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第7回国会衆議院1950/04/30

水産委員会 第41号

発言数
14 件
登壇者
6 名
会派数
3
開催日
1950/04/30

会議録

石原圓吉自由党

○石原委員長 これより会議を開きます。  水産業協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案はさきに漁業制度に関する小委員会の審査に付してありましたので、この際当小委員長より本案の審査について報告を求めます。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 政府提案にかかります、ただいま議題になりました水産業協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、漁業制度に関する小委員会の審議の経過ならびに結果を御報告申し上げます。  この法律案につきましては、漁業協同組合が沿岸漁民の自主的な協同の組織として、漁村経済の振興、漁民生活の安定上重要な法律案であります関係から、小委員会といたしましては、数次にわたる会議を開きまして、慎重審査を続けて参つたのであります。その結果、小委員会といたしましては、関係方面の御了解も得まして、次のように修正すべきものと認めた次第であります。以下その修正点を簡単に御報告並びに御説明申し上げます。  まず第一点は、法律案の題名を次のように改めたいと存じます。すなわち、水産業協同組合法の一部を改正する法律案とありますのを、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案、そういうぐあいに法案の名称を改めました。  次に第二点といたしまして、   第十八條第三項第一号の改正規定中「住所」の下に「又は事業場」を加え、同項第二号の改正規定中「及び漁業を営む漁業協同組合」を削る。   第二十四條の改正規定の次に次のように加える。   第三十四條第七項の次に次の一項を加える。    前項の組合員又は漁民は、漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第百二十七條に規定する内水面において水産動植物の採捕又は養殖をする者を主たる構成員とする組合以外の組合にあつては、漁業を営み又はこれに従事する日数が一年を通じて九十日以上である者でなければならない。   第三十六條の二の改正規定中「競争関係にある事業」の下に「(当該組合の組合員の営み又は従事する漁価未及び当該組合の所属する漁業協同組合連合会の行う事業を除く。)」を、「これに従事する者」の下に「(当該事業を含む法人その他の団体の役員及び職員を含む)。」を加える。   第三十六條の二の改正規定の次に次のように加える。   第四十三條第一項中「貸借対照表」の下に、「損益計算書」を加える。   第四十八條第一項第六号中「貸借対照表、」の下に「、損益計算書」を加える。  以下、以上のような修正に伴いまして條文を整理いたしたわけであります。  次に  第二條水産業協同組合法の制定に伴う水産業団体の整理等に関する法律、昭和二十三年法律第二百四十三号)の一部を次のように改正する。    第十三條の二第五項中「水産業協同組合法第十八條第一項に規定する漁民」を「水産業協同組合法第十條第二項に規定する漁民であつて当該漁業会の地区内に住所を有し、一年に三十日以上漁業を営み、又はこれに従事するもの」に改める。    附則第二項中「第三十六條の二」を「水屋業協同組合法第三十六條の二」に改め、同項の次に次の一項を加える。  3 この法律施行の際現に漁業協同組合又は漁業協同組合連合会の理事である者については、水産業協同組合法第三十四條第八項(同法第九十二條第三項において準用する場合を含む。)の改正規定は、その任期中は適用しない。  以上のように修正すべきものと、小委員会において決定を見た次第であります。その理由を簡単に申し上げますと、まずそのおもな点は、漁業協同組合の地区内に住所を有する加工業者、しかもその加工業者は加工協同組合に加入していない加工業者であります。その漁業協同組合の「地区内に住所を有するもの」とありましたのを、「住所又は事業場を有するもの」こういうぐあいに訂正いたすべきものと考えたわけであります。  次はやはり漁業協同組合の准組合員の資格の中に、漁業生産組合というものがあるのでありますが、その下に「及び漁業を営む漁業協同組合」こう原案ではあるわけであります。この「及び漁業を営む漁業協同組合」を除きまして、同じ協同組合の間で、准組合員として加入するという必要はないのでありまして、二つの漁業協同組合が一緒になつて仕事をする必要がございます場合は、連合会の組織をつくり得る規定がございますので、これを削除すべきものと考えた次第であります。  次は、内水面において水産動植物の採捕または養殖をする者を主たる構成員とする組合以外の組合にありましては、一箇年間に漁業を営みまたはこれに従事する日数が九十日以上である者でなければ、組合の役員になれない、こういうぐあいに役員の資格條件を、できるだけ純漁民的な性質を持つた人たちによつて役員を選任いたしましてそうして組合の運営を純漁業者を中心とした組合の経営に持つて参りたいという趣旨であります。  第三十六條の二の改正規定中、先ほど申し上げましたように修正したのは、漁業協同組合が漁業の自営をいたします場合に、その組合員が漁業を営んでおりましても、それは競業関係に立つものとは考えるべきでないのでありまして、漁業に関する限りは、競業関係にある事業とは認めないというように修正をいたしたわけであります。これは連合会との関係も同様であります。  それから貸借対照表の下に、損益計算書を加える第四十三條第一項の改正であります。第三十六條二の改正規定でありますが、これは政府としては、事業報告書の中に、当然損益計算書が含まれるという見解でありますけれども、これはやはりはつきりと損益計算書を加えた方が適当と考えたわけであります。  なお水産業団体の整理法の改正点でありますが、これは漁業権管理委員会の委員の資格を、「一年に三十日以上漁業を営み、又はこれに従事するもの」こういうぐあいにはつきりさせたわけであります。  以上水産業協同組合法の一部を改正する法律案に対しまして、小委員会におきまして、慎重審査の結果、修正することを適当といたしまして、小委員会の決定をいたしました点を簡単に御報告申し上げた次第であります。

