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第6回国会参議院1949/11/18

人事委員会 第3号

発言数
47 件
登壇者
7 名
会派数
4
開催日
1949/11/18

会議録

中井光次民主党

○委員長(中井光次君) それでは只今より委員会を開会いたします。本日は前回に引続きまして、説明を一応終りましたので一般的の御質問を一つお願いいたし、それを承りましたならば、逐條的に入りたいと存じます。

寺尾博緑風会

○寺尾博君 この職階制の審議の際でございますが、総裁がお見えになつておりますので。緊急に一つ人事関係の問題でお伺いしたいと思いますが、お許しをお願います。

中井光次民主党

○委員長(中井光次君) どうぞ。

寺尾博緑風会

○寺尾博君 お伺いしたいと思うのは、科学的の実験的研究に着手しておるいわゆる科学的の研究員の勤務に関係したことでありますが、これは事務官庁におけるごとき勤務とは相当著しい違いのあることは誰方も御承知であります。それで大体公務員法は事務的の処理の面に重いように考えられているように思います。このままでは実験的研究の面に対して適切を欠くところが非常に多いということが一つ、それからそれらの研究というものは、勿論これに対して人事院においては然るべき処置をお考えになつていることとは思いますが、人事院は始終用務が多いので、その進行を見ないでおるというような状態かも知れんと想像するのですけれども、これは一日もゆるがせにならぬ問題であると思います。すでに学校教職員等につきましては、一週四十八時間の勤務、これは経理庁令に基いて文部省令として一週四十八時間の時間の割振りは、その長が適当に決めて行くというのに従つて適当な処置が講じられているわけであります。これも日々行われている実際上の現実の問題であるので、そういう処置が講じられたと思うのですが、それでこれはひとり勤務時間だけの問題じやありませんが、幾多の特に考慮を要すべきところの研究員に対する処置を講じなければならぬ点があると思うが、この趣旨の面に対して人事院はどういうお考と態度を現にお持つになつておるかということを先ず一般的にお伺いしたいということが一つ。  それからもう一つは、これらはいろいろ複雑でありまして、早急に決定はできないかも知れませんが、特に勤務時間については、これは取急いで然るべく処置を講ずべきものである。文部省系統においてはすでにそれが出ておるわけでありますけれども、文部省以外に通産省においても農林省においてもその種の研究所が数多くあると思うのでありまして、これはその長が適当と認めれば直ぐ変えればいいのだが、人事院は何ら構わないというのであるか、人事院というものの性格から言えば、仮にそういうような命令関係になつておるとしても、人事院はそれが常に適切に行われておるかということに対して関心を持つて、公務員の能率の高まるようなことについては注意を拂つておるべき地位にあるのではないかと私は考えるのであります。現に私の手許にも通産省の研究員の方からそれらの点についての質問が来ておるのであります。この際緊急にそれらの問題に対するところの御表明をして頂きたいと思うのであります。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) 誠に適切な御質疑と存ずるのでありますが、先ず第一の点は、いわゆる研究公務員と申すものの特殊な地位についての御発言と思つております。これはいわゆる大学教授等の教員というものが極めて特殊な存在を持つておるところの公務員であるというのに準じまして、この研究公務員というものの特殊性ということに関しましては、人事院といたしましては十分考慮いたすつもりでおります。ただ問題は、これを研究公務員法というような公務員法の附則十三條の例によりまして、すつかり公務員法から外すかどうかという点は聊か疑問のように存じております。併しながらこの研究公務員というものの仕事の責任や複雑性やその他いろいろな点につきまして、これは一般の官庁の事務とは非常に違つたものであるということはよく承知いたしております。そこで先ず職階制の問題に関しましても、十分その点を考慮して立案いたすような運びになつておる次第でございます。ただ研究団体等の御要望といたしましては、この任命とか分限とかに対してもずつと一般の公務員よりも離れたものにしたいというような御要望もあるようでございまするけれども、その点はいろいろまだ研究の余地があると思つております。いずれにいたしましても、人事院といたしましてこの研究に従事しておりまする公務員の特殊性ということを基礎に置いて、職階制その他について考慮したいという気持は十分あるわけでございまするから、さように御了承願いたいと思います。  それから勤務時間の点でございますが、これは新給與法つまり政府職員の新給與法実施に関する法律、この十九條の二項によりまして、各庁の長がその官庁の特殊な必要に応ずるために一定の枠の中でこの時間を自由にすることを認められておるわけでございまするから、この点は支障がないと思つております。  それから最後の点は人事院といたしましては公務員を保護する立場から、そういう研究に従事しておる人の取扱いに間違いのないように考えておるということは申すまでもないことでございます。

