P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
7回国会衆議院1950/04/10

外務委員会 第15号

発言数
58
登壇者
10
会派数
3
開催日
1950/04/10

会議録

岡崎勝男自由党

○岡崎委員長 ただいまより会議を開きます。  国際情勢等に関する件を議題といたします。質疑は通告順によりこれを許します。並木芳雄君。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 法務総裁にお尋ねいたしたいと思います。たびたび総裁には御足労を煩わしましてまことに感謝にたえません。しかし最近の国際情勢から判断しまして、日本が諸外国から受けるところの印象をなるべくよくしようという努力を持つことは当然でありますので、私はこの際誤解を一掃して、日本がほんとうに民主的に外国人を取扱つておるというような点についてお尋ねしてみたいと思りのであります。その中で特に関心か持たれますのは朝鮮人関係でございます。実は私たちは朝鮮人関係につきまして、報道以外に必ずしも的確な知識情報を持たないのでございますので、この際法務総裁につまびらかにしていただきたいと思うのでございます。  まず最近台東会館の接收ということが行われたのでございますが、それに関連して相当の紛擾を起しておるやに承つております。中には日本の警官が暴行力為を行つたと言う人もありますが、そういう点の事実についても、この際明らかにしておいていただきたいと思います。また台東会館は朝連の所有ではないという説をなす者がありますけれども、こういう点につきましても、この際はつきりと法務総裁からお示しがあるならば、幸甚と思うのでございます。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 台東会館の接収につきましては、いろいろ問題を起したのでありますが、昨年の九月に連盟の解散を命じましたとき、ただちに接收すべきであつたのであります。そのときからいろいろと文句がありましたので、いろいろな問題をはつきりいたしますために延び延びになりまして、ようやく先月になつて接收を了したような次第であります。  台東会館は台東区に居住する朝鮮人の全体の共有物である、連盟のものではない。こういうことを言うのでありまして、そうして警察署長だの区長だのが連盟のものではないという証明を出しておるそうであります。しかしこれはいろいろと調べたのでありますが、大体まず大よそのことを申し上げますと、台東会館と申しますのは、台東会館と称しておりますけれども、ほんとうの名前は朝連台東会館、こういう名称で呼ばれておつたのであります。それからまたこの会館を使用しております者は、朝鮮人連盟の台東支部、その他の朝鮮人の各種団体の事務所として使用しておつたのでありますが、大体朝鮮人連盟が主としてこれを使用しておつたのであります。朝鮮人連盟と密接な関係のあります団体がまだ幾つもありますが、それらがみなここを使用しておりました。でありますから外部から見ますと、むろんりつぱな朝鮮人連盟の所有する建物であつたのであります。それからなるほど、建築資金はかれこれ百七万円だか、かかつたのだそうでありまして、それは台東区に在住する多数の朝鮮人の寄付があつたようであります。しかしこの台東区に居住する朝鮮人の大部分と申します者は、朝鮮人連盟の台東支部の所属者であります。そうしてまた、そのときに金を寄付した者に感謝状をやつておるのであります。その感謝状の名前は朝鮮人連盟台東支部ということで感謝状を出しておる、こういう事実もあるのであります。それからこの建築をしますときに、朝鮮人連盟の中央総本部から木材を二百三十石、くぎを百三十キロ、こういうものを朝鮮人連盟から持つて行つておる。それからその敷地でありますが、建物の敷地は朝鮮人連盟台東支部委員長というものがその資格においてこれを借入れている、朝鮮人連盟がその敷地を借りているということになつているのであります。それからまた建築許可の申請も、右のように台東支部委員長がその資格において申請いたしまして、しかも建物利用の目的は、朝鮮人連盟台東支部事務所として使用するということを申し立てているのであります。それから建築請負契約でありますが、その際も右の台東支部委員長及び朝連台東会館建築期成委員長というものが、いずれもその資格において建築を注文をしている。登記がないだけでありまして、どこから見てもこれは朝鮮人連盟のものであると認定するほかないのであります。警察署長や区長がどういうつもりでそんなようなものを出しましたか。この出したいきさつについても私は疑惑を持つているのでありますけれども、とにかくまあ出ているのであります。出ているにしても、それらの人は何もかような資料を持つているわけでもなし、またそれを認定する資格を持つている人でもないのでありまして、ただ区内にいる有力な人として証言をしたという人にすぎないのであります。でありますから、この台東会館をいろいろ文句があるからと申しまして、これを接收せずに置くわけに行かない、どうしても接收しなければならない。これを接收しませんときには、全国のこれらの類似の問題がみな解決ができないのでありまして、いろいろと研究いたしました結果、これは接収すべきものと思うこう認定いたしましてそうして接収いたしました。  接収いたしますときに、これは前から接放するということを通知してあるのであります。ただ中に居住者が二十何人かおりましたので、その居住者に立ちのくようということをたびたび言うたのでありますが、なかなか立ちのかない。そこで最後に、立ちのき先をつくりまして、住まえるようなところをつくりまして、そうして立ちのきをしてもらう、同時に接収する、こういうふうに手はずをきめたのでありますが、警察署長が事を穏便に進めるために、あらかじめお前たちは穏やかに立ちのかなければ強制的にでも立ちのかせるぞ、こういうことを言うたそうであります。これは非常に親切に言うたのでありますが、それを利用いたしまして、接収のために役所から警察官等が行かない前に用意をしたと申しますか、何百人もの朝鮮人が家の内外に立てこもりまして、そうして接収に向つた者に向つて石をほうり投げ、れんがのかけらをほうつたとか、いやいろいろなことがあり、そうして警察官に全体で二百何十人のけが人を出したのであります。朝鮮人の側では警察官からいろいろまたけがをさせられたということもあるのでありますが、警察官に抵抗する姿勢をまずとつたのは朝鮮人側にある。実は黙つて、あらかじめ知らせることがなくて接収に行きましたら、かような不祥事がなかつたかもしれぬと思うのであります。親切に教えたために、かえつて用意をされて、そこでそういう闘争を起したというようなことのようであります。そういたしまして、一時は多勢の者を検束したのでありますが、今ではほとんど調査も終りまして——そうです。初めに三月二十日には公務執行妨害等の名前で百十九名を検挙したのであります。そうしてそのうち四十五名を勾留しました。その後十七名を釈放しまして、まだきようでございましよう、二十八名残つております。しかしこれも一両日中には処分を決定することになると思います。大体そういうことであります。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 よくわかりました。両者の間に大分誤解があつたようでございますから、そういう点は十分意思の疎通をはかつて、現在なお勾留されておる者に対しても、無過失な善意な者に対しては、十分酌量していただくようにお願いいたします。  それから朝鮮人の問題で第二点でございますが、これは本国へ強制送還するという準備か、日本の政府でなされているということで、たとえば池上署員のごときは公然と言いふらしておるというようなことがいわれておるのであります。こういうことがやはり日本人と朝鮮人との間の感情を害する原因になつて来ると思いますので、万一、そういうようなことはないとは思うのでありますけれども、事実そういうことがあるのかどうか。もしあるとすればどういうわけでそういう説がなされるのか。いわゆる朝鮮人の本国強制送還の説に対して、法務総裁の言明をお願いいたします。