厚生委員会 第26号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/04/12
会議録
○堀川委員長 それでは会議を開きます。 医療法の一部を改正する法律案を議題といたしまして質疑をいたすことにいたします。通告順によりまして、福田昌子君。
○福田(昌)委員 すでに御質問があつたかと存じますが、この第四章の医療法人を組織することによりまして、日本の今日の医療機関というものは、どの程度の社会化がはかられ、また医療の経営状態というものが好転して参るのでございますか。そういう点についてお聞きいたします。
○久下政府委員 医療法人がつくられますことによつて、どの程度医療が社会化されるかということでございますが、結局私どもといたしましては、提案の理由に御説明申し上げております通り、この制度をつくることによりまして、病院、診療所の開設が、今日までの状況以上に促進をされるであろうということを考えておる次第でございます。そういう意味合いにおきまして、近代的な医療が広く国民に及ぶようになる、こう考えます。さような点におきまして、しいて申せば医療の社会化の一助にはなり得ると考えます。
○福田(昌)委員 どういう点で促進されるのでございましようか。
○久下政府委員 この点は本法案の提案理由でも御説明を申し上げてある通りでございまして、現行医療法によりますと、主として病院の建設につきましては、近代的な医学の進歩に対応いたしますように、いろいろな設備、構造等の條件がつけられておりますわけであります。一方におきまして、今日の社会情勢から申しますれば、経済上の逼迫のために、なかなか個人の力で病院の建設をするということが困難な実情でございます。医療法人というのは、そういつた現在の実情を考えまして、資金の集積をはかることができるようにしたいというのを大きなねらいとしておりますが、資金を集積いたしまして、これに法律上の人格を與身て、病院の開設ができるようにするということになりますれば、取引上の安全を保たれまするし、さような意味合いから医療法人制度をつくることによつて、病院の開設が促進されるというように考えておる次第であります。
○福田(昌)委員 資金の集積ということは、具体的にはどういうことなんでしようか。
○久下政府委員 具体的に申しますると、先ほど申し上げました通り、今日本造建築をもちまして、病院の開設できるまでの設備等を整えますためには、土地を省きまして、すなわち建築費と調度調便費は一ベツト当り二十万円ないし三十万円くらいの費用がかかると計算されておるのでございます。従いまして最小限二十ベツトの病院をつくりますためには、ベツトの少いほど、一ベツト当りの経費が割高になりますので、少くとも二十ベツトの病院を建てますためには、二百五十万円くらいはかかる計算が行われているのであります。こういうことでとうてい今日の状態のもとにおきましては、個人の力だけでやることは困難でございまして、数人あるいは十数人の人々が資金を持寄ることによりまして、初めて可能になるのではないか。医療法人の制度はこういうことをねらいまして、そうした資金の集積が行われました場合に、それに社団法人または財団法人たる、医療法人の資格を與えまして、そうして病院の経営が円滑にできるようにしたいということでございます。
○福田(昌)委員 それはあくまでも個人の出資によるかのごとくに聞えたのでありますが、そういう建設資金に対しまして、国庫の補助金は全然お考えになつていらつしやらないのですか。
○久下政府委員 ただいまの法律の建前から申しますと、医療法人に対しまして、補助を與えるということはできないことになつておると考えておるのであります。と申しますのは、憲法の規定もございまして、個人に対しまして補助を與えるということが、原則として許されないということにも相なつておりまするので、ただいまの制度としては、医療法でもいわゆる公的医療機関にのみ補助を與えるという規定になつておりまして、個人の医療機関には、補助が出ないようになつておる実情でございます。国庫の補助ということについては、見込みがないのではないかと思つております。
○福田(昌)委員 当面のところお見込みはないのでございましようか。これに対して、たとえば預金部からの低利資金の貸出しをやるとかいうようなことにおいて、厚生省でお考えになつていらつしやるのでございますか。それとも全然そういう工作はしていらつしやらないのでございますか。
○久下政府委員 御承知の通り、現在の預金部資金の運用につきましては、法律上の制限がございまして、これも個人的には貸出しができないことにたつておるように承知いたしておるのであります。従つて具体的な御引例のような、預金部資金の貸出しをあつせんをするということも、今日ではできないと思うのでありますが、しかしながら私どもとしては、この種の問題につきましては、他の方法、すなわち銀行融資等の関係につきまして、できるだけあつせんの方途を講ずるということは、必要なことでもあろうと思いますので、できるだけその方面には力を注いで行きたいと考えております。
○福田(昌)委員 預金部からの低利資金の貸出しというのは、個人にはできないのでありますか。法人にはできますか。
○久下政府委員 連合軍の指令によりまして、預金部資金は、公共団体と特殊な場合に銀行に貸出しができるだけに相なつております。これは指令に基く法律も出ておりまして、きわめて限定的に取扱われているのでございます。
○福田(昌)委員 銀行に対しての融資のあつせんをするというお話でございましたが、あつせんというのはどの程度のあつせんをしていただくのでございますか。つまりどういう形式をおとりになるのでございますか。
○久下政府委員 まだ具体的に一この種の問題は抽象論で申しましても話になりませんので、実際の御要望がありました場合には、私として大体できますことは、大蔵省の銀行局あたりにでもお願いいたしまして、日銀に対して融資のあつせんをしてもらうようにお話をするということであろうと思います。
○福田(昌)委員 具体的にはむずかしい問題でありますが、しかし医療を経営して行こうという側からいたしますれば、一番大きな問題になるのでありますが、日銀に対してお口添えをいただくとか、あつせんとか言いましても、はなはだ心もとなく感ずるのですが、大体今お考えになつていらつしやる腹案というものはございますと思いますが、最も確実なお考えを御報告願いたいと思います。
○久下政府委員 まだその具体的な腹案をつくつているわけではございません。実は私どもは法人の関係につきましては、具体的な御要望のありました場合に、実際に必要なと思われる金額について、個々に、あるいはできるならば数多くのものをまとめた方がいいと思いますが、そうした具体的な問題として、今申したような筋道で話をつけて行くようにするよりほかないと思います。従つて具体的に腹案とおつしやられましても、今ここで申し上げる固まつたものを持つておりません。趣旨としてはさような筋道でやりたいと思つております。
○福田(昌)委員 と申しますと、たとえば医療法人の建設に対しての費用というものを、概略厚生省にお目にかけて、厚生省でそれだけ必要であるかどうかという御承認のもとに、日銀あたりに御紹介をしていただくという形式になるのですか。
○久下政府委員 医療機関につきまして、実はまだこれまでそのような具体的な措置をとりました例はないのでございますが、薬業関係につきましては、従来ちよつと大きな問題がありますると、とりまとめまして具体的な金額を示して、日銀の方に話をするという道をとつたこともあるのであります。そういう意味合いで、私はそういう道があり得るということを、ただいま申し上げたのであります。これに関連する将来の問題として考えられますことは、まず第一には地方的な、地方銀行等の融資あつせん等を地方庁その他にしてもらいまして、地方で解決がつきません場合に、中央に持つて来て、そこで私どもの方で融資あつせんの道を講ずるという段取りになると思います。何もかも全部厚生省に持込まれましても、とうてい全部の解決はできないと思います。実際問題といたしましては、今申しましたように地方銀行の融資あつせんを地方庁あたりと話合いをしてやつていただいて、そうしてできないものを持つて来ていただいて、筋の立つものを私の方で話をするというようなことになるだろうと思います。
○福田(昌)委員 と申しますと、結局融資あつせんの面において、地方庁あるいはまたそれに類した機関から非常な制約を受ける。このように解釈してよろしいのでございますか。
