運輸委員会 第31号
- 発言数
- 22 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/04/26
会議録
○稻田委員長 これより運輸委員会を開会いたします。 この機会にお諮りいたします。去る四月三十一日に松井政吉君、二十五日に岡田五郎君、渡邊良夫君がそれぞれ委員を辞任いたされましたので、鉄道電化促進に関する小委員が五名欠員となつておりますが、過般三君は再び運輸委員に選任になりましたので、松井君、岡田君、渡邊君を小委員に補欠選任いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○稻田委員長 次に鉄道電化促進に関する小委員会小委員長岡村君より、小委員会の経過について報告いたしたいとの申出があります。これを許します。岡村君。
○岡村委員 この機会に鉄道電化促進に関する小委員会における審議の経過を中間報告申し上げます。去る二十一日、二十五日の両日小委員会を開きまして、政府委員並びに国鉄当局から電化の現状と将来の計画、電源、資材、資金等の関係につきまして詳細な説明を聽取し、熱心な質疑応答がかわされたのであります。 鉄道を電化するということは、国鉄といたしましては輸送力の増強、サービスの改善、経営の合理化等の利点があるのみならず、わが国経済の再建にとつて重大な影響をもたらすものであります。わが国経済の再建と石炭の増産とは、離すべからざる関係にあることは、ここに多く申し上げるまでもないと存じますが、わが国の石炭事情はきわめて寒心すべき状態にあるのであります。すなわちわが国の石炭の推定埋蔵量は約九十億トンで、世界の〇・三%、第十六位にすぎないのでありますが、出炭量は第五位であります。従つて維持年数は、世界の平均が三千五百五十三年であるのに、わが国はわずか百九十年と推定せられているのであります。しかも炭質は劣等でありまして、優良な粘結炭、発生炉用炭、無煙炭、高カロリー炭等は、海外に依存している状態であします。この乏しい、しかも質のよくない石炭を、いかに効果的に利用するかということは、わが国に課せられた重要な問題なのであります。ところでこの石炭が、どういう方面で最も多く使用せられているかというと、最大の消費者は実に国有鉄道であつて、昭和十二年度において国鉄用炭は、全国消費量の七・五%であつたのが、その後逐年増加いたしまして、戦後三九%にまで達したのであります。最近この状態は漸次緩和されつつありますが、なお二〇%内外となつているのであります。しかし国鉄は運転の必要上、高カロリーの良質炭を要求しているのであります。別つて国鉄における石炭の消費量の多寡の、わが国経済に及ぼす影響はきわめて大きいのであります。 しからば、国鉄用炭をいかにして節減したらよいかというと、ここに鉄道の電化という問題が浮び上つて来るであります。鉄道の電化、すなわち蒸気運転を電気運転に転換することによりまして、多量の石炭を節約することができ、その節約した石炭を他の産業に振り向けることにより、石炭を増産したと同様な結果となるのであります。石炭を蒸気機関車に使用することは、現在では非効率の代表的なものとされているのであります。今かりに、六千五百カロリーの石炭を蒸気機関車に使用いたしますと、熱効率は四・八%にすぎないのでありますが、その石炭を電力にかえ、電気機関車を動かせば、その約三倍の一一・七%となり、四一対一〇〇という比率になるのであります。従つて運飲用電力を全部火力でまかなうとしても、約四〇%程度の石炭をもつてすれば足りるわけであります。しかるにわが国には電力資源として使用し得る水力が、きわめて豊富なのでありますから、これを利用すれば、渇水期を除いては、所要電力の大部分は水力でまかない得るわけでありますから、さらに少い石炭で事足りるのでありまして、これによつて節約し得た石炭は、他の重要産業において有効に使用することができるのであります。かくのごとく鉄道の電化は、石炭の消費面において著しい貢献がなされるのでありますが、国鉄といたしましては、電化によりまして牽引力及び速度の増大をはかることができまして、輸送力の増強を期と得るのみならず、旅客輸送の場合においては、旅行の快適という大きな利点があげられるのであります。さらにまた電源の開発、電化工事の施行に伴い、雇用の増大、関連産業の振興にも寄與し得るということは、見のがすべからざる点であります。 以上が鉄道電化を促進すべき理由の要旨でありますが、最近各方面から国会に寄せられている請願、陳情を見ても、国民がいかに鉄道の電化を要望しているかを容易に看取し得るのであつて、これにかんがみましても、鉄道の電化はすみやかに実現すべきものと信ずる次第であります。