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7回国会衆議院1950/03/07

建設委員会 第12号

発言数
64
登壇者
9
会派数
1
開催日
1950/03/07

会議録

淺利三朗自由党

○淺利委員長 これより開会いたします。  日程に従いまして国土開発に関する件を議題に供します。国土開発法については、政府においても総合国土開発審議会を開いて、その成案があることもさきに説明を承つておるのであります。なおこの風土開発法を今期中にぜひ成案化するようにということは、各地方から何十通となく同報が参つているような次第で、日本再建の上において、一日もゆるがせにすべからざる問題だと思うのであります。しかるに政府は、これをいつ出されるお見込みであるか、またどういうふうにされるのか。一方建設省においても、地方計画開発法を用意しておるようであります。政府としては内閣で出されるのか、あるいは建設省を通して出されるのか。もしまた政府においてその意思なしとすれば、当委員会においても、この問題を取上げなければならぬ問題であると思うのであります。よつてこの際政府当局からこれについての一応の御説明を承りたいと思います。

西村久之自由党経済安定政務次官

○西村(久)政府委員 ただいま委員長のお尋ねの点につきましては、政府といたしましても、国土開発の必要なることを痛感いたしておりまするので、国土開発法を提出いたすべく、よりより法案の作成に議を練つておるようなわけでございまして委員長の先ほど申されたような段階をふんで参つておりますが、国土開発の建前から、各省関係に影響いたしまする点を考慮いたしまして、安定本部で立案をいたしまして、そうして政府提出によつて、今議会の会期中に御審議の日時を與える範囲内において提出いたしたいと考えておるわけでございます。ただいま委員長の申されるように、建設省提案あるいは審議会の提案という形にならないのでありまして、政府提出の形になると御了承おきを願いたいのであります。簡單でございまするがお答え申し上げます。

淺利三朗自由党

○淺利委員長 これに対して御質問があれば、この際……。内海委員

内海安吉自由党

○内海委員 ただいま西村政務次官より、総合開発に関する簡單な御説明があつたのでありますが、この問題は建設省あるいは農林省・通産省といつたようなそれぞれの省の関係において、いろいろな総合開発試案なるものを発表いたしまして、さらにまた内閣直属としてできましたところの、国土総合開発審議会というようなものによつて審議された結果を発表された結果が今日北海道はもとよりでありますが、九州、ほとんど日本全国がこの問題に大なる関心を持つて、いかに計画し、いかに実施せられるものであるかということを、しきりと陳情または請願等が殺到しておるのであります。ただいま西村政務次官のお言葉によりますと、政府提案としてというよりも、内閣提案という意味だろうと思うのでありますが、今日の現段階における情勢をもつてしますと、たとえば電源開発のごとき問題に至ると、通産省がもつぱらわが省のものであるというような主張をされておる。また福岡の鉱害問題に対しても、われわれの観点からいいますと、これは都市計画の上から見ても、またさらに道路計画、その他河川の面から見ても、砂防工事の面から見ても、これは当然建設省において何とか復旧施設を講ずべきであるにもかかわらず、現にわれわれの目の前に展開されておる通産省における福岡の鉱害問題のごとき、ちゆうぶらりんとなつて、審議がはなはだ遅々として進まないというような現状が、官庁間におけるセクシヨナリズムの悪弊を暴露したものであるということを認めるものであります。かくのごとき現状になつておるにもかかわらず、この国土総合開発というがごとき重大問題が、通産省に連絡なく、建設省に連絡なく、また港湾行政等については、当然それは建設省所管のもとに入れられるものでありますけれども、現段階においては運輸省関係になつておる。その他いろいろな方面において官庁間におけるなわ張り争いが、いわば封建そのものの醜悪なる場面を露出しておる現状なのであります。これらの忌むべき問題をいかに処理し、総合開発という問題に帰着するまでに、一体どんな折衝を遂げられて、どんな形をもつて、どんた官庁の所管によつてこれを行わんとするものであるか、先輩であり、尊敬するところの西村政務次官の、最も簡明率直な、そしてわれわれの納得のできる御説明が承れれば、まことにけつこうと存ずるものであります。

西村久之自由党経済安定政務次官

○西村(久)政府委員 内海君のお尋ねにお答え申し上げます。内海君の御意見の通りに、国土総合開発事業というものは、各省に関係があるわけでございまして、一省の一つの考え方をもつてのみ律するわけに行かないのであります。従いまして安定本部といたしましては、各省のお考え、御意見等をもしんしやくいたしまして総合的な開発事業法の制定を現在急いでおるわけであります。先ほど委員長からもお述べになりました審議会の御意見もありますし、また建設省の御意見もあります。その他各省関係の御意見を総合いたしまして、国土開発に万遺憾なきを期する方針でございます。立案庁といたしまして、当然安定本部がその衝に当るべきだと信じておるわけであります。ただここで一言附言申し上げまするが、御案内の通りに、国土開発事業をやりますにつきましても、安定本部に関係の最も深い公共事業費とにらみ合せて、国土計画事業の遂行をはからなければならぬし、事業を遂行いたしまする上から考えますると、資金面とにらみ合せなければならぬ。資金面は見返り資金の配分権を持つた安定本部にあるのでありますから、いずれの点から考えましても、安定本部で総合的計画を立てまして、そうして内閣提出の法案とすることが妥当であると信じて、今日着々法案の完備を急いでおるわけでございます。提出は先ほど申し上げました通りに、なるたけ早い時期に提出いたしたいと思いますので、御了承願いたいと思います。

内海安吉自由党

○内海委員 ちようど国土総合開発と関連いたしまして、ここに通産省の方面に特別鉱害復旧臨時措置法というものが出ておるようでありますが……

淺利三朗自由党

○淺利委員長 それはあとで議題になつております。

内海安吉自由党

○内海委員 今関連しておりますから、ちようどいい機会だと思いますので、どうぞお許しを願いたいと思います。  この問題はいわば一億一心といつたような、戰時中において九州も東北も全部がうつて一丸となつて今日通産省において議題となつておりますところの、特別鉱害復旧臨時措置法というものを考えなければならぬように思われるのでありますが、ちようどこの問題は通産省において、北海道並びに常磐、福島方面の反対に遭遇してどうにもこの審議が遅々として進まないために、あるいは本国会において握りつぶしになるような運命にあるように聞いておるのであります。われわれはこの問題については、二回にわたつて福岡県下における鉱害並びに災害等の調査に参つたのであります。そのときにおいて、われわれは一日もすみやかに、これは都市計画の上から見ても、あるいはすべての治安維持の面から見ても、さらにまた水道計画から見ても、道路、河川の面から見ても、建設省としては、当然公共事業費をもつてやるべきものであるというような観点のもとに、われわれは進んで参つたのであります。しかるにこういう問題が、いわば地方総合開発の芽ばえであり、こういう問題を解決し、事前に処理することが総計画のほんとうのねらいでなければならない。こんな一福岡県下の問題でさえも、すでに通産省と建設省がそれぞれの立場においてやつかいもの扱いにしておるような現状であつては、ほんとうの公明なる政治は行えない。われわれはこういう問題も、やはり建設省は建設省自身の立場として行かなければならないということを痛感しておるものでありますが、こういつたような問題に対しまして経済あるいは金融、あるいはすべての開発等において、リーダーとなつてすべての点において総合検討なさつておられるところの、ことに九州の御出身であられる西村政務次官の、この問題の解決についての善処についての御意見を、一応承つておきたいと存ずるのであります。

西村久之自由党経済安定政務次官

○西村(久)政府委員 内海君にお答え申し上げます。内海君の御意見は、鉱害復旧費に関する問題を、公共事業費の中でやるべきであるという御意見であるように伺つたのでありますが、一応考え方としては、そのような考え方も考えられるのでありますけれども、私どもの考えといたしましては、鉱害はその特異性にかんがみまして、その災害を復旧して行くという考え方のもとに、單行法を出しまして、御審議を願つておるようなわけでございまして、性質の点から意見の相違になるかしれませんが、そういうふうな建前で鉱害復旧に対する單行法を出しているということを、御了承置き願いたいのであります。

