海外同胞引揚に関する特別委員会 第9号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/03/02
会議録
○青柳委員長代理 これより会議を開きます。 委員長不在の間、私が委員長代理を勤めます。 海外同胞引揚げに関し議事を進めます。 まず昭和二十四年法律第二百二十四号お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の第五條につき、先般の委員会におきまして郵政省当局の説明を聞き、同胞救恤切手発行の可能性があることを確認いたしたのでありますが、郵政大臣として、これが発行につきまして、いかなる御意見をお持ちにはつておられまするか、お伺いいたし川いと存じます。
○小澤国務大臣 この第五條によりまして、法律的に解釈をいたしますると、今委員長のお示しになつたように、記念切手を発行することが可能でのるのであります。ただその問題が、この二項にもありますように、「前項の叫体は、郵政大臣が、郵政審議会にはかつて指定する」と、こうなつておりまするけれども、現実の面から申し上げますと、これは共同募金というものを主としてやつておるのであります。につてその共同募金の今までの例から言いましても、また今後も、共同募金というものを指定しましても、共同募立団体において、どの慈善団体にどういうふうに配分するかということは、私の方では関知しないで、厚生省で配分いたしておるのであります。従つて、その特殊団体に郵政省が直接にこういう切手を発行するということになりますと、適切な団体を選ぶについて、專門外でありますから、あるいは丁公平になつたり、順序が間違つたりするおそれがありますので、私の方の考えでは、できるだけやはり共同募金、すなわち厚生省の方で一括してそり配分方を処理するという姿が望ましいのでありまして、でき得ることでしたら、私の方は共同募金にやりまして、共同募金の金をどういうふうに引揚げ団体に持つて来るかということは、厚生省と御相談なすつてやつていただくのが適当だと思います。
○青柳委員長代理 ただいまの郵政大臣の御発言に対して、御質問ござませんか。
○並木委員 この際参考までにお聞きしておきたいのですが、この前のお年玉つき郵便葉書のときに、二円のものと三円のものと二種類あつたのてありまして、私自身も、あとからそんなのがあつたかと気がついてびつくりしたのですけれども、あの発売に関しては、何か一般に周知しておらなかつたようです。そしてこれを買つた人は、何か特定の人が多かつたようにも思われますけれども、これはどういうふうな目的で、実際の発売の方法はどんなふうになされたか、お伺いいたします。
○小澤国務大臣 実はお年玉つきのはがきは大体二円の分は発行しない方針で当初進んで参つたのです。ところが郵政審議会に諮り、あるいは国会の郵政委員会等の空気を見ますと、どうも二円であれば買うけれども、三円なら非常に売れにくくなるのではないか、むしろ半々くらいにつくつたらどうかというような意見があつたのであります。その意見があつたのは、十月ころであつて、印刷能力がなくなつたころであります。従つて一億五千万枚を予定しておつた三円の分に対してさらに三千万枚だけ二円の分を発行しにわけであります。三円の分は一億五千万枚、それから二円の方は三千万枚でありまして、これが遅れて発行されしお吟ます。三千万枚を全国べわけるというと、ごく少数になりまするので、従つて窓口においてはすぐ売れたり、あるいは手が届かなかつたりする場合もあつたと思います。要は郵政審議会の意見、あるいは国会の郵政委員会における意見を尊重いたしまして、事務的には少し困難であつたけれども、それらの気持を通すために、できりだけの能率を発揮して、三千万枚だけをを二円で発行したわけであります。そういう順序で三円のものと二円のもりと抱き合せてうまく配分することがぐきなかつた関係上、今並木君のお話りような、ちよつと特殊な人にだけ売つたのじやないかというような印象を映えたようなおそれもあつたことは事大でありますが、決して特殊の人だけではなく、一般にも売つております。 〔青柳委員長代理退席、委員長着席〕
○並木委員 あの賞品でございますけれども、かなり楽しみにしておりました。おとなも楽しみにしておりましたけれども、ましてお正月を控え、奥さんとか子供さんたちは、非常に楽しみにしておつたのですが、さてふたをありてみると、ぺヶの方が多いのです。これは率も非常に悪かつたのですが、せめて十枚に一枚くらいの割で当ればよかつたと思うのです。そういう点に対する大臣の御所見、それから賞品の種類そのものも、あまりぱつとしないで、お年玉には不向きであつたようにも思われる節があつたのですが、その賞品の選定等はどういうふうにやられんか、成功したと思われますか、失敗したと思われますか。もし今後やるとごには、どういうふうな考慮をさるべごかというような点について、御所見をお伺いいたします。
○小澤国務大臣 ああいう賞品の選び方、あるいはどの程度の賞品を出すかという問題でありまするが、これはごり法律にもありますように、賞品の金額は総収入の五%をこえることができないということになつております。それ以上になると、法律で禁止してありまするから、従つて、あらかじめ懸賞に要する総金額は、おのずからきまつてしまうのでありまして、その金額の範囲内で小金額のものを多数にするか、あるいは少し目立つたもので少くするか、どつちかを選ばなければならぬ。でありまするから、今のような話になりますと、たとえば、記念切手なとは十円でありまして、しかもこれは郵政省としては印刷代しかかかつておらぬのでありますけれども、現在市価は五十円から百円くらいしておるらしいのであります。でありますから、あれは、私なども記念切手だけで十二、三枚当つておりますが、あれ以上にふやすという構想もできますが、要は、ふやしますれば、今度は十円のもを五円くらいにしてふやすよりほかないのであります。また賞品の種類についての意見がありますが、これは十人十色で、いろいろの見方がございますので、いろいろなことが出て来たのですが、その意見のうちで、一番いいなと思うのを採用したつもりであります。しかしこれで必ずしも満点ということは考えられませんので、御意見等がありますれば、承つて次の機会に適当にやりたいと考えております。
○並木委員 その採用は郵政省の中でやられたのですか。
○小澤国務大臣 採用という意味がはつきりわかりませんが……。
○並木委員 賞品、金額の決定です。
○小澤国務大臣 決定は郵政省でやりました。たとえば郵政審議会の委員に、個人的にも聞いたり、あらゆる方面からいろいろな意見を聞きまして、そのうちの最もいいなと思うのを採用したつもりであります。
○並木委員 その景品に対する代金は、郵政省の予算のうちから出されたと承知しておりますが、今度、もし私たちが引揚げに関してそういうはがきを発行いたしますと、やはり郵政省の方で景品代だけは負担してもらえますかどうか。
○小澤国務大臣 これはどういうことをあなたの方で考えておられるかわかりませんから、いちがいにどうごうは言われませんが、要するに一億五千万円を共同募金に寄付したことになります。その寄付をすると、大体一千万円くらいの手数料というか、何か共同募金委員会の規定でもらえることになります。それを賞品に当てたわけであります。従つて郵政省からは、賞品の金は一切出ていないことになりまして、郵政省としてはまるもうけのような形であります。
