建設委員会 第33号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/04/28
会議録
○淺利委員長 これより会議を開きます。 この際国土開発法に関する小委員長及び道路法に関する小委員長より各小委員会の報告を聽取いたします。まず国土開発法に関する小委員長より御報告を願います。国土開発法に関する小委員長田中角榮君。
○田中(角)委員 国土開発法に関する小委員の大要を御報告申し上げます。 国土開発に関する基本法案制定の必要性の増大及びこれに拍車をかける地方団体あるいは民間の熱烈なる輿論にこたえ、かつわが委員会多年の研究結論を出さんといたしまして、去る三月十七日の国土開発法に関する小委員会を設置いたし、十五人の小委員をもつてその目的達成を期したのであります。ただいまより同小委員会の審議経過及びあわせて開発法に関する一般状況を御報告申し上げたいと存じます。 御承知のごとく昨年来より建設省においては地方計画法の作成を準備し、また内閣に設けられた総合国土開発審議会において、国土開発法の制定に関する必要性を昨年十一月答申し、本年二月、三月にそれぞれ審議会案を作成いたし、その早急なる成立を要望しておつたのでありますが、国土開発の重要性と各省所管事務に密接なる関係を有するため、各省とも種々の意見を持ち、さらには安本案なるものまで出るに及び、ますますその成立は混乱を来すに至り、当委員会においても数度にわたり官房長官等を招致し、政府の意見もただし、また議員提出の準備をもいたしたのであります。しかしながら政府としても内閣におきまして各省案の調整にあたり、本月十四日閣議決定をなし、内閣の責任において諸般の手続をなしたような事情でありますので、本小委員会も重複を避けるために、小委員会設置以来この推移を静観して参つたのであります。しかしながら諸般の事情により、いまだその手続を終了しないありさまであり、かつ会期もあと数日を残すに至つたので、この際政府の諸般の手続に関する困難をも認め、もし手続が今国会中に了しない見通しの場合は、あらためて議員提出によつてでも各省間のセクシヨナリズムを排した、すつきりした案をつくりたいと存じますし、またその一案は準備もできておるようなありさまであります。 なおこの小委員会は法案制定に限定することなく、今後開発につき当委員会の任務を果すためにも、新たなる形において存続せられますとともに、休会中の視察等においても、この問題を重要課題といたし、取上げられんことを要望いたし、小委員長の報告にかえる次第であります。 なお委員長に本小委員会として要望いたしたいのでありますが、本日になりまして、政府提案を予定されましたところの国土開発法が衆議院に提出せられるようであります。申し上げるまでもなく、建設委員会では第五、第六、第七国会を通じて、国土開発法の制定に対しては相当努力をいたして参つたのでありますし、当然本法案の審議は建設委員会に付託をせらるべきものと存じておるのであります。しかるに現在経済安定本部その他の委員会よりもいろいろな要望があるようでありますが、便宜他の委員会に移すというがごときことのないように、この国土開発法に限りましては、当委員会に必ず付託をせられるよう委員長において関係者に申し込まれんことを望む次第であります。 以上をもつて私の報告並びに要望を終ります。
○淺利委員長 次に道路法に関する小委員長の報告を求めます。道路法に関する小委員長江崎真澄君。
○江崎(真)委員 去る三月十七日、本委員会において道路法改正に関する小委員会が設置せられ、不肖江崎が小委員長として御指名をいただいたのでありますが、ただいまより、この小委員会における審議の経過並びに結果について簡單に御報告申し上げます。本小委員会は都合により正式な小委員会を開くことなく、打合会の形式で審議いたして参つたのでありまして去る三月二十二日、第一回の打合会を開き、国道網の審議に重点を置くことをきめまして、ただちに資料の収集整備に着手いたしたのであります。さらに四月二十二日、二十五日、二十七日と都合前後四回にわたりまして、関係当局よりの意見も聴いたし、愼重なる審議をいたしたのであります。 本問題は、大正八年以来約三十年にわたつて施行されて参りました現行道路法改正の根本をなすものであり、かつ、わが国国土再建の上よりみましても、きわめて重要にして、しかも愼重を要するものでありまして、会期の切迫と諸般の情勢とにより、今国会においてはその完璧を期することは困難であり、さらに審議検討を要するものが多々あると考えられる段階に到達いたしましたので、一応現在までの小委員会としての意見を、以下数箇條に要約いたし御報告申し上げる次第であります。 すなわち第一に、現行道路法における軍事的中央集権的要素を撤廃し、産業経済的要素に重点を置いた国道網計画を樹立する。なお、この際現状のみならず、道路開設後における経済効果を考慮することはもちろんである。 二、理論的に忠実なあまり、国家財政等の実情を無視し、逆に国道綱延長を縮小せしめるがごとき結論に陷らざるように注意する。 三、国及び地方の実情あるいは要望等も慎重に検討し、さらには将来における交通機能の進歩をも勘案し、むしろ国道綱の整備拡張をはかる。すなわちこの際、現在国道網延長八千九百キロを維持するのみならず、でき得るならば一万キロ以上一万四千キロ程度の国道綱計画とする。 四、前各項、特に第三項の目的を達成するために、休会中も継続審査を行い、国政調査によつて国道網計画の検討を行う。 以上の四点でありますが、本小委員会の意見につきましては、委員長においてよろしくお取扱いくださらんことを切望いたしますとともに、来国会におきましても、引続き本小委員会を設置せられ、すみやかに以上申し述べました諸点に合致する道路法改正を要望いたしまして、きわめて簡單ではでございますが、道路法改正に関する小委員会の報告を終る次第であります。
○淺利委員長 ただいまの各小委員長め報告に対しまして御意見はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 お諮りいたします。各小委員長の報告を了承するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 御異議なければさように決します。 ただいまの田中小委員長の申込みについては、委員長においてしかるべくとりはからうことにいたします。 なお国勢調査の件は、以上二件のみならず、ほかの問題とあわせてその手続をいたすつもりであります。 —————————————
○淺利委員長 次に請願及び陳情書の審査を行います。 請願日程第一、阿武隈川下流改修工事施行の請願、庄司一郎君外二名紹介、文書表第二号、ないし日程三九七、阿佐ヶ谷駅南連絡道路工事促進に関する請願、花村四郎君紹介、文書表第二八八七号、及び陳情書日程第一、琵琶湖総合開発事業に関する陳情書、大阪府知事赤間文三君提出、文書表第三号、ないし日程第六六、国土開発法又は地方開発法制定促進に関する陳情書、東京都議会議長石原永明君提出、文書表第八五四号を一括議題といたします。この際請願審査に関する小委員長の報告を求めます。請願審査に関する小委員長内藤隆君。
○内藤(隆)委員 ただいま議題と相なりました請願及び陳情書に関しまして、請願審査に関する小委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本小委員会に付託されました請願の総数は、三百九十七件でありまして三月二十七日第一回の小委員会開会以来六回にわたり、慎重に審査いたしたのでありますが、今日まで審査済みと相なりました請願の総数は三百七十件で、その内訳は、一、河川関係のもの百三十九件、二、道路関係のもの九十件、三、都市関係のもの二十件、四、住宅関係のもの百十二件、五、その他のもの九件と相なります。 第一の河川関係の請願につきましては、終戰前後を通じての改修工事の見送り、山林の濫伐等により、河川は全国的に荒廃いたしておりますところ、昨年度はヘイ、ジユデイス及びキテイ等の台風に数回見舞われ、多大の被害をこうむりましたので、その復旧工事については、ししとして努力がいたされましたが、一たび出水ともなりますれば、堤防の決壊、耕地の流失、人畜に対する悲惨事を現出しないとだれが保証し得るでしようか、これが対策としてすみやかに災害の復旧工事、砂防工事、または根本的治水対策の樹立等を要望いたすものであります。 第二の道路関係の請願につきましては、道路はこれを全国的に見ますれば、その荒廃はなはだしいものがありますから、すみやかに国道、県道等の改修をいたし、全国的道路組織の整備をはかりまして、重要物資の大量輸送を確保いたし、もつて国家経済の発展策を講ぜられたいという要望であります。 第三の都市及び第四の住宅関係の請願につきましては、都市建設及び住宅建築の事業は、終戰以来多少の改善を見たのでありますが、まだきわめて不満足の状態にあり、遅々として進捗せざるものがありますから、都市建設の促進及び金融公庫の創設による庶民住宅の大量建設等を要望いたすものが大部分でありまして、このほか首都建設法案、熱海国際観光温泉文化都市建設法案及び伊東国際観光温泉文化都市建設法案関係の請願が多少ございました。その他の請願につきましては、国土の総合開発、上下水道の敷設に関するもの等でございます。 去る二十五日の小委員会におきまして、内容の審査が一応終了いたした請願の取扱いについて慎重に検討した結果、本小委員会といたしましては、日程第一、第三、第四、第六ないし第一六、第一八ないし第三〇、第三二ないし第四〇、第四二ないし第四五、第四八ないし第六八、第七二ないし第九七、第九七ないし第一〇三、第一〇五ないし第二〇四、第二〇六ないし第二二五、第二二七ないし第二三二、第二三四、第二三七ないし第二五〇、第二五二ないし第二八二、第二八四ないし第三〇二、第三〇四ないし第三〇七、第三〇九ないし第三一六、第三一八、第三一九、第三二一ないし第三三四、第三三六ないし第三四三、第三四五、第三四六、第三五〇ないし第三六五、第三六七ないし第三七二、第三七四ないし第三九〇、第三九二、第三九三、第三九五及び第三九六の各請願は、いずれも適切妥当なものと認め、採択の上、内閣に送付すべきものと決し、日程第一〇四、第一〇五、第二三六、第二五一、第二八三、及び第三〇三の請願につきましては、首都建設法案、熱海国際観光温泉文化都市建設法案、伊東国際観光温泉文化都市建設法案及び建築士法案が衆参両院を通過いたしました今日において、すでにその目的を達せられたものと認めまして、会議の議決を要しないものと決しました。 次に陳情書につきましては、審査いたしました結果、日程第一ないし第七、第九ないし第一六、第一八ないし第二九、第三一ないし第四七、第四九ないし第五二及び第五四ないし第六六の陳情書は、いずれも了承すべきものと決した次第であります。 以上が請願審査に関する小委員会において審査いたしました経過及び結果でございます。 なお請願を重要視いたしまして、その重要なるものについては、立法化の手続をとつている米国の実例にかんがみまして、本委員会におきましても、請願の重要性につき、いま一段と認識を深められんことをここに申し沿えます。 以上、簡單ながら御報告申し上げます。
○淺利委員長 お諮りいたします。ただいまの小委員長の報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 御異議がなければさように決します。 なおただいま採択及び議決不要と決定いたしました請願に関する報告書の作成並びに提出手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼び者あり〕
○淺利委員長 御異議がなければさように決します。 —————————————
