災害地対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/04/22
会議録
○大内委員長 これより会議を開きます。 本委員会におきましては、熟海市における火災による被害調査のため、去る十九日同市に委員を派遣いたしましたので、ただいまよりその調査報告を聽取いたしたいと思います。小金義照君。
○小金委員 靜岡県熱海市における火災による被害状況調査のため、議長の承認を得まして、去る十九日同市に出張いたしましたので、その経過並びに結果につきまして、派遣委員を代表いたしまして御報告申し上げます。 この熱海の火災は、終戰後起つた火災のうち、最も大きなものの一つでありまして、天変地異とは申しかねますが、非常に大きな火災の一つであります。この調査に際しましては、厚生委員会より堀川恭平君及び金塚孝君の二名、建設委員会よりは瀬戸山三男君及び八百板正君の二名と、当委員会より私と砂間一良君とが、参加いたしまして、現地において小松由次君がこれに合流されて、調査をいたした次第であります。 本火災は、去る三日、熱海駅前における数十戸を焼燼した火災から十日目に起つた二度目の大火災であります。去る十三日午後五時三十分ごろ、海岸埋立ての東の端から発火いたしまして火災は折からの強い風にあおられまして、市街西部に延焼いたし、東海岸通りを焼き尽してその猛火炎は同市の中心市街地を席巻して、東町一部、浜町、銀座、新宿、糸川町、本町、清水町、旭町、大神町、上天神町、下天神町等、熱海市全地域の三分の一、四万二千余坪の商店街、官衞街を瞬時にして文字通りの灰燼に帰せしめ、その損害総額実に五十三億七千五百万円に達するという大火災であつたのであります。その被害状況の正確なる把握はむずかしく、調査当日におきましても、なお資料等の收集に多くの困難を伴う実情であつたのでありまして、ここにその詳細にわたつて御報告を申し上げますことは、遺憾ながらできないような状態であります。しかしわれわれの現地において調査いたしました結果による被害の概況は、次の通りであります。 すなわち今次の大火災によります罹災一般住宅、これには店舗付住宅も含んでおりますが、その戸数は一千百七十一戸、世帯数にいたしまして一千四百六十五世帯であります。その建物損害、家財その他商品等を含みます損害の総額は、二十一億七千五百万円、市庁舎、公会堂、警察署、消防署、温泉会館等、公共建造物におきましては、四十二件、その損害総額三十二億円、合計で、ただいま申し上げました五十三億七千五百万円にも達する厖大な財産を一夜にして灰燼となしたのであります。これら公共建物のうち、諸教育施設かいずれもその羅災を免れましたことは、不幸中の幸いであつたというべきであります。また罹災人員数は五千七百四十五名でありまして、実にこの数字は熱海市全人口の六分の一に相当する数であります。人的被害におきましては、幸いにも死者は一名もなくただ重傷者が十六名、軽傷者が九百三十六名となつております。 以上が現地被害実情の概要でありまするが、今次のこの大火災は、その火勢がきわめて早かつたのでありましてそのためにほとんどすべての羅災者においては、まつたくの無一物となつた者が非常に多く、これに対して緊急救済処置がいかように実施せられておりまするかと言いますと、災害救助法の発動によつて、県当局より昭和二十三年度、同二十四年分積立金二百万円が救助費に充てられ、市においてはこれと別個に一千万円を羅災者救助費として用意されており、これらによつて市の災害対策本部において、非常たき出し被服寢具の配布、生活必需品の給与及び学童に対する学用品等の配給がされております。なお一人当りの医療費として三千円、見舞金として一世帯当り五千円が支給されております。これらによりまして、一部罹災者に対する衣食の面における応急処置としては、十分とは言えないまでも、今日まで大きな支障は生じておらないようであります。 ただ現地におきまして、今日罹災者の最も大きな問題となつておりまするのは、避難所の問題であります。羅災者中の相当数が縁故先あるいは寄寓先等の見込みがまつたくない状態にありまして、調査当日現在におきまして、これが該当者数は七十五世帯、三百五十名の多きに達しており、市当局といたしましても、これら罹災者の收容所として、学校二、寺院四、青年会館、民生寮等三、計九箇所の施設を利用いたしまして、分散的にこれらの人々を收容いたしておりますが、これらの收容施設といたしましても、恒久的のものでなく、臨時的に收容所といたしております関係上、市といたしましても新たに恒久的な收容施設の建造について、市議会及び事役所とが一丸となつて協議、計画いたしておりますが、現在のところ、まだ具体的な動きは見えておりません。 次に罹災後におきまする衞生状態でありまするが、日本赤十字社、県衞生課等が中心となり、羅災直後早急に、適切なる処置によりまして、今日までに伝染病疑似患者二名が收容されただけであります。しかしこれら二名の疑似患者も大陽カタルと判明いたしまして、伝染病患者は一名も出ておらない次第で、おおむね良好の状態と申し上げていいのであります。 以上が火災によりまする被害状況の概要並びにその後の経過でございまするが、しからば何がゆえにかくのごときわずかな過失から大きな火災を招来いたしたかと申しますれば、火災発生当時一十三メートル内外の強風が吹きまくつておりましたことも、一つの原因と考えられますが、それ以外に大きな問題として考えられますのは、おおむね次の諸点であります。 第一に、熱海市におきましては、従来都市計画がまつたく行われていなかつたために、市内は階段状態に建物が無秩序に建てられ、今次火災によりまして焼失いたしました銀座、浜町、糸川町、清水町等の繁華街のごときは、軒並に商店、旅館、住宅が密集して防火設備ないしは防火施設らしいものがまつたくなかつたことであります。 第二に、道路の幅員がきわめて狹く曲りくねつており、さらに袋小路を思わしめるような道路が市内に縱横に走り、しかもおおむね坂道であつて、これらの道路は消防活動をまつたく困難ならしめまして、火災発生と同時に、消防自動車六台が出動したにもかかわらず、このような大火災となつたのは、まつたくこの道路の狹隘による消防活動の制約にあつたとも言えるのであります。 第三に考えられますことは、まつたく熱海市内の消火設備か不完全であつたことが、あげられるのであります。私どもこの点は実に驚くのはかなかつたのであります。市内の配水管もきわめて少く、これに加うるに水圧の低いことは、今次火災における消火活動に対して、その消火能力を極端に低下せしめたのであります。また市内には柳川、糸川の二つの川が南北に流れておりまして、初川は火災当時、消火にあたつて十分利用されたようでありますが、最も繁華街の中心を流れておりまする糸川に至つては、水量も少く、また用をなさなかつたのであります。 第四に、海水を消火に利用できなかつたことであります。これについては現地関係官からの詳細説明を聽取いたしましたことであり、また新聞紙上等でもいろいろ言われておるように、発火後ただちに消防車が海水を利用したならばこれほどの大事とはならなかつたであろうということは、いろいろ非難もあり、批評もあるところでありますが、事実は吸水管が海面にまで達し得なかつたというのが実情のようであります。海岸地帯における海水利用の消化、防火を大いに考えさせられます点がございます。 以上のように、水利の便がきわめて悪い、こういう悪條件のもとにあつたので、今回のごとき大火災となつてしまつた点が、強く考えさせられるのであります。 次に復興の状況でありまするが、調査を実施した当時におきましては、県下各団体の協力によりまして、もつぱら焼け跡の整理の段階にありまして、一部急造の家屋も建ち始めてはおりましたが、市議会並びに市当局において復旧計画が慎重に議せられており、いまだ決定を見ませんので、足踏みの状態にあるというのが現状であります。また県土木部と市当局とがいろいろ協議いたしまして、新しい道路の計画と防火施設を計画いたしまして、その原図はすでに作成されておりました。 以上御報告いたして参りましたのは、熱海市における今回の大火災によりまする被害の実情並びにその後の経過の概要でありまするが、現地をつぶさに調査いたしました私どもといたしまして、調査全般を通じて強く考えられますことは、今後国際観光都市熱海市の再建には、これら再度の大火災の教訓を全面的に生かしまして、十分慎重なる考慮を払つた上に、復旧計画が一日もすみやかに立てられなければならないということであります。またそれに並行して防火施設の点に沸きましても、何をおいてもこの点は完全を期せなければならないと考えるのであります。このことは、ひとり今回の熱海市の場合に限らず、今後全国における都市計画の実施にあたりましても、建設省並びに国家消防庁に対しまして、強くこれらの点を要望するとともに、警告を与える必要があるものと考えるのであります。 以上きわめて簡単でありまするが、火災によりまする熱海市の被害状況調査の御報告をいたした次第であります。