○並木委員 お年玉つき郵便は、大臣としては大体成功したと思われますか。そうして来年度またああいうことが国会で立案されたりしたような場合には、喜んでこれはなすべきだという御意思がありますかどうか。
○小澤国務大臣 お年玉つき郵便は、今年は非難する人もありましたが、一般の評判では、大体好評を博したつもりでありますから、明年度も続けてやりたいと思つております。
○受田委員 郵政大臣に大きな立場からの御答弁を願い、こまかいことについでは説明員なりも政府委員の方がおいでになるようですから、あとで聞きたいのですが、この引揚げ関係の記念切手を出そうという要請に対して、郵政省としては何か大きな系統的な構想があるのか。みだりに記念切手を濫発されておるような点もあるように思われるが、この記念切手に統制がとつてあるのかどうか。ただ思いつきで記念切手を発行しておられるのかどうか。重大な社会的意義を持つものとして、記念切手を発行をされておるのかどうか一記念切手発行に対する郵政大臣としての構想をお聞きしたいと思います。
○小澤国務大臣 これは別に法律にもございませんし、省令にもございませんが、一定の方針を持つておるのであります。そうしてその方針は抽象的に申しますと、記念切手は国家的または国民的な重要記念事項に限り発行することとする。従つて、各地で行われる博覧会のごとき地方的行事に対しては絶対に発行しないこと周年記念の切手の発行は、その周年が四分の一世紀に該当することを原則とすることというような制限があつて、これに基いて、具体的な問題は郵政審議会その他に諮つて、この定義に当つたと認めるものを発行するようにしております。現在でもこれは世界的な関係がありますので、單に内地の事情だけで発行してはいかぬと考えます。世界的に見ると、日本は多少濫発し過ぎておるようなそしりを免れない点もありますが、要は、この原則を厳格に適用すれば、そう発行しないで済むし、これをゆるやかにすれば発行し過ぎるということになります。
○受田委員 この記念切手の発行の限度が一般切手の何分の一くらいであるのか伺いたい。またこの記念切手はただ国体を開催する地域にのみ重点的にスタンプしておるので、地方の郵便局などには非常に少数しか行つていないのではないかと思いますが、記念切手が国民全般に対して、ほんとうに記念の目的が達せられるように、全国の津津浦々にまで公平に分配されてこそ、国が記念切手を発行する趣旨に合致すると思いますが、この点ひとつお尋ねしたいと思います。
○小澤国務大臣 記念切手を発行する場合には、あらかじめ枚数を制限しますから、その枚数によつて、たくさん発行した場合には、各窓口に公平にたくさん配付しますし、少数め部数しかない場合には、少くなるということになります。要は発行部数によります。あまりたくさん発行すると、記念切手の価値がなくなるようなこともありますので、無制限に発行することはどうかと思いますが、要はその記念切手に盛られる意義と目的というものによつて、枚数をきめることになりますから、多く発行された場合には、地方のいかなる窓口にも配付されるごとになります。
○受田委員 今度の場合は、人道的に非常に大事な引揚げ問題を記念切手にまで考えようというのですが、この場合に幾ら発行するかというような点については、審議会がこれを考えるのか、もしくは、郵政大臣がそれに対して何らかの案を出すのか伺いたいが、この点については、ただこれを発行するというのではなくして、どのくらい発行するかという問題にポイントがあると思います。引揚げ問題は非常に重要だからたくさん出そうとか、もしくは国体のような場合には、このくらい出そうというような案と、今度のような特別な寄付をするというような場合のバランスは、別にないのかという点について承りたいと思います。
○小澤国務大臣 すでに記念切手を発行することをこの委員会で決定し、その決定したことを前提として私に質問されておるようでありますが、私はこちらの委員会で、どういう種類の切手を発行して、どういう基準によつてやろうと考えておるのかわかりませんので、それを前提としての受田君の質問には答えられませんが、もし発行するということになれば、こちらの目的に沿うような形式で枚数を発行したいと思います。
○受田委員 それから図案を一般から募集してやる必要があると思うのですが、今までの記念切手の図案は、どういうような形式できめたか、募集によるものがどのくらいあつたか伺いたい。つまり図案を懸賞募集でやるようなことが、国民一般の関心を深める場合に、非常に必要だと思いますし、今度あなたの方で審議会にかけるような場合に、引揚げ関係の意識を高めるために、国民から図案の懸賞募集をするというような線をとる場合があると思いますが、国民の意識を深めるための記念切手という感覚から、郵政大臣としては、今後の記念切手の図案募集という点についてどういう考えを持つておられるか、お尋ねしたいと思います。
○小澤国務大臣 今までの記念切手の発行の例といたしましては、一般に募集をした例はございません。しかしながら、してはいけないという法律も別にございませんから、一般の国民から募集した方がよろしいというような結論になつた場合には、あえて反対するものではありません。
○小西(英)委員 ちよつと議事進行について――先ほどより聞いておりますと、引揚げ促進に関しての切手は、お年玉つきではやれるが、根本的に郵政省が賛成しておるか、していないかということが、まだはつきりせぬので、この点についてもう少し徹底的に賛成であるとか、ないとかということを、大臣から意思を表示してもらわないと、話だけが先に進んでしまうような気がいたします。
○青柳委員 私もそれに関連して伺います。郵政大臣の一番最初の御発言によらますと、引揚げ促進のための記念切手の発行は、他の厚生行政についていろいろ援護するために必要な際に共同募金でやつておるから、この共同募金のための記念切手の発行をいたし、それで得た金額をわけるという方向に持つて行きたいという御意図のように聞こえたのでありますが、われわれがここで今考えております点は、共同募金以外におきまして、引揚者を援護するために、特別に記念切手を発行していただける御意思があるかどうかという点であります。先ほど大臣から、第五條を引上げられて、郵政審議会の方で適当な団体があれば、そういう団体に対して出してもよいと思うという御発言もあつたようであります。ただ郵政省としては、そういう適当な団体を発見するのがむずかしいと思うから、厚生省に聞いて、適当な団体があればやつてもよいというふうにもとれたのでありますが、その点についで、はつきりした御返答を承りたいと思います。
○小澤国務大臣 要するに記念切手の発行そのものは、私の所管でありますから、委員会が御希望であれば、発行いたします。しかしながら共同募金、すなわち寄付金のついたものについて、その寄付金をどう配分するかというような問題は、これは厚生省で従来も扱つている。ただ募集して、私の方で共同募金を一億五千万円なら一億五千万円を厚生省の指定した団体にやるだけであつてそれをどう配分するかということは、まつたく厚生大臣が、現下の情勢から判断して、社会事業としてこの問題を速急に取上げるべきか、あるいは何番目に取上げるべきかということを認定することが適当であつて、私自身が取上げるのは、不適当であると考えております。こちらがどういうお考えか、私はつきりわかりません、今日初めて質問を受けたばかりでありまして、何もわかりませんかちらに構想があつて、その構想に基いて御質問されているようですが、その要点がわからないから、どうも盲のような答弁をしておるのであります。要するに私の方では、法律的には、そういう募金を含んだ記念切手の発行は可能である。しかしながら、記念切手を発行するについては、一定の基準を設ける、その基準は先ほど朗読したような基準で進めよう。それから寄付金の場合には、私の方で扱わないで、厚生省で、どの団体というふうに、適当に分割してやつてもらうという考えでおりますから、少くとも今ここであなたの方との話で、すぐ私が引受けるということになりますと、従来の例とは非常に違つた形になるのであります。また今やるかどうかということの御質問でありますが、あなたの方の案がどういうことで行くのか、はつきりしたことを説明していただかない限りは、やるかやらぬかということは、今即答はできないと思います。