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 強制送還の問題かこのごろやかましくなりまして、何でも朝鮮の方から電報か何かで申して参りまして、朝鮮の政府が日本の政府に対して、朝鮮人を本国へ送還するように相談をしておる。強制送還をするように相談をしておる、こういうことを朝鮮政府の方で言つておるということが日本に伝わりまして、そこで日本におります朝鮮人が、これはたいへんだ、あるいはそのことはほんとうであるかもしれない、この間李大統領が日本に参つたときに、吉田総理とお会いしてその話をきめたのである、こういうことをしきりに言いふらしておるのであります。そういたしまして、この間も大勢の人が、次々に朝鮮人の代表者であるからその問題を聞きたいということで、数回十数人の人たちが参つたのであります。並木さんも御承知でありましようが、このことは法務委員会でも話が出まして、私がお答えをいたしたのであります。それからまた参議院でも質問があつたのでありますけれども、ただいま朝鮮人を特に朝鮮人として強制送還するということは、全然考えていないのであります。李承晩大統領が見えたときにも、そういう話は全然なかつたのであります。ありましても、われわれ日本の政府は大韓民国政府と何ら交渉する権能を持たないのであります。それは総司令部にお話があればある、こういうことであるのであります。また総司令部の方から日本政府にお話かあれば、そういうことになるのでありますけれども、総司令部と李承晩大統領との話はどうか存じませんし、総司令部から日本に対して何の話もないのでありまして、従つて強制送還というような問題は、事実としては何、根拠のないことであります。ただ外国人登録令によりまして、一定の條件にはまります場合は送還を強制いたしておるのであります。従前にはこれは総司令部の権限として行われておつたのでありますけれども、昨年末からその送還のことも日本政府にまかされたような次第であります。これはいろいろと問題を起しまして、たいへん心配しておるようでありますけれども、まつたくその事実はないのでありますから、機会があれはそのことを明らかにしてやりたいと考えております。また先だつても通信にそのことを私の名前で声明をいたしまして、なるべく広く新聞等に伝えてもらうようにお願いしたのでありますか、不幸にして一、二の新聞に載りまして、多数の新聞には行き渡らなかつたようであります。それからまた朝鮮人の代表と称する方方がこの間から数回参つたのでございますが、それらにはよくそのことを話しておきまして、彼らはまあ了解をしたであろうと考えております。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 不法侵入、渡航と申しますか、朝鮮から正式の資格なくして日本に入つて来た者に対する処置というものは、どうなつておるでしようか。またもしわかりましたらその数はどれくらいあるものか。要するにいわゆる外国人登録令に載れば、それははつきりして来るでしようけれども、登録しないで密航して来た者なんかが相当いるのではないかと思います。この問題もその密航者などとの関連で、かなり混乱しておる節があるのではないかと思いますが、その者の取扱いはどういうふうになつておるかお伺いいたします。  それから朝鮮人というものは、第三国人としての扱いを受けておるように思うのですけれども、実際には日本人としての扱いだというふうにもいわれておるのです。私たち、ちよつとその辺がはつきりいたしませんが、外国人登録令には適用を受けながらも、実際には外国人ではないという点があるのですかどうか、その点もあわせてお伺いしたいと思います。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 その密入国がはつきりどれくらいあるかは、これはほんの見当でありましてわかりませんが、先般登録令によりまして登録の切りかえをいたしましたときに、従来六十三、四万の登録があつたのでありますが、密入国が大分多いという話を聞いておりましたので、ほんとうは今度は登録をしてくれればいいと考えておつたのでありますけれども、やはり新しい登録も六十万より減つておりまして、かえつてもとの登録より減つて参つたのであります。そういたしますと、密入国をした人たちは登録をしなかつたのではないかと思うのであります。多分登録をすれば初めの密入国がばれて、強制送還をされると考えたのではないかと考えるのでありますが、そういうわけではなかつたのでありまして、ちよつとこれは期待に反したのであります。そこでどのくらい密入国者があるかということは、ちよつと人によりましてまちまちでありまして、四十万と言う人もあるし、二十万ぐらいだと言う人もあるし、もつと少く十四、五万だと言う人もありますし、わからないのであります。今強制送還は二つの場合がありまして、第一の場合はすなわち密入国であります。密入国と申しますのは、連合国最高司令官の承認を受けずに入国する場合、こういうことであります。入国をする場合には承認を受けなければならない。承認を受けないもの、この場合には。ほんとうの密入国ということがはつきりわかれば、ただちに強制送還をしております。しかし古くからおりまして登録をしていなかつた者が、必ずしも密入国というわけではないのであります。そのところはごく実情に適したように処置をしておるのであります。この純粋な密入国というものがはつきりしました場合には、裁判をいたしませんで、ただちに退去を強制することができるわけであります。それからもう一つのものは、登録をしていない、つまり無登録その他はつきりした密入国以外の——いわゆる密入国ということのはつきりした者は、先ほども申し上げた通りでありますが、密入国の問題はともかくとして、そのほかの、外国人登録令にいろいろな條件がありますか、それに違反した場合、これは法規の違反、外国人登録令違反でありますが、この場合には一ぺん裁判をいたしまして、その法規違反を確かめまして、確かめた上で有罪の確定判決を受けた場合には、これまた強制送還をすることができる、こういうことであります。でありますから、強制送還と申しますのは、そう簡單にはなかなか行い得ないのであります。この点につきましては事務当局もおりますから、詳しいことをお尋ね願いたいと思います。  それから朝鮮人がどういう待遇を受けるか、これは実はなかなかむずかしい問題でありまして、外国人登録令によりましては、外国人として待遇を受けておりますが、その他の面におきましては、大体日本人として待遇を受けておるのであります。われわれの称する外国人の中にはいわゆる連合国人がおります。連合国人と申しますのは、これは非常な自由な身分を持つておるのでありまして、朝鮮人はそれには入らないのであります。台湾人は多くは中国国籍を取得いたしましたので、これは連合国人ということになる人が多いのであります。従つて台湾人と朝鮮人との間にも大分待遇上の差別があるのであります。朝鮮人はその国籍が従来は日本の国籍を持つておつた人でありますが、日本の国籍を持つておつて、しかも台湾人のように、新しい連合国というようなところへ移ることができなかつたのであります。つまりビクトリァス・アライド・ネーションということに行かないのであります。そこである場合には二重国籍というような場合もあります。日本人の場合もあるし、あるいは外国人の場合もある、これは講和條約ができますまではこういう不明瞭な状態が続くのではないかと思われます。これは何とか早くきまりをつけたいとも思うのでありますけれども——いろいろな関係でそういうわけに行きません。ただいまそういう状態になつております。しかし日本に在住しております以上、やはりなるべく日本人と同じように、差別待遇をしないで、日本人に対すると同様な待遇を與えたいと思うのであります。政府はそういう考えを持つておるのでありますけれども、いろいろ地方の自治体等におきまして、朝鮮人を差別するというわけではありませんけれども、朝鮮人にとつては差別に当るようないろいろやり方をしておるところもあるように聞いておるのであります。