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7回国会衆議院1950/03/06

運輸委員会 第6号

発言数
68
登壇者
9
会派数
3
開催日
1950/03/06

会議録

岡村利右衞門自由党

○岡村委員長代理 これより運輸委員会を開会いたします。  稻田委員長がさしつかえがありますので、委員長のお見えになるまで、私が委員長の職務を行います。  それでは日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とし前会に引続き質疑を行います。

關谷勝利自由党

○關谷委員 この国有鉄道法の一部改正は、非常に疑義のある点でありまして、先般いろいろお尋ねをいたしたのでありまするが、納得行きかねる点が多々ありまするので、この点を明確にいたしたいと存じます。なおこの国有鉄道法の一部改正の法律案は、目下大蔵委員会に付議されておりまする米国対日援助見返資金特別会計からする電気通信事業特別会計及び国有林野事業特別会計に対する繰入金並びに日本国有鉄道に対する交付金に関する法律案と関連性がありまするので、この法案との関連の点につきまして大蔵当局並びに運輸当局にお尋ねいたしたいと思います。この特別会計から電気通信、林野庁、国有鉄道に対する交付金の法律案は、一応援助資金を取入れて資本増加することができ得ますので、まことにけつこうなことと思われるのでありますが、これを深く掘り下げてみますと、幾多の矛盾があると思われますので、その点を大蔵当局、運輸当局にお尋ねいたしたいと思います。  まず大蔵当局にお尋ねいたしたいのは、この点はすでに予算委員会その他でよく論議されておりますので、あらためて私がお尋ねするのもどうかと思いますけれども、もう一応重ねてお尋ねをいたしたいと思います。この対日援助見返り資金の性質については、どういうふうなものになるのか。これは将来のことではつきりしておらないとは思いますが、大体当局はどういうような気持を持つておられるのか、これはもらい切りになるものか、また将来返還せねばならないものか。こういうことの見通しについて伺いたいのと、それに対して何かその筋からの覚書というようなものでもあるのか、あるいは公約でもあるのか、現在までのその筋との交渉の過程において、口吻その他で推察ができると思うのでありますが、その点を一応伺つておきたいと思います。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 ただいまの見返資金特別会計に充てられます金の見合いとしましては、ガリオア及びイロアというアメリカの予算によりまする資金との関係、この金が将来返還いたさなければならない筋合いのものであるかどうかという点でございます。これにつきましては大蔵大臣が、予算委員会で答弁をしておられるわけでございまするが、現在のところにおきましてこれらの資金が、日本側としまして贈與に相なつたものであるということはできないわけであります。それだけの決定がなされておらぬわけでありますので、その意味におきましては返還する必要が生ずる可能性があるということは、申し上げなければならないことであると思います。それがどういうような形で、どういう時期にきまり、またどういうような條件を持つか、あるいはそういうようなことは全然発生しないことになるのかということにつきましては、大蔵大臣もお答え申し上げておると思いますが、今後におきまして決定される問題でありますので、今日までのところ、これは少くとももらつたものと考えるわけには参らぬということだけは明らかであろうと思います。従いまして将来の償還ということを頭に入れて考えますると、この見返り資金特別会計にございまする金は、はたしていかような使い方に相なるかどうかという点でございます。この点につきましては、見返資金特別会計法の基礎になつておりまする総司令部からの指令の中にも明らかであり、また見返資金特別会計法の法文の中においても明らかなのでございますが、この見返り資金に積み立てられましたところの金は、日本経済の再建のために必要な使い道に対して運用し、または使用することができるということを言つて岐るわけであります。運用と申しますることは、見返り資金特別会計がたとえば貸付をいたす、出資をいたすということになりまして、その出しました金が依然として何らかの形において財産として残つておるわけでありまするし、これに対しまして使用という言葉を使いましたのは、これはその法案の当時において御説明申し上げたと思いますが、使い切つてしまう。すなわち見返り資金特別会計の建前からいたしますれば、その金は拂い出し切りになりまして将来に対しまする何らの債権あるいは出資権というような、財産権の形では残らない筋合いのものであります。当初からの指令のうちにおきまして、使用という言葉がございまして、特別会計法にもこのことを使つておるわけでございまするが、使い切りになるというのはどういう趣旨であるかというと、これは見返資金特別会計というものは、日本経済の再建のために広く使われまするので、当然その使われまする費目のうちには、元利の償還をにわかに期待することができないものがあるわけであります。たとえば本年度、昭和三十五年度におきましても、一部公共事業に使う予定にいたしておるわけでありますが、公共事業のごときはその本来の性質からいたしまして、たとえば家屋あるいは道路を直すというようなことは、それ自身におきましては、必ずしも元利を償還する能力を持つておるということは申し上げられませんので、むしろそれによりまして全体の経済の力がついて参り、そこに全体としての担税力があるというようなところに、元利償還ということを考えればその力が考えられる。見返資金特別会計というものは、最初からそういうようなやや広い見地に立ちまして、もちろんその主体によりましては経済的な財産に基きます出資、あるいは債権というような、直接経済的効果を生むものが相当多いわけでありまするが、そればかりに限りませんで、やや広い意味におきます経済再建の使途に使うということを考えております。その意味におきまして、使用という言葉を考えた次第でありまするので、今申し上げましたようなことから、現在におきましてはこのガリオアないしイロアの資金の貸付に対しまする日本側の見合いというものは、やはりもらつたものと考えるという意味におきまして、そこに法律上の債務というのとは少し違うかと思いますが、何らかの将来に対しまする可能性が残つております。それからそれに対する見合いといたしましては、必ずしも見返資金会計自身が、いつまでも債権あるいは出資の関係において持つておるということは予期いたしません。それはやや広い経済再建という全体の見地から考えて運用される趣旨と相なつております。こういうことになつておる次第であります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 何やらあとへ尾を引くようなお言葉でありますが、ただいま言われたところの、財産権としては残らない。こういうような見解をとつておられるようでありますが、将来これが財産権として残らぬということは、はつきり言い得られるのか。責任を持つて言い得られるのかどうか。念のためにお尋ねをいたします。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 私のお答えしたのが少しまわりくどかつたので、おわかりになりにくかつたと思いますが、私が財産権として残らないということを申し上げましたのは、援助をいたしまするアメリカと日本との関係におきまする意味ではございません。アメリカと日本との関係におきましては、前段に申し上げましたように——、これは比較のためにヨーロッパに対しまする場合を申し上げますと、あるいはおわかりやすいかと思いますが、ヨーロツパにおきましては、御承知のようにマーシャル・プランがあり、EGAという機関がございまして、ヨーロッパに対する資金支出をいたしておるわけでありますが、この場合におきましては、はつきり援助と貸付を区分しております。ある金額は贈與であつて、ある金額は貸付であるということが明らかであります。従いまして贈與であります限りにおきましては、それはもらい切りである、やり切りである。貸付であるということが残つております限りにおきましては、それがどういう債権、債務の関係で、将来償還して参るかということが出て来るわけであります。この関係におきまして、ガリオア、イロアの資金支出の関係におきましては、いまだに日本側に対しまして、どの程度が贈與であり、どの程度が貸付である。その條件はどういたすということが未定でありますから、その意味で将来において決定せられる問題として残つておる。少くとも贈與であるということでない以上、もらつたものだというふうには、ただちに考えられないということを前段に申し上げました。  それから財産権ということを私が申し上げましたのは、この見返資金特別会計に—向うの援助は御承知のように外貨でありますから、従つて売上げました資金が見返り資金に積まれるわけであります。その積まれた金が運用せられるわけでありますが、その運用せられまする、たとえば造船業でありますとか、あるいは電力事業でありますとかに対する貸付という形、あるいは最近問題になつておりまするような金融機関の優先株式における出資、そういうような積み重ねられた金を使いました結果が、出資でありますとか、債権とか、財産権の形で残つております場合を運用と称し、そうでなくて見返り資金からの金は出し切りになつてしまう。たとえば公共事業というものをやります場合におきましては、それに対しまして見返資金特別会計が財産権の形をとるというようなことでなくて、見返資金特別会計としては金は拂い切りになる。一般会計の普通の経費が拂い切りになるのと同じような結果になるという、二つの場合がございます。財産権がなくなるということを申し上げましたのは、見返り資金の特別会計、すなわち日本側の援助の金の使い方の場合におきまして、財産権が残ります場合、残りません場合、両方あるということを申し上げたわけであります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 そういたしますと、今の石原次長の言われるのは、日本の国とアメリカとの関係においては、財産権というものは残つて来る。しかしながら公共事業費として出資し、あるいは拂い出しをしたものに対しては、その公共事業費なりを受取つたいわゆる鉄道公社あたりの企業体が受取つたもの、あるいは出資をして出されたものに対しては、直接アメリカからの財産権は及ばぬ。こういうふうなことになるのか、その点についてはつきりと伺いたいと思います。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 おつしやる通りであります。対アメリカの関係は、実は見返資金特別会計そのものにつきまして、直接に及ぶということが言えますかどうか。指令によりまして見返り資金の運用につきましては、いろいろ司令部の承認権が留保されておりますが、その見返資金特別会計に積んでありますところの金、その財産権それ自身が、かりにそこに債務があるといたしまして、債務の関係に対する直接の引当てになつておるかということにつきましては、法律上の議論はあると思います。法律上の議論におきましては、もし将来債務関係になりましても、少くとも現在のところは、その両者の間に関係がないということであろうと思います。しかもお尋ねの点は、そういつた法律上の問題ではないのだと思うのでありまして、そういうような常識的に行きまして、一方外貨の債務がある。それに対して見返り資金に使われる金、あるいはそれに運用されるところの資産というものが見合いになると思います。その見合いがなくなるかどうかという点につきましては、私が申し上げましたように、使用するということで使い切りになります限り、その見合いの関係はなくなるわけであります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 しかし国有鉄道の出資として受入れるものに対しましては、どうも今の御説明でははつきりとわかりかねるのであります。運輸当局の言によりますと、大体例の援助資金の関係の特別会計から交付を受けるもの一これは決して対日援助資金ではないので、対日援助資金の性格がかわつた、日本政府の資金である。こういうふうに説明をいたしておるのでありますが、そういたしますると、この運輸省の意見と大蔵当局の意見とは一致しておるかどうか、その点を承りたいと思います。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 運輸省側からの答弁、私その席で伺つておりませんので、どういう御趣旨の御答弁であつたか存じませんが、ただいまお尋ねの点に関連して申し上げますれば、ここで見返資金から出されまする金は、これは先ほど申し上げました見返資金特別会計法の意味におきましては、使用ということに相なりまして、見返資金特別会計との問にはひもが切れるわけであります。従つて四十億の金を出しまして—これは交付金と申しておりますが、そういう金を出しますと、見返資金特別会計といたしましても、鉄道に対するひもは切れます。しかしながらその出された金の対価と申しますか、その権利につきましては、これはこの法律によりまして政府が持つわけでありますので、当然一般会計が出資をいたしたのと同じ形になるという意味におきまして、運輸省側が御答弁なさつたのだと思います。従いまして繰返して申しますれば、見返り資金の関係は、この金が交付されると同時になくなりまして、その方におきまする出資という関係は、一般会計との間において起るのであるというふうに御了承願います。