○久下政府委員 私どもの関係する意味におきましては、何ら制約でなく、むしろ推し進めるようにいたすつもりでおります。私どもの関係のものは、制約をするような意思は毛頭ないのでございます。ただ御承知の通りの金融一般の情勢でありまするので、その方面から今私がそういうふうに努力すると申しましても、実行的に申しますと、相当隘路が多いのではないかというふうにも考えております。
○福田(昌)委員 お言葉はそのようでございますが、今日の金融機関というものは、非常に狭いものになつております。従つてこういう設備に相当大きな金を要する場合において、ただいま次長からの御説明のように、はなはだ漠然としたあつせんの方法では、私ども非常に不安なものを感ずるわけであります。もし厚生省が積極的に、そういうような金融の面においても御配慮があるならば、何らかの規定をこの法案の中にうたつていただきたいと思うのでございます。そうしなければ私どもとしましては、この法律に対して医療経営者の立場に立ちました場合、何らこれによつて保護をされるものを感じない。実に不安なものを感じるのであります。従つてそういう金融の面に対する特別の措置を、何らかの形で案の中にうたつていただきたいと思います。 次にお尋ねいたしたいのは、この医療法人の組織をつくることによつて、医療の社会化をはかられるということをただいま承りましたが、医療の社会化ということは、結局三人以上の経営になるところの大きな病院をたくさんつくることを、医療の社会化とお考えになつていらつしやるのでありましようか。
○久下政府委員 医療の社会化という言葉の中には、いろいろの意味があると考えております。医療法人をつくりますことが、その目的の全部を達するとは私ども考えておらないのであります。先ほど申し上げましたような意味合いにおきまして、幾分でもこれが病院、診療所の普及、整備の一助となり得まして、同時に、それだけ国民に医療の恩惠に浴せしめることができるというような意味において、社会化の一助となり得るという程度に考えております。医療法人制度をつくつたら、ただちにこれが医療の社会化になるんだというところまではならないと思います。
○福田(昌)委員 こまかいことをお尋ねして恐縮でございますが、ただいまこの法人をつくることによつて、診療所の整備になるというお話を承りましたが、この診療所の整備とはどういうことなんでございましようか。
○久下政府委員 私が今申し上げた整備という言葉の意味には、二つの意味を含ませておるつもりでございます。それは新しいものがつくられて行くという意味と、既存のものの内容が充実されるという二つの意味を含ませておるつもりでございます。もつともこれは直接的にこの法人制度によつて、その全部が得られるとは思つておらないのでありますけれども、先ほど申し上げましたように、新設の面におきましては、従来の困難さが、相当この制度によつて緩和される部面があるのではないかという意味で、新設の面が促進されるのではないかと思つております。それから内容の整備の面は、この制度の間接的な効果と思つておるのであります。前回も他の委員の方の御質問にお答えいたしたのでありますが、この法人制度では、剰余金の配当を廃止することになつておりますが、剰余金が出ました場合には、実際の方法といたしましては、これを病院の内容の改善に使つてもらうようにしていただきたいと思つております。同時にこの法人になることによりまして、多くの場合に、所得税等は個人の経営の場合に比較いたしますと、減額になります。そういう面から病院の内容整備が間接的に促進されるのではないかと考えます。結論といたしまして、新設並びに内容の整備の面におきまして、この制度は直接間接寄與するところがあるのではないかと思います。
○福田(昌)委員 では先ほど診療所の整備とおりしやつた言葉は、実は病院の整備であるわけでございますか。
○久下政府委員 病院、診療所双方でございます。
○福田(昌)委員 診療所を持つておるような方は、大体においてベッドは二十以下でございますから、こういう医療法人の組織をお持ちになるような方は、割合と少いように私どもには考えられるのでありますが、政府は医療法人の組織によつて、今日の診療所なるものが、どの程度に恩惠をこうむるとお考えでいらつしやいますか。
○久下政府委員 診療所が恩惠をこうむるということでございますが、医師もしくは歯科医師が、三人以上集まつて診療所を経営いたします場合、多くの場合はこれをそのまま放つておきますと、この三人の方の共有ということになります。共有ということになりますと、御承知のように、いろいろな法律関係がめんどうでありまして、これを三人集まりましたような場合において、医療法人という法人格をとるようになりますと、取引の関係等も安全になりまして、相手方として安心感を得られると思うのです。そういうような意味合いにおきまして、診療所が法人格を持つことによりまして、そうした方面の法律的な、あるいは取引上の利点があるわけでございます。そういうふうに考えております。
○福田(昌)委員 と申しますと、結局現実に開業していらつしやるお医者さんにしましても、銀行から特別な法的な援助を受けるあつせんの道を講じなくとも、二、三人集まれば、ある程度完備したところの病院ができるくらいの資金を今日各医者が持つておるだろうということを、大体御推定になつておると解釈してよろしゆうございますか。
○久下政府委員 三人で病院なり、大きな診療所ができるような資金を持つておると推定するかというお尋ねでありますが、それほどはつきりした考えを別に持つておらないのでありますが、一人でやる場合よりもやりよくなるのではないかという程度に考えておるものでございます。なお借入金についてのお話がございましたけれども、この点先ほどもお話の中にございましたが、実は病院、診療所の経営をいたしますために、銀行から一般の金を借りるということになりますと、御承知の通り相当な利拂いをいたさなければなりませんので、病院、診療所の経営上、そうした金利の高い金を借りるということは、非常にむずかしい問題ではないかと思います。そのためには結局預金部資金等の低利資金が、この方面に貸し出せるようにすることが、何としても、私どもとしては根本の問題だと考えております。その点については、実はかねがね厚生省の立場から、その方面に対して意見を申し述べておるのでございますけれども、先ほど申し上げたような事情がございまして、今日まだ一般に預金部資金を貸し出すというところまで話が参つておりません。その点はお尋ねの中にございましたので、触れて申し上げたいと思いますが、そういうふうに考えております。なおその点はひとり医療法人のためのみならず、医療機関を経営するその他の経営主体に対しましても、公共団体以外のものに、低利資金が貸し出せるようにすることが必要だと思います。今後そうした意味におきまして、私どもの立場から努力を続けたいと思つておる次第であります。
○福田(昌)委員 ただいまの御説明を承りますと、結局個人開業のお医者さんだと、こういう病院としての設備を完備することはできない。また私の財の余剰において、それだけの金を個人のお医者さんが三人以上寄り集まつても、出し得られると考えられない。おまけに銀行から借りる融資は、相当利子も高い。しかし低利資金を貸し出す方法も考えていない。低利資金貸出しの便法は、今後考えるというお話になりますれば、実はそういう根本的な対策をお考えいただいた上で、この医療法人という法案ができるのなら、私どもは非常に了とするのでありますが、そういう根本的な改革が何らなされていなくて、先走つてこういう法律をお出しになるのは、どういうわけなんでございますか。
○久下政府委員 根本的な対策がないのにこの法律を出しても意味がないのではないかというお尋ねでございますが、私どもの知つております限りにおきましては、もちろん全部の方ではないと思いますけれども、相当な方面から、早くこの制度をつくつてほしいという御要望が、相当強いように承知をいたしておるのであります。同時にまた、先ほど申し上げたことは少し極端にとられたように感ずるのでありますが、私どもとしては、医療機関の必要から、できるだけ低利な資金を貸し出し得るようにする方が、より適当であるという意味合いにおいて考えておるのでありまして、個人の力でもちろん個人自身が財産を持つておりませんでも、借入金で銀行その他のところから借入れをする可能性もあるわけでありまして、そうした場合にこの法人制度がないといたしますれば、個人の力で相当多額のものを借りることは相当困難でありますが、これが数人のお医者さんが共同して責任を分担いたして借りるということでありますれば、同じ借りるにいたしましても、よほどその辺が緩和される。こういうような考え方でありまして、私どもといたしましては、今日の実情から考えて、少くともこの制度をつくりますことは、この制度のないよりも一歩前進であるというように考えておる次第であります。
