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7回国会衆議院1950/03/08

人事委員会 第12号

発言数
50
登壇者
5
会派数
3
開催日
1950/03/08

会議録

逢澤寛自由党

○逢澤委員長代理 それではこれから人事委員会を開会いたします。  委員長におさしつかえがございまするので、しばらくの間私が委員長の職務を行います。  議事に入る前に、まずお知らせをいたしておくことがあります。去る二日米原昶君が委員を辞任せられ、川上貫一君が新たに委員となられました。以上お知らせいたしておきます。  ただいまより国家公務員の職階制に関する法律案を議題とし、前会に引続き質疑を継続いたします。

松澤兼人日本社会党

○松澤委員 直接職階法に関係がないのですが、緊急に二、三簡單に御質問申し上げたいと思います。  ベース関係の根本的な問題につきましては、いろいろ論議も闘わされ、われわれは今日もなおべース改訂を急速になすべきであるという意見を持つているのでありますが、本日はその根本的な問題は別といたしまして、人事官に御質問申し上げたい点があるのであります。それは政府が給與改訂をやらないで、新給與法の現在の法律を一年延ばすという意向で、人事院と折衝されているというお話を聞いているのでありますが、人事院といたしましては、政府からこういう一年延期の御相談を受けたことがあるかどうか。それに対する人事院の態度、これを第一にお伺いいたしたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 ただいまのお話でありますが、われわれは新給與に関する法律案を出しますときには、給與のベースの改訂が当然含まれるべきものと思つておるのであります。しかし御承知のように、あれが三月末で効力を失いますから、そのままにしておきますと、来月から給與が支拂えないという結果になるのでありまして、何としても、どんな最悪の場合でも延ばすことが必要なのであります。それでその延ばすということについて交渉は受けました。そうしてわれわれの方といたしましては、最悪の場合延ばすことだけは延ばさないといけない。しかしベースをかえるということについて、少しも希望を失つておらぬわけであります。

松澤兼人日本社会党

○松澤委員 最悪の場合は、新給與法を一年延期するという方針である。しかしベース改訂に対しては希望を失つておらないということでありますが、それではべース改訂の人事院の勧告を実現するために、とりあえずどういうことをお考えになつておりますか。どの程度の努力をされているか、その点についてお話を願いたいのであります。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 私どもは勧告以外にどうも方法がないのでありまして、われわれの方から法律案を国会に出すということは、現在の公務員法の状態ではできないのでありますから、法律改正でもなければできないのでありまして、法律案を出しましても、それは勧告にすぎません。やはり勧告の一種であるわけでありますから、そういうことは全部国会でひとつ法律をつくつて、そうしてこれを通していただくようにお願いをする。そのかわりにそれに対する資料なり何なりは、全部提供をいたしまして、国会の御決定を待つということ以外にないのであります。

松澤兼人日本社会党

○松澤委員 法律案を出すことが勧告であるということは、了承いたしかねるのでありますが、政府内部の問題としては、あるいはそういうふうに考えられるかもしれませんが、勧告は勧告であり、法律案は法律案である。これは別個に切り離して法律案をお出しになる。これは決して勧告ではないのでありまして、勧告をお出しになつても、実際上としては国会において取上げられておらぬという現状であるのであります。従いましてこれを国会全体として取上げるためには、法律案という形のものをお出しになることが、勧告を実現させる一つの方法であると考えますならば、この際人事院は法律案をお出しになるべきである。こう考えるのであります。どういうわけで法律案が勧告にすぎないというふうにお考えになるのか。その辺承りたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 法律案は全部内閣から国会の方に出されるか、あるいは国会が立法するという以外にないのであります。やはりわれわれの方はどんなお手伝いでもいたしますし、また法律案として出される場合には、こういうかつこうがよろしかろうというようなことも、下働きはいくらでもいたしますけれども、われわれの方としては国会へ法律案を出す権限を持つておりませんから、それで法律改正でなければ、そういうことができるような権限が與えられなければ、国会に法律案を提出することができないと思つております。

松澤兼人日本社会党

○松澤委員 形式上はそうでありましよう。しかし人事院もやはり政府でありますから、政府の部内において強力に法律案を出すようにおとりはからい願わなくてはならぬ。人事院から直接に国会に出すということはもちろん違法でありましようが、政府の部内において、新給與法の改正法律案をお出しになる御努力をなされなければならない、こう思うのであります。この点についてはいかがですか。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 御承知のように政府部内でもつて給與に関する專門的の機関は、人事院以外にないのでありまして、その人事院から政府に出した勧告について、人事院は間違つているという白書まで出される状態でありますと、政府に対して人事院がその法律案を出しましても、それを採用して国会へ提出する運びにはとうていならぬと思うのでありますから、どうしてもこれは国民を代表しておられます国会でお取上げくださる以外に方法がないように思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤委員 人事院が、政府職員の人事行政において権限のある機関として、非常に政府職員から期待をされている現状であります。しかし最近におきまして人事院が、給與改訂にきわめて不熱心であるという点については、非常に強い遺憾の意を政府職員は持つておるのであります。結局いつもいわれておりますように、保護的な機能を発揮せずに、取締的、彈圧的な機能だけが発揮せられておるということは、申すまでもなくマツカーサー書簡の中にしるされておる公務員のあり方、及び公務員の人事行政のあり方について、非常な大きな変革を来しているというふうに私どもは考えているのであります。はたしてこういう状態でありますならば、人事院が今後政府職員の福利厚生の面において、何をなすことができるかというふうにわれわれは考えるのであります。この点は私は人事院に対しまして、非常に大きな期待を持つて今日まで来たのであります。現在のような状態でありますならば、われわれはもはや人事院に期待することができず、結局政府職員が自分の力で、いわゆる院外の手で給與の改訂を闘いとらなければならないということになるのであります。もしそういうことで、一歩間違えば、非合法的な運動もしなければならないという押し詰められた今日におきまして、人事院はこういう院外の給與改訂に対する要望に対して、何かの形において答えるお考えがあるかどうか、これを承りたい。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 人事院ができましてからまだ日が浅いために、人事院が出します勧告について、政府自身もいかに取扱うべきかということを知つていないだろうと思います。なぜかといいますと、国民に対して、という意味は、すなわち国会、それから新聞発表、それから政府に対して給與はかくあるべきものだということを申し述べたわけでありますから、政府としてはその勧告それ肩身を、それは間違つているということを世の中に告げると、世人は何を信じていいかわからないのであります。それですからそういう扱いはすべきでない。それは給與はそれだけでありましよう。しかし国全体の予算を大所高所から考えてみて、こういう理由で実行することができないということを国会に告げられるならば、これは正しい行き方だと思います。またわれわれの勧告は、公務員が今おつしやいますようにいろいろな制限をとられておる。そのとられておるということは、国民を相手にストライキをすべきではない。国民に対してサービスをすべきものだということが人事院のあり方でありますから、極力そういうふうに公務員は努めておるのであります。それであつて、その給與の水準を国民全体の水準よりも上げるというのではなくて、国民の生活水準にまで持つて行つてくださいということを国民に告げた場合に、国民が、公務員はストライキをする権利がないから、それを踏みつけて、ただサービスをやらせればいいということを考えるはずはなかろうと思うのであります。従つて国民の各面を代表しておられる国会は、それを取上げて、そしてこれを予算の中にいかにして盛り込むかということについて、最善の努力をしていただくべきものだと、こう思うのであります。この行き方が正しい民主的な行き方だと思つておるのであります。もしもそうでなくて、政府に対してわれわれは特別な圧力を加える。あるいはまた国会に対して特別な圧力を加えるということであれば、これはフアシヨの行き方であつて、われわれはそういう行き方に賛成することができないのであります。それですから何もかも、すべて国会にお願いする以外にないと思います。これがあたりまえの人事院の行き方である。それならば、それは頼むに足らぬから、ストライキでも何でも許すか、こういうことになると、それはいけないのでありまして、国民に対してサービスをやるのが公務の本来の仕事でありますから、ストライキはしない。但ししないでもいいようにとりはからつてもらうのは、私は国会のお仕事のように思うので、それで全部国会にお願いするということを申し上げておるような次第であります。