關谷勝利自由党

○關谷委員 その点が一番の問題でありまして、どうも私たちにはわかりかねるのでありますが、もしそのようなことでありますならば、この対日援助の見返資金というものを、一般会計予算の中に繰入れておいて、そうして国の一般会計の中から鉄道の方に出資して出すということになれば、その点まことにはつきりするのでありますが、国有鉄道に四十億出資受入金、対日援助見返資金とはつきり書いてある。しかもこれが受入金。そうして今度大蔵委員会で審議せられておりまする法律によりますと、これが出資として出される。交付せられるのだということになつて来るのでありますが、どうもその点、もう一階梯をふみますと、まことにはつきりして、気持よくなつて参るのであります。私たちこの点を考えてみましても、イロア、ガリオアの援助物資の売上げ代金が、これが貿易資金の特別会計に入り、それが見返り資金の特別会計にまた入つて来る。その中から直接国有鉄道の出資ということが出て来ますと、どうしてもその間に対日援助見返り資金との縁というものが、腐れ縁で残るので、そこがどうもはつきりしないのであります。なぜこういうようなあいまいな方法をとるのか。これがどこでどうしたならば、この対日援助見返り資金の四十億との縁が切れるのか、その絶縁する場所がどこで絶縁できるのか、その点をはつきり伺いたい。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 お尋ねの前半でございまする、結局一般会計に関係が残りまするならば、むしろまわりくどい方法を用いないで、まつすぐに見返り資金から一般会計に繰入れて、一般会計から出資することにしたらいかがか、その方が事熊きわめて明瞭になるのではないかというお尋ねであります。御趣旨は非常にごもつともでありまして、ほかの点の配意するところがなければ、そういうふうにいたすのが一番はつきりしておるかと思います。ただそういたしました理由の一つは、これはいろいろ申しようはあるかと思いますが、一つの申し方はこういうことであると思います。それは見返り資金特別会計法によりまして、見返り資金の使途というものは、経済再建という趣旨になつております。しかも一般会計に金を繰入れまして、一般会計から出すということに相なりますと、一応一般会計の総計予算主義という形になります。一般会計に繰入れました金は、一応一般会計全体の歳入となり、一般会計から出す金は、一般会計からの一つの支出であるという今の総計予算主義となり、全体の歳入は全体の歳出にからみ合つているという形から申しますと、そういう形になります。それを繰入れる方法はもちろんあるわけでありまして、たとえば法律によりまして、一般会計の、こうこういう経理の金を、こうこういう出資の形で扱つてもらいたいというような、いわば特別な目的を有するような、特別な規定を設けることはもちろん可能なわけでありますが、しかしながらそういう方法をとらなかつたのは、そういうことになれば、むしろまつすぐに対日見返り資金から出す方が、最も直截簡明ではないかと思つたからであります。この点はいろいろ議論はあると思いますが、政府が一般会計を通じませんで、まつすぐ見返り資金から出しました趣旨は、そういうところにあるかと思うのであります。なお申し上げておきますが、一般会計を通じまして支出をいたしました場合におきましては、はつきりと一般会計が出資の権利を持つという形が明らかになりまして、後段のお尋ねに当りまする一般会計が出資の権利を持つという法律との関係は、今お尋ねのような疑問を生じないで、すつきりと参るわけであります。ところが前段につきましては、お尋ねになりましたような形をとりませんで、見返り資金特別会計からまつすぐに鉄道に出すということにいたしました結果、鉄道といたしましては、経理の方法に二つの方法しかない。すなわち先ほど申し上げましたように、見返資金特別会計といたしましては、先ほどお尋ねになりました受入金という形、見返り資金から出す方から申しますと交付金という形、すなわち交付金、受入金ということになりまして、見返り資金が金を出したとたんに縁が切れるのであります。なお御質問の一番最後に、一体いつ切れるのかというお尋ねがありましたが、それは出しましたとたんに切れます。そういたしますと、金が入るわけでございますが、その入つた金は一体何だということになりますが、いわば贈與でもらつた金のような形になります。それの整理の仕方は、理論的なものは二つあるわけでありまして、一つはこれを利益金と見ます。すなわち一種の贈與というような形になりますれば、利益金が出てくることになりまして、年度の決算におきまして、それだけの利益が、利益金の処分を通じまして、積立金と相なるという方法が一つあります。積立金と相なりましても、日本国有鉄道に対する出資は、全部現在のところ国でいたします。従つてそれは国の自己資本という意味におきましては、当然国に属する形になる。そういうような形も一つの形であります。とにかく出た金は、見返り資金から出たのであるが、これは究極するところ、国に属するところの権利体である。でございますから、法律をもつてこれが政府の特別会計の出資という形において、整理をいたすのだということに相なるわけであります。前段のお尋ねに対して申し上げましたお答えは、いささかくどくどしくなりまして、おわかりになりにくいかと思うのでありますが、見返り資金は、一体何に使つておるのかということを明らかにすることが要請せられて、それを明らかに、いたしますためには、特別会計という一つのクッシヨンを通じて出したのでは、見返り資金が連合軍の総司令官の指令、あるいは特別会計法の明文によりまして要請せられておるところと、これでぴつたり合つているのだということが、やや不明確になります。それをまつすぐに出す方が、正確にその趣旨が現われるというようにお考え願つたらよいかと思います。

