水産委員会 第23号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1950/03/24
会議録
○石原委員長 これより会議を開きます。 昨二十三日本委員会に付託になりました水産業協同組合法の一部を改正する法律案、内閣提出第一二〇号を議題として、審議に入ります。 まず、政府より提案理由の説明を求めます。坂本政務次官。 —————————————
○坂本政府委員 水産業協同組合法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。 第三回国会において成立いたしました水産業協同組合は、昨年二月十五日に施行されましてより一年余を経過したのであります。この間水産業協同組合の設立は着々と進み、行政庁により認可された組合の数は約四千に達し、漁村の民主化と水産経済の振興に多大の寄與をなしつつあることは、まことに喜ばしいことであります。しかしながら、この実施一箇年の経験にかんがみ、かつまた全国各地よりよせられました本法改正に関する請願、陳情の趣旨に基きまして、本法を改正してその一層有効な活用をはかる必要が認められましたので、本改正法案を提案いたしたのであります。以下その内容について、簡單に御説明申し上げます。 第一は、一定規模以下の法人が准組合員として組合に加入する道を開いたことであります。その理由は、元来水産業協同組合は個人の結合による組織でありますが、現下の経済事情においては、個人経営とほとんどひとしい弱小な法人による経営がきわめて多く、これら法人の組合加入を認めてその利益を享受せしめるのを妥当と考えるからであります。 第二は、主として法人加入に伴いまして、独占禁止法との関係を規定しております法第七條を改めまして、独占禁止法の組合に対する適用の緩和をはかつたことであります。 第三は、組合の役員に関する事項でありまして役員の任期を最大限三年まで定められるごとく伸張するとともに、組合の事業と実質的に競争関係にある事業の関係者が組合の役員及び主要職員に就任することを禁止したのであります。 その他員外利用の制限に関する條項、総代会に関する條項も専用契約に関する條項、総会の代理議決に関する條項等を改正して、実情に即するようにいたしたのであります。 以上が本改正案の大体の内容でありますが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決相なるようお願いいたす次第であります。
○鈴木(善)委員 ただいま坂本政務次官から提案理由の御説明がありましたが、なお補足的にその内容を御説明願つたらどうかと思いますが、どうでございましようか。
○石原委員長 それではその説明を政府当局よりお願いします。
○曽根説明員 法人の組合加入につきまして御説明申し上げます。 この関係條文は、第十八條と第九十四條であります。水産業協同組合は元来人と人との人的結合体でありますが、現下の経済事情、特に税制の関係から、法人組織によつて経営を行う漁業者、加工業者がきわめて多く、これらは個人経営とほとんどかわらない小規模のものが大部分であります。これらを、單に法人であるがゆえに組合から排除するのは実情に即してないので、一定規模以下の法人を准組合員として組合に加入できることにいたしたのであります。准組合員といたしました理由は、ただいま申しましたように、水産業協同組合は、あくまで人と人との人的結合百体であつて、もし会社組織のものに正組合員の資格を認めるようにいたしますれば、会社をおもな構成員とする組合の成立が可能となります。これらは本来の協同組合の性格を逸脱して、一種のカルテルのようなものになると考えられるからであります。准組合員と正組合員と違う点は、議決権、選挙権がないことでありますが、このほか組合の施設を利用する面では正組合員と差別はないのでありまして、法人の組合加入を認める理由は、組合利用の面でありまして、これらの法人に利益を享受せしめようという点にあるのでありますから、准組合員でさしつかえないと考える次第であります。またいかなる規模までの法人に加入を認めるかは、かなり議論のあるところでありますが、諸種の事情にかんがみまして、漁業につきましては使用漁船合計トン数三百トン、常時使用者数三百人以下とし、加工の場合は常時使用者数四十人以下と限定したのであります。 第二に独占禁止法の適用緩和の第七條の修正点について御説明申し上げます。