今日の新しい日本の行政機構のもとにおきましては、その辺の調節に実は非常に困るのであります。苦慮をいたしておりますけれども、はつきりした名案が得られないような次第であります。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 どうかその調節というものを、何とかうまく行くように、政府としても御盡力をお願いしたいと思います。  それからもう一点、簡單でございますからお伺いしておきたいのですが、外電の報ずると二ろによりますと、日本が、進駐軍が撤退した後の心配の種というものは、軍国主義が復活するのではないか、一方においては共産主義の脅威があるのじやないかというような点に触れているのでございます。私たちは講和條約を擦えまして、條約後の国内の治安維持ということにつしては、頭を悩しているものでございますけれども、外電の報する点に対してもやはりこういう点が問題になるのかと、実は残念にも思い、ぴつくわもしているわけです。軍国主義の復活などということは、当然日本には姿をひそめているばかわ思つておつたのですが、こいうことを言われてみますと、法務総裁に確かめてみたいと思うのでありますが、実際日本にそういつたような主義の復活、あるいはその主義から出て来るところの予想される行動といつたようなきざしがあるのですか、どうですか、こういう点をお伺いしてみたいと思います。  それからまた共産主義の脅威というものは、法務総裁は常に非常に広いお考えでえ主義主張、言論の自由ということを言われておりますので、その点非常に私たちも力強く思つているのですけれども、その主義主張の範囲を越えて、やはり取締りの対象となる行動にまで及ぶきざしがあるのかどうか韓国では、国家公安法というものがあつたと思いますが、そういう法律ができていると思います。事のよしあしは別といたしまして、政府としては治安の維持に応ずるために、国家公安法といつたものを考えておられるのではないかというような点も、この際御質問しておきたいと思うのであります。  要するに、講和條約の前後をめぐりましての日本の国内治安につきまして、その最高責任者であります法務総裁から、この際力強い対策のお言葉をお聞きしたいと思う次第であります。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 日本に軍国主義が復活するのではないかというようなことを、外国人などはしきりに心配をするようでありますけれども、そうして、あたかも実際運動が行われているかのようなことを聞くのでありますけれども、私どものただいままでに承知しているところでは、それほど組織的な運動などはないようであります。それは、やはりそういう考えの人もあるでありましよう。ファッショ的な考えの人、あるいは軍国主義的な考えの人もあるかもしれませんけれども、それがその人の考えだけのことである限りは、どうにもしようがないのであります。但しこれが実際的の運動になつて、具体的に組織されるということになりすと、これはほつてはおけないのであります。いわゆる右翼団体というようなものが団体的行動をする、あるいは具体的な何か行動に出るというようなおそれがある場合には、これは断固としてこれを禁止しなければならないのであります。ふだんも実は注意しておりますが、多少のものはあるようであります。それは十分に取締りをいたしておりますが、取締りの手に負えないような大きな運動、大きな組織というものはまだ一向見当らぬのであります。これは、政府が十分これを監視もいたしますが、国民の側においてさような点について一層の警戒をしていただきたいと思うのであります。  それからまた共産主義でありますが、これも思想の問題であり、言論の問題であります場合には、新しい憲法におきまして何らこれを取締るような道はないのであります。またその必要もないのであります。但しこれも実際的活動になりまして、具体的に法規を犯す、共産主義を実行するために法規を犯すというようなことになれば、これはまた断固取締りをしなければならないのであります。  右翼に対しましても、左翼に対しましても、私どものとるべき態度はまつたく同一であります。どつちの方へ向けて行くとか、こつちの方へ向けて行くとかいうことは、国民の側において考えられることで、政府が官憲の力をもつてこれを指導するということはおもしろくないのであります。新憲法はさような精神ではないと考えるのであります。しかしながらこれが極端になつた場合に、国民みずからの力でチエツクしないということになれば、私はゆゆしき、恐るべき問題を生するのではないかと憂うるのであります。それは国民の良識と、国民のこの国家に対する忠誠と、国民の勇気とによつて、この国家は中正にして平和な道を歩いていただきたい、こう私は考えておるのであります。朝鮮に行われます公安——何という名前でありますか知りませんが、何か左翼を彈圧するような法律があるそうでありますが、私は日本においてただいまさような法律をつくる必要は全然ない、こう考えております。またつくる意思はむろんございません、これらの大きな問題は、これははなはだおこがましい言い分でありますが、国民の代表であらせられます国会が、十分にお考えになつていただけることと実は考えておるのであります。国会のお考えがありますれば、またわれわれもそれに対して御相談に乗ると申しましようか、あるいはいろいろとおさしずによりまして、働いて参つていいと思うのであります。ただいまのところ、私はさしあたりにおいてそういう問題はどこにもないであろうと考えております。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 では最後にお尋ねしますが、この前吉田総理が出席されたときに、国内の治安維持に対する案としてはないわけではない、何か考えておるというような答弁があつたのであります。この点は法務総裁と非常に密接な関係があると思いますので、お尋ねするのですが、総理大臣の方からも当然法務総裁に何か協議あるいは相談されたことがあると思います。もしありましたならば、どういうことが相談されましたか、この機会にお尋ねしたいと思います。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 別段御相談はありませんが、ただいまのところは進駐軍が厳存をいたしております。大きな治安は進駐軍の力によつて維持されておると思うのであります。それからその他の治安問題につきましても、十二万五千の警察が存在しておりますし、警察は武器を持つております。日本におきましては警察のみが武器を持つのでありまして、その他に武器を持つておる個人も団体もないのであります。私は今日において、治安について大して憂うべきことは、実はないと考えておるのであります。ただ講和條約後においてどういう関係になるかということは、ただいまからは簡單には申しかねると私は思うのであります。しかしながら、それにいたしましても、日本国民が、先ほど申しましたようにちやんとした足場に立つて、自分の存在、日本国民の存在ということをはつきり認識して、これに応じて行動いたしますならば、大した憂うべき問題は起らすにやつて行けるのではないかと思うのであります。国民がしつかりしなければどういうことになるかもしれませんが、国民は歴史上初めて大なる試練に直面いたじ、そしてただいまその試練を経過しているのでありますから、これによつて国民は非常な鍛練を受けて自主目立のできる国民になるわけであります。そうなりますれば、いろいろな極端な思想の問題とかなんとかいうよなことは、自分の中で防いで行けるであろうと思うのであります。その際に外国から武器でも来るということであれば別でありますけれ三も、それが来ないように防げばいいのであるし、武器がなくて單に思想だけの問題であるならば、これは国民が適当に、りつばに解決し得るものであると考えております。実は私はあまり心配をしておらぬのであります。われわれが心配しますれば、国民はさらに心配いたしまして、これははてしがないのであります。まず政府みずからが落ちついて、大きな心持で、卓見を持つてこれに処して行く、国民もまた同じ態度をもつてこれに協調されんことを切に希望しているのであります。