○淺利委員長 次に昨二十七日付託になりました建築基準法案、内閣提出第一八八号を議題といたします。この際提案理由の説明を求めます。益谷建設大臣。
○益谷國務大臣 建築基準法案の提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 本法案につきましては、政府としては三月一日閣議決定を見て以来、すみやかに国会に提案すべく努力して参つたのでありますが、いろいろの関係上遷延し、今日に至りましたことを何とぞ御了承お願いいたします。 戰争以来、わが国の建築は、その量の増加にのみ力が注がれ、質の改善が閑却せられがちでありましたことは周知の通りでありまして、保安上、衛生上好ましくない建築物が建築せられ、毎年火災その他の災害による建築物の損耗はきわめて大なるものがあります。かかる建築物の災害を未然に防止し、国民の健康及び財産を保護するためには、建築物の質のある程度の水準を確保しなければならないと考えられます。現在建築物の質の規正に関する法律といたしましては、市街地建築物法がありますが、この法律は制定以来満三十年を経過しておりまして、その間若干の小改正を経てはおりますが、今日においては、その形式及び内容ともに不備な点が多く、新憲法の精神にかんがみて改正を必要とするものであり、かつわが国建築の質的改善による災害の防止、国民生活水準の向上には十分に寄與し得ないうらみがあります、しかして幸い最近において建築資材の需給も円滑となつて来ましたので、臨時建築制限規則による建築統制を廃止して、建築物の質的改善を積極的に推進できる機運にもなりましたので、この際市街地建築物法を廃止し、あらためて新たな構想により、建築物に関する基本法を制定する必要があると考えまして、本法律案を提出する次第であります。 次に基本案の要旨について御説明申し上げます。第一に現在の市街地建築物法は、保安、衛生または都市計画上必要な建築の制限をおもな内容としておりますが、その具体的な制限内容をほとんど命令に委任しておりますので、これを改めまして、国民の権利義務に関する重要事項はすべて法律で具体的かつ詳細に規定することといたしました。 第二に、地方自治を促進する見地からいたしまして、地方公共団体において、條例で地方の実情に即してこの法律に規定する建築の制限を強化し、または緩和できるようにするとともに、この法律の執行は地方公共団体の責任とし、特に能力のない市町村についてのみ、これを有することにいたしました。 第三に建築物がこの法律に定める最低基準に適合することを確保する手続については、従来のような都道府県知事の認可制度を廃止いたしまして、建築行政に関する専門的知識、経験を有する市町村または都道府県の建築主事の確認をもつて足ることと、かつその処理期間を法定いたしまして、事務処理の責任を明かにし、手続の簡易迅速化をはかりました。 第四に、この法律を施行する手続の適正、民主化をはかるために、重要事項については公開による聽聞の制度を設けるとともに、市町村及び都道府県に民主的な構成を有する建築審査会を設置して、建築主事の処分に対する異議の申立ての処理その他、この法律の施行に関する重要事項について諮問すべきものといたしました。なお住民の創意を尊重して、住宅地としての環境の維持または商業の便利の増進をはかる等、建築物の利用を増進し、かつ土地の環境を改善するために、建築協定の制度を設け、自主的に建築に関する基準を設け得ることといたしました。 第五に、建築物の質に関する実体的の規定につきましては、現行の市街地建築物法令の施行の経験にかんがみ、全般的に改善を加えましたが、特に最近の火災その他の災害頻発の状況にかんがみまして、防火及び防災に関する規定を極力整備いたしました。 以上築建基準法案のおもな要点につきまして御説明申し上げました。本法案の実施がわが国建築文化の向上に寄與するところ大なるものがあることにかんがみ、何とぞ十分に御審議の上すみやかに議決くださいますよう御願いいたします。
○淺利委員長 それでは一応住宅局長から御説明を承りましよう。伊東政府委員。
○伊東(五)政府委員 逐條的に簡單に申し上げますが、その前に法案作成の経過をごくかいつまんで申し上げたいと思います。これは終戰後間もなく昭和二十一年に建設省に建築法規調査委員会というものをつくりまして、建築法案という一応の成案ができたのでありますが、その当時まだ資材状況が悪かつたので一応提案を見合しておつたのであります。最近資材状況も好転して参りましたので、昨年七月にそれをもととしまして、一応住宅局試案というものをつくりまして、それを建築に関する各団体に十分説明をし、御意見を承つたわけであります。たとえば日本建築学会、日本建築協会、日本建築士会、全国建設業協会、日本建設工業協会その他関係方面のGHQの專門係官等の御意見も十分伺いまして、結局この三月一日にこの案が閣議決定したわけでございます。その後関係方面等の連絡に相当ひまどりまして、ようやく二十五日に提案をするということになつて、非常に遅れましたことを申訳ないと存じます。逐條の御説明でございますが、現在市街地建築物法によりまして実施いたしておりまする点を省略いたしまして、なるべく新たな点、追加いたしました点、変更した点などにつきまして申し上げたいと思います。 大体第二章から第七章というのが市街地建築物法に現在規定されておりますので、大体これはそれがもとになつております。第一章総則でございますが、第一條は、目的、第二條は、用語の定義であります。第三條は、適用除外の場合でございますが、国宝とか特殊の建築物、それから第二項が現在建つている建物、第三項が現在工事中の建物などにつきまして、この法律の規定を除外いたしております。第四項は第三章から第七章までの規定、これは大体都市計画的の規定でありますので、それは都市計画区域内に限つて適用するということになつております。 第四條は、建築主事に関する規定でございますが、現在この建築認可は都道府県知事が当つておりますが、これを專門技術者である建築主事にまかせることにいたしております。建築主事は市町村に置くことができるということになつておりますのが現在と非常に違う点でございまして、現在は都道府県に置いておりますが、これを市町村に置くことができる。但しこの建築主事を置こうとする場合には、都道府県知事と協議しなければならないことになつております。そうして市町村に建築事務担当者を置かない場合には、都道府県が建築主事を置いてその事務を扱うということになつております。それからこの建築主事につきましては、第五項におきままして資格検定に合格した者でなければならぬということになつております。 第五條は、この建築主事の資格検定に関するものでございますが、この検定は建設大臣が行う。そうして建築士またはこれと同等の実務の経験を有する者で、二年以上の建築行政に関する実務の経験を有する者、あるいはこれと同等以上の者でなければならぬのであります。この建築主事の検定を行いますために、第四項によりまして建築主事資格検定委員というものを建設省に置くことになつております。 第六條は、建築をしようとする場合の手続に関する規定でございまして、これは現在都道府県知事が当つておりますが、これを建築主事にいたしまして、手続を簡素化いたしました。そうしてこの取扱いの期間を法定をいたしまして、普通の住宅などの建築については七日以内、学校、病院、劇場というような特殊の建築物は三週間、二十一日以内に適否を決定しなければならないということになつたものでございます。それから手数料の規定が第五項にございますが、普通の建築では小さいものでは五百円、大きなものは三千円を越えない金額の範囲内で手数料を納めてもらうことになつておりますが、これは現在実施いたしております市街地建築物法と大体同様であります。 第七條は、建物が竣工した場合の規定でございますが、これは届出をして検査するという点は現在の通りであります。これに期日期限を切りまして、七日以内に返事をしなければ勝手に使つてもよく、また仮使用の承認をすることができるといつた点を加えます。 第八條は現在の通りでございますが、維持保全に関する規定でございます。 第九條は建築物の法令に違反した場合の規定、それから第十條は、保安上非常に危險な、うつちやつておくと生命の危險があるといつたような場合、衞生上非常に有害だといつた場合に対する措置であります。 第十一條は、第三章から第七章までの規定に適合しなくなつた場合の措置、この三箇條は現在も大体行つておる通りでありますが、ただ民主的にいたしますために公開聽聞の規定を設けました。 第十二條、第十三條、これは報告、臨検等でありまして、これは現在の通りでございます。 第十四條は、都道府県知事または建設大臣の勧告、助言、援助などの規定でございまして、特に市町村などで新たにこの法令の施行を取扱うという場合もございますので、こういう場合に勧告や助言をすることができるということにしたわけでございます。 第十五條は、現在GHQの命令によつて建築の統計をとつておりますが、その規定をここへ移したものでございます。 第十六條は報告の規定でございますが、これは現在法令の根拠はございませんか、実施しておるものでございます。 第十七條は、特定行政庁などに対する監督でございますが、特定行政庁と申しますのは、市町村でこの事務を担当しておるもの並びに都道府県でございますが、これに対して建設大臣が、この法令の施行について監督することができるということになつておるわけでございます。 第十八條は、国の建築物あるいは都道府県、市町村などのみずから行う建築に関してでございますが、これは現在も市街地建築物法の適用はございますが、国の建築物に対する規定は明確を欠く感がございまして、かえつてその建築物に違反が起きるということもございますので、この点につきまして明確にいたしました。同時にこの手続は、民間の建築物と同様にすることは、やや不適当だと考えますので、建築主事の確認を要するというような場合には、これを通知をすればよろしいとか、こういつた点につきまして、事務的な特別な取扱いを規定したのでございます。 第二章は、建築物の個々のものにつきまして、それの敷地とか構造とか設備などについて規定したものでございます。 第十九條は現在通りでございます。第二十條も同様、第二十一條も同様でございますが、第二十一條は高い建築物は木造ではいけないということは現在もやつておりますが、そのほかに延面積三千平方メートルを越えるもの、九百坪というような非常に大きな建物も、同様木造ではいけないということにしたわけでございます。 第二十二條、二十三條も同様でございます。 第二十四條は新しく規定しました。すなわち学校、劇場、映画館といつたような種類のもの、百貨店、それから多数の人が住居します共同住宅、寄宿舎、病院、こういつたものにつきまして、特に規模の大きなものは、木造の建物は外壁や天井を防火的に処理しなければならぬという規定でございます。それから第二項におきまして、その中で特定のものは、部屋の内部もやはり防火的にしなければならぬということでございます。 第二十五條は、千平方メートル、三百坪を越えるものでございますが、これは外壁とともに屋根も不燃材料でつくらなければならぬということを、第二十四條に伴いまして規定いたしました。 第二十六條は、現在市街地建築物法適用区域についてはやつておりますが、非常に大きな木造の建物は、防火壁をところどころに入れるということでございまして、多少技術的にかえましたが、大体現在の通りでございます。 