水産業協同組合は、原則として独占禁止法の適用を除外されておるのでありますが、かつお、まぐろ漁業、以西底びき漁業、あぐり網漁業、定置漁業の各種魚種別組合及び加工業組合について 一定規模以上の業者が三分の一以上を占める組合に対しては、独占禁止法の適用があり得ることとなつておるのであります。この一定規模以上の業者が独占禁止法第二十四條のいわゆる小規模事業者でないものと考えられているのでありますが、この点、中小企業等協同組合法と比較すると、水産業協同組合とバランスがとれてない点もございます。また新たな法人加入を、ただいま御説明申しました点を考慮いたしまして第七條を改正して、組合に対する独禁法の適用を緩和しようとするのであります。その緩和する條項につきましては、一定規模のかつお、まぐろ、以西底びき、あぐり網等につきましては、第七條に今まで「経営規模以上のもの」となつておりましたのを、経営規模をこえているもの」と改めます。なお定置漁業につきましては、「五十人」というふうに漁業従業者の数を限定しておりましたものを、「百人」と緩和いたします。加工業協同組合では「常時十人以上の従業者を使用する組合員」とありますものを、「二十人以上」というふうに改めた次第であります。 第三に役員に関する事項の改正でございます。これは第三十五條と第三十六條に一條を加えまして二といたしたのでありまして、役員の任期は現行法では最大限二年でありますが、責任を持つて事業計画を立ててこれを遂行し、その結果に対して責任を負うというのには、二年では不十分であると考えられますので、これを三年まで延長できるようにいたしたのであります。次に新たに一箇條を設けまして、組合の事業と実質的に競争関係にある事業の関係者が、組合の役員及び主要職員になることを禁止したのであります。これは組合の利益が他の事業関係者の利害によつて損ぜられることを防ごうとするものであります。農業協同組合法にもその先例があり、なおこの條項の解釈については、御質疑の際に御説明申し上げたいと思います。 第四に員外利用の制限緩和でございます。現行法では員外利用は、組合員の利用する事業の量と同等までのものは員外利用として扱うことができますが、それ以上のものは制限されておるのでありますが、漁業の実態から、根拠地の漁港等では外来船がきわめて多い実情にかんがみまして、この員外利用の制限を緩和したいと考えたのであります。その方法といたしまして、その漁業協同組合の組合員でなくても、他のどこかの漁業協同組合の組合員でさえあるならば、その組合員の事業分量はそこの組合の員外利用としては扱わないというふうな取扱いをすることにいたしたのであります。 第五に河川組合における代理議決権の特例を設けました。現行法では総会出席の代理人は組合員一人しか代理できないことになつておりますが、河川組合は、その地域が川の流域にまたがりまして、非常に広いことがしばしばございますので、総会の成立が非常に困難な場合があります。従いまして河川の組合では、組合員千人以上のものにつきまして組合員が二人までの代理ができるようにいたしたのであります。 第六に専用契約の期間延長の効力でありますが、第二十四條の修正点でございます。組合と組合員の間に締結される専用利用契約は、現行法では期間は一年以下になつておりますが、統制撤廃等の影響を考えまして、かつ期間が一年では翌年度の事業計画あるいは予算の充実に非常に支障がございますので、これを二年の期間まで延長できることにいたしたのであります。 次に総代会に関する改正でございます。現行法では第五十二條において、二百人以上の組合が総代会を置くことができ、総代の定数は五十人以上となつておりますが、これを緩和いたしまして、組合員が百人以上あれば総代を置くことができる。かつ総代の定数は組合員の四分の一以上とする。従つて百人であれば二十五名ということになります。但し組合員が二百人以上の場合は五十人以上と改めることといたしました。組合員が百人ないし二百人の組合でも、漁業の実態、あるいは組合地域の広大等の理由から、総代会設置の要望が非常に強いので、このようにいたしたわけであります。必ずしも人数だけでなく、地域の非常に広いところがありますので、総代会の必要を認めたわけであります。なおこれがため全般的に総代会が独断専行の弊が起ることを防止するために、五十二條に新たに二項を設けまして、総代会で一度議決したことでも、それから三箇月以内に開かれた総会において、これをくつがえすことができるようにいたしております。なお総代会を置いた場合でも、総会にかわる総代会を置くようにいたした組合においても、一年に一度は必ず通常総会を開くべきことを法定いたしました。以上をもつて御説明を終ります。 —————————————