淺利三朗自由党

○淺利委員長 鉱害復旧に関しては、第二の議題が出ておりますから、その際に重ねて検討願うことにいたしまして、ただいまは主として国土開発に関する問題に、論議の中心を置くようにお願いいたします。

内海安吉自由党

○内海委員 鉱害問題はあらためて御質問申し上げることにいたしますが、国土総合開発については、最も関係の深いのは――関係というよりも、どうしてもこの折衝をしていただかなければならぬと思うのは、農林省と建設省並びに運輸省、さらに河川、電源の開発方面において、河としても通産省、こういうようなことになるのでありまするが、この間に対して、どの程度御折衝は運ばれているか。さらにまた当局といかなる御折衝のもとに、国土開発法というような法案を提出されるお考えであるか。この点ちよつと承ります。

西村久之自由党経済安定政務次官

○西村(久)政府委員 先ほど申し上げました通り、関係各省との折衝をある程度まとめまして、大体の各省の考え方は、安定本部にまとまつておるわけでございます。これを骨子といたしまして、御意見の通りの、総合開発にふさわしいような法律にしたいというので、議を練つておるわけであります。日遠からずして安定本部の意見はまとまつて、これを内閣の方より提案するという段階に入つておることを御了承置き願いたいのであります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 国土開発法につきましては、私が申し上げるまでもなく、長い間本法の制定を各界で願つておるようなわけであります。建設委員会といたしましても、前の議会に国土開発小委員会をつくりまして、私が小委員長に任命せられ、国土開発法のごときものを制定しなければならないという結論を得て、委員会にもこれを報告してあるのであります。  爾来、私も国土総合開発の立場から考えまして、開発法のごときものの制定をこいねがつておつたのでありますが、西村次官の言明によりますと、近く国会に御提出になる御意向のようでありまして、まことに同慶にたえないと思つております。しかし私は先輩であり、かつ非常に大きな政治力をお持ちになつている西村次官の御言明でありますので、本国会には必ず政府提案として本国土開発法案が提出せられて、通過実施の見込みになるであろうということを疑うものではありません。疑うというよりも、是が非でもあなたの大きな政治力をもつて提出していただき、かつわれわれもこれが通過のために万全の努力を拂うことを誓うものであります。  しかしこの法律案の趣旨を考えまするときに、国土開発の総合統一ということを一つ考えましても、各省間に分属割拠しておる建設行政の一元化という意味にもとれますので、これに対する各省間の意見はまちまちであるということは、当然考えられるのであります。しかしこのような状態で、この法、案をほつて置くということはできない。特に西村次官が言明せられたように、各省間に分属せられておるものを統一する苦労があるだけに、これは建設省や各省で提出するのでなく、経済安定本部が独自の立場において、各省の意見をまとめて提出せられるということであります。しかしこの提出に対する時間的な、技術的な面を私たち考えておるのであります。西村次官が言明せられた以上、しかもまた各界で、われわれ委員会でも、あげて本法の成立を願つておるのでありますから、是が非でも現実にこれを通過せしめるような措置をお互いがとることが、良策であると考えるのであります。現在すでに三月も初句になつておるのでありまして、われわれの企図する会期は目睫に迫つておるような状態であります。しかし政府提案にかかる重大法律案が、現在なお国会に対しても未提出のものもあるというような現状でありまして、かつ非常に画期的な法律案が出るために、なかんずく地方税法のごとき全文六百條というがごとき、技術的にも非常にむずかしい法律案が出るというので、法制局は大体二月二十日で、本国会に提出する政府提出の法律案を打切つておるというようなことを聞いておりまして、建設省関係でも御承知の通り、改正道路法、水道法、それから建築士法、測量法の一部改正というようなものを、たくさん今国会の初期に提案する見込みであつたのでありまするが、いかんせん法制局で、技術的に、時間的に間に合わないということをもつて、建築行政の基本的、抜本的なる立法である建築基準法と表裏一体をなす建築士法も、現在政府提案にしてはほとんどできないというので、われわれ議員提案として、まつたく議会と政府が一体になつて、この法案の成立に努力をしておるような現状でありますが、二月二十日に打切つて法制局で現実に間に合わないという法律案を、何とか弁法を講じて法制局にのまして、これを提案せらるるだけの御自信があるか、と言うことは非常に失礼な言い分でございますが、こういう事情を乗り切つてやつていただきたいという趣旨のもとに申し上げるのですが、これに対する御連絡はどうであるかということをまず承りたいことと、それがごむりであるということならば、時間をうんとかして、時間が過ぎてから、技術的に間に合わなかつたから議員提出でやつてくれというようなのであつたならば、なるべく早い時期に、これが可能な時期にひとつ御相談にあずかりたい、こういうふうに考えております。  もう一つは、これはまつたく蛇足のようでありまして、西村政務次官のお手並拝見というふうにおとりになられると、非常に困るのでありますが、各官庁のセクシヨナリズムが非常に強い。もちろんわれわれは、建設省第一次の設置法に対し、現在なおかつ建設行政の一元化ということを考えておりまして、公共事業省もしくは国土建設省というごときものをつくろうとするときに、必ずやこのセクシヨナリズムに災いされてほとんど立法中途に挫折しておるというような時期に、これが第一段のステップを踏むというがごとき本国土開発法については、まだ各省でも相当異論をきつとさしはさんで、来て時間的に技術的に間に合わないというので、葬られるおそれが、私は多分にあると考えておるのですが、こういう場合、特に各官庁間のセクショナリズムに超然とできる立場ある議員立法として、しかも政府の絶大なる協力を得て提出する方がいいとも考えらるるのですが、その間の事情に対し、腹臓のない御意見と見通しをちようだいしたいと思います。

西村久之自由党経済安定政務次官

○西村(久)政府委員 田中君にお答え申し上げます。田中君の御意見の第一点は、非常に会期も切迫しておるし、法制的に時間も要する関係上、出すのに心配があるが、その点はどういう考えであるかというお尋ねの趣意と拝聽いたします。これは私どもといたしましても、国土総合開発の事業関係が必要であることを痛感いたしておりますので、全力をあげておりまするし、議員各位、また国民全体が熱望いたしておる問題でありまするので、特に手配をいたしまして、法制局を督励いたしまして、そうしてなるたけ早い機会に政府より提出して、御審議を願うつもりであります。  後段のお尋ねの点でございますが、御案内の通り、各省に関係のあることは、先ほど私が申し上げた通りでありまするけれども、御意見の通り、各省には各省関係の建前があるのであります。今日建設省におきましては、建設省設置法というものがありますし、その設置法に建設省関係の権限を明記いたしておりまするので、その権限を侵さざる範囲におきまして各省の関係の意見を総合しようというところに苦心もあり、また今日まで延びて来ておるわけであります。これを総合いたしまして法文化して、近く御審議を願う、こういうことに御了承を得たいと存ずるのであります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 この問題に対しては、内閣でもつて技術的にむずかしいということを言わせないように、ひとつ言質をとつていただくために、官房長官の出席をぜひ願いたいと思います。

淺利三朗自由党

○淺利委員長 ただいま官房長官は閣議に出ておられ、次長も一緒に出ておるそうであります。閣議が済み次第に出るという通告がありました。暫時その点は御猶予を願います。  なお念のために委員長からお尋ねいたしておきたいと思うことは、政府において、閣議決定において北海道開発庁の設置案が決定されたように承つております。これは総合開発法とどういう関連があるのか、個々の地区的のものを先にきめて、あとから国家総合開発の法案が出るというのも、いささか奇異の感を持つのでありますが、総合開発法案が出れば、その中に先にきめられた北海道の開発庁案が吸収されるのか、あるいは独自に提案されるのか、その点念のためにこの際承つておきたいと思います。

西村久之自由党経済安定政務次官

○西村(久)政府委員 北海道開発法でありますか、その法と国土総合計画法との関係につきましては、なるたけ摩擦を避けまして、北海道開発法が成立いたしましても国土開発に関する今回提案しようとする法律案と摩擦をせざるような方法を現在考えつつ、その立法の建前をとつておるのであります。成立いたしましてもおそらく両方で相摩擦するというような関係は伴わないものであると御了承おきを願いたいのであります。

