運輸委員会 第14号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/03/24
会議録
○前田(郁)委員長代理 委員長がお見えになりませんから、私が委員長の職務を行います。 これより運輸委員会を開催いたします。国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題といたし、前会に引続いて質疑を行います。質疑の通告があります。これを許します。岡田五郎君。
○岡田(五)委員 加賀山国鉄総裁にお尋ねいたしたいのであります。国鉄総裁といたしまして、国鉄経営の合理化につきまして、二十五年度はどういう御構想を持つておられるか。収入増加の面につきましてどういうような御方針を持つておられ、また経費の節約の面におきましてどういうような御構想を持つておられるか、それを一応御説明願いたいのであります。
○加賀山説明員 お答え申し上げます。昭和二十五年度の予算について御審議を願つた際に、その中に織り込んだ二十五年度の経営方針について、政府委員の方から申し上げてあると存ずるのでございますが、二十五年度の方針といたしましては、ごく概略的に申し上げますならば、昭和三十四年度の、いわゆるドツジ・ラインによる予算の引続きであるということが申し上げられると思うのでございまして、御承知のように昭和二十四年度予算自体におきまして、人件、物件にわたつて非常なる緊縮を受けて、予算面からする合理化の推進ということをやつて参つたわけであります。人員の面におきましては、定員法によりまして、人員を約六十二万から五十三万三千七十二名に落し、その後八月以降におきましても逐次減少をいたしておりますが、これらの人員に対しましては、新規採用をデイクリースすることによりまして、増加を避け、漸次縮小を続ける。従いまして昭和二十五年度におきましても、引続きその方針を堅持いたしまして、予算面におきましては、四月以降に月々において減少して行く人員は、それの推定をすでに予算面から落しておるというような状態でございます。かくのごとくいたしまして、今後は人員の逐次縮小をはかる。一方経営の合理化、すなわち能率を上げ、あるいは機械化をする、あるいは工事等においてできるだけ維持費、修繕費等を節減できるような方策を立てて、それに対応して人員の縮小もはかつて行く。こういう方策をあわせ行いまして、逐次人員の減少をはかつて参る。かような考え方をいたしておるわけであります。 次に経営上大きな問題となりますのは、石炭費でございますが、この石炭につきましては、昭和二十四年度の予算におきましては、五千六百五十カロリーの標準の石炭を使うという建前になつておりましたために、相当多量の石炭を予定したのでございましたが、その後これは御承知のようにカロリーが逐次上昇して参りまして、その間配炭公団の解体等がございまして、九月以降はオープン・ビツドによりまして、炭鉱から直接石炭を購入しております。その結果といたしまして、カロリーは六千百カロリー程度に上りました。海運の割合も改善して参りました。そこへ従事員の節約意識も末端まで徹底をいたしまして、この九月以降の節約率は大きかつたのであります。昭和二十五年度の石炭費といたしましては、この六千カロリーを基準といたしまして、それに所要なる石炭を見積つておるわけでありますが、その所要量は、昭和二十四年度下半期において節約いたしました使用量をベースといたしまして、つまり従事員の努力とカロリー上昇と相まつて生み出し得ましたこの消費の節約率、これをそのままとりまして計算いたしておる。また石炭の単価といたしましては、この九月以降に三回にわたつてオープン・ビツドをいたしましたが、このオープン・ビツドにおいて買い上げた価格を基準といたしまして、予算に計上してあるということにいたしております。このことはもうすでにわれわれといたしまして、人力としては頂点に近く来た節約率を、昭和二十五年度においてすでに予算に計上しておる。また炭価の面におきましては、これはオープン・ビツドでございますので、今後の炭鉱方面の出方いかんももちろん問題になるわけでございますが、最も有利に買つた炭価を基準としておりますので、これにつきましてはむしろ今後山のぐあいが強気になりますれば、現在予算に計上してある炭価では、購入がむずかしいのではないかとさえ考えておる次第でございまして、その面から申しまして、数量においても炭価におきましても、弾力のない石炭費を見込んでおる、さような状態でございます。なお今後しからば石炭について何ら手を施す余地がないかと申しまするに、私どもといたしましては、この徹底した従事員の観念をもとといたしまして、さらにこまかいところにまで手を届かして、なお節約運動を続けるつもりでございますので、全然節約の余地なしということは申しませんが、しかし先ほど申しましたように、努力がほとんど最高潮に達したのを基準といたしておりますので、非常に厖大な節約額を生むということは、私どもとして考えられない、かように存ずるのであります。 次に大きな項目といたしましては、修繕費でございますが、修繕費におきましては大体昨年同様と申しますか、あるいは昨年よりややましな予算を計上してございます。これはその後におきまして鋼材の値上りもございますし、また車輌にいたしましても、線路にいたしましても、やはり修繕に手をかけて行くということが、現下の一番重要な問題でありますので、今後はいわゆる工場につきましては修繕単価の切下げに傾注いたしますし、また工事費、土木建築費における修繕につきましては、部内の直営につきましても、またこれを請負に出します場合にも公入札制度を利用いたしまして、極力単価を引下げて実施して参る、かような考え方でおるのであります。そのほかこまかく申しますれば、たとえば水のごときも、湯水のごとく使うと申しまして、水は非常にぜいたくに乱暴に使う標本になつておりますが、国有鉄道で使いまする水量を計算いたしますと、一年間には二億七、八千万円にも達する巨額に相なつております。これらの水の使い方というものすら非常に問題でございまして、これらのこまかい点に至つても、たとい五分でも一割でも節約額を生み、水の使い方に気をつけるという努力を本年度は進めたい。昨年は大きな石炭に最重点を置いて、これに全力を傾注した形でございますが、本年度といたしましては、さらにこれをこまかく水に至るまで十分検討いたしまして、いやしくも節約できるものは節減してもらう、そういう方式で参りたいと存じております。 なお二十五年度におきまして、量も終戦後の新しい事態といたしましては、御承知のようにいわゆる収入からいたしまして、約二百億の金額を工事勘定、いわゆる建設、改良の費に繰入れておる事態でございます。戦争前でも、鉄道といたしましてはかなり大きな部分を他人資本と申しますか、借入れ資本によつたのが例であります。いわゆる公債の発行によつてまかなつて参つた、そして益金の一部を繰入れたものと合せて、建設、改良を実施して来たのは御承知の通りでございますし、終戦後におきましてはまつたくこうした益金がございませんので、その全部をいわゆる借入れによつてまかなつて参る。