岡崎勝男自由党

○岡崎委員長 浦口君、何か関連質問ございますか。

浦口鉄男公正倶楽部

○浦口委員 あとで……。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 私は五つばかり簡單にお尋ね申し上げます。  第一は、新聞電報の伝えるところによりますと、今度新しくアメリカ国務省の顧問に就任されたダレス氏と国務次官補のバタワース氏の間に、対日講和につきまして重要なる協議を続けているということでありますが、その重要会談の内容が、新聞電報に伝えられている以外に、何か外務当局に情報が入つておりましようか、その点をまずお尋ね申します。

川村松助自由党外務政務次官

○川村政府委員 新聞情報以外は何も入つておりません。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 この際一つこの機会にお尋ね申しますが、外務省にはかつて終戰前非常に重要な機関として、情報に関する機関がございました。外務省の官制を見ますと、今も情報部というものがございます。ところで、この外務省の情報機関は現在どういうような活動をされておりましようか。ほんとうの意味におきまする外交というものは、日本にはないというようなことを言われておりますけれども、これは一応了承できるといたしましても、この際こそ外務省の情報諸機関を最大限に活用いたしまして、そろして将来日本の外交を進展せしむるために、有効なる活動をしなくちやならぬと私は考えますが、その点につきまして、当局の御所見を承りたいと思います。

田村景一外務事務官(政務局情報部長)

○田村政府委員 お答えいたします。ただいま竹尾委員からお話がありましたように、この情報活動が非常に大切であるということは、私も同感でございます。ただ、ただいまわれわれの方は、昨年の行政機構の改革によりまして、政務局のもとに情報部が置かれており、その情報部のもとに報道課と文化課の二つの課がございまして、報道課が今申せられましたような、報道関係の仕事をやつておるのでありますが、ただいまの日本の置かれました地位から申しまして、この仕事は御承知の通り、なかなか微妙な問題をはらんでおりますので、ことに日本の外交機関が海外にありませんために、いろいろな意味で不自由な問題が多いのであります。ただいまわれわれが収集しております情報と申しますのは、外国の通信関係のUP、AP、そういつたものからの通信を収集いたしますと同時に、モスクワ放送あるいは北京放送といつたものの入手、そういうようなことから、国外のいろいろな情勢を承知するというかつこうになつております。最近アメリカの方に在外事務所ができることになりまして、われわれの同胞も、そちらの方に参加して働くという二とになりますれば、もう少し情報も迅速に入つて来るものと思いますが、今のところ外に人間がおらないというために、なかなか早く情報が入手できないという点で、遺憾な点か多いと思います。今後は、そういつたような関係で、アメリカが認めて在外事務所ができますが、これがほかの国の方にもできるようになりまして、ある程度の人間が外に出て行くことになりますれば、もう少し迅速に情報の入手ができるかと思つております。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 ただいま情報部では、藤崎報道課長が今外国に行つておられないようですし、そのかわりを田付部長さんがやつておられるのかどうか、それも私はよく存じませんが、今の御説明だと、ほとんど新聞電報を入手し、あるいはモスクワ放送を聞くだけである。いろいろ御不自由な点もございましようか、これでは非常に私どもとしては心もとない感じがするのでありますけれども、大体あなたの部の方でキャッチしたニュースを、これは與謝野局長さんが前の情報部長さんですから、関連してお尋ねいたしますか、そういうものを今度調査局で消化するというようなことになりまして、そしてそこに一つの意見が外務省としてでき上る。私は外務省の分掌規程をまだ見ませんからわかりませんけれども、常識的にはそういうことになると思います。そして、これは與謝野局長さんにもお尋ねしなければならぬのでありますが、この調査局の第三課、ソ連関係、これの一例をあげますと、三課の意見と、外務省の調査局の意見というようなものが、はつきりこうだ、ああだとは私は聞いておりませんが、大体そんな点で食い違いを生ずるようなことがあるように思われます。これは、これ以上は私は個人的にあなたにお尋ねいたしますが、そういうようなことがありまして、そしてこれは調査局の意見である、これは第三課の意見であるというようなことになりますと、外務省の権威にもかかわることでありまして、そういう点につきまして、調査と情報とのはつきりした結びつき、及びその調査の研究、まとめる態度というようなことについて、もう少し積極的な、統一のある調査をしていただきたい、こう私は希望すると同時に、その点において、そういうことがあるかどうかということをちよつとお尋ねをいたします。

