運輸委員会 第5号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/03/03
会議録
○稻田委員長 これより運輸委員会を開会いたします。本日の議事に入ります前に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。去る二月十五日、理事米窪滿亮君が委員を辞任いたされましたが、先般再び同君は運輸委員に選、任になりましたので、この際米窪君を理事に選任いたしたいと思いますが、これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 御異議なしと認め、米窪君を理事に選任することに決しました。
○稻田委員長 国の船舶と朝鮮郵船株式会社の船舶との交換に関する政令に関しまして、政府より報告をいたしたいとの申出があります。これを許します。岡田海運局長。
○岡田(修)政府委員 ただいま議題になりました件につきまして、御報告申し上げます。この政令の内容に入りまする前に、今までのいきさつを簡單に御説明申し上げます。朝鮮郵船株式会社は、元京城に本社を持つておりまして、朝鮮総督府の命令会社であつたわけであります。しかし戰争中は、その汽船を船舶運営会に提供いたしまして、船舶運営会の手で運航いたしておりました。終戰になりまして、朝鮮郵船株式会社の一同が内地に引揚げて参りましたので、船舶運営会に提供しておりまする船からの収入をもつて、会社の経営に当つて来たわけであります。ところが、その朝鮮郵船株式会社から船舶運営会に提供いたしておりまする船のうち五隻が、昭和二十年十二月に関係方面からの指令によりまして、朝鮮政府の方に貸與を命ぜられたわけでありますが、爾来その五隻の船は、今日なお朝鮮政府の方で使用されておるわけであります。ところで内地にありまする朝鮮郵船株式会社の一同は、いわゆる在外会社としての整理をいたしまする関係上、その朝鮮政府に貸與いたしておりまする船の返済方を、政府並びに関係方面に要請したわけであります。ところが、関係方面でいろいろ勢があつたわけでございまするけれども、今ただちに返還することのできない事情があつたようでございます。従つて関係方面では、その朝鮮郵船株式会社から提供しておりまする五隻の船にかえまして、国の持つておるそれに相当する船を朝鮮郵船株式に與えるようにという指令が、昨年の十二月に出たわけであります。その指令では、朝鮮郵船株式会社が朝鮮政府に提供しておりまする船の所有権を日本政府に移して、日本政府が朝鮮政府に対する請求権を持つこととし、日本政府がその所有権を朝鮮郵船会社からとりまするかわりに、日本政府が有する朝鮮郵船会社が提供しておる船と同じトン数、牧益力を持つた船を與えるようにというスキヤツプ・インが、昨年の十二月に出されたわけであります。ここで速記をとめていただきます。
○稻田委員長 それではちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○稻田委員長 速記を始めてください。
○岡田(修)政府委員 かような次第でありまして議会開会中にもかかわりませず、これを政令をもつて実施せざるを得なくなつたわけでございます。お手元に配りました政令は、今申しました内容を織り込んだものでございまして、国が今持つておる宇品丸、室津丸、それから国有鉄道から譲り受けた船と、朝鮮郵船会社の金泉丸、成鏡丸、桜島丸、天光丸、安城丸、この五隻の船とは、三月一日に国と会社の間において、同じ価値のものとして交換されたものとする、こういうことにいたします。それから国有鉄道の所有する船舶の壹岐丸、興安丸は三月一日に国に譲渡する。従つて三月一日に国に譲渡されて、その譲渡されたものはただちに朝鮮郵船会社に移るということでございます。それで国は国有鉄道から壹岐丸、興安丸を護り受けますとともに、さらに宇品丸につきまして、国有鉄道が相当の改造費、汽船引揚費を出しておるわけでございます。その対価といたしまして、昭和二十五年三月一日現在、日本国有鉄道が使用しております国の財産を、すみやかに国有鉄道に譲り渡さなければならぬ。たとえば国有鉄道の方で使つております国の所有する炭鉱とか、あるいは工機部の施設とかいうものが、この対象になるものと考えております。そしてその譲り渡すべき財産の範囲は、国有鉄道の意見を聞いて、大蔵大臣と運輸大臣がきめる。またその価格の評価については、国有鉄道及び公平な第三者の意見を聞いて、大蔵大臣と運輸大臣が協議してきめる。それから先ほど言いましたその評価の場合に、国が国有鉄道に譲渡する財産の価格がひとしくないときは、その差額を金銭で補足する。このような政令を二十八日に決定いたしまして、三月一日から実施をいたしたような次第でございます。 なおこれにつきまして、目下この乗組船員をいかに処理するか、その他実際の引渡しの具体的な方法につきまして、目下国有鉄道並びに運輸省内部の方で協議中でございます。 —————————————
