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7回国会衆議院1949/12/13

議院運営委員会 第2号

発言数
96
登壇者
14
会派数
6
開催日
1949/12/13

会議録

大村清一民主自由党

○大村委員長 これより会議を開きます。  まず公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き国会の議決を求めるの件を議題といたします。

大池眞事務総長

○大池事務総長 ただいまの件について一応御報告を申し上げることがあります。それは昨日午後でございましたか、野党各派の代表である土井さん、川崎さん、神山さん、竹山さん、岡田さん五人の方々が、議長さんがいらつしやらないもんですから、私のところまで参りまして一つの申入れがありました。それは政府が国鉄の裁定について国会の承認を求めるにあたつて何らの予算的裏づけをしないで、裁定そのままのものを提出するやに聞いておるが、もししかりとすれば、それはまつたく違法であつて、衆議院としてはその提案を受理すべき性格のものではないから、かくのごときものは受理しないようにという意味合いのお話があつたのであります。その際には、ただいまお手元に配付させておりますが、まだ裁定案の国会承認要求の付議案が参つておらなかつたのであります。そのためにいかなる性格で、いかなる形のものが出て来るかはわからないのでありまして、私ども事務の方といたしましては、これを受理すべきものなりやいなやという点をはつきりお答えすることは困難であるということで、おわかれをいたした次第であります。国会の方でもこういう承諾を求められる事件というものを提出されることは、今度が初めてのことでありまして、いかなる形式で、どういうようなものが出て来るか、全然前例はないのであります。従つてこれは公労法の第十六條によつて規定をされましたために、初めてこういうものが出て来るという事実が起つて来るのでありますから、これについての取扱いを考えなければならないことになつておるのであります。公労法の十六條で、政府より裁定について承諾を求められる事柄については、その当時は出ておりませんでしたけれども、二つのことが考えられるのじやないかと考えておつたのであります。まず第一に考えられますことは、裁定も十六條に含まれるものではないかという点が、一つの議論になろうかと思つておるのであります。そのときの代表との話合いで、これは正式の意味でありませんが、話をしておられました点を想像いたしますと、各党派の方々は、協定と裁定とは明らかに違つたものであるから、裁定については十六條そのものに含まれておるものとは見られないのではなかろうかという御意見であつたように見受けられたのであります。私ども事務を取扱つておる者の見方としては、裁定も協定も、やはり十六條に当然含まれるものでないだろうか。協定は裁定とこの場合読みかえて考えなければならないものと考えておつた次第でありますが、当時はそういうものが出て参りません。従つて現実に出て参りましたものは、すでにお手元にありますように、ごく簡單でございますからちよつと読んでみます。「公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件」として、その前文は「公共企業体仲裁委員会の別紙裁定について、公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定により、国会の議決を求める。」こういう前書で出されて参りまして、その中身は仲裁委員会ででき上つた裁定書を全部つけて、こういう裁定があつた。それが十六條第二項の規定に該当するために、その規定によつて国会の議決を求める。こういうことになつておりまして、それを国会に提出しましたその理由書は、一番うしろについておりますが、「昭和二十四年十二月二日、公共企業体仲裁委員会が、国鉄労働組合の申請にかかる賃金ベース改訂の問題に関して下した裁定は、公共企業体労働関係法第十六條第一項に該当するので、同條第二項の規定により、国会に附議する必要があるからである。」こういう理由によつて提出してあるのであります。従つてこの内容が十六條第一項に該当するかしないかという点がありましようが、そういうものに該当するから、第二項によつて出さなければならない義務を政府としては持つておるので、国会に提出するというわけであります。そこでこれを議長なり事務総長が受理すべきものでないというお話がありましたが、第二項によりますと、一応提出時期の制限もあることでありますので、これをお預かりいたしまして、これが提出すべきものであるかどうかということも、御議論がありましようが、政府としては当然第二項により、義務づけられたものとして受理したのであります。事務的には初めてのことでありますので、提案の形式がいかなるものであるかということは第二段として、一応受付けをして、きよう運営委員会がございますから、それによつて御決定を願いたいと思つておる次第であります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 これを議案として取扱うかどうかということを、運営委員会で相談される、こういう意味ですか。

大池眞事務総長

○大池事務総長 どういうところへ付託をし、あるいはどういう取扱いをするかということは、当然運営委員会でおきめを願うことだと思いますが、事務的には一応政府より義務づけられたものとして提案があつた。公労法第十六條第二項には、いかなる形で出さなければならぬという法律的條件が定められておりませんために、国会がいかなる形で承認するかしないかということは、国会側に独自の観点があろうと思いますが、事務的には公労法の規定に基きまして事務的に受入れて、昨日申入れがありましたので御報告申し上げたのであります。従つてこの問題をどういう形でどこへ付託するかということは、十日には一応労働委員会に付託し、審査して、本会議で最終の決定をすべきであろうという話合いができておるやに聞いておりましたが、一応受付けました経緯だけを御報告申し上げます。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 問題は、出ておるものが国会の審議の対象である議案であるかどうかということについて、議長並びに事務総長が、いかなる見解を持つておるかという点をお伺いいたします。

大池眞事務総長

○大池事務総長 なぜそれを受付けたかということですが、事務的には一応お預かりして、もし受付けるべきでないというならば、いくらでも方法があると思いますから御協議願いたいと思います。公労法の十六條によりますと、公共企業体の予算の上で、資金の上で不可能な資金の支出を内容とする協定ができた場合には、いかなる協定もそれは政府を拘束するものでない。従つてそれは国会によつて所定の行為がなされるまでは、かような協定に基きまして、いかなる資金といえども支出してはならないということになつております。そしてその二項の方で、かくのごとき協定をしたときには、政府はその協定締結後十日以内にこれを国会に付議して、その承認を求めなければならないということになつておるわけであります。そこでしからば団体交渉の結果、双方において十六條該当の協定ができた場合は、当然十六條によつて政府としては国会に提出をする義務を負い、従つて国会はこれを受付けなければならないことになろうと思いますが、今度は裁定ですから十六條にいう協定ではないではないか、こういう御意見があつたように拝承いたしたのであります。政府がこれを出して来た論拠はどこにあるかということは、いづれちようど山口国務大臣もおいででございますから、後刻御説明があろうと思いますが、私どもの考え方から言いますと、三十五條に「仲裁委員会の裁定に対しては、当事者双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならない。但し第十六條に規定する事項について裁定の行われたときは、同條の定めるところによる。」こういうことになつておりますので、十六條に規定する事項でないことに関して裁定が行われたならば問題はありましようが、十六條に規定する事項について裁定が行われれば、その裁定は同條の定めるところに従うのだ。こういうことが三十五條に規定してございますから、従つて今度の裁定は、十六條に規定する事項について裁定が行われたものだということになりますれば、当然十六條に従わなければなりません。従つて政府はその十六條に規定する事項について裁定が行われたものとして、同條の二項によつて出された、こういうふうに理由にも書いてありますし、前文にもうたつてある次第でありますので、十六條には協定という言葉になつておりますが、三十五條と十六條とを総合いたしますれば、当然裁定の場合でも十六條に従わなければならぬ。従つて国会がその裁定を妥当のものであるかいなかを認定して、最終の決定をし得る権能を持つものである。そこで政府もそれを出して来た。こういうふうに解釈して受理したわけであります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 事務総長がこれを受理して、運営委員会に議題に供するかどうかということを相談される手続をとられた法律的解釈は一応わかるのでありますが、問題は国会の審議権の範囲が明確になつておると思うのであります。従つてこの裁定自体が、今事務総長が言われたように、三十五條の規定から見ましてこれが最終的決定であることは明らかであります。これに対して政府がどういう関係にあるかどうかというようなことは、おのずから別問題であります。従つていわば最高裁判所の判決と同じ性格を持つものでありますが、そうしたものについて国会が審議する権限があるというお考えのもとにこれを受理されたのかどうか、この点手続の問題でありますが、重ねてお伺いいたしたいと思います。

