建設委員会 第24号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/04/10
会議録
○淺利委員長 これより会議を開きます。 ただいま国際観光文化都市建設法に関する小委員長から、中間報告の申出があります。この際同小委員長の報告を聴取するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 御異議がなければ、日程を追加いたしまして、小委員長の報告を聴取することにいたします。瀬戸山小委員長。
○瀬戸山委員 さきに本委員会におきまして、国際観光文化都市建設法に関する小委員会を設置せられまして、不肖私が委員長の席を汚すことになつたわけであります。この際小委員会の経過について、中間的な御報告を申し上げておきたいと思います。本小委員会は、去る三月二十八日に設置されまして、三月三十一日第一回の小委員会を開きましてから、三回にわたりまして、熱海及び伊東の国際観光温泉文化都市建設法案、その他さらに予想せられますところの、同種法案に関連いたしまして、これを総合したいわゆる一般法として立案するため、愼重審議をいたしておるわけであります。そこで多少異例ではありますけれども、小委員会におきまして立案いたしました一つの案を、総司令部の方へ提出いたしまして、総司令部の検討をただいま願つておるわけでありますけれども、現在のところ、まだこれに対するオーケーが来るという段階に至つておりません。そこで小委員会といたしましても、会期も切迫いたしておりますから、この法案の成立に努力をいたすことを申し合せておりますけれども、ただいま正式に提案されておりますところの、熱海及び伊東の国際観光温泉文化都市建設法案もありますので、中間的な御報告を申し上げまして、この関係法案の取扱いについて、本委員会において御研究される資料といたしたい、かように思うわけであります。簡単でありますが、中間の御報告を申し上げる次第であります。
○淺利委員長 ただいまの小委員長の報告を了承するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 それではその報告を認めます。 以上の小委員長の報告によりますと、まだ小委員会の試案がはたして急に上程されるかどうかが未定であります。一方熱海及び伊東の国際観光温泉文化都市建設法案が、去る二十五日に本委員会に付託になつておりますので、この際この方の審議も並行して進めて参りたいと思います。よつてこの際熱海国際観光温泉文化都市建設法案、畠山鶴吉君外三十二名提出、伊東国際観光温泉文化都市建設法案、畠山鶴吉君外三十一名提出、この両法案を日程に追加いたすに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 御異議なしと認めます。 それでは同二法案を一括議題といたし、提案者の提案理由の説明を求めます。提案者畠山鶴吉君。
○畠山鶴吉君 ただいま委員長の御宿名によりまして、熱海、伊東温泉文化都市建設法案に対しまする委員長の御意見がありましたので、この機会に提案者の一人といたしまして、提案理由を簡単に申し上げて、皆様の御協力をいただきたいと存じます。 すでに熱海や伊東は、提案者が申し上げるまでもなく、日本の熱海温泉であり、東都に近き熱海といたしましては、国際関係から考えまして、前途重大なる役割を持つておるのであります。今日まで熱海、伊東といたしましては、皆様にひとかたならぬ御配慮と御厚情をいただいておるのであります。これに乗じまして、熱海と伊東は、あらゆる方面に最善の努力を傾注して参つたのでありますが、ごらんの通りの現状でありまして、国際的日本の観光地の門口といたしまして、その使命を果す上にあまりにも貧弱である。これらの点につきましても、先般渡米議員団の団長さん山崎猛先生よりも、アメリカの現状をつぶさに伺つたのでありますが、現状におきましては観光などという文字を使うのもはずかしいようだ、日本としては、これらの点を十分に研究いたしまして、日本の進むべき道は、見えざる貿易として、外貨獲得のためにも、平和日本建設のためにも、どうしても観光事業が重要であるということを、私どもはほんとうに聞かされたのであります、私どもも観光事業の業者の一人といたしまして、これを聞いたとき、面目を知つたのであります。このときにあたりまして、熱海、伊東の皆様にいろいろ協議をいたしました結果、この際熱海、伊東としても、国家の援助を受けて、りつぱな文化都市を建設しなければならないということが、もう市民全体の声であります。しかし今までも観光事業によつで市の経済を過半数まかなつておるこの観光地といたしましては、そこに言い知れない多難があるのであります。非常に御愛顧を願つて、表面はりつぱでありますが、何やかやと交際も広く、目に見えないような金の支出も多いので、せつかく熱海、伊東へおいでくだされましても、御満足を與えることもできないのでありますが、しかし両市とも熱意におきましては、心から皆様を御歓迎する気持に燃えておるのであります。この際なお一歩進んで、文化都市を建設してそうしてその使命を果すことは重大であります。もちろん市民も覚悟しておるのでありますから、日本の前途のために、また熱海、伊東のためにも、この際国会の御協力をいただき、そうしてりつぱな文化都市を建設したいという気持から、お願いに出た次第であります。 さきには別府が衆議院を通過し、またさきごろ参議院を通過したのであります。熱海と伊東も、これに相前後してお願いをいたしておつたのでありますが、別府はいわば委員会を省略して、いきなり本会議に上程したのであります。熱海と伊東といたしましてはまず一応正式なる委員会の審査をお願いして、正しい進み方によつてこの法案を通していただく——それはこの法案が通つたらよいということばかりではなく、通つたあとも皆様の御協力によつて、これをりつぱなものに育て上げていただくという見地からいたしまして、わが熱海、伊東といたしましては、あくまでも皆様の御意見を尊重して、皆様のあたたかいお気持におすがりする気持で、今日までお願いをいたして参つた次第であります。これにはいろいろの問題もあろうと思います。また皆様のお立場からいたしましても、いろいろ御苦労のことと存じますが、しかし東京の奥座敷とも言うべき熱海、伊東の立場もぜひ御しんしやくくださいまして、この際当委員会におかれましては、どうか愛情的に特別の御思恩をもちまして、この法案をすみやかに通していただきたいことを、提案者といたしましてお願いを申し上げ、はなはだ簡単であります、か提案の理由といたす次第であります。よろしくお願いいたします。
○淺利委員長 提案者に申し上げますが、本日は欠席者もありますから、なるべく提案理由の説明の要領を印刷したものを、委員にあとでお配りを願いたいと思います。それでは、この問題は本日はこの程度にとどめまして、次会から質疑を始めることにいたします。 —————————————
○淺利委員長 それでは日程に従いまして、次に、住宅金融公庫法案を議題といたし、前会に引続き質疑を継続いたします。政府側から出席者は、政府委員伊東住宅局長、説明員住宅局企画課長前田君が見えております。 通告の順序によりまして質疑を許します。前田榮之助君。
○前田(榮)委員 住宅金融公庫法案について、同僚委員からいろいろ御質疑がありまして、ほとんど微に入り細に入り質疑が盡されたのでありますが、私はなおその残つている点をできるだけ重復を避けて、この際当局にお尋ね申し上げておきたいのであります。 本法案は、今までの当局側の説明によりますと、国民大衆に健康で文化的な住宅を與えるということでありますが、これは本案の中心であることは申すまでもないのでありますが、はたしてこの法案を実施されて、国民大衆に適当なる住宅の供給ができるかという点に大いに私は疑問を持つている。この点この法案の使命とするところを実際において失つているというふうに考えられるので、まず第一にお尋ね申し上げてみたいのは、たびたび同僚委員から質問された中で、国民大衆というその大衆が、政府の説明によりますと、相当資産に余裕がある者でなければならぬということを言つておられるのでありますが、その余裕という程度がはつきりしないのであります。この法案の計画に基いて住宅金融をいたすことになりますと、大体月収幾らくらいなところをねらつておるか。 第二点といたしましては、この金融をやる際に、大衆の生計費の中で住宅費というものを、政府は大体何パーセントを適当と見積られて本案を立案されたか。たとえば最近における国民大衆の生活というものは、この日華事変以前の、戦前の状態からいいますと、食糧費等はパーセンテージの中ではそう多くなかつたのでありますが、最近の国民生活は非常に困難な状態になりまして、御承知のごとくその食糧費だけでも六〇%を越える状態になつておる。従つでその他の教育費や衣料費等を加えますと、住宅費というものが二〇%、三〇%に上るということは考えられないわけですが、大体その点はいかがお考えでありますか。まず第一にこの二点をお尋ねする次第であります。
○伊東(五)政府委員 この公庫の貸付につきまして、大体月收どのくらいのものを目標に考えておるかという点と、生計費に対して何パーセントくらいのものを負担できるか、こういう目標はどういうふうに考えておるかという二点のように聞きましたが、この二点につきましてお答えを申し上げます。この生計費につきましては、昨年の十一月ごろの東京都の一般勤労者の生活費の調べがございますが、大体月の生計費の支出が、一万円から一万二千円くらいの程度の階層が一番多いわけであります。まだ低いのもあります。これはほかに住宅対策といたしまして国庫補助の庶民住宅というものもございますので、そういう階層は別といたしまして、大体一万円以上の程度をこの公庫の貸付の対象というふうに考えて準備を進めて来たわけであります。そうしてこの公庫によりまして七割五分を貸付けまして、それの利息を五分五厘の十五年ということで貸し付けますと、大体どのくらい毎月の負担になるかと申しますと、十坪の木造の建物で、建設費が十七万円かかるものといたしますと、貸付金額が十二万七千円になるわけであります。これの元利金が毎月千四十五円になります。また十二坪といたしますと、この建設費が二十万四十円かかる。同じ條件で月の元利償還金が千七百八十五円になります。生計費に対しまして住居費がどれくらい負担できるかと申しますと、お話のように最近は食費のために六割以上食われますから、昔の標準では行きませんが、戦前におきましては大体二割が標準でございました。労働者などでも一割五分、普通のサラリーマンその他一般的に見まして、二割程度が標準であつたのでありますが、今日ではそれは非常にむりであろうと思います。せいぜい一割二、三分くらいが限度ではないかと考えるのであります。ただいま申し上げましたような千円から千二百円くらいのところは、大体一万円程度の生計費の支出があれは、大体支拂われるのではないかと考えるのであります。
