海外同胞引揚に関する特別委員会 第7号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1950/02/16
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。同胞引揚に関 先般委員会の決定に従いまして、受田委員、天野委員、私と三人で舞鶴に行つて参りました。僭越ではございますが、その状況を私から御報告させていただきます。 去る二月八日より、天野、受田両委員とともに、本年二度目のシベリア引揚船高砂丸に引揚者を出迎え、抑留者の状況を重点的に調査いたして参りましたので、その結果を簡単に御報告いたします。 高砂丸は二月八日午後八時ごろ舞鶴港に帰港、引揚者は同夜船中に一泊、九日早朝検疫を済ませ、午前十時患者三十九名を皮切りに、日の丸組、左派の順で故国に上陸を開始いたしました。左右対立が少しあつたのみで、いろいろと懸念されました引揚げの状況も、諸般の手続は滞りなく済みまして、同日午後五時半ごろ全員上陸が完了いたしました。今回の引揚者は、ハバロフスク、カラカンダ、ウラジオ、ウオロシロフ抑留の元陸軍軍人二千三十一名、一般邦人男子百七十二名計二千二百三名で、高砂丸配船時に予定されておりました引揚人員二千五百名に満たなかつたのは、今度の引揚実施までに二千五百名が集結できませんでしたので、急にナホトカの勤務員までも加えて、ようやく二千二百三名をまとめて帰還させたのは明らかでございます。 また今次引揚者の大部分は、大体冬季輸送可能なシベリア鉄道沿線地区や、カラカンダ地区等の一般収容所かする特別委員ら集結して来たものでございまして、この他の地区の特殊収容所や、冬季交通不能の極北地区にあります収容所からの直接帰還者はございませんでした。 さらに残留者に関する戦犯及び前職関係の調査をいたしました結果、昨年春ごろより急速にこの種の調査は進められ、ことに昨秋ごろから取調べは全地域を統一されるようになり、従つて収容所は従来の作業本位から調査本位に移行しつつあるという結論を得ました。特に今問題といたしますのは、相当数に上ると考えられます受刑者の満刑、釈放後の措置でございます。これらの人々は、釈放のとき若干の金銭、旅行証明が與えられ、指定地へ行くよう命ぜられますだけで、爾後食糧を得るためには、市民権を獲得せねばなりませず、市民権を得れば帰国を断念せざるを得ないという状況にて、遂に食を他人に乞いつつ彷徨するという状態に陷つている模様でございます。これらの満刑者に対します緊急措置を、真剣に講ずる必要がございますことを痛感いたしました。そこで今後の帰還輸送の見通しでございますが、高砂丸船長その他の引揚者の言を総合いたしますと、さしあたりカラカンダ地区よりナホトカに集結中の約五百人その他を主体とするもので、その帰還時期も遠くはないものと予期されます。さらにその後陸上交通事情緩和後の集結部隊、調査終了の戦犯容疑者、証人等が逐次帰還することが予想されます。これを受入れますナホトカ港は、その結氷季に際しましても、高砂丸がやすやすと港に着くことができ、今後の港の状況に対しましても、これから引揚げを継続するというようなことにつきましても、艦長の言、あるいはその他乗組船員の一言によりまして、可能だというはつきりした結論が出ましたことは、何といたしましても、喜ぶべきことでございます。 次に調査を残留同胞数の把握に進めてみましたのでございますが、終戰直後入ソいたしました人員、死亡者等の把握は困難でございまして死亡者数を徹底的に把握するためには、今後ともに力を注がねば、悔いを後に残す結末となりますことを、痛感いたしました次第でございます。中共地区の生存者、死亡者につきましても、同様のことが言えると思います。以上の結果からいたしまして、きわめて複雑な様相を呈しています状況から、特に満刑者に対します緊急措置を、真剣に政府は講じなければなりません。また今後残留同胞の帰還を実現いたしますには、全国民起つて世界の正義に訴え、世論喚起に努めねばなりませず、死亡者、状況不明者を明らかにするために、調査当局を強く鞭撻いたしますとともに、今なお異国の地に残留を余儀なくされています同胞と、帰還を待ちわびていられます留守家族のために、さらに一段の御努力と御奮闘を皆様方にお願いをいたしまして、この報告を終らせていただきます。なお今次引揚者より適当な人を選びまして、本委員会に喚問いたし、さらに詳細なる実情を調査いたし、もつて今後委員会運営の一助といたしたいと考えおります。
○中山委員長 次に長野県における在外同胞帰還促進家族連盟委員長の帰還促進運動に関する放送拒否事件について、参考人金星三次氏より事情を聴取いたします。
○金星参考人 委員長の御指名によりまして。過般の長野県在外同胞帰還促進家族連盟委員長島立氏に帰還促進に関する放送をしていただかなかつた経過について申し上げたいと存じますが、その前に御了解を得ておきたいことがあるのであります。一つは編集権の問題でありまして、これは賢明なる皆様の、すでに御承知のことと思いまので、詳しくは申し上げませんが、要は放送の編集権は放送局にあつて、出た電波の内容については、放送局が責任を持つということであります。しからば、この編集権は、何を基準に運用しているかと申しますると、これがつまりラジオ・コードであります。NHKが全国民的な基盤に立つ公共放送の機関としてある以上、当然これに編集方針とその限界というものがありますことは、皆さん御承知だろうと思います。念のために申し上げますと、第一には連合軍から示された放送基準があります。これは一九四五年九月二十二日連合軍最高司令部から日本に與うる放送準則と題して、日本政府に交付された覚書であります。次はNHK自体がきめた自律基準であります。このうちから本件に関する準則を申し上げておきたいと思います。 連合軍から示された日本に與うる放送準則の三の、情報及び教養番組の項に、講演等は下記各項に合致せるものたるべしとありまして、それのAに、「資料は厳密に事実に即すべく、かつすべての解釈及び編集に事実に基くべし」、Bに「資料は宣伝的なるものたるべからず」、Cは省略いたします。Dに「連合国相互間の関係に有害なりと解釈し得るか、ないしは連合国中の一国に汚名を與うるがごとき資料は使用すべからず」、こういうラジオ・コードがあるわけでございます。これだけ前提を申し上げて本論に入りたいと思います。 二十四年十一月十二日、土曜日でありますが、長野県在外同胞帰還促進家族連盟委員長の島立廣次氏外十四名が局にお見えになり、引揚促進について放送したいというお申込みがあつたのであります。そのときに放送局といたしましては、これは国際問題にもわたるだろうから、厳密な事実に即した資料でもつて愼重にやつていただきたい、ある一国をいたずらに刺激するようなことのないようにしていただきたいということを申したのであります。長野県には現在長野放送局と松本放送局がありまして、南北をわけて放送を受持つておりますが、この問題は全県下の問題であるので、全県下に聞かせる必要もあるから、県の時間に織り込みたい、県の時間は月曜日と木曜日になつておりますが、これだと長野放送局のを松本放送局も無條件に受入れるわけです。こういうわけだから長野県の放送委員会に提案していただいて、そこで採択するようにしたいから、当日の放送委員会には、在外同胞の帰還促進連盟の責任者の方もおいで願いたい、かように申し上げたわけであります。 それから二十四年十一月二十一日、月曜日でありますが、県庁において放送委員会が開催されました。そこで長野県の厚生課から引揚同胞愛の運動週間実施に加え、放送したいというお申出があつたわけであります。そこで在外同胞帰還促進家族連盟から放送の申込みを受けているし、両方出す時間は今のところないから、しかも関連性がある問題であるから、島立委員長に来る十二月十二日にやつてもらうことにりる、こういうことになりました。但し、そのときに特に注意していただきたいのは、事実に即した客観性のある資料でやつていただきたい。ことに国際問題にわたる場合は、特に愼重にお願いいたしたい。それから原稿は十一月末までに提出願いたい。これは訂正の余裕とか、そういうものを見まして、そう申したのであります。それからその次には、原稿の内容を訂正するかもわからないし、また訂正の日時のない場合、あるいは不適当と認めた場合は、放送を中止することもあるかもしれない、こう申し上げました。なおその際に厚生課の方からは、できれば別の提案の引揚同胞愛の運動と関連させてほしいから、島立氏の了解を得れば、この内容も盛り込んでもらいたい、こういう希望があつたわけであります。そうしましたところが、当日委員会には在外同胞帰還促進家族連盟の責任者の方が、残念ながらおいで願えなかつたことがわかりましたし、しかも前に申し上げましたように、厚生課の希望もありまして、県の厚生課の方からこのことを島立氏に連絡してもらうことにしたのであります。 その後原稿の提出がなくて、十二月三日にも、厚生課に放送原稿を早く出していただきたい、こうお願いしておつたのであります。十二月六日に厚生課経由、放送委員会事務局の中村主事から原稿がもたらされたのでありますが、その原稿を拝見いたしまして感じたことは、非常に激越な言葉を使い、煽動的、刺激的な言葉で充満しておるということ、それから未帰還同胞の数の相違ということ、あるいはソ連及び中共の非人道的行為ということを断定的に強く言い切つておられ、ソ連に強い刺激を與える内容であつたのであります。