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6回国会参議院1949/11/12

本会議 第9号

発言数
19
登壇者
12
会派数
5
開催日
1949/11/12

会議録

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。  この際お諮りいたします。川上嘉市君より病気のため会期中請暇の申出がございました。許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。  吉田内閣総理大臣より発言を求められました。この際許可いたします。吉田内閣総理大臣。    〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(吉田茂君) 昨日本会議における太田敏兄君の質問に対する私の答弁中、又講和條約は條約である以下は、趣旨誤解せられる虞れがありますから、これを取消します、御了承願います。(「分つた、分つた、分つた」と呼ぶ者あり、拍手)      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 日程第一、国務大臣の演説に関する件。昨日に引続き順次質疑を許します。三好始君。    〔三好始君登壇、拍手〕

三好始新政クラブ

○三好始君 新政クラブを代表してお尋ねします。  今日の政局は、国際的には講和條約締結が漸く具体化せんとするに至り、国内的には戰争の影響に基いて生じた経済体制が変革せんとする過渡期に当つて、内外共に重大なる問題に直面しておると考えられるのであります。而も、問題の抽象的な議論ではなくて、具体的な構想乃至結論について真劍に検討され、解決されねばならない段階に来ておると言わねばなりません。このような政治の現実と真劍に取組むならば、首相の施政演説の内容は、もつと具体的に明らかにされねばならない問題が多いと思うのであります。首相は講和問題に関して、我が国が「世界の文明と平和と繁栄に貢献せんとする決意を明らかにし、文明国世界の我が国に対する理解を促進する」と述べ、無軍備こそ安全保障の道であると言われたのであります。私はそれに対して異論を唱えんとするものではありませんが、今日国民が重大な関心を拂つておりますのは、しばしば指摘されたように、戰争を放棄した無防備の我が国が客観的に如何なる機構の下で安全を保障されるかという点であり、もう一つは、我が国の経済的な自立が可能なるがごとき條件が與えられるかどうかということであります。  首相は、安全保障の機構として、中立、集団保障、或いは別種の形式のいずれを考えておられるのか。或いはかかる特定の機構を必要としないと思つておられるのか。承わりたいのであります。又、我が国の安全を保障するために特定国と軍事的な内容を持つ條約を結ぶことが、憲法第九條の精神を破壞せずして可能であるとお考えになりますかどうか。見解を承わりたいと思います。  更に、我が国の経済的な自立並びに人口問題打開のため、我が国民の海外移民を要請する必要を感じておられるかどうか。首相は我が国の人口問題についてどのようにお考えになつておられるのか。明らかにせられたいのであります。  首相は、農業政策に関しては、ただ今後における国際情勢、経済情勢の変化に順応し得るよう、農家経済の安定を図り、産業再建に貢献しつつある農業の基礎を確立するため、適切なる各種農業政策を樹立実行して行くつもりであると、抽象的にただこれだけを言つておるのに過ぎないのでありまして、食糧問題のごときは、ただの一言も触れておらないのであります。我々は、政府の抱いておる適切なる各種農業政策とは何であるか、それが如何に実行せられるかについて、危惧の念を抱かざるを得ないのであります。食糧情勢の変化に伴い、輸入食糧は容易に増加し得る情勢に向いつつあります。これは国民経済並びに農業に対して新たなる課題の提起を意味するのであつて、決して楽観的な材料とのみは言えないのであります。今日の農業政策に要請されておりますのは、もはや場当り的な対策や單なる情勢追随の政策ではなくして、国際的な食糧情勢の転換期に直面して、根本的、恒久的に食糧政策を如何に樹立するか、食糧自給度の目標をどのように考えて行くか、更に農業に対して国家が保護政策をとるのか、或いは自由放任政策をとるのかという根本的な問題であります。今日では個々の農業政策、食糧対策を考えるのに当つて、先ずこのように根本問題に対する態度の決定を必要としておると考えられるのであります。農林大臣は一昨日の答弁におきまして、食糧を極力自給して行くつもりである。こう言つておりますが、それに続けて、足りない食糧は工業製品の輸出によつて輸入を確保して行く。こう申しております。これでは短期的な食糧対策を言つておるのに過ぎないのでありまして、根本的、恒久的な政策の表明ではないのであります。自由経済を主張される政府は、今後自由に安価なる食糧を輸入し得る場合、国内食糧生産の減退をも自由にせんとするものであるか。