關谷勝利自由党

○關谷委員 決して私はそれでは納得しておらないのであります。どうも大蔵当局あたりの頭のいい人は、それではつきり縁が切れたもので、将来に禍根が残らないと考えておられるかもしれませんが、われわれが考えると、なかなかそういうように簡單に行かないのであります。今のように対日援助見返り資金とはつきり書いてありまして、それを直接出しておるのだ、それを何に使うかということがはつきりわかるようにしろという指示がその筋からあつた。こういうような意味の御説明であつたように思うのでありますが、そういたしますと、私たちどうも納得の行かないことがたくさんあるのであります。この大蔵委員会に出されておりまするところの法案の第二條の第二項による場合に、国有鉄道法の第五條と関連して、非常な矛盾が起きて来る。私は今の対日援助見返り資金が贈與ではないのだ。債権債務として残るのだというような、はつきりと贈與とは言い切れないという点あたりとにらみ合わせまして、どうも妙なことになると思うのでありますが、大体出されておりましたのは、対日援助見返り資金とはつきり四十億にも書き添えてあります。から、私たちは大蔵当局がどのように説明いたしましても、対日援助見返り資金と縁が切れたものではないというような考えが残つておるのであります。そういたしました場合に、この国鉄法の第五條の第二項は、国有鉄道の出資金は、昭和二十四年の五月三十一日現在における国有鉄道の特別会計の支出の価格に相当するものが、資本金になつておるのであります。そのときの資本金は四十九億になつておるのであります。評価いたしますると、大体一兆に近い資産があるのであります。現在国有鉄道の資産を評価いたしましたならば、大体見当をつけましたのが、八、九千億円ないし一兆というのが常識でありますが、それに対する出資ということになつて来ておるのであります。そういたしますると、四十九億に対して、現在のような貨幣価値のない四十億が出されて来ると、両方で八十九億というものが資本金になつて来る。これが見返り資金の出資だということになりますると、将来これをどういうふうにいたしまするか。かりに資産再評価をいたしました場合に、あとからの四十億というものが、四、五千億というようなものにふくれて来る。こういうようなことになつて、まことに矛盾した現象が現われて来るのであります。その見返り資金というものが、はつきりと断ち切れるということが、もう少し明確でない限り、もしこれが出資という形において残つて参りました場合、見返り資金は拂わなければならないということになつて来た場合、国有鉄道に対して昭和二十四年の五月三十一日現有の四十九億に対して、四十億出資しておるのだ、そうして八十九億になつたのだ、資産の再評価はその次になつて来たのであつて、四、五千億の価値があるから、それを返えせと言われても、私たちはこれに抗弁するだけの議論は成立たないと考えるのでありますが、この点に対して大蔵当局あたりは、どのように考えておられるか。はつきりした御答弁を承りたいと思います。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 ただいまのお尋ねは、再評価との関連でございますが、どうも私の説明がまずいものでありますから、なかなか御了承を得られなかつたのは残念でありますが、今私たちの考えておるところは、おつしやいます通り二十四年の十二月にございました政府の出資四十九億に対しまして、今回四十億がつけ加えられるという形になりましよう。というのは、再評価はそう早く行われませんので、従いましてとりあえずの資本金の数字は、今おつしやつたような形になると思います。そこで再評価が行われましたときに、その場合の見返り資金によつて得られました資産というものに対して、そこに実態的の何らかのアメリカ側のひもがついて来るというふうに関連いたしまして、そのひもがいきなり四十億から一兆億に対する四割であるということになる危險があるのではないかというお尋ねであります。その点につきましては、私先ほども申し上げましたように、法律上の構成といたしましては、そういうような関係に相ならないわけであります。ただお尋ねの点は、おそらくは法律上の議論ではないのでありまして、実態上の御議論かと思いますが、実態上の御議論といたしまして四十億という見返り資金から出ました金、それのタイトルが残る残らぬという議論はしばらく別といたしまして、とにかくその金が見返り資金から出たではないかというところからスタートいたしまして、その四十億が全体の一兆億に対する大きな発言権となりはしないかという点であります。この点につきましては、私はそれが実態論でありますだけに、また実態論的に物事を考えてよいではないかという気がするのであります。すなわちおつしやいますように、現在の資本金四十九億、これは著しく実情を離れておりまして、これを再評価いたしますれば、はるかに大きな金額に相なります。それに対しまして、昭和二十五年度におきまして四十億程度の金がまわりまして、それが当該年度におきます建設勘定の金の一部をなすものでありますから、従つてどういうものがその四十億によつてでき上つたかということは、おおむね明らかになります。そういうような実態上の関係がございますので、かりに今おつしやいますような一つの因果関係というものを考えました議論に相なりましても、そのだめに全体の再評価の結果、一兆億にも達しようという資産に対します関係が出て参る、あるいはそういう議論のひつかかりが出て参るということにつきましては、私はそういう危険はないのじやないかと考えます。

關谷勝利自由党

○關谷委員 これは常識から判断いたしますと、これが法律によつて前の国有鉄道の資産の昭和二十四年六月三十日現在の四十九億、それに四十億の増資をした。そしてこれを今度再評価して、かりに一兆に及ぶものになつて来る。こういう場合に、その四十億は工事勘定であつて、使うところがわかつておるから、依然として四十億、こういう御意見だと承知してよろしゆうございますか。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 四十億は工事勘定であるという点を私が申し上げましたのは、一応形といたしましては、政府の一般会計の出資金の形に整理されるということになります。その四十億の使われた先は、そういうような二十五年度の工事勘定の内訳においておのずから明らかになるということで、従つて今までの二十四年度まで—二十五年度におきましても四十億はもちろんその一部でありますが、二十四年度までの間にできておりますところの資産全体とははつきりと区別ができるじやないかということであります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 そうしますと、これは四十億はそのまま四十億である、こういう意味ではなくて、やはり膨脹する可能性はある。こういうふうに解釈していいのですか。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 二つの点があるかと思うのでありますが、一つは、これはむしろあまり実際の議論にならないかと思うのでありますが、四十億として今度工事勘定で使われますものは、再評価の結果膨脹するかどうかという点でありますが、これは膨脹しないと考えるのが常識だと思います。お尋ねの点はむしろそうでなくして、四十億という自己資本が四十九億につけ加わつて八十九億になりますから、八十九億の中の四十億というものは、自己資本八十九億が何千億というものになるから、待つてその八十九分の四十に相なるではないかという点かと思います。そういう点といたしましては、自己資本全体はそういうふうにふくれるわけであります。しかし今お尋ねの四十億というものが、対日援助見返り資金の関係との御議論でございますので、対日援助見返り資金との関係の実質上、そこにある因果関係がある。あるつながりがあるという御議論におきましては、その自己資本八十億が何千億かにふくれるということとは、別の話になりはしないかと思います。