○大内委員長 何か質問があつたら…
○飯塚委員 この間の委員会のときにも、実は熱海市から陳情に見えておりましたが、実際調査せられた方に対して、その点お伺いしたいと思います。それは今まで借家住まいをして営業をしておつた人たらがこの火災によつて住む家も営業の場所もなくなつた。ところが地主さんが、この火災を機会にその営業者の生命としておつたその店舖の跡に、なわ張りというか、板囲いというか、そこに住むことのできないように、地主さんがそこへなわ張りをしてしまつた、それで今までその土地を借りて、営業しておつた人たちは、たとえば都市計画の計画いかんによつて、立らのきを命ぜられることであれば、これはしかたがないけれども、現在自分で住むに家のない状態であるから、一口に言うと今まで住んでおつた人の権利を無視して、地主が板囲いをして、人を入れないようにするようなことはやめてもらいたい、そういうような陳情がありましたが、それは事実でしようか。そういうことかありましたか、伺いたいと思います。
○小金委員 私から実情につきましてお答え申し上げます。今飯塚さんのおつしやつたのは事実でありまして、町の電信柱にも、悪地主けしからぬというような張札もありました。この問題については、ひとり熱海ばかりでなく、家屋密集地帯が焼けた火災のあとには、どこでも起る問題でありまして、熱海市の当局におきましても、これら借地関係の処理については、相談を受ける係を置いておりまして、そしてその問題の解決に当つておるということであります。 なお今回は、できるだけ模範的な熱海観光都市をつくるために、道路の幅員なども、ちよつとした大事な道路はいずれも十五メートルくらいに広げる。それでなければ、消防自動車はおろかなこと、普通の自動車のすりかわりもできないというような今までの状況にかんがみまして、ぜひそうしなければならぬ。こういうことになると、熱海の住宅に充てられる土地は、相当これを削りまして、道路に向けなければならぬ。今まで、焼けたところの地域について実情を聞いてみますると、総面積の約五%ないし六%ぐらいしか道路に当つてない。そこで少くとも三〇%くらいに道路の面積を拡張して行きたい、こういう希望を持つております。そうすると、今までねこの額のようなところを借りて住んでおつたような借地人は、当然道路にとられてしまつて地主との関係においては円滿に行つても、ほとんど住むに土地がないということになる。そこで、これは建設省といいますか、住宅方面の指導をされる、あるいは監督をされる、役所とも相談いたしまして、従来のような各家々で門を構えたり、それからまたへいをめぐらしたりするようなことをしないで、道路に面した住宅、あるいは店舗街におきましては、二階あるいは三階のしつかりした不燃住宅をつくつて、そうして立体的な生活をさせるように仕向けて行く、これ以外に方法はない。しからざれば、もう熱海の土地を捨てて、他に行つて住むよりほかはない。こういう実情にありますので、今飯塚さんのおつしやつたような、実に気の毒な状態も発生しておりますが、しばらく、都市計画ないしは建築の計画ができるまで、応急的な救済方法を講ずる、こういうような話であります。そこで、今のような人がふえれば、市としては市営のバラツクをつくるなり、あるいは寺院等を相当長期間住めるように借り受けて、住宅を与えるというようなくふうをするような話でありました。 以上、簡単でありますが、お答えいたしました。
○飯塚委員 ただいまの御説明で大体わかりましたが、これに関して、当局の御説明が願えればけつこうだと思います。
○八嶋政府委員 ただいま熱海市の災害の報告によりまして、私どもに教えられまする点が、非常に多々あるのであります。私は都市局長でありますので、都市計画の関係につきまして御説明を申し上げたいと存じます。 実は先週の土曜日に、私と住宅局長とが急遽熱海市に参りまして、つぶさに実情も承り、ただいまの御報告にもございましたように熱海市の今度の大火の大きな原因が、従来都市計画が非常に不備であつたという点にあることを、私どもも詳細に承つたのでございますが、ただいま御説明のありました通りでございます。再びこうした災害を惹起せしめないように、市当局並びに、県当局の御意見も拝聽いたしまして、実は急遽一つの案を作成いたしたのでございます。図面によりまして簡単に御説明申し上げる方が便利だろうと思うのでございます。図面によりまして簡単に御説明申し上げる方が便利だろうと思うのでございます。 非常に小さい図面でありますので、はなはだ恐縮でありますが、今回焼けましたのは—御承知の通り二回大火がございまして、四月五日に駅前の附近がやられ、それから十日を経まして十三日に中央街—先ほど御説明がありましたように、商店街並びに官公街が大体灰燼に帰したということに相なつておるのでございます。先ほども御説明のございましたように、片方は四千三百坪ですか、片方は三万八千坪ですか、合せまして四万二千二百坪程度に相なつておるのでございます。先ほどもお話のございましたように、非常に道路が狭い、そこへもつて来て住宅が非常に密集をいたしておる。これが今風の大火の原因であつたのでございます。 まず第一番に、この都心を流れておりまする、こちらが初川、こちらが糸川でございまするが、この川を境にいたしきて、両面におのおの六メートルずつの歩道をつけまして、そうしてこれを防火帯にしよう。従つて中央街を大体三つにわけて行くという形を実はとつたのでございます。この初川は先ほどもお話のございましたように、割合に、水が流れておるのでございます、大体二十二箇くらいの水が流れておるというお話を承つておるのでございますが、こららの糸川になりますると、ほとんど水らしい水がない、いわゆる温泉の余り水であるとか、あるいは汚水というようなものが、ちよぼちよぼ流れているというような実情でございます。そこで、この初川からこちらに水路をつけまして、そうしてこららの糸川の方に分水をするということにいたしたいと思つております。実は明治四十何年かにできた上水道がございましたが、水源地はここらにあるのでございまして、この上水道の管が、口径わずかに六インチくらいのものであつてそしてさらに腐蝕がはなはだしいという関係上、さびがつきまして、有効の口径がわずかに三インチくらいしかないというような状況でございますので、上水道もあまり役に立たなかつたというような現状でございます。実は初川から糸川へ水を引きたい、水路をつけたい、そうして糸川にも水を流したいということを考えておるのでございます。ところが、ここには水口園というのがありまして、丹那トンネルからの湧水が相当にあるのでございますが、そこで自室発電をしておつたために、権利の関係上こららに給水することが従来できなかつたというような実情もあるようであります。これを何とかこの機会におきまして解決をしていただき、あるいはここで発電をいたしました後における水がこちらに参りますれば、その点は非常によくなるのではないかと考えております。とにかくこららの糸川に水を引きましてそして所々にせきを設けましてこの両側に貯水池をつくつて行こう、大体六箇ぐらいつくりまして、まさかの場合における措置に当りたい、こういうぐあいに考えておるのでございます。 その次には、道路の幹線の街路といたしまして、実は海岸に至る南北の一線があるのでございます。現在は大体九メートルくらいの幅員になつておるのでございますが、これを大体十五メートルくらいに広げて行こう、こういうのがまず一つと、それから駅前から大分うねうねまわりまして、市役所の方に参りまする一つの路線がございます。これは現在では銀座街に出るところは大体九メートルくらいの幅員になつておるのでございますが、これが途中におきましては六メートルくらいの非常に幅の狭い街路が多いのでございます。焼けないところは別といたしまして、とにかく焼けたところからひとつ都市計画を実行しようじやないかということで、ほんとうならば、私どもも都市計画の要請といたしましては十五メートルほしいところなんでございますけれども、しかし非常に土地が狭くて、しかも人家が密集いたしておりまするので、そう大きな街路をとることもできないということで、いろいろと市当局、県当局とも打合せを遂げました結果は、大体十二メートル—車道といたしまして八メートル、両側に二メートルくらいずつの歩道でもつけるというようなことで、実は十二メートルの幹線街路を一本つくろうじやないか。