與謝野秀外務事務官(調査局長)

○與謝野政府委員 お答えいたします。ただいまの御質問の、情報部と調査局の任務、またその食い違いというような問題でございますが、情報部の方は主として新聞報道関係を昔から扱うところでございまして、現在は外人記者と直接インタービューというようなことはないのでありますが、やはり外国の通信員その他も、外務省の助力を乞うときには、個人的にいろいろ情報部に意見を求めて来るというような仕事が大きいのでありまして、従いまして非常に迅速をたつとぶ。新聞電報です、外国のラジオでもそれが入つたならば、ともかくそれをなるべく広く知らせる、また省内のわれわれ調査局ないし政務局の方にもそれを配付する、こういう迅速をたつとぶところであります。ところか調査局の方は、各国の政情その他経済事情等につきましても根本的に調査をし、各国の政情その他をとらえて行くというところでありまして、この時間的の問題から、情報部では即日こう言つたが実際は、調査局の方ではこういう意見だというようなことも、多少ないではないと考えるのであります。また先ほど御指摘になりました、調査局の三課というところは、ソ連関係だけを主として扱つておりますし、ソ連関係のいろいろなスタッフも充実しておるのでありますが、調査局の意見をまとめますときには、他の課、たとえばヨーロツパを扱つている課だとか、アメリカを扱つているところの課だとか、そういう課及びそれが持つている材料から見たところを総合した意見が一つ出るわけであります。ただ現在のところ、外務省が外交政策なり、ものの見方を発表するということもないのでありまして、三課の意見と局の意見が違うというようなお話がございましたが、それは私はないものと確信しておるのであります。ただ、何分一つのニュースについても、いろいろな見方があるわけでありまして、省内においても、同じ問題についても意見がわかれるということは、とかくありがちなので今日のところ、別段不都合を生ずるというようなことはなく、むしろうまく調整されていると私は考えております。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 ただいまの説明で、大体のところは了承したのでありますが、今申し上げました通り、調査、情報というものは、今は非常に地味な活動でございましようが、これがはつきりできておるか、できておらぬかということの結果は、きわめて将来において重大なる結果夕残すと私は思うのであります。私職員録を見まして、田付部長さんは、おそらく往年の田付大使の御令息ではないかとちよつとお尋ねしたのでありますが、まさにその通りであろ。フランス語も非常に達者な方である。こういうような名門の田付部長でありますし、與謝野局長は、御承知のようなお父さんを持つておられる。こういうような方々が、どうぞお父さんの名誉のためにも、ひとつふんばつてくださつて、この外務省の情報、調査のために、これはほんとうにおせじじやなくて、真剣な御活動と、非常によき結果をもたらされんことを切望いたしまして、この一問を終ります。次に第二回は、今ダレス氏のお尋ねをいたしましたが、このダレスという人は、アメリカの国務省におきまして、現在アチソン国務長官の顧問である、こういうようなお話でありましたが、この方はどういうような発言権を持つているか、重大な発言権を持つているのかそうでないのか、そういう点かおわかりでありましたら、それをお尋ねいたします。それからアメリカの政府内に極東政策、特に日本の問題に対して、対立があるというようなことがしばしば新聞に出ておりましたか、それは現在においてはないんだ。だがこの両者ににまだ対立を生じている具体的な問題がある。その対立を生んでいる具体的な問題とは、どういう問題であるか。おわかりでございましたら、情動部長、調査局長にお尋ねいたしたいと思います。

與謝野秀外務事務官(調査局長)

○與謝野政府委員 お答えいたします。ダレス氏のことでございますが、御承知の通りこの戰争が終りました後に、アメリカの政府は外交を推進して参りますのに、超党派的の外交をもつて臨んで参つたのであります。終戰以来、パリ、モスクワ、その他で重要な会議が開かれます乏きには、バーンズ国務長官は反対党の共和党の外交委員長ヴエンデンバーグ氏を連れていつて、会議の席に臨んで、モロトフその他の人と折衝しておつたのであります。ところが一昨年の総選挙のとき以来、外交政策特に極東に対する政策は、民主党と共和党では大分政策が違うということが伝えられておつたのでありますが、今回ダレス氏をアチソン長官が顧問にしたということは、ちようどかつてのバーンズ長官がヴアンデンバーグ氏を顧問にしたのと同じことでありまして、まず共和党の政策と民主党の政策をできるだけ近づけて行こう、こういう点で非常に重要性があると思うのであります。次にダレス氏自身は、この戰争中も国際連合の創立のためにトルーマン大統領の片腕として働いた人でもありますし、たびたびヨーロツパヘも、たしかポツダム会議にも参加したと思うのであります。一昨年の大統領選挙でデユーイが大統領になつたならば、当然国務長官の第一候補であつた人であります。昨年の秋のニユーヨーク州の上院の補欠選挙で負けて、今月のところ上院に席はないのでありますが、共和党において最も重きをなしている人であります。その人か国務長官の顧問になつたということは、これは両政党が超党派的外交を推進して行くという意味で、ダレス氏自身も、新聞、電報によりますと、極東政策に重点を置くということを言われておるようでありますが、アメリカの極東政策という上では非常に重要ではないかと考えるのであります。両党の政策の相違が、特に極東政策においてはげしく見られておつたのでありまして、その点についてダレス氏自身も、新聞、電報によりますと、極東政策に重点々置くということを言われておるようでありますが、アメリカの極東政策という上では非常に大きなことであろうと考えます。次に国務省と国防省との間で対日問題について何か意見の相違があるか、その内容はわかつておらないかというお話でございましたが、これは露の獲上、われわれとしてもただ新聞、雑誌その他に現われて来るところから推測する以外はない。先般本委員会において並木委員からの御質問にお答えしたこともあつたのであります。実は昨年の秋講和條約の問題が取上げられましてから、今年の一月になつて講和条約の問題がやや停頓した形になつて、その際にわれわれが見ておりまして、なるほどこのニユースは大体信じていいと思われるニュースがアメリカの雑誌、新聞に少しずつ出て参りまして、それで国防省と国務省との間に、対日講和條約を促進するがいいか、いましばらく現在のままがいいかということで、意見の対立があるということがうかがわれたのであります。つまり問題の要点は兵力を今後も駐屯させるがいいかという問題ではなく、占領管理の状態を続けるか、占領管理を終止した方がいいかということにあるのではないかと推測されておつたのでありまして、先月末に国防省側で最も意見の強かつたといわれるヴオリース陸軍次官は近く辞任するということが発表されまして、ヴオリース次官がいなくなれば、両省の意見の相違も大分近づくだろうということが推定されおつたのであり事。われわれが推測しているところも、大体そういうところであつたということもうかがわれるのでありまして、今日のところその意見の相違がどの程度調整されているか、ないしはもうすでに調整されてしまつたのかということは、お答えする材料はないのであります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 極東政策については意見の一致を見ている、新聞、電報はそう伝えているようですが、その他において対立があつたか、解消しておつたかということはいかがでありますか。何か解消できないような具体的な問題がほかにありましようか。