昭和二十四年度は百五十億のエイド・フアンドを主として運用して参つたということは御承知の通りであります。それが二十五年度におきましては、二百億というものを自己資本としてこれを取替費用に充てる。あるいはその一部は新規工事にも充てるという建前に相なつております。これらの工事は総括いたしまして、たとえば信濃川の発電、あるいは軍でも木製車を鋼製車に直して行く、それから線路につきましては重軌條に直して行く、あるいはそこにタイ・プレート、アンチクリーパーを入れて、結局その後の経営費を減少する方向に重点を置いて工事経費を使つて参りたい、かように存じておるわけであります。工事経費に計上しておりますところの諸工事は、そのほとんど大部分がいわゆる昭和二十五年度以降における維持費、修繕費等を節減し、その結果として人件費等もセーブできる。こういうような方針のもとに注ぎ込んで参るという方針をとつておる次第でございます。 以上概略でございますが、経営方針としまして節減方策、合理化の方策について申し述べたのでございますが、収入面といたしまして、いかなることが考えられるかという点について次に申し上げたいと思いますが、これにつきましてはこれは非常に今からの推定は困難であるという見方も一つできると思います。現在の予算面におきましては、旅客の方面で申しますと、人員は減るが多少足は伸びるという考え方をいたしておりますし貨物につきましても数量は多少落ちるが、やはりこれも足が伸びるという考え方をいたしております。その結果といたしまして人キロ、トンキロといたしましては、非常な二十四年度との差はないというふうに、予算面においては組み込まれております。しかしながらこの一月以降の旅客の趨勢並びに貨物輸送の趨勢を見ますると、何と申しましても伸びてない。旅客の方もむしろ減少の傾向が見えております。さような状態でございますし、これは日本とは事情が違いますが、アメリカ等におきましても一九四八年、一九四九年と続けて、旅客の減少が著しく現われております。これらにアメリカの諸鉄道も非常に悩んでおるようであります。わが国の旅客の現在のありさまは、戦前の三倍になつておりますが、これはやはり何と申しましても食生活あるいは住生活といつたものの非常な不足、また経済の不安定といつたようなものが響きまして、自然に旅客の激増となつて参つたものと考えるのでありまして、これらの事情が安定するに伴いまして、旅客はだんだん減つて行くと見なければならない、さように考えておるのでざまいます。アメリカとは事情が違いまして、違つた事情からでございますが、わが国の場合も旅客がどんどんと戰後ふえて行つた趨勢でふえるとは考えられない。むしろ減少を考えなければならないというふうに思つております。貨物につきましても、これは第一は日本国内における生産、貿易の事情にももちろんよるのでございますが、なお国鉄として考えねばなりませんことは、他の運輸機関との競争の問題であろうかと思うのであります。旅客につきましてももちろん同じことが考えられますが、貨物ほどこの点については著しくないない。他の運輸機関、特に長距離におきましては船舶、近距離におきましては自動車、この両方にはさまれて貨物輸送がなされる。特に船舶の方は御承知のように四月一日から自由運営態勢になるということもございまして、現在の鉄道で輸送しておるものに対して、激甚なる競争がいどまれるのではないかということを覚悟しなければならない。陸上におきましては近距離におけるトラツクの進出は非常に顯著でございまして、この両面のはさみ撃ちを食う関係上、営業政策的な面から、貨物輸送の確保につきましては、従来と異なつた角度から努力が必要であるというふうに考えておる次第であります。繰返して申し上げますが、予算面におきましては昨年と大差ない数量を見込んでおりますが、全般的に見まして、収入面においては、特に旅客面における減少を予期しなければならないのではないかというふうに考えられる次第であります。
○岡田(五)委員 今加賀山総裁の御説明を承つておりますと、多少異なるかもしれませんが、結論的に申し上げますと、大体二十四年度の補正予算当時の経営合理化の方針を踏襲し、またこれを強行して行こうというようなお話のように、私はいろいろ具体的な字事項から推察いたすのでありますが、私は先ほど加賀山総裁が言われましたように、貨物においても旅客においても、長距離また短距離におきまして、他の運送機関との競争という面から行きまして、消極的に相当これが経営合理化方針を考えられる必要があるのではないか。またさらに進んでこれが増収の積極的な対策をこの際考える必要があるのではないか。かように私は私見として考えるのでありますが、聞くところによりますと、国鉄の各地方機関の機構の再編成ということを考えておられるようであります。また世上報ずるところによれば、四国におきましてはすでに四月一日から、新機構によつて発足されるようでありますが、もちろんこの新機構の主たる目的は高能率経営である、かように考えるのであります。これを具体的に現わせば、経費の節約であり、収入の増加である。かように私は考えるのでありますが、札幌鉄道局を三分割されました結果において、はたして収入増の面において、経営合理化の面において、経費節約の面において、いかなる効果を上げれたか。その辺御説明を願いたいと思います。
○加賀山説明員 仰せの通り単に機構をいじくりまわすだけでは何もならないのでありまして、機構を改正する最も主眼点は、これによつて能率的経営をねらおうということにあるわけであります。従来長くいわゆる官庁的の組織を保つて参りましたが、公共企業体として企業的な活動を十分行うためには、何といたしましてもその経営の才のある者が任にあつて、これが自由に腕を振い、かつ責任をとるという態勢に持つて行かなければならない。従来はどちらかと申しますと、組織に重点を置いて、いわゆるグループが全体として責任をとるというような仕組みが強かつたわけでありますが、これも確かにいい場合があり、だれがその衝にあつても仕事がスムーズに行く。そのままかわりなく進んで行くという長所はございますが、しかし非常に企業的に活発ということは望みにくいのでありまして、いわゆるその責任に当る人に非常に活発な企業的の素質のある人の活動を望む。またそれに責任を持たすという態勢に切りかえて参るのが、今回の機構改正の主眼であり、もう一点といたしましてはそれを従来縦の関係、いわゆる縦断主義あるいは横断主義と呼ばれておりまして、その責任の分野が必ずしもはつきりいたしておらなかつたのでありますが、たとえば経理事務でありますとか、資材事務のごときは、これは中央の責任に統一して、縦断的にその責任を要求し得るようにいたす。一方汽車を動かし、それを修繕して参るという、いわゆるオペレーシヨンの仕事は、これは横断的に鉄道局長を任じて、その地域的な管理に当らせ、この責任を要求する建前にして行くというふうに、いわゆる縦断主義と横断主義り錯綜混淆した状態をはつきりいたすということも、一つの点であります。さらに従来は、現場の機構を監督する機関といたしましては、御承知のように鉄道局、管理部というふうに二段階になつておりまして、鉄道局におきましては、管理部を通じて間接的な管理をしておつたと考えられるのでございますが、これをこの一段階をはずして直接運輸鉄道局が現場に臨み、管理に当るという仕組みにして参る。