石原圓吉自由党

○石原委員長 何か御質疑の方はありませんか——御質疑がなければ、これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。討論の通告がありますので、これを許します。井之口政雄君。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 原案並びに修正案に対して、日本共産党を代表して反対いたします。  第一に、今度の水産業協同組合法の一部を改正する法律案の、最も中心的な改正の方面はどこにあるかと申しますと、これは従来漁民の自主的な団体であつたところの漁業協同組合に、法人の加盟を認めるという点であります。法人の加盟を認め、そしてその常時使用する従業者の数が三百人以下であり、かつ使用漁船の合計トン数が三百トン以下のものをして、これを加盟せしめるということを規定した点が、今度の改正案の一番中心になる点であります。もしこれを許すといたしますならば、漁業協同組合が漁民のための自主的な組織でなくして、当然資本主義的に経営されておりますところの漁業会社が、この協同組合の実際の権利を、実質上握るということになつて来るのであります。今日漁業協同組合は非常に資金に悩んでおります。小企業の当然悩むいろいろな現象は、漁業協同組合においても痛切に現われております。でありまするがゆえに、この漁業協同組合に、ごく低利の長期にわたる資金を貸付けることによつて、漁業の育成と漁業協同組合の育成ということをはからなければならないのであるにもかかわらず、こういう漁業を営む法人をして、これに加盟せしめて、そのことよつてこの方面からいろいろな資金を仰ぐということに立ち至りましたならば、せつかくの漁業協同組合の任務が、まつたく反するものとなつてしまうとわれわれは考える次第であります。かくして今度は漁業協同組合は資本家に左右され、かつ商業資本の支配下に置かれて参るようになつて来ることは必然であります。この点は、われわれがぜひとも反対しなければならない一点であります。  次にもう一つの点は、この漁業協同組合を代表する代表機関の点でありまするが、従来は二百人を超えるまでは、定款の定めるところによつて、総会にかわるべき総代会を設けることができることになつていたところを、今度は二百名を百名に引下げてしまうわけであります。でありますると、その結果は、小さな組合におきましても、総会を開かないで総代会で一々ものを決定してしまうというふうな、独裁的なやり方が、協同組合に起つて来ることになります。従つて一部の漁業ボスによつて、この協同組合の自主的精神が、またむしばまれて来る。これに対しましては、われわれは反対せざるを得ぬのであります。  第三番目に、やはりこの改正の共通点といをまして、いろいろな年限が、みな当然長くすべき性質のものがあべこべに短かくされ、短かくすべき性質のものが長くされる。こういうふうに今度のは改正されるわけであります。こういうことに対しましては、むしろ漁業協同組合の本質に従つて、従来の方が今度の改正のものよりもかえつてよいのでありまして、これらの点はこまかに一々申し上げませんが、これらを総括して、今度の漁業協同組合の一部の改正なるものは、改正でなくて改悪であり、漁業の協同的な精神、漁業者の自主的な精神というふうなものを阻害し、そうして協同事業を阻害するものといたしまして、日本共産党においてはこれに反対する次第であります。

石原圓吉自由党

○石原委員長 討論はこれにて終局いたしました。ただちに採決を行います。  まず小委員長より報告いたされました修正案についてお諮りいたします。  本修正案に賛成の諸君の御起立を願います。

石原圓吉自由党

○石原委員長 起立多数。よつて本修正案は可決されました。  次に修正部分を除いた原案についてお諮りいたします。  修正部分を除いた原案に賛成の方の御起立を願います。