羽仁五郎無所属懇談会

○羽仁五郎君 今の点につきましては、先に建設省の土木研究所の所長その他官立研究所長会議の名を以て日本学術会議に向つて研究公務員特例制定に関する審議の御依頼がありました。日本学術会議ではそのために特別の委員会を設置いたしまして、明治大学法学部の松岡熊三郎君を委員長とする第十九委員会というものを設置して、約三ヶ月に亘つて研究の結果一応の結論に到達したものはございます。これを日本学術会議の第四回総会にかけられる筈であつたのですが、総会の決議をする前に人事院と十分御相談をして、どういうふうにして必要にして十分な解決を図るかという点で、むしろ総会にかけないで、人事院の御意見を伺つて今まで相談を重ねて来たわけでありますので、恐らく人事院総裁においても、その趣旨は十分御了解のことと思いますが、特に私が申上げて置きたいと思いますのは、総裁が十分御存じのように、日本では研究所の設立について今まで非常な困難がありました。その代表的な例は、総裁の恩師であられる福澤先生が北里博士によつて伝染病研究所を設立せられ、その伝染病研究所がその後東京帝国大学に移管された、そうして文部省の所管となるというときに、福澤先生がそれに対して如何なる意味において、どういうふうに戰かわれたかということは総裁もよく御存じのことと思います。で、福澤先生が戰かわれたのは、やはり研究所というものについて日本で本質的な確立を図りたいという意味において、当時あんなに苦しい戰をされて、そうして伝染病研究所がこの東京帝国大学に移管されて、文部省の所管となるや所長始め所員、いわゆる仕丁走童に至るまで袂を連ねて辞職したのであります。それはどうしてそんなに袂を連ねて辞職するに至つたかというと、やはり日本には研究所に対して官僚的な支配が行われる、そのために研究が行われない。そういう重大な事件があつた歴史も十分総裁は御承知のことだと思うのです。それからいま一つは、その場合にも現れておりますように、やはり日本では今人事院が打破しようとしておる官僚主義の伝統が非常に強い。研究所の研究員が研究者であるよりも以前に、官吏としての身分に束縛さた、又本人も官吏としての意職の方に屈従して、研究者としての自覚が確立していないという点が多いことも総裁は十分認識しておられることと思います。従つた只今御答弁の御趣旨は我々もよく了承いたしましたけれども、併しこれを実現する上には單にいわゆる人事行政の点からだけではなく、日本におい学問研究の自由というものが確立して行く上にどうか最大の御考慮と、愼重な解決方法とを発見して頂きたいと考えております。今おつしやつております点、例えば分限その他について研究所からの希望というものは、必ずしも妥当でないようにお考えになるという御返事がございましたが、併しそれは例えば最近に厚生省の予防医学研究所ですが、矢追博士に関して起つたような事件についても十分御研究になつておることと思うのであります。いわゆる公務員として研究者が取扱われますと、矢迫君の場合のごとく、研究者として特殊の技能を持つておる人を純粹に行政官としての身分として取扱うという非常に非惨なことが起つて来るわけであります。そういうことがあればこそ、つまり身分なり分限なりについても特別の考慮が希望されるところであろうと思うのです。そういう点についても十分考慮されておられるかどうか、それを総裁から伺つて置きたいと思います。  そういう点について願わくばどうか十分の考慮を拂われて、重ねて申上げますが、福澤先生が苦しい戰いを続けて来られたような意味は我々において是非実現して、一方において人事行政の近代化、合理化を図ると共に、他方において学問研究の自由というものを確立して行くように、御努力を願いたいと切願する次第であります。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) 誠に恐縮なお尋ねでございまして、私は大いに感激をいたす次第でございますが、この大学の教授等、或いは研究員の特殊の地位というものは十分了承いたしております。併しながらこれは羽仁さんのよく御存じの日本学術会議においても申し得ることでございまするけれども、国の費用で、申さは国民全体の費用でそのような施設をやつて行きまする場合には、どうしてもこれは国の機関ということに相成ります。従いまして、それに勤めておる者が国家公務員としての分限を持つて来るということは、これはもうどうしても止むを得ない次第でございまして、これは日本学術会議の会員についても申し得ることで、いろいろそこに問題があると思つておるのでございまするが、さてその国家公務員と相成りますると、これはどうしても一つの枠の中に入つて参るより仕方がない、ただそのうちにおいて十分仕事の性質を考えまして、特殊性を認めて、支障のないようにしたいという点でございます。  それからもう一つは、この国家公務員法といたしましては、余り多くの特例は拵えたくないのでございます。これはもう理窟ではございませんで、成るべく例外は少くしたい。ただ学校の教員でございまするとか、研究員とかにつきましては、特殊性に鑑みて特別の取計いをいたしたいというふうに考えておりますので、お述べになりました御趣旨は十分尊重いたす次第でございます。

