水産委員会 第35号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/04/22
会議録
○石原委員長 これより会議を開きます。 まず御報告いたします。漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案、参議院提出、参法第五号が昨日本委員会に付託になり、またかねて予備付託になつておりました臘虎膃肭獸猟獲取締法の一部を改正する法律案は、参議院において一部修正の上、本院に送付せられまして、昨日当委員会に本付託になりました。 これより前会に引続き請願の審査を進めます。紹介議員の御都合がありますので、まず日程第二〇を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。小松勇次君。
○小松勇次君 伊浜船だまり築設工事費国庫補助の請願の要旨並びに理由を御紹介申し上げます。詳細は請願書にしたためてありまするから、私はここにその要点だけを申し上げたいと思います。 船だまり漁港が水産業の基礎施設であることは、多くの言を要せないところでありますが、伊浜船だまり工事に対しまして、特に促進方を請願する理由としては、まずこの地の地理的関係並びに交通関係より申し上げたいと思います。 伊浜は、靜岡県下田町より遠く離れた三浜村の一部落で、伊豆の南端に位置し、前面には黒潮流るる太平洋をながめ、背面起伏する山々の傾斜地には、海流の影響を受けてか、極寒の候にも氷、霜を見ることなく、真冬でも豆類とか花卉類の栽培に適して、東京の市場にこれらを出荷しておるのであります。しかし汽船及び自動車の発着する子浦部落まで四キロの間、道という道がなく、わずか半メーターくらいの險しい山道一本だけで、荷物は人の背によつて運搬されるよりほかなく、また海上の交通におきましても、冬の候には西風が強く、港がないために全然船の出入が不可能であり、漁船の多くは海浜よりはるか陸上に引上げて、その保護をいたしておるような実情であります。海陸ともに交通不便の、惠まれざる二百戸余の部落であります。背後の山地に成長する木材は、交通関係よりいたずらに死蔵するだけであり、かつ傾斜地で耕地面積の少い同地は、勢い漁業に依存する以外に生活の道がなく、部落民の大半は漁民であります。ことに黒潮の流れに棲息する魚族の結集するだけでなく、二里余の海岸地域には、かんてんの原草てんぐさ、のり、あわび、さざえ等の豊富なることは、ひとたび同地に足を入るる人々の、ことごとく知るところであります。漁港に惠まれないために、出漁に不安多く、魚群の来襲をむなしく坐視する期間が多いのであります。しかして水産庁におきましても、この伊浜村の船だまりの必要を認められて、昭和二十一年度より着工いたしたのでありまするが、昭和二十三年度より、継続工事が、いかなる理由によるのでありまするか、頓挫いたしておるのであります。さきに申し述べましたごとく、冬西風の強い関係より、計画工事が完成しなければ、まつたく使い道のない船だまりと相なつておるのであります。ゆえに二十五年度よりは、工事計画書通り続行し、すみやかに完成するための補助金の交付を強く要望するものであります。現状は仏つくつて魂入れざるの感を深くするものであります。地元民は短期に工事を遂行する熱意より、負担金の用意をいたしておるだけでなく、工事設備においても靜岡県下に類のない起重機船を購入するとともに、陸上設備として、モーター及びウインチ、電気設備その他の機械力利用設備に予期せざる莫大なる費用を投じ、ひたすら完成を急ぎつつある次第でございます。万一このまま放置せられることがありますならば、設備維持の困難はもとより、既設の工事も潮流のなすにまかせてその利用価値は従前に比してはるかに劣る結果の到来を憂えるのであります。本工事続行は、住民救済事業たるにとどまるのみならず、水産資源の開発に裨益するところがきわめて多いと存じます。地元民の熱意を坐視することなく、本船だまり工事を二十五年度より続行し、すみやかに完成するよう、国会を通じて政府に善処方を要望する次第であります。何とぞ本請願に対し、同情をもつて御採択あらんことを御願いする次第であります。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見を伺います。山本水産庁次長。
○山本(豐)政府委員 伊浜の漁港が非常に重要であることは、ただいまの御説明に盡きておる通りであります。水産庁としましても、その重要性は認めておるのであります。さきに二十一年度でありましたか、国庫補助を出しまして、一応防波堤一基だけ築造を終えたのでありますが、この程度ではまだ完全ではないのであります。漁船の利用の上から見まして、さらにこれを完備する必要が十分あると思うのであります。ただ途中で災害等もありまして、災害の関係の復旧工事もやつたような事情もありまして、その後、中絶されておるのであります。予算が許します限り、本年度はなかなか困難と思うのでありますが、二十六年度以降におきまして、ぜひ実施できるように考究いたしたいと考えておるわけであります。 —————————————
○石原委員長 次に日程第一一、第一九、第二二を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。立花敏男君。
○立花敏男君 しばらく時間をいただきます。第一に申し上げたいと思いますことは、兵庫県淡路の由良の漁業協同組合の組合長作田卯之助氏以下の陳情でございますが、これは無許可トロールの取締りに関する請願でございます。私が申し上げますよりも、組合長が直筆で書いてありますのを、簡單でございますし、素朴な言葉のうちに実情がはつきり現われておりますので、読み上げさせていただきます。「この町はトロール船のため海が荒され、役人のため山は坊主にされ、漁民は飯も食えず、配給ももらえぬありさまになつています。トロは陸軍が残して行つた二隻の船が始まりであります。今では十八組三十七隻になつております。この船が紀伊水道を荒すばかりか、由良の專用漁場も荒してまわる実情です。このトロ船は明らかに許可のないもぐり船であります。このためつり、なわ等は魚がとれず、生活はますます苦しくなつて食つて行けず、死んで行くよりほかに道がないありさまです。私たちは死にたくない、働いて世の中のために盡したい。子供もりつぱに育てたい。取締りによつてトロの密漁を取締るよう。今までたびたび県庁、海上保安庁、警察にお願いしましたが、まじめにやつてくれません。口先や身振りだけで、トロはますますいばつています。役人はトロの味方か、私たちのような漁民を見殺しにするのか。これ以上しんぼうはできません。私たちは命を捨ててもお願いします。どうぞトロ船を明日からでもすぐ取締つてもらいたい。御返事をお願いいたします。」これが由良の漁業協同組合の組合長の作田卯之助さんからのじきじきのお言葉であります。この素朴な言葉の中に現われておりますように、実は私、選挙区はそうではございませんが、出身が淡路でございますので、この淡路の由良の実情はよく知つております。しかもここに由良の町民の過半数の署名を集めまして、持つて来ておりますが、実に悲惨な状態に陷りまして、主食の配給もとれない漁民がどんどん出て参ります。その主食の配給の代金を組合で立てかえまして、たまたま沖ヘ行つて帰つて参りましたときに、その米の立てかえてもらつた代金を、拂いもどすというような方法になつております。これは漁民といたしましては、もう主食の配給もとれないとなりますと、まつたくここに書いてありますように、死ななければならない、餓死一歩手前だと思うのであります。しかもその死に迫られました人たちの目の前には、ここに書いてありますように、三十何ばいの大きなトロール船が浜に上げられておりまして、これに関係するものだけが生活をりつぱにやつて来ておる。従つてこの食えなくなりました漁民は殺気立ちまして、すでに何回も流血の惨事を見ておるのでありますが、この浜に上げられました船に石油をぶつかけて火をつけようかというところまで実は行つておるということを、私は聞いております。こういうふうになりますのも、トロール船が港の口まで入つて参りましてあるいは、いかりをやつて休んでおります船のいかりまで、そのトロール船の道具にひつかけて持つて行くというような、非常にあくどい漁のやり方をやつておりますので、まつたく漁民の経営、あるいは生活そのものが、根本的に破壊されようとしておるのであります。この状態をよくお考えくださいまして適当に御処置願いたいと思うのでございますが、これに関しまして関係政府当局の御意向を承りたいと思います。
○山本(豐)政府委員 兵庫県の淡路島の由良町の無許可底びき機船の問題でありますが、この問題は、われわれも本国会でもたびたび耳にいたしました問題であります。すでに海上保安庁なり、兵庫県におきまして、漁業取締りをやつておるわけでありますが、ただいまお話のように、もうひとつ徹底的に行かない。本庁といたしましても、嚴重に取締るようには要請しておるのであります。しかし実際問題としまして、これはりくつ通りには参らないのでありまして、これらの無許可船が適切なる他に転換をするということも、あわせて考えてやらなければ、実際問題として感情問題に陷り、また実力問題になるかと思うのであります。兵庫県におきましても、この点についてもいろいろと指導をやつて来ておるようであります。本庁でも県の当局とよく連絡をとりまして、一方にはそういう船の転換策を考えながら、一方では取締りをだんだんに強化して行く、こういうふうな方策をとつて参りたいと考えております。
○立花敏男君 具体的な転換方法は何かございませんか。
