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7回国会衆議院1950/06/30

水産委員会 第43号

発言数
114
登壇者
16
会派数
2
開催日
1950/06/30

会議録

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 これより会議を開きます。  会議に入るに先立ちまして一言ごあいさつを申し上げます。去る第七回国会の終りに水産常任委員長の選挙にあたりまして、不肖私がはからずもこの職につかなければならなくなつたのでありますが、御承知の通り至つて不敏な者でありますので、その器でない者でありますが、幸い皆様方の絶大な御指導と御鞭撻をいただきまして、その職責を果したいと考えておるものでございます。どうぞ何分よろしくお願い申し上げます。簡単でございますがこれをもつてごあいさつといたします。(拍手)  この際御報告申し上げます。国政調査のため委員派遣の件でございますが、議院運営委員会が開会いたしておりませんので、まだ承認されておりません。従つて目下のところ委員派遣はでき得ないでおりますので、この点御了承を願います。  次に閉会中の審査事件といたしまして、本委員会に付託されておりました漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案、水産市場機構に関する件、水産金融、漁業経営並びに漁民経済状態に関する件、荒廃漁場復旧に関する件、水産資源保護育成に関する時間の関係もございますので、委員長において適宜議題として審議することにいたしたいと思います。  この場合水産庁長官から発言を求められております。これを許します。

家坂孝平水産庁長官

○家坂説明員 私は五月十五日に発令されまして、水産庁長官に就任いたしました家坂でございます。初めてお目にかかる方もおいでになりますが、私はまつたく水産行政には不なれの者でありまして、この水産界の重大時局にあたりまして、はたはだ私の責務の重大なるを感ずるのであります。従つて私は必死の努力をいたしまして、水産界のために尽したい、かように考えておるものでありますので、今後皆様のよき御支援、御鞭撻を賜わりまして、この職責を全うしたいと考えておるものであります。何分よろしくお願いいたします。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 この場合質問の通告がございますので、これを許します。鈴木委員。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 第七国会終了後におきまして、中央漁業調整審議会委員の任命が政府によつて行われたようであります。この中央漁業調整審議会の委員は、申すまでもなく画期的な新漁業法の運営をいたします場合におきまして、最も重要たる役割を来すものと考えるのであります。従つてこの中央漁業調整審議会の委員の選考にあたりましては、愼重なる御協議が政府において行われたと思うのでありますが、一たびこの委員の指令がございましてから、業界各方面の意見を聽取いたしますに、あらゆる面におきまして、十分漁民大衆の納得の行かないような面が多々あるように私ども聞いておるのであります。つきましてはこの調整委員の選任をいたしました政府の選考の基準、あるいは選考にあたつての御当局の方針等につきまして、数点にわたりまして当局の御意向をただしたいと思うのであります。  まず第一点は、この選任につきましては、なるほど新漁業法においては農林大臣がこれを選任をするということになつているのであります。しかしながら、この新漁業法の実施の重大性、漁村百年の運命を決定し、漁民生活の安定確保の上に重大な関係のございますところの漁業法の円満なる遂行、法の命ずるところを確実に目的を達成いたします面からいたしまして、きわめて重大であると思います。そういう観点から、漁業法では農林大臣がこれを選任することにはなつておりますけれども、事柄の重大性にかんがみまして、衆参両院の、少くとも委員会を代表する委員長に、あらかじめその内案を提示いたしまして、御協構を遂ぐべきが至当であつたかと思いますが、これを当局はなさつておられるかどうか。これは参議院選挙の際でもありましたし、あるいは両院委員長が東京におられたかどうかわかりませんが、少くとも政府はそのような連絡等をおとりになつたかどうか。こういう点につきまして、その必要を政府は認めなかつたのであるか。その必要を認めてどういうような手続をおとりになつたか、この点をまず第一点としてお伺いいたします。  第二の点といたしましては、選考の基準であります。この選考の基準にあたりましては、漁民代表、あるいは漁業従業者代表、あるいは学識経験者、それぞれあるわけでありますが、その選考にあたつてどういう点を基準としてこれらの方々をお選びになつたのであるか。真にこれらの方々が漁民代表なり、漁業従業者の代表なり、学識経験者として適格者であるかどうか、その基準をお示しを願いたいと思います。特に学識経験者につきましては、少くとも私どもの考えるところにおいては、日本の漁業制度に関し、漁業権問題に関して、深き学識なり経験なりを有する方という立場から考えられておるものでありますが、これらの方々には大学の先生やその他おられるようでありますけれども、日本の漁業制度なり、あるいは漁業権問題に対して、どういう過去における経験あるいは学識をお持ちになつておるという御認定から、お選びになつたのであるか。こういう点につきまして、当局の御所見を伺いたいと思うのであります。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本説明員 中央漁業調整審議会が、漁業制度に関する重要事項を審議する中心機関でありますことは、ただいま鈴木委員から御指摘になつた通りであります。この中心機関に参画をされます委員の選考につきましては、特にわれわれといたしましても、重要性を感じておりますことは、まつたく同感であります。この構成につきましては、漁業法第百十三條の中で、会長は主務大臣、委員は漁業者及び漁業従事者の代表者十人、学識経験ある者五人、委員は主務大臣の申出によつて内閣総理大臣がこれを命ずるというふうに規定いたしてあるのでありまして、選挙制をとつておらないのであります。従いまして従来の漁業の内部構成の複雑性から考えまして、委員の選任につきましては問題も起るのではなかろうかと予想せられたのでありまして、われわれとしては水産庁の事務当局に命じまして、きわめて愼重な態度をもつてこの問題の処理に当らしめたのであります。具体的選任の根本方針につきましては、お手元に配付いたしておるかと存じますが、中央漁業調整審議会委員選任に関しまする基本方針を立てたのであります。まず方針としては、真に漁業制度改革の精神を体しまして、これを強力に推進せしめ得るに足る、公正中立なる人事を行うことを明らかにいたしておるのであります。なお選任にあたりまして、特に考慮する事項といたしまして、八項目を掲げておるのでありますが、委員の選任についての、定員の割当等につきましても、それぞれ基準を設けまして、この具体的なわくに沿つて人選を進めて参つたような次第であります。ただいま鈴木委員からも御指摘がありました通り、いろいろ委員の人選につきまして、御議論もあろうかと思うのでありますが、お立場によりまして、いろいろな御批評もあるのでありまして、いわゆる新顔が非常に多い、有名人がいないという点につきましても、実は御非難も承つておりますが、さきに申しましたような基準の方針をまずあらかじめきめまして、それに基いて、これを並行的に人選を進めて行つたという点が明らかにされまするならば、おのずからまた御納得も行くのではないかと思うのでありますが、これらの点とは別個に、先に人の名前ばかりが漏れまして、そうしてこれが掲載されたということは、そのためにいろいろ誤解も招いたかと存じまして、遺憾に存じておるのであります。これにつきましては、今回のこの審議会の重要性からいたしまして、いろいろ関係方面におきましても、重大なる関心を持つておられるのでありまして、さきに申しましたような、人選についての基本の方針であるとか、要領等につきましては、ぜひすみやかにこれをつくつて示せというようなお話も実はあつたのであります。かような経過をたどりまして、それぞれ委員の任命をいたしたのでありますが、ただいまお話がありましたように、衆参両院の委員長の意見を徴したか、あるいは徴すべきではなかつたかという御意見につきましては、国会側の御意見も十分尊重すべきであると存じておるのでありますが、たまたま参議院選挙の中でもありまするし、ことにまた国会休会中でもありまして、十分な連絡が取り得なかつたことは、はなはだ遺憾に存じておるのであります。実は人事の問題につきましては、往々にいたしまして、意見も各種各様に出て参りますおそれもございますので、これらの点につきましては、十分な連絡を取り得なかつた点は、悪しからず御了承を願いたいと存じておるような次第であります。  なおまた具体的に今委員に選任をいたしました各人につきましての御批判は、種々あろうかと存じますが、特に学識経験者に対しまして、その方々の御経歴等の御紹介は、事務当局から十分御説明申し上げまして、御了解を願いたいと考えておるような次第でございます。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 坂本政務次官から懇切な御回答があつたのでありますが、二、三つけ加えてお尋ねいたしたいと思うのであります。この選任にあたつて、特に当局が考慮された事項の中に、可及的に中立、公正な人物本位で選任された、こういうごもつともな御考慮が拂われておると思うのでありますが、しかしながら具体的に選ばれましたところによりますと、そういう配慮のもとにやつておられたにかかわらず、私どもが見ますと、中立であり公正であるという見方から、納得行かない点が二、三あるように思うのであります。この中には、明らかに政党的に一党一派に偏した方が見受けられるようであります。また漁民の代表の中に、漁民組合の関係の方もお見えになつております。この点政務次官は十分御承知と思うのでありますが、この漁民組合は社会党の指導する漁民の一つの政治団体であるわけであります。また北海道から選ばれました一人の代表も、明らかに社会党に所属されまして、かつて衆議院に社会党から公認候補で立候補された方であるようであります。私どもは、こういう漁業調整審議会の委員のごとき、真に中立公正な立場から、国家的に漁業制度を御審議願う方が望ましいという基本的な考え方については、当局と同じでありますが、具体的に現われたところを見ますと、一党一派に偏した方、当局の基準として書かれたところと相反する結論が具体的に現われているようであります。こういうように審査が不十分であるということがはつきりおわかりになりましたら、おかえになる御意向が当局にあるのであるかどうか、この点をまずお尋ねしたいと思うのであります。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本説明員 すでに選任を終りました委員の中に、あるいは政党色のある人があるのではないかという御指摘であります。私もこれは各方面からいろいろな御意見を承つたのでありまして、ただいまそれらの問題につきましては、十分調査をいたしまして、さらにこれを確かめておきたいと考えているのであります。  それから、もしそれが不当であり、不適任であるという場合に解任でき得るかどうかという点でありますが、もし万一委員の解任が問題とされました場合の法的な措置はどういうことでありますか、委員の任期は二箇年であります、従つてこの間におきましては、特別の事由があるときは農林大臣の申出によつて内閣総理大臣は委員を解任し得るというのでありまするが、この特別な事由ということはどの範囲であるかという点につきましては、いろいろ問題もあろうかと思うのであります。これらの点につきましては、十分納得され得る特別な事由というものの範囲、あるいはその意義につきまして、十分検討してみなければなるまいと思うのでありまして、これはただいまいろいろ研究をいたしている次第でございます。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 当局が掲げておりますところの選考の基準、これはきわめて妥当なものと思うのでありますが、この基準を看板に掲げておきながら、それと相反するような選考が行われているということは、これは何人の責任であるか、これが問題になろうかと思うのであります。それは水産庁長官の責任であるか、あるいは農林大臣の責任であるか、それが明らかに基準に反する場合に、当局はどういう措置をとられるか、こういう点をまずお尋ねいたします。  それから次にこの人選を見ますと、遠洋漁業関係、あるいは沖合い漁業関係、いわゆる業種別関係の代表者が、沿岸漁業協同組合関係者よりも非常に多いように見受けられるのであります。これは漁業法の審議にあたりまして、私どもは、新漁業法は沿岸漁業のみならず、沖合い、遠洋漁業についても、もつと広汎にして、徹底せるところの規定を設けるべきであるということを質問いたしました際に、沖合い、遠洋漁業については、まだ十分なる調査研究が遂げられていないために、この程度にとどめざるを得なかつたという当局の言明があつたのであります。ところがそういうぐあいに、新漁業法では沿岸漁業、漁業権関係に重点を置いた立法をなさつておきながら、調整審議会の委員の選任にあたりましては、遠洋、沖合い漁業の方の比重が多くなつているわけであります。漁業法の運用の面から言いまして、漁業法の規定しております比重に比較いたしまして、ウエートが非常にずれているという点が見受けられるのでありますが、この点を当局はどう考えておられるか、これが次の点であります。  その次は、漁業従業者の代表として二名あげられておるのでありますが、柳瀬君にいたしましても、あるいは高木君にいたしましても、これらの方々は水産庁企画室事務補佐員、あるいは水産庁漁政部経済課事務補佐員、いわば官僚の補助者、そういう人たちが、はたしてこれが漁業従業者の代表として認定されるかどうかという点に、多大の疑問を私どもは持つのであります。これらの点について、当局の明確なる御所見をお伺いしたいと思います。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本説明員 今回の委員会の委員の選任に対しまする責任という問題でございますが、これは先ほどもお話を申し上げましたように、漁業法第百十三條に明らかなごとく、「主務大臣の申出により」こう書いてございますので、もしこれが不適当であり、またはなはだしく間違つているといたしますならば、農林大臣の責任であり、またそれの最高補助者であります政務次官の責任であることを痛感をいたしているのであります。またこれにつきまして、いろいろ御意見もあるようでございますので、十分に愼重にこの問題は考えたいと思つております。少くとも責任は今申しますように、法の精神から申しましても、農林大臣及びその最高補助者であります政務次官といたしましては、十分責任を痛感するところであります。そのほかの点につきましては、主務当局から御説明を申し上げることにいたします。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 この選任にあたりまして、沖合い、遠洋、沿岸、こういうふうな一応仕組みをとつたわけでありますが、なるほど今鈴木委員から申されますように、漁業法の内容をなすものは、沿岸が非常に多いのであります。そういうことも一応頭に思つてみたのでありますが、漁業従事者の問題もあり、学識経験者の選考もあり、こういう振合いもありますし、また沖合いと申しましても、あぐり等は沿岸と切つても切れぬ面もあるのでありまして、そういう意味からも、実は遠洋、沖合い、沿岸というふうに考えたのであります。幹事といたしましては、鈴木委員の申されるところも一つの意見であると思うのであります。その点も全然考えなかつたわけではないのでありますが、多方面から集めておくことが、中央の審議会といたしましては、大体は漁業制度の改革が議題になるわけでありますが、先般も議題にかけましたような以西底びき網漁業の整理という問題もありますし、その他いろいろ中央的な重要な問題も各般あるわけでありますので、そういう点もにらみ合せまして、この基準のような方法をとつたわけであります。  それから第二に、漁業従事者の点でありますが、この漁業従事者の代表者というものの選定には、非常に苦労したわけであります。とかく有名人というものは、なかなかこういう方面には少うございますし、一つには、あるいは海員組合というような線で選ぶということも考えてみたのでありますが、しかしこれはまた漁業專門でもありませんので、やはり漁業の縁の深い方面から選ぶのがいいのではないかというふうな意味合で、この二人を選んだ次第であります。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 最後に私は意見を申し述べまして、私の質疑を終りたいと思うのであります。  先ほど政務次官からお話がございましたが、このような重大な人事をなされます場合には、本来であれば、衆参両院の委員長に、たとえ参議院の選挙中であつても、十分相談をされまして、国民代表としての国会が真に納得する人選をいたしまして、国会、政府とも相協力いたしまして、画期的なわが国の漁業権制度の改革を円満に遂行すべきであると思うのであります。さきに第七国会で通過いたしましたところの漁港法におきましては、その漁港審議会の委員は内閣総理大臣がこれを任命し、国会の承認を認めるというような規定を設けているのであります。漁業法にはなるほど国会の承認を得るということが明記していないのでありますが、民主政治下におけるこういう重大法制の運用にあたりまして、しかもその中核になる審議会の委員等につきましては、国会の承認を正式でなくとも、非公式に十分了解を得て、政府、国会一体になつて、これらの重要なる制度改革を推進すべきであると考えるのであります。この点につきまして、当局が国会を尊重する意思においてきわめて微弱なものがあつた、十分国会を尊重する誠意が認められなかつたという点を、私どもは非常に遺憾に考えるものでありまして、この点を当局に今後強く要望して、私の質疑を終りたいと思うのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 新漁業法の施行もすでに近づいて参りまして、いよいよその施行に伴つて、中央には中央漁業審議会の委員が任命され、近く各海区には漁業調整委員会が生まれるということに相なつているのであります。このときにあたりまして、審議会の委員の選任を見ました場合に、私は唖然とせざるを得ないのであります。その理由は、先ほど鈴木君が述べられたので、省略いたします。ただ私は坂本政務次官は、遺憾の意を表さなければならぬことは、るる自分の立場から法的に説いて、さもこれは法律にはこうなつているから云々と言つて、その法律をたてにとつてのみ、いわゆる押しつけようとするような感じがいたすのであります。もちろん政務次官といたしますれば、農林大臣が主務大臣であつて、その任命をするのでありますから、その補佐役としては当然のことと言えましよう。ただ参議院の選挙があつたので、いわゆる衆参両院の委員会あるいは委員に諮ることができなかつたことは、まことに遺憾であり、あるいはその人選には相当に盡したのであるけれども、その満足を得ることができなかつたという遺憾の意を表しているのでありますけれども、私たちはこれでは足りません。すなわち二年間といえども、この新発足において、一番大事をとらなければならぬのであります。すなわち愼重を期さなければならぬ。この漁業法の運用いかんによつては、漁業の成否がここに現われるのであります。従つて私たちは中央漁業審議会の委員だけは、少くも事務当局も十分研究もし、さらに事務局たる水産庁において、十分幹部も打合せをし、さらに委員会にも諮り、またそのいとまがないとするならば、少くも委員長をお呼出しいたしまして御相談をして、しかして農林大臣が任命すべきである、私はかように考えておるのであります。聞くところによりますと、この人選にあたつては、おそらく長官は就任早々でありましたから、詳細に御相談を受けるいとまがなかつたのでありましよう。また部長と次長は人選をする場合に知らなかつた、こういうことを外部から聞いております。こういうふうになりますと、掘り下げて言うと、だれが一体その選考に当つたのか、こう私は伺いたいのであります。もし選考に当つた方々が、この漁業法を出して、ほんとうに日本の漁業の発展をはかるとするならば、いわゆる自分を捨てて、あらゆる角度から研究も重ね、さらに上司にも十分相談をし、あるいはみずからが出張して、そして委員長なり委員の優秀な方々に御相談をしてもしかるべきじやなかろうか、私はかように考えるのであります。従つて一体選考の責任はだれであるか。これをまず伺いたいのであります。  それからさらに鈴木委員からも言われましたが、政党色云々ということを指摘しております。この点において私が一点申し上げたいことは、海区の調整委員会は、地方の議員も国会の議員もなれない。中央審議会にはもちろん国会議員は兼職はできない、こういうことになつております。その理由は何であるかというと、この法律が政治家によつて蹂躙されるのではなかろうかといつたようなことも、司令部で相当に苦慮しておつたのであります。従つて私たちは、どこまでもこの審議会の委員というものは、政党色の絶対ない者ということを考えております。ところが鈴木君も指摘されます通り、ほとんどが社会党、はなはだしきに至つては赤を帯びておる者もおるといつたようなことで、この人選はまつたくなつておらぬ、私はこう指摘するのであります。従つて私は、先ほど坂本政務次官が、相当の理由があれば云々といつておりますけれども、この選考にあたり、中央漁業調整審議会委員選任に関する件といつて方針その他を並べておりますし、これにはなるほどわれわれの考えました通り、項目にはりつぱにあげておりますが、内容はそうでない。実際に社会党系が多く、しかもこの中には他方面から承りますと、最近まで赤であつた、それがカムフラージュして社会党系になつておる者もあるというようなことを聞いております。でありますから、こうしたような人選をしましたということは、われわれはこれはとうてい許さるべき問題でない。かりに農林大臣が任命をするといたしましても、この要綱等に違反した場合、つまり違つておる場合は、すみやかにかえるべきである。二年という時間を私は待つておることはできない、かように考えておるのであります。従いましてこれはその事実を今ただちに委員会において調査をいたしまして、あなた方に御相談をして、その事実が事実として現われた場合は、ただちにかえることを私は要求をいたすのであります。ただいままで申し上げたことについて、長官並びに次長あるいは部長は、はたして相談を受けたかどうか。受けたとするならば、その選考に間違つた人選をした場合においては、その責任をいかにするかという問題を、御答弁願いたいのであります。