松澤兼人日本社会党

○松澤委員 国会に非常に大きな期待を持つていらつしやるということは、まことにけつこうであります。しかし最近われわれ考えて見ますと、淺井人事院総裁初め——山下さんは別であります。上野さんにいたしましても、国会にほとんど出席されておらない。もちろん総裁の立場というものは、現在非常に苦しい立場に追い込まれているということはよくわかる。しかし国会にそれたけ大きな期待を持つておられるとするならば、総裁初めもつと積極的に、人事院からも国会に働きかくべきであつて、少し気に入らないからといつて、ちつとも出て来ないというような総裁のやり方に対しては、われわれは絶対に反対であります。山下人事官は最近ずつと出て来られておりまして、まことにわれわれとしましては、その御労苦に対しては敬意を表しますけれども、人事院の総裁がそういう態度であるならば、おれの方もそういうことだということにならないとも限らないのであります。もつと総裁が積極的に政府に対しても、あるいは国会に対しても働きかけなければならないと思います。これは私の意見でありますから、御答弁はいりません。  関連いたしまして、もし新給與法を一年延期するということになりますと、今回の人事院勧告の中に織り込まれております最も大きな特色は、地域給を従来の最高四割から二割に下げているという点であろうと思うのであります。総裁は新給與法の一年延期という改正法律案の中で、地域給だけを人事院の勧告通り織り込むという意見を発表されておるということを承つておるのでありますが、これは事実でありますかどうですか。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 ただいまの松澤さんのお話でありますが、われわれは相與のベースがかわらなければ、地域給をかえるわけに行かないと思つておるのであります。それはどういうわけかと申しますと、輸送費や何かが非常に軽減されました関係上、物価の都会と地方との差は少くなりました。その関係上今までの三割の差のあつた地域給は、今度二割ということになりつたわけであります。そうとますとべースが上つてこそ、初めてその操作ができるのでありまして、ベースは上げない、地域給だけかえるということになりますと、下るところが非常にたくさんありまして、とても困るのでございます。しかし御承知のように地域給は非常にまずいやり方でございまして、あれを理論的に考えてみますと、まつたく意味がないのであります。現在のところ特地——特地はまだいいとしまして甲、乙、丙などというものは全部重なり合つておりまして、何であれの区別をつけたかということがわからないのであります。それで一日も早くあれを合理的なものにしたいと思つて、われわれは案をこしらえております。しかしそのこしらえたものが、今の状態で出せないのであります。それでこのベースがかわりましたら、その瞬間に私どもはその案を取上げまして、御審議を願いたいと思つておるのであります。ですから今松澤さんがおつしやいましたように、ベースをかえないでも地域給はかえ得るということは、総裁は言われたはずはなかろうと思います。何かの間違いであろうと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤委員 私も山下人事官の御答弁と全然同感であります。七千八百七十七円ベースになれば、そのときに初めて地域給は最高二割という人事院の勧品の通りになすべきであつて、ベースが六千三百七円のときに、地域給だけ一割以下というふうにかえることは、誤りであると考えておるのであります。そこで私はそのほかに、地域給は六三べースの引継ぎであるとすれば、地域給はかえない。これをもう一度はつきり御答弁を願いたいことと、それから勧告にある他の部分が、新給與法の一年延期の改正法律案の中に織り込まれるかどうか。最悪の場合一年延期ということになつで、勧告以外に改正すべき点があるとすれば、どういう点が織り込まれるか。この点について御答弁願います。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 地域給はまことにまずいのでありまして、方々から直してくれという要求が非常にあります。しかしどうも給與ベースをかえなければ、どうしてもこれをかえるわけに行かないと思います。部分的に手をつけると、次から次へ手をつけなければならないのでありますから、やむを得ず、給與ベースが将来改訂せられるまでは、現状のまま地域給は手をつけないという決心をしております。それから給與の法律について一年延ばす場合に、何かつけ加えるものはないかという御質問でございますが、今のところ私どもはその必要がないように思つております。

松澤兼人日本社会党

○松澤委員 最後に、少くとも現在の新給與法をそのまま一年延期するという仮定に立つて問題となる点は、人事院が指定する公団の職員で特別職になつている、たとえば食糧配給公団の特別職の問題であります。これは本年の四月一日からその効力を失うことになつております。最近政府は公団の廃止ということを建前として、いろいろ公団が廃止されるようであります。しかし食糧管理法の一部改正によりまして、その食糧公団を来年の三月三十一日まで存続させる。もちろんその間整理がつけば解散になるわけでありますが、少くとも本年の四月一日以後まで存続するという見通しがついておるようであります。そういたしますと、この食糧配給公団の職員の特別職は、当然食糧管理法の一年延期によつて、延期されなければならない。こういうふうに考えているのでありますが、この点につきまして人事院は、どういう御見解をとつておられますか。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 ただいまの松澤さんの御質問でございますが、これはやむを得ない次第と思いますから、国家公務員法の改正につきましては、国会かおきめになる通りで、私どもの方で何ら異存はございません。

松澤兼人日本社会党

○松澤委員 それでは国会から法律案が出されるということについては、反対はなさらない、そうあるべきだという御答弁でございますか。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 さようでございます。