○山本(豐)政府委員 これは單に由良町だけでありませんので、特に内海全体にわたりまして、このトロール船が横行しておるようであります。そこでやはり内海全体のそういう船の対策をひとつ考えなければならぬじやないか。近く瀬戸内海の取締り規則というものを、根本的に考えてみたいと考えておるのであります。それらとの関連をもちまして、このうち、ある程度を制度化して認めるとか、あるいは他に、沖合いの方に出すような方法を考えるとかいうふうな、いろいろな方法を研究いたしまして、全体として解決をはかつて参りたいと考えておるわけであります。
○立花敏男君 それからもう一つ。漁師は、これは今に始まつたことではございませんので、ここに書いてあるように、終戰以来の問題でございまして、こらえにこらえて参りましたが、主食の配給もとれなくなつている。そういう状態で一日も早くやつていただきたいと思うのでありますが、お話のりつぱな案ができますまでの暫定的な対策、これもぜひ必要ではないかと思うのでありますが、それについて、どういうようなお考えでございましようか。
○山本(豐)政府委員 これは、率直に申し上げますと、中央でただちに実施し得るような具体的な案が今ないのでありますが、過渡的の問題は、従来もやつておられると思うのでありますが、できるだけそのようなことのないように、県と御相談願いたいと思います。またそれにつきましては、われわれといたしましても、県当局に対しましてさらに一段と懇切に指導するように、注意を喚起したいと思つております。
○立花敏男君 私たびたび申し上げるようでございまするが、生活がせつぱ詰まつております。りくつでも何でもございません。漁民は実際食えなくなつておりますので、この点お考えくださいますならば、今のように県と連絡をとるとか、善処するとかいうお言葉だけでは、おそらく漁民は納得しないと思いますし、あるいは不測の事態が発生するかもしれないと思うのであります。そこで恒久的なものは、お言葉のように、あるいは長くかかるかもしれませんが、暫定的なものにつきましても、はつきりした具体策だけはお立て願わないと困ると思うのでありますが、何かこの点についてお考えはないか。あるいは現在なければ、いついつごろまでには、はつきりしたそういう具体策をお立てになるというお考えがあるかどうか。その点を重ねてお聞かせ願いたいと思うのであります。
○山本(豐)政府委員 いついつまでと言われましても、実はできもしないことを言うことになりますので、申し上げられませんが、そういう事情を十分考えまして、何か暫定的なよい法律でもあり得れば、それぞれそういうものも至急に考究させて、県に善処方を依頼するようにいたしたいと思つております。
○立花敏男君 この問題はそれで終らしていただきます。なるべく早いうちに漁民の生活を救うという立場からの、具体的な対策をお願いいたしいた。 次は北洋漁業に関する請願でございまするが、これは二点ございます。第一には、今まで北洋漁場に出かけておりました出かせぎ漁夫の雇用関係を、もとのように即時実現していただきたいというお願いと、もう一つは、船をチヤーターするなり、その他の方法によつて、北洋漁場へ出漁できるようにしていただきたい。その二つのお願いでございます。これもさいぜんの淡路の問題と本質的には関連いたしておりまして最近沿岸にはトロール船が漁業を始めまして、沿岸の漁民は非常にその漁場を荒され、従つて漁獲が減り、生活が困窮するという状態になつておるのでございます。さらにその上に北洋漁場ヘの門戸が閉鎖されておりますので、どういたしましても、出かせぎの問題と出漁の問題を解決していただきませんと、青森初めあの付近の沿岸漁民が非常に苦しい立場に陷るということでございますので、この点をひとつ国会でおはからい願いたいと思うのでございますが、この点に関しましても、水産庁の御意見を承つておきたいと思います。
○山本(豐)政府委員 北洋漁業に従事しておりました漁業者のいわゆる再就職と言いますか、その問題だと思いますが、それは北洋漁業自体が再開されれば、当然そういうことは可能になるわけでありますが、御承知のような現下の日本の置かれておりまする国際情勢におきましては、これは言うべくして、なかなか簡單には参らない事情があると思います。水産庁としましても、單に北洋漁場のみならず、あるいは以西の朝鮮沖における漁場でありますとか、あるいは南方でありますとか、これらの全体の問題として、少しでも活路を見出せるような漁区の拡張につきましては、常に関心を持ちまして、関係方面にも時々要請はしておりまするが、いつになるか簡單にはきめられないのであります。ただいまむしろそういう全体的の運動と相並行いたしまして、この問題の解決を考えて参りたいと思つております。
○立花敏男君 関係方面との折衝があつたとかいうお話でありましたが、それはどういう内容で、どの程度まで話が行つているのでございましようか。
○山本(豐)政府委員 要するに、單に北洋漁業という意味ではありませんので、たとえば講和会議の場合には、できるだけ従来のような自主的な原則で、広く公海の漁業ができるようにというような希望でありますとか、あるいはそれが非常に長くかかる場合には、その前におきましても、一国あるいは数国と漁業協約と申しますか、そういうようなものでも締結できないものであろうかという程度の、外交交渉という点から申しますると、その予備の予備のことにもなるわけでありまするが、それらのことは、正式ではありませんけれども、機会のあるときにわれわれもお話をしているといつた程度であります。
○立花敏男君 その漁業協約の話について、これは正式ではないとおつしやいましたが、どういう機関とどの程度にお話なさつたのか、貿易の問題でございますと、たとえば中共の場合は、実際に取引したのもございますので、漁業の問題も、やろうと思えば、ある程度やれない問題ではないと思つておりますので、もう少し詳細に御説明願いたいと思います。
○山本(豐)政府委員 これは具体的には、まだわれわれとしては、全然お話をする域に達していないのであります。
○石原委員長 ちよつと立花君に申し上げますが、請願に対しては、政府の所見をただすにとどまるのが通例でありまして、この際意見の交換は、ちよつと時間の関係上、ある程度にとどめてもらわぬといかぬと思うのであります。
○立花敏男君 それではもう一言だけ。その漁業協約につきまして、説明の段階に達していたいという御説明でありますが、今後この漁業協約の問題について、もつと実質的な具体的な交渉をお進めになるおつもりがあるでございましようか。その点を最後にお聞きいたしたい。
○山本(豐)政府委員 これは日本の置かれている立場から考えますると、やはり相手方がそういう気持になつていただかなければ、とうてい対等にこちらから申入れをするということは、困難だと思うのであります。ただそういうことも近き将来にあり得ると考えまして、水産庁のみならず、業界におきましても、在来の方法であるとか、日本が戰前に行いました状況であるとか、それらの参考資料といいますか、そういうものをいろいろ研究しておるほどの程度であります。
○立花敏男君 向うがその気になつてもらわないと、こちらから申し込めないというお話でございますが、向うにその気持がないということがはつきりしたということをお聞かせ願いたいのと、そういう気持が向うに起るように、こつちから先に仕向けるのがほんとうじやないかと思うのですが、その点についてお聞かせ願いたい。
○山本(豐)政府委員 それはいろいろな見解もあると思うのでありますが、われわれはこれを円満に効果あらしめるためには、やはりそういうふうな態度で考えて行くのがいいのではないか、これは各人各様の見解の相違だと思いますが…… —————————————
○石原委員長 次に日程第三七を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。庄司一郎君。
○庄司一郎君 ただいま議題としていただきました請願の案件は、宮城県亘理郡坂元村に太平洋の漁場でございます磯浜という所がございます。この磯浜は封建時代におきまして、伊達正宗公以來の漁場でございまして、今を去ること二十年ほど前に、宮城県が本省の御助成を得まして、船だまり場をつくつていただいたことがあるのでございます。その後津波その他の災害等によりまして、その船だまり場の防波堤が破壞せられまして、ただいまほとんどその痕跡を辛うじてとどめているにすぎないのでございます。坂元村の漁業協同組合の諸君が、当該村長と相談の結果、すみやかに元のように、あるいはもと以上に堅牢な船だまり場に構造してほしいというので、宮城県の方に再三陳情いたされました。その結果宮城県の佐々木知事が、水産部長を伴いまして、過般現場を視察いたしましたような次第でございます。請願の趣旨は、宮城県と御協力をいただき、水産庁より適正な補助等をいただいて、すみやかに完成をしてほしい、こういう意味の請願でございますので、よろしく御採択をお願い申し上げたいと思います。
○石原委員長 ただいま庄司一郎君の説明による、本請願に対する政府当局の所見を伺います。
○山本(豐)政府委員 磯浜の漁港の災害復旧については、すでに査定を終了いたしまして、実施計画は大体確立されているのであります。ただ二十四年度に起りました災害復旧につきましては、総復旧費の二割五分が本年度の予算に計上されているわけであります。そういうわけで、この二十五年度に全部を完了するというのはちよつと困難がありますが、しかし続いてなるべく早くこれを完全なものにするように持つて行きたいと思つております。 —————————————
○石原委員長 次に日程第一二、第一三、第一六、第二七を議題といたします。玉置信一君。