家坂孝平水産庁長官

○家坂説明員 ただいま事務当局の選考の責任の問題について、川村委員からお話がありました。いろいろ先ほどから選考についての難点をお伺いしたのでありますが、私も就任早々ではありましたが、よく次長、部長、担当課長等から相談を受けまして、私としましても、のみ込み得ました案を作成して大臣に申し出た、かように私はとりはからつておるのであります。私は長官としては十分責任を感じておるのであります。  それからなほ政党色の問題でありますが、実はこの点は私もはつきりこの方がどういう政党関係の方であるかというその度合については、十分に吟味をしなかつたきらいが、私にはあつたようであります。この点いささか私も深き考慮を欠いたかとも思いますが、しかし私の選考いたします考え方としましては、とにかく先ほど申し述べました選考基準によりまして、政党色というようなことは少し考え方が薄くあつたかもしれませんが、あの基準によりまして、業種別、あるいは地域別、あるいは学識経験者というような、この三つの観点から、細部の案を私が肯定いたしまして、そうして大臣に申し出た、かような経路になつておるのであります。その点御了承を願いたいと思います。

川村善八郎自由党

○川村委員 長官や部長、次長等はそうしたおざなり主義の御答弁が多分あるものと思つております。しかし私ははつきり長官に申し上げます。次長に申し上げます。私が行つた時分に、実は就任早々でめくら判をつきますとあなたは言つた。はつきり記録に残しておいてください。次長も実はそれは知らなかつたと言つておる。私が今この席上で指摘するまでもなく、もう少し良心的な答弁をあなた方はしてもらいたい。知らなかつたら知らなかつたでよろしい。そうして責任のあり方を調べればいいけれども、この審議会の委員は、漁業法にとつては一番大事な委員であります。すなわち地方の調整委員会で解決のつかないことを、おもにこの審議会で解決をつけなければならぬ最大の機関であります。そうしたような機関の委員を選ぶにあたつては、あなたが多分知らなかつたのは事実であります。あなたははつきり申した方がよろしい。正直の方がよろしい。今後も不正直にしておると、一も二もなく長官は不正直だから、あの長官の言うことはほんとうでないということになれば、この委員会はどうなるか、あなたはお考え願いたい。次長もその通りであります。次長も、私も実は知らなかつたと言われる、そうしますと、どなたかその責任があるはずであります。言いかえるならば、久宗君と松元君が選考したとはつきり言つた方が、あなた方は正直でよろしい。であるから私はそうしたような責めまで負うよりも、実は私たちも軽卒であつた、今後十分にこれを研究調査をいたしまして、そうして農林大臣に相談をして、しかるべく善処しようと言つた方が、むしろあなた方はいいのじやなかろうかと思います。御参考までに要望しておきます。

石原圓吉自由党

○石原(圓)委員 私は漁業法すなわち漁業権につまして、日本のいわゆる漁業法、漁業権が大革新をされると思います。従つて常任委員会におきましては、愼重に愼重を重ねて、その法律ができたのであります。そうして一時漁業権は漁民から全部国が取上げて、空白状態にしてさらにこの人たちによつてきめようというのであります。さような日本の漁民全体の将来の安定に関しておるところの重大問題であります。これに対する先刻来の鈴木君、川村君の質問に対する次官、長官、次長等の御答弁は、まことに御同情にたえない点があるのであります。そこでこの責任をどうするかという問題につきましては、先刻次官は、次官も責任を負う。農林大臣も責任を負うと申されましたが、すでにその当時の農林大臣はもうおやめになつたのであります。聞くところによれば、次官ももう遠からずお変わりになるという。しからば一体だれが責任を負うか。私はここにおいて委員長に希望を申し述べます。この会合は新大臣の出席を求めて、そうして愼重に審議をしておく必要がある。一面またこの問題のよつて生ずる根源をただす方法を、委員長において講じられたい。この二つの問題を委員長に提案をいたします。  また次官は、二年で交代すると申されるけれども、この二年の間が、日本の漁業権の一番大事な時であります。この二年が済んだ以後は更新期で、更新をしておればそれでいいということになる。そういう重大なときにかかる人人を選んだのには、いかなる根拠があるか、理由があるかということを、われわれ委員はあくまでたださなければならぬのであります。日本の全漁民のためにたださなければならぬのであります。よつてこの二つの問題を私は要望しておきます。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 委員長からお答えいたします。ただいまの石原委員の御要望は了承いたしました。さようにとりはからいます。

坂本實自由党農林政務次官

○坂本説明員 ただいまのことについて簡單にお答え申し上げます。今御指摘のありました通り、この責任者であります農林大臣はすでにおやめになつたのでありまして、また政務次官も近く更迭があるようであります。当然これは新任者ができると思いますが、しかしながら、法の精神はあくまでもその省の主務大臣ということであるのでありまするから、新大臣にもただいま御指摘になりました通り、皆様方の御意見を十分申し述べていただきまして、またそういう角度から再検討を願う必要もあろうかと思います。私もいろいろその後の経過につきましては、詳細新大臣にも御報告は申し上げてある次第でありますので、御了承願いたいのであります。

玉置信一自由党

○玉置(信)委員 私はこの議題になつております問題と、次は金融……     〔「それはあとにせよ」と呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 金融に関してお述べになるのですか——金融関係でしたら、もう少しお待ちください。

玉置信一自由党

○玉置(信)委員 いまの議題になつております問題につきましては、ただいま石原委員から御発言のありました通り、私も申し上げたいと思つておつたわけであります。従いまして、新農林大臣の出席を求めて、農林大臣のもとにこうした問題を質疑をいたしたいと存じております。ただいま政務次官からの御答弁がありましたが、もとより大臣はかわらない。人がかわつただけで大臣というものはかわつていない。従いまして、大臣の責任というものはあくまで残つておるわけでありますので、こうした問題は大臣御列席のもとに糾明すべきであると思うのであります。この問題については私も保留をしておきます。  なお私は水産長官によつての、水産政策あるいは金融問題、現下の重要な施策について、所見をただしたいと思いますが、これも一応あとにまわすとして、私の発言を中止します。

松田鐵藏自由党

○松田委員 先ほど川村委員からこの責任の衝に当つた者はだれであるか、久宗課長、松元事務官がこの衝に当つたのであろうというような御指摘があつたのであります。この点に対しわれわれ委員会といたしましても、まずこの内容をはつきりと知つておきたい。かように考えるものであります。まずこの両者から詳細な人選に対する内容を具陳を願いたい。かように考えるものであります。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 この場合皆様にお諮りいたします。当局の選考責任者はだれだれというふうに指摘になつてお尋ねになつておりますが、内容は人事関係でありますから、速記をとりますか、それとも速記を中止してお聞きになりますか。     〔「速記をとります」と呼ぶ者あり〕

坂本實自由党農林政務次官

○坂本説明員 ただいまこれの選考の衝に当りました者から一応経過を聞かしてくれというような御要望があつたのでありますが、いろいろ個人的な人の問題についてかれこれかような席で言うのもどうかと思いますが、一応の経過につきましては、事務当局から御説明いたしますのでお聞きとり願いたいと存じます。