○石原委員長 次に臘虎膃肭獸猟獲取締法の一部を改正する法律案に対する質疑を行います。
○鈴木(善)委員 らつこ、おつとせいの猟獲の取締りは、わが国の遠洋漁業が国際信用を回復する上において、きわめて重要な問題であると思うのであります。しかるに今日、この猟獲取締法の一部を改正する法律案が提案されております理由は、かつて昭和十五年にわが国がらつこ、おつとせいの保護條約を廃棄いたしたところにあると思うのであります。この保護條約からわが国が脱退いたしましたところの理由につきまして、いろいろ当時その理由をあげておつたようでありますが、今日わが国が新しい国際間の平和的な一員として参加いたそうとする際に、従来の昭和十五年の保護條約脱退の動機を考えました場合に、私どもは大いに反省させられる点があると思うのであります。この点について政府は、近い将来にこのらつこ、おつとせい保護條約に再び参加する御用意を持つておられるのかどうか。またその時期はおおむねいつごろを期待しておるのであるか。この点を坂本政務次官からお伺いしたいと思うのであります。
○坂本政府委員 ただいま鈴木委員からお述べになりましたように、今日わが国が置かれておりまする国際情勢から考えまして、近い将来におきまして参加することを希望いたすといたしましても、その時期あるいはまた方法等につきましては、なかなか予断を許さない点があろうかと思います。しかしながら、今回御提案をいたし、御審議を願つておりまするように、らつこ、おつとせいの猟獲取締りに対するさらに一段の強化と申しますか、かような意思も、一日も早く国際的な信用を回復いたしまして、国際場裡に一日も早く復帰いたしたい、かような念願からであるのであります。なお詳細な点につきましては、事務当局より御答えを申し上げます。
○鈴木(善)委員 らつこ、おつとせいの保護條約からわが国が脱退いたしましたその大きな理由は、米領プリビロフ群島のおつとせい群が日本近海に大部分回遊するものではない、またおつとせい群は有用なわが国沿岸の魚族を非常に多く捕食しまして、わが国の漁業に大きな弊害があるということが、当時の脱退の大きな理由であつたと思うのでありますが、これについて政府は、終戰後関係方面の指令によりまして、予算を計上してこれが調査に当つておると思うのでありますが、その調査の結論は、今日まで脱退当時わが国が考えて参りましたところの理由を、くつがえすに足るようなものが現われておるかどうか、その調査の内容を承りたいと思うのであります。
○山本(豐)政府委員 十五年に破棄いたしましたのは、当時の戰争状態等に関係しておると思うのでありますが、一つには、ただいま鈴木委員からお述べになりましたような理由も、大きな理由であつたと思うのであります。終戰後最高司令部の方からの命によりまして、中止はいたしておりますが、若干の予算を組みまして、これが共同調査ということをやりかかつております。現在のところまだはつきりした結論は出ておらぬのでありまするが、少くとも米領プリビロフ群島のおつとせいらしいものがやはり近海に回遊しておるということが、アメリカの方でとらえましたおつとせいによりまして一応推定できるのではないか、しかし第二段のいわゆる有用魚を捕食して漁業上に被害があるかどうか、この点につきましては、まだはつきりした結論を得るに至つていないのであります。大体そういう状況であります。
○鈴木(善)委員 終戰後連合軍最高司令官の命によりまして、この猟獲を中止させられておる、こういうことがただいまの次長の御答弁の中にあつたのでありますが、その最高司令部からの中止命令の内容は、どういうものであるか。またこの中止命令を政府が受けまして、どのような具体的な措置を講ぜられたか。その措置の内容と、それらの措置を漁業関係者に十分周知徹底せしめるような御措置を講ぜられたかどうか。この点をお伺いしたいのであります。
○山本(豐)政府委員 正式の書簡といたしましては、二十三年の十二月二十三日に、水産庁長官に対して関係方面から陳述ということで、書簡の態様でありますが、一応参つております。それはいわゆる猟獲は一切許可されんという内容をなしておるのであります。その後私の方といたしましては、二十四年の一、二、三月になるのでありますが、約二百七十万円の予算を計上いたしまして、これが調査なり密猟の取締りをやつたのであります。ところがまだ十分でないという見方もありましてこれはお手元に資料として配付してあると思うのでありますが、昨年の八月八日にヘリングトン氏からやはり長官あてに、さきの注意がまだ十分でない。さらに何らかの手を打つて嚴重にやれという意味のものが参つたのであります。これも書簡の形であります。はつきりしたスキャピンという形でありますと政令でやれるのでありますが、まだそこまで行つていないのであります。しかし内容は非常に嚴重な内容をなしているのであります。それに基きまして、その後本年に入りまして、予算的には他の予算を流用いたしまして、約百五十万円でありまするが、これをもつて調査をやり、また若干の取締りをやつたのでありますが、さらに今回は法律の改正をやり、同時に二十五年度の予算といたしまして、九百八十万円の予算を組みまして、取締船を二隻、調査船を一隻という態勢で、さらに向うの考えておることを励行いたしたいと考えておるわけであります。