第二十七條は、特殊建築物の耐火構造に関する規定でございますが、これは新しい規定でございますので、劇場、映画館、演芸場、こういつた観客席を有するものについては、その観客席の床面積が六十坪を越えるもの、その他二階建以上で、大きな病院、共同住宅など、それから三階以上の学校、病院など、同様に三階以上の百貨店、市場、展覽会場等、それから自動車の車庫で特に大きなもの、それから危險物の貯蔵、処理場、こういつたような特に火災の危險の非常に大きなものは、この規定によりまして、外壁や屋根などを耐火構造にしなければならぬということでございまして、これは新たに防火的の見地から加えたものでございます。 第二十八條は、居室の採光及び換気に関するものでございますが、これも大体現行通りでございますが、住宅とか学校、病院、そういうものにつきましては、現在採光面積か床面積の十分の一以上あればいいのでありますが、これを七分の一以上ということで、多少窓の面積を大きくしております。 第二十九條は、住宅の居室の日照りについてでありますが、これは新しい規定でございまして、衞生の見地から居室のうちの一つ以上は、開口部は直接日を受けるようにしなければならぬということでございます。これは罰則がございませんので、やや精神的な規定ということになるわけでございます。あまり嚴重にこれを実施することも困難だと思いますが、なるべく衞生的な家を建てさせるということにいたしております。 第三十條も同様でございまして、地階に住宅の居室を設けてはいかぬ、これも衞生的の見地から同じ趣旨で入れました。 第三十二條は電気設備に関する規定でございますが、特に電気設備の火災が非常に多いのでございまして、電気工作物の法令に基いて、防火的工法によつて行われなければならぬということにいたしました。 三十三、三十四及び三十五、三十六、三十七條は、大体現在実行しておる通りでございます。 第三十八條は、新しい考案の材料、構造方法というようなものが将来出て来ました場合に、この法令にそのまま当てはまらぬ場合があることが予想されますので、これについては特別の取扱いをするということを規定いたしました。 第三十九條は、災害危險地区に関する規定でございまして、これは新たに加えたものでございますが、たとえば三陸でしばしば津波を受けるとかあるいはそのほか高潮、出水などで大災害のはつきり予想されるというところもあるわけでございますので、そういう場合には区域を指定いたしまして、そこでは住宅に限つてこの建築物を制限するなり、あるいは構造的に一定の制限を加えるなりいたします。そうしてこれは地方の條例により規定してもらう、こういうことにいたした次第であります。 四十條、四十一條はこの法律に直接規定いたしたものは最低の基準を規定したものでありますので、四十條によつて地方の條例でさらに規定を追加するということを認めたものでございまして、 四十一條は、それとは逆に田舎でこの最低基準の通りやらなくてもいいという場合も予想されますので、そういう場合には建設大臣の承認を受けた上で條例をもつて制限の緩和をすることができるということにいたしたわけであります。 第三章は、道路及び壁面線に関する規定でございまして、この章以下第七章までは都市計画区域に限りまして都市計画の一部として実施するものでございます。道路の定義は、現在もございまして、幅員四メートル以上のものを道路ということになつておりますが、それをやや具体的にここで規定したわけでございます。現行法と多少違つておりますのは、この第一項第五号に「土地を建築物の敷地として利用するため、道路法又は都市計画法によらないで築造する道」つまり私道でございます。そういうものは特定行政庁からその位置の指定を受ければ、これを道路とみなすということにいたしております。現在は建築制限を知事が一方的に制限するということになつておりますが、この場合は利用者が行政庁に道路の指定を受けるということにして、これを道路とみなすということにいたしました。第二項に既存の市街地などで四メートルの道路がない場合もございますが、一間ぐらいの道路もずいぶん多いのでございます。その場合は位置の指定は一・八メートル、一間以上、あるいはその中心線から両側に二メートルずつ、すなわち四メートルの線をもつて仮定の道路境界線とみなしてこの法律を適用するわけでございます。 四十三條は敷地と道路との関係でありますが、これは大体現在行つておる通りでございますが、この二項におきまして車庫その他の特別の建築物につきましては、その接する幅などにつきまして條例でもつてもう少し合理的な制限を加えることができるようにいたした点が違つております。 第四十四條は道路と計画道路内の建築制限でありますが、道路内地は原則として建築物を許可いたしませんことは現在の通りでございます。ただ都市計画として決定いたしました道路としては、現在は計画道路には原則として建築をさせないことになつておるのでありまして、もし建てる場合には特別な許可を要することになつておりますが、これは実情から見まして適当でない点もございますので、その点を大幅に緩和いたしまして、この法律では二年以内に事業を行うものに限つて禁止制限ができるということにいたしまして、その他の計画道路につきましてはごく簡單な建物、木造とか鉄骨造、そういう移動容易なものに限つて建ててもよろしいということにいたしまして、別に特別の許可を必要としないことにいたしたわけであります。 第四十六條は壁面積の指定でございます。第四十七條はその指定に伴う建築の制限であります。これは現在もこの通り行つております。但しこの指定につきましては、都道府県知事が一方的に指定をしておりましたものを、今回は建築審査会の同意を受けなければならぬということといたしまして、なお利害関係者の出頭を求めて公開聽聞を行わなければならぬという二点を加えただけであります。 第四章は用途地域に関する規定でございますが、この点につきましては大体現在行つておる通りでございます。かわりました点を申し上げますと、第四十八條に用途地域の種類が規定してございます。住居地域、商業地域、準工業地域となつておりますが、準工業地域というのはただいま未指定地域と称しておりまして、それをそのまま名前をかえたわけでございます。各地域の制限の内容は別表にございますが、その別表は現在の通りでございまして、ただ工場の規模を、現在規定しておりますのは馬力数によつて規定しておるのでありますが、これは床面積に改めて、馬力数の変更などが容易にできるようにいたした次第でございます。この工業地域内のものにつきましては、現在工業地域というのは無制限の地域になつておりますが、これも適当でないので、特別なもの、学校、病院、劇場、映画館、演芸場、料理店、旅館、これだけのものにつきましては原則的に工業地域内では禁止することに改めました。 第五十條の專用地区、それから五十一條の用途地域について、すでに建つておる建物に対する制限の緩和、これらは現在の通りでございます。 第五十二條は特別用途地区でございますが、特別工業地区、文教地区といつたものをこの用途地域の中にさらに指定することができる。これは全然地方にまかせまして、地方の條例でこれの内容を決定することにいたしております。このことは現在東京都におきましてこの種類の特別用途地区を指定しておりますが、法の根拠がございませんので現在東京都で行つておるものを法制化いたしたようなわけでございます。 第五十三條は特殊建築物の位置、火葬場あるいは屠殺場とか卸売市場、伝染病院、ごみ燒却場、または汚物処理場、こういうものを用途地域で指定することは非常に困難でございますので、これは特定行政庁の許可を受けることにしております。但し都市計画としてこれを一応決定しておるような場合も多いのでございますが、その場合はその方針通りに従うことになつております。それからこの用途地域全般につきましてこの特別の許可を受ける場合がみなそれぞれあるのでありますが、現在はこの点につきましては都道府県知事が許可するということになつておりますが、これを建築審査会の同意を得なければならぬということと、利害関係者の出頭を求めて公開聽聞を行う。これによりまして用途地域制ということが濫に流れないようにいたしたわけでございます。 第五章は建築物の面積、高さ及び敷地内の空地の規定でございます。これは用途地域制と関連してそれぞれの用途について建築物の密度、高さというものを規定したものでございますが、これと現在行つておるものと大差はございません。第五十五條におきまして制限を若干強化いたしておりますが、すなわち現在住居地域等では敷地面積に対して十分の六以下でなければならないのでありますが、これを敷地面積から三十平方メートルを差引いた——九坪を差引いたものについて十分の六以下といたしました。商業地域については現在十分の八以下のものを十分の七以下にいたします。そのかわり、防火地域内では耐火構造のもの、あるいは町角にあるものなどにつきましてはそれぞれ一割ずつ割増しを認めることにいたしました、その敷地と建築面積との割合、建設密度については保健衞生という立場並びに防火の立場から非常に重要な事項でありますのと、また制限といたしましてはかなり影響するところ大でありますので、いろいろと検討いたしました結果、この程度に強化することにおちついたわけでございます。第五十六條、これはまつたく現在と同じでございます。第五十七條の高さの限度、これも現在と同じであります。第五十八條の道路の幅員と建築物の高さの関係、これも現在と同じでございます。第五十九條の高度地区の指定、これも同様でございます。 第六章の防火地域でございますが、この関係も現行と大差はございませんが、やや強化した点がございます。現在防火地区としては甲種防火地区、乙種防火地区、準防火地区、こうなつておりますのを、甲種をここでは防火地域に改めまして、乙種防火地区及び準防火地区を大体準防火地域といたしまして、二本建にいたして、この場合にこの指定につきましては国家消防長官の意見を聞くということになつておるほか、その他は現在の通り都市計画委員会において決定することになるわけであります。 第六十一條は、防火地域内の建築物の制限でございますが、百平方メートル、つまり三十坪を越えるものは主要構造部、それからその他の建築物とありますのは、大体五十平方メートル、十五坪以上になるわけでありますが、その中くらいの建物の外壁を耐火構造にしなければならぬということになります。ここで現在と非常に違うところがございますか、現在は甲種防火地区内でも知事の許可を受ければ木造ができることになつておりまして、現在防火地区に指定されましても、大多数は木造でできております。今回特別な許可をとりやめましたので、防火地域に指定されましたところは全部この原則で行くことになつております。 第六十二條は準防火地域内についてでございますが、これは大体普通の建築物は現行の通り、木造建築物は外壁などをモルタルなどの防火的な構造にすればよろしいことになりますが、特に大きな規模のもの、階数が三階以上のもの及び廻りの面積が五百平方メートル、百五十坪以上のものについては、耐火構造にしなければならぬ。鉄筋コンクリートにしなければならぬということで、準防火地域においても特に火災の危險の非常に多いところ、高い建物、非常に大きな建物については防火地域と同様に、鉄筋コンクリートなどにするということになるわけであります。 六十三、六十四、六十五、大十六、六十七條は現行通りでございます。 第七章、美観地区でございますが、これも都市計画区域内に適用されるものでありまして、現在の制度があるわけでございますが、かわりましたのは、美観地区の指定は建設省でやつておりますものを地方公共団体の條例にまかせたのであります。 