松田鐵藏自由党

○松田委員 私はその経過は要綱に現われおることであつて、われわれも概要は納得しておるのであります。ただ問題になつておるものは、この委員の顔ぶれの問題であります。私はここで非常に奇怪に思つておる人もあるのであります。それは私自身名前をあげましよう。富山県の安居という委員であります。かような点から行きましても、これは私は虚偽の申請を特にさしたものではないか、かように考えられる節もあるのでありまして、かような人人は調整審議会の委員の資格のないものと、私は考えておるのであります。私どももここに委員会の責任ある立場において発言をする以上は、相当の資料を持つておりまして、かような点から行きまして、概略はもはや知り盡しておるのであつて、その個人々々においての略歴をはつきりと御説明を願うことによつて、委員各位も納得の行くことと存ずるものでありますので、この点を御説明を願いたい。かように考えるものであります。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 ただいま松田委員から御指摘のありました安居篤幸氏の……(「全部やれ」と呼ぶ者あり)  それでは一括いたしまして御説明申し上げます。最初政務次官からお話のございましたように、選挙制でございませんので、法的には、ただ漁業者あるいは漁業従事者代表、学識経験者五名と出しておりますので、その内訳を一応固めたわけでございます。それにつきましては委員選任に関する件のところで、「選任にあたり特に考慮すべき事項」として八つの項目を掲げました。その1は中央における選任方針は、海区漁業調整委員会におきましても選挙制によらざる委員がございますので、それにも非常に影響があるということから、その点を特に考慮いたしまして従来のごとく官庁機構の延長のごときものではなく、真に民主的な審議会たる性格を顯現することに書いたのでございます。これは非常に抽象的でございますが、はつきり申し上げますと、役所関係の者がそのまま委員になるといつたようなことのなるべくないようにするということでございます。  それから2の「国際的な考慮をはらうこと」と申しておりますのでは、これは海区の問題とか、あるいは今後の漁区拡張といつたような問題もいろいろ考慮に入れなければなりませんし従来の日本漁業の弛緩されておつた問題、その他いろいろ関連して参りますし、また特に国際関係がございますので、これを考慮に入れたわけでございます。  それから3の「新人の登用を特に考慮するが、審議会全体としてのバランスを考慮すること」というのは、どうもはつきりいたしませんが、これはこういうことであります。つまり新人でなければならないとか、あるいは従来の知名の方であつてはならないとかいう、そのどちらでもないという意味でありまして、全体の構成からそのバランスをとつて行きたいということであります。  それから4は「可及的に中立、公正な人物本位の選任をすること」、これは申すまでもないことであります。  それから一番問題になりますのは、5の「業種、地域、階層の要素を可及的に組み入れること」、この点は末端の海区の委員会とは若干違いまして、中央の委員会におきましては、遠洋、沖合、沿岸といつたような問題、さらに北海道、九州といつたような問題、こういうものもございますし、法律には「漁業者及び漁業従事者」となつておりますので、階層の問題も出て参ります。これを十五名の中で何とか組合せまして、全体のバランスをとらなければならないということが非常にむずかしいわけでありまして、この点が一番問題になろうと思うのであります。  それから6、7、8は、学識経験関係の問題でございますが、特に問題になつております資源関係のエキスパートを入れること。それから全体といたしまして、この制度改革は経営問題に関連しておりますので、水産経済全般の角度からこれを見られるようなエキスパートを入れたいということと、最後に補償問題にも関連いたしまして、水産金融関係との連絡というものが、やはりこの中にあつていいのではないかということから、この八項目を掲げたわけでございます。  これによりまして実際に委員の選任についての定員の割当をやつたわけでございます。そこで遠洋漁業関係二名、沖合漁業関係二名、沿岸漁業関係二名、協同組合関係二名、漁業従事者二名といたしました。これは先ほど遠洋に偏重するのではないかという話もあつたのでありますが、全体として制度改革の中で協同組合というものが大きな筋で動いておりますので、この協同組合関係におきましては、むしろこれが沿岸を別の角度から見たものになつて来ると思うのであります。それで学識経験の方では、先ほどの基準に従いまして資源関係の方一名、内水面関係の方が入つておりませんのでそれが一名、それから漁村運動家と書いてございますのは非常に妙な表現でございますが、これは漁業者代表という方では一応漁民資格ということが問題になりますので、実際には長年協同組合の役職員ということで御指導なさつて来られたような方で、漁民資格がないというような方を——第一の範疇の中には法律的には代表となつておりますので不可能ではありませんが、入れない方が適当であろうということで、ここで長年協同組合運動を重ねて来られたような方を入れるというふうに考えたわけであります。それから今の経済関係と金融関係とで計十五名のわくができておるわけであります。これによりまして各委員のわくづけができておるわけでございます。これは遠洋、沖合、沿岸の中がさらに業種でわかれておりますので、それに従いましてこの経歴を申し上げるようにいたしたいと思います。  まず一番最初の前根壽一氏と原捨思氏、お配りしてあります氏名の上にはわくづけができておりませんが、これは遠洋関係ということでございます。それで遠洋の中のさらにこまかいわくではトロール以西底びき網関係から一名来ております。それからかつお、まぐろの関係から一名来ております。それで前根壽一氏でありますが、これは皆様御存じの方で、特に御説明するまでもないと思います。それからかつお、まぐろの関係では原捨思になつております。この方も遠洋でございます。これも御説明するまでもないと思います。ただあとで申し上げますが、これが同時にある程度地域を代表することにもなりますので、地域の方はまとめて申し上げます。それから次の西上重弌氏は沖合関係でございます。沖合の二名のうちの一名、沖合漁業では以東底びき網と揚繰網関係にわくを決定いたしておりますので、西上重弌氏は以東底びきの関係でございます。この方は御存じの方がもちろんあると思いますが、それを申しますと、日本機船底びき網漁業協会の理事をしておられます。末端から申しますと香住町の漁業協同組合の專務理事をやつておられまして、同時に但馬漁業協同組合の理事もやつておられます。さらに兵庫県におきましても機船底びき網漁業協会の副会長をやつておられまして、中央におかれましては今申し上げました日本機船底びき網漁業協会、それから以東底びきの中央団体の理事をやつておられます。これは兵庫県と申しましても日本海側になります。次の菅原順平氏は揚繰関係の方でございます。県は岩手県、この方は気仙郡の漁業協同組合連合会長、理事をやつておられますが、同時に岩手県の旋網漁業協会長をやつておられまして、同時に日本旋網漁業協会の常任理事でございます。西上さんと菅原さんとが沖合関係になるわけでありますが、いわゆる中堅どころというかつこうになるかと思うのでございます。  それから次の伊達醇吉氏と安居篤孝氏が沿岸代表であります。沿岸漁業の漁業別の割振りは定置から一名、定置以外の小漁業から一名ということになつております。  まず伊達醇吉氏でございますが、この方は北海道の増毛漁業協同組合の理事でございまして、副会長をやつておられる方であります。この方は年齢も非常に若いわけでございますが、出生年月日はすぐあとから申し上げます。北海道の漁業の重要性ということがこの委員会に反映されなければならないわけでございますが、それと同時に、この関係では、ここではあとで申し上げます米沢勇氏と伊達さんが北海道関係から出ております。伊達さんは増毛でもつて、にしんの定置漁業をやつておられ、さらにその他の雑定置もやつておられるわけであります。  次の安居篤孝氏は、これは富山県宇波村漁業会漁業権管理委員会委員ということでここに出ておりますが、この方が非常に問題になつておるわけであります。これにつきましては……

石原圓吉自由党

○石原委員 速記に残るのだから正確なことを言うておいてもらわぬと、君自身で困るぞ。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 安居篤孝氏について申し上げます。安居氏は富山県氷見郡灘浦の方でありますが、青年期に一時定置漁業を経営したことがあるのであります。後米国に学びまして、終戰後自村に帰つて農業とともに小漁業、これはいわし流し網、地びき網を営んでおるのでございます。これは共同経営であります。この方が出て参りましたのは昭和二十二年当時、まだ政府案が公式に発表されておらなかつた当時、民間で各種の御議論があつたわけであります。当時の中央水産業関係の方が中心となりまして、漁業制度改革についての全国水産業団体の大会が開催されたことがあります。その席上で各方面の方がいろいろ議論を述べられたわけでありますが、安居氏もその際に漁業制度改革について意見を述べ、相当注目された方なのであります。次いで水産業協同組合法案について、衆議院におかれまして公聽会が開かれました際にも、公述人として出て来られ、さらに漁業制度改革についての法案については、参議院において公述人として出て来られて、議論をしておられるわけでありますが、その内容は公聽会の速記録にも残つておりますように、相当思い切つたことを言う方であります。中央において、制度改革全般について相当の意見を持つた方であるということは言えると思うのであります。それから問題は安居氏の政治的な立場でございますが、この方は不偏不党をモットーとし、それを具体的に実行しておられる方であります。これは先ほど漁民組合の問題が出たのでありますが、安居氏は富山県におきまして漁民組合を組織し、またその規模は大きくございませんが、連合会の会長をしておられます。

松田鐵藏自由党

○松田委員 漁民組合の会員は何人か。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 それについてはあとから申し上げます。

松田鐵藏自由党

○松田委員 十六人ではないか。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 もつと多うございます。  いずれにいたしましても、今漁民組合に触れましたのは、一般に漁民組合につきまして、社会党で漁民組合を組織化したことがあるわけであります。その際に富山県の漁民組合、ことに安居氏のやつております漁民組合をその傘下に入れようといたしました際に、漁民組合の運動はそういう政党政派の影響の中にあるべきでないということで峻拒しております。現に社会党との関連はそういう形で切つておるわけであります。それは党のいかんにかかわらず、いずれにしても政党政派の影響の中にあるべきではないということで切つておるわけであります。また氏が共産党員ではないかという評があるようでございますが、これは事実無根でございます。ただこのような評の起りましたのは、御承知の通り、富山県特に灘浦は漁業権問題が非常にむずかしいところでございまして、従来紛争の絶えない土地であるわけであります。また現在の現行法の運用におきましても、厳密に申しますと問題になるところでございます。そういうような点から、安居氏が県当局また当時の農林大臣、関係方面にも意見書を提出するといつたような行動がありましたので、はつきり申しますと、相当うるさい人物というふうに考えられがちであり、それが非常に誇張されて伝えられたものではないかと思うのであります。いずれにしても、私どもの調べましたところにおきましては、共産党との関係は明確にないのであります。それが今の安居氏の問題であります。  これでいわゆる遠洋、沖合、沿岸という部分はこのわくになるわけでありますが、さらにこれと別に協同組合を代表する者というわくをこの基準の中に設けてあります。それは一名は單位組合からお出しするのがいいのじやないか、それから一名は連合会の関係からお出しするのがいいのじやないか、こう考えまして、同時に漁業権の内容につきましては、定置だ、区画だ、特別だといろいろありますので、実は区画漁業権あるいは共同漁業権の内容になると思うので、それを代表する者を、どこを入れようかという問題があるわけであります。そこで御承知の通り、宮城県は非常に区画漁業権あるいは共同漁業権の複雑なところでありますので、そこの関係の方と考えまして、従来やはり国会における公聽会にもたびたび出てこられて意見を述べております宮城県鹿折協同組合長の小野寺慶一氏をお願いしたらどうだろうかと考えたのであります。

石原圓吉自由党

○石原(圓)委員 これは何を代表するのですか。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 協同組合の單位組合でございます。と同時にいわゆる区画漁業権というものも詳しく知つておられる方と考えていいのではないか、同時に非常に複雑な入漁関係、こういうようなものも宮城県の気仙沼湾といえば、そういうものの代表的な地域とも考えられるので、お入れしたわけであります。  それから次の米沢勇氏は……

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 ちよつとお尋ねします。先般の第七国会におきます協同組合法の改正で、協同組合の事業と競業関係に立つ仕事をやつておられる方は組合の役員及び主要職員に就任禁止の規定が設けられておるはずでありますが、小野寺氏は気仙沼湾北魚市場株式会社の監査役をしておるようであります。この方は漁業協同組合法によつても協同組合と競業関係に立つ魚市場会社の重役でありますから、これは就職禁止さえ受ける人であるわけでありますが、この方が協同組合の代表ということはちよつとふに落ちないと思いますが、その点はどうですか。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 この点は鈴木委員並びにほかの委員の方に御了解願います。一応説明していただいて、今のような御質問を一括して御答弁願います。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 次に米沢勇氏の問題でございますが、この方は今のわくで申しますと、協同組合のうち連合会を代表する方ということであります。同時に全体の中で北海道の漁業のウエートと申しますか、そういうものがやはり地域から申しましても相当強く反映させる必要があるということから、ここに米沢氏と伊達氏の二名が入つておるわけでありますが、北海道の漁業を総括的に代表する者といたしましては、北海道の漁業連というものが当然考えられますし、同時に連合会の中の一番大きなものでもございます。そういうような点から、米沢氏をお願いしたわけでございましてこの点先ほど社会党云々という問題が出たわけでありますが、この二つの條件を満足させるということの方を重要視いたしまして、それが社会党に属するということが、必ずしも中央漁業調整審議会の委員たるの資格に相反することはないというふうに了解したわけであります。  ただ政党色という問題につきましては、特に考慮すべき事項の中で、可及的に中立、公正な人物というので、おのずから範疇はあるものと思うのでございます。今申しましたわくづけの方は、お配りしました方針の次にございますからそれから見ていただきたいと思います。  次に柳瀬氏と高木氏は従事者代表であります。柳瀬氏は船長でございまして、現在船に乗つておるわけでございますが、先ほどちよつと次長からお話しましたように、従事者の代表というものに、何かそういう継続的な団体を代表さして出すという出し方もあると思いますが、漁業の方の労働関係と申しますと必ずしもそういう団体から出すのが適当かどうか、むしろ内容的に考えた方がいいのではないかと考えまして、個人の経歴に重点を置きました。また中央に参りましても、十分発言のできるような方ということを考えたわけであります。そこで柳瀬氏を選びましたのは従来船舶職員法その他を改正いたしました場合に——これは運輸省所管でございますが、常に漁業関係からの労働者の代表を出してくれというお話がたびたびあるのであります。ただ漁業労働者関係では、いわゆる下から全部積み上げた中央団体というものがございませんので、いかになすべきかは非常に問題であつたのであります。そこで当時一番船舶職員法関係で問題になりましたのは、トロール船長の中から柳瀬氏が中央に出て来ていろいろ発言をしておつたわけでございます。この審議会の委員会を通じまして、柳瀬氏の発言がきわめて適切であり、漁業の特殊性を盛り込むのに非常に力があつたわけでございます。これは経営者代表として出られた関係の方もひとしく認めるところでございまして、どういうような所論を持つておるかということも、一応全部公式にわかつておる方であります。従つて今度の中央審議会におきましても、遠洋関係で意見を述べていただくというのに最も適当ではないかということでお願いしたわけでございます。  高木氏は沖合あるいは沿岸の従事員を代表するものとして考えております。茨城県の波崎の方であります。高木氏につきましても同じ考え方でありまして、この一人々々の経歴を問題にしたわけであります。この方は波崎で主として揚繰網を中心といたしました漁民組合の組織をした方であります。この漁民組合は非常に着実な発展を遂げたのでありまして、これが設立の記念日には、関係方面の労働係がわざわざ波崎まで参りまして、メッセージを贈られたというような、きわめて堅実な漁民組合でございます。そこでまたこの方の公的な経歴でありますが、漁業労働に関する労働法規でありますところの船員法をいかに漁業法規に適用するかといいます場合に、やはりこれは中央でも各種の審議会を設けまして、議論をしたわけであります。その際に漁業関係の特殊性を主張して、型通りの適用は困るというような意見を述べたわけでありますが、高木氏は漁業労働の内容を詳細に述べて審議会の委員といたしまして縦横の活躍をしたわけであります。この点も同時に経営者代表としておいでになつた方々にも、十分その真価が評価されておるわけでありまして、従事者関係の方でありますから、ことに中央の団体の役員でもございませんし、いわゆる有名ではございませんが、その真価は漁業経営者の方、ことに大きな方たちの間では、相当に評価されておる方でございます。また従つて今の高木氏につきましても、その思想傾向はどうなのかといつたような問題も出ておるようにお聞きするわけでありますが、この方も今申し上げましたように、漁民組合が政党政派の影響下にあることはまずいというので、非常に厳密に峻拒しておられます。その意味で漁民組合としてもきわめて堅実なものとして、関係方面からもメッセージを贈られるといつたような事情にあるわけであります。以上が漁業及び漁業従事者を代表する方の十名のわくづけとその具体的な経歴の大要でございます。  それから学識経験ある者と申しますのは五名ございますが、ここでは先ほど申しましたように、資源関係といたしまして、日本水産の付属研究所の笠原氏が資源関係のエキスパートとして出て来ております。この方も非常に年齢は若いのでございますが、いわゆる資源関係では、やはり学者の方に出ていただくのが一番適当じやないかと思います。いわゆる官庁系統というものだけではなしに、実際の民間研究機関で相当つつ込んだ研究をしておられるという方に出ていただくのが、その委員会の性格上よいのではないかということで、笠原さんをお願いするということになつたわけであります。  それから檜山氏は、これは内水面の関係ということになります。内水面につきましては、業種の方には入れにくい問題がございますし、根本的にはやはり内水面の生産力をどうするかという問題にもなりますので、ほんとうに内水面の生産力というものを学問的に長年研究しておられる檜山さんにお願いするのが最も適当であろうということで、お願いしたわけであります。檜山さんは内水面協会にも関係しておられますし、各国の内水面制度についても非常に明るい方であります。第三番目の溝淵さんは香川県の漁業協同組合連合会長でございます。ここに溝淵さんが出ておられますのは、先ほど申しました漁村運動家ということであります。長年協同組合運動でたたき上げた方でありまして、現在は連合会長をやつておられますが、漁業から離れておられますので、第一の漁業者の代表という方には入れにくい。これは海区委員会のように漁業者というように明確になつておりませんので、漁業者の代表ということにこちらでもつて考えることができるわけでありますが、建前はこれをなるべくわけた方がよろしいということで、こちら側に入つておられます。同時にこの方は北海道と並んでもう一つの大きな日本の型である瀬戸内海をある程度代表し、それから四国を代表するという形になつて来るわけであります。  それから次の岡本清造氏は漁業経営に関するエキスパートということで入つておられます。この点につきましては、岡本氏が永年漁業経営の問題について詳細な研究をせられ、同時に漁業権調査という画期的な調査の事実上の立案者であります。漁業権その他のセンサスにつきましてはエキスパートでありまして、そういう意味から申しましても、漁業権の内容も知つておるし、同時に漁業経営というものを全般の形から見ていろいろ御意見が伺えるのではないかということからお願いした次第であります。  最後に湯河さんは、私からお話しするまでもなく、農林中央金庫の理事として金融、ことに系統金融ということからお願いしたわけであります。  以上大体要綱に基きまして割当てたわけでありますが、これによつて地域と業種と階層をある程度網羅し得ると考えるのであります。先ほど県別を申し上げましたが、もちろん各県から一名ずつということになると人数の点で困るので、やはり大きく地域で北海道とか九州という形でお考えになつていただかたければならないと思うのであります。