○青柳委員 ただいまのお話で、大体わかつたのでありますが、厚生省方面におきまして、適当な団体と認める団体があり、またこれだけ別に取上げてもいいというようなことが決定いたし、しかも郵政省におきまして基準に合致するということになりましたならば、大臣としては、取上げられるという御意図のように承るのでありますが、それでよろしゆうございますか。
○小澤国務大臣 大体一つの仮定を前提としての御質問でありましたけれども、かりにそういう結果になりますれば、好意的に扱つて、できるだけ御趣意に沿うような方針で進めたいと考え
○春日委員 お年玉つき郵便はがきの問題ですが、あれは大体今年の正月のものは、どれくらい印刷して、どれくらい出たのですか。
○小澤國務大臣 一億八千万枚を印刷をいたしました。そのうち募金のついた、すなわち三円の分は一億五千万枚、二円の分の、一円の寄付金のついていないのが三千万枚、全部売れまして品切れになつて、相当窓口で困つたらしいですから、来年度はもつと多く発行したい思います。
○春日委員 大体募金のついたのは、一円だけもうかつたわけですが、この配分はどうなつているのですか。
○小澤國務大臣 これは今までもお話申し上げた通り、一億五千万円というものを共同募金の方に私の方からやりましたから、その配分は共同募金委員会で適当に配分したと思いますが、どこべ配分したかは私の方ではわかりません。
○春日委員 そうすると一億五千万円やつて、あとあなたの方で、たとえば内部で従業員が売つた、それに対する手当というか、歩合、こういうものは出しているのですか、いないのですか。
○小澤國務大臣 それは春日君も御承知の通り、公務員に対する手当とか、あるいは給與というものは、給與法で規定してありますから、この法律の許す範囲内におきまして、適当な処置をとつております。
○春日委員 その適当なということですが、それをどんどん出して売らせて、従業員は非常に労働過重になる。去年の暮などは、私のところへ買つてくれといつて、何回も来ました。私も少しは買いましたけれども、これを押しつけられて、売らなければならぬから困るということで、押売りみたいなことをやつている。そういうことになつて、非常な労働過重になつている。これを引揚げの方でまた出す。その話がうまいというので、また別の方で出すということで、どんどん労働過重になる。これに対して従業員に対して、ただ適当なということでなく、もう少しはつきり、幾ら売つたら幾ら歩合をやるということを聞かせてもらいたい。
○小澤国務大臣 それは今お話した通り、給與法で制限されておりますから、そういう幾ら売つたら何歩という歩合などをやるわけには参りません。ただ超過勤務手当で、超過勤務をした場合はそれを出す、また年末繁忙手当というようなものは考慮いたしておりますが、春日君の言うように、千枚売つたら何円というようなことは、給與法は許しておりませんから、それはできません。それは成績のいい者は、何かで埋合せをつけ得るつもりであります。
○春日委員 それでは大体そのくらいにしておいて、その次に対象になる引揚団体について、先ほどから問題になつておりますが、どれを対象にしてどうということは、もちろん審議してきめるというお話ですけれども、大体今ある目ぼしい引揚団体、これは郵政大臣でなくて、援護庁の方になると思いますが、目ぼしい引揚団体、それがどれぐらいの人間を代表して、どんな仕事をやつているかという点を、ちよつと聞かせていただきたいと思います。
○田邊政府委員 引揚団体の中に、大体二通りございまして、すでに引揚げられた方の団体と、そかれら未引揚者の留守家族の団体とございます。引揚げられた方の団体の総合的なものといたしましては、引揚者団体全国連合会というものがあります。これはずつと前に閣議決定によりましで、たくさんの引揚者団体が続々できることはおもしろくないということで、全体を総合する見地から、一本になつたわけであります。もう一つの留守家族の団体はこれは未組織の府県もございますが、そういうものを除いた府県にできでおりますものを、さらに全国的に統合したものがございます。大体大きく申しますと、この二つにわかれております。仕事は留守家族の団体の方は、主として引揚げの促進、既引揚者の団体の方は、主として定着援護の問題についてやつております。もつとも全国的な引揚者団体連合会は、その重要な任務として、引揚促進ということを実践いたしております。
○春日委員 非常に簡單な御答弁ですが、私の知りたいことは、もつとその中身なんです。たとえば定着援護の仕事で、どんな事業をやつているか、あるいはどんな物資の配給を受取つて、どんなふうに分配しているかというようなことを聞きたいのです。たとえば、昨年度において、どれだけのそういう物資を受取つて、どういうふうに分配したか、これは資料があれば、至急出してもらいたいと思います。
○田邊政府委員 定着援護は、原則として国と都道府県の線で実施いたしております。向うに物資を渡して、向うから配給するという仕事はやつておりません。これは全部国及び府県の予算に計上して、その線で仕事をすることになつております。
○春日委員 そうすると、定着援護団体の仕事は、そういうことをやらぬと、何をやつていることになりますか。
○田邊政府委員 御承知の通り、引揚者に対する政府の施策は、必ずしも十全とは言えないと思います。いろいろと御希望があり、御不満があると思います。それを個々の方々の声といたしましては、十分に徹底いたさない関係もありますので、引揚者団体全国連合会というものを結成いたしまして、引揚者に対する政府の施策に協力する面があると同時に、引揚者の個々の要求なり希望なりをまとめて、政府に強力に申し出る。こういつた面が重点であると思います。
○春日委員 それでは一言念を押しておきますが、引揚者団体全国連合会、これは結局主なる事業は、そういう輿論を起して、政府に、私らの言葉で言うと、圧力をかける、そういう政治団体だ、こういうことになるわけですな。
○田邊政府委員 陳情をする場合もございまするが、しかしお互いに連絡し合つてお互いに励まし合うという、ひとつの精神的な励まし合う面も相当強いと思つております。
○春日委員 そうすると結局今のお考えでは、連絡し合い、励まし合つて陳情し合う、それだけですね。その点はつきり念を押しておきたいと思う。
○田邊政府委員 引揚者は金もそう余裕がございませんので、金を出して大きな定着援護をお互いにするということは困難であります。したいという希望は持つておりますが、資金の面から、いろいろ制約を受けおりますので、なかなかその方面に手は伸びない実情であります。