○福田(昌)委員 では結局借金をいたしますところの負担能力が、今日の細々とした開業医にもあるとお認めになつておるのでありますか。
○久下政府委員 だれにでもあると申しませんけれども、相当あり得ると見ていいんじやないかと思います。
○福田(昌)委員 私ども資金の面とか、経営の面とか、課税の面から考えまして、医療法人というものに対しては、相当な期待を持つておつたのでありますが、この法案を見て実はがつかりしたものの一人であります。根本的な対策に対しては、何らの方策がとられてなくて、形式的な医療の社会化というようなことに、小さな診療所はこの法律によつて恩惠をこうむることがないようなこの法律案の内容に対して、は、私は非常な疑義がありまして、あとで続けて質問さしていただきたいと思うのでありますが、その前に私の申し上げたいのは、今日では小さな個人開業と、三人以上のお医者さんがあるところの病院の施設というのは、数においてどういう振合いになつておるのでございましようか。
○久下政府委員 私どもの方の調査では、実は三人以上の医者が勤務しております診療所、一人ないし二人の診療所というぐあいに、勤務する医者の数によつて診療所の数というものを区別して調べておりませんので、ただいまの御質問に対するお答えをする資料がございませんが、ただ三人以上の勤務する診療所というものは、そう多くないと思います。
○福田(昌)委員 私が御質問申し上げる方法がまずかつたと思いますが、三人以上お医者さんを持つておるというと、病院組織を持つておるところが多いように考えられますが、病院と診療所の振合いについて伺いたい。
○河野説明員 正確な数字をただいま持ち合わせておりませんが、大体病院の数は、ただいまのところ、特殊の病院も全部含めまして、三千ちよつとだと思います。診療所の数が、概数四万あまりになつております。
○福田(昌)委員 そういたしますと、簡單にこの法律を批判させていただきますと、診療所を整備して病院組織のものにして行きたいというのが、この法律のねらいなのでございますか。
○久下政府委員 必ずしもそういう意味ではないのでございまして、診療所の方は、これは開設をいたしますにも、比較的資金を要しません。病院と、なりますと、先ほどもちよつと申し上げたように、相当多額のまとまつた資金を必要といたしますので、私どもとしては、この制度によつて期待をいたしますものは、病院の方に主眼を置いて、診療所は相当規模の大きいものというふうに考えておるのであります。
○福田(昌)委員 そういたしますと、この法律案は、結局簡單に申し上げますと、今日の個人開業に対しては、特別な考慮を拂つてつくられたものでない。こう解釈してよろしゆうございますか。
○久下政府委員 個人開業の病院につきましては、相当利益があるし、利用される制度だと考えております。ただ個人開業の診療所につきましては、この法律は全然関係のない建前にしておるわけであります。
○福田(昌)委員 現行の医療機関を見ますと、ただいまも御説明がありましたように、個人の診療所の方は、数におきましても病院施設のものよりもはるかに多いのでございますが、今日医療機関の整備とか、社会化とかが叫ばれておりますときに、こういつた大多数を占めておりますところの診療所が、一向に助からないで、その少し上にある組織が助かるようなこういう法律を、なぜ急いでお出しにならなければならぬか。
○久下政府委員 この法案を提案いたしましたいきさつを申し上げますと、実は新しい医療法の制定を——もつと前からのことでありますが、特に最近において商法の株式会社なり、その他の商事会社の組織による病院の開設を認めてほしいという意見が、各方面からあつたのでございます。しかしながらこれは申すまでもなく、営利を目的とするものでありますので、さようなものに病院の開設を許可することは、医療法の精神から申しましても適当でない。しかしそうかといつて、一方において民法の公益法人ということにいたしますためには、相当経営上の注文をつける取扱いになります。これも実行上相当むずかしい。いわゆる私企業的経営で、しかも商法の商事会社でないという、営利を目的としないという医療の本旨に合うような制度をつくつてくれということが、相当各方面から要望があつたのであります。私どもはそういう御要望に応じまして、この制度を考えたのであります。別段私どもが、実際の要望もないのにつくり出したということではないつもりであります。
○福田(昌)委員 ただいまの御説明でよくわかりました。その御要望におこたえになつたというお気持は、まことに感謝するところでございますが、その要望におこたえいただいたとしましては、失礼な申し分でございますが、法案に対するいろいろな裏付けというものが足りないということを、私たち感ずるのでございます。その点に対しまして、いわゆる裏づけになる分に対しての今後一層の御配慮と御努力をお願いいたしたいと思います。それからこの医療法人は、同じ人が医療法人による病院を、地域的に非常に離れて、たとえば北海道と九州というふうに持つことができるのでございますか。
○久下政府委員 同一人が医療法人をつくつて、二つの病院を開設するという場合と、同一人が別に法人をつくるという場合と、二つの問題を含んでおるのであります。前の場合は、当然一つの法人をつくりました者が、一旦法人格を取得いたしましたら、都道府県知事の認可があれば、全国的に通用する認可という扱いでございます。従いまして、北海道の知事の認可を受けて医療法人になりました者が、東京に病院を建設するということは、何らさしつかえございません。同一人が二つの医療法人をつくるということでございますが、これは多くの場合その必要がないのではないか。ただいまのような扱いをいたすことによりまして、必要ではないじやないかと思いますが、ただ一つ財産を寄付して、医療財団法人として、他の法人出資者となつて財団法人をつくるというようなことは、考えられますし、またそういうことを認める必要もあろうと思います。そういう場合は、同一の者が二つの医療法人に関係するということがあり得ると思います。
○福田(昌)委員 第四十四條の第二項の六号でございますが、役員に関する規定というのは、どういう規定をお考えになつていらつしやるか。
○久下政府委員 役員に関する規定の中には、第一役員の数に関する規定でございます。医療法人の役員は理事、監事ということに考えておりますが、法人の定款または寄付行為によりまして理事長を置くということが考えられる。そうした役員の数と、その地位と申しまするか、そういうふうなものもございます。また役員の選任の方法、任期のある場合にはその任期ということが、おもな事項だと思います。
○福田(昌)委員 そういたしますと、理事とか監事とか、あるいは理事長とかいわれるような方が、その中の何人かは医者でなければならないという基準はないわけですか。職業別の規準はお考えになりませんか。
○久下政府委員 そのことはこの法律の第四十七條に規定してあります。医療法人の理事は民法の規定を準用しておりまして、一人または数人の理事を置かなければならないということにしておるのでありますが、一人の場合には、これはいろいろ議論をしてみたのでありますが、たまたま金を持つておつて出資をして、あるいは寄付行為をいたしました者が、医者でなかつた場合もありまするので、そういう場合も考慮いたしまして、二人以上の理事者がある場合には、必ずその開設する病院または診療所の管理者——これは多くの場合医師または歯科医師でありますが、医師または歯科医師が理事者の中に加わらなければならないという規定を設けまして、病院または診療所の運営、経営が目的である医療法人としては、その実体が役員の法人運営の中に反映をするように考えております。
○福田(昌)委員 そういたしますと、この規定によれば、役員の中の一人だけはお医者さんであるということはよくわかりますけれども、他の役員の大部分は、お医者様でなくてもいいということになるわけですね。そういたしますと、別に特別の金融の便法もないし、個人融資において、あるいはまた銀行からの借金において、その医療組織をつくるということになりますと、結局負担能力のあるところの医者でない連中によつて、法人組織の内容が牛耳られるということもあり得ると思いますが、政府のお考えはどうですか。