これはもつぱら管理要員の節減にもなりますし、直接把握、直接管理によりまして、合理的な経営が望まれるというところをねらつたわけであります。これらの点につきまして北海道の実施の状態を見てみますると、実施いたしまして真にその形に乗り移つたのは、精密に言いますと実は一月十日に最後の仕上げをいたしましたので、まだ三箇月足らずより経過いたしておりませんので、これによつて収入増加が幾らあり、経費節減が幾らあつたかということは、明確には出て参つておりません。しかしながら収入増加の面において、他の競争機関との関係を考えるということに專念いたし、これを中央の統轄のもとに、地方営業部を鉄道局から離すという措置、は、必ず私は成功するのではないかというふうに考えておりますし、また経理、資材も事務のごときも、まだ人事が新しく行われたばかりでございまして、十分軌道に乗つているとは申せませんが、この責任を十分に遂行することができる仕組みから申しますれば、私は必ず効果を生ずるのではないかということを考えるのであります。管理部の段階をはずしたことにつきましては、これは異口同音に、非常に直接的で、鉄道局において的確にやれるようになつたということを、鉄道局も申しておりますし、これは私は十分効果があつたというふうに考えております。その結果といたしまして、北海道だけといたしましても、管理要員約八百人を節減しておるのであります。これはもちろんそのままこれを整理するという措置はとりませんで、これはいわゆる余剰人員といたしまして、その後の欠員補充に充てる人員にまわす、予備定員のような役割をする。一部は現場にすでにおろして、現場の仕事に携わらせておるというような状態であります。そういうような状態で、総括的に見まして、われわれが所期いたしました十分な効果を上げているとは申しませんが、ここ半年、あるいは一年を経ますならば、必ず私はその効果が出て参るということを確信しているのでございまして、この方式を何とかものにいたすことに全努力を傾注し、そしてここまで来たからには——この組織、機構につきましては絶対にというものはないのであつて、ある面から見れば悪い、ある面から見ればいいということになろうと思いますが、このいい面を十分に出すことに努力を傾注して、あともどりせずに、この方針を他の地方にも及ぼして参りたいというのが、私の考えておる方針でございまいます。
○岡田(五)委員 最近国鉄の賃金べース改訂が、八千二百円ということに裁定が下つたのでありますが、先ほど加賀山総裁の御説明を聞いておりました感じでは、昨年この益金といたしまして償却費十三億数千万円しか残さなかつた。ことしは大体二百億近くの益金と言つては語弊がありますが、利益金を残して、工事勘定に繰入れるのだ、こうういうようなお話がありましたが、新聞紙の報ずるところによりますと、八千二百円ベースにすると、年間七十億の人件費がかかるということであります。この七十億を損益勘定で組みまして、益金百九十九億の中の百二十億を工事費の方へ持つて行つて、はたして鉄道の健全な経営ができるかどうか。またさようなことをしては、鉄道の経営を非常に危機に陷れるものでないかどうか。この辺のところを御説明を願いたいと思います。
○加賀山説明員 ごく端的に申しまして、先ほど申しましたように二百億の工事費は、主として取替に充てるための費用でございまして、つまり古い車を持つていたのでは、その後の修繕費かかさんでしようがない。従つてこれをとりかえて新しくするのである。あるいは木製車は手がかかつて、しかも安全度が乏しいので、これを鋼製化するというようなことでございまして、これをやりますことは経営を合理化し、その後の経営費を節減いたしまして、その結果として人件費もその後はふやして行ける。かようなもくろみをしておるわけであります。今ここで、すでに衆議院の御審議を経ました予算について私がかつてに申しますことは、これは非常に愼まなけれぎならぬと存ずるのでございますが、これは單に国鉄の経営だけから申して、どうなるかというお考えだと思うのでありまして、私どもとして申し上げられることは、これはもちろんやり方であつて、二百億を少しでも欠けても、来年度のいわゆる建設改良に非常にひびが入るかどうかということになりますと、これは実は非常に不確定な部分がまだあるわけでありまして、たとえば工事の単価の計算にいたしましても、できるだけ節約した請負で得られるであろうと予想いたしますところの単価に基いて、工事経費を計算いたしておりますが、これがたとえば非常に安い入札を得たというようなことになれば、その中からある程度の経費が生れて来る。何しろ二百億からの予算でございますから、非常にリミツトに、これは一文も足りず、余りもしないということは私は申し上げられない、かように考えるのであります。もともとわれわれといたしましては、節減の上にも節減し、合理的の上にも合理的にその工事を執行して参る。かような考え方をいたしておるわけであります。もし万一、こういつた二百億の中から経営費の方へまわさなければならない、こういうような仕儀になつたと仮定いたしました場合には、これは私どもといたしましては結局新規工事をそれだけ押えて行く。その中でたとえば電化が、ただいま実は予算面においては正式に予定しておりませんが、私どもとしては何とかして資金の都合をつけて、電化をいたして参りたい、かように考えるのでありますが、もしその中から幾分でも落されるということになりますと、その上にまた電化をするというようなことは、とうてい望めなくなる。かように考えなければならぬと存じます。また電化のみならず、それから落そうとする金額いかんによりましては、さらに車輌の更新、修繕と申しますか、車輌をオーバー・ホールする仕事をいたしておるわけでありますが、これらのものも落して参らなければならない。いずれにせよ現在計画を立てておりますそういつた工事を落して参らなければならぬ。こういう結果を招来する次第であります。
○岡田(五)委員 加賀山総裁に対する質問はこの程度にいたしまして、せつかく加賀山総裁御出席になつておりますので、他の委員からも質問があると思いますから、事務的の質問をあとに保留いたしまして、私の質問を終ります。
○林(百)委員 私も運賃の問題について技術的な質問がありますが、これはお忙しい総裁をわざわざ煩わさなくてもいいと思います。やはり問題になります裁定の問題について、総裁にお聞きしたいと思います。 まず第一に、根本的に加賀山総裁としては、第二次の裁定委の裁定については、どういう方針をとられるかということをお聞きしたい。だんだん具体的にお聞きして行きます。大体あなたが国鉄の総裁としての第二次裁定に対する方針、これをお聞きしたい。