この点につきましては、一部の引揚者の談話その他によりまして、一般にはよく言われておることでありますが、しかし放送局としては、前述のラジオ・コードの関係もありますし、漠然としたことでは放送していただけないのであります。そこで確実な資料はないかといろいろ調べてみましたが、数の問題につきましては、昨年五月二十日のタス通信の、ソ連当局の送還者は九万五千であるという発表に対しまして、総司令部当局がAP記者に、この数字は四十万八千余の食い違いがあるということを言つておられまの衆議院の大蔵委員会において、矢野厚生次官が未帰還者数については、日本政府としても各県を単位に未帰還者の調査を進めているが、今のところ発表の段階ではない、こういう答弁もされておるのであります。数の相違やソ連の非人道的行為ということについて、公式の声明が行われたのは、十二月二十一日の例の対日理事会の席上におけるシーボルト議長のステートメントによつてこの内容がある程度資料づけられたのではないか、かように思つております。そこでこの日時が問題になるのでありまして、島立氏の原稿が提出されたのはちようど十二月六日であり、島立氏の原稿にあるその字句の激越な点は別といたしましても、ソ連の非人道的行為とか何とかいうものに対する確実な裏づけもなく、これはいたずらにソ連を刺激するということになりはしないか、かように存じまして、この原稿のままでは、現段階においてはラジオ・コードに抵触するものがある、かような見解に達したのであります。 そこで放送局といたしましては、その処置といたしまして、次のような方針をとることにしたのであります。ジオ・コードに抵触しないように、確実な資料に基いて、しかもその内容もソ連を刺激しないように、大きな線で帰還促進という問題を取扱うように字句を修正してもらうこと。しかしこのことはすでに日時の関係もありますので、万全を期して帰還促進の問題に愛の運動をも含めた内容において、県において原稿を作成しておく、それによつて島立氏に放送してもらいたい、こういうことにしたのであります。二十四年十二月九日に厚生課の徳武主事が諏訪市に出張されまして、放送局の意向を伝えましたところが、島立氏は自分の一存では決定しかねるから、下伊那の林氏と相談の上、回答する旨を約束させたのであります。同夜帰庁した徳武主事は、翌十日朝になりまして島立氏から、連盟としてはあくまでも連盟において作成せる原稿によらなければ放送しない、こういう返事があつたということを、放送局へ知らせて来たのであります。やむなく放送局におきましては、かねて県で作成した原稿により、長野県引揚同胞愛の運動協議会の副会長の上倉藤一氏に放送していただいたのであります。 以上のように、放送局は引揚げ促進についての放送を拒否したというわけでなく、ただ島立氏がラジオ・コードにのつとつた放送をしていただけなかつたことは残念だつたわけであります。このことは上倉氏の放送原稿を見ていただいてもわかることでありますが、これは別の問題になりますから、省略させていただきます。私としては島立氏に放送していただけなかつたことは残念でありますが、何か長野県の皆さんに、それが新聞記事になつたりしまして、引揚げ問題について放送局が無理解のような印象を與えなかつたかということを、非常に心配いたしておる次第です。この意味におきまして、本日ことに衆議院の海外同胞引揚げに関する当委員会からお招きを受けたことを非常に光栄に、かつまた欣快に存じておる次第でございます。どうもありがとうございました。
○中山委員長 何か御質問の方がおありでしたら…
○堤委員 いまいただきました島立さんの名前になつている原稿は、あなたが文句を言われたものですか。
○金星参考人 どういうものを……
○堤委員 この訴うるというようなことが書いてある……
○金星参考人 そうだろうと思います。
○堤委員 これはお直しにならない原文でしようか。
○金星参考人 そうでございます。
○堤委員 あなたの方では、はつきりと箇所を指摘しておるのですか。
○金星参考人 全体について字句の修正もありますし、内容的に非常に断定的に言つておりますので、全般に通じてであります。
○堤委員 この箇所、この箇所という指定はなさらなかつたのですか。
○金星参考人 そうです。そういう委員長ともあろう方に、そういうことを言うのは失礼であると思いますし、全般的にやわらかく、あまり刺激しないようにやつていただきたいということをお願い申し上げたのです。
○堤委員 もう一つお尋ねしますが、私がぼんやりしていたかもしれませんが、あなたと島立さんと愛の運動の放送をなさつた方と、三人で御懇談などなさつたようなことはありませんか。
○金星参考人 ありません。
○堤委員 その間放送局として、この方の放送を断るについて、島立さんに了承してもらうのに、少し遺憾な点があつたという御反省はないですか。
○金星参考人 その点は思つております。放送局から人をやつて断ればよかつたと思つております。県の方の人に行つてもらつて、それだけであれをしたということは、私どもとしても非常に反省しております。
○堤委員 先ほどからあなたの御報告を承つておりまして、私としては、もう少しかゆいところに手の届くような断り方なら断り方、また訂正なら訂正の箇所を示して、御親切な御指導があつた方がよかつたと思います。
○金星参考人 そういう点があろうと思いまして、実は原稿を十一月中に出していただきたいということを申し上げておつたのです。十一月中に出していただけば、その間に時日もありますし、十分に御懇談もできたと思つております。
○堤委員 向うの方にも落度がありますね。おそく出したのですから、島立さんの方にも……
○金星参考人 初めにお願いしたようにやつていただけなかつたのは、残念だと思います。
○堤委員 まだ引揚げは完了しておりませんから、たとえばわれわれが地方に帰りましたときに、その地区において海外同胞引揚委員会の委員の一人として放送いたします場合に一この年末の委員会でもいろいろ申合せがあつたのですが、刺激する言葉とかあるいは占領軍のある一国に対しての激越な言葉は、極力避けなければいけないのですが、衆議院の本会議におきましても、相当第六国会の終りころから、いろいろな具体的な言葉を使つております。その辺は放送局の方でも少し御認識が足りなかつたのではないかと思いますが、その点あなたは今どういうふうに思つておりますか。
○金星参考人 その点については、これは議会は言論自由の府でありますが、私の方はやはり限界があるわけであります。さつきも申し上げたように、ラジオ・コードというものがありまして、確実な資料に基いたものであれば、それは放送していただいてもけつこうでありますが、しかしなるべく刺激的な言葉は愼んでいただきたい、かように思つておるわけであります。
○堤委員 そうすると、あなたの方で放送の原案を持つて行かれますと、あなたの管内で、つまり関係筋が一々目を通すのですか。
○金星参考人 放送局で目を通します。
○堤委員 あなたの方が一任されていて、あなたの方で見たのを、さらに関係筋にお渡しになることはないのですね。
○金星参考人 全部われわれの方で責任を持つてやつております。悪ければ、向うからいけなかつたというあれを受けるわけです。
○堤委員 それで長野放送局として、皆さん御協議の結果、そういうことになつたと思うのですが、その後この島立さんとあなた方の方で、たとえば、私たちの方にこういう申立があつたのですが、その間ここへあなたがおいでになる前に、長野放送局と島立さん、この間に何か問答なり、この放送をされなかつたことについての、あとのお話をなさいましたでしまうか。
○金星参考人 それは県の方の徳武主事の話によりますれば島立さんも了解しておられた、こういうことを聞いておりましたが、突然新聞記者が参りまして、向うの方でお騒ぎになつているということを聞いたわけです。私としましては、一応島立氏がどういう理由でこれを断つたかということをお聞きくださるために、お越しくださるなり、あるいは引揚者の促進大会に私をお呼びくださるなりしていただけば、非常によかつたのじやないかと思つております。しかしいろいろ新聞にも出たりしましたので、その後新聞によつて知つただけでありまして、直接には一度もございませんでした。
○堤委員 引続いてお尋ねいたしますが、私非常な遺憾なことだと思います。われわれはいかなる立場にあろうとも、引揚げ促進については、人道的な立場からやらなければならないというこの問題に対して、少くともこうした不祥事を長野県下で起されたということにつきましては、放送局側にも責任がある。なおまたこの委員会の方にも、少し行き過ぎがあつたのではないかというふうに考えるのであります。結局のところ引揚げ促進運動につきましては、支障を来すわけであります。この問題につきまして、あなたの方で感情的な対立だとか、いろいろなことを、この委員会との間に、今日なお、なさつているじやないかという危惧を持つわけです。その処置について、やはり私たちは今後のために処置を願うわけでありますが、それはどうなつておりますか。 さらにもう一つ、あなたの長野放送局においておとりになつた、この島立氏の放送中止の件につきまして、中央放送局が、いかなる態度を長野放送局に対してとつたかという問題を、ちよつと承りたいと思います。
○金星参考人 その点につきましては、NHK本部には、一応こちらの見解をつけて送つたわけであります。長野放送局の処置は妥当である、これはどこへ行つても出せない、こういうNHKとしての見解なのであります。島立氏との話合いはないので、今後同じように、みんなが引揚げ促進については思つているのでございますから、よく話合いをしたいと思います。島立氏にしても、断つてけしからぬといつて騒ぎ立てるよりも、それを一応何かお話の機会をお與えくださる方が、いいんじやないかと思うのです。私はやはり請願されてやつておられるものに対して、こちらからまた行つたところで、これは何か公開の席でやられるのがこわくて、事前運動をやつたというふうにとられるのも心外だと思つて、私の方からも実は連絡をとらなかつたわけであります。