第八章、建築協定これは新しい構想で、新しく加わりました規定でございますが、一つかみに申しますと、住宅地とかあるいは商店街という狹い区域の関係者、土地の関係者、所有権者、借地権者などが相寄つて一つ建築についての約束をつくる、これは全員で協定するわけでありますが、全員の同意を得て一つの約束をつくりますと、それがここに書いてあります手続によりまして一つの規則と同様の効果を発生することになるのでございまして、後にその敷地を借りておつた人、所有者になつた人、借地権者になつた人にも協定が適用されることになるのでございます。そういう第三者に対する制限もありますから、この手続は慎重を期しておるわけでございまして、特定行政庁の認可を必要といたします。また公開の聽聞を必要といたしております。 第九章建築審査会でございますが、先ほど申しました許可認可についての同意をするとか、それからこの法令についての処分に不服のある場合、裁定を求めるといつた場合に、この裁定を行うというようなことをいたすと同時に、この法令の施行についての一つの諮問機関の役割をするという性質のものでございます。これはこの事務を扱うところの市町村、都道府県に置くわけでございます。この建築審査会の組織はごく小規模のものでございまして、普通は委員五人くらい、ごく大きい場合でも七人以内でもつて構成いたしまして、その構成メンバーは、建築とか、都市計画、公衆衞生行政、こういつたようなものの学識経験のある者からきめるわけでございまして、なおその総数の二分の一以上は建築に関して学識経験のある、たとえば建築士というようなものから選ばなければならないということになつております。この委員の任期とか、委員会の構成などにつきましては省略いたします。 第十章は、雑則でございますが、第八十四條は、被災市街地における建築の制限でございまして、大火災後などに土地区画整理を施行するといつた場合がございますので、この設計などについて、若干のひまがかかりますので、その間大体一月以内は、ある程度の建築の制限をなし得ることになつております。 第八十五條は、仮設建築物に対する制限の緩和でございますが、二通りございまして、一つは、災害地に対する仮設建築物でございますが、応急のバラツクというようなものは、これも一月以内に工事に着手するものについては、この法令を適用しない。それからもう一つは、第四項でございますが、仮設興行場、博覽会建築物、こういつたような仮設的な一時の使用に供するようなものについても、一月以内使うもの、それから六箇月以内使うもの、この二通りになつておりますが、どちらもある程度制限を緩和することになつております。 第八十六條は、一街区内に総合的に設計をして建てる場合の取扱いでございますが、原則としましては、一敷地ごとに道路との関係とか、空地の関係、高さの関係、採光面積の関係などを規定しておるわけでございますが、一つのブロツクを一団として、総合的に合理的な設計をした場合には、全体を一つとして認めて取扱つてよろしいということになつて、実際的に相当制限が緩和されることになるわけであります。 それから第八十七條は、用途の変更に対するこの法律の適用でございますが、原則としましては、用途を変更します場合には、その当該建築物を新たに建てるものとして、この法律を適用するわけでございますが、類似用途については、政令で指定いたしまして、その相互間の変更は認めないことになつております。 第八十八條は、工作物への準用でございますが、煙突とか、広告塔、高架水槽、擁壁、こういつたような工作物につきましても、他にまつたくこれと同じ関係にあるものがございますので、これらの建築物と同様に、この規定を準用することになつております。 第八十九條は、工事現場における確認の表示でございます。 等九十條は、工事現場の危害防止、これは現在やつております。 等九十一條は、この二つの区域、地域、地区にまたがる場合でございまして、これは過半の分が属する区域、地域の建築物に関するこの法律を適用することになつております。 第九十二條は、面積、高さ、階数などの算定の方式についてであります。 第九十三條は、許可、確認などに関する消防長の用意に関する規定でございます。これは現在消防法によりまして、建築をする場合には、消防長、消防署長の同意を得なければならないことになつておりますが、これにつきましては、この委員会もいろいろ問題がございましたが、この改正によりまして、ややこれを合理的にいたしたつもりでございます。すなわち一点は、この消防長、消防署長の同意を與える期限を切りまして、三日以内あるいは場合によりまして、七日以内に同意を與えて、建築主事に通知しなければならないという期限を切りましたのと、もう一つは、これも第二項にございますが、同意をしないということが、消防長や消防署長の独断ではできないのでございまして、何か法律とか、命令とか、條例などに規定してあることにつきましてのみ、同意を與えないことができるというふうに、その判断の範囲を限定いたしたのでございます。この二点を現在の消防法第七條を改めたのでございます。 第九十四條から第九十六條まででございますが、これは異議の申立て、訴願、それから出訴権などにつきまして、規定したものでございまして、異議の申立ては、建築審査会で取扱うこと、それからその審査会の裁定に不服のある場合には、建設大臣に訴願をする道を開きました。さらに出訴権も、従来通り認めたのでございます。 第十一章は、罰則でございますが、この関係は非常に複雑しておりますので、簡単に申し上げます。この法律の罰則の適用を受ける者でございますが、従来は大体におきまして、建築主とか、建築物の所有者というようなものを、原則として対象にいたしておりましたが、今回これを改めまして、建築技術的な事項についての違反は、すべて設計者の責任といたして、これを罰することにいたしました。工事の施工につきましては、工事施工者を罰することにいたしました。ただ用途地域関係のような技術的な事項でないものにつきましては、建築主を直接罰するということでございます。設計者がこの建築主のさしずによつてやつたといつたような場合に、初めて建築主を罰することにいたしたのでございます。 それから罰の重さでございますが、従来体刑もございましたが、これは体刑をやめまして、罰金のみにいたしまして、罰金を十万円以下と、五万円以下、一万円以下の三種類にわけました。十万円以下の罰金は、違反者が使用禁止とか、除却とかの命令を受けて、なおこれに従わなかつたという悪質な場合に限つたのでございます。それから一番軽い一万円以下の場合は、届出とか、報告などを怠つたような軽い場合のことでございます。その他は全部五万円以下の罰金といたしております、また地方の條例できめましたことについての違反は、これは最高五万円以下といたしまして、その條例で罰則を設けることになつております。 最後に、附則でございますが、第一項は、施行期日でございまして、附帶命令をつくつたりする関係もございまして、若干の猶予期間を置きまして、公布後三箇月から六箇月以内に、政令で定めることになつております。 第二項は、市街地建築物法とか、臨時建築制限規則など、九つの法律を廃止いたしたのでございます。 第三項は、建築主事は検定を受けなければなりませんが、現在都道府県で市街地建築物法の施行に当つております建築監督主事に限つて、資格がない場合でも一年以内は臨時にこの建築主事になれることといたしました。 それから第四項及び第五項、これは従来市街地建築物法に基いて指定しております各種の用途地域とか防火地区とか建築線といつたようないろいろな指定につきましては、これを自動的にこの法律によつて乘りかえることにいたしました。 第六項以下は大体事務的のものでありますから説明を省略させていただきます。 以上非常に急ぎましたが、この法案につきまして逐條の御説明を終らせていただきます。
○淺利委員長 これより質疑に入ります。通告がありますからその順序によつてこれを許します。前田榮之助君。
○前田(榮)委員 たいへんこの法案は広範囲にわたつておるので、十分精読しないと質疑も十分に行われぬと思います。従つて本日は私がごく簡單に見受けられるような点だけを質疑いたしまして、詳細の点は後日に讓りたいと思いますが、まず第一にこの法律によつて監督が市町村に移る場合において、建築主事は市町村に設けることができると書いてあるので、設けなければならぬとも書いてありません。従つて市町村の中に、設ける市町村と設けない市町村が出て来ると思うのであります。しかしこうした法律がある限りは、だんだん設けざるを得ないような状態になると思うのであります。そういうことになりますと、市町村の負担が、相当貧弱な町村においては、過重な状態になりはせぬかと思うのでありますが、まず第一にこの点をお伺いするのであります。 その次には、設けられない町村においては、たとえば町村がよく組合町村等をつくつて合理的な町村財政を整備する、あるいは学校等におきましても組合立学校というものがあるのでありますが、この法律に、今説明を聞きますると、そういう点が加味されておりませんが、二、三箇町村が合同で建築主事を置くような制度にしてやれば、市町村でも非常に助かるのではないか、こう思うのでありますが、この点に対する当局の御所見をお伺いするのであります。 それからその次に、この建築主事の点でありますが、建築主事をだんだん各町村に置くようになりますと、現在の有資格者の数の関係において、現在府県には相当それに適当する者がおりますが、これがだんだん市町村の方へ行かせないと置けないことになりますが、そういたしますと府県ではそうした該当者がなくて困るというようなことになりやせぬかと思うのであります。その点の御所見をお伺いしたい。 第四番目には、この規定にどうも明確でないと考えますが、これは東京都の問題でありますが、東京都におきましては区制が布かれておりますが、東京都のような大きい所では各区に置くことが適当ではないかと思うのであります。この点どうも東京都庁にのみ置くということじやなしに、各町村に置かせるということになれば、東京都のような区制が相当大きい、市にも該当する行政区域になつており、行政的な量を持つておる関係上、当然区に置かなければならぬ状態になるのが公平ではないかと思うのでありますが、まずこの四点をお伺いする次第であります。
○伊東(五)政府委員 市町村がこの事務を取扱うようになつた場合に、負担の関係がどうかという御質問でございますが、この法律の施行に要する経費は大体先ほど申し上げました手数料でまかない得るんじやないかと思つております。それから特に貧弱な町村などにつきましては、この法律の中で町村にまで適用されることはごく少いことでありますので、実際問題としては町村はまあ大都市の隣接町村というようなものは別かもしれませんが、一般的にはあまりその必要がないのじやないかと思つております。もし負担の関係でできないという場合は、現に都道府県は、市町村がやらない場合には都道府県がやらなければならぬということになつておりますので、結果としてそういうことになるのじやないか。まあ費用の点につきましては、そんなことで大したむりはなく行くんぢやないかと思つております。 それから第二点の組合町村の関係でございますが、この法案には九十七條に事務的な規定を書いておりますが、根本は地方自治法に規定されておりますので、組合でやるということはできるわけでございます。 それから第三点は都道府県の建築主事が市町村の方へ移つて都道府県では人がなくなるんじやないか、こういう点でございましたが、これは市町村に移す場合に都道府県と市町村との間に協定をすることになつておりますので、まあ大体そういうことは心配ないじやないかというふうに現在のところ考えております。 それから第四点の東京都の特別区については、地方の市よりも大きなものがあるんだから区にやらしたらどうだというような点につきましては、東京都では現在各区に建築課を置きまして、そこで普通の建築物については区が区の建築課長の專断でやつております。この法案におきましても、この建築主事はの地域別に適当に配置することができるということになつておりますが、東京都におきましては当然に各区に建築主事を置きまして、その区の建築主事が取扱うということにいたしたいと思つております。