石原圓吉自由党

○石原(圓)委員 地域代表という点から申しまして、沿岸漁業の代表は北海道の伊達、富山の安井という二人のようですが、その場合に太平洋にありましては鹿児島に遠洋漁業のかつお、まぐろの代表者がおる。それから宮崎、大分、愛媛、高知、徳島、和歌山、三重、愛知、静岡、神奈川、東京、千葉、茨城、この間の太平洋の一番大事のところには、沿岸を代表する者がおらぬということは、これはどういう考え方でありますか。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 限られた人数の中で割振りますので、もちろんそういつた完全に地域も業種も代表するというわけに参らないと思います。ただここで申し上げますと、今の東海関係が特に代表されていないという感じをお持ちになると思うのであります。そこでこの点はかつお、まぐろというものを考えました場合に、たとえば原さんが鹿児島県を代表しておるということでなく、かつお、まぐろ漁業を代表していただく。やはり遠洋関係では何県からどなたが出ておるということでなしに、相当大きな海区を代表していただくというように考えざるを得ないのではないかと思うのであります。

石原圓吉自由党

○石原(圓)委員 そういうことを尋ねているのではない。沿岸漁業の代表者を尋ねておるのです。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 沿岸漁業という名前では二名になつておりますが、協同組合というわくが別に二名ございます。これは実際に当つていただけばおわかりになりますように、これはまさに沿岸漁業なのでありまして、また従事者関係も高木氏は沿岸、沖合いということで考えられております。

石原圓吉自由党

○石原(圓)委員 共同漁業といつても、宮城県と茨城県が出ておるだけであつて、私が指摘したところの十四県には一人も出ておらない。共同漁業も出ていなければ、沿岸漁業も出ておらない。ちようど日本の半分にあたるところには何の代表者も出ていない。ただ遠洋漁業の代表者だけである。かかる不公平な、へんぱな処置をとられて出したという、その理由を説明してもらいたい。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 この点につきましては、最初の委員選任に関する件という項に基きまして、委員選任についての割当をした、この割当の基準がいけないということで問題になつたことと思いますが……。

川村善八郎自由党

○川村委員 久宗課長に根本問題をお伺いしたいのですが、私たちは漁業法を審議するにあたつては、共同漁業権、定置漁業権、区画漁業権に重点を置いて審議したのであります。もちろん特殊なる一部の沿岸漁業もあることははつきりしておりますが、あなたが御選考にあたつて、この要網は要網として、これは最も公平な扱いをするためにつくられたことは事実でありますけれども、あなたは漁業法の立法者として、一体どこに重点を置いて考えておられるのか、まずそれを伺います。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 漁業制度改革の重点はどこかというお話でございますが、それはもちろん沿岸漁業にあるわけであります。ただ沿岸漁業と申しましても、実は沖合い漁業と切り離し得ない。そのために委員会におかれましても、沖合い関係の漁業についてなぜこれを制度化しないかというお話が出たのでありますが、今の以東底びきから、揚繰まで含めました、沿岸、沖合いの混乱した事態を考えますと、これはやはり沿岸漁業から固めて行かなければならない。漁業計画を通じて固めて行かなければならない。その中で漁業制度が漁民の自主的な組織によつて意見ができて来て、それを制度化して行くのがほんとうではないかということで、規定は設けておりませんが、どこに重点があるかと仰せられますと、沿岸漁業から固めて行つて、沖合い漁業を解決しようというというところに重点があるのであります。そこでここにも沖合いということを出しておるのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 もちろん委員会で沖合い漁業の漁議権をなぜ織り込まないかという意見のあつたことは事実であります。しかしながら現在の法律はいわゆる沿岸漁業につきましても定置漁業権、共同漁業権、区画漁業権に重点を置いて立法されております。従つてこの立法の精神からいつて、まず私はそれに重点を置いて審議会の委員を選ぶべきである、従つて従たるところの、将来のいわゆる漁業権にこれを織り込みたいという御意思があるならば、私は一人でたくさんだ。それからさらに学識経験者からも一人でよろしい。現在の漁業法の運営を完全によくしようということから審議会の委員を選ぶときにおいて、将来にあまり飛び過ぎてしまつて、遠洋漁業に重点を置いたような委員の選任の仕方がいいかどうかということを、まずもつてあなたによく伺いたいのであります。もちろん、われわれは将来は漁業権というものは、現在許可漁業権となつておるものものも、全部漁業法に織り込んで行かなければならないという構想はあるのでありますけれども、とりあえず、漁業法というものは四つのいわゆる漁業権に限られておるというところにはつきりしておりますので、その四つの漁業権を審議するために、この中央漁業調整審議会をつくつてその委員を選ぶべきじやないか。従つて将来の問題については、ごく少数の範囲において委員を選任すべきでなかつたか、私はこれをお伺いしたいのであります。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 いろいろ御議論があると思うのでありますが、この中央漁業調整委員会は、もちろん、指定遠洋漁業につきましても所管がございますし、また個々の沖合い漁業、遠洋漁業についても、奨励をされます場合に、この中央審議会の意見をお聞きすることになりますので、全然これを入れないというわけには参らないと思うのであります。そこでもちろん重点は沿岸のところから固めて行くということになりますと、やはりその経営の面から見ましても、協同組合というものを一つの組織として個人営というものをあやとしてこれで行くことになると思うのでありまして、この中で申しますと、しいて申しますと、沿岸の漁業者としての割振りは遠洋二名、沖合二名、沿岸四名ということと同義語だろうと考えます。協同組合というわくを設けておりますが、実質上これは沿岸漁業の代表と同じ考え方でございます。

川村善八郎自由党

○川村委員 四名と四名で大体そのわくが当てはまつておるということは、私はあなたが立法の衝に当りましたその責任者として、あなたの口からそういうことを聞くということは不快千万であります。なぜならば法律に定つておるこの漁業権のいわゆるあり方をどうするか。それによつて将来の日本の漁業経営をどうするかという問題が根本になるのでありまして、将来に向つて織込もうとするものを半分、それからさらに現在の漁業権のあり方あるいは漁業をどうするかという問題についての審議をする者を半分、いわゆるあなたの数の上から行つたらそれでいいかもしれませんけれども、漁業法の精神から言つて私はそうでないと思う。やはり重点は沿岸漁業、すなわち定置あるいは共同漁業権、区画漁業権、こうしたようなものに重点を置いて、沖合漁業なりあるいは遠洋漁業なりからは一人ずつでよろしい。いわゆる調整をとるために、すなわち学識経験者というものを出すのであるから、私はそうしたような行き方こそ初めてバランスがとれるのじやなかろうか。言いかえれば学識経験者というものは、ほんとうに審議会の中立の立場に立つてこれを判断する。そういうところに学識経験者を入れるという意義がある、かように考えますので、この点はあなたと非常な意見の食い違いがありますが、あなたの方の選考の仕方は、ただ数において公平だということになりますれば、先ほど石原委員から言われたように、十四県から一人も出ていない、この沿岸の漁業をどうするかという問題も出て来ると思うのでありますから、この点はあとでわれわれ十分研究して、さらに久宗君と意見を十分調整したい、かように考えております。

長谷川四郎国民民主党

○長谷川委員 お話を承つておりますと、いろいろ奇怪千万なお話がたくさん出て参りました。もちろん久宗課長は、漁業制度改革は非常に大きな問題である、これを念願として幾多資料をお集めになつたことと思うのであります。従いまして、法文にある通りに、上官というか大臣の命令によつて、久宗課長はあらゆる点からこれを収集いたしまして、そうしてその人選をするのが、すなわち主務大臣の役目でなければならないと思います。しかるに本日の委員会において、一党一派に偏したところの人選を行つているがごとき言葉を聞くので、いつ自由党の諸君は野党になつたか、実に私は奇怪千万であると考えているのでございます。もとより主務大臣の申出によりまして、内閣総理大臣がこれを命ずるということになつているので、従つて私はただいま久宗課長からのいろいろの説明を聞くことすらもわれわれの周知するところではないというように感じているのでございます。この点について、先ほど次官は、大臣の権限においてこれを十分考慮するということを申されております。従つて私たちが今ここでこの論議をかもしたところで、もうすでに事は遅いと言つてははなはだ失礼でありましようが、次官の言葉の中には、大いなる含みがあると私は思うのであります。この点についてお気に入らないところの、またいろいろな思想の面ということがあるならば、当然次官の責任においてこれらは考慮すべき必要があるのではないかと考えておるのであります。  さらに久宗課長のこの説明は、われわれいくら聞いておつても必要のないことを聞くのでありまして、久宗課長は大臣の命令によつてあらゆる人材を収集いたしまして、これではどうだ、あれではどうだということをおそらく言つたのだと思うのであります。でありますから、まず私は久宗課長への質問を、自由党の各位が御用だどいうならば、自由党の方へ持つて行つてゆつくり御質疑あらんことをお願いいたします。この委員会は自由党の委員会ではございませんので、私たちはそれを久宗さんに聞くということよりも、大臣に直接これは聞かなければならないことだ。ちよつと、ポイントが違つてやしないかというふうに考えますので、その点において一言申し上げます。

早川崇国民民主党

○早川委員 私はこの案に対して私の考えを簡単に申し述べて、政府の善処を要望したいと思います。この人選をながめますと、率直に申しまして政府のお手盛りの案でありますというよりは、むしろ久宗君あたりの個人的な好みによつて人選が行われておるという印象を受けるのであります。そういう意味から申しまして、この人選に対する私の反対の意見は、第一にはこの中に経済課の事務補助員二名まで入つておりますが、これは審議会における官僚支配を策する印象を強く受ける。従つてこういう経済課に関係のある人を入れること絶対反対。それから第二は、石原委員も適切に指摘せられましたが、地域的な公平さが全然考慮されていない。たとえば、業種別を別にいたしましても、富山県が二人あつたり、兵庫県出身者が二人あつたり、それにもかかわらず十四県、太平洋沿岸が全然ない。これはどう考えても公平な審議ができない、かように考えます。さらに政党色の濃い人がおありだという話でありますけれども、これに対しては共産党系、社会党系の人なればもちろん反対でありますが、同時に自由党の党友であるとか党員であるとか、これはあるのかないのかさつぱり論議されませんでしたけれども、なければまことにけつこうでありますが、これは一方的に論議をされない。いずれにいたしましても中立、公平という趣旨を貫かれて再審議を願いたい。  以上三点が私のこの問題に対する意見でありますけれども、この漁業法におきましては主務大臣の権限になつておりますが、これだけであくまできまつたものをやるというならばおやりなさい。われわれは行政監督案持つておる。非常に不公平なお手盛りの久宗君の好みのような印象を受ける委員を、あくまでこの常任委員会の意見を無視してお通しになるというならば、われわれにも覚悟がある。従つてこの問題に対して水産庁長官は、国民代表であるわれわれ常任委員会の強いこういう希望意見をどう取扱うか。先ほどの政務次官のお話では、主務大臣の権限だからというので、そういう点においてごまかそうとしても、断じてこれはごまかせない。常任委員会は一応権限外といたしましても、行政監督の立場から公平を期する意味において水産当局のこれに対する考え方を長官より聞きたい。これは大臣から聞くべき問題でありますけれども、長官自体のお考えを聞きたい。今私が申し述べましたような、公平な考え方に対してどう善処されるか、お答え願いたい。

家坂孝平水産庁長官

○家坂説明員 この選考事情につきましていろいろ御意見を拝聽したのであります。ただいまも三点につきまして御意見を伺つたのでありますが、私は皆様が国の水産界の輿論を代表されておると考えておりますので、本日のいろいろの御意見に対しましては十分善処したいと考えております。

永田節自由党

○永田委員 先ほどからいろいろと当局のお話を承つておりますと、ややともすると法理論的になつて参つておるように私は解釈するのであります。しかし法律というものは大体一つの基準を示してあるものでありまして、国民の協力なくしてはやがて死文にひとしくなる。特に法の実施にあたりましては、その運用のいかんによつては悪法となることを痛切に考えるのであります。漁業法中、中央漁業調整審議委員会のメンバーの中に、衆参両院の議員が除かれておるその理由が、今日初めて判然として参つた次第でございます。そこで私は久宗君に一応お尋ねしたいのでありますが、先ほどから熱心に御説明くださいました委員の選考の過程、かような複雑多岐にわたる人選をするにあたりまして、一体君が立案して、いかなる人に相談をしてこれを決定したか、その経過を伺いたい。  次は、先ほど石原委員からお話がありましたように、太平洋に面しておる広範囲にわたる区域から代表者が一名も出ていないということは、いかに陳弁努めても、これは日本の漁業界にとつてゆゆしい問題であります。この問題の解決と、当局のきわめて冷淡な法理論的な解釈、また結果的に国会を無視したこの態度に対しましては、本委員会はあらためて態度を明瞭にしなければならない。そうこういたしまして、かような官僚の独裁政治というものを、われわれは徹底的に糾弾して行かなければならない。この意味におきまして私は秘密会を開くことを委員長に希望いたします。そうしてその席上においてしかるべく検討してみたいと考える次第でございます。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 この場合皆様にお諮りいたしますが、時間も大体十二時半になりましたので、一時間休憩いたしまして午後一時半から再開いたしたいと思います。そうして今の問題もございますし、なお会期設定告示に関する件について質問の通告もございますので、さようとりはからいたいと思いますが、いかがであります。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 それでは暫時休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ————◇—————     午後零時二十六分休憩     午後一時四十八分開議

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 午前に引続いて会議を開きます。  質疑の通告がありますからこれを許します。川村君