○加賀山説明員 第二次に限つたわけではございませんので、裁定がございますれば、われわれ国有鉄道の経営者側といたしましては、これは労働組合も同然でありますが、これに当然に拘束を受けるわけなのでございまして、これは法律的の言い方であります。拘束を受けることは当然のことでありますが、われわれといたしましては、現在の従事員の給與の現状について考えて見ましても、でき得るならば何とかして増額もしたい。ベースの改訂というような、政府として絶対にこれはとれないというような方策はあきらめなければならないと思いますが、実質的に給與がよくなつて行くことに努力を注ぎたいと考えておるのでございますので、仲裁の線に沿つてこれを尊重して経理をして行きたいというように考えております。
○林(百)委員 そこでまず第一に、第一次の裁定についてお尋ねしたいのでありますが、この前第一次の裁定につきましては、加賀山総裁としては経営費の中から十八億支出が可能だということを、たしか運輸大臣まで上申されたというようにわれわれは聞いております。ところが政府の方は、御存じの通り十五億しか出せなかつた。あとまだ三億の問題があるのでありますが、われわれの見解としては政府が公労法の十六條に基いて予算を組んで、国会の承認を得るという問題については、国会がこの第一次の裁定を承認しなかつた限り、政府の義務は免れておりますが、コーポレーシヨンとしての国鉄当局と労働組合との間では、労働協約に基いて、やはり企業の中で予算上、資金上支出が可能の場合には、第一次の裁定につきましてもまた支拂うべき義務があるようにわれわれは考えております。この点について少くとも今残り三億円を拂うとか拂わないというような問題があるのでありますが、この第一次裁定の十五億以外の支拂いについては、国鉄当局としては義務があると考えられるのか。そうでないと考えられるのか。その点まずお聞きしたいのであります。
○加賀山説明員 ただいま申し上げたように、法律的な意味においての義務は私どもは、これは政府なり国会の承認を得られなかつたということからいたしまして、ないというふうに考えておるのであります。
○林(百)委員 われわれは総裁と見解を異にしておるのでありまして、公労法十六條の予算上、資金上支出不可能な資金を内容とするものは、政府は拘束しない。しかし国鉄当局はまだ拘束するものと考えておる。従つて公共企業体としての国鉄の内部の経理状況において、余裕の金が出た場合においては、当然国鉄の諸君に一次裁定残額を支拂う義務があるとわれわれは考えておるのであります。そこでこの点について、十八億のうち十五億を支拂いましたが、残り三億を、新聞で見ますと支拂いするというように出ておるのでありますが、これが第一次裁定の十八億のうちと見るか見ないかは別としても、なお三億円を支給するのかしない、のか、この点をまずお聞きしたいと思います。
○加賀山説明員 これは林さんもよく御存じと思いますが、財政法の建前なり、また予算総則かほはつきり出て参ります線といたしまして、この第一次裁定の際に十八億だの十五億だのということが盛んに言われましたが、私といたしましては修繕費等を繰延べて出したいという気持を申したにすぎないのでありまして、これをさらに財政法なり予算総則の面からいたしまして、国鉄総裁が出したいという意思は、そのまま効果を持たない。これは林さんもよく御存じのことであろうと思うわけであります。そういう状態になつておりますので、結局可能な部分は十五億であつたということになる。これは政府が財政的の見地その他のいろいろの見地から考えて、さように判断をされたわけでありまして、われわれといたしましては、これに従わざるを得ない、従いましてこれによつてまた国会も衆議院において議決をされ、それによつて第二次裁定としては、問題は私どもとしてはなくなつた。かように考えておるわけでありまして、もちろん当時においては、一応修繕費を繰延べれば、かくかくの金が支出できるという計算もございましたが、そういうふうにきまりますれば、これはわれわれといたしましては手をつかねて修繕費を繰延べますわけにも参りませんので、その後の予算の執行を行つた次第であります。さような状態でありますから、前の裁定の関係の三億の問題は、私どもといたしましてはすでになくなつておるというふうに考えておるのであります。
○林(百)委員 実は新聞に出ておるのでありますが、大体専売裁定を政府が全額認めることになつた。同じ公共企業体でありながら、専売の方は裁定の全額が承認された。ところが鉄道の方はわずか四十五億のうちの十五億しか認められない。これは明らかに同じ公共企業体に従事しておる従業員にとつては不公正だ。せめて三億円だけは支拂いをしたいということを、加賀山総裁も考えられておるように出ておる。しかもその財源は別に国会の承認を経なくても、企業の中で、第一にはこの冬は除雪費が非常に節約された、第二は石炭の節約運動と炭質が向上して、石炭から節約が出て来ておる。第三は豊水のため、火力発電が少くて済んだこと等によつて三月末の決算期を前に、これらの支出に余剰金が出ることを当局も認め、組合側では大体二十億と見ている。従つてこの中から何とか三億円だけは支給したいということが当局の見解のように出ております。これは第一次裁定についての義務が、国鉄当局にあるないは別として、この際こうした昭和二十四年度の決算を前にして、余剰金を幾らかでも国鉄の従業員に支拂うという考えはあるのかないのか。また可能性があるのかないのか。三月二十三日の朝日新聞で見ると、あたかも三億円を従業員がもらうことになるように出ておりますが、今あなたのお話を聞くと、そんなことはないということになる。それではたなからぼたもちが落ちるというのも夢だつたということになるのでありますが、その点、責任のある回答を願いたい。
○加賀山説明員 今林委員のお問いになりましたことは、先ほどから申して参りましたことは別に、まつたく新しい問題としてお考え願わなければならないと考えるのであります。つまり専売の方でも、何か人件費の方に余剰を生じて、ちようど裁定を実施するくらいのものが出たので、政府としてこれを支給することに方針が決定したということを、私は聞いております。従いまして国鉄においても当然年度末にあたりまして、予算執行権として、いわゆる決算を始めなければならぬというようなことになるわけでありまして、これらの帳じりがどうなつておるかということを検討しておるわけであります。ただいま新聞に出ておつたことについて言及されましたか、これは別に発表いたしたわけではありませんで、その内容については私ども責任を持てませんけれども、大体それに近いようなことが現在この計算の上に現われておるわけであります。従いましてこれはまつたく新しい問題として取上げて、かたがた専売でそういう措置がとれるならば、同じようにして出る余剰のものならば、これは従事員の労苦も入つておるわけでありますので、何とかしてその労苦に報ゆるものを出したいという気持は非常に強く持つております。しかしながらこれも十分御承知と思うのでございますが、貨物運賃引上げの際に、十二月からということを私どもはお願いもしたのですが、それに対して国会では一月からということで、一箇月ずらされた。そのためのせいもあつたわけでありますが、三十億という金を一般会計から借入れなければ、この決算ができない。かようなことに相なりまして、これは国会の御審議を煩わした次第であります。手取り早く言えば、そういつた三十億の借金をしたのだ、それでようやく今年を過すのだ。そこで借金をしておいて余剰が出るのは何事であるという言い方が、一方においてなし得る。これはものの見方でありますが、当然そういうことも言い得るであろうと思います。しかしわれわれとしましてはいずれにせよ、予算面においてそれくらいの余剰費が出ることは、現在ほぼ明らかになつておりますので、それには従事員の苦労に報ゆる意味の報奨的なものを、何とかして支給いたしたいという気持を持つていることだけ申し上げておきます。