大池眞事務総長

○大池事務総長 ただいまの田中委員のお話は、この十六條には協定とあるが、裁定の場合でも国会でもつて審議権ありと事務局において認めたのか。こういうふうに結論的には拝承するのでありますが、三十五條には、十六條に該当すべき協定があつた場合には、同條の定めるところに従うのだということが書いてありますので、この裁定が十六條に規定する事項について行われた場合には、同條の定めるところに従うという十六條の適用がある。従つて十六條に該当する裁定が行われた場合には、政府は当然十日以内に国会に付議しなければならぬ。そうして国会はこれに対して最終的決定をなし得るものだ、こう考えておるのであります。しかしその考えが間違つておつて、裁定については国会は何ら干渉権がないという御議論になりますれば、もちろん別個の問題でありまして受理できないことになろうと思います。そうなりますとこれは非常におかしなことでありまして、裁定であろうと協定であろうと、十六條に該当すべき事柄があり得るわけでありますが、協定の場合には政府は出してよろしい、裁定のあつた場合には、政府はそういうものを出す義務もなければ、事務局では受取る性質のものでないということになれば、かかる裁定のあつた場合には十六條によるとありますから、十六條によつて政府は拘束されない。また国会で所定の行為がなされなければ、どんなものといえども資金は出すことができないとあれば、不可能な資金の支出を内容とする裁定が行われた場合、單に裁定のしつぱなしになるということはおかしなことで、当然十六條が適用されて国会が審議できる。国会はそれだけの権能があるものと考えておるわけであります。しかしその考え方がいかぬということに運営委員会で決定すれば、また議論はおのずから別になつて来るだろうと考えます。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 事務総長を相手にして法律論争をする気もないし、また私どももここでこまかな法律論争をする考えもないが、国鉄六十万の従業員諸君は、この裁定案に対して文字通り命がけで、一日も早く何とかしてもらいたいと見ておる。だから国会自体はどういうふうにこれを処理するということを決定しなければならぬ。従つて事務総長の取扱いに対して、とやかく言うわけでありませんが、申入れをした場合には今申しましたように、裁定と協定が初めにも、しまいにも話があつた。これは事実であります。事務当局とわれわれの話に意見の相違があつた。私どもは事務総長がその時から述べておつた言葉も承知しておる。しかしながら私どもが昨日申入れをした重点は予算の裏づけ、予算的措置を伴つていない。それから予算的措置ができないとするならば、できないという理由を政府がはつきりつけて来るならこれまた話になるだろう。従つて重点は裁定か協定かということにあるのでなく、国会としては裁定そのものを審議するのでなしに、裁定であろうと協定であろうと、それに関連して起つてくる予算的措置、及び国会でとるべき所定の行為、これらの裏づけを持つていないから、これを受付けるべきでないと私どもは言つた。これが大きな眼目です。そういう観点から事務当局は受付けるべきでない。もし運営委員会で受付けるときまつたとしても、十三日のきようきまつた場合、昨日にさかのぼつて受付けることは、公労法に十日という規定があるから、きよう受付けてもらいたいと申入れをしたが、それはどうですか。

大池眞事務総長

○大池事務総長 私、今言葉が足りなかつたが、私どもの方は、政府は十六條に従うべきものだという観点でなければ、きのうのうちに出して来ないと思います。はつきり出て来たものを見れば十六條の二項によつて出すと書いてある。従つて政府は所定の期間内に事務局に出しておつて、私どもは十二日に受付けておりますが、はつきり受付けるべきものだということが本日決定されたので政府が出した。私はただ義務を果しているだけですが、現実に受取つた日は十三日がよいということになれば、そういう手続は幾らでもできると思います。もつとも現実に受取つておるものでありまして、受取るべきものであるという結論に達すれば、当然十二日に出て来ておるから、十二日に受付けても、別に法律的問題はないと思います。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 私が事務総長にお尋ねしているのは法律的問題ではない。むしろあなたが言われたことはさかさまであつて、十三日に承認されるなら十二日にさかのぼつてもいい。これは石田君もおられるので好都合ですが、信義の問題です。私どもが野党各派を代表してこういう申入れをしておる。それにもかかわらず今あなたの話を聞くと、すでに受付けておるという報告があつたので、その信義を問うのですが、受付ける前に、野党各派の代表に一言のあいさつがあつてしかるべきだと思う。しかしここであなたを責めようというのではない。それよりもさつき言うように、国鉄従業員ばかりでなく、百六十万の官公庁職員及びもつと広汎な人が、その成行きを見守つておる。従つて意見の違いは違いとして論議すべきは論議して、一日も早くこの問題は解決する必要があると思う。事務総長とこれ以上法律論争をしてもしようがないと思いますので、山口国務大臣もわざわざ見えておられることですから、山口国務大臣とわれわれとの意見の相違を明らかにして、勝負を早くつけようじやないか。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 手続の問題について社会党の立場をはつきりしておきたいと思う。問題は、裁定そのままの形のものは国会では審議権がない。この問題は單に受付けの問題と違う。従つて国会の審議権の範囲内のものであるかどうかということは、少くともこれを受理して議題に供する以上は、その点の明確な確信をもつてやらなければいけないだろうと思う。社会党としては、あくまでこういう形のものを議長側において受理したということ自体が、国会の機能並びに権限の上に重大なミスであるということを、はつきりこの際強調しておきたい。爾余の問題につきましては、今神山君からの御意見もありましたから……。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 事務総長の意見によると、十六條の二によつて出して来たから受付けると言われるが、十六條によると、国会によつて所定の行為をされるまでとある。何のために国会に出すかというと所定の行為をしてもらいたいからである。所定の行為ということは、予算審議以外にない。そうするとこれは予算の伴わない一つの案件であるけれども、審議の対象にならないと思う。