逢澤寛自由党

○逢澤委員長代理 土橋君にお諮りしますが、官房長官は今記者会見をやつておるそうですから、その前に何かいたしますか。——それでは土橋君。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 山下人事官にお尋ねいたしますが、基本的な態度といたしましては、国家公務員法の六十三條の第二項によりますと、給與準則を立案しなければならぬのでございますが、今出されております職階に関する法律案と、この給與準則に関する規定というものは、どういう関係になつておりますか。簡單に御答弁願いたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 給與準則につきましては、おそらくこの次の国会に御審議を願うために提出するつもりでございます。アメリカの連邦で一九二三年に出しましたあの職階法には、給與と職種とがかみ合つておるのであります。それをもつて職階法といつておるのでありますが、これを研究してみますと、給與と職階というものは離れて考えるべきだたということで、われわれの方は純粋な職階だけを今度提出したのであります。この次に給與準則を出しまして、そしでこの二つがかみ合つて初めて働くことになるわけでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 ただいま御説明になつたような事項は、すでにアメリカにおきましては一九三三年以来行われまして、一九四九年、昨年においてはこれが一致して、アメリカの全連邦の御承認を得ておるにわれわれは聞いておるのであります。そこで私はこの給與に関する六十二條の規定から考えましても、今申し上げておりまする六十三條の給與準則の点から考えましても、現在政府が実施をしておりますところの、この二十三年の法律四十六号、この法律から見ましても、当然それは職階に関する法律と、給與に関する準則及び給與の準則に基くところの給料に関する表、この三つが一緒になりませんと、職階の完全なる実施、いわゆる官職を格付するという問題に至らないと思いますが、それでもなおかつ給與準則と今の職階に関する法律は別個である。こういうお考えでありましようか。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 ただいまの土橋さんのお言葉でございますが、職階法というのは、給與に密接な関係はありますが、同時にほかの用途に非常にたくさん使われるのでございます。たとえば日本では今まで昇給とか何かの場合に、大学を出た者とか、中学を出た者とか、そういうことによつて非常に色づけられておつた。それをきれいに佛拭いたしまして、そうしてほんとうの実力主義で行きたい。だから学校は出ておらなくても、その人の学力があれば、できるだけその評価をそういうふうにしようというので、われわれは試験をする。すなわち昇進試験をこれからやつて行くわけであります。その昇進試験なんかの問題は、どうしてやるかというと、やはりこの職階法によつてやつておる、その仕事に適合する性質があるかどうかということによつて、試験をして行くのであります。それですから任用と給與というものは、二つの大きな建物でありますが、その両方に同じような役目をするというものが職階でありますから、それでその職階法というものは、給與から切り離して、純粋な職階法としてここへ出すわけであります。そうしておいて給與準則はまた別、それをかみ合わす、こういう操作をして行くつもりであります。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 そういうようなまことに抽象的な、きわめて科学的だといわれまするような、そういうものを設けましても、現在の一般の職員の給與の水準というものが、最低生活を保障していないのであります。でありますから、そういう形式的に公務員の人事管理に関する基本的な内容をおきめくださいましても、給與の現実が最低生活を保障しないようなものであります。と、これはきわめて重大であります。でありますから、われわれは常に申し上げておりますように、最低生活を保障し得るような給與の内容が実施せられる方が先決でございまして、そこで私は山下人事官にお尋ねしたい点は、こういうようなものをつくりくださいましても、現実に給與の改善というものはできていないのでございます。先ほど松澤委員からも質問がございましたように、人事院が勧告してくださつても、国会というものが、人事院でお考えくださつておりますような、そういう国民の意思を反映をして、それならば人事院の勧告があつたから、七千八百七十七円の給與ベースも、ただちにこの問題について作業を開始し、審議をしようという態度に、本委員会におきましても、これがなつていないのでございます。それは山下人事官も十分御承知の通りでございます。そうなつて参りますと、先ほどまであなたが申されましたように、国会そのものの国民代表の非常に権威あり、かつ給與の面についても、十分配慮すべき国会がやらないでおりますにもかかわらず、この職階法だけをお出しくださいましても、効果はまた半減をする。現在の給與の改善にはならないということを、私は懸念するのでございます。そういう点から考えまして、従来人事院でいろいろやつてくださいまする規則なり指令の内容について、私は若干お聞きしたいと思いますが、人事院がこの職階制をいろいろ研究せられまして、国会に上程される前において、国家公務員法の第三條の規定によりますと、人事院としては公務員の利益のためにいろいろ考え願つておるわけであります。ところが現実の面を調べてみますと、たとえば現在能率局におきましては十八名であります。この能率局の仕事等は非常に広範は、研修なり、安全ないしは健康、福利、厚生、配置等に関する事項をおやりくださることになつておりますが、人員は十八名でございます。ただの十八名、ところが調査局等に至じましては、職員が監察課を加えましても二百四十名というような、厖大な定員を持つております。また給與に関する職階におきましては、四百名という厖大な人員を持つております。こういうようなものをつくりまして、現実の健康去り、福利なり、厚生なり、特に給與ベースの改訂等についての内容については、きわめて閑却にしておるというのでございます。こういうのはどういう理由によつてそういうようになつておりますか。ちよつと御説明を願いたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 給與の基準べ一スの問題につきましては、われわれはできるだけ生活ができるようにということを目的といたしまして、十分にこれを研究しておりまして、御承知のようにああいうようにときどきべースの改訂を申し出ておるのであります。これは職階とは全然関係がございませんので、今あるものはあれがこしらえられました当時は、職階制による給與といつたようなふれ出しでありましたが、実際はまつたく職階から離れておるものでございます。それでこの第二十九條の末項にありますように、あれはただの計画にすぎない。ああいうかつこうになるのだということだけであつたのであります。しかし先刻申し上げましたように、職階法というものはいろいろな方面でありまして、今までの学閥のような変なものを全部打破しまして、学閥という意味は、法科をやめてほかのものにするというような意味ではなくて、学問というものと全然切り離して、その人の能力によつてやるというように切りかえることが、非常に日本では大切でありますから、それで急いでおるのであります。職階法は早く成立たぬとそういうことができ上らないですから、それで非常に急いでおるのであります。しかし今の給與の問題は、ベースの改訂であり、これはインフレーシヨンや何かでありまして、全体のかつこうが上つたり、下つたりするのであつて、一つずつ上下する問題ではないのでありますから、これはベースの方の改訂でやつて行く、そういうつもりでやつております。  それから能率局に人が少いじやないか。これはごもつともで、ございまして、何ともお詫びの仕方がないのであります。われわれはできるだけ能率局を活用さすとを考えておりますが、とにかく人事院ができ上りましでからまだ日が浅いために、今の給與ベースの改訂だとか、それから職階法は何とか急がなければならぬとか、急ぐものがたくさんありまして、人員が増さないものですから、かりにああいうところから借りて来ておりまして、たとえば職階課あたりから借りて来ておるのであります。それで少し一方の片がついたならば、大いに活動しようということは考えておる。これはまことに相済みませんけれども、そういう状態のもとにありまして、非常にあるべき姿でないということを御了承願いたいと思います。  それから調査局のお話がありますが、調査局はずいぶんいろいろな仕事がまだあります。たとえばこの間の附則九條による試験でも、われわれは人物考査をとることになつております。人物考査というものはまことに考える人によつて歪曲された形で出ますからそれがはたして信頼をおけるかどうかということの調査にもああいうものは使いますし、いろいろな場合に調査が必要でありますので、これは人を集めておるようなありさまでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 先ほどの松澤君の御質問のお答えの中に出たのでありますが、公務員は国民全般に対してストライキをやることができないのである。こういう御論は一応私は御説明のうちだけは了解できるのでありますが、もしそのようなことが根本的な理論として言えまするならば、——山下人事官はそうではないと思うのでありますが、これはフアシヨ的なものの考え方でありまして、全体のために、個々の労働組合員の生活の窮状はどうでも、ストラィキはできない。これは全体的なものと考え方で、全体主義であります。全体はやはり個々の組合員なり、個々の人の生活を守るということを基本といたしまして、それを中心として、そのものを行使した結果、社会国家に全般的な障害を来すという場合には、その権利行為の制限ということの、ある程度の問題はありましようけれども、やはり民主主義ということをお考えになり、いろいろそういう点を考えているならば、公務員が全般に対してストライキができないという理由は、ただいまの御説明によりますと、これは戰争中の天皇制と同じなのであります。従いましてあくまでも公務員の生活を擁護する。同時に公務員の待遇を基本的に擁護するという態度が、人事院の中心にならなければならぬと思います。