或いは保護政策を講ずる用意があるのか。先ず承わりたいのであります。この問題は、我が国産業構造の中で農業の比重をどのように考えて行くか、講和條約締結後の我が国産業経済の重点をどのように考えて行くかという問題にもなるのであります。経済政策、農業政策の根本問題であると考えられるので、特に首相及び農相の所信を明らかにされたいのであります。  尚、国際小麦協定に加入することは、今後の食糧及び農業問題に重大な関係を持つておると思いますので、併せて政府の考えを承わりたいと思います。  米価の決定は供出前に行わるべきであつて、供出が始まつてまだ決定されないということは醜態であると言わねばなりません。(「そうそう」と呼ぶ者あり)政府は速かに米価を発表すべきでありますが、今後米価その他農産物の価格決定に当つて、再生産を保証するための新たなる構想を持つておるかどうか。又、従来供出価格と配給価格の差額は一石当り約千七百円と、殆んど五割増に近い状態は、生産者も消費者もすべてが改善を希望しておるところでありますが、これに対して政府は如何なる対策を持つておられるか。又新米価決定後の消費者価格をいつ改訂せんとするのか。明らかにせられたい。本年産米の収穫予想は尻下りの状態にあると見られ、供出割当に対する各府県からの減額補正の要求は一千万石に近い数字を示しております。政府において明らかになつておる収穫予想高と、補正要求に対する政府の処置をお伺いいたします、  追加供出の法制化を内容とする食糧確保臨時措置法の一部改正案は、第五国会で参議院通過後、衆議院で継続審査するという議会政治の常識に反する取扱を見たのでありますが、その後、米券制度が登場し、衆議院農林委員会は、審議期間を残して審議を打切るという、これ又異例の処置をとつております。政府は本国会において再びこれを提出する意思があるのかどうか。あるとすれば、追加供出の法制化がなされねばならない根拠について承わりたいのであります。甘藷の統制撤廃については、食糧事情の正しい認識と農村の実情に基いて判断すべきでありますが、早くから統制撤廃が行われるという予想を與えたまま未確定の状態で今日に至り、不安と混乱が見られるのであります。統制撤廃は作付計画にも関係するので、撤廃すると否とに拘わらず政府はその方針を発表すべきであります。統制撤廃が甘藷の減産を招くことは殆んど確定的であると見られておりますが、私はむしろ甘藷を現在以上に増産して利用形態の合理化を図ることが、食糧政策上並びに農業経営上の課題であると考えるのであります。すでに数年以前より東京大学その他で、甘藷の新らしい加工方式としての製粉の工業化の研究が行われております。これが実験的には完成の域に達しているのでありますが、政府は統制撤廃という消極的な政策に低迷することなく、一歩前進して、新らしい分野を開拓するこのような研究の完成実施を促進すべきであると思いますが、これに関する方針を伺いたいと思います。尚、農林大臣は農村工業について力説されたのでありますが、農村工業発展のためにどういう用意を持つておられるのか。併せてお尋ねいたします。  次に文教問題についてお尋ねいたしますが、我が国が世界の文明と平和と繁栄に貢献せんとする決意を明らかにせんとする以上、教育の振興と学術研究の促進に対する熱意が予算の上に具現されて然るべきであると思うのであります。ところが過去において、教育費、研究費が常に予算の上で冷遇されて来たのは周知の事実であります。湯川博士のノーベル賞受賞という輝かしい業績の他面、最近我が国の多くの学術研究機関が予算の不足で危機に直面しており、初等教育の充実を説く首相の演説にも拘わらず、全国の学校は教育費の不足に悩み、予算に関連した教員の定員定額制は、最近において教育界に旋風を巻き起しております。このような教育並びに学術研究の危機打開のため、過去の態度を根本的に反省し、ひとり文部省だけでなく、政府全体の責任において、従来の傾向を脱却した理解と熱意を示すべきであると思うのであります。そこにこそ文明と平和に貢献せんとする誠意を認め得るのであります。この点に関し首相並びに文相の所信を伺いたいのであります。  政府の重要政策であつた定員法による行政整理は、九月末を以て一段落したのでありますが、形式的に定員を減らして、実際上では非常勤職員の増加している事実があります。例えば食糧庁における非常勤職員は二十三年度の月平均千五百七十名、二十四年度の九月までの月平均千百五十四名に対し、十月以降は月平均五千五百名が予定されて、四倍前後の増加になつているのであります。非常勤職員は国家公務員法第七十四條により身分保障がなく、その意に反する不利益な処分を受けた場合の審査請求権も與えられておりません。而も退職手当及び死亡賜金も支給されない、これらの職員は決して政府が言うがごとく單純なる労務に従事する者のみではないのであります。行政整理の結果かくのごとき非常勤職員が増加することは、行政事務の運営に支障を来たすことになり、機械的な整理を行なつた定員法の矛盾を暴露したものと言わねばなりません。