○稻田委員長 これより去る二月二十四日付託になりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。まず政府より本案に対する趣旨の説明を求めます。原政務次官。
○原(健)政府委員 ただいまから日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を申し上げます。現行日本国有鉄道法第五條は、日本国有鉄道設立の際における資本金について定め、これが増加に関する規定を設けておりませんので、資本金増加の場合を考え、日本国有鉄道の資本金を政府の出資により増加し得る道を開いた次第であります。この法律案は、昭和二十五年四月一日から施行いたしたいと存じますので、愼重御審議の上、すみやかに可決あらんことをお願い申し上げる次第であひます。 —————————————
○稻田委員長 本案に対する質疑はしばらくあとまわしといたしまして、これより去る三月一日参議院より送付されました内閣提出船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律の一部を改正する法律案を議題といたして、質疑に入ります。——本件に対しまして質疑がなければ、次に水先法の一部を改正する法律案を議題といたして、質疑に入ります。質疑を許します。岡田五郎君。
○岡田(五)委員 簡單に二点ばかり承りたいと思います。今度の水先法の一部改正の第一でありますが、第四條第一号の水先案内人の資格を、非常にゆるやかにされておるように思うのでありますが、過般水先法を提案せられました際の提案理由には、航行の安全を期するために、強制水先等の制度を確定するためにと、こういうことでこの法案が提案されておつたのであります。しかも旧法におきましては、「二年以上総トン数千トン以上の船舶に乗組み、船長の職をとり、且つ」云々、こうあつたのであります。私は曲解かもしれませんが、旧法の第四條は千トン以上の船に乗組んでおりさえすれば、船長の職は一応中年でも、一箇月でもとればいい。かような資格があると同時に、なおかつ省令の定むるところによつて、水先案内人としての実務を一定の期間習得した、二つの資格を備えなければならぬということであつたと思うのです。ところが今度は二年以上船長として千トン以上の船に乗り込んでおりさえすればよいと、こういう條件が一つありさえすれば一応水先人になれる。こういうようになつておるのであります。また一面省令できめられた一定の期間以上、水先修業生として、一定の期間実務を習得すればよい。こういうように資格が一面においては緩和されておるようでありますが一一面においては強化されたようにも解釈されるのであります。かように改正されます航行安全上の客観的な情勢の変化について、御説明をしていただきたい。かように考えるのであります。次に水先法の四條の、今度は三号になつたのでありますか、海上保安庁長官の行う水先人試験に合格したる者、いわゆる水先人試験に合格した者の資格の問題であります。この試験を資格試験と私たちは解釈いたしておるのでありますが、省令の水先法施行規則第一條によりますと、三十日以内に一定の手続をしないと、この資格が消滅してしまうがごとく考えられるのでありますが、政府当局におきまして、これを資格試験ともちろんお考えになつていると思うのでありますが、はたして施行法第一條の條件にかなわないと資格が消滅してしまうものであるかどうかというような点につきまして、御説明を願いたいと思います。
○照木政府委員 第一の御質問に対しましては、今度はあれでは別に改正いたしておりませんので、従前通り千トン以上の船の船長として乗り込んでおつて、省令で定める一定期間の修業生をやるという二つの條件を備えなければ、水先人にはなれない。かように私も考えております。ただ改正をいたしました点は、新たに水先区を定めましたり、あるいは水先人が非常に少い。たとえば一人しかおらないというような場合、あるいは水先人を急にふやさなければならないというようなときに、修業生としてやることができないという場合を考えまして、その場合も修業生の資格がなくても、別な資格において試験を受けて水先人になれる。こういうふうに改正をいたしたいと存じました次第でございます。 次に水先人の試験でございますが、これは資格試験でございます。おつしやる通り私の方もさように考えております。それについて試験を受けて三十日以内に申請をしてということは、私の方の事務処理上の考えでございまして、三十日を過ぎましても資格がなくなるとは考えておりません。