従いまして南北に十五メートルの幹線街路と、十二メートルの二本をまず入れる。それから東西には、来宮の方に抜ける、これも現在は非常に幅員が狭いのでございますが、これも十二メートルくらいにして行こう。それからこれは梅園の方に拔ける道路でございますが、これも大体十二メートルで行こう。従つて東西にやはり二本の幹線を入れて参り、南北に二本の幹線を入れて参る。あとはいろいろ補助街路等も、従来は袋路になりましたり非常に狹い、人もようやくすれすれに通るようなところもありましたので、これも四メートルないし七メートルくらいのところに持つて行こう。銀座街のようなところは、現在は八メートル程度あるようでございますが、九メートルくらいの路線にして行こう。それから駅前も、あそこは御承知の通りに地域が非常に狹い、これをある程度拡大いたしたいと思つております。大体駅前から四十五メートルくらいの線で広場をとりたい。そうして駅の線路に沿いましての道路、この幹線に沿つて裏口にまわります路線、これも十二メーートル、このようにいたしまして、駅前の整備をはかつて行こう、こういうふうに実は考えたのでございます。 こういう幹線街路をつくるにつきましては、買收で行くか、それとも区画整理で行くか、ということが次の大きな問題になるのでございますが、買收になりますと、相当地価が高いので、実は莫大な費用を要するのでございます。従つてこれは相当むずかしいのみならず、買收になりますと、買收区画部分に当りまする人たちだけが、土地を提供しなければならないことになりますので、この買收というものもなかなかむずかしいというのが現状でございまするし、また従来火災で焼けました能代にいたしましても、飯田にいたしましても、買收で行くということは非常にむずかしいという情勢でございます。従つて、この土地を生み出すについては、皆各人に共同で犠牲を忍んでもらうことの方がいいのじやないか。そうなれば、結論として区画整理を実施することが一番よいのではなかろうか、こういうことに実は相なるのでございます。それで市当局並びに市議会といたしましても、区画整理は非常にけつこうだが、しかし区画整理をやることになると、いろいろ換地とかいうことに相当に手数を要する、従つてそういう案をつくつておるうらにだんだんと家ができて、結局は都市計画がものにならぬじやないか、その点がいかがかという話があつたのでございます。しかしそれはわずかに三%の四万何千坪の土地でございますので、日比谷公園よりも少し大きい土地でございます。ことに幸いにいたしまして、この都市は昨年六百分の地図ができておるのでございますが、これの原図が金庫にしまつてありましたので、これが非常に役に立つたのでございます。それができていないと、測量から始めなければならぬということになつて、相当に時間がかかるのでございますが、たまたま六百分の地図ができておりましたので、やろうと思えば一夜にでもできるというので、実は徹夜をいたしましてこの幹線を入れまして、この案が市当局並びに市議全等において御承認願えるならばという前提のもとに、実は私どもの路線をつくつたのでございます。そしてあとは、数ブロツクごとにわけまして権利者の協議でひとつ話合いをさせて換地の問題をきめて行こう。その換地もできるだけ現地換地を尊重いたしますように—多少の移転の換地もあるだろうと思いますけれども、とにかくそういうことで行けば、何もむずかしいことはないというので、まず幹線街路をきめて、そうして建築線を指定してしまう。こういうことになれば、建築線の範囲内において、家が建つということになるので、—これはどうせ区画整理もやらなければならぬのであるから、できても、バラツクくらいのものしかできないというような前提のもとに、お話を申し上げたのであります。そうなれば区画整理もひとつやつてもらいたい、こういうような御意見があつたのでございます。そこでこの区画整理は県がひとつ施行をしてもらいたいという市の御意見でございましたので、県の土木部長にも承認を求めまして、県がこれを実施するということにいたしましたのでございます。都市計画法によりますれば、第十三條によつて、災害の場合においては急速を要するので、公共団体がこの区画整理を施行するという道が、実は開けておるのでございます。これで行きますと、大体各人が公共地のために提供をいたさなければならない土地、いわゆる減歩と申しまするがこれは大体中央部におきましては一四%、それからこちらの方になりますと三七%というような程度に相なるのでございます。どうしてもつぶれ地というようなものを補うという意味におきましても、また一方におきまして将来への防火という点に備えまして、街路は相当広げましたとはいうものの、これでは輻射熱を防ぐというわけには行きませんので、どうしても将来は堅牢建築物というものを奨励して参らなければならぬということになりまして、この点は住宅局の所管に相なるのでございまするけれども、大体はこの銀座通り、それから海岸のこの通りの一帯、ここにハッチがかけてございまするが、この地帯を甲種防火地域にする、いわゆる鉄筋とか堅牢建築でなければ建ててはならないということに大体指定をいたしたのであります。そからあとの地域は準防火地域ということにいたしまして、いわゆるモルタル塗り以上のものでなければ建築はできない、単なる木造では建築はできない、大体こういうことに指定しようということで、私どもの意見を大体きめたのでございます。 翌日、市御当局の対策委員会にこの案をかけてみたのでございますが、当日はいろいろと国の補助なり、また国の融資の問題等の点につきまして、もつと建設大臣なり政府御当局の御意見ご拝聽したいというようなことがございましたが、そういうことで実はその日の対策委員会においては決定はいたさなかつたのでございます。あくる日知事並びに市長、全市会議員が上京いたしまして、建設大臣にも陳情をされ大臣室において緊急市会を招集いたされまして、実はこの都市計画案につきまして、全員によつてこれをのもうということに確定をいたしたのでございます。旧式には現にできて知りまする都市計画審議会というものの議を経まして建設大臣が決定をするということになるのでございますけれども、とにかく実体的にはただいま申し上げましたように市当局並びに議会方面が、これをのもうということになりましたので、また事業主も大体きまりましたので、あくる日からすぐ建設線の指定にとりかかりまして、できるだけ早くこの換地の決定をはかりたいということで、私の方からも区画整理の係員を派遣いたしまして、援助を申し上げておるような実情でございます。 大体以上が都市計画の概要であります。
○飯塚委員 局長にもう一言お伺いしたいのですが、観光地帯とか温泉地帯という特殊な條件がありますから、あるいは非常に都市計画はむずかしいかもしれませんが、たとえばおみやげを売るような、特に危険な、火を引きやすいセルロイド品だとか、そういうものを売つている店が非常に多いために、火足が非常に早いというようなこともございますから、そういう売店とか、銀座通りは商店街にするとか、あるいは海岸地帯は普通の温泉旅館を主とするとか、住宅は山間というか、山の上にするとかいうような御計画なり御構想はないのですか。 もう一つは、海水の利用でございます。糸川と初川だけで、片一方は水量が相当あるけれども、片一方はほとんど水の川をなさないというようなことを今伺つておりますけれども、海水をふだん防火用水に使い得るような設備にこれを引いて行くことはできないものでしようか。
○八嶋政府委員 住宅地帯と、それから商店地帯とをわけたらいかがかというお話がごございましたが、実はこの地帯といたしましては、住宅を山の方へ持つて行くとかいうことは考えられないでもないだろうと思いますけれども、山といいましても、非常に土地に坂が多いのでございまして、そこを整地して参るごとになりますと、相当莫大な金がかかります。従いまして、考え方といたしましては、たとえば三階とか四階ぐらいの鉄筋でもつくるということになりますれば、下の方は大体商店街にしまして、その三階、四階を共同住宅にするとか、一つの住宅にするとかいうことは考えられるのじやなかろうか。これは指導としては、そういうことが考えられるのではないか。これは実は、そういうことになりますと住宅局の所管になりますけれども、考えとしては、そういう考え方ができるじやなかろうか。もう少し土地が広ければ、お話のように商業地帯とか住宅地域という都市計画の地域制を施行いたしたいというのが、私どもの気持でございますけれども、土地が狭いしおまけに非常に段々が多いものですから、その点まで強行することはむずかしいのじやないかというぐあいに考えております。 それから海水を引用するというお話がございましたが、実は海水を防火に充てるということにつきましては、応急の場合においてはやむを得ないだろうと思いますけれども、これはいろいろポンプの上においても、支障があるのじやないかということが考えられるのであります。従いまして私どもといたしましては、できるだけ普通の水を使つて行くという意味におきまして実はこの川を考えるべきであると思うのであります。しかしお話のように、まさかの場合ということも、もちろん考えて参らなければなりませんので、その点については、海岸におりるような道も考えなければならないのじやないか、ポンプの通る道は考えなければならないと思うのであります。