○堤委員 くどいようでございますが、要するに引揚げ促進をしなければならないのでございますから、もう少し突つ込んだ処置を、長野放送局が委員会との間にしていただきたいという希望をつけておきます。 それから今おつしやいましたところの、あなたの方の処置に対する中央放送局の見解は、長野放送局の見解が妥当であるという断を、いつ下しましたか。
○金星参考人 もうそれはずつと前でございます。
○堤委員 それを島立氏の方は知つておられるのでございますか。
○金星参考人 御存じないかどうか、それはわかりません。
○堤委員 それば今日あなたにこの委員会に来ていただいて、私どもの前でこういう御報告をなさるについて、中央放送局の方では、あなたに対してどういうことを申しておりますか。
○金星参考人 その事情をはつきり申し上げて来てくれ、こういうことでございます。
○小川(平)委員 お話を承りますと、激越、煽動的、刺激的であるということでありますが、何が激越であるか、何が煽動的であるかということを判定する仕事は、今のお話によれば、まつたく関係筋の指示を個々の場合について受けるようなことではなしに、全面的にあなた方にゆだねられておるということであります。しからばそういう場合に、放送局の当事者の方々といたしましては、ただいまの段階において、どの程度と表現が通常許容されて、人も怪しまずに受取つておる、こういう点について十分御研究をなさる必要が当然あると考えるのであります。たとえば同じ島立氏は、昨年八月の東京における大会において、今問題になつておりまする放送原稿よりも、はるかに激越な激しい調子の演説をいたしまして、これがNHKから全国放送をされておる、こういう事実を御存じかどうか。あるいはまた、これはラジオではありませんけれども、吉田首相がマッカーサー元帥にあてた書簡の中には、たとえば残虐かつ非人道的というような言葉を用いておる。かような表現を用いることが妥当であるとかないとか、私ここで言うわけではございませんが、あの新聞記事は、大きな見出しで全国津々浦々これを読んでいない者はありません。しかも当然のこととして怪しまないでおるような状態です。そういうような、いわばただいまの社会通念の上で、どの程度のことか許されておるかこういう面について十分の御研究を遂げられたかどうかその点を伺いたい、これが第一であります。 それから第二に伺いたいことは、資料に客観性がないというお言葉でありましたが、しからば最近発表された数字は、これは客観性ありとお考えになるか、これが第二の点です。 第三に伺いたいことは、かりに最近の資料をもつて客観性ありとお考えの場合には、もその数字を織り込んだ原稿、そしてその他の点においては、島立氏がかねて御提出をした現在の文章、現在の表現のままで、今後何らかの機会に放送をお許しになるつもりかどうか。これらの点について御意見を伺いたいと思います。
○金星参考人 今の第一の点についてでありますが、その点については、十分こちらも研究をいたしております。それはさきに申し上げた通りであります。 それから第二の客観的な資料と言われましたが、対日理事会のシーボルト議長の発議がありまして、あれを援用されて言われる場合には、私はそのときには、またその男がかわつて来るではないか、かように思つております。 それから同じもので、次に放送させるかどうかという問題につきましては、これは別の問題になりますので、答弁の限りではない。そのときの情勢によりまして、できるだけ引揚げ促進については総括的には話し、また放送していただきたいとは思つております。が、そういう仮定のことについて今ここで御返事いたしかねます。
○小川(平)委員 そうすると、何が刺激的で煽動的かということは、まつたくあなたの主観的な判断にかかるということになるのであります。言うまでもなくこれから引揚げ促進の運動を力強く展開して行くのは、全国各地で留守家族の方々、あるいは関係団体の方方が、最も広汎に頻繁にラジオを利用して行かなければならないわけであります。こういう場合に、いわば切捨て御免的に不当に、自由であるべき言論の機会が奪われるというようなことが今後繰返されることでは、非常に大きな問題だと私は考える。しからば具体的にどこが激越、煽動的な表現なのか。私の考えでは、この程度のことは、さらにどこにでも言われておると思う。しかもラジオにおいても、先ほど申し上げました通り、昨年の八月、もつと強い表現の放送が行われておる。こういう事実に対して、どうお考えかということをもう少し詳細に承りたい。
○金星参考人 昨年の八月にそういう放送が行われたということは、本部でも調べてみましたが、わかりません。こういうものは決して出してないと言つております。
○受田委員 この放送の問題は、現に電通委員会で審議されておる放送法案が通過したあかつきには、解決する問題だ、つまり経営委員会なるものが、ラジオ放送その他に対してもタッチすることになるので、当然経営委員会が最後の責任を持つことになる。今それまでの過程として、放送局が局長の專管としてこれをおきめになるということに対して、言論の自由に対する束縛がある程度行われることは、これは当然起り得る現象だと思う。ところが、その判定をどこに置くかということの客観的情勢などを判断なさる場合に、この問題について、私この前も申したのですが、数字の問題などが、対日理事会のシーボルト議長の声明以前に、すでにこの長野県で取上げておるようですし、それから言葉の上で、少し激越なところがあつたようですが、——これも私個人としては一応認めたのですが、しかしこの帰還促進の運動を大いに展開するためには、こういう放送を通じて、県民の意識を高める必要があると思う。その点で何とかしてこの際、この箇所は何とかなりませんとかいうような御連絡をとられて、もう少し平和裡に放送の言論の自由を促進するようにしていただくことが、放送局の責任だと思つております。この点は、先ほど堤委員の質問のごとく、放送局当局において大きな欠陥があつたのではないか。 もう一つ、このような問題が国会に持ち込まれることは、非常に不愉快なのです。こういう放送局の放送内容までが、一々国会に持ち込まれる、大学の名称について申し込まれる、邦楽科をどうする、または書道をどうするかというようなことまで、行政当局がやつていいようなことを、一々国会が貴重なる審議の過程において、こういう煩瑣なものにとらわれることは、非常に不愉快なのです。しかしそれを持ち込まれる長野県当局は、引揚げ促進に非常に熱意を持つておられるということが言われるのですが、この点も放送局と島立さんのお立場とが、もつと平和裡に解決されることを希望し、これから後もその点についてもつと協力的にやつてもらうことを希望し、いつまでこれが国会の問題になつて、あなたも参考人としてここにおいでになるようなことがないように、何か措置がるはずだと思つておりますが、この点ひとつ。
○金星参考人 私さきにも申しましたように、帰還促進の放送につきましては、実際やつていただきたい、できるだけあれしたいと思つておる。問題につきましても、その後島立氏が放送局においでくださるなり、あるいは私をお呼びくださるならば、ここをこう入れて直していただいて、けりがついた問題ではないかと思うのです。これは実際こういう激越な言葉を使わなくとも、言い表わします方法は、皆さんもよく御存じだろうと、私はかように思つております。
○池見委員 私は少しばかりこまかく尋ねてみたいと考えておりましたけれども、最初に放送局長は、このいわゆる放送原稿というものの処置は、ラジオ・コードによつて行つた、一つの規則によつてこの拒否権を発動したと言つたように考えますから、そういつたものになれば、いわゆるそれを考える人の主観的なものと客観的なものと、二つにわかれる問題であつて、この問題を討論した場合においては、簡単に解決しない問題だと思う。それでありますがゆえに、その点は省略しますが、しかし私は今、少しラジオ・コードの研究をしております。先ほど社会党の議員お二人のお話の中に、最初に発言された場合において、この委員会が本問題を取上げたことは、行き過ぎであるということを、話されたことにつきましては、少なくとも委員会にこの問題が出る以上、各委員の共同責任であるということを考えてもらいたい。 次に、この問題をこの国会に取上げて、いろいろ審議すべき重大問題とすることは、あまりにもおとなげないようなお話がありましたけれども、これは私は、国会には小なる問題といえども、日本全体を動かすところの問題であれば、堂々と取上げなければならないという性格のものもあるし、あるいはきわめて大きな問題であつても、それを国会の審議に持ち出して何ら意味のない問題もある。少くともそういつた点から、この問題は引揚委員会に取上げてもらつて、審議すべきだということを、われわれの責任においてここでやつておる以上、私はそういうことを言うことは、みずからの無責任を暴露しておるものではないかということを言いたい。この引揚げ問題につきましては、今日は私少しく遅れまして、その関係者の一人ですが、非常に出席率が悪いというお話があつたようです。もちろん悪い。悪いけれども、この引揚げ問題というものは、少くとも八千万国民の注視しておる大問題でおる、さらに国際問題も持つておるということであれば、私はこの委員会が行き過ぎた場合には、行き過ぎだと言われるのでありましようが、今日の段階において、決して行き過ぎていないものと考えますがゆえに、私は今放送局の方が、長野県の引揚連盟との交渉の中に手落ちがあり、あるいは足らない点があつたという一つの意思表示をされたことによつて、また長野県の引揚連盟の方々が、それをもつて了承されることによつて、将来行われるでありましようそういつた放送に対するところの中央放送局の取扱い方に、相当の影響があるということを考える。 さらにこの放送原稿の内容が、先ほど同僚の小川君から話がありましたように、非常に過激であり刺激性を持つており、反ソ気分が横溢しておるというようなこと、今にして言わしめるならば、私もこの引揚げ促進運動の陰に、さらに大いなる問題が起りつつあるということを考えるときに今までの国会において討論され、第五、第六国会において決議された、ああいつた決議文から見ましても、池見個人といたしまして私は——、これは見解にもよりますけれども、私は了承するものであるがゆえに、あの原稿を頂戴しておる。そういつた面から結論を申し上げますと、本委員会におきまして、私は行き過ぎでないということをひとつ申し上げておきたい。それと同時に、これは小なるところの一放送局の問題でないということを、重ねて申し上げます。 さらに私といたしましては質問書その他によつてまた要求する場合もあると思いますから、この辺で私の質問を終ります。