○久下政府委員 病院または診療所の管理者である医師は、もちろん病院または診療所が一つの場合には一人でございます。しかしながら但書にもございますように、二以上を開設する場合には、管理者の一人または数人を理事に加えるをもつて足りるといたしましたのは、逆な書き方をしてございますが、この精神は、病院を二箇所以上、あるいは病院と診療所を数箇所経営しておりますところでは、この前段だけ書いておりますと、その全部が必ずならなければならぬ法律上の要件になつて参ります。それでは実際問題としてかえつて不都合もあるだろうというので、場合によつては全部をやらなくてもいいという書き方をしてございます。しかしながら経営しております施設が数箇でありまする場合には、もちろん理事の中に管理者が数人入るということを当然予想しております。
○福田(昌)委員 ただいまの御説明でよくわかるのはわかりましたが、結局この医療法人の役員の大部分が、医者でない者が占め得るということになりますと、この法人の運営内容は、医者の実権から離れて、営利的なものに走りやすい感じを受けるのでありますが、政府はそのようにお考えになられないのでございますか。
○久下政府委員 この点は、実は医療法の病院の許可または診療所の許可に関する一般方針が、第七條に規定してございます。ここでは医師以外の者が診療所を開設する場合には、許可を受けなければならない。医師が診療所を開設する場合には届出をもつて足りるという規定をしておりまして、この根本的な考え方は、医師という医学の素養を持つております者が医業を経営します場合には、簡便な手続でやるというばかりでなしに、ほんとうに医療の本体を理解してやつてもらえるであろうからというので、届出をもつて足りるとしております。その他の医師以外の者が診療所を経営いたします場合には、ただいま御心配になつておりますような営利の金もうけをせんがためにするという懸念もありますので、そういう場合には、許可制度によりましてその点を排除したいと考えておるのであります。医療法人の場合においては、この医療法の一般の精神をとりまして、十分これらの点は、認可の場合に監督指導できるものと考えております。結果におきましては明文の規定はありませんけれども、私どもとしては医療法の第七條の規定から、当然そういう精神が出て来るものと思いまして、特段の規定は設けなかつたのであります。
○福田(昌)委員 御説明はよくわかるのでありますが、しかし法律というものの精神は、つくりました当時と、運営いたします場合においては、だんだんかわつて参ることが往々あるのでございますから、その精神を何らかの形で、この法律案の中に明文で出していただきたいと思います。私といたしましては、法人の理事の過半数は医者または歯科医師であるという規定を明記していただくことによつて、ある程度法人が営利に流れるおそれを免れることができるのじやないかということを考えます。理事の過半数を医師または歯科医師にしていただくことを希望します。 あまり質問を申し上げますと、あとでおさしつかえがあるそうでございますから、少し急がせていただきますが、医療法人に対する課税が、一般法人の課税に比して百分の三十五ということになるそうでございますが、こういう率は、今日の健康保險ばかりを取扱つております一般開業医の課税の現実の面と比べまして、金額の面においても、どの程度の利益になりますか。
○久下政府委員 御質問の御趣旨が、あるいは正確に理解されておらないかもしれませんが、法人税の百分の三十五という基準は、すでに法律をもつて定まつたことでありますから、いかんともいたし方がないのでありますが、御質問の御要点は、百分の三十五をかけます場合の課税基準をどこに置くかということと、諸がかりをどの程度に見るかというようなことにあろうかと思うのであります。これはあくまでも課税基準の認定ということで、国税庁の方で決定をすることでありますが、私どもとしては、御指摘のように、社会保險の診療費につきましては、諸がかりが相当な率に上りますので、これを差引いた課税基準というものは、相当少くあるべきものだ、ということは、話合いはいたしておりますけれども、今日のところまだその辺の率については、十分な了解に達するまでに至つておらない次第でございます。
○福田(昌)委員 そういたしますと、この医療の法人の組織を持たなくても、健康保險医の営業に対する課税基準の認定を、もう少し考慮して行けば、医者の負担能力というものが軽くなつて参ります。そういう意味において、この法律によらない医者の課税基準を考慮するというようなことを、お考えになつたことはおありですか。
○久下政府委員 前会にも申し上げたと思うのでありますが、今日医療に対する課税が、相当苛酷であると言うと誤弊がありますけれども、負担が過重になつておるということは、事実だと思つております。そういう意味合いにおきまして、ただいまのところとしては、主として課税上の運営面だと思いまして、この点につきましては、すでに先般来日本医師会等とも連絡いたしまして、その筋に連絡をし、話をしておるのであります。先ほど申し上げた通りに、まだはつきりした結論までは行つておりませんけれども、御指摘の通り、医療全般の問題として、今後とも折衝を続けて参るつもりであります。
○福田(昌)委員 医療全般の問題をお考えいただきますならば、私たちといたしましては、こういつたある限定された医療経営者が有利であるような医療法人の設定をしていただきます前に、一般開業医の課税基準の認定というものに対して、大蔵省ともつと積極的な御交渉をしていただいて、特別な御配慮を願いたいと考えるのであります。そういも御配慮をしていただきました上で、なおさらにこの医療の社会化というような面に対して、医療法人というものがお役に立つならば、この法律というものは非常にいい法律だと思うのでありますが、現行のままで、個人開業医に対して、しかも医療法人によつて救われるということのない課税基準の認定ということに対して、何ら考慮を拂われないで、医療法人に対する課税の基準だけを簡単に持つて行かれるということは、非常に不公平なものを感ずるのでございます。その前に、どうか一般開業医に対する課税基準の認定というようなことに対しても、大蔵当局ともつと積極的な御交渉をしていただいて、今日の医者の特殊な経営の実態ということに対して特別な御配慮をお願い申し上げたいと考えるのでございます。とにかく、この医療法人なるものが、結局特別な何らかの融資も考慮されておらず、しかも役員の中には、たつた一名だけ医師であるということが限定されておるだけで、あとはどの業態の者が医療法人に入つてもいいということになりますと、医療の営利化ということになりはしないかということが、非常に懸念されるのであります。のみならず、一般開業医というものが、医療法人によつて必らずしも救われないということからいたしまして、この法律にはもつと検討しなければならない点がたくさん残されておるということを、私は考えさせられるのでございますが、今日はあまり時間をかけると、あとであさしつかえがあるそうでございますから、私のこの医療法人に対する質問は、この程度でやめさしていただきます。 —————————————
○堀川委員長 それでは次に地方税法案に関する件を議題といたします。これに対して質疑を通告順に許します。青柳委員。
○青柳委員 まず第一点は、第二十四條に附加価値税の非課税の範囲がうたわれております。これにつきまして御質問をいたしたいと思います。 この二十四條によりますと、国並びに市町村が行う事業につきましては、附加価値税を課せられないということになつております。従いまして健康保險事業というごとき国の行う事業、並びに国民健康保險事業というごとき市町村の行う事業につきましては、附加価値税は課税の外になつておるのでございます。しかるにここに健康保險組合、あるいは健康保險組合連合会というごとき、国の行うべき健康保險を、国以外の組合が国のかわりに行つておる場合がございます。また国民健康保險について考えてみましても、これは市町村の行うべきものでございますが、現在のところ、市町村のかわりに組合をつくり、または連合会をつくり、または代行の組合をもつて、市町村が当然行うべきものを行つておるのでございます。しかるにこの二十四條から見ますと、健康保險並びに国民健康保險に関する組合並びにその連合会並びに代行組合は、課税の対象に相なつておるやに見受けられるのでございます。この点につきまして、はたしてこれらの組合は課税されるものであるかどうかという点につきまして、まず承りたいと存じます。