與謝野秀外務事務官(調査局長)

○與謝野政府委員 アジアの他の地域に関する問題で、対立があるということは承知しておらないのでありまして、われわれとしては極東問題、特に日本との講和條約の問題の中には、意見の対立があつたのではないかというふうに了解しているのであります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 それでは第三のお尋ねに移ります。今のお答にもありましたが、日本に対する長期の駐兵についてはやや意見の一致を見ている。こういうぐあいに新聞電報は伝えているようであります。その結果と申しましようか、日本における軍事基地化の問題もますます—と申しましてもいいでしようが、まあ具体化して来るのではないかと思われるのですが、もし対日講和が締結されない場合は、これは占領軍の政策として一応問題は解決されるでしようが、もし対日講和が締結された場合には、別個の協定によりまして、日本に基地をアメリカが保持するというような問題も起つて来るかと思います。その場合、別個の協定か何かによつて、日本にアメリカが基地を保持する手段をとるという場合に、日本は当然独立国になるわけですから、軍事基地化を断ることが事実上できるかどうか、あるいは断つても條約上さしつかえないか、その点西村條約局長にお尋ねいたします。

西村熊雄外務事務官(條約局長)

○西村(熊)政府委員 御質問の点につきましては、本国会になりましてから、私どもからたびたびお答えいたしておるところでございます。軍事基地化の問題については、将来問題になつたとき、政府において考える。今日まではどちらからもそういつた公式な話に接してない、仮定の問題でございますから、お答えいたしかねますというところであります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 総理あるいは條約局長のお答えは、そういうぐあいには私聞いておらないのでございますが、こういう場合には條約上どうなるか。これはある意味では純然たる法律上の問題になると思うのでありますが、それについて何か仮定の問題としてお答えできませんか。

西村熊雄外務事務官(條約局長)

○西村(熊)政府委員 仮定の問題にいたしましても、純粋の学問上の問題にいたしましても、あまりに現実に新聞報道その他で取扱われている問題に類似している問題でございますので、お答え申し上げることは遠慮いたしたいと思います。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 その点はそのくらいにしておきまして、第四の問題に移ります。しばしば先般来から問題になつておりました太平洋同盟條約の締結の問題、これも最近の新聞紙の報ずるところによりますと、お流れになりはしないかということが伝えられておりますので、これはやはりダレス、バタワース会談の結果による極東政策の転換の第一歩と見てよろしいのでございますか。ひとつ承りたいと思います。

與謝野秀外務事務官(調査局長)

○與謝野政府委員 お答えいたします。ダレス、バタワース会談というものが最近の新聞に伝えら事ておりますが、私どもの推測としは、現在アメリカの国務省が、対日講和條約については、どういう準備をやつて、どういう考えであるかということを、アチソン長官の使いとしてダレス氏のもとへ行つて説明したというのが大体近いところではないかと思うのでありまして、そういうことと結びつけて考えることはまだ早いと考えるのであります。ただ先月末に濠州のスペンダー外務大臣がフィリピンに参りまして、キリノ大統領と太平洋同盟の問題についていろいろ懇談し、キリノ大統領の案は非常にいいから、ひとつアメリカへ取次いでやろうということを声明しておるのでありますが、この問の新聞報道によりましても、多少これが延期の形となつておりますのは、先般御説明申し上げましたように、東南アジアの諸地域、諸国において意見の一致が見られそうもないという、なかなか複雑な状況があるからだと思うのでありまして、アメリカの方としては、太平洋同盟といもうのは、むしろ太平洋の国家が自発的にそういう協力態勢をとることを望んでいる、これはアチソン長官のたびたびの演説でもうかがわれるのでありまして、アメリカの極東政策としては、そういうものができた場合には、またそれに対する援助を與える、同時に現在アメリカの方からは後進国開発計画という経済援助、自立援助といつた形式で進めて行くということであつて、極東政策がかわつたということは、ここのところ少しも感ぜられないのであります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 それでは次の問題をお尋ねいたします。これはまた対日講和の問題になりますけれども、ダレス、バタワース会談が将来しばしば行われるようになりますと、いずれ対日講和の問題が具体化して参りましよう。その際アメリカは日本だけと單独講和を結ぶか、あるいはアメリカ、イギリス、濠州等々と日本との多数講和になりましよう。私はそういう勘を持つておるわけなのです。全面講和はいずれまた論争の機会があると思いますが、これはできないと思います。従つて單独講和か多数講和かという勘を私は持つておる。そこで総理大臣の勘の問題になりますけれども、外務当局はこれに対してどういう勘を持つておられるか、お伺いします。

川村松助自由党外務政務次官

○川村政府委員 新聞の報道によりますと、アメリカにしろイギリスにしろ、関係国全部の参加し得るところの講和会議に努力いたしておるように考えております。しかしその努力の結果がどういうことになりますか、現在のところまだ判断いたしかねております。日本と米国との間だけの條約にしようという傾向は、私どもまだ感じておりません。しからばイギリス、アメリカ、オーストラリアの多数講和になるかどうかという勘のお尋ねでありますが、この点も今までの報道だけでは、どうとも言い得ないのでありまして、なおこの先相当的確な情報によらなければ、勘だけでは解決がつかないと思います。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 ソ連と中共を含むということは、勘としてももちろん不可能だと思いますが、今政務次官のお話だと、アメリカと日本の單独講和はむずかしいというように私は受取りましたのですが……。