○前田(榮)委員 そういたしますと、市町村等にも置くことができるのでありますから、置く町村がないとは言えないのでありまして、そうしたときに、現在行われておる行政が府県で統一する、あるいは都で統一するという場合に、この行政上の扱いがまちまちになるおそれが、町村に移管いたしますとないとは限らないのでありますが、それに対する御用意はいかがなされておるか、この点を伺いたいと思います。
○伊東(五)政府委員 現在でも都道府県ごとの統一につきましては、建設省が指導監督の任に当つておるのでありますが、今回それをさらに市町村まで下げて来た場合に、数が多くなりますから、その点が統一がとりにくくなるということは考えられます。これに対しましては、この法令を取扱う建築主事というものを建設大臣において一本にして限定をして行くということ、それから市町村に対しましては、都道府県が勧告をしたり指導したり援助するというようなこと。違反があつた場合には、都道府県や直接国が乘り出してこの違反を処理するというようなことになりまして、なるべく統一をとるようにいたしたいと思つております。これは根本的には市町村という自治体についてこの法令の施行を認めておりますので、多少今よりは統一がとりにくくなるということは認めざるを得ないのでありますが、根本的な大きな方針よりしてこういうふうにしたわけでございます。
○前田(榮)委員 その次にはこれの行政上の権限の問題でございますが、市町村長に相当権限が附與されておるものも見受けられますが、建設大臣が直接権限を持つておる面もある。たとえば本法第十七條の建設大臣の権限に属しておる部面において地方自治法と多少矛盾したところがあるのではないかと思われるのですが、この地方自治法を十分御研究になつてこれと矛盾しておらぬという御確信があるのでありますか、その点お聞かせ願いたいと思います。
○小林説明員 ただいまお尋ねの問題は、十七條と地方自治法との関係はどうかという御質問でございますが、これは私の方でも法務府それから自治庁と協議いたしまして、十分研究の結果でございまして、地方自治法にはいささかも抵触しておらないと確信しておるのでございます。どういう点が御疑念か、もし御疑念の点がございましたらお答え申し上げたいと思います。大体第十七條の條文をちよつと逐條的に申し上げますと、第一項及び第二項は建設大臣と都道府県知事の建築主事に対する監督の規定を入れておいたのでありまして、建前は市町村が建築の仕事をする実力を持つておる限りは、市町村にまかせよう。しかしながら建築基準法並びにこれに基く政令によつて、最小限度の確保をすべき規定だけは、国または府県がこれを監督して確保して行く、そういう措置をとる必要があろうというので、一項と二項に大臣及び知事が建築主事の処分についての監督規定を置きました。置きましたけれども、主事に違法処分があつても、たとえば大臣がただちにその建築主事に対してとやかくするということは、自治法の精神から見て行き過ぎでありますので、その場合は知事に対して監督上の必要な処置をとることを要求する。知事におきましては場合によつては——非常に重い場合を考えれば懲戒処分なり戒告処分なりの処置を講ずる、こういうふうにいたしたのであります。 それから三項、四項の問題は、今度は知事あるいは市町村長がこの法律または政令に違反の行為があつた場合にこれをどう是正するか、こういう問題でありまして、この知事の場合には、建設大臣がこの地方自治法の有名なマンデイムス・プロシーデイングスと言つておりますが、裁判所に請求して知事の違法処分に対して国の大臣が強制手段を講じ得る規定がありますので、それを援用して参りまして、知事がもし違法の場合には建設大臣が裁判所の裁判をもつてこれを励行するように命じ得るようにしたのであります。自治法の手続をそのまま援用して参つたのであります。 五項は知事の市町村に対する同様な権限でありまして、これも自治法の手続によつてやつておりますので、地方自治法との関係につきましては全然心配ないと確信しております。
○前田(榮)委員 ただいまの御説明ではまだ十分でないと思うのですが、これはもう少し私の方でも研究しなければならぬので、この点は後日に讓ります。 その次には本法二十八條、二十九條等にある住宅の問題につきまして、いろいろこの建築基準法によつて今後の住宅は——先般衆議院を通過いたしました住宅金融公庫法の中にも文化的な住宅を建てなければならぬというふうになつており、本法の目的がまたその向上をさせるという点にあるのでありますが、大体これが法律ではつきりきめることも困難なのかもしれませんが、この中にも一つの精神法を織り込まれておることは今御説明になつたのでありますが、現在建つておる家屋と隣接した地域に家屋を建てられるために、窓の関係、採光、通風の関係が、今まで日当りもよかつたにもかかわらず、日当りが悪くなる、こういうことになる場合が、ことに商店街や市街地には多いのでありますが、これは外国の例におきましても、イギリスあたりにおいては他人の窓などを十分考えて家を建てろというようなことがあるやに承つておるのであります。この規定にはそういうものがないようでありますが、むしろこの際社会共同生活の上からいつて、こういうことこそこうした画期的な基準法をつくる場には必要なのではないかと思つておりますが、何ゆえにそういうものをおつくりにならないのか、こういう点を第一点にお伺いする次第であります。 第二点は土地の問題でありますが、これは熱海、伊東あたりのような急坂なるところに屋敷を持つ場合によく起る問題で、ことに関西地方は神戸だとか呉だとかいうところにはいくらも例があるのでありますが、せつかく安全なうちを建てたのにかかわらず、その北側の隣接しておる屋敷を石垣のそばまで掘つたために非常な危險な状態になつて、それがためにその家屋の倒壞等の危險をかもすようなことがあるので、基準法の中にはいろいろそういう意味を加えたものが規定されておりますが、その屋敷の近接した石垣の危險、家屋の危險を防止するようなものがただいまちよつと見当らぬのでありますが、それをこの際加える必要があると思うのですが、その点の御所見はいかがなものでありましようか。
○伊東(五)政府委員 日光とか通風などの、既得権益の保護についての規定が欠けておりはせぬかこういう点でございますが、これはお話の通り英国にはエンシエント・ライトの規定がございまして、現在通風や日当りを受けておるところを妨げる場合に制限する規定があるのでございます。しかしこれはこういう思想が非常に発達しておりまして、古くから実施しております英国の例でございまして、日本でこれをただちに採用するということは種々の困難がありまして、一応研究はしてみましたが、にわかにそういうふうな強い制限を置くことは躊躇せられたのでございます。ただ御承知の通り民法の中に相隣関係についていろいろ規定がございます。非常に姑息ではございますが、現在のところこの民法の規定にまかせて行かざるを得ないのではないかと考えたわけでございます。それから同じくこの相隣関係でございますが、隣のがけ下を掘つてこちらの家が危險になるといつたような場合につきましては、この八十八條に工作物についての準用の規定でございますが、擁壁についてはこの法令を準用いたしまして、構造上あぶないという場合には建築物と同様にこれに対して制限を加えることになつております。
○前田(榮)委員 どうも今のがけ下のことは、私は呉ですから随所にそういうところが出ておるのですが、実際問題になりますと現在の法規で民法上の手続をやつてもうまく行かないために、いろいろ近所不仲になつたりして問題が起つておる場合が多いのでありますが、これをもつと、ただ單に抽象的な危険を冒さないような状態ということでなしに、具体的に石垣から何メートルは残せとか、あるいは土げしの場合はそうだ、あるいはそれを石やコンクリートでやる場合はこうだとかいうような規定をこの際はつきりさすならば、これらの地方の人は安心しておられると思う。また近所親類等の中で不仲になるようなことがなくて済むと思うのでありますが、なぜそういうことが技術的に困難だというお考えのもとに具体的な法律にしなかつたかという点をもう一度お伺いしたいと思います。 それかに次に第二章の建築物の構造の点でございますが、これが全国的に適用されることになりますと、市街地あたりはこれが非常に煩瑣になるということで多少の問題があると思うのでありますが、これを適用する範囲が非常な山間の、極端なことを言いますると、山小屋というようなものにも、人が住んでおる住宅というようなものもありますが、やはりそういうようなものでも、いわゆる一軒の離れ家というようなものでも適用される御予定なのでありますか、この二点をお伺いしたいと思います。
○伊東(五)政府委員 第一点の工作物の安全に関する具体的の規定についてのお尋ねでございますが、具体的に擁壁の構造をどうやれとか、がけ下、がけ上においてどの程度家を離してやらなければならぬかといつたようなことにつきましては、これは土質にも関係いたしますし、また擁壁の構造にもよりまして、非常に技術的の事項でありますので、直接法律に書くことは不適当と考えまして、この二十六條にこれらの安全上の技術的の基準は政令で定めるということにして、政令に委任したわけでございます。 それから第二点の地域的な適用の範囲についてでございますが、山小屋のようなものも全面的にこの規定を適用することがどうかというお尋ねでございまして、これは私ども同様に考えますが、その地域をただちにこの法律で定めるということがなかなか困難でありますし、その場合々々によりましていろいろな條件が違いますので、この法案では第四十一條におきまして、市町村の條例でもつて制限の緩和ができることになつております。おそらく御例示のような場合はこれによつて区域的に除外せられるのではないかと考えております。
○前田(榮)委員 がけ下等の問題等については政令で別に定めるというお考えのようでありますが、これはその政令が出てみなければわからぬわけですが、その政令はどの程度のものをおつくりになろうというお考えが今あるのかどうか、この点を重ねてお尋ねしたいと思うのであります。 次に第八章にきめられておる建築協定の問題でありますが、これはこういうような協定がどこか外国あたりの例にあるのでありましようか、この協定が日本人としてうまく善用されたら非常におもしろい法律だとわれわれ考えるのでありますが、これもまた人間の癖として裏から裏をまわるというようなことで、これが悪用されるようなことになるとたいへんなことだと思うのであります。今、日本ではいろいろなちまたのボスやいろいろな連中を相当摘発しておるようでありますが、こういうような連中が近所の連中を威嚇するわけでもないでしようが、何とかして自分のかつてのいいようなことをきめるために、国家の法律を悪用しようという者がないとも限らぬと思うのでありますが、どこかの国にこれがうまく運用されておるというようなところがおありであつたならばひとつお知らせ願いたいと思うのであります。