石原圓吉自由党

○石原委員長 起立多数。よつて原案は修正議決されました。  なお本案に関する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願います。     —————————————

松田鐵藏自由党

○松田委員 さきに本委員会の審議を完了いたしまして、本会議に上程されて、これまた可決になつた紀伊水道の問題にからんで、今回水産常任委員である田渕光一氏が、脱党声明をいたしまして、脱党したのであります。その内容は    脱党声明   今般私は所属自由党一部幹部と所見を異にするところあり、数度勧告をなしたるも、反省するところなきをもつて、これ以上党にとどまることは、政治家としての正義感と良心が許さざるのみならず、また多数の選挙民に対する責任の遂行上、熟慮の結果自由党を昨日脱党いたしました。今後は無所属議員として国政に精励いたします。   昭和二十五年四月三十日      衆議院議員 田渕 光一かような声明を発して脱党届を出したのでありまして、これは出淵光一代議士一人の責任でなく、われわれが慎重審議をいたしまして、紀伊水道の問題に関しては、これが妥当である、かように考えて、ここで結論を見出し、議決し、しかして衆議院本会議を通過したものであるにもかかわらず、かような問題が起きたということは、ひとり田淵代議士一人の責任でなく、われわれ水産常任委員として、最も責任を感じなければならないものでありまして、今後においてこの問題を急速に解決すべく努力をしていただきたいと、かように考えるものであります。

石原圓吉自由党

○石原委員長 この問題に対して御発言ありませんか。

玉置信一自由党

○玉置(信)委員 ただいま松田委員から発言されました本委員会の同僚議員である田渕光一君が、脱党声明をされたことにつきまして、私どももこれを仄聞いたしておるのであります。ただいま松田委員の発言された中に、その幹部との意見の対立のことのみを申されて、ポイントである本委員会において、決定されました漁業業中一部改正に伴う件についての内容は、御遠慮されていたようでありますが、問題は私ども聞いておりますところによると、ただいま松田委員の申されたように、漁業法の一部を改正して、しかも共産党を除いた各党一致で本委員会並びに衆議院を通過いたしておる問題に対して、一部の幹部の人が、参議院における本法の通過を阻止したというのが、根本原因のごとく私ども聞いておるのであります。もしそういうことが事実であるとするならば、事きわめて重大でありまして、松田委員の申される通り、一田淵議員の問題でなくして、われわれ水産常任委員全体の問題であると同時に、衆議院として、国会としての重大な問題であると思うのであります。従いまして本問題につきましては、はたしてそうした、参議院における本法案の通過を阻止したかのごとき田淵委員の言われる事実があつたかいなかということも、私どもは委員会として調査をする必要がありはせぬかと考えるのであります。今田渕光一氏の脱党声明をもつて、ただちにこれを真実として取上げて云々するわけには参りません。少くともその真実を明らかにし、もしそうした事実があるとするならば、われわれは国会の名においてこれが善処と申しますか、解決をはからなければならないと思うのでありまするが、これに対する委員長のお考えを承つておきたいのであります。