○前田(榮)委員 ただいま御答弁になりましたことをかりに是認するといたしまして、はたしてそういうことが当を得ておるかどうかということに、大い疑問があると思うのであります。第一に問題は、今お示しになつた数字は大体建設費、それに伴うところの公課利子等が計算されてのことであります。宅地の問題については、最近の社会情勢からなかなか宅地を手に入れることが困難な実情にある。ことに宅地を現在持つておる者を対象とすることになりますと、その持つておる者は勤労者、ことにサラリーマンの中にはきわめて僅少なのでありまして、宅地の解決ということを前提といたしますと、一般大衆がこれを利用するということは非常に困難だと思うのであります。そういう点からいたしますと、大体今お示しになつた数字からいたしましても、宅地の計算、それから頭金の利子の関係というようなものを計算いたしますると、前にわれわれの手元へ出しておられます十七万円の十坪のものが、千七百三十六円となつておりますが、これがやはり二千円を越えることになり、十二坪の二十万四千円のものにいたしましても、二千九十二円となります。これが屋敷その他の関係からいたしますと、上るわけなのであります。そういうことで生計費等の関係からして、事実上はできぬことではないかと思うのであります。この立案に当られた方々もおそらくサラリーマンであろうと思うのでありますが、大体その人の個人々々の問題はここで取上げるわけにも参りませんが、大体課長級の人といえども、屋敷を持ち、それから頭金の準備ができ、しかも月々サラリーの中からこれだけの住宅費を負担するということは、ほとんど私はできないことだと思う。たとえば現実問題といたしまして、建設省における課長級の人で何人くらいこれができるどお思いになりますか。できないことを計画を立てて、ただ大衆に住宅を與えるんだというゼスチュアばかりやられたのでは、国民は困るわけであります。それらの実際の宅地の問題等についても精細な研究がなされておるかどうか。またたとえば百坪くらいの宅地を持つておる人は、家を建てて従来のように一種の貸家業をやりたいというような気があつても、採算がとれない。それらを有効に使わせなければならないけれども、事実上できない現下の情勢になつておる。これらをうまくやらせようと思つても、社会情勢や今の経済情勢で、どうしてもうまく行かない関係もあるのでありまして、こういう宅地に対する対策もこれと並行しなければならぬと思うのであります。今申し上げたのは、そういう宅地を織り込んだ負担がはたしてできると思われるかどうか。この点と、その宅地に対する対策があるかどうか、あれはどういうものかあるか。この点をお聞かせ願いたいと思います。
○伊東(五)政府委員 土地が国民大衆の住宅建設のために安く手に入るような対策、これは第二段の点でございますが、これにつきましては土地政策全般に関する問題でございまして、研究はいたしておりますけれども、結論的なものをまだ得ておりませんので、なお将来とも研究して行きたいと思つております。 ただこの際第一段の質問でございますが、土地のない着でも、土地を買うための資金の融通を受けて、またそれに対する支拂いができる見込みがあるかどうかという点について申し上げます。お配りいたしました負担額の表がございますか、これをごらんになつてのことと思いますが、十坪のものが土地ぐるみ全部の負担が二千円以上になるというのは、これはよくごらんいただけばわかるのですが、十年で償還する場合に、公租公課から保険料なんか全部入れて千四百七十九円というのが出ております。十年で償還する場合でございますから、月々の償還で行きません。十五年まで認めることになつておりますので、十五年の欄の方を見ていただきますといいと思います。そうしますと七五%まで一ぱい貸しまして、土地代も借りるという場合は、十坪の方の一番下の欄になつております建築費が十七万円、それから土地費が三万円、合計二十万円かかる。これに対する七五%を借りるということになつておりますが、その場合には、月々の元利償還金は、千二百三十五円になつております。公租公課、火災保險料などを全部入れますと、千六百六十九円になります。公租公課などは別としまして、直接公庫からの貸付金に対する元利償還金は、千二百三十五円でございますが、この程度のものならば、大体一万円程度の收入があれば拂えるものと思うのでございます。役所あたりでも課長級でありますと、一万円くらいしか收入がない。その階級の人ですと、十坪では実は少し小さいのでして、十五坪ぐらいのものを建てたいところだと思いますけれども、現在の賃金べースで行きますと、十坪くらいの家より建てられないことになるのでございますが、これは特に官公吏の給與が非常に低いためにそういうことになりますが、これが民間ですと課長級でなくも、この程度の收入はあるだろうと思います。従つて非常に小さい家しかできないことになりますが、これはやむを得ないものと思つておるのでございます。
○前田(榮)委員 その次にお尋ね申し上げたいのは、土地の問題で、十体坪の家、あるいは十二坪の家に対して、それぞれその土地が三十五坪、四十坪という一つの文化的な住宅という点からの方針が定められておりますが、これは市街地建築物法による制限よりも、敷地を多く持つように規定されておるようです。市街地建築物法は、大体において市街地の文化的建設をも考慮されてできておるはずでありますが、そこに相違が出ておる点は、どういう理由に基くのか、御説明を願いたいと思います。
○伊東(五)政府委員 土地は木造の住宅を建てる場合には、原則として敷地に対して建坪が三割以下というふうにいたしたいと思つております。これは市街地建築物法による一般の制限では、住宅地域ならば六割までとか、いろいろな制限がございます。そのほかに空地がございまして、郊外地などは空地地区に指定されておりまして、その場所に応じ、その土地柄によりまして、三割とか、四割、五割とかいうふうに規定されております。それのまあ一番高いところになつておるわけでございます。市街地建築物法では、建物、別には別に規定しておりませんので、大きな学校とか病院とか、そういうものでも小さな住宅でも、同じ規定を適用しております。これは同じ割合でありましても、たとえば六割建てるとしましても、大きな建物です、四割の空地というものは、相当空地らしいものが建物の敷地のまわりに残るわけですが、十年や十二坪の家ですと、六割ということになると、まわりに二尺か三尺の空地しかないことになるのです。これはいろいろこまかいことを申し上げなければわかりませんが、建物を中心としてはかつて行くとか、外へ出ておる部分は、みな峯地に計算されるとか、そうでなくとも小さいものと大きなものとでは、同じ比率でも実際には空地は違つて来るわけであります。この場合に、かりに十二坪の家をつくるとしますと、四十坪の土地がいるわけなんです。四十坪に十二坪を建てるということは、まわりに大体一間という空地をとれば、それでもう十二坪になつてしまうのです。つまり三割になるわけなのです。この程度のものは防火の点からいいましても、また保健という点からいいましても必要があります。まあこの程度の小作宅では、普通にはこのくらいの空地はとつておるわけでございまして、別にこれが非常に強い制限にはならぬと考えております。
○前田(榮)委員 住宅の最も困難を感じ、必要を感じておるのは、いわゆる低收入の勤労階級の中でも、むしろ貧困と言つてもいいような者に実際の不自由さというものが多いのでありますが、この法案ではそういうものは、いわゆる公営住宅の方でやらせて、この対象となるべきものは、相当ゆとりのあるものを対象としておるというような先日の御説明であつたのでありますが、そういうことでありますならば、相当ゆとりのあるものこそは、別にこういう法律の擁護をしなくても、建てるべきものは建てるのであつて、たとえば二十坪の家を建てようと思う者が、少しがまんをして十五坪の家を建ててがまんすることになれば、ゆとりのあるものができるのであつて、そういうことの操作のできない階級が実際において住宅難にあえぎ、住宅を要望しておるのです。それがこの法案に漏れておることは非常に残念千万なことだと思うのですが、ここでお尋ねを申し上げたいのは、従来の工場あるいは会社等で、厚生住宅として、会社が建設して、社宅の形で貸し與えておつたのでありますが、この労務住宅の金融の方面は、政府の金融公庫法を制定するという方針の中から漏れまして、それは公営住宅等でまかなうような状態になつて来ておるのでありますが、これは東京都におけるところの配電会社、日発等の電気産業労務者の中にも、強い要求があるわけでございます。従来は住宅を厚生住宅と設備住宅というようにわけて、設備をさせておつたものが、今度設備資金については、見返り資金の供給は、その事業自体の設備以外は使わせない状態になつたので、住宅等には使えないのであります。従つて労務住宅の供給がほとんどできなくなつて、配電会社、変暗所等の事業をやつて行くために、その附近に住宅を持たなければ事業の運行困難な状態の所でも、それができなくて非常に弱つているわけなのですけれども、そういう労務住宅というものが今ほとんどできない状態になつておる。これらに対して住宅難をいかにして解消しようと考えられておるか、この点をお尋ねしたいと思います。
○伊東(五)政府委員 いろいろな産業会社の社宅、いわゆる給與住宅でございますが、これにつきましては終戦後たとえば炭鉱とかその他の鉱山あるいは製鉄、造船といつたような重点産業関係に対して、復金から相当の住宅建設資金を融通いたしておつたのでございますが、この公庫の貸付につきましては、なるべく住宅に困つている国民大衆を直接対象とする趣旨と、それからこの資金が産業の設備資金というものとの混淆を避ける意味で、考えませんでした。結局この産業会社に勤めている労務者の住宅に、こういつた資金を與えるかどうかということが問題でありまして、この資金によつて産業労務者も均霑を受けるかどうかということが問題でありまして、会社自体に融資をするかどうかということは、あまり深く問題にする必要はなかろうというように考えております。重要産業関係に勤めている労務者も、むろんほかの国民と同様にこの貸付の対象となります。のみならずまた職場単位に住宅組合などをつくつて行く方法もございましよう。その組合に対して会社が資金的な援助を與える、頭金を融通してやるとか、保証の位置に立つてやるとか、いろいろ会社として資金的な援助をしてやるというような方法もございましようし、必ずしも社宅をつくる資金を直接会社に貸し付けるという方法をとらなくても、そこに働く労務者に対して、この資金がまわつて行くというふうなことはできると思います。かえつてそれを特別扱いにするということになりますと、何か重点産業の労務者だけがこの資金によつて特別の恩典を受けるとか、その会社だけが特別の優遇の道を開かれるということも、一面から申しまして公正に国民大衆を対象として考えるということからいいましていかがかと思いますので、こういう方法をとつてみたわけでございます。 〔委員長退席、田中(角)委員長代理着席〕
○前田(榮)委員 労務者住宅について、会社に貸すわけに行かないが、個人を対象としての融資を都合するという御意見でありますが、個人を対象としますと、信用の点その他の関係で頭金の所有等の問題もありまして、宅地等の確保という点から、現在の工場労働者としてはほとんどそういうことでは見込みがないと言つていい程度なのであります。従つて私はこの際考えるべきものは、信用の点からやむを得ず会社を対象として貸すけれども、会社とその住宅の使用者との間に、この金融公庫法の組織運営の方法等をにらみ合した契約をさして、そこですべての金利その他の月賦償還というものを会社が責任を持つてやらせるということであるならば、会社もその点自分のところで使つている労働者であるために、ある程度の犠牲を拂い、めんどうを見てもやれると思うし、それから自分のところで使つている関係上、その資金の回收等も契約を確実に履行させることもできるし、非常にその点労働者は助かるし、そのために全社は遠隔の地から通わせぬで済むから、能率も非常に上つて来る。これらの点は相当考慮すべき問題ではないかと思うのでありますが、これに考慮を拂う御意思があるかどうか、その点お聞かせ願いたいと思います。
○伊東(五)政府委員 先ほど申し上げた通りでありまして、これは個人では信用がなくて借りられない、また土地の問題もございましようし、頭金の問題もございましようし、個人では借りる機会が非常に少いではないか、この点はまつたく同感でございますが、ただ個人なりあるいはその従業員で構成した住宅組合、こういうものを対象にいたしましても、その従業員と会社との関係において、信用の点については会社が保証をする、頭金の問題についてはこれは会社が退職金を引当てにでもして貸してやるとか、土地の問題についても会社の土地を貸してやるとか、こういうような方法で会社がバツクして行けば同じような結果になるのではないかと思います。現にただいまの法案に基きまして、そういう方法でやろうということで会社で相当計画を進めておられるところがかなり多いのでございますが、私どもの見解では、この原案によりましても同じような結果になるのではないかと思つております。