○春日委員 私は今お聞きしたとこで、明らかになつたんですが、たとえば政府のやる物資の配給、あるいは定着援護の仕事の手伝いをやつて、非常に大きな事業をやる団体かと思つておつたんですか、單なるそういう輿論を起し、連絡し、励まし合うという団体であるということをお聞きして、私の質問はこれで終ります。
○中山委員長 郵政の問題について、ほかに御質問がございませんでしたら、郵政大臣にお帰りを願いたいと思いますが、いかがでありますか。――それではありがとうございました。
○中山委員長 次は引揚者援護の件を議題といたします。竹村委員。
○竹村委員 先般引揚者に対するところの就職――二十四年六月以降引揚げた者の二十四年十月三十一日現在の表をいただいたのですが、この中で一つお聞きしたいのは、たとえば農漁業の方で、家族従事者、これは大体一般の方は八・五%、復員者は二一・五%となつておるのでございますが――もちろんこの中にはほんとうに家族従事者として農漁業なんかに携わつておる人もあるのですが、しかしこれ、あるいはそあ他の、たとえば日雇いというような面、あるいは未就職者二六・五%というように、非常に失業者が多い。もちろんごの農漁業の家族従事者の面でも、日本の農業の統計をとつてみましても、大体従来は全国平均一町であつたものが、今では耕地面積かわずかに七反五畝に減つておる。こういうことは、引揚者がどんどんやつて来て、土地が非常に少いのに、そういうふうに細分化されて行く。これは仕事をしておるという形になつておりますが、帰つて来たけれども、仕事がないからやむを得ず一反でも二反でも三反でもつくらせるということになつておつて、非常に農業の細分化の役割を果しておるのでございます。こういう点について、たとえば引揚げをほんとうにやるた楚、いろいろ政府も引揚げ援護をするためには、こういう人たちを、何か国有の牧野等を開墾して、そういうところに開拓者として送り込むというようなことをやられたかどうか、そういう点からひとつお聞きしたい。
○田邊政府委員 引揚者の就職並びに就業状況につきましては、お手元に資料員配付してあるようでございますが、ない方もあるようごございますので、一括して申し上げますと、十月三十日現在で、一部未報告の件を除きまして、調査いたしました引揚者総数の六七・三%が就職ないし就業いたしてお効ます。就業と申しますのは、農漁業、商工業その他の自営業でございます。それから目下求職中の方が全体の一九%に相なつております。 ただいま御質問のありました自営業の中で、とりあえずその職に入つておるという方の数がわかつておりますが、こういう方は適当な他の職があれば、そららに転職したいという御希望であります。これは総数五万三千六百二十九名の引揚者の中で約千名足らずであります。 ただいま御質問になりました新しい土地に開拓して、そこに入植する計画があるかというお話でありますが、これは農林当局におかれまして、本年度におきまして入植戸数を一万戸と予定せられまして、そのうち八千戸は引揚者を入植する予定であります。
○竹村委員 それではその入植者に対しまして、大体どういうような生活の援護をされるのか。この開拓者の問題の中で――私開拓者の問題についていろいろ調査しておるのですが、実際は今日開拓に入つてもその生活費の援護というものかないので、開拓する人は実際裸で無一物で入植する。その人に生活費というものが與えられないから、せつかく入植いたしましても、その開墾に全部の日数をかけることができずして、そうして今までであつたならば、大体やみと申しますか、そういうような小さい商売を二十日ぐらいやつて生活費を稼いで、あとの十日を開墾に従事するというので、実は開墾の仕事もあまりはかどらなかつた、これが大体の日本の開墾の実情であります。従つて今後送られる入植者に対して、大体引揚者であるならば、別に援護庁としては、どういうようなお考えになつておるか、これは農林省の方針にまかせて、そのまま一般と同じように扱われるのか、この点をお聞きしたい。
○田邊政府委員 引揚者の中で、外地において専業農家であつた、ことに寒冷地の農業に非常にすぐれた技術を持つている方か、相当あられるのでございます。こういう方は、入植されて農業を職業として立たれることが最も必要であり、また国のためにもなるという見地から、厚生省といたしましては、農林当局に対しまして、強くその施策の推進を要望いたしております。それで、引揚者であるがゆえに、特に各般の施策において特別の施策をするということは、なかなか困難ございます。但し、実情に応じまして、引揚援護庁として応援できる点は、できるだけ応援いたしまして、たとえば入植するのに家がないという場合に、農林省で住宅の予算がどうしてもとれなかつたという場合におきましては、引揚者等に住宅としてとつておりますものを、相当優先的に引揚入植者の住宅に充てております。また收入が上るまでの間の生活費につきましては、生活保護法の適用もあるように相なつております。なお、その他こまかい点につきまして、いろいろと入植せられました引揚者の御希望に応ずるために、資金面その他においても、御便宜をはかつておるつもりでございます。根本は、やはの農林省の方の入植開拓者の施策が中心でございます。私の方は実情に即するこまかい点でございますので、その点は御了承願いたいと思います。引揚者なるがゆえに、特別に特権的な処置をすることは、困難な実情でございますので、農林省方面ともよく連絡をとりまして、その施策を推進するようにということを根本といたしております。
○竹村委員 実は先般大蔵委員会の方で承つたのですが、今答弁されたことに、事実はなつていない。事実はどうなつておるかと申しますと、大体引揚者に対して、現金と物品などでやられる、一人一年間大体三万円らしい。従つてあなたが言われた生活保護法の適用を受けるといいますけれども、入植したならば、仕事をしておるものとして、生活保護法の適用は受けない、やらない。それはもちろん、あなたの方から特にそういうふうに言つてくださればいいが、市町村では一割の負担があるという関係で、なかなかやらない。事実は、そういうものにはあまり適用してない。そういたしますと、私は実際問題として、もちろんこれは入植する人は皆さうでありますけれども、内地におつて入植する場合には、生活必需品というものは、ある程度補給つくわけです。しかし引揚げて来てほんとうに裸になつた人が行くという場合には、三万円という少しばかりては困難だと思う。しかも生活保護法の適用は、働いておるのではなかなか受けられない、こういうことになりますと、実際その人たちのほんとうに優秀な技術、しかも日本の食糧事情に将来大きな役割を果すような人たちに対して援護をするすると言いつつ、実際は名目だけであつて、事実上は効力が発しないではないか。従つてこれに対して特にこの人たちだけをどうするというわけではないけれども、援護庁としては、やはり特別な何らかの手を打つべきがほんとうだと思います。單に今答弁されたような形だけにおいては、引揚者に対する入植の実をあげることはできないと思う。その点を当局としても考慮されたいと思うのであります。なおそれ以外にたとえばこの表で見ますと、日雇いというような部門でも、未就職者が相当な数に上つております。日雇いも、今日は失業者が多いから、なかなか十分ではないと思うが、こういう点に対して、一体どういうふうにされるのか、お聞きしたいと思います。