○門司委員 熱海だけではないのでありますが、特に温泉地帯といいますか日本のこういう地帯は、山に囲まれておつて、水利の非常に悪いところが多いのであります。熱海もおそらくそうじやなかつたかと思います。かつて鬼怒川が非常に焼けたことがございますけれども、あの当時私はそこにおつたのでございますが、鬼怒川の下には大きな川があつてたくさん水が流れておるが、実際に焼け始めると、鬼怒川という温泉を全部と言つていいくらい焼いて、さらに一週間後に、たつた一つ残つておつた旅館も焼いてしまつて、全滅をしたこともあつたのであります。その場合考えられますのは、いずれにいたしましても地理的に段が非常に多い、谷の間のようなところが多い。そこにもつて行つて非常に大きな高層な家ができておる。道路は非常に狹く、しかもそれは一方的である。火災の起りました場合は、場所によりましてはまつたく手がつけられない。鬼怒川あたりは、上から燃えて来て下に下つたのでありますが、ほとんど火を追いかけるだけでいかんともしがたい。追つかけるにしても、谷の底には水がたくさん流れておるが、消防がいくら追つて来てもいかんとも手がつけられない。ただ大勢の人が来て、火事をとりまいて見ておるというだけで、こういう場合にいかんともしかたがない。日本の各温泉地帯にはこういうところが特に多いのですから、一たび火災になりますと、ほとんど全滅する状態に置かれておる、これに対して、今都市計画のお話があつたのでありますが、これはただ単なる熱海だけではなくて、箱根あたりでもそういう感じがするのであります。あそこでもひとたび火災が起きますれば、いかんともしかたがない。下から上へ行くこともできない、上から下へ来ることもできない。それらについて特別の都市計画の方法でもお考えになつており、御構想でもありましたら、ひとつこの機会に聞かせていただきたいと思います。
○八嶋政府委員 今のお話はごもつともなお話でございまして、実は各都市に応じて、それぞれの対策を立てて行かなければならないと思つておりまするが、一つは上水道を完備して参るということが考えられると思いますけれども、上水道だけでは、水圧の問題とか、まさかの場合におきまして、容易に役に立たないということは、たれしも考えられるところでございます。そうなりますれば、いろんな川を利用して参るということにならざるを得ないだろうと思うのであります。お話のように温泉地帯は、一方においては温泉旅館というものが三階、四階になつておるし、一方においてはまたがけ地帯というものが相当に利用されておるというような点におきまして、温泉地帯が一たび火事に見舞われますと、非常に大火になるおそれが多分にあるということは、これはどうしても言えると思うのであります。こういうような問題については、実は対策といたしましては、今申し上げましたように、上の方から水を分水して取るというような点がまず第一でございまするし、もう一つ、やはり川に至るまでの遊歩道をつくつて行くということ以外には、道はないだろうと思います。しかし現在のところ、そういうようなことにつきまして実施いたしておるかということになりますれば、なかなか予算等の関係もございますので、実は満々と実施しておるというような状態に至つていない点は、はなはだ遺憾に存じておる次第でございます。
○砂間委員 先ほど飯塚委員より、地上権の問題、土地の問題につきまして御発言がありましたが、私もこの間調査委員の一人といたしまして、現地の調査に参つたのでありますが、今一番現地で紛糾しておる問題は、この地上権の問題であります。そこで法務府関係の政府委員の方にお尋ねしたいと思うのでありますが、先ほど小金委員からも御報告がありましたが、大火のあとではいつも地上権が紛糾するわけです。ことに熱海みたいな、ああいう繁華街で地価が非常に高いところにおきましては、地主が権利を主張いたしまして、借地を取上げる、あるいは借家人に家を建てさせないとか、借家人を焼けたのを機会に追つばらつてしまうというようなことが、ことにはげしく起つておるのであります。十三日の晩大火がありまして、その翌日からまだ焼け残つておる火を、水をかけかけ消して、そして灰かきをやり、ようやく焼け跡の整理もできて、あしたはバラツクでも建てようかと思つておるやさきに、朝起きてみると、一夜のうちに板囲いをしてしまつたり、あるいは立人り禁止の札を立てたり、棒くいを立てなわを張つたりするというようなことで、相当土地の争いが激化して来ております。現地のそういう羅災した借地人の人たらが今一番望んでおりますことは、罹災都市借地借家臨時処理法といろ法律があるそうでありますが、その法律を熱海市に至急適出するような措置を講じてもらいたいという声が非常に強いのであります。政府当局といたしまして、この土地問題の解決のために、何かそういつたふうな措置をお考えであるかどうか、もしお考えでないとすれば、この土地の問題をどういうふうに解決して行かれようとしておるか、それらの点につきまして御意見を承りたいと思います。
○青木説明員 お答えいたします。 従来でも震災、火災その他大規模な災害がありましたとき、土地の借地権の関係、その他借家人の保護の問題、その他につきまして、非常な権利関係の紛糾を来す点か多いのであります。これに対応するためにできておりますのが、今御指摘の羅災都市借地借家臨時処理法であります。借地権者は、通常であれば、借地権の登記がなければ対抗できない。ただ建物の登記があれば、借地権の対抗ができるということになつておりますが、建物が滅失してしまいますと、借地権をもつて対抗できないということに相なります。そうしますと、かような大火災が起きますと、一朝にして借地権者の借地権の基礎が覆滅される。このための対策といたしまして、羅災都市借地借家臨時処理法では、火災のときから五箇年間、建物の登記がなくても借地権をもつて対抗できるというように、借地権を保護しております。さらにまた借家人につきまして、地主あるいはまた借地権者に対し、自分の方に借地権を与えてくれろという請求ができることになつております。それによつて借家人を保護する、こういう法的な処置がなされております。 今回の熱海市の大火に際しまして、さつそく翌日建設省の方ともいろいろ御協議申し上げ、ぜひこれは罹災都市借地借家臨時処理法を急速に熱海市に適用しなければならぬと考えたのであります。ただこの罹災都市借地借家臨時処理法は、その罹災都市としての通用の地区をきめるのは、法律できめることに相なつております。それで法務府といたしましては、急速に適用の法律を制定いたさなければならないのですが、会期も辿つておるというような関係で、政府提出の法案としては、若干そこの間の手続が間に合わないのじやないか、かように考えまして、当院の法務委員会の方に翌日御委託申し上げ、議員提出の形で取上げていただきたい、かようにお話申し上げて、資料その他もおまわし申し上げました。法務委員会の方で、この法律案は取上げる、かように相なつております。従いまして私どもといたしましても、この適用措置の法律を、早急に本国会において制定されることを御期待申し上げておる次第であります。
○砂間委員 ただいま申されましたこの臨時処理法の熱海市への適用の法律の問題につきましては、実は私も提案者の一人になつておりまして、できる限り早く国会を通過するように努力しておるわけでありますが、それまでの過渡的な措置として、とにかく現地では血眼になつてというか、ものすごい対立があるのです。中には早く建ててしまわなければ権利がとれないということで、なわ張りをやつたり、そのくいをひつこ拔いたりしてやつておるのですが、地主の方ではやはり顧問弁護士といいますか、弁護士をつけて法的に対抗して行く。借地人や借家人の方でも、いまにこの法律ができるだろうからというふうなことで権利を主張しまして、いろいろやつておりますが、まだこの法律が正式にできないものですから、その間隙を縫つて、それぞれの立場々々におきまして非常な暗闘が行われておるわけであります。この法律はおそらく各党各派異議なしで、あと手続さえ済めば早急に成立するものと、私どもは期待しておりますけれども、政府といたしましてそういう不当な地主のやり方に対しては、しばらく待てとか、あるいはやがて法律ができるであろうから、あんまりむらやな土地の取上げ方は猶予しろとかいうような、何か意思表示というか、指令というふうなこともできませんでしようが、そういつた処置ができないものでしようか。