○奧野政府委員 たしか健康保險組合法の中には、健康保險の利用に対して、地方税を課することができないという規定があつたように記憶いたしております。附加価値税の問題でありますと、事業の附加価値に対して地方税を課することができないというふうに改めらるべき問題であるかもわかりませんが、同じような解釈をいたしておるのであります。やはり附加価値税は課すべきではないというような考え方をもつております。国民健康保險組合の利用につきましては、原則的には、これは市町村がやることになつていますし、事業の性質もあることでありますので、規定をかえておりましても、これに準じた取扱いは市町村の行うべきものであるというふうな考え方をいたしております。
○青柳委員 ただいまの明快なお答えで大体了承したのでございますが、ただ一つここに法文解釈上の問題があるのでございます。これに現在の地方税におきましては、健康保險組合並びに連合会の行う事業につき、事業税を課することができないという條文があるのでございます。今回の改正法案によりますと、その條文が全然落ちてしまつております。そういたしますと、その反対解釈から、今度は課せられるのであるというふうに末端におきまして、解釈せられがちであるのでございまして、その点が心配になるのでございますが、その懸念がないものであるかどうかということを、明確にお答えを願いたいと存じます。
○奧野政府委員 やはりいろいろな組合でありましても、その事業のあらゆる種類に対して附加価値税を課すべきではないというような考え方はいたしておらないのでありまして、その行つておりまする事業の内容によつて、附加価値税を課するか課さないかを決すべきであるというふうな見方をいたしておるわけであります。ただ私が先ほど申しましたのは、国民健康保險組合なり、健康保險組合なりの本来の目的としております事業、こういうものに対しましては附加価値税を課すべきではない、こういうふうな解釈をとつておる。こういうことであります。
○青柳委員 ただいまのお答えでございますると、本来の事業云々と申しますると、それは二十四條の一号ではつきりするのでございますが、その他の組合連合会につきましての問題なのでございますか。その点もひとつ重ねてお答えを願います。
○奧野政府委員 私はおそらく全面的に非課税になるのだろうと思いますけれども、たとえば民法三十四條の公益法人でも、物品販売業をやつておるものも実はあるのであります。そういう場合には、その部分に対しては課税するという意味で、かりに組合連合会が物品販売業をあわせやつておる場合には、その部分に対しては課税される。こういう意味でお答えしておるわけであります。
○青柳委員 よく了承いたしました。 それではその次に、第二百九十五條、個人の市町村民税の非課税の範囲に関しまして承りたいと存じます。今回の改正におきまして、年收十万円以下の十八歳未満の子女を擁する寡婦につきましては、課税されないということに相なりまして、未亡人が非常に喜んでおるのでございますが現在の日本の状況から申しまして、それと同じように苦しんでおることがはつきりとわかる顕著な実例がございます。それはどういう人であるかと言うと、年をとつておつて壯年の男子を持つておらない老人でございます。私はその点につきましてこう考えるのでございますが、年收十万円以下の未亡人と同じように、年收十万円以下の十八歳未満の孫のみを擁しておつて、子供を持つておらないおじいさん、おばあさん、まあ六十歳以上の老齢者。もう一ぺん申しますと、六十歳以上の老齢者であつて子供たちはおらない。戰争のために子供たちはなくなつてしまつて、ただ十八歳未満の孫だけを持つておる年收十万円以下の老人についても、この寡婦と同じような取扱いをしたいと思うのでございまするが、私の考えに何か矛盾した不合理な点を見出しておられるかどうかについて、御当局のお答えを願いたいと思います。
○奧野政府委員 寡婦に対します非課税の規定を設けました根本趣旨は、最近の戦争未亡人の非常に多くなつておりまする点、さらにこれらの人たちが非常に困難な生活環境に置かれております点を考えまして、こういう規定を設けた次第でございます。お話になりましたような面におきましても、市町村民税を免除すべき具体的な事例も相当多いと思います。しかしながらこういう部分につきまして、一率的に市町村の課税の権能を奪つてしまうことが、個々の具体的の例に当てはめて、はたして適当であるかどうかということを疑うわけであります。もとより法律で課税することができないというふうに書きませんでも、それぞれの納税義務者の具体的の実情によつて、市町村が独自の判断で市町村民税を免除することができるわけであります。地方税法案の三百二十三條に、「貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り」市町村民税を減免することができるという規定を置いております。この規定を適切に運用することによりまして、市町村内におりますほんとうに生活に困つている人たちを、しかるべく課税を免除するというふうな恩典を與えて、救つて行くべきであるというふうに考えておるわけであります。
○青柳委員 私が先ほど提言いたしましたのは、年収十万円以下の孫だけを持つておる老人でございます。非常に少い所得しかないもので、生活に困つておることは非常に明白なのでございます。そういう者につきまして、私は寡婦と同様に非課税の対象といたとたいと思うものでございまするが、この点につきましては、先ほども御指摘になりました三百二十三條の適用で済む。こう言われたのでありまして、あるいはこれは意見の相違になるかもしれませんので、この問題につきましてはこの程度にいたしまして、次に進みたいと存じます。 その次は三百四十八條でございます。固定資産税の非課税の範囲についてでございます。この第一号におきまして、国並びに市町村が公用または公共の用に供する固定資産は、課税の対象からはずされておるのでございます。やはり第一点として私が申し上げたように、政府管掌の健康保險、並びに市町村で公営しておりまする国民健康保險につきましては、この一号によつて非課税と相なるのでございまするが、その他の組合並びに連合会、あるいは代行でやつておりまするものにつきましては、課税の対象と相なると思うのでございます。しかるに第九号を見ますると、「社会事業、更生保護事業、生活保護法による保護施設、児童福祉法による児童福祉施設及び身体障害者福祉法による身体障害者更生援護施設の用に供する固定資産」は課税からはずれておるのでございます。これ九号にあがつておりまする事業は、やはり社会保障制度の一つの足をなすところのものでございまして、もう一つの足をなすところの社会保險につきまして、ことにただいま私が指摘しておりまする健康保險並びに国民健康保險の組合連合会等で行つておりまする場合に、課税されると相なりますると、ここに非常な不均衡も起つて参りまするし、また社会保障という事業をこれから着々とやつて行かなければならないという現状から申しまして、不均衡であるというふうに私は考えるのでございまするが、この点につきましての御意見を承つておきたいと思います。
○奧野政府委員 なるたけ非課税にいたします範囲が多ければ多いほど、その事業を推進するという観点からは好ましいことなんでありますけれども、また市町村といたしましては必要な財源を得るのであります。ことにまたどこで一線を画するかという問題は、事業の施設によりましてかなり困難な問題だろうと思うのであります。先ほど申し上げたことに関連しておるわけでありますけれども、その地方団体の他の非課税にいたしております固定資産と均衡を考えまして、市町村がこれ以上に必要なものにつきましても、しかるべく減免の措置を講ずることはさしつかえないわけでありまして、そういう趣旨の規定も、地方税法案の中に挿入いたしておるわけであります。先ほど三百四十八條の二項の一号の公用文は公共の用に供する固定資産の問題でございましたが、十分御承知のように、もとよりこれは地方団体が直接みずからその用に供しておる固定資産だけをさしておるわけであります。これとの関連において御指摘になりましたような点について、市町村が当然均衡上やはり固定資産税を課したくないと考えます場合には、公益上の必要によつて免除するというふうに、われわれは推測いたしておるわけであります。