淺利三朗自由党

○淺利委員長 ほかに御質疑はありませんか――官房長官が出席するまでこの問題はこの程度にとどめておきまして、長官出席の上に重ねてまた続行することにいたします。      ――――◇―――――

淺利三朗自由党

○淺利委員長 次に特別鉱害復旧に関する件を議題といたします。目下通商産業委員会におきまして特別鉱害復旧臨時措置法案に関して審議をいたしておるようでありますが、本委員会といたしましても、災害復旧の見地より重大なる関心を寄せておるのでありまして、本日は関係当局を招致して本問題を検討いたしたいと存ずるのであります。まず当局より一応の説明を聽取いたし、しかる後に質疑に入りたいと存じます。本日は通産省より資源庁の田口次長もお見えになつております。なお安本の方からは西村政府委員のほかに建設交通局次長の今泉政府委員、官房次長の河野政府委員、ほかに官房計画室長、官房企両課長も見えております。  それでは政府当局より説明を求めます。今泉政府委員。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 特別鉱害につきましては、すでに御案内の通り、政府から法案となつて出ておりまして、目下御審議願つておるわけでございまする。もう大分御審議も回を重ねて皆さん御承知の通りであろうと思うのでありまするが、建前といたしましては、單に九州地区に関係ある会社ばかりでなく、全国の石炭業者が分担し合つて、鉱害復旧の大体五割ないし六割程度を業者として持つ。それからその地区に含まれるところの道路であるとか、あるいは河川関係であるとか、それから農業関係も含まれておりますが、いわゆる水道関係、そういつた公共事業に関係しているものにつきましては、政府が一般の災害復旧と同様の立場から、これを公共事業費でもつて補助して行く、それから一部は地元の市町村が負担する、こういう三本建で行つておるわけでございます。目下問題になつておりますのは、従来配炭公団がありまして、その際に分担金として全炭鉱業者からこの鉱害復旧について分担金を徴収しておつたのでございますが、今回配炭公団がやめて、そういつた統制もなくなつた今日において、常磐であるとか北海道であるとか、つまり九州地区と関係のない炭鉱まで負わせることは、その炭鉱業者に対して酷ではないか、こういう御議論から、北海道、常磐等の関係のないところは、自分の方では負担はいやだ、持つなら九州地区に関係のある炭鉱業者だけで業者の方は負担してくれ、あとは国家ないし公共団体で持つてしかるべきではないか、こういう御議論のわかれが問題になつておると思います。責任庁である通産省側としては、そういたしますると。業者関係で分担するといつたような分担金関係がかなり減つて来る。そうしますと、早急にあの鉱害を復旧するという建前からいつて事業費が減つて来るから、それでは当初予定した通りの復旧が進まない。それでは責任官庁としての通産省関係も、早くこれを復旧したいという趣旨からいつて、どうも賛成しかれるというところが、今御議論のわかれる点であろうと思うのであります。あるいはまた公共事業関係について全炭鉱業者が持つのを九州地区の炭鉱業者にだけ持たせるということになりますと、業者の負担関係が減つて参りますから、その減つた分だけ何か国の方が肩がわりで持つてくれぬか、こういう御要望もあるのでございますが、政府提案として提出した法案の目途がつかない今日において、その問題を今公共事業費から余分に持つということも決しかねますし、それから予算といたしましても、一応鉱害の問題としては、すでにお手元に出してあります二十五年度の予算として項目的に分担すべきものは計上してございますので、これを今日また急に変更するということは、手続その他の問題からいつても、現在においてはすでに手遅れである、こういう状況でございまして、かたがた公共事業費に全部肩がわりしてこれを持つということは、政府としては今の段階においてはちよつと考えられない、こういう状況に進んでおる次第でございます。ちよつと初めに現在までの概略を御説明申し上げまして、なお御質問があればお答えいたします。

淺利三朗自由党

○淺利委員長 御質疑はありませんか。

内海安吉自由党

○内海委員 ただいまの今泉君の御説明でありますが、何とか鉱害の打開のために目途をつけたいというお考えで、特別鉱害復旧臨時措置法というものに対して御努力くださつているということに対しては、敬意を表します。私はこの問題についてではなかつたのですけれども、昨年の九州の台風の折に、建設委員の中から選ばれまして、九州の被害の実際を調べて参つたのであります。その当時たまたまというよりも、むしろ福岡県下における鉱害の実相を究めることが、建設委員会としては当然の責務であるごとく考えられまして、二日間にわたつて福岡県下の情勢を調べて参つたのであります。これはただいまの御説明の通り、まつたく五年前の大戦争当時において、福岡は採炭の上において最も便利である。そして地下埋蔵量においても、炭質においてもよろしいというので、常磐及び北海道から動員してまでも、とにかくあそこの炭を掘れるだけとれ、まつたく戰争に勝たなければならぬといつたような、一億一心、とにかく福岡から石炭をとれというようなわけでやつた。それがいわゆる今日の特別鉱害になつておるはずなのであります。そこで業者がこれをどうするとか、あるいは北海道の炭鉱汽船がどうだといつたような問題ではないと私は思う。これはやはり国家が戦災復旧というか、災害復旧というか、いかなる観点から見ても、これは国家の大きな立場に立つて、大所高所から見て、すみやかに何とか地方民のこの不安な情勢を芟除してやることこそ、私は政治でなければならぬと考えておるのであります。しかるにかかわらず、業者が反対だの、あるいは何委員会が反対だのというようなことを一つの口実として、この法案が通るか通らぬかといつたようなことでは、私に行政官としての努力が足らぬと思う。いかなる観点から見ても、これは遂行せんければならぬのであるというところの、確信がはたしてあるかどうか、まずそれを第一に今泉さんに承りたい。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 鉱害復旧が、一日も早く復旧を要する事業であることは、私が申し上げるまでもなく、またわれわれといたしましても、何とかして、これは最大限にあらゆる費用を捻出して復旧したいという点は、御質問の趣旨とわれわれはまつたく同一の見解を持つております。それから今日まで安定本部といたしましても、関係各省特に通産省関係とは連絡をとりまして、一日も早く、しかも最大限に復旧する方策はどういう点にあるかという点で、通産省、大蔵省当事者とも綿密な連絡をとりまして、実は法案の提出が相なつたという次第でございます。従つてあの法案が一日も早く通るように、政府としては努力を重ねておる次第でございますが、問題は先ほど申し上げましたような点で、業者関係あるいは国会における御審議についても、いろいろな御意見等もありまして、今日まだ成立の遊びに相なつておらないのでございますが、しかし安定本部といたしましては、かりにあの法案が通らないにいたしましても、少くとも公共事業費の災害復旧関係という項目で上提してある予算が通過いたしますれば、このラインに沿つて、できるだけ災害復旧についての促進をいたしたいと考えております。さらにこれはまた今年の八、九月という時期になつてみなければわかりませんけれども、災害復旧関係についての予備費百億という金額も計上してございます。この辺の使い方等においても今後考慮せらるべき問題であろう。さらにまたこれは関係方面と確たる折衝はいたしてはございませんけれども、見返り資金の百十億というのは公共事業関係に使つてもよろしいということで、目下関係方面と折衝中の未解決の問題もまたございまして、こういつた財源関係等につきましても、もし許されるならば、あの法案の通らない場合の対策といたしまして、その方面のこともあわせ考慮いたしまして災害復旧の促進については、一般の災害と全然別個にするということは、あるいはむりかとも思いますが、一般災害と並行あるいは事業によつては、優先するというようなものも出て来ようと思いますが、できるだけそういつた趣旨に沿つて、一日も早く復旧のできますように安本としては進めたいと考えております。