○青木説明員 法律が制定されるまでは、的確な処置は、法的にはちよつとできないことになつております。この問題につきましても、今まで建設当局ともいろいろ御相談を申し上げて来ておるのであります。県なりあるいは市の方に、この罹災都市借地借家臨時処理法が、そのうち国会を通過して適用になるだろうから、自重されるようにという趣旨を、一般市民にお伝えしていただくように、建設省の方で行政的に御指導になつていただくように今まで申し上げて、建設省の方でも適当な御処置をとりつつあろうかと思つておるのであります。ただ法的にはそこの間にギヤツプがあります。従来は適用地区をきめるのは、政令できめることになつておりました。政令でありますれば、ただらにその手続ができるのでありますが、事、権利関係に重大な関係があるという趣旨で、法律できめることになつておりますので、その間若干の時間的な混乱はやむを得ない。ただ法律が制定されますれば、一挙にしてその関係が片づいて参ろう、かように思つております。
○砂間委員 その過渡的な期間に、行政官庁におきまして、御指導されるという点について、一段の御尽力をお願いしたいと思います。 それから、それまでに地主が借地を引上げまして、家を建ててしまつたというような場合に、あとからこの法律ができたときには、そこの地主が建てた家はとりこわして、借地人が別に立てることができますか、そこの関係はどうなりましようか。法律ができる前に建てた場合、あとからその法律ができましても、前の借地人は建てることができなくなるわけですか、そういう場合の処置はどうなりましようか。
○青木説明員 先ほど、借地権が対抗力を失うというように御説明申し上げましたが、その趣旨を少し詳しく上げますと、地主に対しては、従来の借地契約というのがあるわけであります。従つていわゆる民法上の対抗要件を備えなくても、地主との関係に対しては問題はないわけです。ただ地主が別な人に借地権を設定した場合、その設定を受けたものが先に借地権の登記をするか、あるいはまた家を早く建てて、家の保存登記をいたしますと、そのものに対して対抗できなくなる。従つて借地権の設定を受けた第三者が、借地権を取得する結果に相なるのであります。もちろんそこの若干の期間の間に、そういう悪質な行為をする人がないとは限らないと思いますけれども、しかし十日、二十日の間に、そういう問題はあまり生じないのではないか、かように思つておるわけであります。
○砂間委員 家を建てて、保存登記をするということまでの手続はできないと思うのですが、そこの地上権を先に独占してしまうために、家といつてもほんの仮のバラツクみたいなものですけれども、そういうものを建てて、占拠してしまうということは盛んにやつておるわけです。ですから、あとから罹災都市借地借家臨時処理法ができましても、建ててしまえば、あとからはどうにもならぬということになりますと、地主の方も相当法律を研究しておりまして、やつておるものですから、非常に借地人や借家人がみじめな、不幸な結果になるわけですが、何とか、そこを救済する方法はないかということを考えておるわけなんです。もし借地契約があるにもかかわらず、地主が一方的にそれを破棄しまして、別な第三者に貸すとか、あるいはそこに自分でいりもしない住宅を建てるという気配の見えました場合に、それを妨害するというふうなことは、刑法上の罪になりますか。
○青木説明員 もちろん悪意で—地主がさような処置をとるということは、地主として悪意であります。従つて民法上における不法行為は完全に成立するわけです。地主に対して損害賠償の請求ができることは、当然のことであります。また借地権の設定を受けた第三者が悪意であれば、やはりそこの間に対して対抗力はあるわけです。善意で借地権の設定を受けぬ場合、従つて地主と新しい第三者が通謀の上にやつておるということになれば、また民法の規定によつて借地権の保護は主張できるわけであります。さらにまたその紛争が当事者間で片づかなければ、最後は裁判所が判断する問題になります。刑法上の問題になりますと、いろいろな特殊な事例がありますならば別でありますが、それに対しては刑事上の問題にならぬのじやないか、かように考えております。
○砂間委員 とにかく一日も早くこの法律を制定することが当面の急務だと思うのですが、政府当局といたしましても、その気の毒な、不法に地主のために苦しめられている借地人や借家人の正当な権利を保護するように、いろいろな方面を通じまして、格段の御尽力をお願いしたいと思います。 その次に、どの関係の政府委員の方でもけつこうですが、避難民の住宅の問題につきまして、お伺いしたいと思います。先ほど小金委員よりの現地調査の報告もありましたが、相当数の避難者が、学校や寺院等に避難しておるわけであります。私もこの間行つて見て来たのですが、たとえばお寺の本堂などに何世帯も—夫婦も年寄りも子供も老人も一緒になりまして、部屋の区別もなければ見境もなく雑居いたしておりまして、風紀上から言いましても、あるいは衞生上から言いましても日常生活の上から言いましても、まつたく長く生活できないような状態でやつておるわけです。これはああいう災害があつた直後でありますから、一時の措置としてはやむを得ないと思うのですが、こういう状態で長く置くということはできない。それで市当局としても、そういう公共建造物を仮の住宅に適するように、簡単な改造とか何かを加えるということも考えておられるようでありますけれども、しかし熱海に行つてみれば、まだ焼けない大きな旅館や別荘、中には人の住んでいないあき別荘なんかもあるわけです。この焼けない大きな旅館を全部開放しろといえば、営業上多少むりな点もあるかもしれませんが、しかし大旅館で、客室が五十も七十もあるというようなところでは、五室や七室ぐらいわけて貸してやることは、できないことではないと思う。また別荘なんかにしましても、非常に大きな別荘でありまして、住んでいる人が二人か三人しかいないあるいはあき別荘もある、こういう状態であります。焼けないで残つておる人たちは、焼けた人のことを思えば、自発的に進んで自分の邸宅や旅館を開放するということは、人間として私はあたりまえだと思うのです。旅館業者の中には、進んで親戚や身寄りの人を入れまして、一時営業を停止して罹災民を同情し、救つているという人もありますけれども、しかし大部分の人たらは、そういうことを何もやつておりません。市の方で、学校や寺院を改築するということもけつこうでありますけれども、それも予算や何かの関係で十分なものはできないと思うのです。応急の措置としましては、今申しましたような大邸宅や大旅館の一部を開放するということが、一番手取り早い、また適切な方法ではないかと思うのでありますが、こういうものを開放させるような措置は、政府として講ぜられないものか、またそういうことはお考えになつておらないかどうかということを、どの関係の政府委員の方にお尋ねしたらいいかわかりませんが、今日ここにおいでの方の中で、もしおわかりの方がありましたら、ひとつ御意見を伺いたいと思います。
○熊崎説明員 私どもは災害におきまする応急救助の仕事の方をやつておりますが、これは現在災害救助法という法律に基きまして、先ほど小金委員の方からお話がありましたように、生活必需品の貸与あるいは被服の貸与、たき出し、避難所の設置、そういつたことをやつておるわけです。それで今までの災害に共通することでありますが、大体羅災者を收容する場合には、主として公共の建物を利用するということを考えまして、学校や病院あるいはお寺、そういつたところを避難所として一応指定をしまして、そこに必要罹災者を全部收容するということを、各県においては原則として行つておるわけであります。ただいまお話になりましたことは、それ以外に、あるいは旅館その他の私の住宅あたりも使うような措置はできないものか、こういう御質問の趣旨だと存じますが、その点は災害救助法の第二十六條に、一応都道府県知事は、救助を行うために特に必要があると認める場合には、旅館その他の施設を管理することができるというふうな強制規定を設けてはございますが、しかし実際これを行うということになりますると、羅災地の県知事におきましても、いろいろと強権を発動するという形をとらなければならないために、なかなか実施をすることは、困難であるということを考えまして、先ほど申し上げましたような公共的な建物を利用するという方法を常にとつておるわけでございます、だから法的にはそういうこともできないことはございませんけれども、主として公共的な建物を利用してやる、こういうことを原則といたしておるわけであります。 それから特に念のために申し上げておかなければならないことは、災害救助法はともかくどこまでも応急的な措置だけを考えておることでございますので、避難所の設置につきましても、その設置期間を十日間というふうに限定をいたしております。十日以上避難所を設置するということは、原則としては認めない。しかし特別に理由がある場合には、その延長を厚生大臣の方の認可を受けてやつてもよろしい、こういうふうな取扱いをやつておりますので、相当羅災期間が過ぎましてからあとの問題は、これは主として災害復旧事務といたしまして、厚生省の所管外の建設省のお仕事ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。
