかれましても、その態勢の整備につきましては、十分熱意をもつて指導して参りたい、かように考えるのであります。こういたしまして、両々相まちまして、しかも新大臣は有力なる実行の力を持つておられる方と私は考えておりますので、大臣とも緊密に御連絡申し上げて、この私どもの施策の実現に邁進していただくように、私も推進いたして参りたい、かように考えております。この点は十分私の気持もおくみとりくださいまして、今後ともよく水産庁とも御連絡願い、私どもも十分この委員会と相携えまして、よく協力し得られるようにつとめて参りたいと考えております。私はそんな心構えで今後の漁業の施策に対しまして、措置を講じて参りたい、かように存じております。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部調整第一課長)

○久宗説明員 ただいま川村委員から御質問があつた点でございますが、私は事実上漁業制度改革の立案を担当いたしました者といたしまして、これが現在実施に入りました段階で、私自身最も大事な問題だと思い、また私自身責任を持つて、できるだけこれに努力しなければならないと思いますのは、むしろ経済的な裏づけであるのであります。つまり経済的な裏づけなくして制度の改革は実施し得ないということは明白でありますが、ただ漁業が現在置かれております位置を考えました場合、同時に最初からこの條件を完全に満足するということは不可能であろう、従つて制度改革を実施して行く過程において、各種の経済的な裏づけを国民経済の名において国の最高機関の御決定に従つて裏づけをして行きたいと考えております。その重要な問題といたしまして、資金の問題、金融の問題が制度改革とつながつて出て来るわけでございますが、金融問題が何とか議論され、あらゆる角度から努力されているにもかかわらず、進捗しないという最大の原因は制度改革で掲げましたような、つまり現在の漁業が国の経済の中において妥当な位置にないというところに結論づけられるというふうに考えられるわけであります。従いまして各種の糊塗的な手段ではとうていこれを解決し得ないのでありまして、制度改革というような拔本的な、しかも国の最高機関において各制度をにらみ合せた御決定に従つて運用して行くのでなければ、この問題は解決し得ないと思つておるわけでございます。その具体的な一環といたしまして、漁業権の補償その証券の資金化という問題が出て来るわけでございます。御承知の通り、補償金の約八割は漁業会を通じまして零細な漁民の方々に行くわけでございます。その額も非常に大きなものでございます。従いまして、こういうような現実的なものを基礎にいたしまして、いかにこれを運用して行くかということが、つつ込んで考えました場合、おそらく今後の漁村における金融の重要な一環をなすものではないかと考えるわけであります。しかしながら証券の資金化という問題につきましては、さきに農地証券の例があるわけでございまして、この証券が当時インフレの過程において出されたものであり、同時に地主に対する補償といつたような問題から、資金化の点についてわれわれ農業あるいは水産関係者が、十分注意してない間に金融関係者の間において簡単な通牒一つによりまして、流通が事実上阻害されるような措置があつたわけでございます。こういうような点がございますので、形は似ておりますが、今度の漁業証券というものの資金化、あるいは漁業権補償という意味は、土地改革における補償問題とはまつたく別個の考え方をしなければならないし、この資金化いかんによつて漁業経営がいかになつて行くかという問題と、強く関連を持つと思いますので、たびたびこの前の国会におきましても、このアウト・ラインにつきましては、この重要な意義につきましてもお話したわけでございますが、ただ二年後の問題でおるとは言いながら、実際問題としては今からもちろん交渉を始めて行かなければならないのでありますが、具体的にこれをいかなる利率の証券にし、いかなる償還年限でやつて行くかということは、今後の相当長期の見通しに立つてきめませんと、この判断いかんによりましては、実際にその証券が相当長期の見通しによつて内容が確定いたしますので、その後の経済状態の見通しが誤りますと、これを持ちました場合の利用価値というものにつきまして、非常な違算が入つて来る場合があるわけであります。そこで私どもといたしましては、大体の見当を立てまして経済状態が大体この程度の見通しで、利率がこのくらい、償還年限はこのくらいというような、今まで御説明して参りましたが、いよいよ最後の段階に入りまして、このドツジ政策が一応の軌道に乗つて、そうして新しい段階に入りました現在において、この証券の内容をいかにすべきかということを、最後的に決定する段階に来ているわけであります。