○青柳委員 ただいまのお答えの中にございましたが、この三百四十八條の一号の規定は、国並びに市町村が直接持つておる固定資産について課税の範囲からはずしておるというのであつて、たとえば健康保險または国民健康保險の事業を行うために必要な固定資産については、この外にあつて、非課税の範囲とならぬというふうにも解釈されるようなお話があつたのでございますが、さよう承つてよろしゆうございますか。
○奧野政府委員 二百四十八條第二項の第一号は市町村等に所有権のある必要はないのでありまして、市町村が借り上げて、それを公益または公共の用に供しておつてもさしつかえないわけであります。ただ用途だけを示しておるのでありまして、所有権の有無を問うていないわけであります。
○青柳委員 その点も先ほどの住民税と同じように意見の相違と相なるかと思いますので、この点なお追究することをやめまして、もう一点お尋ねしたいのでございます。それは今回の地方税法におきまして、目的税として水利地益税と共同施設税と二つを設けられたのでございます。ところで私の申し上げたいのは、国民健康保險に関することでございます。現在の市町村の住民は負担の重いことを感じております関係から、国民健康保險を行つております市町村におきまして、従前通り国民健康保險に必要な費用を保險料で徴收するということに相なりますと、日本国民の今までの習慣から申しまして、非常に他の税におおわれるものでありまして、保險料を納めるという度合が少くなつて来て、そのためにせつかく現在行つておりまする国民健康保險が、ますます窮境に陥らざるを得ないという傾向に相なることをおそれるのでございます。この際この目的税の一つといたしまして、国民健康保險に必要な保険料を、税金をもつて徴収する国民健康保險税という市町村の目的税を設定したらいかがかと存ずるのでございますが、その点につきましての御意見を承らしていただきたいと存じます。
○奧野政府委員 今青柳さんのおつしやいました国民健康保險税といいますか、そういう種類の形にして必要な国民健康保険料に相当するものを徴收して行くという行き方は、実は政府におきましてもいろいろと研究いたしまして、一応の成案を得ておつたのでありますけれども、いろいろな事情から今回は提案する運びに至らなかつたわけであります。考え方の方向として十分考究しなければならない、非常に重要理な問題を含んでいると思うのであります。なるべく早い機会にさらに結論を得て、適当な方法を講じなければならないというふうに考えております。
○青柳委員 私の質問は大体以上の通りでございまするが、たびたびお答えの中にもございましたように、市町村におきまして、実情に即して減免の措置をとり得る道が残されておるという点から、市町村によりましてはいろいろなちぐはぐができると思うのであります。従いまして自治庁とされましても、ある程度の指導としてこういう際にはどういう処置をせよ、たとえば先ほど私が申し上げましたように国民健康保險組合あるい健康保險組合につきましても、特別な措置を講じたがいいというようなことを末端の——末端と言うと語弊がございましようが、町村などに徹底されるような御意向があるかどうか。どの程度のことを御通達になる考えであるかということを承知いたしたいと存じます。
○奧野政府委員 ただいまの青柳さんの御意見に対しまして、厚生省ともよく打合せまして国民健康保險組合、健康保険組合、こういうものに対する附加値価税あるいは固定資産税の数につきまして、具体的にその範囲、措置を明確に示すようにして行きたいと存じます。
○青柳委員 ありがとうございました。
○堀川委員長 田中元君。
○田中(元)委員 後刻丸山委員から微細に御質問があるかと思いますが、ただいま青柳委員から国民健康保險、社会保險全般にわたる附加価値税その他地方税の問題を質疑しておつたようでありますが、林業と農業が附加価値税から免税の対象になつておるのであります。この意味において国民の最も大事な、少くとも先般の厚生委員会で私は厚生省に質疑を行つておつたのでありますが、国民が病気に対する診療をしてもらう権利というものは、憲法によつて擁護されておるのでございます。憲法二十五條を裏から読んで参りますと、さようになるのでありますので、この際附加価値税等の問題に対して、医業全般にわたつて免税をして行くという考え方があるかないか。その点をひとつ十分に御答弁願いたいと思います。
○奧野政府委員 わが国が今日のような悲境に際会いたしまするまでは、従来の営業税におきまして、もとより医業に対しては課税をいたしておらなかつたのであります。しかしながら財政経済が極度に苦しくなりました結果、遺憾ながら事業全般に対して課税の範囲を拡大せざるを得なくなり、一昨年から医業に対しても特別所得税を課することになつたのであります。今回事業税と特別所得税とを廃止いたしまして、新たに附加価値税を設けることになつたのでありまして、課税の範囲は従来の事業税と特別所得税とまつたく同じにいたしております。ただ御指摘になりました農業と林業とは、今回創設されまする固定資産税の結果、極端に負担が重くなりますので、その反面附加価値税は課さないというような方針をとつたわけであります。言いかえれば林業とか農業とかは、もつぱら土地を主体にして行つておる事業でありますので、土地に対して重い税金を課する以上は、あわせて附加価値税をとることは穏当でない、こういう結論を持つた次第であります。先ほども申し上げましたように、医業にまで課税することは本意ではございませんが、今日わが国の財政経済の実情からいつてやむを得ない。従つて適当の機会には、国力の回復をまつてこういう種類の税金はやめてしまいたいという希望は持つておるのであります。今日の場合、事業税と特別所得税がそのまま附加価値税にかわつた、こういうふうに御承知を願いたいのであります。
○田中(元)委員 ただいま農業と林業とは土地に対する税金がかかるから附加価値税をやめたい、こういうお話であつたのでありますが、御存じの通り医師にいたしましても、歯科医師にいたしましても、診療をいたします場合には診療所が必要である。あるいは医療法に従つて当然診療のベッドであるとか、いろいろの施設が必要である。これは弁護士やその他と違いまして、口先三寸だけでもつて商売をやつている者とは違います。こういうものは必然的について歩かなければならないところの、法律によつてでき上つて来る一つのものでありますので、この関連をよく考えた場合には、私は農業、林業に附加価値税がもしかからなければ、やはり医業においても附加価値税をかけないのが本筋ではないか。大体医業並びに歯科医業に対する附加価値税の点は、一年にどのくらいの地方税をおかけになる考であるか。私はこれが今日の段階から考えまして、医業、歯科医業に対する附加価値税というものは、愼重に考えて行かなければならぬと思いますので、重ねて質問申し上げる次第であります。
○奧野政府委員 農業、林業と固定資産との関係というものと、医業と固定資産との関係というものにつきまして、われわれはやはり農業や林業における固定資産の分量の方が、はるかに大きいのではないだろうか。こういうふうな見方をいたしておるわけでありまして、もとより医業においても、固定資産税の負担の方が多くなるということは予定いたしておるわけでありますけれども、その程度の問題であります。その程度から考えまして、まず農業、林業は、どうも固定資産税を創設して、さらに附加価値税を課して行くことは穏当でない、こういう結論を持つたわけであります。それから医業に対する附加価値税の收入の額でありますが、私はここに医業も含めました第三種事業全体の数字しか持つておらぬのでありますが、第三種事業全体といたしまして、約二十七億程度のものを、昭和二十五年度の收入予定といたしております。