○砂間委員 災害救助法の規定によりますと、ただいま御説明がありましたように、十日間という規定になつておるかしりませんが、しかし実際焼け出されてまる裸になつた人は、家を建てようといたしましても、かりにバラツクを建てようといたしましても、さき申しました地上権の問題が解決しないために、建てようがない。また中にはその資力のない人もあるわけでありまして、十日間で追い出されてしまつたら、まつたく行き場がないということになるわけです。救助法の規定はそうなつておりましても、建設省の方か、ほかの政府関係の方で、ひとつこの対策についても真剣に取上げていただきたいということを、この機会にお願いしておきます。 なお罹災者の中で、大きな資力のある人は、保険金もとれれば、また銀行にも顔がきくというので、独力で住宅なんかも建設することができますけれども、非常に貸力のない零細な市民で罹災した人は、住宅の問題なんかにつきましても、簡単なバラツクさえも自分では建てることができない。そういう人たらが要望しておりますことは、何か災害作宅と申しますか、七坪半だかの仮のバラツクみたいな建築がある、それを国の方で七割だか八割だかで建ててもらえるとかいう規定がある、それをひとつ活用して建ててもらいたいという要望が非常に強くあるわけでありますが、そういうことができるかどうか。またそういう措置ができることになつていても、それを熱海の場合に、貧困な家のない罹災者に対して適用する方針があるかどうかということを、ちよつとお伺いしたいと思います。
○熊崎説明員 建設省の方から都市局長が来ておられますので—そういう問題につきましては建設省の方の所管になつておりますが、私の方で災害関係の仕事をやつておりますので、建設省の方と連絡をとつております。今までに聞きましたところを申し上げてみますと、大体罹災直後におきましては建設省の方で、ただいま言われましたような措置を至急とりますために、応急住宅の建設をやる場合があるそうでございます。厚生省の方としましては住宅的のものは、応急救助の段階外のことであるということで、これは所管外の形にならざるを得ない、こういうことになるわけであります。
○砂間委員 建設省の住宅局長さんがお見えになつておらないようですが、八嶋都市局長には、その方のことはおわかりになりませんか。
○八嶋政府委員 実は私その所管ではございませんのですが庶民住宅といたしまして、かつて市あたりに対して補助をしてやらせたというような実例はあるだろうと思つております。しかし熱海の場合において、それで行くかどうかということにつきましては、私ここで申し上げることはできません。
○砂間委員 その点についも、ひとついろいろ研究されて、どうしても自分で建てる資力がなくて困つておる人については、何らか特別の措置を講じていただくように御努力していただきたいと思います。 それからもう一点お伺いしたいことは、その他住宅問題や資金の問題等についても、いろいろありますけれども今日は関係の政府委員もお見えになつておりませんようですから、その点はあとまわしにいたしまして、一つだけ都市局長にお伺いしておきたい点は、防火建築を主要なところに建てて行かれるという計画はけつこうだと思いますが、都市計画を立てまして、一方で防火建築を建てて行きましても、すぐ隣の人が防火になるような本建築をただちに建設することができない場合、一時しのぎにバラックを建てる、そのバラツクの建設ということは、観光都市の美観の上からいつても、たいへんぐあいが悪い、また一方噂はなるほど防火建築が建つているけれども、そのそばにかんなくずを置いたようなバラツクがあつては、防火の点からいつても非常に危険である、この問題はどう解決したらいいかというふうな質問を、私ども現地視察に行つた場合に、市会議員の方から受けたのでありますが、これは考えてみれば簡単であつてその防火建築の本建築を建てるに必要な資金を、国の方から一時貸してやるとか、融通してやるという道ができれば、問題はないわけです。もしそういう金融の措置も急速にできないとすれば、屋根のないところに住むわけにも行きませんから、一時応急のバラツクか何かを建てざるを得ない。しかしこれはさつき申しましたような点で、不都合があるという場合には、都市局としてはどういうふうに措置して行かれるおつもりでありますか。
○八嶋政府委員 お話の点ごもつともな点が非常に多いのでございますが、防火建築をつくるにつきまして、これをどういうぐあいに処置して参るかということの問題は、実は住宅局の所管に相なつておるのであります。住宅局の方面におきまして、現在いろいろと、防火建築をやらせるにつきまして、資金の問題として実は大蔵省当局へ非常に強力なる申入れをやつておるのでありまして、早晩これは解決がつくんじやないかと思つておるのでございます。私どもといたしましても、都市計画、全体の都市の整備といつたような点から考えてみましても、何とかひとつこの方法が実現されて、バラツク等が建たないようにやつて行きたいというふうに考えておりますが、実は資金の融通というような点につきましては、住宅局長いろいろ奔走いたしておりますから、御了承願いたいと思います。
○高橋(權)委員 私、もうほかの委員から至れり尽せりの質問がありましたから、簡単に二、三点お伺いしてみたいと思います。これは皆さんのおつしやるように、どこの温泉地帯も同じでありますが、特に先日の熱海温泉の火災の模様を聞きますと、前の火災は、河かてんぷらの油の火のためと、隣りにセルロイドがたくさんあつたためと聞いております。これは先ほどおつしやつたように、引火しやすいものがあつたためと思います。二回目は、何かよた者かしらぬが、マッチの火遊び事からということでありますが、そういう点は非常に注意すべきである。ただ防火について、海水を使えばポンプがさびてしまうというようなことで、ポンプの使用を怠つたということも聞くのですが、これは私非常に残念に思つております。ポンプの一台、二台買うのと、熱海のこの損害とを考えたら、大した相違でありまして、金属のところは淡水を十分通せばいい。ホースのようなところは、塩分を含んでいる海水を使つたために役に立たなくなつたのは、ホースをかえれば何でもない。そういうところは昔と違つて、消防団となつて取締りの関係が弱くなつておつたためかもしれませんが、そういう点についてはどのくらいの程度御調査になつておるか、お伺いしたい。
○八嶋政府委員 消防庁の関係でありますが……
○高橋(權)委員 消防庁関係であるけれども、都市を保護する上に関係のあることです。昔と違つて、監督権があまりきかなかつたということに基因するかもしれませんし、なおそれに関連して、破壊作業を断つたうちが相当あるということも聞いております。都市計画上、いかに防火施設を持つているといつても、日本の建造物くらいでは、ひとなめにやられるというようなことが今後あろうと思います。理外の理ということもあるわけで、破壊消防についてどういう考えを持つて、おられるか。これも消防のことだから知らぬとおつしやればそれまでですけれども、建設関係の方は、これは知らぬとは言われぬと思う。またこれくらいのことがわからぬようだつたら、私はいなかに帰つて、政府の役人の頭の悪いことを言わなければならぬ。私はいなかに帰つておつて、一回目の火事を見て帰りましたが、またあちらに着いて間もなくあの熱海の火災にあつて、感ずるところがあつた。ポンプが惜いといつて、プラスとマイナスを知らないような人が、おつたということは、残念に思つておるので、これは当局から、簡単でいいから説明してもらわぬと、いなかの都会もありますから……