大池眞事務総長

○大池事務総長 十六條の第二項は、裁定について承認を求めて来るわけです。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 それならば政府の所見が明らかにならなければならぬが、政府は所見を明らかにしていない。参議院における政府の説明を聞くと、政府はこの協定に全面的に反対だという。そうすると承認を求める件でない。不承認をしてもらいたいという件である。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員 この公共企業体労働関係法の制定に参與しておりました私どもの立場から、一応御説明申し上げます。当時論議の行われた経過から見まして、ただいま椎熊さんのおつしやいました十六條の問題でありますが、この十六條第二項によつて、政府は国会にこの裁定を承諾するか承諾しないかという議決を求めて参つたのであります。従つて政府に何らかの意思がなければならぬ。この裁定に盛られておる、すなわち十二月中に三十億円、来年の一月から三月まで五億ずつ十五億円を支出しろという案を、のむかどうか、意思を決定してくれということを言つて来たのでありますから、政府の意思がついておればそれを参考にすることができるが、国会の意思決定によつて、この四十五億をのむかどうかということは政府の責任でなく、国会の責任において議決すべきものであると思う。そういう解釈でこれは制定されておる。だからして国会がこれを受付けることは合法的であると思う。

土井直作日本社会党

○土井委員 今倉石君から御意見がありましたが、先ほど神山君からお話がありましたように、この際山口国務大臣にお伺いしておきたい。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 この問題はこんなふうに扱つたらどうかと思う。さつき神山君から言われたように受付けることの合法、非合法ということに執着しておると、この問題の処理が遅れて来る。だからその合法、非合法の問題は、できるだけ結末をつけて行く必要があると思う。そこで非合法、合法を片づけるところに一定の目標をおいて、それの参考として政府の意見を聞かれることはその範囲内でやる。たとえば政府は予算的措置上どんな態度を持つておるか、予算上どういう処置を持つておるかということはその次にして、一応非合法、合法の問題を片づけようじやありませんか。

土井直作日本社会党

○土井委員 今倉石君のお話の中に、要するに裁定を委員会でして来て、これは三十五條によつて最終的決定になつておる。その最終的決定をかりに国会において否決するようなことがあつた場合は、一体最終的決定の権限はどこへ行つてしまうか。その條文上から来る問題は……。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員 三十五條の面だけ見るからいけないので、三十五條の場合には明らかに十六條の場合を予想しておる。その十六條と関連してお考えにならないと解釈がつかない。十六條は今の裁定の面において、單なる労働関係の問題であつて予算を伴わないものなら、今の土井さんのお話のような問題も起きて来るでしようが、今度の主たる争議の実体は、年末にどのくらい出す、年末どのくらい出すという態度を明らかにしてくれれば、政府は当然やらなければならぬ義務を持つておる。資金上の問題であるから、国会の意思決定がなければ政府は発動することができない。だからこの法律の精神は、国会の意思決定があつて、初めてこの裁定に載つておる三十億を出すことができる。

土井直作日本社会党

○土井委員 実際上の問題として、十六條の二項に従つて、予算あるいは資金上の処置ができないというような面から、実際的には一応国会の意思を聞くというような考え方で出されておるのだけれども、一体国会というものは予算に対する発案権も何も持つていない。従つて政府が国会の意思決定を問う場合には、当然予算措置を伴わなければならぬ。予算措置を伴わないものを国会が審議することは、国会の権限に属していない。

篠田弘作民主自由党

○篠田委員 問題は裁定案を国会で取上げるかどうかという問題だと思う。なるほど裁定は最終的なものであることは三十五條できまつておりますが、十六條になりますと、「公共企業体の予算上又は資金上、不可能な資金の支出を内容とするいかなる協定も政府を拘束するものではない」これは予算上、資金上、支出が不可能かどうかということが問題です。これは結局ドツジ・ラインにおいて明年度の予算もきまつておるし、今年度分も補正によつてきまつておる。だから予算のきまつたあとであるから、この予算の支出は非常に苦しく、かつ不可能の問題である。そういう意味において国会にまわしたのであつて、国会がこれを取扱うのに予算的措置がないと言われるが、今年中に三十億、来年に十五億というはつきりした基礎があるのであるから、これを基礎にして政府にやれ、あるいはやれないかということを言うことは当然であつて、それによつて政府はそれだけのものを、どういうところから捻出するか考えるのが当然だと思います。そうしてこの裁定を国会にまかせることが違法であるという根拠は法律上どこにもありません。合法的であるという根拠は、公労法の十六條並びに三十五條にある。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 これを受付けて国会の議題に供したことは違法であるということに対して、篠田君からその根拠を示せということでありますが、元来わが党の土井委員から申されましたように、この裁定は最終的なものである。従つてこれを国会が否決する、あるいは修正する権限は国会にはない。これは私は明らかだと思う。最高裁判所の判決を国会がああだ、こうだと審議する権限がないのと同じです。従つてその点から見て当然予算的措置を伴ういわゆる所定の行為について国会の議決を経なければならぬ。もつと具体的に言うならば、現に労働省の労政局長の賀來君が、この公共企業体労働関係法の詳解を書かれておる、その八十八頁に「本項は第一項に該当する協定が締結されたときの政府の行わねばならぬ義務を規定してある。第一項において、かかる協定に政府が拘束されないことを明らかにしておるが、しかしながらかかる協定について一定の行為がとられて、公共企業体の労働関係を安定せしむることが望ましいので、政府が一定の行為をなすべき義務を課しておる。しかしこれは協定によつて拘束されるのでなくて、本項によつて一定の義務が課せられることになつておる。すなわち第一項の協定が締結されたときは、その協定締結後十日以内に国会に付議し、その承認を求めなければならない。この際單に協定の承認を求めるのみにては、協定履行は不可能であるから、当然予算の改定案が合せて承認されることになる。」こういうことが賀來者の著わしておる公共企業体労働関係法の詳解に、明確に書かれておる。だから別個の見解でない。従つてこの手続をとらないで裁定をそのまま国会に出して、これについてイエスか、ノーかを国会においてきめるようなことは、これは明らかに違法である。従つて国会の審議権の範囲外にある案件を受理したということは、国会の事務手続においても違法であるということは明らかに言える。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員 田中君も椎熊君もおつしやつたように、なるほど三十五條には「当事者双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならない。」とある。これはその通りであります。「但し、第十六條に規定する事項について裁定の行われたときは、同條の定めるところによる。」というので、十六條の二項に基いて政府は出して来た。そこでさつきから私どもが申しておるように、政府がこの裁定について議決を求めて来た。この裁定で一番重要点としておるところは、さつき申したように、四十五億を出すべしということです。従つて政府は四十五億の裁定を出すことについて議決を経なければ出せないので、これについてイエスかノーかを議決してくれということで出して来たのであるから、その裁定を議決すればいいと思う。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 十六條は、政府はどう処置しても承認を得なければ支出することができない。最終的決定に対して国会は何も審議する権限はない。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 さつきも申し上げて一応了解を得た問題ですけれども、この問題をやつておると結局法理論に終始して進まないから、もう少し進ませるようにしたらどうでしよう。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 私が言つたことを石田君は誤解していないと思うが、問題をすみやかに進ませようといつた法律上の問題については、山口君そのものをつかまえて、もつと徹底的にやる必要がある。政府の責任を追究する必要があるという意味です。石田君の言つておるのは、議事進行によつて、これを受付けることが合法か非合法かという問題だろうと思う。この点については各党の意見をあらためてはつきり言つて、反対は反対、賛成は賛成、どうせ君たちは腹をきめて兵隊をそろえて来ているのだから……。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 きのう受付けた手続について事務総長に聞いておきたい。さつき裁定と協定は同じだということを言われたが、きのう私たちがお会いしたとき、法制局長もはつきり言つておるように、労調法では三十四條において仲裁裁定は労働協約と同じ効力を有する。こういう明文上の規定がある。この点は公労法に準用されるように思うというような意見で、裁定と協定が同様の趣旨であるというような意味で解釈されようとしたから、これについてはわれわれの方は、事務総長に一本くぎをさして、この分は條文が除外されておる。この点については裁定と協定と明らかに違う。そこで受理される場合には、十分考えてやつてもらいたいと申し入れた。そこで事務総長にお伺いしたいことは、そういう疑念のあるものを議案として政府から出された場合において、この問題の法律上の解釈問題はもちろんのこと、実際問題として裁定のあとにおいて、国鉄の公社と、労働組合がやはり受諾するという、協定をしない限り協定にならない。われわれの知つておる限りにおいては、労働組合は受諾すると言つておるが公社は受諾すると言つていない。こういう点をお調べになつて処置されたかどうか伺いたい。