○田邊政府委員 引揚者の就職問題、ことに新規引揚者の就職問題は、引揚者の定着援護でも一番大事な仕事でございます。これは御承知の通り労働省の所管でありまして、労働省の方で全国の職業安定所を督励いたして努力しておられますが、お話の通り現在の失業状態一般からいたしまして、引揚者を特に優先的に扱うということは、困難な状況でございます。しかし労働省といたされましても、引揚者の就職につきましては、特に努力せられておるのでございまして、積極的に就職のあつせんをされておられます。帰つて来られますと、家庭訪問をするとか、はがきで連絡をとるとか、その他各般の方法を講じまして、積極的に就職あつぜんに努力しておられます。中には就職を希望された方をあつせんする際に、安定所の職員の方がわざわざ申入れ先に連れて行つてそこでお引合せしてお勧めするということまでやつておられるようであります。就職の率から申しますと、求職されました方に対して、就職した率は二五%に相なつております。これは昨年丁二月末の調査でございますが、これは一般の失業者の就職率よりも若干上まわつているようであります。 なお現在求職中の引揚者でなかなか職を得られない方に対して、どうしておるかというお話でございますが、その点はわれわれとしても考慮いたしまして、昨年暮に特に国会で更生資金を二億円増額いたしまして、昨年引揚げられた失業者を重点といたしまして、この二億円を貸出しするということにいたして、現在実施中であります。
○竹村委員 今度政府においては、国民金融公庫というようなものを設置されて、何か商売をするというような際に、最低五万円以上、最高十五万円ぐらいまでを貸し出す制度が設けられたのですが、こういうものを引揚者に特別に、ほんとうに引揚者であるという証明がつくならば、そういう者に利用させるような方法を、当局は大蔵当局とでも交渉されたことがあるか。またなかつたならば、今後交渉されて、たとえば、開墾に入るとかいうことは、商売ではないけれども、一つの仕事の面でありますから、そういうものにも利用せしめるように交渉する意思があるかどうか、お聞きしたい。
○田邊政府委員 国民金融公庫に対しましては、常に密接な連絡をとりまして、公庫本来の資金の貸出し面につきましてはもちろんのこと、私たちの方でよく連絡をとつて、引揚者の実情に即するように、よく考慮していただくようにお願いをいたしております。なお引揚者は、一般の方と違いまして、担保能力ないしは信用能力が薄い関係から、一般の生業資金とは別に、更生資金制度を設けまして、引揚者を重点とした資金の貸出しを行つております。
○竹村委員 先般来引揚げた人に対しして、その引揚げられた当時一人当り幾らずつ渡されておるのか伺いたい。
○田邊政府委員 元軍人軍属であられた方に対しましては、未復員者給與法の適用がございます。これは法律の規定するところに従つて、過去の未支拂いの給與と、帰郷雑費というものを出しております。帰郷雑費といたしましては、距離の遠近によつて全額に差等がございますが千円ないし三千円渡しております。それから一般の引揚者に対しましては、帰郷雑費といたしまして、距離の遠近によつて千円ないし三千円渡しております。
○竹村委員 そういう金額では、私は非常に少いと思うのです。これに対して、今まで引揚げた人でも、帰つたらすぐなくなつておるという声を聞くのですが、これに対して何か特別な措置を講ずる考えはありませんか。
○田邊政府委員 これは予算の性質が、家にお帰りになるまでの小。かいという性質でございますので、なかなかこの全額を増額することは、予算の積算の点から、困難な点があろうと思うのであります。もつとも引揚者が家に帰られてから就職するまでの生計費、これは生活困難でありますれば、生活保護法の適用を迅速に行つて行くしかないと思うのであります。なお引揚者の方からは、失業保険の適用をしきりと要求されております。労働省方面におかれましても、しきりと研究しておられるのでありますが、いろいろ困難な問題がありまして、今日まで実現されておらないような状況でございます。
○竹村委員 末復員者給與法による経費は、予算に出ておるわけですが、家族数としてはどのくらいあるのですか。
○田邊政府委員 実は未復員者給與法の関係は、別のところでやつておりますので、私よく存じないのでありますが、後ほどまた連絡して御答え申し上げます。
○小西(英)委員 お年玉つき郵便は、大体郵政大臣の答弁で、やつてもいいというような結論を得たのですが、それについて厚生省の方では、発行数とか、売りさばき期間等について、具体的な検討をしておられますか。
○田邊政府委員 今のところ検討いたしておりません。
○小西(英)委員 委員長にお尋ねしますが、お年玉つき郵便が、引揚げ促進並びにそういう方面の費用としてぜひ必要だからということで、これは委員会の申合せで提案したものですか。
○中山委員長 これは在外同胞帰還促進全国協議会の申し入れでございまして、引揚げも最後の段階に近づいて来ており、それについて活動の資金がないためにまことに困つておるというお申れでございましたので、理事会にお諮りをいたしたような次第でございます。ただいま私しばらくこの席をあけておりましたのは、議長室に全国の方々が建白書を持つて見えておりまして、衆議院、参議院ともに鞭撻をしてもつと力を入れて引揚げ問題をやつてくれというふうな、まことに熱烈な建白書を承つて参りましたのでございます。そういうふうな運動に対して非常な窮乏の状態であるということでございますので、お諮りの結果、こういうことに、なつて参りました。
○小西(英)委員 趣旨はけつこうですし、これをやるのには、今郵政大臣からお答えがあつたように、やはり厚生省が指定するりつぱな団体であれば、考えてやるということですから、具体的にどれくらいを発行して、どのくらいそれらの団体に費用がいるかという点をにらみ合せまして、ぜひこれを進行してもらいたいという希望を申し上げておきます。 それからこれは別ですが、今年百五十億という、現在の日本からいつて非常に厖大な金で、住宅金融公庫が発足するのでありますが、それについて、大体われわれ今まで了承しているところでは、二割五分内外が、自己資金によつて一応基礎工事なり、あるいは着工した後に、七割五分貸すということに承つております。すなわち引揚者が住宅に困つている、それらの者が具体的にそういう基礎資金をどういうふうに持つて来るか、その点について厚生当局がこの百五十億をもつて発足するところの住宅金融公庫とタイ・アップして、最も困つている引揚者に対する住宅の建て方等について、何か案がありましたら御答弁願います。
○田邊政府委員 住宅金融公庫で貸し出します資金は、自己負担がございますので、その自己負担のできない引揚者に対しましては、公庫の性質上、貸出しはできないと思います。ことに償還能力ということも考えられますので、全部の引揚者に貸し出すということは、困難でございますので、引揚援護庁といたしましては、別途に引揚者の住宅を公営で建てまして、安い金で貸すということを考えております。来年度予算におきまして、五億円の金で七千戸を建てる。主として現在住宅のない方を対象といたして考えております。
○小西(英)委員 厚生省としても相当お考えくださいまして、大体五億円程度の基礎的な資金を持つているということですから、二割とした場合には二十五億ほどの家が建つわけです。それで大体二割五分くらいの基礎資金がある人ということになるのですが、そういう五億というようなものを、厚生省から援助がある場合、大体二十坪の家の場合に、一坪一万六千円程度の家をつくりたいという建設省の意向ですが、もう少し何か方法を講じていただけないでしようか。