○林(百)委員 そうすると、少し先を急ぎますが、その次に第二次の裁定の問題についてでありますが、この第二次の裁定については、これもやはり新聞紙の伝えるところによりますと、総裁としては予算的な措置の手続をとるということが、はつきり各新聞紙に伝わつております。そこで予算上、資金上不可能かどうかといつたようなことは、まだ御承知の通り昭和二十五年度の予算が国会で目下審議中でありましてこの中でもし裁定があり、この裁定の精神の盛るということになりますれげ、十分これを組む余地があるのであります。従つて総裁としても、政府ともても、この裁定を十分実行するという気持さえあるならば、この際当然この七十億の予算を組んで、予算的な措置をして、これを国会に提出すべきだと思いますが、これについて総裁としてはどういう措置をとられたか、聞きたいのであります。
○前田(郁)委員長代理 林君、石野君に御相談申し上げるのですが、総裁は三時半から関係方面に行かれる都合があるそうですから、そのつもりで質問をお願いいたします。
○加賀山説明員 所定の手続と申しますのは、今回の裁定について明らかになつております点は、いわゆる裁定の第一号の八千二百円に基準賃金を置く。従いましてこれは現在予算面に計上されておりますところの単価との差を計上いたしますと、六十七億九千万円程度に相なるのであります。これは現在の予算面には考えられておらない。その数字をはつきりいたしまして運輸大臣に資料として提出いたした次第であります。
○林(百)委員 そうすると、この七十億については特別補充取替費なら取替費から、これこれこういうように支出し得る。もししろといえばできるのだという、予算上、資金上の措置についての当局の資料を、運輸大臣まで出されたわけですか。そういうように解釈してよろしゆうございますか。
○加賀山説明員 国有鉄道当局として関係いたしまする予算といたしましては、いわゆる損益勘定と工事勘定との二つの勘定だけでございますので、ほかから一般国庫の予算、国の予算とは区別されて出さなければならぬ。従いまして日本国有鉄道の予算の中で考えるとすれば、かようなことに相なりますということを、数字でもつて計上いたしました次第でありまして、これが可能であるとか、可能でないとかいう問題ではないと考えるのであります。
○林(百)委員 そうすると、公労法第十六條に基く予算上、資金上の措置の内容を、加賀山総裁として政府当局へ出されたというように解釈していいわけですか。
○加賀山説明員 公労法十六條の問題にはなつていないのでございまして、すでに成立した当該国有鉄道に適応する予算がないわけでございますので、今申された、公労法十六條の問題は、今回の場合には私どもは関係ないと考えておる次第であります。
○林(百)委員 その点ですが、政府は仲裁の裁定が出た際には、その予算上、資金上の措置について、それをつけてこの裁定を国会の承認、不承認を求めなければならないということになつているので、その裁定を国会の承認を求むるために出す際、もし予算上、資金上支出しろといえば、こういう処置がなし得るのだということのために総裁は政府へ出されたというように解釈せざるを得ないのですが、そうではないのですか。
○加賀山説明員 なし得るというような判定は、私どものできることではないので、そういうことができるかどうかは、いわゆる予算の査定権を持つておるところでされるわけであります。
○林(百)委員 どうもその点がはつきりしない。そうすると総裁が出されたのは、何を出されたわけですか。政府へ出されたその措置というのは、何をされたわけですか。
○加賀山説明員 六十七億九千万円というものは、現在の予算から見てない。従つてこれを国有鉄道だけの関係しておる予算の中から考えれば、いわゆる損益勘定の中にそういうものか含まれていないということは当然でありますので、工事勘定の工事をそれだけ落すならば、こういうことに相なるということを、数字として計上をして、これを政府に提出した。かようなことが申し上げられると思います。
○林(百)委員 そのことは結局第二次の裁定について、国鉄当局としてはこうする方法があるという一つの方法、あるいは仲裁裁定の方法の実行するとすれば国鉄としてはこうするよりほかに道がないということを政府に具申した。要するに第二次裁定に関連して、国鉄当局の考えを伝えたというようにわれわれは解釈せざるを得ないのですが、それでいいかどうか。 もう一つお聞きいたしますが、本年度の予算準則では、六千人ほど人員を減じておる。それで一人当りの賃金は、平均七千二百五十円か何かで組んであると思いますが、本年度もやはり積極的に人員整理をするということを考えられておるかどうか。あるいは消極的にしても、当然補充しなければならない人員を補充しないという形で、やはり第三次としまして整理しようと考えておられるかどうか。この二つの点をお聞きしたい。
○加賀山説明員 前の点については、林さんが解釈される通りでいいと思います。つまりこうするよりほかはない。国有鉄道の中のやり繰りとして、六十七億を使つた場合にはこうなる。こうするよりしかたがない。こういうふうに解釈していただいていいと思います。 それから二十五年の予算面において、單価は七千五十円と計上されております。七千二百五十円は間違いであります。人員につきましては、積極的に人員整理を行うという意図は持つておりません。先ほども岡田さんの御質問に対して申し上げましたように、月月減少して参るのが当然でございますが、この減少に対して新規採用を押える。原則として全部新規採用をやめたいと考えるのでございますが、しかしある地域、あるいはある職種によりましては、絶対に新規採用をしないということもできない場合も生じはしないかと思いますが、こういう場合にはそのときにおいてよく考えるといたしまして、原則的には全部新規採用は押えて、積極的に整理をするということは避けて行くという方法をとりたいと考えておる次第でございます。
○林(百)委員 そうすると、自然減少するのを補充しないということになれば、結局それだけ従業員に対しては負担がかかつつて来るようにわれわれは考えますが、そう解釈してよろしゆうございますか。
○加賀山説明員 簡單にお考えになればそうなりますが、その反面には仕事のやり方をかえて行く。あるいは能率的な施設もして行くということが伴うわけでありまして、先ほどの機構改正の方も、そういう趣旨をもつて行うのでありますから、すぐさまそれが労働の強化になるということは申せません。もちろん人が減れば多少能率を上げて働いてもらわなければならぬことは当然のことだと思いますが、簡單にその分だけがふえるというようにお考えになるのは、少し早計だと考えます。