○玉置(信)委員 請願紹介の立場から、特にその理由を説明して、御了解を得たいと思います。 最初に、北海道苫前郡初山別村に漁港を築設していただきたいという請願でございます。この請願の趣旨は、初山別村豊岬港に天然の地形を利用して漁港を築設すれば、もちろん海産物は増加し、かつ港の背面の諸産物の積出し、及び沿岸航行の船とまり港としても、非常に価値が多いわけでございます。この漁港の築設は、すでに二十年来毎回請願をいたし、その都度採択しているのでありますが、今日まで遺憾ながら実現を見ないわけであります。この漁港の築設に関しましては、さきに道庁土木部港湾課及び留萠土木現業所で実測を終了いたしまして、設計等も完成しているのでございます。つきましては、この漁港をぜひ今年、明年のうちに——今年と申しましても、予算関係で不可能と思われますが、できれば何とか臨時の処置をお願いいたしたいし、遅れましても、二十六年度にはぜひ着工をしていただくよう、特にお願いを申し上げる次第であります。 その次は、北海道増毛漁港拡張工事促進の請願でございます。この請願の趣旨は、この増毛港は自然的に惠まれておりまして、地理的にも非常によく北海道においてもまれに見る好漁場でございます。前年来両三回にわたつて改修等も行われているのでありますが、最近いろいろ経験いたしてみた点から、一朝荒天に見舞われますと、莫大な損害をこうむるのでございまして、この港をぜひひとつ大きく水産庁あるいは運輸省の関係において、二十五年度から着工していただきたいというのが、本請願の趣旨でございます。これももう予算関係で二十五年度は不可能となれば、ぜひ二十六年度に着工方をお願いいたしたいというのが、請願の趣旨でございます。 次は、北海道礼文郡香深村に魚田開発策源地としての諸施設をしていただきたいという請願でございます。この請願の要旨も大同小異でございますが、御承知のごとく、本邦北端の礼文島は、にしん、こんぶ、うに、いか等の漁業根拠地でありまして、礼文島の西北方には、たら、ぶり、まぐろ、さば等の有望な魚田が未開発のまま残されているわけでありまして、しかもこの香深村は、北方新魚田開発の要地でありまして未開発魚田は非常に有望視されていることは、当局もすでに御承知のことでございます。しかもこの漁場で捕獲されたものを加工生産することによつて、輸出産業の将来も洋々たるものがあるのでありまして、これをぜひ国費をもつて施設をしていただきたいというのが、請願のおもなる理由でございます。 次は、北海道礼文郡船泊村の船泊漁港拡張工事施行の請願でございます。これも御承知のように、昭和六年には小型漁船の繋留を目的として施設されたのでありますが、その後漁業が機械船による沖合い漁業にだんだんに移行いたしまして、従つて船数も増加いたし、收容能力が風波が激しいためにほとんど問題にならない状況になつておるのであります。漁船がだんだんにふえておりまする今日におきまして、ぜひこの拡張工事をしていただきまして、漁業生産の増強に資し、漁業の重大使命を果したいということを、念願申し上げておるようなわけで、漁港拡張工事の請願をぜひお聞き取りをいただきたいというのが、この根本のお願いでございます。以上のうち離島を除きました請願の場所につきましては、昨年幸い水産委員長ほか水産常任委員の御一行が、現地に御視察に相なりました場合にも、親しく現状をごらんになつていただいておりますし、またそれぞれの地区におきましても、各町村から代表が参りまして、つぶさにその実情を陳情申し上げておるような次第でございます。どうかこの点を特にひとつ御理解をいただきまして、これらの願望をかなえていただきたいということを、紹介の立場としてお願いを申し上げる次第でございます。
○石原委員長 本請願の紹介議員玉置君の説明に対し、政府の所見を伺います。
○山本(豐)政府委員 第一の初山別村豊岬の漁港築設の問題でありますが、この漁港施設を築造する必要は、水産庁におきましても必要と認めておるのであります。今まで地元でいろいろ実測等を了しまして、一応の設計計画もできておるようでありますが、それを道庁を通じまして、さらに具体的な計画を確立せられまして、申請をしていただきたいと思うのであります。その場合には、今年度はもう予算もきまり、また大体箇所も予定がついておりますので困難でありまするけれども、二十六年度以降におきましては、国家財政の許す範囲内で、ひとつ実現できるように努力したいと考える次第であります。 次に増毛漁港の拡張工事の促進の問題でありますが、この増毛港は、ただいまの御説明にもありましたように、現在まで運輸省の所管の港湾になつておるのであります。そういうわけで水産庁としては手の着けようもなかつたわけであります。しかしこのたび漁港法も通りまして、これらの関係で将来漁港として指定されました場合には、愼重に水産庁としてもよく検討いたしまして、請願の趣旨に沿うように努力したいと考える次第であります。それから第三番目の船だまり漁港拡張工事の問題でありますが、この漁港の拡張整備をいたしまして、同地方の漁業の振興に寄與せしめる必要は、水産庁としても、もつともであると考えるのであります。これも先ほど申し上げましたように、道庁からの具体的な計画を立つて、申請をしていただきました場合におきましては、十分検討いたしまして、二十六年度以降の予算におきまして、実施をはかるように努力したいと思うのであります。 それから第四番目の香深村の漁田開発の問題でありますが、これは紹介議員におかれてもよく御承知のように、この漁田の開発の問題は、二十二年度から、北海道におきまして水産庁のいろいろの指導のもとに着手して参つたのであります。最近は御承知のように、見返り資金というような融資の方法も考えまして、一部実施中であります。しかし先般のこの会議でも申しましたように、二十四年度の見返り資金というものが非常にきゆうくつでありまして、二十四年度の計画は二十五年度の劈頭にずれて来るというふうな事情もあるわけであります。しかしこの必要性は水産庁としても十分認めておりまして、道庁の指導のもとに、健全なものから順次手をつけて行きたいと考えておるのでありまして、このものにつきましても、具体的の計画を立てて申請が出て参りますれば、検討いたしまして、この請願の趣旨に沿うように努力したいと考えております。 —————————————
○石原委員長 次に日程第四六を議題といたします。文書表番号第二六八一号、紹介議員夏堀源三郎君の説明を求めます。
○夏堀委員 漁船保險法に関する請願であります。漁船保險制度は創始以来ここに十余年をけみし、漸次全国の津々浦々に普及の跡を認められますが、その実績は所期の成果を收めることができないのでありまして、漁船保險組合は收支の均衡を失して今後の存立さえ危惧すべきものが少くないのであります。今にしてこれが救済対策を樹立しなければ、将来憂うべき事態に瀕するものと思うのであります。よつて政府をして、この際従来の運営方法に新たなる策を講じて、積極的に事業の振興をはかるために、次の各項をすみやかに実施せられるように、格別の御配慮をお願いしたい次第であります。 まず第一に漁船の再保險特別会計に一般会計より繰入金支出の件、要旨は漁船保險の事故発生に際して、漁船保險組合は、遅滯なく保險金を支拂つて組合員の損害をすみやかに填補することが、本事業の進展に何よりも重要なる措置なるにもかかわらず、政府は漁船再保險金の財源を、再保險料のみに依存しておるために、組合への支拂いが遅延し、ひいては組合員の保險金支拂いもまた迅速を欠くの結果を招来することは、はなはだ遺憾であるのであります。よつて一般会計から漁船再保險特別会計に所要額を支出して、常時支拂い準備金を保有し、その欠陷を除去せられたいということであります。 第二は、政府は漁船保險組合を通ずる漁業金融制度を確立して、組合員に貸付の道を講ずべきことである。要旨は営業保險に於ては、金融業務を兼営し、事業の発展に相当の効果を收めておるのであります。漁船保險事業の経営においても、組合が個々の組合員に対し、漁船の建造資金や、漁業の経営資金を融通することができるならば、事業の促進拡充に至大な効果をもたらすことを確信するものであります。しかるに従来は、漁船所有者がこれら資金調達の必要に迫らるるや、その多くは銀行からの借入金によつてこれを充足しているが、政府の預金部資金や、農林中央金庫資金のごときもののうち、水産金融となつているものは、全面的に直接漁船保險組合を通じ、組合員に融通し得る道を新たに開くことが、漁船保險事業の発展に大いに資することができる。しかして漁船保險組合は、貸付金に対する裏づけとして、組合員の被保險漁船を担保として債権保全の道を講ずることを必須條件とする。よつてこの制度実施に伴う法令の改正取扱い要綱の制度等、すみやかに実現をはかられたい。 三、漁船保險法に漁船保險運営委員会設置の規定を設くる件。その要旨は、漁船保險に関する法令の改正その他事業運営上重要案件の決定等、政府の諮問に応ずるとともに、自主的に政府に対し本事業運営に関する建議をなし得る漁船保險運営委員会を法制的に設置せられたい。 四、漁船保險の附加再保險料廃止並びに漁船保險組合の事務費国庫負担の件。その要旨は、現在わが漁業経営の実相は、資材補給金の廃止、魚価の低落あるいは遠洋漁業の漁区制限等の影響を受け、経済界また不安定の時期に遭遇し、船主ははなけだしい苦境に立ち至つて、漁船保險料の支出は相当大きな負担となるので、保險料は現行以上に引上げ困難な状態にある。しかも漁船保險はここ数年来收支均衡を失して、その維持経営困難なるものがあることは寒心にたえないのであります。よつてこの際漁船保險制度の本旨にかんがみ、すみやかにその使命達成をはかるため、まずもつて政府が漁船保險事務費に充当するために徴收している附加再保險料はこれを廃止して、漁船保險料の軽減に振りかえられたく、また漁船保險組合の收支不均衡の現状にかんがみまして、各組合の事務費はあげてその金額を国庫負担とせられたいというのであります。 五、漁船の遭難救助施設充実の件。要旨は、被保險漁船の遭難救助に際して、海難救助專業者にこれをゆだねることは、いたずらに費用は増嵩を来し組合員の負担増加となり、ひいては組合の支出に影響するははなはだ遺憾とするところである。よつて政府はその直営をもつて救助施設を講じ、全国枢要の海港数箇所に救助船とその乘組員を配置せられたい。なおこの救助船及び乘組員常時の利用に関し、漁業の指導または取締り監視等に活用の道を、あわせて御考慮せられたい。 以上の要旨のごとくでありまするが大体この漁船保險というものの現在のあり方が、遭難した船でさえ満足に支拂うことができないのである。ここにいわゆる欠陷があるのであつて、この組織上の点、そしてまたこの漁船保險に対する政府が何か援助的な措置がなければ、この事業の完遂はできないと私は考えておりまするので、特に金融の面もうたつておりますけれども、これは特に各営利会社がこれをやつておりまするが、これを今全面的にやるということは、非常にこの漁船保險組合としては困難なことでありまするけれども、これもやりようによつては、できないことはないだろうと存じますので、全体の組織の上にこの拡充をはかつて、今申し上げたようなことの目的完遂をはかつてもらいたい、こういうことであります。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見を伺います。