○岡田(五)委員 今の御説明によりますと、四條の第一号、今度は第二号になりましたものでありますが、私の解釈では第一号の資格だけでも水先人になれる。第二号の資格だけでも水先人になれる。かように解釈するのであります。また海上保安庁の水先人試験に合格したる者、こういう三様のものが、それぞれ一つの條件でも持つておれば水先人になれる。かように解釈するのでありますが、旧法の方は第一号には二年以上云々と書いて、船長の職をとり、かつ省令の定めるところによりということで、船長の職と二年以上千トン以上の船に乗り組んでいなければならぬ。なおかつ省令できめられた水先人の修業生の実習を習得していなければならぬ。かように解釈するのでありまして、新法では、私は相当水先人の資格を緩和したように解釈しておるのであります。今の御説明では、ただ法文を整理したので、実質はかわりないのだ。かような説明のようでありますが、さように受取つてよいりでありますか。
○照木政府委員 お答えいたします。御解釈の通りで、三つの條件を同時に備えると御解釈くだすつてよいと思います。
○稻田委員長 岡田君よいですか。
○岡田(五)委員 けつこうです。 —————————————
○稻田委員長 お諮りいたします。今回大蔵委員会に上提されております通行税法の一部を改正する法律案でありますが、本件は本運輸委員会といたしましても、相当議論をいたさなければならぬ問題でありますので、本件に関しまして、大蔵委員会と連合審議をやつた方がよいと思いますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 御異議なければ、その手続とか、いつ開くというふうなことにつきまして、大蔵委員長と本委員長と交渉の結果、それをとりきめたいと思いますので、そうした場合における一切の手続は本委員長におまかせくださいまして、大蔵委員会と本件に関しまして連合審査を開くことを決定いただきますことにつきまして、御異議ないと認めまして、さようとりはからいます。 —————————————
○稻田委員長 先ほど延期いたしておりました船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律の一部を改正する法律案を再び議題といたし、質疑に入ります。
○米窪委員 これは昨年の議会で通過しましたきわめて簡單な問題でありますが、当時の法案の趣旨は、船舶運営会で雇用されておる船舶の従業員が、常用の切りかえによつて民間に移された場合において、本人が退職した場合において船主協会がその退職金に該当する金額を運営会から預かつておつて、この法案を文字通り解釈すると、本人が船員を廃業をしたときでなければこれをもらえないことになる。しかしこれについての船員の方におきましても、船舶運営会に雇用されておるということから見て、当然雇用主がかわつて来て、それが船主協会に移り、あるいは個々の船主に移つて来た以上は、運営会から常用の切りかえになつたときから六箇月たつたときに、当然もらえるものである、こう解釈しておるこの点は大体において船員の団体である海員組合、並びに船主の団体である船主協会の方において、その解釈が一致しておるように聞いております。但し條文はそういう解釈と必ずしも一致しないのでありますので、ここに陳情が参つております。従つてまず第一に政府にお尋ねしたい点は、そういう解釈に政府は同意なさるのであるか。どうしても同意ができないということであれば、新たに議員がそういう意味の改正案を提出した場合においては、政府はこれに賛成するのであるか。この点をお尋ねいたします。 〔委員長退席、岡村委員長代理着席〕
○岡田(修)政府委員 ただいまの御質問でございますが、私どもといたしましては、運営会を離れて船主の方に移つてから六箇月後になれば、現金をお拂いするというふうには解釈していないのであります。御承知のようにこの法律を制定いたしました趣旨は、定期傭船への切りかえで、一応雇用主はかわつたけれども、船員の雇用はずつと継続する。従つて船員に拂うべき退職金を、船生にその支拂いの義務を負わすかわりに、その船主に対して国が補償するという考えをもつて臨んでおります。もしそういうふうな解釈をとらないにしても、議員の方でそういう法案を提出した場合に、政府はこれに賛成するかどうかという御意見でございますが、この点につきましては、この法案の趣旨の根本的変改と相なりますので、私ここで御確答申し上げることができないのをたいへん残念に思います。