首相の言明したごとく、行政整理によつて来年度二百余億円の行政費節約が実現するとすれば、その蔭には多数の失業者の外に、身分も保障されず、自由に処分され、退職金も死亡賜金も與えられない職員が増加している事実を知らねばならないのであります。單純なる一時的労務に従事しない非常勤職員は最少限度に止めて、一般職員に繰入れるのが正しい態度であると思うのでありますが、これに対する政府の考えを承わりたいのであります。  行政整理が支持された有力な根拠として、整理後の公務員を優遇することにより十分に能率を挙げることができる、こういう考えがあつたと思われるのでありますが、政府はこれとは全く逆に、給與ベースの改訂に対する人事院の勧告すら無視せんとする態度を明らかにしております。而もその代償として示されたのは「減税、諸手当の充実、厚生施設等によつて実質賃金の増加を図る」という未確定の公約に過ぎないのであります。凡そ公約は予定通り急速に実現しないことはすでに実験済であります。それにも拘わらず生計費の高騰は現実の問題である。政府は公務員に関しどの程度の減税が可能であると考えておるのか。諸手当の充実とは如何なる具体的内容を持つているのか。厚生施設とは何をどの程度に実現せんとするのであるか。これらによつてどの程度の実質賃金増加が可能なのであるかを示されねばならない。このような具体的な方針を明らかにせずして、人事院の勧告を無視せんとする態度は、決して国民を納得せしめるものではないと思うのであります。  今回の臨時国会の主要課題として税制改革が挙げられておりますが、大蔵大臣の財政演説が予定されておりますので、ただ一点だけお尋ねいたします。今回の税制改革は即ち減税であると一般に考えられております。減税が実現すれば、それに対応して支出節約が必要となるのでありますが、首相の演説によりますと、行政費節約、各種補給金廃止などが予定されておるようであります。私はこれらに対して根本的に反対せんとするものではありませんが、減税、従つて支出節約が巨額になればなる程、それによつて国民経済安定の上に生ずる新たなる課題を克服する対策を持たねばなりません。例えば支出の節約はややともすれば重要なる経費の削減にも及ぶ虞れがあり、価格調整費の廃止は物価体系に影響を及ぼすことが考えられます。政府は減税に関連して生ずるこのような問題に、どういう対策を持つておるのか承わりたいのであります。  最後に中小企業に関してお尋ねいたしますが、今日、中小企業は、金融難、経営難で危機に直面していることがしばしば訴えられております。これに対して通商産業大臣は一応の応急対策につきまして昨日答弁されたのでありますが、中小企業の問題は将来長きに亘つて国民経済の大きな課題となるものと考えられますので、恒久的な対策をどのように考えておられるのか承わりたいのであります。私の質疑はこれを以て終ります。(拍手)    〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。  講和問題は頻りに論議せられますが、昨日も申した通りに、政府として承知いたしておることは外電以外に何もないので、又具体的に連合国その他からして未だ何らの話もないのでありまするから、今日の場合において政府としては、安全保障の機構をどうするかとか、或いは特定国と軍事條約を結ぶ可能性がありや、或いは海外移民をどうするかというような御質問に対しては、今日においてはまだ政府は、政府の意見を発表するなり、又発表することのできない立場におりまするから、いずれ講和條約草案等を見ました上で、或いはその他確実な情報を得た上で以て、政府の意見を発表いたしたいと思います。  又農業政策と講和條約というお話がありましたが、今申した通りに、講和條約の草案なるものを承知いたしませんから、農業政策、従つて講和條約に関連して云々ということは、ここで申しにくいのであります。併しながら今日まで、戰前、戰時中或いはその後に至る間、食糧問題その他からして、農業政策に対しては、相当この管理と申しますか、統制その他の機構を以て対しておりますが、食糧事情が緩和された今日、又日本が講和後において自由なる立場で農業政策を立案しなければならぬ立場に近くなると考えますから、政府としては農業政策の根本をどうするかということは、現に極力深甚なる注意を以ていたしております。いずれその研究の結果については発表する時期があることと思います。  又教育、学術研究等についての予算の上における措置について、いろいろお話がありましたが、今日までのところは、均衡財政を樹立するために、政府は極力他の必要な費用も止むを得ず切つておりましたが、財政の余裕と共に、教育その他学術研究等については、できるだけの予算を組むつもりであります。現に補正予算或いは来年度の本予算等においては相当の費用を見積つておるのであります。いずれ予算が提出せられたときに御吟味を願いたいと思います。  給與ベースその他のことについては、私は施政方針等において一応申述べて置きましたが、詳細については主管大臣からお答えをいたします。(拍手)    〔国務大臣森幸太郎君登壇、拍手〕