内海安吉自由党

○内海委員 公共事業費の予算が通れば、できるだけやり遂げてあげたいという御答弁、まことに満足であります。これにつきましてなお具体的に承つてみたいのでありますが、こういつた種類の被害が、被害総額がどのくらいになつておるか、それから公共土木施設、一般施設、その他各県の予算の分布状況等について、おそらく資料は御携帯のことと考えます。これについて予算が通れば必ずやつてあけると言う以上は、必ずあなたにはお考えがあることと思う。ぜひこの機会において、どういうことをおやりになるのか、もう少し具体的に御説明願いたい。さらに終戰後この復旧に対して、安定本部として一体どういうことをお考えになつておるか。それから今日までどういうことを講じておつたか。各省はどんなことをやつておつたかということくらいは、おわかりだろうと思いますが、これらの問題についても等この際具体的に御説明がなければ、われわれ議員として納得ができませんから、どうぞもう一歩進めて、簡明率直にして、しかも公共事業費の予算が通れぱ必ずやつてあげますと言う以上は、どういうことをどの範囲まで、どの予算でおやりになるのか、それをはつきりお示し願わなければ納得ができませんから、その点を詳細にお示しを願いたいと思います。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 実は私きよう非常に急いで参りました関係上――詳細な資料は安本の方にはとつてございますが、今日実ははなはだ申し上げにくいのですが、その詳細の資料を忘れて参りましたものですから、詳細な資料については、今御要望もございましたので、その点は後ほどあらためて提出してお目にかけたいと思います。しかし大体の構想から申し上げますと、従来、これは一昨年度からだつたと私記憶しておりますが、戰時中の濫掘から、非常に鉱害が頻繁になつて来た。これはもうほうつておけないということで、たびたび中央各省及び地元その他の各選出の国会議員の方々等で視察団をおつくりになりまして、現地を調査いたしました結果、早急にこれは復旧すべきだということで、一昨年から方針を立てまして、国もできるだけのことで災害復旧を早くやつてくれという御要望もありましたが、われわれとしても、もつともであるという趣旨から、一昨年からその予算は頭にはあげましたが、何せ公共事業費全体のわくが、御案内の通り非常に低い額でありまして、昨年度等も、当初計画した金額はドツジ・ラインで切られたということで、昨年はわれわれの考えました数字よりはるかに低い数字で、大体今記憶しておりますところによりますと、二億内外だつたと思つております。もつとこれを多く持ちたいという希望はあつたのでありますが、五百億という総わくではとても組めないということで、そうなつた次第でありますが、二十五年度の災害復旧につきましても、御案内の通り四百七十億という予算は組みましたが、これも全般といたしまして一般の公共事業費から出せない関係上、一番中心は道路の復旧、耕地の復旧、それから水道関係、河川関係、つまり公共施設の費用を中心といたしましてこれも詳細な全部のまとまつた数字を忘れて参りましたので、今正確に申し上げることはちよつとできませんけれども、昨年より大体五割程度増す。こういう数字で組んであるはずでございます。それで全般の関係から申しますと、大体こういう構想になろうと思います。全体で十の災害があるのに対して、業者の持つのが大体五、国が大体四程度を持ち、それから公共団体が一程度持つ、こういうことに大体の割合がなると思います。正確な数字は後ほど取寄せまして、お手元に差上げたいと思つておりますが、全般の構想としては、そういつたふうになつておることを、御了承願いたいと思います。

内海安吉自由党

○内海委員 統計上の資料は、次の機会においてぜひ御提出願いたいと思います。なお特別鉱害復旧臨時措置法についての定義は、この法案の第二條において明らかにされておりまして、この法案で特別鉱害の定義ということはよくわかります。しかし実際上、当局の考えておる特別鉱害の被害額は、幾らぐらいに見込んでおられるのか。復旧をもくろんでいる以上、その詳細な腹案が何かおありかと思いますが、これについてさらに御説明を願いたい。同時に昭和二十三年九月ごろでしたか、政府は各省合同調査団を編成して、福岡県その他の現地で査定を行つ、たわけであります。そのときに百四十五億円と決定している。そのうち特に重要なる九十八億を五箇年間に復旧せんとしたのであるが、この被害額は特別鉱害と見るべきではないかと思うのである。地方では九十八億円が該当すると思つているが、法案での特別鉱害額は幾らと考えているのか。九州方面ではいろいろな面から、非常に神経をとがらせておるようでありますが、こういう点も十分御説明を願えますと、ひとり通産委員会ばかりでなく、われわれ建設委員会においても、政府当局と協力して、一日も早くこれが打開の任に当りたいと思つておるのでありますから、包まず隠さず、あなたの悩んでおられる点があるならば、悩んでおられる点を、赤裸々に率直に申せばいい。こういう点が苦しいと言われれば、国会においては、そうかということで、これを受入れて御協力申し上げることにやぶさかではない。決して隠したり包んだりしてはだめだ。そういうようなお考えのもとに、これらの問題について、ちようどいい機会ですから、率直にこの機会において御説明があれば、まことにけつこうだと思います。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 ちようど政務次官のところに概略の計数がございましたので、御説明を申し上げたいと思います。総事業費は大体九十三億と考えております。そのうちいわゆる公共事業として取上げて補助の対象になるものが、大体五十五億ございます。従つて差引き公共事業の対象とならぬもの、たとえば家屋とか墓地とか鉄道とかいうものが、大体三十七億あるわけであります。多少端数はございますが、五十五億と三十七億、この合計の九十三億が特別鉱害の要復旧額ということに相なるわけであります。それで大体の構想といたしまして、公共事業の対象になるものと、ならぬものとの間をあんばいいたしまして、公共事業として取上げられ、国費の補助の対象になるのが、全体で五十五億のうち三十二億、鉱業権者が持つのが十五億、公共団体が持つのが五億、こういうことになつております。それから公共事業の対象とならぬ非公共事業関係では、先ほど申し上げました三十七億でございますが、これは全部鉱業権者が負担することになつております。大体こういう計数になつております。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 今泉さんにちよつと伺いたいのですが、これは私が二、三の御質問をする前に、ちよつとただいまの発言中にありました言葉に対してのことでございますが、予備費の流用ができるというようなお言葉でございましたが、この予備費百億をどんなふうに流用するか、その方法に対してお述べになれるでしようか。もしなれたら、伺いたいと思います。