關谷勝利自由党

○關谷委員 どうもはつきりいたしませんが、大体四十億と四十九億を比較する場合に、対日援助見返り資金であろうとなかろうと、何らさしつかえないのであります。この不当に圧縮せられておる四十九億と、その膨脹しきつた、貨幣価値の下落した四十億、合せて八十九億、しかもこれは出資でありますので、資本金であります。この八十九億ででき上つた上において、これが依然として四十億と四十九億といつまでも分離しておくのではなくして、四十億の出資があつた場合に、八十九億の資本金になるということは間違いないのでありまして、こういうことが実業界あたりの慣例からいたします場合には、これは旧株主に割当てるというようなことでなく、特別の恩恵に浴せしめるために割当てるということになつておりますので、あとで増資せられたものも旧来と同等の権利を得るというのが、資本金の出資の場合の常道であります。そうする場合に、今の大蔵当局の御説明は納得しかねるところがあります。この点納得の行くように、世間の何人が開いてもはつきりわかるような御説明が願いたい。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 民間の会社の場合におきましては、おつしやいますように増資をいたしました後におきまして、資産の再評価が行われますれば、その増資の拂込みは、その実際の増資の拂込みによりまして得られたところの財産価値ではなく、全体の再評価せられました金額に対します資本金の割合をもつて発言権を持ち、財産権を持つということにつきましては、おつしやる通りであります。従いましてこの四十億という見返り資金から出まして、一般会計に振りかえられましたところの資本というものが、それが同じように観念せられます意味におきまして、大きな形に、もしこれが民間資本の場合でございますれば、相なることは申すまでもありません。しかしながら日本国有鉄道の現在の組立てを申しますと、これは全部政府が出資いたしておりますものでございまして、民間のような資本金に対します再評価の結果のプレミアムというような問題が、もともと生じない形になつております。ただしかしながら民間の企業において妥当いたしますものの考え方、これは政府の場合にも押し広げることができるのではないかというお尋ねだろうと思いますが、その点につきましては、先ほど来申し上げております第二の論点からいたしまして、これは法律上はあくまで一般会計そのものの出資金である。従つて交付をいたしましたときに、見返資金特別会計の縁は切れておる。でございますから、私の申し上げておりますところは、その法律上の関係ではないのでありまして、すなわち民間の場合におきまして、増資株というものの持ちます法律上の請求権というものに比する場合に、この場合見返り資金においては存在いたさない。ただ先ほど来いろいろお答えを申しておりますのは、そういうような縁の切れ方は法律上の構成のいたし方である。出たものの出所を見れば見返り資金じやないかという実情論に対して、どうであるかというお尋ねでありますので、その点につきまして、もし因果の関係がありといたしますれば、それは増資株というものが、その増資後におきます再評価によつて大きな財産権を得るというように、法律上生じます関係とは別個の問題であつて、それは実質上一つのつながりがあるという意味におきましては、これはあくまでこの見返り資金の財源によりまして、二十五年度におきましてでき上ります工事そのものである。従つてそれに対します財産権の大きさというものは、やはり三十五年度の実際にでき上ります工事に対する割合をもつて、観念せらるべきじやないかということを申し上げたのであります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 そういたしますと、いまだにはつきりいたしませんが、民間出資の場合と違つて、それは政府の一般会計から出る出資であるがゆえに、民間出資の場合とは違うと言いますが、それに対して何か法的な措置、はつきりした明文でもあるのかどうか、それを伺いたいと思います。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 これは見返資金特別会計法の改正の法文でごらんになりますように、一般会計の出資というふうになつておりますから、これは一般会計の出資であると、その法文によりまして考えておりますということであります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 石原次長は見返り資金にこだわつて、変な回答をしておられるのですが、私の申しますのは、四十億をあとから四十九億に足して出資した。その四十億というのは、もし民間の出資の場合であるならば、将来再評価した場合に、それが八十九分の四十という権利を得るのだ。しかしながら民間融資の場合と違い、政府の一般会計の出資であるから、そうはならないのだ。今次長が言われるようなことになりますと、民間の場合には八十九分の四十、政府の一般会計からの出資の場合には八十九分の四十にはならないのだ。そのならぬという何か法的な基礎があるかどうか、それを承りたいと思います。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 失礼いたしました。今お尋ねの四十億が民間の増資株式のように、既存の株式と同じ割合ではふくれないのだということを、私もし申し上げたようにお聞きになりますと、私の申し上げようが悪かつたのでありまして、私が申し上げましたのは、四十億と四十九億というものを合せまして、八十九億が何千億かになるのでありまして、これはいわば一般会計が両者合せて持つておるわけでありますから、おつしやるように八十九分の四十という観念は働くのであります。ただ私が申し上げましたのは、その八十九というもの、あるいは四十というものが、八十九分の四十という意味において働きますのは、あくまで一般会計の国有鉄道に対します出資権の関係でありまして、先ほど来議論と相なつております見返資金特別会計との関係において、大きな発言権があるじやないかという点につきましては、私はそういうような法律的の問題といささか離れた実体論の問題で、その間に相当因果関係があるという、一つの常識的なつながりを考えたところにあるだろうということを申し上げた。そのつながりに属しますものは、これは今のような法律論と話が違いますので、たとえば八十九億が何千億かになる。その八十九分の四十という議論は、ちよつとその場合は適用いたしかねるのではないかということを申し上げたのであります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 そういたしますと次長の言われますのは、やはり一般会計から出たこの四十億は、国有鉄道の資産再評価の場合に八十九分の四十、こういう権利になるということは、一般会計も民間融資の場合と同じである、こう結論してよろしゆうございますか。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 さようです。