○田邊政府委員 厚生省でとつております五億円というのは、公共事業費でございます。都道府県、市町村に八割を補助いたしまして、地元で二割を負担して、公営の住宅を建てて、それを引揚者に借す。住宅そのものを貸すという考え方でございます。住宅金融公庫の方は、本人に金を貸して、本人が住宅を建てるということで、資金の性質が全然別になつております。それから先ほど申し上げましたのは、住宅金融公庫の方は自己負担ごあり、本人の償還能力も必要であるという点から、借入れのできる人の範囲が限定される。将来そういつた、ある程度資力のある人でなければ、貸すことかできないということになります。そこでそういう資力がない人に対して、引揚援護庁として引揚者公営住宅というものを建てて、安く貸したいこういう考えであります。
○小西(英)委員 大分私の質問と趣旨が違つておるのですが、そういうことなら、結局この住宅金融公庫の金は、まず十二坪半の家を建てる場合でも大体二十万円かかるので、一戸建てる場合、四万円の自己資金がなければ建たない、その四万円の金のない者は、せつかくの恩典に浴せない。この住一宅を建てる場合――個人または政府の指定する団体に対参して貸し付けるいうことになつているので、何かの方法で、厚生省において引揚者の住宅を建てる団体を特に認めれば、そういう基礎資金がなくても、あるいは可能であるのじやないかという点もあるのであります。そういう場合ば、何か団体を厚生省において指定され、引揚者の家にも、この金をぜひ流用できるように御処置願いたいと思います。
○田邊政府委員 建設省方面ともよく連絡をとりまして、できるだけ引揚者の住宅緩和に費するように、努力いたしたいと思います。
○中山委員長 小西委員にお伺い申し上げます。さつきの同胞救出の切手の問題でございます。これは小委員を理事の中からあげまして、このことに特に力を入れていただくようお諮りしたいと思いますが、御異議ありませんか。
○小西(英)委員 けつこうです。
○中山委員長 それではそういうふう、に理事に諮りまして、とりはからいたいと思います。
○天野(久)委員 ちよつと援護庁の方にお尋ねいたします。引揚げもだんだん進捗いたしまして、引揚げ終了と申しましようか、最後の終止符を打たなければならぬという時期に到達しておると思います。まだ数においては三十数万の人が残つているということになつておりますが、この引揚げが終了いたしますと、いわゆる帰らない人がはつきりして来る。そこで引揚げて来る方々は、その家の柱石となる人が帰つて来ても、政府の援護を要し、社会の協力がなければ、生活の能力がない。しかもその柱石になる人が永久に帰らないという家族が、はつきり出て来るわけでございますが、これらの人たちが、現在きようかあすかと帰るのを待ちわびて、しかもその帰るという一縷の望にすがつて生活を続けている状態であります。それが帰らないということになつて来ますと、精神的打撃と、実際に柱石を失つてしまつた、こういうことから、その家族の生活というものは、経済的、精神的、ともにほんとうにどん底に打込まれる、こういうことは火を見るよりも明らかではないかと思います。そこでそういう人たちに対して、援護庁は、今どういう救いの手を差延べ、どういう方法をもつてこれらの人たちの生活を擁護しようというのか、何かお考えをお持ちでしたら承りたいと思います。
○田邊政府委員 生活援護の根本原理といたしまして、無差別平等の原則によつて生活の方にも適用したいと思つております。引揚援護庁といたしましては、この原則に抵触しない範囲において、できるだけ便宜をはかりたいと思つております。現在政府でやつておりますのは、元軍人軍属には、未復員者給與法というのがありまして、留守宅に対して手当が出ております。妻と長子には六百円、その他の家族、は四百円、軍人軍属でない家族の中で、おおむね自発的に残つたという方を除きましては、やはり軍人軍属と同じように取扱うことによりまして、特別未帰還者給與法という法律が、国会議員提出の法律として制定されておりまして、この留守家族に対しましても、未復員者の家族と同じような手当が出ております。
○天野(久)委員 今の御説明のような、給與がなされているということは承知いたしておりますが、かりに今の給與でありますと、四人の家族がありましても、千五百円というわずかな金である。今日の現状において家族四人が千言百円で生活をなし得るとは、とうてい考えられません。これはいま一段と何か政府として考えてこれにあたたかい救援の手を差延べなかつたからぼ、ゆゆしい社会問題となるのではないかと私は思います。従つて、今の生活保護法あるいは未復員者給與法があるからそれでよいということでは、私は相ならぬと思います。現在において、もしそごに何ら別途の考えがないのでしたら、早急にひとつお考え願つて、この未後負者、つまり引揚げが済んだ後に――これはあるいは厚生省の所管に移るかもしれませんが、援護庁としては、どうかそういう面に、いま少しつき進んだ、しかも戦争犠牲者として、一番あわれな状態に追い込まれる三十数万のこの家族を救済いたさなければならぬというお考えで、御立案を願いたいと思います。いずれにしましても今の方法だけでは、とうていこれはなし得ない。精神的、経済的にいま少し進んで行かないと、おそらくこれは大きい問題になると思う。しかも今帰つた人たちの様子を聞きますれ百、シベリアだけにおいても相当数の光亡者がある。また中共地区、あるいはその他にも相当ある思う。この三丁数万の人が幾ら帰るか。こういうここについては、今はつきり数字はわかりませんが、これが大多数帰るとは、こうてい考えられない。これは三十万を数える数に上りはしないか。そういたしますと、この人たちに、これで引揚げが大体終了したというときには、非常に大きな打撃を與えなければならぬ。その前にこういうあたたかい手を差延る用意が必要ではないかと考えますので、ひとつその点に御留意願いたいと思います。もし何かお考えがありましたならば承つておきたいと思います。
○中山委員長 私それに関連してお尋ねしたいのでありますが、自分のむすこを待つある母親の話でございます。その家内及び子供には何らかの援助がある、しかし親には何の援助もないということを私に申し出られまして、親にも何とか処置をしてもらえないものかといつて来た婦人がございましたか、そういう人たちに対する御援助のほどを、私参考のために承つておきたいと思います。
○田邊政府委員 特別未帰還者給與法ないし未復員者給與法の留守家族の範囲に該当している方には、この法律によつて手当が全部出るのであります。それ以外の方には、現在のところ出す根拠は何もないのであります。実は特別未帰還者給與法という法律自体が、非常にむずかしい法律でございまし、て、どういう根拠でそういう法律ができたかわからないが、貧富の差にかわらず全部に給與を出す。これはただ一つ未復員者給與法があるために、未復員者とまつたく同じ事情にある一般邦人も同じように扱うべきだ、こういうお考えからの強い御提案によつてこの法律が通つておると思いますが、援議の立場といたしましては、こういう留守家族なるがゆえに、特別の給與を出すということが通りにくい実情でございます。但し先ほど御発言のありました、死亡された方に対する措置につきましては、これは大いへん大きな、重要な問題でございますので、われわれも内々研究協議はいたしております。これも、できるだけ努力いたしたいと考えております。