そこで今申し上げたような観点から考えましても、これは一昨年の七月二十二日のマッヵーサー元帥の書簡に基いて、人事院がさらに広汎な公務員諸君の厚生福利なり、絵皿なり、待遇なりということを考慮するということが中心でございます。ところがそういう中心的な命題下に入つておりまするこの能率局における仕事は、今も山下人事官がお詫びざれでおりまするが、お詫びでは済まないのでありまして、これを拡充強化してこそ、初めて次の職階の問題も、あるいは人事院規則もできるのでありまして、現在の人事院は本末顛倒しておるように思いますが、いかがでありましようか。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 土橋さんのお話でありますが、実は私は根本的に違う考えを持つておるのであります。今までの公務員は御承知のように天皇陛下の官吏であつて、無制限に無定量に天皇陛下のために盡すという行き方でありましたが、新憲法のもので、全然その観念をかえまして、国民に対するサービスをするのが公務員である。国民というものが天皇陛下にかわつてここに出て来たものであります。その国民を代表しておるものが国会であるわけであります。ですからわれわれは給與の引上げを必要であるとかりにいたしましても、何ものかが国会に対して圧力を加えるとか、あるいは内閣に対して圧力を加えるということがもしあれば、それこそフアシヨであつて、これはわれわれの民主主義からいうと間違つた行き方でないか、そういうふうに思います。ですからわれわれは政治から離れて、ほんとうに正しいと思う数字をここに出して、そして国民が納得される給與であることをだれが勘定してもわかるように、少しも推測でなく、発表せられました数字のみによつて計算しまして、かくあるべきものだということを国会に申し上げますと、あとは国会が国民にかわつて、よろしい、それならかくのごとく予算の中に取入れてやろうとか何とか言われることが、ほんとうの民主主義の行き方であり、その他の行き方では民主的にならない、そう思つております。どうかしてわれわれのこの考え方、行き方を、民主的にほんとうに育てていただくように、御盡力が実は願いたいのであります。それならばもしも公務員が政府によつて無視せられ、あるいは国会によつてそれが無視せられたら、それではストライキがやれるかというと、これは間違いであると思います。国会というものがなかつたら、それはそういうことになるでありましよう。しかし国会という国民の代表者がある以上は、直接行動に出たりなんかすべき性質のものではありません。公務員は自分の務めるべきものは務める。すなわち国民に対して務めるべきことは務める。そのかわり国民はこれを無視しない。どこまでもこれを擁護するという立場にならなければ、民主的の行き方にはならぬ、そういうふうに思つております。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 ただいまの山下人事官の御説は、私もその御説には反対するものでございません。しかし現在の国会の構成というものは、民主自由党の諸君もおられますから、これはよく御承知と思いますが、実際問題としては、あなたの方でそのような高邁な民主主義の理論をお持ちになつて、そういう方法で政府なり、あるいは国会に御勧告くださいましても、実際は現在の実情であります。それを人事院がいかに努力せられるかという点が、先ほどの質問に出ておるわけでございます。私はこれ以上あなたにその内容については御質問申し上げませんが、最近調査局の諸君が二百四十名、もつと多いと思いますが、これらの諸君が、公務員諸君の思想的な内容を調査しておるように承つておりますが、いかがでありましようか。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 調査局が思想の調査をしているというふうにうわさされて、まことに残念なことでありますが、われわれは決してそういう気持を持つておりません。それでもしもそういうことがあつて、思想的に整理をされるということがありますれば、すぐ公平局でわれわれの方は審査いたします。それでできるだけ公平にやろう、こういうふうに思つております。それでそつと行つて変な調査をするというようなことは、極力避けておるのでございます。もしもその行き方に怪しい点がありましたら、そのときどき御注意くださいますと、それを守ることにいたします。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 そういたしますと、次に公平局の話をしたいと思いますが、これは山下人事官も御承知と思いますが、昨年の二月、三月、このごろに公平局の看板のもとで、各官庁の給與ベースが年末調整の不当な課税によつて、非常に給與が下つたのでございます。これに対しては全逓なんかの場合でも、国鉄の場合でも、全官公庁の労働組合の場合でも、すべて調べていただきまして、そうしてこれについては少くとも人事院は、責任を持つてこの判決を下すということになつておりましたのですが、いまだにその内容が——飜訳をする関係でおそくなるとか、いろいろ説明はありました。しかし淺井人事院総裁は、この内容については明確な結論、判断を下しておりません。こういうことは今あなたがここで御答弁下さいましたように、公平ではないと思いますが、いかがでありましようか。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 同じ問題につきまして、大分前でございましたが、加藤さんから御質問がありまして、お答えしたのであります。実はあのときは、六千三百七円が十二月一日に実行されておるかどうかということを調査するために開きました調査であつたのでございます。その結果はその通り行われておるということの確認を得たのでございます。もつとも今おつしやいますように、再調整をいたしましたり、あるいはまた税のいろいろ調整がありましたために、非常に混乱を来して困つたのでございますけれども、その調査の結果は、実は何物も出なかつたのでございまして、そのことは総裁からも加藤さんに書いたものでお答えしたはずと思います。そのことで御了承願います。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 この問題は、給與べースの問題のみならず、私は公開審理の特別弁護人として公開の法廷にも出ております。おりますが、遺憾ながら今本委員会においてあなたが御答弁くださいまするような、そういう公平さを持つていないのでございます。やはりある種の目的を持つて、ある種の方向へその審理が続行せられ、しかも結論が出ましても、その結論は天下に公表し得ないような——大がかりの数日間の日数を要して、各労働組合の代表を集めまして、今井給與局長その他の給與担当官を集めまして、非常に大げさな審理をしましたが、何ら結論を得ない。こういう御答弁で、私は非常に遺憾であります。これは実際問題として、人事院がほんとうに公平の看板のもとに、公務員の利益をはかるということをおやりになつていない、いい例証じやないかと私は思います。たとえばその例としましては、政治活動の禁止に関するところのこの規則にいたしましても、なぜこういうとつぴようしもないものを人事院で出すかということにも、相当疑義がございます。これは人事院が政治活動の制限に関するそういう詭弁的な草案等を考えましても、ああいうようにほとんど公務員諸君が政治活動ができないようなものをつくることについてはやぶさかでありませんが、給與の改善なり、不当な馘首なり、不当な処置に対して、自分の職に対するところの確保をするということについては、きわめて冷静で、きわめて冷淡であるということは事実でございます。こういうような態度をおとりくださいますると、今あなたが御説明くださつておりまする国家公務員の職階制に関する法律にいたしましても、これは私が申し上げるまでもなく、アメリカにおきまする資本主義の集中下において、これは人間を機械化して、最も安く人間を使つて、そうして職制を通じて下級労働者諸君を圧迫するとところの、資本主義の集中表現による悪法でございます。勤労階級にとつてはこのようなものは、少くともアメリカにおけるような、最低生活がある程度保障せらるるような給與ベース、賃金というものが支給せらるる国におきましても、この職階制というのは、最近は一九四九年以来非常に問題になつております。人間性を無視し、人間の能力を無視し、しかも人間を機械の虫にするような、民主主義の原則とおよそ逆行ずる法律であるということは、識者のうちからすでにいわれておるのであります。そういうような封建性がきわめて濃厚である日本の職制を通じて、勤労階級は非常に今日困つておることは、あなたも御承知の通りであります。逓信部内におきましても、あらゆる官庁におきましても、職制の線はきわめて強硬に、今日勤労階級の下級職員の待遇の問題、政治活動の問題、あるいは結社、出版その他のあらゆるものについても、非常な制限を加えておるのでございます。こういう時期にこのような案をお出しくださる人事院の意思というものを、私はきわめて疑うのでございます。なるほど看板は今いろいろ御答弁になりましたように、公開審理の場合にいたしましても、給與ベースの勧告の場合にいたしましても、その他の調査局の運用につきましても、一応の説明はきわめてりつぱでございます。しかし現在の公務員諸君が人事院に何の期待もいたしていない。人事院が今や公務員諸君の怨嗟の的であるということは、あなたもほぼ御承知でございましよう。従つてこの職階制につきましても、あなた方がこれをおつくりくださつても、最低生活を保障するような給與準則というものを組み合せてつくらない限りは、これはおそらくかつての天皇陛下における軍隊の位階制を、ここに持ち込むものでございまして、これは明瞭でございます。こういう点について、あなたの方はほんとうにこれによつて公務員諸君が救われるという確信があるならば、公務員諸君の生活の面から見まして、私はもつと明確な御答弁を願いたいと思うわけでありまするから、先ほど給與準則と職階に関する法律をなぜわけたかという質問をいたしておるのでございます。あなた方はただ国家の公務を担当する人事院の立場から、各官職をまず種類にわけ、そうして職分を設け、職種を設け、そうして均等的な職種の段階を設けることは、全然能率給與に関係がないということは、現実にこれを執行する政府、現在の官庁においては、あなたがそういうようなことをお考えくださつても、先ほどの給與ベースの勧告と同じで、そうしてもらいたいと思つても、今日では政党政治でありますから、国会は動かない。あなたはどんなりつぱな勧告をかりに考えましても、国会が動いておりません。当委員会は動いておりません。