西村久之自由党経済安定政務次官

○西村(久)政府委員 今田中君のお尋ねの点につきましては、書いてありまする通り予備費でありまして、これをいまから配分してどうこうというようなわけに行かない筋合いでございます。二十五年度に起つて来まする災害とにらみ合せて適当な配分をする、こういう性質のものであると御了承おき願いたいのであります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 どうもひつくり返すようで、ぐあいが悪いのですが、そういう御答弁ではないかと思つたから、もし具体的に伺えればという前提で申し上げたのですが、これは、この法案が通らない場合、数字的な狂いが出て来ると思うのですが、そういう場合に、重点的にこういうものにまわせるという見通しがつくかつかないかという点に対して御答弁を願いたい。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 ただいま政務次官から御答弁申し上げた通りでございまして、予備費百億というのは、一応今年どういう災害吉が起きるかということは、まだ見きわめはつきませんけれども、現実に今年の台風その他の関係で、無事に安穏に済めば、この百億を繰越すという手はありませんから、あの中からどれに使うかという点が、そのときになつて――今年の九月、十月になろうかと思いますが、その際にあらためて使い道については審議されて、配分がきまつて来ると思つております。その点で鉱害等も、かりにあの法案が通らなかつた場合に、計画が狂いますから、狂つて重大な蹉跌を来すということになりますれば、やはり予備費が一つの要求項目として浮び上つて来るのではないか、その点は一体どれだれ残つて来るかというような点もまだわかりませんけれども、しかし三十五年度の災害の発生いかんによつては考えられる点であるということを、先ほど申し上げたのであります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 もちろん鉱害復旧問題は非常に大きな問題でありますが、予備費ということを、先ほど軽い意味でおつしやつたのだと思いますが、災害というものに対して割振られた予備費というものは、御承知の通り日本の災害状況から見ますと、二十五年度も当然これをオーバーすると思いますので、そうすると、原則的に、予備費というものが鉱害に対して大きなわくが取れるというような、安易な考えを捨てなければならぬということになりますと、現在は臨時措置法が通るか通らないか――通らぬ場合にはこうしなければならぬ、通つた場合なおマイナスがあつた場合には、こういうような措置で押えるのだというような考え方に、改めて行かなければならない、こういうふうに思つております。その線に沿つて、二、三関係政府委員に質問をいたします。  まず第一に、本年度の予算編成にあたりましては、いわゆる特別鉱害復旧臨時措置法が通過をするという見通しをつけての編成のようでありますが、本年度鉱害復旧費として公共事業費中に組入れられておる額というものは、大体幾らであるかを承ります。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 実は、一応項目まではかかげて予算書として国会の方に提出してございますが、新たに鉱害復旧費補助として盛りましたものが一億八千万円でございます。そのほかに、これは全額非常に少いのでございますが、水道関係として予定しております費用のうちからどれだけ補助するかという問題は、目下関係各省とその補助率の問題等について交渉中でございますので、出ることははつきりわかりますけれども、一体どれだけ出るかという問題が、まだ未決定の要素として残つております。それからさらに農業施設の災害復旧費、これは全体で七十二億ほどございまするが、このうちから一体鉱害復旧の農業施設関係にどれだけ出るかという問題も、今農林省その他と交渉中の問題でございまして、まだ細目がきまつておりません。しかし出ることは確かでございます。従つて今日の段階におきましては、はつきり出ておりますのは、鉱害復旧補助費としての一億八千万円、それと、まだ内容的にはきまらぬ農業関係、あるいは学校関係等も若干そこに含まれると思いますが、それから今言つた水道関係というものを含めれば、大体まだはつきりは申し上げられませんが、三億内外は出て来るのじやなかろうかと考えております。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 西村政務次官に、ちよつと安本当局の意見を承りたいのですが、内海君からも同様な質問があつたようであります。この特別鉱害は、戰時中に強行採炭をしました結果であることももちろんでありまするが、非常に大きな問題であり、可及的すみやかにこれを復旧しなければならないというような観点から考えまして、一般災害復旧費は全額国庫負担ということに二十五年度からなつたのでございますが、この特別鉱害というものの復旧に対し、同様全額国庫負担というような措置をとることがよいとも考えられるのですが、安本当局としての御意見はどうでありましよう。

西村久之自由党経済安定政務次官

○西村(久)政府委員 特別鉱害に対する費用の全額国庫負担という問題につきましては、すこぶる難事であろうと考えております。従いまして、普通災害の全額国庫負担とは、その性質を異にいたしております関係上、今日の補助率を多少勘案する程度は、努力のいかんによつて可能であろう考えますけれども、全額国庫負担に切りかえるということは難事であろうと、御了承おきを願います。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 建設省からどなたかおいでになつておれば承りたいのでありますが、今年度の災害復旧費の配分方法について、もう一度方針を承れれば非常にけつこうと思うのです。なお、各県とも鉱害額に応じて補助額を決定したかどうか……

目黒清雄建設技官(河川局長)

○目黒政府委員 鉱害復旧費と普通の災害復旧費との関係でありまするが、災害復旧費と鉱害復旧費は、御承知の通り最初から一応わくをきめてやつております。従つて各府県の割当は、普通の災害復旧費につきましては、ある基準をもつてやつておりますが、鉱害復旧費一億八千万の割当につきましては、大部分が福岡を中心にしておりますので、その方面に参ると考えております。いずれにいたしましても、一億八千万円そのものが非常に少いということは、現実的に確かであります。大部分福岡に参りましても、まだまだ鉱害復旧は進捗を見ないというような偽らない現状であります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 通産省並びに経済安安本部の方に伺いたいのですが、もし現在この通産委員会で審議をしておりますところの特別鉱害復旧臨時措置法なるものが通過しなかつた場合、あなた方がお見込みになつておる二十五年度の予算が通り、そうしてこの臨時措置法は通らないという場合には、プール資金が不足する。二十何パーセントというところの、いわゆる県または国庫負担というものに対して、県が負担するか団体が負担するかは別としまして、地方公共団体が負担する場合、もちろん起債のわくというものに縛られると思うのですが、こういうものに対する起債のわくを広げてやるというような御意思があるかないか、これに対する見通しはどうかという点について承りたいと思います。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 あの法案がたとい通らなくても、業者の負担関係は、従来とも自発的に業者の方は負担して参つたのでありますから、あの法案が通らたいから業者が全然納めぬということは、関係業者以外の所――常磐とか北海道あたりは、おそらくあの法案が通らなければ別に強制される筋合いのものでございませんし、もう納めぬということに相なろうかと思います。しかしながら関係業者は、従来とも、別にあの法律のあるなしにかかわらず負担して来たのでありますから、その関係において、負担することは当然のことであろうと思う。従つて現在考えておる計画と、通らなかつたときの差額というものは、関係業者以外の所が持つ、持たぬの差額でございますから、私ども今まで聞いておりましたところでは、常磐、北海道関係が負担しなくても、出炭高で言いますと六割程度はできるのだ、こういうふうに聞いておりますから、結局業者負担のうち四割内外が、あの計画が通らないと業者負担が減つて来る、こういうことに相なつて来るのではなかろうか。それが二十五年度として割当てた額に若干響いて来る、こういうことになつて来ると思います。そこで業者負担のうちの四割減つたのをどうするか、こういう問題であろうと思うのでありますが、これは先ほど申し上げました通り、今の公共事業費として持つたものを、この際また予算を補正してまでふやすというようなことは、時期的にも間に合いませんし、そういうことはできないのでございますが、先に申し上げたような見通しで、何か関係業者あたりが、今年通らなかつたけれども、その四割あたりを自分の方で、つまり今問題になつておりますのは九州地区とか、宇部地区にある関係業者の出炭高を問題にするか、そうではなくて九州、宇部あたりに関係のある業者の全国の出炭高を問題にするかということでも、多少分担率も違つて来るようでございますので、その間の調整等ともいたしまして、あるいは業者の方で、その四割も二十五年度に限つて埋めるということにでも相なりますれば、それでも解決いたしましようし、もしむりな場合に、それでは予定の計画通り行かなかつたのをどうするかという問題は、あらためてその際に協議さるべき問題ではなかろうかと思いますが、考え方といたしましては、さつき申し上げました予備費ということを引合いに出しまして、はなはだ不確定なもので、わからないということはその通りでございますがもそういう問題、それから御承知の通り、安本では認証計画というのを四半期ごとにやつておりますから、その認証計画等について、あるいは先に申し上げました見返り資金等の百十億というような、まだ未決定の要素が残つておりますので、その際にあらためて、あるいは費用の捻出その他について、何か考慮される余地が全然ないわけでもないという状況でございます。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 西村さんにちよつと伺いたいのですが、いわゆる法案が通過しなかつた場合、プール資金が負担するということになつておるところのものは、当然府県か国庫か、いずれかか負担しなければならぬ、こう思うのですが、この問題については、もちろ予備費のことも伺いましたし、見返り資金のことも伺つたのですが、現在の段階においては、府県かそれとも国庫にするかという問題に対して、政務次官はどういうふうにお考えになつておられるか。もし府県が負担せられるとするならば、現在の起債のわくというものに対しては、広げてやらなければいかぬというような問題も起つて来るのでありますが、現実的なことをお考えになつてどうするか、またこれに対するお見込みがありますならばお聞きしたい。

西村久之自由党経済安定政務次官

○西村(久)政府委員 田中君にお答えいたします。政府といたしましては法案が通らないということを考えておらないのでありまして、法案が通るように全力を盡したい、かように考えております。また議員の皆様方におきましても、法律案を通さないということよりも、法律案を通す、そうして法律案に不備の点がありますならば、不備の点は適切なる方法をとつて、修正でも加えて法律案はぜひ成立させる、こういうお心購えで会期中御努力を願いたいと思つておるのでありまして、政府は法律案の通らない場合を予想して問題を考えておりませんから、さよう御了承を願います。