寺尾博緑風会

○寺尾博君 只今の研究公務員の問題については、羽仁委員からお話になつた点私も非常に同感でありまして、私は三十数年官吏として取扱われ、自分としては研究者として処して来て、この間の苦しさ、従つて能率の上らなかつたことをどれ程体験しておるか知れないのであります、(拍手)これが大学における研究者、農林省とか、他の官庁に、文部省以外の官庁における研究者とは非常に実体が違うのでありまして、即ち大学においては十分研究者として取扱われ、それに対して他の官庁は研究所の役人として、いわゆる役人として処したということ、この事柄が、これは研究員がただ自由勝手なことをしようということでは勿論ないわけでありまして、研究員としての能率を挙げる、国家の研究員としての功績と能率を挙げるということが主眼点である。それを普通の事務官吏並みに概して取扱われてしまうということは、本来公務員の能率を挙げようという公務員法の精神と合わないと思う。勿論総裁はそのことを深く御認識になつておることと思いますが、只今の御説明のお言葉の範囲においては、どれ程の深さを以てそれを深く御認識になつておるか、幾らか私は疑念が起るのであります。(拍手)この問題は今日はもうこれ以上は申上げまいと思いますが、いずれ今後において文部大臣がお見えの機会があると思いますので、それまでに願わくば十分に御研究をお願いいたしたいと思うのであります。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) ちよつと附加えて申上げたいのでありますが、まあ御趣旨のような次第でございますので、この学校教員と研究公務員等に関する処置が実は遅れておるのでございます。これはそういう御趣旨でよく考えたいと思つておる次第でございますから、どうぞ御了承願いたいと思います。