よつて政府及び日本国有鉄道は、すみやかに確固たる鉄道電化計画を立て、これが実現をはかるべきで、これには、一、輸送密度が大きく石炭節約上最も有効な線区、二、長大隧道または勾配の多い線区、三、既電化区間と運転上関連ある線区、四、大都市附近の旅客混雑の特に著しい線区等を選んで順位を定め、電源、資材、資金等を勘案して、必要な措置を講じ、すみやかに、でつ積極的に実現をはかるべきで、電源については明年秋完成する予定となつている信濃川山辺発電所を、十分に考慮に入れる必要があると考える次第であります。 以上のような理由をもつて、次に朗読いたすような決議案を委員会に提出することに決定いたしました。 鉄道電化促進に関する決議案 わが国経済の再建並びに国有鉄道経営の合理化の観点において鉄道の電化を促進し、石炭の節約、輸送力の増強等を図ることは、現下の緊急事である。 よつて、政府及び日本国有鉄道は、速やかに確固たる鉄道電化の計画を樹立するとともに必要なる諸般の措置を講じ、もつて積極的にこれが実現を期すべきである。 右決議する。 以上のような決議案を本委員会に提出するのでありますが、本委員会におきましても愼重審議の上、できれば本決議案は本会議に提出されんことをお願いいたす次第であります。 以上簡單でございますが電化促進小委員会の中間報告といたします。
○稻田委員長 ただいまの岡村君の報告並びに決議案文について、何か御意見があれば発表を願います。——他に御発言もないようですから、この際お諮りをいたします。本委員会といたしましては、ただいまの小委員長の御報告のありました通り、決議案文を決定いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 御異議なしと認めます。なお本決議案の取扱いにつきましては、本決議案に賛成の方々をもつて、議員提出の形式で本院に提出することにいたしたいと思いますので、御了承を願つておきます。 —————————————
○稻田委員長 これより日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
○關谷委員 この日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につきましては、すでに長期間にわたりまして論議を盡されているのであります。ただその間におきまして、見返り資金との関係につきまして幾多の疑点がありましたために、本日まで延引をいたしておつたのでありますが、去る四月八日に経済科学局財政課長のE・M・リード氏あてに、大蔵委員長川野芳滿君から問合せをいたしましたことにつきまして、経済科学局の財政課から同委員長に対しまして、回答が来ているのであります。それによりますと、大体見返り資金との関係がはつきりとして来たと私たち了承いたしております。よつてこの際討論を願い、採決をお願いいたしたいのでありまするが、それより前に、この法案の審議が長引きましたために、施行期日の関係等につきまして、一部修正する必要があると思いますので、修正の動議を提出いたします。 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対する修正案 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 附則を次のように改める。 この法律は、公布の日から施行し、昭和二十五年四月一日から適用する。 こういうふうに修正をいたしたいのでありまして、動議を提出いたします。
○稻田委員長 ただいま關谷君より本案に対する修正の動議が提出され、ただいま説明がありましたが、これより修正案及び原案を一括して討論に付します。討論の通告があります。これを許します。米窪滿亮君。
○米窪委員 ただいま上程されている法案については、先ほど關谷委員のお話の通り、非常に長い間関係方面との折衝で延びておりますが、すでに昨年度の予算において、特別会計百五十億円というものが見返り資金から出ておるのであります。しかしその当時の理由は貸付ということであつたので、われわれはその意味で了承しておつたのであります。ところが今回は政府の出資金四十億円ということになつたので、この政府の出資金ということをめぐつて、この出資金なるものが、将来いろいろあとを引くだろう。早く言えばひもつきの見返り資金ということになつて来て、資産再評価等を考慮するときに、相当深刻な結果が起るということを心配しておつたのであります。先ほど同僚關谷委員のお話の通り、リード君と川野大蔵委員長とのこの点に関する解釈の質問及び返事があつたのでありますが、いわゆるグラントという問題をめぐつて、私ども完全に氷解してはおりません。しかし大体においてこの見返り資金というものは、日本の政府に対するグラントであつて、対日見返り物資の返済については、これを日本の政府の義務としないということが、おぼろげながら明瞭になつたのであります。従つて交付金の解釈が、出資の場合でも当てはまるようにわれわれ解釈するのでありますが、この点はひとつ政府においても十分、われわれの憂慮するような懸念を将来持たないで済むようなぐあいに、当局との間に明快なる解釈の一致をひとつ持つていただくことを條件としまして、完全とは言いませんが、私は關谷委員の御提出の修正案とあわせて、本案に賛成するものであります。