○山本(利)委員 委員長にお尋ねいたします。この問題に関しては、今日放送局の方からの御説明を承つたわけでありますが、さらにこの長野県の在外同胞帰還促進家族連盟委員長あるいはその他の方を招いて、その方のお話を聞く予定でありますか。ただ今日のお話を聞いて、この委員会を終るというわけですか。
○中山委員長 この前の委員会におきまして、裁判と申しますれば在廷証人という形で、島立氏が幸いに御列席でありましたので、ひとわたり様子を聞かせていただいたのであります。今日もまたこちらにお越しいただいておりますので、もし島立氏のお話をお聞き取りの御希望ならば、ただいまから島立氏のお話を、もう一度繰返していただいても、さしつかえないと思います。
○小川(平)委員 関連して——今の池見委員の御意見に、私全然賛成でおります。先ほどから承つておると、委員会として行き過ぎるであるというお言葉がございましたが、これは正式に請願がなされておるのでありますから、これに対して、この委員会が何らの措置をも行われないということは、考えられぬことであります。決して行き過ぎとは言えない。 第二に、こんな煩雑な問題を、一々持ち込まれては困るというお言葉ですが、私は決してそうは思わないのであります。引揚げ促進の運動が展開されて行く途上において生起して来るさまざまな障害、一つ一つじやまになる石を取除いて行く、そういうことこそ、この委員会が一番やらなければならない大切な問題である。そういう問題をどけて、何かそれとは別に、偉い代議士が集まつて、もつと高尚な問題をいじくりまわすことが、委員会の最大の意義だともしお考えになつておるならば、非常な間違いじやないかと思うのであります。かような意味において、私はこの問題は非常に大きな、捨てておけない問題だと考えておるのでありますが、一体この問題の大きさをどのくらいに評価しておられるかということを、放送局の方に伺いたい。
○金星参考人 非常に重要な問題であると考えております。
○山本(利)委員 それでは放送局の方にお伺いいたします。私自身は、このプリントをいただいて、すぐ今のようないろいろなお話を聞いたので、さつぱりわからないのでありますが、激越だと思われた箇所を、放送局においては十分御検討の上で、そういう裁断をされたと思います。ここは特別の場所でありますから、その点をこことここがいけないと思つたから、放送させなかつたという点を御発表願つて、われわれの判断の資料にしたいと思います。
○金星参考人 先ほども申し上げましたように、全般的に、そのときの情勢としては激越だつたのであります。ソ連、中共の非人道的行為とか、そういうような点や、ほとんど全般にわたつて、もう少しおおらかな、そうして惻々と胸を打つような表現方法があるのじやないか、かように考えたわけであります。
○受田委員 私の先ほどの発言が、先ほど来問題になつておるようでありますが、私はこの問題で、帰還促進の問題についての熱意を国会が示すことは、非常にけつこうなことであるから、こういうことは、大いにやつてもらいたいということを言うておる。ただ長野の放送局の当局とこの連盟委員長との間における一事務的な交渉、かけひきの上の失敗から、それを国会に持ち込むようなことをしてくれては困る、こういうことを私は先ほど申しておるのです。これを国会が審議することに対する不用意が、当局の間にある。ということは、こういうことを当局が処理しないでおいて、国会に持つて来る。責任をいつでも国会に転嫁する。大体放送内容について、国会が判定を下すというようなことは、これは今後に非常な危険が起ると思う。つまりそうなると、一方の多数を有する党派の方が、いつもこういう放送内容にせよ、こういう判定を下すことによつて、言論の自由に大きな支障が起る。こういうことまで国会に持ち込んで、放送内容を審判するというようなことになつて、多数決でこれがいいんだということになれば、非常に危険である。これは超党派的の委員会であつて、われわれはまつたく政党政派を超越して引揚げ促進をはかつておる。これは請願に出ておるということであるが、この委員会には出ていない。私は正式に請願を見ないからわからないのであるが、この請願がなされたそのときにおいては、多数決で、そのときの多数を有する政党の方で大抵これが可決される。そうなると、こういう線で放送せよということになつて、常に国民の意思は多数党によつて押えられ、言論が独占されるという結果が起ると思う。こういう放送内容にまでタッチして行くということには、私は不賛成です。その点を特に申し上げておきます。私は引揚げ促進の点においては、だれにも劣らない熱意を持つておるのであつて、ただこういう放送内容を審判することに対して、私は危險を感ずるのです。
○池見委員 今の受田委員の御発言は、その通りです。国会が判定するのではないのです。しかし局長が最初に、一つのラジオ・コードでもつて、この放送内容を判定したのだということを言われたから、私個人としては、そのラジオ・コードが、どういつた條件を示しておるか、さらにどういつた点に当るかということの研究は、個人的にするということの意思表示である、結局受田委員の、今のように国会でもつてこの放送内容が、いいか悪いかというようなことの判定を下すということは、よほど考えてやらなければならぬ問題であるということは、同感です。私の発言に対して、そういうふうなことが多少とも考えられはしないかという意味においてこれだけのことを申し上げておきます。
○並木委員 お伺いしますが、本件の取扱いについて、内容に重点を置いて査閲をされたか。形式、つまり表現の言葉づかいに重点を置いて査閲をされたか、どちらでございますか。
○金星参考人 内容と表現と両方でございます。
○並木委員 当事者の間に食い違いが出た場合に、これをうまく処理できない場合がある。こういうときには、ラジオ・コードによつてある程度の権限が放送局に委譲されておるのでございますか、どうですか。
○金星参考人 その点は、放送局は絶対不偏不党、厳正中立でありましてさきにも申し上げましたように、その編集権というものは、今問題になつております放送法案におきましても、第九條において放送番組を編集することとあり、はつきりと編集権は放送局にあるのでございます。 それから、今までは一度もこういう問題は起らなかつたのであります。全部ここをこう直していだたきたいといつて、話合いができたわけであります。今度の場合におきましても、こちらの初めに要望いたしました十一月中にさえ出していただきますれば、その点は十分できたろうと思います。それからもう一つ国会へ請願する前に、島立氏がそのくらい不服であるならば、一言放送局へ不服だということをお申し出くだされば、この問題も国会へ出さずに済んだのじやないか、私はかように存じております。
○並木委員 要するに編集権が放送局にあるということは、新聞社と同じように、放送に対する全責任を編集者が負うという意味になるわけですか。
○金星参考人 そうでございます。
○並木委員 そうすると、あくまで中立でなければ、言論あるいは表現の自由というものを公正に扱うことができない場合があるわけであります。従つて疑問の点、あるいは論争が起きたときには、ラジオ・コードに基いて、一応占領軍つまり連合軍の当局に御意見を求めるといつたような方法を開くべきではないというふうに感ずる。と申しますのは、憲法によつて、検閲ということはわれわれ日本人には認められておらないわけですが、それによつてこれを一種の検閲に準ずるものとみなすこともできるのでありますから、その決裁は、管理されておるところの連合軍司令部方面に対して御意見を求めたらよかつたのじやないかと思うのでありますが、その点いがかですか。
○金星参考人 今検閲がなくなつておりますが、モニターは聞いておられます。非常に重大な問題でありまして、こちらが処置に困る場合には、そうすることもあり得ます。
○並木委員 この問題については、当然その処置をとるべきではなかつたかと私は信ずるのです、いかがですか。
○金星参考人 その点につきましては、さきにも申し上げましたように、こちらの約束の時日を守つていただけなくて、時日がなかつたのでございます。
