建設委員会 第11号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/02/28
会議録
○淺利委員長 これより会議を開きます。 去る二月二十一日の本委員会における砂間委員と政府当局との質疑応答中、速記録を調査いたしましたところ、一部穏当を欠くものと認められる部分がありましたので、適当に処置いたしましたから御了承願います。 次に住宅に関する件を議題といたします。 住宅金融公庫法案につきましては、政府において大体の成案を得て近々国会に提出されるやに聞いております。同法案が本委員会に付託になりましたならば本格的に審査いたすことになりますが、本日はその後の経過の概要について当局より説明を聽取いたしたいと存じます。伊東政府委員。
○伊東(五)政府委員 ただいま委員長からお話がありました通り、住宅金融公庫法案の作成を急いでおりましたが、先週の金曜日に一応閣議の決定を見まして、関係方面に公式にアツプルーヴアルを求めております。内容につきましては、関係方面の担当者と十分打合せを遂げましたので、私の考えでは大体大した相違のないものが国会に提出されることになると考えております。
○淺利委員長 およそいつごろの見込みですか。
○伊東(五)政府委員 司令部の内部のことでございますから、的確な予想はちよつとできませんが、おそらく来週早々にはアツプルーヴアルがあるのではないかと思つております。
○淺利委員長 なお、さきに内示された案に、以後変更のあつた重要な点でもあるならば、あらかじめ伺つておく方が好都合でありますが、そういう点はありませんか。
○伊東(五)政府委員 前に法案の要綱で御説明申し上げましてから、業務の具体的内容について、この法案にこまかいことまで明記することに方針がきまりましたが、お手元に差上げました法案の第三章のところを主として新しく加えました。
○淺利委員長 ほかに何か御質疑はありませんか。
○砂間委員 ただいまお話のありました第三章の業務の範囲、第十八條のところでありますが、この草案によりますと、地方公共団体はこの貸付金は受けられないことになると思うのですが、これを除外された理由はどういうことでしようか。
○伊東(五)政府委員 地方公共団体は、住宅につきまして別に公共事業によつて二分の一の国庫補助を受けまして、貸家の建設経営をやつております。それとの混淆を避けるために、この公庫からの貸付は、公共団体は必要のないものと認めまして、当初研究もしてみましたが、最後の案ではそれを省いております。
○砂間委員 地方公共団体でも貸家の建造をやつておりまして、それに国庫から補助が出ておりますが、二十五年度の予算によりますと、そういう方面の国から出る予算は約三十一億ぐらいだと思うのです。国から地方公共団体の方に出す補助は三十一億円でありまして、この住宅金融公庫の方は、出資金と見返り資金の借入金を加えまして百五十億でありますが、この三十一億と百五十億という点から見ましても、国として地方公共団体の方へやつておる貸家建設に対するウエイト、比重が非常に軽いように思うのです。もちろん住宅が三百数十万戸も拂底しておるときでありますから、公庫の金が多過ぎるということを言つておるわけではないのですが、こういう公庫をつくつて、住宅難を緩和する意味において努力されることは、それ自体としてはけつこうだと思うのであります。しかし実際に住宅を建設して行く上におきまして、個人や組合でやらせることもけつこうでありますけれども、公共団体——市町村だとか県だとかでやることは、最近では非常に重要だと思うのです。ただ国が保護をして、地方公共団体では貸家の方をやつておる。それだから公庫の貸付金と混淆してはいけないから除外したというだけの説明では、私ども何かまだ納得できかねるのです。地方公共団体が公庫の金を借りて建ててもいいと思うのです。むしろ住宅組合や何かによつてやるよりも、その方が責任があつて、貸付金の回收という点からしても確実ではないかと思うのですが、もう少し詳しい御説明を伺いたい。
○伊東(五)政府委員 庶民階層といいますか、勤労大衆といいますか、それに対する住宅の供給については、二通りの方法があると思います。一つは貸家として供給する。一つは資金を貸して自分の家を建ててもらう、こういう二つの方法があると思うのです。貸家の方は家賃だけ拂つて行けばよいのであります。自分の家を建てるためには資金の借入れをしましても、建設費の一部は負担をしなければならぬというような関係もありまして、同じく勤労大衆のうちでも、やや負担力のある人ということになると思います。この二つの方法によつて、庶民階層の住宅に対する対策が完璧になると思つております。この公庫につきましては、百五十億の資金で決して多いわけではない、こういうお話がありましたが、私ども同様に考えておりまして、これは必要だと思うのです。一方公共団体に対する国庫補助によつて建てるもの、これがそれと比べて少いのじやないか、こういう点も一応住宅を担当しておりますわれわれといたしましては、さように感じまして、いろいろと公共事業費の配分の際に、安本なり大蔵省なりに強く要望をいたしたわけでありますが、公共事業費の全体の予算の関係から三十億ということにきまつたわけでありますので、この方をふやすことについては、今年度の予算としてはやむを得ないのでありますが、将来はもう少し増加するようにますます努力をいたしたい。そうして両方のバランスをもう少しよくとるようにいたしたい、こういうように考えております。なおただいま申し上げました公共団体の国庫補助の賃貸の住宅ですが、これは今年度全国で二万五千戸ほどであります。来年度は二万七千戸程度はできると思つておりますが、毎年この程度のものをだんだん建設しておりまして、各公共団体とも相当大きな家主さんになつております。これの建設の場合には敷地の取得、それから建てた後の修理なり管理なりにつきまして、かなり大きな負担になりつつありますので、この賃貸庶民住宅の方も、ただいまの予算の程度ではわれわれとしては満足していないのでありますが、さればと申しまして、これを非常にふやすということは、経営管理の面からいつて、公共団体には非常に大きな負担になるという点もありますので、それらの点も考えまして、適当数量を建設担当していただく、かようにしなければならぬと思つております。根本的には戰前にありましたように、民間の貸家の供給ということに立ちもどらなければ、ほんとうに貸家政策というものは解決して行かないのでありますが、現存のところでは、貸家は公共団体が公共事業としてやる以外には事実上困難でありますので、その間のつなぎと申しますか、公営の住宅を、予算の許す限り、また建設、維持、管理の能力の許す限り、なるべく多くしばらくは建設を続けて行く。そして将来は民営の貸家というものに移つて行かなければならぬ。こういうふうに考えております。 この公庫の資金を公共団体に貸し付けてもいいじやないかという御説もありますが、われわれの感じとしましては、これは公庫の建前は、住宅にみずから困つておる人、あるいはそれらの人々の組合、あるいは一般の民間の会社、法人などに対して貸付をする方針でありまして、公共団体は公共事業の方を分担していただくというふうに考えておる次第でございます。