○並木委員 最近アメリカから洋服類が輸入されるということが報ぜられている。これは詳しいことは知りませんけれども、報道では個人の輸入らしいのです。こういう安い洋服が来るならば、こういうときこそ援護庁あたりは乗り出して、これを大量に輸入して、あるいは無償で配給することはできなくても、月賦制度とか何とか適当な方法をもつて、引揚者あるいは今言つた留守家族、遺家族の方々の衣料を要求するようなところへ配給すべきだと考えておりますが、その点援護庁として何か立案しておるかどうか。 それからもう一つは、アメリカで使帯された――これはアメリカだけに限らない、どこの外国でもいいのですが、使用済みのくつ下とかその他の衣料、これも案外日本に持つて来ると、そのまま使えるものもあるし、またそれを更生すると、なかなかいいものにもなる。またその手間賃によつて、ただいま申しました遺家族とか留守家族、引揚者はもちろんですが、これらの方々は益することが多い。そういう点について、実際こんな方面から、援護庁が乗り出せば、相当のことができるのではないかと思うのです。そういうことについて考えておられるか、または何か対策があるかどうか、お聞きしたいと思います。
○田邊政府委員 そういうお話が、民間の方からあつたこともございました。引揚援護庁としても、できるだけ応援したのでありますが、その輸入すること自体に支障かございまして、とうとう実現しなかつた実例もございます。ただいまお話の点は、それとは別に今後の問題でございますので、そういうお話がございましたら、その場合には考えてみたいと思います。ただ引揚者等に配る場合、高いものはなかなか買つていただけませんので、できれば無償ということをわれわれは考えております。われわれの方としては政府に余剰物資がありました場合には、できるだけ無償で引揚者その他生活困窮者に配りたいと考えております。
○中山委員長 それに関連して私お尋ねしたいのですが、マ元帥のいつの声明でございましたかに、アメリカの人人に対して、ケア物資をできるだけ日本に送つてやれという発言があつたと思いますが、その方面のものでございますれば、無償で来るだろうと思うのであります。そういうふうな点は、何かお聞きではございませんでしようか。
○田邊政府委員 現在はララ物資が重点で、その他に児童に対してユニセフの物資が出ておりますが、その方につきましては、あまり詳細なことを承知しておちないのであります。
○並木委員 さつき田辺局長のお話の中に、輸入そのものが成立しなかつたという言葉がございましたが、それは厚生省としてやつてみたのですか。やつてみて、しかもできなかつたのか。もしできなかつたとしたら、どこに成立しなかつた原因があるのか、それをお伺いします。
○田邊政府委員 それは個人がそういう申出を厚生省に個人的にされまして、たしか向うの古着類であつたと思いますが、それを輸入したというので、関係方面にいろいろ交渉されたようであります。これは個人的な問題として私相談を受けたのですが、その話がうまく行かなかつたということを申し上げたのであります。
○並木委員 厚生省として、積極的にそれをやる意思があるかどうか、お伺いします。
○田邊政府委員 現在ララ物資を通じまして、向うの関係団体から、いろいろと援助をいただいております。引揚援護庁といたしましては、特別に外国から安いものを輸入して配るということを、従来計画したことはございません。
○小西(英)委員 並木委員から、衣料の輸入の件についてお話があつたのでありますがもつと足元に現在日本政府が五百億あるいは七百億に近い物資をストックしている。そしてあらゆる公団が相当廃止されるので、六月中までにそれを拂い下げろというような指示もあつたようですが、その中には、日本の製品だつて、人絹あるいは絹その他いろいろな物資があつて、厚生省か積極的に出るならば、非常に安く買える可能性が多い。外国からの輸入品もさることなから、そういう点について援護庁あたりが動けば、相当安く買えるので、こういう安い物資を引揚者の衣料品として配給してもらいたい。そういうことをお願いしておきます。もう一つは、先ほどの件でありますか、百五十億の住宅金融公庫で今年八万戸の家が建つそうでありますが、その八万戸のうち、三万戸だけでも、厚生省の方から引揚者に特に何かの特例を設けて町村長の保証があるものだとか、あるいはこれは十五年の年賦で拂うことになつておるのでありますが、引揚者が現在職についておつても、基礎資金の四万とか五万の金がとうてい出せない。そこで親類とかあるいは町村長等の保証があれば、これは特別に引揚者に家を建てさすというようなことについて、私たちも交渉いたしますが一厚生省から積極的に建設省と話し合つて、この次の委員会に、できるかできぬか、具体的な御報告をお願いしたいと思います。
○受田委員 もう時間も過ぎているのですか、前からお伺いしたいと思つていたことを、簡單にお伺いいたします。 それは函館の引揚援護局を、昨年末をもつて廃止しました。それで、函館へ引揚げて来た人たちは、主として無縁故の引揚者が相当多数を占めておると思う。そういう立場からこれは農林省との関係になつて来るのですが、新規の入植者に対する予算について、引揚援護庁として特にどういうふうに考えておるか。昭和二十五年度の予算などにそれをどのように押し込もうとしておられるかということ、わけて次男、三男というものは、引揚者の中で集団入植が非常にいい條件にあるのだから、次男以下の者に対する集団入植計画をお考えいただいて実施していたたきたい。こういうことについての来伸度の予算的措置に対する心組み、それから函館へ帰つて来た人たち、きつきお尋ねした無縁故引揚者に対して、その後集団入植の状況はどうなつておるのか。あの人たちには住宅も、無縁故引揚者としての特別な措置をとつておると思うのですが、無縁故引揚者に対する住宅的な対策をどういうふうにしておるのか。私昨年ちようどあそこべ行つてみて、豊平や帯広の無縁故引揚寮を見て、実に残酷であつたことを今思い出すのですが、厚生省がせつかく住宅金融公庫の問題、庶民住宅の問題をいろいろお考えになつておられるこの機会に、たとえば庶民住宅の問題と、もう一つ無縁故引揚者に対する住宅の問題というようなもののバランスをどのようにとつておられるか。引揚援護局が廃止されたというので、北部の方は、引揚援護庁として、引揚げ定着後の援護対策に対して、関心が薄くなつておるのじやないかという気持もありますので、特に函館引揚援護局の廃止に対する厚生当局の意向と、その後における問題、それから現に定着されておる人たちの、特に無縁故引揚者に対する対策について、局長にお尋ねしたいと思います。
○田邊政府委員 函館援護局は受入れの事務だけで、定着援護については、直接関係はございません。定着援護は、もつぱら北海道庁の責任におきまして、北海道の引揚げ無縁故者を援護しております。北海道は樺太からの多数の無縁故者を引受けておる関係上、相当重荷となつておりますので、各方面の資金面その他については、相当重いウエイトを置いて援助しております。特に住宅につきましては、無縁故者の住宅というものは、政府の関係でありますから毒北海道庁には相当多数の家を割り当てております。
○小西(英)委員 どのくらい割り当てておりますか。