○前田(榮)委員 問題はその月々返還すべき月賦償還の額に帰結するわけですが、会社がやります場合には、会社が一時立てかえて十五箇年月賦償還ということをあるいは二十箇年にしても、会社から拂うものは十五箇年で拂うけれども、個人からとるものは二十箇年にするとか、あるいは二十五箇年、またその利子等は会社が負担してやるとかいうことに当然なると思います。またそのくらいの会社でなければ労働者はうまく使えないし、そのことによつて会社はその方面では多少負担をするようであるけれども、遠隔の地から通勤するよりも能率の点で非常に会社が助かつて、收支計算の上では会社は決して損にならないという目安もつくので、会社経営の方針もそこで立つわけなのであります。そういうふうに実際に実情に即して、こういう住宅金融をやることこそが、国民大衆に住宅の供給をするということになると思います。実際にそぐわないただ形式的なことだけ考えられたのでは、今申し上げたように実際利用者が非常に困り、利用者が非常に少くなるという結果になるとは、われわれは火を見るより明らかなくらいに自信を持つている、そういう見通しがつくのであります。従つて結局金融公庫の方で損にならなければ、金融公庫の方は支障がないわけなので、金融公庫の方に支障がない限りはそういう方法をとるべきものだと私は思うのでありますが、これに対する御所見をお伺いしたいと思います。
○伊東(五)政府委員 この点については御説明申し上げたことと思いますが、直接か間接か資金を貸し付ける対象を会社とするか、個人とするか、違いはありますけれども、結果としては同じような運用ができると見ております。多少その点違うところもございましよう。会社が借りるということになりますれば、会社と従業員との間であらためて契約するというようなこともありましようが、個人の場合も同じ結果になるような操作ができないことはないと思います。会社に対して住宅資金を貸し付けるということについては、炭鉱に対して相当の金額を復金から貸し出したのでありますが、この結果は実はあまり芳ばしくないのでありまして、会社の非常に大きな負担になつておるようでございます。これは相当の問題を残しておりますので、その轍をふまないように、従業員側を対象としまして、貸付金に対する個人の責任も相当大きく持たせる。会社にもバツクしていただく。こういう新しい構想でやつたわけでありまして、これにつきましては、炭鉱に対する復金の融資の成績も十分考えた上で、この案をきめた次第であります。
○前田(榮)委員 建設当局の御説明としては、奇怪千万のように承るわけであります。会社側が大きい負担をしまして、それがために思わしからぬような情勢になつておるということですが、会社の負担がどうであろうが、会社が困ろうが、実際そういうことを政府が考慮する必要はない。そういうことについては、それぞれ会社の経営方針等によつてやつたことが会社の負担に案外なつてしまつたというにすぎない。それは負担能力のある人が負担することであつて、決して建設当局がそういう考慮のもとにこの金融公庫法等を考える必要は私はないと思うそういう点はもつとお考え直しを願いたいと思います。 次にお尋ね申し上げたいのは今の点とよく似通つた点は、この法案の中で鉄筋コンクリートの建物で、公共団体等が行う場合の負担でありますが、かりにこれを市及び県が融資を受けて、不燃焼建物にいたしますと、相当高いものになるわけであります。これは私が申すまでもなく、よく御存じのことだろうと思うのでありますが、これに公課等を入れますると、大体において県、市あたりでやりますと、坪数ははつきり書いてありませんが、ここにある神奈川県の計画によりますと、この法案をまじめに実施しますれば、建設費が四十七万八十円で、月額三十三百八十七円になつておる。これをもし補助住宅でやりますと、国家の国庫補助等がありまして、大体府県あたりで現在やつておるものは、安いところでコンクリートの建物にいたしましても、千七、八百円くらいで貸しておるようでありまして、金融公庫によるものと補助住宅とに、非常な開きがあつて、事実上、県、市あたりでこれを行うことになりますと、同じ県民に対して、大体同じ條件の家屋がやれない実情になるわけなんです。これをもしやることになりますと、県、市あたりは税金を免除する、あるいはまた頭金等に対する負担を県、市で持つてやるというようなことにしなければならぬと思うのであります。大体ここに神奈川県の計画によりますと、保険料を少くするとか、その他の関係で修繕等を何とかして行うというようなことをやりまして、二千三百七十一円に見積つたものが出ておりますが、そういうこと等を行わなければならぬと思う。今申しました会社がやつた場合において、会社を対象として会社と個人との契約を條件にするならば、会社が相当負担することになる。県、市がこういうふうに負担して條件をつければ、三十三百八十七円が二千三百七十一円になる。会社の経営と県、市の経営というものについても同じことが言われるわけなんです。そういたしますと、この補助住宅と、それから金融公庫の融資による住宅との消費者価格といいますか、その間に雲泥の差が出て来るわけで、こういうことで妥当な経営ができるとお思いになつておるかどうか、この点をお聞かせ願いたいと思う。
○伊東(五)政府委員 ただいまの地方公共団体に貸し付けて、公共団体がアパートを経営するという前提でお話がありましたが、実はこの十七條の第三号に書いてあります「会社その他の法人」というのには、地方公共団体は入つておらぬつもりであります。法人ではありますけれども、これは地方公共団体は入れない、その他の法人と考えております。公共団体がこの資金を借り受けてアパートの経営をやるということは、この法案ではできないことになつております。ただそれにつけ加えて私から申し上げておいた方がいいと思いますが、この会社法人がアパートの経営をするという場合に、今お話があつたような程度に——少しわれわれの計算では違いますが、非常に高い家賃になるわけであります。そう利潤というものを目的にせずやりましても、十二坪くらいのアパートも三千数百円というような家賃になるわけであります。この三十数百円の高い家賃を拂う者を対象にした、こういう公庫の貸付ということは、法案の趣旨から言いましても適当でないと思いますか、幸いに各府県とか主要な市などにおきましては、この会社法人に対しまして相当の資金的援助をして行こう、そうして家賃を引下げるようにくふうしようということで、計画がそれぞれ進められております。この家賃を大体坪当り二百円程度に押えようと思いますが、十二坪のアパートとしますと、月に二千四百円の家賃ということになるわけでございます。その場合に、大体概算七割五分の資金を公庫からその会社法人が借り受けまして、二割五分は三十年間のすえ置き、そういう資金を公共団体が投資をする、こういうかつこうで大体記算が成立つわけでございます。二千数百円の家賃ということ自体も、ただい吏お話がありましたように、国庫補助の住宅では、同じ建物が千五百円から千八百円ぐらいの家費で行つておりますから、それと比べますと相当高いのでありますが、これは貸付條件が七割五分で貸しまして、 期限は三十年、利率五分五厘といたしますと、その程度以上地方公共団体の資金的な援助ということも非常にむずかしいような実情でございまして、この貸付の條件をいろいろな関係からこういうことにきめました関係で、その程度の家賃になるということはやむを得ないと思つております。
○前田(榮)委員 今私が県、市と言つたのは、御説明の通り県、市が会社を指定してやらせるということであつたので、これは私の方の間違いでありますが、大体県、市が会社を指定して、県、市における住宅緩和のために特別な取扱いをする場合のことであつたことを今訂正いたしておきます。 次にお尋ね申し上げたいのは、この金融公庫の運営費というものはおそらく五十億の一般会計の資金と、百億の見返り資金と、計百五十憾の年五分五厘の利子を運営費に充てるものだと考えているのですが、それに相違ありませんか。
○伊東(五)政府委員 大体五分五厘の收入で経費は全部まかないまして、まだおつりが出るくらいだと思つております。ただ初年度におきましては、利子があまり入りませんから赤字になりますが、この点は別に予算で経費を出すことに考えております。
○前田(榮)委員 次にお尋ね申し上げたいのは、初年度はなるほど全額ただちに第一・四半期に百五十億出るわけではないから、従つて百五十億の五分五厘の利子が入らないから赤字になるのはやむを得ませんが、この金融公庫の運営費を五分五厘でまかなうということ自体が、非常に厖大なものになるわけだと思う。百億にいたしましても、五億五千万円になるわけでございますが、政府がこういう社会の実態に応じてやる事業に、五分五厘の利子そのものが、あまり高過ぎると思う。私はもしこれを官吏の諸君がやらなくて、百五十億という大体無利子の金が入つて来て、これを運営するということになると、少し練達な個人がやると大体三分くらいで十分こういう事業はやれると思います。従つて、これは五分五厘で高過ぎて、三分くらいでやつて、月賦償還の償還年限を十五年、二十年、三十年とあるものを、二十年、三十年、五十年くらいにしてやれば、多少この法律の目的であるところの国民大衆に文化的な住宅を供給するという内容が満たされると思うのですか、現在のような状態では、住宅金融をやるからというて、国民は大きい期待を持つておりまするが、さてこれを利用しようと考えてぶつかつてみますると、大衆はむしろ悲観するのではないかと心配いたしているのであります。これを利率を引下げ、そして月賦償還の年限を延長する意思があるかどうか。またこれは最初は計画等について見通しが困難だから、一応はこういうふうにしたけれども、将来はこの経営をやつてみて、品採算の関係が明確になれば、利率の引下げあるいは償還年限の延長等を考える意思があるかどうか、お聞かせ願いたい。
○伊東(五)政府委員 この借り手の負担につきましては、一面額金の負担ができるかどうかということと、毎月の償還金が一般の收入とつり合つているかどうか、こういうことになりまして、これは頭金につきましては融資率七五%という限度をもう少し引上げれば、頭金の方は軽くなつて来るわけでございます。またそういたしますと、月々の負担が多くなつて来るのでありますが、この点は期限と利率の問題になつて参ります。期限につきましては、担保物件の耐用年限とにらみ合せて行かなければなりませんし、また償還のいろいろ事務から申しまして、あまり長いのも実際問題として非常に因る場合が多いと思いますので、十五年から三十年の間にきめましたことは、大体適当じやないかと思つております。利率につきましては、実はお話のようにこういう性質のものでありますから、国庫が実際の資金コストよりもよけい利息をとるということもないわけでございまするが、一面におきまして、将来償還が予定通りに行くかどうかということも十分見通しがつきませんので、若干のゆとりをとつておく必要があるだろう、こういうことが一つと、それから一般の金融の関係から申しまして、一番安いものか国債でありますが、国債がやはり五分五厘、それから見返り資金も元は無利子の分でございますが、これも公共団体などに見返り資金を貸し出す場合に、やはり五分五厘とることになつております。そういうような現在行われております例から言いまして、最低限のところに一応押えたわけでございます。この法案には利率も明記してございますので、政府としましてはこれをただちにかえるということは考えておりませんが、将来実績を見ました上で、また十分研究してみたいと思つております。
○前田(榮)委員 現在行われておる地方債等の金融か五分百五厘だから、それより下げるのはどうかというお話でありますが、人間生活の衣食住の中で、今日本で一番問題になつておるのは住なのであつて、この住宅問題の解決をつけることが、現下の国民生活のうちで最も重要なものだと思います。この住宅を建てる場合に、公営住宅等においても半額補助をする。つまり返らない金を全部出すというところまで来ておる。それとの均衡から言いましても、その金融が五分五厘だから五分五厘でなければならないというりくつは成立たないのである。従来どうも政府がやる経営というものか、適当な経費の使い方でない場合が多いために、今までもいろいろな問題を起こしておりますが、これをきわめて合理的な適切な経営をやりますと、三分で十分まかなえる。これを何とか少しゆとりを持たなければとか、実際やつてみないととか、あるいはこの資金回収等に支障が起つたりするような場合も考慮するとかなんとかいうようなことは、むしろこの法律の精神、社会施設の精神に反するものであつて、そういうことを考えることこそが現在の社会情勢にそぐわないことになるのでありますが、これは押し問答になりますから、私はこのくらいで質問を終りますが、私は少くとも三分くらいにすべきものであるということを政府は御考慮を願いたいという希望を述べて、質問を打切ることにいたします。