森幸太郎民主自由党農林大臣

○国務大臣(森幸太郎君) 三好さんにお答えいたします。  最近におきまして我が国の食糧事情は、終戰当時に比べて著しく改善せられまして、二合七勺の主食配給ベースは何らの不安なく維持されておるのでありますが、これは国内農業生産力の回復と世界の食糧事情の好転による輸入食糧の増加に負つておりますことは、御承知の通りであります。現在、我が国は、戰前、朝鮮台湾を含めて食糧自給自足をなしておつたのでありますが、その当時と異なりまして、相当量の輸入食糧によらなければ需給の均衡を保ち得ない実情にあるのであります。戰後の食糧輸入額は、すでに御承知の通り累計七百万トンに上つておるのであります。本年におきましても二百万トンを超えておる次第であります。従つて人口の増加等もありますので今後数ケ年においても、我が国が食糧農産物の消費の約一四%乃至二〇%の輸入を行わなければならぬかと思われるのであります。このように食糧の需給構造が戰前と異なつて参りました今日に、恒久的な食糧政策はこれらを前提として考えなければならぬと思うのであります。かかる相当量の輸入食糧は、今後我が国の農業に、農産物の価格の面などを通して種々の影響を與えるものと思われるのでありますが、我が国の人口の半数が農業に従事しておりまする現実と、農業が国内工業の有力な市場である点に思いをいたしますならば、健全なる農業生産力の確立は、我が国経済の民主的な安定自立の前提と考えるのであります。更に国際收支の点から考えましても、食糧輸入は大きな負担となる関係上、農産物は今後も極力国内自給増産を図る必要があるのでありますが、将来においてこれが余りに高価に付きます場合には、輸出振興のためにも安い海外の穀物の輸入が必要となることとも考えられるのでありまして、この意味から我が国の農業を世界農業との競争に堪え得られるものとするため、今後数年間において、農業生産力の発展と健全なる農業経営の確立を図らねばならないと考えておる次第であります。従いまして政府は、当面の農業政策について食糧増産を中心とする従来の施策を推進いたしますと共に、今後特に農業生産の基本である治山治水及び土地改良に格段の力を盡すと共に、災害防除対策並びに共済施設を拡充しつつ、農業改良技術を強化し、或いは有畜農業の導入、農村工業の振興等を通じて、農業経営の多角化を促進し、(「それだけじや駄目だ」と呼ぶ者あり)食糧増産と併せて農業生産の基盤を育成する方策を講ずる方針であります。尚、流通面の調整につきましては、今後も必要な政府の食糧管理の継続と、農民の自主的な協同組織の活動促進、その外、民間流通機構の拡充を図ると同時に、貿易為替政策の適切な運用によつて、価格及び数量の両面に亘つて農産物の需給の調整を図り、輸入が国内農業に與える惡影響はこれを最少限度に止めまして、日本の農業確立を図りたいと考えている次第であります。  要しまするに、極めて複雑微妙な情勢下に置かれまする現下、食糧政策の核心といたしましては、自給自足主義でなくして、世界経済の中に生き且つ即応するところの健全なる自給経済としての食糧自立調整を図ることにあるのでありまして、この健全な食糧自給の途といたしましては三つの面があります。即ち第一には国内食糧生産の高度化であり、第二には国内食糧集荷の能率化、第三には貿易と輸入食糧の適正化、これらを総合合理的に按配いたして行くことにあると信ずる次第であります。この三つのうちの前後の二点につきましては前述の通りでありますが、第二点の集荷の能率化に関しましては、現行の供出集荷方式の上より、民主的合理的改革に鋭意努力検討中であります。何分にも今日我が国は、食糧計画の規模について極めて愼重を要する段階に到達しているのでありまして、この際、特に敗戰下にあるという完全な認識の下に、国民協同してこの食糧政策の重大時期に処して行かねばならぬと存ずる次第であります。  次にお話になつておりまする小麦の協定の問題でありますが、この今申しました事情から、世界の小麦協定に参加することは、その一部分を輸入に仰ぎます日本といたしましては、この小麦協定に加入することは、その輸入を安価になさしむる点から申しましても妥当と考えている次第であります。  米価の決定につきましては、急速にこれを運ばなければならぬことはお説の通りでありまして、政府は速急にこれを決定いたしたいと考えております。消費者の価格と生産者の価格につきましての、その価格差についての御意見でありましたが、できるだけ生産者の再生産に差支ない価格を定めつつ、消費者に対しましても、できるだけ(笑声)この中間の経費を節約いたしまして、消費者の生活を補助保護いたしたいと考えておる次第であります。尚、今年の産米の予想につきましては、先般発表いたしました九月の二十五日現在の予想でありますが、本年は御承知の通り、稲作経過が、彼岸後において、いもち病の発生が甚だしき部分が局部的ではありまするができまして、その後、更に坪刈調査をいたさせまして、今その集計を取りつつあるのであります。当初六千五百四十余万石の予想がありましたが、その後の成績はまだ纒まつておりませんが、或いは一割程度の減額となるかとも存ずるのでありますが、従つて補正の問題につきましては更に検討を加えまして、この月末まで頃には、その数量がはつきりいたすことと考えておるわけであります。追加供出の法制化を本国会でするかというお尋ねでありましたが、これは先程も申上げました通り、三つの面につきまして、第二の集荷能率化の趣旨からいたしましても、九原則や覚書、指令の要請を待つまでもなく、我々国民みずからの責任において、当然この食確法改正法案は本国会に完成を期さなければならぬと考えておる次第であります。  次に、甘藷の統制の問題でありまするが、この問題は先に発表いたしましたる方針によりまして、六億三千余万貫は当然これを買入れることになつております。尚、相当の数量につきましての超過供出も当然これは政府の方針通り進んでおるのであります。この方針が或いは統制を撤廃する等の不安混乱を生じておるというお説でありましたが、これは誠に遺憾な点でありまするが、二十四年度の方針といたしましては、先に発表いたしましたる既定方針に向つて、この統制を継続いたしておる次第であります。尚、甘藷は無論一層増産して、制粉による利用の合理化を図つてはどうかというお説でありましたが、誠に御尤もなお説でありまして、同感であります。日本の農業は米麦だけではどうしても経営ができ得ませんので、この戰争によりまして教えられたるこの甘藷の増産ということは、誠に今後の農業経営の上において重大なる役割をいたすものと考えておるのであります。今日この甘藷の利用におきましては、二十億貫の生産がありましても、これを優に消化し得る工業面ができておるのであります。我々は今後農業経営の上におきまして、これら甘藷の栽培というものは一層増産を図りまして、そうして日本の農業経営の上に重大なる役割を果したいと、かように考えております。農村工業の問題についての御質問もありましたが、今日の農業は、どうしてもこの工業を取入れて行かなければ経営が完全に行けないのであります。農村工業と一概に申しても、その地方々々において、その原料、資材等の関係から、一概にこれを論ずることはでき得ませんが、その土地で最も手に入れ易いところの資材によりまして、そうしてこの工業を興し、そうしてこの余剩労力、いわゆる農業の労力は、非常に暇な時と忙しい時とあるのでありまするから、この余つたるところの労力を利用して、そうして農業経営を円満に生かすという指導をいたしたいと考えておるのであります。殊に甘藷のごときは工業原料としてあらゆる角度に利用されるのでありまして、この甘藷の農業経営の重大なる役割は、今後もこれを取入れて行きたい、かように考えておる次第であります。(拍手)    〔国務大臣高瀬荘太郎君登壇、拍手〕