○並木委員 私ちよつと聞き落としたのかもしりませんが、もう一つお聞きいたします。この放送は、放送局から依頼したのですか、それとも放送される方からの申出によつてやられたのですか、どちらですか。
○金星参考人 これは島立氏の方からお話がありまして、ちようど今時期にかなつたときだから、やつていただこうということになつたわけであります。
○堤委員 議事進行に関してでございますが、この請願がありましたときに、それでは島立氏の方はそうだけれども、長野放送局の言い分を聞いてみようということで、これが進められたと思いますが、今二人ながらおいでになつております。聞くところによりますと、中央放送局のとつた見解は、長野放送局を妥当と認めているような御発言でございましたので、もし中央放送局からおいでになつておりますならば、われわれ委員としても、中央放送局に対して今後のこういうものに対する大体のわくを承らしていただく意味においても、三人ながらここにひとつ並んでいただいて、議事を進めていただいた方が、私はいいのではないかと思うのでございます。
○中山委員長 皆さんいかがでございますか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○中山委員長 速記を始めてください。 前の前だつたと思いますが、小川先生からのお話がありまして、そのとき証人の方たちにお話を聞きましたけれども、委員の御出席が悪うございますのてお聞きにならない方もございますので、今日もお呼び申してございます。NHKの方は、問題にしておりませんでしたものですから——ただそちらは呼出しをかけられて、今すぐというわけにはいかないと思います。だから次の問題としまして、参考人として島立氏にこちらにおすわり願つて、島立氏のお話を一応聞かしていただくことにさせていただきます。
○島立参考人 たいへん貴重な御時間を何回も費して恐縮であります。ただこの問題が、非常に大きく引揚げ促進全般に影響し、われわれが常に寝食を忘れてやつておる問題でありますので、ぜひひとつ皆様にいろいろの過去のいきさつを申し上げて、御判断を願いたいと思うであります。ただいまの金星放送局長さんのお話につきましては、相当事実と違つておるところがありますので、申し上げたいと思います。 私ども長野県の各郡市の代表者が、十一月十日に長野で会議を開きまして、そこで私どもこの引揚げ問題については、今後大きな輿論を起さなければいけないということが各方面から常に言われ、輿論が低調であるから、これを県民各位に訴え、あるいは放送してもらいたいという提案が、ございまして、満場一致決定いたしました。その翌日十一月十一日長野放送局に参りましたところが、長野の放送局においては、それはここへ持つて来る問題ではない、長野の放送委員会で決定して来るところの問題であつて、ここへ持つて来る筋合いではないということで断られました。それでそのとき放送はあまりいろいろな問題にわたらないようにという御注意を受けたわけでありますが、長野県庁にあります放送委員会に参りまして、正式に文書を出して申し込んだわけでございます。その結果として、私ども、もし放送委員会がありましたら、その際には出席したい、そういうことを申し込んで参りましたけれども、私どもには、この放送委員会からの通知もなし、また出ろという話もありませんでした。そこで十一月末、長野県庁の厚生課の徳武事務官から電話がありまして、十二月三日までに放送原稿を十部届けろということでありましたので、私どもは三日までに着くように十部の原稿を県庁に送つたわけであります。そうしたところが、多分七日だと思いましたが、県の方から電話が参りまして、徳武事務官が、放送原稿の問題について打合せがあるから、今日か明日行くがということでしたので、お待ちしておりますということで電話を切つたところが、その翌日徳武事務官が参りまして、この提出された原稿は長野放送局から拒否された。これはいろいろの面においてぐあいが悪いから、放送させられない、こういう話でございました。そこでこれは放送委員会が断つたのか、また長野放送局において断られたのか、そこを念を押しましたときに、長野放送局でこれは断つたものである、放送委員会ではない、私たちはこういうような問題を、八月十日の全国大会におきまして、中共毛澤東主席あてに対する公開懇請状として、大体この程度のものをわれわれが発表したときに、中央放送局の方から参りまして、録音放送を全国へしておる。その他いろいろの面においても、このくらいのことは、今当然私たちとしては言つてさしつかえないというふうに考えておる。私たち毎日のように総司令部その他へ参りまして、いろいろの陳情をいたすときに、もつと強い意味のことを言つても、決してそれに対していけないと言われたことはございません。それで私どもとしては、若干字句とか、そういう点については、言い過ぎるとか、強く表現を表わした点もあるかもしれませんが、そういう点は当然直すべきである。しかしどこが悪いかということは指摘されなかつた。それでは、これについて悪いところがあつたら直す、いけないところは直して放送したいと話をしたところが、これは全面的にいけない、この原稿ならよいといつて、別の愛の運動の原稿を私に見せられたのであります。しかしその原稿は年末愛の運動をやるときにしやべりました援護者が自分の立場に立つていろいろ事業を並べた原稿でございまして、私どもが現在引揚げに非常に苦労しており、また県下の留守家族が毎日心配しております事情を訴えるものは、そこに何もない、全然立場が違つた原稿でございますので、私どもとしては、これを放送するということはどうしてもできない、私はそういうふうに考えたのでございます。この却下されましたところの原稿につきましては、あなたではわからないのであるから、この問題は一応後日に保留する。そうしてこの原稿がいい、悪いについては、さらに私はあらためて配慮して解決することを保留する。そう徳武事務官に、そこではつきりお話を申し上げまして、そうしてこの後者の原稿を放送することにつきましては、提案者の下伊那の代表者に一応連絡をとりまして、その上で返事しよう。そこですぐ下伊那に電話をかけましたけれども、ちようど出ておりまして誰ができませんでしたので、今晩帰つたときにあらためて返事をするから、徳武さんにとまつてもらえないかと言つたら、どうしても帰らなければいけない。それでは今晩県庁の宿直へ返事をしておく、そういうことでおわかれして、提案者と相談した結果、われわれの立場から、それを放送すると、とんでもない間違いができる。それらによつてこの原稿は放送しない方がよろしいと、私と同じような考えを持つておりましたので、その翌日の午前七時に長野へ上電話をかけて断つたわけでございます。 その後私どもの方でもさらに徳武事務官に保留しておりましたところの問題について、解決しようと思つておりましたときに、たまたま十二月の十一日に諏訪市で引揚げ促進に関する長野県民大会が開かれたわけでございます。その席上、この放送を最初提案された下伊那から、さらに提案がありまして、あの放送問題が行き詰まつているという話だが、どういうふうになつているか、その経過を話してもらいたい、そういう提案があつたわけでございます。ちようどその席上、ここにお見えになつております委員の吉川先生、小川先生のお二人も列席されておりまして、私がその経過を申し上げ、さらにその原稿を私たち朗読したわけでございます。そういうときに、あまりそう大したこともできないので——県の宮澤民生部長もそこに列席されまして、その意見も聞いてみましたが、ただ強い原稿だということは聞いていたが、内容は聞かなかつたによつて、いずれ調査してみよう、こういう状態でございました。そこでさらにその当日の提案者は発言せられまして、この問題を吉川、小川両先生にお願いいたしまして、衆議院の特別委員会で審議していただきたい。これはわずかの小さい問題のようでありますけれども、今後の引揚げ促進の全般に関する大きい問題だ、こういう問題は今後全国的にも起つて来るかもしれない。それでぜひこういう問題は取上げて、われわれとしてこの切実な気持を国民に訴えるために、ぜひとももつと理解のある態度を放送局からとつてもらいたい。そういうような意味合いでもつて、その大会において決議されて、特別委員会へ請願することになつたわけでございます。 それでその後におきましても、私ども非常にいろいろのことでせわしくて、ときにより一時は放送局へ出て参りまして、そういうことについてお伺いしたいと思つておりましたが、そういうような時間もなし、またたまたま新聞に出れば、放送局側の意見としても、全然われわれと考えを異にしたような発表をされておるわけでございます。あるいは国際問題に関連しておるによつて、絶対出せないとか、数を言うことは国際問題であるとかいうことを、常に新聞に発表されておるわけでございます。それから先ほど局長さんのお話のうちに、ソ連が非人道的であるということを申されましたが、私の原稿には、決してソ連に対して非人道的であるということは書いてありません。ただ中共に対して非人道的だということは書いてございます。それはあの中共の態度は、あの可憐な婦女子をつかまえて抑留させておる。あれはどこへ出しても非人道的であると申し上げて決して過言でない。そういうふうに考えて、今でも中共に対する非人道的という言葉は、言つてさしつかえないものであると私は考えております。 大体の経過はただいま申し上げたような事情でございますが、なおこれについて御質問がございましたならば申し上げたいと思います。
○堤委員 今島立氏は、衆議院の海外同胞引揚特別委員会に請願を出すようにしてもらつたとおつしやいましたね。