○鈴木(善)委員 わが国ではこのらつこ、おつとせいを昭和十七年から海上猟獲にして許可制をとつておるのでありますが、終戰後、最高司令官の書簡なりサゼスチョンなりに基いて許可制を全面的に禁止される法的措置を講ぜられておるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○山本(豐)政府委員 現在のところ、一応向うの書簡によりまして今度の措置に出たのでありますが、この措置に出るまでは、一応漁区によつては猟獲はできる。もつとも制限されておりまして、戰争中昭和二十年ごろにおいても、わずか六十隻くらいの範囲内で、とつたものが七千トン程度でありましたが、その態勢は今日まで持続しておつたのであります。しかし自然沙汰やみという方向には向いておつたと思うのでありますが、それを今度は司令部の意向によつて、国際的信用を高めるという意味において、今日忍べるだけは忍んで、将来の国際場裡に進出しやすいようにするためには、ここしばらくの間のがまんだという意味において、今度は相当嚴重に禁止に近い規定を挿入いたしたのであります。しかしこれによつて将来日本が講和條約、あるいはまたその前に海洋協約でも締結するような機会がかりに到来するといたしましたならば、むろんその場合は参加の方針には間違いはないのでありますが、いわゆる條約の内容等もよく吟味して、日本としては考えなければならぬと思うのであります。ただ目下の情勢においては、アメリカの見解によつて、先ほど申したように、この見方については、多少わが方とアメリカとの考え方は違いますけれども、これは共同調査等によつてそのうちに明瞭になると思うのでありまして、それらによつて條約の内容にまたおのずから変更もあるのではないかというふうに考えるのでありますが、いずれにしてもそのときの情勢をよく判断して、今日としてはとにかく国際信用を高めるという意味で、向うの考えをそのまま取入れて、しばらく忍ぶべきは忍ぶというような気持で、一応禁止に近い今度の規定を挿入したわけであります。
○鈴木(善)委員 どうもはつきりしないのでありますが、この海上猟獲の許可制によつて六十隻程度のものが許可されて、合法的に操業をしておつたものを、終戰後最高司令官の書簡に基いて、この六十隻の許可をも全面的に取消すの措置をすでに講じられているかどうか、この点を重ねてお伺いいたしたいのであります。
○松任谷説明員 お話の許可のございました船については、許可の期間が大体一年でございまして、自然に許可の期間が満了して来るというようなことによりまして、現在許可船は一隻もないというような現状でございます。
○鈴木(善)委員 そうしますと、現在は法的には許可制になつているけれども、わが国が置かれている客観情勢からいたしまして、また司令部からの示唆に基きまして、今日は、期限満了と同時に、一隻も許可をやつていないという事実がはつきりして参つたのでありますが、しからばわが国では、現在におきましては、おつとせいの合法的な猟獲の道は事実上ふさがれている、こういうことになつたわけであります。しかるに、このように禁止されているような実情にあります際に、このらつこ、おつとせいの猟獲に関するところの禁止條項をあらためて設けようとなさる政府の御趣旨は、従来当然履行さるべきところのものを履行しなかつた、いわゆる違法の密猟船等、政府の取締りの怠慢によつて弊害が出ておつたことを、それを法的にあらためてここに取上げようというぐあいにわれわれは印象づけられてならないのであります。これは当然なすべき取締りを政府がやつていなかつたということであつて、その取締りの励行を政府がやれば、あらためてこのような法律の改正をやる必要はないではないかという感じを受けるのでありますが、その点は政府はどういうふうにお考えになつておりますか。