淺利三朗自由党

○淺利委員長 ほかに御質疑ありませんか。

江崎真澄自由党

○江崎(真)委員 特別鉱害復旧臨時措置法案は通産委員会でたいへん議論があるようでございまして、無論われわれ建設委員会としても相当の関心を持つております。のみならず、私は連合審査まで本来ならば進めなければならぬとさえ考えておる一人でありますが、何でもこの措置法案についての修正案が考慮されておると言うのですが、その修正の内容はどういうふうに考慮されておるのか。これもはなはだうとい話をお尋ねするようですが、われわれは専門的にこれを最初から取上げておりませんでしたので、承りたいと思います。  それから通産省の方にお伺いしたいのですが、この措置法案の委員会における一番の論点、第何條のこことこことが一番議論の中心であつて、通産委員会ではこんな意見も出た、あんな意見も出たという問題点、重要個所だけでけつこうであります。それらにつきまして、さつき安本の方から概括的の御説明がありましたが、直接この法案の担当者側としてのご説明を承りたい。

田口良明資源庁次長

○田口説明員 私、通産省の資源庁次長をいたしております田口であります。先ほど来本委員会におきまして、特別鉱害の復旧臨時措置法案につきまして、非常に御熱心な御質問を伺いまして、非常に心強く感じておる一人であります。ただいまの御質問の、通産委員会におきまする本法案の論点と申うぃますのは、先ほど安本の政府委員から概括的にお話がございました通り、鉱業権者負担分を関係炭鉱以外の一般石炭業界からとるという政府案に対しまして、一方関係のない炭鉱におきましては、負担金を出したくないという論、また法案の建前が、戰争中の銃剣を突きつけられてやむなくやつたことに起因しての被害でありまするので、これは当然国家において負担すべきであるというような点が、結局においてそれらの論議の中心になつておるわけであります。政府といたしましては、あくまでもあの臨時措置法案の根本の方針が、大体において炭鉱に責任があるのじやない。従つてでき得ることなら国家においてこれを全額負担すべきではあるが、財政の逼迫しておる今日、どうしても不足が出た場合には、しからばその不足分を取立てる対象をだれにするかという問題でございまするが、結局やむなく全石炭産業、いわゆるマイニング・インダストリー全体で、分に応じてこれを出してもらうということにいたしておるのが本法案の骨子でございます。しかるに、それぞれ反面、賛成の議論があつて混乱状態になつておりまして、ただいま通産委員会の特別鉱害臨時措置法案に関する小委員会におきまして、せつかくこれが対策を練つておるわけであります。ただ政府として、まだこの小委員会のはつきりした結論を得ておりませんが、伝え聞くところによりますと、結局のところ加害炭鉱のみにトン当り二十円の負担金を課する。それから国庫の負担は大体公共団体も合せまして四億とするというような案のように漏れ承つておりますが、もしそういうようなことでありますと、私ども法律案の提出の責任当局といたしまして、あくまでもこの特別鉱害の臨時復旧の措置法案は被害者の立場を考慮いたしまして、可及的すみやかに、しかも合理的にこれが復旧をいたしまして、民生の定法及び社会問題となつております被害民の復旧をこの際すみやかにやり、さらに進んで石炭産業の健全な発達に資するという建前をとつておるのであります。この建前から申しましても、もし先ほど申しましたような修正案になりますと、第一点が石炭産業においてその不定分を補つて参るという共助の精神が没却されまして従つてプール制度の根底をくつがえすというおそれが生じて参ることを私どもはおそれておるわけであります。  第二に、政府案はあくまでも当該炭鉱に責任があるものではなしに、その当時軍部の力によりましてやむなくやつたということで、さなきだに当該炭鉱は第三者にかかる被害を及ぼしおる以上は、炭鉱自体において非常な迷惑こうむつておるというハンデイキヤップがあるわけであります。これを当該炭鉱のみに課するということになりますと、当該炭鉱に責任があるということに決定づけるということになりますので、これには承服しかねるわけであります。さらにこういうふうなことで参りますと、いわゆる鉱業権者からの負担分がきわめて少くなるということで、先ほど来安本及び建設省の方から説明申されましたように、それぞれの担当部局と非常に緊密な連絡はとつておりますが、もし鉱業権者の方からの負担分が予定通りに集まりませんと、これとスライドをしております関係にあります国庫負担分及び公共団体の方からの負担分が、これに比例して減額するということになつて参りますので、何とかしてこの復旧費の削減をできるるだけ食いとめて、できうるならばさらに国庫負担額をふやすべく、関係当局といわゆる負担率の問題について折衝しておりますが、なかなか従来の関係もありまして、まだ負担率のさらに増加ということは、現段階におきましては事務的には推捗していないわけであります。要するに政府といたしましては、原案をできる限りすみやかに通していただきたい。もちろん修正すべき点、改善すべき点は、政府といたしましてもやむを得ないと思いますが、本法案の根本的な修正ということになりますと、政府としても、ただいままで申しましたようないろいろな事情を勘案いたしましてこの点につきましては不十分とはただいま考えておりますが、いかにせん小委員会の結論もまだ十分に政府の方に明示されておりませんので、先ほど安本の次官から申されましたように、あくまでも政府といたしましては、本法案をすみやかに御審議の上通過されんことを、希望しておる次第であります。

江崎真澄自由党

○江崎(真)委員 御説明たいへんよくわかりました。ただ問題は、当該炭鉱に責任ありとする点は、なるほど私どももいささか不当だと思います。しかし先般私ども福岡県地内を視察してみますと、炭価の統制であるとか、あるいは強制出炭を命ぜられたここ一年ほど前からでも、あの状況下ではやむを得ずしてやつておる、実は被害は二、三年場後にしか現われないのだから、炭価の統制を償つてコストを切り下げる上にも、ここはいけないところだと知りつつ、実はやつておるのが実情ですよと、ある炭鉱主から私ども実際に聞かされた。そういう議論が今日でもやはり手放しで内輪ではなされておるがゆえに、他の炭鉱業者からは、そういう当該炭鉱に責任があるのだということになつておるのじやないかというふうにも考えられます。一応この法案によりますと、昭和二十年八月十五日で線を引いておるわけですが、昭和二十年八月十五日以後できたものであるかどうかということは、実際問題としてはちよつと判定がむずかしいと思います。そういうような点は、これからどういうふうに考慮し、対策を持つておられるのか、また将来とも採炭に鉱害はつきものでありますが、地元の空気も、元のように当該炭鉱の責任に帰して、直接折衝した方が早かつたというわけです。だから当然将来はそうなつて行くのであるかどうか、この点もひとつ承りたいと思うのですが、要するに総括して将来の対策いかん。この辺はいかがでしよう。これが今日の臨時措置法をきめる重要なポイントになるのじやないかと思いますが、いかがでしようか。