大池眞事務総長

○大池事務総長 それは先ほど一応御説明したつもりでありますが、裁定と協定とは明らかに違うと思います。従つて十六條には裁定という言葉がない。協定ということだけ書いてあるから、裁定の場合には十六條が適用できないということになればきわめて簡單です。ところが三十五條には十六條に規定する事項について裁定が行われたときには、同條の定めるところによるとありますから、裁定があつても十六條によつて出して来なければならぬわけです。

佐竹晴記社会革新党

○佐竹晴記君 大分議論もございましたが、仲裁委員会の裁定は、最終決定であるということはこれは議論がない。従つて十六條の但書において、十六條によらなければならぬという意味はどういう意味かということによつて結論が得られる。十六條には何と書いてあるか。国会によつて所定の行為がなされるまでは、支出することができないと書いてある。従つて最終決定があれば、国会の所定の行為をまつよりほかない。国会の所定の行為とは何であるか。予算提出以外の何ものでもない。従つて仲裁委員会の仲裁裁定があつた場合には、第一項に基いて予算を出すよりほかにない。しかし裁定でなくて單に協定のみの場合においては、当事者だけが協定したのだから、これについては国会においてさらにそれを審議せしむる。それは予算の裏づけもあるから、結局第二項に基いて協定のあつた場合においては、国会において協定自体についても、ある程度の審議をしなければならぬということを規定しておるのであります。裁定の場合においては仲裁委員会という公の機関があり、その公の機関が裁定した場合には、最終決定であるからこれは動かすことができない。従つて裁定の場合においては第一項に基いて單に国会が所定の行為、すなわち予算措置を政府になさしめて、また国会がこの予算に対して賛否する以外に道が開けていない。しかし協定の場合にはこれこれだと書いてある。従つて協定の場合には書いてあるが、裁定の場合には、單に国会は予算措置について審議すればいい。だから三十五條の但書があるから十六條を引用するということは成立しない。第二項はおくまでも協定の場合である。協定は裁定でなく、裁定は協定でない。裁定は仲裁委員会によつてなされた最終的決定であるから、政府はこの場合予算を出して来る以外何ものもない。従つて予算の出ていないこれを受付けることは違法であるという議論が出て来るのは当然である。

土井直作日本社会党

○土井委員 いろいろ先ほど来議論がありますが、これは初めて国会で取扱う問題ですから愼重に処理しなければならぬと思う。従つてこの際法制局長の意見を一応聞く必要があると思うので、入江法制局長に来ていただいて、これらの点についての見解の表明をしていただきたいと思う。

大村清一民主自由党

○大村委員長 それでは入江法制局長の出席を求めることにいたします。

篠田弘作民主自由党

○篠田委員 法制局長の出席を求めることもいい。しかし私は労働委員として——私は労働委員会の理事をやつておる。これをつくつたものの考え方が当然ここで問題になると思う。もちろん原案作成には賀來さんも参加しておるかもしれませんが、それよりも法文が優先であるということはもちろんである。今佐竹さんの言われたような、最終的決定で終るなら規定の必要はない。最終的決定で終らないからこういう規定がある。それは狭い見解だ。あなた方は国会によつて所定の行為がなされるまでという所定の行為を、予算に賛成する行為だと一方的に考えておる。そういう意味から言うと予算的措置といいますか、この場合裁定ははつきり金額を表わしておる。年度末に三十億円、一月から三月まで毎月五億円というはつきりした数字が出ておる。しかるに政府は予算成立後であるから、今これに対して特別な処置をすることは不可能である。だからこれを国会にまわしてやることは何も違法でない。違法であるという根拠があれば伺いたい。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 篠田君から強硬な意見が出たので参考に伺いたいと思います。同時に山口君もおられますので、今の合法、非合法の材料として伺いたい。それはきよう配付されました裁定そのものの内容に関連するからちよつとごらん願いたい。十ページの一番初めの第八項ですが、これを読んでみますと「尚本裁定は、公労法第十六條及び第三十四條によつて当事者双方を拘束するから、公社は裁定の指示するところに従つてそれぞれ所定の時日までに裁定の内容を履行すべき法律上の債務を負担する。依つて、公社は現有の経理能力で独自に処理し得べき分は直ちに準備に着手して所定の時日までにこれを履行し、経理能力を超える部分については、国鉄法第三十八條以下の規定により速かに予算を作成し、所定の手続をとられたい。」さらに進んで十二ページの第五項を読んでみますと「公社はその企業体たる性質上経営者的見地から、右の基準によつて職員の給與を自主的に決定する権限を有する。勿論かくして決定された結果は、予算の一部として運輸大臣を経て大蔵大臣に提出しなければならないが、結局内閣は「国の予算とともにこれを国会に提出しなければならない。」(国鉄法第三十八條第三項)公社が「予算作成後に生じた事由に基き必要避けることができない。」として作成した予算も同様である。(同法第三十九條第二項)なお公社が同法第四十三條によつて交付金を要求し、又第四十四條によつて借入金を要求した場合も政府は、右と同様の措置を講ずる義務があるものと解すべきである。」こう書いてあります。そこで山口君にお尋ねするが、政府はこういう点について何らかの手続をとられたのであるか、第二には国鉄公社から何らか手続をとつたということについて聞き及んでおるか。この点御説明願いたい。これは私が終始強調しておるように、きよう出された案件が予算を伴つていない、あるいはまた予算措置をすることができないという政府の意見その他を伴つていないからこそ非合法であるという点に関連しておるから、その点をお聞きしておきたい。