○八嶋政府委員 どうも私の所官ではございませんので、責任を持つての答弁はできませんが、ポンプが惜しいとか何とかいう意味において海水を使うことかなかつたということではないと私は思つております。その点は、先ほど派遣委員の報告の中にもございましたように、海水という意味につきましては、何か吸水管の関係があつたとか、ホースの長さというような関係で届かなかつたというような話に聞いております。 それから破壊消防のお話がございましたが、これは私どもといたしましても、火災を最小限度にとどめるという意味におきまして、破壊消防をすべきものはやつて行かなければならぬということは当然なことで、一軒や二軒の家のために大火を起して行くというようなことは、できるだけ防いで行かなければならぬと思つております。
○高橋(權)委員 今おつしやることを聞きますと、ホースが足りなかつたという話でありますが、私がある代議士から承りますと、それはどうもないとも言えないということで、名前を言つてもいいのですけれども、遠慮いたしますが、ホースが足りないというようなことは、また大体消防団がなつてないんです。そういうことこそ当局が注意してホースは三倍も四倍も、もしホースが焼失した場合には、ただちにとりかえるぐらいの余裕を持たせておくことは、都市局の局長さん方が、より以上に考えなければならぬことだと思います。それで海水を使うことが機械を破壊する原因になるというけれども、汽船のごときものが火災を起した場合に、やはり海水を使つておることは事実に現われたることです。それで熱海のような山手になつておるような地帯ほど、ホースなんかはポンプ一台について予備品を備えておくべきものである。そういうことが、やはりあまり数理学ばかり詳しくて、へりくつばかり言う人間が多いから、こういうときにまごついて、とんでもないことになる。 それから破壊作業については、十分やるとおつしやるが、破壊作業を実際断つているうちがあるということだつたら、これはいかが処分されるか。そういうことも、今後の都市計画並びに人民を保護するために、最も大切なことだと思うのでありますから、破壊作業を断つた家庭があつたとするならばそれについてどうするかは相当研究しておられはしないかと思いますし、全国の今後の例になることでありますから、私あなたとけんかするわけではないが、あまりにも罹災者がかわいそうなので、大乗的な考え、ないし大悟徹底した無我の境から私は質問しておるのです。決して私は熱海に養子に行こうというようなことも思つていない。罹災者のあの悲しみを見るときに、私は学生時代によくおせわになつた熱海が、あんなひどい思いをしたかと思うと、何となく涙せざるを得ないのであります。それで、破壊作業を怠つた点と、事実ホースが足らなかつたのかどうか、その点をもう一ぺんお伺いしたい。もしそれが即答できませんならば、来る委員会においてよく調べて答弁していただきたいと思いますが、ただいまおわかりになつている程度において、もう一ぺんお伺いしたいのであります。
○八嶋政府委員 ホースの問題につきましては、調べました上でお答えをする方がいいと思います。 破壊消防あたりの問題になりますれば、これももう少し法規上の根拠を調べた方がいいと私は思いますけれども、私どもの従来習いました法規の上におきましては、本人の意思いかんにかかわらず破壊消防が強制的にできるというぐあいに承知いたしておる次第であります。
○小松委員 借地借家問題の質問がありましたがそれに関連して伺いたいと思います。 地主と借地借家人だけの問題ではなくして、焼け跡の土地に借地人があつたのでありますけれども、そういうことを無視して、現に地主が他にこの土地を転売しようというような者があつた場合に、もらろんそれは地主と買主の問題でありまするが、そういう土地に対しては、今日借地借家法が適用されておりませんから、新しい地主が自由な行動がとれるのではなかろうかと思いまするが、こういうものに対しましては、法的に旧来の借地人にその土地を転貸することがそのまま認められるならばよろしいけれども行われなかつた場合には、どういうような措置をとる道があるか、この点をひとつお伺いしたいと思います。 それから、いま一点お伺いしたいことは、都市計画等の関係から区画整理をしなければならぬ地域に対して、その一帯を、たとえば地方公共団体が土地を地主から直接借り受けて、そうして今までの借地人あるいは借家人に対してこれを転貸するというような方法をとることは、これは表意の取扱い方法であろうと思いまするが、こういう問題に対しましては、旧来の借地人、借家人との関係はどうなるか、この点をお伺いいたします。
○青木説明員 お答えいたします。第一点についてお答え申し上げますが、先ほど申し上げましたように、罹災都市借地借家臨時処理法を適用する法律が一日も早く成立いたしますれば、今申し上げました借地権の保護の問題は解決するわけであります。ただ適用の法律が成立するまでに、他に地主が借地権を新たに設定したり、あるいはまた土地を売却したりするような場合には、従来の借地人は、善意の新しい借地権の設定を受けた、あるいはまた買主に対して、対抗できないという関係に立つわけです。もちろん地主は、借地契約に基いて借地権が存続している存続期間内に、これを無視して他にまた二重に貸すということにつきましては、借地人に対し損害賠償その他の責任はもちろんあるわけです。しかしどうしても羅災都市借地借家臨時処理法を適用いたしまんと、単に借地法のみに基きましては、若干保護に欠ける点がありますので、今後といたしまして、一日も早くこの罹災都市借地借家臨時処理法を適用する法律が、本国会において成立いたすことを御期待申し上げておるような次第であります。
○小松委員 その土地を公共団体が借り受けて、それから転貸するのですが、そういう場合に、今までの借地借家法というものの適用を受けておつたときでも、それを認めるかどうか……
○八嶋政府委員 その点に私どもの所管ではございませんから、責任を持つて御答弁申し上げることはできませんけれども、公共団体が使うという目的が何にあるかということによりまして公共的なものに使つて行くということになれば、ある程度私は土地收用法というものの発効ができるのじやないかというぐあいに考えるのです。ただそれが庶民住宅等の目的に使うために、その土地を公共団体が使用するとかなんとかいつたような問題になりますれば、現在のところ庶民住宅を建てるために土地收用法の発動があるかどうかということになりますと、現在のところはそこまでは行つていないのであります。従つてそれはできないということになると思います。この点は土地收用法の改正にあたりましては、相当に現在研究されておる問題の一つでございまするが、ただ道路とか公園とかいうような公共的なものになりますれば、これはある程痩土地收用法の発動によつて行けば、これは公権でございますから、私権の点は消滅するのではなかろうかと考えるのです。けれども、これはもう少し研究させていただきたいと思います。
○小松委員 私の質問からよつと徹底を欠いておつたのですが、私の伺いたいことは、焼け跡の土地で借地借家人の問題が非常に紛糾しておる、地主関係で紛争がある。だから市が一手にその土地を借り受けて、これを市が適当に今までの人たちに、再び貸してやろう。しかしそこで都市計画の関係上から坪数が減じて来て、全然そこに住まれない人もできて来るだろう。だから市が一切その土地を借り受けて、そうして減歩された人たちの換地というものは、今度は別に市の方で心配する。そういう場合において、市がその土地を全部借り受けて行くことは、これは認められるかどうかということなんです。
○八嶋政府委員 これは研究を要する問題でありますけれども、私は普通の法律論の常識から考えましては、現在の状態としてはできない、これをやるにはやはり法律の根拠がなければできないのではないかというぐあいに考えられます、けれどもあるいはこれは法務庁の方でお答え願うのが妥当かもしれません。
○青木説明員 この問題につきましては従来におきましても、特に終戦後、戦災都市の復旧、復興その他とも関連いたしまして、いろいろ研究されて来たところであります。昔の戦災復興院その他におきましても、非常に研究して来られたところでありますが、いろいろ法的に問題が多かつた。従つてそれについての積極的な法的措置が今までとられておらぬ。従いまして、今の御質問のように国または地方公共団体か借地権を強制的に取得しまして、そしてそれを再配分するということの法的根拠は、今ないのであります。従つてそれを強制的にやるということは困難であります。