○石野委員 時間がありませんので、簡単に総裁にお尋ねいたしたいと思うのであります。今度の運賃改正によりまして、一、二等の運賃の改正が行われるわけでありますが、三等を考慮しなかつたことについての、御当局の御意見を承りたいと思います。
○加賀山説明員 まだよく政府委員の方からも御説明していただいておりませんので、十分御理解がないのもごもつともと存じますが、三等の方を全然考えてないことはないのでございまして、特に遠距離につきましては、相当率の逓減をやつておるのでございますし、また最も大衆の足といわれておりますとこの定期券につきましても、三箇月、六箇月という定期を復活いたしまして、一割、一割五分という割引率を今度新たに使うというふうにいたしておるわけであります。
○石野委員 今度の改正によりまして、おそらく乗客の運賃収入が、全体として減額されると思うのでございますが、その点についての御説明を願いたい。
○加賀山説明員 従来の通行税を見合いにいたしましたために、旅客収入全体といたしましては、過不足ないという計算に基いておるわけでございます。
○石野委員 過不足ないという前提に基いて、今度の運賃の改正が行われたというのですが、岡田君の質問に対しまして、本年度の予算の組み方についての総裁の意見によりますと、この予算は単価、数量ともに弾力性のない予算見積りを行つておつて、予算以上の節約はおそらく望めないだろうという御所見でございます。そういうようなことが一面にあり、また他面経済が安定化するとともに、乗客人員は減少するであろうということも考えられるという御説明もございました。こういうようなことを考えますときに、今度の運賃改正が、国鉄経営に対してどのような関係になつて行くであろうかということについての御所見を伺いたい。
○加賀山説明員 従来よりも一、二等が下ることによりまして、それはたとい多少ではございましても、運賃収入が望めはせぬか。あるいは遠距離逓減等をいたしますことによつて、遠距離旅客の交通を多少でも便利にして、従つてその面から乗客がふえることを望めはしないか。これは実はわれわれは望外といたすべきかもしれませんが、さようなことも望んでおる次第でございます。収入面においてはさように考えますが、一方今石野さんも言われましたように、さような現象があるということを今から確言はいたせませんが、想像なりができるといたしますと、支出面をそれに合せて切詰めておかなければならぬのでございまして、私どもの方法としては、今度成立いたしましたいわゆる交付予算を元といたしまして、実行面においては特に切詰めた実行予算によつて実施して参る。かように考えて参りたいと存じます。
○石野委員 さきに石炭の單価の問題等につきまして、総裁の岡田君に対する御答弁の中に、炭質の向上した点と、従業員の節約意識というものが非常に力あつたということを言われたのであります。ただいまもお話がありましたように、二十五年度の予算の内容におきましては、おそらく乗客数の減少というようなことなども考えられまして、なかなか不安定な点があるかとも思われるのであります。そういうときに、従業員の節約意識といいますか、合理化へ即応する意識というものは、国鉄の経営の上においては、大きなウエートとして残されておるものと思われますが、その点についての総裁の御意見はどうでありますか。
○加賀山説明員 仰せのごとく、いかにいろいろな面から制度的な経費の合理化を考えましても、従業員の面において、これを十分に理解し、意識いたしまして努力してくれませんと、実を結ばないのでございまして、私どもはその点からいたしまして、従事員の給與の問題は、また経営上非常に重要なポイントであるというふうに考えておる次第であります。
○石野委員 総裁がただいま言われたように、従事員の給與の問題は非常に重要だと思うのでございますが、先ほど林君からも質問がありましたように、第一次裁定の問題におきましても、また第二次裁定の問題におきましても、多分に組合員諸君の満足し得ない状態にあると思われるのでございます。ただいまのような状態で、もし二十五年度予算の実施が行われて行きます場合に、おそらく従業員に対して総裁の期待される、合理化への協力というものが望み得なくなくなるのではないかということを憂うるのでありますが、その点についての総裁の御意見を伺いたいと思います。 〔前田(郁)委員長代理退席、大澤委員長代理着席〕
○加賀山説明員 私どもは今申しましたような気持をもつて経営に当つておりまして、少しでも節減をして、それを高能率、高賃金と申しますか、給與を上げて行くことに全力を注いで参りたいと存ずるのでございますが、これは労働組合といたしましても、特に昭和二十五年度以降の予算は、まつたくの自給自足の予算であつて、足りないといつて借りられた既応のものとは違う。公共企業体となつた趣旨もまた一半はそこにあるというふうに、十分に理解をいたしておるのであります。今後の給與は、やはりわれわれが働き出さなければならぬというようなことを、十分に覚悟いたしておる次第でありまして、そこらに今後の問題があろうと考えるのであります。われわれといたしましては、節減の上にも節減をする。人は従来はむしろ多いことを誇つた。誇りもしないかもしれませんが、多ければ多いだけ満足しておつたのでありますが、最近の組合の事情は、決してふやしてくれというような声は聞けなくなつて、働くという意識が非常に強くなつて参つております。どうしても働いて、自分たちの給與を上げて行くという方向に持つて行かなければならぬ。かように私どもは考えて、組合とも話しておる次第であります。特にまた国会においてこれが審議され、きまつたならば、組合としてはもちろんそれにとやかく言うものではないということは、はつきり申しておるのでございまして、今回の第二次裁定の問題につきましては国会におきましても十分なる御審議をいただいて、御理解ある御判断をお願い申し上げたい、かように存ずるのであります。
○石野委員 今国会できめられたことについては、従業員の諸君は守つて行かなければならぬと言つておる、これは両方とも協力しておるというお話でありますが、この第一次の裁定に対しましての問題は、今林君の方から質問がありましたように、私どもやはり国鉄法の三十八條に関連する問題として、一つ総裁のなされなければならなかつた問題があると思う。また今度の第二次裁定の問題も、第三十八條に従つて追加予算の編成をするとか、あるいはまた二十五年度予算において考えるならば、ただいま審議中の予算の中に、それをあらためて組むということをも、また考えてもらわなければならぬのじやないかということを、私ども考えるわけであります。この点について総裁は、ただ公労法の十六條の問題でなく、国鉄法における処置についてどのようなお考えであるか、お尋ねいたします。 それからいま一つ、運賃改正につきまして、先ほど三等の旅客運賃の問題についても、考慮をしておるのだということを言われたのでありますけれども、しかしその減収率等の点から見ましても、非常に三等旅客運賃に対する減収率は少くて、むしろ一等、二等の減収率はそれの数倍に及ぶ実に大きなものになつておるので、政府としては高級乗客を優遇するという態度を、この場合とつておられるのかどうかということを、はつきりお伺いしたいのであります。