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○国務大臣(高瀬荘太郎君) 教育及び学術研究等に関します予算を豊かにいたしますことが、我が国文化の振興発展のために極めて急務であることは明らかであります。併しながら又窮乏いたしました国家経済の下におきまして、その予算計上に非常に嚴しい制約、限界のあることも明らかであります。従いましてその経済、財政の極度に窮乏しております我が国の現在の実情におきまして、刻下の文化的要求を十分に満足するだけの予算計上は到底困難であるのであります。併し政府といたしましては、教育並びに学術研究の振興に必要な予算を充実することにつきましては不断に努力をいたしておるのでありまして、今年度の補正予算及び来年度予算におきまして、これがために相当程度の増額、充実を実現したいと考えております。(拍手)    〔国務大臣本多市郎君登壇、拍手〕

本多市郎民主自由党行政管理庁長官

○国務大臣(本多市郎君) 三好議員の、近頃非常勤の職員が激増する傾向にありはしないか、これは常時勤務する職員にやらすべき仕事を、定員法の精神を無視して、臨時職員を以てこれに間に合せておるのではないかという趣旨の御質問であつたと思いますが、御承知の通り定員法は常時勤務する職員を定員とし、時期的に一時的に要する仕事については、臨時の雇い上げを以てこれに充てるという建前になつておりますが、お話のごときことになつているといたしますと、全く定員法の精神を無視することになるのであります。その原因がどこにあるかと申しますと、或いは事務の運営に計画が不十分であつたり、行政上の簡素化、合理化等が所期の通りに遂行されておらない結果、そうしたものが生ずるのでないかとも思いますので、全く政府の方針と反することでありますから、そういうことがあるといたしますれば、急速にこれを改善しなければならないと考えておるのであります。更に職員の待遇についてのお話でありましたが、職員の待遇についてはしばしば総理から説明された通りであります。(拍手、「何にも言つてないじやないか」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣稻垣平太郎君登壇、拍手〕

稻垣平太郎民主党通商産業大臣

○国務大臣(稻垣平太郎君) 三好さんの御質問にお答えいたします。  中小企業の対策について、恒久的な対策についてというお話であつたと思うのでありますが、御承知のように中小企業が日本の産業の構造の上に占めるところの重要さに鑑みまして、これが保育、指導について、我々は十分の関心を持たなければならならぬと考えておるのであります。ただ問題といたしましては、結局は資金資材の受入態勢が中小企業は非常に弱体化しておるという問題でありまして、これを打破するためにおきましては、一方においてこれが協同組合なり、或いは共同施設なり、又はこれらによるところの信用組合なり、そういうものに対する促進を心掛けますと同時に、又一方におきましては、中小企業庁で試みておりますのは、工場の診断ということを各業種別に亘つて次々と行なつて行つておるのであります。これは要するにその工場の経営の能率化、或いは技術の能率化、標準化といつた点について指導をいたしておる。こういう形におきまして、中小企業の根本的な、いわゆる経営上に占めるところの地位が確立すると、かように私は考えておりますので、一方に協同組合化、一方に工場診断、こういう二本建でやつておる次第であります。(拍手)    〔政府委員西村久之君登壇、拍手〕

西村久之民主自由党経済安定本部政務次官

○政府委員(西村久之君) 三好君のお尋ねのうち、価格差補給金を節約して物価体系に影響を及ぼして、国民経済に惡影響を来たすのではないかというお尋ねの部分に対してお答えを申上げたいと存じます。  お説の通り補給金を無理に節約いたしますると、物価体系に影響を来たすのであります。これは申上げるまでもないのであります。政府といたしましては、物価の体系に累を及ぼさないように、時期或いは方法、程度等を勘案いたしまして、必要以上の調整費は……補給金はこれを節約して、国民負担の軽減を図らんとして節約しておるのであります。さよう御了承願いたいと思います。(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 大蔵大臣は病気のため、その分は他日に留保されております。細川嘉六君。    〔細川嘉六君登壇、拍手〕