○田中(元)委員 そういたしますと、先ほど青柳委員が御質問になりましたように、少くとも社会保險、この社会保險は、御存じの通り政府が指導してやつておるものであります。よく問題になるのでありますが、厚生省に聞きますと、二三・七%しか純利益というものはないのです。これに所得税がかかつて行く。所得税の問題も、私自身としては相当な問題があるだろうと思います。その範囲内において、医師、歯科医師に附加価値税もかかつて行く。今度は固定資産税もかかつて行くというようなことになりますと、畢竟、一体そのかかつて行つたものがどこへ行くか。私はよく言うのでありますが、ある医帥会でもつて北海道でございますが、ぺニシリンが一千八百円のときに、一体幾らで注射をしようかという議論が出たそうでありますが、二千円で注射いたしますと、国税地方税を引きますと四百円損するから、三千円でもつてちようど二百五十円ないし三百円もうかるのだというふうなことで、三千円でペニシリンの注射をしたということが、二、三年前からの傾向であつたのであります。少くとも医師、歯科医帥に、厚生省の指導下にあつて適正な医療を行わせるということは、国家としてはほんとうに緊急事であります。その際において、ややもいたしますと、国家の再建のためには税金が足りないからというような考え方で、医帥、歯科医帥に税金をかけることは、あたかも一般大衆の病気に対して税金をかけると同じ問題なのでございます。この意味において、ほかの税金を考えられまして、適正な医療、適正な歯科医療とすることが、日本国民にとつては重大な問題であると思います。ややもいたしますと、何か医者の問題であれば、これは非常に遠い世界の問題であるというように考えておる。地方自治庁しかり、大蔵省しかり、厚生委員会が医者の問題に血道を上げるだけで、どの委員会、どの役所におきましても、問題にしていない。自分の子供が病気になつた場合をよく考えてもらいたい。また自分自身が病気になつたときをよく考えてもらいたい。そういうときの医師、歯科医師に対する注文は多いのでありまして、この国民大衆の真劍なる態度を考えたときには、必然的にこの税は成立つて来ないと思う。私はこぞつて自治庁自身が、医療、歯科医療というものの適正化を、厚生省にぶつけるなり、あるいはわれわれにぶつけるなりしてもかまいませんから、この際根本的な考え方を持つてもらいたいと私は思うのでございます。私自身も、党は自由党でありますが、党に対して、これは私は強く出ておるのでありますが、この問題を非常に簡單な問題に考えておる。これがほんとうに大きな問題だということを、国民全体としても忘れておるのじやないかと思う。自治庁の方を前に置きまして、まことに失礼なことを言うようでございますけれども、この際あなた御自身ひとついま一歩——これを改正することができるならば、強くその筋ともお話合いの上において、附加価値税、固定資産税の中から、医業、歯科医業に対する全般のものを削つていただきたい。これが私の希望でございまして、簡単な質問をいたすと同時に、これを希望としてひとつ申し上げておきたいと思います。
○奧野政府委員 お考えの方向、私も同感の点もたくさんあるわけであります。ただ従来の特別所得税が附加価値税にかわる点だけを申し上げますと、小規模の医業につきましては、相当負担が軽くなるということを、はつきり申し上げることができると思います。と言いますのは、従来所得税の課税標準になつておりましたのは、大体收入金額から外部へ支拂つた金額、それ以上に経費をたくさん控除してくれる点も少くなかつたのじやないかというふうに思います。そうしますと、大体所得税の課税標準でありますところの所得額というものと、今回の附加価値税の課税標準というものの附加価値額というものが、そう大きく違わないという結果になつて参ります。そうしますと、従来の特別所得税が、所得に対して一〇%の税率をかけておりましたが、それに対して今回の附加価値税は三%でありますから、全体としてかなり低くなる。こういうふうな見方をしているのであります。今お述べになりました理想的な御意見からは、ほど遠いかもしれませんけれども、決して逆行的な改革は行つていないつもりでありまして、さらに将来社会保險的なものにつきまして、一層課税上の特別な取扱いを考究して行くということは、先ほど青柳さんから御質問があり、それに私がお答えいたしました通り、その点を考究して行きたいというふうに考えております。
○丸山委員 同一の問題でありまして、少し重複いたすかも存じませんが、私としての質問を申し上げたい。先ほどからもお話がございましたように、医業に関する、及び歯科医業に関する附加価値税の問題であります。これは一昨年特別所得税という名目で賦課されたということは、先ほどお話の通りであります。これはなぜ特別所得税という名目がとられたかというと、医業、歯科医業に対しては、事業税を賦課することが不適当であるということから、特別所得税という名目を特につけられたと思います。従つて附加価値税の対象といたしましても、不適当なものではないかという考えは、今田中委員から申された通りであります。しかし一歩を譲りまして、これが国家の情勢として、かりに附加価値税を賦課しなければならないといたしましても、それを一応認めましても、まず第三種に属しておりますものの業態を一つ比較して見ますと、今例に出ました弁護士と医業というようなものを一つ例にとります。弁護士が固定資産税として賦課せらるる分は、非常に僅少であろうと考えます。弁護士業を営みます上において、固定資産の対象となるべきものはほとんどない。しかるに医業におきましてはそうでなくし、固定資産税の対象となる部分が非常に多いのでございます。たとえてみますならば、ここに一個のレントゲンがございますと、現在の価格は、少しいい機械になると約百万円すると考えております。最も精巧な機械を持ちますと、二百万円ばかりかかると思います。こういうような非常に重い固定資産税の対象となるべきものを持たなければできないような医業が、何らの固定資産の対象となるもののないであろうと考えられる弁護士と、同率に課せられるということに対しては、少しここに不合理があるのではないか、かように考えますが、その点いかがお考えになるでしようか。
○奧野政府委員 弁護士業と医業との附加価値税の均衡の問題でありますが、弁護士業の場合には、受取りました金額、それがそのまま附加価値税の課税標準になるのが例ではないだろうかと思います。要するに、控除されるものは非常に少い。ところが医業の場合には、やはりある程度、器具なり薬品なり、控除されるものが相当出て来るのではないだろうか。従いまして、総收入金額から見ますと、弁護士業の場合には、総收入金額に対する割合は、医業の場合よりもかなり高くなるのではないかというふうな見方を、われわれはいたしているわけであります。あるいはお答えにならぬかもしれませんけれども、そういう相違のある点も御了解を願つておきたいと思います。
○丸山委員 次に、先ほどお話がございましたが、医業に関しましては、大体においてあまり変化がないじやないかというふうなお考えのように承りました。私が考えるところによりますと、附加価値税には、人件費として支拂うべきものは、当然課税対象となるのであります。これは、三日前から開かれております公聽会におきましても、かなり多方面から、人件費というものがこれに入れられるということに対しては、意見が申し述べられているように思います。御承知のように、医業を営みますには、医業法の規定がありまして、入院患者四人に対しては、ぜひ一名の看護婦を置かなければならぬとか、種々なる拘束があります。これは企業整備等によつて人員の整理ができないように、医業法の束縛を受けております。こういうふうな、法的に人件費を減らすことができないようなことが設けられている。その人件費が附加価値税の中に加算せられるということ、及び一昨年の秋だと思いますが、御承知かどうか存じませんが、健康保險等の一点單価を決定する、診療報酬算定協議会というものがございます。それに出ましたところの現在の社会保險の一点單価が、十一円、十円、九円というように、甲乙丙の土地によつてきまつております。この価格を決定いたします中のフアクターがございます。このフアクターの中に占めておる部分には、人件費が一一・六%ぐらいになつておるのであります。このために人件費がこれに加算せられるということになりますと、課税の面におきましても、当然これが考慮せられなければなりませんので、この一点單価の構成因子がかわつて参ると思います。かわらなければならぬ。どういうふうにかわるかと申しますと、必ず人件費というものをもう少し増額したもので一点單価というものが計算されなければならぬという、そこに結論が出て参ります。ただいまの健康保險が赤字の状態、及び国民保險の赤字の経営難の状態から考えまして、一点單価をこの際上げるということには非常な困難が伴うということが考えられます。そういう面におきまして附加価値税が人件費を含んで来るということから考えまして、当然健康保險の一点單価は考え直さなければならぬ。考え直した場合に、健康保険の財政は破綻に瀕する危險があるというようなことから、私の考えますところにおいては、少くとも医師の全收入ではなく、社会保險の全收入に関しては、ある一定の特例の率を設けるというのが至当ではないか。これが他の法律の運営の面において、非常に支障なく行われるゆえんではないかというふうに考えられるのでありますが、この点いかがでありましようか。