○田中(角)委員長代理 次に瀬戸山三男君。
○瀬戸山委員 なるべく重複は避けたいと思いますが、重要な問題でありますのでお尋ねします。ただいま前田委員が詳細に質されたので、できるだけ簡略にして終りたいと思います。この法案は、率直に申しますと、言葉が強過ぎるかもしれませんが、まさに羊頭を掲げて狗肉を売るという内容なのだと思います。そこで住宅局長も非常にお苦しいだろうと思いますが、まさにそういうふうになつておりますので、そういう法律でないようにいたしたいとわれわれは考えております。第一條には、なるほど憲法に規定したりつぱな條文が掲げてありますけれども、さてその内容はそうなつておらぬということを私は痛感いたします。そこで具体的な問題に入りますが、ここに詳細に表ができておりますが、これによつても、少くとも二千円近くから三千円の月々の負担をしなければならない。これは月額の負担であります。そのほかの生活費のことなどは私は申しませんか、大体こういうふうな負担をし得る人に、このりつぱな法律で家を建てられるようにしようというお考えは、ちよつと矛盾しておるのじやないかと思いますが、その点は先ほど前田委員からもお尋ねがあつて、月一万円か一万二千円くらいの俸給生活者をねらつておる——俸給生活者ばかりでないでしようけれども、そういう收入のある人をねらつておるということでしたが、私はそれではちよつと生活ができないと思います。ここに国民大衆が健康で文化的な生活を営むというのは、家の中におりさえすればいいというのではなくて、そういう家の中におつて、しかも生活の内容をつくり上げなければならないという目的ですから、これだけの負担をしたのでは、この第一條に掲げたような目的は決して達せられないと思う。今金利の問題もありましたけれども、この目的を達成するためには、どうしても金利を下げて負担をなるべく軽くしなければならないと私は考えております。そこでこの表に出ておりますこの計算は、私は間違つておるのではないかと思います。たとえば地租が四十四円から七十三円、百三十一円までと計算されておりますが、これはどういう基礎で計算されたものか、御説明願いたいと思います。
○前田説明員 家屋税を計算いたしましたのは、大体シャウプの案にのつとりまして、建設費十七万円の百分の一・七五といたしまして、それを月で割つたものでありまして、これが二百四十八円であります。地租につきましては地価を三万円とみまして、坪千円の宅地を三十坪とつて、それも同じように百分の一・七五の十二分の一ということになつております。
○瀬戸山委員 坪が千円と言われるのは、私は了解に苦しむのであります。現在御承知の通り地方税法の改正案が国会に提出されて非常に難航を来しております。これがどういうふうになるかは、国会を通過してみなければわかりませんが、現在の政府の考え方では、御承知の通り賃貸価格の九百倍、それが課税価格になつて、今お説の百分の一・七五かけた税金をとるのであります。そこで今千円と言われましたけれども、そういう計算は出て来ない。というのはこれは大都市の住宅問題になりますので、東京都の各地について、二十九か三十その例を調べたのであります。これはきわめて賃貸価格の安いところでありますが、まず第一番に麻布三河台町で、番地は除きますが、賃貸価格が坪八円、最低は板橋七丁目の坪当りの貨貸価格が一円でありまして、これを九百倍して百分の一七五をかけますと、そういうような安い地租は出て来ない。そういう安い税金をとつてくれるならばけつこうでありますが、今高い税金をとろうと構えている。そこでこういうような計算でこのくらいの負担だと言われることは、私は承服ができない。大体この八円とか、一円とかいうのは東京都でも安いところです。他の一つの例をあげましよう。私の知つている友人が下谷の坂本二丁目の電車通りの裏に住んでおりますが、ここの賃貸価格は坪当り十二円であります。麻布三河台町坪当り八円によつてこれを計算すると、一年の税金五千四十円です。それを十二箇月に割ると、四百二十円、それともう一つ一円というところはありませんから、そういうところは計算しませんが、大分ひつ込んで田園調布の三丁目、これが坪当り三円、これを計算すると税金が千八百九十円、月にして百五十七円、この四十四円などという計算で、このくらいだからまずよかろうというこの計算の基礎は、一律に千円とする。それは地方によつて安いところもありますけれども、大体家を建てようというのはこういうふうなところに建てるのでありますから、そんなことではとうてい負担ができない。それで私は羊頭を掲げて狗肉を売るという極論をしたのでありますが、まさにその通りです。それで家屋税にいたしても同じでありますが、家屋税にいたしても大体賃貸価格坪二十円であります。それを九百倍して今の百分の一七五をかけますと、これよりちよつと違つて来る。二十円といたしますれば、この表の第一番目、三百四十八円、二百六十二円もこれは少しの差でありますけれども、税金を厳密にとられるのですから、そろばんをはじけばすぐ出て来るのであります。しかも保険料はどのくらいの計算でされたか知りませんが、こういうふうなどうしても負担しなければならない元金償還と利息、今言つた不動産税ですか、いわゆる地租、家屋税、保険料、こういうものだけでもここに計算されておるような安いものではございません。それでは健康で文化的な住宅を與えて、国民生活をそういうふうにしてやるんだというほんとうの気持がこの法律に現われない。私はこう思うのですが、もう一ぺんこの点を愼重に立案された方方の気持を伺いたい。
○前田説明員 この計算は実は建設費なり取得価格を一応税金の方の表等から出しておきましたので、賃貸価格の九百倍ということ及び新築家屋の評価につきましては、建設費ではなく、時価にすぐ組み直す場合があるかもしれませんが、一応原案といたしましては、建設費なり取得価格をそのまま税金の方の課税標準だといたしまして、ただいま申し上げのであります。それから先ほどの保険は千分の十という住宅の大体の一般の率を月分に割つてあります。
○瀬戸山委員 保険料は各地において違いますが千分の十なんというのはそうたくさんないと思います。大体のところ千分の十七くらいだつたと思いますが、それは土地によつで違います。税金がそういうようにならないことか現在はつきりたしておるのに、そういう計算でやられるという計画の根本に間違いがあると思う。従つてここに出ておりますが、この表の通りに行つても、なかなか十坪の住宅といつて、しかも第一條の健康な文化的な家を建ててやるのだということ自体、大体十坪の家などというのをたくさん東京都に建てること自体が間違つておるのです。これは日本の経済上いたし方ないとしても、こういうような第一條に明文を掲げておきなから、さらにまた局長は先ほど十坪くらいの家にしか課長級でも入れまいということを言われたんですが、そういう政策自体が政治に逆行しておるのではないかと思う。今マッチ箱を建てたこと自体が、日本の将来にどんな事態が起るかということを憂慮しておるのに、今度重大なる政府の社会政策であると明言しておきながら、しかも百五十億円というもつたいない金を出しておきながら、なおかつやはり十坪くらいの文化的な住宅を建てるということは、これは何か私ども割切れない。税の計算は、まさに法律に政府がそういうふうな計算を出しておりながら、その計算でやらなかつたということはどういう理由か、もう一ぺんはつきり説明していただきたいと思う。私はそういう点がはつきりし て、確かにこの金を出せば、ほんとうにいわゆる住居に困つている人に、少くも八万戸の家が與えられるのだ、そうしてそこに入つておれば家はでき、生活もそうきゆうくつでなくて、第一條の目的が達せられるのだということでなければ、せつかくの金の使い道が意味をなさない。こう考えておりますから、特にこの点は深くお尋ねするわけであります。
○伊東(五)政府委員 この計算は大体私ども狂いはないと思つておりますが、家屋税については建設費から計算していいと思つておりますし、地租については土地によつて非常に違いますから、四十四円というのは一つの例示でございまして、この例示が非常に低いということになるかもしれませんので、この点はひとつ研究してみたいと思つております。 〔田中(角)委員長代理退席、委員 長着席〕
○瀬戸山委員 大体終戦後建てた家でもあのバラックみたいな——少しバラックよりかよく建しておる例は知つておりますが、坪当り二十円が賃貸価格です。それから建築費が計算されるのですが、これは学者がやられることですが、私は実際を申し上げておるのです。四十四円という計算はどこからも出て参りません。それは先刻お話の通りに、賃貸価格は今何十等級というのがありますが、しかしながら私ども一番問題にしなければならないのは、東京都でその金が有効に使えるかということを考えなければならないのです。それで私は今東京都の各地の賃貸価格の調べを持つて来て、具体的に質問をいたしておるのでありますが、全国各地に家か建つのですから、安い賃貸価格のところもあります。しかしなから最も多くこの金が利用されるのは東京都その他の大都市です。いわゆる賃貸価格の高いところです。そういうところにこの金が有効に使われるようにして、それよりかもつと負担が安くなるということは、これはもう何も問題にするのではないのですから、最高のところをこの金庫の活用によつて国民に生活の安定を與えるということを頭に考えておかないと、最低のところであるとか、もしくは中間のところだけではこの法律のほんとうの意味が出て来ない。こういうふうに思います。私は重ねて申しますが、東京都の三十の例をここに調べております。それには一つも四十四円などというそんな安い——今度の地方税制の改正法には、いくらそろばんをはじいてもそういう安い地租は出て来ない、でありますからそういうところを勘案して、このくらいの負担ならば行ける、——私の計算では、ひとつ例を出しましよう。これはこの法案ができる前でしたから法案の通りに行つておりませんが、かりに二十坪の家を建てる。二十坪ぐらいが私はこの第一條の目的にまずかなうと思つたから、三十坪の家を建てることにして、賃貸価格を坪当り二十円、そうすると今の税法の出ておりますあれによつて計算すると、年六千二百八十円、月に五百二十三円の家屋税であります。それから地租はさつき四つの事例を申し上げた通りに、坪当り單価八円のところが月に四百二十円かかります。坪当り六円のところが三百十五円の負担になる。それから坪当り二円六十銭の賃貸価格のところが月に百三十五、六円、これが私が計算したのでは一円低いのです。一円のところもありますが、それに応じて計算すればすぐわかるのでありますが、そういうふうなところにこの家を建てて行かなければならないのですから、一律に妙な計算をされて、四十四円とか、もしくは五十八円、税金が安いことはかまわないのですけれども、今度の改正ではそう安くなつていないから、私は特にそういう点を申し上げます。たとえば今麻布三河台の八円のところで計算してみますと——私はこれに元金を入つておりません。今言つたようにこれは月の負担でありますが、地租が四百二十円、それから家屋税が五百二十三円、そのほかに利子が千百円、これは私は二十坪として、二十四万円借りたことにして計算してありますが、それで二千四十三円、保険料が二百八十三円で、二千三百二十六円、これは元金の償還を入れておりません。そういうふうになつて来ると、とてもこの金を借りて、月々このぎりぎりの負担、いやがおうでもしなければならぬ負担をして、この家を建ててるのはきわめて困難である。そのほかに、今度はまた高くなるそうでありますが、住民税その他の税金がかかつて来るのであります。それは家に関係しないかもしれませんが、ぎりぎりのところでもそうです。そこで先ほど前田委員から言われましたけれども、この法律案を、それではどういうふうにしたら、負担が比較的收入に応じて行けるかというと、年限を延ばすか、利率を下げる、これよりほかに方法がありません。この前の委員会で、そういつた意味で笹森委員が言われた、これは国有にしておいた税金を免除したらいいのではないか、これは一案としていい考えでありますが、今の税制では困難であろうと思います。これは一つの方法は、利率を下げるのです。どうしてもそうしなければ、ほんとうに金を借りてこれだけの負担をして行くということは——もしそれだけの負担を簡單にできる人ならば、何もこの金融公庫、いわゆる社会政策をするというりつぱな法律をつくる必要はないと私は考える。そういう負担がなかなかできない人に、この社会政策的な住宅金融公庫法をつくる、そうしで現在の住宅難を緩和し、第一條に掲げてある、国民大衆が健康で文化的な生活をするようにしようというのであるから、そういうことかできるようにしなければならない。重ねて問います。利率はどうしても下がらないというお見込みでありますか、その点をお答え願いたい。