○米窪委員 私は民法の原則などをやかましく言うからではないのですが、しかし雇用主がかわつて参つたときに、その雇用主の手を離れて六箇月たてば、当然常識的に退職ということが認められるのじやないかと思うのであります。船舶運営会に運航を委託しておつた船主の立場は、今局長のおつしやる通りでありまするが、しかし船員との関係における雇用関係については、各個の船主と船員とが雇用関係を結んだのではなくして、運営会と船員とが結んだ、こう解釈して、そこまでは委託をされておらない。であるからこそ修繕費及び人事費は、すでに昨年運営会の手を離れておる。こう思うのでありまして、私その点は法令にこだわらず、新たにそういう改正の出たときは、政府がもう一応御研究をされるべきではないか、こういうぐあいに考えております。その辺の御意見を伺いたいと思います。
○岡田(修)政府委員 ただいまの御意見に対しましては、ここで御確答申し上げることはできませんが、研究させ、ていただきたいと存じます。
○關谷委員 船舶運営会の職員に退職手当を交付するこの一部改正は、すでに以前にこの法律制定の際に論議されておりますので、多くを質問することを差控えたいと存じますが、この別表中にありますように、一年延期をいたしますと、在職期間三年以上の船員だけでなく、三年以上の船員、こういう者もできて参りますが、それに対しましてその措置が一向講じてない。こういうことになりますので、そういうふうなことを設けるお考えがあるかないか、その点御説明願いたいと思います。
○岡田(修)政府委員 まことに御指摘の通り矛盾があるわけでございまして、この法律によりますと、在職二年以上が二箇月分ということに相なつておりまして、それが三年以上にわたつても同じ率になつておるのでございます。当初この法律の適用は、ここに改正案を提築いたしましたように、昭和二十五年三月三十一日で終る予定でございましたが、帰還輸送がまだ残りましたために、昭和二十六年三月三十一日まで延長せざるを得なくなつたので、従つて船員の中には在職期間三年以上にわたる者が生じたわけでございます。しかしこの在職期間三年以上の船員に対しまして、在職期間二年以上の船員よりもさらに多くの率を給與する。たとえば三年以上の船員に対しまして三箇月分を支給するといたしますと、この法律で規定されております四億五千万円を越えて、約一千万円の額が余分に必要となるわけでございます。これにつきましていろいろ関係方面とも折衝をいたしたわけでございますけれども、どうしても四億五千万円を超過するということが認められないのでございます。さらにもう一つの理由といたしまして、運営会船員も、一般官吏と同じ退職手当を受けるべき性格のものであるのでございまするが、一般官吏は大体三年以上勤務している者が一箇月、それから三年以上の者が約一・五箇月でありまして、この法律の適用を受ける船員の方がはるかに率がいいわけでございます。従つてそういうものとの均衡上、どうしても三年以上を三箇月分というふうな率に引上げることが、認められなかつたような次第でございます。この点たいへん遺憾に存ずるのでございまするが、以上のような次第でございます。
○關谷委員 ただいまの御説明でよくわかつたのでありまするが、次に大体海員組合あたりの希望は、退職した際にただちに現金で渡せということを強く主張せられておつたのが、その当時関係方面の了解が得られない。その理由は何かというと、インフレを高進するということで、よくないということであつたのでありまするが、この法律が制定せられました当時と現在とは、経済状態が非常にかわつておりまするので、この根本理由でありますインフレに影響するということはきわめて少い。こう考えまするので、これを一応その筋へ交渉して、即時現金で船員に渡す。こういうふうにするのが適当ではないかと考えられるのであります。その点折衝せられたことがあるのかどうか。なおこの上とも折衝して、そういうふうにしようとする努力を続けられるお考えがあるのかどうか、この二点をお聞きしたいと思います。
○岡田(修)政府委員 この点につきましては、海員組合側の御希望もありまして、機会ある都度関係方面とも話し合つておるのでございまするが、まだその機運に至らないわけでございます。先ほど米窪委員からも御質問がありましたように、これにつきましてなお十分研究さしていただきたいと存じます。 —————————————
○岡村委員長代理 次に、これより日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたしまして審議を進めます。これより質疑を始めます。