川村善八郎自由党

○川村委員 私は第七国会の最終日に、水産庁経済課の編集にかかつております漁業制度改革の新漁業法條文解説というパンフレットの問題についてお伺いしたいということで、久宗課長並びに松元事務官を委員会に出席するよう望んでおりましたが、御両人ともちようどるすだというので、第八回の国会までその質問を保留しておつたのでありますけれども、幸いに本日ここに委員会を開かれましたので、一応この問題について長官並びに次長その他関係部課長、事務官等に質問をいたしたいと思います。非常にこの問題が大きく取上げられておりましたので、当時から私ばかりでなく、各委員から相当に意見があつたのであります。ただ本日時間の関係上私が質問することに対して簡単に説明を願いたいのであります。簡単と言つても議員を食つたような答弁ではいけないのでありますけれども、要をついて簡単であるというふうにお願いしたいと思います。  まず長官に一点お伺いしたいのは、先ほど申し上げました水産庁経済課編、漁業制度改革、新漁業法條文解説上というこのパンフレットは、いやしくも水産庁の経済課が編集をしておる以上は、上司の指示を受けてこの編集に当つたと私は考えておりますが、このことについて長官は当時おりませんけれども、次長はおつたはずでありますから、この点をまず長官か次長にお伺いしたいのであります。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 われわれといたしまして、この漁業制度の改革の問題は非常にむずかしい問題であります。そういう意味で何とか早くまた詳細に各方面に普及徹底をはからなければならぬのでありまして、そういう意味でいろいろとパンフレットを発行いたしましたり、あるいはまたラジオその他を通じていろいろ宣伝に努めて参つたわけであります。実施期に入りまして、府県の係官等のいわゆる中心になる方々が、手取り早くまた相当詳細にこの法律の内容を知悉することが何より大切であるという意味で、そういう意味合いのものをつくることにつきましては、私も下僚から平素言われておりますし、けつこうなことであるというふうに申しておつたのであります。そういう内容のものをこういう形においてという詳しいところまでは、われわれとしましては平素忙しくもありますので、とかく監督不行き届きであつたのでありまするが、しかしそういつたようなものをつくるということにつきましては、私にも責任があるわけであります。その内容については、さらにいろいろとお話があると思うのでありますが、前国会でもいろいろと書いてある事柄につきまして、非常に各委員のごきげんを損じたことにつきましては、非常に恐縮に考えたのであります。それらに対しまして、われわれとしましては、でき得べくんば議会と水産庁とが、こういうことでへんな空気をつくるということは好ましくないと考えまして、久宗課長あるいは松元事務官にも私のところへ来てもらいまして、とにかく私はそういう下僚の書きましたものが、どう言いますか、他意があつて書いたとは思われないのであります。ただ熱心のあまり、あるいはまた美いろいろと議論しているあまり、言葉が不用意であるというふうな点が相当にあつたのじやないかというふうに考えまして、どうかそういう表現とかいう問題については、今後十分に注意してくれるようにと申し伝えたのであります。これは先走つてのお答えになりますけれども、しからば序文の中の一、二箇所の点でありますが、これらの訂正文をひとつ刷つて地方に配つてみたらどうかというふうなことも相談をしてみたのでありますが、これはまた考えようによりますると、単にその箇所だけではないかもしれませんし、さらにまた詳細な、本のどういう箇所々々というようなことも吟味する必要もございましようし、またそういうようなことを地方に——もうすでに本屋の店頭にも出ておりまして、出すということはかえつていろいろ寝ている子を起すようなことにもなりはしないかというようなことも考えまして、その点は今日に至つてまだ具体的な処置には現われていないのであります。しかし平素のいろいろの言動等につきましては、よく御両人には私から注意を與えておるわけであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 次長の御答弁でただいま次長がよく知つておつて、言いかえるならばこれを編集させたということが明らかになつたのであります。そこで予算措置はどういうふうにおとりになつたか、ならなかつたかということと、さらにこの内容について責任はだれが負うべきであるか、この二点をお伺いします。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 その本についての予算というものは、水産庁に特別のものはないわけであります。これは前例もあることでありまして、経済課編、こういう名前がかぶせてあるのでありますが、受ける方ではあるいはこれは水産庁が責任を持つたと解釈論を下していいというふうにとられるかと思うのでありますが、いわゆる法律解釈論等につきましては、どこまでも久宗君並びに松元君なりの執筆者の一つの考えであります。これが有権的にどこまでもこの解釈の通りであるというふうには考えられないかと思うのであります。これらの点につきましては、あらためて水産庁の通牒というような形で具体的に言えば、有権的な解釈にはならない。どこまでもそういう厖大なものでもありますので、われわれも十分に監督はできないものでありますが、大体その執筆の事柄につきましては、御両人のいろいろの考えによつて書かれたものだと思います。ただそういうふうに、こういうものを、官庁の後援と言つては語弊がありまするが、そういうふうな形でやるということは、これは従来も例があるわけであります。ただ先ほども申しました予算の点でありまするが、あるいはこういう点の御疑念があると思うのでありますが、実はそういう点につきましては詳細は松任谷部長等からお答えいたしまするが、何部かをまだ水産庁の職員なりあるいは府県のごく少人数に配られる程度のものは水産庁といたしましては買上げまして、そうして送付したものと思うのであります。これはほかのいろいろの官庁にもそういう例はあると思うのであります。この前前国会で印税その他についての御質問もありましたので、これは部長をしていろいろ精査させておるわけでありますが、これは必要があれば別の機会にでもざつくばらんにお話できると思います。  それらの扱いにつきましても、まだはつきり処分はしておらないのでありまして、大体の構想は久宗課長の方でしている存でありますが、もともと一人だけの構想をもつて、決して私的にむやみに処置をしておるという点はないように思われるのであります。しかしこれはまだ未処分の問題でありますが、よく皆様方の御批判を承つて、最後の処置をしてみたらどうかと思うのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 ただいま次長の答弁で編集することは認めたけれども、その内容についてはどこまでも久宗課長並びに松元事務官の責任に盡きるという解釈のようであります。さらに予算措置は何らしておらない、これは前例もある事柄であるから編集さしたというふうに、簡単に取扱つているようでありますが、それはそれとしておきましよう。  さらに、それでは本書のはしがきの最後の方に、本書の内容は立案担当たる経済課でとりまとめ、直接の執筆は久宗高、松元威雄が担当したということを書いてありますが、これは真実であるかどうか、従つてどこまでもこの内容の責任は久宗課長並びに松元事務官が負うかどうかということを、久宗課長並びに松元事務官にお尋ねいたします。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 これに書いてある通りでありまして、経済課編といたしましたのは、私だけの努力ではなしに、各員の協力を得てああいう形にしたものでありますが、執筆の責任者は、久宗高であり、松元威雄であるということを明らかにしておきます。

川村善八郎自由党

○川村委員 その内容の責任はあなたが負いますか。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 私が負います。

川村善八郎自由党

○川村委員 それではこの一番最後の方に、久宗という判をついて定価が四百円と書いてあります。この定価についても御責任をおとりになるかどうか、なおまた極端な考えでありますけれども、この編集にあたつてあなた方が普通常識から考えて、おそらくただ書けるものでない。従つて報酬等をいただいたかどうかという問題が一つ。  さらにもう一つは、個人の立場でいわゆる判を押されたかどうか。つまり発行を認めたかどうかということをまずお伺いしたいのであります。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 まず定価の点でございますが、この点は発行者が、日本経済新聞社でございますので、私の方で何円にしろというわけに参らない。従つて定価は本屋の方できめたわけであります。  それから報酬の点でありますが、今お話のございましたように、これを書きますのにはもちろん相当の労力も要しますし、個人的な出費もあるわけであります。従いまして官庁におきまして、公務と関連していろいろ雑誌に寄稿いたしましたりする場合には、一般的に執筆者が金額をとつておるのが普通の例と考えております。ただこれを書きました当時の経済課といたしましては、純然たる個人論文である場合には、もちろんその方が名前も出して、自分で収入を得てかまわないだろう。しかし経済課という名前を出して行つたような場合には、一応執筆者か八割、あとの二割を私的に収入しないで、それを積立てまして、課のみんな——それに参加した人たちでもつて処理するというふうにいたしております。ただこの本の場合には内容等が非常に大部になりまして、定価も高くなつたわけであります。従いまして全体の金額も非常に多くなつたわけであります。初版を三千部出しまして、再版が一千部出ております。これに対しまして印税収入といたしまして一〇%のものが参るのであります。そのうち二%は源泉で税が徴収されるわけであります。従つて四百円の定価に対しまして、実際に印税収入として三十二円入つて参りますが、初版三千部に対しまして、九万六千円というものが入り、再版分として三万二千円というものが入つたわけであります。この処分につきましては、執筆者と、直接の出版にいろいろ労力を提供したものとわけまして、その配分方法をきめまして、上司の決裁を経て処分したいと思つて、案をつくりまして一応各協力者の了解を得まして、現在首脳部の方へ提出中でございます。その認可があればその通りに処分していただきたいと思つております。その内容を申し上げますと、初版の分の六割に相当する分を、直接執筆者にいただきたい。これは私の書きました部分、それから松元事務官の書いた部分、特に松元君が書きました部分は、相当な量で約三箇月晝夜兼行で書きましたので、従つてそれだけのものを謝礼としていただきたいということを、私課長といたしましても希望したわけでございます。それからあとの四割はニつにわけまして、ニ割は直接これの読合せその他たいへんな問題があるわけであります。その関係でこれに協力した課員の慰労に使わせていただきたい。あとのニ割と再版分三万二千円、合計いたしまして五万一千二百円になるわけでありますが、この部分は水産庁内部におきまして、制度改革の勉強あるいは内部の懸賞論文、いろいろな方法があると思いますが、職員がこれについてそれぞれ十分勉強できるような施設がございませんので、こういうものに充てていただきたい。すなわち公的に使つていただきたいということで、首脳部にお預けいたしますして、その運用方法をきめていただきたい、こういう内容をもつて今上司にお諮りいたしておるのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 そうしますと次長は編集は認めたがその内容の責任は久宗課長なり、松本事務官だ。さらに私がお伺いしたことについて次長の答弁から行きますと、責任は個人だということ、発行を認めることも個人だとも解釈できるが、久宗課長の説明だというと必ずしも個人でない。いやしくも経済課が編集した以上は報酬等は全部のもので、それぞれの軽重によつて與えなければならぬというふうな大きな構想である。  さらにもう一つは経済課の全体の問題として、これを何か研究費に使いたいというようなことでありますから、これは責任は個人のようにも考えるが、さてその編集はやはり公人だとも考えるわけであります。その報酬等の問題についても、これは公人だと考えるのでありますが、この点は一体どつちに解釈したら一番都合がいいか、私は質問しながら解釈に苦しんでいるのだが、次長の御判断を願いたいのであります。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 非常にむずかしい問題になりますので、あるいは私が申し上げるのが間違いになるかもしれませんが、今とつさに思いついたことを申すのでありますが、この執筆そのものはやはり久宗君なり、あるいは松元君がどこまでも自分の責任で、自が書いたものであると考えるのであります。ただこの結果のいろいろの処分について、久宗君が先ほど申しましたのは、やはり……とは申しましてもこれは公的というより、むしろ私的に各課員にいろいろ御協力願つた。そういう点もありますから、それらの人々にも多少利益を均霑さす方が至当であるというように久宗君が考えたのじやないかと私思うのであります。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 なお補足させていただきたいのでありますが、ただいま次長のお話にもありました通り、内容の責任は直接執筆者である私と松元が負うということを明瞭にしたいために、わざわざ名前を出したのであります。ただ経済課編集という名前を出したのは、逆に私たちだけでこんなものが書けたのだというのじやなしに、これを書きますまでにいろいろ資料を調べてもらつたりしたその人たちの立場を考えまして、経済課編集といたしたのであります。  ただこうなりますと水産庁の責任はどうなるのかということになりますが、それは先ほど次長からお話しましたように、これを有権的に地方に対して何かきめて行かなければならぬという場合には、あらためて長官名でもつて通牒でいたしております。たとえば漁民資格の問題なんかについてもそういうような形をとつております。以上でございます。

川村善八郎自由党

○川村委員 大体その問題についてはいろいろ各委員も意見のあることでございますから、私はその程度にしておきますが、ただ久宗課長と松元事務官が責任を負うということについて、いささかその内容について御質問を申し上げたいと考えておりますが、この表紙から見るというと新漁業法の條文の解説、こうなつておりますが、私がこれを実は二晩ばかりかかつて読んでみたのでありますけれども、條文の解読ということに重点を置いてないということも、あなた方がはつきりと言つて書いてあります。なおまた実際は條文よりもおそらく超越したところの、あなた方の社会イデオロギーと言いましようか、あるいは赤の分子のような考え方が、これは解釈のしようでありますが、とにかく相当に過激にわたる、つまり不穏な字句が使われておるというふしがたくさん見受けられるのであります。従つてこの点において久宗課長並びに松元事務官は、はつきり責任は負うというのであるから、あなた方のお考えから條文の解説を超越して、一体どこに主力を置いたか私は解釈に苦しむのであります。私から言わしめるならば、むしろこの漁業法案を立案するにつきましてのあなた方の苦しさということを漁民に知らしめるために、あるいは不穏当な字句を使つておるのではないかというようなことも考えられますが、御両人におかれましては、これを書いたあとを顧みて、不穏当と思わないかどうか、もちろんこのはしがきの最後の方には、書放しで顧みる時間の余裕もなかつたから不備な点もあるし、あるいは非常にまずい点もあるというような意味の言い訳は書いてあることは事実でありますが、まずあなた方が書いてそのあとを顧みたときに、不穏当な字句があるかどうかお考えになつたか、お伺いします。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 ただいまの御質問でございますが、言葉の表現その他が非常につたないために、誤解を生じておる部分が相当ありやしないかという点は、方々から御注意を受けまして考えております。ただ意識的に過激に表現するというつもりは、私自身としてはなかつたわけでございます。ただ非常に表現がまずいために、そういう誤解を生じたとすれば非常に申しわけないと存じております。

川村善八郎自由党

○川村委員 久宗課長から表現のしかたが実際にまずくて申訳ないと劈頭に言い訳をされましたので、あまり極端なことも突つ込めませんが、ただ、二申し上げますというと、はしがきの二ページの九行目から以下に、「漁村の封建性の根は深い。この改革を阻止しようとする勢力がどのような現実的な力を持つているかは、漁業法が去る第六回国会で劇的な通過をみるまでの紆余曲折の中に、そして、何よりも具体的には、漁業制度改革と切離されて出発した新しい協力組合が過去一ヶ年にたどらねばならなかつた苦難の道が示している。高価な犠牲ではあつた。こういう字句を使つておるのであります。私たちから言わしめれば、第六回国会で劇的な通過を見た。私は学校へあがらないから意味がわかりませんけれども、ここに大きなあなたの含みのある心で表現しておるということは明らかだと私は思つております。しかも具体的にはとうたつて「漁業制度改革と切り離されて出発した新しい協同組合が過去一ヶ年にたどらねばならなかつた苦難の道が示している。」しかも「高価な犠牲ではあつた。」こうしたようなことをはつきり現わしておるのでありますが、この点においていつわらざるあなたの告白をして、そうして十分各委員にわかるように、字句はまことにこのくらいの字句であるけれども、この奥にあなたのいわゆるふだんの思想的考え方から、相当大きな含みのあることを私は想像できるのであります。(「その通り」)従つてこのことを具体的に例を上げてお示しを願いたいのであります。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 ただいま川村委員から私の書きました部分について、具体的に御指摘があつたわけでございます。どういうつもりで書いたかというお話でございますが…