○山本(豐)政府委員 第一の漁船再保險特別会計に一般会計より繰入れることは、最も必要であると考えるのであります。漁船の大部分が小型でありまして地方に散在しております。企業的に採算の困難な性質を持つております。従つて独立採算制をとれば、どうしても漁業者に過度の負担となるわけであります。従いまして水産庁といたしましても、一般会計からこの漁船再保險特別会計へ繰入金をするように、極力努力をしたいと考えておるのであります。特に戰時戰後の混乱と申しまするか、この保險の取扱者の交替による不なれでありますとか、あるいは保險に対する熱が足らぬとか、あるいはまたインフレの高進によりまして保險金が物価高になつての支拂いであるとか、漁船の素質の低下によりまして事故が非常に多くなつた。乘組員の素質も低下いたしました。こういうようないろいろな事情に起因いたしまして、現在漁船再保險特別会計の、損害に対する支拂い増加によりまする借入金が五千万円もあるわけであります。これらを今後保險に加入する人の負担に帰せしむるということは、非常に保險加入者に対して負担の過重になりますので一般会計より繰入れをすることによつて、そういう加入者の負担を過重にしないように努力したいと考えておるのであります。第二に、この漁船保險組合を通じまする漁業金融制度を確立いたしまして、組合員に貸し付けする道を開くことでありますが、この点はただいまの御説にございましたように、漁業金融というものは、非常に最近まあ逼迫しておりまして、この打開策にこの手あの手と、いろいろ頭を悩ましている際でもありますので、この方法としましては、これは緊急を要する問題でありますが、大切なことであると思うのであります。特にまたそういう方途を講じますれば、あわせて漁船保險の普及発達にも相なるかと思うのであります。ただ現在の漁船保險の組織か、まだ十分に育つておらない、力が弱いというような関係もありますので、その貸付をやるにつきましては、貸付資金の獲得の問題でありますとか、あるいはこれを回收する問題でありますとか、いろいろ研究を要する問題があると思うのであります。これらの点を十分研究いたしまして、これの実現方を考えてみたいと思つているのであります。 第三に、漁船保險運営委員会の規定を設けることでありますが、この点も、漁船保險全体の運営の問題等、いろいろと研究はまだ足らぬ現在におきましては、これらも必要であるとは思うのでありますが、ただ現在漁船保險協会というものがありまして、これを主体として漁船保險全体にわたります調査研究をまず遂げたいと考えまして、漁船保險研究会というような名前で、こういうものの調査研究を專心にやる一つの機構を考えてみたいと存じまして、せつかく努力中なのであります。これらをつくりまして、よく研究した上で、今の委員会等の問題も、取上げて参つたらどうかというように考えているわけであります。 第四に、漁船保險の附加再保險料を廃止して、漁船保險組合の事務費は国庫が負担したらどうかという問題であります。これは漁船保險の性質上、水産庁としてもこれを非常に希望しているわけであります。ただ国家財政の関係もありますし、また保險自体の自立自営というような関係もありまして、簡單には実現を見ないのでありますが、将来この問題については、できるだけ実現するように努力をいたしたいと考えているのであります。 最後に漁船の遭難救助施設を充実することでありますが、これもだれが考えましても非常に必要な問題であると思うのであります。ただこれも相当な経費を伴うものでありまして、現状ではただちになかなか困難なものであると思うのでありますが、これもよく研究いたしまして、少しずつでもこういう方面にひとつ手をつけて行くという方向に、頭を向けて参りたいと考えているのであります。
○夏堀委員 御答弁は承りましたが、いわゆるお座なりの御答弁であつて、それをほんとうにやろうという熱意が政府にあるかどうか、これははなはだ私は疑問とせざるを得ないのであります。今漁業者は、漁船がただ一つの財産であり、その財産にたよつて生計を送らなければならぬのである。しかるにただ一つたよりにする漁船、そうして漁船保險組合の内容が貧弱であり、政府がこれに対して援助すべき何らの政策を持つておらぬ、そして金融政策もこれに対しては何ら考えておらぬということになれば、これはどうにもならぬ最後の土壇場まで追い詰められたわが国の漁業経営というものは、ますます最後の危機に陷るということになると思いますので、この際に漁船保險ということに対して、せめて金融の面において、農中あたりで考究して——たとえば担保にとつてあることでありますから、この担保によつて農中が資金の操作をすることが容易ではないかそしてその回收方法も、漁獲高の幾らかずつでも積み立てることによつて回收するということになれば、これも容易ではないか、やればやり得るいろいろな施策があると思いますので、政府はこの機会に漁船保險法の活用と強化ということに十分に御留意くださいまして、この目的貫徹に一段の御努力を願いたいと思います。 —————————————
○玉置(信)委員 私は、わが国の水産行政の現状から考えまして水産庁長官の任命の遅れておりますことははなはだ遺憾に思つておりますので、これに関しまして委員長に一言お伺いしたいのであります。それはもちろんこの水産委員会とし、衆議院議員の立場からして、行政面にとやかくタツチし、意見をさしはさむことは差控えるべきが原則であります。しかしこの前の水産庁長官の罷免後の後任任命に対しまして、政府側におきましては、水産委員会の意向も参酌するやの意向を漏らされておつたのであります。今日遅々としてこの後任が決定しておりませんが、どういうような情勢にあるか、また委員長としまして、この問題について、政府当局に何らかの申入れをいたしたことがありますか、ありましたならば、当然当委員会に対して、委員長としての御相談があることであろうと、今日まで実はお待ちをいたしておつたわけでありますが、この経過等について、一応委員長よりこの機会に承つておきたいと思うわけであります。
○小高委員 関連して、本日の日本経済新聞によりますと、総司令部ヨー班長談としてこういうことが出ております。「漁業改革促進を要望、総司令部ヨー班長談。総司令部天然資源局漁業課経済班長H・W・ヨー氏は二十一日の記者会見で漁業改革の促進を要望して次の通り語つた。漁村民主化を目的とする新しい漁業法の実行に関する政府の措置は著しく遅れている。水産庁は漁業法の施行後、ただちにその内容を実行に移す予定表を準備したのであるが、政府はこの予定表に従つて行動していない。三月十四日に発表されることになつていた海区の境界はまだきまつていないし、漁民に漁業法の内容を徹底させることも十分でない。漁業改革の遂行を公約した飯山水産庁長官は、漁業法施行日の直前に罷免されたことは、改革の前途に対する漁民の不安を増大させている。しかも水産庁長官の後任はまだ任命されていないのである。中央漁業調整審議会委員の任命もまだ発表されていない。」 以上が本日の日本経済新聞の記事でございますが、私はこれを重大視しておるのであります。先ほど玉置委員から、水産庁長官の後任について委員長に相談があつたかというようなことでございますが、その件も、この漁業改革促進ということについて、人を得なければならないということにおいて、喫緊の問題でございますが、この論旨の中にあります当然遂行すべき義務を怠たつておるという点は、これははなはだ遺憾であるのであります。これに対して政府はどういうふうなその後における措置をとり、またかような警告を與えられたことに対していかなる態度と実践をこれに伴わしめるか、その点明快なる御答弁を願いたいのであります。
○鈴木(善)委員 ただいまの小高、玉置両委員の御発言はきわめて重大な問題であります。これは後刻農林大臣の出席を求められまして、最高責任者である農相の所見をただすべきであると考えるのであります。委員長においてさようおとりはからいを願います。