川村松助自由党外務政務次官

○川村政府委員 むずかしいとは申しません。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 むずかしいとは申されなかつたのでしようが、私はむずかしいというようにとつたのです。そこでこれは單独講和か、多数講和かどつちかにならざるを得ないと思われるのですが、その点の勘はどうでしようか。

川村松助自由党外務政務次官

○川村政府委員 アメリカにしましても結論は、なるべく関係国全部あるいは多数の参加し得るような講和に持つて行きたいと考えておる思うのであります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 そうすると、アメリカではそういうふうに考えている、これに日本も同調しなければならぬということになると、多数講和という結論になる越考えてよいと思いますがどうですか。

川村松助自由党外務政務次官

○川村政府委員 それは竹尾委員の勘として承つておきます。

中山マサ自由党

○中山委員 ちよつと伺いますが、けさのラジオのニュースの時間に、かつてのグルー大使か、日本を復興させるためには、造船を制限せずに盛んにさせて、対日援助費を削減するのがよいのだというような申入れをしたと聞きましたが、このグルー大使は、どういう地位をアメリカで持つておられるか、またその申入れが有力なものであるか、あいるは單なる民間人としての申入れであるかを伺いたいと思います。

與謝野秀外務事務官(調査局長)

○與謝野政府委員 お答えいたします。先般外務省の者がアメリカの国務省に招聽されてあちらに参りました機会に、グルー大使にお目にかかつていろいろお話を聞いて参つたわけでありますか、大使ももう非常な老齢でありまして、何ら公の職にはついておられないのであります。ただ日本に関する專門家として、その意見は相当尊重はされております。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 最後にもう一つお尋ね申します。昨年の秋に対日講和の問題が、イギリスとアメリカの間に非常に問題になつたことは御存知の通りでありますが、そのとき非常な超スピード的な速度で條約の暫定草案ができたというようなことが伝えられておりましたか、その草案の大体の輪郭あたりが情報部長さんにはわかりませんか。

田村景一外務事務官(政務局情報部長)

○田村政府委員 それについては、何も資料がございません。

浦口鉄男公正倶楽部

○浦口委員 これは連合軍に関することでありますが、実は外務当局の意向を聞きたいと思いまして、前会御質問申し上げたのでありますが、それは法務府の所管であるという御答弁かありましたので、法務総裁にお尋ねいたします。私は過日の広川声明を格別今取上げて申すのではないのでありますが、いわゆる連合軍の占領政策違反ということが、このたび過日のいわゆる広川声明として発表されまして、これを野党では非常に問題にしたのでありますが、これは必ずしもただ單に野党だけの問題ではなしに、国民全体か非常に関心を持つていることだと私は考えます。かもこれは非常に広い意味で申されたというふうな印象がありますだけに、私は非常に心配いたしますので、御質問申し上げるわけであります。われわれの考えるところでは、占領政策違反ということは、ある一つの具体的な問題について、占領軍を批判するとか、あるいは反対すること以上に、占領軍を誹謗するというふうな具体的な事実が起きましたときに、これが問題として取上げられると考えております。たとえば事実ははつきり承知しておりまんか、一昨年の敦賀事件の問題に対して、ある政党のある人が誹謗的な言辞を弄した、あるいは日本の食糧問題に対して、真偽のほどは存じませんが、連合軍のやつたごとに対して誹謗したというようなことが、当時取上げられまして、いわゆる連合軍の軍事裁判にかかつ、こういうことを承知しておるのでありますが、これが国会において、野党がたまたまある一つの政策、法律に反対をした、あるいはそれを批判したというような、その内容をもつて占領政策違反ということになりますと、国民も一挙一動神経過敏になり過ぎて、私はむしろ日本再建の上に、非常な支障を来すのではないかというようなことを考えますので、法務府といたしまして、一応連合軍の占領政策違反というものに対する解釈とその限界、それからこれが違反なりとすることは、だれが一体どういう機関をもつて決定するのか、この点をひとつこの際あらためてお聞きしておきたいと存じます。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 実は私あまり詳しく存じませんが、俗に申します占領目的違反といいますのは、一般にポツダム宣言の趣旨に反する行為というようなものを、占領目的違反と言つておるようでありますが、これはごく通俗の意味であります。法律的な問題ではありません。従つてただいまお話のような広い問題は、私どもの直接の問題ではないのであります。私どもが法務府として問題にいたしますのは、昭和二十一年の勅令第三百十一号、連合国占領軍の占領目的に有害な行為に対する処罰等に関する件——今では政令でありますけれども、こういうのであります。この勅令に申します占領目的に有害な行為、これかつまり占領目的違反ということになるのでありまして、これは刑法、その他の法令で特別な規定がなくとも、この勅令で占領目的に有害な行為は処罰できるわけであります。これが処罰の対象になりますのは、この勅令にいうものであります。それならば占領目的に有害な行為というのはどういうものであるか、これは主として最高司令官の日本政府に対して発しました指令がありますが、この指令の趣旨に違反する行為を言うのであります。でありますからこの指令に違反しなければ問題は起りません。公式のいわゆるメモランダムと申しますが、このメモランダムというものは、ここにいう指令の中に入るのであります。でありますから、具体的な場合につきまして、これがメモランダム、その他の指令に反するかどうかということを調べまして、反する場合にはこの勅令によつて処罰される、こういうことであります。純粋に法律的に申しますれば、そこに限界がありまして、それ以上には及ばないのであります。ただ占領政策に違反する、つまり占領政策の大きな方針にそむくというようなことは、これは政治上の問題であろうと思つております。多くの場合法律的な問題ではないのであります。