同様にこの職階制をつくりましても、あなたがお考えになり、説明されることとは別の方向に行くのであります。あなたも一九三二年以来のアメリカの動向で、すでに御存じであると思うのであります。こういうことについてあなたの忌憚のない御意見を聞きたいのであります。そうでないと、いかに表面上この法律がりつぱに見えましても、これは勤労者階級弾圧の法律であり、人間を機械化する法律であつて、人格も認めなければ、基本的民主主義も認めないという法律になるのであります。この点についてひとつ明確な御答弁を願いたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 ただいまのお尋ねについてはたくさんで、一々お答えするのは骨が折れますが、最初に政治活動の禁止などをやつて、そうして押えた。それで給與の方と関係ないじやないかというお話でありますが、一言私この政治活動の禁止のことについて御了解を得ておきたいのは、これはほんとうは公務員を保護するという立場で立つておるのであります。ところが時期が悪かつたがために、そういうふうに受取られておらないのであります。これはこの前も申し上げましたが、私も昭和の初めごろ鉄道省におりまして、その当時政友会と憲政会の二大政党がなかなか盛んな時分で、小川さんがやめて、そうして憲政会の江木さんがかわつたときに、本省の局長で残つたのは私一人だつた。あとは皆やめなければならぬ。ああいうふうに二大政党になりますと、何とか色がないと公務員はそのままでおられない。生活できないという状態であり、それが上から下まで通つて、非常に陰惨な生活をしなければならなかつた。政府がかわると、そういう者はみな首切つてしまうということがあつたのであります。ですからそういう状態に一ぺんなつて、これではやり切れない。公務員は長く勤めることができないという状態になつたときに、この政治活動を出しますと、これで助かつたということになるのでありますが、どこでもそういう状態になるから先手を打とうというので、先手を打つたが、少し早過ぎた。これは権利を非常に制限されるという方ばかりの面がはつきりしておつて、そうして保護するという立場が現われておらなかつたのでございます。それが一つ。  それから権限のことは、自分の権限内のことはいたします。しかしその権限を越えるということはどうしてもできないのでありますから、われわれはどんな計算もし、どんなサービスも国会に対してしておりますが、しかし予算面については手をつけることができない。これはわれわれの権限外でありますから、何とかして国会でやつていただきたい。初めから土橋さんの御希望になるように、国会はなかなかできませんでしようが、とにかくそういうふうにひとつ国会が育つて行き、活動して行かれるように、私どもは希望する次第でございます。  それから最低生活の問題でありますが、これは給與ベースをつくりますときに、国民が同じレベルの生活水準をするという條件のもとで、それからまた民間の給與に合すという、この二つの大きな原則によつて計算したものが、給與ベースでございます。  それから職階制は搾取だというようなこと、あるいはこれは資本主義のものであるということは、     〔逢澤委員長代理退席、藤枝委員長代理着席〕 私どもは実はそう思つておらないのでありまして、今までは特権階級のみが公務員の上層部におつて、そうしてたまたまお金がないために教育を受けることができなかつたというような人は、どこまでも下積みになつて上へ上るという機会がない。その人がいかに能力があつても、その能力を発揮することができないというのはいけない。これをぶちこわさなければならぬ。これが日本で一番大切なことだと思つて、それで職階制をつくつて、それによつて——この間の試験は一般にぱつとやつて、二度とする試験ではないのでありますけれども、これから先は昇級、昇進は全部試験によつてやる。それですからどんな学校を出ても試験に通つて、そこへ行きさえすればどんな位置にでもなれるというのが考え方でございます。ただ国民に対するサービスでありますから、国民に対してサービスしなければ、大学を卒業してあれは偉い人間だから、給料を拂うといつた考えは全然ありません。大学を卒業しても、その人がほんとうにりつぱな位置に立つて国家にサービスをした。そのサービスの量に対して金を拂うのでありますから、ただ遊んでおれば何も拂わぬし、あるいはタイピストであればそのタイピストの金を拂う。その以外の金は拂わない。そういう国民に対するサービスの量に対して、国民がサービス料を拂うのだという考え方で、将来の給與も行くつもりでございます。しかしこれは給與の体制が整つてから後の話でありまして、まだ今のところ食うか食われるかの境目でありますから、そういう理想はなかなか実行ができない状態であります。それですから今のベースを上げるという問題も出て来ますし、それからまた地域給とか扶養家族手当とか、こういう給與から考えますとおよそ縁のないようなものでも、今は実行しなくてはならぬ。これはできるだけ早い機会において、給與のべースをゆとりのあるような給與にして、そうしてそんなものはみな別の給與でなしに、それからもらつた給與から拂えるというような体制に早くしたいというのが、私どものねらいでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 ただいまの四つの説明、私は遺憾ながら山下人事官と所見を異にするものであります。それは憲政会、政友会当時における問題と、今日の労働階級と資本家階級を中心とするいわゆる支配階級、これに対する階級闘争が激化した状態におきましては、今仰せになるような説明では、私は了解できないのであります。従つてこれは見解の相違ということになるでございましようが、結論的に時期が悪かつた。そういう時期が悪いときに、あえて八月の中旬に公務員の政治活動禁止の規則をつくつておいて、八月の下旬から首切りが来るなり、その前後に首切りがあつたということは、こういうことは決して私は偶然ではないと思うのであります。人事官は世情に通ぜられ、ラジオ等で十分これを聞かれ、また新聞を読んでおられますが、そういう時期の悪いときに限つて政治活動の禁止をなすつたということは、これは偶然ではないと思うのでございます。もしあなた方がそういう情勢を知らずして、この公務員の政治活動の禁止が出たということは、時期が悪いというような御答弁では私は了解できないのであります。もしそうでありますならば、人事院は公務員の利益を考えないで、こういう時期にこの政治活動の禁止の規則をつくるならば、公務員諸君は至大な影響を受けるであろう。十分な政治活動なり、団体運動はできないであろうということを考慮に入れないで出すというならば、私は人事院はまさにこの公務員の首切りの問題なり、あらゆる問題について、誠意を持つていなかつたということを証明すると思いますが、この点はどうでありましようか。これが第一点であります。  第二点は、国会が逐次そういうふうに向上してくれたらいいであろう。これは先ほど松澤君に対する御答弁にも同様でございました。しかしながら階級戰が激化しておりますので、民主自由党、今日では自由党でございまするが、自由党政府が公務員の給與ベースを上げない。国会においても給與改訂に関して、本委員会がとかくサボられております。その問題については、政府及び與党は熱を入れようとしておりません。こういう現状を御承知の上で、いかに今のようなことをあなたが仰せになりましても、それでも改革の必要はありませんでしようか。蜃気楼を眺めるようなものでございまして、そういう現実の間に合わないような御説明は、公務員諸君をして憤激せしめ、われわれ労働階級を代表して国会に出ておりまする委員といたしましては、まつたく隔靴掻痒の感があるのであります。何を仰せになつておるか、私にはわからない、こういう点をもつと明確に、あなたの方で勧告したなら勧告した内容が実現せられるように、国会に対して再勧告をするなり、あなたの方の経費をもつて全国民にこの内容を知らしめて、人事院の勧告によつて政府及び国会が動くように、なぜ御処置なさらないのか。そういう必要が人事院にないのか。こういう点をお伺いしたいのであります。また民間の給餌の方につきましても、あなたの方ではたとえば七千八百七十七円というものはきわめて低い。ああいうものでは今日の物価からして食べては行けない。地方財政が非常に強化せられまして、あなたも御承知と思いますが、いわゆる市町村民税の住民税というものが高くなつております。固定資産税も非常に強化されており、附加価値税もまた強化されております。それで所得に関しましてわずかに軽減をしております。こういう国家財政とにらみ合せましても、電気料金の値上げ、肥料の値上げ、こういうものを勘案しますならば、公務員の生活は決して今日はもう食うか食われるかどころではない、食われております。自分の給與で満足な生活は一人もできておりません。これが現状であります。こういう点を考えますならば、人事院がほんとうに公務員のサービス省であり、生活を擁護する、そういう御意思があるならば、もつと徹底的な態度と、給與に対する勇猛果敢な態度をおとりくださることが必要でございまして、こんな職階に関するようなことは、ほんとうはどうでもよろしい。給與の内容をよくすることによつて、むしろあなた方がお考えになつておる理想通りの職階制ができるのでございます。本末転倒しておると思うのでございます。この点ももう一回明確な御答弁を願います。次は資本主義的のものではない。そういう見解は若干違うだろうという御説でありますが、私はツ同盟におけるところの職階の問題も若干研究いたしました。しかしながら最低生活を保障し得ない職階なんというものは、これはナンセンスと思います。同時に民間におきましても三菱電機の場合、王子製紙の場合、あらゆるところにおいて給與の職階制という問題が起つておりますが、現実には実際下級労働者の諸君は、給與ベースが下げられております。待遇が改悪されております。こういう現状を考えますと、将来あなたがお考えになつておりますように、この法律がもし国会を通過するようなことがありますならば、これは公務員諸君の給與が上るのではなくして、総体的に実質賃金は低下するのでございます。実質的には勤労大衆の大部分を占めておりまする現在の七級以下の職員は、給與が非常な引下げとなるでございましよう。これはすでにあなたも御研究になり、現在までのいろいろな民間の職階制に関する問題については、十分御承知と思います。そういう点が明らかに見えておるのでございます。従つて今あなたが本委員会においていろいろな御答弁をなさつておられますが、結論においては私は承服できない。