山口喜久一郎民主自由党賠償庁長官

○山口国務大臣 大体今の御質問なり御質疑の中には、おおむね運輸関係で大屋運輸大臣から御答弁することが妥当な点が多々あつたと思いますが、しかし先ほど来の運営委員会の御議論を拜聽しておりますと、大体政府がこうして裁定書を提出するに至つた経緯等を一応お話を申し上げて御了承を願いたいと思います。  政府といたしましてはこの裁定書を受取りましてから、鋭意お説の通り予算的措置の可能な部分については、本来から言えば可能な部分はこれこれであるということをつけて提出することが一番妥当であるかと思われます。ただその間において、国有鉄道の方でこれに対していろいろの措置を講ずるのに一週間くらいかかりました。そうして政府の方へ裁定をまわして来たというような経緯もその間に含まれておる。そこでわれわれの考え方といたしましては、この裁定書に基いて何とかして予算的措置を講じて、そうして可能な部分を明記して、その上で国会で御審議を願いたいという腹ではありましたが、どうしても日にちが切迫いたしまして、十二日までにはその予算的措置を講ずるための、金の面についての決定が不可能でありましたので、そこで一応この裁定書を国会に提出して、国会がこれを承認されるか、不承認されるかをお願いしたような次第であります。これと並行いたしまして、何と申しましても年末を控えての裁定書でありますから、政府としてはたとえばハンストとか、そういう巷の姿を見ましても、どうしても何らかの措置を講じて上げなければならぬ。こういう次第でありまして、特に大屋運輸大臣を中心に、可能な範囲の予算面の流用によつて、この裁定書の趣旨に沿うよう、せつかく今努力しておるような次第であります。もしこの裁定書が国会に付議されて、そうして御審議の過程のきわめて近い機会において、政府が予算の流用によつてなし得る限度と、それからまた先方との御了解によつて追加予算等の了解が参りますれば、これをも含めて政府の最大限度可能な面を国会に御報告して、あわせてこれも御承認を求める。こういう考えをもつておるような次第であります。しこうしてその予算の流用、あるいは追加予算等によりましていかほど年未までに支給ができるかということが決定いたしましたときにおいて、それがこの裁定に含まれるかどうかということが、また将来問題になつて来るであろう。だから裁定書につきましては一応、どうしても十日間の期間では政府としては予算的措置が講ぜられなかつた。また今度は別途の方法で実質上勤労大衆の越年資金に充てられる緊急な措置を講ずる。そうしてもし講ぜられた場合において、これが裁定書の示す内容が包含されるかどうかということは、これはあらためて国会にもお諮り申し上げる。また政府としては政府の見解によつてこれが採否がきまる面もあるのではないか、かように考えておるような次第でありまして、問題はいかなる理由によつて越冬資金を出し得るかどうかというようなことにひたすら努力を傾注しておる次第であります。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 この際大屋運輸大臣も出席を要求してください。

大池眞事務総長

○大池事務総長 運輸大臣も要求してあります。ただいま参議院の運輸委員会に出ておりますので、済み次第参ります。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 先ほどの御発言の中に、政府としてはできるだけ裁定の趣旨に沿うとおつしやいましたが、この点は額面通りいただいてよろしうございますか。

山口喜久一郎民主自由党賠償庁長官

○山口国務大臣 よろしうございます。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 もう一つ今の発言の中で、政府の見解によつて採否を決するとおつしやいましたが、これはどういうことになりますか。

山口喜久一郎民主自由党賠償庁長官

○山口国務大臣 これは特別に予算の流用等によつて生み出された金が、裁定書の示す中に包含するかどうかということについては、皆さんにあらためてまた御相談いたしますが、政府が採否を決する面もあるかに思いますと言つた次第であります。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 その点は一応了解しておきます。  そこでこれはあなたに直接関係はないのですが、けさほど小澤国務大臣が参議院の運営委員会において、政府はこれを承認しないという発言をされたということであります。これはあなたとしてはむしろ趣旨に沿うよう努力をするというのがほんとうですか。

山口喜久一郎民主自由党賠償庁長官

○山口国務大臣 小澤君の参議院における発言もあとから聞いたのですが、小澤君は法理論に終始されておつたようであります。そこで小澤君が勢いかみしもを着て、承認、不承認の問題については、政府は一応不承認の意思を表明すると申されたのでありまして、小澤君の趣旨も私の趣旨も一向かわりありませんが、やはり同じ言葉でも奈良丸と虎造が言うのではまた違つていいと思います。そういうふうにとられたいと思います。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 虎造か奈良丸かしりませんが、日本語によりますと、不承認という見解と、趣旨に沿うよう努力するというのとでは相当開きがある。従つて国鉄は不承認ということが前提になつておればなおもめる。なお参議院では嚴密な法理論があつたが、衆議院では法理論がないと思うと、とんでもないことで、われわれはこれからやろうとしておる。それであなたに確かめたいのは、趣旨に沿うよう努力するというのが本気か、承認しないと言つたのはこれは言い過ぎではないか。これをざつくばらんに腹を聞いておきたいと思います。

山口喜久一郎民主自由党賠償庁長官

○山口国務大臣 ただいまざつくばらんにということでありますが、もちろん法理論に関しては、衆議院にはお歴歴がおるのですから、衆参の間に逕庭をつけようというのではございません。率直申しますと、十日以内に政府としては可能な点を明記して、予算的措置をすることが必要ですが、それができないので、とりあえずお膳だけ出して、政府はごちそうをあとから出すという態度でとりあえず提出した。そうしてこの提出に対しては、嚴密に政府に迫られるならば、政府はいたし方がないから不承認という考え方のもとに、裁定書を出したのであります。予算的措置が講ぜられない場合には、いたし方がないから、政府としては目下ブランクで出さざるを得ない。だから提出して国会に御審議を願つて、初めて裁定案が政府を拘束することになるのでありますがゆえに、最後的決定は国会にあるという見解が含まれておると御了承願いたい。

大村清一民主自由党

○大村委員長 それでは法制局長が見えましたから、土井さんもう一ぺん質問の要旨をおつしやつてください。

土井直作日本社会党

○土井委員 法制局長の見解を聞きたいと思うことは、三十五條による裁定というものは絶対的なものであるとわれわれは解釈する。従つて国会では、この裁定をくつがえすべき何らの権限もないはずである。ところが政府は三十五條の但書の事項によつて、十六條の面でこれを国会の審議にゆだねる。そこで国会の方では、これは三十五條の條文から見て裁定は絶対的であると考えておるのである。従つて十六條の問題は、これは第一項と第二項と二つにわかれておるけれども、内容的に見れば予算的措置が不可能な場合においてこれを国会に提出する。こういうことになるのであつて、これをわれわれが可決するならばもとより問題ないのでありますが、もし否決するような場合において三十五條の裁定と国会の権限はどういうふうな関連になつて行くか。こういう点を一応聞いておきたいと思います。