○砂間委員 住宅の供給について、自力で建てる人と、貸家と二通りあるという御説明でありますがそうだと思うのです。ところで個人にしろあるいは組合をつくつて組合で建てるにしろ、公庫の金を借りて住宅を建設することができる人は、ただいまも御説明の中にありましたように、勤労階級の中でも比較的いい人といいますか、資力のある人だと思うのです。一般の労働者階級、ことに今の六千三百円ベースというああいう安い賃金を支拂われている人は、月々の生活費すらも赤字々々で食つて行けないような状態ですから、二割五分ないしは三割の金を自分でくめんして家を建てるという力なんかとてもないと思うのです。ところが今住宅で一番困つておるのは、そういう階層の人が困つておる。終戰後でも相当建設ができて来ておりますが、それらの住宅を見ますと、大体やみでもうけた人々だとか何とかいうふうな人が多いのでありまして、ほんとうにまじめに勤労している人たちは、一番住宅に困つておる。そういう人にまず住宅を供給して行くということが、国の政策として第一に取上げなければならぬと思うのです。そういたしますと、結局貸家の建築ということが重要になつて来ると思うのであります。この貸家建築というのは、昔はやはり個人の大家さんがありまして、そして家を建てて貸し付けておつたのですが、これは終戰後最近の事情のもとにおきましては、いろいろな経済関係もありまして、個人で家を建てて貸付をやるという大家さんは一人もおらない。またできない。従つて市なり県なりの公共団体が、財政上の負担もありますけれども、こういうところで貸家を建築して、自分で家を建てることのできない勤労者に供給して行くということになつて来ておると思う。先ほどの御説明によりますと、なるべくそういう公共団体の貸家建築というふうなことは、経営上、管理上なかなか負担がたいんであるから、だんだんそれを軽くし、少くして行つて、将来は民間の貸家という方向へ持つて行きたいという御説明でありましたけれども、私はむしろ逆に考えておる。民間のそういう住宅供給いうことは、なかなかできないような状態になつて来ておりますから、これはむしろそういう公共団体が、多少財政的な負担はいたしましても、それで公共団体が家をたくさん建てまして、安い家賃で貸してやるというふうな方向に行かなければ、この住宅問題というものは解決できないと思う。その点におきまして、政府の考え方とはちようど反対の考え方を持つておるのでありますが、その根本的な考えの相違は別といたしまして、單に地方公共団体の経営上、管理上負担がたいへんだから、今度の公庫の貸付対象から除外したというだけでは、どうしても私たち納得できない。ただそれくらいの理由だつたら、むしろ本委員会としては、これを修正いたしまして、公共団体を積極的にこの項に入れてやりたいくらいに思つておるのであります。これは正式に法案が提出されたときに、詳細に論議されることになると思うのでありますが、今日はただ荒筋といたしまして、地方公共団体を除外したという理由が、先ほど来の御説明だけでは、私は納得が参りませんので、もう少しつつ込んで、もし御説明できたら御説明願いたいと思います。
○伊東(五)政府委員 ただいまちよつとお話にあつた、公営の貸家はだんだん減らして行くのだというふうに御理解になつたようですが、私どもは別にそういうふうに考えておるわけではありません。ここ当分は、やはり公営の貸家で行かざるを得ないと思つておりますから、これをだんだん減らして行くというふうには考えておりません。ただ将来経済が安定したあかつきには、やはり昔の民営の貸家という形がいいのではないか、小さな貧家は個人個人の家主さんがめんどうをみるというのが、一番よく行き届いていいのではないか、こういう根本的な考え方を申し上げたので、ここ当分だんだん減らして行くという考え方は持つておりませんから、この点をひとつ御了承願いたいと思います。 それからこの公庫から公共団体に対する貸付については、御説のように建前上おかしくても、実際問題として公共事業費によつて建つ貸家は十分と言えませんから、でき得るならば、公共団体にもこれから貸し付けるような道を開きたいというので、いろいろと研究してみたわけでございますが、いろいろ難点があるわけであります。その一つの難点としては、地方公共団体には起債のわくということがありまして、全国の公共団体で大体三百数十億ということになつておるわけでありますが、このわく内でもつて公共団体が公庫から借金をして家を経営をして行くということは、地方の財政の見地からも相当なむりがあるのではなかろうかと思うわけであります。
○砂間委員 そういたしますと、地方起債のわくがあるから、そのためにこの公庫からの資金を貸してやるということにいたしますと、その方の起債のわくがあつて、それに制約されておるからできないとおつしやるのですか。
○伊東(五)政府委員 先ほど申し上げましたように、筋の上からいつておかしいということが一つと、それから現実には起債の問題で行き当る、こういう二つの……。
○砂間委員 筋の上から申しますと、地方公共団体に貸してやつた方が筋が通る。これは資金の回收という面からいたしましても、個人に貸し付けてやる場合よりは——、組合は別としまして、個人に貸し付けて行つたら、これは利権屋運動というか、いろいろな情実がからんで参りまして、ややこしい問題が起つて来ると思います。それから下手をすると、復興金融金庫の二の舞をやりまして、資金の回收ができなくなるというようなことも多分に危惧される。こういうことを考えますと、むしろ公共団体などにはつきり貸してやつた方が、資金の回收その他の面から行きましても一番いいのではないか。筋の点からいいましても、公共団体に貸してやるということは、筋が通らぬわけではなくて、その方が筋が通る。 それからもう一つ起債のわくとおつしやるのですけれども、この起債のわくというのは絶対的なもので、日本政府では動かすことのできない何かわくがあるのですか。それとも経済事情の変動だとか、財政経済の方からいつて、時期に応じてつくられるわくが変動できるのですか。私はむしろ絶対的に動かせないというわくはないと思う。それはやはり政府がおきめになつたことであつて、そのわくなどにこだわる必要はない。これは国全体の政治経済の上から見て、この方がより理想的だということになれば、何も三百五十億のわくに縛られることはない。二百五十億に減らしたつていいし、あるいは五百億円にふやしたつていい。何かわくということで自縄自縛に陷つておられるようでありまして、どうもよくのみ込めません。わくの点をもう少し御説明願いたい。
○伊東(五)政府委員 筋と申しましたのは、ちよつと違うのですが、公共団体の経営は、住宅については公共事業費でやつております。それでどの程度やつたらいいかという点は、公共事業費を十分審査の上で金額を決定しておりますので、これを公庫からまた出すということになりますと、公共事業費の追加というような形になりまして、両者が混淆する。公共事業費をふやすべきものならふやす。そういうようなことで建前を両者はつきり区別して考えるべき、だということを申し上げたのであります。 それから起債のわくの問題につきましては、私どもちよつとここで答弁申し上げる立場ではございませんので、いずれ法案でもできましてから、大臣にでもお聞きを願いたいと思います。