もこ民間においてしの職階制が——今国会で審議されておると同じように、民間でもこの問題が出ておりますが、現実に給與がよくなつて、職階制のおかげでみんなが働けるというのならばけつこうでありますが、民間においては逆行しております。そういう点については、あなたはここではつきりどういう御説明が加えられるか、お聞きしたいと思うのであります。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 政治活動について時期が悪かつたと申しますのは、出したのが時期が悪かつたがために、あの保護であるという観念が徹底しなかつたという意味であつて、そのものを出すのが悪かつたということではない。それの理解され方が違つたということでありますから、そこはひとつ間違いのないように御了解願いたいのであります。決してあれを出したのが悪かつたということではありません。なぜかというと、二大政党が盛んになりますと、必ず政党の弊害があることは、これは世界中全部その通りでありますから、日本も必ずそういうことになる。それだからできるだけ早いときにこういう政治からの制限をした方が、位置が安定するという意味においてやつたわけであります。それからそれと整理とが何らかの関係があるだろうとおつしやるが、これは絶対にそういうことはありません。この政治活動についての禁止はずいぶん長い間もんで、もんだあげくああいうものができたのでありまして、整理は御承知のように政府がやられた。われわれと全然関係がないのでございます。しかしわれわれの方はその整理について基準は出しましたが、あの基準と政治活動とは何らの関係がありません。それからわれわれが給與の水準について勧告をしても、それが何ら熱がないじやないかと言われますが、これはどうも最初からなかなかそういうことを期待することは困難であると思います。やはり皆が十分に研究をして、そうしてかくのごとく扱うへきものだ、国会では勧告はかくあるべきものだ、それから政府はかくあるべきものだということをはつきり了解してでなければいかぬと唄う。政府がとにかく給與に対する白書を出して国民に訴えるというようなことは、想像もできないことでありまして、もう少しよく考えれば、ああいうことは間違つておつたということをおそらく理解されると思うのであります。  それから民間給與との関係、ただいまの七千八百七十七円というのは、御承知のように一昨年の七月を基準とし、それから昨年の七月現在においてこうだということを申し上げたわけであります。それからあとは大体物価は横ばい状態にありまして、生活費はごくわずか増しておりまして、下つた状態にはまだなつておらないのであります。もつとも生活といいましても、これは給與の高い人の生活と低い人の生活と違いますが、公務員の生活のあの水準では、あまりやみの下り方の恩恵をこうむつておらないのであります。それで公定価格の上りの方が割合に影響が多うございまして、まだ生活水準が下るということにはなりません。大体横ばいの状態でございます。それは先刻申し上げましたように一国民全体の平均水準に給與ベースを持つて行くというのがねらいであります。それでありますから、それは食えるとか食えないとかいう問題ではないのであります。国民の平均のところへ持つて行こうというわけであります。  それから職階制をやつても、最低生活を保障しなければ役に立たないじやないか。これは職階制の問題と最低生活費の問題と最低給與の問題とは、全然違つております。もつとも法律第四十六号に、新給與実施のあれができます時分には、これは職階による給與だということのふれ込みがなかなかはげしかつた。これは世の中に職階というものを誤り伝えるおそれがあるから、やめさしたらどうかと、実は内々相談までしたのであります。しかしせつかくああやつているから、今度職階制というもの尊きて、それをだんだんとかえて行くと、なるほどあの職階というものは間違つていたということが、国民の前によく現われ出るであろうから、まあまああれはあのままにしておごうということに実はなつたのでありまして、今の法律第四十六号が職階法によるというお考え方は、全然間違つておると思います。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 そうしますと二千九百二十円の給與の階段につきまして、十五級にわけて、そうして各級ごとにグレードを設けましたのですが、あの内容は、今度の給與ベースが改訂せられないで、職階制がもし本院を通過し、国会を通過した場合には、どういう立場に立つか。これが第一点でございます。  第二点として、今あなたの方でお考えになつておりまする七千八百七十七円の給與基準というものが、この職階法がもし本院及び国会を通過した場合に、どういうような方法でこれに格付をするのであるかという点が、第二点でございます。これだけまず最初に承つておきます。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 この法律四十六号の十五級のグレードは、あれは将来次に出ます給與準則に似寄つたものであろうと思います。もつともあれの中には、たとえば課長は十二級だとか十三級だとか、そういうようなことは、あれはただの課長という名でありまして、職階制である以上は職務分析がなくちやならない。それでああいう行き方はやめます。しかし給與それ自身の等級の出し方は、ほぼ給與準則に似ておるだろうと思います。しかし実はまだこの給與準則は立案しておりませんから、どんなかつこうになるかということを予想するわけに行きません。これは次の国会で御審議願いたいと思います。  それから七千八百七十七円が実行された時分に、格付はどうかとおつしやつた。この格付と給與水準とは全然関係がありません。そのベースの問題は、全体のわくが上つたり下つたりする。これはインフレーシヨンや何かのための上り下りでありまして、その中の段階でありますから、絶対にこの格付を、七千八百七十七円に対してこう格付をしたら、非常に下の方は苦しい立場に困るだろうということをお考えだなることは、これは私は間違いだと思います。給與の実際のお金と職階というものとは全然関係がありませんですから、それは将来職階というものができ、給與準則ができて、それをくつつけて行きましても、その段階全体を上げたり下げたりは、これは給與べ一スによつてやるわけでございますから、その方とは関係ないわけであります。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 その点はあなたの御説明だけ承つて私わかるのですが、職階制というものは、官庁における全体の仕事の量に対する総括的な一つの体系であるのであります。それはあなたの仰せの点はわかるのであります。ところが現実に働くのは、人間がそこで働くのです。従つでその人間は必ず官職というものを持つているのでございます。そうすると現在の給與というものを本人は持つておりますから、現在の給與を持つている人間が、どうしてもその職階という大きな官庁の人事管理に関するわくの中に入つて来る。また一旦入つて来れば、本人の官職格付が問題になる。本人の格付が問題になれば、本人の給料が問題になる。それを離して法律だけの審議ということは、公務員生活から考えましてきわめて不十分であります。でありますから六十二條の第一項も第二項も、六十三條の第三項の規定も、明確に給與に関する準則が一致して、国会の承認を得る仕組みになつておるのであります。これはアメリカの場合も一九三二年から四九年、昨年までもそういう方式で来ております。それはあなたが冒頭にお認めになつておるはずです。そういうものを同時に考えなければ、公務員の待遇改善にはならないということを私は主張しておるのでございます。でありますから、あなたが給與と職階とは別だとおつしやることは、私はわかるのです。わかるのでありますが、それでは公務員の利益を守るものでない。こういうことが考えられます。もしあなたがそういうふうに御主張になるとするならば、今度の人事院の勧告七千八百七十七円というものについての給與準則を考えていなければ、問題でございます。なぜならば、給與準則を考えないで職階制法だけ出して、給與準則は次の国会だということになると、現在の二千九百二十円のときの法律四六号の、政府職員の新給與実施に関するものをなお適用されるという、こういう矛盾が生ずるのであります。でありますから、あなたの方で七千八百七十七円という給與ベースの勧告をする以上は、給與準則というものをつくつておいて、そうして職階制法を通過した場合に、びしやつと当てはまるようなことを考えて行かなければ、本末顛倒でございます。その点いかがですか。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 私どもは給與のベースと格付というものは、全然別に考えております。格付ができ上りますのは、おそらく本年一ぱいはかかります。七千八百七十七円はそれではどうするかというと、新給與に対する四六号の法律によつて、あの割合で上下するのでありましで、決して格付によつてあのかつこうをかえるわけではないのであります。またかえるところに達しておりません。まだうんとこれは研究しなければならぬのであります。将来格付をしましたときに、——それは先の話で、来年か再来年くらいの話でありますが、来年くらいのときに、これが今持つておる給與よりも下るということがあつても、それは下げないということだけは、今度の法律にも明記してあるわけでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 大体今のあなたの御説明で私は人事院の気持ちはわかるのでありますが、きわめてその内容は不当である。なぜならば、職階制をつくりまして、その職階制ということは、一つの官庁における仕事の総量に対してのいわゆる等級なりをきめまして、段階を設けるのでございます。それはよろしいのであります。しかしそれを設けましても、人事院が勧告する限りは、その七千八百七十七円という給與ベースのものが、現在もし四六号の法律のようなものであるならば、これは全然違つたものであります。ところが民間におきましては、実際そうでありません。職階制を設けた場合には、下級の労働者諸君は、減つておるのであります。こういう例がありますが、これ以上は質問いたしません。  もう一つ、最近全逓という労働組合が登録をしました。聞くところによりますと、これは広間でございますが、山下人事官はどうしても全逓労働組合の登録が認められない。こういう御意見を持つていらつしやるように私聞いておるのでございますが、はたしてそうであるか。