○加賀山説明員 前の御質問に対しましては、先ほどお答え申し上げたことを繰返して申し上げる以外に道がないのでございまして、私どもとしては、何とか仲裁委員会の裁定を尊重して、実質的に今後の給與を実施して参りたいという希望を十分に持つておるのであります。従いまして今後これは政府あるいは国会の問題になろうかと思いますが、その場合に十分これに対する御審議を煩わしたいということを、お願い申し上げたいと思います。 それから運賃の問題につきましては、もちろん一、二等の旅客数は、三等とは比較にならぬのでございまして、三等の遠距離逓減によりまする減収率と申しますか、その方のお客が減るといたしますと、これは非常に大きな率になります。しかしながら先ほども申しましたように、ただわれわれは減りつぱなしでこれに手をつかねているというわけではございませんで、こういうふうに遠距離が逓減されましたならば、少しでも遠距離の旅行を奨励するといつては語弊がありますが、便利にして行きたい。そうして旅客の、いわゆる先ほど申しました乗車距離が延びることになるのではないかということを望んでおる次第であまります。
○石野委員 あとの質問を保留いたしまして、これで打切ります。
○岡田(五)委員 簡単に二、三御尋ね申し上げたいと思います。このたびの運賃改正の財源は、通行税の減税によつて出て来た。これを財源として旅客運賃の逓減をやるのだという御説明がございましたが、大体通行税は、私が申し上げるまでもなく五%を減税されたのであります。これは原則としては、私は消費者である旅客に返すべきであると思う。ただ説明によりますと、一律に旅客運賃を引下げることは、旅客に及ぼす影響からして大した効果を期待できない、こういう理由があるのでありますが、これは微細だから一律に返さないのだ。こういう御趣旨なのでございますか。それとも運賃法による端数整理の関係で、返すのにも返せない。だからこの財源を片方へ使うのだ。こういう理由なのか。この辺をはつきりしたいと思います。
○石井(昭)政府委員 ただいまの御質問でありますが、御質問の通り、通行税は乗客が拂つておりまして、鉄道は徴税機関として徴収しているというかつこうにすぎないのであります。りくつ通り参りますれば、そのままこれを下げることに相なるのが至当と考えるのであります。しかしながらかりに五%減税されたといたしましても、ただいまの運賃の立て方によりますと、端数で五円、十円単位に整理をいたすことになります。従いまして今回の五%では、端数整理の関係で、実質上ほとんど低減にならない面が出て参る。一例を東京から横浜までの各駅の運賃にとつてみますと、東京から横浜まで約十三駅ありますうちに、わずか三駅、川崎、鶴見、新子安の三駅に行くお客だけが五円安くなる。その他の駅に行くお客は依然として同額という結果に相なりますので、提案理由の中にございましたような、きわめて効果が少いというのは、そういう意味でございます。従いまして一般的にお返しするという効果は、これによつても期待できないのでございますから、従いまして目下運賃会計上少しむりが行つておる。また負担軽減の御要望のきわめて強い部面に、これの重点的な使用をお許し願うことを御承認願いたいという趣旨で、提案申し上げた次第であります。
○岡田(五)委員 次にお尋ねいたしたいことは、通行税の改正によりまして、改正前までは三等急行券は大体三〇%の税を課せられておつたように思うのであります。このたびは三等につきしては、急行料金についても無税になりまして、二〇%はとにかく軽減されることになつたのででありますが、この三等の急行料金二〇%の面につきまして、今度の改正法によりますと、三〇%通行税をかけられた在来の三等急行料金がきめられておるようでありますが、通行税を差引かなかつた理由はこの三等普通運賃の場合とは同じであるのかどうか。また別な理由があるのがどうか。この辺のところを御説明願いたいと思います。
○石井(昭)政府委員 急行料金につきましては、同じような減少でございまして、ただこの場合は、現実に下げれば下げられるのではないかというようなことも言われるかと思うのであります。しかしながら御承知のように、急行料金は、ある場合には快的な旅行の対価と申しますか、ある場合には一定の輸送力に対しまして、適当な調整的な役目を演じておるのでであります。従いましてその観点から見まして、現在の旅客がお支拂いになつている限度、この現実に旅客がお支拂いになつておるのを上げるのでない。現在の程度にとどめておくことが、現在の輸送力並びに調整的な役割から見まして、最も妥当ではないか。かように考え、その財源は全部今回の運賃調整の方へまわして使わしていただくことを、御承認いただきたいと、いう趣旨でございます。
○岡田(五)委員 次に遠距離逓減でございますが、配付されました旅客運賃制度の概要というものを拝見いたしますと、大体昭和十七年以前は七段階になつておると思うのであります。昭和十七年以後は大体二段階になつておりまして、その当時は浮動購買力の吸収ということから、二段階になつたことも考えられるのでありますが、普通の状態に入れば、大体七段階が普通ではないかと考えるのでありますが、今回はかような趣旨をもくんで、四地帶にされたのでございますが、この改正にあたつてさらに戦前のような七段階にすることもあわせ考えられたかどうか。その点を承りたいのでであります。
○石井(昭)政府委員 理想的な遠距離逓減につきましては、お説の通り地帶数、段階数の多いほど、理想的な形に相なるかと思うのでありますが。戰前の姿が必ずしも理想的なものであるかどうかの検討も、いたさなければならぬかと思うのであります。しかしながら今回改正いたしました案は、先ほど申し上げましたように、限られたる財源をもつて修正いたしたのでございまして、その点多少スムーズに行つてない点もあるかと思うのであります。今後本格的に鉄道の経営能率が向上いたしまして、ほんとうに鉄道の努力によりまして国民の御負担を軽減する場合にあたりましては、十分に検討をいたしまして、最も理想的な運賃の賃率をとることが必要ではないかと考えております。
○岡田(五)委員 次に一、二等運賃の倍率を、三倍、六倍を二倍、四倍に軽減されたのでありますが、お教えいただきたいのであります。この三等運賃に対する三倍、四倍こいう倍率は、鉄道運賃通念といいますか、こういう点から見て、これが、普通なのかどうか。世界各国の鉄道運賃の各等級別の倍率の状態という点から見まして、どういう状態なのか。お教え願いたいと思います。
○石井(昭)政府委員 ただいまの問題につきましては、ちようど国鉄の藪谷営業局長が見えられており、御造詣が深いのでありますから、局長から御答弁願いたいと思います。