川村善八郎自由党

○川村委員 つもりでない精神はどこにあるかはつきりしているのだ。読んだ通りだ、劇的だとかあるいは苦難の道があつたとか。これは具体的な例を——国会と言えばはつきりここをさして言つていることは明らかなんだから、これを具体的にはつきりしろということです。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 この点はたしかに誤解を生じておると思いますので、はつきり私の方もお答えしたいと思うのであります。  ここに「この改革を阻止しようとする勢力がどのような現実的な力をもつているかは、漁業法が」云々と書いてありまして、ここに「第六国会で劇的な通過をみるまでの紆余曲折の中に」と書いてあります。これはこの法案がそもそも昭和二十一年以来、いよいよ法案となつて通るまでのことを言つたわけであります。この紆余曲折と申しますのは、その意味で私は表現したのであります。この具体的な例はいろいろあるわけでございますが、第一次案から第何次案までかかりまして来ましたので、いろいろと案もかわりまして、それについてのいろいろな動きが現実にあつたのであります。それをここで申し上げたわけであります。  それから特に何よりも具体的にと申しましたのは、漁業制度と切り離されたということが問題であります。実際問題として協同組合の過去一年のたどつた道を見ますと、決して十分な切替えができていない。これは一般的に認められているところでありまして、そういうようなことから漁村の封建性の根というものは依然として強いということを言わざるを得なかつたのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 具体的にあげろと言われてあげればしつぼをつかまれるから大体あなたの心境はわかるからこの程度にしておきましよう。あとはほかの委員の方々がお聞きになると思います。  それから次にはしがきの三ページの二行目の中ごろに、「この解説明は、この改革の中で指導的立場にたたれる人達を対象として書かれている。そしてその人達の口を通じて、その日のくらしに追われて、夜となく書となく沖へ出、磯に働き、この書物を手にすることのできないような、働く漁民の人達に、一人でも多くこの改革の趣旨が生きた言葉で、具体的に伝えられることを切望してやまない。これまではいい。「この人達こそ明日の漁村を創り出すこの改革の主体なのである。」こういうことを書かれておりますが、そうしますというと、あのパンフレットは漁民に直接知らせなくてもいいんだ、いいかえれば指導的立場に立たれるというその言葉の解釈であります。一体直接に知らせないでその指導的立場にある人から伝える。この字句はまことに微に入り細に入つて働く漁民、零細漁民の心を引きつけるようになつておりますが、その人たちに知らせるためにやつたのだ。そこで「その人達こそ明日の漁村を創り出すこの改革の主体なのである」ということに解釈はなりますが、指導的立場というものは、あなたの場合どういう方を指導的立場とおつしやるのですか。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 指導的立場と書きましたのはごく常識的な意味でございます。法案があのようにむずかしいものでございますから、一般の漁民の方にはリーフレットというようなごく簡単な一枚刷りのものに要点だけを書きましたものを全漁民にお配りしております。ただこの解説書といたしましては、たとえば県の係官とか、あるいは組合のいろいろな書記のことをやつておられる方、いわゆる普通に申しまして漁業関係のせわを見ておるような方、そういう方たち法案の内容をまず詳しく知りたいという者に対して適切な本がない。そういうような方に読んでいただこうというのが主であります。しかもそれは法律の解釈になりますので、相当詳しく書かたければならない。そういうようなものを、もちろん直接働く漁民の方々が読んでいただけばけつこうなんでありますが、ごく常識的に考えました場合、これは非常にむりであろうということで、水産庁といたしましては、今のように一番単純なものといたしましての一枚刷りのようなものをまず出して、そのほかに五十ページ、あるいは七、八十ページのパンフレットで、漁業制度のあらましとか、あるいは法律の解説というようなものを順々に、もう少しやさしい言葉で書いて参りたいと考えます。ただ法律の解釈になりますと、字句を非常にやさしくいたしますと、かえつて明確さを欠きまして、たとえば訴訟になつたような場合にどつちへ解釈するかというような問題も出て参りますので、この本といたしましては、相当かたい言葉で、——法律の解釈としても、一応担当者はこう考えておつたということが、いろいろ争いの場合にも出ると思いますから、なるべくやさしく書きたいと思つたのでありますが、非常にかたい形で書いてある。従つてその対象も、いわゆるほんとうに全漁民の方がこれを持つていただくというようなふうには考えなかつたのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 そうしますと、あなたの御答弁からいうと、とにかく県庁の役人の人が指動的立場になるというような解釈になるようですが、もしそういう人たちがこの解説の通り——あなたはこれは不穏当なというようなことでなく、これが正しいのだという解釈をしておるようでありますけれども、もしその人たちが読んで——私たちが読むというと、まことに過激な不穏当な字句を使つておるように思うのであります。従つてその指導的立場にある人が、この本を読んで、あなたの思想のようにいわゆる普及したならば、一体ほんとうに漁村の民主化がはかられるか、むしろ混乱するのではないかと思うのであります。特にいわゆるあなたの字句の通り「夜となく晝となく沖へ出、磯に働き、」こういうような人たちは零細漁民であり、比較的知脳も低いということが常識的に考えられるのであります。その人たちに普及するのに、この過激、不穏当な字句を使つて、解説もし、指導もしたならば、それこそとんでもない漁村をつくり上げてしまうと私はかように思うのであります。従つて私はこの解説している書物に対しては、まことに遺憾の意を表するというなまぬるいことでなく、ほんとうに書き直してほしいのだ。言いかえれば役人に指導されるのでなくて応法文的には役人は説明することはいいでしよう。しかし漁村のほんとう指導というのは生きた漁民でなければならないと、私はかように考えております。従つてそういう人たちに普及をする場合に、あまりにめんどうな字句を使つたり、そうして不穏当と思われる字句を使つたりすることはまことに好ましくない。私はかように考えておりますので、この点を私は指摘いたしまして次に移ります。  それから凡例の第五ページの第十行目に、「しかしながら決して嚴密な法律的解釈ではない、一応條文の解釈という体裁はとるものの、それはあくまで内容の説明の手段であるから、法律的な表現は正確を欠いている。」まことにこれこそ責任のがれの不穏当な言葉であります。厳密な法律的解釈ではない。一方に書いてあるのは、條文の解釈だ、こう言つておる。そして一応の條文の解釈という体裁は整つたものの、それはあくまでも内容の説明の手段であるから、これは赤い手段かどうかわからないが、極端な言葉で言うとそう言える。この字句を具体的にはつきりしていただきたい。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 この点はこういう意味なのでございます。いわゆる法律のいろいろな全集の中に、漁業法というようなことで、たとえば井出先生のお書きになつたようなものがあるのであります。これも漁業法解説というようなもので出ております。そういうような、いわゆる法律学者が見るような、非常に厳密な法律学の解釈というようなものではない。むしろそういうふうに書こうといたしますと、かえつて内容がわからなくなつてしまう。ですから、むしろ内容の説明に重点を置いて、しかも條文を追つて、あるいは條文を組み合せながら、——もちろん法律の解釈ではありますが、それはいわゆる法律学の学者が法律学の対象として書いたようなものではない。そういう意味でございます。

川村善八郎自由党

○川村委員 そうしますと、厳密な法律の解釈でないというと、一体あなた方は漁業法を普及するのにどこに重点を置いておるのか。法律を解釈する、つまり条文の解釈だというならば、法律をはつきり知らしめなければ、法律が基礎になつてあらゆる漁業政策が行われるというときに、條文の解釈というものは体裁であるとかいつたようなことで、なまぬるい考え方でこの解説をしてもらつたのでは、漁民は迷うのじやないか、迷つた場合にどういうことになるかということは、推して知るべしであるので、私は説明を省略します。  その次に十二行目に、続いてこういうことが書いてある。「かくして本書は、帯に短し、裡に長しという中途半端なものになつている。専門家にとつては不十分であろうし、漁民にはとりつけない。だがそれであつて本書は一応の使命を持つている。それは、制度改革を推進する役目を担う者は、少くともこの程度の内容は完全に理解していなければならない、」さつぱりこれも何が何だかわからない。幣に短かしたすきに長し、專門家には不十分であろうし、漁民はとりつけない、だが本書は一応の使命をになつておる。何であるか私はまつたく解釈に苦しみます。委員の方々にはりつぱな人がおられるからあるいはこう書いたらはつきりするかもしれませんけれども、帯に短かしたすきに長いものを一体普及していいかどうか。(「無責任きわまるじやないか」と呼ぶ者あり)今うしろの方で無責任きわまるという言葉がありましたが、まつたく無責任きわまるのであります。役目をになうものがその程度のこと、中途半端なものを知つて、一体何がほんとうに普及できるか、指導できるか、この点において御答弁を願いたいのであります。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 まことにその点は表現が悪いのでありますが、純法律的に申しますと、おそらく法律学的にはもつと違つた書き方があろう。純経済的にこれを書くならばもつと違つた書き方があろう。こういうことなのであります。しかし実際問題として、これがどういうような制度改革の内容を持つて——経済的な内容と同時に法律的内容を持つて出て行くかということの全貌を、しかも立案者としては一応まとめて書いたものがどうしても必要だつたわけでありまして、その辺のものをまず出そう。おそらく松元事務官の場合でいえば、純法律的に、もつと法律屋として書いてみたい、また書かなければならぬような問題を持つておると思うのであります。それを書きますと、こんなページ数じや足らないのであります。それを要約して一応実際的にも意味のあるようなものを出そうということで書いたのであります。その意味の言訳がここに書いてあるわけであります。純専門家から見ればもの足らないという問題も出ようと思うのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 私の聞かんとするところは帯に短かしたすきに長し、中途半端なものを、一体ほんとうに普及していいかどうかという問題です。イエスかノーかでいいのであります。この点でよいと言えばそれでよい。悪いと言えばそれでよい。いずれにしてもはつきりしろ、こういうのです。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 それはここにはつきりしておきましたように、本書としては一応の使命を持つておると考えます。

川村善八郎自由党

○川村委員 それは中途半端なものを、うそ八百並べてもいいということですか。いいか悪いかはつきり言つてください。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 これは中途半端なものと書いたのは、おそらく松元事務官が法律家としてこれを自分で書いた場合の謙遜の言葉だと考えております。

川村善八郎自由党

○川村委員 それでは松元説明員から、あなたの書いたときの心境をお話願いたいと思います。

松元威雄農林事務官

○松元説明員 お答えいたします。この言葉は、実は労働組合法の解説書に末弘博士が書いておりましたのをそのままとつたのであります。たしかに法律家としてはこのままでは不十分であります。たとえば井出正孝氏の書いているものを私はあげる必要があると思うのであります。井出正孝氏の本と見合したらはつきりするのであります。といつても私は法律学徒でありますから、少くともこのような法律的な内容のものも出したいと思つたのであります。少くとも法律的なというのはその意味で、中途半端というのは、法律学者はこれでは全然使いものにならないからであります。また普通の府県の方では、そういう井出正孝氏の本はちよつと読みがたいのであります。その意味で中途半端という言葉を使つたのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 漁村を指導する者にただ中途半端なことを普及していいという解釈は、まことに私は疑問を持つのであります。これはまたいろいろの角度から申し上げましよう。  次に本書は「県の関係係官を主として念頭において、その程度の者に理解せしめる程度の内容ということで執筆した。」とこうなつております。そうするとこれはどこまでも漁民に知らしめなくてもいいという考え方でやつたのかどうか、この点をお伺いいたします。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 そういう意味ではございません。またここで県の関係監督官だけに限るという考え方でもありません。ただ一応書きます場合に、対象を考えて書きませんと、表現方法なり、その内容の詳しさその他もいろいろございますので、一応これは県の係官が実際これをこなせるかどうかという点も考えて書いたものであります。これだけで済ますという問題でなしに、漁民の関係の問題に関しましては、別に水産庁で制度改革費の中で予算をいただいておりますから、その分でリーフレットなりパンフレットなりという形式をとりまして、いろいろな方法によつて理解できるような形で出して行きたいと考えておるわけであります。この本自身といたしましては、これを全漁民が持つというようなことは、実際問題として予想しておりません。ただ漁民に知らせなくてもいいというような考え方も毛頭ないのであります。一応対象というものをきめて本は書かさるを得ないということであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 今のは漁民に知らしめなければならぬということなんでしよう。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 法律の内容はもちろん漁民の方に知つていただきたいわけであります。また知らせなければならないわけであります。また同時に義務があるわけでありますが、それには別な方法があると考えております。一般漁民につきましては、もちろんこの本を漁民の方がごらんになる場合もありましようし、またこれを非常によく理解する方もあるだろうと思います。ただとりあえず私たちが書きました場合に、これがたれに一番読まれるかということを相当考えざるを得なかつたのであります。その場合に、念頭におきましたのは、県の係官とか、あるいは委員会の書記になつておられるような方とかあるいは委員の方とか、そういう者を考えたのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 私はむしろ一日も早く漁業法というものを理解せしめるように、やさしくしかも内容をわかりやすく書いて普及した方が効果的であり、あなた方にその使命があるのではなかろうかとかように考えておるのであります。そこがあなた方とわれわれの見解の相違でありますから、これはあとでのときにまた申し上げましよう。  その次に非常に不可解なことは、「この法律は、実体の複雑さと諸種の経緯により法文としての表現に困難を重ね、それに法律的未熟さか加つて、でき上つたものは実に難解であり、立案の経過を知らずしてただこれを示されて理解せよ、といわれても無理なのである。制度改革の第一は、趣旨の普及徹底にある。その場合に漁民は細かな内容を一々知る必要はなく、現実の生活体験から改革の意義を実感としてキャツチし、意識を高めて行動的に改革を実践すればよいのである。」こう書いてある。ここにあなた方のお考えと私の考えと非常に違うところがある。先ほど指導者に先に普及し、それから漁民に教えるということになつておりますが、それも一方法でしよう。私は漁民に直接わかりやすく、しかも簡単にして要をついており、安価でだれでも求められるようにした方がいいということなんですが、あなたから言わせると、高くて内容が複雑しておるので、これを一々漁民に持たせることができないから、まずもつて指導者に與える、こういうようなお心持のようでありますから、かような趣旨の普及徹底にあるその場合には、漁民は細かい内容を一々知る必要はない。漁民が知ることが必要であるのに、漁民が知る必要がないということは、まことに不可解千万な、漁民を無視した、ばか者扱いにしたといわざるを得ないというように私は解釈するのでありますが、この点で、つまり経緯により法文としての表現に困難を重ねたという意味はどういうところか。さらに漁民には細かい点は覚えておく必要がない現実の生活の体験からして改革の意義を実感としてキャツチして意識を高めて行動に起せ、知らないで行動に起せということはまことに危險千万であります。行動を起すということはよく法の内容を知り、立法の趣旨も十分わきまえてから行動を起すということが当然でありますけれども、わからない者に、ただ自分たちの生活から割出して行動を起せということは、考えようによつてはむしろばかになつて、今までの漁業のやり方をつぶしてしまうという方向に持つて行くような解釈になるのであります。解釈はいずれともできますが、あなた方の解釈として、どういう考えでこれを執筆したか、これをお伺いします。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 最初のお尋ねの、漁民は細かな内容を一々知る必要がないと書きましたのは、たとえば法律的には何條かどういうふうに準用されてこうなついるのだというように、非常にややこしく書かざるを得ないのであります。そういうようなものを、一々いわゆる法律をやつた人間が理解するような形に理解しなくてもいいという意味なのであります。しかしこの本といたしましては、一応県の係官が聞かれたというような場合に、一條でも全部答えられなければ職責上いけない、そういう意味でこの中には相当煩わしいくらいに書いてあります。そういうことを漁民の一人々々が必ずしも知る必要はないだろう、こういう意味であります。従つて漁民の方にどうしても知つていただく必要がありますのは、大きなこの改革の内容とねらいと、それから特にここがポイントだということをお伝えする必要があるのでありますから、そういうものにつきましては、別途の漁業制度改革のねらいというものを、まず一番先にリーフレツトとして出しております。これは一枚刷りのものでありまして、結局どこにねらいがあるかということを、ごく平易に要点だけ書いたものであります。そういうものが順々に何枚か出て参りまして、それからさらにパンフレットというような形で、やや詳しく漁業制度の細かい内容についても触れて行く。ただ一々の條文の中で、まことに法文としては何か意味があるように書いてあつても、ただこれはほんとうの形式上そうしなければ法の体裁が整わない、法としては不備であるという点がございますので、そういう点までわかつていただく必要はないだろう、こういうのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 私は文章家でないからあなた方のような美文は書かれないけれども、私に言わせるならば、漁民はこまかい内容は一々知ることが適当であるけれども、それが容易でないから、まず趣旨の普及徹底のためにはこの程度のことをしてもらいたいということを書くのがあたりまえで、一々知る必要がないということになると、漁民はそんなことを覚えなくてもいいのだということに私は解釈するのであります。おそらくそういう気持じやないかろうけれども、字句の解釈からそうなる。これは私は理論的にわたりますけれども、私に文章をつくらせれば、こう書く。でありますけれども、あなた方がこういうふうにはつきりあなた方のお気持をここに織り込んで来る、つまり現実の漁業というものを全部ぶちこわしてしまつて、新たなことをやろう、あなた方は改革でなくて、破壊して、それからつくり上げようという考えだからこういうことになる。まあそれはその程度にしておきましよう。  それからもう一つは、ここに「現代の社会において法律は一つの有力な武器であり、これを十分に使いこなせることが必要なのである。」こう書いてある。一体一つの武器だという言葉は不穏当な言葉であります。日本は武器を捨てたということを憲法にうたつておる。この解説で武器であるという言葉はまことに不穏当な言葉だと私は思つております。しかも十分これを使いこなせるというようなことは、意味を解釈すれば、十分知る必要があつて、そしてそれを使つて漁業法の改革をしなければならぬ、善意に解釈すればそうなりますけれども、字句からいうと、武器を捨てた日本に武器であるというようなことを普及することはまことに不穏当であるが、これを書いた趣旨はどういう趣旨であるか、ちよつと説明願いたいのであります。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 武器という言葉は非常に不適当だというお話でありますが、実際問題といたしましては、まつたく法律そのものは死んだようなものでありますから、実際にはそれが現実に武器のように使われるわけであります。ですからそれを正直にここに書いたわけでございます。