入江俊郎法制局長

○入江法制局長 本件に関する法理論の見解を申し上げます。本件は、公共企業体労働関係法の三十五條によりまして国会の承認を求めて来たものと考えるのであります。この三十五條は仲裁委員会の裁定についての規定でありますが、仲裁委員会の裁定は、当事者双方が最終的決定に服従するということは明瞭であります。但しこれに但書がついておりまして、「第十六條に規定する事項について裁定の行われたときは、同條の定めるところによる。」とある結果として、第十六條にもどつて来るのであります。十六條は、本来は当事者双方の合意による協定に関する規定でありますが、三十五條の但書の規定がありますから、十六條の規定で協定と書いてありまする部分は、いわばこれは仲裁委員会の裁定と読みかえられてそれで十六條が働いて来るのであります。かように三十五條の但書を解釈しております。なお裁定がただちに協定になつたのではないと思うのでありまして、昨日野党の方にお目にかかつたときに、労調法の三十四條の準用について一、二申し上げましたが、公共企業体労働関係法の三十五條でその趣旨は明らかであります。労調法の三十四條に「仲裁裁定は、労働協約と同一の効力を有する」と書いてあります。すなわち当事者が労働協約をしたと同じように服従しなければならぬという趣旨であろうと思います。そのことは公共企業体の三十五條の本文で明らかでありますから、あえて準用しないでもいいと思つております。そこで十六條の規定によりまして、裁定に対して国会の承認を求めて来るという段階になつて参りますが、私は国会が審議する客体は、裁定について実行する段になつたときに、予算上または資金上不可能であるかどうか並びに不可能であるとしても、いかなる予算上、立法上の措置をとるならそれが可能になるか、あるいはまたどうしても国情として予算上資金上絶対不可能であるという部分があるかどうか、そういうことを国会としては審議の客体として論議すべきものだろうと思います。先ほどどなたかが仲裁委員会の裁定に対して、これを客体としてよしあしを論ずることは、あたかも最高裁判所の判決に対してよしあしを論ずるのと同じようになるとおつしやいましたけれども、私は三十五條の国会の審議という意味は、そういうものではないと思うのであります。仲裁委員会の裁定そのものに労働情勢から見たよしあしを論ずるのでなくしてそういう内容を実行するときに、予算上はたして可能かどうかという内容に着眼して審議すべきだろうと思います。それから予算が出ていないということでありますが、十六條は裁定そのものを実行するについて、はたして予算上資金上不可能かどうかという点、並びにそれに関連する先ほど申しましたような事柄を審議するのであつて、それは一つの案件として十分国会の審議の客体になると思います。この際もし政府から同時に予算を提出して来るとか、その他の意思表示があればさらに多々ますます弁ずるかもしれませんが、十六條の法理上の要件としては、今回のような申出、付議の意思表示でもつて、一応意味が明らかであると思うのであります。すなわち今回こちらに付議された理由書にあるように、十六條第一項に掲げた内容を持つておるものであるから、十六條第一項によつて国会に付議して議決を求めるというのでありまして、それによつて国会が今申しました審議を開始することは、何ら違法でないと解釈しております。

土井直作日本社会党

○土井委員 ただいまの法制局長の見解によつて大体わかるのでありますが、なお疑問の点を聞いておきたい。ただいま十六條の問題について説明がありましたが、十六條の問題はあくまでも予算的措置がこれに加わらなければならぬはずである。そこで三十五條の問題は、これは御承知の通り裁定になつておるわけでありまして、裁定という事柄は、言うまでもなく当事者双方とも納得の上において行われたものではない。言いかえれば一方がこれに対して不服であるという場合に仲裁委が裁定を下す。協定の場合には双方とも納得の上において行われた事項であると解釈する。従つて三十五條の但書でもつて、十六條にもつて来たこの裁定を協定とする見解に対しまして、しからばなぜ協定と裁定という文字をこういうふうに使いわけをしておるか。もう一つは三十五條がいわゆる絶対的、最終的決定であるということに関連して、先ほど神山委員が朗読された裁定の中の十ページの第八項と、十二ページの第五項の問題を法理的にちやんと裏づけてある。そこで政府はこれに対して当然裁定通りのことを行わなければならないはずであるとわれわれは解釈する。従つて政府が当然裁定による四十五億を削減することなしにそのまま予算的措置を行うことが義務づけられておると考えておるけれども、万一この場合四十五億というものを国会が認めない、否決するようなことがあつた場合に、一体裁定事項と国会の決定との関連に対して、どういう見解を持つておるか、局長にお聞きしておきたいと思う。

入江俊郎法制局長

○入江法制局長 第一点は裁定か協定かということですが、裁定と協定の区別は土井委員のおつしやる通りであります。従つて裁定イコール協定ではないが、但し三十五條によつて予算上実行不可能な場合には、十六條の規定によつて措置することが、三十五條但書の意味でありますから、裁定は裁定として十六條の適用を受けると思つております。  それから第二点は、予算的措置と申しますけれども、先ほど申しましたように、十六條の第二項によつて、国会でその協定が予算上資金上可能かどうかという審議をする場合に、予算的措置も立法的措置も必要であるかもしれません。その場合には、国会で独自の立場でもつてきめればいいわけであります。なお予算は国会に提出権がないから、そこで国会が予算に関してある態度をきめた場合には、自然政府を拘束することになつて、政府が自然そういう予算を国会に出さなければならぬと思つております。なお土井さんがおつしやつたように、政府は四十五億を全部予算として出さなければならぬ義務があるかどうかということでありますが、私は十六條の趣旨は、仲裁委員会の裁定は当事者双方を拘束するけれども、政府は一応その場合において、公共企業体ではないので政府がただちに拘束されることにならない。そのことは十六條にも政府を拘束するものでないと書いてあります。そこで政府は必要な議決を求めまして、その上で政府のなすべき行為の方針が国会で審議されまして、それに準じて初めて政府が実行して行く、また公共企業体も実行して行くことになると思います。

土井直作日本社会党

○土井委員 大体局長の説明によつてわかるのでありますが、ただ問題は、いわゆる十六條によつて政府は拘束されないということが規定されておる。局長はこの裁定の條文をごらんになつたかどうかしらぬが、十ページの第八項と十二ページの第五項によると、もう政府はくぎづけになつておる。しこうして国会でその裁定の内容を変更することができないようなことが、條文の解釈のなかには出ている。そうなると裁定の四十五億というものが、そのまま予算的措置をもつて出て来るならいいけれども、そうでない場合に、いわゆる拘束されないといいながら、これに規定されておる面では明らかに拘束されていることになつておる。政府部内の諸般の手続において、たとえば国鉄並びに運輸大臣、あるいはその他がこれによつて拘束されておる。この見解は一体どうかというのであります。