○關谷委員 この法律案は、各方面から非常に危惧の念を持つて見られており、私たちもこのようなことにいたしますることは、何となし心もとないような気持のする改正案でありまするので、この点は納得の行くような御説明、並びに納得の行くような措置を講じておいていただきたい、このように考えるのであります。大体この改正案によりますると、昭和二十四年の五月三十一日現在における鉄道事業特別会計の資産の価格に相当する額が、国有鉄道の資産である。その当時約四十九億円でありましたか、その資産に対して、今回予算面に盛られておりまする四十億というものが受入れという形で、これが増資ということに相なる。こういうことで一兆に余るこの国有鉄道の財産のところへ持つて行きまして、現在の価値の四十億円というものを持つて行つて、それが四十九億円に対する四十億増資ということになつて参りまするので、将来それがどう影響するかということについて、非常に疑念を持つておるのであります。その点をはつきり政府でも答弁を願い、それに対して国民の納得の行くような方法を講じて、この法案を通過させたい、こういうふうに考えるのであります。この点納得の行く説明並びに国民を納得せしめるために、どういうふうな方法を講ぜられる気持であるかということをお尋ねいたしたいと思います。
○足羽政府委員 御質問にお答えをいたします。ただいまの御質問でございまするが、今回の見返り資金からの国有鉄道に対する出資につきましては、昨年はこれを借入金として百五十億円出したのでございまするが、今年度の見返り資金の使用方針としては、公企業に対してはこれを交付するものとして、返還を要しない方針である。こういうようにわれわれ承知をいたしております。従つてこれをどういうふうに国有鉄道に対して出すか、こういう問題でございますが、返還を要しない資金を出資としないでいたしますると、これが利益の対象となるので、そういう意味で出資として扱うようになつた。こういうふうにわれわれは考えております。なおこれは政府からの出資でございまして、国有鉄道の現在の規定では、先ほどお話のように二十四年の五月三十一日の国有鉄道特別会計の資産に相当する額がその資本金になつたのでございますが、それに加えて政府が今度四十億円というものを全額出資する。そういうふうに法律上ははつきり、政府からの国有鉄道に対する出資ということになつております。特に今お話がありました非常にこの扱いについて疑惑があるという御質問でございますが、それについては法律ではつきり、政府からの国有鉄通に対する小出資というふうになつておりますので、そういうふうに御承知を願いたいと考えるわけであります。
○關谷委員 それならば、その間にもう一階段を加えて出資してもらいますれば、国民も納得するし、われわれも非常に将来にそういう疑問を起さないで済むことになりますが、それが見返り資金特別会計から、一応政府の一般予算の中に入つて、政府の一般の予算の中から一度繰入れられたものが完全に濾過せられて、政府の出資ということで鉄道出資ということに出て来れば、その点何らの疑惑をさしはさむ余地はないのでありますが、見返り資金から直接の出資として、しかもそれには見返り資金の受入れということが予算に書いてある。こういうふうなことになりますので、この点なぜ一応国の会計と申しますか、それを通じて出すというふうな方法をとらなかつたのか。なおまたこれを借入金ということにすれば、もちろん問題はないわけであります。従来百五十億なり百七十億なり繰入れたものが、借入金になつているのであります。ことさらこの借入金を受入金というようなことにした、その理由を承りたいと思います。
○足羽政府委員 初めの第一段の御質疑の点でございますが、これはこの議会に大蔵省から提案になります法律案に、この特別会計と、それからこの国有鉄道に対して見返り資金から来る金をどういうふうにするか。こういうことの内容をきめた法律案が提出されるようになつておりまして、それにはこの見返り資金特別会計から必要な資金を、「予算の定める金額の範囲内で必要な金額を交付することができる。」こういうふうにきまつており、かつその交付を受けた金額に相当する金額について、政府が日本国有鉄道に対して出資があつたものとする、というふうに書いてございまして、見返り資金から直接出資をするというのでなく、見返り資金からある一定の金額を交付できるということを定め、それを政府から国有鉄道に対する出資とする。こういうふうに政府からの出資というふうな法律案でございます。従つてこの見返り資金から出資があつた趣旨でないと私たち考えている次第でありまして、政府からの出資、こういうふうに考えております。 なお借入金のお話でございますが、先ほど申しましたように、昨年においては借入金という方法によつて、見返り資金を国有鉄道が使つたのでありますが、今年におきましては政府として、見返り資金の使用方針として、公企業に対してはこれを交付するものとする。返還をさせない方針、こういうふうにわれわれ承知いたしております。従つて先ほど申し上げました大蔵省から提出になります法律の内容を見ましても、電気通信特別会計あるいは国有林野特別会計に対しては、それぞれ繰入金とし、国有鉄道に対しては政府からの出資、こういうふうに扱われているように了承いたしている次第であります。