○奧野政府委員 医師に対していろいろな施設を義務づけられております点、そういう点も十分考えなければならぬわけでありますけれども、反面附加価値税の課税に関しましては総收入金額、総売上金額という言葉を使つておりますが、それから外部に支拂つた金額は全部控除になるわけであります。従いまして施設を改善して行きます場合にいろいろなもの購入しますと、みなそれを控除するわけでありますから、自然附加価値額というものは少くなるわけでありますが、施設費を控除した場合には、逆に附加価値税は赤字になつてしまう。従つて附加価値税は少しも納めなくてもよろしい。こういうふうなことになるわけでありまして、反面施設を整備しなければならない場合には、その施設の整備をしやすいように附加価値税というものが考慮されておるという言い方もできると思うのであります。その結果、しかし点数の單価にも影響を及ぼすのではないかという御意見でありますけれども、これは私はやはり特別所得税が廃止されて附加価値税が設けられるのだから、こまかい計算に私が口を入れますことは遠慮すべきでありますが、その点もあわせ考えて計算して行かなければならないのではないかというふうに考えるわけであります。先ほど私は小規模の医業でありますと、相当大幅に負担が軽くなるということを申し上げたのでありまして、相当数の人を雇用しております医業におきましても、なお附加価値税の負担というものは、特別所得税の負担と比べまして、全体としてはむしろ軽減されるのではないかというふうな見方をいたしておるわけであります。そのことは、附加価値額というものが、総收入金額の何パーセントぐらいになるであろうかというふうなことをお考えいただきますとわかると思うのでありまして、一年間の收入金額と、それから外部に支拂つた金額もおわかりでありましようから、それを控除いたしまして、それに三%かけてみる。それに対して所得税の所得額の決定に当つて、一体総売上金額の何パーセントぐらいを見込んで来ておるか。それに対して従来の特別所得税でありますと一〇%の税率で課税せられるわけでございますから、この両者を比較していただきますとわかると思うのでありますが、全体として軽減されるはずであるというふうに見ておるわけであります。
○丸山委員 少し実は私の質問が不明瞭であつたために、そういう御答弁であつたかもしれないと思います。施設のことを申し上げたのではございませんで、附加価値税の対象となるものの中には、当然医師として、あるいは診療所として、あるいは病院として使用しなければならない人件費、これは外へ拂う金額ではございませんので、附加価値税の対象になるということであります。これは今までの考え方の事業税の形から申しますと、必要な経費の中から除外せられておつた。それが除外せられないで加えられるという、今まで除外されておつたものが今度は入るわけであります。そのために今度軽減されないということは、私としては当然考えられるのであります。その点について人件費を除外しておる、それを基準とした一点單価がかわらなければならぬ。そうしますと健康保險にはどういう影響があるか。こういうふうに申し上げたのでありまして、それをいかがお考えになるかということを伺いたいと思います。
○奧野政府委員 お話のようにたくさん人を使つておりますと、従来はその面が必要経費に算入されたのであります。今回の場合にはそれがない。控除されない。しかしてその結果を比較して考えた場合、人を使つていない医業よりも、たくさん人を使つておる医業の方が税の負担が多い。それはその通りであります。その場合になお特別所得税がどういう計算になるかということは、個々の例によつて比較して行かなければならぬわけであります。私は全体として考えてみた場合に、負担はそう重くなるはずがない。その点総收入金額に対して、従来の所得税の課税標準とされた所得の割合というものはどのくらいであつたろうか。一方附加価値税の場合の課税標準になります附加価値額というものが、総收入金額の何パーセントぐらいになるであろうかということを比較していただくとわかると思うのでありますが、税率が三分の一以下になつておりますから、それほど負担が重くなるということはないのではないかという見方をいたしておるわけであります。
○丸山委員 どうもその点になりますと、結局使用しておる人員の数にもよりましようし、ある一つの設例をして調査をしてみなければわからぬでしようが、私は原則論として申し上げたのでありまして、その点さらに追究すれば意見の相違になるかもわかりませんから、この点で打切ります。 万一には、それを計算してみなければわからぬということでございますが、私どもの計算において人件費が外でなく今度は内になるということから、当然税金がその部分に対しては重くなるという結果がもしも出たといたします。これは仮定でございますから御答弁はむずかしいかもわかりませんが、そういうことが起つた場合に、私どもは社会保險の收入のみに関しては、ある特殊の取扱いをしたい、というふうな意向を持つておるのでありますが、そういうことをここに実現します方法として私が考えておりますのは、第三十條の十で他の政令によるということがございます。そういうようなことでこれが多少調節される余地があるものでございましようか。あるいは三十二條の二に「道府県は、前項の標準税率と異なる税率で課税しようとする場合においては、あらかじめ、地方財政委員会に対してその旨を届け出なければならない。」ということがあるようでございますが、この條項を適用して、各道府県において、ある特別な税率というものを設けることが可能なものでありましようか、いかがでありましようか。
○奧野政府委員 もとより地方団体が公益上特別の必要があると認める場合には、不均一の課税ができるということを別のところに設けてございます。その條項を適用すれば、形式的にはできないことはないというふうに考えられるわけでありますけれども、法律上列挙いたしまして、一律にその業態についてはこの税率を使うのだということを規定いたしておりますことは、立法の精神から言いますと、やはり同じような率を用い得べきであろうというふうに判断されなければならないと思います。ただ同じ医業でありましても、特定のものにつきまして減税をする、あるいは不均一の税率を用いる、こういうことはやはり立法の精神から見ても別に支障はないのではないか。ただ医業全体を不均一の税率で課税するということは、この法律の全体を通じてながめました場合においては、適当でないという結論が出ると思います。
○丸山委員 なお今の点につきまして、再度お伺いいたしまして失礼でありますが、国民健康保險というものは今度公営になりまして市町村に設けることになつたわけであります。従いまして今の人件費を含めましたこの問題から、一点單価を上げるという場合が生じますと、府県の負担というものが同時に市町村に対して補助金を出しておるわけでありまして、そういう意味から社会保險の一点單価を上げるということが府県の負担になりますから、その意味において不適当であると考えまして、社会保險の收入のみに関してある一定の率を設けまして、百分の三に若干の差を設けることが適当と考えた場合には、それは可能であるというふうに解釈してよろしゆうございますか
○奧野政府委員 お話の点が少し了解しにくかつたのでありますが、もしそういうお取扱いをするのならば、むしろ三十條第七項の九号に掲げております科目というものを、政令で規定すべきではないかと考えております。
○堀川委員長 ほかに御質問はございませんか。——ただいままで御質疑になつた方々の御意見を拜聽いたしますると、当委員会の意見としてまとめて、地方行政委員会の方に申し入れるという御希望のように見受けられるのでありますが、本件に関しましては時間的に相当急ぐ問題もありますので、このまとめる案を委員長におまかせ願うわけに行きませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 それではそういうことで、委員長の方でとりはからうことにいたしますから、さよう御了承願いたいと存じます。 それでは本日はこの程度で散会することにいたします。次会は公報をもつて御通知申し上げます。 午後四時三分散会