關谷勝利自由党

○關谷委員 そういたしますと、なおさら私たちはそこにはつきりとしたものをしてもらいたい、こういうようなことを考えるのであります。これは大蔵大臣の監督によつて、国有鉄道の会計というものは絶えず指示監督を受けておるのでありますが、あの国有鉄道の鉄道法の一部を改正いたしました際に、国鉄というものは独立採算制ということを強く要望せられておるのであります。そしてそのために、この新しい工専勘定というようなことをやります場合には、借入金あるいは鉄道債券というものの発行ができる。そうして普通の何といいますか、経営費で不足があつた場合にはこれを借り入れもできるが、またそのかわり支拂いもするということで、国鉄会計において独立採算制ということを強調せられておる。見返り資金というものの関係と関連いたしまして、これだけ非常にもめておるものを、なぜ見返り資金の借入金とせずして、出資ということにさすような方法を講じておるのか。むしろこれは借入金とせしむることが、国有鉄道の会計法の趣旨にも合致しておるのであり、そしていろいろの国民の疑惑がなくなる。こういうことになれば、これが最もよい方法である。しかもそれは一応一般会計へ繰入れるということになつて、そしてそこで何かの名目で、一応一般会計へ繰入れはしたのであるが、それは見返り資金から出たものであるということを、一般会計法の中で何とか表示をすれば、その際にはつきりと見返り資金との縁が切れることになるのであります。私はこの際これほど議論の集中するものでありますならば、これを潔く借入金ということに変更せられたらどうか。こういうように考えるのでありますが、大蔵当局の御意見はどうですか。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 ただいまの借入金に切りかえてはどうであるかというお尋ねであります。私冒頭にお尋ねに対してお答え申し上げましたのは、一般論といたしまして、見返資金特別会計法のうちで、運用でなくて使用である。すなわち出資とか借入金とかいうことでなくて、使いきりになつてしまうものがあるということを申し上げたのでありますが、二十五年度の見返資金特別会計の歳出をきめる際におきまして、国有鉄道、電気通信、あるいは国有林野、御承知の住宅金融公庫と申しますか、そういうような政府の特別会計ないしは政府の機関と申しますか、そういうものに対します資金の支出が、相当大きな金額に相なつて参つたわけであります。その際におきまして、関係方面ともいろいろ相談をいたしまして、これらのうちにはある程度採算のとりにくいものがある。それから採算の比較的とれるものもあるという状況にございます。しかしながら一定の借入金に基きます元利の償還ということを考えますと、これは事業の経営上、相当圧迫になるものもあるという点から考えまして、この際相手は政府の特別会計ないしは政府が全部株式をもつておりますところのコーポレーシヨンというものでございますので、この際むしろ特別会計法の使用という言葉をできるだけこの方面に広めて考えて、この政府の特別会計並びに政府関係機関に対しましては、全部これを使用ということにいたす。すなわち拂い切りということにいたそうじやないかということにいたしたわけであります。この対象となりますものは、いろいろ収支の状況が違つておりまして、あるものは元利の償還に著しく困難である。あるものはそれほど困難でないという差がございますが、それらはいずれにいたしましても、政府の出資と相なりますので、その出資という観念で考えて参ればよろしいではないかということに相なりまして、今お尋ねのように借入金という形にいたしませんで、金を交付しつぱなしにいたすようにしたのであります。鉄道につきましても、今お尋ねのような議論を、私ども当時内外においていたしたのでありますが、一応鉄道も相当大きな製造注文の依頼を受けておりまして、経営も相当むずかしい時期にあり、従つてできるならばこれは借入金というような元利償還の義務が伴いますもので考えませんで、出資という形で考えて参つた方が、将来にわたります採算の点から言つても、楽ではなかろうかということを考えたわけであります。今お尋ねのような、逆にそれが再評価の場合に、非常に大きなものと相なるという点につきましては、率直に申し上げまして、私ども法律上の考えからあまり注意しなかつたので、そういう点から考えておりませんが、今申し上げたような趣旨において、十分言えるかと考えます。

關谷勝利自由党

○關谷委員 ますますもつて私は不可解に存じます。大体これはもうかるものもあり、もうからぬものもある。一律に扱いかねるからといえば、なおさら一般会計へ繰入れて、それから出すという出し方によつてやるということが、最も適当なのであります。この鉄道あたりへ出して、そしてそれが八十九分の四十で、今の四十億が残るというようなことになつて参りますと、鉄道の現在の会計がまことに苦しいから、それを助けてやるのだというようなお考えのように今言われましたが、もつてのほかでありまして、鉄道によつてもうけようというようなことになつて来る。もちろん先ほど言いましたように、この出資が見返り資金から縁の切れたものでありますれば、もうけても、たといその資金がどうなりましても、これは政府のものでありますので、一向国家としての損失はないにいたしましても、公共企業体として別個に相なつて、独立採算制を強調いたしております場合に、この行き方というものは、表面は御親切、おためごかしでありますが、まことに不親切なやり方でありまして、これはほんとうの国家資本でありますがゆえに、その議論も成立つかもしれませんが、民間あたりでありましたならば、これこそほんとうに便乗であつて、たいへんなことになるのであります。どうしてもこれは一般会計に繰入れて、そうして林野庁の方あたりの特別会計に入れるものは、これはもうからぬのだということになれば、またその方法が一般会計から講ぜちれる。それがこの鉄道のように圧縮された資本のところへ、四十億でそのまま来て、そしてそれが八十九分の四十で作用をするという、この方法はまことに不親切で、こういう場合には、どこへ使うかはつきりわかるようにするならば、これは見返り資金から借入金でけつこうであります。そしてこの四十億くらいのものが、あの鉄道が運賃の値上げをいたしました今日でありますので、私は一箇年を通じて、従業員の方がほんとうの独立採算制であるということから、皆が勤勉努力いたしました結果は、これくらいのものは楽に拂い得るのであります。そのものをことさらこれを出資とするところに、たといこれが国家の経営でありましようとも、はなはだこれは不合理な点がありますので、この点どうしても私たち納得がいたしかねるのでありまして、今次長の言われたように、そういうふうなことになるということが、実際にそれほどまでのことを考えなかつた。こういうことに考えておられるのでありますならば、米国対日援助見返資金特別会計からする電気通信事業特別会計及び国有林野事業特別会計に対する繰入金並びに日本国有鉄道に対する交付金に関する法律というものを修正してもらいたい。こういうふうに考えるのでありますが、修正する御意思があるかどうか、伺いたいと思います。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 私の申し上げようが不正確でありましたために、その点をちよつと修正させていただきますけれども、今御議論の点を深く考えなかつたということを申し上げたのは、ただいまお尋ねの中にありましたように、この出資の四十億が、今おつしやいますような八十九分の四十という形でふくれるということは、これは国の出資の中であるという点、それからまたおつしやいますように、これは全体の国の事業でございますので、従いまして独立採算制というような点で考えましても、できる限り各種の経営の圧迫というものは、避け得られるものならば避けて、それによつてもちろんもうける趣旨はございませんけれども、これは国の公共事業というものがうまく成立つようにしてやりたいという趣旨から、私どもは当然こういうような形で出資をすることの方が、借入金をいたすのに比べて、より適当であるというふうに考えたという意味において申し上げたのでありまして、今のよろな議論を全然度外視しておつたという趣旨ではありません。すなわち私どもは、それが全部国のものであるという点から、そういうところは十分に考え得るのじやないかという意味で申し上げたのであります。従いまして今法律案の修正のお尋ねがあつたのでありますが、その点につきましては目下そういうことは考えておりません。