佐竹晴記社会革新党

○佐竹晴記君 土井君の質問に関連して一緒に聞いておきたい。ただいま法制局長は三十五條を引いて、この但書があるために十六條にもどるとおつしやつたけれども、十六條にある協定はあくまでも協定であるということは認めておる。協定は協定であつて裁定は裁定と認めておる。従つて協定の場合には、あくまでも協定で行かなければならぬし、裁定はあくまでも裁定で行かなければならぬ。でありますから裁定の場合においては、三十五條の但書に基いて、十六條にもどる。十六條には何とあるか。国会によつて所定の行為がなされるまでは支拂うことができないというだけです。つまり予算的措置が講じられるまでは、裁定当事者を拘束しておるけれども支拂いができないということを規定しておる。しかし協定の場合は、十六條の第二項は任意にお互いに協定するのであるから、政府の意思に反してどんな協定をするかわかりません。従つてそういう場合には一応公の機関によつて承認を経なければならぬということが、第二項に書いてあるが、裁定の場合は合法的な公の機関がある。つまり委員会というものがあつて、これは国会の認めた機関である。政府が法律を出して、その法律によつて構成された委員会の裁定、これが両当事者を拘束すると書いてある。従つて政府の認めた公の機関にゆだねた裁定が、国家によつて否定されることになれば、国家みずから国家の認めた機関にゆだねておることを、かつてに変更することになる。それではその機関を無視することになりますから、そういつた場合には、三十五條に基きまして当事者を最終的に拘束する。そうして單に国会の所定の手続があるまでは支拂うことができないという規定だけ働く。しかし十六條の第二項は、当事者において任意に協定するのであるから、そういつた場合には、ある程度公の機関にかけて審議せしむるという方法をとつて協定は第二項が働くが、裁定の場合は三十五條に基いて当事者を拘束する。すなわち三十五條の規定に基いて最終のことがなされるまで待つ以外はない。裁定の場合は、予算を出してもらつて審議する以外に道がない。予算を否決する権限があるなら、その予算を国会が否決すれば、その目的を達するのでありますから、屋上屋を重ねる必要はない。先ほど法制局長の言う通り、結局この問題はそういうことが法律上可能かどうか、予算上可能かどうかということを審議するにあるといたしますならば、国家の公の機関の採決がある以上、それに従わなければならぬというのであるから、ただ十六條にもどつて、所定の行為がなされるまでは支拂いができぬという一項が働くだけで、第一項の純粹の規定が働かない。つまり裁定の場合は第一項で行くが、協定の場合には公の機関にかけて、ある程度審議せしむる必要があるというので設けてある。裁定と協定の間には、截然たる区別があると思う。この点について法制局長の見解を聞いておきたい。

入江俊郎法制局長

○入江法制局長 先ほどの土井さんのお尋ねにお答えいたします。これは裁定の記載事項でありまして、この書き方、あるいは文字等についての意見は差控えたいと思いますが、今問題になつておる公共企業体労働関係法の解釈に関連して、もしこれが十六條の規定によつて国会の承認を求めて来るという段階をふまずに、そのままスムースに運ぶ場合であつたなら、当事者を拘束する以上、公共企業体の公社の方から予算の要求があるだろう。それがあれば国鉄法の規定に従つて、政府は閣議を開いて、国会に予算を出さなければならぬということを、十ページ、十二ページにおいて言つただろうと思います。従つて十六條第一項によつて国会の議決を求めて来ると、初めて国会が承認するかしないか、その承認の内容がきまるまでは裁定の一切の効力が発生しないということになるのではないかと思います。  また佐竹さんの御質問ですが、結局三十五條の但書がなければ、いかにもお説の通りでありますが、三十五條の但書があるのでありますから、この規定の解釈としては、裁定についても十六條の規定が生きるものと解釈いたします。

土井直作日本社会党

○土井委員 もう一つお伺いいたしたい。先ほど法制局長のお話のように、十項の予算上、資金上の問題について審議する客体はできて来るけれども、裁定案そのものについての審議のあれは……。

入江俊郎法制局長

○入江法制局長 その点は私の見解から申し上げたのでありますが、十六條の意味から言いますれば、仲裁委員会の覆審機関として国会があるのではない。協定の内容、あるいは裁定の内容を国会が審議する場合でも、予算の面からタツチして行つて、結果においては裁定もある変更を受けることもあるけれども、それは決して覆審機関として、仲裁委員会の決定を、実体的の面から根こそぎ審査し直すものでないということを申し上げたのであります。

土井直作日本社会党

○土井委員 なおお聞きしたいことは、たとえば裁定は大体において四十五億を支出すべきであるということになつておりますが、もし国会においてかりに三十億しか出せなかつたということになつた場合に、残余の十五億について責任を持つかどうか。言いかえれば政府が永久的に拘束されるものかどうか。これは労働組合の方でも相当疑問があつて、もし四十五億が三十億になる場合においては、政府はさらに残余の十五億についても、将来予算的措置を行わなければならない義務があるということを強調されておるのでありますが、法制局長の御見解はいかがですか。

入江俊郎法制局長

○入江法制局長 私の法理的観念から申しますと、政府はそこまでの義務は十六條から生れて来ないと思つております。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 今の土井委員の質問で問題の輪郭がはつきりしましたが、もつと率直にお尋ねいたしますと、先ほど法制局長は、自分でこの裁定そのものについて国会が承認するしないということは、国会の審議の容体とならないと言われたが、そこをもう一ぺんはつきり言つてもらいたい。

入江俊郎法制局長

○入江法制局長 それは言葉が少し足りなかつたかもしれませんが、十六條二項によつて国会が客体として審議すべき事項は、その裁定について国会が承認するかどうかということについての審議だと思います。従つてその場合裁定を客体として審議するということはあるわけです。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 そうするとあなたの先ほどおつしやつた言葉と違う。

入江俊郎法制局長

○入江法制局長 私が先ほど申し上げたのは裁定の内容について、ちようど仲裁委員会の覆審機関のように、あらためてもう一ぺん、労働行政の立場から根こそぎ審査し直すということは、十六條の二項の国会の審議の範囲でないだろうということを申し上げたのであります。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 一番初めに審議の客体ではないということを言われた。さらに国会が労働運動を対象として取扱うのでないということを言われた。なぜそういうことを言われるかというと、裁定そのものは一定の労働運動に対して起つたものである。従つて裁定そのものを対象とすべきものでないという見解と、労働運動に国会が関與すべきものでないということは一貫しておるもので、だからこそ客体そのものは裁定でない。しかしその裁定の裏づけとなる予算上可能か不可能か、あるいはこれが絶対に不可能かということは、審議の対象になるとおつしやつておる。

入江俊郎法制局長

○入江法制局長 私の申し上げた点あるいは言葉が足りなかつた点があるかもしれませんが、あらためて申し上げます。私の申し上げた意思は、十六條第二項において国会が承認するかしないかということを審議する内容について、もちろん裁定そのものも内容となつておるのであります。その裁定の扱い方が十六條による国会の審議権でありますから、その着眼点が予算上あるいは資金上可能なものであるかどうかという点にあるということを申し上げたのであります。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 先ほどあなたは、予算の点については国会で扱うべきものだ。それで予算の大綱を云々ということを言われた。この点あなたの見解をはつきり聞いておきたい。

入江俊郎法制局長

○入江法制局長 私は先ほど申しましたように、政府から国会に対して承認を求めて来る場合には、予算をつける必要はないということを申し上げたのであります。従つてこの裁定そのものを承認するかどうか、そのときに初めて国会の審議権によつて、予算上可能かどうかということを審議すべきであるということを言つたのであります。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 なお局長に聞いておきたいことは、そういう見解に関連して、予算についての国会の意思表示が云々と言われた。それを思い出すためには、予算の提出権は国会にない、政府にあると言われた。しかしそれにもかかわらず、予算の大まかな点は国会に出さなければならないということを言つておる。

篠田弘作民主自由党

○篠田委員 それは予算がついて来れば多々ますます弁ずると言つたのだよ。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 法制局長の言う通りだと、この審議の対象となる要点は、予算上資金上それが可能であるかどうかという点が審議の要点になる。そうすると予算上資金上それが可能かどうかということを検討するためには、政府の予算が出て来なければわからない。

倉石忠雄民主自由党

○倉石委員 四十五億というものを、はたして国会として承認できるかどうかということを審議の主たる要点とする。それだからまず国会に提出されたのである。それを審議することは違法でない。四十五億はきまつておるから、その四十五億を出すことを国会が決定すればいい。