○關谷委員 第一の点でありますが、どうも私納得が行きかねるのでありまして、国有鉄道の予算を見ました場合に、明らかに見返り資金の受入れと書いてあるのであります。政府の言うようにこれが政府の出資である、こういうことになるのであれば、ことさらそこへ「見返資金」という文字をつけ加える必要はないと思うのであります。それでありますなれば、あの予算の中に「見返資金」という文字を削除するのが至当である。こういうふうに考える、のでありますが、この点に関する政府の考え方を承りたいと思います。 なお第二の問題でありますが、交付するのであつて、返還させない、こういうふうなことになつておりますが、国有鉄道におきましては独立採算制ということを強く叫んでおりまして、その上つて来ました收益を、いろいろ改良方面に持つて行くことが原則になつておりますのに、これを受入れて、そうして返還させないというようなことで、一方にこういうふうに返させずして、国有鉄道の方にやるというふうな金がある場合には、あるいはまた政府の方から、国有鉄道の会計というふうなものから見て、政府が必要な場合には、一定のものを指示して返せということも言い得ると考えられますので、あの国有鉄道法の審議の際に、非常に論議をせられた独立採算制の精神というものに反する。こういうふうに私たち考えるのでありますが、この点に対しましては、鉄道当局あるいは運輸当局がどういうふうに考えているか、承りたいと思います。
○足羽政府委員 独立採算制と、それから見返り資金を返さないで受入れるものとの関係は、どうかという御質問でありますが、従来鉄道のいわゆる建設改良の資金は、一部は收入金をもつて充当し、大部分は鉄道公債を発行してこれをまかなう、こういつたかつこうでやつて来ておつたのでありまして、現在になりましてもその工事勘定の財源として、鉄道の收入以外のものから持つて参るということは、それがあるいは出資の形で行われるか、あるいは借入金の形で行われるかという違いはありますが、いずれにいたしましても鉄道のいわゆる独立採算制の問題とは、関連のない問題である。こういうふうに私は考えております。 もう一つ御質問の点でありますが、なるほど予算総則の十二條に、「米国対日援助見返資金特別会計から受入れた金額を限度として」云々ということが、特別改良費四十億について書いてございますが、この四十億については、特別会計から受入れた額を限度として云々と書いてある「受入れ」というのは、出資という意味ではない。こういうふうに私たちは考えておりまして、この文句も先ほど申しました大蔵省提案の法律案の中の文句と照応する、こういうふうに考えております。大蔵省提案の法律案におきまして、見返り資金も特別会計から「繰入れる」という言葉と、それから見返り資金特別会計から「金額を交付することができる」という言葉と、それから「交付を受けたときは、その交付を受けた金額に相当する金額」を「政府の日本国有鉄道に対する出資」というふうに書きわけてございますので、受入れと出資とは別である、こういうふうに考えております。
○關谷委員 どうも私たち頭の悪い関係か、そこらがはつきりとわかりかねるのでありますが、このいわゆる見返り資金は、大体順序から申しますと、いろいろ輸入物資というようなものの売上金が、貿易資金の特別会計に入る。それを見返り資金の特別会計というふうなことにし、それが出て来ているので、どうしても一連のつながりがあるということが、どのように考えても頭の中に残つて来るのであります。これがそういうふうなつながりのないものだというふうに、どこでどういうような形で断ち切れるものか。画然とどこでもその性格が全然かわつてしまつて、そうしてそれに対して一切関連のないものであるということが、はつきり納得のできるようなところを、御指摘を願いたいと思います。
○足羽政府委員 これはあるいは先ほど申しました法律案については、提案省から説明していただいた方が適当であろうと思いますが、この法律案におきまして、政府の国有鉄道に対する出資、こういうことでそうした御質問の関係は、御疑念がなくて済むものと実は考えております。
○關谷委員 それではこの関連性その他につきましての事柄を鉄道当局に聞きますことは、これはあるいは筋違いであるかもわかりませんので、これは一応委員長より大蔵省関係の方へ交渉して、そうして大蔵省からこれにはつきりとした説明を、次の委員会でけつこうでありますから、いただくようにおとりはからいが願いたいと思います。 なお先ほど独立採算には、こういうものを受入れてやることが全然関連のないもの、こういうふうなお話がありましたが、私たちが考えますことは、独立採算制でやつて行きますことは、鉄道の收益、これは何と申しますか、利用者が鉄道にもうけさした。今度運賃値上げ等もありましたので、将来相当の收益が出て来るものと私たちは考えておるのでありますが、そういう場合に、その收益をもつて利用者の便宜をはかるところの施設の改善、サービス改善というようなところへ持つて行き、また改良等をやります上に資金のいります場合には、こういうような受入金あるいは借入金というものを——もちろん借入金ならけつこうでありますが、受入金というようなものではなくて、借入金あるいは鉄道債券を発行する。それによつてそういうような施設の改善、すべてのサービスの改善ということをやつて行きますことが、ほんとうの独立採算制であつて、受入金というようなことでやりますことは、その精神に反する。このように考えておるのでありますが、鉄道当局の御意見をもう一度はつきり伺いたいと思います。