○伊東(五)政府委員 第一点のがけ地に対する問題でございますが、この政令できめる内容は十分研究してみたいとは思いますが、現在がけ下、がけ上二メートルの範囲くらいのところは、安全かどうかということを調べた上で建てさせることになつております。またがけの高さは大体四メートル以上のような場合には強度検査をやりまして、その安全性を認めるということを実施しておりますが、大体現在実施しております程度のことを政令できめたいと考えております。 それから第二点の建築協定についての外国の例でございますが、これは実は外国の例はないようでございます。ただGHQの関係官などは、この制度は非常におもしろいということで、これは新考案なわけでございますが、ただいま御質問にありました御懸念につきましては、全員の同意でなければできないということになつております。これもむりに同意をさせられるというようなこともなきにしもあらずでございますが、そういう点につきましては全員の同意があるにかかわらず、知事や市町村長の認可を必要とするといつたようなことにしましたのは、その辺を非常に入念に取扱おうという考えからでございまして、この制度は特に区画整理をやりましたところとか、分讓地とか商店街などで、かねてこういつた制度についての要望もあつたのでございまして、この運用については十分そういう点について注意をしてやつて行きたいと思つております。
○前田(榮)委員 その次には防火地区の建設でございますが、われわれ防火地区をどんどんつくつて、火災国日本の汚名を注ぐには大賛成なのでありますが、しかし現在の日本の生活状態といたしまして、国民の負担がこういうものに耐えられるかどうかということについては、現在の国民経済の上からして相当困難ではないか、こういう点が考えられるのであります。先般金融公庫法のときでも、国民がこれを利用するのに非常に困難ではないかういう同僚議員からのたくさんな質問が出ましたが、理想的に今の日本の国民経済の上に立つて防火地区を建設することになりますと、これらに対してはやはり相当国家が補助等を行わなければ困難ではないかと思うのであります。この基準法の中にはそういう規定もないようでありますが、何か国庫の補助金等を考えられてはいかがかと思うのですが、この点はいかがですか。
○伊東(五)政府委員 防火地域の指定に伴いまして、国民の負担との関係についてのお尋ねでありますが、防火地域は現在指定しております甲種防火指定地、これにかえて参ります。この防火地区の指定は、そのときの民度を考えまして、商店街特に相当高級の商店街といつたようなところだけに現在指定されております。しかも現在指定されておりますのは参考に差上げました表にもあります通り、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、函館これだけの市の目抜きの場所でございますので、十分負担力を考えまして土地の地価などを考えまして、高層建築でなければかえつて土地の関係や何かから見ましても、採算がとれぬといつたようなところを主として指定しております。なおこの新しい制度によりまして、現在指定しております防火地区は、さらに再検討をすることになろうかと思いますが、負担との関係については、この資料そのものによつて十分考えたいと思つております。 なおこれに対して補助などの道を開くことを考えておるかというお尋ねでございますが、実は昨年、今年度の予算を編成するときにも、このことにつきましては建設省としましては要求したのでございますが、なお将来ともこの法律で防火地区の強化をいたしますと同時に、何か資金的の援助につきまして、建設省としましては将来ともさらに努力をいたしたいと考えております。
○前田(榮)委員 最後に一点お伺い申し上げたいと思いますが、それは前に返りまして建築主事の問題です。「建築主事を置くことができる。」しかしながら今局長の御説明によりますと、そう置ける市町村も少いのではないかというようなお心持の御答弁かあつたのでありますが、建築主事を市町村が、各府県あたりに奉職せられているものを讓り受けて置く場合において、この建築主事が一応市町村のいわゆる公吏になるわけです。そうするとこの主事の勤続年数等がそこで一応切れて、恩給等の待遇の問題が問題になると思うのであります。また府県から市町村へかわるものに対しては、やはり公務員として引続いての勤続とするということになれば、ここに恩給法等に問題が起りはせぬかと思うのでありますが、何か特例でもお考えになつているか。あるいはこれはやむを得ないというお考えなのか。またそれはこういう法律があつて、心配はないのだとお考えなのか。この点お聞かせ願いたいと思います。
○伊東(五)政府委員 市町村でこの事務を扱うようになつた場合に、都道府県で現在この方面を扱つているものが市町村に移つて行くというような場合は当然予想されます。その場合に恩給が継続しないということで、恩給関係によつては移りにくい人が当然起きて来ると思います。これにつきましては現在ほかの法律におきましても、保健所法とか学校関係の教育委員会法とか、あるいは警察などでも同様なことがありまして、都道府県から市に移る場合に恩給を継続するようになつておりますが、この制度を実施しました上でそういうことが起きましたならば、同様に恩給の継続についても将来考えてみたいと思つております。
○淺利委員長 次は深澤義守君。
○深澤委員 最初に一般的な問題について御質問申し上げますが、この提案理由の説明の中に、本法案を提出いたしました根拠といたしまして、日本の建築の問題が、今まで量の点に力が注がれておつて、質の点については閑却されがちであつた。だから質的な向上をするために本法が出されたということが言われているのであります。もちろんりつぱな建物を建てることは、国民の文化的水準を上げるということでけつこうなのでありますが、現実の日本の事情といたしましては、量の問題を考えるところに重点が置かれなければならないと思うわけであります。この問題について、質の点を強調するあまり、量の点の詳決に非常なさしつかえが起つて来るのではないかと、われわれは非常に心配するのでありますが、この点についていかようにお考えであるか。この点をまずお伺いいたします。
○伊東(五)政府委員 これは相対的な問題でございまして、質と量の関係は絶対的なことでもございませんが、終戰直後から大体この二、三年、今までというものは量の問題と申しますか、とにかく一応バラツクでも何でも、燃えやすい家でも小さな家でも、とにかく住まうところを早くつくろうということが非常に急務でございましたために、ほとんど市街地建築物法の規定すら相当適用を停止いたしまして、量の増加に努めたのでございます。しかし現在の段階から申しますと、程度の問題はありますけれども、少くもある程度の最低水準だけは守らなければならぬ、また守り得る状態でないかというふうに考えまして、この法案を提出したわけであります。決してこの法律によつて非常に高度の生活水準を要求しているわけではございません。これによつて量の問題が犠牲になつて、非常に建設を遅らせるというようなことはないのじやないかと考えております。特に特別の用途の向きの公会堂とか、大規模のものは耐火建築を要求しておりまして、これは建築費なども相当——何割か上りますが、一般の木造建築につきましては、これによつて建設費の何割というふうなものが上るというふうには考えられませんし、技術的に良心的にやればいい部門もあります。多少防火的に建築費がかさむような点もございますけれども、それよりもむしろ火災とか風水害等によつて、技術的、般心的にやりませんための損耗、せつかくつくりましても片つぱしから焼けたり倒れて行くといつたような、国家的な損害も非常に多いわけでありますので、そのような点を見合つて、漸進的に、今までより少し水準を上げて行つたという程度でありまして、これによつて量の増加が非常に阻害されるということはないと考えます。
○深澤委員 もちろんこの法案が高度の建築を要求しているものでないことはわかるのでありますが、現実の国民生活といたしましては、これはすでに住宅金融公庫法のときにも明らかにされておりましたように、一人一畳に住むというような間借りの状態が、二十数万人東京だけでもあるという状態で、各都市においても実にそういう悲惨な状態がある。従つてどんなものでも自分の家を建てたいというような、非常に悲惨な状態があるわけであります。ところがこの法案を概括してみますというと、たとえば基礎の問題にいたしましても、あるいは防火設備の問題にいたしましても、たとえば屋根の問題等におきましては、これは板ぶき等は使えないことになつて参りますれば、今局長は二割も三割も増加しないだろうというようなことを言われるが、この基準法によつてやるといたしますれば、相当建築費が増額されなければならないと考える。そういうことによつて、簡單ではあるが、最低限度の自分の住居をつくらんとする人々の建築意欲を押える結果になるのではないか、具体的に基礎建築、あるいは屋根、防火設備、こういうようなものを考えてみる場合に、非常に増額になるというぐあいにわれわれは考えるわけです。今二割も三割も増額をするというようなことはないとおつしやるのですが、その点私は非常に疑問に思つてるので、もう一度その点をお伺いしたい。
○伊東(五)政府委員 これで規定しました規定によつて建てた家とどういう家を比較するかでございますが、ごく掘立小屋のような非常に簡單なものと比べますと、あるいは三割も四割も増額することが考えられますが、いやしくも相当な資金を投じて住居なり商店なりをつくろうという場合でありますから、ある程度の家という前提に立ちますと、ここで規定しておる基礎にいたしましても、屋根にいたしましても、防火構造にしましても、二割三割も増額になることはないというふうに申し上げたわけでございます。屋根をとんとんぶきでやつておつたものを、かわらにふきますと、坪一千円からも違いましようし、これはかなりの割合になりましようが、別な見方からいたしますと、とんとんぶきでやりましても、すぐ腐りますし、雨が漏りますし、火災の危険があるということで、結局長い目で見ますと、個人的にも国家的にも相当な損失があるわけでございますので、これは市街地に特に要求しておる規定でありますが、集団的に都市で生活する場合の家を標準としましては、諸外国などに比べましたら、決して高いものではございません。外国で町の中に木造などを許しておるところは一つもないのでございますが、日本の実情として、この程度の水準でがまんしよう、むしろそういうふうに考えておるのでございまして、それがために、家に非常に困つておる人が建てようと思つても、この制限によつて建てられなくなるというようなことも非常にまれな例ではないかと思つております。そのために別に住宅の対策としましては、御承知の通り国家補助なり、あるいは金融面なりで考えておるようなわけであります。
○深澤委員 どうも局長の考えはこの前の住宅金融公庫の場合においても、国民大衆という方向が、結局においては相当中流の人々が建てるようなことを対象にするという結論になつてしまつたのでありますが、結局この基準法で家をつくる以上は、この程度の基準は守らなければならないというぐあいに、きわめて楽観的に考えられておるのでありますが、国民生活の実態は決してそんなものでない。どんな掘立小屋でも自分の家をつくつてみたいという国民が非常に多数ある。こういう者に対して、この法案が適用されるならば、そういう人々は自分の家屋の建築というものができなくなる。こういうことを私は考えているわけであります。 第二番目に、建築材料の需要か非常に円滑になつたというぐあいに、やはり楽観的に考えられておりますが、この建築材料等が非常に余つて来たということは、現在の日本の経済界の不況のために建築材料を使う者が非常に少くなつたということのために余つて来て、需要の円滑という結果になつて来たわけであります。従つて建築材料の需要が非常に円滑になつて来たということ自体が、生産が非常に増加して余つて来たという結果ではないと思う。そういうようなことも、先ほどの私の第一の質問に関連して来るのでありますが、これはさておきまして、政府が計画されておりますところの庶民住宅、並びに今度の住宅金融公庫による住宅の問題でありますが、これは今度の建築基準法を根拠とせられて計画されておるのでありますか、それとも以前の法律に基いて計画されておるのでありますか、庶民住宅等につきましては、事実建つておる庶民住宅をわれわれが見ますと、この基準法に当てはまらないものが非常にたくさんある。今度この基準法によつておつくりになるといたしますれば、従前の予算よりもかさんで来ると私は思う。そうなるとこの庶民住宅の予定されました戸数が建てられなくなる。予算超過によつて建てられなくなるという結果になると私は思うのであります。その点につきましては、どういうぐあいに考えられておりますか。