○石原委員長 ただいま玉置君、小高君、鈴木君等より御発言がありました点につきまして、私の立場より簡單な説明をいたしておきます。 後任長官に関しましては、一応農林大臣より意見をただされたことはあります。しかしその場合に、委員長は民間より選出すべし、沿岸漁業と遠洋漁業、資本漁業との最も調和をとつて、円滑に推進して行くところの可能性のある民間人を出すべしという、希望意見を申し出ておいたのであります。その後家坂氏を政府が選定したということが新聞に見えましたので、坂本氏にその点をただしたのでありますが、大体それを了承しておるような回答であります。従つて後任水産庁長官の実現が遅れるために、水産庁内における事務が進捗を阻まれておる。たとえば金融の問題であるとか、税の問題であるとか、その他水産関係の問題の解決について、水産庁内は、少しもそれに対して努力のあとが見えないというような説も聞くのでありますから、一刻も早く後任長官の解決をすべしという要望をしておいた次第であります。
○玉置(信)委員 ただいまの委員長の御説明によりますと、委員長に対しての相談があつたということでありますが、私は今初めてそのことを承つたのでありまして、ほかの委員諸君においては、委員長からやはり御相談があつただろうと想像ができますが、この前これは非公式でありますが、政務次官が我々と懇談いたしましたときに、後任者につきましては、その関係の委員会の委員諸君との御相談をするというような話がありましたので、当然——大臣も言われたように私は記憶がありますが、はつきりいたしませんので、先ほど申し上げたようにお伺いしたのであります。委員長に御相談がありますれば、当然委員の少くとも與党側の委員に対しては、委員長から御相談があるものと実はお待ちをいたしておつたのであります。私の考え方といたしましては、あながち民間人でなくとも、民間人であるが故に、必ずしも水産行政に堪能であるとも言えないだろう。官僚の人でも、熱意をもつて真劍にその職務を遂行する人であれば、またその責任を持たせることによつて、責任感に立つて行政を担当することにおいては、相当の成果もあげ得られる、こういうことも考えられないものではないのであります。従いまして、私は個々の人の問題については、とやかく申し上げるわけでもないのであります。また今日までの水産行政が、長官がいないからといつて、すべてが停滯しておるとも私は見受けておりません。ただ責任の帰趨によつて、おのおの仕事の分量において違つて来ることはあり得るのでありまして、従つて空席にしておくということが、非常に水産行政の面に沈滯を来すということは、免れない事実だろうと思うのであります。こういう点から考えまして、業界から後任者を選ぶということは、関係筋の御意向のようにも承つておりますので、委員長として大臣にその意思を表明したということは、もちろん妥当とは思いますけれども、とにかく本ぎまりになる場合においては、本委員会の、少くとも與党の委員諸君に御相談がある方が、委員長としても責任が軽いんじやないか、こういうふうに考えておるのでありますが、委員長におかれては、その御相談に対して御意見を申し上げた。それですでにこの問題は解決がついたとお考えになつておりますか。またそれとも懸案の問題として将来御相談をなさるという状態に置かれておるのであるか、この点もお伺いしておきたいと思うのであります。
○石原委員長 私が意見を述べたのは、民主主義の立場から民間人を長官にすべしということは、長官を最初に置くときからの、いわゆる委員会の伝統的な方針であると私は心得ておるのでありまして、そのために飯山長官が任命せられる以前にも、委員会は一致して民間人を出せという要望をしたのでありまして、その方針を今日一貫して主張しておるのであります。それ以外に何人を長官にしようというような具体的な相談があれば、委員諸君に相談すべきであるが、私がただされた範囲は、どういう立場の人をとつたらいいかというに対して、いわゆる民主主義を遂行するところの、官僚でない人をあげるべきだという意見を述べたのでありまして、私の述べたことは別段に不都合でないと心得ております。
○小高委員 先ほど漁業改革促進要望の件に対しまして意見を開陳いたしましたが、鈴木委員からも発言がありましたように、後刻農林大臣の出席を願つてしかる上に重大問題なるがゆえに、すみやかに答えを出して、そうしてかような警告を與えられないような態度をとりたいと考えますので、この席においてはこれ以上議論をとりやめまして、以上をもつて質問を打切つておきます。
○川端委員 先ほど小高委員の御質問に関連いたしておりますが、この総司令部の発表の文面の中に、われわれ與党側として、ぜひ聞いておかねばならぬ点があると思うのであります。それは漁業法も施行されたわけでありまするから、長官問題その他によつて、施行されていながら、それが事務的に進捗していないのであるかどうか、どの程度にこれが事務的に進捗しておるのかどうかということを、お願いしておきたいと思うのであります。
○山本(豐)政府委員 私も昨晩その新聞を拜見したのでありますが、直接水産庁には話がなかつたので、新聞を見て初めて知つたわけであります。長官がおられませんので、外からいろいろな目で見られる点もあるかと思いますが、しかし事務的には一々こまかいことは長官に相談をするわけでもありませんので、ある程度のことは、着々と準備は進みつつあると思うのであります。しかしそれを決裁したり、あるいはまた外に大きく持ち出したりというふうな点には、長官が不在中でありますので、やや不備な点があつたかと思うのでありますが、係としましては、毎日夜も働くくらいにいたしまして、いろいろとやつておるのであります。ただそのやり方の巧拙の問題はあるかと思うのであります。大体一月の中ごろに府縣の主務課長会議を開きまして、いろいろの法律の説明をし、また準備の打合せをしていただいたのであります。それを根底にしまして、一月から三月までの間に、法律の切りかえによります目に見えぬいろいろな関係法令の、これも内容はかわらないのでありますが、かれこれと省令等の改正もありまして、これらの準備をいたしまして、大体十四日までにそれが全部完了したのであります。それから四月に入りまして、再び主務課長会議を開きまして、そうして今後実施の段階に入るわけでありますが、細部の打合せを三回にわたつてやつたのであります。ただいまはそれに基きまして、新聞にもありまするように、この八月には海区の漁業調整委員会の選挙が行われるわけでありますが、それまでに少くとも漁業者にさらに一段とこの趣旨の徹底をはからねばなりませんので、これも一足飛びに、各府県で大会合を開いてやるというわけにも参りませんので、こちらから各県に参りまして、一応府県の係官を全部集めまして、これに詳細本庁の人間がその内容を示達いたしまして、これによつて今度は府県の係官が中心になりまして、県内の各所でそういう会合を開いていただいて、漁民に徹底さしてもらう、こういう段階も踏まなければなりませんので、そういう手順で、近く議会が済みましたら、早々全国に手わけいたしまして、まず府県の関係官を一堂に集めまして、徹底的に府県の係官の教育をしよう、こういう手順をきめておるのであります。このぜん立ても、大体日程もできておるのでありまするが、そういうふうな段取りでやつております。一方これらに要するいろいろな説明書でありますとか、ポスターでありますとか、そういう方面のことも、これと並行してやつて参つたのであります。そこの新聞にございますように、瀬戸内海の調整事務局の問題、あるいは中央漁業調整委員会の委員の任命、これらの問題は、大体われわれの予定では、内海調整事務局と調整委員会の委員の決定は四月中にはやりたい、こういう予定を組んでおるのであります。中央漁業調整委員会の委員の任命でありますが、これはとにかく嚴正公平な方を選ばなければならないので、法律にもございますように、民間代表が十名、学識経験者が五名、十五名をもつて組織することになつておるのであります。自選他選のいろいろな人の売込みはあるわけでありますが、しかしまだそれを具体的に審査をする前に、白紙で、大体どういう選定方針でこれを選んだら、公正妥当に行くだろうかというふうなことを、今練つておるのでありますが、その基準によりまして、自選、他選のいろいろな人からある程度候補者を立てまして、上司にも伺い、決定をみたいというふうな段取りに考えておるのでございます。瀬戸内海の漁業調整事務局でありますか、これも局員の人選はあらまし今遂げつつあるわけでありますが、局長になる人の人選等につきましては、大方の御批判も受けなければなりませんので、知事の候補は持つておるのでありますが、まだ決定に至つていないのであります。ただ瀬戸内海の漁業調整事務局の設置の遅れましたことは、一つはこの所在地が、法律では神戸市になつておるのでありますが、皆さんも御承知のように、その後岡山に持つて来いとか、広島に持つて来いとか、いろいろと議会方面でも動きがあるようでありまして、われわれといたしましては、そういうことのない限りは神戸に持つて行きまして、発足は神戸でやらなければならぬと考えておるのでありますが、そういうような動きもありまして若干影響もあつたわけでありまするが、しかし大体人選等につきましては、いろいろと腹案を練りつつあるわけであります。こういうような状況で、今後の予定も一応つけておりまするが、その新聞記事は直接水産庁には関係はなかつたのでありますが、われわれも非常に責任を感じております。ひとつこれを機会といたしまして、できるだけ今後の予定を、遅れないように進行させて参りたいと考えておるわけであります。