○島立参考人 そうでございます。
○堤委員 今のお話では違うようでございますが、どうでございましようか。
○中山委員長 請願は出ました。小川先生を通じて手続してございます。
○堤委員 わかりました。それでは島立氏に引き続お尋ねいたします。先ほど長野放送局長のお話では、中央放送局では妥当と認めておるとおつしやいますから——まだ私たちは中央放送局に伺つておりませんからわかりませんが、大体においてこれが中央放送局の方針であるということはおわかりになつたと思います。私は長野放送局長さんの立場としては、むりもないと思いますが、長野放送局長さんが今おつしやつたように、幾分手落ちがあつた、こうした問題がこうした方面にまで進展して来ることについては、私の方に手落ちがあつたというような自己反省があつたわけでありますが、島立氏自身の御見解は、今に至るも、なおこれが私のとつた最上の策であつた、ここへ持つて来るまでに、放送局長との間において個人的な話合いとか、もう少し平和的に解決のできるような御反省があるかないかということを、ちよつと聞かせていただきたいと思います。
○島立参考人 ただいまのお話でございますが、反省と申しますか、今局長さんのお話を聞きますと、局長さんの方にも、むりのないところだということも了解できる点があるわけでございます。なぜかと申しますと、中に県の厚生課が入つておりまして、局長さんの方では十一月中に原稿を出せと言つたのが、私の方に来たのは十二月三日までに原稿を出せと言つてある。さらに原稿が返されて来たときには、それが十二月の八日であり九日であつた。そういうことになりますと、技術上の問題から行きましても、懇談交渉の間がなかつた。こういうことが実際の問題ではないかと私も思うわけでございます。そうしますと、私どもの方としても、どこまでも感情的な気持でこれをやつて行くとか、そういう気持はないのでございますが、要するに私どもとしては、今何をおいても頭にあることは、帰還促進以外に何もないのです。われわれはこのせつぱ詰まつた帰還促進を命をかけてやつております。この間もソ連大使館の前にすわり込んで、われわれは自動車にひかれても何されてもかまわない、二日も三日もぶち込まれるつもりで衷情を訴えたわけであります。この切実な血の出るような気持は、おそらく放送局長さんにもわかつてもらえるのではないか。幾年も、断食をしてまで、昭和二十年から今日まで私どもがこの運動を続けて来た径路を顧みたときに、ほんとうに泣いても泣ききれない気持があるわけであります。堤先生などにも、たいへん御迷惑をお願いし、また国会の皆さんに対しても、あれだけ失礼な言葉まで出るということも、ほんとうにこの家族の熱烈な気持以外に何もないわけでございます。そういう点からいつても、今後私どもの目的とするところは、われわれは最も御理解を持つてくださつているところの特別委員会の方方が、ぜひひとつこういう問題を御了解くださつて、何とかそのお力で、こういう放送をするようなことに対して、機会を與えられるとともに、少しぐらいそういうことがあつたとしても、ここを直せあそこを直せというようなことで、放送できるようにお願いいたしたい。われわれにはこれ以外には何もないわけでございます。そういう点から言いまして、私は放送局長さんの責任を追究するとか何とかいうことでなしに、今後こういう問題がスムーズに放送され、少しでも輿論喚起のためになるように、ただこれ以外にないのでありまして、どこまでも態度がいいとか悪いとかいうことは、私たちは考えていないのであります。
○堤委員 これは私非常に失礼な言葉かもしれませんが、島立さんが委員長として、長野県下で非常に御活躍になつていることは存じておりますし、今後もあなたの気持をそぐようなことをいたす気持はございませんが、ただ引揚げ促進に熱心であるだけではいけない。ここで御反省願いたいことは、県の厚生課とあなたの方とは、うまく行つているかどうかというようなことも、ひとつ御反省願いたいと私は思う。それでこの市外同胞だけの問題でなしに、遺家族の問題にしても、ずいぶん行き過ぎて、熱心のあまり地方できらわれている場合が多いのです。そういうことが影響して、この放送拒否にも行つたのではないかという臆測も、われわれはするわけであります。御熱心でおやりになつていることが、かえつて熱心のあまり県の厚生課や県の方方から、逆にきらわれるというような行き過ぎた行動が、今までないこともないと私は思います。そういう点御反省を願つて、今受田さんのおつしやつたことは、あなたと放送局長との手の抜けておつたところを相補つてお話合いになれば、この委員会においてわれわれがこれを承らなくても、片がつくではないかというようなお気持で、これをここに持ち出されたのは問題としては小さかつたと私は思うのであります。あくまでも、やはり促進連が県民に愛されて促進のためにポイントになつていただかなければなりませんから、その点島立氏も、いちずに放送局を責めたり、県の厚生課を責めたりなさらないで、平和裡にこれをひとつ解決していただいて、そうしてわれわれ委員会としては、先ほども中央放送局の御見解を承るということになつておりますから、中央放送局は、今後引揚げ促進について、放送のわくをどういうふうに考えているか、その正しいものをわれわれが聞いて、そうして皆さん方院外の方に連絡をとつて、帰還促進運動をやつて行くというのであれば、この委員会の趣旨にも合うのではないかと思います。そういうふうに持つて行つていただきたいと思いますが、どうしてもだめでしようか。
○島立参考人 そういうことはないわけでございます。
○吉川委員 この委員会にこの問題を持ち込んだのは、小川委員と私で、たいへん皆さんに御迷惑をかけて恐縮に存じますが、先ほどからも同僚議員の各位からお話がありました通りに、これは全国的に影響を及ぼす重大な問題でございますし、それから私どもの委員会でこの放送局の措置がいいとか悪いとかいうことは論議すべき問題ではないと思う。ただ私たちの委員会においては、放送局のその考え方が、われわれの考えなければならないところの引揚げ促進にどういう影響を及ぼすかという問題を究明して、今後の対策を考えなければならぬと思う。そういう意味において、この問題はきわめて重要な問題でありますので、各位に御迷惑をかけて恐縮でありますが、どうかひとつ十分御審議をいただいて、今後これが対策を御検討願わなければならないと思います。島立氏と局長との間に十分の連絡がとれなかつたことは、時間的にも私たち想像ができるのであります。しかしこの問題を小川代議士と私とが取上げて、皆さんにひとつ御検討を願おうという気持になつたのは、長野県の大会の際におけるあの大会場の空気であります。集まつた何百人の人々が、この問題に対して、放送局のとられた措置はまことに残念だ、嘆かわしい、何とかしてこの程度のものはひとつ放送させていただいていいのではないか。引揚者がだんだんと帰られて、そして未帰還の方々が少くなればなるほど、この引揚げ促進の運動に熱がさめて来る。こういうときに、放送局にお願いして一般の方の協力を願うためには、この程度のことは決して極端な宣伝でもなければ、あるいは過激な言動でもない。この程度のことは一般県民に訴えて、そして今後の協力態勢を続けて行かなければ、なお残つた人々がいつ帰られるかわからないというあの切実な空気は、私ども見のがすことはできなかつた。それでここまで持ち込んで、ここに御審議を願うことになつたわけでありますが、先ほどから局長さんのお話を伺つておりますと、局長さんのお答えの中にも見受けられましたように、私どもには放送局が非常に官僚的に見えるのです。そして島立氏の言葉に、非常に断定的な独断的なところがあるように言われますけれども、放送局のとられた御措置に、私は非常に独断的なところがあるのではないかと思います。島立氏は、これが生業ではございません。島立さんは家業のかたわら、ほとんど家業を忘れてこの問題に打込んでいられる、私ども涙ぐましい思いさえするのであります。この島立さんが、放送局に一々足を運んで連絡をとるということは、なかなか困難な問題だと思う。放送局の方は、こういう問題をお取上げになつて、これも仕事の一つなのですから、もつと懇切ていねいに手を盡さるべきであつたのではなかろうかと、私たちは見るのです。そこで放送局の方が、愛の問題についてたいへん熱心であられます。これはたいへんけつこうでありますが、援護の問題は、これも重要な問題であります。とにかく未帰還の人々を一日も早く引揚げさせて、八千万国民が、一つ気持になつて日本の再建をやるというようなこの態勢を早く確立することが、私は日本再建の根本的な問題だと思うので、こういう重要な問題に、もう少し放送局の関係各位に御関心を持つていただくということが、急務ではないかと思うのです。放送局の方が、これに関心がないとは申しませんが、私はまだ薄いように考える。そういうことが、結局こちのNHK本部の方も、そのような考え方にさせたのではないかと思うのです。NHK本部の方から、どなたかお見えをいただいて、所信をお伺いしたいとは思いますけれども、しかし長野の局長さんにおいても、この引揚げ問題に対するお考え方が不十分があつたと私たちは思う、そういつたことがこういう問題になつて来たので、今後ひとつもう少し考え方を改めていただく必要があるのではないか。先ほどからお話を伺つていて私は痛感するのです。どうかその点について、局長さんの今後のお考え方を、はつきり伺つておきたいと思います。