川村善八郎自由党

○川村委員 久宗氏の、法律が武器だということは、まことに官僚として不穏当な言葉もきわまるのであります。法律は一つの基準をきめて、国民はこうした見方をしなければならぬということをきめるのであつて、武器ではありません。言いかえるならば、つまり導いて行くために、あるいはそのあり方を定めるためにつくるというのが法律であつて、決して私は武器であるとは思いません。従つてあなたの解釈とはまつたく相違しております。法律を知らない者はあやまちを犯すから、そこにあなた方の指導があるのであります。武器というものは必ず傷をつけるのが武器であります、傷をつけないようにするのが法律であります。その解釈は私とずいぶん違うのでありますが、あとでこれは法律家に解釈をしてもらいましよう。法律は決して罪人をつくるための法律じやありません。善道に導くための、いわゆるよき国民をつくるための法律である、従つて武器ではないということを私はこの際断言いたしておきます。  それからもう一つは、「新憲法の下、新しい国民経済のあるべき方向を具体的に規定する重大な意義をもつて要求されているのであつて、それ故に妥協を許さないきびしさをもつて内部の病患をえぐると共に、漁民大衆はもちろんいろいろ全国民に訴えて、」と書いてある。妥協を許さないという字句を使つて、きびしさをもつて内部の病患をえぐる。何たるこれは不穏当な言葉でありましよう。一体内部の病患をえぐるということと妥協と——もちろん悪い妥協はしてはいかぬけれども、よい妥協ならどこまでも妥協ということはいいのじやなかろうか。つまり講和会議を開くというのも一つの妥協であります。妥協が悪い、だからきびしさをもつて内部の病患をえぐるなんというほんとうにきびしい字句を使つておるということは、これはまことに私は不穏当な言葉だと思いますが、病患をえぐるというその事実をあげて、ひとつ御指摘を願いたいのであります。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 この内容はいわゆる封建性であります。これはやはり徹底的に直さなければいかぬと思います。

川村善八郎自由党

○川村委員 まあ久宗課長の答弁はそのくらいのものでしよう。私のお話したことを陰に委員がたくさん聞いておりますので、御判断願われればけつこうだと思つております。時間の関係上私はそのくらいにしてまあがまんしましよう。  もう一つ、漁業制度改革は現在の漁業秩序を全面的に否定に始まる。これもまことに不穏当であります。漁業制度改革は現在の漁業秩序を全面的に否定に始まる。これはどういう意味かということをお伺いしたい。まつたく漁業の秩序というものは、かりに秩序正しく行つてもいいところを取上げるというのが私らの考え方であります。悪いところはもちろん、非民主化の線だけはどこまでも否定しなければならぬけれども、やはり法をつくるにはいいところも過去の体験も取上げ、悪い点を正しくして行つて、そうして取上ぐべきであるということを考えるのでありますが、いきなり何でもかんでもみな否定だということは、社会の破壊であり、漁業にとつては漁業の破壊をして、さらに今度立て直しをするんだというふうに私ら解釈いたしますが、この点、あなた方の解釈とどう違いますか、お伺いいたします。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 この点は現下の漁業権を一切消滅させるということの内容をそのまま書いたのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 もう時間もありませんのであまり申し上げません。このほか全文を読んでみますると、あらゆる点にこういう不穏当な字句を使つております。ひつきようこれを私に端的に言わしむれば、担当官吏たち、すなわち名前をさして言えば久宗課長と松元事務官は漁業にはまつたくしろうとである。これは否定できまい。従つてこのしろうとが漁業の一大改革をするということに相なりましたので、その苦労のあつたことは私はよく認めます。しかしながら自分の苦労をしたことを何かで埋合せしなければならぬ、社会に認めてもらわなければならぬ、極端に言えば漁民に認めてもらわなければならぬという名誉心から、漁民大衆または国民の前に、漁村にはこういうボスがいる、また国会にも大きなボスがいる、従つてわれわれは立法して、そうして第六回国会に通すまでには、すなわち劈頭にお伺いした通りに紆余曲折があつたのだ、それをおれらの力で戦いとつたんだ、今度はおれらの立法した通りにやるのだというふうなことも書かれないから、その欝憤晴らしに、書く場合にあつて不穏当な字句が使われていたのではなかろうか、かように私は解釈するのであります。すなわち端的に言えば、あなた方の力の足らないのを、人になすりつけて、国会議員や、あるいはその他漁業者のうち以前から漁業をやつている者はみな悪いのだ、それだからそれらをボスと称して、そして今度はわれわれが新しい制度によつてやらせることにしたのだから、われわれの力を認めてくれという考えから、こういう字句を使つたものと私は解釈しておるのであります。それは解釈があるいは違うかもしれませんが、少くとも私はこう解釈しております。従つてこのことについては、各委員から十分にただすべきことはただして、そうして責任を取るところは取つてもらわなければならぬ、かように考えるのであります。  そこで最後に私が申し上げますことは、たくさんお伺いしたいことがありますが、省略いたしまして、この解説に書いてありますことは、全部私が責任を負うということを久宗課長がおつしやられております。おそらくこの解説を見ましたときに、経済課が編集されて発行されたものは正しいものである、一言半句うそなかるべし、かように私は役人は考えておると思う。もしその解説やあなた方の説明が違つておつて、間違いが起つた場合、さらに私たちに説明をし、あるいは解説によつて相違が出た場合には、あなた方はいかなる責任を取るか、みずからの責任の上でどういう責任を取るか、それから長官並びに次長は、あるいは部長は、久宗課長並びに松元事務官にどういう責任を取らせるかということを、まずお伺いしたいのであります。しかしこれからまだ海区の設定についての質問もありますので、そのことの答弁は最後にお願いすることにいたしまして、次に移りたいと思います。  次にお伺いしますことは、漁業法は申すまでもなく漁業の憲法である、こういうことは何人も言つておりますし、これは事実であります。そこでその漁業法が、すなわち漁業権を制定しまして、漁業権を行使して漁業を経営するということに相なつております。従つてその漁業法が主になつて水産並びに漁業の各法律すべてが立法されるということは、これは常識的にもまた現実もそうなつております。従つてこれがために、立案にあたつて水産当局は相当に苦心があつたことは認めます。いわゆる漁業改革といつた画期的な行き方でありましたので、もちろん苦労されたことは私らは十分認めますし、その功も十分私らはたたえることができるのであります。あなた方はその苦労の現われとして、終戦後ただちにこの問題について立案されたのであります。第一次、第二次、第三次まで修正をされまして、本格的に国会に提出されたのであります。また衆議院といたしましても、第三回国会から予備審査の形式で審議を進め、さらに本格的に内閣提出となりましてから三年の間、相当にわれわれはこの問題の研究を続けて参つたのであります。さらにわれわれは七箇月の間にあなた方から十分の説明を聞き、あるいは質問をなし、あるいは現地調査、あるいは地方の公聴会といつたような形式で、各地に懇談会を開いて最後に衆議院の委員会から、それぞれの立場の人を利用して研究した結果、修正をしなければならないというようなこともありましたし、公述会を開いてその公述人から相当の意見もあつたのでありますが、しかし客観情勢が許されない関係上、十一月二十八日に衆議院の本会議を通過したという大体結果になつております。そこでこの説明中に海区の問題等があつたのでありますが、現在その説明された海区の設定並びにこの解説の中にありますところの道府県の現在海区の設定とは相当に違つている点があります。最近北海道及び富山県等にて起りました海区の設定等については、あなた方もお聞きになつているでありましようし、また現実にその問題が取上げられて、非難の声があがつていることは事実であります。そこで私もちようど参議院の選挙がありましたので漁村各地をまわりましたところが、各地で川村代議士はうそつきである、漁業法の説明に来た場合に、北海道の海区は市町村ごとに置くということであつたではないか、また北海道で十箇所ばかり懇談会を開いている席上で、松任谷部長が北海道は特殊な事情があるから、早く海区調整委員会を市町村ごとに置くということをはつきり説明されたのであります。従つて北海道の漁民はこれを信じている、また私が常に北海道に帰りましたときに、漁民の集まりに説明していることも信じておつた。ところが北海道は百十四という海区であつたということをはつきり解説にもあつたにもかかわらず四十九海区になつた。富山県は四つになつたということが事実として現われたのであります。これはまさしく記録を調べて見ましても、また解説の内容を見ましても、松任谷部長が北海道で説明された場合も、富山市で説明された場合も私がおりました。こうしたような明らかな説明であつたにもかかわらず、それを海区を変更しているということなのであります。私たちから言わせると、あなた方が立法の衝にあたつて、そうして説明された場合には、真実であるということで、われわれが信用するのであります。それがいわゆるあなた方のその説明がうそであつたとするならば、法の解釈からいつて云々ということでなく、国会を侮辱したものである。国民の代表たるところのわれわれ議員を欺して、そうして自己の意見をどこまでも通そうとした、いわゆる国会としては許しがたきところのやからである、こう言わざるを得ないのであります。そこで今久宗課長と松元事務官が、このパンフレットについては絶対責任を負うものであるというお話でありましたし、さらにいやしくも国会ではつきり説明もしており、あるいは松任谷部長が懇談会の席上ではつきり御説明をしておる以上は、法の精神もそこにあつた。先日久宗課長とお会いしました時分には、法的には違法ではない、こう言つております。しかし私は法的に違法でないとしても、いやしくも国会の委員会において速記をとつて説明したこの事実、さらに書いたものではつきり示されているこの事実、これは絶対見のがすことはできません。従つて私はこの際事明らかになつた以上は、その責任をとつてもらいたいというのが、私の考え方であります。この漁業制度改革のパンフットははつきりしておりますので、これは何人もわかります。  そこで私は帰つて来て速記を調べてみましたところが、かようになつております。抜萃しましたので、ちよつと読上げます。まず第八十八條には、「海区漁業調整委員会の委員の選挙に関する事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百八十一條に規定する都道府県の選挙管理委員会(北海道の海区漁業調整委員会にあつては同法同條に規定する市町村の選挙管理委員会)が管理する。」こうなつております。そこでこの北海道の海区漁業調整委員会にあつては同法同條に規定する市町村の選挙管理委員会が管理するということは、これは久宗課長あたりの解釈ですと、選挙の管理は市町村がするのでありますけれども、海区は必ずしも市町村に置かなければならないというようなことは法律にないというような考え方のようであります。しかしそれはあとであなたが解釈したのであつて、説明ははつきり委員会においても、公聴会においても、北海道は市町村ごとに置くという説明をしている以上は、立法の精神もまたそこになければならない。従つて條文の種々な点をとらえて、法律に違反しているとは何ごとだ、ということを言いたい。その点をあとで答弁願いたい。  そこでただ法のみをうのみにすれば、それはみな五箇町村なり六箇町村なり、あなたの解釈から言うと、一つの海区にしても法の違反ではない、選挙の管理だけは市町村でやればいいという考えようでありましようけれども、私はかようには解釈しておりません。どこまでも法律案を提出して説明した場合には、これは北海道は市町村ごとに置く、それから各府県は三つなり、四つなりの海区にして、そうして漁業の調整を行う、こう説明した以上は、法律はその説明によつての考え通り立法しているもの、かように私は考えております。その実例はたくさんあげたいのでありますけれども、ここに書いてありますが、私は省略いたします。ただ速記に残つている問題として、一応私は拾つて申し上げましよう。  第五回国会の衆議院の水産委員会の記録第二十二号を参照してみればよくわかります。この日は石原委員長、小高君、鈴木君、玉置君、林君、砂間君の各理事、それから私、田口君、冨永君、夏堀君、西村君、長谷川君、奥村君の各委員で、水産委員は計十三名出席しております。開いた日にちは、昭和二十四年九月六日の月曜日午前十時二十一分開会になつております。水産庁からは政府委員として水産庁長官、それから農林事務官の久宗君と松元君、ほかに専門員の小安君と斉藤君の方々が出席しておられます。  そこで抜萃した分を読みますと、「まず海区漁業調整委員会について御説明いたします。海区漁業調整委員会は海区ごとに置かれるわけでありますが、この海区というのは大体漁業状態の似通つたところをとりまして、一つの県を三つないし四つの区域にわけ、その海区内の漁業全体を管理する全権限を有するものとしてこの海区委員会があるのであります。」中の関係のないところは略します。連合海区の説明中に、「対県関係で問題がめんどうであるというような場合には、大臣の方から発動して、連合委員会をつくつて運用して行こう、そう考えております。この連合委員会の委員は、その傘下の各海区漁業調整委員会の委員の中から同数を選んで充てるわけであります。そしてその委員の定数は、知事がつくります場合には知事がきめる、海区委員会が自発的につくります場合には海区委員会が協議してきめるというふうにいたしております。」それから「北海道の海区というものは市町村ごとで非常に多うございますから、その場合には各海区から一人を出してその一人出た者が互選して連合委員会の委員をきめるというふうにいたしております。なお申し遅れましたが、この海区委員会は北海道では市町村を海区というふうにいたしております。連合委員会の委員は傘下の各海区委員会から選ばれた委員で充てるわけでありますが、そのほか必要があると認めた場合は、その半数以下の人数に限つて学識経験委員を知事は選ぶことかできます。こう言つております。おまけにここに「なお申し遅れましたが、この海区委員会は北海道では市町村を海区というふうにいたしております。」と言つております。それからここに海区委員会から抜萃したもので、松元君が書いたのか、あるいは久宗君が書いたのか知らぬけれども、ここにもあります。参考までに読みますと、「海区調整委員会は海区ごとに置く。市をちよつと省略いたします。「北海道では原則として市町村の辺域を海区とする。北海道の市町村は内地と違つて大きくむしろ内地の郡にあたる。これを単位として調整するのが実質的である。もちろん北海道でも市町村を調整単位として恒久的に確立することは問題があり、もつと漁業の態様に即して、市町村のわくを超えて調整を考えなければならないことはたしかであるが、さしあたつて現実の問題として、市町村を超える適当な調整単位がないので、支庁を海区とするという意見もあるが、これは役所には都合がよいであろうが、それでは現状がそのままに固定されてしまう。また支庁では大き過ぎてほんとうの調整はできない。官僚組織と結びついた現在の機構を打破するのが改革の目的であるから、支庁単位とすることは妥当でない。一応市町村を海区とすることとし、調整を実施しながら、さらに大きな調整を考えて行くことにしたい。なお北海道の市町村にも漁民が数十人というところもあるが、かかる市町村は調整単位となり得ないので、隣接市町村と合して一海区とする。」という説明であります。そうしますと、将来は支庁単位のも考えることもありましよう。それからさらに二箇町村なり五箇町村なりのことも考えられることもありましようけれども、一応は市町村よりほかに調整の単位となるものがないとはつきり言つておる。それから松元君の説明では、「なお申し遅れましたが云々」と言つて、北海道は市町村を海区とするということをはつきり説明しておる。そうしますと立法も私はそこにあつたということを断定することができるのであります。そこでその法的の問題として、あなた方が法的な違反でないとするならばそれでよろしい、よろしいが、この国会において記録をとつて説明したこの事実と、さらに現在海区の設定の事実と相違した場合においては、まさしくこの国民の代表であり、いわゆる漁民を代表して、日々日本の漁業のあり方、あるいは漁民のあり方を正しく民主化して、日本の漁業生産の増強をはかろうという熱意に燃えている委員を欺瞞するものである。極端に申すならば侮辱したものである。これは大きく申すならば国会を侮辱し無視したやり方だ、かように私は断定できると思います。従つてこうした説明と、事実として現われた海区の設定とに相違を来した場合には、一体だれに責任があるか。長官に責任があるか、次長に責任があるか、部長に責任があるか、あるいは久宗課長に責任があるか、あるいは松元事務官に責任があるか、どこかに責任のありかがはつきりしなければならぬはずであります。私は先ほども言う通り、この責任のありかをはつきりして、どうしても責任をとつてもらわなければならぬと思う。でありまするから、まずこの責任についての御答弁を願つて、さらに再質問をいたしたいと思います。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 海区調整委員会、特に北海道と内地の問題であります。今川村さんからいろいろとお話を承つたのでありますが、実はこれはおそらくこの前の国会におきましても、市町村としてか、あるいはまた数市町村としてか、あるいはまた内地においても県單位ぐらいがいいのではないかというような、いろいろの論議があつたと思うのであります。またここに列席して承つたのでありますが、川村さん等のお考えは、むしろ支庁単位がいいのではないかというような意見もあつたようであります。そういうようないろいろないきさつがあつたのでありまするが、当時水産庁といたしましては、北海道については市町村単位で行くのが至当であろう、これは久宗君にいたしましても、松元事務官にいたしましても、おそらくさような判断を持つておつたと思うのであります。従つてまた速記録にもそういうふうに載つておつたと思うのであります。ただその後漁業制度の実施が関係方面からも鞭撻を受けるというような事情もありまして、いよいよ本ぎまりになる前に、司令部の方との数度の交渉の結果は、どうも北海道については数が多すぎる富山についても同様でありまするが、そういうような強い意向がありまして、おそらく係としましては、前の公約もありまするから、いろいろと陳弁に努めたと思うのであります。一つの手段といたしましては、この八十八條が法律違反だからできない、こういうような理由が明瞭であるならば、そういう関係方面との折衝も、あるいは打開の余地があつたのではないかとあとから考えると思われるのでありますが、そういう意味で久宗君がしやくし定規に、その際にはそのように申したのではないかと思います。さようないきさつがありまして、また急ぐ関係もありまして、当時は市町村のつもりでおつたのでありますが、関係方面との折衝もなかなか日がかかりますし、また実施の面はじりじりくするくらい迫つておりますので、どうもやむを得ず関係方面の意向に従つたということになつたのでありますが、とにかく実施を急ぐという結果、こういう結果になつたのだろうと思います。しからばそういうような点はなぜ連絡がなかつたか、この点については私はさように考えますが、たまたま参議院の選挙というようなことで、川村さんその他が北海道に行かれまして、そういう問題が当然出るわけでありましたのを、そういうことに気がつかずうかつに過しましたのは、私以下全係員がまことに申訳なかつたと思うのであります。残る問題はこれをどうするかという問題があると思うのでありますが、根本論になりますると、今日におきましてもいろいろ議論はまだ盡きていないと思うのであります。一つには実施を急ぐ関係もありますので、根本的に全部切りかえるということはなかなか困難な問題であると思うのでありますが、今申されましたように、法律と実際が違うじやないか、これを何とか合せろという御意見も一つにはあると思うのでありまするが、そういう点につきましては、われわれとしましては、これはその御要求が当然だと思うのであります。私はしやくし定規な解釈は久宗君の言うふうにもとれるかと思うのでありますが、この八十八條の気持は、少くとも北海道の海区調整委員会の選挙は市町村の選挙管理委員会が管理するという文句がありますが、この選挙管理委員会は市町村の者が事務をとるという意味合いのものは、それから解釈をのばして行きますると、やはり北海道では海区調整委員会が市町村だという意味だと私は思います。従つてその意味から言いますると、これは趣旨解釈になるかもしれないのでありまするが、八十八條が事実と違うじやないかというのはごもつともなお考えじやないかと思うのであります。これは議員提出という形で改正案が出ました場合には、われわれは当然受けなければならぬ、かように考えておるのであります。しかしそういうことよりも実質をどう持つて行くかということと、先ほど川村さんがわれわれ面子がないと言われたこの二点であります。まことに面子をなくしました点につきましては、私からも重々おわびするのでありますが、第二段の義後策の問題につきましては今ただちにいい方法も考えつかないのでありまするが、これはまたしかし相談ものでありますから、あるいは一部の修正というようなことは関係方面でも聞いてくれるかもしれないと思うのであります。そういう意味合いでわれわれといたしましては十分また今後考えたいと考えておるわけであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 今次長から川村委員の面子と言われたが、私は川村の面子云々と言つているのではありません。漁民にうそを言つた、国会議員を欺噛したのだ。国会を無視して法の精神を裏切つたのだ、極端に言うとこういうことなんだ。説明ははつきりしている以上は、法の精神というのはそこにあつた。これをなぜ関係方面へ行つて説明せぬか、関係方面の言うことだけ聞いておるのだつたら法をつくる必要はない。関係方面へおそらく何十回と行つてあなた方は折衝されたでしよう。私たちも折衝しました。しかし客観情勢が許されないで、あの当時いわゆる紆余曲折を経て劇的な通過を見たということは、これは言えるでしよう。しかしながらいやしくも国会に説明をしておる以上は、関係方面にかく言われた場合に、関係方面に対して、国会には法の精神としてわれわれはこういう説明をしてあります。従つて条文解釈には明らかに違反だとは言い得ないけれども、われわれは立法府たるところの国会に対してそういうことはできないということをあなた方はなぜ言わないか、こういうことを私らは言いたいのであります。今議論してもいたしかたがありません。だがその責任だけははつきりどうするという問題について、私は承るのであります。いわゆる法は違法でない、解釈するのは違法でなくてもよろしい。やはり国会議員を欺したということはこの証拠によつてはつきりしている。あるいは漁民なり、あるいは指導階級を欺したということもこのパンフレツトによつてはつきりしております。この大きな事実をどうして一体解決するか。もちろん法的に解決することもありましよう。あるいは了解事項として、いわゆる妥協の道もありましよう。しかしながら説明には妥協の道はない。そうすると妥協の余地というものは絶対にありません。法的の措置をとると言つても、おそらくこれも容易でありますまい。従つてこの場合何としても説明した説明員には責任をとつてもらわなければならぬ。もしそれができないとするならば、その当時いた幹部、これは責任をとつてもらいたい。どつちにしても責任のありかをはつきりお尋ねしでおるのてありますから、私の面子どころではない。三百万漁民のために私の面子が何でありましよう。このうそを言つた国会に対するところの責任をどうするか、これであります。どうかこの点において責任をはつきりとるかとらないか、イエスかノウか、御答弁願いたい。