林好次国民民主党

○林(好)委員 ただいま松田委員からお話がありましたように、この紀伊水道の漁業法案の一部改正の問題とからみまして、自由党田淵議員が脱党届を出されたということは、水産常任委員といたしましてまことに遺憾に考えるものでございますが、もちろん私どもも紀伊水道の問題は、委員長の命を帯びまして、二回も国政調査をいたしまして、修正することが適当であるという結論に到達いたしまして、そしてあの案を議員提出として出したわけであります。ただいいまお話がありましたように、もちろん自由党としても党議で決定しておられる問題だと思うのでありまして、それにもかかわらず自由党の幹部として、事実を私はよく知りませんが、もし参議院において本法案を握りつぶしをするような運動をされたとすれば、まつたく水産常任委員というものを、自由党の幹部の人は軽視しておられるのではなかろうかと私は考えるものでございます。もしこういうことがありとすれば、これは自由党の幹部の方々は大いに反省をしてもらはなければならぬと私は考えるものでありまして、委員長のこれに対する御意見を伺いたい、かように考えるものであります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 ただいま松田委員より田淵水産委員が脱党されたというお話を承りまして、これは田淵委員が自分の信念をもつてなしたことであつて、われわれは、この問題に対してとやかく言うことではありませんが、しかしこの紀伊水道問題に対して、こうしたいろいろなあとくされの問題が残るということは、これは衆議院において十分に慎重審議をやらなかつた結果である。御承知のように、参議院の水産委員会などでは、非常に慎重な態度をとりまして、こうしたりつぱな調査書までも出ているのみならず、公聴会も開き、慎重審議し、地元の漁民の方々の意見もよく聞いて、そしてこれを判断するというような態度をとつておられる。しかるに衆議院においてはそういうことがなされずに、多数をもつてどんどんこれが一気呵成に押し切られたということが、今日見るようないろいろの不祥事を起すものであつたとわれわれは観察するのであります。将来もあることでありますし、こういう問題については、委員長においても徹底的に注意してもらいたい。ついでにこの問題と関連いたしますが、この瀬戸内海の淡路島からずつと近海にかけまして、海上保安庁のトロール船の取締りが非常に不十分である。これに対してその後水産庁は、どういうふうな処置をとつておいでになりますか。その点を聞かしてもらいたいと思います。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 ただいま共産党の井之口君の御発言の中で、この漁業法の一部を改正する法律案、すなわち紀伊水道の分離問題につきまして、参議院は非常に慎重審議をしておるが、衆議院は多数をもつて一気に押し切つてしまつたというような御発言があつたのでありますが、これは小委員長といたしまして、看過できない御発言でありますので、小委員会の審議の経過並びにこれが取扱いについて、いかに本委員会が慎重に多大の日時を費して、また広く関係漁民諸君の意見を徴して、この決定を見たか、このことについて発言をいたしたいと思うのであります。この問題につきましては、さきに第六国会におきまして、漁業法の審議を行いました当時から、共産党の砂間君を含むところの調査団が、国政調査の正式の手続を経まして、現地調査をいたし、紀伊水道並びは瀬戸内海の現地を踏査いたしますと同時に、関係漁民諸君の意見をつぶさに聴取いたしておるのであります。また漁業法の現地公聴会を開きました際に、玉置班長はこの問題を非常に重視されまして、特に同班としては、この問題についての資料、その他の意見等について、十分な調査をいたしておるのであります。衆議院は今申し上げましたように、第六国会及び第七国会を通じまして、おそらく参議院が行つたであろう以上の慎重なる審査を遂げまして、あの結論を得たものであります。当時井之口君は本委員会の委員ではなかつたのでありまするけれども、同僚砂間委員は、私どもとともに、意見はかりに異にいたしましても、この調査に当つたことは事実であるわけであります。私どもはこの問題が田淵委員の脱党という問題を生起いたしたのでありますけれども、これは二つの面から考える必要があると思うのであります。田淵君の声明にありまする、党内における一部幹部の行動に対する田淵君の所見及の信念の問題が一つ、もう一つは本委員会が決定をし、本院が院議をもつて決定いたしましたものに対して、国会議員の一人としてその院議を無視するがごとき行動を、もし一部の者がとつたとしたならば、党内問題であるのみならず、本院を構成する議員が、その院議を無視した行動に対する国会議員としての田淵君の信念から、これを指彈せんとするところの一つの行動であるとも見られるわけであります。そこで党内問題は別といたしまして、本委員会といたしましては、さきに本委員会が決定し、院議の決定を見たものに対して、一たびそれに賛成をした衆議院の議員が、陰にまわつて本委員会の決定に不賛成の行動をとり、院議に対して反対の行動をとる者があるとするならば、これは委員会の立場としても、先ほど玉置委員が調査を要請されたと同じ意見を私は持つものであります。以上これに関連いたしまして、私の意見を申述べた次第であります。

石原圓吉自由党

○石原委員長 委員長のこれに対する意見を申し上げます。  まず共産党の井之口君は、この参議院水産委員会の調査書を非常に貴重なもののように振りまわしたけれども、これは地方の水産試験場や水産庁で調査した資料をとりまとめたのにとどまるのでありまして、参議院自体が調査した資料はこれにはないのであります。こういう点を十分御調査の上、ごらんの上で御発言を、今後はお願いをしたいと思います。  なお玉置君、林君、鈴木君等より御発言の点は、一々同感であります。事実もし先刻松澤議員より朗読されたような事実があるとすれば、われわれ自由党の所属議員は、あるいは田淵君と同一の歩調をとらなければならぬ事態になるかと思うのであります。  私はこれより各委員の御意見に基いて、十分事実の真相を調査いたし、その上で、善処方についてはさらにお諮りをいたしたいと思います。  なおまたこの際申し上げたいことは、まずこの案を通過せしめるということに、あとわずか二日しか残していない間でありますから、委員諸君の御協力を願つて、この方に邁進するようにいたしたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。  これをもつて休憩いたします。     午後一時二十二分休憩      ————◇—————  休憩後は開会に至らなかつた。      ————◇—————

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