○伊東(五)政府委員 御説のように、これは税の関係などは、あるいは多少地租なんかの点でこの提示しました金額が不適当な点があるかもしれませんが、それはあとで調べて申し上げます。しかしこれによつて負担がどうなるというものでは、ございません。結局年限なり利率なりにおいて改めて行くという以外に、この負担を軽くする方法はないわけでございますが、これにつきましては、政府案としましては、利率、年限はすでにこうきめてあるわけでございますので、今ただちにこれをかえるということは、私としては明言できかねるのでございまして、将来こういう点を考えまして、またこの法案の改正の必要があれば考えて行きたいと考えております。
○瀬戸山委員 この点は、もう繰返して申し上げてもしかたがないので、こういう実情になつているということを頭に置いてもらいたいと思います。 そこで、一体この公庫の実際運営して行く経費は、どのくらいいるという見積りを立てておられますか、それを伺います。
○前田説明員 経費は、百五十人の人件費が千百六十三万。それから事務を銀行その他に委託いたしますので、手数料と申しておりますが、それか一億七千六百万、並びに公共団体に交付しますもの、大体それで初年度の経費としての合計が出るわけでございます。
○瀬戸山委員 大体二億と考えていいと思いますが、それならば、その経費をまかなつて、多少のゆとりを見せるくらいの利子をとる、そういうことで利子を引下げて、この公庫から金を借りて建てた人の負担を軽くする、それか一番の方法であると思います。そうしなければ、これはほんとうにありがたい制度である、法律であるということは出て来ない、このように考えますので、さらにその点については御考慮をお願いいたしておきます。 それから、この法律の根本問題はそれだけだと思いますから、あとは簡單に事務的なことを二、三お伺いしておきたいと思います。第五條の五項には「公庫が前項の規定による米国対日援助見返資金の交付を受けたときは、その交付を受けた金額に相当する金額について、第三項の規定による政府の出資があつたものとする。」とあります。それから第五條の第一項には「公庫の資本金は、五十億円とし、政府がその全額を出資する。」そうすると、この出資があつたときには一々資本金の変更の手続をとつて行かれるのかどうかということであります。
○前田説明員 見返り資金の方は、五項に規定しておりますのは資本金とみなすようにしております。第一項にあります五十億円の資本金とは、一応形式上は別個のものと思いますので、見返り資金の交付があるに従つて、この第一項の五十億円という数字を動かす必要がないことにしております。第一項の方は財政出資といたしまして、公庫への政府出資という額が議会によりまして御決定願いまして、ほんとうの資本金が変更する場合に、この五條の一項をその都度直して行く。見返り資金の方は、予算で一応おきめ願いまして、その予算が実際上入つて来るたびに、第二項にありますように、主務大臣の認可で一応資本金を増加して行くが、それは予算に譲りまして、條文における五十億円という数字は、本来の政府出資たけにしてある、こういう趣旨でございます。
○瀬戸山委員 そうすると、これは第六條の登記事項になつております資本金には入らない、借入れか何かになる、こういう形ですね。
○前田説明員 交付金です。
○瀬戸山委員 もう一つ、第六條には、第二項に掲げてあるようなことを登記しなければならぬ、こういうふうになつておるのですが、変更したときに登記をする、しないという規定がないのでありますが、何か理由があるのでありますか。
○前田説明員 第三項に「前項に規定する登記事項の変更」という言葉を使いまして、変更を登記することにしております。
○瀬戸山委員 第三十一條の第四項、第七号「貸付金に係る住宅が貸付の際定められた用途以外の用途に供せられたとき。」これはどういう場合をさしておられるのでありますか。
○伊東(五)政府委員 住宅を建てるために借りて、それを何か事務所にでもする、そういうような場合であります。
○瀬戸山委員 そういう場合も、ちよつと議論がありますが、大体この法律は、自分が住宅に困つておつて、自分が住むために建てる場合に貸す、こうなつておるのです。そこで私がちよつと懸念いたしたのは、第七号によつて、もし転任をするとか、その他の事由で、この家を人に借さなくてはならないという場合があり得ると思うのですが、そういう場合でも、厳密に言うと、貸し付ける際に定められている以外の用途に供したということになりそうですが、その点はどういうふうに考えておられますか。
○伊東(五)政府委員 その場合も、一応人がかわつたことによつて、貸し付けた際、定められた用途以外の用途に供せられたものとみなすべきだと思います。但しおそらくそういう場合には、一時償還の請求はしなくてよい場合が相当多かろうと考えております。
○瀬戸山委員 その点はあまり法律の條文にこだわらないように、適切に処理されることを希望しておきます。 それからもう一つお伺いいたしますが、二十三條、いわゆる公庫の事務を委託する場合であります。これは前にも御議論があつたと思いますが、大体金融機関に委託する主たる仕事は、ほとんど金融機関に委託しまして、貸付金にかかる住宅の建設工事の審査だけを地方公共団体に委託するということになつておるのですか、この委託業務をどちらにどうするかということは非常に問題であろうと思います。私は金融機関でその申込みの受理及び審査をやる必要はないじやないかと思うのです。もちろん資金の貸付け、元利金の回收その他貸付け及び回收に問する業務は、金融機関が適切だろうと思うのでありますが、その前の家を建てる人が借入れの申込みをするのに、それを金融機関にし、さらに貸付けるに適切であるかどうかを金融機関が審査する。こういうことはむしろ地方公共団体、県であるとか市であるとか、そういうところの方がかえつていいのであつて、しかもそういうふうな貸付けの申込みの受理及び審査をしなければ、建設工事だけ公共団体の方で監督して審査するということも一向連絡がとりにくい、また実情に沿わない。そういうふうに私は考えております。申込みを受けて、その人を審査して家を建てるのだ。従つてどこそこに家を建てるか、その審査をして工事をする、こういう段取りになれば、きわめてスムーズに行くのではないかと考えておりますが、これについての見解を承りたいと思います。
○伊東(五)政府委員 この業務の委託につきましては、建設工事の審査は、銀行には普通技術的な審査能力がありませんので、これは公共団体の方が現在そういう職員も持つておりますし、その方が便宜と思いまして、そういうことにいたしましたが、これとの関連性におきまして、申込みの受理及び審査、これも公共団体でやつた方がいいか、または原案のように、資金の貸付けとか、元利金の回収などは、当然銀行にお願いする方が適当でありますので、それと結びつけて、こういうふうに窓口から銀行でやつた方がよいか、こういう点につきましては、いろいろ考えてみたのでありますが、これはどちらにもりくつがありまして、そう深い意味があるわけでもございませんが、元利金の回收などは相当長く続く問題でありますので、初めの申込みの受理から銀行となじみがついておる方が、回收などの点については便宜があるのではないか、そういうことから、この原案のようにいたしてみたわけでございます。
○瀬戸山委員 私がその点を問題にいたしますのは、ほかからも触れられたように思いますが、今のような仕事の段取りがよろしいということ、それはどちらにも理由があります。それと、銀行だけに受理あるいは審査をやらせることになると、いわゆる金融機関人の本領を発揮しまして、住宅政策というか、大きな意義のある社会政策的な面が没却されるおそれがある。しかも地方公共団体は、御承知の通りに、住宅問題については、国と同様に苦しんでおりますので、そういう点の勘案がきわめて適切に行くのではないかと考えておりますので、おただしをしたのであります。お答えはどうせ同じでありましようから、御一考を煩わしたいと思います。 それからもう一つ簡単なことですが、附則の第九、第十、所得税法、法人税法はすでに通過いたしましたから、これらについての附則を必要とする。しかし地方税については、これに規定がない。規定がないのは、ただいま出ております地方税法案に、この住宅金融公庫が出ておるから、いうないわけであります、今度の地方税が本国会を通過するかどうかはきわめて問題になつております。もしこれが成立し、なかつた場合には、住宅公庫に地方税をかけられるつもりか、別に処置をとられるお考えがあるか。
○前田説明員 お話のように政府といたしましては、同時に国会へ提出いたしましたので、地方税法と両方一応通過する建前で出しましたので、もしそういうような事態が起る可能性があるならば、地方税法案の減免の規定を掲げたいと思つております。
○瀬戸山委員 質疑を終りました。
○淺利委員長 次に西村英一君。
○西村(英)委員 この法案の最重要点は、他の議員からも申されましたように、貸付けの制限額の七五%と利子、それから償還の期間の問題でありますが、これは他の同僚委員からも質問がありまして、政府の意図するところもわかりましたので省略いたします。しかし次に重要なことは、この法案の中にはつきり出ていない実際の運用の問題であろうと思うのでありますが、その点につきまして二、三お附きしたいと思います。融資をする場合の方法につきましては、この法文の中に現われておる條項はきわめて少くて、第十七條の対象とする人、それから第二十五條で、この金額の三面以上は業者に貸してはいけない、こういう二つのことのみがこの融資の配分に関して明らかになつておるので、その他の点は全部運用の問題であろうと思うのであります。伊東局長の話によりますと、どういう人を対象にして貸すのかという他の議員の質問に対しまして、それは個人を調べて、その個人の住宅が不足しておるかどうかということ、すなわち住宅に困つておるかどうかということ、もう一つは世帶主であるかどうか、さらに支拂い能力があるかどうかという三点を調べて、そういうことを標準にして貸したい、その他の制限はあまり設けずに、全国を希望者の抽籤によつて一律にきめるのだというように承つたのでありますが、さいぜん申しましたような各個人に対するそれらの問題を調べる以外に、この融資の方法として制限を全然置かずに、全国一律に各個人についてやられるのであるかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。
○伊東(五)政府委員 ただいまお話のように、この貸付を受けることのでまる資格の審査でございますが、ほんとうに住宅に困つておる事情と、在帶を持つでおる者、それから支拂い能力が大体あるかどうかということで、その人の資産内容などは調べない方針でございます。條件がそろえば全国一律に考えるかどうかということでございますが、いろいろ事務の関係もございますし、また金額もそう多くはございませんので、一番困つておる地域からとりあえず始めたいと思います。すなわち大体市部を中心といたしまして、その近郊地といつた範囲のものを考えまして、だんだん全国的に及ぼして行つたらどうかと現在のところ考えております。