○田邊政府委員 樺太の無縁故引揚者の住宅としましては、北海道だけですと、ちよつと資料を今時ち合せておりませんが、総括して新築だけで約五千戸近くの住宅を建てております。それから転用住宅としましては、六百五十戸ばかり建設しております。来年度も、同様な住宅の建設を進めて行きたいと考えております。集団入植につきましては、やはり北海道が一番多いのであります。従つて入植されます方の住宅につきましても、無縁故者住宅をもつて入植される方の入植地に建てて、その方々の入植に資するということになつております。予算的措置は厚生省でとつております予算の中から、さいてやつております。これは本来から申しますれば、入植者の住宅でありますので、農林省の方で処置しなければならぬはずであるかと思いますけれども、農林省の方でなかなか予算が措置できない関係もありまして、二十四年度では厚生省の無縁故者の住宅をそちらの方に充てまして、転用したような実情になつております。しかし、これは民生部があくまでも建てまして、市町村あるいは民生部の系統で建てて、それを定着の者に活用するということになつております。
○受田委員 今までの函館引揚援護局を廃止して、今度帰つて来る者は舞鶴一本になるのでありますが、佐世保の問題はどうなつておりますか。それから途中で密航して中共地区などからもとつて来たような者――この間も汽車の中で密航した帰還者が、裸で一晩ふるえておつたのを見ました。それは山陽線で、たしか小倉の人間だつたのですが、こちらで何か相当なものをもらつて帰与しなに、寝ておる間にすつかり全部とられた者があつたのです。そういう密航して来る者が相当あると思うのですが、こういう者に対する対策ほ、厚生省として、どういうふうに考えておりますか。
○田邊政府委員 佐世保援護局、舞鶴援護局で第一番に受入れるほかに、いろいろ検疫港に入港せられる方がございます。その場合、検疫所の方に私どもがよく連絡いたしまして、そこで上陸者の方を舞鶴か佐世保に近い方でありますれば、そこで援護手続を済ませてお帰りいただく、もし遠い方の宇品とかそういうものに対しましては、あらかじめそういうところに物資その他の援護の手はずをととのえておきまして、そこで援護の手続を済ませてお帰りいただくということにいたしております。
○並木委員 議事進行について――今日は外務関係の引揚げの方で、政府委員が来ることを期待しておつたのですが、見えなかつたのは残念であります。三月にもなれば、また一船引揚者が入つて来るじやないかという報道もあつたので、そういうふうな情報を尋ねたかつたのですが、何かこの点、委員長として聞き及ばれたことがあるかどうか。またちようど援護庁の田邊局長もおられますが、援護庁関係は、何か三月になつて引揚船が入つたら準備をするというような点から、情報があるかどうか、その点をお尋ねします。それからもう一つは、委員会の事務ですが、委員会が開かれるときにはぜひ電報なり通知なりを、習慣的にきめていただきたいと思う。ある日には、通知をもらうと非常にいいのですが、それが途切れると、われわれもないのかと思つていますけれども、朝新聞を見ると、今日急に開かれる。公報が遅く来る日もあり、また委員の方によつては、午前中用があつて、どうしてもそつちにまわらなければならぬけれども、委員会があるならば出て来るという方でも、前ぶれがないために、つい出て来られない方もあると思います。大事な委員会ですから、ひとつ日にちをきめたら、とたんに各委員に電報を打つていただくようにしていただいたらけつこうであります。
○中山委員長 大体今までのところ、木曜日あたりに開いております。と申しますのは、私外務委員をやつておりますので、水曜日は何でありますが、その目が御都合があるという御申出があれば、ほかの日にかえております。大体木曜日を例としてやつているような次第でございます。 ただいまの、この次の引揚船はどうかという問題でございますが、それはこの前、私が二月九日に舞鶴に参りました時分に、高砂丸の船長に伺つたことでございますが、カラカンダの方にいた五百名の人たちが、ナホトカまで来るはずであつたのが、それが遅れたために間に合わなかつた。それでこの人たちが帰る予定が、あるいは二月の末、あるいは三月の初めになるだろう。向うの輸送指揮官のソビエト側の人が言うたら、それから大体十日ぐらい遅れてこれまで実現して来ているというので、そのお方が、そういう発言をナホトカでされたそうでありますから、三月の十日ぐらいにまた朗報を與えられるのじやないかと思つて期待しております。昨日外務大臣のところへ伺いまして、受田先生の御要望もございますし、お出ましなかつたら、ぜひ七十一條を実行していただくようにしたいとまで仰せになつているのだからぜひおいでを願いたいと申入れをしておきました。今日は来られないかもしれませんあるいはこの次もいろいろ予定があるから、どうかわかりませんけれども、できるだけ、ぜひ一度は来ていただきたいということを、私昨日やかましく申し上げて来たわけでございますから、そのうちに、また私も繰返して申入れいたしたいと思います。またぜひ一度はここにお出まし願いたいと思います。そういう経過でございますので、御了承を願います。
○田邊政府委員 ただいま委員長からお話になつたのでありますが、公式には何の情報もございません。引揚者等からの情報を総合いたしますと、三月ないし五月に開始になるのではないかというプライベートの情報であります。そういう情報はございますか、公式には何らございません。
○小西(英)委員 この委員会のたびに、引揚げのことについては全日本の人が刻々にかわる情勢を知りたいと思つておる。かわつてなくても、中共地区の現状は従前の通りであるとか、あるいはロシヤ地区の状況はこの前には人が一万ほどしか残つておらなかつたが、報告によるとまたかわつているというような報告を、こちらから求めなくても、一応適当な方法で御発表あらんことを切望しておきます。
○中山委員長 こういう重大な時期でございますので、どなた様もいろいろとお忙しゆうございましようけれども、ただいま申出がございましたように、期日を早めにしていただきますので、どうぞ御出席のほどを切にお願いしておきます。どうぞ今日御出席のない方にお出会いでございましたら、皆様方の方からもお話願いたいと思います。
○受田委員 最近外交問題などで、政府筋の人が、よほど遠慮しておられるところがあると思う。ここべ来られるのが何だかつらいのじやないかと思うのですが、委員会などで発言することに対して、そうびくくしないで、堂堂と信念を披瀝してもらいたい。ところが、吉田さんがああいう調子で発言を控えるということになると、この委員会は精彩のないことになる。われわれのほんとうの叫びに、政府が協力してくれるようでなければいかぬと思う。それでありますから、進んで関係の者を呼んでいただき、特に私は向うにおける捕虜の取扱いに対して、一九二九年のジュネーヴでつくられた捕虜に関する條約の適用が、占領下における日本にはどういうふうに扱われかという問題についても條約局長にお尋ねしてみたい。この委員会は党派を越えた委員会であるという強い意義を持たせてもらつて、吉田さんにも強くその点を委員長から伝えていただきたい。引揚特別委員会というものがあるんだ、引揚特別委員会は超党派的な人道的な大事な委員会だということを、総理みずからがもつと考えてくれぬと困る。この委員会の存在さえも、あの人はあまり認めておらないと思うから、あなたの立場から特別に頼んで、関係各省の政府委員が勇敢に答弁してくれるようなくせがつくように――何かゆだんして発言を誤ると、ぱつさり首になるという不安がみなぎつておるということも聞いておりますから、この占も堂々とやつてもらうように希望いたします。
○中山委員長 それでは本日はこの程度にしておきまして、散会いたします。 午後零時五十五分散会