○砂間委員 それではその起債のわくの方はまた別にいたしまして、その筋の点でありますが、どうも私は筋違いの勘違いをいたしまして、筋がわかつたわけですが、しかし地方公共団体でやつても賃貸しの住宅は、これは公共事業費でやつておる。この公庫の方は公共事業費ではないから、公共団体で家を建てるのなら、公共事業費を増したらいいというのが筋の通つた話になるわけであります。しかし公庫の金は結局貸し付けてやる金でしよう。公庫は住宅を建設する者に金を貸してやるというのが、この公庫法案の目的だろうと思うのです。貸してやる金であるならば、それは公共団体であろうが、個人であろうが、組合であろうが、一向さしつかえないではありませんか。国が補助して公共団体が公共事業費で建てるのもけつこうでありますけれども、金を借りたいという場合には、確実に返してくれさえすれば、公庫としてはだれに貸してやつてもいいと思うのです。だから個人や組合は認めるけれども、公共団体は認めないのは、どうもおかしいと思う。なぜ公共団体に貸付けることができないか、貸したら弊害があるのか。そういう点をお聞かせ願いたい。地方へ参りますと、県でいろいろ住宅の建設をやつておりまして、公庫ができるというので非常に喜んでおる。その方の金を貸してもらえば、もつと住宅建設はうまく行くと言つて、非常に要望しておる。そういう全国の実情からしても、また資金の回收が確実であるという点からしても、私は公共団体を除外する理由がよくのみ込めないのであります。
○淺利委員長 今の御質問は、大体地方財政にも関係する問題で、建設当局だけでは御答弁できないように察せられるのであります。つきましては、この問題が提案になつてから、大蔵当局、建設当局がそろつた上で、あらためて御質問になつてはいかがですか。
○砂間委員 けつこうです。
○井手委員 これはしばしば問題にもしておることですが、旧軍部の使用しておつた建物、その他公共の用に供しておつた建物で、終戰後住宅になつたものがある。しかも千葉県にあつたものを東京に持つて来たとか、辺鄙な山の中にあつたものを市街地に持つて来て住宅とした。おもに集団住宅をつくつており、主として戰災で家を失つた者とか、引揚者が使つております。私どもの地域でも、東京の中ですが、相当に集団住宅があります。ところがこの建物は、御承知のように非常に粗末なもので、火災があると、三百坪ぐらいな建物は十五分間で焼失しておる。その都度人命が失われるという事例がたまたまある。これは関係方面でもいろいろ心配され、公共団体に話を持つて行つたり何かするのですけれども、これが閉鎖機関の手に移つておりましたり、住宅公団が持つておつたりしておる。今日閉鎖機関が清算に入るという関係で、その所有権者がはつきりしない。最近地方公共団体にそれらの建設物を全部委讓したと聞いております。これはなかなか捨ておけない問題で、一つの社会問題となりつつある状況下にあるのです。それでこういうように大巾に住宅建築を国庫の資本で建設しようということはけつこうでございますけれども、それらの既存住宅の改善あるいは分散といつた面について、具体的なお考えがないために、終戰直後から、これが相当問題になつておるのですが、放任されたまま、依然として解決の曙光が見出されない。これは今日の情勢から、放任できない事情に追い込まれておるのではないか。これはいずれ本委員会においても理事会を開いて、実地ついて実情を見てもらいたいという意向を持つておるのでありますが、おそらく全国にこれらの実例はたくさんあろうと思います。これらの建物の改善についても、具体的な方法について、この際局長から御意見を承つておきたいと思います。
○伊東(五)政府委員 ただいまお話の建物は、おそらく旧住宅営団の建設にかかるものだろうと思います。住宅営団につきましては、御承知の通り前の国会で、住宅営団法の廃止法律を規定されまして、その清算事務に移つておるわけでございます。地方によりましては、すでに委讓を済ませたところがありますが、東京はまだ済んでおりません。それで清算事務でありますので、修理などはできません。お話のように非常に不良住宅化しておるものが相当数あるわけであります。これは現在の状態では閉鎖機関の所管になつておりますので、いかんともできないので、一日も早くこれを処分しまして、新しい所有者によつて適当な家賃を定め、修理をするなり、あるいは現住者に讓渡するとかいう措置をとつてからでないと、何ともできないわけであります。ただいませつかく処分につきまして急いでおるわけでございまして、遠からず何とか方法がつくのではないかと考えております。
○井手委員 ありがとうございました。これはハモニカ長屋とかトンネル長屋とか新聞紙の記事にもあるくらいで、單に危険というばかりでなしに、保健衛生から申しましても、あらゆる観点から申しまして放任できない。しかもそれが相当の数に上つておる。東京都下におきましても、何千世帶という数に上つておる。私のところでもこういつた実例が一千戸近く集団住宅として、内輪に見積つてもある。一棟の建物に一本の廊下で、そこで火をたきますから、煙のためにそこを目をあけて通れないという実情であります。雨が降りますと汚水が氾濫し、便所はあふれるという実情になつております。よくもこんな所に人が住まつておれるなと思うくらいです。戰争中でありましたから、どんな所でも雨さえ漏らなければ住わせるという状況で、ああいうふうになつており、その後そのまま放任されておる。りつぱな御回答をいただき安心いたしましたが、早急に所有権の移転等についてもはつきりしてもらいまして、できるだけこれを改善することについても、具体的な方法を講じていただきたいことを特に、お願い申し上げておきます。
○淺利委員長 ほかに御質問がなければ、本日はこの問題はごの程度にとどめまして、近く提案の上に、十分検討いたしたいと思います。 —————————————
○淺利委員長 それでは道路局長が見えましたから、道路に関する件を議題に供します。 道路法の改正は、当委員会といたしましてもかねて要望しておりますし、また全国各地より相当の請願、陳情等が出ておるのであります。しかるに建設当局においては、いまだ省内の意見が一致点を見出さないために、道路法の提案そのものは、今議会中にできないかもしらぬといううわさも聞いておるのであります。よつてこの際どこに難点があるか、場合によりましては、当委員会の意見も加味して、ともどもにこの問題を早く法文化することに邁進したいと思うのであります。今日までの政府当局における部内の意見、あるいはこの問題に対する今後の予想ということについて、一通りの御説明を願いたいと思います。