羽仁五郎無所属懇談会

○羽仁五郎君 只今寺尾委員から述べられました御趣旨に私も全面的に賛成で、総裁が一層認識を深くされるということを希望するのであります。それで人事院の最高の使命は官僚主義の打破にあるということをどうかお忘れなく、人事院人事が恰かも新らしい官僚主義の本拠であるように世間が言つておることを私は不倫快であるし、世間の誤解を解くために努力しておるものでありますけれども、そういう意味において人事院それ自身が今新らしい官僚主義を作り出そうとしておるようなことにならないようにお願いしたい。今おつしやられた御答弁の中に、外の問題、日本学術会議について関連せられましたけれども、日本学術会議についてはまだ多々問題があり、私共その点には討論を重ね、又或る意味においては当時人事院がとられた態度というものは全く官僚主義に外ならなかつたということは今日においては明らかにされておる面もある。それらについてはさつき総裁がおつしやられたことには承服されません。国家公務員の職階制に関する法律案でありますし、さつき述べたものも研究公務員に関してでありますから、日本学術会議についての総裁のさつきの御意見には、ただ私は全面的に承服し得ないものがあるということだけを申上げておきます。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 私この法律案の作成にあたりまして、一応のモデルと申しましようか。基本的なものは大体想像はつくのでございますが、それと日本の実情というものを、或いは官僚機構の実情というものとどういうふうに睨合せをなさつたのでございましようか。つまりこれをお作りになるまでにどういうふうな…ただ向うのそのままをお取入れになるということは勿論なさらなかつたと存じますけれども、この何と申しましようか、日本の今まで国民性とか、或いは今までの習慣とかいうものがいろいろあると思いますので、これを日本に本当に実現化できるかの目安はどういうふうなところからお編出しになつたでしようか。殊に私この現業関係のいろいろな実体という問題とどういうふうに睨み合せてこれをお考えになつたでございましようか。伺いたいことが一つ。  それから成る程これは人材の適用には適正適職ということも一応は考えられるのでございますけれども、今までの経験というものが非常にやはり重要な要素になると思うのでございます。今まで例えば郵政省にいた人が、試験を受けて厚生行政に入るといような場合に、いきなりその人が役立つかどうか、ということも問題だと思うのであります。一応文面上の、文字上の試験ではパスいたしましても、專門的知識というものが活かさなければならないと思うのでございます。そういうような点についてどういうふうにお考えになつておられますか。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) 二つのお尋ねだと存じております。第一はこの職階制と申しますものが日本で果して適するかどうかということに関して、どんな気持でこれをやつて来たかということでございますが、私共初めて国家公務法を制定いたしましたとき、即ち第一国会でございますが、その前にこの国家公務員法の中心となります一つが職階制でございますから、この職階制というものが果して日本の官庁のうちでやり得るかどうかについては十分研究を重ねたのでございますが、そこで試験調査と申しますか、いわゆるパイロツト、スタデイを日本の官庁にやつて見た。それは適当な官庁の或る部局を引抜きまして、約三千五百人の材料を取りまして、それで一度職階制というものをやつて見た。つまりそれらの内部においてどれだけの仕事がどういうふうに流れておつて、どんな人がやつておるかということを一度やりましたのでございますが、それは今の行政管理庁の前身の行政調査部でやりました。そこで試験、調査をやりまして、その結果表れましたものによりまして、我々は職階制というものが日本の官庁にもやれるのではないか、こういうふうに考えてこの職階制というものに聊か自信を持つて来て、この国家公務員法を取上げますときにこれを入れておる。こういう次第でございますから、ただ外国にありますものを盲目的にここに持つて来たというのではないのでありまして、一度やつて見てまあ大体行けそうだ、こういうふうに考えておる次第でございます。  それから次に従来の経験等のお話がございましたが、この試験と申しますのは、中国の人々を苦しめた科挙の制のようなものではございません。これは実力の考査ということでございますから必ずしても高等文官試験のようなものを一生繰返して上に上るというような考え方は毛頭ございません。ただそのポジシヨンに用いる能力があるかどうか、こういうことでございます。お示しの過去の経験というものも十分考えることになつております。又場合によりましては、試験の外に選考というようなことも用いられるようになつておることは国家公務員法にも規定されておる次第でございますから、御懸念のような点は私はないと存じております。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 現業関係の実情なんというものはどういうふうにお考えになつておりますか。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) それも十分考慮して作ることになつておるのでございます。

中井光次民主党

○委員長(中井光次君) ここでちよつと速記の都合がありますから速記を中止します。    午後二時二十八分速記中止    —————・—————    午後二時三十八分速記開始