松任谷健太郎農林事務官(水産庁漁政部長)

○松任谷説明員 お話の海区の問題につきましては、川村委員からお話の通り、われわれも当初法案の説明において、公聴会において、北海道につきましては市町村単位をとることが八十八條の類推解釈からして適当であろうというふうに説明して参つたのでございます。しかしながら経過的に申しますると、次長から先ほどお話がございましたように、告示にあたりまして一部変更を見た次第でありまして、この点は道庁なり県庁とは相談申し上げたのでございますが、お話のようにわれわれも勉強も足らず、努力も足りなかつた点もございますし、また連絡もはなはだ不十分でございまして、国会の説明と矛盾した結果になりましたことにつきましては、はなはだ相済まないと私は考えておるのでございます。当時第七国会の最終の時期でございまして、この点私が注意いたしますれば、あるいは国会の最終の段階において御報告申し上げる機会があつたのじやないかと、今さらながら悔んでおる次第でございますが、まことにそういつたような次第でございまして深くおわびを申し上げたいと存ずるのであります。なお現在政令をもちまして八十八條の救済を拡張解釈して出しておるのでございますが、それは多少むりな点もございますし、先ほど説明もございましたように、違法ではございませんが、妥当を欠くというような点も十分考えますので、私どもといたしましては、何らかそういつた処置につきまして法律ではつきりといたすようなことを考えて参りたいというふうに思つておるのでございます。まことに国会の説明なり、公聴会の説明と、国会に御連絡を申し上げずに告示が変更して出てしまつた点につきましては、深くおわび申し上げたいと思います。

川村善八郎自由党

○川村委員 今部長からおわびの一点張りでありますが、部長は比較的正直に私が気をつけておれはこういうことにならなかつたと言つておりますが、まことにその通りであります。告示は五月十三日にしております。おそらく関係方面との折衝はその十日か十五日前だと思つております。そうしますと、われわれがまだ委員会をを開いているときであります。五月二日まで委員会を開いておりましたので、委員会を開いておる最中でございます。そのときにあなた方から相談をされれば、あるいは窮余の一策として何か手が打たれたんじやなかろうかと思いますけれども、その相談もない。しかもあの漁業制度改革の説明の中に、あなた方があまり強く妥協は許されないといつたような強いことを書いておるのであるから、自分のなつたなわで足を締めたり手を締めておるということになるのであります。私は責めることは十分責めます。また責任をとつてもらうこともとつてもらわなければなりません。しかしそこにはあなた方が何らか最善を盡して生み出す方法があるくらいは、私だつて人間でありますから知つております。おそらくてこの場合責任をとりますということは、あな方には容易でないでしよう。従つて何かそこにいわゆる責任をとるべきその考慮の道もないではないと私は考えております。即答しろとは申し上げません。即答を要求しておりますけれども、容易でないことはわかりますので、今即答ができなかつたならば、明日も委員会が継続される予定だそうでありますから、明日でも私の質問に対して、この委員会において、責任をとるかとらないかということを明らかにしてもらえばいいのであります。これで私は質問を終りますが、各委員には相当にこれに対する質問はあると思いますから、十分ただすべきはただし、責任をとるべきはとらした方が将来のためになる。私はかように考えております。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 この場合委員の皆様方にお諮り申し上げます。大体本日はこの程度にとどめて散会いたしたいと思いますが、なお本日の議題を今川村委員からも希望がありました通り、このままの状態で続行いたしたいと思います。

永田節自由党

○永田委員 先ほどの私の質問に対する答弁を願います。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 午前中の永田委員からの御質問にお答えいたします。御質問の要旨は、人選についてどういうふうに連絡したか、その経過を知らせろというお話でございました。調整第一課長をいたしておりましたので、所管上中央審議会の問題がかかるわけでございますが、そこで私といたしましては、選挙制をとつておりませんと同時に、各業種、地域その他をできるだけうまく網羅したいということを考えました点から、わくづけの点で非常に苦心いたしました。それとそういう基本の方針を定めまして、それにそれぞれの候補者の名前を掲げまして、一応原案として水産庁首脳部に諮つたわけであります。それをさらに、人事の問題でございますので、どの範囲でどんな形でお諮りするかという問題は、私一課長で考えるべき問題でないと考えましたので、首脳部の方にお諮りいたしたのでございます。そういう経過でございます。

永田節自由党

○永田委員 私の質問はきわめて簡単です。その首脳部に話したという首脳部とはどなたですか。この際聞いておきたい。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 直属の長官でございす。つまり魚制部長にお話いたしました。また次長にも長官にもお諮りいたしました。

永田節自由党

○永田委員 そのとき長官はいなかつたじやないですか。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 いや、長官もおいでになつたと思います。

川端佳夫自由党

○川端委員 それではあなたの書いたその原案は、上司に提出されたときに変更された例がありますか。

久宗高農林事務官(水産庁漁政部経済課長)

○久宗説明員 最終案とは変更されております。一番最初に出したものと終案とは変更されております。

川端佳夫自由党

○川端委員 それではその変更された箇所はどれで、たれですか。それをひとつお示し願います。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 それでは皆さんにお諮りいたします。大体今の予定では、明日午前十時半より第十二委員室において開会いたしたいと存じますが、本日はこの程度で散会して、祕密会に移つて人事問題に関していろいろお話合いを願いたいと思いますが、いかがですか。     〔「異議なしと呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 それでは本日はこの程度で散会いたします。     午後三時三十五分散会

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