○松任谷説明員 お話の通り、海上猟獲そのものが嚴重に禁止されまして、それが当業者の自粛によつて一頭もとらないということになりますれば、今度の改正といつたような問題は、あるいは起らないかもしれないのでございまするが、実情は御承知の通り、いるかの突棒漁業といつたようなものにおきまして、多少流れて来ているものを拾つているものもございましようし、その他手元にお配り申し上げました司令部関係の書簡によりましても、陸上において生皮その他がまま見受けられるといつたような状態になつておりますので、取締りの範囲をどの程度にいたしましたならば効果的になるかというようなところを種々検討いたしまして海上の取締りはもちろん、陸上におきまする製品の移動の取締りといつたようなものにまで範囲を及ぼしまして万全を期するというような意味合で、今回の改正案を提出いたしました次第でございます。
○鈴木(善)委員 そこで取締りの徹底を期するために、らつこ、おつとせいの獸皮もしくはその製品の製造、加工、または販売について、禁止または制限の條項を新たに設けられるという御趣旨はよくわかつたのでありますが、その次にらつこ、おつとせいの獸皮もしくは製品の所持についても、同様にこれを禁止する制限をするということを改正法律案でうたつておるのでありますが、この所持の範囲はどの程度に及ぶのであるか。私どもがこの法文から受ける感じは、らつこ、おつとせいの獸皮の製造、加工あるいは販売を業とする者が、その営業のために、その獸皮を所持するということを制限または禁止することであつて、たとえば個人個人がらつこ、おつとせいの毛皮のチョッキを着ているとか、そういうような個人々々の一枚二枚の所持をも制限または禁止するものではないと、この点を解釈してよろしいかどうか、この所持の範囲をお伺いしたいのであります。
○松任谷説明員 お話の通りでございまして、従来正当に猟獲されて、それか正当に加工されて販売されておつたものを、正当に入手して身につけているといつたようなものにつきましては、本法の適用の範囲外になつているのでございまして、その点はこの改正条にもございますように、猟獲の禁止または制限に違反して猟獲し、あるいは製造し加工し販売したらつこ、おつとせいの獸皮またはその製品というものの所持について、制限禁止ができるという條項になつているのでございまして、これによりまして、現在の取締法の改正がもし実施されますあかつきにおきましては、施行規則を改正いたしまして、主として販売業者あるいは製造業者が所持しておりますものにつきまして、届出制といつたような制度によりおして、違反物件というものがあるかどうかという点を確めるというような処置によりまして、取締りの励行を期したい。かように存じておるのでございまして、正当なる所持者というものにつきましては、触れないというふうに取締りの関係を考えておるのでございます。
○鈴木(善)委員 この所持の場合でありますが、その入手経路はおそらくいろいろあると思うのでございまして、たとえば友人から贈られるとかいうようなこともありまして、それが合法的に捕獲されたものであるか、あるいは違法に捕獲されたところの獸皮であるかということは、その取得した個人個人にはわからない場合がおそらく多かろうと思うのであります。その場合にそれが合法的に取得したものであるか、そうでないかの判定、こういうことは非常にむずかしい問題だ、こう思うのでありまして、この取扱いを誤りますならば、今日まで多数のらつこ、おつとせいの獸皮が民間で着用その他で使用されているわけでございますが、その取締りについて非常な混乱を来たすと思うのであります。 そこで私どもは、このらつこ、おつとせいの猟獲を制限禁止するために、所持の面にまで及ぶということになつて参りますと、その影響が非常に大きい。そこで今漁政部長のお話では、政令なりあるいは施行細則なりで、それを詳細きめられる御趣旨のようでありますが、その政令の内容を次の機会にお示しを願いまして、愼重に審議をいたしたいと思うのであります。私の質疑はこの程度で打切ります。
○石原委員長 川村君。
○川村委員 ただいま議題になつておりまする法案の提出の趣旨は大体わかりました。それと関連がありますので、二、三点お伺いいたしたいと思います。 第一に、先ごろアメリカのプリビロフ群島の方から日本にまわつて来て棲息するということですが、その廻遊の状態は、一番たくさん集団して来る地方はどこであるかという問題が一つ。 