またどういう御意見で、あなたは全逓労働組合が正式に登録の、すべての要件を具備してこれを登録しておるにかかわらず認めないのか。登録というものは一体許可制のものであるかどうか。認可制のものであるかどうか。少くとも労働組合が自主的に団体を構成した場合には、これは單に届出主義で足りると思いますが、その点について御所見をひとつ承りたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 登録の問題は、届出ではないのでありまして、やはりこれを承認をしなくてはならぬのであります。御承知のように組合員は、現在公務員であることを要しますし、それから役員も現在公務員であることを要するのでありまするただ代表者だけはみずから選んでというのですから、必ずしも現在の公務員である必要はないのであります。しかしその意味は、学者も呼んで来なくてはいかぬ場合もありましようし、それからまた弁護士なんかを雇つて来なければならぬ場合があるということを想像して、代表者だけはそういうふうに現在の組合員でなくてもいいという立場になつておるのであります。ところが全逓は、整理せられた人を代表者だとしておるということは、おかしくはないか。ことに書類を出したり何かしますにも、やはり公務員でなくなつた元の人が、代表者として書類を出しで来たりするのでは、どうも公務員法の精神にもとるものじやないだろうか、そう考えておる次第でございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 そうすると、あなたの御説明の中からも言えますが、代表というものは組合が自由に選んで、その者は学者であろうと弁護士であろうと、顧問の人であろうとかまわないということであれば、書式はまさに完備しておるわけであります。そうしてあの中には、少くとも現役の従業員で、国家公務員も入つておるわけであります。それを否認せられる理由は何らないのでございますが、今のような規則で承人事院でおつくりになつたのでございましようか。その点明確に規則なりあるいは指令がない限りは、今のあなたの御説明では了解できないのであります。  第二番目、人事院は公務員の団体の労働組合について、許可制をとるというようなことは、どこの法文でうたわれておるのでございましようか。これはあらゆる場合に届出主義をもつて了解すべきでございまして、今日認可をするようなものは特別の場合でございます。労働運動を推進し、労働組合の利益のために団体を構成するのに、認可をするというようなことは、これは日本のあらゆる法律の建前から申しましても、極東十六原則の建前から申しましても、越権行為ではないかと思いますが、いかがでございますか。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 代表者は大体整理せられた人がなつておるようなかつこうになり、その中に一人おると言われますが、その人は東京にもいないような人であつて、ほんとうに活動しておる人はみな整理せられた人であるように実は思うのであります。それでただ届出といいましても、公務員の登録に対して人事院規則があります。その規則に合わないとどうもぐあいが悪い。表面代表者は何でもいいといつても、それではたれを連れて来てもいいというのではないのであつて、代表者である以上は、その組合の事情によく通じておる人、なるべく現在公務員である人を選ぶということが本体ではありますか、しかしそればかりに限定すると困るだろう。それで弁護士も連れて来ることができるようにしたい。あるいは民間の学識経験のある人を連れて来ることもできる。そういう気持でありまして、大体のところ現在の公務員でなければ代表者になれないというのが、普通の考え方だろうと思うのであります。それで表面上、その書いてある起りになつておるからいいじやないかということでは、われわれの方ではどうもよろしいと言えないのであります。ただ詳しいことは存じませんから、大体そういつた点もあるということだけを申し上げた次第でございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 それでは法文の方に参りますが、第一條の規定によりますと、こういうことを書いておるのでございます。この法律は、国家公務員法に規定する一般職に属する官職に関する職階制を確立し、官職分類の原則及び職階制の実施について規定をしと、このように書いてあるのでございます。そうしますと、これは少くとも一般職についての職階制を、この法律が全般的に規定をしなければならぬわけでございますが、第二條の規定を見ますと、こういうことが書いてあります。第三條は「職階制は、官職を、職務の種類及び複雑と責任の度に応じ、この法律に定める原則及び方法に従つて分類整理する計画である。」そうしますとこの法律は、こういうきわめて抽象的な基準を書くことによつて、第三條以下の規定に書いてありますように、特に第四條でございますか、一切の職階制に関する職務分類にいたしましても、あるいは職級の価値判断にいたしましても、全部人事院が独裁的にやるという結論が出ておるのでございますが、しかしながら国家公務員法の二十八條の規定から見ると、必ずしもそういうことを人事院には許していないのでございます。こういう点の矛盾をどういうふうに人事院は考えておらるか、御説明を願いたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 職階制というこの法律は、いかにわれわれが実行すべきかということをづつと書いてあるのでありまして、これは相当詳しく書いてあると私は思うのでありまするが、しかしこれをそれではどこからが実行に移せるかといいますと、いろいろな考え方がありましよう。職種というところで切る考え方もありましようし、職級というところで切る考え方もありましよう。しかしどこでもそういうところでは切り得ない。非常に複雑になるのであります。先刻の一九二三年のアメリカのでも、たつた四つに大部分区分しておつた職種でさえも、去年やめたというわけでありますから、職種をかりにきめようとしますと、五百の職種をずつと並べなければならない。ただ五百の職種の名を並べただけではつまらぬでありましようから、それのまた定義から何から書かなければならぬ。書いてみたところで、それは実益にはあまりならぬように私は思います。ただ職級になりますと、これは千八百種もございまして、この前のときにお送りしたのでありますが、職級の明細書だけで、あれの五倍くらいにはなりましよう。そしてこれにもつて行つて、将来どれくらいの人間が働きますかといいますと、大体アメリカの考え方では、千人について一人の職階担当官というものがあります。そうすると、われわれの方は今割合少いのでありますけれども、これくらいな、八十九万もありますと、大体千人近い人間が働いて行く。それは、これでもうおしまいになつたということではなくて、次から次へと繰返し繰返し研究いたしまして、朝から晩まで專門にずつと何年でも研究しておる。そしてちよつとでも間違つたところはすぐ訂正する。実情に合わなければすぐ訂正する。そういう行き方をやつておるわけでありますから、それだけの人間が毎日働きますと、こまかい字句の改正や何かを考えますと、一日にまず十件くらいはかえて行かないと、ほんとうの現状に適しないものだと思うのです。そういうものを法律に入れるということは、とうていできないのであります。アメリカでも先刻申しましたような二三年の職階法は、非常に簡單で、職種もない。あとはみな人事院規則で運用しておるわけであります。それでわれわれの方でも、人事院規則でやりたい。但し人事院規則でやつたから、人事院は独裁でもつて、思つたことを何でもやるというのではございません。こういうふうに、これはまだほんのただ考えただけでございまして、そういうのをできるだけ国会にも差し上げます。国会に出すばかりでなく、これを民間にも、あるいは各省のその仕事をしておる人全部に、できるだけ配布いたしまして、十分これを読んでもらつて、それから実行に移る。実行に移つても、間違いがたくさんあると思います。そういうふうに一日に十件もかえなくちやいけない。ですからできるだけの人から知識を吸收して、それに合すような格付にかえて行かなくちやいけない。アメリカのように、これを印刷でもして売つてもよいわけでございまするが、どれだけ印刷ができますか、できるだけたくさん印刷して、たくさんの人からいろいろな意見を聞いて、次から次へとこれを改正して行くという操作が必要なのでございます。決して人事院は独断にこういうものをきめて、これによつて守りなさいということを言うのではありません。りくつがあつたらどこまでも直して行くという之ころに、特徴があるわけでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 私はただいまの御答弁くださいましたような、そういう作業のこまかしい内容について、法律に盛れとか、そういうものをこの法律の内容に加味して行けということを言つておるのではありません。それは職種の種類にしましても、五、六百種もあるでありましよう。職級にいたしますならば、おそらく千を越えるでありましよう。そういうことにつきましては、私は了解するのでございます。ただ基本的な職級の場合の価値判断をどうするかという基準については、点数制もあるでありましよう。その点数制の基本はどういうものによつて、職級の上下の判断をするかということはございます。少くともそういう職級の明細書に関する基準程度のものは、この法律内容に盛らなければ、職階制の根本をなさない、こういうふうに私考えておるのでございます。また給與準則にいたしましても、給與準則を、あなたが先ほど御説明くださつたようなきわめて理想的なものをつくりまして、そしてこれを現実の職階制に格付しまして給與を定めるというような場合にも、明確に給與準則によらなければならない。こういう点を考えまして、ここに書いてある條文だけでは、人事院が思うままに、職階に関する基本的な態度をあらゆるものによつて表現をする。そうしますと、この職階制はこれが中心となつて、今日民間の職階制についても、全部これは影響するのでございます。そういう点から考えまして、この職階に関するあらゆる規則、あらゆる標準、決定、格付というようなものが、人事院のこのわずかの人間によつて自由に——特に人事官は三名でございます。三名の人事官によつて、これが基本的にきめられるということは、公務員諸君の生活を脅かす重大な要因になるのじやないかと考えられるのでございます。この点についてはいかがでございましよう。