中井光次民主党

○委員長(中井光次君) それでは速記が参りましたから、引続いて始めます。

寺尾博緑風会

○寺尾博君 総裁にお飼いいたしたいのですが、今回のこの法律は、一体この法律が成立いたしますと、職階制の実体は自由に人事院がお作りになるのですか。この公務員法第二十九條によれば「前三項に関する計画は、国会に提出して、その承認を得なければならない。」こういうことは、ここに出した職種一覽表のようなものを、これは暫定案となつておりますが、こういう種類のものを完全に作つて国会の承認を経るという段取りになるのでありますが、若しこの職階制の法律が今回成立しましたときは、これは暫定案としてあるけれども、相当各省の関係者によつて練られたということでありますが、例えばその一部の内容を見ますと、教育というところ、定二十五という頁あたりを見ると、教官というのが沢山ありますが、自分の関係方面の農業に関するところを探して見ますと、農芸化学という教官が一つ出ている。それ以外に農学に関係した教官というものが出ていない。それから動物学という教官があるが、植物学という教官がないようです。鉱物学もないようです。こういう点から見ると、これはどういう意味で編纂されているかということに非常に疑いを持つ。而してその職級名に対しては番号がついていて決つたもののごとき形に見える。ここにもはや他のものを差挾む余地がないかのごとき感もするのである。かような点に対する疑念をお話願いたいと思います。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) あとの分は係官からお答え申上げますが、二十九條それ自体についてちよつと率直にお話いたさなければならんと思つておるのでございますが、この二十九條は率直に申しまして実に分りにくい條文でございます。これは国会で修正が入りましたのと、それからあとで改正がなされましたので、非常に分りにくいものになつたのでございまするが、政府の第一回国会に提出しましたこの法案には第一項はなかつたのでございます。つまり職階制は法律で定めるという文字はなかつたのであります。従いましてこの職階制はすべて人事院規則でやるのだ、こういう形になつております。なぜそういうふうになつておりますかと申しますと、アメリカで初めて職階法を制定いたしましたところ、余り詳しく中に書き過ぎまして、ちよつとそれを変える、例えば新らしい官職ができましような場合にも、一々国会の議決を経なければどうにも動きが取れんというような経験がございまして、あとで修正などをいたしました経験上、この日本における職階制はすべて人事院規則でこれをやる、こういう建前が政府原案であつたのでございます。ところが国会におきまして、私は確か参議院であつたと存じますが、やはり職階制というものは、法律でなければいかん。国会の権限というものを職階制にも示すべきであるということで第一項が入つたように記憶しております。そこで第一項がございませんので、それじや国会は職階制に対して何も発言することはないのかということになりますと困りますので、そこで計画について国会に御承認を願う、こういう形になつておつたと思います。私の記憶では今正確ではありませんが、それであとで法律で職階制を決めるということになりますと、その外に改めて計画を国会の御承認を願うということは必要がないような形、法律即ち職階制の計画、こういうことになるのでございます。ところが第一回国会で二十九條を修正いたされましたときに、この計画というものは国家公務員法の施行前に国会に出せ、こういうことになつておつたのでございます。ところがそれは非常にむずかしいことでございまして、到底できない相談なのでございます。そこで国家公務員法を昨年改正いたしましたときに、この計画とは何ぞやということに関しまして立法解釈をいたしました。それが第四項の規定でございます。でございまするから、第三項はもはや効力を発揮してないも同然であろうと、こういうふうに思つている次第でございます。つまりこの第三項に申しまする計画は、即ち第四項にありますところの新給與法第十四條の職務分類、これが即ち計画である、こういうわけでございまするから、あとは職階法等を国会で出して御議決を願いますれば、即ちこの計画についても御承認を願つたということになろうと、私はその経偉に鑑みて考えている次第でございますから、別にこの法案の外に職種一覽表その他をお手許に出しまして、国会の御承認を経るという手続きはとならくてもいいのじやないかというわけでございます。勿論これを御参考にお見せして、いろいろ御意見を承るということは別問題でございますが、承認ということになりますと、これは正式の何か手続きが要るものではないと、こういうふうに私共は考えているのでございます。これは参議院といたされましてもどのように御解釈になるか知れませんが。経偉から見ると、そのようなふうに相成るのでございます。あと職種一覽表におきますお尋ねは係官から御説明申上げることにいたします。

尾之内由紀男人事院事務官(給與局職階課長)

○説明員(尾之内由紀男君) 教官のことにつきましてお答え申上げます。教官はここに大分挙げておりますが、御覽のように非常に数は少いのでございます。これは最初のこの「はし書」の第四頁の一番下にあとから註書で入つておりますが、一般職の中でも教育公務員特例法の適用を受けます官職については未だ職種を決めておりませんので、この職種一覽表から除外してございます。従いましてここに挙げております教官はそれ以外のもの、  即ち教育公務員法の適用を受けない一般職に属する教官、例えば水産講習所におけるそういう立場の先生、こういう方々が対象にして入つておりますから、中にはないものが大分多いと思います。  それから次の、番号が皆打つてありまして、その間には入る余地がない、こういうような御心配があるようでございますが、この職種一覽表につきましては、過日御説明申上げましたように、各省といろいろ打合せしてできたものでございますけれども、これは実を言いますと、職務調査を経てその上で……、まだ正式な職種別にはなつておりません。即いまして表にありますように暫定案となつております。然らばどういう方法で調べたかと申しますと、各省の関係官、我々とが大体そういう調査表を用いないで、むしろ頭の中でいろいろ相談いたしまして、こういうものがあるのではないかという形で作つたものでありまして、私共がいわゆる職級を付るために職務記述書を作つてやりまして、初めてこういう職種が確定して来るのであります。従いましてこの番号も尚変り得るものでありますし、又当然そういう際には変えなければならないものであります。ただ非常に職種が多いものでございますから、一応今の段階におきましても、或程度分り易いように番号を振つてある次第でございます。