しかしながら実際問題といたしましては、これの内容はむしろ証券問題というようなことになりまして、いわゆる金融関係の方が証券という点だけからこの問題を考えがちであるし、また一般に金融機関においてもこの証券の問題は、むしろ漁民以上に重大な関心を持つていろいろ研究しておられるわけであります。これをそのままにいたしまして、金融関係の方たちの御意見だけによつてかりにこれがきまるということになりますと、これを持ちました漁業関係者が、金融関係に十分エキスパートでないというような点から、どうしても生産者に非常に不利な運用ということが実際上考えられるわけであります。またそういうふうな具体的な動きも若干あるわけであります。そういうような点から考えまして、私どもといたしましては、ほんとうに漁民の立場に立つて、しかも金融機関としての経験なり、エキスパートとしての知識というものを吸收いたしまして、生産者の立場においてこの内容を確定し、それを持出したい、これをいよいよ内容的に固めるということになりますれば、当然大蔵省その他安本というような各行政機関とも内容的に裏づけなければならないわけであります。その際においても、当然事務当局同志の話合いではいけないのでございまして、国会の委員会はむろんのこと、水産庁、業界全部一丸となりまして、この証券の資金化の問題を押さなければ、事実上実現が非常に困難であろうと考えるわけであります。從いまして、この内容の検討につきましては、もちろん委員会の方にもよくお諮りし、またその特殊な御協力も得て、内容を固めて行く必要があるわけであります。実際問題といたしましては、先の見通しにつきまして、また今ただちに利率をいかにすべきか、あるいは償還年限はいかにすべきかということを確定する適当な時期ではないのであります。時期は迫られておりますが、これはもう少し見通しが立つところまで行かなければ、今早急に決定することは困難であろう、また危険であろうというふうに考えますので、躊躇いたしておるわけであります。もちろん資料の整備その他にはいろいろ力を尽しておりますが、これを決定的な形でまだ大蔵省その他には話しておらないのでありまして、これをどう持つて行くかということにつきましては、委員会の方からもいろいろ御指導を得たいと考えておるわけであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 久宗君の理論的答弁はよくわかります。しかしあなたは常に漁村をおまわりになつておりながら、漁村の窮状をまだ把握してない、こういうことを私は指摘せざるを得ないのであります。今漁村は一本の注射で死ぬか生きるかのせとぎわであります。あなたの理論はよくわかります。しかしいやしくも漁業法を制定するまでには四年間かかつております。第四次の案ができたときですら、われわれはこれを大修正をしなければならないということを主張した、客観情勢が許さないのでわれわれは第六国会で最終に通したけれども、しかし今日まで幾らたつております。その間にまだあなたが答弁されたことを実行しておらない。私はあなたがもし、ただ理論的に責任のがれをするような答弁をするなら、またぞろ速記録をひつぱり出して、あなたの説明を指摘して、あなたの責任を問いたい。理論はもう聞いて聞いてわれわれは耳にたこが寄つております。であるから長官に先ほども言つた通り、理論よりも一つの実行だ、理論はあなたの言う通りだ。しかしそれは理論として持つて行くべきは当然であるけれども、二年後において、いわゆる証券を与えられた際には、必ずこれを金融化すということを政府に言明させるというと、必ず金融機関も安心して出す。現にここで銀行局長が何と言われたか、また中金の懇談会の集りで何と言いましたか、国家が漁業証券をいわゆる保証する、これを担保でとつてもよろしいということになると、今からでも金融しますとはつきり言つたではありませんか。そうしますと制度はできてその証券はまだ渡つておらないという時間のずれはあるけれども、その決意を政府にさせるというと、私は金融の措置というものは非常にやすやすとできるのではないかと思う。もちろんいろいろその間の手続きはあるだろうけれども、国家保証によつて中金なりその他のいわゆる商工金庫が金を出す、いわゆる資金を出す、こういうことを私は聞いておるのであります。であるから、まず理論よりも先にどういう制度で行く、そういうふうな制度になつたら、これをこうする、それにはこういう機関をつくつて、こうして推進する。あなた方は事務的にはできないことはわかつております。事務的にできないならば、われわれとともに政府に向つて迫らせるようにしたならば、実効が上るのではないかと考えますので、私はそれをやつてもらいたい、こういうのです。