○藪谷説明員 戦前におきましては、わが国においても二等が三等の二倍、一等が三倍でございました。諸外国の例を見ますと、大体二等は一倍半、それから一等は二倍から二倍半程度のものが多いようであります。ところが、現在のわが国の実費計算等をいたしてみますと、二等は大体二倍もらえば、多少実費より上まわるようであります。それから一等は実費は三倍ないし四倍、定員によつて計算が異なりますが、そういう実情になつております。もう一つは現行の三倍、六倍が、戦時中設けました旅行制限のような意味もございましたので、なるたけ戦前の姿に近づけたい。そろそろ近づけ得る時期であるし、かつ一昨年以来すでに戰前の最盛期の約三分の一到来しておりまず外客誘致、見える貿易として、わが国の非常に重要な国策でありますが、これらの外客の意見を徴しますと、やはり一等、二等が高過ぎる。こういうような批評もあり、かつまた戦前の姿にした場合に、全部その収入が失われるのでなくして、ある程度利用がふえて、鉄道の収入にもかえつて来る。こういうような事情を勘案いたしまして二等は三等の三倍、一等は四倍にいたしたのでございます。
○林(百)委員 運賃の問題については、私あらためてお聞きしません。やはり今度の運賃改訂の問題については、外客の誘致ということが大きな要素になつておるのでございますか。
○石井(昭)政府委員 一、二等の倍率引上げは、重要な要素と考えております、
○林(百)委員 そこで先ほど石野君から話があつたのでありますけれども、これまた明日詳しくお聞きしますが、大体国鉄の収入というのは、三等の旅客の収入からなつているのが、私は原則だと思います。立つている客が利益を拂うというのは、洋の東西を問わず運賃の原則だと思います。私の方で請求しました資料によりましても、等級別旅客運輸輸送人員と収入からいいましても、人員からいえば、三等客が全人員の九九・八%収入からいえば九五%、これは定期外ですが、こういう状況です。それから各等別品人当りの平均乗車キロ数を見ますと、一等が四百八十三キロ、三等が二百三キロ、三等が三十七、三キロ、そうすると大体三等客というのは、国鉄の全旅客輸送の収入の九五%を占めている客である。輸送人員からいえば九九・八%を占めているのである。これが国鉄旅客輸送収入の大宗を占めている。しかもこの客はほとんど平均して、一等の客の十五、六分の一、二等の十分の一の距離しか旅行しないということになると、このたびの遠距離逓減の運賃改正というのは、ほとんど国鉄の全収入にはあまり縁のない、むしろやつかいな一、二等のお客並びに外国のお客のためにやられているので、勤労階級にとつては何の利益がないとの結論が出るのでございますが、この点について御回答が願いたい。なお詳しいことは明日あらためて質問しますが、概括的にはこういうような結論が出ざるを得ないと考えます。
○石井(昭)政府委員 乗軍人員で九九・八%、収入で九五%というので、三等旅客が国鉄の輸送の大宗であるという林さんのお言葉に対しましては、私どもの方も何ら異議はございません。しかし大宗でない客はネグレクトしてよろしいかというまでは参りかねるのではないか、こう存じます。しかも一等、二等につきましては、乗車人員の割合に收入の率は非常に高いのでございます。従いましてこれらの客に対しましてサービスなりいろいろな措置を講ずることも、企業としてやつて行きます上においては、当然のことであろうと思うのであります。それから乗車距離が短いから、遠距離逓減の恩典に浴さぬとおつしやいまするか、それは全部がこの平均乗車距離しか乗らなければさうでありまするが、この九九・八%の乗車人員の方々が五百キロ以上の旅行をした数は、一、二等の旅客が旅行した数よりはるかに多いことは当然でございます。そして今回の調整財源が三十億に限定されております以上、かような重点的な操作をしなければ、先ほど申し上げましたように、すべての旅客に対してすずめの涙ほどの逓減しかできないという結果になるでありまするから、従つて目につくところにおいてさような誤解をされるような結果になるのも、ある程度やむを得ないかとも思うのでありまするが、決して三等客の犠牲において事を運ばんとしているのではございません。のみならず三十億のうちの逓減財源の最もたくさんに消化いたしまするのは、お手元に差上げた資料をごらんになればわかるのでありますが、定期旅客運賃の逓減でございます。約十二億これに充当している。これはすべて勤労階級を主とした政策ではないか。かように考える次第でございます。
○林(百)委員 第一点はこのたびの遠距離逓減の問題について、やはり外国人の客ということも考慮に入れたかどうかという点、それから第二点は、なぜわれわれが三等客のことを考慮しろと言うかというと、国鉄の旅客収入の大宗である三等旅客がこの前六割運賃を上げましたが——この六割運賃を上げてから、実は人員も減少し、収入も予定より上つておらない。むしろ国鉄当局としてはここへ重点を置いて、この三等旅客が減り、三等旅客の運賃が六割上つているにもかかわらず、平均して三割か三割の増収しかないということ、ここにむしろ観点を置いて、できるだけこの三等の旅客にサービスをして、この大衆的な収入をはかるということが、当然考えられなければならない点ではないか。かようにわれわれは考えるわけです。でありますから、同じ三十億余剰金が出たならば、その恩典はなるべく三等旅客、いわゆる立つている客が利益を拂う。この立つている客になるべくサービスしてやるというのが、国民のための、人民のための国鉄の生きる道ではないかとわれわれは考えるわけです。一等、二等の客なんていうものは、とにかくぜいたくなんだから、少しは高くても金を出そうとすれば出せるんですから、やはりこの点に考慮すべきではないか。それから定期の点もこのたびの改正によりますと、大体三箇月定期と六箇月定期の免除率を下げているのであります。しかし問題は一箇月の定期を使つておる者が四七%この最も大衆的な要素である一箇月の定期の利用者については、何のサービスもしていないということになると、われわれはこのたびの運賃改正がまつたたく外国の人、あるいは特権階級の人にサービスするばかりであつて、大衆には少しも恩恵を與えない、民自党的改正であるというように言わざるを得ないゆえんであります。
○石井(昭)政府委員 お話がございましたが、大体御意見の相違の点が多いのでございますから、それ以上申し上げませんが、林さんの誤解されている点を申し上げたいと思います。それは一箇月定期の問題でありますが、これは三箇月、六箇月定期が同一逓減率で買取られた場合の人員を予想しておるのでございまして、私どもはこの制度を改正いたしますと、この割合が変化いたしまして、ほぼ昭和二十四年五月以前の姿に帰る。その場合は一箇月定期を買われるお客は一八%乃至二〇%と思つております。あとのお客は三箇月、六箇月を買う。そういう計算に基き、また事実そうなることと思うのでありますが、それで負担の軽減を計算しておる次第でございますからこの点はひとつ御認識を改めていただきたいと思います。
○林(百)委員 資料を要求しておきます。二十四年五月前の定期の利用者の数、それから一箇月、三箇月、六箇月別の定期を利用している人、できるなら階級層別にこれを出してもらいたい。私とあなたの意見とどちらが正しいかわかると思います。なるべく事実に基く資料を出していただきたいと思います。私の方もまた数字を用意しておきます。これで私の質問を打切ります。
○大澤委員長代理 残余の質疑は次会にこれを行うことといたしまして、本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後四時散会