關谷勝利自由党

○關谷委員 石原次長は、独立採算制から見てもこの出資の方がいいのだ。私たち実業界の者は、まことにこの議論はふかしぎに感ぜられるのでありまして、私の頭が左前になつておるのかどうかしりませんが、大体独立採算で行く場合には借入金とすべきものでありまして、これが工事勘定で出て参りましても、それだけこの鉄道の新線あるいは改良についてこれが用いられるのでありまして、それによつて増收があるのでありまして、その点は拂うて行けるのであります。これがほんとうの独立採算制でありまして、鉄道債券も発行できる、借入金もできる。しかしそれによつて拡張せられただけのものは事業が拡張せられたのであつて、收入も多くなつて来る。その収入の多い部面によつてこれが拂うて行けるのだ。こういうことになりますので、別に出資ということは、独立採算制に出資するということとは逆でありまして、これを借入金とすることが独立採算制の建前であります。こういうふうに考えられるのでありますが、大蔵当局の考え方というものと民間一般の考え方というものが、逆になつておるように考えられるのでありますが、これが出資になつた方が、独立採算制に適当であるという理論の根拠がどこから出るのか、お尋ねいたしたいと思います。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 私が申し上げましたのは、この出資によりまして、鉄道の資産がふえ、それに基きましておつしやいますような、元利償還の源になります收益の増加がある点を無視して申し上げたのではございません。ただ私はこの方がよろしかろうと申し上げましたのは、御承知のように鉄道はこの二、三年非常にきゆうくつな收支の上に立つておりまして、従来のところにおきましては、相当借入金によります負担が多い。でありますから、もちろんそれでは今後どんどんこれに対して適用して参るということを私申し上げておるのではございませんで、今申し上げましたような見返り資金で、政府企業に対してはこの際運用ということでなくて、使用という考え方で参ろうじやないかということに相なりました際におきまして、それならば鉄道は、いや自分たちは借入金だというような趣旨でがんばるべき筋合いではないのじやないかということを申し上げたのであります。それから今民間と政府との場合は逆だということをおつしやつたわけでありますが、民間の場合におきましては、おつしやいますように出資と借入金というものはおのずからあるバランスもございましよう。また自己資金に対しましては、配当という問題もございましよう。この政府の出資に対しまして、私どもこれが無配でよろしいということを必ずしも申すわけではございまんけれども、出しておるのは国である。これを受けまして経営をいたしておるものは日本国有鉄道という、これは公共企業体であるという点から見まして、私どもの考えるところでは、これはむしろ出資に対して、確定いたしました元利償還というものを考えないで行つて、それらの全体をめぐつた余力として考えて参るということの方が、より経営上利益するところがあるのじやないかという趣旨で申し上げたのであります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 まことにわからぬ議論で、それが通るというのがふしぎなくらいでありますが、大体これが公共企業体となつておるものに、政府の出資であるから、そういうものはどうでもかまわぬというような御議論に結局なつて来ると思います。そうでなければ、民間あたりの出資の場合に対する議論ではないので、この議論は暴論であるということしか考えられぬということに私たちとしては考えております。もしこの四十億で元利金を拂つておるというようなことをせずして済むからと言いますが、これを配当いたしましたところで、かりに年に五分支拂うたところで、わずか二億かそこらのもので済むという程度のものでありまして、決してこれはそれほどの国鉄の負担にはならないのであります。私今次長の言われることは納得いたしかねる点があります。そうしてこれを結局見返り資金の中から入れなければ、国鉄が非常に困るのだ。こういう点のお話でありますが、この八十九分の四十というふうな権利を與えるというのでありましたならば、国民一般に開放して、これに株をまわすというのでありましたならば、羽がはえて飛ぶほどできると思うのであります。大体そういうふうな資金をつくるために、この鉄道債券の発行ができるということになつておりますので、どうも私は今の四十億を出資とするということをことさら、特に国有鉄道法の第五條第一項におきまして、資本金が二十四年の五月三十一日でこれがくぎづけになつておる。その上に持つて来るということに対しましては、私はまことに妙なことに考えられるのであります。私はこの際もし出資としてこれを受入れる場合には、あの交付金を受ける法律の場合に、資産を再評価した場合においても、これはやはり四十億と限定するというふうな、国有鉄道が二十四年五月三十一日で資本金を限定しておるのだということさえ、法律の中に入れられるのでありますから、この見返り資金の四十億というものは、その再評価後においても依然四十億であるということを明記願いたい。そうすることがもつとも私たちのような頭の悪い者には納得の行く方法でありますが、これに対して大蔵当局はそういう但書を入れるお考えがあるかないか。これを承つておきたいと思います。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 先ほど来私の申しておりますことは、たびたびお断り申し上げましたように、法律の議論は法律の議論として割切つておる。ただしかしながら実際のつながりの関係において、なお残る議論がどうであるかということについて申し上げておるのでありまして、法律の議論といたしましては、四十億が四十九億と一緒になりまして八十九億になりましても、見返り資金のひもが切れて、一般会計から一括して八十九億という形に相なりますので、御心配のような点は生じないと考えます。従つてむしろ法律の体裁といたしましては、この今回出資いたします四十億に関します限り、再評価の場合において含めないのだということにしておきますことは、かえつて形としていかがなものであろうかと考えております。

關谷勝利自由党

○關谷委員 この特別会計の繰入金並びに交付金の法律と、国有鉄道法の一部改正とは関連性があるのでありまして、国有鉄道法の一部改正をやらなければ、この繰入金、交付金の法律は成立たないのであります。国有鉄道法の第五條第二項に規定したものが、繰入金、交付金の法律の中に盛り込まれておるのでありますが、予算にはすでに四十億というものが計上されておりますし、この国有鉄道法の一部改正が通過せずして、繰入金、交付金の法律が通過した場合に、これを実際に出資金として出資せしめる特別な便法というものがあるのかないのか。もし国有鉄道法の一部改正が通過しない場合には、従つてこれが成立して、たとい予算にあつても、これを運用することができないということになるのかどうか。この点を承りたいのであります。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 はなはだ恐縮でありますが、ちよつと今両方の條文を照し合せてみませんと、正確なお答えをいたしかねるのでありますが、あるいはお尋ねのようなことになるかもしれません。

關谷勝利自由党

○關谷委員 私の申しますのは、国有鉄道法の第五條の第二項が、今度国有鉄道法の一部改正案によつて提案せられております。そうしてそれが出たことを前提として、この繰入金、交付金の法案がまた提出されておるのであります。そうして予算には四十億というものがすでに盛られておる。予算が通過し、繰入金、交付金に関する法律案が先に通過するということがあつた場合に、国有鉄道法の一部改正が通過しなかつた。こういう場合に、予算とこれが通過したからと言つても、これは前提條件となるものがないのでありますから、予算があり、これが通過いたしましても、その通過したことが誤りであるということになつて、この運用ができないのかどうか。できる簡便な方法があるのかないのか。これをお尋ねしておるのであります。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 調べた上で御返事申し上げます。

關谷勝利自由党

○關谷委員 なお私は国有鉄道法の一部改正、並びにこの繰入金、交付金に関する法律一双方ともに対しまして相当疑義が残つておるのでありまして、あらためて再質問をいたしますが、本日は一応これをもつて私の質問を打切りたいと思います。

岡田五郎自由党

○岡田(五)委員 先ほど關谷委員の御質問に対して、政府委員から御説明があつたのでありますが、この対日援助見返り資金の金の使用によつて、一応国有鉄道建設改良費の財源にするためにこれこれの金を交付するということで、見返資金特別会計と日本国有鉄道特別会計との糸は切れるのだ、ここから一般会計の出資という形になるのだ、こういう御説明があつたのでありますが、この対日援助見返資金特別会計から日本国有鉄道に対する交付金に関する法律案の第二條の二項の條文を読合せますと、この際糸が切れるようにも考えられないのでありますが、それはいわゆる会計法の解釈からさような意見が出るのでありますか。またはつきりした條文があつての御説明なのですか。その点を承りたい。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 米国対日援助云々という中に、交付金に関する法律の第二條の二項におきまして、これこれの出資があつたものとするという規定が御指摘のようにございます。それと同様に第一條の二項には、特別会計において自己資本の増加に充てるということが書いてある。第一條の方におきましては、あるいは御質問のような疑念が出ないかもしれませんが、第二條におきましては「政府の」ということが書いてございますので、政府というものの中にはそういうものが入るじやないかという御意見であろうかと思います。しかし前段におきまして交付をいたすことになりまして、これは見返資金特別会計法の関係からいたしまして縁が切れるということに相なり、それから第二條におきまして特に見返資金特別会計に属せしめるという言葉がありません限り、これは一般会計がこういうようなものを引受けるのでありまして、特別会計というものは例外でございますから、特に断りのない限り一般会計が引受ける。その前段の交付ということと二項の政府と両方を合せまして、今申し上げましたような関係になるわけであります。