浦口鉄男公正倶楽部

○浦口委員 次に第二点としてお尋ねいたしますが、この問題は一昨日の運営委員会にも出まして、このときこれは官由党のある議員でありますが——広川声明については、参議院の問題でありましたが、野党の議院が三名で当日予算の修正決議案を出そうと関係当局に申し出た、そのときに、国会対策課のロープ女史が、これに対して予算の修正案を出すことは、ドツジ・ラインを破壊することであり、ひいては占領政策違反であるとの意味のごとを話されたので、この修正案は出すことができない、こういうことを野党の方々が言われておるのでありますが、このごとで一昨日の運営委員会では、ある與党の議員の方が発言をされて、連合軍でそういう意思を発表しておるのであるから、広川氏の声明はそれを口をかりて言つただけで、格別の問題はないというふうに言われたのでありますが、私の知る範囲では、今法務総裁のおつしやつたようなメモランダム、あるいはサゼッシヨンとかデレクティヴとか、いろいろな名目で連合軍からいわゆる日本の再建方について指示があるのは、われわれもよく承知しておるのでありますが、それ以外のいろいろな談話を引用いたしまして、この談話をもつて国民に対してそうすべきであるとか、あるいはほかの政党などに対してその談話を引用して、それ以外には批判できないとか、あるいは批判することはいけないというようなことは、われわれはなすべきごとではないと思う。これもある意味においては、占領政策違反の行為であるというふうにも考えていたのでありますが、法務総裁の態度を聞きたいと思います。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 ただいまのお話は、たとえば衆議院でも、参議院でもそうでありますが、またもちろん政府でもそうでありますが、法案を提出いたしますときに、実際問題といたしましては、司令部の同意を得ておるのであります。従つて同意を得ないような、いわゆるOKをもらえない法案を幾ら提出してもむだであることは御承知の通りであります。でありますからOKをくれない、つまり総司令部の方針でないことにたてついて、あくまでわれわれの考えを主張して行くということは、占領下におきまして、これは政治上決して有益なことではないことは御承知の通りであります。占領政策に反するか反しないかという、今の問題はきような政治上の問題でありまして微妙な問題でありますが、法律上の問題ではない。でございますから、これはあくまで政治的にお考えを願うよりほかはないと思います。これを法律的に三百十一号に照して云々ということはできない問題であると思いす。これはもうそれ以上の私の立ち入る問題ではないと思います。

浦口鉄男公正倶楽部

○浦口委員 それでは先ほどの、勅令第三百十一号による連合軍のいわゆる占領目的に有害な行為ということになりますと、日本の現状においては、連合軍と申しましても、アメリカという大きな線によつて甘木がその方向に行きつつあるということは、われわれもこれを了承するにやぶさかではないものでありますが、その場合に連合軍、いわゆるアメリカ以外の連合軍に対する誹謗、そういうものに対してもこれが適用されるかどうか、その点をお聞きしたいと思います。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 それも実際問題としてはかなりむずかしいと思いますが、事実を歪曲して報道するというようなことがあれば、例のプレスコード違反ということになるのでありまして、これは指令に違反することになる、でありますから、具体的な場合には、それぞれの指令に照して考えるのほかはないと思うのであります。單に誹謗すると申しましても、誹謗の仕方いかんによると思うのであります。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 ちよつと関連してお尋ねしておきたいと思います。先ほど法務総裁のお言葉の中に、メモランダムも指令の一種であるというふうに私お聞きしたのですが、実はその点がちよつと外務当局のこの間の解釈と違うようなんです。外務当局の方では、指令とメモランダムは種類が違つて、指令はどちらかというと絶対的のものである。デイレクテイヴでしよう。メモランダムの方は、その内容のいかんによつて違うのだという答弁だつたのです。実際の取扱いにおきましては、メ言ン三倍ばく政府部内だけで握つておつて私たち国会の方にわからない場合もあります。ましてや国民に明らかに知らされない場合が、多いのです。今の法務総裁の解釈によりますと、メモランダムまで含まれますから、非常に広くなつて先ほどの浦口さんの疑問もそういうところから出て来るのではないかと思うのです。その点をもう一度はつきりお確かめしたいと思います。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 それは一般的に申しますと、並木さんが今おつしやる通りなんです。外務当局の解釈の通りであります。そのメモランダムと称する中に指令に当るものがあります。私どもは公式のメモランダムは指令と同様に取扱つているのであります。それは一々メモランダムにつきまして検討しませんと、必ずしもメモランダムであるから、ただちに指令というわけに、実は行かないのでありまして、メモランダムの内容いかんによりましてきまるのでありまして、指令に当るものと、当らないものとがあるのであります。そこが非常にデリケートであります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 先ほど並木委員の朝鮮人の問題に関連してお尋ねしたい、と思いますが、これはわかつているような、わからないような変なことになりますけれども、きわめて幼稚なお尋ねかもしれませんが、朝鮮人の選挙権、被選挙権の問題であります。現在日本におる朝鮮人は外国人として一応待遇するから、選挙権、被選挙権はありません。しかし日本の配偶者をもらつて、帰化した者はもちろん選挙権はあると思いますが、帰化せずに、そのまま内縁の関係を結んでおる、こういう者もずいぶんあると思いますが、そういうものについてはどうなりましようか、一般に朝鮮人の選挙権、被選挙権の問題についてお尋ねいたします。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 今のは内縁の妻の方でしようか。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 妻もあるし、男もあると思いますが、私は日本人であつて選挙権を持つておる、こういうことをよく言われる朝鮮人がいますので、この際ちよつとお尋ねいたします。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 朝鮮人には戸籍法を実は適用していないのであります。戸籍法の適用のない者には選挙権がない、こういうことになつておるのであります。しかしこれはデリケートの問題がありますし、将来外国人であれば、外国人に選挙権があるわけはないと思うのでありますが、朝鮮人がほんとうに外国人になり切りますか、あるいはどうかというような国籍上の問題が、実は残つておると思うのであります。これは将来講和條約等できまりかつきますときに、はつきりきめたいと思ます。今のところは選挙権はない、これははつきりしておるわけであります。被選挙権ももちろんありません。今のところは外国人であります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 それでは国籍法その他正規の手続をとつて帰化した人はあるわけでございますか。日本に帰化した場合……。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 今は帰化がないのであります。帰化しておる者はむろんいいわけであります。それで帰化した者もないわけです。朝鮮人の国籍は日本国籍であつたわけです。日本国籍であつたのでありますけれども、終戰によりましてそれが少し外国国籍の方に移つて行つたわけです。そこであいまいの状態にあるわけです。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 それでは現在は朝鮮人に対しては、被選挙権も選挙権もない、こう解釈してよろしゆうございますか。

殖田俊吉法務総裁

○殖田国務大臣 さようでございます。

岡崎勝男自由党

○岡崎委員長 本日はこれにて散会いたします。  次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後零時五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