細川嘉六日本共産党

○細川嘉六君 私は日本共産党を代表して、総理大臣吉田茂君の施政演説に対して質問いたします。  先ず政治は公明正大でなければなりません。吉田君は英米からの講和の提議は歓迎するが、ソ連や中国からのものは歯牙にもかけない。英米が提議しておる程のことは、ソ連はもつと前からやつております。それに、連合国の一大国であるソ連に対する反ソ宣伝は公認されておるという次第であります。全くこれはどういうことか。国民大衆はいずれの国の提案であろうと有難く思つておるものであります。言うまでもなく政治家は国民大衆の心を心としなければなりません。全国民は、講和の一日も早く実現され、自由と独立の達成を念願しております。單独講和は戰争状態の継続である、不安と困難とを増進するものであるから、これは念願しておりません。それにも拘わらず吉田君は先日の議会において彼これと申されておりますが、太田敏兄君の質問に対して、單独講和は期待している、不利な場合には会議を脱退するとか、講和條約を受けないとかいうようなことは取消されておりますが、取消してもこの言葉は、戰争の責任に対する反省がないということを明らかにしておる。(拍手)    〔議長退席、副議長着席〕  講和が実現されるも、しないも、我が国に関する限りは、これを決定するものは、ただ一つポツダム宣言の通り真の軍国主義の絶滅、民主主議の国民大衆に現実に徹底すること、これであります。この重大な点を高唱力説せずして何の不利というか。不利ということを言うならば、最近アメリカからの外電では、軍事基地維持のための條約の締結についてのことが報道されております。吉田君は御存じでありましよう、魚心あれば水心あり、頭隠して尻を隠さないという言葉がある。君は我が国民大衆を信頼していない。占領軍撤退後について心配して、すでに警察力の強化拡大に心を碎いておられる。政治家は堂々と公約しこれに從つて公然と行動する責任を持つておる。(「その通り」と呼ぶ者あり)不言実行なんということは蔭の策動であつて、これは愼しむべきことである。国民大衆は来たるべき講和について切なる念願を持つております。即ちそれは民族の独立、生活の安定、民主主義の前進、世界平和の確保であります。痩せても枯れてもという言葉があります。吉田君は御存じのことと思う。国民は條約締結後においても、この上ともアメリカ国民大衆に負担をかけて、軍隊は駐屯だとか軍事基地の設定なんかを煩わすことは欲しておりません。こういうことが実現されれば、重大な代償が経済的にも、精神的にも、国民の上に被さつて来ることは当然であります。国民は痩せても枯れても、我が家のことは自主独立でやつて行きたいと言うのであります。(拍手)講和問題の成行きは我が国民の国策を決定するもので、政府が如何なる方針をとるかについて国民の情は切なるものがあります。そこで左の諸点について総理大臣吉田君の明確なる御答弁をお願いしたい。  講和促進、全面講和要望の国民運動に対し、首相は如何なる態度をとられるか。(「分り切つたことじやないか」と呼ぶ者あり)  第二に、国会において講和問題に関する特別委員会を設置することに対して、首相は如何なる御所見を持つておられるか。  第三には、講和條約の締結を現内閣が担当すれば、特定国を除外した講和條約にも調印されるのかどうか。  第四には、特定国を除く講和條約が成立すれば、国際法上除外された特定国との間に戰争状態が継続することになると思うが、首相の御見解はどうか。又その影響を如何に考えておられるのかどうか。  第五には、軍事協定のごとき特別の協定を結ぶことを提唱若しくは承認するつもりかどうか。特にかかる協定は憲法に違反すると思うが、首相の御見解はどうか。  次に吉田君は先日の演説において、原子力の問題に関連して我が国の安全保障について言つておられるが、無軍備こそ安全幸福の保障にして、世界の信頼を繋ぐゆえんであると述べられております。これは奇想天外な主張である。先に近藤政務次官の口を通じて、太平洋同盟條約ができ、これによつて無軍備の日本が保障されることが望ましいと公言されたことがある。又軍事基地設定に関する外国報道を、この事実と勘考して見ますというと、この奇想天外が分るのであります。更に吉田君はその演説において、過去において我が国が国際情勢に十分な知識がなく、自国の軍備を過大視し、世界平和を破壊して憚らなかつたと述ベられておる。世界戰争の放火者となるに至つた原因は、ここにあるとされておるのでありますが、これは全く根源を突かない見解であります。戰争に叩き込んだのは支配階級である。基本的人権の剥奪、民主主議運動の彈圧こそがこれを可能にしたのである。(「色眼鏡をかけるな」と呼ぶ者あり、笑声)このことが少しも吉田君に理解されておらないのであります。誠に遺憾千万であります。吉田君は又演説の中に、勤労国民を、数千万人の我が国労働力は最大の資源であると述べられておる。勤労国民は資源であつて、人間ではない。(「言葉の綾じやないか」と呼ぶ者あり)お里は争われないものであります。終戰の年も、その翌年も、吉田君は財閥には戰争の責任はないと公言されて、眼中財閥あつて国民大衆なし。今日も終戰前と同じく国民の極く少数者の人格の尊嚴と、自由と、平等が認められておるが、その九割五分を占める国民大衆にはそれが認められていない。勤労者には確実な生活の根拠を與えずに、何の人格の尊嚴、自由、平等があると言われるでありましよう。(拍手)現在勤労者は生木を裂くごとく職場を追われておる。今日失業者は半失業者を加えると一千万人を超えておる。農民は生産費を償わない米価を押し付けられ、その上に多量な割高な輸入食糧に圧迫されている。中小企業も独占資本の支配下に続々崩壊いたしておる。教育はと言えば大破壊を蒙むつておる。真劍にこの国に闘争しておる教員は皆、赤だと言つて追つぱらわれておる。公務員に対する人事院の規則というものは全く人の人格権を無視したものである。失業、生活難に追い詰められた結果、大衆が止むを得ず多少ともこれを訴えるというと、忽ち警察と検察庁との彈圧を受け、続々拘禁投獄されております。(「そんなことはないよ」と呼ぶ者あり)下山、三鷹事件のごときは、最も明らかに、端的に、戰前の天皇制下のあの世界無比な彈圧を再現しておるものであります。基本的人権の無視はその極に達しておる。これらの事実はポツダム宣言を反故にしておるものである。その第十條に「日本国政府は日本国民の間における民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障礙を除却せねばならぬ。言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権は確立せられねばならぬ。」