○金星参考人 今お話を承りましたが、NHK本部におきましても、引揚げに関する時間をこしらえてやつております。ニュースやその他いろいろな面において、全力をあげてやつております。それから私といたしましても、決して不熱心であつたり認識が足らなかつたり、そういうあれではございません、できるだけやつて行きたいと思つております。これはさつき申し上げますように、ちようど人手の関係やいろいろで、局員があいていなかつたというところに、遺憾の点があるわけでありますが、今の官僚的であるとか何とかおつしやいますのは、私もさつき申しておりましたように、私自身では、決して官僚的であるとは思つておらない。その援護会の席上へも、お呼びくだされば参りますとも言つておりますし、島立さんの方へも、御連絡くださればいつでも時間の許す限り参つて御懇談するつもりでおります。その点十分皆さんの御了解を得ておきたい、かように思つております。
○竹村委員 長野放送局長さんのとられました、いわゆる引揚げに対して熱心であるという根本的な点については、了承するわけであります。また内容に至りましても、放送に対する一つの原則によつて編集権を自分で行使されたということは、問題はないのであります。ただ問題は、島立さんにお伺いしたいのは、先ほどから問題になつておりましたが、前にもこの点でお伺いしたのですが、結局この問題は、県の厚生課を通じて放送委員会とか何とか申されましたが、そういうものの手を通じて大体きめられて、従つて放送局長さんとあなたとの間で、先ほど来皆さんから指摘されている問題でありますけれども、実際において交渉の場面がなかつたという点が、こういう問題を生んだ一つの原因じやないかとわれわれは考えるわけであります。この点について、島立さんとしてはそういう問題については、今後その熱心さをもう一歩進めて、そして直接交渉に当られる御意思があるかどうか、そういう点について欠けたことがあつたとお思いになるかどうか、これをお聞きしたい。
○島立参考人 ただいまの御説は、ごもつともであります。私どももこの問題が起きると、これは非常に重要な問題と考えまして、すぐ長野放送委員会に対して、家族連盟から、その委員会のメンバーにわれわれを加えてもらいたい、こういうことを申し入れたわけであります。それで放送委員会が、これを決定するというお話でありましたので、われわれ直接放送局へいろいろのことを持つて行きましてもだめだ。第一回に参りましたときに、そういうようなことでお断りを受けたわけでありまして、それでは放送委員会のメンバーの中に入りまして、いろいろ懇談を重ねる方法以外にないじやないかということで、文書によつて長野放送委員会あてに、われわれの代表者を一人放送委員会のメンバーに入れていただきたいという陳情もしておりますが、そういうようなことは、私どももともと希望しておるとでございまして、今後も今回のことを契機といたしまして、十分に放送局側へ私的にでも参りまして打合せしてお願いして行きたい、こういうように考えております。 それから、先ほど堤先生からお話のございました中に、厚生課との連絡に欠陥がありはしないかというお話がありましたが、ちようど長野県の知事さんは、私と非常に心安い仲でありまして、われわれの顧問にもなつておられますので何かあつても、常に御相談くださいまして、県との間にそういう欠けたところはなかつたと思います。もし取扱う係の人が、何かの感違いかでそういう手続の違いをやつたかもしれませんが、県との間に、そういうようなことは毛頭ないことをはつきり申し上ます。ことにわれわれの運動に対しましても、長野県は全国に比して、長野県だけの特殊な方法でもつて協力してくれておる場面もあるのでありまして、そういう点は申し上げておきたいと思います。
○中山委員長 さつき保留してある質問をさせていただきます。あなたのお言葉の中には、これと同様の放送の言葉と申しますか、放送文と申しますかが、もう一つの県内の放送局では、確かに放送されるとおつしやつたように聞きましたが。
○島立参考人 そういうのではございません。
○中山委員長 どれだけの違いがございます。
○島立参考人 松本の放送局は、そういうことについてゆるやかである。そういう定評があるし、ごく最近におきまして、十二月一日、ほかの私どもの方の南安曇の委員長の栗林君に対して、何日に引揚げ促進放送をしてもらいたい、十二月に来てやつてもらいたいという文書による通知が来ておるわけであります。それは原稿出せとか、そういうことは言わない。こういうことは今日申し上げるつもりはございませんでしたが、御質問がありましたので申し上げます。
○金星参考人 今島立さんのお話にありましたが、これは放送委員会が決定するのじやなく、放送局が決定するのでございます。放送委員会の性格と申しますると、大体官庁とか団体、そういうものが民主的な一つのあれとして、各方面からいろいろ議題が出て来ますので、各委員に全部集まつていただいて、そこでみな御意見を聞いて、放送局はこれとこれとを採択するから御了承願いたいというように、いわゆるみなに納得していただいて、その放送の問題をきめる、そういう機関でございます。放送委員会が編輯権を持つておるのではありません。その点だけ釈明しておきます。
○冨永委員 海外同胞引揚げ促進の運動につきましては、放送局の考え方なり態度なりが、非常に大きく影響し、重大な関係を持つことは、委員の各位からも、しばしば述べられておるところでございまして、当委員会におきましても、それであればこそ、去年の暮れの理事会におきまして、この問題を取上げ、しかも今日は放送局長、島立委員長、御両氏にもおいでを願つて、それぞれ質疑をいたした次第でございます。先ほど吉川委員からも、委員の諸君には気の毒だというお話がありましたが、われわれはさように考えていない、もちろんこれは、熱心に討議すべき問題だとは考えておるのでございますが、先ほど堤委員から、中央放送局長もこの次には出て来るようにという希望もあつたりいたしておりますので、この問題の扱い方等につきましては、いま一度理事会をお開きになりまして、理事会におきまして、中央放送局長のおいでを願うことやら、またこの問題の取扱い等の結論につきまして、審議をしていただくことにして本日は大体この程度で会議の打切りを願いたいと思います。
○玉置(信)委員 私勘違いをして、非常に遅れて来まして発言することは恐縮ですが、いろいろ質疑応答がかわされたのであろうと思いますので、あるいは重複する問題があるかもしれませんが、私はこの問題についてお伺いし、ただいまの冨永委員の御意見に対しても、私の意見を申し上げたいと思うのです。放送局長がこれを断定するということに至つた理由については、あるいは煽動的であるとか、あるいは数字の点に客観性がない、そういうような考えをあるいは持つておられたのではないかと私想像するのであります。しかしそれは主観、客観の違いでございますから、別といたしまして、従来こうした問題より以上に深刻な問題を、放送局が解説の場合において、いろいろと放送をいたしておる過去の事実から見て、この取扱いが、もし放送局長が客観情勢の点、あるいは煽動的の問題を取上げてこれを拒否したということになりますと、これは相当私は重要な間頭としてやはり取上げ、論議せなければならぬ。従つてこれは簡単に解決できないのじやないか、かように考えるわけであります。従つて根本的な問題を局長から承りまして、ただいま富永さんの御動議の形式のような御意見もありましたが、私は本問題はなお継続して徹底的に審議すべきである、かように思いますので、なお重ねて局長の御意見を承る次第でございます。
○金星参考人 今のお話ですと、これがラジオ・コードに違反してないというようにお考えおきかと思うのでありますが、これは見解の相違じやないかと思つております。これはこちらで十分に検討したものでございます。
○並木委員 放送局長にお伺いします。が、さつききめられた日付までに持つて来れば、こういうトラブルは起らなかつたであろう、こういう御意向の御発言がございました。そこできめられた日付までに持つて来なかつたから、つまり約束通り行かなかつたから、そのことだけの理由で内容をかえたのか、またその日付というものは、非常にこの内容を変更するのに重要性を持つておつたかどうか、その点をお伺いいたします。
○金星参考人 私ちよつとはつきりわからないのでありますが、つまり時日がありますれば、こちらで十分検討して、そうしてお話合いの期間がある、こういうわけだつたのであります。
○並木委員 そうすると、実際にその内容を調べた時間は、どのくらいあつたのですか。つまり私がお伺いしたいのは、どのくらい時間があれば、十分の話合いができたであろう、しかるにもかかわらず、これしか時間がなかつた、こういう点についてお答え願いたいと思います。
○金星参考人 十二日の放送であります。それで出て来たのが六日であります。すぐこちらは内容を検討しました。初めにいろいろな事情があつて、県の厚生課が入つておつたものですから、県の厚生課の方から来いと言うから、こちらから行つてもらつたわけです。
○並木委員 六日間という日数は、普通の場合どうなんですか、適当な日数ではないのですか、非常に短かいのですか。
○金星参考人 これは島立さんのところが大分離れておりまして、そこから来たわけなんです。
○並木委員 その点に対して島立さんの御意見をここでお伺いしておきたいと思います。