○大内委員長 政府委員が来られるまで、ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○大内委員長 速記を始めてください。
○小松委員 熱海の災害に関係いたしまして、大蔵当局に二、三尊お尋ねしてみたいと思うのであります。本日の税金の減免の程度範囲について、伺いたいと思うのであります。渦般災害被害者に対する租税減免、徴收猶予等に関する法律の一部改正が国会を通過したのでありますが、今度の災害もこの法律によつて、それ相当の減免の道が開けると思うのであります。これに関連してお尋ねしたいのであります。火災によりまして住宅や家財を焼失した者の損害額は、今年度の所得金額から損失額として控除されるかどうか。 それから第二点は、商店で大火災によりまして商品を焼失した、損害を非常に受けた、こういう損害額に対しましては、事実上の損失でありまするから、課税は当然減免されることと思いまするが、これらに対してどういう措置をとられるのであるか。 第三点は、本年度の所得金額の十五万円以下のとき、また三十万円以下の所得金額に対しましては、災害被害者に対する租税減免、徴收猶予法によりますと、これらに対しましても減免の道がありまするか。今回の熱海の大火に対しましても、これにひとしい措置がとられるのであるかどうか、お伺いしたいと思います。
○平田政府委員 今回熱海市におきまして非常な災害が発生いたしまして、関係者の各位がお困りになつておる事情につきましては、私ども十分御同情申しあげる次第でございます。辛いにいたしまして、ちようど今御指摘の災害被害者に対する租税減免、徴收猶予等に関する法律の改正は、先般国会で議決が済みまして、三月三十一日に成立いたしまして、すでに公布されて実施しております。なおまた所得税法におきましても、今回新たに災害の損失は相当大幅な控除を認めることにいたしたのでございますが、この改正もやはり同日付で公布になりまして、すでに実施になつておるのでございます。従いましてこれらの法律によりまして、大体におきましてお気の毒な立場におられる災害被害者の方々に対しましては、税法上は相当それぞれ適正な措置がとられ得ると私ども考えておるのでございます。 今お尋ねの点を申し上げますが、まず住宅、家財につきまして、半分以上損害を受けた方々、こういう方々に対しましては、災害減免法の第二條の既定に基きまして、今御指摘のように所得金額が十五万円以下であります場合には、所得税の全部を免除します。それから十五万円から三十万円までのところは、所得税額の十分の五を軽減することになつております。三十万円を越える人につきましては、後に申し上げまする所得税法の規定によつて救済することに相なつております。所得税法の規定による救済の方が、今申し上げました災害減免法に基きまする減免よりも有利である場合におきましては、その所得税法の規定の適用を受けることになつております。ただ二重にいたしますのは適当ではございませんので、いずれか有利な方を選んでもらうということになつておりますことを御留意願いたいと存じます。 そこで今申し上げましたように、住宅家財につきましては、それぞれ災害減免法の第二條の規定によりまして救済ができるわけであります。すなわち非常に小所得の場合におきましては、たとえば家は借家であつても、自分の持つている家財類を半分やられた。こういう場合には今申し上げましたように、十五万円以下なら全部免除になります。勤労所得税の方なんかも、すぐ免除になるわけでございまして、災害を受けた日から向う一年間だけ減免することになつております。従いましてこれらの措置によりましてそれぞれ妥当な措置が得られるものと考えております。もらろん住宅等につきまして、半分以上やられた場合等も同様でございます。 それが災害減免法に基く一番大きな点でございますが、なおもう一つ従来の所得税でまだ未納になつておる昭和二十四年度分所得税につきましては、徴收猶予という制度がございまして、これで猶予するというわけになります。ただこの分は過去にさかのぼりまして、減免をするということは適当でございませんので、徴收を猶予いたしまして、納税者が現実に納税し得るときに納めてもらう。これはすなわち滞納になつておる税なのでございますから、すでに納めた人との負担の権衡ございますので、そのようなことにいたしておるのでございます。 それから次に申し上げますが、商品の損失につきましては、これは当然それぞれの事業所得の計算上、会社でございますならば損金に算人されまするし、個人の事業者でありますれば、必要経費に当然入つて来ることになります。従いましてそれだけ所得税が低くなつて来ることに相なるかと思います。 なお先ほどより申し上げましたように、所得税法は、今回新しく改正いたしまして、火災等による損失額は、特別損失といたしまして所得の計算上全額控除を認めることにいたしております。従いましてたとえば今年発生しました災害—熱海の場合になどにおきましては、二十五年度分の所得税の課税の際におきまして所得の計算上、損害額を所得計算から差引いて課税することになるのであります。但し保険に入つておられます場合におきましては、損害額と保険金で受取られた額との差額、すなわち純損失の額に限ることは申すまでもございません。その損失額を所得の計算上控除いたしまして、所得税を賦課することに相なるのでございます。それらの措置によりまして大体において熱海の場合はそれぞれ有効な救済が講られるものと考えるのであります。 なお法人につきましては、従来からそうでございますが、当然帳簿価格に計上しておりますところの資産が欠損しますれば、その欠損した事業年度の損金に当然なりまして、それを救済されて行くということに相なるのでございます。
○小松委員 よくわかりました。これは大蔵省の関係ではないでありましようが、火災によりまして市の財源をほとんど半分も失つたこういうものに対しまして、市政の運営に非常に支障を生じておるのでありますが、そういうものに対して、国庫の方において適当に補助を与えるとかあるいは特別平衡交付金の交付というような道が講ぜられるか、この点を伺いたいと思います。
○平田政府委員 今お話のような場合につきましては、それによりまして、市の財政が立ち行かないといつたような場合におきましては、あるいは非常特別措置といたしまして、国庫から一定のものを補給するというようなことも考えられないわけではございませんが、従来の例によりますと、そのような方法で一般的に市の財政を助けるということは、あまり例を見ないようでございます。ただ、今御指摘の平衡交付金におきましては、たしか全体の一割でありましたか、その範囲内におきまして、ある程度特別な事情に基きまして平衡交付金を交付し得るという程度にいたすつもりでございまして、その制度が実行になりました後におきまして、よく調べました上で、そういう事情の場合におきましては、平衡交付金を普通の場合よりも増額して交付するかしないか、これは一つの今後の問題ではなかろうかと思います。ただ平衡交付金法は、実は国会へ近く提案いたしまして、御審議を煩わすようなことに相なりますので、あるいはその際もう少しはつきりいたしまして、お答えしてもいいかと思いまするが、関係の政府委員からお答えする方が適当ではないかと思いますけれども、私はそのように考えております。ただ一般的には、いろいろな公共事業費、こういう形で結局国が負担しまして、いろいろ復興のために金を出して行く、こういうことは、国庫から相当出る場合もあるかと思います。財政が困つたから一般の事務費等を特別に何かで補給するといつたような例は、私あまり聞いていないのでありますが、今申し上げましたように、平衡交付金とか、あるいは特別の事業費、そういう形で国から相当な資金を当該市町村に与えるというような方法はあろうかと考える次第であります。
○小松委員 私の記憶の誤りかどうか知りませんけれども、能代の火災のときには、国庫から見舞金が二千万円か交付されたというように聞き及んでおるのでありますが、そういうことはなかつたでしようか。もしあつたとすれば、そういう性質の見舞金を交付される道はないか、お尋ねいたします。
○平田政府委員 本日は、実はその問題をあまり調べて来ませんので、はつきりすることができないのは遺憾でございますが、もしも必要がありますれば、大蔵省主計局の担当官から、適当な機会に御説明したいと思います。私はつきり今のところ、記憶いたしておりません。
○小松委員 融資関係のことはどうですか。
○平田政府委員 それも直接関係がないのですが……
○小松委員 そうですが—これで私の質問を終ります。
○大内委員長 これをもつて散会いたします。次回は公報をもつてお知らせいたします。 午後一時二十八分散会