○西村(英)委員 それ以外のことは考えぬと申しますけれども、実際問題としての緩急は、地方的にあるいは都市的と申しますか、東京を中心とするとかあるいは他のいなかの方をあとにするとか、そういう時期の緩急で行くだけであつて、地方的にはわくをつくらない、あるいはまた対象にすべき人に対しても、たとえば引揚者であるとか、戦災者であるとかいうような者に対する差別のわくは置かない。ただ時期的に、第一期についてはたとえば東京を考える、第二期については北海道を考える、こういうような行き方で行くのであるかどうか、その辺を御説明願います。
○伊東(五)政府委員 引揚者とか戦災者という理由で特別な扱いをすることはしない考えでございます。地方的なわくと申しましても、これは事務の関係から一応のわくをつくつて、そうして申込みを受付けることに当然なるわけでございますが、これは二十五年度においても一ぺんにそれをきめてしまうわけではなくて、二回、三回にわけてやろうと思つておりますから、第一回に適当なわくを地方的にきめまして、それによつて申込みを受付けて行く、そうして第二回、第三回というふうに、なるべく地方的に不公平のないように調整して行きたいと考えおります。第一回に東京だけをやつ北海道は第二回から、こういう点につきましては、なるべく北海道も東京も大体同時にやりたいと思いますが、あるいは事務の関係で準備のできたところからまずやつて行く、そうして準備のつき次第ほかの地方にも進めて行くということになるかもしれません。これもあまり時期を違えないで、できれば同時に発表して行くようにしたいと思つております。
○西村(英)委員 そうすると、今のお話によりますと、結局第一回目には、東京は何戸で、大阪は何戸というような、地方的なわくをつくつて行くということになりますか。
○伊東(五)政府委員 さようでございます。第一回目には、やはり一応のわくをつくりませんと、抽籤などをする必要もあろうと思いますので、一応のわくをつくつてやります。
○西村(英)委員 それはわかりました。 もう一つの点はこれも他の委員から質問が出ましたのですが、第十七條の、個人の場合と組合の場合、これは御説明願つたのですが、はつきりいたさないのです。端的にこの法律の中で、どの分と、どの分とが取扱いが違つているか、そういうことを簡單に申していただきたい。全然個人の場合と組合の場合は違わないか、あるいは違うのか、その点をお聞かせ願いたい。
○伊東(五)政府委員 大体十七條の第一号、第二号は、同じような審査方法で行きたいと思つております。
○西村(英)委員 全然違わぬということですか、どうですか。
○伊東(五)政府委員 全然違わないわけではありません。ここに一号と二号とわけている以上、違うのでありますが、二号の方は、組合に貸し付けるわけであります。組合をつくつて、組合に貸すか貸さぬかということをきめる場合に、組合員側人々々をやはり個人の場合と同様に調べまして、もし申込みが超過するならば、個人の場合と同じように、抽籤によつて行うことにいたしたいと思つております。
○西村(英)委員 そうすると、結局二号は契約の当事者が組合になるというだけですか。
○伊東(五)政府委員 個人と違いますのは、連帶責任を負うという点が違うわけであります。個人の場合には、別に保証人をつくつていただこうと思つております。この組合の場合でも連帯保証だけでは、個人の場合と特別の扱いをする理由にはなりませんので、この組合の場合でも連帯保証のほかに、場合によつては、やはり個人の保証人をつけていただくということにもなろうかと思いますので、大体におきまして個人も組合も同様な扱いになると思うのです。ただ少しこれについて先ほどもちよつと申し上げましたが、職域單位の住宅組合をつくるということも考えられるのであります。この場合においては、職域においてそこで保証をするとか、あるいは頭金を出すとか、あるいは回收を一手にまとめて公庫に納めるとかいつた場合があるかと思うのでありますが、この場合には、別に一々保証人をつけなくてもいいというようなことがありますので、なるべく一号と二号とは公平に取扱いたいと思いますが、職域組合の場合については、なお実際の運用について研究の余地かあるものと考えております。
○西村(英)委員 それから標準建設費のところでございます、これは標準建設費よりも二割くらいの質のいい建物については適用するか、それ以下の問題は言つていないのでありますが、もちろん建物の質をよくするために、あまり標準建設費よりも悪い建物を建てる場合にはどうかと思われるのでありますが、実際問題としてはたくさんそういうものが起るのではないかと思うのであります。これは自己負担金がかかる関係上、自分といたしましては五万円はできないけれども、三万円はできる。従つてそれほどいい建物はいらないからということで、標準建設費よりも安い建物で自己負担をカバーしたいという人がかなり出て参ると思うのでありますが、この点につきましては一方から申しますと、現在自己負担の金で相当に困るから、多くの人に利用させるためには自己負担を軽減しなければならぬ。軽減した方がいいということも考えられますので、こういうような標準建設費よりも安くてやりたいという者が続出した場合に、この取扱いをどういうふうに考えているか、その点の所見を伺いたいと思います。
○伊東(五)政府委員 かりに標準建設費が、これは地域によつていろいろ違いますが、大体東京あたりでは木造の場合に一万八千円程度にきめたいと思つておりますが、この十九條ではこれの坪当り二割増しを越える場合には、一応ぜいたくと見て貸付の対象にはしないわけでございます。これを一万六千円でつくりたいという場合のお尋ねでございますが、その場合には一万六千円に坪数をかけまして、これが実際の建設費でございますから、それの七割五分までは貸すというふうにいたしたいと思つております。
○西村(英)委員 そうすると、標準建設費よりも安くて自分が建てたいという場合でも、これは貸すということでございますか。
○伊東(五)政府委員 さようでございます。但し建物の質の基準を別に定めることになつておりますので、安くてもその基準に合つたものでなければなりません。その基準よりも非常に悪いもので、とうてい十五年も持たない、担保の価値がないというものについては貸付ができないわけでございます。
○西村(英)委員 最後に第二十四條で、公庫が業務を開始する場合に業務方法書を定めて、そうして建設大臣ですか、主務大臣と会議することになつておりますが、さいぜんの御質問で申し上げました実際問題といたしましては、ただ審査してやるということであるけれども、たとえばここに八方戸の配分について、この業務方法書等で公庫がある件数を地方的のわくをきめてやるというふうに考えられるのですが、先般の新任紙上に出ておりましたのですが、実際住宅の不足と申しましても、地方的にかなり緩急があるので、東京都につきましては、たとえば八万戸のうちの二割以上は持つて行かなければならぬというようなことも言われておりましたが、この法律に定めなくても公庫は業務方法書を定める場合に、こういうような地方的のわくというものを実際考えられてやるのではないかと思うのであります。その点を重ねて伺つておきます。
○伊東(五)政府委員 戸数の割当の問題は、二十五條の四半期ごとの事業計画及び資金計画、これでやはり同様に主務大臣の認可を得てやるということになるであろうと思います。そうして地域によりまして、住宅の不足の現状は相当違いがありますが、これは全国の住宅事情の調査もございますし、また庶民住宅の割当をしたというような経験もございますから、最初は四半期の割当はそういうものを目安にしてきめまして、だんだんと整えて行きたいと思います。
○西村(英)委員 私の質問は終りました。
○淺利委員長 井手光治君。
○井手委員 なるべく重複を避けて御質問をいたしたいと思いますが、この法律案を事前に私どもに示されたとき、希望としてなるべく実際運用面を簡素化するようにしてもらいたいということを申し上げておつたのでありますが、この法案を見ておりまして、私はまつたく驚くべき非能率きわまる法律案であるということを痛切に感じます。第一常識的に考えてみまして、十坪の住宅に対し三十坪の土地を基準にして貸し付ける、そうして十年ないし三十年にわたる不動産に対する抵当権を設定し、そういうものに対して貸付及び運用するという内容は、これくらい能率の悪い法律案は、おそらくこれは大正十二年に、住宅組合法によつて震災復興等の住宅難緩和をやつた当時の思想と何らかわつておらぬ。今日の民主的な考え方というものは、一つも入つておらぬのを見て驚いた一人であります。これを前提にして私は御質問申し上げたいと思います。 十二條の公庫の理事というものの権限は、二十三條のおそらく貸付の決定をする機関だと思うのですが、その点はいかがですか。
○伊東(五)政府委員 貸付の決定権は公庫にありますが、これは理事に限りませんで、職員がその事務を担当いたします。
○井手委員 この点は非常に重要なところだと思うのです。庶民金融金庫、あるいは商工中金等が現在金融措置について非常に非難を受けておる。これはどこに原因かあるかというと、貸付決定に対する権力的な姿が非常に困るというのが一番問題になつておるのです。たとえば商工中金等においても、八人の理事があつて、理事が一人でも反対すれば貸付かできないというようなかつこうになつておる。もし三人か四人の理事が、そういう制度で貸付をきめる、また権限を行使するということになると、おそらくこの法律は、貸付の申請をして家が建つまで一年かかるのではないかという気がしますが、その点はいかがですか。これは一体貸付の申請をして、金融機関かそれを審査して、それを決定機関たる主務公庫にまわす、あるいは貸付金のわく内で抽籤をするか何かやるでしようが、そういうふうにしてきめる。しかしそれは單に住宅資金を貸し付けるための決定であつて、あらためて今度は資金の貸付に対する償還計画、その他の正式な手続がいるだろうと思う。それでやつて、ほんとうに金が流れ出すまでには、またそれが金融機関の手にもどつて、そうして公共団体の手に渡つてそれを中間検査して、金が出るというような段取りになると、おそらく申請してから早くて半年か、あるいは一年かからぬと、十坪の家が建たぬのじやないか。これに対して、あなた方はどう考えるかしらぬが、その辺の事情を具体的にお伺いしたい。百五十億も金を出すなら、それで十坪、十五坪の家を国が集団的に建てて貸した方が、経費もかからぬで安上りです。これは、実に非能率的な法律である。大正十年に住宅組合法を制定した思想とひとつもかわらぬ。国民に文化的な生活を営ませるために住宅を建てるという、民主的思想の上に立つておらない驚くべき法律だと思うが、これを具体的にどういうふうに運用されようとするのか、局長の御意見を伺いたい。