田口良明資源庁次長

○田口説明員 ただいまの御質問ごもつともでございまして、特別鉱害の問題につきましては、ただいま御指摘の一般鉱害との関連でございますが、一般鉱害、すなわち戰争中に起きたその前の鉱害あるいは終戰後、今後、将来にわたつて起きて来るであろう鉱害につきましては、すでに鉱害法の金銭賠償の規定によつて、それぞれ炭鉱は被害に対してどのくらいの減收があるとか、そういうことに対しての賠償の責は鉱業法に明確に規定してあるわけであります、従いまして過去においてまた現在、将来においての一般鉱害についての問題は、すでに鉱業法によつて規定されますので、これは問題ないのでありますが、ただただいま御指摘のように、昭和十六年十二月八日以後昭和二十年八月十五日の終戰までというふうに本法案では規定してございます。これは一応戰争中の強行出炭という期間をわくずけしたのにとどまつておりまして私どもは必ずしもこの期間に拘泥したのではございません。従いましてはたしてどういうふうな命令によつて炭鉱が具体的に通常講ずべき措置をできなかつた。それによつて生じた被害がどれだけであるかという原因別の資料もつくつてございます。それで先ほど御質問のありましたように、昭和二十三年の秋あたりから、安本を中心といたしまして関係各省の現地調査団が調べたのによりますと、百二十六億というような数字が出ておりますが、このうち一般鉱害分を差引きますと、九十八億という数字が出ております。そのうち九十八億を、これには若干の一般鉱害と競合した面もあるというような、若干甘い査定であるというようなことも前提といたしまして、一応五十億と削減いたしたのであります。しからばこの五十億はどういう根拠に基くかと申しますと、ただ單にこの九十八億は少し甘いというだけでなく、行政措置によつて、配炭公団によつてプールされた金によつての復旧がすでに十億あまり実施いたしておりますので、これから十億を差引きますと八十何億、これでも若干甘過ぎるというので、大体五十億といたしておりますが、これは今度の法律案の第三條に規定しております。特別鉱害の認定を厳重にいたしまして、その認定のいかんによつて三十億と出るか、あるいは六十五億と出るか、七十億と出るかはわかりませんが、一応今までの関係各省の共同現地調査の資料によつては、九十八億から今まで実施した十何億を差引いたものが少し甘いから、一応五十億に目安をつけておるという関係から、五十億にいたしておるのであります。大分答弁が長くなりましたが、要するに戰争中の命令によりまして、通常講ずべき措置を講じなかつたことによつての鉱害につきましては、通産省といたしましては、施業案その他各炭鉱に認可しております採炭計画これを見ますと、何年の何月から何月ごろまではどこを掘つた、これはどういうふうな命令によつてやつたのだというような詳細な資料がございますので、御質問の一般鉱害との分別につきましては、これは心配はないと思います。ただ筑豊方面の炭層は累層になつておりますので、上部の方を戰争前に掘つた。それから下の方を戰争中に命令によつて掘つたという場合には、その両方の空隙によつて生じた鉱害が表面に現われておりますので、一般鉱害と特別鉱害が競合しておるところがかなりございます。この点につきましては、採掘の炭層の厚さとか、その拂い跡の処置をどういうふうにやつたかというようなことから、その地表に現われました災害に対する一般鉱害と特別鉱害との、ある一定の適切な比率をかけることによつて特別鉱害と一般鉱害との競合の分離は可能でございます。

江崎真澄自由党

○江崎(真)委員 説明は非常にはつきりしておりまして、よくわかりました。それで問題は、これはわれわれ建設委員会としてはどうしても災害復旧をすみやかに実施しなければならぬというのが重点だと思いますが、政府当局においても相当な用意をしてこれにかかつておられるようでありますし、われわれも本法案のあり方につきましては、なおいろいろ研究の余地もあると思いますが、もし小委員会で修正案が出されて、当該炭鉱に責任ありというようなことになつて来ると、これは非常に災害復旧をすみやかにしなければならぬという本委員会としても、非常な関連をもつて来るわけでございますから、この際ひとつ委員長におかれまして、この小委員会のあり方、現在どういう構想をもつて小委員会が運営されておるか、また同時に、建設委員会としては、災害復旧の建前からいつても、この特別鉱害臨時措置法案を妥当と思うが、この点についてはどうかというように、いろいろな積極的な申入れをしてみたらどうか、こんなふうに思います。なおわれわれ委員会としても、いろいろ各委員から御議論が出るかもしれませんが、とにかくすみやかにこの災害復旧がなされ、民生安定の上にもぜひ考慮されねばならぬという点を、通産委員会に積極的に委員長からお呼びかけいただくことを希望いたしまして、私の質問を打ち切ります。

淺利三朗自由党

○淺利委員長 ただいまのは通産委員会に当委員会から、何か連合審査を申入れるという意味かそうでなく、單に委員長が向うと連絡をとつて、こちらの意見を何か述べるという意味ですか。

江崎真澄自由党

○江崎(真)委員 私は委員長を通じて、まず最初穏やかに、一応建設委員会側ではこういう議論が展開されたということをお話いただく程度で、まず始めたらどうかと思うのです。一体ならば、それは連合審査というところに行つてもいいと思いますが、この問題は向うでも眞剣に小委員会までつくつて取上げられておるから、われわれは一応は災害復旧という観点から論及する建前をとつておりますので、むしろこの委員会としての関心の度合いを伝えていただき、向うでも與党、野党の立場にかかわらず、こういう議論があるかどうかということを、一応委員長から確めて、この委員会に報告いただいたらどうですか。そういうふうな意味です。     〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淺利三朗自由党

○淺利委員長 その程度ならば承知いたしました。  官房長官は、ただいま参議院議長の方に要求があつて参つておりまして午後でなければ出席できないということであります。大体二時ごろになれば出席の予定がつくそうであります。それで国土開発に関する件につきましては、午後に質問を続行することにいたしまして、午前はこの程度でいたし、午後は一時半から開会いたしたいと思います。それではこれをもつて休憩に入ります。     午後一時八分休憩     …………………………………     午後二時五十四分開議

淺利三朗自由党

○淺利委員長 休憩前に引続き、会議を開きます。  ただいま増田官房長官も御出席になりましたので、国土開発に関する件について審議を進めます。  午前中において総合国土開発審議会における成案が出ておる。これを政府がどうされるかということについて、一応安本当局の説明を受けたのですが、この問題について、政府が近く提案されるということを承つておるのであります。重ねて官房長官から御説明を願うよりも、委員の方で質疑があつたならば、それによつて進めた方がいいかと思います。御質疑はありませんか。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 増田官房長官に二三点簡單に政府の所信を伺いたいと思います。国土開発法案につきまして、長いこと当委員会でも、これが成案を得るために、いろいろ努力をして参つたのでありまするが、私が申し上げるまでもなくこの問題は、各省にまたがつておるところが非常にたくさんありますので、これが本国会提案に対しましては、非常に危ぶまれておつたのであります。午前中、西村安定本部政務次官の出席を願いましたところ、官庁間にセクシヨナリズムもありますし、しかもこれを建設省から提案するにしても、各省間のいろいろの意見もありますので、経済安定本部として提案をいたしたい。しかも非常に早い時期にこれを提案いたし、これが成立に対しては、委員会の格段の御協力を得たいという、私たちが長いこと希望しておつたこの問題に対する、一つの大きな曙光を見出される御答弁があつたのであります。私が長官にお尋ねいたしたい第一点は、もちろん西村次官が言われた通り、政府でも政府提出として本法案をお出しくださると思うのでありますが、この問題に対しましては、大体国会の会期も非常に切迫しておりますし、かつ法制局において、事務的かつ時間的、技術的な制約のため、大体今国会提出法案は、二月二十日をもつて打切つてあるというのであります。しかも建設省等におきましては、当初提出を予定いたしました十数法案のうち、建築基準法、国土開発法、改正道路法等の重要な法案が、一部提出ができないというような面は、われわれ委員会において、議員提出の形をもつてさえも、本国会に万全を期したいというごときことを考えておる現状といたしまして現在この法律案をお出しになるにつきまして、もちろん万遺漏はないと思うのでありますが、私は西村政務次官が言われただけではなく、官房長官が政府を代表されて、万難を排して御提出していただけるという確固とした御返事をひとつちようだいいたしたいと思うのであります。  第二点は、この国土開発法案を御提出になりまして、その事務局の所在等に対しては、いろいろ疑義もあるようでありまするが、まず国土計画及び地方計画に対する調査及び立案という一つの事項を考えますときに、現在建設省にもこれとひとしいような所管事務及び権限があるようでありますし、経済安定本部の建設局の事務分掌の中にも、そのようなものがあるようでありますが、政府は今度この法案を提出するに際しましては、建設省の設置法並びに経済安定本部の設置法を改正する御意思があるかないか。もしこれを改正せずしてお出しになるというのであつたならば、それでもいいのでありますが、以上二点に対して明確な御答弁をちようだいいたしたいと思うのであります。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 田中さんにお答え申し上げます。第一点でございますが、政府といたしましては、国土の総合的見地から開発の急務なるを認めまして昨年内閣に総合国土開発審議会を設けて各委員に鋭意御審議を願つておつた次第であります。審議会におきましてこの二月になりまして御答申があつた次第でございまして、その答申の一部に、従来も各種の有益なる答申がございましたが、今回の御答申の中に、総合国土開発法案なるものがございまして、政府といたしましては、これを取上げて審議をいたしておる次第でございます。先般、まず第一にお尋ねの通り、政府案としてぜひとも今議会に提案いたしたいというような話合いをいたした次第でございます。このことをまずもつて明確に御答弁申し上げます。しかしながら、まだ文章の字句等について推敲の余地がございまして、初めは内閣関係において、副長官審議室等で審議いたしておりましたが、事務局等の問題がございまして、まだ事務局をどこにすべきかの終局的の決定は見ておりませんが、とりあえず経済計画等を策定する職務を持つておる安本において一応見てくれということで、安本においてさらに推敲を加えております。不日安本を通じて閣議決定をし、しこうして関係方面との折衝を終つて、できるだけ早く国会に提案いたしたい、こう存じておりますから、その際は何とぞよろしく御審議あらんことをお願いする次第であります。  それから第二点でございますが、事務局をいずれにするか。最初の審議会の答申は、事務局というものを独立の存在として審議会に付置するというような案でございました。そういたしますと、審議会は内閣にできるわけでありまして、内閣部内の事務局というこに相なる次第でございますが、こういたしますると、経済計画について案を樹立策定する職務を持つている安本との関係が円滑を欠くというようなきらいもあるのでありまして、この前の次官会議等においては、まだ結論を得なかつた次第でございます。ただいまのところ全閣僚一致の御意見ではございませんが、大体において、安本の事務局をもつて総合国土開発審議会の事務局にかえるといつたような考えを持つております。こういう考えが法律化されたものは、田中さんのつとに御承知の通り、前にあるのでございます。為替管理、貿易管理に関する審議会の事務局を、安本の貿易局とするという法律ができておる次第でございまして、前例がないわけではございませんし、特に職務分掌、事務規程等から申しましても、あえてさしつかえない、こう考えております。それから建設省と安本とのそれぞれの職務規程には矛盾撞着がないように、今度の総合国土開発法は御審議御策定を皆様にお願いいたしたい、こう考えておる次第でございます。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 長官の御答弁で非常に満足をいたしたのでありますが、なお少し御答弁をお願いいたしたい。この国土開発法をお出しになるにつきまして、現在の建設省設置法並びに経済安定本部設置法を改正する御意思はないと考えてよろしゆうございますか。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 田中さんにお答え申します。お説の通り、建設省設置法並びに経済安定本部設置法の條文と矛盾杆格のないように、総合国土開発審議会関係の開発法を立案して出すつもりでございますから、その点皆様におかれましても、提案されたあかつきにおきましては、矛盾杆格のないような意味合いから御審議を願いたい、こうあらかじめお願いいたす次第でございます。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 もう一点だけ。非常に近い将来にお出しになつていただけるというお話でありますが、非常に長い間渇望しておつた法案でありますから一日も早く見たい、こう思つておるのであります。もし今月の二十日か二十四、五日とか、その目安がおつきのようでありましたら、日時的にも御答弁願いたいのであります。