○稻田委員長 次に關谷勝利君。
○關谷委員 先ほど私が申し上げました大蔵委員長から経済科学局の財政課長のリード氏にあてましたところの伺い書と申しますか、質問書並びにそれに対する回答を一応朗読をいたしてみます。 一九五〇年四月八日、経済科学局財政課長、イー・エム・リード殿 米国対日援助見返資金特別会計からする電気通信事業特別会計及び国有林野事業特別会計に対する繰入金並びに日本国有鉄道に対する交付金に対する法律の解釈について、首題の件に関する第七回国会における審議に関し、左の諸点につき次の通り了解いたしてさしつかえないか伺います。 一、昭和二十五年度においては、見返り資金から電気通信事業特別会計、国有林野事業特別会計及び日本国有鉄道に対し、資金を繰入れまたは交付することとなつているが、右はこれにより見返り資金からこれらの政府事業に対し資金を無償交付(グラント)するものであるや。 二、右により見返り資金は、日本国有鉄道等の出資者として出資権を持つものではなく、従つて利益の分配または残余財産の分配にあずかることにはならない。すなわち資金の交付により見返り資金と、これらの政府事業との財産的関係はなくなる。 衆議院大蔵委員長川野芳滿君 この質問に対しまして回答は、 一九五〇年四月二十一日、連合国最高司令官総司令部経済科学局財政課。衆議院大蔵委員長川野芳滿殿 一九五〇年四月八日付貴信において、貴方は見返り資金からの政府事業に対する資金の交付についての解釈に対し、確認方を要請せられた。 見返り資金からの繰入金が政府事業に対する交付金(グラント)である点、並びに、かかる交付金は見返り資金に出資権その他の債権(クレーム)を設定するものではない点は御説の通りである。見返り資金は日本政府の資金であり、該資金からなされる交付金は政府の出資を意味する。かかる交付金は、政府から政府事業及び政府関係機関に対するその他の交付金と何ら異なるものではなく、従つて政府による見返り資金からの交付金は、かかる事業における政府の利益を傷つけることはできない。 財政課長ユージーヌ・エム・リー こういうような回答が来ておるのでありまして、これによりますると、見返り資金が将来この国有鉄道に対して出資金その他を主張するものでなく、またこれがひもつきでないという点がはつきりいたしましたので、私はこの際国鉄におきましても資金潤沢ならざるときにおきまして、この見返り資金からの出資ということに対しまして、これに賛成するものであります。なお先ほどの私の提案いたしました修正案を同時に可決せられるようにお願いいたしたいと思います。討論を打切ります。
○稻田委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決をいたします。まず修正案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○稻田委員長 起立多数。よつて修正案は可決されました。 次にただいま可決せられました修正部分以外の原案について採決をいたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○稻田委員長 起立多数。よつて本案は修正案のごとく修正すべきものと決しました。 なおお諮りいたします。本案に対する委員会報告書の作成は、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。 本日は他に重要な法案の付託が予想されますので、暫時それまで休憩いたしたいと思います。再開の時間及び委員室等は、追つて放送か何らかの方法をもつて御連絡いたします。 暫時休憩をいたします。 午前十一時三十一分休憩 ————◇————— 午後一時五十五分開議
○稻田委員長 これより午前に引続き会議を開きます。 本日付託になりました港湾法案を日程に追加し、審査を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 御異議なしと認め、これより港湾法案を議題といたし、審査に入ります。 まず本案の趣旨について政府の説明を求めます。大屋運輸大臣。