○伊東(五)政府委員 その点につきましては、最初要綱で御説明申し上げましたときにも伺いまして、その点十分注意して立案しておるつもりであります。貸付の決定につきましては、一々これを理事会できめるということになりますと、なかなか手間がかかりますので、この法案にもありますように、公庫の支所長なり、またその職員なりに——職員の点はここに書いてございませんが、実際問題としましては職員に決定権をまかせて行かざるを得ないと思います。非常に品数が多いのでありますから、一々本部において決定することはとうてい不可能でございますので、出先の支所の職員に決定せしめる、こういうふうに考えております。それから銀行の調査、地方公共団体の調査がございまして、その調査に基いて、公庫のただいま申し上げました職員が決定することになりまして、多少複雑なような感じもあるのでございますが、これもできるだけ実際の運営は簡單な方式で行きたいと考えております。 まだ貸付までの手順を概略申し上げますが、資金を借りたいと思う人に、しろうとでも簡単に書けるような様式の申込書をつくつておきまして、それに住宅に困つている事情とか、收入の点とか、どういう家を建てたいというようなことをあらまし書いてもらいまして、その申込書を銀行の窓口へ持つて行つてもらう。そうして、その記載事項について深く審査をすることは省きまして、大体書面において間違いがなければ、一応対象とします。それが先ほど申しましたように、その地方のわくより超過する場合、たとえば百口たけ貸せるというわくがありました場合に、二百人の申込みがある場合には、百人だけを一応抽籤によつてきめます。そのほかに補欠といたしまして、幾らか順位をきめておきます。そうして抽籤に当つた人について、銀行で実際に申込みの通り間違いがないかどうかを審査いたしまして、順々に間違いがないという人をきめて参ります。そうして一番早く申し込んで、審査を終れば、その人は、普通建築許可届というものの手続が家を建てるためには必要でありますので、府県などに建築の属を出すわけでありますが、その際に設計図とか、見積書とか仕様書とかいうようなものを添付して出しまして、公共団体でその設計図、仕様書に応じて、この家は大体幾らかかるものという審査をいたしまして、それで間違いないという証明を出しますと、銀行で仮契約によりまして貸付の決定をいたします。そうしてもしその中で審査の結果いけないというものができて来た場合には、補欠を繰り上げて審査の対象にして行くわけであります。そうして貸付の仮契約と申しますか、内定いたしました人は、自己資金によつて——二割五分の自己負担がありますから、それによつて請負者と契約いたしまして、あの程度まで、たとえば建前なら建前まで工事を進めて参ります。そうして建前ができたから、第一回の貸付金の拂い出しをしてもらいたいということを申し出ますと、公共団体で現場へ行きまして、建前をやつておるという確認をいたします。それによつて、何かその場合にも証明のようなものがいると思います。あるいは通報でいいか、とにかく検査した結果、建前をやつておる、間違いないということで、銀行は第一回の拂出しをいたします。それから竣工までにもう一ぺん同様のことをいたしまして、銀行が全額の貸出しをする、こういう段取りに考えております。第一回の貸付の内定までに、大体公開抽籤などの方法によりますし、また審査もその資産内容まで調べるということでありませんので、そう長い期間は必要でないと考えております。大体百五十億の資金が年度内に全部拂い出し得るように段取りを考えております。
○井手委員 大体私どもが想像いたしました通りに、きわめて複雑怪奇をきわめる手続であります。ここに申込をいたしまして、銀行の窓口で仮審査をする。わくをきめて、公開抽籤をして、順位をきめる。銀行の準備審査をして、それから本人が建築届を出して、公共団体にさらにその審さの決定を求める。その上で内定する。そこで初めてその許可によつて自己負担の請負が始まる。建前でまた申込みをして、金を受取る。公共団体の確認を受ける。これは実に驚くべき手続だと思います。これが五十坪か百坪の家で、あるいはりつぱな共同建築で、相当莫大な資金を貸し付けるというような建前でありますならば、一私はなるべく嚴重にやつていただきたいと思います。しかし国民の最も困難をきわめているわずか十坪の木造住宅に資金を貸付けるというような、非常に社会政策的な建前から言いますと、かくのごとき複雑た手続を要しなければ十坪の家が建たぬということを考えますと、これは国民の側からすると、実に身の毛がよだつありさまじやないかと考える。そこで私はなるべく簡素に考えてもらいたいということを申し上げた。こういう複雑な諸般の公共団体、銀行の窓口、本人、金融公庫というような間を書類が往復すみことを考えた日には、これはとてもたいへんなことになるだろうと思う。許可一つとることたつて、今日どんなに困難をきわめているかということは、よく御存じのはずだと思う。大正十年に住宅組合法をつくつた。あれと同じです。あのときはもつとこれよりも簡單です。第一、銀行と公共団体との間の審査でありますとか、貸付の内容調査というようなことは考えられておらない、また建物の検査なんかもこれより簡單だつた。これは今日の時世とあまりにかけ離れた、複雑きわまる手続を要すると考えますまで、またあとで、今の御答弁もありましたから、私どももよく研究してみますが、おそらく各委員とも、国会としても複雑な手続には驚かれることと思います。 そこで簡素化する意味において、貸付を決定する機関をはつきりしておいてくれということを申しておきたい。これは理事会にかけて、四人、五人の理事の会議によつてそれがきまらなければできないということになると、非常に複雑な問題を生じて来る。これは将来必ず起きて来ます。この金を借受けるために、抽籤を行つて、内々いろいろな運動方法を講じないと、十坪の家が建たぬというような恐るべき事態を招来することを何よりも心配するので、今の御質問を申し上げたのであります。これはおそらく銀行に対して当座でも組んでいる人ならば、優先として銀行の顏がきくからいいかもしれないが、十坪の家を借金をして建てるような人は、おそらく銀行と取引はない。そういうように銀行に顏をきく人のためにやる。銀行のわくについてこれが一騒動。それから順位が公平にきまるかどうかしらぬが、きまつたとしても、それからまた公共団体の方に申し込んで、自分の方の審査にオーケーを與えてくれという運動をする。実にこれは今日の世相の悪を住宅問題にさらけ出すのじやないかという予感がするので、この点ひとつお考えをいただきたいと思います。その点だけを申し上げておきます。そこで貸付の決定の機関については、はつきりした目途をおいていただきたい。そうせぬと、これは複雑怪奇な問題を招来しはせぬかという予感がする。 その次に伺いたいのですが、大正十年法律六十六号、住宅組合法による住宅組合日を対象としているのですが、この住宅組合法の改正の御意思がありますかどうか、それを簡単に伺います。
○伊東(五)政府委員 住宅組合法はさしあたり改正を考えておりません。
○井手委員 住宅組合法は申し上げるまでもなく、万々御承知のことと思いますが、住宅組合法により資金の貸付を仰ぐという手続ぐらい、あらゆる意味の複雑怪奇な手続は、日本にありません。おそらく世界にもないだろうと思います。これはもう恐るべき複雑な手続である。住宅組合をつくるために、どういう困難な手続がいるかということは、これはしばしば問題になつた。でありますから住宅組合法をもう少し簡素化するならばともかく、住宅組合をつくるということは容易な問題ではありません。莫大な経費と人と時間とを要して、容易ならない手続であります。だからもう少し簡素化せぬといかぬ。まあ住宅組合をおつくりになつてごらんなさい。容易ならぬあの複雑な手続というものは、これは私どもさんざんやつた経験がある。これは当時も問題になつた。土地の権利書を持つて組合のものにし、それから組合員の出資金をきめて、そうして事業要目をきめて、まず住宅組合の設立の認可をとつて行かなければばらぬ。それをとつてから、資金の貸付の審査を受けて、資金がまわるまでには早くて半年かかる。やつてこらんなさい。とにかくたいへんなものです。やたらに法律を振りまわして、法律の上に国民を苦難に立たせながらやるということは、これは非常に考えなければならぬ重大な問題だろうと思います。そういう点を十分御研究を願いたいと思います。 それから十七條一項三号の賃貸を営む会社というのは、これは貸家業を営む会社ですね。そうすると、この五分五厘の金を借りてやるというような計算は、先ほど瀬戸山委員からお話があつたように、根本的に誤つていることを指摘したいと思います。この経費負担を見てみますと、十坪の住宅で千七百三十六円の家賃を拂うことになりますが、三十五條二項に「貸付を受けた者で第十七條第一項第三号の規定に該当するものは、地代家賃統制令(昭和三十一年勅令第四百四十三号)に定める統制額の範囲内において主務省令で定める額をこえて、貸付金に係る住宅の家賃の額を契約し、又は受領することができない。」こうなつている。これはこの地代家賃統制令の範囲というと、どういう範囲になりますか。一体この計算で利益がありますか。事業会社がそろばんをとつて、この家を貸し付けて利益が出て来るかどうか、この点を一つ承つておきます。
○伊東(五)政府委員 この会社法人につきましては、一割以上の配当はできないという規定がございますが、一割どころでなく、普通の一般国民大衆を対象とするような家賃をとりますと、実は民間の普通の経営としてはほとんどできないことになります。ただこれをそういうことがわかつておりながら、この三号を入れましたのは、地方公共団体などが特別に出資をして、償還期間である三十年間ある程度の資金的な援助をする。これは三十年後において資産が相当残りますから、長い日で見ればペイいたしますが、さしあたりはペイしないわけでございますがそういう地方公共団体あたりの相当の希望計画がありますので、それを生かす意味において、この三号を特に入れたわけでございます。
○井手委員 これでは事業会社は成立ちません。成立たなければ、これは先ほど瀬戸山委員が言われた通り、羊頭狗肉の法案であると申し上げるよりほかしようがない。でありますからこの点については先ほど他の委員から御質問があつたように、むしろ会社、法人が労務者その他の住宅に供するために、その裏づけたる保証を行つて、その会社に責任を持たせて貸付けた方が私は確実6より有利である、その方がかえつていいと思うのです。おそらく一文の利益にもならぬものを、貸家を建てるということはわからない。わからないものを国家が大きなお題目で法律案に規定することほおかしい。そういう考え方が私は今言つたように大正十年時代の思想とかわつておらないと申し上げるのです。これは少し言い過ぎかもしれませんが、確かにもう少し建設的な問題として感覚を新たにしてもらいたい。今日まで戰災後の苦難を切り抜けて来た伊東大局長ですから、もう少し進歩的な法案をつくつてもらいたいということを希望しておつたのですが、遺憾ながらあまりに今私が指摘するような状況でありまして——これはむずかしかつたろうとは思いますが、遺憾にたえません。もう少し十分考えてもらわないと、十坪の家を借りるのに公共団体が特別な出資をして、特別な事業会社を起して、特別の貸付をする。こういうことをやつておるから、この資金が二年も先にならなければ動き出さぬということになります。今日国民が生活に困つておるのだから、十坪の家を一戸建てるのに、ものの一月で建てるということでないと、国家がこの法律で住宅を建てる趣旨と合致しない。むしろその思想を阻むものである。そういうことがピンと来ない。でありますから、この点は十分もう少し研究してもらわないと、これは簡單に私どもはのめない。ずいぶん複雑怪奇です。半年も一年もしないと十坪の家が建たないということになります。 それから三十坪の土地を基準に考えたようですが、一体実際問題として三十坪の土地を貸したり売つたりするようなことが、現実の姿としてあり得るかどうか、これは基準だからいいのだという考えでしようけれども、今日市街地建築物法では、三十坪以下の土地は今後認めないということになつております。でありますから住宅について三十坪を基準にしてこの計算を立てているという考え方が、実にどうかと思うが、三十坪でも二十五坪でも、土地があればよろしいでしようが、事実上は困難です。もう少し私は考えがあると思う。この点について、一体三十坪ということは具体的に、実際的にどういうことを基準にして考えておられるか、その点を承りたい。
○伊東(五)政府委員 お尋ねの点がよくわからなかつたのですが……
○井手委員 これは三十坪の土地を基準にした場合こうだということを考えておるようですが、実際問題として三十坪という考え方を置いた根拠をちよつと伺いたいというのです。