寺尾博緑風会

○寺尾博君 只今総裁の説明を伺いましたところからすると、つまり職階制に関する今回提案の法律が成立した上においては、これを実施する職種、或いは職級の設定等はこれは人事院の権限である、国会はその内容には関與できない、こういう意味に解釈されるのでありますか。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) ちよつとお言葉が堅いのでございますけれども、つまりこの法案を御議決願うことが、即ち計画を御承認願うことであると、こういうことを言つたので、国会は一切あとは関與してはならないのかと抑せられますと、さようであるということは政府委員としてお答えしにくいのでございます。つまりそれは国権の最高機関たる国会の御意思を尊重する意味におきまして、そういうお答えはいたしかねる。いろいろ御意見を承ることは何でございますが、法律的にはあとは人事院規則でお任せを願つてやる、こういうことになろうかと思います。

寺尾博緑風会

○寺尾博君 私も法律的な意味なんで、法律的には全部人事院の権限である、こういう御解釈になつておるわけですか。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) さようでございます。

中井光次民主党

○委員長(中井光次君) 他に御質疑ございませんか。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 この間総裁にお尋ねしたことで、残つておることがあるのですが……。

中井光次民主党

○委員長(中井光次君) もう一簡單に述べて下さい。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 別な方向で一つ何しましよう。この職階というのは物差しである、こういうことはよくお聞きしたのですが、先ず公務員の能率を上げるために非常に大切なものであり、又そうしなければいかん。こういうふうに了承しております。そしてこれと給與というものとには全然関係ないというこの間お話を承わつたのですが、私はその能率と給與は表裏一体である。そこで別々でもよろしい、別々ならば、このような能率を挙げるために諮種の準備をされておる、いろいろその他においてもやつておられるのだが、一体それを能率を挙げるもつと根本的な給與の面については、まあ人事院の方でも考えておられる、おられるということだけを聞いておるのですが、この点については非常にもやもやとしておる。こういうような法律を出される半面においては、やはり平行して私は給與というものも出されるのが当然じやないかと、こういうように考えておるが、この点について一つどういうような御準備とお考えがあるか。これをお伺いしたい。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) 職階制と給與とは別だということは、職階制自体が給與と結び付かんでもできるとこういうことでございまするが、この職階制の目的の一つは給與と結付けることにもある。つまり給與準則というものを国家公務員法で規定しておりますが、これは同法の六十三條にも明らかでございまするように、職階制に適合した給與準則を立案し、これを国会及び内閣へ提出しなければならん、こう書いてありまするからこれはやがて職階と給與とは密接な表裏一体、木下さんの言われる表裏一体に結び付いた給與準則というものになるのでございますから、それを御了承願いたいと思います。ただこの給與準則は職階制と一緒に国会で御承認を願うわけには参りません。つまりこの職階制に関する法律を御議決願いまして、それによつて職階制の作業を急いで、でき上つたところでこの給與と結び付けて給與準則というものを国会に出して御議決を願いう。こういう手続きになつておりますから、多少そこに時間的のズレは出て参る。但し給與のことを一切考えないで、職階制というものだけで能事終れりとしているという意味ならば、そうでないということを申上げる他ございません。但しその給與準則を拵えますまで、それでは人事院は手を束ねて今の給與をそのままにして置くかと申しますると、それもそうではないのでありまして、現在におきましても、新聞紙等において御承知のごとく、又国会においても段々と御論議のありまするように、給與の問題につきましては非常に苦心をいたして、今一番何に苦心をしておるかと申せば給與の問題に苦心をしておる。こういう次第に相成るのであります。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 その点なんですが、人事院は只今の給與の問題には十分に関心を持たれることは、私は当然だと思うのです。併しながら予算に関する以上はこれはどうにもならんということも承知しております。  そこで私は人事院総裁にお聞きしたいことは、政府はしばしばこういうように答弁しておるのであります。いわゆる俸給を上げれば、賃金が上れば、物価も上つてインフレになる。インフレになるのだから賃金を上げないのだ、こう言つておるのであります。そこでこれはお聞したいのです。一体今日の給與というものは、いわゆるインフレ高進の要因になるだけであるか。贅沢なつまり賃金であるのが。私の考えでは、今日の賃金は生産に最低必要な生活すら賄い得ないからこそこれを改訂しなければならんと、かように考えておるのでありまして、賃金は即ち私は生産の要因だと、こう考えておるのであります。ところが賃金を上げれば物価が悪循環の、つまりインフレを高進するのだと、こういう政府は答弁をしておるのでありますが、人事院総裁においても今日の賃金の実情並びに賃金の性格がそういうインフレの高進の要因になると、こういうようにお考えになつておるかどうか。この点を一つお聞きしたいのであります。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) これは実に困つたお尋ねなんでございますが、人事院といたしましては、これがインフレに及ぼす影響、物価に及ぼす影響等の問題に発言する権限を持ちませんのでございます。つまりこれは内閣及び国会においてこそ御検討になり、御決定下さるべき筋合のものと存じております。人事院といたしましては、勧告をいたしまするのは、国家公務員法の二十八條の規定にございまするように、つまり給與を決定する諸條件に変化がございまして、俸給表に定める給與を百分の五以上増減する必要の認められたときに勧告をいたすだけでございます。そうして私は昨日衆議院の本会議で水谷さんの御質問に対してお答えをいたしましたが、これまで研究をいたして来たところによりますれば、給與を決定する諸條件に変化がございましたら、そうして俸給表に定める給與を百分の五以上増加する必要が生じたと認めまして、そこで人事院といたしましては、国会及び内閣に対してこの規定の勧告をいたす、このようなふうに相成つておりますので、それ以上これを経済問題或いは政治問題として如何にお取扱い下さいますかは、最終的には国会で一つ御決定を願いたいと思います。