○菊池政府委員 道路法の改正につきましては、前々国会以来の皆さんの御意見もありまして、だんだん研究いたしまして、本国会にはぜひ提案いたすように努力して参りましたが、ただいま道路審議会にかけて審議いたしている途上でございます。それで本国会にというわけで申し出てありましたが、ある時期までに整わない場合にはあとまわしというようなことになりましたので、遂に本国会にはどうも現状は出にくくなつているのであります。どういうところでつかえているかというお話でありますが、これは私ちようど病気しておりまして、係の課長から一応説明はいたしたはずでありますが、何しろ大正八年に制定いたした道路法で、非常に古くなつております。当時の情勢等から、おわかりのように、相当中央集権的な色彩もありますし、軍事的な色彩もあります。今日地方自治強化の線には沿いかねる点も多いのでありますので、ぜひ改正しなければならぬということは、皆さんのお認めになつた通りであります。 一番問題になりました点は、今日までの道路法では、道路はすべて国の営造物ということに相なつております。ただこれを管理しますものは、地方長官、現在の知事とか、そういうものが、国の機関として管理するという形で参つているのであります。今回の地方自治法の改正によりまして、それが知事とか市長が、国の機関として国の営造物たる道路を管理するという建前は、どうもよろしくないという見方もありますので、これを地方の道路、あるいは国が管理するならば国の道路というふうに、はつきりする必要があります。 それからもう一つは、そういう管理者は、ただいまでは地方の知事なりが、国の営造物、国の機関としてそれを管理していますが、その維持の費用は全部地方が持つというふうなことになつております。そこで道路を改良いたします場合に、国が助成する。あるいは直轄国道につきましては、国が相当の負担をいたしましてこれをやるという建前になつております。そこで一番問題になつておりますのは、非常に地方自治を強化いたします半面、国として、ぜひともこれは幹線であるからりつぱなものにしておかなければならぬような道路が、各府県なり市にまかされてしまいますと、一貫した交通運輸の面でさしつかえを生じはしないか、どうしてもある程度の重要幹線は、むしろ国が管理すべきであるというふうな見方もございますので、そういうただいままでの国道に対する国のめんどうの見方を、もう少しく重く見るというふうな考え方をいたしまして、改良はもちろん、維持補修についても、国でもつてめんどうを見ようというふうに考えておつたわけでありますが、そういたします際の財政の関係から、それらの延長はどうなるかというような問題が、相当問題の中心をなしております。従つてただいままでの府県道なり市道なり、そういうものと国道とのつり合いというような問題も、問題となつていると存じます。ただいまの一番大きな問題はそれではなかろうかと思います。 それから損傷負担金という制度がございます。それは税ではなく、負担金制度、寄付みたいなものでありますが、そういう負担金を、地方で現在までも管理者が、使用して特に損傷を多く来す業者なりからとり得るようになつております。その制度が今後どうだろうかという問題もあります。非常に支障になつている問題は、特に前段申しました道路網をどう促進するかということが、一番大きな問題であると思います。
○淺利委員長 ただいまの御説明に対して御意見なり御質問なりがありましたら……。
○内海委員 大正八年に御制定になりました現行道路法を今日改正する、ことは、当然なことでありまして、当委員会においても、過去三年以来しばしば問題となつたのであります。御承知のごとく憲法が改正せられて、地方自治法の制定によりまして、中央集権制度がだんだん地方分権ということになつて参つたのでありまして、道路行政の基本法である道路法についても、また必然的にいろいろな検討を加えねばならぬ時代になつたのであります。道路の制度につきましては、時代に即した改正を行うべく研究が進められているのでありますが、ただいま道路局長の御説明によりまして、大体の要点は了承したのであります。言うまでもなく、今日の道路法改正の要点は、国道は国の営造物、都道府県道は各地方公共団体の営造物といたしまして、国道に関する費用は国が全額負担すべきであるとの考えが、その最も注目すべき要点だと思うのであります。これを理論的に言いますならば、国道は府県道その他よりも大きな利害関係を国に対して有することは、国道が人体の動脈にも比すべき幹線道路である点にかんがみまして、一応肯定することができるのでありますが、地方公共団体とても、国道に対しては少くとも府県道その他の道路と同程度の利害関係を持つているのであります。道路管理者が原則としてすべての道路に関する費用を負担する制度を改め、国道について特に新しい制度を設けることは、現在の段階においてはたしてどういうものであろうか、さらにまたこの問題は、わが国財政力の今後における発展と相まつて、研究すべき一つの課題であると思うのであります。従つてこの問題の取扱いは、きわめて愼重に研究しなければならぬ問題であろうと考えるのであります。以上の原則論を前提といたしまして、以下二、三の基本的御意見を承つてみたいのであります。 その第一といたしまして、国道を国の営造物といたし、すべて国においてまかなうことといたしました場合、当然今まで地方公共団体に委任いたしておりました管理事務その他の業務を、国においてなさねばならなくなるわけでありますが、直接の道路工事費以外に、これらに要する人件費その他の費用等の増加を、その程度に見積つていられるでありましようか。国道総延長の未定の今日ではありますが、大体のキロ当りの金額等についても、いろいろ疑問もあられるだろうと思いますが、この点について、一応具体的の説明を承りたいと思うのであります。
○菊池政府委員 ただいま考えております線で参りますと、管理、維持、修繕まで国で持つということにいたしまして、改良は限度がないと申してはおかしいですが、相当厖大なものになりますから、これは財政の許す範囲ということになりますが、維持、修繕だけは、引受ければどうしてもやらなければならぬということになりますので、それだけを考えてみますと、二十億ないし三十億くらい今までなかつた経費がかかります。もつとも現在は先年制定されました補修に関する法によりまして、ただいま三分の一の補助をいたしてやつております。あれが国道に関しましてどのくらいになつておりますか、今数字を持つておりませんのではつきり申し上げかねますが、府県道までひつくるめて全部で二十四、五億でございますから、そのうちの国道に投ぜられておる金がやはり四、五億は——これは追つてまた訂正申し上げるかもしれませんが、四、五億はあるのではないかと思つております。それから管理事務は、現在そういう事務所というものはもちろんございませんが、将来は、ただいま改良工事をいたしておりますような事務所に兼ねさせるというようなことでやつて行きたい。それにいたしましても、やはり二、三十億のものは維持、修繕のため、あるいは管理のために必要になつて来やせぬかと思います。