そこでそうした金融ばかりでなく、水産に関する問題を全面的に急速な解決をするためには、やはり長官が決意をして、この際一時も早く、水産庁内に各界各層からなるところのいわゆる協議の機関でもよろしい、何でもいいから実行し得る体制に持つて行くように進めてもらいたいということを、先ほど長官にも申し入れた次第であります。久宗課長は頭がよくて、理論的にばかり答弁して、どうも実行がこれまでできておらないが、それはあなたのために惜しいことである。あなたは頭がいいから逃げるのは上手だが、実効が上つておらないから、われわれは常に君に信頼を置けない。どうかこの鋭い頭、いわゆるあなたの熱意をはつきり長官に訴えて、長官にすみやかにそういう機関をつくらして、実行に移されんことを、強調して私の質問を終ります。

石原圓吉自由党

○石原(圓)委員 ついででありますから申し上げますが、ただいま問題になつております水産金融の問題は、私が申すまでもなく、一日もゆるがせにできないのでありますが、これは水産庁において今の漁業手形利用の制度、その他水産金融の問題に対して案を立て、その案をなるべくすみやかに委員会へまわすという方針をとるのが、当面の一番の急務だと思うのであります。これは長官は十分庁内で御協議をとげられ、そうして委員会へ提示するところの対策案を立てるということをやつてもらいたい。そのことを強く要望をいたしておきます。  ついででありますが、見返り資金のいわゆる水産物高度利用に対する融資の問題であります。これは先刻もちよつと話が出ましたが、北海道においては一部の道が明いたように聞いておりますが、なお北海道においても、額においては十分でないことと信ずるのでありまして、この北海道の額を増額すると同時に、また北海道以外の各地におきましても、すでに統制撤廃の結果は、水産物が停滞をして非常に混乱をする。早く売れば安い。貯蔵するには設備がない。また新しく高度利用の加工の道もない。こういうのが現実でありまするから、北海道に準じてその以外の各地においても、この高度利用に関する融資の道は、ぜひ同一の建前でその道を開いて行くべきであると考えておるのでありまするが、これに対してどういうお考えを持つておられるか、一応承つておきたのであります。  次に水産の無電のことであります。御承知のように、漁区は拡張され、漁船は非常に増加し、また最近では以西底びきのごときは、かなり無電に要する電波の点に苦しんでおるのでありますが、それでなくても漁区拡張の今日では、漁船と漁船から受信する陸上の設備というものは、非常に拡大されなければならぬはずでありますが、この点が水産庁においては相当緩慢であつて、電波庁にまかし切りのような観があるのであります。現に遠洋漁業の相当の大きな根拠地でも、重要な設備としてなければならぬものがいまだないところが多数にあります。また一面に地元の関係で一地方に偏した設備もあるというのが現実でありまして、これは電波庁にまかせておかずに、水産関係の無線電信については、水産庁が非常な関心を持つて、熱意を持つてやらなければならぬ重要問題であると思います。すでに電波の不足で終戦後苦しんでおつたけれども、ことしの四月に、国際的電波の割当が日本では相当増加されたのであります。増加されたということは、漁場の拡大ということが一つの理由になつておるのにかかわらず、漁業の方面には多くの割当をとつていないというのが実情のようでありまして、まことに水産庁においては緩慢であると私は信ずるのであります。これは電波庁長官と水産庁長官が十分懇談をしていただき、同時にそれまでに日本の水産関係にはどれだけの電波が必要であるか、また電信、電話の設備がどれだけ必要であるかということをよくお調べになつて、そうしてそれを急速に充実する必要があると思うのでありまして、このことを強く要望をいたしておく次第であります。  もう一つは荒廃漁場の復興と漁業の取締りというものは、これはあくまでも水産庁みずから直轄で行くべきものであるということが、私の年来の主張であります。ただいまのように海上保安庁にまかしておく場合には、とうてい所期の目的は達せられない。ある場合には海上保安庁と水産庁とは対蹠的なことが起り得る場合もあるのでありまして、この点は、ぜひとも漁業の取締りと荒廃漁場の復興はその主管を水産庁が持つということの建前を強調するものであります。この点に対しては御意見を承つておきたいのでありますが、たとえば最近に伊勢湾で、魚雷、機雷の沈下したものを掃海をしておるのであります。かなりたくさんの掃海船がやつて来ておる。水産庁においても、三重県あるいは愛知県の県庁の水産課の者は、ほとんど無関心のような状態でおるように私は心得ておるのであります。