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 すでに勧告せられる條件が備わつておるのでありますが、これも只今総裁が言われたように、時間的ズレということで片付けられる問題ではない。一方やはり生きた者、生きなければならん者の面倒を見る。補正予算が提案されておることはすでに御承知の通りであります。補正予算の中には、人事院が意図されておる、ただ機械的に動いておるだけではなく意図されておるそういうベースについては何ら触れておらない。で私はこの国会中に人事院の勧言がありさえすれば、私共補正予算に対する態度もおのずから決定すると、かように考えるのであります。これは遅れて臨時国会が済んでからだということになれば、私共補正予算に対しても非常に力が弱いと思うのであります。人事院のつまり勧告される、それを実現するために、そこで実際にどういうように改訂のために準備を進められておるか、そうしていつそれを出すことができるのであるか、これを会期ももう迫つております。又たとえ延長いたしましても実に限られた日数しかございませんので、その点について期日、大体でよろしいから一つ期日をこの際お聞ききしたいと思うのであります。このことは單に法の示すところによつて移動の生じた場合にこれを勧告するというだけの機械的な問題ではなくして、一に公務員の幸福の問題と繋つておりますので、一つお聞きしたいと思います。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) 誠に御尤な御質疑でございまするが、ただいつ出すかということは、私はここで申上げかねるのでございます。実は日本午前の衆議院の人事委員会におきましても、委局その問題に集中攻撃をされたわけでございまするが、私といたしましては一日も早くこの勧告をいたしたいことに毛頭あれはないのでございまして、ただぼんやりといたしておるということは全然ございません。ただ勧告が今までなされておりませんのは、解決すべき少しの問題が尚残されておるのでございまして、これが解決いたしますれば、直ちに勧告をいたす、こういうことになるのでございまして、ただいつ勧告をするかということをここではつきりと申上げられませんことは誠に遺憾に存ずる次第でございます。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 勧告する諸條件の中で一部であろうと思いますが、それが解決しておらない、人事院のいろいろの事務上の手続上……。事務上のことですか、その点においては整つておるのでありますか、その点を一つ……。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) その事務上の手続と仰せられますのは、何をお指しになるのか分らんのでございまするけれども、ただ私の申上げた意味は尚解決すべき問題が少し残つておる、これが解決いたしませんと、勧告をいたす運びには相成りませんのでございまする。補正予算に遅れましたことは誠に申訳がないのでございますが、又一面から申しますると、この人事院は予算とは関係なしに勧告をいたせばよいのでございまして、予算のことは国会と内閣へお任せする限り仕方がないのでございますから、決して怠つておるわけではございません。このくらいで一つ御了承願いたいと思います。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 私はこの少し残つておる問題をこの際お聞きすることが若し必要であるとするならば、秘密会にして一つお聞きしたい、こういうふうにうに考えております。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) これはちよつとこの席上で申上げられませんし、別に何も隱し立てをいたしておるわけではございません。まだ少し解決したいところがございますので、そのために遅れておる次第でございまして、決して他意のあるわけではございません。尚ここで一つ或いはお疑いがあるやに思いますので申上げますけれども、内閣その他の方面におきまして、人事院に勧告をさせないような企てでもあるかとお思いでございましたならば、そういうことは決してございません。又そのような申入れその他を受けたこともございませんし、又それに応じようとも思つておらないのでございます。ただ総理大臣は方針の演説におかれまして、ベースは上げないと仰せになつておることは、しかと承つておりまするけれども、それとこれとは別問題でございまして、そういう御演説がございましようとも、人事院はこの二十八條の勧告の義務は果す所存でございます。決して内閣と談合いたしまして提出を遅らしておるとか、内閣からの申出によつて云々ということは絶対にございませんから、どうぞ御懸念のないようにお願いしたいと思います。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 今国会中には何とかなるかどうか、この点を一つお聞きしたいと思います。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) それは結局同じ言葉を繰返す次第になりますが、ただこのようなことをお答えいたしましても、木下さんにとつては気休めにしかならないかと思いますが、ちよつとここで申上げたいことがございます。それはこの二十八條によりますれば、毎年一回報告しなければならんということが書いてございます。この一年というのがどこに始まりどこに終るかということは、先ず木下さんにとつては気休めぐらいにしかならないのじやないかと思いますが、申上げるのでございますが、これはこの一年内に報告をする、この報告におきまして、私三通りしか結論は出ないと思つております。第一は今の給與は高くもない、低くもないという結論でございます。第二は今の給與は高過ぎるという結論でございます。第三は今の給與は低過ぎるという結論でございまして、人事院は今の給與は低過ぎるという結論を持つているということはすでに申上げた通りでございます。そこでこの一年内にこの報告を出しました。ただ低過ぎると申上げただけでは、何故それでは勧告しないかと木下さんは仰せられるに決まつているのでございまして、そこで結局この勧告と報告とが一緒になつて出る、この時期のずれが押えられておるわけなんでございます。どこにそれがあるかと申しますと、この第二十八條の改正が公布されましたのは去年の十二月三日でございます。それから一年と申しますれば、今年の十二月三日ということに相成ります。併し又この前の勧告というのは二度やつておりまするが、ちやんと正式に法律案をつけて両院へ勧告をいたしましたのが十二月十日でございます。それから一年と申せばこの十二月十日に相成ります。又これを暦年で御覽になりますれば、今年の十二月三十一日ということになります。又人事院規則によりまして、この二十八條が施行せられましたのが今年の一月八日でございまするから、それから一年と申しますれば、来年の一月八日になるかと思います。先ずこのくらいのことで一つ御勧弁を願いたいと思つております。