○伊東(五)政府委員 従来公共団体で実施しております庶民住宅の規格につきましては、この法案の基準以上のものになつております。もう少し申し上げますと、基礎はすべてコンクリートでできておりますし、柱の太さなどはこの基準では直接書いてありませんが、政令できめようと思つておる以上のものになつておりますし、屋根も全部かわらぶきになつております。防火構造などにつきましては、大体空地を置けば、防火構造をやらなくともいいというようなことがありますが、庶民住宅ではまわりに十分空地をとつておりまして、すべてこの基準には合つておるばかりでなく、もう少し上等のものになつております。金融公庫で融資する住宅の基準につきましても、大体庶民住宅と同様のことが言えると思います。
○深澤委員 われわれが地方等において見ます庶民住宅、あるいは市営住宅等につきましては、今の局長の御見解とはなはだ相違する事実があるのでありますが、そういう点は十分まだ御調査になつておられないと考えております。 それから建築基準法の内容についてお伺いいたします。第十條でありますが、十分にまだ法案を読んでいませんので、とりあえず気づいたところだけ御質問申し上げますが、第十條に保安上危險であり、または著しく衛生上有害である、そういうことを認めた場合においては、当該建築物の所有者、管理者または占有者に対して、一定の期間をつけて、その全部または一部の除却、移転、改築、増築等の措置をすることができるという規定があるのでありますが、この保安上危険であり、または著しく衛生上有害であるという内容と、それを認定する機関は、どういうものであるか、その点をお伺いしたい。
○伊東(五)政府委員 第十條は、現行法でも大体この通りの規定があるわけでございますが、ごく生命の危險がある、ほとんど倒れかかつておつて、少し強い風が吹けばつぶれるとか、あるいは衛生上非常に有害であるというようなことでございますが、大体非常に差迫つた場合だけしか従来もこの命令をやつたことはございません。将来ともそういうことになると思いますが、認定をいたしますのは、特定行政庁、すなわちこの事務を扱う町村なり都道府県なりが認定をいたします。ただその認定に対して不服がある、あぶなくないといつたような場合には、命令を受けた人は公開聽聞を請求することができるようになつておりますし、またさらに命令に対して異存がありますれば、建築審査会に訴願するという道を開いております。
○深澤委員 そうすると、保安上危險があるというような場合には、その建てた建物が非常に危險であるという、そういう建物自体から発生する原因によつて危險であるというぐあいに認められるのか、それとも周囲のほかのいろんな條件によつて、保安上危険であるというようなことになるのかという点でありますが、今の局長の御説明によると、その建物自体から発生する原因によつて保安上危險である、こういうぐあいに認めた場合に、初めてそういう処置をせられるのか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
○伊東(五)政府委員 これは建築物そのものが危險であるという場合に限られております。
○深澤委員 第十一條の問題でありますが、これは従来もあつたでありましようが、特に地方に、この法文に関係するこうした問題がありますので、お伺いいたしますが、この十一條は、公益上著しく支障があると認められるに至つた場合においては、当該建築物の所在地の市町村の議会の同意を得て処置をする、こういう問題があります。これは地方の戰災地等におきましては、学校の敷地等に市営住宅等か建てられておるわけであります。これが学校建築あるいはその他の問題について、立ちのきを命ぜられているというような問題が、非常にたくさんあります。ところが御承知のように、現在の状況として、自分で建物を建てる、あるいは他に住居を見つけるという努力をいたしましても、ないわけであります。従つてそういう問題が、非常に紛争の種になつておるのでありますが、こういうような場合において、議会の同意を得るならば、この処置を命ずることができる。こういうことでありますが、これを強行せられるという御意思があるのかどうか。もう一つは、その場合において、通常生ずべき損害を、時価によつて補償しなければならないと言つております。この通常生ずべき損害というのを、どういうぐあいに見られておるか。そういう人たちに対しては、もつと積極的に、たとえば庶民住宅であるとか、あるいは他に、今度の金融公庫法による住宅であるとかいうようなものを與えて、そうして解決するような考えを持つておられるのかどうか。こういう問題が、地方では相当問題になつておると思うのでありますが、そういう意味から、第十一條の適用の問題についてお伺いしたいと思います。
○伊東(五)政府委員 今例としておあげになりました、学校の敷地に、終戰後急ぎますので、庶民住宅などを全国で相当建てております。こういう場合については、第三章から第七章までの規定に適合しないということで処理することができません。この規定には直接そういう場合を規定しておりませんので、できないのでございますが、ただいまお話のありました学校敷地あるいは学校の校舎の中に、非常にむりな生活をしている場合につきましては、かねて建設省としてもいろいろ考えております。今年度は予算の範囲内で、それらの居住者の移転につきまして考えたいと思つております。
○深澤委員 それから第十八條の、工事完了通知の問題ですが、これは工事完了通知をして、検査を受け、その検査済証の交付を受けなければ使用することができないということになつております。今までのこういう一般の通例としては、工事が完了して、検査済証の交付を受けない前に入つておる事実がたくさんあると思うのです。今度の建築基準法によると、その基準に基く一切の設備をいたしまして、そうして初めて検査済証がおりるわけでありますが、そうすると、たとえばこういうものがたくさんあると思うのです。家をあらましは建てたけれども、あるいは排水設備とかあるいは排水溝とかいうようなものが完備していないとか、あるいは防火壁、ガラスが完備していないというような状態のままに入つて、そうしてあとまた努力してそういうものをつくつて行くというような事情にあるものが、事実上非常にたくさんあるわけです。この法律によつて、今度は、そういうものが一切完備したあとでなければ、使用しあるいは使用させてはならないという規定になつて参りますと、やはり先ほど私が劈頭に申し上げましたように、住宅建設者にとりましては、相当の支障を来すのではないかと考えるわけであります。この点につきまして、どういう措置をとられるのか。これを法的に嚴格に施行せられるとなりますれば、私が先ほど申し上げましたように、建築者にとつて非常に問題が起ると思うのです。その点についてひとつお伺いしたいと思います。
○伊東(五)政府委員 その点は、第七條の第四項に規定しておりますが、建物ができあがりましたら、竣工の届出をして、検査を受けなければ使用ができないというのが原則でございます。これは第四項の初めに書いてございますように、前條第一項第一号から第三号までの建築物というのは、劇場映画館とか、三階建の建物とかの特定のものだけでありまして、一般の住宅などは、この四項の届出はいらないことになつております。それからなお特定のものにつきましても、七日を経過いたしまして、何の返事もなかつたら使つてもよろしい。それから一部でき上つて使うような場合には、仮使用の承認を受ける、こういうことになつております。
○深澤委員 それからこの建築基準法の各構造の部分などをずつと調べて見ますと、敷地の問題について、道路面よりも高くなければならない。さらに建築物の地盤面は、それに接する周囲の土地よりも高くなければならないということになりますと——先ほど私が建築費が増加すると主張をした具体的な問題として申し上げるのでありますが、そうなりますと、今まで戰災地に建てたような簡單な建て方では、基準に適合しないわけであります。従つて相当の地盛りもしなければならないし、これは相当の費用が増額せられるのではないかと思うのです。下水管の設備、下水溝の設備というようなものにつきましても、現在の市街地を見ましても、こういうものは完備しておりません。これを基準法に基いて完備するということになりますれば、相当の経費がかかることは間違いがないわけであります。それから二十條の安全な構造ということになりますれば、木材関係の問題についても、従来、柱等におきまして、相当細いものが使われておるわけでありまして、この基準法によりますれば、おそらく従来のものよりも、もつと大きいものを使わなくちやないという結果になるのじやないかと思うわけです。それから二十二條の屋根等につきましても、不燃材料でなければならないということになりますれば、板屋根あるいは草屋根等は使えない。こういうふうにずつと見て参りますれば、どうしても建築費の増加ということは、もう必然だと思うのです。この点について建設局といたしましては従来の建設費よりもどの程度経費がかかるような計算になるかということを、参考のためにでも御計算になつたことがおありになるか、どういうようなお考えを持つておられるか、その点をひとつお聞かせ願いたい。
○伊東(五)政府委員 この十九條の、敷地内で家の建つておるまわりを道路よりも高くする、現在もこの通りに規定されておりますが、これは別にむずかしいことではないので、家の床下に雨水の入つて来るようなことを防ぐものであります。但書にもありますように、敷地内の雨水の排水にさしつかえなければいいわけでございます。この点は当然のことでございまして建築費が上るというようなことは考えておりません。それから下水管とか下水溝でございますが、これは別に道路の方まで行つておるわけではないので、敷地内に素掘りでもかまいませんから、雨の水か流れて行くように掘ればよいのでございまして、安くやろうと思えば安くできますし、別に大したものを要求しておるわけではありませんので、現在どこでもやつておることを規定しただけであります。第二十條は安全な強度ということでございますが、これは特に鉄筋コンクリートであるとか、非常に大きな学校とか、そういうものについては強度計算をやつて丈夫なものにしなければいけないが、一般の住宅などにおきましては、従来から平家ならば三寸角以上の柱を使うとかいうことをやつておりますが、これはやはりその程度のことにするつもりでございまして、特に太い柱を使えというようなことはしないつもりでございます。ただ地震とか風なんかに安全なように斜めの筋かいを入れるとか火打を入れるとか、そういうことはちよつとした技術的な注意によつて非常に丈夫になるのでありますから、そういうことによつて行こうと思います。特別の太い柱を使うなどということは要求しないつもりでございまして、この点も別にこれがために金がかかるということはないつもりでおります。 それから第二十二條の屋根でございますが、これは板屋根、草ぶき屋根等はいなかではよろしいのでありますが、ここで特に指定した市街地とありまして、そこでは多少金がかかつても草屋根、板ぶきは困ると思います。これは非常に近所迷惑でございますし、その家自体にとつても不経済でもあり、危險な話でありますから、かわらぶきにするか——専門家では坪当りおそらく千円ぐらいの差があると思いますが、これはやむを得ないと思います。