大村清一民主自由党

○大村委員長 運輸大臣が御出席になつておりますから運輸大臣に対する御質問を願います。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 運輸大臣に承ります。あなたは公共企業体の長として、この裁定を裁定通りやろうという御決意でありますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 それは今までしばしば引用された公労法の條文に書いてありまする通り、大体これの拘束を受けますのは、御承知の通り国鉄の経営者と、国鉄の労働組合であります。そこで国鉄の経営者が、自分の裁量で予算的資金的措置を必要としないで、支出が可能なものはかつてに支出する。これは明らかであります。しかし国鉄がその際自分の予算の範囲内でまかなえない。どうしても予算的資金的措置について、国会承認を得なければできないという面がある場合には、国会の承認を求める。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 それであなたはどういう行動をとられましたか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 私はこの趣旨を尊重して、できるだけのことをしてやりたいと思つております。しかし私がいかにしてやりたいと思つても順序がある。数日前国鉄総裁が私のところに意見の具申をして来ました。その内容は、すなわち国鉄総裁としては裁定の金額のうち、嚴密な給與の面では支出できないが、かれこれ費目を流用すれば一部分出したいと思うが、あとの一部分は出せないという意見の具申がありましたので、私といたしましては意見具申の内容を目下検討中であります。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 どのくらい出ますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 今検討中です。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 運輸大臣にお聞きしておきたい。これは先ほど神山君から御質問申し上げたのですが、運輸大臣も山口君もおいでにならなかつた。国会に出された資料の十二ページの五項に「公社はその企業体たる性質上経営者的見地から、右の基準によつて職員の給與を自主的に決定する権限を有する。勿論かくして決定された結果は、予算の一部として運輸大臣を経て大蔵大臣に提出しなければならない」という予算上の措置についての理由書きの解説の点がありますが、今申されました椎熊委員の御質問に対する御意見にあつた理由書は、国鉄法第三十九條第二項による予算作成後に生じた事由に基き、必要避けることができないという事由で、予算を作成して提出する事実がありますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 国鉄総裁はこの裁定案の交付を受けましたと言つてこれをつけて、同時に総裁の意見を付して意見具申があつたのであります。私はこの内容を目下検討中であります。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 今運輸大臣の意見ですと、意見の具申があつたというように言われておりますが、それは單なる意見の具申であるか、それとも正式に決定してあなたのところに持つて来ておるのか、聞いておきたい。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 それは予算の編成という点まで触れておりません。国鉄総裁の権限、考えにおいて、直接の給與というような面から、またいわゆる嚴密な意味の給與に関する費目では支出できない。但し費目の流用をいたすなら、幾ら幾らは国鉄の運営の上で支障を来さずして支出できると思う。額は三十億のうち幾ら幾らある。そして残りの部分はやはり予算的措置を願わなければならぬでしようという意見書が来ておつて、こまかい予算というようなものは提出してあるわけでありませんが、目下それも実体的にはできつつあります。

神山茂夫日本共産党

○神山委員 そうすると私は今すぐそれが怠慢とか何とか言いませんが、あなたの見解として裁定案があつたから十日間以内に所定の手続を終えなければならない。それにもかかわらず必要な手続を今まで終えていないとするならば、監督者たる運輸大臣として満足すべき状態かどうか聞いておきたい。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 国鉄総裁が裁定案を受けて私に具申して来ておるのでありますが、それまでに国鉄総裁が考える時間があるから相当時間が経過した。そうして私に意見具申書が出たのは数日前です。そうしてそれに対して私が適切なる措置と考慮を加えておつたわけであります。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 そこで運輸大臣に聞きたい。運輸省当局としては予算的措置をとりたかつたが間に合わなかつた。しかしやがて予算的措置をして国会にかける用意があると聞いてよろしゆうございますか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 先ほど来しばしばこの出し方について御議論がありました。本来から言えば国鉄総裁の具申に基いて政府が勘案してここに具体的にコンクリートの予算を付して提出すれば一番よい。しかしいろいろな関係がありまして、それをしたいと思つたができないので、とりあえず十六條の規定があつて十日以内に出さなければならぬので昨日出した。こういうわけであります。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 それは予算的措置をとつてですか。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 それは目下私がいろいろ考えておりますから、ごく最近のうちに政府の意見がまた出て、あなた方の審議の参考資料にいたしたいと思います。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 私がしつこく聞くのは、参議院運営委員会では出すことに欠点があつて受理を留保したということであります。それはあなたの方で予算的措置をごく最近に出すということがあつたからと思います。それで衆議院としても考慮しなければならぬと思いますが、目下折衝中であるが、間に合わなかつたから二、三日中に予算的措置を講じて出すというのなら国会の態度はおのずから明らかになつて来る。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 私はこの出し方が非合法的であると考えない。合法的であると考えます。国会の審議の便宜上、政府のさような資料がすみやかに出ることが、なおよいと考えますから、その方面に向つてなお努力中であります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 運輸大臣が参議院の運営委員会にお出でになつたように伺いますが、今椎熊委員からも申されましたように、われわれの解釈では、予算的措置についての案件が、きわめて近く出ることが労働大臣の御答弁からうかがわれるのでありまして、それが出ないことには、この案件の審議に入ることはきわめて不適当である。われわれはこの出し方自体が不当であるということを申しておるわけでありますが、それはしばらくおくといたしましても、これを取扱うことは不適当である。そこで参議院の運営委員会では、特に小澤国務大臣からお答えがありまして、予算的措置その他の問題について、閣議に諮つて出し直すという意味において、一応政府が撤回と申しますか、そこまで行かないにしても、その政府の答弁に基いて取扱いを保留されたということをわれわれ聞いて来ておるので、この際衆参両院歩調を合せる意味において、衆議院においても閣議に諮つた政府の統一的意見と、また必要な手続をするまで、この問題を留保するようにお願いいたします。

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○大屋国務大臣 田中君の御質問ですが、参議院に対して政府が提出に関して留保的な発言をしたということは事実と違います。参議院自体がどういうふうにしたか、私退席してもよいというから退席をして結論はまだ聞いておりませんが、政府みずからこの提出を保留したという発言はしておりません。これは誤解のないように願います。

山口喜久一郎民主自由党賠償庁長官

○山口国務大臣 参議院には提出していません。予備審査の形にあります。だから衆議院においてひとつ御決定を願いたいのであります。そのことは私から先ほどお願い申し上げた通りであります。どうぞよろしくお願いいたします。

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊委員 大体政府側の意見がわかりましたから、この際野党側でも相談したいこともありますので、暫時休憩をお願いしたいと思います。

大村清一民主自由党

○大村委員長 それでは三十分間休憩いたします。     午後四時十五分休憩      ————◇—————     午後七時二十五分開議

大村清一民主自由党

○大村委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。  本日の本会議は特に日程はありませんし、時間の関係もありますから、会議を開くに至らず流会することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大村清一民主自由党

○大村委員長 それではそのように決します。  それから十六日午前十一時運営委員会を開くことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大村清一民主自由党

○大村委員長 それではそのようにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後七時二十六分散会

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