寺尾博緑風会

○寺尾博君 先程研究員のことで緊急にお伺いしたのでありますが、そのときにお伺い洩れておりましたのでお許しを願います。それはこの研究所においてはしばしば怪我がある。最近商工省の方から承つておるところの大阪工業研究所で毎日一人ぐらいづつ怪我がある。公務員法におきましても、九十三條でしたか、この傷害補償に関する項目があるわけなんですが、これは人事院においては成るべく早くこの傷害補償の法律を国会に提出されたい。この御用意はどのようなものがあるか。先程研究所において常にこれが問題になつておりますので、それに関係して現在においては恐らく労働基準法等の條項に従つて実施されておると思うのでありますけれども、この点に関する御説明をお伺いいたしたいと思います。

淺井清人事院総裁

○政府委員(淺井清君) 誠に適切なる御質疑でございますが、これは結局国家公務員災害補償法、これが必要なんでございます。で、これは実は人事院としては引継ぎまして目下鋭意これを研究中でございます。できればこの国会に出したいと思つておりましたのでございますが、或いは出せるようになるかと思いますが、或いはもう会期に間に合わんと思つておりますが、次の国会には必ずこれが提出されると思いまするから、それによつてその節又十分御審議を願いたいと思います。

中井光次民主党

○委員長(中井光次君) 他に御質問はございませんか。……一般の御質問がなければ、逐條に入つて行こうかと存じまするが……。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 本日はこの程度で一つ……。

中井光次民主党

○委員長(中井光次君) 今日は止めましようか。そうすると、明日は休まなければならんことになりますから…。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 月曜日に……。

中井光次民主党

○委員長(中井光次君) それでは月曜日に続行して逐條に入つてやるわけになります。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 まだ一般もあれば一般も……。

中井光次民主党

○委員長(中井光次君) 一般も結構です。  それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後三時十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     中井 光次君    理事            木下 源吾君            小串 清一君    委員            赤松 常子君            大山  安君            寺尾  博君            羽仁 五郎君            岩男 仁藏君   政府委員    人事院総裁   淺井  清君    人事院事務官    (法制局長)  岡部 史郎君   説明員    人事院事務官    (給與局職階課    長)     尾之内由紀男君

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