山下興家人事官

○山下(興)政府委員 格付といいますと、普通お米の格付とかいうような、いろいろの格付というものは、今おつしやつたようにちやんと基準がありまして、お米をもつて、これは一級米だ、二級米だ、三級米だというふうに格付をするのが、普通の格付という言葉に使われておるのでありますから、職階制もそうであろう。そうすると職級というものにちやんと基準があつて、一級はどうだ、二級はどうだというふうに、ちやんと格付の基準があるだろう、それを出しなさい。それによつて格付をすればいいということは、普通考えられることなのでございます。ところが職階制の格付というものは、全然そうではございません。ここが普通の格付とたいへん違うところで、御了解願つておきたいのは、これはまず職種にわけまして、職種の中で責任や何かで序列をずつと全部つくつて行く。序列をつくつてまず全部のもの、たとえば八十九万あれば八十九万全部のものの序列をつくつておいて、さてそれを眺めて見て、そうして今度責任がこことこことで仕切りができるなということを見まして、それによつて五つに仕切る場合もあり、六つに仕切る場合もある。あるいはもう極端な場合は、一つも仕切るものがないから、一つしかないというようなこともある。現物を見てから仕切るのであります。仕切つたのがすなわち職級であつて、そうしてそれが格付が終つたことである。格付が終るのと職級をつくるのとは同時にできるのでありまして、そのことはこれの三十二頁にもこういうふうに書いてありますが、格付が終ると官職の職級もきまり、また職種もきまることになる。全部が一緒にでき上つてしまうのです。但しでき上つても、先刻申しましたように、それでもつて押しつけるのではありません。それを実際に仕事をする人に見せまして、いやわれわれはここが違うとか、いろいろなことがあります。そうすると職務明細書を十分調べて見まして、そしてその人の職務明細書を訂正する。そうすると今度その人の格付がかわつて来る。そういう職務別明細書と格付の作業を年中繰返してやる。一ぺんでおしまいということはなく、次から次へとやつて行く。その間にいろいろな人の意見を聞いて、もつともだと思うものはこれをいれて、すぐ訂正して行くわけです。それですからこれを一箇月も訂正しないで待つと、その間に不公平が起り、不適当なものをそのままやるということではいけないのでありますから、それで時々刻々と言いたいぐらいに直そうと思うのであります。その点をひとつ御了解願つておきたいと思います。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 相当時間も経過しておりますので、今日は官房長官も記者会見から司令部の方へ行かれたようでありますし、なお法文の個々の点についても、今の職級の価値判断等については、相当私もお伺いしなければならないし、職務の分類についても、この法文を通して相当疑問の点もありますので、次回の委員会におきまして、いま一度発言を許していただきまして質問したいと思いまするので、今日はこの程度で打切つていただきまして、次会にもう一回山下人事官に御苦労でございましようが、御出席を願いまして、いろいろお説を聞かしていただきたい。こういうふうに考えるのでありますがいかがでございましよう。

藤枝泉介自由党

○藤枝委員長代理 それでは本日はこの程度にとどめます。次会は追つて公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十二分散会

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