第二点は戰時中に軍の皮革の需要に追られて、らつこ、おつとせいを捕獲する日本海獸会社と私は記憶しておりますが、そういう会社を設立しまして、この捕獲を獎励したのでありますが、先ほど日本に許された権利は一つもないということでありますが、一体海獸会社が今日あるかどうか、あつたとするならば、海獸などはたくさん種類がありますけれども、らつこ、おつとせいというものの捕獲を主眼としてその会社が設立された記憶がありますので、これらの会社が何を捕獲して、そうしてその会社を維持しているかどうか、またその会社がらつこ、あるいはおつとせいを、先ほど部長の言われる、いるかをつきん棒で突いた、誤つてらつことかおつとせいを突いたというような意味も含まれたお答えもあつたのですが、そうしたようなその会社の違反がなかつたかどうかという問題、それからもう一つ、われわれが刺網を刺すとよくおつとせいがかかるのです。その場合の手続が非常にめんどうだというので海へ投げて来た。それを見つけたから届出た。これはどういうふうな径路でそうなつたかしれませんが、そういう言葉を聞くのですが、そういつた誤つてひつかかつたものをとつて来た場合に、これをなめし皮とか、あるいは自家で使用する場合には、一体どういう制限を受けるか。この三点をお伺いいたします。
○山本(豐)政府委員 第一点の廻遊状況でありますが、これは北海道の東南岸から大体南は千葉県の沖合辺までにわたつているのでございまして、大体季節を申しますと、冬季十一月ごろから六月ごろまで、こういうことであります。 第二点の日本海獸会社は、お話のように現在もまだあるのであります。今度のこの法律によりまして、実際はおつとせい、らつこ等では成立たないのでございまして、現在はあざらし、いるか等で経営をいたしているような状況であります。戰時中あるいは戰後もあると思うのでありますが、その違反事件につきましては、現在調査もありませんし、はつきりしたことは申し上げかねるのであります。 なお第三点の刺網等で誤つてひつかかつた。こういうものまでむりにどうしようという意向はないのでありまして、何らかその点を明瞭にいたしまする検印でもするとかいうような方法によりまして、そういうものをあるいは流したりなんかすることは、今度の改正にはひつかからない。こういうふうに扱つて参りたいと考えております。
○川村委員 それで日本海獸会社がいるかとあざらしをとつて経営しているまうでありますが、私が考えますと、いるかもそうとつてないようですし、あざらし等もあまりにとつてないようであります。現にいるかは肉としてほとんど市場に現われていないということがはつきりわかつておりますが、あざらしの皮もこれも市場に出ていないということも、はつきりわかつております。そうしますと、中には個人が違反してとるものもあるかもしれませんけれども、先ほどのいわゆるつきん棒でとつたような違反があつたので云々というようなお話でありますが、一体その会社が維持できるか、私はそうしたいるかやあざらしをとつて維持できないと思うのだが、これに対して、一時は奬励した農林省の責任として、今日その会社の維持をどういうふうにさしておるか、また今後この会社の経営について関心を持つて、何とか方法を講ずるかということが一つ、それからもう一つは、先ほど山本次長の答弁の中に、魚をどのくらい捕食しておるかということは、統計にまだはつきり現われていないというお言葉があつた。私はこの点において、これは今一年や二年の問題でない、もう過去十数年前にこのさけ、ます漁業者あるいはにしん漁業者から、らつこなららつこ、主としておつとせいでありますが、おつとせいを捕獲しなければいかぬ、漁業者に対して、魚をあまりに余計食うのであるから、これはその制限を解いて、自由に捕獲させろという声が出て来たのであります。当時からそういう声があがつたのでありますから、今ごろまだ調査ができておらないということは、まことに私は怠慢だと思います。私は過去にカムチャッカヘも行きましたし、千島へも漁夫として行つたことがあります。かれらがさけ、ますを食うのは、さけをつかまえると、決して身を全部食いません。つまり頭と背の間の、われわれは首玉と言いますが、そこだけ食つてあとは投げる。ですからもう次から次へやるので、私は一匹のおつとせいが一日に十匹以上食つていると思う。そうしたようなことから、われわれはおつとせいを捕獲しなければならぬという声をあげたのでありますが、われわれはぜひともそういう点からも、この捕獲をしなければならぬという、主張をして参りましたので、一応国際客観情勢から禁止するような方法をとることもやむを得ないと思いますけれども、これらをあまりに北海道から千葉県の沖合いまで繁殖させますと、逆に日本の漁業に大きなマイナスが来ることをお考え願わなければということを、一言申し上げておきます。