○内海委員 ただいまの資料は最も重大な根幹をなすものと考えますから、この次の機会にぜひ提出していただきたいと思います。 それからこの改正道路法が成立いたしたことにより、急激に道路予算が増加するとは考えられないのでありますが、国道はすべて国庫の負担においてこれを行うことのみについて考えますとき、一応国庫の支出は増大するものと見なければなりません。しかるに、そのかわりと申しますか、従来国道以外にも與えておる地方公共団体に対する補助額が、ある程度減少すると思われるのであります。国道をすべて国において負担するために増大する額と、この制度により減少すると思われる国庫補助額とのつり合いは、国庫支出の面から見ていかような数字になつておるか、御説明願いたいと思うのであります。のみならず、さらに主要地方道に対しても、二分の一ないし三分の二の国庫補助を認めておるようでありますが、はたして財政的にこのようなことが可能であるかどうか。必然的に道路網延長をはなはだしく短縮いたす結果になるのではないかと考えられるのであります。この点について御見解を一応承つておきたい。
○菊池政府委員 当然ただいまお説のような地方費の補助が、ただいまの金額のままといたしますと、地方道に補助いたします補助費が減りまして、国道の改良費の方にまわるという結果になると思います。しかしながら国道と申しましても、維持、修繕の方はいたし方ありませんが、改良の方は全額国庫負担ということになりましても、全面的に改良をやつて行くというふうにすぐにかえるわけには参らぬと思いますので、どうもこれは結局予算額でもつて押えられるということになりはしないかと思うのであります。ですから幾らか減りますが、その金額が、どのくらい地方道の補助の方から国道の方にまわるかというところまで、まだ計算はいたしてございません。それから二分の一、三分の二の補助率を少し引き上げるわけでございますので、そこで補助をもらえる延長が減りはしないかというお話でございますが、これは当然減ると思います。と申しますのには、ただいまの府県道は、相当こまかく綱が相なつておりまして、国でもつて補助をいたすに適当であるという網を全部に適用いたすのはどうかというふうに思つております。それで三分の二を補助すべきだという線は、国道に匹敵するような準国道的なもの、あるいは現在の指定府県道でございますが、県内でも相当他府県との関係もあるし、その附近での国道以外の重要な幹線には三分の二、それからそれ以外の生産なり、奥地、あるいは平野でもありまするが補助すべきものという線に対して二分の一、それで相当こまかくなつておりますある程度のものにつきましては、もう補助を出さない、国で補助をしないという線をつくつて調整して行こう。結局重点的に助成して早く改良して行きたい、こういうつもりでございます。やはりお説のように、補助を受け得る延長が減るということは事実でございます。
○内海委員 地方道の改修の現状を見ますと、やはり今日の地方財政窮乏のときにおいては、国庫補助によつてまことに円滑に行つておるというのが現状なのであります。この補助率等についても、十分この法律の制定にあたつて考慮してもらいたい。なお他にお考えがありましたならば、この次の機会においてこれに関する資料をいただきたい。 もう一つ承つておきたいことは、重要な地方道以外の地方道においても、特別の必要ある場合には、地方公共団体に対し、道路に関する費用の一部を補助することができることになつておりますが、この補助はどの程度に行われるのであるか、この内容を承つておきたい。地方においては、たとい国道はすべて国庫の負担において行われることにしても、地方道に対する補助なくしては地方財政窮乏の折柄、とうてい道路の改讐は困難であるのが現状であります。この点に関する当局の御見解を、さらにもう一歩進めて承りたいと思うのであります。なお主要地方道以外の地方道に対しても相当の補助を行われるとした場合、国道をすべて国庫にて負担し、さらに主要地方道に対し三分の一ないし三分の二の補助を行い、さらに主要地方道以外の地方道に対する国庫の補助を行うことが、はたして実現可能であるか、これらの点について、もう少し掘り下げて詳しく承つておきたいのであります。
○菊池政府委員 主要地方道以外の地方道に補助いたします場合には、これはきわめて数量は少いと存じます。たとえて申しますならば、先年非常に石淡の増産をやる必要があるというので、炭鉱地帯の町村道とか、府県道もありましたが、負担力の低い地方におきまして、国の要請でもつて、どうしてもその地方の道路を開発しなければならぬ場合において、地方の負担力なり、希望に反するというわけではありませんが、それほどでないにもかかわらず、国が国家目的のために改良したい、補修したいというような場合のことでございまして、量はそう多くならないと思うのであります。
○砂間委員 私はこの道路政策と申しますか、道路に関する国の根本方針について二、三の点をお伺いしたいと思います。と申しますのは、今政府のやつておられる道路事業が、どうも私どもには合点が行かない点が非常に多いのであります。もつとも政府のこの道路政策というものは、今度の改正道路法が出ますと、大体その中に盛り込まれて来ると思うのであります。しかし今せつかく道路審議会で御審議中のようでありますから、法案としてでき上る前に、できれば私どもの意見も織り込んでいただきたいという意味をも含めまして、三、三の点についてお伺いするわけであります。 先ほど御説明の中にもありましたように、これまでの日本の道路に関する法律というものは、大正八年かにできたのであつて、中央集権的な、軍国主義的な色彩が非常に強い。それを民主的な、平和的な産業道路として再編成して行くというところに、新しい道路政策の根本の趣旨があるというふうなお話を承つたのであります。ところがそれにもかかわらず、今やつておられる道路の新設にしましても、改修にしましても、あるいは維持補修にしましても、やつておられることが、どうもただいまおつしやつたような、そういう意味に沿わない点があるようなふうに、私どもには思われる節が多々あるのでありまして、その疑問の点をお伺いしたいと思います。先だつて予算分科会におきまして、やはり菊池政府委員にお尋ねしたところによりますと、今の道路行政と言いますか、道路計画というものは、マツカーサー元帥の覚書によるあの道路計画によつて、大体やつておられるというお話でありました。そうしてまた、これまでの日本の国道その他の道路は、大体東京を中心としまして、非常に中央集権的な、師団司令部なんかを連結するような軍事的な色彩が強かつた、そういう道路なんです。ところが今やつておる補修なんかを見ますと、あのだたつ広い軍国主義的な色彩の強い、中央集権的な色彩の強いあの国道を、そのまま補修するとか、あるいは拡張をするというふうなことがなされております。ということは、結局以前のあの軍国主義的な道路そのものを補強して行くことになるように思います。そうかと思うと、また他方では観光道路というようなことを言い始めて、とてつもない大きい道路を厖大な金をかけて、敗戰後の国家財政の苦しい今日、もつと緊急な必要な道路を建設する箇所がたくさんあるのに、こつちは放擲してそういう観光道路などを計画し、また実際に着手しておられるようなことも見受ける。そうかと思うと、改築というような口実のもとに、現在道路がつくられておりまして、それで十分間に合つておるのに、それとほとんどすれすれに、並行して道路をつくつておられるというところなどもありまして、一体政府の道路計画というか、道路政策というか、その方針というものが那辺にあるのかという点につきましては、私どもはまつたく迷わざるを得ない。こういうような実情になつております。單に言葉の上で抽象的に、民主的、平和的な産業道路というだけでは意味をなさないのでありまして、実際にどういう点に重点を置いて、今の道路政策というものをやつておられるかということを、ひとつ簡單に御説明傾いたいのであります。