○鈴木(善)委員 今の山本次長の御答弁によりまして、漁業法に関して水産庁が全努力をあげておられることが了承されるのでありますが、水産庁が漁業法の実施に努力されております一つの方法といたしまして、新漁業法の内容及び解釈を、十分漁民諸君に徹底いたしたいという御趣旨からと思うのでありますが、漁業制度の改革に関する解説書をお出しになつておるようであります。その解説書の序文の中に、日本の漁業権改革をはばもうとする保守勢力のいろいろな動きがあつた。それは議会における審議の過程においても、明らかに見られたというような趣旨が書かれておるのであります。国会は全漁民諸君の要望に立ちまして、わが国の漁業の民主化と生産力の発展のためにいかにあるべきかということを、眞劍に国の将来を考え、漁民諸君の立場を考えて、愼重なる審議をいたしたのであります。それを、これは漁業権改革をはばまんとする保守勢力の議会における攻勢だというぐあいに責任ある政府から刊行される解説書の序文に書いておるということは、まことに当局の意図が那辺にあるかをわれわれは疑わざるを得ないのであります。これはおそらく水産庁の責任ある役人が執筆されたものと思うのでありますが、長官空席の今日、最高の責任者である山本次長及び漁政部長等は、序文に書かれたような見解をとつたというぐあいにお認めになつて、ああいう刊行物を発行されておるのであるかどうか、この点をお尋ねしたいのであります。 もう一点は瀬戸内海漁業調整事務局の設置の問題につきまして、今御答弁があつたのでありますが、法律でははつきりと神戸市に置くということが明定されておるのであります。その調整事務局の設置が遅れておりますことを、国会の中にいろいろな動きがある、そのために設置が遅れておるというようなお話でありましたが、何か国会の動きに責任があるように、調整事務局の設置が遅れておるのは国会内における動きがあるためにさようになつておるのだというように受取れたのでありますが、行政官庁としては、法律がかわらざる限り、法律の明定するところによつて実施さるべきものである。国会の中に動きがあつて、それが最後的に法律の改正なり何なりになつて、初めて行政官庁はその改正に基いて行動するというふうに私は思つておるのでありますが、その二点について、あらためて次長の御答弁をお願いしたいと思うのであります。
○山本(豐)政府委員 第二点からお答え申し上げます。先ほど私少し申し違いをしたかと思いますが、それをちよつと訂正させていただきたいと思うのであります。これはあえて国会といつたのは誤りでありまして、実は兵庫県なり広島県なりいろいろ地元民の誘致運動があれこれあつたということの意味に訂正いたします。 この事務局の問題につきましては、鈴木委員の言われますように、われわれ事務当局といたしましては、法律がかわらぬ限り現行法によつて邁進するほかはないわけで、そのつもりでやつておるわけであります。さよう御了承願いたいと思います。 第一点の問題であります、が先般私もこの本を久宗君からいただきまして、実はまだ忙しいものでありますから、序文すら読んでいないのであります。ただいまのお話によりますと、穏当でないような表現があるのでありまするが、私たちも決してさようにきゆくつには考えていないのであります。なおよくその序文等を検討した上で、正確にお答えするのが順序かと思うのでありますが、今あげられました二つの文句は、ことに議会においてどうこうというようなことは、われわれといたしましてはさように考えていないのであります。しかしこれも一人で執筆したか、あるいはまたあれほどのものでありますので、いろいろと担当もあつてしたかもしれないのでありますが、若い者の気持として、ついよく前後を考えずに、不用意に書いたような点もあるかとも思うのであります。それらの点はよく事情を調べまして、いずれまたお答えした方がよいかと思うのであります。
○石原委員長 この点について、私より一言つけ加えて申し上げておきたいのであります。それは、あの序文等は水産庁の官吏が国会を批判したことになります。少くとも水産常任委員会を批判したことになります。そういうことは官吏として妥当なことであるかどうかという点について、次長の意見をここにただしておきたいのであります。この点は非常に重大であります。少くも官吏の立場において、——民間の人がいかなる批判をすることもそれは自由であります。直接関係しておるところの官吏が国会を批判する、水産常任委員会を批判するということは、これは許さるべきことではないと考えるのでありますが、これに対する次長の御意見はいかがでありましようか。
○山本(豐)政府委員 私も書いた人の気持がいかがであつたか、この点はよく吟味してみなければわからぬと思うのでありますが、しかし文句に現われたところにつきましては、ただいま委員長の言われましたように、そういつたきらいが多分にあると考えます。しかし私自体としましては、そういう気持はみじんも持つていないのであります。下僚がこういうふうなものを書きましたことにつきましては、私は責任を感ずるのでありますが、ただ何しろ毎日のごとく、いろいろな説明書とか何とかというものを、次々に担当々々でやつております。実を申しますと、一々われわれもその原稿を閲読するいとまもないわけであります。従つてこういうふうなことが不用意に出て来たのであると思うのでありますが、なおそういう点につきましては、十分よく関係した者の気持を聞きまして、いずれひとつ善処したいと思つております。
○川端委員 ただいまの御答弁を伺つたのでありますが、この問題は実に重大問題だと思います。この問題は将来に残つて参りまして、われわれの立場としても、これはすつきりと解明せざるを得ないというような感じを持つのでありますが、こういう話を伺いますと、いよいよもつてもう一つ私はさつきの質問に関連した問題を聞いておかなければならない。 それは、こうして漁業法の審議にあたつても、保守勢力の者が議会においても審議を妨げておるというような、他に責任を転嫁するような態度は、役人によくありがちなことでありますが、そういうようなことを、しかもこの議会に対して行うことは、どこまでも大問題だと思います。こういう態度に対して、先ほどの司令部の批判もまた私は考え直して行かなければならない要するに水産庁長官がいないから、決済等も遅れて、そうして漁業法が施行されても事務が停頓するのだというような遁辞が、また生れて来やしないかというふうな感じを持つのでありまするが、ここに司令部の関係官から、漁業法改革の前途に暗影を持つというふうなことを言つておるようでありますが、これに該当するようなことのお気づきの点があるかどうか、水産庁長官がいなくても、代理の長官が設けられておるはずだと思うのでありますが、そういう立場において次長ははたしてそういう該当することがあると考えられるかどうかという点を、はつきり伺つておきます。
○山本(豐)政府委員 私は、これは見る人によつていろいろ程度もあると思いますがただいまのところ、部下を統率していろいろやつておるわけでありますが、そこにありますような将来が非常に危ぶまれるというような気持は、現在私としては感じていないのであります。しかしこれは見る人々によりまして、いろいろの見方はあろうと思いますが、私としては、そういうふうなことは考えていないのであります。ただ長官がおられれば、なお一層の実施の問題につきましても、促進がはかられるであろう。われわれとしましても、一日も早く長官のきまることを期待しているわけであります。
○玉置(信)委員 先ほどの鈴木委員の質問に関連して、私の希望を申し述べておきたいことは、これに対する御答弁で山本長官代理の気持は十分私は了とできるし、また今日この席に御列席になつている長官代理ほか各水産庁の方々の気持も、——そうした国会内いやしくも水産常任委員が、漁業法の審議をはばばむというような序文を書くような人でないということを、万々私は承知いたしておるのであります。今お話を聞いてわかつたのでありまして、その漁業法の解釈を編纂したというようなことが、どこで発行して行くかということは私は知りませんが、もの水産庁でそれを編纂し、発行するということであるならば、この機会にその発売というものはさしとめていただきたい。かように考えるわけであります。だれの編纂によつて、だれの責任において発売されるものであるかということを、この機会に伺つておきたいと思います。
○石原委員長 ちよつと発言をお許し願います。 すでに一昨日の委員会に御出席の方には配つたのであります。あとはみな專門部に預つておりますから、これはみな委員諸君が全部一応ごらんになつて、そして委員諸君のこれのみに対する懇談をいたして、そうして方針をきめて態度を定めて行きたい、こう私は考えておる次第でありますから、さよう御承知を願います。 なお農林大臣を招致するという点もとりはからいたいと思います。一応休憩をいたしまして、午後二時半より再開いたしたいと思います。暫時休憩いたします。 午後零時四十八分休憩 ————◇————— 午後四時二十分開議
○石原委員長 休憩前に引績き会議を開きます。農林大臣が御出席でありますから、発言をお願いいたします。玉置君。
○玉置(信)委員 私はこの機会に農林大臣に対しまして、水産庁長官の問題に関連いたしまして本日の日本経済新聞に掲載されております総司令部天然資源局漁業課経済班長のヨー氏が、二十一日の記者会見で、漁業改革の促進を要望して話された内容について、お伺いしたいと思うのであります。ヨー氏の記者団に語られた内容は、すでに政府当局におかれてもごらんになつていることと思うのでありますが、その内容を一応読み上げてまみすると、「漁村民主化を目的とする新しい漁業法の実行に関する政府の措置は著しく遅れている。水産庁は漁業法の施行後ただちにその内容を実行に移す予定表を準備したのであるが、政府はこの予定表に従つて行動していない。三月十四日に発表をされることになつていた海区の境界はまだきまつていないし、漁民に漁業法の内容を徹底させることも十分でない。漁業改革の遂行を公約した飯山水産庁長官は、漁業法施行日の直前に罷免されたことは、改革の前途に対する漁民の不安を増大させている。しかも水産庁長官の後任はまだ任命されていないのである。中央漁業調整審議会委員の任命は、当初四月十五日までに行われるはずであつたが、これもまだ発表されていない。このような審議会がまだでき上らないことは好ましくない。」かように重大な問題を指摘して語られておるのであります。そこで私ども心配しておりますことは、飯山長官がかわつたがために、漁業法の施行後、その内容を実行に移す予定表まで準備をしたものが、行動に移されていないこい、それから長官が漁業法施行の直前に罷免されたことが、改革の前途に対して漁民の不安を増大していること、要約してこの二つがきわめて大きな問題であるのであります。私ども一応考えてみますると、飯山長官の罷免後におきましては、長官代理が置かれて、山本次長が行政の全般にわたる長官の代理者として執務をされ、行政の運営の衝に当つておる。さらにその上には、直接の監督の立場にある農林大臣がおられるということにかんがみて、こうした支障があろうはずはないように思うのでありますが、しかしこういう指摘をされておるからには、何か水産庁内部に、そういう傾向があつたのではないかと思われるのであります。これに対しまして、農林大臣はいかようにお考えになつておりますか。まず先にこの点をお伺いして、あとで一、二質問をいたしたいと存じます。