○島立参考人 これは中に厚生課が入つておりますので、どうも厚生課の責任になるような問題でございますが、私の方では、三日に出せということを初めに指示せられまして、三日に原稿を出しておるわけで、指定通りの日付に原稿を出しておりますから、私の方の手落ちではないと思つておるのであります。もう一つは、ちようど四日の日が日曜日に当つておりまして、そういう関係で県の方には速達で書類を出しても、三日もかからなければその当該課に渡らないというようなことが往往ありますし、それに日曜日がはさまつておる関係上、私の方では出しておりましても、実際に厚生課に行つたのは六日ごろじやないか。もし御連絡くださるならば、地方事務所の方に電話がありますので、電話一本いただけたらよかつたのでありますが、はなはだ残念なことだと思つております。
○並木委員 これも御参考までに聞いておくのですが、局と局とで内容が違うことはあり得ますね。つまり同じような事柄を扱つても、内容あるいは表現が違うことがあり得る。その場合、各ローカル放送局が單独に責任を負うのですか、それともその放送に対しては、中央の方で一括して責任を負うのかどうか
○金星参考人 ローカルで出したのは、その局の責任でございます。
○並木委員 もう一つお尋ねします。ラジオコードというお話がございましたが、プレス・コードというのは知つておるのですか、残念ながらラジオ・コードは十分研究していないのです。プレス・コードとラジオ・コードを判断する上において、一番違うところはどんなところですか。その一点だけ御説明願いたいと思います。
○金星参考人 私、プレス・コードはあまりよく知りませんが、ラジオ・コードの方はよく存じております。だからどういう違いがあるか、ちよつと申しかねます。
○小川(平)委員 先ほどいろいろ手続上の問題とか、あるいはお互に忙しくて意思の疎通を欠いたとか欠かないとか、あるいはその点について反省の意思ありやとかいうことが問題になつておりますが、そういうことはどうもこの問題の本質とあまり関係のない枝葉末節のことじやないかと思うのであります。先ほどから承つておりますと、放送局長はこの原稿を拒否された際に、どこが悪いかということを指摘なすつておらない。それからこの席上においても、どこが悪いのだとお尋ねしても、全体として悪い、何となく悪いというお答えをしておられる。一体こういうようなやり方は、戦争中の警視庁か何かの検閲係がやつたのと同じで、これは非常に無責任なやり方ではないか。先ほどから、官僚的でないというお答えですけれども、これはどうも考えて見ますと、官僚的と申し上げるのが、一番しつくりする表現のようにしか私には思えない。私は今後この問題が、両方の当事者がお話合いになつて、円満な解決を見ることを切望いたしますけれども、そのきつかけとしては、どうしても放送局長において、具体的にどこがどう悪いということを指摘なさると同時に、御自分のその指摘するという行為については、責任をおとりになるべきじやないか、こう考えるのでありますが、さような御用意があるかどうか。これは大事なことですから、伺いたいと思います。
○金星参考人 その点につきましては、島立さんの方に連絡した内容は、こういうものであります。これは初めにお越しくださつたときも、さつき申し上げたように、十分申し上げておいたわけなんですが、ラジオ・コードに抵触しないように、つまり事実に即した資料に基いて内容はもちろん構成されるし、字句についても、世間をあまり刺戟しないようにおかえ願いたい、こう連絡したのであります。具体的に言えと仰せあるならば……
○小川(平)委員 いやこの場でとは、申し上げてないのであります。
○並木委員 関連していますから、私ちよつと申し上げたいのですが、ただいま手続の問題とか、そういうものは、本件の審議に関係がないという御発言があつたのですが、私はそうじやないのです。本件の審議に関係があるから、いろいろ尋ねておるわけなんです。つまり一定の企画があつて、これこれのものを発表すべきだということの義務が、放送局やら新聞社に負わされているものならば、それはその標準に行つているかどうかということを私たちが審議すれば、行つていなければこれを責めることもできるでしようし、行つていれば問題はないのですが、そうでなく、放送局や新聞社の自主的な責任と判断において発刊され、あるいは発表されるということになつている、ただそれがプレス・コードやラジオ・コードによつて拘束を受けておるまた中央と地方の放送局との責任の帰属の問題があるというような点から考えまして、やはり各放送局が、重大な責任を賃つてやるわけですから、やはりそういうことを一々確かめておきませんと、この内容について私たちが審議するときに、あるいは私自身の独善、あるいは独断に陷ることがないとも保しがたい、こういう点から私は尋ねておつたのですから、ただいまの御発言は、全然関係がないようにおつしやつたが、そうでなく、私の気持は、その前提として重要な部分であるというような意味で発言しておつたということに、御解釈願いたいと思います。
○金星参考人 これは始めにも申し上げましたように、ラジオ・コードというものがあるのでございます。一つは連合軍から日本政府に対する覚書として来ております。それでさつき本件に関係の分を読み上げたわけなんですか、念のためにそれを申し上げますれば、連合軍から示された放送基準の三に、これは情報及び教養番組となつております。農業、林業、鉱業等の題目についての講演や話、並びに歴史、地理のごとき題目に関する講演の話、政府機関よりの告知事項の発表を含む情報及び教養番組その他とこれの類似の番組は下記各項に合致せるものたるべし。A「資料は厳密に事実に即すべく、かつすべての解釈及び編集は事実に基くべし。」B「資料は宣伝的なるものたるべからず。」C「公共の安寧を乱すがごとき傾向を有する註釈及び陳述はこれを許さず。」D「連合国相互間の関係に有害なりと解釈し得るか、ないしは連合国中の一国に汚名を與うるがごとき資料は使用すべからず。」この一番最後の文が重要なわけでございます。この島立さんの放送原稿が、いわゆるシーボルト議長のあのステートメントのあとであれば、字句の修正くらいで行けたのじやないか、かように思いますが、これはその以前であります。いわゆる客観的な資料、それに基いたものでなければいけないのであります。まず一番重要なのが、その内容の点であります。次は修辞の点であります。修辞の点は簡単でありますが、内容の点になつて来ますと、相当これははやりかえてもらわなくては困る、かように思うわけであります。
○玉置(信)委員 また見解の相違とお答えになると、思いますが、局長は、参議院における引揚げの問題に対する、委員会の審議の状況が、その都度新聞に載つていることは、御承知であろうと思うのですが、その新聞報道等の内容におきましてもそれと同様あるいはそれ以上の問題を取扱つて天下に公表されているほどであります。従いまして、私はそのときは、決してそれに触れないと解釈しているわけですが、これに対しての局長のお考えを伺いたい。
○金星参考人 この議場は、言論の自由な場合でありまして、いろいろお話が出ると思いますが、新聞やラジオに出る場合でも、もしその対立する意見がありますれば、必ず両方を、こう言つた、こう言つたといつて載せているのでございます。だから、その事実を出しているわけでありますから、両方の意見もみな出してやつているわけであります。講演になりますと、そこに主観が入つて来ますししますから、講演の方が幾分厳密にやはり検討しなくてはいかぬのじやないか。
○堤委員 議事進行について——時間も一時十分であります。先ほどからいろいろと問答されておりますが、小川さんは枝葉末節のことを論じているとおつしやいますけれども、このお二人の間に長野県において起つた問題の具体的な問題を片づけて、御両者なら御両者でうまく平和的に解決してもらつて、われわれがやはり中央放送局の意見を聞くというような段階に、これを参考にして持つて行くというのが、本会の趣旨だと思います。ですから、もう大分言い盡されております。重要な問題でありますから、捨てよと言うのではありませんけれども、この特定のお二人の事情は、大体われわれの勘でわかりましたし、この長野県の問題は、紳士お二人でありますから私は片がつくと思います。ですから、これをひとつ片づけて、平和裡に持つて行つていただくように希望いたしまして、本日はこれで打切つていただいて、さらにわれわれが目的といたしておりますところの中央放送局の見解を、われわれ特別委員の参考として聞かしていただくように持つて行つてもらうのがいいのではないかと思います。もし皆様方御賛成くださるならばその通りに……
○玉置(信)委員 私はただいまの堤委員の御意見に大体賛成でございますが、この前の委員会においても私申し上げましたように、本問題を取上げるということは、御承知のごとく衆参両院たびたびの決議案に基いて、すでに総理大臣が関係筋へもその目的達成を要請しておられる、総司令部においても、絶えずその努力を拂つておられるということで、結局は引揚げを一日も早くして行くという目的のために、この問題解決にわれわれが乗り出すということでありますから、両者の間で解釈ができれば、これに越したことはないはずであります。ただ、その取扱いの点におきまして、中央の放送局の方針というか、わくというか、そういうようなものをはつきりと掴むということはただいまの堤委員の御説の通りでございまして、本日はこの程度で打切りまして、あと理事会においてなお討議いたして、今後の取扱い方法をきめたいと思います。
○中山委員長 冨永委員の先ほどからの御提案もございますし、また堤委員のお申出もあり、今玉置委員の御賛成もありましたので、皆様それで御了承願えますか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 そして理事会におきましてこれを相談いたしまして、この取扱い方、進め方を決定していただくことにいたしまして、本日はこれで散会いたします。 午後一時十一分散会