○伊東(五)政府委員 土地は大体敷地と建坪の関係は、木造でありますと公社住宅の場合には敷地に対して三割程度普通にとつておりますし、その程度は必要なわけでございます。四十坪の土地で十二坪、こういうわけであります。最小限度三十坪程度が必要だろうと考えまして計算の基礎にいたしておりますが、これより大きいことは一向さしつかえないわけであります。 それからほかの点について、お尋ねではなかつたのでございますが、半年も一年も先にならなければ貸付ができないではないかという、そういう点を非常に御心配のようでございますが、われわれとしましてはこの法案が通る以前から、いろいろと大体この法案に基いて準備を進めておりますが、大体来月の中ごろには受付を開始いたしまして、抽籤なども六月中には第一回の抽籤をやり、抽籤が済みましたならばもう工事が始まつて来るわけでございますから、木造でありますから三月もあれば家が建上つてしまいます。大体九月か十月ごろまでに第一回の分は全額資金が拂い出し得るものと考えておりまして、この三号につきましては、会社や法人を公共団体の出資によつてこれからつくるということになりますが、これもすでに各主要の都市、その都市を持つておる府県などではいろいろ予算的措置もすでにしておるところもございますし、大体そういうことで準備を進めておりますので、これは一般の個人の貸付よりは多少遅れますけれども、これも年度内にはある程度は実現いたすだろうと考えております。そしてこの三号の分はもし年度内に予定してあつたものが十分成り立ちません場合には、その資金は全部一号と二号の分に割当てて行くつもりでございます。これは個人の要望も非常に大きいわけでございますから、手続もなるべく簡単にしまして、早く資金の拂出しができるようにしますと、年度内には予算の消化ができるものと考えております。
○井手委員 局長さんのお気持はよくわかります。わかるので私どもお気持の通りやつてもらいたいと申し上げておるわけですが、実際の法律の規定——おそらく施行規則などでもつと綿密なこまかい規定がきめられると思うのですが、大体この法律案の内容から言つて、具体的に貸付の手続の問題を取上げても、それほど複雑な特別な機関が二つも三つも参加して、公庫を入れると三段構え、四段構えになつておる。そういうこと自体がきわめて非能率的な権力的なものになりはしないかということを心配して申し上げたのですが、その点は十分よくひとつ具体案をつくつて、もし自分が十坪の家を借りる、自分で手続するという場合を考えて、もつと簡素化するように方法を講じてもらいたい。 それから二十三條のやはり同じような問題ですが、最近金融機関の公共性ということをしきりに言われておるようですが、金融機関くらい公共性のない機関はない。おそらく金融資本のもつとも悪い姿が出ておると言われておるくらいに恐るべきものになつておるのですが、こういうことで銀行が国民のための住宅金融であるということに目ざめて、局長が期待されるような能率的な運営が一本できるものかどうか。それについては六号の金融機関の役職員で委託業務に従事する者は、公務員に準ずる職員とみなす。こういうことになつておるようですが、現在の金融機関におきましてこれをまともに受け入れてやるというようなお話合いでもついておるのですか。ちよつと伺いたい。
○伊東(五)政府委員 金融機関は、この業務を取扱う部面におきまして貸付の決定権は持ちません。ただ申込みを受理したり、これを審査するという点で参画するわけでありますが、審査しますこと自体が、この審査の結果によりまして貸付の決定をゆがめるという御懸念だろうと思いますが、これについては大蔵省などともいろいろ話合いまして、そのようなことのないように、この資金が財政資金であります公的の性格の強いものでありますから、十分大蔵省を通じましてただいま銀行ともいろいろ話合いをしておりますが、運営につきましては、その点は十分注意してやつて行きたいと考えております。
○井手委員 これはひとつ十分御津意いただきたいと思うのでありますが、金融機関の現在の銀行業務、ことに貸付業務の実態から推しまして、おそらく特別な人を銀行でも任命して、専門の職員を置くことになると思います。おそらく委託業務などもここに規定を置くということになると思いますが、これも私どもの期待に反したきわめて非能率的な現在の金融機関の貸付の現状から推して、あまり芳ばしいものにはなり得ないのではないかということを、私どもは心配して申し上げておりますので、この点についてはなお一層研究を要すると思います。 それから地方公共団体への関連性ですが、まず二十三條におきまして、地方公共団体と一口に言いますが、一体地方の市町村の建築事務などというものは、これは局長さんなどは頭が痛いほど御存じだろうと思いますが、これほど能率の悪い機関はない。おそらく何千何万という書類を受領して、調査して、現地を踏んで確認証を與えるとか、審査の結果を通報するなどという事務手続が現在の公共団体の建築行政の一分野として入つて来ることになるのですが、こういう点は私は考えなければならぬのじやないかと思う。おそらく東京都下の戦災復興に何千何万件という申込みが来ると思いますが、そういうことではたしてあなたが言うように、調査を委託しておる公共団体がそれを調査して、現地を踏んで、確認証をとつてやる、二回も三回も、建前をして、金の貸付をするときはまた二度目に現場を見る。そうして荒壁はついたか、瓦はついたか、家が建つまで三回も四回も現場を踏まないと貸付の締めくくりがつかない。これは私は実際問題として容易ならぬことであると思います。この公共団体の事務の内容等について何か具体的なお考えがありますか。これも私は能率上の問題から御質問申し上げておきます。
○伊東(五)政府委員 この公共団体というのは、大体都道府県、場合によつては市などを考えておりますが、必ずしも建築行政といいますか、許可をやつているようなところを使うという意味ではありませんので、技術的な審査能力のある職員を持つているところをおもにやりたいというように考えております。こういう事務をやることがどうかという根本問題になりますと、資金の流用を避けるためには、やはり現場を確認してやるということが一番確実ではないか、多少このためにそういう事務を必要とするわけでありますが、これは不動産金融から申しまして、ある程度の現場の確認などは必要なことではないかと考えまして、こういうふうにしたわけでございます。その他公庫が直接こういう職員を持つてやるという方法とかも浸るいは銀行にこういう職員を特別に置いてやるとか、いろいろな方法は考えられますが、現在の状況から見ましてこれが最も能率的ではないかというように考えまして、こういう案をつくつてみたわけであります。
○井手委員 これもおそらく局長さんの事志と違うと思います。おそらく地方公共団体に、これだけの厖大な百五十億からの建物が建てられ、それを消化するような建築技術は——おそらく小さい町などに行つたら建築の専門技師などというものは一人くらいしかいない、東京二十三区あたりでも一人か二人です。おりましてもそれぞれ専門の職を持つておりまして、現場を二回も三回も踏んで、二千軒三千軒というものを見ることはできない。おそらく先ほど申し上げたように、そこにいろいろ問題が発生して来るのではないか。私のところを早く調査してもらいたいというので、一ぱい飲ませて連れて来て、早くやつてくれと言つて金を與える。職人からはいじめられる、結局一日でも早く自分のところを調査してもらわなければ命が借りられないというところにむりが来るのではないか、これが現実です。行政の実態をよく知つておる者はこういうことはよくわかる。だから私はこういうことはもう少し現実に合つた、たとえば東京都なら東京都の建築の技術家協会とか何とかというものがあるが、あなたの幕僚にもたくさんおると思うが、こういう建築に堪能な土木技術家などの協会に委任して、多数の人が、ちよつと自転車で行つて見れば事が終るというような、能率的な仕組みになれないか、おそらく公共団体の建築技術者——これはおそらく建築技術者でなければ価値がない。十坪や十五坪のものを建てるのに、二回も三回も現場を踏まなければできないというようなべらぼうな話はない。建築基準をきめてやる以上、二回も三回も公共団体の技術員が来て確認証を出さなければ金を出さない。何百万円の建築をするのなら別ですが、これはあまりにも考え方としておかしいと思う。今日の民主的な技術、運営という面から、もう少し根本的な考えがありはしないかと思います。私の方でも研究しますが、この点は非常に遺憾に思います。公共団体の関連性と技術指導という調査機関の内容等について、もう少し私の納得の行くようにお考えを願いたいと思います。 それから二十八條の金融機関に委託業務を行うために、必要な金額を限つて当該金融機関に預け入れる、おそらくその金融機関の貸付に対する信用及び金融機関をこの事業の中に歩ませる一つの手段としてお考えになつたものと思われるので、これは非常にけつこうだと思いますが、ここまでおやりになるのならば、さらにもう一歩進んで、貸付の業務を銀行に全部やらせる意思はないか、銀行というものはあなたが考えるほど甘いものではない。だれにやらせるより銀行にやらせた方がいい。むしろそういう複雑な手続をとる必要はない。銀行におまかせなさい。銀行は必要と思えば技術者を置きます。もつと金融機関に公共的な性格を付與して、技術の面で責任を持たせる。そのかわり金も預けて、安心させてやるようにする、こういうような、もつと根本的な方法をとるお考えはないか、公共団体の性格は複雑で、これは困ると思いますから、業務を委託して金を預けるというところまでやるなら、一切おまかせになつたらどうですか、国民は喜びますよ。おそらく技術屋が行つても、銀行屋が納得しなければ金を出しません。だから今の銀行の健全性を社会性と結ばして、そこに公共性を付與した方法がとれないかどうか、その御意思があるかどうか承りたい。
○伊東(五)政府委員 この二十八條の三項でございますが、金融機関に預け入れる規定でございます。これは委託業務を行うため必要な金額限りでございまして、銀行から金を支拂つてもらう、その必要な額だけずつ預け入れるという意味でございまして、銀行に相当の金額をあらかじめ預けておく、こういう意味ではないのでございます。金融機関に全般的にこの業務をまかせてしまうということにつきましては、金融機関としましては相当かたくおやりになるだろうと思いますが、一面弊害も考えられるのでありまして、銀行との取引関係がなければ非常に損をするとか、何かそういうほかの弊害も考えられますので、全般的に金融機関にこの基金の運用をまかしてしまうということは考えておりません。
○井手委員 委託業務を行うために必要な金額というのは何を言うのかということになると、結局貸付金になると思います。銀行が配当する以上は、結論的には同じであります。でありますから、私は金融機関をもつと公共的に動かしめて、金融機関の堅実性を買つて、法律で金融機関にも技術者を置いてでも、この国民的な、国家的な大事業を完成させるというくらいの進歩的な法案をつくり出したらいい。それを期待しておりますが、これは遺憾ながら法案がこうなつておりますけれども、もう少し施行令その他について簡易な方法をとり得るようにお考え願つて、第二十八條三項が、ほんとうにこの精神が現実と結びついて生かして行くというふうにお考え願えないか、この点だけ質問しておきたいと思います。
○伊東(五)政府委員 この法案がきまりました場合には、この運用につきましては御趣旨の点を十分に考慮に入れましてやつて行きたいと思います。
○淺利委員長 質疑は本日はこの程度にとどめます。 去る五日本案に関する参考人より意見聴取の件について協議いたしたのでございますが、その節には参考人の人選は一応決定いたし、残余は委員長に一任となつておつたのであります。ただいまその人選も決定いたしましたので、この際御報告いたしておきます。なお先日決定いたしました参考人のうち、一部変更になつた方もあります。すなわち婦人代表の方及び企業家代表の方々が当日支障があり、時日の関係上これにかわるべき方を定決する運びに至らなかつたので、他の適当の方を選定いたしたのであります。この点御了承願います。 それでは読み上げます。土屋清君朝日新聞論説委員、藤田進君電産労組委員長、安藤清太郎君全国建設業協会会長、古賀英正君都市不燃化期成同盟事務局長、井上敏夫君日銀理事、内山岩太郎君神奈川県知事、阿部眞之助君評論家、坂野武雄君都南消費組合組合長、池辺陽君東大助教授、新日本建築家集団、西森義君東京都尾久民生事務所長、以上の方々にお願いいたしました。明日は午前十時より委員会を開きまして、以上の参考人の意見を聴取いたしますので、同時刻までにぜひ御出席願います。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時四十五分散会