○森国務大臣 御質問の点でありますが、漁業法の施行につきまして、将来どういうふうにしてこれを実施するかの段階における、それぞれの計画は立案いたしまして、お手元にも出しておると存じておりますから、決してこれが停頓いたしておるわけではありませんし、看々と予定通りの進捗をいたしておるのであります。今日の新聞でヨー氏が意見をはかれておることは、私も一応見たのでありますが、ヨー氏の言われるような、事務が停滯いたしておるということは、毛頭ないと確信いたしておるのであります。水産庁長官の選任につきましては、先般もこの席で申し上げました通り、あらゆる角度から、最も人格者であり、また私の仕事に対して心から協力してくれる人、この観点から適当に選考をいたしまして、これも諮るべきところへは諮りまして、そうして内部選考いたしまして、今人事院に提出する段階に至つております。一応司令部の了解を求めることが慣例になつておりますので、司令部の方の意向も一応ただしたのでありますが、司令部といたしましては、飯山氏の提訴いたしておるという関係から、この提訴の結果を見ずして新しき者を選任することは、少しりくつに合わぬではないか。結果を見なければわからぬけれども、その結果いかんによつては、おかしい事態に入るのではないかという一応の考え方もあるようであります。しかし提訴の結果どうなるかわかりませんが、その決定の方法にもいろいろありますから、必ずしも現職にもどるというわけでもないのでありますので、とりあえず後任者の決定を急いでおるわけでありまして、司令部に対しましても、こういう事情のもとにあるということをよくお話しまして、御了解を求めることに努力をいたしておるのであります。近く人事院の方へその選考の結果を提出いたしたいと考えておるのであります。ただこの問題について一部傳えられるのでありますが、これは揣摩臆測とも考えるのでありまして、水産庁の人事のやり方には、司令部が好意を持たぬということがありはしないかという一つの臆測であります。この問題につきましては、相当いろいろに伝えられておるのであります。この点につきましては、総理大臣にもそういううわさがあるということは報告をいたしておるのでありますが、司令部に対しましては、そういう小さい問題にわだかまつて、決して日本の占領政策を誤るというようなことは毛頭ないと考えておるわけであります。現在水産庁長官の後任、またその漁業法の実施に対する前後段階における事務処置につきましては、今申しましたような状況であることを、御了承願いたいと存じます。
○玉置(信)委員 ただいまの大臣の御答弁によつて、大体了承することはできましたが、さらに私は、こうした新聞記事によつて、寐ている子供が起されたというような形で、漁民の間に不安の気持が浮んで来るようなおそれはないかと思うのであります。でありますから、何らかの方法をもつて、こうした不安を一掃する挙に出ることも一つの方法ではないか、かように思うのでありますが、これに対する御所見はどうであるか。次はこうした問題が出るということについて、私非常に疑問を持つことは、これは後ほど鈴木委員から御発言があると思いますので、詳細はこれを省きまするが、実は本日の委員会において、午前中の鈴木委員の発表せられました漁業制度改革というあの印刷物の序文の中に、漁業法審議の過程において、保守的な、あるいは封建的な考えをした者が、この審議をはばむというようなことがあつたやうに書かれてあるのであります。もし水産庁の中の、少くとも幹部級の中にそうした思想を持つておる者があるとするならば、私容易ならぬことであると思うのであります。前段申し上げましたように、その問題は鈴木氏が言われるであろうから、この程度で、私はこれ以上この問題については申しませんが、こうした流れがもし水産庁の中にあるとするならば一面またただいま大臣の御答弁になつたようなお考えで水産行政をとつておられるということならば、こうした指摘を受けるようなことがないじやないというようにも考えるのであります。もちろん長官という行政上の立場のものと長官代理というものとの間においては、そこに多少の責任の比重というようなものも違いますし、行政処理の面において、多少そういう点があるとは思いますが、しかし大体において、山本次長は相当熱心に努力を拂われておることも私ども認めておるのであります。しかしこうしたことが表面化された、しかもこの問題が関係筋によつて指摘されたというだけに、世界的の一つのニュースとしてこれが取扱われる場合、来るべき漁区の拡張その他にも、きわめて悪影響を及ぼしはせぬかという考えもありますので、この誤解を一掃するために何らかの手を打つ必要がありませんかというようなことを、考えておるのでありますが、これに対する大臣の御所見を伺いたいと思います。
○森国務大臣 いろいろ御親切な御注意がありまして、もし世間に伝わるようなことが事実として、業者が憂慮いたすようなことがありましては、これは非常な損失でありますので、適正な処置をとりたいと考えております。印刷物のことにつきましては、私申訳ありませんが読んでおりませんので、どういうふうな記事がありましたか、少し若い者が書き過ぎたのかもしれませんが、検閲の責任は私にあるわけでありますので、もし不都合な点があればただちにこれは取消しいたし、また責任者に対しての思想上の考え方もただして、適当な処分をいたしたいと考えております。ただどういうふうに書いておりますか、この農地改革と漁業の組織の変革は、封建制度の根本的な立て直し、民主主義に立て直す、そういう思想のもとに行われておりますので、御承知の農地改革につきましても、相当思想的な摩擦があつたわけであります。ただそれをとつてもつて、ただちに漁業自体においてもそういうふうな封建的思想があつた、それを根本的にやるのだという気持は、私は認めざるを得ないと思うのでありますが、それは表現の仕方によりまして、これが国会の審議の経過を批判するというようなことがあつては、はなはだ不都合だと考えるのでありまして、なおよくその文書等も調査いたしまして、適当な措置をとりたいと考えております。
○鈴木(善)委員 大臣は非常にお忙しいでありましようから、私一点だけお伺いしたいと思います。政府提出の法案といたしまして、水産資源枯渇防止法案が提出されまして、ただいま本委員会において審議中であり、委員会は私が小委員長をやつております漁業制度に関する小委員会にこれをまわしまして、現在審議を進めておるわけであります。その審議の過程におきまして、本法案の根本骨子をなしますところの補償の面につきまして、政府の方の御用意がまだ十分固まつていないように承知いたしておるのであります。六月末日までに以西底びきの整理をしなければならないという客観情勢にあるわけでありまして、本委員会としては、今会期中にぜひともこの法案を成立せしめなければならないというつもりで、鋭意これが審議を進めておるのでありますが、遺憾ながらこの法案の骨子であるところの補償の面が、まだ補償の額もきまらなければ、その補償をどういう財源によつて賄うかという、この補償の額と補償の財源がまだ固まつていないように、私ども見受けられるのでありますが、もしそのように補償の面が固まつていなければ、この法案の一番根本の問題でありますので、ぜひともこれは大臣の政治力によりまして、本法案が本会期中に無事成立いたしますように、それまでの間に急速に補償の面をお固め願いたい、こう考えておるわけでありますが、大臣の御所見をお伺いしたい。
○石原委員長 ちよつと速記をとめて…… 〔速記中止〕
○石原委員長 それでは速記を始めて……
○川端委員 私は水産長官の問題についてお尋ねいたします。先ほどのお話で、早急に水産長官はきめるように承つたわけでありまするが、水産長官が罷免されて以来一箇月に余る日にちが過ぎておる。その結果、午前中の委員会におきましてもその話が出たのでありまするが、司令部関係の方面からは、水産庁長官が罷免されて、おらないために、水産行政の前途に非常に暗影が投ぜられておるという式の、新聞発表をされておるのであります。この原因は、水産長官が一箇月以上もあけられておるというところに起因すると思うのであります。かつて大臣は、水産長官はすぐ任命されるであろうということを、委員会でも言われたと思うのですが、それは程度の問題でありまするけれども、こういうように日にちを過してしまつたその理由は、先ほどの御答弁のなかに、提訴中であるというお話がありましたが、そういう問題が一方にあるから、後任長官をきめることにこんなに日にちをとつたのであるかどうか、この点をまず伺いたいと思うのであります。