○大屋国務大臣 四面環海のわが国にとつて、港湾の開発発展ということはまことに、重入な問題でありますので、これについて明確な法的基準を與え、地方公共団体の自由な意思による港湾管理者の設立、その他港湾の管理運営の方式を確立し、もつて港湾の開発と利用の促進をはかるため、ここに港湾法案を提出する次第であります。 本法案の大体の内容を申し上げますと、港湾の管理運営に関し、最大限の地方自治権を與え、かつ国家的及び地方的利益に最も適合する形態の港湾管理者を設定する権能を、地方公共団体に與えるということを中心題目とし、これに伴い地方公共団体の自由意思によつて選択される港湾管理者の諸形態、港湾管理者の定め方、その任務、組織、財政等について規定し、さらに最大限の地方自治という建前から、政府の監督規制は国家的利益を確保するための必要最小限度にとどめるとともに、港湾開発責任を地方に移すことが地方財政の不当な圧迫にならぬように、国の助成策についても十分配意いたしました。 港湾管理者とは、港湾を一体として管理運営し、その総合的開発発展をはかる主体でありまして、これには関係地方公共団体が協議して、港務局という特別の法人を創設する場合と、同じく協議の上、関係地方公共団体の一を指定し、または地方公共団体の組合を設ける場合とがあり、このいずれの方法をとるのも、まつたく地方公共団体の自由意思によつて決せられるのであります。いずれにせよ港湾管理者は、地方公共団体またはその身がわりともいうべき港務局に限られ、国は港湾管理の第一線から退き、地方の熱意とくふうによつて、活発な港湾の開発発展をはかろうというのがそのねらいであります。 港務局というのは、いわゆるポート・オーソリテイーとして、ロンドン、ニユーヨーク等世界の一流港で採用されている港湾管理制度でありまして、委員会制度による民主的な港湾管理を目的とする非営利公法人であります。諸外国では、ロンドン港務局のごとく、特別の国法によつて国自身が設立した例もありますが、本法案では設立権を地方公共団体に限りました。従つてこの港務局は、地方公共団体の公共企業体ないし港湾自治体ともいうべきものでありまして、陸上の行政区画にとらわれず、港湾開発に専念でき、また地方公共団体から独立した委員会制度により、民主的、経済的通常が期待される等の長所を備えておりますが、地方公共団体自身が直接港湾管理者になつた方が便宜な場合もあり得ますので、本法案は單にかかる法人設立の根拠規定を設けるにとどめ、その採用は地方公共団体の選択にゆだねることとした次第であります。 このような港務局または地方公共団体が、港湾管理者として行うことは、港湾の有機的発展をはかり、公共利用を増進する。すなわち港を港らしい港に仕立て上げるという点にあるのでありまして、そのため工事許可権その他一種の都市計画権をも付則してありますが、こうして港らしい港になつた所では、民間企業が大いに進出して、公正な自由活動により能率を上げることが望ましいという建前から、港湾管理者が私企業と競争したり、私企業に干渉したりすることは、これを避けるよう規定いたしました。 港湾管理者の組織については、港務局は委員会システムで運営されるということ、地方公共団体が港湾管理者になつたときにも、独立の法人格こそないが、港務局と類似の機能を有する委員会を置き得るということ等、法律では大綱を示すにとどめ、細部は地方にゆだねました。 このように港湾管理者が確立いたしますと、国としては国営港湾施設をこれに移管し、一定の工事については国がその費用を義務的に負担し、その他のものについても財政の許す範囲で補助し、また困難な港湾工事は、国の保有する港湾建設力で経済的に仕上げる等、必要な助成策を講じておりますが、一方監督の方は、国全体の立場から港湾の管理運営が最も効率的に行われるための、必要最小限度の條項に限りました。 本法案の趣旨は、大体以上の通りでございます。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
○稻田委員長 本法案に対する質疑は次会に譲りたいと思います。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 この機会にお諮りいたします。この港湾法案につきましては、地方公共団体、海運業界、倉庫業、港湾運送業界、その他労働組合等、重要な関係がありますので、本案の審査をして万全を期するため、民間より参考人の出席を求め、その意見を聞くことにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 御異議なしと認めます。 なお参考人の数、参考人の選定、参考人の意見を聞く日時等につきましては、委員長に御一任が願いたいと思います。 本日はただいまより国鉄の第二次裁定の問題について、労働、人事、運輸の各委員会の連合審査会を開くことになつております。部屋は第十三委員室でありますから、御出席を願いたいと思います。 本委員会は本日はこれをもつて散会いたします。 午後三時四分散会