これではとうてい所期の成績は上らぬのであります。また荒廃漁場を復興するにしましても、その予算をとる建前から、水産庁みずからが作業を実施せない場合には、間接になるから、予算をとつてもそれはほかの役所で使うんだからというような冷淡な考え方があつてはいけないと思うのであります。あくまでも直接漁業に関するところの荒廃漁場の復興並びに漁業の取締りは、水産庁みずからが主管としてやつて行くということにしなければならぬと考えるのであります。こういう点も所見を承つておきたいのであります。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 私から御答弁いたします。一つは北海道の高度利用の問題に関連いたしまして、ひとり北海道のみならず他の地域についてもこの取扱いが必要でないか、こういう御意見でありましたが、これは私もまつたく同感であります。ただ現在北海道の問題につきましても、安本方面ではいろいろと意見がありまして、大体は了承する運びに相なつておりますけれども、そういう情勢下でありますので、全国的に、その他の地域についての問題につきましては、まだ具体的の運びには達していないのであります。ただ現在でもいわゆる中小企業関係の見返り資金という部面につきましては、これは申請があれば水産庁といたしましても、極力あつせんをいたしております。なおわれわれの考えといたしましては、今後のいわゆる魚価の暴落対策という意味におきまして、やはり沿岸の協同組合等につきまして、こういうような施設をいま少し再検討いたし、また充実して行く必要があるのじやないか、見返り資金ももちろんその一つでありますが、むしろ進んでそういうものに対する一つの助成施設——これは過去にはあつたわけでありますが、例のドツジ・ライン等の関係で、現在はなかなか困難な事情にありますが、そういうようなこともあえて提案して考究してみたいというふうに考えておるわけであります。  次に荒廃漁場の問題でありますが、ただいまのお話のように、現に伊勢湾なんかは掃海があるようでありまして、これに県の水産課が冷淡であるというお話であります。この掃海につきましては、二十二年でありましたが、中央にそういう意味の審議会がございまして、水産局長がたしか委員に参加しておつたわけであります。そこで当時としましては、できるだけ漁場との関係を考えてくれるようにというふうに、前局長時代にもいろいろと口頭では敷衍しておつたようであります。しかしこの掃海の問題は、根源をただしてみますと、これは司令部の方から海上保安庁の責任として命ぜられているわけであります。もちろんこの危険物の扱いにつきましては、水産庁としては権限がないわけでありますが、しかしこれに関連いたしまして、ことに今後の問題といたしましては、危険物の掃海はもう相当進んでおるわけでありますので、今後は漁場との関連もありますから、われわれの権限がかりになくても、保安庁とは出先においても連絡をとつて、今のお説のようにやるべき筋合いのものであろうと考える次第であります。取締りと掃海、特に漁場の関係の掃海は、水産庁が直接独自でやれということにつきましては、私は賛成であります。しかし御承知のように、これは危険物に限りませんが、掃海するにはそれ相当な機具とか人員がいるわけでありまして、人員の確保はもちろんある程度のことはできるかと思うのでありますが、現在差迫つてやるという段になりますと、やはり海上保安庁のせつかく現在持つておられる施設を、円満なる交渉のもとにできるだけ活用さしていただくということも、大きな国家的見地から見てまた必要であろうと考えるのであります。大体そういうふうに考えております。  漁船の問題でありますが、これはこまかいことは私了承しておりませんので、別の機会におつしやつていただきたいと思うのでありますが、ただいまお述べになりましたように、漁船の関係の無電は、最近ようやく相当に発達して参つた状況にあるわけであります。電波庁との関係をもつと積極的に持ちまして、さらにこれを充実して行くということについては、まつたく同感であります。これは私技術的には詳細なことは存じ上げないのでありますが、最近電波庁の管理委員会もできまして、これらの関係も十分水産庁としては、積極的に連繋をとりまして、さらに充実して参らなければならぬと考えておるわけであります。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつて御通知を申し上げることにいたします。     午前十一時五十八分散会

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