岡田五郎自由党

○岡田(五)委員 なお疑念が残つておりますが、また次の機会に質問をいたすことにいたしまして、この問題につきましてはこの程度にいたします。  次にこのたびの見返資金特別会計からの国有鉄道に対する出資が、出資総額工事勘定におきまして特別建設改良費として四十億が計上してあるのであります。しかもこの四十億の使途についての政府委員の説明では、そのうち二十三億は発電所関係の方に充当する、こういう御説明であります。残りの十六億数千万円の使途につきましては、いまだに未決定のようであります。かようなことはともかくといたしまして、二十四年度におきましては、御承知のように十三億数千万円を償却費として工事勘定にまわす。百五十億を見返資金特別会計からの借入金として、百六十数億で工事勘定をやつたのであります。しかもその工事内容は、取替工事もありましようし、また新設工事もあるのであります。ところが本年度の工事勘定を見ましても、特別会計自身の資産評価益金が百五十億ばかりあるのでありますが、その内容を見ましても、取替工事もあるし、新設工事もある。しかもそのプラス四十億のうち、わずか二十三億しか使途がきまらない。内容においては昨年とまつたく同様であります。いかに詭弁を弄しましても、まつたく同じような客観的情勢下において、何がゆえに昨年は百五十億を借入金としてやつておきながら、今年は疑問をさしはさむような出資金の形をとらなければならないのか。その客観的情勢を承りたいのであります。ただ国有林野局が繰入れで行くからとか、あるいは電信電話事業特別会計が繰入れで行くからという公平論といいますか、一般論からして、公共企業体である国有鉄道に対しても出資金のような形で、四十億かわざわざ出される客観的情勢を承りたい。それからもう一つ承りたいことは、昨年も同じような客観的情勢と同じような使途をもつて百五十億出されましたが、この百五十億の借入金を出資金に直される意思があるのかどうかということを、あわせて承りたいと思います。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 昨年は借入金でやつておいて、今年は出資にした理由はどうかと、いうお尋ねであります。御指摘のように、これは国有鉄道ばかりでなく、電気通信などについても同じ問題がありますが、これは率直に申し上げると、こういうことに帰着すると思います。昨年度におきましては、その制度の開始早々でございまして、この見返資金特別会計の金の使い方につきましては、なかんずくその運用と使用、つまり使い切つてしまう金というものにつきましては、関係方面ともいろいろ折衝をいたしまして、非常に愼重なやり方をいたしたのであります。二十五年度におきましては全体の関係を考えまして、特別会計法に規定してありまする使用という言葉につきまして、もう少し自由なと申しまするか、もう少し広げた適用をしてみようということに相なりまして、先ほど申し上げました実質的な理由もございまして、電気通信、国有鉄道以下、政府の特別会計並びに政府関係機関に広げるということにいたしたわけであります。おつしやいますように、その間におきまして、両者の問に著しい客観的な経済條件の変更があつたということよりは、まあ制度も二年目になりまするので、その使用という言葉につきまして、もう少し広い意味に解釈をいたしたいというので、切りかえたということに帰着すると思います。第二の点は、昨年にさかのぼつて、昭和二十四年度の分も出資に切りかえるつもりがあるかどうかという点につきましては、この予算の編成の時期並びにその後におきまして、司令部側と相談をいたしておるところでありまして、まだいずれとも申しかねる次第であります。

岡田五郎自由党

○岡田(五)委員 見返り資金関係の質問は、關谷委員からるる質問がありましたので、次に私は国有鉄道法の一部改正について御質問申し上げたいのであります。政府は、独立採算制において鉄道の健全なる経営をやりますがために、鉄道債券の発行により、あるいは増資による資金獲得によりまして、新線の建設あるいは国鉄の電化というようなことをやられるのも、一つの方法だとは考えるのでありますが、このたびは、見返り資金四十億を増資の形をもつて獲得しておやりになるのでありますが、この條文によりますと、今後一般会計からまた出資いたしまして、国有鉄道を増資いたしまして、緊急を要する新線の建設その他の関係に着手される意思ありやいなやということを、この條文に関連して御質問申し上げる次第であります。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 ただいまのお尋ねは、一般会計から金を入れて建設改良工事をやる意思があるかどうかというお尋ねでございますか。

岡田五郎自由党

○岡田(五)委員 さようでございます。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 二十五年度におきましては御承知のように、現在提案されておりまする予算におきましてごらんの通りであります。それでは今後におきまして一般会計から金を出して、建設工事をやるかということでありますが、これは抽象的に申し上げますれば、鉄道の経営の收支の結果がどうなるかということにもより、もう一つは建設勘定の工事を急いでやる必要があるかないかという、両方の條件に基くのだということを申し上げただけなのであります。その結果どの程度の金額になるかということは、原則といたしまして、今お尋ねのように一般会計から繰入れをしてまで、国有鉄道の建設をするつもりはないということを申し上げたいと思います。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 私は二、三の点だけ簡單にお尋ねしたいのですが、先ほど政府から、今回の対日援助資金から国鉄への出資というものは、法律的にはひもが切れておるという御説明があつて、われわれもなるほど法律のテクニツクとしては、ひもが一応切れているようにこの條文から拝見いたします。しかし私どもはこの問題を考えますときに、最も大きなフアクターは、政治的なフアクターをどう見ておられるかということなのでありますが、政府委員の御答弁の中には、どうもその面に対する考慮が少からず足りなかつたのではないかという疑いを起させるものがある。そこで私はプリミテイーヴな御質問でありますが、この対日援助見返資金特別会計というものは、もし講和会議ができましたあかつきにおいては、どういうふうに処理される見通しを持つておられるのであるかということが一つ。さらにこのアメリカの援助を受けまする資金の使う方面でありまするが、なるほど国民生活のために必要な面にいろいろ使つていただくのでありますけれども、事業上の金が必要だからといつても、公共企業体その他の形態であれば、すぐこれを導入していいかどうかということにつきまして、私は非常に考うべき要素があると思う。なるほどわが国はどうしても外資を入れなければならぬ、そのことは私どもよくわかつております。しかしながら日本の将来のために、外資を導入してしかるべき事業と、しかるべからざる事業があることをわれわれは考えるが、政府におかれては、その点について考慮をお拂いになつて、今回の御計画があつたかどうか。第三段に私は、国有鉄道というものは、将来のわが国の国民経済の中における、あるいは政治の体系におけるその圧倒的な一種の使命からいたしまして、私はいかなる形態においても外資を導入すべからずという議論を持つている。これは相手がどこの国であろうとも、この面は国民の努力によりまして、われわれの蓄積した資本によつてこの事業をまかなつて行くのがほんとうじやないか。これが国家百年の大計から見て、ぜひとも確保しなければならぬ一線じやないか。それにつきまして、形式的に法律技術的には若干の断ち切つた方法が講じてあるにいたしましても、それに近いような疑惑を招くような形態をこの際とることは、私は絶対に愼みたいと考えておりまするが、政府はその点についてどういう御考慮をお拂いになつたものであろうか。この三点についてお教えをいただきたい。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 お尋ねの点は、実は事務当局としてお答えをいたしまする範囲を、あるいは越えはせぬかと思うのでありますが、私は私としてお答えできる範囲内のことをお答えいたします。  まず第一のガリオア、イロアの結末が、講和條約においてどうつくかというお尋ねであります。これは非常にむずかしいお尋ねでありまして、率直に申し上げてわからないのであります。ただ従来の各国の場合におきまする処理の例はあるようであります。私今立の席でそれらをそらんじておりませんので、お答えいたしかねますが、従来これに類似いたしました事態の場合におきましては、必ずしもこれがその後引続き債権として残るということには、なつていない場合があるようであります。それらの具体的な事例はどうかというお尋ねがありますれば、これは重ねてお調べをした上お答えをさせていただきます。具体的な、日本の場合にどうなるかということを申し上げるのは、ちよつと早過ぎるのではなかろうかというふうに考えております。     〔岡村委員長代理退席、委員長着席〕  第二の見返り資金から出資する問題についての、政治的な関係はいかがであるか。なかんずくそれが法律論はとにかくとして、実質上外国の力と申しますか、資本と申しますか、そういうものが日本の国有鉄道に入るというような含みが出て参りはせぬかという点であります。これは私よりも運輸省の方からお答えを願うべき筋かと思うのでありますが、大蔵省が予算を運輸省と御相談をしてつくりましたときには、見返り資金というものも、対米関係で積み立てられる金とは違つて、交付ということで打切られている点から見まして、一応御心配のような点については、その必要はあるまいという考えを持つておるのでありますが、詳細については運輸省側からお答えを願つたらよろしいかと思います。  第三番目の問題についても、大蔵省としてお答えするよりは、運輸省側からお答えを願うべきだと思いますので、私としてはこれ以上申し上げません。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 ただいま政府委員から御答弁をいただいたのでありますが、私のお尋ねしたことは、一番簡單明瞭な問題でありますけれども、一番政治的に重要な問題でありますから、いずれ私は大蔵大臣並びに運輸大臣から、この三問題について御答弁を得たいと思いますので、保留しておきます。      ————◇—————