○菊池政府委員 この前予算委員会におきましてお答えいたしましたが、ただいまのメモランダムのことでありますが、これは補修の計画でありまして、改良をこういうふうにやれというような線は、あれにはないのであります。それから現在の国道はだだつ広いというお話でありますが、われわれの見るところでは、まだ狭いように思つて、実は平和的、産業的な輸送という点から考えましても、現在そう広くない部分を改良いたしておるつもりであります。ただいまもお話のありました、ほとんど並行のものを改良しておるというお話でありますが、その線に乗せてそれを広げるとか、あるいは局部的にはその線をはずして並行的というか、沿道の、家をはずしてつくるということは、その場所場所で技術的に有利な線を選びまして、改良いたしますので、局部的には、現在のところとほとんど並行というように見えるところもございますが、前後を通じてごらんいただきますと、決してむだなものをつくつおるとはわれわれは思つておりません。それから観光道路、これも近ごろやかましくなつて参りましたので、観光的なものに手を着けておりますが、やはりわれわれとしましては、観光だけのための道路というものは、実は取上げておらぬのであります。やはり奥地開発等、生産と関係のあるようなものを選んでやつておりますので、観光だけの道路というものは、道路局に関する限りはないつもりでおります。
○砂間委員 具体的の例をあげてお尋ねいたしますが、これはこの前の予算分科会のときにもお尋ねしたわけでありますが、あの中仙道、あれは戰争中に軍部が計画された道路を、そのままをやつておられるのでありますが、マッカーサーの覚書によつて計画されておる改良工事でありますか。それとも以前の軍の計画した道路を復活するという意味でやつておられるのでありますか。それとも建設省あるいは政府におきまして、終戰後の事態に即して、独自の立場からあれが必要であるという面から着工されておる道路でありますか。
○菊池政府委員 これはもとの軍部の計画とおつしやいますが、決してもとの戰争中の軍部の命令で起した工事でもございません。またメモランダム等アメリカの命令によつてやつている工事でもございません。当時内務省、今建設省ですが、その独自の見解でやつておるわけであります。旧軍部とおつしやいますが、旧陸軍海軍のあれでやつたわけではないのであります。ただいまも向うのあれでやつているわけではございません。
○砂間委員 そういたしますと、この前予算分科会での御説明によりますと、非常に地方民の要望もあつて着工しておられるという御説明があつたと思うのですが、私その後いろいろあちらの方の方々にちよいく会いまして、皆さんの意見を聞いてみますと、必ずしもあの道路の改築を全面的に望んでいるというのでもないようであります。むしろあの附近の人といたしましては、今のあの道路で十分間に合つているのだ。特に深谷の町のごときは、町のまん中をぶつこ抜いて、百五十戸もぶつつぶしてやつて行く。ああいう多大の犠牲をかけてやつて行くということについては、非常に反対が強いわけなんです。あんなところをやるくらいだつたら、むしろ近くの溝をさらつてもらいたいとか、もつとほかに道をたくさんつけてもらいたいというような要求があるわけなんですが、日本政府御自身の計画でああいうことをやつておられるとすると、それは将来国力が非常に豊富になりまして、国が富み栄えて、ゆたかになつて来たときに、りつぱな面線道路をあつちこつちにつくることはけつこうだと思うのですが、今はそういう時期ではないと思うのです。敗戰でいたんでおるときだから、やはり緊急なところからやつて行かなければならぬと思うのですが、それを今ああいうふうな工事をやつておられるということが、どうもよくわからないのです。どういう必要のもとに計画されておるのか、ひとつこれは具体的な例でありますけれども、これを例にとつて御説明願いたいと思います。
○菊池政府委員 地方民の反対というお話でありますが、これは非常な御希望がありまして選んだのでありまして、もしただいまのようなお説で、深谷の工事はやめた方がよければ、将来やめるようなことになると思いますが、そんなに反対は絶対にないと思います。やめたらたいへん困るじやないかと思います。
○淺利委員長 ほかに御質問はございませんか。
○久野委員 新しい道路法が制定された場合に、現在の国道の道路網を補整するといいますか、範囲を拡大するような御意思があるかどうか、そういう措置がとれるかどうかお伺いしたいのです。
○菊池政府委員 国道網を広げる……。
○久野委員 広げるという意味ではなくて、何といいますか、現在の主要な府県道を国道に編入されるような御意思があるかどうか、そういう意味です。
○菊池政府委員 これは先ほどの御質問にもお答えしたのですが、ただいま検討中でございまして、いずれともわかりませんが、ただいま持つております原案ではむしろ減るような原案になつております。
○井手委員 道路法のこまかい点は、まだ調べておりませんのでわかりませんが、ちよつとお伺いしたいと思います。東京特別区は御承知の通り、地方自治法で特別自治団体ということになつておつて、現在の地方自治法でそれは市制を適用するということになつている。そこで具体的に申しますと、従来の府県道と市道と、東京で言いますと都道、こういう区別が道路法上明らかにされなければならないじやないかと私は考えております。ところが、従来の道路法の改正案は、東京都の特別区に関する限りはこれは東京都に読みかえるということで、三メートルの細道路網までもこれに拘束されてしまつているのが道路法の建前になつている。今日複雑な細道路網——区画整理等によつて新設される大きな道路はともかくとして今日横丁に入つて見ると、戰災の跡がなまなましく残つているが、こういうものまでも急速に地方自治団体に移管して、その自力による復興をはからなければならぬと私は考えております。いなかへ行きましても、町村道は自分の村の道であるというので、農閑期に農民が出て道路を補修しております。これがほんとうの道路法の建前でなければならぬと私は思います。それを毛細管的な細道路網までも、そういうふうに法律で拘束しでいるために、都民の不便、住民の不便をきわめているのが実情になつております。この際道路法もできることでありますので、こういう面は、たとえば六メートル以内くらいは旧市制による市道というものを特別区に移す、そして特別区の出費により復興をやる、また建設補修もやらせるというふうに切りかえてもらつて、都道府県がやることは在来の府県道のみにとどめて、もつと重点的な、ただいまあなたの御説明にあつたような、復興建設をやつてもらえるように切りかえて参るならば、これが実情にも即し、道路全般の完備に効果があると考えておりますが、ただいままでの道路法の取扱い方について、どういう御構想を持つているか。私どもは、これに対してなお改めてもらいたいという希望を持つております。これは地方財政の意向、あるいは行政事務の意向等も考えなければならないが、基本となる道路法なり河川法というものが改まらぬと、いくら財政法を運用しても実情に合わないという議論が出て来る。ですから、この場合、今後の法律については、こういう点を明瞭にしていただきたいと思います。