と述べられておる。同宣言に対する違反はこれのみではない。軍国主義の絶滅はこの宣言に要求されておるが、忠実に守られておるかどうか。先年英米国民から、前総理大臣、元大将、戰争責任者から土建業者、ギヤングに至るまでの地下政府があると指摘された。吉田君は今日かかる危險物が全くないと断言され得るかどうか。同宣言第十條は、「我らは日本人を民族として奴隷化せんとし、又は国民として滅亡せしめんとするものではない。」と述べられておる。吉田君もお忘れではないでしよう。戰争責任を負う国民にとつて誠に有難い保障であります。外資導入は恩惠ではありません。重大なる代償を国民に負担させずには置かない。過去の中国、印度の実例がこれを身にこたえる程教えておる。然るに吉田君は日本が外国の植民地になつてもよろしいと先程公言されております。明治二十年代に至る間の不平等條約のために苦しみ、そうして、これがために如何に抗争したか。このことは今日深く反省されなければならないのであります。同宣言第十二條に、「民主主義が確立されれば占領軍は直ちに撤退する」。民主主義の確立こそ占領の終熄、我が民族、我が国民の独立と自由の獲得を決定する根本であります。吉田君と民自党はポツダム宣言を頬冠りして、世界の民主主義諸国民と我が国民とを欺かんとするのであるか。(笑声、「共産党は引揚問題をどうしておるのだ」と呼ぶ者あり)講和が促進されるのもされないのも、唯一最大の根源はここにあるのであります。それで我々は左の諸点について総理大臣吉田君の責任ある御答弁をお願いいたします。  一、陸海軍将校の名簿はどうなつておるか。二、海軍艦艇の現況を公表されたい。三、過日新聞に報道された台湾その他国民党軍へのいわゆる日本人義勇軍の参加問題に対する御所見はどうか。四、警察が戰車、機関銃、自動小銃等を装備しておるが、その現況はどうか。又ガスを使用せんとしておるのではないか。この点をお答え願いたい。五、三鷹事件の検察官の人権蹂躪等の彈圧に関し如何なる責任を負われるのか。お伺いしたい。  更に国際情勢に対する正しい判断は、殊に我が国の政治の運用について大切であります。本年五月パリ外相会議の結果は、一般の予想に反し、ヴイシンスキーソ連外相によつて、ドイツ問題の解決を四ケ国の協議によるという意外な展開をもたらした。中国においては、人民民主主義革命は、米国から手厚い援助を受けていた蒋介石氏の国民党政府を打倒し、中国共産党の下に人民民主主義共和国が樹立されるという世界的の重大事態をもたらした。万国民を恐怖させていた原子爆彈外交政策は、すでにソ連に原子爆彈が準備されておるという動かすべからざる事実によつてその威力を失うという世界的な意外な事態をもたらして来た。而も原子力がオビ、エニセー両河畔における大爆破によつて実証されておる。このことは生産力の大発展のために実用されておるという世界的な驚異をもたらしておるではありませんか、人口三億を擁する印度のネール首相は、招待されたアメリカにおいて中国の新政府を承認する意向を発表しておる。印度支那等、東南アジアにおける民族解放運動は相変らずえらい勢いを以て進んでおる。独占資本の意図に反してヨーロツパにおけるいわゆるマーシヤル・プランは先ず先ず失敗し、西ヨーロツパ諸国が東方の人民民主主義諸国並びにソ連との経済関係の展開を追求する勢いを高めて来ておる。アメリカにおいては一弛一張しながら恐慌の様相はますます同国に付きまとつておる。ますますアメリカの健全なる民衆輿論は、米ソの友交関係の樹立を主張するウオーレス氏の進歩党の影響力に動かされて来ておる事実は、偶然ではありません。(「朗読ではないか」と呼ぶ者あり)今日世界人口の四割が社会主義と人民民主主義の支配下に入つて来ており、隆々進歩しておる、その反対において、独占資本の支配する諸国はますます恐慌の危險に瀕し、不安と動搖とを免れていない。(「議長、時間だ」と呼ぶ者あり)この世界的な対照的な事実はますます広汎に世界人類の理性を動かし、世界戰争に対する反対と、諸民族の自由と独立とを擁護する諸大国の協力への傾向とが支配的となつて来ておる。過去のアングロサクソン的施策は過去三十年間に失敗しておる。国際連盟の過去を見れば分ることであります。この三十年来、世界は歴史的な大転換をなしておる。過去のアングロサクソン的施策は我が国民を全く世界の袋小路に追込むのである。(「作文朗読を止めよ」と呼ぶ者あり)私は(「時間じやないか」と呼ぶ者あり)かくのごとき至重至大なる世界的重大事態を理解することなくしては、(「降壇々々」と呼ぶ者あり)今日の我が国政を担当する総理大臣たり、政党たることはできない。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)正に退陣すべきものである。私は総理大臣吉田君の世界情勢特に諸大国間の協力への傾向、米ソ協調に関することについて、御所見をお伺いしたい。    〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(吉田茂君) 細川君にお答えをいたします。  講和会議、講和條約に対する全国民でありますか、早期締結を望む運動はやるかやらぬかというようなお話のようでありますが、政府としてはすでに外国が講和会議を、成るべく講和條約を早くしたいという、即ち日本国民の要望は取入れて、講和條約の問題を今研究しておる時でありますから、特に国民運動というようなことはどういうことであるか分らないが、政府としてはこれを獎励する考えもなし、止める考えもなし、国民の思想の発露は自由であるというだけ申述べて置きます。又外務委員会を更に設けるつもりはないかと申せば、これは政府としてはそういう考えはないのであります。又講和條約に参加しない国との関係はどうするかと、これは講和條約がまだ具体的になつておらないのでありますから、こういう仮定の問題についてはお答えいたしません。軍事協定云々という問題もこれ又仮定の問題でありますから、政府はお答えをいたしません。又海陸軍将校の名簿があるかどうかという、これは法務庁にあるそうであります。それから海軍の艦艇はすでに処分済みであつて、現在存在いたしておりません。  それから国民軍に日本人の義勇軍が参加したという噂は聞いておりますが、従つて政府としてはその噂が事実なりや否や嚴重に今取調中であります。若し密航等の事実があれば処罰いたします。  検察が三鷹事件その他において彈圧した事実は断じてございません。  又その他いろいろの議論がありましたが、私に対するいろいろの批判もありましたが、批判は御自由であります。これに対しては一々お答えいたしません。(拍手)    〔国務大臣殖田俊吉君登壇〕