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○増田国務大臣 田中さんにお答え申し上げます。できるだけ早く提出いたしまして貴意に沿いたい、こう考えておる次第でございます。ただいまのところ、目標は来週、再来週までに遅くとも出したい、こう考えております。

淺利三朗自由党

○淺利委員長 ほかに御質疑はありませんか。      ―――――・―――――

淺利三朗自由党

○淺利委員長 それでは日程に従つて請願を議題に付します。     〔委員長退席、田中委員長代理着席〕

田中角榮自由党

○田中委員長代理 委員長にかわりまして、暫時私が委員長代理を務めます。  日程第四、夏川左岸堤防補強工事施行の請願、文書表第三三七号、紹介議員淺利三朗君、同じく日程第五、前沢町地内の北上川護岸工事施行の請願、文書表第三三八号、紹介議員淺利三朗君。右二案を一括して議題に供します。紹介議員の説明を求めます。淺利三朗君。

淺利三朗自由党

○淺利委員 この請願の紹介者は私のほか小澤佐重喜君、高田弥市君の三名でありますが、本日はどなたも見えておりませんから、私から説明いたします。  一、夏川左岸堤防補強工事施行の請願、この夏川と申しますのは、岩手県と宮城県の間にあつて、これが毎年毎年水害を起しましてほとんどこの両岸の稻作は無収穫の状態で続いておるのであります。一万過去二箇年の災害のために、この堤防の強化工事をいたしたのであります。ところが沿岸でも宮城県の方は、上流までりつぱに堤防工事はできております。ところが左岸の岩手県の分は補強工事をやつておりません。そこで現在におきまして、洪水のあるときは左岸に集中して参ります。そこでこれは、両岸を対等にバランスのとれるように補強工事をしていただきたい、こういう請願であります。その要旨はきわめて簡單なのでありますが、かくのごとく放任されますと、一方だけが被害が甚大になるのであります。昨年の水害を見ますと、水害後における宮城県の方はただちに回復して、青々とした水稻がみなぎつておる。岩手県の方は全滅いたしましてまつ白になつてしまつたという実情でありますので、これを右岸同様の堤防の高さに補強工事をしていただきたいという請願であります。  次の日程第五の請願、これは北上川でありますが、北上川の本流は、御承知のごとくほとんど無堤防で、何ら工作がなく、原始河川のままであります。ただ前沢の地形から見ますと、前沢側は右岸に違つておりまして、その対岸は郡が違つておるのであります。これは江刺郡と東磐井郡になつておりますが、その方は従来少し低いために、県費をもつてささやかなる堤防を築造いたしておつたのであります。ところがそれが今回の災害のために流されましたので、復旧工事をし、あわせてこれに改良工事を加えて従来より二メートル半高く堤防を築いたのであります。そうすると、従来は右岸の方が高いために堤防がなく、左岸の方が低いために堤防を持つてバランスをとつておつたものが、逆に今度は左岸の方がニメートル半高くなつたために、右岸の方はその洪水量を全部引受けるという実情になつておるのであります。一方だけを改修して強化する、一方はそのまま放任されるということは、はなはだ困るということでありまして、右岸の方にも堤防を対等に築いていたぎたいという請願なのであります。これには護岸工事施行とありますが、これは堤防工事であります。そういう趣旨でありまして、これは従来は天災として両方が均分に被害をこうむつておつたものが、今度は一方だけを二メートル半高くしたために、この人為的のために右岸の方は甚大な被害をこうむつておる。しかもこの地方は岩手県の穀倉地帶であり、また東北本線の鉄道の不通箇所は、折居と申しまして前沢の次の停車場であります。この地方は一たび洪水があれば必ず東北本線は中断されるのであります。それから前沢と平泉間において衣川という川がありますが、この川は鉄橋も流され、また国道もしばしば流されて現在も仮橋で、せんだつての雨でさえもこの仮橋までも流された。こういう被害が多い所であります。そういう場所に今度はニメートル半の対岸の堤防工事の結果が氾濫を及ぼして来る、こういう事情でありまして、どうしてもこの地帶は対等な工作をしなければ、岩手県の穀倉及び東北本線の交通の遮断、また国道の交通も遮断されるという甚大な被害をこうむる。こういうわけでありますから、ぜひこれを左岸と同様に堤防を築いていただきたい、こういう請願の要旨であります。何とぞ愼重御審議の上御採択あらんことを希望いたします。

田中角榮自由党

○田中委員長代理 ただいま紹介議員の説明を求めました以上二件に対しましては、請願の趣旨適当と認めるものでありますが、本日は政府委員、説明員が不在でありますので、追つて次の委員会において政府委員、説明員の意見を求め、その上で採否をきめたいと存じます。さよう御承知を願います。  なおその他の日程に対しましては、本日紹介議員の御出席がありませんので、次に機会に延期をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中角榮自由党

○田中委員長代理 それではさようにいたします。     〔田中委員長代理退席、委員長着席〕

淺利三朗自由党

○淺利委員長 本日はこの程度にとどめまして、これをもつて散会いたします。     午後三時十五分散会

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