○菊池政府委員 戰災復興関係の道路でございますと、これは主として戰災復興関係の費用でやつておりますので、都市計画の方で、特に今区画整理でやつているものは、道路法ができ上りますまでは、道路法の道路にならないじやないかと思いますが、その点は研究さしていただきます。
○淺利委員長 ただいままでの説明を伺いますと、結局国道は国が維持管理し、一切国費をもつてやる、そうすれば、国家財政のために、この道路網の範囲を拡張することは至難であるというふうに承つたのであります。しかるに一方においては、従来のごとく、道路は地方もその費用を分担するということにいたしますれば、自然道路の改良なりあるいは維持という問題も、財政上多少余裕が出て来る、従つて日本の国道幹線網を完備するという道がここに残つておるやに思われるのであります。結局従来国道が国の補助によつて早く完備し、道路の完備の結果、地方の産業が発達して、ますますその改良をしたというところがどんどんりつぱな道路ができる。しかるに一方においては、費用が少く国費もない。そのために地方の産業も興らない。ために道路の改良費の財源も出て来ないというところが、そのまま残されておる。日本の国全体の上において、費用の負担均分化、あるいはその利益の均霑という点について、ここに不公平な事実が出て来る。結局競馬でありますならば驚馬にハンデをつけたという有様で残されておつたならば、今日道路網の不完備な所は永久に取残されるという形になる、こういう問題になると思うのであります。これらの問題は單に理論の問題にあらずして、政治の実際の面でありますから、これは当委員会といたしまして、今後一層深くこの問題を検討して参らなければならぬと思うのであります。よつて本日はこの程度の説明にとどめまして、今後さらに本委員会において、深くこれを検討することにいたしたいと思います。
○淺利委員長 なお日程におきましては、国土開発に関することを審議することでありましたが、政府において総合国土開発審議会の答申に基いて、ある程度の法案の試案ができておるようでありますから、これを政府において提案するか、あるいは議員提出にするか、その方針がはつきりしないのでありまして、よつて官房長官の出席を求めまして、政府の方針を伺おうという計画でありましたが、目下官房長官はほかの要務で、四時半までには出席するということでありましたが、まだお見えになりません。よつて日程を変更いたしまして、先に本日の日程にあるところの請願を議題といたします。紹介議員の出席の都合により、日程を適宜委員長において変更いたしますので、あらかじめ御了承願います。なお紹介議員にかわり他の議員が出席説明されるようでしたらこれを許します。 日程第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第一〇、第一一、第一二、これらの紹介議員はお見えになつておりません。よつて日程第一三小屋畑川改修工事費国庫補助の請願、文書表第二二三号、紹介議員山本猛夫君、日程第一四見前村地内の北上川築堤工事促進の請願、文書表第二二四号、紹介議員山本猛夫君、日程第一五、大澤田川砂防工事施行の請願、文書表第二二五号、紹介議員山本猛夫君、日程第一八北上川改修工事費増額の請願、文書表第二三二号、紹介議員山本猛夫君、以上四案は同一人の紹介でありますから、一括して議題といたします。山本君にかわりまして高田弥市君から紹介があります。
○高田(弥)委員 小屋畑川改修工事費国庫補助の請願ですが、本請願は岩手県九戸郡長内村長岩城惣一郎、村議会議長中村惣三郎両氏より提出されたものにして、その趣旨は請願文書表にある通りでありますから、何とぞ御審議の上御採択あらんことを希望いたします。 見前村地内の北上川築堤工事促進の請願、本請願は紫波郡見前村北上川築堤期成同盟会長藤澤善右工門外七名により提出されたもので、その要旨は請願文書表の通りでありますから、何とぞ御審議の上御採択あらんことを希望いたします。 大澤田川に砂防工事復興に関する請願、本請願は九戸郡長内村長岩城惣一郎外一名により提出されたもので、その要旨は請願文書表の通りでありますから御審議の上御採択あらんことを希望します。 北上川改修工事費増額に関する請願、本請願は岩手県水害復興会議会長佐藤公一氏より提出せられたるもので、その要旨は請願文書表の通りでありますから、御審議の上御採択あらんことを希望いたします。
○淺利委員長 これに対して当局の御意見を簡單にお伺いいたします。
○矢野説明員 大澤田川に砂防工事施行に関する請願について御説明申します。久慈川水系の長内川の支流大澤田川の砂防工事につきましては、従来たびたびの水害をこうむつておりまして、できるだけ早く実施に移したいと考えて参つたのでありますが、何分にも年年の砂防予算が十分でありませんので、今日まで全然手をつけないでそのままほうつてあるような状態であります。先般郡の方で調査いたしましたところが、今後ダム堰堤約三キロ、その金が八百万円程度で、大体の調査は終つており、二十五年度の施行する場所についてただいま県の方と打合せをしておりますが、県の御意向も十分に付度いたしまして、今後これをどうするか、二十五年度から着工するか、あるいはもう少し将来に延ばすか、もつぱらこれは県の方の御意向によつて判断いたしたい、かように考えております。
○淺利委員長 河川局は見えておりませんか——それでは答弁はこの次に留保いたします。従つて採択するかどうかも保留いたしまして、後日他の案とともに一括して採決いたします。 —————————————
○淺利委員長 次に日程一九、砂押川改修工事促進の請願、文書表第二四二号、安部俊吾君外一名紹介、これを議題といたします。
○内海委員 砂押川改修工事につきまして同僚安部俊吾君とともに建設省方面にいろいろ陳情いたしましたところ、本請願の趣旨はすでに建設省当局の御配慮によりまして、中小河川に御指定になつたのでありまして、むしろこの際建設省当局に御札を申し上げ、さらに進んですみやかに工事施行をせられんことをお願い申し上げまして、この請願は政府の御説明をまつまでもなく目的達成したのでありますから、そのおつもりでひとつお取扱いを願いたいと存じます。
○淺利委員長 本請願は問題はないようでありますから、ここで即決採択に決定して御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 それでは御異議ないと認めまして、日程第一九砂押川改修工事促進の請願は採択に決しました。なお採択の上はこれを内閣に送付することにいたし、その手続及び報告書の件は委員長において取運ぶことに御承認願います。 —————————————