殖田俊吉法務総裁

○国務大臣(殖田俊吉君) 細川議員の御質問に対しまして、只今総理より大体お答えをいたしたのでありまするが、私より多少の補足をいたします。  台湾へ義勇軍として参加した者があるという噂は随分流布されておるのでありますが、私共で調査いたしましたところによりますれば、大した大規模のものではございません。少数の者が台湾へ行つたらしい形跡があるのであります。それが帰つて参れば直ちにこれを嚴重なる処分をするつもりであります。更にその点につきましては一層の調査をいたすつもりであります。軍人の名簿につきましては、所定の手続によりましてこれを作成いたしております。それから大きな地下組織があるではないかというお話でありましたが、それ程の噂されておりますような地下組織はございません。併しながら地下組織、いわゆる秘密結社は法の禁ずるところでありまするから、若し秘密結社であつて政治活動をするものがありますれば、これは断乎処分をいたすつもりであります。更に暴力主義的なもの、或いは反民主主義的な団体が出て参りますならば、団体等規正令によりまして断乎処分するつもりであります。三鷹事件その他につきまして人権蹂躪のお話がございましたが、これは特に三鷹事件につきましては自由法曹団から告発がありまして、約七人の検事、それから東京地検の検事正等に対しまして、職権濫用、脅迫或いは名誉毀損等の種々なる告訴がございました。併しながらこれを東京高等検察庁におきまして嚴重に捜査をいたしたのでありまするが、いずれも犯罪の嫌疑はないか、或いは罪とならざるもののみでありまして、決してお話のごとき事実はなかつたのであります。(拍手)で、私は今後と雖も人権蹂躪等は決して出さないつもりでございます。御安心を願います。(拍手、笑声)    〔国務大臣樋貝詮三君登壇、拍手〕

樋貝詮三民主自由党国務大臣

○国務大臣(樋貝詮三君) 警察のことについてのお尋ねがありましたが、私は警察の目的が治安の維持をするということにあることを第一と考えておりますために、今日において若し非合法なる直接行動が今日以上に亘りますれば、今日以上の方法を以てしても尚これを防がなければならないと考えておりますけれども、(「その通り」と呼ぶ者あり)現在日本中から集まつて参りまするところの報道によりまするというと、今日においては我々が想像しておる以上に、非常に弱い力を以てしか迫つて参りませんので、今日においてはお尋ねのような或いは機関銃であるとか、戰車であるとか、自動小銃等を用いなくとも、十分に鎭定して尚余りあると考えておりますために、(拍手)これらのものは使つておりません。又ガス等につきましても同様に只今考えておることは全然ありませんです。(「事実があるかないかを聞いているのだ」と呼ぶ者あり)

松嶋喜作民主自由党副議長

○副議長(松嶋喜作君) 本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松嶋喜作民主自由党副議長

○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。次会は明後十四日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十七分散会      —————・————— ○本日の会議に付した事件  一、議員の請暇  一、日程第一 国務大臣の演説に関する件(第四日)

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