○森国務大臣 別に提訴中であるからどうという問題でないのでありまして、飯山長官を罷免いたしますと、即刻選考に着手いたしました。それについては、実業界から選任するという方針でありますから、実業界の責任ある団体の意見もただし、また相談すべき筋に向つては、一応意見をただしまして、五、六名の候補者を選んでいただきました。そうしてさらに再推敲いたしまして、適当な人を——私は御承知の通り実業界には知人がないのでありますから、大体その人その人についてお目にかかつて、その人柄なり水産業に対する意見なりを伺つて、この方ならたしかに協力し得られる方だ、人格もりつぱな人だというように考えて選考いたしたのであります。そうして司令部の方に一応の了解を求めるようにいたしたのでありますが、司令部といたしましては、そういう理由のもとに承認を與えないというのではなしに、今提訴中である、もし提訴の結果によつてはへんなことになりはしないかというような、一つの先を見越しての心配によつて意見を吐かれたのであります。しかしそれがために承認しないとか、するとかいう問題ではないのでありますので、日本政府の権限においてやり得ることにつきましては、人事については関與しないという根本の方針ができておるのであります。ただ従来の慣例から、一応向うの意見を聞くという程度になつておるのであります。決してそれがために遲れておるというわけではないと存じておるわけであります。
○川端委員 今のお話で水産長官の後任の問題については、各方面の御意見を聞いておやりになるというお話でございますが、過般この委員会で、大臣は皆さんとも御相談をしてきめる。その相談というのはどういう形か、これまたむずかしい問題でございますけれど、私たちも新聞で見まして、あの名前の出ておる方がはたして候補者であるかどうかは存じませんが、そういう段階にまで行つておるということを知つて驚いた。あの新聞に出ておる人が、今交渉中の人であるかどうか、そうしてなおそうでなければ、今後委員会に何らかの形で御意見を聞かれるお考えを持つておられるかどうか、重ねてお伺いいたしたいと思います。
○森国務大臣 人事の問題は委員会に公式に御相談申し上げる筋合いのものではないと思つております。ことに未確定の問題でありますから。しかし委員会を代表せられました委員長の意見等も伺つて、選考にかかつておるのであります。委員会と申しましても、いろいろの党派の関係もございますので、これを公然と委員会に、こういう人を考えておる、こういう人がよかろうというような御相談をすることは、事実上でき得ないのでありまして、参議院の水産委員長、衆議院の水産委員長等の意見、また知惠も拜借いたしまして、どこから見ても不都合でないようにということを考えまして、選考にかかつておるような次第であります。
○川村委員 農林大臣に一点だけお伺いたしたいことは、漁業制度改革によつて、今度は漁業権の証券が交付せられるのでありますが、この漁業権証券を漁業資金化して、水産金融の打開をする道を、さつそく講ぜられたいのでありますが、それに対する御意見を伺いたい。御承知の通り、すべての産業が金詰まりを生じておりますことは申すまでもありません。特に水産金融につきましては、過般見返り資金から相当額の金融もあるということで、われわれも喜んでおりましたところが、これもほとんど絶望である。また先般の委員会におきまして、銀行局長に政府の所信をただしましたところが、この金融の打開はとうてい困難である。事実を指摘して持つて来た分には、そのことによつて取上げて何とかしようというところの、心さびしい御答弁であつたのであります。そこで私らは、漁業制度の改革ということはどうしてもしなければならぬ、法律も出て、施行されておるのであるから、これは何としてもやらなければなりません。でありますが、これがために金融の行き詰まつたことも見のがせない事実であります。この漁業制度の改革がない以前は、定置漁業権でも、あるいは他の漁業権でありましても、銀行なりあるいは個人なり、その他の金融機関が相当に金融して、漁業の着漁に支障のないように、金融の道が開かれておつたのでありますけれども、一旦国家がこれを全部買上げをするということになりまして以来、この漁業権を担保にいたしますことはできないばかりでなく、漁業権の証券に対しても、これはいまだに発行されませんけれども、結局この証券を発行されても、金融の道が講ぜられないというようなことが宣伝されておりますので、個人でも銀行でも、漁業者に対するところの金融を差控えておるようなことが現実でありまして、私はここに制度の改革とからんだ証券に対しては、当然政府が責任を負うのであるから、政府の保証がりつぱにつけられておるのであるから、その証券を担保にした場合には、当然漁業資金として漁村に均霑すべきであるという考えを持つておるのであります。ところで、二十七年以後でなければ証券が発行されないので、今日の段階からいたしまして、漁民は非常に困つておるのでありますから、大体百七十億というものを政府案で補償することになつておりますから、百七十億の範囲内において、政府では漁業資金の道を開いて行く、いわゆる金融の道を開いて行くということにやつてもらわなければ、いつまでたつても漁村金融の打開はできないということを考えておりますので、この点につきまして、農林大臣はいかなる御処置をとられるか、お伺いしたいと思います。
○森国務大臣 事務的になりますから、政府委員からお答えいたすのが妥当ではないかと存じますが、漁業権証券の発行はまだ先のことでありまして、まだどういう額に評価されて、これがそれぞれ公布されるかわからぬのでありますが、農地の地代から考えてみましても、農地証券を発行いたしまして、これは担保力がない、農地の売買が禁止されておる結果、そういうような土地証券には担保力がない。ただ農業を営むというその仕事に対して信用の道がついて行く。担保に入れることはかまいませんが、しかし農地は売つてはならぬのでありますから、売れない、売れないから担保力がないわけであります。担保に入れることについては、一応さしつかえないのでありますが、農業の方では自作農という、農業を経営する経営自体に信用を持つて金を融通する。それが個人の零細な農業者ではいけないから、協同組合の大きい力によつて信用を高め、金融の道を開く、こういうことに農業方面では考えて参つておるのであります。水産の方面におきましても、従来と違つて資本主義的な経営がなくなりまして、漁業協同組合單位の漁業経営ということになつて参りますから、金融の道につきましては、今申します発行いたしました漁業権証券に対しての担保力というものは、あるいは金融機関に認められないかもしれませんが、その漁業協同組合の営む漁業というものによつて信用を高めて行くということで、金融の道はつけ得るものであり、また政府としては、農林中金等の方面から金融すべきものである、かように考えておるわけであります。
○川村委員 ただいま農林大臣から御答弁があつたのでありますが、農地の場合の証券と、漁業権の場合の証券の性格がまつたく違つておるのであります。というのは、漁業権は御承知の通り、好むと好まざるとを問わず、全部を買い上げて、そうして政府がその代価を拂わなければならぬものを、証券で発行しておるのであるから、これは政府の責任において金融をしなければならぬという、われわれの主張が正しいと考えておるのであります。時間の関係上、内容はあまり詳しく申し上げませんが、百七十億という大体一つのわくがきまつておるので、私はその証券を発行されてからはもちろんであるけれども、発行されないといえども、百七十億というものは、政府案においてはつきり確定しておるのであるから、その証券の発行される以前でも大体担保を出した場合には、百七十億程度まで金融してもらえば、この苦しい漁村金融の打開ができるのだから、これに対して、大臣は大蔵当局に折衝をして、漁村の金融の打開の道をはかつていただきたい。それに対してお骨折り願えるかどうかということを伺つておるのであります。
○森国務大臣 もちろん漁業資金に対しての金融は、政府の方針の許されておる範囲内において、極力努力しておるわけであります。今お話のような、証券が将来発行されねばならないということについて、政府はそれまでに対しても、幾らかの金融を見る。しかしそれはどこでそういうような方法を考えるか、どういう方法を考えるかということは、財務当局と交渉しなければならぬと存じますが、御希望のような方面についても、せつかく努力すべきであり、また努力するつもりであります。
○石原委員長 他に御質疑はありませんか。 —————————————
○石原委員長 この際お諮りいたします。本日の請願日程中第一ないし第一〇、第一四、第一五、第一七、第一八、第二一、第二三ないし第二六、第二八ないし第三六、第三八ないし第四五、第四七の各請願は、紹介議員が御都合によりいまだにお見えになりませんが、これに対する政府の所見を伺いたいと思います。松任谷部長。
○松任谷説明員 請願の御趣旨に対します政府の意見については、一括文書をもちまして提出いたしたいと存じております。
○石原委員長 ただいま松任谷部長の発言に対して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 御異議なければさようとりはからいます。 —————————————
○石原委員長 次に陳情書日程第一ないし二七を一括議題といたします。各陳情書については、すでに文書表により御承知のことと思われますので、文書表に基き審査いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 御異議なければさようとりはからいます。なほ請願及び陳情書の取扱いの決定については、審査の愼重を期するため、その決定を次会に讓りたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 御異議なければさようとりはからいます。 では本日はこれをもつて散会いたします。 午後五時二分散会