○淺利委員長 それでは次に日程第二七及び日程第二八を一括して議題に供します。日程第二七、文書表第三二三号、紹介議員春日正一君外一名、日程第二八、文書表第三二四号、加藤充君外二名紹介、紹介議員の説明を求めます。紹介議員柄澤登志子君。
○柄澤登志子君 本件は昭和二十四年十二月十五日に進駐軍労働組合の代表から、これは川上新一君の名前によつて代表されまして、全国の進駐軍労働者の要求から請願として来たものでありまして、本件は進駐軍関係の事務系統の使用人に対して、一律に三千四百円を増額支給するとともに、同様技能工系統の使用人に対しても一律に手取り二割五分を増額し、その実施は十一月一日とされ、また赤字補填として二万円を年内に支給されたいという趣旨でございます。ちようど年を越します際を控えまして、一昨年以来PW制が実施されて以来、法律も何も無視して、進駐軍の労務者は毎月々々給料は下つて行く、一昨年の十二月のときの手取りから、実際收入が三千円以上下つた、借金のしようもないし、どうにもならない。配給もとれないという状況が、切々とここに何千人もの家計の実態調査として、私どものところに出されておるわけでございます。もう年も越されまして本年に明けてしまつたわけでございますが、この請願は、実質的にはまだ何ら実施されておらないのでございまして、さらに加えまして、最近PW制が二月十六日労相の声明にもございますように、一七一号を大蔵大臣との話合いで一応廃止するという條件が加わりまして、ますます切下げられる一方の傾向が出て来ているときでございます。重要な産業の労働者も、これに関連して引下げられるような條件が生まれて参りまして、日本の全体の労働者に非常に関係のある問題だと思うのでございます。六千円なにがししかもらえません実質賃金が、三千円も切下げられました進駐軍労務者に対しまして、ぜひこの請願を御採用即時に実施していただきたい、かように紹介議員としてその趣旨を御説明申し上げる次第でございます。
○淺利委員長 これに対して当局の御意見を伺います。
○中村説明員 御説明申し上げます。ただいま進駐軍関係従業員の待遇改善に関しますお話があつたのでありますが、御承知の通り、連合軍関係従業員は、事務系統は政府の一般公務員の大千三百円ベースの大体一割増しの線をとつております。それから技能工系統につきましては、ただいまもお話がありました通り、法律一七一号の線によりまして、労働大臣の告示に基きまして、いわゆるプリペーリング・ウェージの線によつて確保されております。いろいろとお話の点につきましては、われわれといたしましても、各方面からの請願の陳情なりあるいは要請なりが参つておりまするが、目下の状態からいたしましては、一般公務員の給與の改訂、あるいはPWの改訂がない限りにおきましては、われわれといたしましては給與のベースの改訂ということは、実施いたしかねる事情にあります。その点ひとつよろしく御了承願いたいと思います。なお赤字補填につきましては、目下のところわれわれといたしましては、やはり他との振合いもありますので、考えておらぬわけであります。以上簡單でありますが……。
○柄澤登志子君 先日進駐軍労務者に対しましての特別の法律が出されましたことは、当局でも御承知だと思うのでございます。それと別個に、この問題が賃金の問題に関してだけ他の公務員と同じという御答弁は、どうも私どもに納得行かないことでございます。もう一つは、二月十六日あるいは十五日におきまして、労働大臣もあるいは建設委員会の当時の政府委員なども、見返り資金による公共事業費とか、あるいは緊急失業対策費というようなものが、今しきりと軍事的方面に使用されているというふうに、政府自身がその点を明らかにされたのでございます。連合軍のために労務に服する、従いまして、これに従事することが支出のもとになると思いますし、また米国対日援助見返り資金によるところの公共事業費もこの対象になると思うのでございますが、われわれとしては、当然日本の復興が平和的な産業に向けられるべきだということは、これはもうわれわれの一致して主張しなければならないことでございますけれども、そういうような点で、支拂の問題にだけは特別なこの間のような法律が出るけれども、賃金の値上げの問題、また実質的に切下げられたという問題に対しては何ら考慮しない、こういうのではどうも納得が行かないのでございます。もちろん平和的な産業を復興して、民主的な日本の再建をはかつて、それの確立ができた上で、一日も早く進駐軍に撤退していただくのが日本の建前であります。そのような建前に立ちまして、進駐軍労務者が現在当面しておる問題の中に、退職手当の支給規程の改訂というようなことも、同時に切烈に請願書の原文にはうたわれておるのでございます。そういうものにつきまして、特別調達庁はこの間特別な法律で支拂方法にだけ便宜をはからつて、実質的には賃金が下つて行くようなPWの廃止、法律百七十一号の廃止という方向に向つて行くので、進駐軍労務者が戦争準備の低賃金の基礎になつておるように思われ、今日このような切実な請願が出ておることを無視して、進駐軍労務者に対する政策が立てられておる、かように考えられるのでございますけれども、そういう点につきまして、特別調達庁ではどういう方針をもつてお取扱いになつておられるか。実質賃金をどうしてふやそうとしておられるか。また占領軍の撤退を予想して退職手当の問題、生活の保障について心配しておりますこういう人たちに対して、何らか御方針をお持ちになつておるかということ、これを伺いたいと思います。
○淺利委員長 ただいまのは請願の紹介の範囲を出でるようでありますが、政府の方針をお聞きになるというのですか。
○柄澤登志子君 実質的な收入をふやしてもらいたいという請願が、今日PWの廃止により危險にさらされているということに対して、特別調達庁はどういうふうにお考えになつておられるか御答弁願いたい。
○中村説明員 ただいまのお話は、昨年の十二月特別職の給與に関する法律が実施され、それにより支拂いの前提は確保されたけれども、賃金ベースの問題は確保されておらぬではないかということのように承つたのでありますが、われわれといたしましては、先ほどもちよつと触れましたように、事務系統の給與は、一般公務員並の六千三百円ベースの大体一割を上まわりました線を確保して実施いたしております。従いまして、この際收入減になるというふうなことは考えておりません。それからPWの改訂、つまり法律百七十一号の廃止に伴う措置というようなお話でありましたが、実は廃止の方針もまだはつきりきまつたわけでありませんので、目下のところPWの線に沿うて給與を支給する方針をとつております。われわれといたしましては、政府の給與政策がこれ以上動いて参りません限りにおきましては、いかんともいたし方がない事情にありますので、この点御了承を願いたいと思います。
○淺利委員長 残余の請願は紹介議員の出席もありませんのでこれを延期いたします。ただいままで説明の終りました請願も、なお愼重に審査することにいたしまして、その採否は保留いたしておきます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会