○足羽政府委員 現存持つております財産の価格の値打の維持と申しますか、そういつたものはその收益から上るものをもつて、維持せらるべきであるとは思いますが、しかし財産の増加部分については、收益部分からのみその財源を求めるということはないと思うのでありまして、そうした意味合いから、先ほどこうした新しい建設改良的な仕事、あるいは借入金にいたしましても、あるいはこうした出資という形にいたしましても、そうした金を部外から受入れて充てても、独立採算制の趣旨とは矛盾しない、こういうように私は御返事をしたわけです。
○關谷委員 それは財産の増加部分に対します分は、こういうふうなことでやつてさしつかえないと申しますが、ほんとうの企業体の独立採算というようなことから申しますと、外から受入れて返さずに済むものであるということは、独立採算に完全に反するものでありまして、そういう場合にこそ初めて鉄道債券を発行することができ、あるいは借入金をすることができるのでありまして、返すべきものは返し、そして債劣を発行して財産の増加した部分は、あるいは将来拂い得るようなことになつて来ますので、そのために設けられているのが鉄道債券であり、借入金の方法でありますので、こういう受入れというようなことは将来排除いたしまして、鉄道債券あるいは借入金によつて、将来のすべての拡張というようなことを行うのが、独立採算というふうに私たち考えているのでありますが、そういう考え方が間違つているというお考えであるのかどうか。もう一回承りたいと思います。
○足羽政府委員 われわれの普通使つております独立採算制という言葉の意味と、多少違つてお考えになつておるのではないかというふうに私実は考えております。
○關谷委員 どういうふうに違つておるのか。その点を御説明願いたいと思います。
○石井(昭)政府委員 ただいままで運賃値上げ等につきまして、独立採算制という言葉を使つていろいろ論議しておりますのは、監督局長からただいままでいろいろ御説明申し上げましたように、收支経営費のバランスの問題を主として言うておるように考えておるのでございます。しかしながらただいま關谷委員のおつしやいましたように、その工事勘定を含めました全体につきまして、ただもらうというような金のあることは、独立採算上の精神に反するという御意見であると思います。ただいまの御意見につきましては、まことにごもつともな点もあると思います。ただ国有鉄道は御承知のように政府の全額出資になつておりますので、政府から資本増加に相当する金額を出資することは、国有鉄道自体の公共性から見ましても、必ずしも悪いやり方ではないじやないか。一つの方法ではあろうと思います。もちろん借入金、公債等によりまして、将来返還して行くという財源によつて資本増加をはかることももちろん必要でございますし、そういう方向に主としてやるという御意見も、まことにごもつともと思うのであります。今回の処置が独立採算制にただちに矛盾するということにはならないじやないかというふうにお答えしただろうと思います。
○關谷委員 どうも私たち実業入から考えますと、そういうふうな理論は成立つのかどうか、まことに疑わしいのでありまして、私はそれは完全な独立採算制というようなものではないと考えるのであります。どうしてこれを借入金というふうなことにし得ないで、受入金で行かなければならないか。そしてその独立採算というふうなことにつきましても、鉄道債雰も発行できるし、借入金もできるというふうな方法があるのにもかかわらず、受入金というふうなことでやらなければならぬ特別な理由が何かあるというふうに、これは危惧の念を持つことほ、あながち私一人ではないのでありまして、やがてこれがどこかで、この見返り資金というようなものを通過する場合に、それが完全に国内の日本政府の金であるというふうにかわつて来るのかどうか。その説明を聞いた上でなければ、私たち納得のいたしかねる議論であると考えるのであります。先ほど私大蔵省の説明を求めるというようなことを要求しておりまするので、これ以上の押し問簿は省略をいたしまして、大蔵省からの説明を聞きまして、納得した上において、この法案の審議にもう一回説明を求めたい、かように存じます。