稻田直道自由党

○稻田委員長 それではこれより水先法の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 本法案につきましては、質疑も続けられ、すでに論議をいたされておりまして、これ以上の質疑はないと思いますので、質疑、討論を打切つて、ただちに採決せられんことを望みます。

稻田直道自由党

○稻田委員長 ただいま關谷君から、本法案の質疑は打切つて、ただちに討論を省略して採決してほしいという動議でありますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稻田直道自由党

○稻田委員長 御異議なしと認めます。よつてこれより水先法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

稻田直道自由党

○稻田委員長 起立総員であります。よつて本案は原案の通り可決いたしました。

稻田直道自由党

○稻田委員長 次に船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律の一部を改正する法律案を議題として、質疑を続行いたします。林君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 この法案は、やはり関係方面の意向があつてなされたのかどうか。この点をお聞きいたします。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 関係方面の意向をくみ、関係方面と折衝の結果生れたわけであります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 こういうこまかいことまで関係方面の意向がやはり来るのかどうかということが一つと、それからもう一つは、関係方面の意向だとすれば、関係方面はどういう見地からこういう方法がいいと考えられて、こういう指示をされたか、伺います。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 御質問の通り、そういう指示があつたわけでございます。それから趣旨といたしまして、定期用船に切りかえましたときに、船員は失業するのでなしに、ただちに次の船主に引継がれるものである。従つて船員に対する退職金を交付する債務を船主に負わす。その債務に対して国が補償する。こういう建前がとられたのでございまして、これは国際電気通信会社を国に接收したときにとつた例と同じだつたわけです。その方法が示唆されたわけでございます。

關谷勝利自由党

○關谷委員 本法案に対する質疑もすでに盡されておりまするので、質疑打切りの動議を提出いたします。

稻田直道自由党

○稻田委員長 關谷君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稻田直道自由党

○稻田委員長 御異議なしと認めます。よつて質疑は打切りにいたします。  これより討論に入ります。討論の通告があります。これを許します。米窪滿亮君。

米窪滿亮日本社会党

○米窪委員 本件について二つの点に関連して、私は一昨日御質問を申し上げたのであります。すなわち民法上の解釈並びに海運界の慣例によりますと、雇用主がかわつたときは、当然この債務は次に引継がずに、そのときに退職手当を渡すということに私は解釈しておるのであります。従つて雇用主が運営会から船主にかわつたときには、運営会は当然支拂うべきものであると解釈して御質問を申し上げたのでございまして、船員に対す福利施設の点その他で、私は修正案を出すつもりでおつたのですが、政府当局の御説明によつて、修正案も出さずに原案の通り賛成したいと思うのであります。  もう一点は、三年以上勤続した人に対する退職金の規定が、ここに書いてないのでありますが、これも一昨日岡田海運局長より、政治的に考慮する、あるいは研究するというお言葉がございましたから、このお言葉を信頼して、これも修正しないことに考えております。  これを結論的に申し上げれば、原案に対して賛成したいと思うのであります。しかしながら政府当局においては、この船員の意思のあるところを十分に御考慮の上、船員の意思に沿うように御考慮願いたいと思います。

稻田直道自由党

○稻田委員長 林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 私は本法案に対して、四つの点で反対したいと思います。  退職金が四億五千万円を越えることができないということは、船員の退職に対する生活の保障としては、まつたく不十分であると思うのであります。非常に内輪の要求でありますけれども、二年以上三年未満の者には百分の二百、三年以上の者には百分の三百と、何とかして直してもらいたいという希望も船員から出ておりますが、この点も全然考慮されておりません。われわれはこれでもなお不十分だと思いますが、とにかくこの四億五千万円を越えることはできないという額そのものが非常に僅少であつて、何ら船員の退職者の保障をするに足らないと思う。  第二点としては、退職船員が当然自分で受けるべき金を船舶所有者に交付され、その船舶所有者は、雇用の期間中は何年たつても本人に支給されない場合が非常に多いのでございまして、この点からしてわれわれはむしろ直接渡すべきものだと考えるのであります。この点が反対の第二点。  それから第三点としましては、しかもそうした船舶の所有者が、雇用期間中退職船員に支拂いをしない場合は、利子などについても全然本人のものとして支給される規定がないのでありまして、この点はまつたく退職金を船舶所有者の自由にし、その間の犠牲を退職船員が一身に負わなければならないような場合があるのでありまして、われわれはもし船舶所有者が雇用期間中、何年たつても退職船員に支拂わない場合には、十分その間の金利等をせめて拂うような條件を付すべきだと思いますが、この点が考慮されておらない。これが第三点であります。  第四点としましては、もし船舶所有者が本人に支拂いをしない場合には、当然それに対する何らかの罰則によつて、責任を強制させる方法を講じなければならないと思いますが、これらの方法が講じられておらない。  この四つの点から申しまして、本法案に反対するものであります。

稻田直道自由党

○稻田委員長 これをもつて討論は終局いたしました。  よつて船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。     〔賛成者起立〕

稻田直道自由党

○稻田委員長 起立多数。よつて本案は原案通り可決いたしました。  なおお諮りいたしますが、ただいま議決いたしました二法案に対する報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稻田直道自由党

○稻田委員長 異議なしと認め、さよう決します。  次会は明日午前十時からやりたいと思つております。本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時四十三分散会

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