○松任谷説明員 日本海獸会社の問題につきましては、ただいまお話が、ございました通りでございまして、なかなかこの経営の内容が楽ではないというような現状になつているのでございます。政府といたしましては、ただ会社の将来を、経営を継続し、あるいは存立ができますようにめんどうを見るというようなことにつきましては、極力努力しなければいかぬ立場ではあるのでありますが、経営の将来につきましては、会社自体でいろいろと考えていただくというふうなことの方針で進んでいるのでございます。ただ昨年も司令部の方で調査をやります場合におきましては、日本海獸会社を従来の経験等にかんがみまして、調査の担当機関に委嘱をした事例があるのであります。
○川村委員 日本海獸会社の問題でありますが、私はその資料を持つのではありません。せつかくアメリカも、従来の経験から体して、それらに調査を命ずることが必要だ、そうした意見を持つているどいうならば、むしろ私は制限をして捕獲させた方が、あまりに違反のごときことがなく、皮革の需要にもこたえることができますし、会社の経営も援助することができると同時に、先ほど申しましたように、あまりに繁殖しなければ、やはり日本のさけ、ます、あるいはにしん漁業等にマイナスが来ないと思いますので、こうしたような機会に、法は法として、一応ある程度までらつこ並びにおつとせい等をとらせる方法も考えた方がいいのではないか、言いかえれば、あまりにふやすというと、必ずそれを見てとるという悪心が起きる漁業者がたくさんできる。それからあまりにふやすと、魚をあまりに食われて、日本の漁業にマイナスになるのだから、適当な方法と、制限をして、これをある程度まで捕獲させる道も、この場合考えたらどうかということであります。これに対する御答弁をお願いいたしたいと思います。
○松任谷説明員 お話がございました通りでございまして、一応わが国の立場といたしましては、従来から終始一貫アメリカのプリビロフ群島から回遊して鮭鱒その他の有用魚類を捕食するからというような建前をとつて、條約の脱退を行い、あるいはその調査もしておつたのでございますが、この点は国際関係の建前といたしまして、おつとせい等を保護しておりまするアメリカ本国にとりましては、そういう一方的な調査では十分ではない。アメリカはアメリカの立場において調査をして、どちらの主張が科学的に正しいかということを判断しなければいかぬというようなことになつておりまして、それでアメリカから調査団が参りまして調査を継続しているのでございますが、その調査を継続中は、一応捕獲を全部禁止するといつたような建前で、日本政府の方に慫慂し、指示して参つているのでございます。従いまして現在の状態におきましては、一定限度の制限を設けて猟獲を許容してほしいというような要求を出す時期ではないとも考えられますの、諸般の情勢上、一応本改正案を提出いたしまして、わが国におきまする国際信義上の問題といたしまして、取締りの励行をまず第一にするというようなことを考えているのでございます。
○川村委員 私は現在は一応やむを得ないとするも、将来に至つても全然禁止しておるかどうか。ということは、これが日本の漁業に非常なマイナスになる、あるいはたくさんふえると、密猟をするという悪心を起す者がないとも限らないので、かえつてそれがために国際信義を害するということになるから、一応はこの法律はやむを得ないとしても、将来に向つて、ある程度の制限、捕獲数の制限とかをして、らつこ、おつとせいをとらせる。そして皮革の需要に応じ、さらに密猟等の悪心を起させることのないようにしたいということと、さらにさけ、ます、あるいはにしん等の漁業のマイナスにならないようにする御意思があるかないかを聞いたのであります。
○山本(豐)政府委員 おつとせい保護條約の内容の問題になると思いますが、おそらくこの保護條約というものも、先ほど今までのおつとせいの増減の関係を申し述べた場合も触れたのでありますが、これは非常に魅力がありまして、大つぴらにとつたらいいということになりますと、数年を出でぬうちにどんどんなくなるというようなこともあります。そこでこういう観点からこれを保護するということも、保護條約の内容だと思います。将来は、今川村委員のおつしやられましたような面も、十分わが方としては考えを持ちまして、結局頭数の増加の状況に即応して、何頭までいいというふうな形になつて参るのでなかろうか。これは想像でありますけれども、そう思うであります。そういうような意味合いで、今川村委員のおつしやられましたような方向に、ぜひ持つて参りたいと考えているわけであります。
○石原委員長 他に御質疑はありませんかそれでは本日はこの程度にとどめます。次会は公報をもつてお知らせします。 本日はこれをもつて散会します。 午前十一時五十二分散会