○岡田(五)委員 ごく簡單に一言申し上げます。大体私は關谷委員と同じような疑問を持つておるものであります。政府委員の關谷委員に対する答弁によりましても、この疑念は一掃されない。先ほど政府委員の説明では、見返り資金特別会計から国鉄公社の方へ四十億出すということが予算書に出ておるが、これはやはり政府出資だというようなことで、もう一段階ふんでもらつた方がいいじやないかという關谷委員の質問に対して、いかにもふんだような説明をされたのでありますが、一般会計の予算項目に、政府出資その他というりつぱな項目があるにかかわらず、これを通さないで、見返資金特別会計の中にはつきりと書いてある。この段階が先ほどの政府委員の説明と合わないように思うのであります。はつきりと政府自身が政府の特別会計ではあるが、見返り資金から出すのだ、こういう一段階をふんでおることを私は確信するのであります。それで私がお聞きしたいことは、二十四年五月三十一日の資産総額四十九億が、一応政府当局は現在の国有鉄道の資本金とおみなしになつておるのかどうか。この五月三十一日の総資産を再評価して一応国有鉄道の資本金とみなされるつもりか。すなわち資産の再評価をされるお見込みがあるのかどうか。この点を私はお伺いいたしたいと思います。それからもう一つお聞きいたしたいことは、国鉄の予算書を見ますと、政府出資の四十億そのものが工事費の特別建設改良費としてあげられており、しかもその使途は白紙であります。何ら明示されていない。また何ら決定していない。この点とこの四十億の見返資金特別会計からの出資との関連性があるのかないのか。この点をはつきりお話をしていただきたいと思います。
○足羽政府委員 現在の日本国有鉄道の資本金は、お話のように昭和二十四年五月三十一日の日本国有鉄道事業特別会計の資産の価額に相当する額でありまして、それはなお施行法によつてさらにこまかく書いてあるのでありますが、具体的な金額といたしましては、九億余でございます。なおそれを再評価するかしないかという御質問でございますが、これは私どもの考えといたしましては、再評価をするこどが望ましいと思うのでありますが、現在のところでは、再評価法によりまして政府の財産、あるいは自治体の財産、あるいは専売公社、あるいは国有鉄道のようなこうした機関の財産は、再評価をしないということになつておりまして、もしこれを荷評価することが必要になりますれば、これは別に單行法が必要になろうか、こういうふうに考えております。それからなお特別建設改良費の四十億円、予算に上つておる金額でございますが、これはまだ費途が具体的にはつきりしておらない。この点は予算を提出いたしますまでにおきまして、それをはつきりさせるまでの関係方面の了解も得る道程に至らなかつたというので、こういうふうな特別建設改良費という項目で、内容がないままに出ておるものと、かように承知いたしております。なお現存の会計におきましては、これをいかにするかということにつきまして、関係方面と折衝中でございまして、先般の予算分科会で、政務次官から御説明があつたと思いますが、大体においてこれのうち約二十三億五千万円前後のものが、信濃川の第三期工事に充当し得るように話が進み一つつあるように、私承知いたしております。なおその余の残額につきましては、まだはつきりいたしておりません。いずれこの内容につきましては、そういうふうにはつきりいたして参ることと考えております。
○岡田(五)委員 今私お尋ねいたしましたのは、この見返資金特別会計から四十億出されました、この四十億が白紙になつておる。これとの何か関連性があるのかどうかということをお尋ねしたのでありますが、その関連性については御返答がなかつたのであります。 次に簡單にお尋ねいたしますが、この法律によりますと、今後見返資金特別会計以外の特別会計から出資する場合もあり得ると考えるのであります。また見返資金特別会計が、これは将来の話でありますが、なくなつてしまつて、出資の必要もなくなつてしまうと、こういう法律もいらなくなる。こういうことについてほかの一般会計その他の特別会計からも出資できるのかどうか。わざわざ見返資金特別会計から今度出資することになつたから、もちろんこの法律を出されたのでありますが、その辺の関係をちよつと御説明願います。
○足羽政府委員 前段の、先ほど御返答を漏らしましたが、これは見返資金特別会計から特に受入れたということと、それから四十億との関係は特別なものはない、こういうふうに御承知願いたいと思います。それから今後もし別な会計から出資をするという問題がありますれば、そういうことは今後もでき得ると思います。
○岡村委員長代理 本日はこの程度をもつて散会したいと思います。次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後零時三十五分散会