○深澤委員 それから第三十八條にあります、日本工業規格以外のもので、「その予想しない特殊の建築材料又は構造方法を用いた建築物については、」というこの條文であります。
○淺利委員長 ちよつとお諮りしますが、一般質問を先におやりになつて、逐條審議は追つてやつたらいかがでしようか。大局質問を一通りやりまして……。
○深澤委員 その方が私の方はけつこうなのです。今の三十八條の「その予想しない特殊の建築材料又は構造方法を用いる建築物」というこの解釈ですが、日本工業規格以外のそういうものはどういうものを予想されておるのか、それをお伺いしたい。
○伊東(五)政府委員 これは予想できないものというのでどういう発明があるか将来のことでわかりませんけれども、ここでこの法案でねらつている効果としましては、地震に対する強さとか、防火上の効果とか、そういう点が結果として同等であれば材料、方法についてはここに書いておりませんことでも認めよう、こういう趣旨でございます。
○淺利委員長 ちつとお諮りいたします。本日は大体の質問にとどめまして、なおこの逐條については現在の規定と別段かわらぬようなものもありますので、特に現行規定に改正を加えるという場合においては問題になりましようが、そうじやない限りはそういう問題にあまり重点を置かぬで、改正点の重要点について審議を進めたらどうかと思うのですが、いかがでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 それでは一般質問についてほかに御質疑があれば……。
○今村(忠)委員 今非公式でありますが取扱上に関する打合せをしたいという御希望があるようでありまして、その基礎になるようなことをちよつとお聞きしておきたいのであります。会期迫つた今日非常に厖大なものを突如として出されて、これを審議するということは、われわれ委員会としてははなはだ迷惑に考えるのであります。さてこの統制的な法令を今回またここに出された。さきに建築業法とか建築士法でありますとか、そういうようなものが順次出て来たのでありますが、この建築基準法をこの際ここで出しますが、これに類するものをあと出す御計画があるならば、ひとつ聞かしていただきたい。
○伊東(五)政府委員 現在この種の法令が非常に多うございまして、九つもあるのでございます。法律で二つございますし、命令もずいぶん多いのでございます。そういうものを全部合せまして、この基準法一本にまとめたのでございますので、こういう関係につきましては、この法律以外に別に考えておりません。この法律が通過いたしましたら、この法律自体の悪いところは、あとからあらためて、だんだん整備して行きたいというふうに考えております。ほかの、あるいは建設省以外でも学校について文部省が考えるとか、厚生行政の点から厚生省が考えるとかいうようなことは考えているかもしれませんが、これらはむしろ建設省としましてはなるべくこの法律一本で行きたい。現在建築についていろいろ手続が煩瑣になつておりますので、その法律の取扱いについては、この法律一つだけでなく、他の法律についても建築関係の事柄は建築士一本でいいか悪いかということを決定するような仕組みになつておりますので、別にこれのほかにこういう種類の法律をつくることは全然考えておりません。
○今村(忠)委員 そうしますとこの基準法が実施されますと、廃止になる法律は市街地建築物法だけでありますか。
○伊東(五)政府委員 附則にございますが、九つでございます。法律は市街地建築物法とそれからここで御審議願いました市街地建築物法の適用に関する法律、これは映画館とか劇場とかそういつた特殊建築物に全国的に適用するという法律でございます。法律は二つでございまして、あとはこの市街地建築物法の関係命令と、それから例の物調法によつてやつております臨時建築制限規則——建築の許可制度をやつております。この九つのものを廃止したいと考えております。
○今村(忠)委員 次に建築主事を府県並びに市町村に置くように見受けるのでありますが、その他地方事務所などのある群には置くということが見えていないのですが、これはどうお考えになりますか。
○伊東(五)政府委員 これは市町村都道府県に置くとなつておりまして、さらに区域を、第四條の六項にございますが、所轄の区域をわけて、この区域を所管する建築主事を指定することができる。これで適当に郡なり、あるいは東京都のようなところは区なりに主事を配置することを考えております。
○今村(忠)委員 それではもう一度あらためてお聞きしますが、すなわち基準法をこの際つくらなければならないという理由になるところの、何か従来ある法律で期限等が来て、どうしてもこの際このときつくらなければならぬという、せつぱ詰まつたものがあるのか、これを聞いておきたい。
○伊東(五)政府委員 ほかの法律によつてぜひともこれを今ただちに制定しなければならぬという理由はございません。ただ市街地建築物法というものは新憲法からいつて非常にこれは不適当なものでありますし、また戰災都市の復興などにその古い法規を使つてやつておるということは、もう終戰後五年たちましたので、これ以上遷延を許さないといつたようなこととか、臨時建築制限規則、建築の許可制度の廃止に伴いまして、建築物の質を規制をするといつたような、間接的の関連はございますが、直接法律によつてこの制定を必要とする理由はございません。
○今村(忠)委員 つまりこの際このとき必要とするような理由はないというふうに受けたのですが、そうなんですか。
○伊東(五)政府委員 この提案理由にもございますように、この際急速に法律の制定を必要とするのでございますが、ただ法律の技術的にいつて余儀なくされるという点かないということを申し上げたわけであります。
○今村(忠)委員 蛇足になりますが、耐震に関する規定というものを時間がないので発見できなかつたのでありますが、それはこの中に盛られておりますか。
○伊東(五)政府委員 耐震構造につきましては、これは非常に技術的な問題でありますので、根本の原則を二十條に規定いたしまして、ずつとありまして地震その他に対して安全な構造でなければならぬということと、その第二項でこれに対して構造、強度計算をしなければならぬということ、それから技術的につきましては、三十六條で政令でもつてこの規定を定めるということにいたしております。
○今村(忠)委員 つまり統制的なものの本質があるのですから、かようなものができることについての基礎的なものをちよつと聞くだけですが、申請は建築士法等による建築士でなければできないものかどうか、つまり手軽にできるものかどうか、この点を聞いておかないと、これができることによつて非常に迷惑を受けるのでありますから、これをちよつと承つておきたい。
○伊東(五)政府委員 この申請につきまして、建築士との関係でございますが、建築士の問題は建築士法に規定されておりまして、建築士法では別に法律でもつて規定することになつております。将来当然その規定に基いてある程度の高級の技術を要するものについては、建築士でなければ設計したり工事の監督をしたりすることはできないという規定が入るものと考えます。ただそれと同時に、公認されました建築士が設計をして申請をするというよう場合には、建築主事の確認というような手続につきましては、同時に省略をするというようなことも考えなければならぬというふうに思つております。
○今村(忠)委員 委員長にお尋ねしますが、かような大部のものが会期が迫つてから出たのについては、わずかの間にこれを法制化するという自信があつてこれをお受けになつたものか、あるいは事前に交渉等があつたか、一応お聞きします。
○淺利委員長 この問題は前からしばしば出るということでありまして、予備的にはいろいろ懇談会等で聞いておつたのであります。われわれといたしましてもこの必要を認めて早く出すようにとしばしば催促いたしておつたのでありますが、先刻説明のあつたように、三月以来継続して努力しておつたのでありますが、諸般の事情で遅れて今提案になつた、こういうことであります。しかしこれを通す、通さぬということは、委員各位の御検討の結果によるのでありまして、そういうことについては一応皆さんと御相談を申し上げたいと思つております。
○松井(豊)委員 一言お伺いいたしますが、第六章の防火地域制による制限が強過ぎるのではなかろうか、あまり強い制限をすると、予算に関係ある実情から建築禁止をしたような結果になるおそれがあるのではなかろうか、また広範囲に、一律防火地区に指定せず、火災被害を小範囲にとどめるよう大量の防火地帯を指定するようなお考えはあるかないか、こういう二点をお伺いしたいと思います。
○伊東(五)政府委員 この防火地域内に建つ建築の制限があまり強過ぎはせぬかという点でございますが、先ほども申し上げましたように、防火地域につきましては現在と制限内容は大体同じでございますか、ただ戰時になりましてから現在まで緩和地区というものを指定いたしまして、そこでは木造の仮設建築物を許可しておつたのであります。現在指定しておりますのが大体六大都市でございますが、そういうところのうちの一部は商業街路のように指定しておりまして、その中でまた緩和地区を指定しておるのでございますが、これを廃止しまして本則通りにやるという点が強くなつております。 それから防火地区に準ずる準防火地域につきましても大体現状とかわりませんが、三階以上のものとか、百五十坪以上というような、特に大きな火災の延焼を助けるようなものだけについては、耐火建築の本建築にしなければならぬということにした点、これだけが現在より強くなつておりますが、この点は都市の不燃化ということの重要性にかんがみまして、この程度の強化はやむを得ないじやないかというふうに考えておるわけでございます。 それから防火地域の指定の範囲でありますが、この附則によりまして、一応現在甲種防火地区に指定しております六大都市、函館の防火地区、これをそのままここにいう防火地域に乗り移すということにしておりますが、この指定は都市計画委員会の議を経て、建設大臣が指定するものでございまして、この法律が施行になりましたならば、あらためて再検討をして行きたいと考えております。ただいまのところこの防火地域を非常に広く、にわかにやつて行くということは考えておりません。
○松井(豊)委員 同僚諸君からもいろいろ御質問がございましたけれども、少くも本年は百五十億円の予算によつて八万戸の家を建てる。これは大体その設計についても一応指示はございますけれども、予算の内容によつては三十坪あるいは三十五坪をつくるという希望者もあります。これらの実情に直面いたしましてなかなか許可とかあるいはでき上つたものの検査というような関係もあり、また地域関係、予算関係もあり、せつかく求めた宅地にいたしましても、今の制度が実現されますと、またこれらの人々の予算も狂う。要はわれわれはこまかい調査だとか、ややこしいことは排除して、一日も早くこの足らない家屋を増加したいという希望でありまして、新しい制度にされると、地方にかりに委讓いたしましても、この検定試験を通つた建築主事の人たちが、またいろいろの手を用いることがありはせぬかと思います。これらの点についても、いろいろ具体的にお伺いしたいと思いますが、きようは時間がありませんから、簡單ながら総合的に一時間も早くこの建設ができるよう希望するものでございます。
○淺利委員長 それでは先刻申し上げましたように、本日はこの程度にとどめ、次回は明二十九日午前十時より開会することといたします。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時四十五分散会